以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機、スロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、各々を識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行なう可変表示部に特定表示結果が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は当り種別表である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は当り種別表である。
パチンコ遊技機1は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域7に打込んで遊技が行なわれる遊技機である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5等が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン125(図3参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン125に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ121(図3参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122との取付位置が上下の位置関係にはなく、たとえば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
なお、本実施の形態では、遊技者が操作可能な操作手段の一例として、プッシュボタン120と、トリガボタン125を有するスティックコントローラ122とを設けた例を示した。しかし、これに限らず、操作手段としては、プッシュボタン120とスティックコントローラ122とのいずれか1つのみを設けてもよい。また、操作手段としては、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な演出表示装置9が設けられている。遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示等の各種画像を表示する表示領域が設けられる。このような表示領域には、たとえば「左」,「中」,「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示領域が形成される。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
第1特別図柄表示器8aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置9においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示領域で同じ図柄が停止し、中の図柄表示領域で図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示領域で停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチ(ノーマルリーチ)に比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。また、リーチの中には、特別なスーパーリーチ以外のリーチとして、基本的なリーチであるノーマルリーチが含まれている。ノーマルリーチは、スーパーリーチよりも大当りが発生しにくいように設定されたものである。
この実施の形態において、スーパーリーチにおいては、リーチ図柄が形成された後、所定の動画(たとえば、所定のキャラクタ動画等の動画)を表示した後、表示結果導出表示前の最終的な演出表示において、変動中の中演出図柄をスクロールさせる演出等の遊技者の期待感を向上させるような複雑な演出表示が実行される。また、ノーマルリーチにおいては、リーチ図柄が形成された後、前述の動画を表示せずに背景画像(図柄の背景を構成する画像)の種類をリーチ状態となる前に表示されていた画像とは異ならせるような比較的簡素な演出表示が実行される。このようなノーマルリーチでは、たとえば、中図柄の最終停止図柄の停止表示前のスクロール状態において、たとえば、3図柄前等の任意の図柄数(図柄配列数)前の図柄から変動表示速度を減速する演出が行なわれることにより、表示結果導出表示前の最終的な演出表示が行なわれる。なお、ノーマルリーチでは、その他の演出表示が行なわれる場合もある。
リーチ状態となった後に、リーチ図柄が形成された態様で大当り表示結果以外のはずれ表示結果となったときが、リーチはずれと呼ばれる。また、リーチ状態とならずにリーチ図柄が形成されない態様ではずれ表示結果となったときが、非リーチはずれと呼ばれる。
演出表示装置9の右方には、各々を識別可能な識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)8aが設けられている。第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、各々を識別可能な識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件(第1実行条件)または第2始動条件(第2実行条件)が成立(たとえば、遊技球が始動入賞領域としての第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。また、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のような始動領域に遊技球が進入したにもかかわらず未だ開始条件が成立していない変動表示について、所定の上限数の範囲内で情報を記憶することが保留記憶と呼ばれる。また、このような保留記憶という用語は、保留記憶された情報(保留記憶情報)を示す(特定する)場合にも用いられる。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1特別図柄の変動表示が開始可能となる第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2特別図柄の変動表示が開始可能となる第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当り表示結果として大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数および第2保留記憶数を合算(合計)した形式で表示する合算保留記憶表示部18cが設けられている。合算保留記憶表示部18cでは、発生した保留記憶情報を表示する画像(以下、保留表示と呼ぶ)が保留記憶情報の数に対応して表示されることにより、保留記憶数が示される。このように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
演出表示装置9の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図2の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
具体的に、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。また、本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。なお、「大当り」のうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。また、このような制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
このような電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
この実施の形態においては、高確率状態に制御されたときに、時短状態および高ベース状態に制御されるが、時短状態および高ベース状態は、制御の開始条件および終了条件が同じであるので、時短状態および高ベースに制御されている状態を、時短状態という用語で代表して示す場合があり、高ベース状態という用語で代表して示す場合がある。
図2に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、高ベース状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。通常大当りにおいては、非確変状態が次回の大当りが発生するまでの期間継続し、時短状態、および、高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
図4は、各乱数を示す説明図である。図4においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、通常大当り、および、確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、通常大当り、および、確変大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(ランダムR)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。
この実施の形態では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴なう変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、所定の変動パターンの変動時間が時短でないときよりも短く設定されたり、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでも変動パターン種別のうち最も変動時間が短いノーマルリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されたりすることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
図5は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図5(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図5(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図5(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図5(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図5(B)、および、図5(C)の第1,第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」と「確変大当り」とのうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図5(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
このような大当り種別大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルとは、確変大当りに決定される割合が同じである。このような場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当り種別判定テーブルを分けなくてもよい。また、大当り種別として、大当り遊技状態での最大ラウンド数が異なる複数種類の大当りのうちから大当り種別を選択するときには、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、ラウンド数が多い大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。このようにすれば、高ベース状態において、大当りの種別選択が遊技者にとって有利となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合を高くしてもよい。そうすることにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、確変大当りとなる割合を高くすることができる。また、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよい。
次に、図6を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。図6は、変動パターンを決定するために用いる変動パターンテーブルを表形式で示す図である。
図6には、(a)に通常状態はずれ時判定テーブル、(b)に時短状態はずれ時判定テーブルが示されている。また、(c)に通常大当り時判定テーブル、(d)に確変大当り時判定テーブルが示されている。図6(a)〜(d)の各判定テーブルは、ROM54に記憶されており、遊技状態に応じて選択され、変動パターン種別および変動パターンを判定(決定)するために用いられる。
図6に示す判定テーブルは、ランダム2と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム3と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。
図6の各テーブルでの「変動パターン種別」または「変動パターン」の欄において、「通常」または「通常変動」は、リーチとならない通常変動パターンを示している。
また、図6の各テーブルでの「ノーマルリーチ」は、リーチ状態となったときに特に派手な演出を実行しないノーマルリーチの変動パターンを示している。「スーパーリーチ」は、リーチ状態となったときに特別な演出画像を表示するリーチ演出を行なう変動パターンを示している。
また、前述したように、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて大当りとなるときに選択される割合が高く、大当りとなる信頼度が高い変動パターンである。さらに、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて変動時間が長い(たとえば、ノーマルリーチ10秒、スーパーリーチ40秒)変動パターンである。なお、スーパーリーチには、4種類の変動パターンが設定されており、第1スーパーリーチ<第2スーパーリーチ<第3スーパーリーチ<第4スーパーリーチとなるような関係で大当り期待度(大当りとなる可能性)が高いことを示している。
また、パチンコ遊技機1においては、識別情報としての演出図柄、および、第1,第2特別図柄のそれぞれの変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまで、演出表示装置9において、所定の演出態様としての擬似連と呼ばれる演出(以下、擬似連演出と称する)が実行される場合がある。擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものを、複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。
また、擬似連とは、1の始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の変動表示(可変表示)が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、全部の図柄列(左,中,右)について仮停止と、再変動とを所定回数実行する(繰り返す)特殊な変動パターン(変動表示パターンともいう)のことを指す。たとえば、再変動の繰返し実行回数(初回変動およびその後の再変動を含む合計の変動回数であり、擬似連変動回数ともいう)が多い程、大当りとなる信頼度(大当りとなるときとはずれとなるときとを含むすべての選択割合に対して大当りとなるときに選択される割合の度合い、大当りとなる割合の程度、すなわち、大当りとなる信頼性の度合い)が高くなる。より具体的には、大当りと決定されたときに選択される割合が高くなることで、大当り遊技状態となるか否かを擬似連演出により示唆する。擬似連の変動パターンでは、演出表示装置9において通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄に含まれない擬似連図柄(たとえば、所定の文字またはキャラクタなどが付された図柄(数字が付されていない図柄、擬似連専用図柄とも称する))が仮停止する。なお、擬似連においては、通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄(本実施形態では数字図柄)が仮停止してもよい。演出表示装置9において仮停止される図柄の組合せが、仮停止図柄の組合せと呼ばれる。仮停止図柄の組合せは、大当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなる複数種類のチャンス目(以下、擬似連出目(擬似連チャンス目)という)のうちからいずれかの擬似連チャンス目に決定されるようにすればよい。
本実施の形態では、複数種類設けられたスーパーリーチの変動パターンのうち、一部の変動パターンである第3スーパーリーチおよび第4スーパーリーチにおいて、擬似連の変動表示が実行される(擬似連の変動表示が実行される変動時間を有している)。擬似連の変動表示で実行される擬似連演出についての詳細は後述するが、第3スーパーリーチでは擬似連において変動表示が2回実行され、第4スーパーリーチでは擬似連において変動表示が3回実行される。また、第2スーパーリーチにおいては、擬似連煽りのみの変動パターンが実行される。具体的に、擬似連煽りのみとなる変動パターンでは、擬似連の初回変動(擬似連1回目)で中の図柄表示エリアにおいて擬似連専用図柄が出現した後、仮停止するような演出が行なわれた後、擬似連専用図柄が滑る演出が行なわれる。ここで、滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。第2スーパーリーチにおいては、その後、左右の図柄表示エリアにおいてはずれ出目(はずれ図柄の組合せ)で仮停止していた2つの演出図柄のうち一方が滑った後停止することによりリーチ出目(リーチ図柄の組合せ)を形成し、リーチ演出が実行されるような演出である。
なお、はずれ時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。通常大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「通常大当り」の表示結果となる変動パターンである。確変大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「確変大当り」の表示結果となる変動パターンである。
これらの情報に基づいて、たとえば、図6(a)の「変動パターン」の欄に示された「第4スーパーリーチ (擬似連3回:40秒)」という変動パターンは、「はずれ表示結果となる変動時間が40秒で3回の変動表示が擬似連として実行される第4スーパーリーチの変動パターン」であることが示される。
図6のテーブルで「ランダム2範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム2範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブル部としての機能を示す欄である。たとえば、図6(a)を例にとれば、「通常」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム2(1〜251)のすべての値が複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、所定のタイミングで抽出したランダム2の値が1〜251の乱数値のうち、140〜229に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターン種別として「ノーマルリーチ」とすることが決定される。
また、図6のテーブルで「ランダム3範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム3範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブル部としての機能を示す欄である。変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図6(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の種別に属する変動パターンは、「第1スーパーリーチ」、「第2スーパーリーチ」、「第3スーパーリーチ」、および、「第4スーパーリーチ」である。
各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム3(1〜220)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム3が1〜220の乱数値のうち、1〜70に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターンとして、「第1スーパーリーチ(擬似連無:15秒)」の変動パターンとすることが決定される。
第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。非時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルを選択する。一方、時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択する。なお、図6(a),図6(b)の判定テーブルを用いることで、保留数に関わらず、通常状態はずれ時、時短状態はずれ時でのリーチ割合を一定にしている。
また、時短状態であるか否かにかかわらず第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果が大当りとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。変動表示結果が通常大当りとなるときには、図6(c)の通常大当り時判定テーブルを選択する。時短状態であるか否かにかかわらず変動表示結果が確変大当りとなるときには、図6(d)の確変大当り時判定テーブルを選択する。
図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、通常変動の変動時間が短く設定されている。そして、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)よりも変動時間が短い通常変動(非リーチはずれ変動(リーチとならずにはずれ表示結果となる変動))に決定される割合が高く、通常変動よりも変動時間が長いリーチ変動に決定される割合が低くなるように、データが設定されている。
これにより、非時短状態(通常状態)のときと比べて、時短状態のときの方が、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が高いので、時短状態のときの方が、非時短状態のときよりも平均的に短い変動時間で変動表示が行なわれることとなる。このように判定テーブルを選択することにより時短状態を実現することができる。また、通常変動を非時短状態よりも時短状態ときの方が変動時間が短くなるように設定することで、時短状態中の保留消化を短縮することができる。
また、はずれとなるときに選択される図6(a)および図6(b)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ>スーパーリーチとなるような高低関係で選択されるようにデータが設定されている。一方、大当りとなるときに選択される図6(c)および図6(d)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ<スーパーリーチというような割合の高低関係で選択されるようにデータが設定されている。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の期待感を高めることができる。
また、大当りのうち確変大当りとなるときに選択される図6(d)の判定テーブルでは、大当りのうち通常大当りとなるときに選択される図6(c)の判定テーブルと比べて、ノーマルリーチに対してスーパーリーチ演出の種別が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、確変大当りとなるときには、通常大当りとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。
なお、このような変動パターンは、変動表示をする第1特別図柄および第2特別図柄の合算保留記憶数(合計値)が所定数以上であるとき(たとえば、合算保留記憶数が3以上)と、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、合算保留記憶数が所定数以上であるときには、合算保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。ただし、保留数短縮制御が実行される条件下でも(たとえば、合算保留記憶数が3以上)リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ含む)の割合を一定にすることで、リーチに対する期待感が保たれる。また、リーチの中でもスーパーリーチのみ変動時間が短縮されないようにして、保留数時短制御を実行するようにしてもよい。さらに、保留数時短制御は変動時間が短い通常変動が高い割合で選択されるようにすることで実行可能としてもよく、各変動パターン自体の変動時間を短くすることで実行可能としてもよいし、その組合せでもよい。
また、本実施の形態では、擬似連演出における演出態様が擬似連演出の途中で別の演出態様に移行することがある。そして、これらの擬似連演出に関する演出態様は後述するように、演出制御用マイクロコンピュータ100側で決定している。しかしながら、擬似連演出における演出態様の移行の有無や擬似連演出の内容について、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で決定するようにしてもよい。
図7は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図7に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
図7のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6に示すような使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定するコマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンドA001〜A002(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態の開始を指定する大当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A302(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態の終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確率状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを指定する時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを指定する確変状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数(合算保留記憶数)を指定する合算保留記憶数指定コマンドである。コマンドC0XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC100(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、保留記憶数を指定するコマンドとして、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信する場合を示しているが、第1保留記憶と第2保留記憶とのうち増加した方の保留記憶数を指定するコマンドを送信するように構成してもよい。具体的には、第1保留記憶が増加した場合に第1保留記憶数を指定する第1保留記憶数指定コマンドを送信し、第2保留記憶が増加した場合に第2保留記憶数を指定する第2保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
この実施の形態では、後述する入賞時演出処理(図11参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。また、変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、表示結果が大当りとなるか否か、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づいて、変動パターン種別を認識できる。
図8は、遊技制御用マイクロコンピュータ560における保留記憶バッファの構成例を示す説明図である。
図8(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。保留特定領域は、RAM55に形成(RAM55内の領域である)され、図8(A)に示すように、合算保留記憶数を計数する合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。図88(A)には、合計保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。
図8(A)に示すように、保留特定領域には、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留特定領域には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を特定可能なデータが記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
図8(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する保存領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図8(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口13への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口14への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
このように第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)は、始動入賞時において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
このように保留特定領域および保存領域に記憶されたデータは、後述するように、始動入賞時に読出されて先読み予告演出のために用いられるとともに、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドというような、始動入賞時判定処理(たとえば、S1217,S1228の入賞時演出処理)の判定結果を示す3つのコマンドを1セットとして、主基板31から演出制御基板80へと送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100のRAM103に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファには、受信した図柄指定コマンド、変動種別コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンド等の各種コマンドを対応付けて格納できるように、受信したコマンドを特定可能なデータを記憶する記憶領域が確保されている。
この実施の形態において、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に対応して行なわれる演出図柄の演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、演出図柄の変動表示動作、リーチ演出等における演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出動作というような、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。また、予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図9は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図9に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図10は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S311)。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560において、RAM55には、第1始動入賞口13への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口14への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。これら各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。
以下の保留記憶に関する説明に関しては、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。また、第1保留記憶バッファに記憶される数値データを第1保留記憶情報と呼び、第2保留記憶バッファに記憶される数値データを第2保留記憶情報と呼ぶ場合がある。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定(変動パターン種別判定用乱数および変動パターン判定用乱数を用いた変動パターンの決定)、および、決定された変動パターンに応じて変動時間を計時するための変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示演出用の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御、および、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理(S305)に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理(S307)に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
図11は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、S1222に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1222に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1214)。また、CPU56は、図8で説明した第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S1215)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。たとえば、CPU56は、図8に示す保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図8(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13、または、第2始動入賞口14への入賞に基づき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13、または、第2始動入賞口14への入賞順番が記憶される。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図8(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1216)。S1216の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S1217)。
この実施の形態では、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞が発生し、当該始動入賞時に得られた各種データが保留記憶情報として記憶された後、変動表示の開始条件が成立すると、変動表示を開始するタイミングにおいて、特別図柄通常処理(S300)で、当該保留記憶情報に基づき、変動表示を開始する特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)について、変動表示結果を大当り表示結果とするか否かの決定、および、大当り種別の決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された大当り判定値、および、大当り種別判定値に基づいて行なう。そして、変動パターン設定処理(S301)において変動パターン(変動パターン種別の決定も含む)の決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された変動パターン種別判定値、および、変動パターン判定値に基づいて行なう。
一方、このような決定とは別に、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞に基づく変動表示が開始される前のタイミング、具体的には、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に始動入賞したタイミング(保留記憶情報が記憶されたタイミング)で、その始動入賞時に得られた各種データを記憶した保留記憶情報を先読みし、その先読みした保留記憶情報に基づいて、予め大当りとなるか否かの決定、大当りの種別の決定、および、変動パターンの決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された大当り判定値、大当り種別判定値、および、変動パターン種別判定値に基づいて先読み判定する入賞時演出処理を実行する。そのようにすることによって、演出制御用マイクロコンピュータ100では、演出図柄の変動表示が実行されるよりも前に予め変動表示結果を予測し、始動入賞時の各種判定結果に基づいて、演出図柄の変動表示中に大当りとなること(大当りとなる可能性)を予告する先読み予告等の先読み演出を実行することが可能である。
そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて、図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1218)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1219)。また、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1220)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1221)。
S1218,S1219の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第1始動入賞口13に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方が、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
また、この実施の形態では、S1218〜S1221の処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(S1222)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1223)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1224)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1225)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(S1226)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図8(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1227)。なお、S1227の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、入賞時演出処理を実行する(S1228)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1229)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1230)。また、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1231)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1232)。
S1229,S1230の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第2始動入賞口14に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1229〜S1232の処理が実行されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
図12は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるかどうかを確認する(S51)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、処理を終了する。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、処理を終了する前に、1回だけ、デモンストレーション表示を実行させるための客待ちデモ指定コマンドを送信するための処理を実行するようにしてもよい。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには、CPU56は、保留特定領域(図8(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(S52)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(S52のN)、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S53)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(S52のY)、CPU103は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S54)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。
S52〜S54の処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順にしたがって、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
RAM55に形成され合算保留記憶数を計数する合計保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S57)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、保留記憶バッファからランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S61)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS1216や始動口スイッチ通過処理のS1227で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図5参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当り判定の処理を行ない、遊技状態が通常遊態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当り判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S61のY)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的に、確変フラグは、確変大当りとなったときに、大当り終了処理(図10のS307)においてセットされ、その後、次回の大当りが決定されたという条件、または、はずれ表示結果となる変動表示が所定回数(たとえば100回)が実行されたという条件が成立したときに、特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S61のN)、後述するS75に進む。
S61において大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの大当り判定値に一致すればCPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定用テーブルおよび図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルのうち、いずれかのテーブルを選択する(S72)。具体的に、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図5(B)に示す第1特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合において、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、始動口スイッチ通過処理で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り種別判定用乱数を読出し、S72で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、保留記憶バッファに格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別および大当り図柄を決定する(S73)。
図5(B),(C)に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄については、大当り種別ごとに大当り図柄が異なるように大当り種別と大当り図柄との関係が設定されており、大当り種別と大当り図柄とが同時に決定されるので、大当り図柄と、大当り種別に応じた遊技制御との対応関係が単純化するため、遊技制御の複雑化を防ぐことができる。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示す大当り種別データをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。たとえば、大当り種別が「通常大当り」の場合には、大当り種別データとして「01」が設定される。大当り種別が「確変大当り」の場合には、大当り種別データとして「02」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を設定する(S75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄として設定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、S73により決定された大当り図柄を特別図柄の停止図柄に設定する。すなわち、大当り種別が「確変大当り」に決定されたときには「7」を特別図柄の停止図柄に設定する。大当り種別が「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
図13は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S301)を示すフローチャートである。
変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S91)。大当りフラグがセットされている場合は、大当りとすることが決定されているときであり、CPU56は、S74で記憶された大当り種別情報と、非時短状態と時短状態とのうちどの状態にあるかを示す時短情報とに応じて、変動パターン種別および変動パターンを決定するために使用するテーブルとして、前述した判定テーブルの選択条件に基づいて、図6に示す、通常状態はずれ時判定テーブル、時短状態はずれ時判定テーブル、通常大当り時判定テーブル、および、確変大当り時判定テーブルのうちいずれかを選択する。
ここで、時短情報は、時短状態であるか否かを示す情報である。時短情報は、大当り遊技状態の終了時においてセットされ、時短状態において、はずれ表示結果となる変動表示が所定回数(この実施の形態では100回)実行されたときに、リセットされる(次回の大当り遊技状態が発生するにも一旦リセットされる。)。時短情報は、時短フラグがセットされているときには、時短状態であることを示し、時短フラグがセットされていないときには、非時短状態であることが示される。
S91で大当りフラグがセットされているときは、S74で記憶された大当り種別データに基づいて、大当りが確変大当りであるか否かを確認する(S92)。確変大当りであるときは、図6(d)の確変大当り時判定テーブルを選択し(S93)、S114に進む。一方、通常大当りであるときは、図6(c)の通常大当り時判定テーブルを選択し(S94)、S114に進む。
また、S91で大当りフラグがセットされていないとき、すなわち、はずれのときは、時短フラグがセットされているか否かを確認する(S95)。時短フラグがセットされていないときは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルを選択し(S96)、S114に進む。一方、時短フラグがセットされているときは、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択し(S97)、S114に進む。
これにより、遊技状態に応じて、変動パターン種別および変動パターンを決定するために使用するテーブルとして、前述したような判定テーブルの選択条件に基づいて、図6に示される通常状態はずれ時判定テーブル、時短状態はずれ時判定テーブル、通常大当り時判定テーブル、および、確変大当り時判定テーブルのうちいずれかが選択される。
次いで、S114において、CPU56は、保留記憶バッファ(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読出し、S93,S94,S96またはS97の処理で選択した判定テーブルにおける変動パターン種別判定テーブル部のデータを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(S114)。
次いで、CPU56は、保留記憶バッファ(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読出し、S93,S94,S96またはS97の処理で選択した判定テーブルにおいて、変動パターン判定テーブル部におけるS114で決定した変動パターン種別に関するデータを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(S115)。
次いで、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S116)。
また、特別図柄の変動を開始する(S117)。たとえば、S32の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットすることにより、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて、前述のように変動表示を開始させる。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示を開始させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動表示を開始させる。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(S118)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(S302)に対応した値に更新する(S119)。
前述した表示結果指定コマンド送信処理(S302)においては、CPU56が、決定されている大当りの種類、または、はずれに応じて、表示結果を指定する表示結果1指定〜表示結果3指定コマンドのいずれかの演出制御コマンド(図7参照)を送信する制御を行なう。
また、前述した特別図柄変動中処理(S303)においては、CPU56は、変動時間タイマを1減算し、変動時間タイマがタイムアウトしたら、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(S304)に対応した値に更新し、特別図柄停止処理に進む。
変動表示の結果、大当りとなるときには、大入賞口開放前処理(S305)、大入賞口開放中処理(S306)、および、大当り終了処理(S307)が実行されることにより、大当り遊技状態に制御される。大当り終了処理(S307)において、確変大当りの終了時には、確変フラグおよび時短フラグがセットされ、通常大当りの終了時には、時短フラグがセットされる。これにより、確変大当りの終了後には、確変状態および時短状態に制御され、通常大当りの終了後には、時短状態に制御される。
確変大当りおよび通常大当り後の時短状態は、変動表示が100回実行されるまでと、次の大当りが発生するまでとのいずれかの条件が成立するまで継続させる必要がある。このような変動表示100回という継続期間は、大当り終了処理(S307)において、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタを100回にセットし、その後に変動表示が実行されるごとに特別図柄停止処理で減算更新することにより管理され、時短回数カウンタがカウントアップしたことに基づいて、時短フラグがリセットされることにより、時短状態を終了させる制御が行なわれる。
次に、本実施の形態で行なわれる擬似連演出について、演出表示装置9の表示画像に基づいて説明する。擬似連演出には、特定演出が実行される特定演出擬似連と、特定演出が実行されない特定演出なし擬似連とが含まれる。特定演出は、チャンスゾーン演出とも呼ばれ、遊技者にとって有利な状況(チャンスゾーン)となっていることを特定の演出モードに属する演出を用いて示唆する演出である。この実施の形態では、特定演出として、その他の演出モードでは表示されない特定の背景画像(演出図柄の背景を構成する画像)を表示する演出を一例として示す。このような特定演出は、擬似連の変動表示が実行されるときの他に、後述するような先読み演出が実行されるときにも、先読み特定演出として表示される場合がある。なお、特定演出としては、特定の背景画像を継続的に表示する演出以外に、特定の画像を継続的に表示したり、特定の演出音を継続的に出力したりするような演出などであってもよく、特定の背景画像の継続表示、特定の画像の継続表示、及び特定の演出音の継続出力などを組み合せた演出であってもよい。
特定演出擬似連は、仮停止図柄として特定擬似連図柄のような特定画像が表示されたときに実行される。特定演出擬似連は、仮停止図柄として特定擬似連図柄以外の通常擬似連図柄のような所定画像が表示されたときには実行されない。擬似連の演出のうち、特定演出擬似連の方が特定演出なし擬似連よりも、特別図柄の変動表示結果が大当りときに選択される割合が高くなるように設定されている。
特定演出擬似連には、第1特定演出が実行される第1特定演出擬似連と、第2特定演出が実行される第2特定演出擬似連とが含まれる。この実施の形態では、第2特定演出擬似連の方が第1特定演出擬似連よりも、特別図柄の変動表示結果が大当り表示結果となるときに選択される割合が高くなるように設定されている。
特定演出擬似連において実行される特定演出としては、遊技者にとって有利な状態であることを示唆する演出として、特定背景画像を所定期間に亘り表示する演出が実行される。
特定演出擬似連には、第1特定演出が実行される第1特定演出擬似連と、第2特定演出が実行される第2特定演出擬似連とが含まれる。第1特定演出擬似連では、特定演出(第1特定演出)として、第1特定背景画像が表示され、第2特定演出擬似連では、特定演出(第2特定演出)として、第1特定背景画像とは異なる第2特定背景画像が表示される。
図14は、特定演出擬似連の演出例を示す演出表示装置9の表示画面である。図14においては、特定演出なし擬似連、第1特定演出擬似連、および、第2特定演出擬似連の一例がそれぞれ示されている。図14において、特定演出なし擬似連は、(1),(2),(3)〜(10)という演出の流れのように実行される。図14において、第1特定演出擬似連は、(1),(2),(11)〜(18)という演出の流れのように実行される。第2特定演出擬似連は、(1),(2),(21)〜(28)という演出の流れのように実行される。
特別図柄の変動表示の開始条件が成立すると、図14(1)に示すように、演出表示装置9における「左」,「中」,「右」の各図柄表示エリア91,92,93のぞれぞれで「0」〜「9」の9つの数字図柄よりなる演出図柄の変動表示が開始される。「左」,「中」,「右」の各図柄表示エリア91,92,93は、基本的に、「左」,「右」,「中」図柄表示エリア91,93,92の順番により演出図柄が停止される。
この実施の形態では、擬似連となる変動表示を実行するときに、図14(2)に示すように、「左」図柄表示エリア91および「右」図柄表示エリア93において演出図柄がリーチ状態を形成しない態様(非リーチ状態)で、一旦仮停止(一旦停止)した後、「中」図柄表示エリア92において、図14(3)の通常擬似連図柄920と、図14(11)の第1特定擬似連図柄921と、図14(21)の第2特定擬似連図柄922とのような、予め定められた擬似連図柄が仮停止(一旦停止)することにより、擬似連演出が行なわれる変動表示であることが示唆(報知)される。このように擬似連図柄を含む擬似連図柄の組合せ(擬似連チャンス目)が仮停止した後には、擬似連の再変動表示が実行され得る。
通常擬似連図柄920、第1特定擬似連図柄921、および、第2特定擬似連図柄922のような擬似連図柄は、通常の変動表示に用いられる数字図柄(0〜9)とは異なる図柄であって、擬似連演出においてのみ用いられる擬似連専用図柄である。このような擬似連専用図柄は、通常の変動表示には用いられず、擬似連演出の仮停止時(一旦停止時)において、停止される数字図柄と差替えられる態様で出現する態様で表示される。
通常擬似連図柄920は、「NEXT」という文字が付された楕円形の図柄であり、特定演出なし擬似連、第1特定演出擬似連、および、第2特定演出擬似連のそれぞれで用いられる擬似連図柄である。第1特定擬似連図柄921は、「ZONE」という文字が付された四角形の図柄であり、第1特定演出擬似連のみで用いられる擬似連図柄である。第2特定擬似連図柄922は、「ZONE」という文字が付された六角形の図柄であり、第2特定演出擬似連のみで用いられる擬似連図柄である。第1特定擬似連図柄921および第2特定擬似連図柄922のそれぞれは、通常擬似連図柄920と異なる図形および文字で構成されることにより、表示態様において通常擬似連図柄920と区別されている。
特定演出なし擬似連の演出が実行されるときは、図14の(3)に示されるように、1回目の仮停止時に通常擬似連図柄920が仮停止され、その後、図14の(4),(5)および(6),(7)のそれぞれのように、2回目以降の再変動と仮停止とを実行するときにも、通常擬似連図柄920が仮停止される。
特定演出なし擬似連の演出が実行されるときには、たとえば、図14の(8),(9)に示されるように、最後の再変動においてリーチ状態とされた後、たとえば、図14の(10)に示されるように、最終的な変動表示結果が導出表示される。特定演出なし擬似連の演出においては、変動表示の開始時から終了時までに亘り、背景画像として、基本的な背景画像として通常的に用いられる通常背景画像が表示される。これにより、1回目の仮停止時に通常擬似連図柄920が仮停止した後に再開される演出図柄の変動表示中においては、第1特定背景画像または第2特定背景画像を表示する特定演出が実行されない。
第1特定演出擬似連の演出が実行されるときは、図14において、(11)に示されるように、1回目の仮停止時に第1特定擬似連図柄921が仮停止され、背景画像が通常背景画像から、図中に斜線で示されるような第1特定背景画像に切替られる態様で表示画像が変化させられる。このような第1特定擬似連図柄921の仮停止と、第1特定背景画像の表示とにより、第1特定演出が実行される特定演出モードであることが示唆される。その後、図14の(12),(13)および(14),(15)のそれぞれのように、2回目以降の再変動と仮停止とを実行するときには、通常擬似連図柄920が仮停止される。
第1特定演出擬似連の演出が実行されるときは、特定演出なし擬似連の演出が実行されるときと同様に、たとえば、図14の(16),(17)に示されるように、最後の再変動においてリーチ状態とされた後、たとえば、図14の(18)に示されるように、最終的な変動表示結果が導出表示される。
第1特定演出擬似連の演出が実行されるときには、図14の(11)に示されるような第1特定擬似連図柄921が仮停止したときに表示された第1特定背景画像が、図14の(11)〜(18)に示されるように、変動表示の終了時まで継続して表示される。これにより、1回目の仮停止時に第1特定擬似連図柄921が仮停止した後に再開される演出図柄の変動表示中においては、第1特定背景画像を表示する第1特定演出が実行されることとなる。
第2特定演出擬似連の演出が実行されるときは、図14において、(21)に示されるように、1回目の仮停止時に第2特定擬似連図柄922が仮停止され、背景画像が通常背景画像から、図中に横線で示されるような第2特定背景画像に切替られる態様で表示画像が変化させられる。このような第2特定擬似連図柄922の仮停止と、第2特定背景画像の表示とにより、第2特定演出が実行される特定演出モードであることが示唆される。その後、図14の(22),(23)および(24),(25)のそれぞれのように、2回目以降の再変動と仮停止とを実行するときには、通常擬似連図柄920が仮停止される。
第2特定演出擬似連の演出が実行されるときは、特定演出なし擬似連の演出が実行されるときと同様に、たとえば、図14の(26),(27)に示されるように、最後の再変動においてリーチ状態とされた後、たとえば、図14の(28)に示されるように、最終的な変動表示結果が導出表示される。
第2特定演出擬似連の演出が実行されるときには、図14の(21)に示されるような第2特定擬似連図柄922が仮停止したときに表示された第2特定背景画像は、図14の(21)〜(28)に示されるように、変動表示の終了時まで継続して表示される。これにより、1回目の仮停止時に第2特定擬似連図柄922が仮停止した後に再開される演出図柄の変動表示中においては、第2特定背景画像を表示する第2特定演出が実行されることとなる。
このように、第1特定背景画像を表示すること、または、第2特定背景画像を表示することのような特定の演出が実行される特定演出は、大当り発生の期待度の高さを示唆可能な演出として実行される。
この実施の形態では、特定演出擬似連の方が特定演出なし擬似連よりも、特別図柄の変動表示結果が大当り表示結果となるときに選択される割合が高くなるように設定されている。これにより、特定演出擬似連の演出が実行されたときには、特定演出なし擬似連の演出が実行されたときよりも、大当り遊技状態に制御される期待度が高いと遊技者が認識することができる。
以上に説明したように、特定演出を含む特定演出擬似連(第1特定擬似連、第2特定擬似連)の演出が行なわれるときには、特定擬似連図柄を表示させた状態で演出図柄の変動表示を一旦仮停止させた後、再開される演出図柄の変動表示中に特定演出(第1特定背景画像の表示、第2特定背景画像の表示)が実行されるが、特定演出を含まない特定演出なし擬似連が行なわれるときには、通常擬似連図柄を表示させた状態で演出図柄の変動表示を一旦仮停止させた後、再開される演出図柄の変動表示中に特定演出が実行されない。これら演出を対比すると、どのような図柄が1回目に仮停止されるかという情報と、その後再開される変動表示において、どのような演出が実行されるかという情報との組合せに基づいて、再変動と特定演出との両方を実行するときに、演出の報知態様が豊富になり、両方の演出が実行されたことを遊技者に認識させやすくなる。
なお、この実施の形態では、擬似連の演出が実行されるときの各仮停止時の仮停止図柄における左,右の図柄表示エリア91,93の仮停止図柄として、同じ仮停止図柄を用いる例を示したが、これに限らず、擬似連の演出が実行されるときの仮停止時の仮停止図柄は、仮停止するごとに変更するようにしもよい。たとえば、単に仮停止時ごとにランダムに仮停止を選択決定するようにしてもよく、仮停止時ごとに、たとえば、予め定められた確変大当り図柄に図柄配列順番が近づいていくように(たとえば、確変大当り図柄が「7」の図柄の組合せであるときに、仮停止図柄が「5」→「6」→「7」というように確変大当り図柄に近づいていく等)仮停止図柄を選択決定するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、仮停止図柄の組合せとして、左,右の図柄表示エリア91,93の仮停止図柄がリーチ図柄の組合せとならないように決定する例を示した。しかし、これに限らず、仮停止図柄の組合せにおける左,右の図柄表示エリア91,93には、リーチ図柄の組合せを仮停止するようにしてもよい。また、仮停止図柄の組合せにおける左,右の図柄表示エリア91,93の仮停止図柄としては、擬似連となる変動表示が実行されるごとに「0」〜「9」のすべての図柄のうちからランダムに選択するようにしてもよく、予め定められた範囲の図柄(たとえば、「2」〜「4」の範囲)から選択するようにしてもよく、予め固定された左,右図柄の組合せ(たとえば、左図柄が「2」、右図柄「3」に予め定められている)を表示するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、通常擬似連図柄920、第1特定擬似連図柄921、および、第2特定擬似連図柄922のような擬似連専用図柄を、擬似連の仮停止図柄の組合せの一部(たとえば、中図柄のみ)として表示する例を示した。しかし、これに限らず、擬似連専用図柄を、擬似連の仮停止図柄の組合せの全部として表示する(たとえば、左,中,右図柄が「NEXT,NEXT,NEXT」、または、「ZONE,ZONE,ZONE」というようなもの)ようにしてもよい。
また、第1特定擬似連演出においては、第1特定擬似連図柄921を各仮停止時に表示するようにしてもよく、第2特定擬似連演出においては、第2特定擬似連図柄922を各仮停止時に表示するようにしてもよい。
また、第1特定擬似連演出においては、第1特定背景画像の表示開始タイミングを、図14の(12)のような1回目の再変動開始時(2回目以降の特定回の再変動開始時でもよい)としてもよく、第2特定擬似連演出においては、第2特定背景画像の表示開始タイミングを、図14の(22)のような1回目の再変動開始時(2回目以降の特定回の再変動開始時でもよい)としてもよい。
また、前述した擬似連専用図柄は、「0」〜「9」の数字図柄に加えて、通常の変動表示に変動表示するが、擬似連演出の仮停止時(一旦停止時)にのみ停止する(最終的な表示結果としては停止表示されない)ように制御してもよい。また、前述した擬似連専用図柄は、「0」〜「9」の数字図柄に加えて、通常の変動表示に変動表示するが、擬似連演出の仮停止時(一旦停止時)以外に、擬似連演出以外の演出が実行されるときにも、停止される場合があるようにしてもよい。たとえば、左,中,右の表示エリアで擬似連専用図柄が通常の変動表示をし、左,中,右のすべての領域で擬似連専用図柄が停止したときに、擬似連の仮停止状態となり、擬似連の再変動が実行されるようにしてもよい。
この実施の形態では、前述した第1特定背景画像の表示および第2特定背景画像の表示のような特定演出は、1回の変動表示において擬似連の演出として行なう特定演出に加えて、複数回の演出図柄(特別図柄)の変動表示に跨る先読み演出により、大当りとなる期待度の高さを示唆可能な演出としても実行される場合がある。
このような先読み特定演出は、いずれかの保留記憶に基づく変動表示をターゲットとして、保留記憶情報について、変動表示結果等の所定事項についての先読み判定をし、その先読み判定結果に基づいて、たとえば、ターゲットとなる保留記憶に基づく変動表示が実行されるまでに、前述の特定演出を複数回の演出図柄(特別図柄)の変動表示に跨る先読み演出としても実行することが可能な演出である。
先読み特定演出は、たとえば、先読み特定演出を実行することが決定されたときに存在する複数の保留記憶情報について、各変動表示の開始時において特定背景画像を表示する演出が開始され、各変動表示の終了時において特定背景画像を表示する演出が終了することが繰返されることにより、複数回の演出図柄(特別図柄)の変動表示に跨る先読み演出として実行される。なお、先読み特定演出としては、複数回の演出図柄(特別図柄)の変動表示が終了するまでの期間中において、途切れることなく継続して跨るように表示されるようにしてもよい。
以下の説明において、このような先読み演出としての特定演出は、先読み特定演出と呼ばれる場合がある。このような先読み特定演出は、ターゲットとなる保留記憶に基づく変動表示の表示結果が大当り表示結果となるときに、はずれ表示結果となるときよりも高い割合で実行されるように設定されている。これにより、先読み特定演出が実行されたときには、実行されないときよりも、大当り遊技状態に制御される期待度が高いと遊技者が認識することができる。
また、前述した第1特定背景画像および第2特定背景画像のような特定背景画像を表示する特定演出は、特定演出擬似連の演出、および、先読み特定演出のいずれとして実行された場合にも、大当り遊技状態に制御される期待度が高いので、特定演出が実行される演出モードとなったときの遊技状況に関係なく、特定演出により、遊技者の大当りに対する期待感を高めることができる。
そして、前述した第1特定背景画像および第2特定背景画像のような特定背景画像を表示する特定演出は、実行タイミングが、特定演出擬似連による仮停止時、および、先読み特定演出による複数回の各変動表示時というように、複数種類設けられ、たとえば、擬似連の演出として実行されるときの方が、先読み特定演出として実行されるときよりも大当りに対する期待度が高い等、その実行タイミングにより大当りに対する期待度が異なるので、遊技者を特定演出の実行タイミングに注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図15は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理(たとえば、RAM103に設けられた各種コマンド格納領域に受信したコマンドを特定可能なデータを格納する処理等)等を行なう(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数(演出図柄の左停止図柄決定用のSR1−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1−3、特定演出実行判定用のSR2、および、特定演出種類選択用のSR3を含む各種乱数)を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。このような乱数SR1−1〜SR3のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、それぞれについて予め定められた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
また、合算保留記憶表示部18cの表示状態の制御を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。その後、S702に移行する。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27L,27R等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
図16は、演出制御基板で用いる乱数を示す図である。SR1−1〜SR1−3は、演出図柄の変動表示結果である停止図柄として、演出表示装置9の表示領域における「左」,「中」,「右」の各図柄表示エリアに停止表示される演出図柄(最終停止図柄)を決定するために用いられる乱数である。なお、最終停止図柄は、演出図柄の変動表示が終了する時点で「左」,「中」,「右」の図柄表示エリアそれぞれにおいて最終的に停止表示される3つの演出図柄のことである。なお、演出図柄の大当り図柄の組合せは、SR1−1〜SR1−3のうちのいずれか1個の乱数によって決定される。
特定演出実行判定用乱数SR2は、前述した第1特定演出および第2特定演出のような特定演出を実行するか否かを判定するために用いる乱数である。また、特定演出種類選択用乱数SR3は、前述した第1特定演出および第2特定演出のような特定演出の種類を選択するために用いる乱数である。
SR1−1〜SR3のそれぞれはS706の乱数更新処理において予め定められたタイミングで、図中に示された計数範囲内において繰返し加算更新される。たとえば、SR1−1が33msecごと、SR1−2がSR1−1の桁上げごと、SR1−3がSR1−2の桁上げごとにそれぞれ加算更新され、0から更新されてその上限である9まで更新された後再度0から更新される。
図17は、特定演出擬似連実行判定テーブルおよび特定演出擬似連種類選択テーブルを示す説明図である。特定演出擬似連実行判定テーブルは、特定演出擬似連を実行するか否かを判定するために用いるデータテーブルである。特定演出擬似連種類選択テーブルは、特定演出擬似連の種類を選択するために用いるデータテーブルである。
図17の特定演出擬似連実行判定テーブルには、今回の特別図柄の変動表示結果が大当り表示結果となる大当り時に用いられる図17(A)の大当り時特定演出擬似連実行判定テーブルと、今回の特別図柄の変動表示結果がはずれ表示結果となるはずれ時に用いられる図17(B)のはずれ時特定演出擬似連実行判定テーブルとが含まれている。
図17の特定演出擬似連種類選択テーブルには、今回の特別図柄の変動表示結果が大当り表示結果となる大当り時に用いられる図17(C)の大当り時特定演出擬似連種類選択テーブルと、今回の特別図柄の変動表示結果がはずれ表示結果となるはずれ時に用いられる図17(D)のはずれ時特定演出擬似連種類選択テーブルとが含まれている。
図17の特定演出擬似連実行判定テーブルおよび特定演出擬似連種類選択テーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。
図17(A)、(B)の特定演出擬似連実行判定テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしての演出種類決定用の乱数SR2(0〜99の数値範囲)の値が、特定演出擬似連を実行しない決定と、特定演出擬似連を実行する決定とに割振られている。SR2については、説明を明確化するために、割振られた乱数値の個数が示されている。図17(A)の大当り時特定演出擬似連実行判定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR2の値によって、特定演出擬似連を実行する>特定演出擬似連を実行しない、という関係となるように、特定演出擬似連を実行する場合が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。また、図17(B)のはずれ時特定演出擬似連実行判定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR2の値によって、特定演出擬似連を実行する<特定演出擬似連を実行しない、という関係となるように、特定演出擬似連を実行しない場合が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。
このような図17(A)、(B)でのデータの設定により、今回の特別図柄の変動表示結果が大当り表示結果となるときには、はずれ表示結果となるときと比べて、特定演出擬似連を実行すると判定する割合が高くなる。これにより、第1特定演出および第2特定演出を含む特定演出擬似連が実行されたときに、遊技者の大当り発生への期待感を高めることができる。
図17(C)、(D)の特定演出擬似連種類選択テーブルに示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしての特定演出種類決定用の乱数SR3(0〜59の数値範囲)の値が、第1特定演出擬似連と、第2特定演出擬似連とに割振られている。SR3については、説明を明確化するために、割振られた乱数値の個数が示されている。図17(C)の大当り時特定演出擬似連種類選択テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR3の値によって、第1特定演出擬似連<第2特定演出擬似連、という関係となるように、第2特定演出擬似連が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。また、図17(D)のはずれ時特定演出擬似連種類選択テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR3の値によって、第1特定演出擬似連>第2特定演出擬似連、という関係となるように、第1特定演出擬似連が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。
このような図17(C)、(D)でのデータの設定により、特定演出擬似連が実行されるときにおいて、特別図柄の変動表示結果が大当り表示結果となるときには、はずれ表示結果となるときと比べて、第2特定演出擬似連を実行する選択をする割合が高くなる。これにより、特定演出擬似連が実行されるときに、第2特定演出擬似連が選択されたときには、遊技者の大当り発生への期待感をより一層高めることができる。
演出制御用マイクロコンピュータ100のRAM103には、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞時に、先読み判定情報として送信されてくる図柄指定コマンド、変動種別コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドのような始動入賞時判定処理の判定結果を特定するデータを、合算保留記憶数の最大値(たとえば「8」)に対応した複数の保存領域(バッファ番号「1」〜「8」に対応した領域)に記憶する始動入賞時受信コマンドバッファが設けられている。
始動入賞時受信コマンドバッファは、遊技制御用マイクロコンピュータ560に設けられた保留記憶バッファと同様の構成を有する記憶領域であり、始動入賞時受信コマンドバッファでは、複数の保存領域において記憶順番にしたがってデータが順番に記憶されていき、記憶されたデータが、対応する変動表示が実行されるごとに、記憶時期が古いデータから順番に消去されていく。これにより、始動入賞時受信コマンドバッファには、遊技制御用マイクロコンピュータ560に設けられた保留記憶バッファに記憶されたデータと同様の保留記憶に関連するデータが、始動入賞順番にしたがって記憶される。
演出制御用マイクロコンピュータ100では、このように始動入賞時受信コマンドバッファに記憶されたデータに基づいて、いずれかの保留記憶に基づく変動表示をターゲットとして、変動表示結果等の所定事項についての先読み判定をし、その先読み判定結果に基づいて、たとえば、ターゲットとなる保留記憶に基づく変動表示が実行されるまでに、複数回の演出図柄(特別図柄)の変動表示に跨る先読み演出として前述の特定演出を実行する先読み特定演出を実行することが可能である。始動入賞時受信コマンドバッファに記憶されたデータは、先読み判定がされたときに、先読み判定がされたことを特定可能な判定済特定データが付加される。これにより、始動入賞時受信コマンドバッファに記憶されたデータについては、判定済特定データが付加されているか否かを確認することにより、新たに受信した入賞時判定処理の判定結果を示すコマンドに関するデータであるか否かを判定することが可能である。
図18は、先読み特定演出実行判定テーブルおよび先読み特定演出種類選択テーブルを示す説明図である。先読み特定演出実行判定テーブルは、先読み特定演出を実行するか否かを判定するために用いるデータテーブルである。先読み特定演出種類選択テーブルは、先読み特定演出の種類を選択するために用いるデータテーブルである。
図18の先読み特定演出実行判定テーブルには、先読み特定演出のターゲットとなる変動表示結果が大当り表示結果となる先読みの大当り時に用いられる図18(A)の大当り時先読み特定演出実行判定テーブルと、先読み特定演出のターゲットとなる変動表示結果がはずれ表示結果となる先読みのはずれ時に用いられる図18(B)のはずれ時先読み特定演出実行判定テーブルとが含まれている。
図18の先読み特定演出種類選択テーブルには、先読み特定演出のターゲットとなる変動表示結果が大当り表示結果となる大当り時に用いられる図18(C)の大当り時先読み特定演出種類選択テーブルと、先読み特定演出のターゲットとなる変動表示結果がはずれ表示結果となるはずれ時に用いられる図18(D)のはずれ時先読み特定演出種類選択テーブルとが含まれている。
図18の先読み特定演出実行判定テーブルおよび先読み特定演出種類選択テーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。
図18(A)、(B)の先読み特定演出実行判定テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしての演出種類決定用の乱数SR2(0〜99の数値範囲)の値が、先読み特定演出を実行しない決定と、先読み特定演出を実行する決定とに割振られている。SR2については、説明を明確化するために、割振られた乱数値の個数が示されている。図18(A)の大当り時先読み特定演出実行判定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR2の値によって、先読み特定演出を実行する>先読み特定演出を実行しない、という関係となるように、先読み特定演出を実行する場合が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。また、図18(B)のはずれ時先読み特定演出実行判定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR2の値によって、先読み特定演出を実行する<先読み特定演出を実行しない、という関係となるように、先読み特定演出を実行しない場合が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。
このような図18(A)、(B)でのデータの設定により、先読み特定演出のターゲットとなる特別図柄の変動表示結果が大当り表示結果となるときには、はずれ表示結果となるときと比べて、先読み特定演出を実行すると判定する割合が高くなる。これにより、第1特別演出および第2特別演出を含む先読み特定演出が実行されたときに、遊技者の大当り発生への期待感を高めることができる。
また、図18(A)、(B)の先読み特定演出実行判定テーブルでは、先読み特定演出のターゲットとなる変動表示結果が大当り表示結果となるときに先読み特定を実行すると判定する割合が、図17(A)、(B)の特定演出擬似連実行判定テーブルで変動表示結果が大当り表示結果となるときに特定演出擬似連を実行すると判定する割合と比べて、低くなるように設定されている。また、図18(A)、(B)の先読み特定演出実行判定テーブルでは、先読み特定演出のターゲットとなる変動表示結果がはずれ表示結果となるときに先読み特定を実行すると判定する割合が、図17(A)、(B)の特定演出実行判定テーブルで変動表示結果がはずれ表示結果となるときに特定演出擬似連を実行すると判定する割合と比べて、特定演出を実行すると判定する割合が高くなるように設定されている。
このような図17(A)、(B)の特定演出擬似連実行判定テーブルでの特定演出擬似連を実行する選択割合と、図18(A)、(B)の先読み特定演出実行判定テーブルでの先読み特定演出を実行する選択割合との関係により、特定演出擬似連が実行されるタイミングで特定演出が実行されたときの方が、先読み特定演出により特定演出が実行されるタイミングで特定演出が実行されたときと比べて、大当り遊技状態が発生する期待度が高くなるように設定されている。これにより、遊技者は、特定演出擬似連と先読み特定演出とのどちらにより特定演出が実行されても、大当りに対する期待感が高まるが、このような特定演出が実行されるタイミングの違いにより大当りに対する期待感が異なるので、演出の面白みをより一層向上させることができる。
図18(C)、(D)の先読み特定演出種類選択テーブルに示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしての先読み特定演出種類決定用の乱数SR3(0〜59の数値範囲)の値が、第1先読み特定演出と、第2先読み特定演出とに割振られている。SR3については、説明を明確化するために、割振られた乱数値の個数が示されている。図18(C)の大当り時先読み特定演出種類選択テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR3の値によって、第1先読み特定演出<第2先読み特定演出、という関係となるように、第2先読み特定演出が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。また、図18(D)のはずれ時先読み特定演出種類選択テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR3の値によって、第1先読み特定演出>第2先読み特定演出、という関係となるように、第1先読み特定演出が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。
先読み特定演出を実行することが決定されたときには、第1先読み特定演出または第2先読み特定演出が複数回の変動表示に跨る連続演出として実行されることにより、特定背景画像を表示する特定演出が実行される契機が、特定演出擬似連による特定演出だけに限られず、実行される機会が増加するので、特定演出のバリエーションが豊富となり、演出も面白みが向上して、遊技の興趣を向上させることができる。
このような図18(C)、(D)でのデータの設定により、先読み特定演出が実行されるときにおいて、擬似連演出としての特定演出については、先読み特定演出よりも、大当りとなる期待度が高いので、遊技者の大当りへの期待感をより一層高めることができる。特別図柄の変動表示結果が大当り表示結果となるときには、はずれ表示結果となるときと比べて、第2先読み特定演出を実行する選択をする割合が高くなる。これにより、先読み特定演出が実行されるときに、第2先読み特定演出が選択されたときには、第1先読み特定演出が選択されたときと比べて、遊技者の大当り発生への期待感をより一層高めることができる。
図19は、図15に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、先読み特定演出を実行するか否かの決定、および、先読み特定演出の種類の選択をする先読み演出処理(S700)を実行した後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。
演出制御プロセス処理では、以下のような処理が実行される。演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
先読み演出処理(S700)は、前述した先読み特定演出を実行するか否かの決定、および、先読み特定演出の種類の選択をする処理である。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する処理等を行なう処理である。変動パターンコマンドを受信していれば、演出図柄変動開始処理に移行する。
演出図柄変動開始処理(S801)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御するための処理である。演出図柄変動中処理(S802)は、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御する処理等を行なう処理である。演出図柄変動停止処理(S803)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(最終停止図柄)を導出表示する制御を行なう処理である。
大当り表示処理(S804)は、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するためのファンファーレ演出を表示する制御等の表示制御を行なう処理である。ラウンド中処理(S805)は、ラウンド中の表示制御を行なう処理である。ラウンド終了条件が成立したときに、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド後処理に移行し、最終ラウンドが終了していれば、大当り終了処理に移行する。ラウンド後処理(S806)は、ラウンド間の表示制御を行なう処理である。ラウンド開始条件が成立したら、ラウンド中処理に移行する。大当り終了演出処理(S807)は、演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう処理である。
演出制御用CPU101は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当り遊技状態の開始時から大当り遊技状態の終了時までの予め定められた演出制御期間中において、ROM102に格納されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータにしたがって演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータとで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の変動時間(変動表示時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。このようなプロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
図20は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、次のような処理を行なう。
演出図柄変動開始処理においては、変動表示結果をはずれとすることに決定されているか否か確認する(S601)。はずれとすることに決定されているか否かは、たとえば、表示結果指定コマンド格納領域に表示結果1指定コマンドが格納されているか否かによって判定される。はずれとすることに決定されている場合には、変動パターンコマンドとして、非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否か確認する(S602)。非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かは、たとえば、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータによって判定される。
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合、ROM102に格納されたはずれ図柄決定用データテーブルを用いて、リーチにならないはずれの表示結果を演出図柄の最終停止として決定し(S604)、S616へ進む。はずれ図柄決定用データテーブルでは、複数種類の演出図柄のそれぞれに、SR1−1〜SR1−3のそれぞれの数値データが対応付けられている。
S604の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した数値データに対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
S602の処理で非リーチ変動パターンではないと判定した場合(リーチ変動パターンであると判定した場合)は、リーチ図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S605)、S616へ進む。S605の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各演出図柄の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
また、S601の処理ではずれとすることに決定されていない場合(大当りとすることが決定された場合)に(S601のN)、演出制御用CPU101は、大当りの種別に応じて、大当り図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S603)、S616へ進む。
S603では、次のように大当りの種別に応じて当り図柄の組合せを決定する。表示結果2指定コマンドと表示結果3指定コマンドとのうちのどの表示結果指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているかに基づいて、確変大当りと、通常大当りとのうちから、大当りの種別を判定し、確変大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と確変大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「7,7,7」等の奇数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(確変大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの確変大当り図柄の組合せを選択決定する。また、通常大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と通常大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「4,4,4」等の偶数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(通常大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの通常大当り図柄の組合せを選択決定する。このように決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
次に、変動表示における各種演出を設定するための処理(たとえば、前述の特定演出擬似連の実行判定および特定演出擬似連種類の選択等の処理)を行なう演出設定処理(S616)を実行した後、S617に進む。演出設定処理の処理内容については、図21を用いて後述する。
S617では、演出制御パターンを複数種類の演出制御パターンのうちのいずれかに決定する。S617においては、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターン、および、S616の処理で決定した演出の演出制御パターン等により指定された各種演出制御(演出動作)パターンに応じて、図柄変動制御パターンテーブルに格納されている複数種類の図柄変動制御パターンのうち、指定された各種演出動作パターンに対応するいずれかの演出制御パターンを使用パターンとして選択決定する。
ROM102に記憶されている制御パターンテーブルには、たとえば、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示装置9の表示領域における演出図柄の変動表示動作、リーチ演出における演出表示動作、擬似連の演出による演出表示動作、および、予告演出における演出表示動作における演出表示動作といった各種の演出動作の制御内容を示すデータが、図柄変動制御パターンとして複数種類格納されている。
また、各図柄変動制御パターンは、たとえば、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、および、終了コードといった、演出図柄の変動表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データを含み、時系列的に、各種の演出制御の内容、および、演出制御の切替えタイミング等が設定されている。
次いで、S617で選択した演出制御パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S618)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(演出設定プロセスタイマ)をスタートさせる(S619)。
S619の処理を実行したら、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および、演出用部品としてのスピーカ27)の制御を開始する(S620)。たとえば、表示制御実行データにしたがって、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種LED等の発光体を点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動表示時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S621)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にし、演出図柄変動開始処理を実行する(S622)。そして、演出図柄変動開始処理が終了する。
図21は、前述の演出設定処理(S616)を示すフローチャートである。演出設定処理において、演出制御用CPU101は、今回の変動表示を実行するに際して受信した演出制御コマンドにより指定された変動パターンが、第3スーパーリーチまたは第4スーパーリーチのような擬似連の再変動を実行する特定の変動パターンであるか否かを確認する(S631)。具体的に、S631では、RAM103に設けられた変動パターンコマンド格納領域(変動表示を実行するにあたり受信した変動パターンコマンドがコマンド解析処理により格納される領域)に、今回の変動表示の変動パターンコマンドとして第3スーパーリーチまたは第4スーパーリーチの変動パターンコマンドが格納されているか否かに基づいて、変動パターンが第3スーパーリーチまたは第4スーパーリーチの変動パターンであるか否かを確認する。
S631により擬似連の再変動を実行する特定の変動パターンではないと判定されたときは、擬似連の再変動を実行する変動パターン以外の変動パターン(スーパーリーチ2のような再変動を実行しない擬似連の変動パターンも含む)に対応した、予め定められた演出設定を実行するための処理を実行した(S637)後、処理を終了する。一方、S631により擬似連の再変動を実行する特定の変動パターンであると判定されたときは、前述した先読み特定演出が実行されているときにセットされる(図22のS907でセットされる)フラグとしての先読み特定演出フラグがセットされているか否かを判定する(S631A)。
S631Aで先読み特定演出フラグがセットされているときは、後述するS636に進む。一方、S631Aで先読み特定演出フラグがセットされていないときは、特定演出実行判定用のSR2の値を抽出し、その抽出値と、図17(A)の大当り時特定演出擬似連実行判定テーブル、または、図17(B)のはずれ時特定演出擬似連実行判定テーブルを用いて、前述したように、特定演出擬似連を実行するか否かを判定する(S632)。
具体的に、S632では、今回の変動表示に際して受信した演出制御コマンド(表示結果指定コマンド)に基づいて、表示結果が大当り表示結果であるか否かを確認する。大当り表示結果であるか否かは、RAM103に設けられた表示結果指定コマンド格納領域(今回の変動表示を実行するにあたり受信した表示結果指定コマンドがコマンド解析処理により格納される領域)に、表示結果2指定コマンド(通常大当り指定)または表示結果3指定コマンド(確変大当り指定)が格納されているか否かに基づいて確認する。S632では、表示結果が大当り表示結果であれば、図17(A)の大当り時特定演出擬似連実行判定テーブルを用いて特定演出擬似連を実行するか否かを判定し、表示結果がはずれ表示結果であれば、図17(B)のはずれ時特定演出擬似連実行判定テーブルを用いて特定演出擬似連を実行するか否かを判定する。
次に、S632の判定結果として特定演出擬似連を実行するという判定結果が得られたか否かを判定する(S633)。S633で特定演出擬似連を実行するという判定結果が得られていないと判定されたときは、後述するS636に進む。一方、S633で特定演出擬似連を実行するという判定結果が得られたと判定されたときは、特定演出擬似連種類選択用のSR3の値を抽出し、その抽出値と、図17(C)の大当り時特定演出擬似連種類選択テーブル、または、図17(D)のはずれ時特定演出擬似連種類選択テーブルを用いて、前述したように、実行する特定演出擬似連の種類(第1特定演出擬似連、または、第2特定演出擬似連)を選択決定する(S634)。
具体的に、S634では、S632と同様に、表示結果指定コマンド格納領域に表示結果2指定コマンド(通常大当り指定)または表示結果3指定コマンド(確変大当り指定)が格納されているか否かに基づいて、表示結果が大当りとなるか否かを確認し、表示結果が大当り表示結果であれば、図17(C)の大当り時特定演出擬似連種類選択テーブルを用いて特定演出擬似連の種類を選択決定し、表示結果がはずれ表示結果であれば、図17(D)のはずれ時特定演出擬似連種類選択テーブルを用いて特定演出擬似連の種類を選択決定する。これにより、第1特定演出擬似連と第2特定演出擬似連とのいずれの種類の特定演出擬似連を実行するかが選択決定される。
次に、S634で選択された種類の特定演出擬似連を実行する擬似連の演出(仮停止図柄、特定背景画像)を実行するための設定をする処理を実行し(S635)、特定演出擬似連としての特定演出が実行されていることを特定可能な擬似連特定演出フラグをセットし(S635A)、処理を終了する。S635Aでセットされた擬似連特定演出フラグは、S635Aでセット後に実行される変動表示の演出が終了するときに、演出図柄変動停止処理(S803)においてリセットされる。
具体的に、S635では、S633で第1特定演出擬似連を実行する選択がされたときは、第1回目の仮停止時における中図柄表示エリアの仮停止図柄として第1特定擬似連図柄921を選択し、第2回目以降の仮停止時における中図柄表示エリアの仮停止図柄として通常擬似連図柄920を選択する。さらにS635では、S633で第1特定演出擬似連を実行する選択がされたときに、所定のタイミングでSR1−1,SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用いて、抽出した数値データに対応する図柄を、各仮停止時における左,右の図柄表示エリアの仮停止図柄(非リーチ図柄の組合せ)として選択する。そして、このように選択された仮停止図柄が各仮停止時に一旦仮停止するように設定される。
さらに、S635では、S633で第1特定演出擬似連を実行する選択がされたときに、第1回目の仮停止時に背景画像を通常背景画像から図14に示す第1特定背景画像に変更し、その第1特定背景画像を変動表示の終了時まで継続して表示する設定がされる。
また、S635では、S633で第2特定演出擬似連を実行する選択がされたときは、第1回目の仮停止時における中図柄表示エリアの仮停止図柄として第2特定擬似連図柄922を選択し、第2回目以降の仮停止時における中図柄表示エリアの仮停止図柄として通常擬似連図柄920を選択する。さらにS635では、S633で第2特定演出擬似連を実行する選択がされたときに、所定のタイミングでSR1−1,SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用いて、抽出した数値データに対応する図柄を、各仮停止時における左,右の図柄表示エリアの仮停止図柄(非リーチ図柄の組合せ)として選択する。そして、このように選択された仮停止図柄が各仮停止時に一旦仮停止するように設定される。
さらに、S635では、S633で第2特定演出擬似連を実行する選択がされたときに、第1回目の仮停止時に背景画像を通常背景画像から図14に示す第2特定背景画像に変更し、その第2特定背景画像を変動表示の終了時まで継続して表示する設定がされる。
なお、特定背景画像を表示する特定演出の実行開始タイミングを複数のタイミング(たとえば、何回目の仮停止時、何回目の再変動時)から選択可能とする場合には、S635において、特定演出の実行開始タイミングを抽選により選択決定するようにしてもよい。その場合には、大当りとなる期待度の大当りとは無関係に設定された割合で特定演出の実行タイミングが選択されるようにしてもよく、大当りとなる期待度の大きさに応じて、異なる割合で特定演出の実行開始タイミングが選択されるようにしてもよい。たとえば、複数回の仮停止および再変動を実行する場合において、後のタイミング回になる程、大当りとなる期待度が高くなるように演出を実行するようにしてもよい。
また、S632〜S635の処理に代えて、演出種類(演出表示態様、演出タイミング、演出実行時間等)が異なる(たとえば、大当り期待度に対応して種類が異なる)特定演出のうちから、実行する特定演出の種類を抽選により選択決定し、その決定結果に基づいた特定演出を実行するための設定をする処理を行なうようにしてもよい。
また、前述のS631Aで先読み特定演出フラグがセットされていないと判定されたとき、または、S633で特定演出擬似連を実行しないという判定結果が得られたと判定されたときは、特定演出擬似連を実行しない擬似連の演出(仮停止図柄、通常背景画像)を設定し(S636)、処理を終了する。具体的に、S636では、第1回目以降の各仮停止時における中図柄表示エリアの仮停止図柄として通常擬似連図柄920を選択する。さらにS636では、所定のタイミングでSR1−1,SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用いて、抽出した数値データに対応する図柄を、各仮停止時における左,右の図柄表示エリアの仮停止図柄(非リーチ図柄の組合せ)として選択する。そして、このように選択された仮停止図柄が各仮停止時に一旦仮停止するように設定される。さらに、S636では、通常背景画像を変動表示の終了時まで継続して表示する設定がされる。
前述のS631Aで先読み特定演出フラグがセットされていないと判定されたときには、S636で、特定演出を実行しない擬似連の演出(仮停止図柄、通常背景画像)が設定されることにより、特定演出擬似連としての特定演出が実行されることが制限(禁止)される。これにより、演出内容の複雑化が防止される。
また、前述したS637において、図6に示す擬似連煽りのみの第2スーパーリーチを実行する変動パターンで変動表示を実行するときには、通常擬似連図柄920、第1特定擬似連図柄921、または、第2特定擬似連図柄922のいずれかを中の図柄表示エリアの仮停止図柄として選択し(たとえば、ランダムに選択する)、左,右の図柄表示エリアの仮停止図柄をS635,S636と同様の方法で選択する処理が行なわれることで、仮停止時において、通常擬似連図柄920、第1特定擬似連図柄921、または、第2特定擬似連図柄922のいずれかを含む図柄の組合せ(非リーチ図柄の組合せ)が仮停止されることとなる。そして、第2スーパーリーチでは、仮停止後、再変動しないので、中図柄表示エリアの擬似連図柄を最終表示結果に応じた数字図柄に差替える表示をすることにより、最終的な表示結果が表示される。
このように演出設定処理において、擬似連の演出等の各種演出が設定されると、その演出設定にしたがった演出を実行する演出制御パターンが演出図柄変動開始処理(S801)のS618で設定され、その演出設定にしたがった演出が、演出図柄変動中処理(S802)において実行されることとなる。これにより、演出設定処理による演出設定に基づいて、図14に示される擬似連演出等の各種演出制御が実行される。
図22は、前述の先読み演出処理(S700)を示すフローチャートである。先読み演出処理において、まず、演出制御用CPU101は、始動入賞時受信コマンドバッファにおける記憶内容をチェックし、現在の合算保留記憶数(合算保留記憶情報の数)が「2」以上であるか否かを判定する(S900)。S900で合算保留記憶数が「2」以上であるか否かを判定する理由は、複数回の変動表示に跨る先読み演出を実行可能な保留記憶数が存在しているか否かを確認するためである。なお、S900で判定する合算保留記憶数の数は、「1」以上又は「3」以上であってもよく、S900及び後述のS901の処理に代えて、入賞時判定結果を示すコマンドを新たに受信した際に既に他の保留記憶が存在しているか否かを判定する処理としてもよい。
S900により合算保留記憶数が「2」以上ではないと判定されたときは、その時点で複数回の変動表示に跨る変動表示が実行可能とならないときであり、処理を終了する。一方、S900により合算保留記憶数が「2」以上であると判定されたときは、その時点で複数回の変動表示に跨る変動表示が実行可能となるときであり、遊技制御用マイクロコンピュータ560により始動入賞発生に応じて実行される始動入賞時判定処理(S1217,S1228の入賞時演出処理)の判定結果を示す図柄指定コマンド等の入賞時判定結果を示すコマンドを新たに受信したか否かを判定する(S901)。具体的に、S901では、まず、始動入賞時受信コマンドバッファにおける記憶内容をチェックし、その中に新たに受信した図柄指定コマンド等の入賞時判定結果を示すコマンドが存在するか否かを、前述した判定済特定データが付加されているか否かを確認することにより判定する。
S901で入賞時判定結果を示すコマンドを新たに受信していないと判定されたときは、処理を終了する。一方、S901で入賞時判定結果を示すコマンドを新たに受信したと判定されたときは、前述した先読み特定演出フラグがセットされているか否かを判定する(S902)。
S902で先読み特定演出フラグがセットされているときは、先読み特定演出としての特定演出が実行中であるので、処理を終了する。S902で先読み特定演出フラグがセットされているときに処理を終了することにより先読み特定演出が実行されることが制限(禁止)される。これにより、演出内容の複雑化が防止される。
一方、S902で先読み特定演出フラグがセットされていないときは、先読み特定演出としての特定演出のどちらも実行中ではないので、新たに先読み特定演出を実行するか否かを判定するために、特定演出実行判定用のSR2の値を抽出し、その抽出値と、図18(A)の大当り時先読み特定演出実行判定テーブル、または、図18(B)のはずれ時先読み特定演出実行判定テーブルを用いて、前述したように、新たに入賞時判定結果を示すコマンドを受信した保留記憶情報をターゲットとして先読み特定演出を実行するか否かを判定する(S903)。
具体的に、S903では、始動入賞時受信コマンドバッファにおいて、ターゲットとする保留記憶情報に対応して記憶された入賞時判定結果のデータに基づいて、ターゲットとする保留記憶情報の変動表示時の表示結果が大当り表示結果となるか否かを確認する。S903では、ターゲットとする保留記憶情報の表示結果が大当り表示結果となるときであれば、図18(A)の大当り時先読み特定演出実行判定テーブルを用いて先読み特定演出を実行するか否かを判定し、ターゲットとする保留記憶情報の表示結果がはずれ表示結果となるときであれば、図18(B)のはずれ時先読み特定演出実行判定テーブルを用いて先読み特定演出を実行するか否かを判定する。
次に、S903の判定結果として先読み特定演出を実行するという判定結果が得られたか否かを判定する(S904)。S904で先読み特定演出を実行するという判定結果が得られていないと判定されたときは、処理を終了する。一方、S904で先読み特定演出を実行するという判定結果が得られたと判定されたときは、特定演出種類選択用のSR3の値を抽出し、その抽出値と、図18(C)の大当り時先読み特定演出種類選択テーブル、または、図18(D)のはずれ時先読み特定演出種類選択テーブルを用いて、前述したように、実行する先読み特定演出の種類(第1先読み特定演出、または、第2先読み特定演出)を選択決定する(S905)。
具体的に、S905では、S903と同様に、始動入賞時受信コマンドバッファにおいて、ターゲットとする保留記憶情報に対応して記憶された入賞時判定結果のデータに基づいて、ターゲットとする保留記憶情報の変動表示時の表示結果が大当り表示結果となるか否かを確認し、ターゲットとする保留記憶情報の表示結果が大当り表示結果となるときであれば、図18(C)の大当り時先読み特定演出種類選択テーブルを用いて先読み特定演出種類を選択決定し、ターゲットとする保留記憶情報の表示結果がはずれ表示結果となるときであれば、図18(D)のはずれ時先読み特定演出種類選択テーブルを用いて先読み特定演出種類を選択決定する。これにより、第1先読み特定演出と第2先読み特定演出とのいずれの種類の先読み特定演出を実行するかが選択決定される。
次に、S905で選択された種類の先読み特定演出を実行する演出を設定し(S906)、先読み特定演出が実行されていることを特定可能な先読み特定演出フラグをセットして(S907)、処理を終了する。
具体的に、S906では、現在存在する保留記憶情報に対応する変動表示のそれぞれにおいて連続して先読み特定演出を実行するために、現在の合算保留記憶数に対応する回数を、先読み特定演出の実行回数カウンタにセットする(たとえば、現在の合算保留記憶数が3個であれば、先読み特定演出実行回数カウンタに先読み特定演出の実行回数として「3」をセットする)。また、S906では、S905で選択された種類の先読み特定演出に対応する第1特定背景画像または第2特定背景画像を表示するためのデータを設定する。
このように、S906で第1特定背景画像または第2特定背景画像を表示するためのデータが設定されるとともに、先読み特定演出実行回数カウンタに先読み特定演出の実行回数が設定されると、現在存在する合算保留記憶情報のそれぞれに対応する演出図柄の変動表示を実行するごとに、演出図柄変動開始処理(S801)において、先読み特定演出フラグがセットされていれば、S906で設定された種類の特定背景画像の表示を開始させる設定がされる(表示された特定背景画像は、各変動表示の終了時に、演出図柄変動停止処理において通常背景画像に変更される。)。これにより、S906で第1特定背景画像または第2特定背景画像を表示するためのデータが設定されるとともに、先読み特定演出実行回数カウンタに先読み特定演出の実行回数が設定されると、現在存在する合算保留記憶情報のそれぞれに対応する変動表示において、S906で設定された特定背景画像が表示されることとなり、複数回の変動表示に跨る先読み特定演出が実行される。また、演出図柄変動開始処理(S801)が実行されるときに、先読み特定演出フラグがセットされている場合には、先読み特定演出実行回数カウンタの値が1ずつ減算更新される。
そして、このような先読み特定演出を実行するときにおいて、演出図柄変動停止処理で、先読み特定演出フラグがセットされている場合には、変動表示の開始時に演出図柄変動開始処理(S801)で減算された先読み特定演出実行回数カウンタの値が「0」となっているか否かを判定し、「0」になっていれば、先読み特定演出フラグをリセットする。これにより、S906で先読み特定演出を実行する設定がされたときには、その時点で存在する合算保留記憶情報の1つ目の変動開始時点から先読み特定演出のターゲットとする保留記憶情報までの複数回の変動表示に亘り、各変動表示中に特定背景画像を表示する(各変動表示の終了時には通常背景画像に変更表示される)先読み特定演出の実行が開始され、ターゲットとする保留記憶情報の変動表示の実行時において、先読み特定の実行が終了する演出制御が実行される。なお、ターゲットとする変動開始時に先読み特定演出を終了させたり、ターゲットとする変動の前の変動で先読み特定演出を終了させてもよい。
なお、図14に示した、特定背景画像を表示するような特定演出は、擬似連の変動表示の変動停止時まで継続表示する他の例として、再変動が所定回数(たとえば、2回)実行されるまで継続表示されるようにしてもよく、また、リーチ状態が表示されるまで継続表示されるようにしてもよい。また、特定演出擬似連及び先読み特定演出を開始する際に、特殊なキャラクタなどの特殊画像を表示することによって特定演出を開始するようにしてもよい。この場合、例えば、特殊画像と通常擬似連図柄(又は擬似連チャンス目)との両方を表示することによって、特定演出擬似連を実行してもよい。
また、特定演出擬似連としては、特定擬似連図柄および特定背景画像を3種類以上設け、3種類以上の複数種類の中から選択した特定演出擬似連の演出を実行するようにしてもよい。また、先読み特定演出としては、特定背景画像を3種類以上設け、3種類以上の複数種類の中から選択した先読み特定演出を実行するようにしてもよい。特定演出擬似連及び先読み特定演出の特定演出について、種類ごとに期待度が異なるものとした場合、期待度の最も低い特定演出を開始し、その後に、期待度の中程度の特定演出を経ずに期待度の最も高い特定演出に切替るように実行してもよい。また、期待度の高い特定演出から期待度の低い特定演出に切替るように実行してもよい。また、特定演出擬似連としては、特定擬似連図柄が単数であって、特定背景画像を複数種類設け、同じ特定擬似連図柄が表示された後に、選択されたいずれかの特定背景画像が表示される演出を実行するようにしてもよい。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態を説明する。第2実施形態では、一の種類の特定演出の実行中に、一旦仮停止させるときに他の種類の特定演出に対応する特定画像を表示することによって、当該一の種類の特定演出(図14の第1特定演出擬似連)に代えて、当該他の種類の特定演出(図14の第2特定演出擬似連)を実行する制御例を説明する。
具体的に、第2実施形態では、少なくとも、図14の(11)のように、第1回目の仮停止時に第1特定擬似連図柄921を含む仮停止図柄の組合せが仮停止されて第1特定背景画像が表示される第1特定演出擬似連の演出が実行されているときに、図14の(13)のような第2回目の仮停止時に、通常擬似連図柄920ではなく、第2特定擬似連図柄922を含む仮停止図柄の組合せが仮停止される。そして、第2特定擬似連図柄922の仮停止に応じて、背景画像が、第1特定背景画像から、第2特定背景画像に切替えられる演出が行なわれ、第2特定演出擬似連の演出が実行される。その後は、実行中の変動表示が終了するまで、たとえば、図14の(24)〜(28)のように、第2特定背景画像が表示される第2特定演出擬似連の演出が継続して実行される。
このように、第1特定演出擬似連の演出の実行中に、第2特定演出擬似連に対応する第2特定擬似連図柄922が仮停止されたときに、第1特定演出擬似連に代えて、第1特定演出擬似連よりも大当り表示結果となる期待度が高い第2特定演出擬似連の演出が実行されるので、変動表示結果が大当り表示結果となることに対する遊技者の期待感を高めることができる。
このような第2実施形態による演出は、たとえば、次のように実行される。図17(C)の大当り時特定演出擬似連種類選択テーブル、および、図17(D)のはずれ時特定演出擬似連種類選択テーブルのそれぞれにおいて、第3特定演出擬似連として、前述したような第1特定演出擬似連の演出態様から第2特定演出擬似連の演出態様に移行する演出を追加する。第3特定演出擬似連は、たとえば、変動表示結果が大当り表示結果となるときに図17(C)で第2特定演出擬似連よりも選択割合が低いが第1特定演出擬似連よりも選択割合が高く、変動表示結果がはずれ表示結果となるときに図17(D)で第2特定演出擬似連よりも選択割合が高いが第1特定演出擬似連よりも選択割合が低くなるようにテーブルのデータが設定される。
そして、図21のS632による特定演出擬似連の実行判定により特定演出擬似連を実行する判定がされたときに、S634において、前述した第2実施形態による大当り時特定演出擬似連種類選択テーブル、または、はずれ時特定演出擬似連種類選択テーブルを用い、第1特定演出擬似連、第2特定演出擬似連、および、第3特定演出擬似連のうちから、実行する特定演出擬似連の種類を選択する処理を行なえばよい。
なお、特定演出擬似連の移行については、前述した第1特定演出擬似連から第2特定演出擬似連への移行のような大当りの期待度が高い演出に移行する移行演出例を示した。しかし、これに限らず、第2特定演出擬似連から第1特定演出擬似連への移行のような大当りの期待度が低い演出に移行する移行演出の実行をすることが可能となるようにしてもよい。また、第2特定演出擬似連から第1特定演出擬似連への移行のような大当りの期待度が低い演出に移行する移行演出の実行を制限(禁止)するようにしてもよい。
また、前述したような第1特定演出擬似連の演出態様から第2特定演出擬似連の演出態様に移行する第3特定演出擬似連は、第2回目の仮停止時ではなく、第2回目よりも後の仮停止時に実行されるようにしてもよい。その場合には、第1特定演出擬似連の演出態様から第2特定演出擬似連の演出態様に移行するタイミングに応じて、変動表示結果が大当り表示となる期待度が異なるようにしてもよい。たとえば、第1特定演出擬似連の演出態様から第2特定演出擬似連の演出態様に移行するタイミングが遅い程、たとえば、最後の仮停止時に近いタイミングで第1特定演出擬似連の演出態様から第2特定演出擬似連の演出態様に移行する程、変動表示結果が大当り表示結果となる期待度が高くなるように設定してもよい。
また、前述したような第1特定演出擬似連の演出態様から第2特定演出擬似連の演出態様に移行する第3特定演出擬似連は、第2特定演出擬似連と比べて変動表示結果が大当り表示結果となる期待度が低い例を示したが、これに限らず、第3特定演出擬似連は、第2特定演出擬似連と比べて変動表示結果が大当り表示結果となる期待度が高くなるように設定してもよい。このようにすれば、演出態様の変化についての遊技者の期待感をより一層高めることができる。
また、前述したような第1特定演出擬似連の演出態様から第2特定演出擬似連の演出態様に移行する第3特定演出擬似連に加えて、特定演出なし(図14の特定演出なし擬似連)の演出の実行中に、特定演出擬似連に対応する特定画像(第1特定擬似連図柄、または、第2特定擬似連図柄)が仮停止したときに、当該特定演出なし擬似連の演出に代えて、特定演出擬似連(第1特定擬似連図柄が仮停止したときは第1特定演出擬似連、第2特定擬似連図柄が仮停止したときは第2特定演出擬似連)を実行するようにしてもよい。また、特定演出擬似連の演出態様は、前述したような1段階で移行するものの他に、たとえば、2段階で移行するもの、3段階で移行するもののように、複数段階で移行する演出を実行するようにしてもよい。
このような演出を実行すれば、特定演出なし擬似連の演出から、特定演出擬似連の演出に移行するので、大当り表示結果に対する遊技者の期待感をより一層盛り上げることができる。
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態を説明する。第3実施形態では、たとえば特定演出擬似連のような擬似連の変動表示を実行するときにおいて、第1回数目の変動表示を仮停止するときには、所定数設けられたタイミングのいずれかで仮停止可能である一方、第1回数目よりも後の第2回数目に変動表示を仮停止するときには、所定数より少ない数設けられたタイミングにおいて変動表示を仮停止可能とする制御例を説明する。
前述した第1実施形態および第2実施形態では、擬似連の変動パターンにおける仮停止タイミングが固定的に用いられる例を示したが、擬似連の変動パターンにおける仮停止タイミングは、以下に示すように、複数のタイミングのうちから選択してもよく、また、擬似連の変動パターン中における変動表示(初回変動含む)および仮停止の回数目に応じて、仮停止の選択可能数を異ならせてもよい。たとえば、第1回数目の変動表示を仮停止するときには、3種類設けられたタイミングのいずれかで仮停止可能である一方、第2回数目に変動表示を仮停止するときには、2種類設けられたタイミングのいずれかで変動表示を仮停止可能とするようにしてもよい。
以下に示す第3実施形態では、前述した構成をより具体的に説明するために、第1実施形態〜第2実施形態で示した変動パターンテーブルとは異なる変動パターンテーブルを用いて、擬似連の演出をする変動パターンを含む変動パターンを選択決定する例を説明する。以下に示す擬似連の変動パターンは、前述した特定演出擬似連の変動パターンに対応する変動パターンであってもよく、前述した特定演出擬似連以外の擬似連の変動パターンに対応する変動パターンであってもよい。
第3実施形態においては、変動開始時点または再変動開始時点を基準として、再変動毎に仮停止タイミングが設けられている。仮停止タイミングは、再変動において仮停止するために設けられたタイミングである。具体的には、変動開始時点または再変動開始時点から5秒後の第1タイミングと、変動開始時点または再変動開始時点から10秒後の第2タイミングと、変動開始時点または再変動開始時点から15秒後の第3タイミングとが、仮停止タイミングとして設けられている。なお、変動開始時または再変動開始時から10秒が経過した時点でリーチ状態となる構成となっており、第3タイミングはリーチ後のタイミングであるといえる。
図23は、第3実施形態による変動パターンテーブルを示す説明図である。図23を参照して、この実施の形態では、特別図柄の変動表示結果が大当り表示結果になる場合に対応した変動パターンとして、リーチPA00〜リーチPA33の変動パターンが用意されている。また、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、リーチPA10,PA20,PA30を用いる場合には、再変動が1回行なわれる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、リーチPA12〜リーチPA33を用いる場合には、再変動が2回行なわれる。
変動表示結果が「大当り」であり1回の再変動を伴う変動パターンのうち、リーチPA10を用いる場合には1回目の仮停止が第1タイミングにて行なわれ、リーチPA20を用いる場合には1回目の仮停止が第2タイミングにて行なわれ、リーチPA30を用いる場合には1回目の仮停止が第3タイミングにて行なわれる。
また、変動表示結果が「大当り」であり2回の再変動を伴う変動パターンのうち、リーチPA12を用いる場合には、1回目の仮停止が第1タイミングにて行なわれ、2回目の仮停止が第2タイミングにて行なわれる。また、リーチPA13を用いる場合には、1回目の仮停止が第1タイミングにて行なわれ、2回目の仮停止が第3タイミングにて行なわれる。リーチPA22を用いる場合には、1回目の仮停止および2回目の仮停止が第2タイミングにて行なわれる。また、リーチPA23を用いる場合には、1回目の仮停止が第2タイミングにて行なわれ、2回目の仮停止が第3タイミングにて行なわれる。リーチPA32を用いる場合には、1回目の仮停止が第3タイミングにて行なわれ、2回目の仮停止が第2タイミングにて行なわれる。また、リーチPA33を用いる場合には、1回目の仮停止および2回目の仮停止が第3タイミングにて行なわれる。
また、この実施の形態では、変動表示結果が「はずれ」であり演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPB00−1〜非リーチPB30の変動パターンが用意されている。また、変動表示結果が「はずれ」であり演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、リーチPB00〜リーチPB33の変動パターンが用意されている。なお、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPB10,PB20,PB30の変動パターンについては、再変動が1回行なわれる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、リーチPB10,PB20,PB30を用いる場合には、再変動が1回行なわれる。また、リーチしない場合に使用される非リーチPB00−2の変動パターンは、短縮変動用の変動パターンであり、演出図柄の変動時間が短い時間(本例では、1.5秒)に短縮される。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、リーチPB12〜リーチPB33を用いる場合には、再変動が2回行なわれる。
たとえば、変動表示結果が「はずれ」であり1回の再変動を伴う変動パターンのうち、非リーチPB10、リーチPB10を用いる場合には1回目の仮停止が第1タイミングにて行なわれ、非リーチPB20、リーチPB20を用いる場合には1回目の仮停止が第2タイミングにて行なわれ、非リーチPB30、リーチPB30を用いる場合には1回目の仮停止が第3タイミングにて行なわれる。
また、変動表示結果が「はずれ」であり2回の再変動を伴う変動パターンのうち、リーチPB12を用いる場合には、1回目の仮停止が第1タイミングにて行なわれ、2回目の仮停止が第2タイミングにて行なわれる。また、リーチPB13を用いる場合には、1回目の仮停止が第1タイミングにて行なわれ、2回目の仮停止が第3タイミングにて行なわれる。リーチPB22を用いる場合には、1回目の仮停止および2回目の仮停止が第2タイミングにて行なわれる。また、リーチPB23を用いる場合には、1回目の仮停止が第2タイミングにて行なわれ、2回目の仮停止が第3タイミングにて行なわれる。リーチPB32を用いる場合には、1回目の仮停止が第3タイミングにて行なわれ、2回目の仮停止が第2タイミングにて行なわれる。また、リーチPB33を用いる場合には、1回目の仮停止および2回目の仮停止が第3タイミングにて行なわれる。
このように、本実施の形態において、2回目の仮停止を行なうための仮停止タイミングとして、1回目の仮停止を行なうための仮停止タイミングよりも少ない数の仮停止タイミングが設けられている。また、第1タイミングについては、1回目の仮停止タイミングとしてのみ設けられており、2回目の仮停止タイミングとしては設けられていない。
なお、本実施の形態では、1種類のリーチを設けることとしたが、大当りが発生することに対する期待度の異なる複数種類のリーチを設けることとしてもよい。また、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められていること(たとえば、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が32.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)としてもよいし、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。たとえば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、たとえば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(たとえば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
変動パターンテーブルは、変動表示結果および変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)に基づいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。変動パターンテーブルには、変動表示結果毎の変動パターンに対応する判定値が示されている。また、変動パターンテーブルには、再変動の有無および再変動回数(1回の特別図柄の変動表示に対して再変動を行なう回数)毎に変動パターンが区分されており、区分毎の選択割合が示されている。たとえば、変動表示結果が大当りである場合に2回の再変動を行なう変動パターンの区分の選択割合は70/100であることが示されている。さらに、変動パターンテーブルには、1回目の仮停止タイミング毎に変動パターンが区分されており、区分毎の選択割合が示されている。たとえば、変動表示結果が大当りである場合に1回目の仮停止タイミングが第1タイミングである変動パターンの区分の選択割合として、再変動が1回である場合の10/100と、再変動が2回である場合の5/100とが示されている。
ここで、再変動回数毎の大当りに対する期待度について説明する。図24は、第3実施形態による再変動における大当り期待度および継続率を示す説明図である。図24(a)は、再変動回数毎の大当り期待度を示す説明図である。大当り期待度は、各回数の再変動を行なった場合に大当りが発生する割合である。図23に示したように判定値の割振りを行なうことにより、本実施の形態の通常状態における再変動回数毎の大当り期待度は図24(a)に示す値になる。以下、各大当り期待度の算出方法について説明する。
まず、図23に示すように、変動表示結果が大当りである場合、再変動を行なわない変動パターン(リーチPA00)の選択割合は10/100であり、1回の再変動を有する変動パターン(リーチPA10,PA20,PA30)の選択割合は20/100であり、2回の再変動を有する変動パターン(リーチPA12,PA13,PA22,PA23,PA32,PA33)の選択割合は70/100である。一方、変動表示結果がはずれである場合、再変動を行なわない変動パターン(非リーチPB00−1,00−2,リーチPB00)の選択割合は50/100であり、1回の再変動を有する変動パターン(非リーチPB10,リーチPB10,非リーチPB20,リーチPB20,非リーチPB30,リーチPB30)の選択割合は40/100であり、2回の再変動を有する変動パターン(リーチPB12,PB13,PB22,PB23,PB32,PB33)の選択割合は10/100である。
これにより、再変動を行なわない場合の大当りに対する期待度P1は、再変動を行なわずに大当りが発生する変動パターンの選択割合A1を、再変動を行なわないすべての変動パターンの選択割合A2で除した値(P1=A1/A2)とすることができる。
選択割合A1は、変動表示結果が大当りとなる割合(1/300)と、大当りである場合に再変動が行なわれない変動パターンの選択割合(10/100)とを乗じた値であり、10/30000とすることができる。選択割合A2は、選択割合A1と、再変動を行なわずにはずれが発生する変動パターンの選択割合A3とを加算した値(A2=A1+A3)である。選択割合A3は、変動表示結果がはずれとなる割合(299/300)と、はずれである場合に再変動が行なわれない変動パターンの選択割合(50/100)とを乗じた値であり、14950/30000とすることができる。すなわち、期待度P1は、1/1496≒0.07%(図24(a)参照)とすることができる。
また、再変動を1回行なう場合の大当りに対する期待度P2は、再変動を1回行ない大当りが発生する変動パターンの選択割合B1を、再変動を1回行なうすべての変動パターンの選択割合B2で除した値(P2=B1/B2)とすることができる。
選択割合B1は、変動表示結果が大当りとなる割合(1/300)と、大当りである場合に再変動を1回行なう変動パターンの選択割合(20/100)とを乗じた値であり、20/30000とすることができる。選択割合B2は、選択割合B1と、再変動を1回行ないはずれが発生する変動パターンの選択割合B3とを加算した値(B2=B1+B3)である。選択割合B3は、変動表示結果がはずれとなる割合(299/300)と、はずれである場合に再変動を1回行なう変動パターンの選択割合(40/100)とを乗じた値であり、11960/30000とすることができる。すなわち、期待度P2は、1/599≒0.17%(図24(a)参照)とすることができる。このように、期待度P2は期待度P1よりも大きな値であるため、再変動回数が0回である場合(再変動を行なわない場合)よりも、再変動回数が1回である場合の方が、大当りに対する期待度が高いといえる。
また、再変動を2回行なう場合の大当りに対する期待度P3は、再変動を2回行ない大当りが発生する変動パターンの選択割合C1を、再変動を2回行なうすべての変動パターンの選択割合C2で除した値(P3=C1/C2)とすることができる。
選択割合C1は、変動表示結果が大当りとなる割合(1/300)と、大当りである場合における再変動を2回行なう変動パターンの選択割合(70/100)とを乗じた値であり、70/30000とすることができる。選択割合C2は、選択割合C1と、再変動を2回行ないはずれが発生する変動パターンの選択割合C3とを加算した値(C2=C1+C3)である。選択割合C3は、変動表示結果がはずれとなる割合(299/300)と、はずれである場合における再変動を2回行なう変動パターンの選択割合(10/100)とを乗じた値であり、2990/30000とすることができる。すなわち、期待度P3は、7/306≒2.29%(図24(a)参照)とすることができる。このように、期待度P3は期待度P2よりも大きな値であるため、再変動回数が1回である場合よりも、再変動回数が2回である場合の方が、大当りに対する期待度が高いといえる。したがって、再変動回数が多い程、大当りに対する期待度が高い構成となっている。
これにより、期待度P2と期待度P1との差は0.10ポイントである一方、期待度P3と期待度P2との差は2.12ポイントである。すなわち、期待度P3と期待度P2との差の方が期待度P2と期待度P1との差よりも大きい。したがって、再変動を1回行なうことによる大当りに対する期待度の増加量(期待度P2と期待度P1との差)より、再変動を2回行なうことによる大当りに対する期待度の増加量(期待度P3と期待度P2との差)の方が大きいといえる。これにより、1回目の再変動における仮停止タイミングよりも、2回目の再変動における仮停止タイミングの方が強く遊技者に注目させることができる。そこで、上述したように、2回目の再変動における仮停止タイミングとして、1回目の再変動における仮停止タイミングよりも少ない回数のタイミングを設けることにより、遊技者が注目すべきタイミングが分散することを防止し、遊技者が混乱することを防止するとともに、興趣の向上を図ることができる。
次に、1回目の再変動にいて仮停止を行なう仮停止タイミング毎の、2回目の再変動を実行(以下、「継続」ともいう)することに対する期待度について説明する。図24(b)は、1回目の再変動における仮停止タイミング毎の継続率を示す説明図である。継続率は、1回目の再変動を行なった場合に2回目の再変動を実行する割合である。図23に示したように判定値の割振りを行なうことにより、本実施の形態における通常状態の継続率は、図24(b)に示す値になる。以下、各継続率の算出方法について説明する。
まず、図23に示すように、変動表示結果が大当りである場合、1回目の再変動において第1タイミングにて仮停止を行なって2回目の再変動を行なわない変動パターン(リーチPA10)の選択割合は10/100であり、1回目の再変動において第2タイミングにて仮停止を行なって2回目の再変動を行なわない変動パターン(リーチPA20)の選択割合は9/100であり、1回目の再変動において第3タイミングにて仮停止を行なって2回目の再変動を行なわない変動パターン(リーチPA30)の選択割合は1/100である。一方、変動表示結果がはずれである場合、1回目の再変動において第1タイミングにて仮停止を行なって2回目の再変動を行なわない変動パターン(非リーチPB10,リーチPB10)の選択割合は25/100であり、1回目の再変動において第2タイミングにて仮停止を行なって2回目の再変動を行なわない変動パターン(非リーチPB20,リーチPB20)の選択割合は10/100であり、1回目の再変動において第3タイミングにて仮停止を行なって2回目の再変動を行なわない変動パターン(非リーチPB30,リーチPB30)の選択割合は5/100である。
また、図23に示すように、変動表示結果が大当りである場合、1回目の再変動において第1タイミングにて仮停止を行なって2回目の再変動を行なう変動パターン(リーチPA12,PA13)の選択割合は5/100であり、1回目の再変動において第2タイミングにて仮停止を行なって2回目の再変動を行なう変動パターン(リーチPA22,PA23)の選択割合は15/100であり、1回目の再変動において第3タイミングにて仮停止を行なって2回目の再変動を行なう変動パターン(リーチPA32,PA33)の選択割合は50/100である。一方、変動表示結果がはずれである場合、1回目の再変動において第1タイミングにて仮停止を行なって2回目の再変動を行なう変動パターン(リーチPB12,PB13)の選択割合は2/100であり、1回目の再変動において第2タイミングにて仮停止を行なって2回目の再変動を行なう変動パターン(リーチPB22,PB23)の選択割合は2/100であり、1回目の再変動において第3タイミングにて仮停止を行なって2回目の再変動を行なう変動パターン(リーチPB32,PB33)の選択割合は6/100である。
まず、第1タイミングにて1回目の再変動を行なった場合の2回目の再変動を実行することに対する期待度Q1は、第1タイミングにて1回目の再変動を行なって2回目の再変動を行なう変動パターンの選択割合D1を、第1タイミングにて1回目の再変動を行なうすべての変動パターンの選択割合D2で除した値(Q1=D1/D2)とすることができる。
選択割合D1は、第1タイミングにて1回目の再変動を行なって2回目の再変動を行ない大当りが発生する変動パターンの選択割合D3と、第1タイミングにて1回目の再変動を行なって2回目の再変動を行ないはずれが発生する変動パターンの選択割合D4とを加算した値(D1=D3+D4)とすることができる。選択割合D3は、変動表示結果が大当りとなる割合(1/300)と、大当りである場合に第1タイミングにて1回目の再変動を行なって2回目の再変動を行なう変動パターンの選択割合(5/100)とを乗じた値であり、5/30000である。選択割合D4は、変動表示結果がはずれとなる割合(299/300)と、はずれである場合に第1タイミングにて1回目の再変動を行なって2回目の再変動を行なう変動パターンの選択割合(2/100)とを乗じた値であり、598/30000である。したがって、選択割合D1は、603/30000とすることができる。
選択割合D2は、選択割合D1と、第1タイミングにて1回目の再変動を行なって2回目の再変動を行なわない変動パターンの選択割合D5とを加算した値(D2=D1+D5)である。選択割合D5は、第1タイミングにて1回目の再変動を行なって2回目の再変動を行なわずに大当りが発生する変動パターンの選択割合D6と、第1タイミングにて1回目の再変動を行なって2回目の再変動を行なわずにはずれが発生する変動パターンの選択割合D7とを加算した値(D5=D6+D7)とすることができる。選択割合D6は、変動表示結果が大当りとなる割合(1/300)と、大当りである場合に第1タイミングにて1回目の再変動を行なって2回目の再変動を行なわない変動パターンの選択割合(10/100)とを乗じた値であり、10/30000である。選択割合D7は、変動表示結果がはずれとなる割合(299/300)と、はずれである場合に第1タイミングにて1回目の再変動を行なって2回目の再変動を行なわない変動パターンの選択割合(25/100)とを乗じた値であり、7475/30000である。したがって、選択割合D5は、7485/30000であり、選択割合D2は、8088/30000である。すなわち、期待度Q1は、603/8088≒7.46%(図24(b)参照)とすることができる。
次に、第2タイミングにて1回目の再変動を行なった場合の2回目の再変動を実行することに対する期待度Q2は、第2タイミングにて1回目の再変動を行なって2回目の再変動を行なう変動パターンの選択割合E1を、第2タイミングにて1回目の再変動を行なうすべての変動パターンの選択割合E2で除した値(Q2=E1/E2)とすることができる。
選択割合E1は、第2タイミングにて1回目の再変動を行なって2回目の再変動を行ない大当りが発生する変動パターンの選択割合E3と、第2タイミングにて1回目の再変動を行なって2回目の再変動を行ないはずれが発生する変動パターンの選択割合E4とを加算した値(E1=E3+E4)とすることができる。選択割合E3は、変動表示結果が大当りとなる割合(1/300)と、大当りである場合に第2タイミングにて1回目の再変動を行なって2回目の再変動を行なう変動パターンの選択割合(15/100)とを乗じた値であり、15/30000である。選択割合E4は、変動表示結果がはずれとなる割合(299/300)と、はずれである場合に第2タイミングにて1回目の再変動を行なって2回目の再変動を行なう変動パターンの選択割合(2/100)とを乗じた値であり、598/30000である。したがって、選択割合E1は、613/30000とすることができる。
選択割合E2は、選択割合E1と、第2タイミングにて1回目の再変動を行なって2回目の再変動を行なわない変動パターンの選択割合E5とを加算した値(E2=E1+E5)である。選択割合E5は、第2タイミングにて1回目の再変動を行なって2回目の再変動を行なわずに大当りが発生する変動パターンの選択割合E6と、第2タイミングにて1回目の再変動を行なって2回目の再変動を行なわずにはずれが発生する変動パターンの選択割合E7とを加算した値(E5=E6+E7)とすることができる。選択割合E6は、変動表示結果が大当りとなる割合(1/300)と、大当りである場合に第2タイミングにて1回目の再変動を行なって2回目の再変動を行なわない変動パターンの選択割合(9/100)とを乗じた値であり、9/30000である。選択割合E7は、変動表示結果がはずれとなる割合(299/300)と、はずれである場合に第2タイミングにて1回目の再変動を行なって2回目の再変動を行なわない変動パターンの選択割合(10/100)とを乗じた値であり、2990/30000である。したがって、選択割合E5は、2999/30000であり、選択割合E2は、3612/30000とすることができる。すなわち、期待度Q2は、613/3612≒16.97%(図24(b)参照)とすることができる。
さらに、第3タイミングにて1回目の再変動を行なった場合の2回目の再変動を実行することに対する期待度Q3は、第3タイミングにて1回目の再変動を行なって2回目の再変動を行なう変動パターンの選択割合F1を、第3タイミングにて1回目の再変動を行なうすべての変動パターンの選択割合F2で除した値(Q3=F1/F2)とすることができる。
選択割合F1は、第3タイミングにて1回目の再変動を行なって2回目の再変動を行ない大当りが発生する変動パターンの選択割合F3と、第3タイミングにて1回目の再変動を行なって2回目の再変動を行ないはずれが発生する変動パターンの選択割合F4とを加算した値(F1=F3+F4)とすることができる。選択割合F3は、変動表示結果が大当りとなる割合(1/300)と、大当りである場合に第3タイミングにて1回目の再変動を行なって2回目の再変動を行なう変動パターンの選択割合(50/100)とを乗じた値であり、50/30000である。選択割合F4は、変動表示結果がはずれとなる割合(299/300)と、はずれである場合に第3タイミングにて1回目の再変動を行なって2回目の再変動を行なう変動パターンの選択割合(6/100)とを乗じた値であり、1794/30000である。したがって、選択割合F1は、1844/30000とすることができる。
選択割合F2は、選択割合F1と、第3タイミングにて1回目の再変動を行なって2回目の再変動を行なわない変動パターンの選択割合F5とを加算した値(F2=F1+F5)である。選択割合F5は、第3タイミングにて1回目の再変動を行なって2回目の再変動を行なわずに大当りが発生する変動パターンの選択割合F6と、第3タイミングにて1回目の再変動を行なって2回目の再変動を行なわずにはずれが発生する変動パターンの選択割合F7とを加算した値(F5=F6+F7)とすることができる。選択割合F6は、変動表示結果が大当りとなる割合(1/300)と、大当りである場合に第3タイミングにて1回目の再変動を行なって2回目の再変動を行なわない変動パターンの選択割合(1/100)とを乗じた値であり、1/30000である。選択割合F7は、変動表示結果がはずれとなる割合(299/300)と、はずれである場合に第3タイミングにて1回目の再変動を行なって2回目の再変動を行なわない変動パターンの選択割合(5/100)とを乗じた値であり、1495/30000である。したがって、選択割合F5は、1496/30000であり、選択割合F2は、3340/30000とすることができる。すなわち、期待度Q3は、1844/3340≒55.21%(図24(b)参照)とすることができる。
これにより、期待度Q1,Q2,Q3はいずれも異なる値である。したがって、1回目の再変動において仮停止した仮停止タイミング毎に、2回目の再変動を実行することに対する期待度が異なるといえる。これにより、いずれのタイミングにて1回目の再変動が発生するかを遊技者に注目させることができるため、遊技者に退屈感を与えることを防止し、興趣の向上を図ることができる。また、本実施の形態においては、再変動回数によって大当りに対する期待度が異なるよう構成されているため、継続するか否かに対する遊技者の興味がより高まることで、いずれのタイミングにて1回目の再変動が発生するかを遊技者により強く注目させることができ、興趣性をより高めることができる。
なお、本実施の形態では、変動パターンテーブルに変動表示結果、変動パターン、判定値、再変動、再変動回数毎の選択割合、1回目の仮停止タイミングおよび1回目の仮停止タイミング毎の選択割合が記憶されていることとしたが、再変動、再変動回数毎の選択割合、1回目の仮停止タイミングおよび1回目の仮停止タイミング毎の選択割合についてはこの限りではない。
図25は、第3実施形態による再変動回数毎の仮停止タイミングを示すタイミングチャートである。図25に示すタイミングチャートには、1回目の再変動において仮停止し得る仮停止タイミングと、2回目の再変動において仮停止し得る仮停止タイミングとを示している。まず、1回目の再変動では、仮停止タイミングとして、変動開始から5秒経過時点である第1タイミングと、変動開始から10秒経過時点である第2タイミングと、変動開始から15秒経過時点である第3タイミングとが設けられている。次に、2回目の再変動では、仮停止タイミングとして、再変動開始から10秒経過時点である第2タイミングと、再変動開始から15秒経過時点である第3タイミングとが設けられているが、再変動開始から5秒経過時点に第1タイミングは設けられていない。したがって、1回目の再変動における仮停止タイミングよりも少ない数のタイミングが、2回目の再変動における仮停止タイミングとして設けられている。これにより、遊技者にとって注目すべきタイミングが分散することを防止することができ、遊技者を混乱させることを防止するとともに、興趣の向上を図ることができる。
また、2回目の再変動として設けられていない第1タイミングは、1回目の再変動における仮停止タイミングのうち早期の仮停止タイミングである。すなわち、後に実行される再変動の仮停止タイミングの数の方が、先に実行される再変動の仮停止タイミングの数よりも、早期の仮停止タイミングの分だけ少ないこととなる。これにより、遊技者に対して、後の再変動が行なわれるか否かを長期に亘って期待させることができ、興趣の向上を図ることができる。
また、再変動開始時点から10秒経過後にリーチ状態となるため、第3タイミングは、リーチ状態になった後の仮停止タイミングであるといえる。1回目の再変動における仮停止タイミングおよび2回目の再変動における仮停止タイミングとして第3タイミングが設けられていることにより、リーチ状態となった後であっても遊技者に対して再変動が行なわれることを期待させることができ、興趣の向上を図ることができる。
以上に説明したように、第3実施形態によれば、第1回数目(本例では、1回目)の再変動表示(本例では、再変動)を実行するときには、所定数設けられたタイミング(本例では、3つのタイミング)のいずれかで仮停止を実行可能である一方、第1回数目より後の第2回数目(本例では、2回目)の再変動表示を実行するときには、所定数より少ない数設けられたタイミング(本例では、2つのタイミング)において仮停止を実行可能である。これにより、再び仮停止されるか否かについて注目すべきタイミングが絞られることで、興趣の向上を図ることができる。
なお、本実施の形態では、第2回数目の再変動表示を実行するときには、第1回数目の再変動表示を実行するときにおける仮停止タイミングから第1タイミングを除外したタイミングを仮停止タイミングとすることとしたが、これに限るものではなく、たとえば、第1タイミングの代わりに第2タイミングや第3タイミングを除外するものでもよいし、または、複数のタイミングを除外すること(たとえば、第1回数目の再変動表示の仮停止タイミングから第1タイミングおよび第2タイミングを除外したタイミングを、第2回数目の再変動表示を実行するときの仮停止タイミングとする)としてもよい。また、第2回数目の再変動表示の方が第1回数目の再変動表示よりも少ない数の仮停止タイミングが設けられているものであれば、第4タイミングや第5タイミングのように、第2回数目の再変動表示においてのみ選択し得る仮停止タイミングが設けられていることとしてもよい。
また、第1回数目の再変動表示の仮停止タイミングの数より第2回数目の再変動表示の仮停止タイミングの数を少なく構成した場合の方が、第2回数目の再変動表示の仮停止タイミングの数が第1回数目の再変動表示の仮停止タイミングの数以上になるよう構成した場合よりも、演出パターンが少ない。したがって、第1回数目の再変動表示の仮停止タイミングの数より第2回数目の再変動表示の仮停止タイミングの数を少なく構成することにより、演出パターンの増大を防止し、記憶容量を節減することができる。さらに、本実施の形態のように演出パターンに応じた変動パターンが設けられている遊技機(たとえば、再変動回数や仮停止タイミングに応じた長さの変動パターンが設けられている遊技機)において、第1回数目の再変動表示の仮停止タイミングの数より第2回数目の再変動表示の仮停止タイミングの数を少なく構成した場合、第2回数目の再変動表示の仮停止タイミングの数が第1回数目の再変動表示の仮停止タイミングの数以上になるよう構成した場合よりも演出パターンが少ないことにより、設けられるべき変動パターンが少なくなる。したがって、演出制御用マイクロコンピュータ100における演出データ(プロセステーブル)を記憶する記憶容量と、遊技制御用マイクロコンピュータ560における変動パターンを記憶する記憶容量(ROM54)との節減を図ることができる。
また、本実施の形態において、第1回数目(本例では、1回目)の再変動表示を実行するときには、第1タイミングと該第1タイミングより後の第2タイミングとを含む所定数設けられたタイミングのいずれかで仮停止を実行可能である一方、第1回数目より後の第2回数目(本例では、2回目)の再変動表示を実行するときには、所定数設けられたタイミングから第1タイミングを除いたタイミングのうちいずれか一のタイミングにて仮停止を実行可能であることとした。これにより、第1回数目の再変動表示における仮停止タイミングのうち、早期の仮停止タイミングを除いたタイミングが第2回数目の再変動表示における仮停止タイミングとなるため、第2回数目の仮停止がなされるか否かを長い期間に亘って煽ることができる。したがって、興趣の向上を図ることができる。
なお、本実施の形態では、第1回数目の仮停止タイミングから第1タイミングのみを除いたタイミング(第2タイミングおよび第3タイミング)を第2回数目の仮停止タイミングとしたが、第1回数目の仮停止タイミングから早期のタイミングを除いたタイミングを第2回数目の仮停止タイミングとするものであれば、第1回数目の仮停止タイミングから複数のタイミングを除いたタイミングを第2回数目の仮停止タイミングとするものであってもよい。たとえば、第1回数目の仮停止タイミング(第1タイミング〜第3タイミング)から第1タイミングと第2タイミングとを除いて、第3タイミングのみを仮停止タイミングとして第2回数目の再変動表示を実行することとしてもよい。
なお、逆に、第1回数目の再変動における仮停止タイミングのうち、遅い時期のタイミングを除いたタイミング(早期のタイミングのみを残したタイミング)を第2回数目の仮停止タイミングとすることとしてもよく、その場合、第2回数目の仮停止が早期に行なわれることとなるため、再変動を行なう際の演出の冗長化を防止することができる。
また、本実施の形態において、特定遊技状態に制御すると決定された場合の方が、特定遊技状態に制御しないと決定された場合よりも多くの回数の再変動表示を実行し易く(本例では、再変動回数が多い程、大当りに対する信頼度が高い)、第1回数目の再変動表示が実行された場合において特定遊技状態に制御される割合(本例では、再変動回数が1回である変動パターン選択時における大当り期待度P2=0.17%)と、第1回数目の再変動表示が実行されない場合において特定遊技状態に制御される割合(本例では、再変動回数が0回である(すなわち、再変動しない)変動パターン選択時における大当り期待度P1=0.07%)との差(本例では、0.10ポイント)よりも、第2回数目の再変動表示が実行された場合において特定遊技状態に制御される割合(本例では、再変動回数が2回である変動パターン選択時における大当り期待度P3=2.29%)と、第2回数目より1回前の再変動表示が実行された場合において特定遊技状態に制御される割合(本例では、再変動回数が1回である変動パターン選択時における大当り期待度P2=0.17%)との差(本例では、2.12ポイント)の方が大きいこととした。すなわち、再変動回数が多い程、大当り期待度の増加幅が大きくなることとした。これにより、期待度がより高まる第2回数目の仮停止がなされるか否かについて注目すべきタイミングが絞られることで興趣を向上させることができる。
なお、大当り期待度の具体的な値については、上述したものに限るものではなく、再変動回数が所定回数である場合には大当り期待度が0%(すなわち、大当りが発生しない)であることとしてもよいし、また、大当り期待度が100%(すなわち、必ず大当りが発生する)であることとしてもよい。
なお、本実施の形態では、再変動回数が1回である擬似連を行なうことにより増加する大当り期待度(期待度P2と期待度P1との差)よりも、再変動回数が2回である擬似連を行なうことにより増加する大当り期待度(期待度P3と期待度P2との差)の方が大きいこととしたが、逆に、再変動回数が2回である擬似連を行なうことにより増加する大当り期待度よりも、再変動回数が1回である擬似連を行なうことにより増加する大当り期待度の方が大きいこととしてもよい。
なお、本実施の形態では、通常状態における大当り発生割合(1/300)を用いて、大当りに対する期待度を算出したが、これに限るものではなく、たとえば、確変状態における大当り発生割合を用いて算出することとしてもよいし、通常状態と確変状態とにおける大当り発生割合を考慮して算出することとしてもよい。
なお、本実施の形態では、再変動回数が多い程、大当りが発生する割合の増加幅が大きくなる構成としたが、これに限らず、再変動回数が多い程、大当りが発生する場合に大当り種別が有利な大当り(たとえば、15R確変大当り)である割合の増加幅が大きくなる構成としてもよい。
また、本実施の形態において、仮停止を実行したタイミングによって異なる割合に基づいて再び再変動表示を実行する(たとえば、1回目の再変動において仮停止を実行したタイミングが第1タイミングであれば7.46%、第2タイミングであれば16.97%、第3タイミングであれば55.21%の割合で、2回目の再変動を行なう)こととした。これにより、仮停止するタイミングに遊技者を注目させることができる。
なお、本実施の形態では、1回目の再変動において仮停止する仮停止タイミングが第1タイミングである場合と、第2タイミングである場合と、第3タイミングである場合とで、2回目の再変動が実行される割合がそれぞれ異なることとしたがこれに限らず、たとえば、第1タイミングである場合と第2タイミングである場合とは同じ割合で2回目の再変動が実行され、第3タイミングである場合のみ異なる割合で2回目の再変動が実行されるようなこととしてもよい。
なお、本実施の形態においては、1回目の仮停止を実行した仮停止タイミングが遅いタイミングである程継続率が高くなる構成としたが、これに限るものではなく、たとえば、1回目の仮停止を実行した仮停止タイミングが遅いタイミングである程継続率が低くなる構成としてもよいし、すべての継続率が均一なものであってもよい。また、1回目の再変動にて仮停止を行なう仮停止タイミング毎の継続率として、規則性のない値が設定されていることとしてもよい。
なお、本実施の形態では、通常状態における大当り発生割合(1/300)を用いて、第1回数目の再変動にて仮停止を行なう仮停止タイミング毎の第2回数目の再変動に対する期待度を算出したが、これに限るものではなく、たとえば、確変状態における大当り発生割合を用いて算出することとしてもよいし、通常状態と確変状態とにおける大当り発生割合を考慮して算出することとしてもよい。
また、本実施の形態において、第1回数目(本例では、1回目)の再変動表示を実行するときには、リーチ演出が開始された後のタイミング(本例では、第3タイミング)を含む所定数設けられたタイミングのいずれかで仮停止を実行可能である一方、第1回数目より後の第2回数目(本例では、2回目)の再変動表示を実行するときには、リーチ演出が開始された後のタイミングを含む所定数より少ない数設けられたタイミングにおいて仮停止を実行可能であることとした。これにより、リーチ後にも仮停止に対する期待感を遊技者に与えることができ、興趣を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、第1回数目の仮停止タイミングおよび第2回数目の仮停止タイミングのうち、それぞれ一つずつの仮停止タイミングがリーチ後のタイミングであることとしたが、これに限らず、それぞれ複数の仮停止タイミングがリーチ後のタイミングであることとしてもよいし、第1回数目の仮停止タイミングのうち一の仮停止タイミングと、第2回数目の仮停止タイミングのうち複数の仮停止タイミングとがリーチ後のタイミングであることとしてもよい。また、すべての仮停止タイミングがリーチより前のタイミングであることとしてもよい。
なお、本実施の形態において、1回の特別図柄の変動表示に対して2回までの再変動を実行可能な遊技機を用いて説明したが、3回以上の再変動を実行可能としてもよい。
また、本実施の形態では、第1回数を1回、第2回数を2回として説明したが、第2回数の方が第1回数より後の回数あれば具体的な回数についてはこの限りではない。たとえば、2回目以降の回数を第1回数としてもよいし、第1回数と第2回数とが連続した回数でなくてもよい。具体的には、第1回数を2回とし、第2回数を4回としてもよい。
また、本実施の形態においては、再変動回数が増えるほど大当りに対する期待度が高い構成としたが、これに限るものではなく、たとえば、再変動回数が増えるほど大当りに対する期待度が低くなる構成としてもよいし、特定の回数の再変動が最も大当りに対する期待度が高いようなこととしてもよい。
また、本実施の形態において、第1回数目の再変動において3つの仮停止タイミングを設け、第2回数目の再変動において2つの仮停止タイミングを設けることとしたが、第2回数目の再変動における仮停止タイミングの数の方が、第1回数目の再変動における仮停止タイミングの数よりも少なければ、具体的な回数についてはこれらに限るものではない。たとえば、第1回数目の再変動において5つの仮停止タイミングを設け、第2回数目の再変動において1つの仮停止タイミングを設けることとしてもよい。
また、本実施の形態では、再変動の回数目毎に仮停止タイミングが設けられていることとしたが、特別図柄の変動が開始されてから導出表示されるまでの間に、いずれの回数目の再変動であっても仮停止可能な複数の仮停止タイミングが設けられていることとしてもよい。その場合、再変動回数が予め決定されている場合には、再変動回数に基づいて仮停止タイミングを決定することとしてもよいし、再変動回数が予め決定されていない場合には、仮停止タイミングを決定することにより再変動回数を決定するようなこととしてもよい。
具体的には、予め再変動回数が2回と決定されており、特別図柄の変動中において、いずれの回数目であっても仮停止され得る仮停止タイミングとして3つのタイミングA〜C(タイミングAが最も早期のタイミングであり、タイミングCが最も遅い時期のタイミングであるとする)が設けられている場合には、1回目の再変動にて仮停止する仮停止タイミングを2つのタイミングA,B(タイミングCにて1回目の再変動を行なうと、2回目の再変動を行なうことが不可能になるため)から決定し、2回目の再変動における仮停止タイミングとして1回目の再変動における仮停止タイミングよりも少ない1つのタイミングCから決定して仮停止を行なうこととしてもよい。
また、具体的には、予め再変動回数が決定されておらず、特別図柄の変動中において、いずれの回数目の再変動であっても仮停止され得る仮停止タイミングとして3つのタイミングA〜Cが設けられている場合には、仮停止タイミング毎に仮停止するか否かを決定することにより、仮停止することを決定した仮停止タイミングの数を再変動回数として決定することとしてもよい。たとえば、タイミングA,Bで仮停止することを決定した場合には、再変動回数が2回と決定されることとなり、また、タイミングA〜Cで仮停止することを決定した場合には、再変動回数が3回と決定されることとなる。また、いずれの仮停止タイミングにおいても仮停止しないことが決定された場合には、再変動が行なわれないこととなる。
また、本実施の形態では、再変動の回数目毎に仮停止し得る仮停止タイミングとして、一部が共通したタイミング(第2タイミングおよび第3タイミング)が設けられていることとしたが、これに限るものではない。たとえば、第1回数目の仮停止タイミングの数より第2回数目の仮停止タイミングの数の方が少ないものであれば、それぞれ異なるタイミングが設けられてもよい。具体的には、第1回数目の仮停止タイミングとしてタイミングA〜Cが設けられ、第2回数目の仮停止タイミングとしてタイミングA〜Cとは異なるタイミングD,Eが設けられていることとしてもよい。
なお、本実施の形態においては、遊技制御用マイクロコンピュータ560が変動パターンを選択することにより、再変動の実行の有無、再変動の実行回数、および仮停止を実行する仮停止タイミングが決定されることとしたが、これに限るものではなく、たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100が再変動の実行の有無、再変動の実行回数、および仮停止を実行する仮停止タイミングのうち少なくとも一以上の要素を決定することとしてもよい。
たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560が変動パターンを選択することにより再変動の実行の有無および再変動の実行回数を決定し、演出制御用マイクロコンピュータ100が仮停止を実行する仮停止タイミングを決定することとしてもよい。
また、たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560が変動パターンを選択することにより再変動の実行の有無のみを決定し、演出制御用マイクロコンピュータ100が再変動の実行回数および仮停止を実行する仮停止タイミングを決定することとしてもよい。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100が再変動の実行の有無を抽選により決定し、決定結果に基づいて演出を実行することとしてもよい。具体的には、一の変動パターンに対して、再変動を実行する場合のプロセステーブルと、再変動を実行しない場合のプロセステーブルとが設けられており、演出制御用マイクロコンピュータ100が抽選によって再変動の実行の有無を決定するとともに、決定結果に基づいていずれか一方のプロセステーブルを選択して各演出装置を制御することとしてもよい。
また、たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100が再変動を実行することを決定した場合、さらに再変動回数を抽選により決定し、決定結果に基づいて演出を実行することとしてもよい。具体的には、一の変動パターンに対して、再変動を実行する場合の再変動回数毎に異なるプロセステーブルと、再変動を実行しない場合のプロセステーブルとが設けられており、演出制御用マイクロコンピュータ100が再変動を実行するか否かと再変動回数とを抽選により決定し、決定結果に基づいていずれか一のプロセステーブルを選択して各演出装置を制御することとしてもよい。
また、たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100が再変動を実行することを決定した場合、さらに再変動回数および仮停止タイミングを抽選により決定し、決定結果に基づいて演出を実行することとしてもよい。具体的には、一の変動パターンに対して、再変動を実行する場合の再変動回数および仮停止タイミング毎に異なるプロセステーブルと、再変動を実行しない場合のプロセステーブルが設けられており、演出制御用マイクロコンピュータ100が再変動を実行するか否かと再変動回数と仮停止タイミングとを抽選により決定し、決定結果に基づいていずれか一のプロセステーブルを選択して各演出装置を制御することとしてもよい。
また、たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100が再変動を実行することを決定した場合、仮停止タイミングを決定することに伴って再変動回数をも決定し、決定結果に基づいて演出を実行することとしてもよい。たとえば、5つの仮停止タイミングを有する変動パターンが選択され、演出制御用マイクロコンピュータ100が再変動を実行することを決定した場合、仮停止タイミング毎に仮停止するか否かを決定することとすれば、仮停止することが決定された仮停止タイミングの数が再変動回数として決定されることとなる。
また、たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100が再変動回数を抽選により決定し、決定結果の再変動回数が1以上であれば再変動を実行することが決定される一方、決定結果の再変動回数が0であれば再変動を実行しないことが決定されることとしてもよい。
また、たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100が、いずれの仮停止タイミングにて仮停止を行なうかを決定することにより、再変動の実行の有無及び再変動回数を決定することとしてもよい。たとえば、5つの仮停止タイミングを有する変動パターンであり、再変動を実行することが決定された場合、仮停止タイミング毎に仮停止するか否かを決定することとすれば、仮停止することが決定された仮停止タイミングの数が再変動回数として決定されることとなる。そして、決定結果の再変動回数が0であれば再変動を実行しないことが決定されることとしてもよい。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100によっていずれの仮停止タイミングにて仮停止するかを決定する決定処理を行なう場合、変動開始時に該決定処理を行なうものであってもよいし、また、仮停止タイミングに達した時点で該決定処理を行なうものであってもよい。仮停止タイミングに達した時点で該決定処理を行なうものとした場合、仮停止タイミングに至るまでは該仮停止タイミングにて仮停止されるか否かが不明である。そこで、仮停止された場合の演出内容のプロセステーブルAと、仮停止されなかった場合の演出内容のプロセステーブルBとを変動開始時に選択しておき、変動開始時から仮停止タイミングまではいずれか一方のプロセステーブル応じた演出制御を行なうとともに、仮停止した場合にはプロセステーブルAに切替える一方、仮停止しなかった場合にはプロセステーブルBに切替えることとしてもよい。そうすることにより、仮停止タイミングに達するまで仮停止するか否かが不明な場合であっても、遊技者に違和感を与えることなく演出を行なうことができる。
また、複数の仮停止タイミングが予め設けられており、かつ、仮停止タイミングに達したときに演出制御用マイクロコンピュータ100によって該仮停止タイミングにて仮停止するか否かを決定する決定処理を行なう構成とした場合、仮停止タイミングに応じた数のプロセステーブルを変動開始時に選択しておき、仮停止した仮停止タイミングによっていずれのプロセステーブルに切替えるかを決定するとともに、決定結果に基づいて演出の制御を行なうこととしてもよいが、その場合、仮停止タイミングの数に応じたプロセステーブルを記憶するとともに、同時に複数のプロセステーブルの監視を行なうこととなるため、記憶容量が増大したり処理負担が増加したりする虞がある。そこで、いずれの仮停止タイミングにて仮停止が行なわれた場合にも、遊技者に違和感を与えることのない演出内容の共用プロセステーブルを設け、いずれの仮停止タイミングにて仮停止が行なわれた場合にも該共用プロセステーブルに切替えることとすれば、記憶容量の削減および処理負担の軽減を図りつつ、遊技者に違和感を与えることない演出を行なうことができる。
なお、リーチ演出を実行可能なリーチ演出実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100における演出図柄変動中処理を実行する部分)を備え、第1回数目の再可変表示を実行するときには、リーチ演出実行手段によってリーチ演出が開始された後のタイミング(たとえば、第3タイミング)を含む所定数設けられたタイミングのいずれかで仮停止を実行可能である一方、第1回数目より後の第2回数目の再可変表示を実行するときには、リーチ演出実行手段によってリーチ演出が開始された後のタイミングを含む所定数より少ない数設けられたタイミングにおいて仮停止を実行可能であることとしてもよい。そのような構成によれば、リーチ後にも仮停止の期待を持たせることができ、興趣を向上させることができる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図14における(11)〜(18)の第1特定演出擬似連、または、(21)〜(28)の第2特定演出擬似連の演出に示すように、演出図柄を一旦仮停止させるときに、第1特定擬似連図柄921または第2特定擬似連図柄922のような特定画像を表示し、再変動を実行するとともに、背景画像を第1特定背景画像または第2特定背景画像にする特定演出を実行することにより、再変動と特定演出との両方を実行するときに、遊技者に対する両方の実行内容を認識させやすくすることができる。
(2) 図14における(11)〜(18)の第1特定演出擬似連、または、(21)〜(28)の第2特定演出擬似連の演出として特定演出が実行されることに加えて、複数回の特別図柄の変動表示に跨る先読み特定演出として特定演出が実行されることにより、特定演出が実行されるタイミングを遊技者に注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(3) 図17(C),(D)に示すように、第1特定演出擬似連と、第2特定演出擬似連というような特定演出の種類に応じて、大当りに対する期待度が異なるので、特定画像の種類と特定演出の種類とを遊技者に注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(4) 第2実施形態に示すように、第1特定演出擬似連の演出の実行中に、第2特定演出擬似連に対応する第2特定擬似連図柄が仮停止されたときに、第1特定演出擬似連に代えて、第2特定演出擬似連の演出が実行されるので、特定演出の種類が代わることにより遊技の興趣を向上させることができる。さらに、第1特定演出擬似連に代えて、第1特定演出擬似連よりも大当り表示結果となる期待度が高い第2特定演出擬似連の演出が実行されることにより、変動表示結果が大当り表示結果となることに対する遊技者の期待感を高めることができる。
(5) 第1特定演出擬似連、または、第2特定演出擬似連の演出として特定演出が実行されることに加えて、先読み特定演出が実行されるので、保留記憶に基づく先読み演出により遊技の興趣を向上させることができる。
(6) 特定演出擬似連の演出の変形例として説明したように、リーチ演出中に、一旦仮停止させるときに特定画像を表示し、再変動を実行するともに、特定演出を実行することにより、リーチ演出後にも仮停止および特定演出についての期待感を遊技者に持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(7) 第3実施形態の図25に示すように、1回数目の仮停止時に3つ設けられた仮停止タイミングのうち変動パターンコマンドに対応した仮停止タイミングで仮停止を実行可能であり、2回数目の仮停止時に2つ設けられた仮停止タイミングのうち変動パターンコマンドに対応した仮停止タイミングで仮停止を実行可能であることにより、仮停止されるか否かについて注目すべきタイミングが絞られることで、遊技者を混乱させてしまうことを防止するとともに、興趣の向上を図ることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、特定演出として、特定演出擬似連の演出に加えて、複数回の変動表示に跨る先読み特定演出を実行する例を示したが、これに限らず、先読み特定演出を実行しないようにしてもよい。また、前述した実施の形態では、特定演出擬似連の演出により特定演出が実行される方が、先読み特定演出により特定演出が実行されるときよりも、大当りとなる期待度が高い例を示したが、大当りとなる期待度の高さの設定は逆であってもよい。
(2) 前述した実施の形態では、先読み特定演出による特定演出が実行されているときに、特定演出擬似連による特定演出の実行を制限(禁止)する例を示したが、これに限らず、先読み特定演出による特定演出が実行されているときに、前述のような特定演出擬似連を実行するか否かを決定し、その決定結果に応じて、先読み特定演出による特定演出の実行中に、特定演出擬似連の演出を実行するようにしてもよい。その場合には、たとえば、特定演出擬似連における仮停止時に、先読み特定演出により実行されている特定演出を継続実行することを特定可能な演出をしてもよく、特定演出擬似連における仮停止時に、先読み特定演出により実行されている特定演出の種類を、第2実施形態で説明したような移行演出により変化させる演出制御(演出移行制御)を実行するようにしてもよい。このような移行演出をするときには、擬似連の複数回の仮停止時または再変動時のいずれの回で、特定演出の種類が移行するようにしてもよい。その場合には、大当りとなる期待度に応じて異なる割合で移行する回が選択されるようにしてもよく、(たとえば、後の回程大当りとなる期待度が高くなるようにしてもよく、先の回程大当りとなる期待度が高くなるようにしてもよい)、また、移行する回によらず、大当りとなる期待度が一定となるようにしてもよい。また、特定演出の種類を移行する演出としては、移行前の特定演出よりも大当りとなる期待度が高い特定演出の種類に移行する演出をしてもよく、移行前の特定演出よりも大当りとなる期待度が低い特定演出の種類に移行する演出をしてもよい。
(3) また、上記の実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、前述した実施の形態に示した擬似連のような特定演出の移行に関連する各種演出は、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて表示手段における図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組合せになると、所定数のメダルが遊技者に払出されるスロットマシン(スロット機)に適用することも可能である。具体的には、スロットマシンにおいて設けられた演出表示装置等の表示装置において、特定演出を実行するときに、上記の実施の形態で説明したような各種演出を実行する制御を行なうようにしてもよい。
(4) 前述した実施の形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行なうようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータの方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータの方で選択を行なう様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(たとえば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。このように2つのコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する構成においては、1つ目のコマンドを送信した後の2つ目のコマンドにおいて、入賞時演出処理による表示結果の判定結果、および、変動パターン種別のような先読み判定情報を送信し、その2つ目のコマンドを受信したことに基づいて、先読み予告の演出を実行するようにしてもよい。
(5) 前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(6) 前述の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。このような構成の場合には、前述した実施の形態で演出制御用マイクロコンピュータ100が行なっていた各種決定については、同様に演出制御用マイクロコンピュータ100が行なうようにしてもよく、または、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、または、音/ランプ基板に搭載したマイクロコンピュータ等の制御手段が行なうようにしてもよい。
(7) 前述した実施の形態では、特別可変入賞球装置22における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
(8) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(9) 本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。また、遊技機は、発射装置および玉払出装置を備えた遊技枠に遊技球が打ち込まれる遊技領域を形成する遊技盤を取り付けた構成としたが、これに限らず、発射装置は玉払出装置などの基本的な機能を共通化し、遊技の特長的構成である遊技盤のみを流通させるようにしてもよい。この場合、遊技の特長的構成であるところの遊技盤を遊技機と称する。このような封入式の遊技機には、遊技点を計数した上で、計数結果を記録媒体処理装置(遊技用装置)の一例となるカードユニットに送信する機能を設けてもよい。この場合、遊技点の計数を指示するための計数操作手段(計数ボタン)を封入式の遊技機に設けることが望ましい。たとえば、遊技点の計数結果は“持点”に変換されて、カードユニットに挿入されている(受付けられている)カードまたは端末などの「遊技者によって携帯される記録媒体」に直接記録される。あるいは、カードユニットに接続された点数管理用サーバで記録媒体に記録されているカードIDを管理し、計数結果をカードユニットから点数管理用サーバに送信することによって、点数管理用サーバがカードID毎に遊技者の持点を記憶するようにしてもよい。
(10) 前述した実施の形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
(11) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。