以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよく、始動領域に遊技媒体が進入した後、変動表示の開始条件の成立に基づいて各々を識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行ない表示結果を導出表示し、導出表示された表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は当り種別表である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5等が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン125(図3参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン125に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ121(図3参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122との取付位置が上下の位置関係にはなく、たとえば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
なお、本実施の形態では、遊技者が操作可能な操作手段の一例として、プッシュボタン120と、トリガボタン125を有するスティックコントローラ122とを設けた例を示した。しかし、これに限らず、操作手段としては、プッシュボタン120とスティックコントローラ122とのいずれか1つのみを設けてもよい。また、操作手段としては、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な演出表示装置9が設けられている。遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示等の各種画像を表示する表示領域が設けられる。このような表示領域には、たとえば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示領域が形成される。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
第1特別図柄表示器8aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置9においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示領域で同じ図柄が停止し、中の図柄表示領域で図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示領域で停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチ(ノーマルリーチ)に比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。また、リーチの中には、特別なスーパーリーチ以外のリーチとして、基本的なリーチであるノーマルリーチが含まれている。ノーマルリーチは、スーパーリーチよりも大当りが発生しにくいように設定されたものである。
この実施の形態において、スーパーリーチにおいては、リーチ図柄が形成された後、所定の動画(たとえば、所定のキャラクタ動画等の動画)を表示した後、表示結果導出表示前の最終的な演出表示において、変動中の中演出図柄をスクロールさせる演出等の遊技者の期待感を向上させるような複雑な演出表示が実行される。また、ノーマルリーチにおいては、リーチ図柄が形成された後、前述の動画を表示せずに背景画像(図柄の背景を構成する画像)の種類をリーチ状態となる前に表示されていた画像とは異ならせるような比較的簡素な演出表示が実行される。このようなノーマルリーチでは、たとえば、中図柄の最終停止図柄の停止表示前のスクロール状態において、たとえば、3図柄前等の任意の図柄数(図柄配列数)前の図柄から変動表示速度を減速する演出が行なわれることにより、表示結果導出表示前の最終的な演出表示が行なわれる。なお、ノーマルリーチでは、その他の演出表示が行なわれる場合もある。
演出表示装置9の右方には、各々を識別可能な識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)8aが設けられている。第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、各々を識別可能な識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件(第1実行条件)または第2始動条件(第2実行条件)が成立(たとえば、遊技球が始動入賞領域としての第1始動入賞口63、または、第2始動入賞口64もしくは第3始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。また、第1始動入賞口63、第2始動入賞口64、および、第3始動入賞口14のような始動領域に遊技球が進入したにもかかわらず未だ開始条件が成立していない変動表示について、所定の上限数の範囲内で情報を記憶することが保留記憶と呼ばれる。また、このような保留記憶という用語は、保留記憶された情報を示す(特定する)場合にも用いられる。
第1始動入賞口63への遊技球の始動入賞は、第1特別図柄の変動表示のきっかけとなるので第1始動入賞と呼ばれ、第2始動入賞口64への遊技球の始動入賞、および、第3始動入賞口14への遊技球の始動入賞は、第2特別図柄の変動表示のきっかけとなるので第2始動入賞と呼ばれる場合がある。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口63および第2始動入賞口64を有する振分け入賞装置60が設けられている。振分け入賞装置60は、上部に遊技球が進入可能な受入口68が設けられ、受入口68から進入した遊技球を1球ずつ第1始動入賞口63と第2始動入賞口64とに交合に誘導する入賞装置である。
振分け入賞装置60には、透明の樹脂製のケース内において、正面から見て左側に、第1開口部61から下方の第1始動入賞口63まで遊技球を誘導する第1誘導経路65が設けられ、正面から見て右側に、第2開口部62から下方の第2始動入賞口64まで遊技球を誘導する第2誘導経路66が設けられている。また、振分け入賞装置60では、ケース内において、第1開口部61と、第2開口部62との間の中間点の上方の位置に、受入口68からケースの内部に進入した遊技球を第1開口部61と第2開口部62とに1球ずつ交互に振分ける振分け部材67が設けられている。振分け部材67は、受入口68から進入した遊技球を第1開口部61または第2開口部62に誘導可能な態様で設けられている。
振分け部材67は、受入口68からケースの内部に進入した遊技球をどちらか一方に1個保持可能な凹部が形成された第1保持部67aと第2保持部67bとが隣接して設けられ、遊技盤6の盤面に対して垂直方向に設けられた回動軸67cを中心として左回りおよび右回りにそれぞれ所定角度(保持した遊技球を第1開口部61または第2開口部62に送出誘導するに必要な角度)だけ回動可能な部材である。
このような振分け部材67は、静止した状態で、第1保持部67aと第2保持部67bとのどちらかが上方の受入口68に臨み、受入口68から受入れられた遊技球を保持可能な態様となる。そして、振分け部材67では、第1保持部67aが遊技球を保持すると、遊技球の自重により左回りに所定角度回動し、保持した遊技球が第1開口部61へ向けて送出され、遊技球が第1開口部61に必ず誘導される。このように、第1保持部67aが遊技球を送出可能な所定角度だけ左回りに回動すると、第2保持部67bが受入口68から受入れられた遊技球を保持可能な態様となる。そして、振分け部材67では、第2保持部67bが遊技球を保持すると、遊技球の自重により右回りに所定角度回動し、保持した遊技球が第2開口部62へ向けて送出され、遊技球が第2開口部62に必ず誘導される。このように、第2保持部67bが遊技球を放出可能な所定角度だけ右回りに回動すると、第1保持部67aが受入口68から受入れられた遊技球を保持可能な態様となる。
このような構成により、振分け入賞装置60において、進入した遊技球は、振分け部材67によって、1個ずつ交互に、第1始動入賞口63内と第2始動入賞口64内とに誘導される。第1開口部61に誘導された遊技球は第1始動入賞口63に必ず誘導され、第2開口部61に誘導された遊技球は第2始動入賞口64に必ず誘導される。これにより、振分け入賞装置60では、受け入れられた遊技球により、第1始動入賞と、第2始動入賞とが交互に生じることとなる。第1始動入賞口63に入賞した遊技球は、第1始動口スイッチ13aによって検出される。第2始動入賞口64に入賞した遊技球は、第2始動口スイッチ14aによって検出される。
そして、この実施形態では、後述するように、始動入賞記憶が入賞順番にしたがって変動表示に用いられるので、低ベース状態のように、主に振分け入賞装置60を狙って遊技球が打込まれる場合には、振分け入賞装置60に遊技球が進入することにより、第1始動入賞に基づく第1特別図柄の変動表示と、第2始動入賞に基づく第2特別図柄の変動表示とが交互に実行されることになる。
なお、この実施の形態では、遊技球の自重により遊技球を振分けることにより動力源を必要としない振分け入賞装置60を設けた例を示した。しかし、これに限らず、第1保持部67aと、第2保持部67bとのそれぞれに遊技球が保持されていることを検出するセンサを設け、振分け部材67をモータまたはソレノイド等の駆動源により駆動する構成を採用してもよい。たとえば、このようなセンサにより第1保持部67aに遊技球が保持されていることが検出されたときに振分け部材67を前述のように左回りに所定角度駆動し、当該センサにより第2保持部67bに遊技球が保持されていることが検出されたときに振分け部材67を前述のように右回りに所定角度駆動することにより、遊技球を1個ずつ交互に第1始動入賞口63と第2始動入賞口64とに誘導するようにしてもよい。
演出表示装置9の右方には、遊技球が通過可能なゲート32が設けられている。ゲート32には、通過した遊技球を検出可能なゲートスイッチ32aが設けられている。ゲート32の下方には、遊技球が入賞可能な第3始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第3始動入賞口(第3始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第3始動口スイッチ14bによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第3始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、振分け入賞装置60よりも、第3始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第3始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第3始動入賞口14よりも、可変入賞球装置15に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口63と第2始動入賞口64と第3始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口64および第3始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口63に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口63に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1特別図柄の変動表示が開始可能となる第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口63への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口64に入り第2始動口スイッチ14aで検出されるか、または、遊技球が第3始動入賞口14に入り第3始動口スイッチ14bで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2特別図柄の変動表示が開始可能となる第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口64または第3始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当り表示結果として大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶と、第2保留記憶とを入賞順番に従って表示する保留記憶表示部を表示する領域が設けられることにより、第1保留記憶と、第2保留記憶とについて、合算保留記憶数が表示されるとともに、入賞順番についても表示される。なお、保留記憶表示部の代わりに、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部と、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部とを別に分けて表示するようにしてもよい。
また、図1に示すように、演出表示装置9の右方に設けられた可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
演出表示装置9の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図2の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。図2に示すように、この実施の形態では、ラウンド数が異なる大当り遊技状態として、15ラウンドの大当り遊技状態と2ラウンドの大当り遊技状態との複数種類の大当り遊技状態が設けられている。
具体的に、15ラウンドの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
また、2ラウンドの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば0.5秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる2ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
このように、2ラウンドの大当りは、大入賞口の開放回数が15ラウンドよりも少ない回数(この実施の形態では2回)まで許容されるが、大入賞口の開放時間が短い(たとえば、0.5秒間)大当り種類(種別)である。また、本実施の形態の場合は、2ラウンドの大当りとして、大入賞口の開放時間が極めて短く(0.5秒間)、実質的に大入賞口に入賞することが不可能であり、実質的に賞球(入賞に対して払出される景品球)が得られない当りが設けられている。
なお、2ラウンドの大当りとしては、実質的に賞球が得られない当りのみを設けてもよく、賞球を得ることができる当りのみを設けてもよく、実質的に賞球が得られない当りと賞球を得ることができる当りとの両方を設けてもよい。
「大当り」のうち、15ラウンドまたは2ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。本実施の形態では、15ラウンドの確変大当りを「確変大当り」と呼び、2ラウンドの確変大当りを後述するような理由で「突確大当り」と呼ぶ。また、本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。
なお、「大当り」のうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第3始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。また、このような制御によって第3始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
このような電チューサポート制御により第3始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
この実施の形態においては、高確率状態に制御されたときに、時短状態および高ベース状態に制御されるが、時短状態および高ベース状態は、制御の開始条件および終了条件が同じであるので、時短状態および高ベースに制御されている状態を、時短状態という用語で代表して示す場合があり、高ベース状態という用語で代表して示す場合がある。
図2に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。また、2ラウンドの大当りとしては、突然確変大当り(以下、突確大当りという略称で呼ぶ)が設けられている。
通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、非時短状態、および、低ベース状態(低確低ベース状態)に制御される大当りである。
確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
突確大当りは、2ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
突確大当りは、ラウンド数が少なく(2回)、大入賞口の開放時間が極めて短い態様(0.5秒間開放)で大入賞口が開放されることにより、大当り遊技状態の終了後に確変状態となったことを報知する場合に、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せることが可能なものであり、「突然確変大当り」と呼ばれる。また、「突然確変大当り」は、「突確」という略称で呼ばれる場合もある。突確大当りは、大当り遊技状態において、0.5秒間の開放が2回しか行なわれないため、実質的に第入賞口への入賞が得られず賞球が得られない当りである。また、突確大当りの代わりに、実質的に賞球が得られる開放パターンで大入賞口が開放される2ラウンドの確変大当りを設けてもよい。
なお、大当りの他に、突確大当りと同様の開放回数および開放時間による開放パターンで大入賞口を開放する小当りを設けてもよい。小当りとなったときには、小当り遊技状態終了後に、大当り確率とベースとがともに、小当り遊技状態の開始前に対して変更されないようにする。このような小当りを設ければ、突確大当りと小当りとのそれぞれの当り遊技状態の終了後に確変状態となっているか否かを報知しないときには、開放パターンを見て突確大当りと小当りとのいずれが実行されたことが遊技者に認識されてしまったときでも、同じ開放パターンとなる当りが2種類あるので、確変状態となっているか否かが遊技者にとって把握しにくいものとなるため、実際には確変状態となっていないときでも遊技者の確変状態に対する期待感を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
この実施の形態のパチンコ遊技機1は、遊技者が打球操作ハンドル5の操作量を調整することにより発射強度が調整され、遊技球を遊技領域7の左領域(演出表示装置9の左側の領域)または右領域(演出表示装置9の右側の領域)へ打分けることが可能である。遊技領域7の左側領域に遊技球を打込むことは、「左打ち」と呼ばれる。遊技領域7の右側領域に遊技球を打込むことは、「右打ち」と呼ばれる。また、この実施の形態のパチンコ遊技機1は、ゲート32、可変入賞球装置15、および、特別可変入賞球装置20が遊技領域7の右領域に設けられていること等により、遊技者が遊技状態に応じて、「右打ち」と「左打ち」とを使い分けることにより、遊技者にとって有利な状態に制御されやすくなるように構成されている。
低確低ベース状態(通常状態)のような低ベース状態においては、時短状態に付随する高ベース状態よりと比べて可変入賞球装置15が開状態になりにくく、第1始動入賞口13の方が第2始動入賞口14よりも遊技球が進入しやすい。その理由は、可変入賞球装置15は入賞口が開閉するものであって閉状態では遊技球が進入不可能であり、低ベース状態では高ベース状態と比べて開状態となりにくいが、振分け入賞装置60は入賞口が常に遊技球が進入可能に構成されているからである。したがって、低確低ベース状態においてより多数の始動入賞を得たい場合に、遊技者は、振分け入賞装置60の受入口68を狙って「左打ち」をすればよい。これは、演出表示装置9の左側の領域は、右側の領域のようにゲート32および可変入賞球装置15が設けられておらず、右側の領域よりも、遊技球が振分け入賞装置60に遊技球が誘導されやすいからである。
また、高確高ベース状態のような大当り遊技状態後の時短状態に付随する高ベース状態においては、電チューサポート制御等により、低ベース状態よりと比べて可変入賞球装置15が開状態になりやすく、可変入賞球装置15の方が振分け入賞装置60よりも遊技球が進入しやすい。したがって、大当り遊技状態後の高ベース状態においてより多数の始動入賞を得たい場合に、可変入賞球装置15を開状態にするために、演出表示装置9の右側の領域に設けられたゲート32を狙って「右打ち」をすればよい。
また、大当り遊技状態となって特別可変入賞球装置20が開放される状態においては、特別可変入賞球装置20を狙って「右打ち」をすればよい。
なお、振分け入賞装置60を設けず、変入賞球装置15および特別可変入賞球装置20を演出表示装置9の下方に設けるとともに、ゲート32を遊技領域7の左側の領域または右側の領域に設けてもよい。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、第3始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
図4は、各乱数(ランダムカウンタ)を示す説明図である。図4においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、通常大当り、確変大当り、および、突確大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、通常大当り、確変大当り、および、突確大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(ランダムR)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。
この実施の形態では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴なう変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでも変動パターン種別のうち最も変動時間が短いノーマルリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
なお、このような変動パターン種別は、変動表示をする特別図柄の保留記憶数(第1特別図柄と第2特別図柄との合算保留記憶数)が所定数以上であるときと、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときには、各特別図柄の保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御が実行される。たとえば、保留数短縮制御状態では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、通常変動パターン種別のような変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでもノーマルリーチのような変動時間が短いリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されることで、保留数短縮制御状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
図5は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図5(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図5(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図5(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(B)は、遊技球が第1始動入賞口63に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図5(C)は、遊技球が第2始動入賞口64または第3始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図5(B)、および、図5(C)の特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突確大当り」のうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突確大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図5(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。「突確大当り」に対応した判定値は、第2特別図柄の大当り図柄の「5」に対応した判定値としても設定されている。
このような大当り種別大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルとでは、高確率状態となる大当りに決定される割合が同じであるが、第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、大当り遊技状態におけるラウンド数が多い大当り(15ラウンドの大当り)が選択される割合が高く、また、大当り遊技状態における実質的な入賞可能数が多い大当り(15ラウンドの大当り)が選択される割合が高い。したがって、第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも、大当りとなったときに、大入賞口への入賞に関して遊技者にとって有利度合いが高い(たとえば、実質的に入賞可能なラウンド数が多い、実質的な入賞可能数が多い等)有利状態としての大当り遊技状態に制御される。
なお、この実施の形態では、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルにおいて、突確大当りが選択されない例を示した。しかし、これに限らず、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルにおいては、突確大当りが選択可能であるが、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも突確大当りの選択割合が高くなるようにデータを設定してもよい。
図6は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図6においては、演出制御コマンドについて具体的なコマンドデータと、コマンドの名称およびコマンドの指定内容との関係が示されている。演出制御コマンドの遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図6に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
図6のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。複数の変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C04(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定する図柄確定指定コマンドである。
コマンドA001〜A003(H)は、大当りの種別(通常大当り、確変大当り、突確大当り)ごとに大当り遊技状態の開始を指定する大当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A303(H)は、大当りの種別(通常大当り、確変大当り、突確大当り)ごとに大当り遊技状態の終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確率/低ベース状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを指定する時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを指定する確変状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数(合算保留記憶数)を指定する合算保留記憶数指定コマンドである。コマンドC0XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC100(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、保留記憶数を指定するコマンドとして、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信する場合を示しているが、第1保留記憶と第2保留記憶とのうち増加した方の保留記憶数を指定するコマンドを送信するように構成してもよい。具体的には、第1保留記憶が増加した場合に第1保留記憶数を指定する第1保留記憶数指定コマンドを送信し、第2保留記憶が増加した場合に第2保留記憶数を指定する第2保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、保留記憶情報として、第1始動入賞口63と、第2始動入賞口64、または、第3始動入賞口14とのいずれに始動入賞したかを指定する始動入賞指定コマンドを送信するとともに、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信する場合を示しているが、保留記憶情報として送信する演出制御コマンドは、この実施の形態で示したものに限られない。たとえば、保留記憶数が増加したときに、第1保留記憶数または第2保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1保留記憶数または第2保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口63、第2始動入賞口64、または、第3始動入賞口14への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
この実施の形態では、後述する入賞時演出処理(図11参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。また、変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、表示結果が大当りとなるか否か、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づいて、変動パターン種別を認識できる。
図7は、遊技制御用マイクロコンピュータ560における保留記憶バッファの構成例を示す説明図である。
図7(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。保留特定領域は、RAM55に形成(RAM55内の領域である)され、図7(A)に示すように、合算保留記憶数を計数する合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。図7(A)には、合計保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。
図7(A)に示すように、保留特定領域には、第1始動入賞口63、または、第2始動入賞口64もしくは第3始動入賞口14への入賞に基づいて入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留特定領域には、第1始動入賞口63、および、第2始動入賞口64もしくは第3始動入賞口14への入賞順を特定可能なデータが記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
図7(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する保存領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図7(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
第1始動入賞口63、第2始動入賞口64、または、第3始動入賞口14への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口63への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口64、または、第3始動入賞口14への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
このように第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)は、始動入賞時において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
このように保留特定領域および保存領域に記憶されたデータは、後述するように、始動入賞時に読出されて先読み予告演出のために用いられるとともに、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。
この実施の形態において、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に対応して行なわれる演出図柄の演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、演出図柄の変動表示動作、リーチ演出等における演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出動作というような、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。また、予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図8は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図8に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数(ランダム4)および大当り種別判定用乱数(ランダム1)等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数(ランダム4初期値決定用乱数等)、および、表示用乱数(ランダム2,3)を生成するためのランダムカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、および、大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図9は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S311)。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560において、RAM55には、第1始動入賞口63への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口64または第3始動入賞口14への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。これら各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ14aまたは第3始動口スイッチ14bがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。
以下の保留記憶に関する説明に関しては、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。また、第1保留記憶バッファに記憶される数値データを第1保留記憶情報と呼び、第2保留記憶バッファに記憶される数値データを第2保留記憶情報と呼ぶ場合がある。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定(変動パターン種別判定用乱数および変動パターン判定用乱数を用いた変動パターンの決定)、および、決定された変動パターンに応じて変動時間を計時するための変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示演出用の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御、および、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理(S305)に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理(S307)に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
図10は、S311の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、S1222に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1222に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1214)。また、CPU56は、図7で説明した第1始動入賞口63、および、第2始動入賞口64または第3始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S1215)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口63に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aまたは第3始動口スイッチ14bがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。たとえば、CPU56は、図7に示す保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aまたは第3始動口スイッチ14bがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図7(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口63、または、第2始動入賞口64もしくは第3始動入賞口14への入賞に基づき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口63、または、第2始動入賞口64もしくは第3始動入賞口14への入賞順番が記憶される。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図7(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1216)。S1216の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S1217)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて、図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1218)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1219)。また、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1220)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1221)。
S1218,S1219の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第1始動入賞口63に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方が、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
また、この実施の形態では、S1218〜S1221の処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aまたは第3始動口スイッチ14bがオン状態であるか否かを確認する(S1222)。第2始動口スイッチ14aまたは第3始動口スイッチ14bがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aまたは第3始動口スイッチ14bがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(S1223)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1224)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1225)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(S1226)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図7(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1227)。なお、S1227の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、入賞時演出処理を実行する(S1228)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1229)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1230)。また、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1231)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1232)。
S1229,S1230の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)CPU56は、第2始動入賞口16または第3始動入賞口14に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1229〜S1232の処理が実行されることによって、第2始動入賞口64または第3始動入賞口14への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
図11は、S1217,S1228の入賞時演出処理を示すフローチャートである。入賞時演出処理では、CPU56は、まず、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図5(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S220)。この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、特別図柄通常処理において大当りとするか否か、および大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターン(変動パターン種別の決定も含む)を決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口63、または、第2始動入賞口64もしくは第3始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞に基づく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、予め大当りとなるか否か、および、大当りの種別、変動パターンを先読み判定する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前に予め変動表示結果を予測し、後述するように、入賞時の判定結果に基づいて、演出制御用CPU101によって演出図柄の変動表示中に大当りとなること(大当りとなる可能性)を予告する先読み予告を実行する。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示および第2特別図柄の変動表示の両方を対象として先読み予告を実行する例を説明するが、低ベース状態中は第1特別図柄のみを対象として先読み予告を実行可能とし、高ベース状態中は第2特別図柄のみを対象として先読み予告を実行可能とするようにしてもよい。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(S220のN)、CPU56は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(S221)。確変フラグがセットされていれば、CPU56は、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図5(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S222)。なお、始動入賞時にS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(たとえば、変動回数により遊技状態が変わる場合に、確変状態開始後の変動回数が100回までと100回より後とで確変状態から通常状態へと遊技状態が変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にS221で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して遊技状態が変更されるか否かを判断し、変更後の遊技状態に基づいて始動入賞時の判定を行なうようにしてもよい。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(S222のN)、CPU56は、「はずれ」となることを示すEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行なう(S223)。これにより、「はずれ」となることを示す図柄指定コマンドが始動入賞時に出力されることとなる。
S220またはS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、S1216,S1227で抽出した大当り種別決定用乱数(ランダム1)に基づいて大当りの種別を判定する(S224)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口63への始動入賞があった場合(S1217の入賞時演出処理を実行する場合)には、図5(B)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」、または、「突確大当り」のいずれとなるかを判定する。また、第2始動入賞口16または第3始動入賞口14への始動入賞があった場合(S1228の入賞時演出処理を実行する場合)には、図5(C)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて大当り種別が「通常大当り」、または、「確変大当り」のいずれとなるかを判定する。
次に、CPU56は、大当り種別の判定結果に応じたEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行なう(S225)。たとえば、「通常大当り」となると判定した場合に、CPU56は、「通常大当り」となることを示すEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行なう。また、「確変大当り」となると判定した場合に、CPU56は、「確変大当り」となることを示すEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行なう。また、「突確大当り」となると判定した場合に、CPU56は、「突確大当り」となることを示すEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行なう。これにより、大当りとなるときは、始動入賞時に、「通常大当り」、「確変大当り」、または、「突確大当り」となることを示す図柄指定コマンドが出力されることとなる。
次に、CPU56は、S1216,S1227で抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて、S223、S225で設定された各表示結果、および、遊技状態に応じた変動パターンを判定する(S226)。たとえば、この実施形態では、大当りとなるか否か、および、時短状態であるか否かに応じて、変動パターン種別を決定するために用いるテーブルが異なっているので、S226では、変動パターンの判定対象となる保留記憶データについて、時短フラグ(時短状態に制御されるときにセットされるフラグ)のような遊技状態を示すデータに基づいて、当該保留記憶データに基づく変動表示が実行されるときの遊技状態を認識し、当該保留記憶データに基づく変動表示の表示結果等に基づいて、前記した変動パターンの決定に用いるテーブルを選択し、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターンを判定する。
そして、CPU56は、決定結果に応じたEXTデータを変動種別コマンドに設定する処理を行なう(S227)。これにより、始動入賞時には、変動種別を示す変動種別コマンドが出力されることとなる。
なお、始動入賞時にS221により確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間には、複数回の変動表示が実行される可能性がある。そのため、S221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(たとえば、変動回数により遊技状態が変わる場合に、変動回数が100回までと100回より後とで確変状態から通常状態へと遊技状態が変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にS222で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態とは、必ずしも一致するとは限らない。そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態に基づいて始動入賞時の判定を行なうようにしてもよい。また、大当りの判定対象となる保留記憶データについて、確変回数カウンタ、および、時短回数カウンタのような遊技状態を示すデータに基づいて、当該保留記憶データに基づく変動表示が実行されるときの遊技状態を認識して、当該保留記憶データに基づく変動表示の表示結果等に基づいて、前記した変動パターンの決定に用いるテーブルを選択し、大当り種別判定用乱数(ランダムR)を用いて大当り判定をするようにしてもよい。
また、始動入賞時にS226により時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間には、複数回の変動表示が実行される可能性がある。そのため、S226で時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(たとえば、変動回数により遊技状態が変わる場合に、変動回数が100回までと100回より後とで時短状態から通常状態へと遊技状態が変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にS226で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態とは、必ずしも一致するとは限らない。そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態に基づいて始動入賞時の判定を行なうようにしてもよい。また、変動パターンの判定対象となる保留記憶データについて、時短回数カウンタのような遊技状態を示すデータに基づいて、当該保留記憶データに基づく変動表示が実行されるときの遊技状態を認識して、当該保留記憶データに基づく変動表示の表示結果等に基づいて、前記した変動パターンの決定に用いるテーブルを選択し、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を判定するようにしてもよい。
図12は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるかどうかを確認する(S51)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、処理を終了する。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには、CPU56は、保留特定領域(図7(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(S52)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(S52のN)、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S54)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(S52のY)、CPU103は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S53)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。
S52〜S54の処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1始動入賞口63と、第2始動入賞口64または第3始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順にしたがって、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される。なお、たとえば高ベース状態のように第2始動入賞が生じやすいときには、第2保留記憶を第1保留記憶よりも優先して変動表示に用いるようにしてもよい。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
RAM55に形成され合算保留記憶数を計数する合計保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S57)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口63を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または、第2始動入賞口64または第3始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、保留記憶バッファからランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S61)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS1216や始動口スイッチ通過処理のS1227で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図5参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当り判定の処理を行ない、遊技状態が通常遊態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当り判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S61のY)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的に、確変フラグは、確変大当りまたは突確大当りとなったときに、大当り終了処理(図10のS307)においてセットされ、その後、次回の大当りが決定されたという条件、または、はずれ表示結果となる変動表示が所定回数(たとえば100回)が実行されたという条件が成立したときに、特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S61のN)、後述するS75に進む。
S61において大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの大当り判定値に一致すればCPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定用テーブルおよび図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルのうち、いずれかのテーブルを選択する(S72)。具体的に、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図5(B)に示す第1特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合において、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、始動口スイッチ通過処理で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り種別判定用乱数を読出し、S72で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、保留記憶バッファに格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別および大当り図柄を決定する(S73)。
図5(B),(C)に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄については、大当り種別ごとに大当り図柄が異なるように大当り種別と大当り図柄との関係が設定されており、大当り種別と大当り図柄とが同時に決定されるので、大当り図柄と、大当り種別に応じた遊技制御との対応関係が単純化するため、遊技制御の複雑化を防ぐことができる。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示大当り種別データをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。たとえば、大当り種別が「通常大当り」の場合には、大当り種別データとして「01」が設定される。大当り種別が「確変大当り」の場合には、大当り種別データとして「02」が設定される。大当り種別が「突確大当り」の場合には、大当り種別データとして「03」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を設定する(S75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄として設定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、S73により決定された大当り図柄を特別図柄の停止図柄に設定する。すなわち、大当り種別が「確変大当り」に決定されたときには「7」を特別図柄の停止図柄に設定する。大当り種別が「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当り種別が「突確大当り」に決定した場合には「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
パチンコ遊技機1においては、大当りとなることを予告する予告演出として、特定変動予告演出と、先読み予告演出とが実行される。特定変動予告演出は、予告対象となる変動表示の開始時に、予告対象の保留記憶情報により特定される大当り判定等の判定結果(S61〜S74)に基づいて、予告をする先読演出である。また、先読み予告演出は、予告対象となる変動表示の開始前に、予告対象の保留記憶情報により特定される始動入賞時における大当り判定等の判定結果(S1217,S1228)を先読みして、予告をする予告演出である。
次に、先読み予告演出の具体例を説明する。本実施の形態では、先読み予告演出として、連続予告演出が実行される。図13は、連続予告演出の実行例を示すタイミングチャートである。図14は、連続予告演出の実行例を示す演出表示装置9の表示画面図である。図14においては、連続予告演出を明確に説明するために、変動表示が行なわれる演出図柄の表示は省略している。
図13においては、(A)保留記憶と、(C)第1連続予告と、(B)第2連続予告との関係の一例が示されている。図13の例では、図中4つ目の保留記憶に基づいて(予告対象として)、図中2つ目の保留記憶に基づいて変動表示が実行される前に、第1連続予告および第2連続予告の両方の連続予告が開始され、これらが並行して実行されているときに、図中7つ目の保留記憶に基づいて(予告対象として)、図中4つ目の保留記憶に基づいて変動表示が実行される前に、実行されている連続予告の実行回数を増加させる決定(継続させる決定)がされた例が示されている。
連続予告演出としては、第1演出態様で行なわれる第1連続予告と、第2演出態様で行なわれる第2連続予告とのいずれか一方または両方が実行される。ここで連続予告は、大当りとなる変動表示を予告対象として、当該変動表示が実行されるまでの複数回の変動表示(当該変動表示を含んでもよく、当該変動表示を含まなくてもよい)に亘って連続的に(変動表示ごとに)所定の演出を行なうことにより大当りとなる旨を事前に報知する予告である。この実施の形態では、予告対象となる保留記憶に基づく変動表示を含む複数回の変動表示に亘り予告演出が実行される連続予告演出が実行される例が示されている。
連続予告演出は、複数種類の予告演出が、第1連続予告と第2連続予告とに分けられている。第1連続予告は、第2連続予告と比べて、予告演出が行なわれていることを遊技者が認識しやすい演出態様の予告演出である。第1連続予告には、カウントダウン予告、チャンス目予告、および、ストーリー予告が含まれている。第2連続予告には、背景移行予告、および、モード移行予告が含まれている。
ここで、予告演出についての認識しやすい演出態様とは、演出態様を比較したときに遊技者が感覚により認識しやすい(たとえば目立ちやすい)演出態様をいう。たとえば、画像のみによる演出態様と、画像による演出に、発光体による演出、音による演出等のその他の演出を加えた演出態様とを比較した場合には、画像による演出にその他の演出を加えた演出の方が認識しやすい。また、予告演出に用いる画像の大きさが異なる演出態様を比較した場合には、大きい画像を用いる演出の方が認識しやすい。また、予告演出に用いる画像の明るさが異なる演出態様を比較した場合には、明るい画像を用いる演出の方が認識しやすい。また、予告演出に用いる画像の彩度が異なる演出態様を比較した場合には、彩度が高い(鮮やか)演出の方が認識しやすい。また、背景画像を用いる演出と当該背景画像の前面側に表示される前面画像を用いる演出と比較した場合には、目立ちやすい前面画像を用いる演出の方が認識しやすい。また、演出の実行時間が短い演出と、演出の実行時間が長い演出とを比較した場合には、演出内容を短期に把握しやすい実行時間が短い演出の方が認識しやすい。このように、予告演出についての認識しやすい演出態様とは、演出態様を比較したときに遊技者が五感による感覚により認識しやすい演出態様をいう。
カウントダウン予告は、複数回の変動表示に亘って連続した態様でカウントダウンをしていく予告演出であり、演出図柄の変動表示が行なわれるごとに数値をカウントダウン(たとえば、3→2→1→0というようなカウントダウン)することにより予告対象に向けたカウントダウンを行なうことにより、大当りとなる可能性を予告するものである。なお、カウントダウン予告は、数字に限らず、たとえば「AAA→AA→A」というように、所定の文字列を用いて行なうようにしてもよい。
チャンス目予告は、複数回の変動表示に亘って連続した態様でチャンス目を表示していく予告演出である。ここで、チャンス目とは、たとえば、左,中,右図柄が「667」というような大当りおよびリーチとならない図柄の組合せであって、チャンスとなることを特定する図柄の組合せとして予め定められた図柄である。チャンス目予告に設けられるチャンス目は、前述のような突確大当りとなるときに表示されるチャンス目とは異なるチャンス目が用いられることにより、演出の混同が生じないように設定されている。チャンス目予告では、演出図柄の変動表示が行なわれるごとに予め定められたチャンス目(毎回同じチャンス目でもよく、色、形状等の視覚的に関連性があるものでもよい)を表示することにより大当りとなる可能性が予告される。
ストーリー予告は、複数回の変動表示に亘って連続した態様で所定のストーリーを表示していく予告演出である。ここで、ストーリーは、所定の物語、および、所定のスポーツの試合の展開等、所定のストーリー性を持つ演出であればどのようなものでもよい。ストーリー予告では、演出図柄の変動表示が行なわれるごとにストーリーが展開する表示をすることにより大当りとなる可能性が予告される。
背景移行予告は、複数回の変動表示に亘って連続した態様で、背景画像(演出図柄の背景を構成する画像)として、通常的に表示される通常背景画像から、当該通常背景画像とは異なる特別な背景画像に移行する予告演出である。ここで、特別な背景画像としては、通常画像と色が異なるもの、通常画像と明るさが異なるもの、および、通常画像とは風景が異なるもの等、通常背景画像とは異なる背景画像であればどのようなものでもよい。背景移行予告では、複数回の変動表示に亘って連続して同じ特別な背景画像が表示されることにより大当りとなる可能性が予告される。
モード移行予告は、複数回の変動表示に亘って連続した態様で、演出モードとして、通常の通常演出モードから、当該通常演出モードとは異なる特別な演出モードに移行する予告演出である。ここで、特別な演出モードとしては、通常演出モードでは出現しないキャラクタを表示する等、通常演出モードと異なる演出モードであれば、どのような演出モードでもよい。演出モード移行予告では、複数回の変動表示に亘って連続して同じ特別な演出モードでの表示がされることにより大当りとなる可能性が予告される。なお、特別な演出モードとしては、通常演出モードとは異なる複数種類の演出モードから選択した演出モードを、変動表示が行なわれるごとに切替えながら表示するものであってもよい。
図13においては、(A)に保留記憶情報が始動入賞時の判定結果とともに示され、(B)に第2連続予告の実行態様の一例が示され、(C)に第1連続予告の実行態様の一例が示されている。
図13では、左側の一点鎖線で囲んだような入賞時の判定結果がはずれである保留記憶(左から4つ目)について連続予告を実行するか否かの判定(以下、連続予告実行判定という)で、第1連続予告および第2連続予告の両方について、予告対象となる変動表示以前(当該予告対象の変動表示を含む)の3変動回に亘り連続予告を行なうことが決定されている。その連続予告実行判定は、当該3変動回の最初の変動表示に該当する変動表示(左から2つ目の保留記憶に基づく変動表示)が実行される前のタイミングT1(図13中「連続予告開始決定時」のタイミング)で行なわれている。これにより、このような連続予告実行判定に基づいて、当該判定がされた時点では、図13で「連続予告実行予定」と示された3変動回について、図14(B)〜(D)に示すように第1連続予告および第2連続予告の両方が実行される予定となっている。
実行する第1連続予告がカウントダウン予告の場合は、たとえば、図13中の第1変動回で「2」、第2変動回で「1」、第3変動回で「0」というようなカウントダウンを示す表示が、図14(B)〜(D)のように行なわれる予定となっている。また、実行する第2連続予告が背景移行予告の場合は、たとえば、図中の第1変動回の前に表示されていた青色の通常背景画像が、第1変動回で赤色の特別背景画像に移行し、その後、第1〜第3変動回のそれぞれで赤色の特別背景画像が、図14(B)〜(D)のように表示される予定となる。
図13では、右側の一点鎖線で囲んだような入賞時の判定結果が大当りである保留記憶(左から7つ目)について当該保留記憶に基づく変動表示が実行されるまで連続予告の回数を増加させるか否かの判定(以下、連続予告増加判定という)で、予告対象となる変動表示以前(当該予告対象の変動表示を含む)の4変動回に亘り連続予告を行なうことで連続予告の回数を増加させる決定がされている。その連続予告増加判定は、当該4変動回の最初の変動表示に該当する変動表示(左から4つ目の保留記憶、実行中の連続予告の予告対象の保留記憶でもある)が実行される前のタイミングT2(図13中「連続予告増加決定時」のタイミング)で行なわれている。ここで、当該4変動回の第1変動回は、元の連続予告の実行予定における第3変動回(予告対象回)に該当するが、元の連続予告が実行される前に連続予告の実行回数を増加する決定がされたことにより増加分の連続予告の第1変動回として制御データが書換えられることとなる。
このような連続予告増加判定に基づいて、当該判定がされた時点では、図13で「増加連続予告実行予定」と示された4変動回について、図14(D)〜(G)に示すように第1連続予告および第2連続予告のうちの演出が認識しにくい方の第2連続予告のみ回数が増加して実行される予定となり、連続予告が実行される。そして、前述のように、このような4変動回のうち、第1変動回は、先に決定された3変動回の連続予告の第3変動回が増加分の連続予告の第1変動回に置換えられたものである。これにより、第2連続予告については、連続予告の実行回数を増加させることにより、先に発生した保留記憶により実行される変動表示以降の変動表示も実行する制御が行なわれる。
連続予告は、実行回数が多い程、遊技者にとって有利な状態(たとえば、大当り遊技状態)に制御される期待度が高いものであるので、このように連続予告の実行回数を増加させる制御が行なわれると、遊技者の有利な状態に対する期待度を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
一方、第1連続予告および第2連続予告のうちの演出が認識しやすい方の第1連続予告については、図14(B)〜(D)に示すように、先に発生した保留記憶により決定された3変動回の変動表示で実行されて終了させることにより、その後、図14(E)〜(G)に示すように、連続予告の回数が増加しないように制御される。これにより、第1連続予告については、連続予告の実行回数を増加させないことにより、先に発生した保留記憶により実行される変動表示で終了させる制御が行なわれる。この実施の形態では、特に、第1連続予告が終了した直後の1回の変動表示における第1連続予告の実行を禁止する制御が行なわれる。なお、このように第1連続予告の実行を禁止する変動表示の回数は、前述した1回分に限らず、複数回に亘るようにする制御を行なうようにしてもよい。
たとえば、カウントダウン予告、および、ストーリー予告のように演出図柄を用いずに予告をする予告演出のように、予告対象となる変動表示で同じ予告演出をしても演出に違和感が生じない場合には予告対象となる変動表示で終了する場合があり、たとえば、チャンス目予告のように演出図柄を用いて予告をする予告演出のように、予告対象となる変動表示で同じ予告演出をすると演出に違和感が生じる場合には予告対象となる1つ前の変動表示で終了する場合がある。なお、第1連続予告については、すべての種類の予告演出について、予告対象となる変動表示で終了するようにしてもよく、予告対象となる変動表示の1つ前の変動表示で終了するようにしてもよい。
図13および図14に示す第1連続予告および第2連続予告が並列的に実行されているときの連続予告増加判定に基づく連続予告の実行回数の増加制御としては、第1連続予告については、先に発生した保留記憶により実行されている変動表示において第1連続予告の演出が終了するのを待って終了させ、一方、第2連続予告については、先に実行されている第2連続予告の演出のデータを書換えることにより、連続予告の実行回数を増加させることにより、先に発生した保留記憶により実行される変動表示以降の変動表示も実行する制御を行なう例を示した。しかし、これに限らず、第1連続予告および第2連続予告が並列的に実行されているときの連続予告増加判定に基づく第2連続予告については、第1連続予告の場合と同様に、先に実行されている第2連続予告の演出のデータを書換えずに当該先に実行されている第2連続予告の演出をすべて実行した後、増加分の第2連続予告を追加して実行させることにより、第2連続予告の実行回数を増加させる制御を行なうようにしてもよい。
また、この実施の形態では、連続予告を実行する回数(変動回数)が増加する制御が行なわれるときに、連続予告を実行する回数が増加する旨の報知が行なわれない例を示したが、当該報知が行なわれるようにしてもよい。
このように、実行中の連続予告の回数を増加させる制御が行なわれると、連続予告の予告対象である保留記憶に基づく変動表示の表示結果がはずれとなるときには、実行中の連続予告の回数を増加させることで遊技の興趣を向上させることができる。そして、第1連続予告と第2連続予告との2種類の連続予告の両方が並行して実行中に、連続予告の実行回数を増加させる決定がされたときに、第1連続予告は先に発生した保留記憶により実行される変動表示で終了させる一方、第2予告演出は先に発生した保留記憶により実行される変動表示以降の変動表示でも実行されるので、新たな保留記憶が発生したことにより、先に発生した保留記憶により実行される変動表示以降の変動表示が実行されるときの連続予告の注目ポイントを分かりやすくすることができる。具体的には、並行して行なわれている第1連続予告および第2連続予告のうち、たとえば、背景移行演出のように認識しにくい演出の連続回数が増加する一方で、カウントダウン予告のようにカウントダウン数値が表示されるというような認識しやすい方の演出が実行されなくなる現象を示すことにより、その現象に注目させることができ、連続予告の実行回数の増加制御が行なわれたことを容易に認識できるようになるので、連続予告演出の実行回数の増加制御に対する注目ポイントがわかりやすくなる。
また、図14に示すように、第1連続予告は、第2連続予告と比較して認識しやすい態様で行なわれるので、第1連続予告の実行回数が増加せず、第2連続予告の実行回数が増加したことが明確に示されるため、単に連続予告演出が続くような印象を遊技者に与えないようにすることができる。
このような連続予告演出に関する制御は、演出制御用マイクロコンピュータ100により実行される。
次に、演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。
図15は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行なう(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出図柄の大当り図柄決定用乱数および各種演出内容の選択決定用乱数等の各種乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。また、演出表示装置9での保留記憶表示の表示状態の制御を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。その後、S702に移行する。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、受信した変動パターンコマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を開始させ、図柄確定指定コマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を停止させる。変動パターンコマンドは、変動時間の長さ、リーチ演出の有無、リーチ演出を実行するときのリーチ種別(ノーマルリーチ、スーパーリーチ等の種別)、および、変動表示結果(大当り、はずれ、大当りの種別)等の変動表示態様を指定するために必要な情報が特定なデータよりなるコマンドである。変動表示は、各変動パターンコマンドに対応する変動時間で実行されるように制御される。また、演出図柄の停止図柄は、表示結果指定コマンドに基づいて、はずれとなるか、大当りとなるかの判別、および、大当りとなるときの大当り種別の判別を行なうことに基づいて決定する。
図16は、演出制御用マイクロコンピュータ100が演出制御に用いる各種乱数(ランダムカウンタ)の一例を示す説明図である。図16には、ランダムカウンタの一例として、演出図柄の停止図柄決定用のランダムSR1−1〜SR1−3、第1連続予告判定用のランダムSR2、第2連続予告判定用のランダムSR3、第1連続予告の演出決定用のランダムSR4、第2連続予告の演出決定用のランダムSR5、および、連続予告の実行回数増加判定用のランダムSR6が示されている。
SR1−1は、演出図柄の左図柄の停止図柄を決定するために用いられる。さらに、SR1−1は、リーチ図柄、および、大当り図柄を決定するためにも用いられる。SR1−2は、演出図柄の中図柄の停止図柄を決定するために用いられる。SR1−3は、演出図柄の右図柄の停止図柄を決定するために用いられる。SR2は、第1連続予告を実行するか否かの判定に用いられる。SR3は、第2連続予告を実行するか否かの判定に用いられる。SR4は、第1連続予告の演出種類を決定する判定に用いられる。SR5は、第2連続予告の演出種類を決定するための判定に用いられる。SR6は、連続予告の実行回数を増加させるか否かを決定するための判定に用いられる。
SR1−1〜SR6のそれぞれは、演出用乱数更新処理において予め定められたタイミングで、図中に示された計数範囲内において繰返し加算更新される。たとえば、SR1−1が33msecごと、SR1−2がSR1−1の桁上げごと、SR1−3がSR1−2の桁上げごとにそれぞれ加算更新され、0から更新されてその上限である9まで更新された後再度0から更新される。
図17は、演出制御基板80側のデータ保持エリアおよび始動入賞時受信コマンドバッファを示す説明図である。
図3に示す演出制御基板80に搭載されたRAM103には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、たとえば図17(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図17(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、たとえば演出表示装置9の画面上における演出画像の表示状態等というような演出動作状態や主基板31から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。たとえば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、たとえば演出表示装置9の画面上における演出画像の表示動作等というような各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。たとえば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。たとえば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。たとえば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファのそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
この実施の形態では、図17(B)に示すような始動入賞時受信コマンドバッファを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。始動入賞時受信コマンドバッファには、合計保留記憶数の最大値(たとえば「8」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「8」に対応した領域)が設けられている。
第1始動入賞口63、または、第2始動入賞口64もしくは第3始動入賞口14への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、始動入賞指定コマンド(第1または第2始動入賞指定コマンド)、および、合算保留記憶数指定コマンドという4つのコマンドを1セットとして、演出制御コマンドが主基板31から演出制御基板80へと送信される。始動入賞時受信コマンドバッファには、これら図柄指定コマンド、変動種別コマンド、始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域(シフトデータ領域)が確保されている。
演出制御用CPU101は、始動入賞時に受信した順番でコマンドを特定するデータを始動入賞時受信コマンドバッファの空き領域における先頭から格納していく。始動入賞時受信コマンドバッファの空き領域、すなわち、データが格納されていない領域のデータは、「0000(H)」である。始動入賞時には、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドの順にコマンド送信が行なわれる。したがって、コマンド受信が正常に行なわれれば、図17(B)に示すように、バッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに対応する格納領域に、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドの順に格納されていくことになる。図17(B)では、バッファ番号「1」〜「7」に対応する格納領域においてコマンドが格納されている例が示されている。
また、始動入賞時受信コマンドバッファには、バッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに対応する格納領域として、バッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに格納された保留記憶に関するデータに対応して、次に示すような連続予告判定済情報、第1連続予告実行中情報、および、第2連続予告実行中情報を格納するための記憶領域が設けられている。
始動入賞時受信コマンドバッファに格納された図柄指定コマンドの情報等の所定のデータに基づいて、先読み予告演出としての連続予告を実行するか否かの判定(第1連続予告を実行するか否かの第1連続予告判定、第2連続予告を実行するか否かの第2連続予告判定を含む連続予告判定)、および、第1連続予告および第2連続予告のような連続予告を実行する場合における連続予告の演出種類の決定が行なわれる。
第1連続予告判定および第2連続予告判定が行なわれたときに、連続予告判定済情報が「1」(あるいはオン状態)にセットされる。そして、先読み予告判定の結果、第1連続予告を実行することが決定されて第1連続予告が実行されているときに、第1連続予告実行中情報が「1」(あるいはオン状態)にセットされる。また、先読み予告判定の結果、第2連続予告を実行することが決定されて第2連続予告が実行されているときに、第2連続予告実行中情報が「1」(あるいはオン状態)にセットされる。なお、連続予告判定済情報は、第1連続予告判定および第2連続予告判定のうち、少なくとも一方の判定がされたときにセットされてもよい。
図17(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファに格納されているコマンドに関するデータおよび先読み予告に関するデータは、演出図柄の変動表示を開始するごとに、1つ目の格納領域(バッファ番号「1」に対応した領域)に格納されているものが読出された後削除され、以降の記憶内容がシフトされる。たとえば図17(B)に示す格納状態において新たな演出図柄の変動表示が開始される場合には、バッファ番号「1」に格納されている各データが読出されて削除され、バッファ番号「2」に対応した領域において格納されている各データがバッファ番号「1」に対応した領域にシフトされ、バッファ番号「3」〜「7」のそれぞれに対応した領域において格納されている各データが、バッファ番号「2」〜「7」に対応した領域にシフトされる。
以上に説明したような始動入賞時受信コマンドバッファにおけるデータの格納状態の一例として、図17(B)では、7個の保留記憶情報が発生した(バッファ番号「7」の合算保留記憶数指定情報が「C207(H)」)後の状態が示されている。そして、図17(B)の例では、バッファ番号「1」〜「7」に対応した保留記憶情報について連続予告判定(第1連続予告判定および第2連続予告判定)が行なわれ、バッファ番号「4」に対応した保留記憶情報について第1連続予告および第2連続予告の両方を実行することが決定されて第1連続予告と第2連続予告と複数の連続予告の演出が並行して実行中であることが示されている。
また、図17においては、連続予告判定済情報、第1連続予告実行中情報、および、第2連続予告実行中情報を始動入賞時受信コマンドバッファに格納する例を示した。しかし、これに限らず、始動入賞時受信コマンドバッファとは別に、各始動入賞記憶情報に対応して、連続予告判定済情報、第1連続予告実行中情報、および、第2連続予告実行中情報を格納する領域を演出制御用データ保持エリア190に設け、当該領域に格納された連続予告に関する情報を用いて、連続予告を実行するようにしてもよい。
図18は、図15に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、S600の先読み予告処理を行なった後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。各処理において、以下のような処理を実行する。演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
先読み予告処理(S600):先読み予告として第1連続予告および第2連続予告のような連続予告演出を実行するか否かの判定、および、連続予告を実行するとき(第1連続予告のみ、第2連続予告のみ、第1連続予告および第2連続予告の両方を実行するとき)の演出態様の決定等の先読み予告に関する処理を行なう。S600の具体的な処理内容については、図24を用いて後述する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御する。また、演出図柄の停止図柄(表示結果)を演出図柄の停止図柄決定用の乱数に基づいて決定する。受信した変動パターンコマンドに対応して、演出図柄の変動表示時の演出パターンを選択し、実行する変動表示の変動時間を計時する変動表示時間タイマの計時をスタートさせる。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミング等を制御するとともに、変動表示時間タイマにより計時される変動時間が終了したか否かを監視する。そして、変動時間が終了したか、または、全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことに基づいて、変動表示を終了させるために、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための大当り表示等の演出としてのファンファーレ演出を行なう制御等の表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(S805):ラウンド中の表示制御を行なう。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(S806):ラウンド間の表示制御を行なう。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
演出制御用CPU101は、たとえば、受信した変動パターンコマンド、および、表示結果指定コマンドに基づいて、実行される変動表示について、指定された変動パターン、および、表示結果を認識し、次のように演出図柄の停止図柄を決定する。演出図柄変動開始処理(S801)においては、表示結果に応じて、演出図柄の停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3のうちから各種表示結果を決定するために必要な種類の乱数値を抽出し、これらと、演出図柄を示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルとを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。この実施の形態では、演出制御基板80の側において、左演出図柄(左図柄)決定用の乱数値SR1−1、中演出図柄(中図柄)決定用の乱数値SR1−2、右演出図柄(右図柄)決定用の乱数値SR1−3、および、後述する先読み予告判定用の乱数値SR2等のそれぞれを示す数値データがカウント可能に制御される。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。
このような乱数SR1−1〜SR1−3,SR2等のそれぞれは、演出制御用マイクロコンピュータ100においてソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、所定の数値範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。すなわち、抽出した乱数値と同じ数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。そして、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示を停止するときに、このように決定された停止図柄で演出図柄を停止させる。演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。そして、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
具体的に、演出図柄の停止図柄は、たとえば、次のように決定する。非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合においては、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、ROM102に記憶されたはずれ図柄決定用データテーブル(乱数値とはずれ図柄になる左,中,右の演出図柄との関係を示すデータテーブル)を用い、抽出した乱数に対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。また、このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。このように決定された非リーチはずれ図柄の組合せが、変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
また、リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合においては、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、ROM102に記憶されたはずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄が、リーチ状態を形成する各演出図柄(左,右演出図柄)の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出された乱数に対応する図柄が、最後に停止する演出図柄(中演出図柄)の停止図柄として決定される。このように決定されたリーチはずれ図柄の組合せが、変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
また、大当りの図柄の組合せを決定する場合においては、大当りの種別に応じて大当り図柄の組合せを決定する。たとえば、確変大当りとなるときには、確変大当りを想起させるような確変大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右演出図柄が「7,7,7」というようないずれかの奇数図柄が揃った図柄の組合せ)を選択決定する。また、通常大当りとなるときには、通常大当りを想起させるような通常大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右演出図柄が「2,2,2」というようないずれかの偶数図柄が揃った図柄の組合せ)を選択決定する。また、突確大当りとなるときは、チャンス目図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「1,2,3」というような特定のはずれ図柄の組合せ)を選択決定する。
確変大当りにすることに決定されているときには、ROM102に記憶された確変大当り図柄決定用テーブル(乱数値と確変大当り図柄になる左,中,右の演出図柄との関係を示すデータテーブル)を用いて、左,中,右演出図柄がいずれかの奇数図柄で揃った組合せを選択決定する。確変大当り図柄決定用テーブルは、予め定められた複数種類の奇数図柄のそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。確変大当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、確変大当り図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄が、確変大当り図柄の組合せを構成する左,中,右演出図柄の停止図柄の組合せとして決定される。このように決定された確変大当り図柄の組合せが、変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
また、通常大当りにすることに決定されているときには、ROM102に記憶された通常大当り図柄決定用テーブル(乱数値と通常大当り図柄になる左,中,右の演出図柄との関係を示すデータテーブル)を用いて、左,中,右演出図柄がいずれかの偶数図柄で揃った組合せを選択決定する。通常大当り図柄決定用テーブルは、予め定められた複数種類の偶数図柄のそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。通常大当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、通常大当り図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄が、通常大当り図柄の組合せを構成する左,中,右演出図柄の停止図柄の組合せとして決定される。このように決定された通常大当り図柄の組合せが変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
また、突確大当りにすることに決定されているときには、ROM102に記憶されたチャンス目図柄決定用テーブル(乱数値とチャンス目になる左,中,右の演出図柄との関係を示すデータテーブル)を用いて、チャンス目図柄の組合せを選択決定する。チャンス目図柄決定用テーブルは、複数種類のチャンス目図柄の組合せのそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。チャンス目図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、チャンス目図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄が、チャンス目図柄の組合せを構成する左,中,右演出図柄の停止図柄の組合せとして決定される。このように決定された突確大当り図柄の組合せが変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
また、変動パターンコマンドにおいてノーマルリーチが指定されたときには、各ノーマルリーチの種類に対応したリーチ演出が行なわれる。さらに、変動パターンコマンドにおいてスーパーリーチが指定されたときには、各スーパーリーチの種類に対応したリーチ演出が行なわれる。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、確変状態指定コマンドに基づいて確変状態であることを認識でき、時短状態指定コマンドに基づいて時短状態であることを認識できるので、演出表示装置9等の演出装置により、確変状態および時短状態に応じて特有の演出を行なうことができる。
たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されてくる通常状態指定コマンド、時短状態指定コマンド、確変状態指定コマンド等に基づいて、遊技状態がどのような状態にあるかを特定するデータを記憶し、その記憶データに基づいて、遊技状態を常に認識する。そして、このように認識している遊技状態と、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されてくる変動パターンコマンドとに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ100は、現在の遊技状態に応じた演出態様で演出図柄の変動表示を実行させることが可能である。
なお、変動パターンコマンドにより、変動パターンに加えて、大当りとするか否か、および、大当りの種別を特定可能とする場合には、変動パターンコマンドにより特定される大当りとするか否かの情報、および、大当りの種別の情報に基づいて、演出図柄の停止図柄の組合せを決定するようにしてもよい。
次に、先読み予告処理(S600)において、第1連続予告を実行するか否かを決定するために用いられるデータテーブルである第1連続予告判定テーブルを説明する。第1連続予告判定テーブルは、ROM102に記憶されている。図19は、第1連続予告判定テーブルA〜第1連続予告判定テーブルCを表形式で示す図である。
図19(A)の第1連続予告判定テーブルAは、連続予告の予告対象となる保留記憶の始動入賞時の判定結果が確変大当りまたは通常大当りとなるときに用いられるテーブルである。図19(B)の第1連続予告判定テーブルBは、連続予告の予告対象となる保留記憶の始動入賞時の判定結果が突確大当りとなるときに用いられるテーブルである。図19(C)の第1連続予告判定テーブルCは、連続予告の予告対象となる保留記憶の始動入賞時の判定結果がはずれとなるときに用いられるテーブルである。
図19の第1連続予告判定テーブルA〜Cでは、「第1連続予告実行あり」と、「第1連続予告実行なし」とのそれぞれについて、当該第1連続予告の実行判定時における保留記憶数(合算保留記憶数)のそれぞれに対応して、選択する第1連続予告判定用乱数SR2(0〜99の100個の値を取り得る)の値が割振られている。図19において、乱数SR2の割振りは、説明を明確化するために、各判定結果別に割振られた乱数SR2の個数で示されている。
図19の第1連続予告判定テーブルA〜Cでは、始動入賞時に大当りとなると判定された保留記憶の方が、始動入賞時にはずれとなると判定された保留記憶よりも、第1連続予告を実行する決定がされる割合が高くなるようにデータが設定されている。また、図19の第1連続予告判定テーブルA〜Cでは、始動入賞時に大当りとなると判定された保留記憶のうち、確変大当りおよび通常大当りのようにラウンド数が多い大当りとなる保留記憶の方が、突確大当りのようにラウンド数が少ない大当りとなる保留記憶よりも、第1連続予告を実行する決定がされる割合が高くなるように、データが設定されている。
また、いずれかの大当りとなるときに用いられる第1連続予告判定テーブルAおよび第1連続予告判定テーブルBのそれぞれにおいては、実行判定時における保留記憶数が多くなるにしたがって「第1連続予告実行あり」を選択する割合が高くなるように、データが設定されている。一方、はずれとなるときに用いられる第1連続予告判定テーブルCは、実行判定時における保留記憶数が多くなるにしたがって「第1連続予告実行あり」を選択する割合が低くなるように、データが設定されている。
このようなデータ設定により、大当り(確変大当り、通常大当り、突確大当り)となるときには、保留記憶に基づいてはずれとなるときよりも、第1連続予告が実行される割合が高いので、第1連続予告が実行されたときに、遊技者の大当りに対する期待感を高めることができる。
また、ラウンド数が多い(出球(入賞に応じて払出される球)が多い)大当り(確変大当り、通常大当り)となるときには、その大当りよりもラウンド数が少ない(出球が少ない(出球がない場合も含む))大当り(突確大当り)となるときよりも、第1連続予告が実行される割合が高いので、第1連続予告が実行されたときに、遊技者の大当り遊技状態における有利度に対する期待感を高めることができる。
また、この実施の形態では、第1連続予告を実行する決定がされたときに、当該決定がされたときに存在する全保留記憶のそれぞれに基づく変動表示ごとに第1連続予告を示す予告演出が実行される。そして、予告対象が大当りとなるときには、予告対象がはずれとなるときと比べて連続予告の実行判定時における保留記憶数が多くなるにしたがって「第1連続予告実行あり」を選択する割合が高い。これにより、第1連続予告の予告演出が実行される変動表示回数が多くなる程、遊技者の大当りに対する期待感を高めることができる。そして、図19(A)〜(C)で示したように、大当りとなるときの方がはずれとなるときよりも連続予告の実行回数が多くなるように連続予告が実行されるが、第1連続予告および第2連続予告の両方を実行中に、新たな保留記憶が発生したときに、当該保留記憶を判定対象とした連続予告増加判定で連続予告の回数を増加させる決定がされても、第1連続予告が、先に発生した保留記憶により実行される変動表示で終了させられるので、連続予告の実行回数の増加により誤った期待感を遊技者に与えてしまうのを防ぐことができる。
なお、この実施の形態では、第1連続予告を実行する判定がされたときの全保留記憶に亘る実行回数で第1連続予告を実行する例を示したが、これに限らず、第1連続予告を実行する判定がされたときに、第1連続予告の予告演出を実行する保留記憶の範囲(実行回数)を抽選により選択して第1連続予告を実行するようにしてもよい。
その場合には、予告対象が大当り(確変大当り、通常大当り、突確大当り)となるときには、予告対象がはずれとなるときよりも、第1連続予告の実行回数として多い実行回数が選択される割合が高くなるように設定すればよい。このようにすれば、第1連続予告の予告演出が実行される変動表示回数が多くなる程、遊技者の大当りに対する期待感を高めることができる。また、予告対象がラウンド数が多い大当り(確変大当り、通常大当り)となるときには、その大当りよりもラウンド数が少ない大当り(突確大当り)となるときよりも、第1連続予告の予告演出が実行される変動表示回数が多くなるように設定してもよい。
次に、先読み予告処理(S600)において、第1連続予告を実行するときの予告演出の種類を決定するために用いられるデータテーブルである第1連続予告演出決定テーブルを説明する。第1連続予告演出決定テーブルは、ROM102に記憶されている。図20は、第1連続予告演出決定テーブルを表形式で示す図である。
図20の第1連続予告演出決定テーブルでは、第1連続予告を実行する決定がされた保留記憶に基づく変動表示結果、すなわち、確変大当り、通常大当り、突確大当り、および、はずれのそれぞれに対応して、実行可能な複数種類の予告演出であるカウントダウン予告、チャンス目予告、および、ストーリー予告のそれぞれを選択する第1連続予告演出決定用乱数SR4(0〜119の120個の値を取り得る)の値が割振られている。図20において、乱数SR4の割振りは、説明を明確化するために、各判定結果別に割振られた乱数SR4の個数で示されている。
図20の第1連続予告演出決定テーブルでは、始動入賞時に判定された表示結果に応じて予告演出の選択割合が異なるようにデータが設定されている。これにより、第1連続予告として実行される予告演出の種類に応じて、遊技者の大当りに対する期待感を高めることができる。
次に、先読み予告処理(S600)において、第2連続予告を実行するか否かを決定するために用いられるデータテーブルである第2連続予告判定テーブルを説明する。第2連続予告判定テーブルは、ROM102に記憶されている。図21は、第2連続予告判定テーブルA〜第2連続予告判定テーブルCを表形式で示す図である。
図21(A)の第2連続予告判定テーブルAは、連続予告の予告対象となる保留記憶の始動入賞時の判定結果が確変大当りまたは通常大当りとなるときに用いられるテーブルである。図21(B)の第2連続予告判定テーブルBは、連続予告の予告対象となる保留記憶の始動入賞時の判定結果が突確大当りとなるときに用いられるテーブルである。図21(C)の第2連続予告判定テーブルCは、連続予告の予告対象となる保留記憶の始動入賞時の判定結果がはずれとなるときに用いられるテーブルである。
図21の第2連続予告判定テーブルA〜Cでは、「第2連続予告実行あり」と、「第2連続予告実行なし」とのそれぞれについて、選択する第2連続予告判定用乱数SR3(0〜59の60個の値を取り得る)の値が割振られている。図21において、乱数SR3の割振りは、説明を明確化するために、各判定結果別に割振られた乱数SR3の個数で示されている。
図21の第2連続予告判定テーブルA〜Cでは、始動入賞時に大当りとなると判定された保留記憶の方が、始動入賞時にはずれとなると判定された保留記憶よりも、第2連続予告を実行する決定がされる割合が高くなるようにデータが設定されている。また、図21の第2連続予告判定テーブルA〜Cでは、始動入賞時に大当りとなると判定された保留記憶のうち、確変大当りおよび通常大当りのようにラウンド数が多い大当りとなる保留記憶の方が、突確大当りのようにラウンド数が少ない大当りとなる保留記憶よりも、第2連続予告を実行する決定がされる割合が高くなるように、データが設定されている。
このようなデータ設定により、保留記憶に基づいて大当り(確変大当り、通常大当り、突確大当り)となるときには、保留記憶に基づいてはずれとなるときよりも、第2連続予告が実行される割合が高いので、第2連続予告が実行されたときに、遊技者の大当りに対する期待感を高めることができる。
また、保留記憶に基づいてラウンド数が多い(出球が多い)大当り(確変大当り、通常大当り)となるときには、その大当りよりもラウンド数が少ない(出球が少ない(出球がない場合も含む))大当り(突確大当り)となるときよりも、第2連続予告が実行される割合が高いので、第2連続予告が実行されたときに、遊技者の大当り遊技状態における有利度に対する期待感を高めることができる。
また、この実施の形態では、第2連続予告を実行する決定がされたときに、当該決定がされたときに存在する保留記憶のすべてについて、保留記憶に基づく変動表示ごとに第2連続予告を構成する予告演出が実行される。
なお、第2連続予告としては、第1連続予告のように、いずれかの大当りとなるときに用いられる第2連続予告判定テーブルAおよび第2連続予告判定テーブルBのそれぞれにおいて、実行判定時における保留記憶数が多くなるにしたがって「第2連続予告実行あり」を選択する割合が高くなるように、データを設定し、一方、はずれとなるときに用いられる第2連続予告判定テーブルCにおいて、実行判定時における保留記憶数が多くなるにしたがって「第2連続予告実行あり」を選択する割合が低くなるように、データを設定してもよい。これにより、第2連続予告の予告演出が実行される変動表示回数が多くなる程、遊技者の大当りに対する期待感を高めることができる。
また、実行判定時における保留記憶数が多くなるにしたがって「第2連続予告実行あり」を選択する割合が高くなるようにするためには、第2連続予告を実行する判定がされたときの全保留記憶に亘る実行回数で第2連続予告を実行する例を示したが、これに限らず、第2連続予告を実行する判定がされたときに、第2連続予告の予告演出を実行する保留記憶の範囲(実行回数)を抽選により選択して第2連続予告を実行するようにしてもよい。
その場合には、予告対象が大当り(確変大当り、通常大当り、突確大当り)となるときには、予告対象がはずれとなるときよりも、第2連続予告の実行回数として多い実行回数が選択される割合が高くなるように設定すればよい。このようにすれば、第2連続予告の予告演出が実行される変動表示回数が多くなる程、遊技者の大当りに対する期待感を高めることができる。また、予告対象がラウンド数が多い大当り(確変大当り、通常大当り)となるときには、その大当りよりもラウンド数が少ない大当り(突確大当り)となるときよりも、第1連続予告の予告演出が実行される変動表示回数が多くなるように設定してもよい。
次に、先読み予告処理(S600)において、第2連続予告を実行するときの予告演出の種類を決定するために用いられるデータテーブルである第2連続予告演出決定テーブルを説明する。第2連続予告演出決定テーブルは、ROM102に記憶されている。図22は、第2連続予告演出決定テーブルを表形式で示す図である。
図22の第2連続予告演出決定テーブルでは、第2連続予告を実行する決定がされた保留記憶に基づく変動表示結果、すなわち、確変大当り、通常大当り、突確大当り、および、はずれのそれぞれに対応して、実行可能な複数種類の予告演出である背景移行予告、および、モード移行予告のそれぞれを選択する第2連続予告演出決定用乱数SR5(0〜149の150個の値を取り得る)の値が割振られている。図22において、乱数SR5の割振りは、説明を明確化するために、各判定結果別に割振られた乱数SR5の個数で示されている。
図22の第2連続予告演出決定テーブルでは、始動入賞時に判定された表示結果に応じて予告演出の選択割合が異なるようにデータが設定されている。これにより、第2連続予告として実行される予告演出の種類に応じて、遊技者の大当りに対する期待感を高めることができる。
次に、先読み予告処理(S600)において、実行中の連続予告(第1連続予告、第2連続予告)の予告実行回数(変動表示回数)を増加させるか否かを決定するために用いられるデータテーブルである連続予告回数増加判定テーブルを説明する。連続予告回数増加判定テーブルは、ROM102に記憶されている。図23は、連続予告回数増加判定テーブルを表形式で示す図である。
図23の連続予告回数増加判定テーブルでは、新たな予告対象の保留記憶に基づく変動表示結果、すなわち、確変大当り、通常大当り、突確大当り、および、はずれのそれぞれに対応して、「増加する」と、「増加しない」とのそれぞれについて、選択する連続予告回数増加判定用乱数SR6(0〜79の80個の値を取り得る)の値が割振られている。図23において、乱数SR6の割振りは、説明を明確化するために、各判定結果別に割振られた乱数SR6の個数で示されている。
図23の連続予告回数増加判定テーブルでは、始動入賞時に大当りとなると判定された保留記憶の方が、始動入賞時にはずれとなると判定された保留記憶よりも、「増加する」決定がされる割合が高くなるようにデータが設定されている。また、図23の連続予告回数増加判定テーブルでは、始動入賞時に大当りとなると判定された保留記憶のうち、確変大当りおよび通常大当りのようにラウンド数が多い大当りとなる保留記憶の方が、突確大当りのようにラウンド数が少ない大当りとなる保留記憶よりも、「増加する」決定がされる割合が高くなるように、データが設定されている。
このようなデータ設定により、保留記憶に基づいて大当り(確変大当り、通常大当り、突確大当り)となるときには、保留記憶に基づいてはずれとなるときよりも、連続予告回数を増加する決定がされる割合が高いので、連続予告回数が増加されたときに、遊技者の大当りに対する期待感を高めることができる。
なお、新たな予告対象が大当り(確変大当り、通常大当り、突確大当り)となるときには、100%の割合で「増加する」決定がされるようにしてもよい。また、新たな予告対象がはずれとなるときには、100%の割合で「増加しない」決定がされるようにしてもよい。
次に、先読み予告処理(S600)の具体的な処理内容を説明する。図24は、先読み予告処理を示すフローチャートである。図25は、第1連続予告判定処理を示すフローチャートである。図26は、第2連続予告判定処理を示すフローチャートである。
図24を参照して、先読み予告処理においては、まず、図17(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファにおける連続予告判定済情報を確認することに基づいて、連続予告判定をしていない新たな保留記憶があるか否かを判定する(S600A)。S600Aで連続予告判定をしていない新たな保留記憶がないときは、処理を終了する。一方、S600Aで連続予告判定をしていない新たな保留記憶があるときは、現在において、第1連続予告実行中フラグまたは第2連続予告実行中フラグがセットされているか否かを確認する(S601)。
第1連続予告実行中フラグは、図25のS625によりセットされ、第1連続予告が実行中であることを示すフラグである。第2連続予告実行中フラグは、図26のS635によりセットされ、第2連続予告が実行中であることを示すフラグである。
S601で第1連続予告実行中フラグまたは第2連続予告実行中フラグがセットのいずれもセットされていないときは、第1連続予告を実行するか否かの判定、および、第1連続予告を実行するときの予告演出態様の決定等の第1連続予告に関する処理を行なう第1連続予告判定処理(S602)を実行し、その後、第2連続予告を実行するときの予告演出態様の決定等の第2連続予告に関する処理を行なう第2連続予告判定処理(S603)を実行する(S603)。その後、S612に進む。なお、第1連続予告判定処理と第2連続予告判定処理とは、どちらの処理を先に実行してもよい。
ここで、図24の先読み判定処理の説明を中断し、先に第1連続予告判定処理(S602)および第2連続予告判定処理(S603)の処理内容を説明する。
図25の第1連続予告判定処理においては、図17(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファにおいて連続予告判定済情報がセットされていない新たな保留記憶について、図柄指定コマンドのデータを確認することにより、始動入賞時の判定結果を確認することに基づいて、図19に示す第1連続予告判定テーブルA〜Cのいずれかを用いて第1連続予告を実行するか否かを決定する(S621)。具体的に、S621では、始動入賞時の判定結果に応じて前述のように第1連続予告判定テーブルA〜Cのいずれかを選択し、いずれかの第1連続予告判定用のランダムSR2を抽出し、その抽出値に基づいて、選択したテーブルを用いて、前述したように「第1連続予告実行あり」と「第1連続予告実行なし」とのいずれかを選択決定する。
次に、前述の新たな保留記憶について、図17(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファにおける第1連続予告実行中情報を確認することに基づいて、第1連続予告を実行する決定がされているか否かを確認する(S622)。S622で第1連続予告を実行する決定がされていないときは、処理を終了する。一方、S622で第1連続予告を実行する決定がされているときは、図20に示す第1連続予告演出決定テーブルを用いて、実行する第1連続予告の演出種類を決定する(S623)。具体的に、S623では、図柄指定コマンドの情報に基づいて新たな保留記憶の判定結果(確変大当り、通常大当り、突確大当り、はずれ)を認識するとともに、第1連続予告の演出決定用のランダムSR4を抽出し、その抽出値に基づいて、前述したように「カウントダウン予告」、「チャンス目予告」、および、「ストーリー予告」のうちから第1連続予告の演出種類を決定する。
次に、第1連続予告回数カウンタを現在の保留記憶数(始動入賞時受信コマンドバッファにデータが記憶されている全保留記憶数である合算保留記憶数)と同値にセットする処理が行なわれる(S624)。ここで、第1連続予告回数カウンタは、第1連続予告の実行回数(変動表示回数)をダウンカウントする計数する計数手段であり、第1連続予告の実行を開始するときに、そのときの保留記憶数(合算保留記憶数)と同値にセットされ、連続予告が行なわれる変動表示が実行されるごとに1ずつ減算更新される。
第1連続予告は、実行する決定がされたときに存在する保留記憶数に基づく変動表示回数に亘り、変動表示が実行されるごとに行なわれる。S624では、第1連続予告回数カウンタの値が現在の保留記憶数(始動入賞時受信コマンドバッファのデータが記憶されている全保留記憶数である合算保留記憶数)と同値にセットされることにより、第1連続予告の予告演出が実行される変動表示回数が設定されることとなる。このように、第1連続予告回数カウンタは、第1連続予告の実行を開始するときにセットされ、第1連続予告の予告演出が行なわれる変動表示が実行されるごとに後述するS616により1ずつ減算更新される。
次に、S623で決定した第1連続予告の演出種類と、S624でセットした第1連続予告の実行回数と、各連続予告の種類ごとに予め定められた予告演出態様のデータとに基づいて、第1連続予告を実行する変動回数分の一連の予告演出態様を決定する(S625)。たとえば、カウントダウン予告を4回の変動表示に亘り行なう場合には、第1変動回でカウントダウン数値として「3」を表示し、第2変動回でカウントダウン数値として「2」を表示し、第3変動回でカウントダウン数値として「1」を表示し、第2変動回でカウントダウン数値として「0」を表示するというような一連の予告演出態様を決定する。
次に、第1連続予告が実行中であることを示す第1連続予告実行中フラグをセットする(S626)。そして、図17(B)の始動入賞時受信コマンドバッファにおいて、新たに記憶された保留記憶の第1連続予告実行中情報を「1」にセットし(S627)、処理を終了する。これにより、第1連続予告が実行中であることが示される。
図26の第2連続予告判定処理においては、図17(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファにおいて連続予告判定済情報がセットされていない新たな保留記憶について、図柄指定コマンドのデータを確認することにより、始動入賞時の判定結果を確認することに基づいて、図21に示す第2連続予告判定テーブルA〜Cのいずれかを用いて第2連続予告を実行するか否かを決定する(S631)。具体的に、S631では、始動入賞時の判定結果に応じて前述のように第2連続予告判定テーブルA〜Cのいずれかを選択し、いずれかの第2連続予告判定用のランダムSR3を抽出し、その抽出値に基づいて、選択したテーブルを用いて、前述したように「第2連続予告実行あり」と「第2連続予告実行なし」とのいずれかを選択決定する。
次に、前述の新たな保留記憶について、図17(B)の始動入賞時受信コマンドバッファにおいて、新たに記憶された保留記憶の連続予告判定済情報を「1」にセットする(S631A)。これにより、新たに記憶された保留記憶について、第1連続予告および第2連続予告について判定済であることが示される。
次に、前述の新たな保留記憶について、図17(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファにおける第2連続予告実行中情報を確認することに基づいて、第2連続予告を実行する決定がされているか否かを確認する(S632)。S632で第2連続予告を実行する決定がされていないときは、処理を終了する。一方、S632で第2連続予告を実行する決定がされているときは、図22に示す第2連続予告演出決定テーブルを用いて、実行する第2連続予告の演出種類を決定する(S633)。具体的に、S633では、図柄指定コマンドの情報に基づいて新たな保留記憶の判定結果(確変大当り、通常大当り、突確大当り、はずれ)を認識するとともに、第2連続予告の演出決定用のランダムSR4を抽出し、その抽出値に基づいて、前述したように「背景移行予告」、および、「モード移行予告」のうちから第2連続予告の演出種類を決定する。
次に、第2連続予告回数カウンタを現在の保留記憶数(始動入賞時受信コマンドバッファのデータが記憶されている全保留記憶数である合算保留記憶数)と同値にセットする処理が行なわれる(S634)。ここで、第2連続予告回数カウンタは、第2連続予告の実行回数(変動表示回数)をダウンカウントする計数する計数手段であり、第2連続予告の実行を開始するときに、そのときの保留記憶数(合算保留記憶数)と同値にセットされ、連続予告が行なわれる変動表示が実行されるごとに1ずつ減算更新される。
第2連続予告は、実行する決定がされたときに存在する保留記憶数に基づく変動表示回数に亘り、変動表示が実行されるごとに行なわれる。S634では、第2連続予告回数カウンタの値が現在の保留記憶数(始動入賞時受信コマンドバッファのデータが記憶されている全保留記憶数である合算保留記憶数)と同値にセットされることにより、第2連続予告の予告演出が実行される変動表示回数が設定されることとなる。このように、第2連続予告回数カウンタは、第2連続予告の実行を開始するときにセットされ、第2連続予告の予告演出が行なわれる変動表示が実行されるごとに後述するS619により1ずつ減算更新される。
次に、S633で決定した第2連続予告の演出種類と、S634でセットした第2連続予告の実行回数と、各連続予告の種類ごとに予め定められた予告演出態様のデータとに基づいて、第2連続予告を実行する変動回数分の一連の予告演出態様を決定する(S635)。たとえば、背景移行予告を4回の変動表示に亘り行なう場合には、第1変動回で「赤色の特別背景画像」を表示し、第2変動回で「赤色の特別背景画像」を表示し、第3変動回で「赤色の背景」を表示し、第4変動回で「赤色の背景」を表示するというような一連の予告演出態様を決定する。
次に、第2連続予告が実行中であることを示す第2連続予告実行中フラグをセットする(S636)。そして、図17(B)の始動入賞時受信コマンドバッファにおいて、新たに記憶された保留記憶の第2連続予告実行中情報を「1」にセットし(S637)、処理を終了する。これにより、第2連続予告が実行中であることが示される。
このように、新たな保留記憶が生じたときに、第1連続予告と第2連続予告とが、異なる判定処理により、実行するか否の判定および実行するときの演出態様の決定がされる。これにより、第1連続予告と第2連続予告とは、第1連続予告のみが実行される場合と、第2連続予告のみが実行される場合と、第1連続予告および第2連続予告の両方が並列して実行される場合とがある。
次に、図24の先読み予告処理の続きを説明する。前述のS601で第1連続予告実行中フラグまたは第2連続予告実行中フラグがセットされているとき(これら両方のフラグがセットされているときも含む)は、実行中の連続予告(第1連続予告のみ、第2連続予告のみ、第1連続予告および第2連続予告の両方)の予告対象の保留記憶がはずれ表示結果となるものであるか否かを、図17(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファに格納された図柄指定コマンドの情報に基づいて確認する(S604)。
S604によりはずれ表示結果(第1連続予告および第2連続予告の両方が実行されているときには、両方の予告対象の保留記憶がはずれ表示結果となるとき)ではないときは、後述するS612に進む。一方、S604によりはずれ表示結果であるときは、図23の連続予告回数増加判定テーブルを用いて、実行中の連続予告の実行回数を増加させるか否かを決定する(S605)。具体的に、S605では、連続予告回数増加判定用乱数SR6を抽出し、その抽出値に基づいて、連続予告回数増加判定テーブルを用いて前述したような決定方法により、実行中の連続予告の実行回数を増加させるか否かを決定する。
なお、S601,S604により、第1連続予告および第2連続予告の両方が実行されているときに、両方の予告対象の保留記憶がはずれ表示結果となると判定されたときには、S605により必ず実行中の連続予告の実行回数を増加させるか否かを決定する処理を実行する例を示した。しかし、これに限らず、このようなS605による処理は、所定の割合で実行するようにすることで、必ず実行されるものではないようにしてもよい。
次に、S605で実行中の連続予告の実行回数を増加する決定がされたか否かを確認する(S606)。S606で増加しない決定がされたときには、後述するS612に進む。一方、S606で増加する決定がされたときには、現在において、第1連続予告および第2連続予告の両方が並行して実行中であるかどうかを確認する(S607)。具体的に、S607では、図17(B)の始動入賞時受信コマンドバッファにおける第1連続予告実行中情報および第2連続予告実行中情報を確認することにより両方の連続予告が並行して実行中であるかどうかを確認する。
S607により両方の連続予告が並行して実行中でないときは、実行中の第1連続予告または第2連続予告の実行回数を増加させ(S608)、S611に進む。具体的に、S608では、実行中の連続予告に対応する連続予告回数カウンタ(第1連続予告回数カウンタまたは第2連続予告回数カウンタ)を現在の保留記憶数(始動入賞時受信コマンドバッファのデータが記憶されている全保留記憶数である合算保留記憶数)と同値に再セットする処理が行なわれる(S609)。
S608で実行中の連続予告に対応する連続予告回数カウンタが現在の保留記憶数(始動入賞時受信コマンドバッファのデータが記憶されている全保留記憶数である合算保留記憶数)と同値に再セットされることにより、新たな保留記憶に基づく変動表示が実行されるまで、実行中の連続予告が引き続き行なわれることにより、連続予告の実行回数が増加することとなる。
また、前述のS607により両方の連続予告が並行して実行中であるときは、連続予告制限予定フラグをセットする(S609)。連続予告制限予定フラグは、連続予告の実行回数を増加させる決定がされたときに、第1連続予告については連続予告の実行回数の増加を制限(禁止)する予定であることを示すフラグである。そして、第2連続予告の実行回数を増加させる処理を行ない(S610)、S611に進む。具体的に、S610では、第2連続予告回数カウンタの値を、現在の保留記憶数(始動入賞時受信コマンドバッファのデータが記憶されている全保留記憶数である合算保留記憶数)と同値に再セットする。これにより、第2連続予告の実行回数は、増加した値に書換えられることにより、第2連続予告回数カウンタに再セットされた回数まで増加することとなる。
S611では、増加した連続予告の一連の予告演出態様を決定し(S611)、S612に進む。具体的に、S611では、たとえば図13のように4つ目の保留記憶を予告対象として第2連続予告が実行されているときに、4つ目の保留記憶に基づく変動表示が実行される前に、7つ目の保留記憶が生じて、その保留記憶に基づいて連続予告を増加させる判定がされたときには、現在存在する保留記憶である4つ目の保留記憶から7つ目の保留記憶まで実行する連続予告の態様として、4つ目の保留記憶に基づいて行なわれる予定であった連続予告の種類と同じ種類の連続予告の演出態様に決定される。このように同じ演出態様の連続予告が増加分の回数で実行されることにより、実行中の連続予告の実行回数が増加したことを容易に示すことができる。
S612では、第1連続予告制限フラグがセットされているか否かを確認する(S612)。第1連続予告制限フラグがセットされていないときは、第1連続予告実行中フラグがセットされているか否かを確認する(S614)。S614で第1連続予告実行中フラグがセットされているときは、次回変動表示時に実行する第1連続予告の演出態様を、前述のS625により決定された一連の予告演出態様(S605により第2連続予告の実行回数を増加される決定がされたときはS611により決定された一連の予告演出態様)のうち、第1連続予告回数カウンタの値に応じた予告演出態様に決定する(S615)。これにより、第1連続予告における何回目の変動表示かに応じて予め定められた予告演出態様が設定される。そして、第1連続予告回数カウンタを「1」減算更新し、処理を終了する。一方、S614で第1連続予告実行中フラグがセットされていないときは、後述するS617に進む。
また、前述のS612で第1連続予告制限フラグがセットされているときは、第1連続予告制限フラグをリセットし(S613)、S617に進む。これにより、第1連続予告制限フラグがセットされているときには、第1連続予告の予告演出態様が設定されず、第1連続予告の実行が変動表示1回分禁止される。
なお、第1連続予告制限フラグがセットされているときに第1連続予告の実行を禁止する変動表示回数は、前述した1回分に限らず、複数回に亘るようにする制御を行なうようにしてもよい。また、S612で第1連続予告制限フラグがセットされているときは、予め定められた第1連続予告が実行されないことを示す演出態様を設定することにより、第1連続予告が実行されないことを示す演出を実行するようにしてもよい。
S617では、第2連続予告実行中フラグがセットされているか否かを確認する(S617)。S617で第2連続予告実行中フラグがセットされているときは、次回変動表示時に実行する第2連続予告の演出態様を、前述のS635により決定された一連の予告演出態様(S605により第2連続予告の実行回数を増加される決定がされたときはS611により決定された一連の予告演出態様)のうち、第2連続予告回数カウンタの値に応じた予告演出態様に決定する(S618)。これにより、第2連続予告における何回目の変動表示かに応じて予め定められた予告演出態様が設定される。そして、第2連続予告回数カウンタを「1」減算更新し、処理を終了する。
図27は、図18のS801で実行される演出図柄変動開始処理の一例を示すフローチャートである。
演出図柄変動開始処理においては、受信した変動パターンコマンドに基づいて、変動表示の表示結果に対応する演出図柄の停止図柄を決定する(S501)。具体的に、S801では、大当りとなる変動パターンが指定されたときには、各大当りに対応して設定された大当り表示結果となる演出図柄の停止図柄を決定し、はずれでリーチとなる変動パターンが指定されたときには、リーチ図柄かつはずれ表示結果となる演出図柄の停止図柄を決定し、はずれでリーチとならない変動パターンが指定されたときには、非リーチ図柄かつはずれ表示結となる演出図柄の停止図柄を決定する。
次に、先読み予告以外の予告(1変動回のみで実行される大当り予告等の予告演出)を実行するか否かの判定、および、実行するときの演出態様の決定をする処理を行なう(S502)。
次に、S501で決定された停止図柄、変動パターンコマンドにより指定された変動パターン、ならびに、前述の先読み予告処理により決定された連続予告およびS502により決定された予告等の予告演出等の今回の変動表示で実行する各種演出を実行することが可能となる演出制御パターンを決定する(S503)。
次いで、S503で決定された演出制御パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S504)。具体的に、ROM102には、各種演出制御を実行可能なプロセステーブルのデータが複数種類記憶されており、当該複数種類のデータのうちから、前述のように決定された演出制御パターンが実行可能となるデータが、S504により選択される。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(演出設定プロセスタイマ)をスタートさせる(S505)。
次に、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって各種演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および、演出用部品としてのスピーカ27)の制御を開始する(S506)。たとえば、表示制御実行データにしたがって、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種LED等の発光体を点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S507)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にする(S508)。
図28は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(S803)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、変動表示時間タイマを用いて監視する変動時間が終了したという条件、または、図柄確定指定コマンドを受信したという条件が成立したときに、この演出図柄変動停止処理が実行される。なお、変動表示時間タイマを用いて監視する変動時間が終了したという条件が成立したときにのみ、演出図柄変動停止処理に進むようにしてもよい。また、図柄確定指定コマンドを受信したという条件が成立したときにのみ、演出図柄変動停止処理に進むようにしてもよい。
演出図柄変動停止処理においては、まず、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(S731)。変動表示時間タイマを用いて監視する変動時間が終了したという条件が成立したときに演出制御プロセス処理に進んだ場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560と演出制御用マイクロコンピュータ100との間で変動表示の終了タイミングについての認識がずれないようにするために、図柄確定指定コマンドを受信したこという条件が成立したときにS731の処理を実行するのが望ましい。停止図柄表示フラグがセットされていれば、735に移行する。この実施の形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄の組合せを表示した場合には、後述するS734で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。したがって、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、S735に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、決定されている停止図柄を停止表示させる制御を行なう(S732)。
次に、第1連続予告実行中フラグがセットされているか否かを確認する(S732A)。第1連続予告実行中フラグがセットされていないときは、後述するS732Gに進む。一方、第1連続予告実行中フラグがセットされているときは、第1連続予告回数カウンタが「0」となっているか否かを確認する(S732B)。
第1連続予告回数カウンタが「0」となっていないときは、後述するS732Gに進む。一方、第1連続予告回数カウンタが「0」となっているときは、第1連続予告を終了させるときであり、第1連続予告実行中フラグをリセットする(S732C)。そして、第1連続予告制限予定フラグがセットされているか否かを確認する(S732D)。第1連続予告制限予定フラグがセットされていないときは、後述するS732Gに進む。一方、第1連続予告制限予定フラグがセットされているときは、当該第1連続予告制限予定フラグをリセットし(S732E)、第1連続予告制限フラグをセットして(S732G)に進む。
ここで、第1連続予告と第2連続予告との両方が実行中であるときに連続予告の実行回数を増加させる決定がされたときに、第1連続予告制限予定フラグがセットされ、実行中の一連の第1連続予告が終了したときに、当該フラグがS732Eによりリセットされ、その代りに、第1連続予告制限フラグがセットされる。このように第1連続予告制限フラグがセットされると、このような状況で第1連続予告が終了した後の最初の変動表示については、図24のS612から、S615のような第1連続予告を実行するための処理がバイパスされてS617に進むことにより、第1連続予告の実行が禁止(制限)されることとなる。このように、演出が認識しやすい第1連続予告の方の実行が禁止されることにより、第2連続予告の方で連続予告の実行回数が増加した演出が行なわれたことを強調して示すことができ、このような制御状態を遊技者に容易に認識させることが可能となる。
S732Gでは、第2連続予告実行中フラグがセットされているか否かを確認する(S732A)。第2連続予告実行中フラグがセットされていないときは、後述するS733に進む。一方、第2連続予告実行中フラグがセットされているときは、第2連続予告回数カウンタが「0」となっているか否かを確認する(S732H)。
第2連続予告回数カウンタが「0」となっていないときは、後述するS733に進む。一方、第2連続予告回数カウンタが「0」となっているときは、第2連続予告を終了させるときであり、第2連続予告実行中フラグをリセットし(S732F)、S733に進む。
S733では、停止図柄として、通常大当り、確変大当り、または、突確大当りに対応する図柄の組合せを表示したか否か(すなわち、大当りとなるか否か)を確認する(S733)。大当りとならないときには、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新し(S741)、処理を終了する。
一方、大当りとなるときには、停止図柄表示フラグをセットし(S734)、いずれかの大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグ(大当り開始1指定コマンド受信フラグ〜大当り開始3指定コマンド受信フラグのいずれか)がセットされているか否か確認する(S735)。大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、停止図柄表示フラグをリセットする(S736)。そして、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(S737)。
大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされていたフラグをリセットする。また、S737の処理では、大当りの当り種別に対応するファンファーレ演出等のプロセステーブルを選択する。そして、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(S738)、プロセスデータnの内容(表示制御実行データn、ランプ制御実行データn、音番号データn、可動部材制御データn)にしたがって各種演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、演出用部品としてのスピーカ27等)の制御を実行する(S739)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)に応じた値に更新し(S740)、処理を終了する。
なお、本実施の形態では、先読み予告の一例として、連続予告を実行する例を示した。しかし、これに限らず、先読み予告としては、予告対象の保留記憶に基づく変動表示が開始以前に所定の表示結果(大当り表示結果)となる可能性を示す予告演出であれば、当該予告対象の保留記憶に基づく変動表示が実行される前に存在するすべての保留記憶に基づく変動表示毎に行なわれるものではない予告演出であってもよい。たとえば、先読み予告を実行する判定がされたときに、変動2回ごとに数値をカウントダウンする演出をするようなカウントダウン予告等のように、存在するすべての保留記憶に基づく変動表示毎に行なわれるものではない予告演出を行なうようにしてもよい。また、先読み予告には、演出表示装置9において表示される保留記憶表示部において、予告対象の保留記憶を通常状態とは異なる特別な表示態様で表示する演出等のその他の演出態様の予告演出も含まれる。
また、連続予告の演出としては、始動入賞時における変動表示結果の判定結果に基づいて大当りに対する先読み予告を実行する例を示したが、これに限らず、始動入賞時における変動パターン種別(たとえば、スーパーリーチの変動パターン種別)に基づいて、大当りとなる期待度が高い変動パターン種別に対する連続予告を実行するようにしてもよい。
また、連続予告として、始動入賞時における変動表示結果の判定結果に基づいて大当りに対する連続予告のみを実行するときには、始動入賞が発生したときのコマンドとして、変動種別コマンドを送信しないようにしてもよい。
また、この実施の形態では、連続予告の演出として、第1連続予告と、第2連続予告との2種類に分類された連続予告の一方または両方を実行可能な例を示した。しかし、これに限らず、第1連続予告、第2連続予告、第3連続予告…というように、3種類以上に分類された複数種類の連続予告の一部または全部を実行可能としてもよい。そのような3種類以上の複数種類の連続予告を並行して実行しているときに、前述したような連続予告の実行回数を増加させる決定がされた場合には、実行中の連続予告の一部の種類の連続予告の実行回数を増加させないように制御すればよい。その場合には、並行して実行可能な複数種類の連続予告について、演出の認識しやすさのレベルを予め定めておき、複数種類の連続予告の実行中に連続予告の実行回数を増加させる決定がされた場合に、実行中の連続予告のうち、たとえば、演出の認識しやすさのレベルが最も高い連続予告の実行回数を増加させないようにする等、演出の認識しやすさに基づいて実行回数を増加させない連続予告を選択決定してもよい。
また、この実施の形態では、第1連続予告および第2連続予告のような並行して実行可能な複数種類の連続予告のうち、並行して実行されているときに連続予告増加判定がされたときに、演出態様が認識しやすい方の連続予告について連続予告の実行回数を増加させない例を示した。しかし、これに限らず、演出態様が認識しにくい方の連続予告について連続予告の実行回数を増加させないようにしてもよい。
また、連続予告は、たとえば、カウントダウン予告、チャンス目予告、および、ストーリー予告等の変動表示が行なわれるごとに演出態様が変化する(たとえば、カントダウン予告であれば表示する数値が変化する)ものであってもよく、背景移行予告、および、モード移行予告のように変動表示が行なわれるごとに演出態様が変化しないものであってもよい。また、背景移行予告としては、通常状態の背景画像と異なる複数種類の背景画像を連続予告が実行される変動表示回毎に所定の順番で切替える態様で表示するようにすることで、変動表示が行なわれるごとに演出態様が変化するようにしてもよい。
また、第1連続予告については、連続予告増加判定がされたときに、実行中の第1連続予告の演出を途中で中断し、所定期間後に、中断していた第1連続予告を実行するようにしてもよい。たとえば、先の保留記憶に基づいて4回の変動表示に亘り第1連続予告を実行することが予定されている状態で、第3回目の変動表示が実行される前に新たな保留記憶に基づいて連続予告判定がされたときに、実行中の第1連続予告を所定回数の変動表示に亘り中断した後、残りの実行予定分の第1連続予告を実行するようにしてもよい。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態を説明する。第2実施形態においては、連続予告が開始された後、演出図柄の変動表示が実行されるごとに、行なわれる予告演出の種類が増加する態様で、複数種類の予告演出を行なう例を説明する。
第1実施形態では、並行的に実行可能な連続予告が第1連続予告と第2連続予告との2種類だけ設けられている例を示したが、これに限らず、2種類以上の連続予告を並行的に実行可能としてもよい。第2実施形態では、このように2種類以上の連続予告を並行的に実行可能とした場合において、2種類以上の所定数の連続予告は、たとえば、同じ保留記憶を重複して予告対象とせず、1つの保留記憶については、1種類の連続予告についてのみ、連続予告実行判定を行なう処理を実行するように演出制御を行なう。
このような制御を行なう場合、演出制御用マイクロコンピュータ100では、2種類以上の所定数の連続予告について、予め定められた順番で、連続予告実行判定をし、連続予告を実行することが決定された順番にしたがって、実行される連続予告が増加する態様で、連続予告を開始させる制御を実行する処理を行なう。
このような第2実施形態では、連続予告演出が開始された後、変動表示が実行されるごとに、行なわれる連続予告の種類が増加する態様で複数種類の連続予告が行なわれるので、いずれかの連続予告を継続しないようにしても、遊技者の特定遊技状態への期待感を持続させることが可能となる。また、連続予告演出が開始された後、変動表示が実行されるごとに、並列的に行なわれる連続予告の種類が増加する態様で複数種類の連続予告が行なわれるように制御する場合において、第1実施形態のように連続予告の実行回数を増加させる判定がされたときには、複数種類の連続予告が並列的に実行されている状態において、当該判定に基づいて一部の連続予告を、先に発生した保留記憶により実行される変動表示で終了させた後でも、また実行される連続予告が増加する演出が行なわれる状況も生じるので、このような状況において、連続予告の実行数の減少後の増加態様に基づいて、遊技者の大当りへの期待感をさらに盛り上げることが可能となる。
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態を説明する。第3実施形態においては、第1連続予告および第2連続予告の両方を実行中に、第1連続予告の実行回数を増加させないようにした後、同じ当該予告演出を再実行するときに、再実行時の方が再実行前よりも、特定表示結果への期待度が高く設定された演出態様で予告演出を実行する例を説明する。
このような予告演出の実行は、たとえば次のような処理を行なうことにより実現される。第1連続予告については、1種類の連続予告の予告演出について、予告対象が大当りとなるときに選択割合が異なる複数種類の予告演出パターンを設けておき(たとえば、カウントダウン演出ではカントダウン表示する数字の色を複数種類設けておく)、第1連続予告を実行するときには、予告対象が大当りとなるかはずれとなるかにより異なる選択割合で、いずれかの予告演出パターンを選択するように制御する。
そして、第1連続予告と第2連続予告との両方が実行されているときに、図24のS605により連続予告の実行回数を増加させる決定がされたときに、演出制御マイクロコンピュータ100においては、特定の記憶領域に増加決定がされたときに実行されている第1連続予告の演出種類を示すデータを記憶する。その後、次回の第1連続予告が実行されるとき(再実行時)に、このような特定の記憶領域に記憶させたデータに基づいて前回の第1連続予告の演出種類を確認し、次回の第1連続予告の演出パターンとして、前回の第1連続予告の演出種類と同じ演出種類が選択されたときには(たとえば、前回の第1連続予告がカウントダウン予告で今回の第1連続予告もカウントダウン予告であるとき等)、前回の第1連続予告の演出種類よりも大当りとなる期待度が高く設定された演出パターンを選択して、前回よりも大当りとなる期待度が高い演出パターンの第1連続予告を実行させる。
このような第3実施形態では、第1連続予告および第2連続予告の実行中に第1連続予告を終了させた後、同じ態様の当該第1連続予告を再実行するときに、再実行時の方が再実行前よりも、大当りとなる期待度が高く設定された演出態様で、第1連続予告が実行されるので、再実行時に遊技者の大当りへの期待感をさらに高めることができ、遊技の興趣をより一層高めることができる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図13、図14、図24のS607,S609,S610〜S614に示すように、始動入賞時にはずれとなると判定された保留記憶を予告対象とした第1連続予告および第2連続予告の両方を並行して実行中に、連続予告の実行回数を増加させる決定がされたときに、第1連続予告は先に発生した保留記憶により実行される変動表示で終了させる一方、第2予告演出は先に発生した保留記憶により実行される変動表示以降の変動表示でも実行されるので、新たな保留記憶が発生したことにより、先に発生した保留記憶により実行される変動表示以降の変動表示が実行されるときの連続予告の注目ポイントを分かりやすくすることができる。
(2) たとえば、図19(A)〜(C)で大当りとなるときにははずれとなるときと比べて保留記憶数が多くなるに従い第1連続予告を実行する決定がされる割合が高いことを示したように、大当りとなるときの方がはずれとなるときよりも連続予告の実行回数が多くなるように連続予告が実行されるが、第1連続予告および第2連続予告の両方を実行中に、新たな保留記憶が発生したときに、当該保留記憶を判定対象とした連続予告増加判定で連続予告の回数を増加させる決定がされても、第1連続予告が先に発生した保留記憶により実行される変動表示で終了させられるので、連続予告の実行回数の増加により誤った期待感を遊技者に与えてしまうのを防ぐことができる。
(3) 図14に示すように、第1連続予告は、第2連続予告と比較して認識しやすい態様で行なわれるので、第1連続予告の実行回数が増加せず、第2連続予告の実行回数が増加したことが明確に示されるため、単に連続予告演出が続くような印象を遊技者に与えないようにすることができる。
(4) 第2実施形態に示すように、連続予告演出が開始された後、変動表示が実行されるごとに、行なわれる連続予告の種類が増加する態様で複数種類の連続予告が行なわれるので、いずれかの連続予告を継続しないようにしても、遊技者の特定遊技状態への期待感を持続させることが可能となる。
(5) 第3実施形態に示すように、第1連続予告および第2連続予告の実行中に第1連続予告を終了させた後、同じ態様の当該第1連続予告を再実行するときに、再実行時の方が再実行前よりも、大当りとなる期待度が高く設定された演出態様で、第1連続予告が実行されるので、再実行時に遊技者の大当りへの期待感をさらに高めることができ、遊技の興趣をより一層高めることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(2) 前述の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。このような構成の場合には、前述した実施の形態で演出制御用マイクロコンピュータ100が行なっていた各種決定については、同様に演出制御用マイクロコンピュータ100が行なうようにしてもよく、または、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、または、音/ランプ基板に搭載したマイクロコンピュータ等の制御手段が行なうようにしてもよい。
(3) 上記実施の形態においては、変動表示において実行する演出として、擬似連の演出を実行するようにしてもよい。擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。
(4) 上記実施の形態においては、変動表示において実行する演出として、滑り演出を実行するようにしてもよい。滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。
(5) 上記実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行なうようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100の方で選択を行なう様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
(6) 前述した実施の形態は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、次のように遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。具体的に、上記の実施の形態の遊技機は、遊技者に景品として遊技球が払出され、遊技者が払出された遊技球(貸し球の場合もある)を遊技領域に発射して遊技が行なわれる遊技機であったが、プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報により特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点または遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打込んで遊技者が遊技を行なう遊技機にも本発明を適用することができる。すなわち、始動領域を遊技媒体(遊技球)が通過した後に、変動表示の開始を許容する開始条件の成立に基づいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行ない表示結果を導出表示する変動表示装置を備え、該変動表示装置に特定表示結果が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に移行させる遊技機であるが、遊技得点が0でないときに遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打込んで遊技が行なわれ、遊技球の打込みに応じて遊技得点を減算し、遊技領域に設けられた入賞領域に遊技球が入賞することに応じて遊技得点を加算する遊技機にも本発明を適用することができる。そのような遊技機は、遊技得点の加算に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を挿入するための遊技用記録媒体挿入口と、遊技用記録媒体挿入口に挿入された遊技用記録媒体に記録されている記録情報の読出しを行なう遊技用記録媒体処理手段とを備えていてもよい。
(7) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(8) 前述の実施形態では、大当り種別として、15ラウンドの通常大当りと15ラウンドの確変大当りと2ラウンドの確変大当りとを設けた例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、15ラウンドの大当り、10ラウンドの大当り、5ラウンドの大当り、および、2ラウンドの大当りを設ける場合のように、3種類以上のラウンド数の大当り種別を設けてもよい。その場合には、たとえば、大当りの種別を、賞球が得られやすい大当り種別グループ(たとえば、15ラウンドの大当り、10ラウンドの大当り)と、賞球が得られにくい大当り種別グループ(たとえば、5ラウンドの大当り、2ラウンドの大当り)とに分類し、第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも、賞球が得られやすい大当り種別グループの大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。
(9) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。