以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよく、変動表示を実行し、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は当り種別表である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5等が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン125(図3参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン125に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ121(図3参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122との取付位置が上下の位置関係にはなく、たとえば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
なお、本実施の形態では、遊技者が操作可能な操作手段の一例として、プッシュボタン120と、トリガボタン125を有するスティックコントローラ122とを設けた例を示した。しかし、これに限らず、操作手段としては、プッシュボタン120とスティックコントローラ122とのいずれか1つのみを設けてもよい。また、操作手段としては、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な演出表示装置9が設けられている。遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示等の各種画像を表示する表示領域が設けられる。このような表示領域には、たとえば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示領域が形成される。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
第1特別図柄表示器8aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置9においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示領域で同じ図柄が停止し、中の図柄表示領域で図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示領域で停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチ(ノーマルリーチ)に比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。また、リーチの中には、特別なスーパーリーチ以外のリーチとして、基本的なリーチであるノーマルリーチが含まれている。ノーマルリーチは、スーパーリーチよりも大当りが発生しにくいように設定されたものである。
この実施の形態において、スーパーリーチにおいては、リーチ図柄が形成された後、所定の動画(たとえば、所定のキャラクタ動画等の動画)を表示した後、表示結果導出表示前の最終的な演出表示において、変動中の中演出図柄をスクロールさせる演出等の遊技者の期待感を向上させるような複雑な演出表示が実行される。また、ノーマルリーチにおいては、リーチ図柄が形成された後、前述の動画を表示せずに背景画像(図柄の背景を構成する画像)の種類をリーチ状態となる前に表示されていた画像とは異ならせるような比較的簡素な演出表示が実行される。このようなノーマルリーチでは、たとえば、中図柄の最終停止図柄の停止表示前のスクロール状態において、たとえば、3図柄前等の任意の図柄数(図柄配列数)前の図柄から変動表示速度を減速する演出が行なわれることにより、表示結果導出表示前の最終的な演出表示が行なわれる。なお、ノーマルリーチでは、その他の演出表示が行なわれる場合もある。
リーチ状態となった後に、リーチ図柄が形成された態様で大当り表示結果以外のはずれ表示結果となったときが、リーチはずれと呼ばれる。また、リーチ状態とならずにリーチ図柄が形成されない態様ではずれ表示結果となったときが、非リーチはずれと呼ばれる。
演出表示装置9の右方には、各々を識別可能な識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)8aが設けられている。第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、各々を識別可能な識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件(第1実行条件)または第2始動条件(第2実行条件)が成立(たとえば、遊技球が始動入賞領域としての第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。また、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のような始動領域に遊技球が進入したにもかかわらず未だ開始条件が成立していない変動表示について、所定の上限数の範囲内で情報を記憶することが保留記憶と呼ばれる。また、このような保留記憶という用語は、保留記憶された情報(保留記憶情報)を示す(特定する)場合にも用いられる。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1特別図柄の変動表示が開始可能となる第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2特別図柄の変動表示が開始可能となる第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当り表示結果として大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数および第2保留記憶数を合算(合計)した形式で表示する合算保留記憶表示部18cが設けられている。合算保留記憶表示部18cでは、発生した保留記憶情報を表示する画像(以下、保留表示と呼ぶ)が保留記憶情報の数に対応して表示されることにより、保留記憶数が示される。このように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを個別に表示する第1保留記憶表示部(第1保留記憶数の表示部)と第2保留記憶表示部(第2保留記憶数の表示部)とが設けられるようにしてもよい。第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dのそれぞれでは、発生した保留記憶情報を表示する画像(以下、保留表示と呼ぶ)が保留記憶情報の数に対応して表示されることにより、保留記憶数が示される。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
演出表示装置9の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図2の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
具体的に、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。また、本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。
なお、「大当り」のうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。また、このような制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
このような電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
この実施の形態においては、高確率状態に制御されたときに、時短状態および高ベース状態に制御されるが、時短状態および高ベース状態は、制御の開始条件および終了条件が同じであるので、時短状態および高ベースに制御されている状態を、時短状態という用語で代表して示す場合があり、高ベース状態という用語で代表して示す場合がある。
図2に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。
通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、高ベース状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。通常大当りにおいては、非確変状態が次回の大当りが発生するまでの期間継続し、時短状態、および、高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
図4は、各乱数を示す説明図である。図4においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、通常大当り、および、確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、通常大当り、および、確変大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(ランダムR)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。
この実施の形態では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴なう変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでも変動パターン種別のうち最も変動時間が短いノーマルリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
図5は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図5(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図5(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図5(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図5(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図5(B)、および、図5(C)の第1,第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」と「確変大当り」とのうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図5(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
このような大当り種別大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルとは、確変大当りに決定される割合が同じである。このような場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当り種別判定テーブルを分けなくてもよい。また、大当り種別として、大当り遊技状態での最大ラウンド数が異なる複数種類の大当りのうちから大当り種別を選択するときには、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、ラウンド数が多い大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。このようにすれば、高ベース状態において、大当りの種別選択が遊技者にとって有利となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合を高くしてもよい。そうすることにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、確変大当りとなる割合を高くすることができる。また、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよい。
次に、図6を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。図6は、変動パターンを決定するために用いる変動パターンテーブルを表形式で示す図である。
図6には、(a)に通常状態はずれ時判定テーブル、(b)に時短状態はずれ時判定テーブルが示されている。また、(c)には通常大当り時判定テーブル、(d)には確変大当り時判定テーブルが示されている。図6(a)〜(d)の各判定テーブルは、ROM54に記憶されており、遊技状態に応じて選択され、変動パターン種別および変動パターンを判定(決定)するために用いられる。
図6に示す判定テーブルは、ランダム2と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム3と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。
図6の各テーブルでの「変動パターン種別」または「変動パターン」の欄において、「通常」または「通常変動」は、リーチとならない通常変動パターンを示している。
また、図6の各テーブルでの「ノーマルリーチ」は、リーチ状態となったときに特に派手な演出を実行しないノーマルリーチの変動パターンを示している。「スーパーリーチ」は、リーチ状態となったときに特別な演出画像を表示するリーチ演出を行なう変動パターンを示している。
また、前述したように、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて大当りとなるときに選択される割合が高く、大当りとなる信頼度が高い変動パターンである。さらに、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて変動時間が長い(たとえば、ノーマルリーチ10秒、スーパーリーチ30秒)変動パターンである。
「はずれ」は、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。「通常大当り」は、変動表示の最終的な表示結果が「通常大当り」の表示結果となる変動パターンである。「確変大当り」は、変動表示の最終的な表示結果が「確変大当り」の表示結果となる変動パターンである。
これらの情報に基づいて、たとえば、「変動パターン」の欄に示された「スーパーリーチ はずれ」という変動パターンは、「はずれ表示結果となるスーパーリーチの変動パターン」であることが示される。
図6のテーブルで「ランダム2個数」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム2個数」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブル部としての機能を示す欄である。たとえば、図6(a)を例にとれば、「通常」、「リーチ」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム2(1〜251)のすべての値が複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、所定のタイミングで抽出したランダム2の値が251個のうちの40個に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターン種別として「リーチ」とすることが決定される。
また、図6のテーブルで「ランダム3個数」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム3個数」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブル部としての機能を示す欄である。変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図6(a)を例にとれば、「リーチ」の種別に属する変動パターンは、「ノーマルリーチ はずれ」および「スーパーリーチ はずれ」である。
各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム3(1〜220)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、「リーチ」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム3の値に応じて、「ノーマルリーチ はずれ」と「スーパーリーチ はずれ」とのうちから変動パターンが選択決定される。
第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。非時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルを選択する。一方、時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択する。なお、図6(a),図6(b)の判定テーブルを用いることで、保留数に関わらず、通常状態はずれ時、時短状態はずれ時でのリーチ割合を一定にしている。
また、時短状態であるか否かにかかわらず第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果が大当りとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。変動表示結果が通常大当りとなるときには、図6(c)の通常大当り時判定テーブルを選択する。時短状態であるか否かにかかわらず変動表示結果が確変大当りとなるときには、図6(d)の確変大当り時判定テーブルを選択する。
図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)よりも変動時間が短い通常変動(非リーチはずれ変動)に決定される割合が高く、通常変動よりも変動時間が長いリーチ変動に決定される割合が低くなるように、データが設定されている。さらに、通常変動の変動パターンとして、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、変動時間が短い変動パターンが設定されている。
これにより、非時短状態(通常状態)のときと比べて、時短状態のときの方が、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が高いので、時短状態のときの方が、非時短状態のときよりも平均的に短い変動時間で変動表示が行なわれることとなる。このように判定テーブルを選択することにより時短状態を実現することができる。また、通常変動を非時短状態よりも時短状態ときの方が変動時間が短くなるように設定することで、時短状態中の保留消化を短縮することができる。
また、はずれとなるときに選択される図6(a)および図6(b)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ>スーパーリーチとなるような高低関係で選択されるようにデータが設定されている。一方、大当りとなるときに選択される図6(c)および図6(d)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ<スーパーリーチというような割合の高低関係で選択されるようにデータが設定されている。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の期待感を高めることができる。
また、大当りのうち確変大当りとなるときに選択される図6(d)の判定テーブルでは、大当りのうち通常大当りとなるときに選択される図6(c)の判定テーブルと比べて、ノーマルリーチに対してスーパーリーチリーチ演出の種別が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、確変大当りとなるときには、通常大当りとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。
なお、このような変動パターンは、変動表示をする第1特別図柄および第2特別図柄の合算保留記憶数(合計値)が所定数以上であるとき(たとえば、合算保留記憶数が3以上)と、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、合算保留記憶数が所定数以上であるときには、合算保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。ただし、保留数短縮制御が実行される条件下でも(たとえば、合算保留記憶数が3以上)リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ含む)の割合を一定にすることで、リーチに対する期待感が保たれる。
図7は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図6においては、演出制御コマンドについて具体的なコマンドデータと、コマンドの名称およびコマンドの指定内容との関係が示されている。演出制御コマンドの遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図6に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
図7のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。複数の変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C04(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定する図柄確定指定コマンドである。
コマンドA001〜A002(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態の開始を指定する大当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A302(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態の終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確率/低ベース状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを指定する時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを指定する確変状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数(合算保留記憶数)を指定する合算保留記憶数指定コマンドである。コマンドC0XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC100(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、保留記憶数を指定するコマンドとして、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信する場合を示しているが、第1保留記憶と第2保留記憶とのうち増加した方の保留記憶数を指定するコマンドを送信するように構成してもよい。具体的には、第1保留記憶が増加した場合に第1保留記憶数を指定する第1保留記憶数指定コマンドを送信し、第2保留記憶が増加した場合に第2保留記憶数を指定する第2保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、保留記憶情報として、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれに始動入賞したかを指定する始動入賞指定コマンドを送信するとともに、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信する場合を示しているが、保留記憶情報として送信する演出制御コマンドは、この実施の形態で示したものに限られない。たとえば、保留記憶数が増加したときに、第1保留記憶数または第2保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1保留記憶数または第2保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
この実施の形態では、後述する入賞時演出処理(図12参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。また、変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、表示結果が大当りとなるか否か、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づいて、変動パターン種別を認識できる。
図8は、遊技制御用マイクロコンピュータ560における保留記憶バッファの構成例を示す説明図である。
図8(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。保留特定領域は、RAM55に形成(RAM55内の領域である)され、図8(A)に示すように、合算保留記憶数を計数する合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。図88(A)には、合計保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。
図8(A)に示すように、保留特定領域には、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留特定領域には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を特定可能なデータが記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
図8(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する保存領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図8(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口13への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口14への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
このように第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)は、始動入賞時において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
このように保留特定領域および保存領域に記憶されたデータは、後述するように、始動入賞時に読出されて先読み予告演出のために用いられるとともに、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドという3つのコマンドを1セットとして、主基板31から演出制御基板80へと送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100のRAM103に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファには、受信した図柄指定コマンド、変動種別コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンド等の各種コマンドを対応付けて格納できるように、受信したコマンドを特定可能なデータを記憶する記憶領域が確保されている。
この実施の形態において、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に対応して行なわれる演出図柄の演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、演出図柄の変動表示動作、リーチ演出等における演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出動作というような、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。また、予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図9は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図9に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数(ランダム4)および大当り種別判定用乱数(ランダム1)等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数(ランダム4初期値決定用乱数等)、および、表示用乱数(ランダム2,3)を生成するためのランダムカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、および、大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図10は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S311)。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560において、RAM55には、第1始動入賞口13への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口14への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。これら各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。
以下の保留記憶に関する説明に関しては、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。また、第1保留記憶バッファに記憶される数値データを第1保留記憶情報と呼び、第2保留記憶バッファに記憶される数値データを第2保留記憶情報と呼ぶ場合がある。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定(変動パターン種別判定用乱数および変動パターン判定用乱数を用いた変動パターンの決定)、および、決定された変動パターンに応じて変動時間を計時するための変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示演出用の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御、および、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理(S305)に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理(S307)に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
図11は、S311の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動入賞判定処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、S1222に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1222に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1214)。また、CPU56は、図8で説明した第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S1215)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。たとえば、CPU56は、図8に示す保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図8(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順番が記憶される。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図8(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1216)。S1216の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S1217)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて、図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1218)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1219)。また、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1220)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1221)。
S1218,S1219の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第1始動入賞口13に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方が、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
また、この実施の形態では、S1218〜S1221の処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(S1222)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1223)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1224)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1225)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(S1226)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図7(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1227)。なお、S1227の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、入賞時演出処理を実行する(S1228)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1229)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1230)。また、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1231)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1232)。
S1229,S1230の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)CPU56は、第2始動入賞口14に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1229〜S1232の処理が実行されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
図12は、S1217,S1228の入賞時演出処理を示すフローチャートである。入賞時演出処理では、CPU56は、まず、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図5(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S220)。この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、特別図柄通常処理において大当りとするか否か、および大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターン(変動パターン種別の決定も含む)を決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞に基づく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、予め大当りとなるか否か、および、大当りの種別、変動パターンを先読み判定する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前に予め変動表示結果を予測し、後述するように、入賞時の判定結果に基づいて、演出制御用CPU101によって演出図柄の変動表示中に大当りとなること(大当りとなる可能性)を予告する先読み予告を実行する。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示および第2特別図柄の変動表示の両方を対象として先読み予告を実行する例を説明するが、低ベース状態中は第1特別図柄のみを対象として先読み予告を実行可能とし、高ベース状態中は第2特別図柄のみを対象として先読み予告を実行可能とするようにしてもよい。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(S220のN)、CPU56は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(S221)。確変フラグがセットされていれば、CPU56は、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図5(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S222)。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(S222のN)、CPU56は、「はずれ」となることを示すEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行なう(S223)。これにより、「はずれ」となることを示す図柄指定コマンドが始動入賞時に出力されることとなる。
S220またはS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、S1216,S1227で抽出した大当り種別決定用乱数(ランダム1)に基づいて大当りの種別を判定する(S224)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(S1217の入賞時演出処理を実行する場合)には、図5(B)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて大当り種別が「通常大当り」、または、「確変大当り」のいずれとなるかを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(S1228の入賞時演出処理を実行する場合)には、図5(C)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて大当り種別が「通常大当り」、または、「確変大当り」のいずれとなるかを判定する。
次に、CPU56は、大当り種別の判定結果に応じたEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行なう(S225)。たとえば、「通常大当り」となると判定した場合に、CPU56は、「通常大当り」となることを示すEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行なう。また、「確変大当り」となると判定した場合に、CPU56は、「確変大当り」となることを示すEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行なう。これにより、大当りとなるときは、始動入賞時に、「通常大当り」、または、「確変大当り」となることを示す図柄指定コマンドが出力されることとなる。
次に、CPU56は、S1216,S1227で抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて、S223、S225で設定された各表示結果、および、遊技状態に応じた変動パターンを判定する(S226)。たとえば、この実施形態では、大当りとなるか否か、および、時短状態であるか否かに応じて、変動パターン種別を決定するために用いるテーブルが異なっているので、S226では、変動パターンの判定対象となる保留記憶データについて、時短フラグ(時短状態に制御されるときにセットされるフラグ)のような遊技状態を示すデータに基づいて、当該保留記憶データに基づく変動表示が実行されるときの遊技状態を認識し、当該保留記憶データに基づく変動表示の表示結果等に基づいて、前記した変動パターンの決定に用いるテーブルを選択し、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターンを判定する。
そして、CPU56は、決定結果に応じたEXTデータを変動種別コマンドに設定する処理を行なう(S227)。これにより、始動入賞時には、変動種別を示す変動種別コマンドが出力されることとなる。
なお、始動入賞時にS221により確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間には、複数回の変動表示が実行される可能性がある。そのため、S221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(たとえば、変動回数により遊技状態が変わる場合に、変動回数が100回までと100回より後とで確変状態から通常状態へと遊技状態が変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にS222で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態とは、必ずしも一致するとは限らない。そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態に基づいて始動入賞時の判定を行なうようにしてもよい。また、大当りの判定対象となる保留記憶データについて、確変回数カウンタ、および、時短回数カウンタのような遊技状態を示すデータに基づいて、当該保留記憶データに基づく変動表示が実行されるときの遊技状態を認識して、当該保留記憶データに基づく変動表示の表示結果等に基づいて、前記した変動パターンの決定に用いるテーブルを選択し、大当り種別判定用乱数(ランダムR)を用いて大当り判定をするようにしてもよい。
また、始動入賞時に時短状態であるか否かを確認してもよい。このような場合には、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間には、複数回の変動表示が実行される可能性がある。よって、時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(たとえば、変動回数により遊技状態が変わる場合に、変動回数が100回までと100回より後とで時短状態から通常状態へと遊技状態が変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時に判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態とは、必ずしも一致するとは限らない。そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態に基づいて始動入賞時の判定を行なうようにしてもよい。また、変動パターンの判定対象となる保留記憶データについて、時短回数カウンタのような遊技状態を示すデータに基づいて、当該保留記憶データに基づく変動表示が実行されるときの遊技状態を認識して、当該保留記憶データに基づく変動表示の表示結果等に基づいて、前記した変動パターンの決定に用いるテーブルを選択し、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を判定するようにしてもよい。
図13は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるかどうかを確認する(S51)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、処理を終了する。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、処理を終了するまえに、1回だけ、デモンストレーション表示を実行させるための客待ちデモ指定コマンドを送信するための処理を実行するようにしてもよい。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには、CPU56は、保留特定領域(図8(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(S52)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(S52のN)、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S53)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(S52のY)、CPU103は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S54)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。
S52〜S54の処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順にしたがって、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
RAM55に形成され合算保留記憶数を計数する合計保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S57)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、保留記憶バッファからランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S61)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS1216や始動口スイッチ通過処理のS1227で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図5参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当り判定の処理を行ない、遊技状態が通常遊態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当り判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S61のY)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的に、確変フラグは、確変大当りとなったときに、大当り終了処理(図10のS307)においてセットされ、その後、次回の大当りが決定されたという条件、または、はずれ表示結果となる変動表示が所定回数(たとえば100回)が実行されたという条件が成立したときに、特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S61のN)、後述するS75に進む。
S61において大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの大当り判定値に一致すればCPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定用テーブルおよび図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルのうち、いずれかのテーブルを選択する(S72)。具体的に、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図5(B)に示す第1特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合において、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、始動口スイッチ通過処理で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り種別判定用乱数を読出し、S72で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、保留記憶バッファに格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別および大当り図柄を決定する(S73)。
図5(B),(C)に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄については、大当り種別ごとに大当り図柄が異なるように大当り種別と大当り図柄との関係が設定されており、大当り種別と大当り図柄とが同時に決定されるので、大当り図柄と、大当り種別に応じた遊技制御との対応関係が単純化するため、遊技制御の複雑化を防ぐことができる。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示す大当り種別データをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。たとえば、大当り種別が「通常大当り」の場合には、大当り種別データとして「01」が設定される。大当り種別が「確変大当り」の場合には、大当り種別データとして「02」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を設定する(S75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄として設定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、S73により決定された大当り図柄を特別図柄の停止図柄に設定する。すなわち、大当り種別が「確変大当り」に決定されたときには「7」を特別図柄の停止図柄に設定する。大当り種別が「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
次に、演出表示装置9で実行される演出のうち、保留表示を変化させることにより大当りとなること(大当りとなる可能性)を予告する先読み予告を含む先読み予告関連演出としての先読み演出を具体的に説明する。
図14および図15は、演出表示装置9における先読み演出の表示例を示す表示画面図である。先読み演出としては、第1演出と、第2演出と、第3演出とのうちから1つ以上の演出が選択されて実行される。
第1演出は、始動入賞時の先読み判定により保留記憶情報に基づく変動表示が大当り表示結果となる判定がされたときに、はずれ表示結果となる判定がされたときよりも高い割合で、当該保留記憶情報に対応する保留表示を演出対象とし、その保留表示を変化させる演出である。具体的に、この実施形態において、第1演出では、保留記憶表示が通常態様の白色の表示から特別態様の赤色に変化する演出が実行される。第1演出が実行されて演出対象の保留表示が変化することにより、変化した保留表示に対応する保留記憶情報が大当りとなること(大当りとなる可能性)を予告する先読み予告が実行される。
第2演出は、始動入賞時の先読み判定により保留記憶情報に基づく変動表示がはずれ表示結果となる判定がされたときに、大当り表示結果となる判定がされたときよりも高い割合で、当該保留記憶情報に対応する保留表示を演出対象とし、その保留表示を変化させない演出である。このように第1演出および第2演出は、保留表示の変化に関わる演出であり、保留変化演出とも呼ばれる。
第3演出は、第1演出または第2演出の実行が完了するまでに実行可能な演出であり、第1演出が実行されるとき、第2演出が実行されるとき、および、第1演出が実行されずかつ第2演出が実行されないとき、のそれぞれで実行可能である。第3演出は、第2演出が実行されることを示唆する演出として用いられ、第1演出が実行されることを示唆する演出としても用いられる。第3演出は、後述するように、第2演出の実行が実行されるときに、第1演出が実行されるときよりも高い割合で実行される。なお、第3演出は、第2演出が実行されるときに、第1演出が実行されるときと同様の割合で実行されるようにしてもよく、第2演出が実行されるときに、第1演出が実行されるときよりも低い割合で実行されるようにしてもよい。
始動入賞により新たな保留記憶情報が生じたときに演出制御用マイクロコンピュータ100で実行される先読み判定時(遊技制御用マイクロコンピュータ560から始動入賞時の判定結果として送信される、図柄指定コマンド、変動種別コマンド等の演出制御コマンドに基づく判定。)において第1〜第3演出の少なくともいずれかを実行することが決定されたときに、このような演出を実行するタイミングが決定される。そのタイミングは、たとえば、演出対象となる保留記憶情報が変動表示が未だ実行されていない保留記憶情報(保留表示)のうち、あと何個目の保留記憶(保留表示)となったとき(何回前の変動表示時)の変動表示時か、というような、変動表示が実行されることに関連するタイミングに決定される。
具体的に、この実施の形態では、第1〜第3演出を実行する変動表示時は、演出対象となる保留表示(保留記憶情報)が、保留記憶情報として表示されている保留表示のうち、最も古い保留表示からあと何個目かの保留表示(保留記憶情報)となったときの変動表示時に決定される。第1〜第3演出を実行する変動表示時を、表示されている保留表示のうち、最も古い保留表示からあと何個目の保留表示(保留記憶情報)となったときとするかは、ランダムに選択決定される。
図14には、第1演出が単独で実行されるときの表示例が示されている。図14の例では、合算保留記憶表示部18cにおいて、保留記憶情報に基づく保留表示80がされたときに、最も古い保留表示80は、左端に表示され、変動表示が実行されるときに順番に消去されていき、残っている保留表示80が1つずつ左側にシフトする表示が行なわれる。
図14の例において、先読み演出の演出対象は、最も古い保留表示80から3個目の保留表示80である。図14(A)のように、左,中,右の演出図柄91〜93が変動表示(図中矢印が変動表示状態を示す)を開始した後、図14(B)のように、第1キャラクタC1が登場する。そして、図14(C)のように、後述する第2演出と同様(共通)の表示態様で第1キャラクタC1が、演出対象の保留表示80(図中左から3個目の保留表示80)に対して、ハンマで打撃しようとした後、第2演出と異なる第1演出特有の表示態様で、図14(D)のように、ハンマで打撃する態様で作用する。それに応じて、図14(E)のように演出対象の保留表示80が変化し(図14の例では表示色が白色から赤色に変化する。)、第1キャラクタC1が退場する表示がされる。第1演出では、このような保留表示80の変化により演出対象の保留表示80について先読み予告が実行される。
図15には、第2演出および第3演出が実行されるときの表示例が示されている。まず、第2演出が単独で実行されるときの表示例を説明する。図15の例では、最も古い保留表示80から3個目の保留表示80が演出対象である。左,中,右の演出図柄91〜93が変動表示(図中矢印が変動表示状態を示す)を開始した後、図15(A)のように、第1演出と同様(共通)の表示態様で、第1キャラクタC1が登場する。そして、図15(B)のように、第1演出と同様(共通)の表示態様で第1キャラクタC1が、演出対象の保留表示80に対して、ハンマで打撃しようとするが、その後、第1演出と異なる第2演出特有の表示態様で図15(D)のように、結果的に、打撃する作用をせずに退場する表示がされる。そして、図15(E)のように演出対象の保留表示80が変化しない。第2演出では、このように保留表示80が変化しないことにより演出対象の保留表示80について先読み予告が実行されない。このように、第2演出では、演出の途中まで第1演出と共通の演出が実行された後、保留表示80が変化せずに先読み予告が実行されない。
次に、第3演出が単独で実行されるときの表示例を説明する。左,中,右の演出図柄91〜93が変動表示(図中矢印が変動表示状態を示す)を開始した後、第1演出および第2演出において第1キャラクタC1が登場した後、図15(B)のように、第2キャラクタC2が登場する。そして、図15(C)のように、第2キャラクタC2が、たとえば何かを叫ぶような特定の動作をし、その後、図15(D)のように退場する表示がされる。このような第2キャラクタC2が登場するタイミングは、第1演出および第2演出で第1キャラクタC1が登場した後、演出対象を打撃しようとする動作をするタイミングである。また、第2キャラクタC2が退場するタイミングは、第2演出で第1キャラクタC1が退場するタイミングと同時期のタイミングである。このように、第3演出は、第1演出および第2演出のそれぞれと演出の関連性を持たせることが可能となるような演出である。
次に、図15を用いて、第2演出および第3演出の両方(第2演出+第3演出)が実行されるときの表示例を説明する。図15(A)のように、第1キャラクタC1が登場した後、図15(B)のように、演出対象を打撃しようとする動作をするタイミングで、第2キャラクタC2が登場する。そして、図15(C)のように、第1キャラクタC1が、演出対象の保留表示80に対して、ハンマで打撃しようとするが、第2キャラクタC2が、たとえば何かを叫ぶような特定の動作をする。ここまでは、第1演出および第3演出が実行されるときと共通(同様)の演出が実行される。図15(C)のように、第2キャラクタC2が行なう特定の動作は、第1キャラクタC1がハンマで保留表示80を打撃しようとする動作を阻止(邪魔)するような演出態様となる。
そして、第2演出および第3演出が実行されるときには、図15(D)のように、第2キャラクタC2の特定の動作に関係(反応)するような態様で、第1キャラクタC1が、演出対象の保留表示80に対してハンマで打撃せずに、第2キャラクタC2が退場するのを追いかけるような態様で、第2キャラクタC2と同方向に退場する。そして、図15(E)のように演出対象の保留表示80が変化しない。第2演出および第3演出の両方が実行されるときには、保留表示80が変化しないことにより演出対象の保留表示80について先読み予告が実行されない。
次に、図14および図15を用いて、第1演出および第3演出の両方(第1演出+第3演出)が実行されるときの表示例を説明する。図14(A)のように、第1キャラクタC1が登場した後、図15(B)に示す第2キャラクタC2と同様に、演出対象を打撃しようとする動作をするタイミングで、第2キャラクタC2が登場する。そして、図14(C)のように、第1キャラクタC1が、演出対象の保留表示80に対して、ハンマで打撃しようとするが、図15(B)に示す第2キャラクタC2と同様に、第2キャラクタC2が、たとえば何かを叫ぶような特定の動作をする。第2キャラクタC2が行なう特定の動作は、第1キャラクタC1がハンマで保留表示80を打撃しようとする動作を阻止(邪魔)するような演出態様となる。
しかし、図14(D)のように、第2キャラクタC2の特定の動作に関係(反応)せずに、第1キャラクタC1は、演出対象の保留表示80に対してハンマで打撃する態様で作用する。それに応じて、図14(E)のように演出対象の保留表示80が変化し、図15(B)に示す第2キャラクタC2と同様に、第2キャラクタC2が退場するとともに、図14(E)のように第1キャラクタC1が第2キャラクタC2とは別方向に退場する。このように第1演出および第3演出の両方が実行されるときには、保留表示80の変化により演出対象の保留表示80について先読み予告が実行される。
次に、第1〜第3演出による先読み演出の演出制御タイミングを具体的に説明する。図16は、第1〜第3演出による先読み演出の演出制御例を示すタイミングチャートである。図16においては、第1〜第3演出による先読み演出の演出制御タイミングの代表例として、(a)に第1演出+第3演出が実行される先読み演出が示され、(b)に第2演出+第3演出が実行される先読み演出が示される。なお、先読み演出としては、非リーチはずれとなるときに実行される場合もあり、この場合には、リーチ演出が実行されないので、先読み演出は、リーチ演出とは関係なく変動表示の停止までに行なわれる制御が実行されればよい。ここでの変動表示の停止までというのは、左,中,右の全演出図柄が停止する前(変動表示終了前)であって、たとえば、演出図柄が左,右,中の図柄の順番で停止するときにおける左,右の2つの演出図柄の停止前のような、演出図柄の高速変動中における一部の演出図柄の停止前(1つの演出図柄の停止前であってもよい)である方が望ましい。
図16(a),(b)においては、先読み演出が実行されるときの変動表示の開始から変動表示の停止までの制御タイミングが示されており、図14(A)〜(E)および図15(A)〜(E)に示す演出がどのタイミングで実行されるかが具体的に示されている。
先読み演出として、第1演出+第3演出が実行されるときには、図16(a)に示すように、図14(A)のような変動表示開始後、所定期間が経過したときに図14(A)のように第1演出の実行が開始される。第1演出としては、図14(B),(C)のような第1,第2演出で共通の演出部(第1,第2演出共通部)が実行された後、図14(D),(E)のような第1演出特有の演出部(第1演出特有部)が実行される。
図16(a)に示すように、第3演出は、図14(C)のような第1演出における第1,第2演出共通部の演出が実行されるときに実行が開始され、図14(E)のような第1演出における第1演出特有部の演出が終了する前のタイミングで終了する。
第1演出が終了した後、左,右の演出図柄が停止してリーチ状態にとなり、図16(a)に示すように、リーチ演出が所定期間実行され、リーチ演出の終了後に変動表示が停止し、表示結果が導出表示される。
先読み演出として、第2演出+第3演出が実行されるときには、図16(b)に示すように、変動表示開始後、所定期間が経過したときに図15(A)のように第2演出の実行が開始される。第2演出としては、図15(A)〜(C)のような第1,第2演出で共通の演出部(第1,第2演出共通部)が実行された後、図15(D),(E)のような第2演出特有の演出部(第2演出特有部)が実行される。
図16(b)に示すように、第3演出は、図15(B)のような第1演出における第1,第2演出共通部の演出が実行されるときに実行が開始され、図15(E)のような第2演出における第2演出特有部の演出が終了する前のタイミングで終了する。
第2演出が終了した後、左,右の演出図柄が停止してリーチ状態にとなり、図16(b)に示すように、リーチ演出が所定期間実行され、リーチ演出の終了後に変動表示が停止し、表示結果が導出表示される。
図14〜図16で説明したように、図14(B),(C)のような第1演出の部分と、図15(A)〜(C)のような第2演出の部分とで共通の演出が実行されることにより、保留表示80が変化しない低期待度の第2演出が実行されるときでも、演出の途中までは、保留表示80が変化する高期待度の第1演出が実行される場合もあるので、遊技の興趣が低下してしまうことを抑制することができる。
次に、先読み予告割合調整処理について説明する。図17は、先読み予告割合調整処理が行なわれるときにおける保留表示と先読み予告との関係を示すタイミングチャートである。図17において斜線が付された保留表示80は、第1演出による先読み予告を実行することが決定された保留表示を示している。図17における斜線が付されていない保留表示80に記載された数字は、先読み予告を実行することが決定された保留表示よりも後に発生し、第1演出による先読み予告を実行しないことが決定された保留表示80が、第1演出による先読み予告を実行することが決定された保留表示80の1つ後の保留表示80から何番目の保留表示であるかを示す数字である。
図17に示すように、先読み予告割合調整処理では、演出制御用マイクロコンピュータ100により実行される先読み判定において、100%未満の所定割合に設定された通常の割合で第1演出による先読み予告を実行することが決定された後、当該先読み予告を実行することが決定された保留表示の後において、第1演出による先読み予告が実行されないことが決定された保留表示が、8カウント分計数されたという割合調整条件が成立した後における次回の保留表示については、予め定められた通常の割合よりも高い割合で第1演出による先読み予告を実行することが決定される。この実施の形態では、割合調整条件が成立した後における次回の保留表示については、100%の割合で、第1演出による先読み予告を実行することが決定される。
なお、割合調整条件が成立した後における次回の保留表示については、100%未満の割合であるが通常の割合よりも高い割合で第1演出による先読み予告を実行することを決定するようにしてもよい。
このような先読み予告割合調整処理が行なわれることにより、先読み予告を所定期間実行していないときに、所定の割合よりも高い割合で先読み予告が実行されることとなる。これにより、先読み予告の実行頻度が低下し過ぎないようになり、先読み予告の演出効果を向上させることができる。
また、第1演出による先読み予告を所定期間実行していないときに、大当り表示結果が導出表示される割合が異なる青保留(低期待度)で表示する演出と赤保留(高期待度)で表示する演出とのうち、大当り表示結果が導出表示される割合が低い青保留で表示する演出が高い割合で、第1演出による先読み予告が実行されるようにしてもよい。その場合には、遊技者に先読み予告の演出に対して過度の期待感を与えることを防止することができる。
次に、演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。
図18は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行なう(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数(演出図柄の左停止図柄決定用のSR1−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1−3、保留変化演出選択用のSR3、第3演出選択用のSR4、および、演出実行タイミング選択用のSR5を含む各種乱数)を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。このような乱数SR1−1〜SR5のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、それぞれについて予め定められた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。その後、S702に移行する。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、受信した変動パターンコマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を開始させ、図柄確定指定コマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を停止させる。変動パターンコマンドは、変動時間の長さ、リーチ演出の有無、リーチ演出を実行するときのリーチ種別(ノーマルリーチ、スーパーリーチ等の種別)、および、変動表示結果(大当り、はずれ、大当りの種別)等の変動表示態様を指定するために必要な情報が特定なデータよりなるコマンドである。変動表示は、各変動パターンコマンドに対応する変動時間で実行されるように制御される。また、演出図柄の停止図柄は、表示結果指定コマンドに基づいて、はずれとなるか、大当りとなるかの判別、および、大当りとなるときの大当り種別の判別を行なうことに基づいて決定する。
図19は、図18に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、S791の先読み予告処理を行なった後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。各処理においては、以下のような処理を実行する。演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
先読み予告処理(S791):先読み予告等の先読み演出を実行するか否か等の先読み判定、および、先読み演出を実行するときの演出態様の決定等の処理を行なう。S791の具体的な処理内容については、図24,図25を用いて後述する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御する。また、演出図柄の停止図柄(表示結果)を演出図柄の停止図柄決定用の乱数に基づいて決定する。受信した変動パターンコマンドに対応して、演出図柄の変動表示時の演出パターンを選択し、実行する変動表示の変動時間を計時する変動表示時間タイマの計時をスタートさせる。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミング等を制御するとともに、変動表示時間タイマにより計時される変動時間が終了したか否かを監視する。そして、変動時間が終了したか、または、全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことに基づいて、変動表示を終了させるために、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための大当り表示等の演出としてのファンファーレ演出を行なう制御等の表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(S805):ラウンド中の表示制御を行なう。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(S806):ラウンド間の表示制御を行なう。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
演出制御用CPU101は、たとえば、受信した変動パターンコマンド、および、表示結果指定コマンドに基づいて、実行される変動表示について、指定された変動パターン、および、表示結果を認識し、次のように演出図柄の停止図柄を決定する。演出図柄変動開始処理(S801)においては、表示結果に応じて、演出図柄の停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR5のうちから各種表示結果を決定するために必要な種類の乱数値を抽出し、これらと、演出図柄を示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルとを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。この実施の形態では、演出制御基板80の側において、左演出図柄(左図柄)決定用の乱数値SR1−1、中演出図柄(中図柄)決定用の乱数値SR1−2、右演出図柄(右図柄)決定用の乱数値SR1−3等のそれぞれを示す数値データがカウント可能に制御される。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。
このような乱数SR1−1〜SR5等のそれぞれは、演出制御用マイクロコンピュータ100においてソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、所定の数値範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。すなわち、抽出した乱数値と同じ数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。そして、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示を停止するときに、このように決定された停止図柄で演出図柄を停止させる。演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。そして、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
具体的に、演出図柄の停止図柄は、たとえば、次のように決定する。非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合においては、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、ROM102に記憶されたはずれ図柄決定用データテーブル(乱数値とはずれ図柄になる左,中,右の演出図柄との関係を示すデータテーブル)を用い、抽出した乱数に対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。また、このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。このように決定された非リーチはずれ図柄の組合せが、変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
また、リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合においては、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、ROM102に記憶されたはずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄が、リーチ状態を形成する各演出図柄(左,右演出図柄)の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出された乱数に対応する図柄が、最後に停止する演出図柄(中演出図柄)の停止図柄として決定される。このように決定されたリーチはずれ図柄の組合せが、変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
また、大当りの図柄の組合せを決定する場合においては、大当りの種別に応じて大当り図柄の組合せを決定する。たとえば、確変大当りとなるときには、確変大当りを想起させるような確変大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右演出図柄が「7,7,7」というようないずれかの奇数図柄が揃った図柄の組合せ)を選択決定する。また、通常大当りとなるときには、通常大当りを想起させるような通常大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右演出図柄が「2,2,2」というようないずれかの偶数図柄が揃った図柄の組合せ)を選択決定する。
確変大当りにすることに決定されているときには、ROM102に記憶された確変大当り図柄決定用テーブル(乱数値と確変大当り図柄になる左,中,右の演出図柄との関係を示すデータテーブル)を用いて、左,中,右演出図柄がいずれかの奇数図柄で揃った組合せを選択決定する。確変大当り図柄決定用テーブルは、予め定められた複数種類の奇数図柄のそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。確変大当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、確変大当り図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄が、確変大当り図柄の組合せを構成する左,中,右演出図柄の停止図柄の組合せとして決定される。このように決定された確変大当り図柄の組合せが、変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
また、通常大当りにすることに決定されているときには、ROM102に記憶された通常大当り図柄決定用テーブル(乱数値と通常大当り図柄になる左,中,右の演出図柄との関係を示すデータテーブル)を用いて、左,中,右演出図柄がいずれかの偶数図柄で揃った組合せを選択決定する。通常大当り図柄決定用テーブルは、予め定められた複数種類の偶数図柄のそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。通常大当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、通常大当り図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄が、通常大当り図柄の組合せを構成する左,中,右演出図柄の停止図柄の組合せとして決定される。このように決定された通常大当り図柄の組合せが変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
また、変動パターンコマンドにおいてノーマルリーチが指定されたときには、各ノーマルリーチの種類に対応したリーチ演出が行なわれる。さらに、変動パターンコマンドにおいてスーパーリーチが指定されたときには、各スーパーリーチの種類に対応したリーチ演出が行なわれる。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、確変状態指定コマンドに基づいて確変状態であることを認識でき、時短状態指定コマンドに基づいて時短状態であることを認識できるので、演出表示装置9等の演出装置により、確変状態および時短状態に応じて特有の演出を行なうことができる。
たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されてくる通常状態指定コマンド、時短状態指定コマンド、確変状態指定コマンド等に基づいて、遊技状態がどのような状態にあるかを特定するデータを記憶し、その記憶データに基づいて、遊技状態を常に認識する。そして、このように認識している遊技状態と、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されてくる変動パターンコマンドとに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ100は、現在の遊技状態に応じた演出態様で演出図柄の変動表示を実行させることが可能である。
なお、変動パターンコマンドにより、変動パターンに加えて、大当りとするか否か、および、大当りの種別を特定可能とする場合には、変動パターンコマンドにより特定される大当りとするか否かの情報、および、大当りの種別の情報に基づいて、演出図柄の停止図柄の組合せを決定するようにしてもよい。
図20は、第1演出および第2演出のような保留変化演出を選択するときに用いられるデータテーブルとしての保留変化演出選択テーブルを表形式で示す図である。保留変化演出選択テーブルとしては、大当り決定時に用いられる図20(A)の大当り時保留変化演出選択テーブルと、リーチはずれ決定時に用いられる図20(B)のリーチはずれ時保留変化演出選択テーブルと、非リーチはずれ決定時に用いられる図20(C)の非リーチはずれ時保留変化演出選択テーブルとがROM102に記憶されている。
図20(A)〜(C)のぞれぞれのテーブルにおいては、第1演出あり(第1演出を実行する)と、第2演出あり(第2演出を実行する)と、演出なし(第1演出と第2演出とのいずれの演出も実行しない)とのそれぞれに、保留変化演出選択用のSR3(0〜89の数値範囲)の合計90個の値が割振られている。SR3の割振りについては、説明を明確化するために、SR3の割振られた個数が各テーブルに示されている。図20(A)〜(C)のぞれぞれのテーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR3の値が、第1演出あり、第2演出あり、および、演出なしのいずれに対応するかに基づいて、第1演出を実行すること、第2演出を実行すること、および、第1演出と第2演出とのいずれの演出も実行しないこと、のうちのいずれかが選択決定される。
図20(A)の大当り時保留変化演出選択テーブルでは、「第1演出>第2演出>演出なし」という割合の関係で、データが設定されている。図20(B)のリーチはずれ時保留変化演出選択テーブルでは、「第1演出<第2演出<演出なし」という割合の関係で、データが設定されている。図20(C)の非リーチはずれ決定時保留変化演出選択テーブルでは、「第1演出<第2演出<演出なし」という割合の関係で、データが設定され、かつ、図20(B)のリーチはずれ時保留変化演出選択テーブルと比べて、第1演出および第2演出のそれぞれの選択割合が低く、第3演出の演出割合が高くなるようにデータが設定されている。
図20(A)〜(C)によれば、演出対象の保留表示について、大当り表示結果となるときには、はずれ表示結果となるときと比べて、第1演出および第2演出のいずれかが選択されて実行される割合が高い。これにより、第1演出または第2演出が実行されたときに、大当り発生に対する遊技者の期待感を高めることができる。また、リーチはずれ表示結果となるときには、非リーチはずれ表示結果となるときと比べて、第1演出および第2演出のいずれかが選択されて実行される割合が高い。これにより、第1演出または第2演出が実行されたときに、リーチ発生に対する遊技者の期待感を高めることができる。
そして、演出対象の保留表示について、大当り表示結果となるときには、はずれ表示結果となるときと比べて、保留表示が変化する第1演出が実行される割合が高い。これにより、保留表示が変化する第1演出が実行されたときに、保留表示が変化しない第2演出が実行されたときと比べて、大当り発生に対する遊技者の期待感を高めることができる。また、リーチはずれ表示結果となるときには、非リーチはずれ表示結果となるときと比べて、第1演出が選択されて実行される割合が高い。これにより、保留表示が変化する第1演出が実行されたときに、保留表示が変化しない第2演出が実行されたときと比べて、リーチ発生に対する遊技者の期待感を高めることができる。
また、はずれ表示結果となるときには、大当り表示結果となるときと比べて、第1演出および第2演出のいずれもが実行されない割合が高いので、演出なしが選択されてこのような演出が実行されない割合が高いが、図20(A)に示すように、このような演出が実行されないときでも、大当り表示結果となるときがあるので、遊技者の期待感が低下し過ぎないようにすることができる。
なお、図20(A)〜(C)については、演出なしは選択されず、第1演出ありと、第2演出ありとのいずれかが選択されるようにしてもよい。このようにすれば、先読み演出が実行される割合が高くなり、演出の面白みを向上させることができる。
図21は、図20のテーブルを用いて、第1演出、第2演出、演出なしのいずれかが選択されたときに、前述した第3演出を実行するか否かを選択するときに用いられるデータテーブルとしての第3演出選択テーブルを表形式で示す図である。第3演出選択テーブルとしては、第1演出決定時に用いられる図21(A)の第1演出決定時第3演出選択テーブルと、第2演出決定時に用いられる図21(B)の第2演出決定時第3演出選択テーブルと、演出なし決定時に用いられる図21(C)の演出なし決定時第3演出選択テーブルとがROM102に記憶されている。
図21(A)〜(C)のぞれぞれのテーブルにおいては、第3演出あり(第3演出を実行する)と、第3演出なし(第3演出を実行しない)とのそれぞれに、第3演出選択用のSR4(0〜79の数値範囲)の合計80個の値が割振られている。SR4の割振りについては、説明を明確化するために、SR4の割振られた個数が各テーブルに示されている。図21(A)〜(C)のぞれぞれのテーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR4の値が、第3演出あり、および、第3演出なしのいずれに対応するかに基づいて、第3演出を実行すること、および、第3演出を実行しないこと、のうちのいずれかが選択決定される。
図21(A)の第1演出決定時第3演出選択テーブルでは、「第3演出あり<第3演出なし」という割合の関係で、データが設定されている。図21(B)の第2演出決定時第3演出選択テーブルでは、「第3演出あり>第3演出なし」という割合の関係で、データが設定されている。図21(C)の演出なし決定時3演出選択テーブルでは、「第3演出あり<第3演出なし」という割合の関係で、データが設定され、かつ、図21(A)の第1演出決定時第3演出選択テーブルと比べて第3演出ありの選択割合が低くなるようにデータが設定されている。
図21(A)〜(C)によれば、演出対象の保留表示について、第1演出および第2演出のいずれかが実行されるときには、いずれの演出も実行されないときと比べて、第3演出が実行される割合が低い。これにより、第3演出が実行されたときに、第3演出が実行されないときと比べて、第1演出および第2演出のような保留変化演出が実行される割合が高いので、大当り発生に対する遊技者の期待感を高めることができる。
また、第1演出および第2演出のいずれもが実行されないときには、第1演出および第2演出のいずれかが実行されるときと比べて、第3演出が実行される割合が低いが、図21(A),(B)に示すように、第3演出が実行されないときでも、第1演出および第2演出のいずれかが実行されるときがあるので、遊技者の期待感が低下し過ぎないようにすることができる。
なお、図21(C)については、第3演出ありが選択されないようにしてもよい。
図22は、図20および図21のテーブルを用いて第1〜第3演出のうちの少なくとも1つの演出を実行することが選択されたときに、選択された演出を実行するタイミングを選択する際に用いられるデータテーブルとしての演出実行タイミング選択テーブルを表形式で示す図である。演出実行タイミング選択テーブルは、ROM102に記憶されている。
図22の演出実行タイミング選択テーブルが選択決定する演出実行タイミングは、演出対象の保留表示(保留記憶)が、変動表示の実行を待っている保留表示(保留記憶)のうち、変動表示の実行順序であと何個目の保留表示(保留記憶)となったときに演出を実行するタイミングである。たとえば、演出実行タイミングは、あと1個目〜あと7個目となったときのうちのいずれかに選択決定される。
図22においては、保留表示(保留記憶)が新たに発生したときの当該保留記憶も含めての保留合計数(新たな保留記憶も含めた「2個」〜「8個」の合計保留記憶数)について、保留合計数別に、複数の演出実行タイミングが、「1個目」〜「7個目」のそれぞれに、演出実行タイミング選択用のSR5(0〜99の数値範囲)の合計100個の値が割振られている。SR5の割振りについては、説明を明確化するために、割振られた個数が各テーブルに示されている。図22の演出実行タイミング選択テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR5の値が、新たな保留表示が発生したときの保留合計数に対応する部分のデータに基づいて、「1個目」〜「7個目」という演出実行タイミングとのいずれに対応するかに基づいて、演出実行タイミングが選択決定される。
図22の演出実行タイミング選択テーブルでは、たとえば、あと1個目およびあと2個目のような変動表示開始まで近い実行タイミングとなる程、割振られる割合が高くなるように設定されている。このように、変動表示開始まで近い実行タイミングで第1〜第3演出のような先読み演出が実行される割合が高くなるようにすれば、遊技者の先読み演出に対する期待感をより一層高めることができる。また、たとえば、あと5個およびあと6個のような変動表示開始まで近い実行タイミングでも、少ない割合であるが、実行タイミングに選択決定される場合もあるので、実行タイミングの意外性により遊技の興趣を向上させることができ、当該保留表示が変動表示の実行順番となるまで、遊技者の期待感が継続期間を長期化させることができる。
なお、図22では、保留表示(保留記憶)が新たに発生したときに、そのときから保留表示が1個以上消化されて1回以上変動表示が実行された後に行なわれる変動表示時に、当該保留表示(保留記憶)に基づく先読み演出が実行される例を示した。しかし、これに限らず、保留表示(保留記憶)が新たに発生したときに、その状態で保留表示が1個消化されて変動表示が実行されるときの当該変動表示時に、当該保留表示(保留記憶)に基づく先読み演出が実行されるようにしてもよい。すなわち、保留表示(保留記憶)が新たに発生したときには、新たな変動表示が行なわれるときに直ちに先読み演出を実行するようにしてもよい。
図23は、演出制御基板80側のデータ保持エリアおよび始動入賞時受信コマンドバッファを示す説明図である。図3に示す演出制御基板80に搭載されたRAM103には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、たとえば図23(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図23(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、たとえば演出表示装置9の画面上における演出画像の表示状態等というような演出動作状態や主基板31から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。たとえば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグのそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、たとえば演出表示装置9の画面上における演出画像の表示動作等というような各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。たとえば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、たとえば前述したSR1−1〜SR5のような、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。たとえば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。たとえば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファのそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
この実施の形態では、図23(B)に示すような始動入賞時受信コマンドバッファを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。始動入賞時受信コマンドバッファには、合計保留記憶数の最大値(たとえば「8」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「8」に対応した領域)が設けられている。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、始動入賞指定コマンド(第1または第2始動入賞指定コマンド)、および、合算保留記憶数指定コマンドという4つのコマンドを1セットとして、主基板31から演出制御基板80へと送信される。始動入賞演出制御用CPU101は、始動入賞時に受信した順番でコマンドを特定するデータを始動入賞時受信コマンドバッファの空き領域における先頭から格納していく。始動入賞時受信コマンドバッファの空き領域、すなわち、データが格納されていない領域のデータは、「0000(H)」である。始動入賞時には、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、始動入賞指定コマンド(第1,第2)、および、合算保留記憶数指定コマンドの順にコマンド送信が行なわれる。したがって、コマンド受信が正常に行なわれれば、図23(B)に示すように、バッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに対応する格納領域に、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドの順に格納されていくことになる。図23(B)では、バッファ番号「1」〜「6」に対応する格納領域においてコマンドが格納されている例が示されている。
また、始動入賞時受信コマンドバッファには、バッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに対応する格納領域として、バッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに格納された保留記憶に関するデータに対応して、次に示すような先読み演出情報を格納するための記憶領域が設けられている。
始動入賞時受信コマンドバッファに格納された図柄指定情報等の所定のデータに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ100により、図19のS719の先読み予告処理において、大当り表示結果になるか否かの判定、および、変動パターン種別の判定の他、第1,第2演出の実行選択、第3演出の実行選択、および、先読み演出の実行タイミングの選択等の先読み判定が行なわれる。
始動入賞時受信コマンドバッファには、バッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに対応する格納領域として、バッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに格納された保留記憶に関するデータに対応して、先読み演出選択変動、先読み演出実行タイミング、および、先読み予告演出パターンに関するデータを記憶する領域が設けられている。
先読み演出選択変動の格納領域には、図23(D)に示すような対応関係で、図20および図21のテーブルに基づいて、第1〜第3演出の少なくとも1つ演出を先読み演出として実行することが選択決定されたときには「1001(H)」がデータとして記憶され、第1〜第3演出のいずれの演出も実行しないことが選択決定されたときには「1000(H)」がデータとして記憶される。
先読み演出実行タイミングの格納領域には、第1〜第3演出の少なくとも1つ演出を先読み演出として実行することが選択決定されたときに、図23(E)に示すような対応関係で、図22のテーブルに基づいて決定された演出実行タイミング(あと何個目)を特定可能なデータ(「2001(H)」〜「2007(H)」のいずれか)がデータとして記憶され、第1〜第3演出のいずれの演出も実行しないことが選択決定されたときには「2000(H)」がデータとして記憶される。
先読み演出パターンの格納領域には、第1〜第3演出の少なくとも1つ演出を先読み演出として実行することが選択決定されたときに、図23(F)に示すような対応関係で、第1〜第3演出の単独、または、組合せによる演出(第1演出単独、第2演出単独、第3演出単独、第1演出+第2演出、第1演出+第3演出)のうちのいずれの演出パターンが選択されたを特定可能なデータ(「3001(H)」〜「3005(H)」のいずれか)がデータとして記憶され、第1〜第3演出のいずれの演出も実行しないことが選択決定されたときには「3000(H)」がデータとして記憶される。
各保留記憶情報について、先読み判定に基づいて、先読み演出選択変動の格納領域、先読み演出実行タイミングの格納領域、および、先読み演出パターンの格納領域にデータが記憶されると、変動表示を実行するときに、保留記憶として存在する各保留表示に対応するこれらのデータを確認することにより、当該変動表示において、先読み演出を実行するか否か、どの保留表示に対して先読み演出を実行するか、および、先読み演出を実行するときの演出パターンを、演出制御用マイクロコンピュータ100が認識することができる。
図23(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファに格納されているコマンドに関するデータ、先読み判定に関するデータおよび保留表示の表示態様に関するデータ等の各種データは、演出図柄の変動表示を開始する毎に、1つ目の格納領域(バッファ番号「1」に対応した領域)に格納されているものから削除され、以降の記憶内容がシフトされる。たとえば図23(B)に示す格納状態において新たな演出図柄の変動表示が開始された場合には、バッファ番号「1」に格納されている各データが削除され、バッファ番号「2」に対応した領域において格納されている各データがバッファ番号「1」に対応した領域にシフトされ、バッファ番号「3」〜「6」のそれぞれに対応した領域において格納されている各データが、バッファ番号「2」〜「5」に対応した領域にシフトされる。
図23においては、先読み演出に関する情報を始動入賞時受信コマンドバッファに格納する例を示した。しかし、これに限らず、始動入賞時受信コマンドバッファとは別に、各始動入賞記憶情報に対応して先読み演出に関する情報を格納する領域を演出制御用データ保持エリア190に設けてもよい。
図24および図25は前述の先読み予告処理(S791)を示すフローチャートである。先読み予告処理において、演出制御用CPU120は、まず、始動入賞時受信コマンドバッファにおける記憶内容をチェックし、その中に第1,第2始動入賞指定コマンド、合算保留記憶数指定コマンド、図柄指定コマンド(始動入賞時の表示結果を指定するコマンド)、および、変動種別コマンド(始動入賞時の変動パターン種別を指定するコマンド)を受信しているか否かを判定する(S900)。これらのコマンドが、始動入賞時受信コマンドバッファになければ処理を終了する。一方、これらのコマンドを受信していれば、現在の合計保留数(保留記憶情報の合計値)が2以上であるか否かを、合算保留記憶数指定コマンドにより特定される合算保留記憶数に基づいて確認する(S901)。
S901で現在の合計保留数が2以上でないときは、この実施形態の場合に、先読み演出の対象外であるので、S915に進み、新たな保留表示を通常態様(白色)で表示する(S915)。一方、S901で現在の合計保留数が2以上であるときは、先読み予告回数カウンタの値が8以上であるか否かを判定する。先読み予告回数カウンタは、先読み予告をする第1演出を実行することが決定された保留表示(保留記憶)の後に、第1演出を実行しない保留表示(保留記憶)が決定された回数を計数する計数手段であり、後述するS923により計数される。
先読み予告回数カウンタの値が8以上である場合には、新たな保留表示(保留記憶)を演出対象として、保留表示を変化させる先読み予告を必ず実行させるために、保留変化演出の種類を選択する処理を実行せずに、保留変化演出として、固定的に第1演出を実行する決定をする(S901B)。これにより、図17で説明したような先読み予告割合調整処理が行なわれることとなる。そして、第3演出なしを決定し(S901C)、S915に進み、新たな保留表示を通常態様(白色)で表示する(S915)。一方、先読み予告回数カウンタの値が8以上である場合には、先読み予告割合調整処理を行なう必要がないので、S902以降の処理により、先読み演出に関する選択を行なう。
S902では、新たな保留記憶に対応する変動種別コマンドを確認することに基づいて、新たな保留記憶はリーチ状態となる変動パターンであるか否かを判定する(S902)。S902でリーチ状態となる変動パターンではないと判定されたときは、非リーチはずれの変動パターンであるので(この実施形態では、大当りとなるときは必ずリリーチ状態となる変動パターンに設定されるため。)、保留変化演出選択用のSR3を抽出し、図20(C)の非リーチはずれ時保留変化演出選択テーブルを用い、SR3の抽出値に基づいて、保留変化演出として、第1演出、第2演出、または、演出なしのいずれかに選択決定し、S907に進む。
一方、S902でリーチ状態となる変動パターンであると判定されたときは、大当りとなるとき、または、リーチはずれとなるときであり、新たな保留記憶に対応する変動種別コマンドを確認することに基づいて、新たな保留記憶は大当り表示結果となる変動パターンであるか否かを判定する(S903)。S903で大当り表示結果となる変動パターンであると判定されたときは、保留変化演出選択用のSR3を抽出し、図20(A)の大当り時保留変化演出選択テーブルを用い、SR3の抽出値に基づいて、保留変化演出として、第1演出あり、第2演出あり、または、演出なしのいずれかに選択決定し、S907に進む。一方、S903で大当り表示結果となる変動パターンではないと判定されたときは、消去法的にリーチはずれ表示結果となるときであるので、保留変化演出選択用のSR3を抽出し、図20(B)のリーチはずれ時保留変化演出選択テーブルを用い、SR3の抽出値に基づいて、保留変化演出として、第1演出あり、第2演出あり、または、演出なしのいずれかに選択決定し、S907に進む。
S907では、S904〜S906における保留変化演出の選択において、第1演出ありに決定されたか否かを判定する(S907)。S907で第1演出ありに決定されたときは、第3演出選択用のSR4を抽出し、図21(A)の第1演出決定時第3演出選択テーブルを用い、SR4の抽出値に基づいて、第3演出ありと第3演出なしとのいずれかに選択決定し、S912に進む。一方、S907で第1演出ありに決定されていないときは、S904〜S906における保留変化演出の選択において、第2演出ありに決定されたか否かを判定する(S909)。
S909で第2演出ありに決定されたときは、第3演出選択用のSR4を抽出し、図21(B)の第2演出決定時第3演出選択テーブルを用い、SR4の抽出値に基づいて、第3演出ありと第3演出なしとのいずれかに選択決定し、S912に進む。一方、S909で第2演出ありに決定されていないときは、消去法的に演出なしに決定されているときであるので、第3演出選択用のSR4を抽出し、図21(C)の演出なし決定時第3演出選択テーブルを用い、SR4の抽出値に基づいて、第3演出ありと第3演出なしとのいずれかに選択決定し、S912に進む。
S912では、S901B,S904〜S906,S908,S910,S911のいずれかにおける第1〜第3演出の選択において、第1〜第3演出のうちいずれかを実行することを決定したか否かを判定する(S912)。S912により第1〜第3演出のうちいずれかを実行する決定がされたときには、演出実行タイミング選択用のSR5を抽出し、図22の演出実行タイミング選択テーブルを用い、SR5の抽出値に基づいて、実行することが決定された演出(先読み演出)の実行タイミングを決定する(S913)。
次に、S901B,S904〜S906,S908,S910,S911のいずれかにおける第1〜第3演出の選択決定結果、および、S912による演出実行タイミング選択決定結果に基づいて、図23(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファにおいて、対応する保留記憶情報について、先読み演出選択変動の格納領域には先読み演出を実行するか否かに関するデータを記憶させ、先読み演出実行タイミングの格納領域には、先読み演出実行タイミングに関するデータ(先読み演出対象保留がないことを示すデータを含む)を記憶させ、先読み演出パターンの格納領域には先読み演出の演出パターンに関するデータ(先読み演出をパターンがないことを示すデータを含む)を記載させることにより、先読み演出の演出予定に関するデータを記憶させる処理を行なう(S914)。そして、S915に進み、新たな保留表示を通常態様(白色)で表示する(S915)。
次に、S901B,S904〜S906の選択決定結果により、新たな保留記憶情報は、保留表示が変化することにより先読み予告に該当する演出である第1演出を実行するという決定がされたか否かを判定する(S916)。
S916において先読み予告として保留表示が変化する第1演出を実行する決定がされた判定された場合には、前回の先読み予告に対応する(前回の先読み予告時にセットされた)先読み予告フラグがセットされているか否かを確認する。ここで、先読み予告フラグとは、先読み予告に該当する演出としての第1演出が実行される保留記憶が存在することを契機として設定されるフラグである。また、先読み予告フラグがセットされてから先読み予告が実行されていない保留記憶の数を計数する先読み予告回数カウンタの値を計数することで、先読み予告フラグが設定されてから、次の先読み予告が実行されるまでの回数をカウントすることができる。
前回の先読み予告に対応する先読み予告フラグがセットされていなければ、S920の処理へ移行する。前回の先読み予告に対応する先読み予告フラグがセットされていれば、前回の先読み予告に対応する先読み予告フラグをリセットする(S918)。さらに、前回の先読み予告に対応してセットされた読み予告回数カウンタをリセットし(S919)、S920に進む。次いで、S920では、今回の先読み予告に対応する先読み予告フラグをセットする(S920)。そして、今回の先読み予告に対応する先読み予告回数カウンタをセットし(S921)、処理を終了する。このように、先読み予告フラグと先読み予告回数カウンタとをセットすることで、新たな保留記憶を基準とすることができる。さらに、先読み予告フラグと先読み予告回数カウンタとをリセットすることで、新たな保留記憶を基準として新たな保留記憶での先読み予告に該当する演出としての第1演出からの保留記憶の回数を計数することができる。
また、S916において、先読み予告として保留表示が変化する第1演出を実行する決定がされていないと判定された場合には、先読み予告フラグがセットされているか否かを確認する(S922)。先読み予告フラグがセットされていないときは処理を終了する。一方、先読み予告フラグがセットされていれば、先読み予告回数カウンタの値を+1し(S923)、処理を終了する。このように、先読み予告回数カウンタの値により、先読み予告に該当する演出としての第1演出を実行することが決定されていない保留記憶の数がカウントされる。
また、本実施の形態では、S920,S921による先読み予告フラグおよび先読み予告回数カウンタをセットする処理を電源投入時に実行してもよい。このようにすることで、先読み予告を所定回数実行しなければ、先読み予告を実行するという本実施の形態の先読み予告の天井機能(先読み予告が8回実行されていない場合に天井(必ず非リーチはずれでは先読み予告を実行する設定値)に到達する機能)と称することのできる制御を1回先読み予告が実行されなくても電源投入時から効果的に実行することができる。なお、S920,S921の処理の契機は、電源投入時、1回目の変動の開始時、定期的なまたは不定期的な変動回数毎(たとえば、10回毎に実行する場合や10回で行った場合は次は5回にするなどが考えられる)、所定時間経過時(たとえば、定期的に10分経過する毎に場合に実行する場合や、20分で実行された後は、10分で実行するなどが考えられる)などが考えられ、様々に設定することが可能である。
なお、本実施の形態において、S920,S921の処理を実行すれば、S9117〜S919の処理を省略することも可能である。
また、前述の先読み予告処理においては、S903による新たな保留記憶は大当り表示結果となる変動パターンであるか否かを判定した後、S902によるリーチ状態となる変動パターンであるか否かを判定することにより、S904〜S906による先読み予告演出選択テーブルの選択をするようにしてもよい。
また、本実施の形態では、先読み回数カウンタの値が8以上の場合には、100パーセントの割合で先読み予告が実行される場合を示したので、先読み回数カウンタの値が8以上の場合の先読み予告判定テーブルは設けられていなかったが、先読み回数カウンタの値が8以上の場合にも先読み予告無が選択されるようにし、高い割合で先読み予告有が選択されるテーブルを用いて先読み予告の有無を決定してもよい。
図26は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、次のような処理を行なう。
演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動表示結果をはずれとすることに決定されているか否か確認する(S601)。はずれとすることに決定されているか否かは、たとえば、表示結果特定コマンド格納領域に表示結果1指定コマンドが格納されているか否かによって判定される。なお、はずれとすることに決定されているか否かは、大当りとするか否かを特定可能な変動パターンコマンドに基づいて、確認するようにしてもよい。はずれとすることに決定されている場合には、変動パターンコマンドとして、非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否か確認する(S602)。非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かは、たとえば、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータによって判定される。
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合、演出制御用CPU101は、予め定められたはずれ図柄決定用データテーブルを用いて、演出図柄のリーチにならないはずれの停止図柄を決定し(S604)、S616へ進む。はずれ図柄決定用データテーブルでは、複数種類の演出図柄のそれぞれに、SR1−1〜SR1−3のそれぞれの数値データが対応付けられている。S604の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、演出制御用マイクロコンピュータ100のROM102に記憶されたはずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した数値データに対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せ(確変大当り図柄の組合せ、通常大当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
S602の処理で非リーチ変動パターンではないと判定した場合(リーチ変動パターンであると判定した場合)に、演出制御用CPU101は、リーチの組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S605)、S616へ進む。S605の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各演出図柄の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
はずれとすることに決定されていない場合に(S601)、演出制御用CPU101は、大当りの種別に応じて、当り図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S603)、S616へ進む。
S603では、以下のように、当りの種別に応じて当り図柄の組合せを決定する。演出制御用CPU101は、表示結果2指定コマンド、表示結果3指定コマンドのうちのどの表示結果指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているかに基づいて、大当りの種別を判定する。
確変大当りにすることに決定されていると判定したときには、確変大当り図柄決定用テーブルを用いて、確変大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「7,7,7」というようないずれかの奇数のゾロ目の組合せ)を選択決定する。確変大当り図柄決定用テーブルは、予め定められた複数種類の確変大当り図柄のそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。確変大当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、確変大当り図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄を、確変大当り図柄の組合せを構成する左,中,右の演出図柄の停止図柄の組合せとして決定する。このように決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
また、通常大当りにすることに決定されていると判定したときには、通常大当り図柄決定用テーブルを用いて、通常大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「2,2,2」というようないずれか偶数のゾロ目の組合せ)を選択決定する。通常大当り図柄決定用テーブルは、予め定められた複数種類の通常大当り図柄のそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。通常大当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、通常大当り図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄を、通常大当り図柄の組合せを構成する左,中,右の演出図柄の停止図柄の組合せとして決定する。このように決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
次に、演出制御用CPU101は、演出パターンを設定するための演出設定処理を実行する(S616)。演出設定処理の詳細については、後述する。
次に、演出制御パターンを複数種類の演出制御パターンのうちのいずれかに設定する(S617)。対応表示演出の内容もこの処理において設定される。演出制御用CPU101は、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターン、および、S616の処理で決定した演出パターン等により指定された各種演出制御(演出動作)パターンに応じて、図柄変動制御パターンテーブルに格納されている複数種類の図柄変動制御パターンのうち、指定された各種演出動作パターンに対応するいずれかの演出制御パターンを使用パターンとして選択決定する。
演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROM102に記憶されている制御パターンテーブルには、たとえば、演出図柄の変動表示が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示装置9の表示領域における演出図柄の変動表示動作、リーチ演出における演出表示動作、擬似連または滑りの演出による演出表示動作、および、予告演出における演出表示動作といった各種の演出動作の制御内容を示すデータが、図柄変動制御パターンとして複数種類格納されている。擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。擬似連の変動表示においては、変動表示が一旦仮停止した後再変動表示することを1回または複数回行なうことにより、複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示が行なわれる。また、滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。
また、各図柄変動制御パターンは、たとえば、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、および、終了コードといった、演出図柄の変動表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データを含み、時系列的に、各種の演出制御の内容、および、演出制御の切替えタイミング等が設定されている。なお、図柄変動制御パターンテーブルとしては、演出図柄の演出動作を制御するための制御データよりなる図柄制御パターンテーブルと、演出図柄の演出動作とは別の予告演出の演出動作を制御するための制御データよりなる予告制御パターンテーブルとを設け、これら演出図柄の演出動作を制御するための制御データと、予告演出の演出動作を制御するための制御データとを組合せて用いることにより、1つの図柄変動制御パターンテーブルにより図柄の演出動作と予告の演出動作とを実行する場合と同様の演出動作を実行するように構成してもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、S617で選択した演出制御パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S618)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(演出設定プロセスタイマ)をスタートさせる(S619)。
演出制御用CPU101は、S619の処理を実行したら、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および、演出用部品としてのスピーカ27)の制御を開始する(S620)。たとえば、表示制御実行データにしたがって、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S621)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にする(S622)。
図27は、前述の演出設定処理(S616)を示すフローチャートである。演出設定においては、まず、図23に示すような始動入賞時受信コマンドバッファに格納された各保留記憶情報における先読み演出選択変動の格納領域のデータ、および、先読み演出実行タイミングの格納領域のデータを確認することにより、今回実行する変動表示が、先読み演出の選択変動の対象となっているか否かを判定する(S651)。具体的には、先読み演出選択変動の格納領域に「1001(H)」のデータが記憶されている保留記憶情報について、先読み演出実行タイミングの格納領域に記憶されたデータにより、今回の変動表示において先読み演出実行タイミングに合致しているか否かを判定する。たとえば、図23(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファの例において、バッファ番号「2」に対応する保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるときには、バッファ番号「5」に対応する保留表示は、あと3個目の保留表示であり、先読み演出実行タイミングの格納領域に記憶された「2003(H)」データが示すあと3個目の保留表示と合致する。
S651により今回実行する変動表示が先読み演出の選択変動の対象となっていないと判定されたときは、S655に進み、その他の演出設定処理を実行し(S655)、処理を終了する。一方、S651により今回実行する変動表示が先読み演出の選択変動の対象となっていると判定されたときは、始動入賞時受信コマンドバッファに格納された保留記憶情報に基づいて、先読み演出対象の保留記憶が何個目の保留記憶情報(保留表示)であるかを確認する(S652)。
次に、始動入賞時受信コマンドバッファにおいて、先読み演出対象となっている保留記憶情報における先読み演出パターンのデータを確認することにより、先読み演出の演出パターンが、第1演出単独、第2演出単独、第3演出単独、第1演出+第3演出、および、第2演出+第3演出のうち、いずれに該当するかを確認する(S653)。
次に、S652で確認した先読み演出対象の保留表示に対して、S653で確認した先読み演出の演出パターンにより、先読み演出を実行するための設定を行ない(S654)、処理を終了する。このような設定がなされることに基づいて、S654により設定された演出パターンの先読み演出が、S654により設定された先読み演出実行タイミングで、演出図柄変動中処理において実行されることとなる。これにより、演出図柄の変動表示中において、前述したような、第1演出単独、第2演出単独、第3演出単独、第1演出+第3演出、または、第2演出+第3演出による先読み演出が実行されることとなる。
以上に示した実施の形態によれば、図15および図16(b)に示すように、第2演出が実行されるまでに第3演出が実行され、図21(B)の第2演出決定時第3演出選択テーブルでの第3演出ありの選択割合が、図21(A)の第1演出決定時第3演出選択テーブルでの第3演出ありの選択割合よりも高いことを示しているように、第2演出を実行する場合に、第2演出を実行しない場合よりも高い割合で第3演出が実行される。これにより、保留表示に関する演出の初期段階で遊技の興趣が低下してしまうことを抑制することができる。
図20での第1演出と第2演出との選択態様に示すように、第2演出を実行しない変動表示が、第1演出を実行する変動表示であるので、第3演出が実行されるか否かに基づいて、保留表示を変化させる第1演出が実行されることを期待させることができる。
なお、前述の実施の形態では、第1〜第3演出を1回の変動表示が実行される期間中において実行させる例を示した。しかし、これに限らず、第1〜第3演出は、複数回の変動表示が実行される期間中において、複数回の変動表示に跨って実行されるようにしてもよい。また、複数回の変動表示が実行されるときの先の変動表示が実行される期間の終了時から、次の変動表示が実行される期間の開始時までの間のインターバル期間中から次の変動表示が実行される期間中に跨って実行されるようにしてもよい。
また、第1演出により保留変化表示をするときの色としては、変化先の色が赤色に固定されている例を示したが、大当りとなる期待度が所定の期待度よりも低い時は青色に変化させ、大当りとなる期待度が所定の期待度以上の高いときは赤色に変化させる等、複数色に変化する保留変化表示を行なうようにしてもよい。
また、第1演出により保留変化表示をするタイミングとしては、新たな始動入賞後に変動表示が実行された後のタイミング(保留表示がシフトするタイミング、変動表示が実行されるタイミング)で実行されるようにしてもよく、新たな始動入賞が発生したときに初めて保留表示するときに保留変化表示を実行するようにしてもよい。
また、先読み演出の実行選択については、まず、保留表示を変化させるか否かの判定を行なった後、保留表示を変化させると判定されたときは、保留表示の変化後の表示態様の種類(表示色の青色、赤色等)の選択決定をし、その後、保留変化表示タイミングとして、たとえば、保留表示がシフトするタイミング(第1演出なし)、変動表示が実行されるタイミング(第1演出あり)、新たな始動入賞発生時のタイミング(第1演出なし)等の複数のタイミングから選択するの選択決定をするような判定手順で先読み演出に関する判定をするようにしてもよい。また、保留表示を変化させるか否かの判定で保留表示を変化させないと判定されたときは、第2演出を実行するか否かを選択決定する。
このような判定手順で先読み演出に関する判定をするときには、変化後の表示態様の種類(表示色の青色、赤色等)に応じて、保留表示がシフトするタイミングで保留表示が変化するとき(第1演出なし)と、変動表示が実行されるタイミングで保留表示が変化するとき(第1演出あり)との選択割合が異なるようにしてもよい。このようにすれば、保留表示が変化するタイミングと変化後の色の種類との関係により、遊技の興趣を向上させることができる。
また、保留表示の変化後の表示態様の種類(表示色の青色、赤色等)の選択決定をするときには、変化後の表示態様の種類(表示色の青色、赤色等)に応じて、保留変化表示タイミング(たとえば、保留表示がシフトするタイミング、変動表示が実行されるタイミング、新たな始動入賞発生時のタイミング等の複数のタイミングから選択する)を選択する割合が異なるようにしてもよい。
また、前述した実施の形態では、図20および図21に示すように、第1演出あり、第2演出あり、演出なしを選択する第1の選択決定と、第3演出あり、第3演出なしを選択決定する選択決定とを分けて実行する例を示した。しかし、これに限らず、第1演出あり、第2演出あり、演出なしの選択と、第3演出あり、第3演出なしの選択とを一括的に選択するようにしてもよい。たとえば、これら選択を一括的に選択可能な選択データテーブルを用いて、このような選択を実行するようにしてもよい。
また、図20に示すような第1演出あり、第2演出あり、演出なしを選択した後、第1演出あり、または、第2演出ありが選択決定されたときにのみ、図21に示すような、第3演出あり、第3演出なしの選択決定をするようにしてもよい。その場合には、第1演出および第2演出と、第3演出との関係が、第1演出および第2演出の演出態様が、第3演出が実行されることにより、ステップアップする(たとえば、動物キャラクタが成長するような演出)ような演出態様に変化する演出制御を実行するようにしてもよい。
また、前述した実施の形態では、先読み演出を実行する決定がされたときにおいて、存在する保留表示内に、既に先読み演出を実行する決定がされた保留表示があるときには、たとえば、既に先読み演出を実行する決定がされた保留表示とは、先読み演出の実行タイミングが重複しないように、新たに決定された先読み演出、または、先に決定された先読み演出の実行タイミングをずらす(たとえば、新たに決定された先読み演出の実行タイミングをずらす)ように調整する制御を行なうようにしてもよい。
また、このように、新たに決定された先読み演出、または、先に決定された先読み演出の実行タイミングをずらす(たとえば、新たに決定された先読み演出の実行タイミングをずらす)ように調整する制御を行なうときには、遊技者にとって重要度が高い第1演出を含む演出同士が重複するときには、演出の実行タイミングをずらす調整制御を実行するが、遊技者にとって重要度が低い第2演出または第3演出を含む演出同士が重複するときには、演出の実行タイミングをずらす調整制御を実行せずに、新たに決定された先読み演出のデータを上書きするような態様で、新たに決定された先読み演出のデータを優先して実行するようにしてもよい。
このように、先に決定された先読み演出と新たに決定された先読み演出とで実行タイミングが重複するときに、重複した先読み演出が実行されないようにすることにより、同時に複数の保留に対する保留変化演出が実行されるか、または、同時に1つの保留に対する複数の保留変化演出が実行されるかして、表示画面上が煩雑になることを防ぐことができる。
なお、先に決定された先読み演出と新たに決定された先読み演出とで実行タイミングが重複することにより複数の保留表示について保留変化表示をすることが必要となったときには、複数の保留表示について同時に保留変化表示を実行させる制御を行なうようにしてもよい。この場合における複数の保留表示について同時に保留変化表示を実行させる制御としては、1つの保留表示にのみを演出対象として作用して1つの保留表示を変化させる先読み演出を行なうものではなく、複数の保留表示を演出対象として作用して複数の保留表示を変化させる先読み演出を行なうものである。このような先読み演出としては、たとえば、第1キャラクタC1が銃を連射して複数の保留表示を演出対象の複数の保留表示の表示態様を変化させる演出と、第1キャラクタC1が火炎放射器を操作して演出対象以外の保留表示を含む複数の保留表示(全部の保留表示でもよい)の表示態様を変化させる演出とを含む。
また、この実施の形態では、先読み予告処理のS915に示すように、新たな始動入賞に基づく保留表示については、保留変化表示をするか否かに関わらず、初期状態において、保留表示を通常態様で表示する例を示したが、これに限らず、新たな始動入賞に基づく保留表示について保留変化表示をさせる判定がされたときには、初期状態において、保留表示を通常態様から表示態様を変化させる制御を行なうようにしてもよい。また、このように初期状態において保留表示を通常態様から表示態様を変化させる制御を行なうか否かは、抽選により所定の割合で選択決定するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、先読み予告処理のS901B,S901Cに示すように、先読み予告回数カウンタの値が8以上となったときには、第1演出単独の演出を実行する先読み予告割合調整処理例を示した。しかし、これに限らず、先読み予告回数カウンタの値が8以上となったときに第1演出を実行する先読み予告割合調整処理を行なうときには、第3演出を実行可能とする制御を行なうようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第1演出が実行されない回数を計数する先読み予告回数カウンタの値が8以上となったときには、必ず第1演出を実行する先読み予告割合調整処理例を示した。しかし、これに限らず、先読み予告処理のS916においては、新たな保留記憶が第1演出の実行決定という条件に加えて、第2演出の実行決定という条件でも、S917〜S921(先読み予告フラグのリセット、先読み予告回数カウンタのリセット等)が実行されて、第1演出を実行する先読み予告割合調整処理の実行が制限されるようにしてもよい。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態を説明する。第2実施形態としては、第3演出が実行されることを示唆する第4演出を実行する例を説明する。
図28は、第2実施形態による先読み演出の表示例を示す表示画面図である。図28では、第1演出または第2演出と第3演出とが実行されるときに、第4演出が実行されるときの演出の一部が表示例として示されている。
左,中,右の演出図柄91〜93が変動表示(図中矢印が変動表示状態を示す)を開始した後、第1キャラクタC1が登場する前の所定タイミングで、図28(A)のように第3キャラクタC3が登場し、第4演出が開始される。その後、図28(B)のように第1キャラクタC1が登場し、第1演出または第2演出が開始される。そして、図28(C)のように第2キャラクタC2が登場し、第3演出が開始される。その後は、第3キャラクタC3が退場して第4演出が終了し、第1実施形態で説明した演出と同様に、第1キャラクタC1を用いた第1演出または第2演出と、第2キャラクタC2を用いた第3演出とが実行される。
第4演出は、演出制御マイクロコンピュータ100では、先読み予告処理(S791)において、第3演出を実行することが決定されたときに、第3演出を実行しないことが決定されたときよりも高い割合で実行することが決定される。
具体的には、第3演出を実行することが決定されたときに第4演出を実行するか否かを選択する第1の選択テーブルと、第3演出を実行しないことが決定されたときに第4演出を実行するか否かを選択する第2の選択テーブルとを設け、第4演出決定用の乱数値を用いて、第4演出を実行するか否かを選択決定すればよい。その場合には、第1の選択テーブルの方が第2の選択テーブルよりも、第4演出を実行することを決定する割合が高くなるようにデータが設定される。このような第3演出と第4演出との対応関係により、第4演出は、第1演出または第2演出が実行される前の所定タイミングで実行されたときに、第3演出が実行されることを示唆する演出として用いられる。
次に、第1〜第4演出による先読み演出の演出制御タイミングを具体的に説明する。図29は、第1〜第4演出による先読み演出の演出制御例を示すタイミングチャートである。図29においては、第1〜第4演出による先読み演出の演出制御タイミングの代表例として、第2演出+第3演出+第4演出が実行される先読み演出が示される。
図29においては、先読み演出が実行されるときの変動表示の開始から変動表示の停止までの制御タイミングが示されており、図28(A)〜(C)に示す演出がどのタイミングで実行されるかが具体的に示されている。
先読み演出として、第2演出+第3演出+第4演出が実行されるときには、図28に示すように、変動表示開始後、第2演出の実行が開始される所定期間が開始する前のタイミングで開始する特定期間が経過したときに、図28(A)のように第3演出の実行が開始される。その後、図28(B)のように第2演出の実行が開始された後、図28(C)のように第3演出の実行が開始される。そして、第4演出は、第3演出の実行開始後、予め定められたタイミングで終了する。
また、第4演出は、第1演出単独、第2演出単独、第3演出単独、および、第1演出+第3演出が実行されるときにも、図29に示すようなタイミングと同様のタイミングで実行される。なお、第1演出単独、第2演出単独、第3演出単独、第1演出+第3演出、および、第2演出+第3演出のそれぞれについて、第4演出を実行するときのタイミングが異なるように設定してもよい。
図28および図29に示すように、第2実施形態によれば、第3演出が実行されることを示唆する第4演出が実行されることにより、第3演出が実行されるか否かについて遊技者の注目を集めることができる。
なお、第4演出としては、第1演出または第2演出と同時に実行を開始させるようにしてもよく、第1演出または第2演出の実行開始後、第3演出の実行開始前のタイミングで実行を開始させるようにしてもよい。
また、第4演出としては、第1演出が実行されるときと、第2演出が実行されるときとで、実行する選択をする割合が異なるようにしてもよい。また、第4演出は、第3演出のみが実行されるときには実行する選択がされないようにしてもよい。また、第4演出は、第3演出のみが実行されるときには実行する選択がされないようにしてもよい。また、第4演出は、第3演出が実行されるときに必ず実行する選択がされるようにしてもよい。
また、第4演出としては、第4演出に用いて第3キャラクタC3と第3演出に用いる第2キャラクタC2とが、たとえば、第3キャラクタC3が子供キャラクタであり、第2キャラクタC2がその成人キャラクタである等、第4キャラクタ演出上の関係性があり、第4演出と第3演出との関係性が演出態様がステップアップするような演出(たとえば、子供が大人に成長するようなステップアップ)を実行するようにしてもよい。
また、第4演出としては、第3キャラクタC3が第3演出との関係を示すようなセリフをメッセージとして表示する、画像の模様を共通とする等、第3演出と特定の対応関係があることを示唆する演出をさらに行なうようにしてもよい。また、第4演出としては、第3演出が実行されるときと、第3演出が実行されないときとで、演出態様(実行開始タイミングを含む)が異なるようにしてもよい。
また、第4演出を用いるときには、第3演出を実行することを選択決定するときに、第3演出のみを実行する先読み演出と、第3演出+第4演出を実行する先読み演出とのいずれかに決定するようにしてもよい。
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態を説明する。第3実施形態としては、以下に示すような変動表示時に表示される対応表示について、前述した保留変化演出に対応するような演出としての対応表示変化演出を実行する例を説明する。図30は、第3実施形態による対応表示変化演出の表示例を示す表示画面図である。
図30(A)〜(D)に示すように、パチンコ遊技機1においては、演出表示装置9の表示画面の下部において、合算保留記憶表示部18cの左側に、対応表示領域81が設けられてもよい。
対応表示領域81は、変動表示中に当該変動表示に対応した表示(以下、対応表示と称する)としての対応表示画像82が表示される領域であり、対応表示画像82の表示態様により、当該変動表示がスーパーリーチや大当りとなる期待度に応じた予告等を示す演出が実行される。たとえば、対応表示領域81では、変動表示に応じて合算保留記憶表示部18cで表示される保留表示80が対応表示領域81の中へ移動(シフト)して、対応表示画像82(変化した保留表示ともいえる)として表示結果され、変動表示に対応した表示演出が実行される。対応表示画像82は、当該変動表示に対応した保留記憶情報に対応した画像であり、当該変動表示が終了するまで残存する保留表示の画像であるともいえる。
第3実施形態では、このような対応表示画像82について、第1実施形態および第2実施の形態で示したような、第1演出、第2演出、および、第3演出(第4演出を実行する場合も含む)を、先読み演出としてではなく、変動表示が実行されるときにおける当該変動表示についての演出(たとえば、予告演出)として、実行される例を説明する。
たとえば、第3実施形態では、先読み予告処理(S791)または演出図柄変動開始処理(S801)において、対応表示画像を、第1演出、第2演出、および、第3演出(第4演出を実行する場合も含む)の演出対象として、図20および図21のような選択テーブルにより、変動表示結果に応じて、第1演出、第2演出、および、第3演出(第4演出を実行する場合も含む)を実行するか否かを決定する。
そして、図30(A)のように、左,中,右の演出図柄91〜93が変動表示(図中矢印が変動表示状態を示す)を開始した後、図30(B)〜(D)に示すように、(変動表示が実行されるときに、演出図柄変動中処理(S802)において、前述した、第1演出、第2演出、および、第3演出(第4演出を実行する場合も含む)を実行するか否かの決定結果に基づいて、当該変動表示を実行するときに、対応表示領域81に移動して表示される対応表示画像82について、第1演出、第2演出、および、第3演出(第4演出を実行する場合も含む)を実行する制御を行なう。これにより、第1演出を実行することが決定されているときには、図30(D)に示すように、対応表示領域81内の対応表示画像82を演出対象として、第1キャラクタC1が、ハンマで打撃する態様で作用し、それに応じて、演出対象の対応表示画像82が変化する(図30の例では色が変化する。)演出が実行される。
第3実施形態では、先読み予告演出に加えて対応表示変化演出を実行する場合に、対応表示変化演出の実行に関する決定は、変動表示の開始時に変動パターンコマンドに基づいて行なわれるものであってもよいし、始動入賞タイミングにおける先読み演出の決定時に変動種別コマンドに基づいて変動表示の開始時よりも前に予め行なわれるものであってもよい。先読み演出の決定時に対応表示変化演出の実行に関する決定がされる場合には、先に決定された先読み演出としての保留変化演出と実行タイミングが重複しないように決定されることが望ましい。また、変動表示の開始時に対応表示変化演出の実行に関する決定がされる場合には、対応表示変化演出の方を、先読み演出としての保留変化演出よりも優先して実行するようにしてもよい(対応表示変化演出は、当該変動表示時にしか実行する機会がないことが理由)。その場合、対応表示変化演出と保留変化演出とで実行タイミングが重複するときには、保留変化演出の実行を中止してもよいし、保留変化演出の実行タイミングをずらすように調整する制御を行なうようにしてもよい。また、対応表示変化演出と保留変化演出とで実行タイミングが重複するときには、対応表示変化演出と保留変化演出との両方を実行するようにしてもよい。たとえば、一例として、特定のキャラクタが銃を連射して演出対象の対応表示と保留表示との両方の表示態様を変化させる演出を実行してもよいし、特定のキャラクタが火炎放射器を操作して演出対象の対応表示と、演出対象の保留表示、および、演出対象以外の保留表示を含む複数の保留表示(全部の保留表示でもよい)との表示態様を変化させる演出を実行してもよい。
次に、第3実施形態による対応表示変化演出の演出制御タイミングを具体的に説明する。図31は、第3実施形態による対応表示変化演出の演出制御例を示すタイミングチャートである。図31においては、対応表示変化演出の演出制御タイミングの代表例として、第1演出単独が実行される例が示される。そして、図31は、擬似連の変動パターンによる変動表示が当該変動表示として実行されるときの第1演出例が示されている。
図31においては、第1演出単独で対応表示変化演出が実行されるときの変動表示の開始から変動表示の停止までの制御タイミングが示されており、図29(A)〜(D)に示す演出がどのタイミングで実行されるかが具体的に示されている。
図31に示すように、図30(A)のように変動表示が開始された後、図30(B)のように第1演出の実行が開始され、当該第1演出において、図30(C)のように、第1キャラクタC1が、対応表示領域81内の対応表示画像82をハンマで打撃する態様で作用し、それに応じて、図30(D)のように、演出対象の対応表示画像82が変化する演出が実行される。
このような第1演出は、変動表示が仮停止した後、再変動表示したときの変動表示においても、繰返し実行される。なお、擬似連の変動表示において一旦対応表示画像82が変化する演出が実行された後は、第1演出の繰返し、第2演出、または、第3演出を実行しないように制限する制御を行なうようにしてもよい。図31においては、再変動表示が開始された後の第1演出が終了した後、リーチ状態が成立し、リーチ演出が実行され、変動表示が停止する状態が示されている。
なお、図30および図31では、対応表示を演出対象として、第1演出単独の演出が実行される例を示したが、対応表示を演出対象として、第2演出単独、第3演出単独、第1演出+第2演出、第1演出+第3演出等の前述したその他の演出も実行することが可能である。
また、図31では、擬似連の変動パターンでの変動表示について、対応表示を演出対象とした演出を実行する例を示したが、これに限らず、擬似連以外の変動パターンについても、前述のような第1演出単独、第2演出単独、第3演出単独、第1演出+第2演出、第1演出+第3演出等の各種演出を実行することが可能である。
また、第3実施形態で行なわれる対応表示の表示終了タイミングとしては、変動表示の終了時まで、リーチ状態の成立時まで、左,右の演出図柄の停止時まで、または、リーチ種類のうちの特定リーチ(たとえばスーパーリーチ)の演出実行時までというように、予め定められた時点まで表示されるように制御されればよく、表示終了タイミングは、どのタイミングであってもよい。
図30および図31に示すように、第3実施形態によれば、対応表示の演出が実行されるときにも、第1〜第3演出(第4演出が実行される場合も含む)のような演出が実行されることにより、前述した第1実施形態および第2実施形態で得られる効果と同様の効果を得ることができる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図15および図16(b)に示すように、第2演出が実行されるまでに第3演出が実行され、図21(B)の第2演出決定時第3演出選択テーブルでの第3演出ありの選択割合が、図21(A)の第1演出決定時第3演出選択テーブルでの第3演出ありの選択割合よりも高いことを示しているように、第2演出を実行する場合に、第2演出を実行しない場合よりも高い割合で第3演出が実行される。これにより、保留表示に関する演出の初期段階で遊技の興趣が低下してしまうことを抑制することができる。
(2) 図20での第1演出と第2演出との選択態様に示すように、第2演出を実行しない変動表示が、第1演出を実行する変動表示であるので、第3演出が実行されるか否かに基づいて、保留表示を変化させる第1演出が実行されることを期待させることができる。
(3) 図16に示すように、図14(B),(C)のような第1演出の部分と、図15(A)〜(C)のような第2演出の部分とが、第1,第2演出共通部であるので、保留表示を変化させない第2演出が実行されるときでも、演出の途中までは、遊技の興趣が低下してしまうことを抑制することができる。
(4) 図20での第1演出、第2演出、演出なしの選択態様に示すように、第2演出を実行しない変動表示が、第1演出を実行せず、かつ、第2演出を実行しない変動表示のような保留表示の変化に関係しないときでも、第3演出が実行されるので、第3演出の実行頻度が増加して遊技の興趣を向上させることができる。
(5) 第2実施形態における図28、図29に示すように、第3演出が実行されることを示唆する第4演出が実行されるので、第4演出により、第3演出が実行されるか否かについて遊技者の注目を集めることができる。
(6) 図17、および、図24のS901A〜S901Bに示すように、先読み予告のような特定演出としての第1演出を所定期間実行していないときに、高い割合で先読み予告としての第1演出が実行されるので、先読み予告のような特定演出の演出効果を向上させることができる。
(7) 先読み演出における第1演出は、保留表示の表示態様を通常態様の白色から特別態様の赤色へと変更する演出であるので、保留表示の演出効果を向上させることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行なうようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータの方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータの方で選択を行なう様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。このように2つのコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する構成においては、1つ目のコマンドを送信した後の2つ目のコマンドにおいて、入賞時演出処理による表示結果の判定結果、および、変動パターン種別のような先読み判定情報を送信し、その2つ目のコマンドを受信したことに基づいて、前述した実施の形態に示したような先読み予告の演出を実行するようにしてもよい。
(2) 前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(3) 前述の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。このような構成の場合には、前述した実施の形態で演出制御用マイクロコンピュータ100が行なっていた各種決定については、同様に演出制御用マイクロコンピュータ100が行なうようにしてもよく、または、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、または、音/ランプ基板に搭載したマイクロコンピュータ等の制御手段が行なうようにしてもよい。
(4) 前述した実施の形態は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、次のように遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。具体的に、上記の実施の形態の遊技機は、遊技者に景品として遊技球が払出され、遊技者が払出された遊技球(貸し球の場合もある)を遊技領域に発射して遊技が行なわれる遊技機であったが、プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報により特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点または遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打込んで遊技者が遊技を行なう遊技機にも本発明を適用することができる。すなわち、始動領域を遊技媒体(遊技球)が通過した後に、変動表示の開始を許容する開始条件の成立に基づいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行ない表示結果を導出表示する変動表示装置を備え、該変動表示装置に特定表示結果が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に移行させる遊技機であるが、遊技得点が0でないときに遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打込んで遊技が行なわれ、遊技球の打込みに応じて遊技得点を減算し、遊技領域に設けられた入賞領域に遊技球が入賞することに応じて遊技得点を加算する遊技機にも本発明を適用することができる。そのような遊技機は、遊技得点の加算に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を挿入するための遊技用記録媒体挿入口と、遊技用記録媒体挿入口に挿入された遊技用記録媒体に記録されている記録情報の読出しを行なう遊技用記録媒体処理手段とを備えていてもよい。
(5) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供れる形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(6) 前述の実施形態では、大当り種別として、15ラウンドの通常大当りと15ラウンドの確変大当りを設けた例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、15ラウンドの大当り、10ラウンドの大当り、および、5ラウンドの大当りを設ける場合のように、3種類以上のラウンド数の大当り種別を設けてもよい。その場合には、たとえば、大当りの種別を、賞球が得られやすい大当り種別グループ(たとえば、15ラウンドの大当り、10ラウンドの大当り)と、賞球が得られにくい大当り種別グループ(たとえば、5ラウンドの大当り)とに分類し、第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも、賞球が得られやすい大当り種別グループの大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。
(7) 前述の実施形態では、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技が終了した後の遊技状態を高確率状態(確変状態)に移行させるような大当りである(すなわち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)突然確変大当りを設けてもよい。また、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技が終了した後の遊技状態が変化しない大当りである小当りを設けてもよい。さらに、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じであるので、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行われると(突然確変大当り遊技または小当り遊技が行われると)、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できない。従って、遊技者は突然確変大当りの発生によって高確率状態(確変状態や確変時短状態)に制御されたか、小当りの発生によって低確率状態(通常状態や時短状態)に制御されたか、について認識することができないので、突然確変大当りの遊技や小当りの遊技が終了した後の遊技状態を、確変状態が潜伏しているかもしれないとの期待を持たせる遊技状態である潜伏状態(潜伏モード)という。また、潜伏状態において実際は確変状態に制御されている場合(遊技機内部では遊技状態が確変状態に制御されている場合)は潜伏確変状態ともいう。このような、潜伏確変状態を設けてもよい。このような突然確変大当りが設けられる場合には、図6に示した変動パターンの選択の振分け、および、図20に示した保留変化演出等の先読み演出の選択の振分けが、15ラウンドの確変大当り、および、通常大当りと異なるように設定してもよい。また、このような突然確変大当りが設けられる場合には、図7に示す演出制御コマンドのうちの確変状態指定コマンドを、確変大当り後の確変状態を指定する第1のコマンドと、突然確変大当り後の確変状態を指定する第2のコマンドとに分けて出力するようにしてもよい。このようにすれば、確変状態の由来の違いに応じて異なる演出制御(たとえば、背景画像を使い分ける、変動表示パターンの演出を使分ける等)を行なうことが可能となる。
(8) 前述の実施形態では、普通図柄が所定の当り図柄となったときに、通常の普通当りより、可変入賞球装置15の開放時間や開放回数を多くし、遊技者に有利な開放態様で拡大開放制御が行なわれてもよい。
(9) 前述の実施形態では、保留記憶が入賞順に消化されていたが、第2識別情報(第2特別図柄)の可変表示を第1識別情報(第1特別図柄)の可変表示より優先して実行する遊技機に適用してもよい。
(10) 前述の実施形態では、変動回数が100回までと100回より後とで確変状態から通常状態へと遊技状態が変化する遊技機を説明した。このような遊技機であって、さらに、潜伏確変状態を有するとともに、通常の普通当りより遊技者に有利な開放態様で拡大開放制御(通常の普通当りより可変入賞球装置15の開放時間が長い制御)が行なわれ、第2特別図柄の変動表示を第1特別図柄の変動表示より優先して実行する遊技機においては、第1特別図柄に100回転目の保留(高確率判定値で先読み予告を実行する予定の保留(実際に第1特別図柄1の100回転目の保留記憶を変化させてしまう保留でもよい))が記憶された後、通常の普通当りより遊技者に有利な開放態様で拡大開放制御が行なわれ、第2特別図柄に始動入賞があり、第2特別図柄による変動が100回転目の保留となることがある。このような場合には、第2特別図柄による変動が終了した後の第1特別図柄による変動は低確率で変動されることとなるため、第1特別図柄による保留(高確率判定値で先読み予告を実行する予定の保留)で先読み予告を実行すると、実際の変動を開始する際の演出より高期待度の保留予告となり、演出の整合が取れなくなるおそれがある(なお、このような場合に限らず、低ベース時であれば常に演出の整合が取れなくなるおそれがある)。そこで、このような場合において、第2特別図柄の変動表示が実行されている際は、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1特別図柄に対応する保留表示を視認し難い状態に制御(第1特別図柄に対応する保留表示を非表示にする)し、その後、第1特別図柄の変動の実行(第1特別図柄が所定回(たとえば、1回または複数回)実行されたこと)に基づいて第1特別図柄に対応する保留表示を視認し難い状態への制御を終了する(第1特別図柄に対応する保留表示を表示する)ようにしてもよい。このうような構成によれば、保留予告演出を実行する場合に、遊技の公平性を担保することができる。
(11) 前述の実施形態では、先読み回数カウンタの値が8以上で先読み予告を実行する場合を示したが、カウンタの回数を何回に設定してもよい。また、所定の条件の成立(たとえば、先読み予告を所定回数実行していない場合(先読み予告を実行していない回数が天井に達した場合))で、先読みに特化した演出が実行されるステージを設け、そのステージ内では先読み予告が頻発するように先読み回数カウンタの値を設定してもよく、通常ステージに戻ることに基づいて先読み回数カウンタを通常の頻度で先読み予告されるものに戻してもよい。
(12) 前述の実施形態では、先読み予告で実行される保留予告は、赤色のみで表示する例を示したが、これに限らず、高期待度の赤保留と低期待度の青保留とのいずれかで表示するようにしてもよい。また、保留表示の態様をさらに増やしてもよい。たとえば、通常の保留表示を白で表示し、期待度が高くなるに従って、青保留<黄保留<緑保留<赤保留としてもよい。このような場合であっても、所定回数先読み予告が実行されなかった後に、実行される保留表示は、1番期待度の低い青保留で表示するようにすればよい。なお、非リーチ変動の変動パターンにおいて、黄保留でも表示されるように設定しているならば、所定回数先読み予告が実行されなかった後に、青保留が表示されるよりも低い割合で黄保留で表示されるようにしてもよい。
(13) 前述の実施形態では、先読み回数カウンタの値が8以上となったときに、第1演出による先読み予告を100パーセントの割合で実行する場合を示したが、これに代えて、第1演出による先読み予告の代わりとして、第2演出による先読み演出を100パーセントの割合で実行するようにしてもよい。また、先読み予告が所定期間内に複数回発生した場合には、たとえば、先読み回数カウンタの値が10回以上にならなければ先読み予告が実行されないようにしてもよい。
(14) 前述の実施形態では、リーチ変動(ノーマルリーチ、スーパーリーチ含む)については一定の割合で先読み予告が実行されるようにしてもよく、先読み予告がまったく実行されないようにしてもよい。リーチ変動(ノーマルリーチ、スーパーリーチ含む)について先読み予告が一定の割合で先読み予告が実行されるようにするときは、所定のリーチのみにおいて先読み予告が実行されるようにしてもよい。具体的には、ノーマルリーチのときは先読み予告を実行せず、スーパーリーチ等の所定のリーチのときのみに先読み予告を実行するようにしてもよい。また、スーパーリーチが複数種類ある場合には、その中の一部のスーパーリーチに限って先読み予告の対象となるようにしてもよい。
(15) 前述の実施形態では、先読み予告の演出として保留記憶の表示態様を変更するものを示したが、先読み予告はこれに限らず、先読み予告を実行する変動であるターゲットの変動までに連続した演出を実行するようにしてもよい。具体的には、所定のキャラクタの出現がターゲットの変動までの変動毎に繰り返される演出を実行してもよい。このように、先読み予告の種類は保留表示だけに限られない。また、保留表示とともに別の先読み予告を実行してもよい。
(16) 前述の実施形態では、図20に示すように大当りのときには、高い割合で第1演出による先読み予告が実行される例を示したが、第2特別図柄の変動表示を第1特別図柄の変動表示より優先して実行し、第2特別図柄の方が第1特別図柄より有利な大当り(ラウンド回数が多い、確変状態になりやすい等)が設定してある遊技機においては、大当り判定テーブルの判定値を通常状態と確変状態とで全く異なるものに入れ替える(通常状態で大当りならば確変状態ではずれとし、確変状態で大当りならば通常状態ではずれとする)ようにすればよい。このようにすれば、通常時(低ベース)に大当りとなり、さらに、特別図柄1で期待度の高い赤保留(大当りと判定されている保留記憶)で先読み予告が実行されているときに、大当り終了後の確変状態(高ベース)開始直後に第2特別図柄の保留が溜まっておらず、第1特別図柄の変動である期待度の高い赤保留での変動が実行されてしまい、第1特別図柄で大当りとなることを防止することができる(確変状態では第1特別図柄の変動は変動開始時に大当りからはずれへと変更されるので、第2特別図柄に比べて不利な第1特別図柄による大当りを防止できる)。よって、遊技者にとって好ましくない大当りが実行されないので、遊技者の残念感を防止することができる。
(17) 前述の実施形態では、保留数によらずリーチの発生割合が変化しない場合を示したが、たとえば保留数が0〜2ではリーチに0〜70、非リーチに71〜251の乱数値が割振られ、保留数が3以上ではリーチに0〜30、非リーチに31〜251の乱数値が割振られているような、保留数でリーチの割合が異なる場合には、乱数値が31〜70の範囲内の保留記憶が先読み予告の天井の対象保留として入賞すると、その保留記憶は100パーセント青保留として表示されるが、変動開始時に保留数が0〜2であればリーチとなる一方、保留数が3以上であれば非リーチとなってしまう。すると、青保留のリーチが実行される割合が変動開始時の保留数によって変化してしまう。一般に、大当り変動では、リーチの選択割合が保留数の影響を受けない(選択割合が一定)ので、保留数が3以上であれば常にリーチ期待度(リーチが実行されたときの大当り期待度)は高くなり、保留数が0〜2であれば常にリーチ期待度は低くなってしまう。よって、保留数でリーチの割合が異なるような場合には、青保留が先読み予告の天井で100パーセント表示されたときには、その保留記憶の消化時(変動開始時)の保留数によってリーチが実行されるか否か、または、リーチ期待度が異なってしまうため、青保留の期待度を一定に保つことができない。本実施の形態では、保留数に関わらずリーチの実行割合が同一なので、青保留の期待度を一定に保つことができる。なお、保留数によってリーチの実行割合が変化しないリーチは、全てのリーチでもよいし、一部のリーチとしてもよい。
(18) 前述した保留表示の変化は、保留表示の色、形状、模様、色彩、大きさ、付随演出(保留表示にキャラクタが乗る等)、表示位置等が変化するものであってもよい。
(19) 前述した第1演出は、保留表示が100%変化するものでもよく、保留表示の変化割合が100%未満であるが第2演出よりも変化割合が高いものでもよい。また、第2演出は、保留表示が100%変化しないものでもよく、保留表示の変化しない割合が100%未満であるが第1演出よりも変化割合が低いものでもよい。
(20) 変動表示に関して前述した第1,第2演出が実行される期間は、次のa〜cのようなものであってもよい。a変動開始後最初の図柄(左図柄)が停止するまでの期間、b変動開始後リーチ状態となるまでの期間、または、c大当り遊技状態時の演出(大当りのラウンドが継続するか否かを示唆するラウンド継続演出、大当りが通常大当りから確変大当りに昇格するか否かを示唆する確変昇格演出)の期間でもよい。
(21) 第1,第2演出を実行する対象となる変動表示(何個目の変動表示)は、第1,2演出の実行の有無を先読み判定で決定したときに予め決めてよく、第1,2演出の実行の有無を先読み判定で決定した後、各変動表示が実行されるタイミングで、所定の割合で実行の有無を選択決定するようにしてもよい。
(22) 第1,第2演出を実行する対象となる変動表示(何個目の変動表示)は、第1,2演出の実行の有無を先読判定で決定したときから所定回数目の変動表示に固定的に決定するようにしてもよい(たとえば、始動入賞があり、先読み判定がされたときの次の変動表示において第1,2演出を実行するようにしてもよい。)。
(23) 第1,第2演出が演出の途中まで共通の演出である期間は、次のa〜fのようなものであってもよい。a変動開始後最初の図柄(左図柄)が停止するまでの期間、b変動開始後リーチ状態となるまでの期間、cリーチ演出の終了時までの期間、d大当り開始時(ファンファーレ演出時)までの期間、e大当り遊技状態の所定ラウンド(たとえば、ラウンド継続演出時)までの期間、または、f大当り遊技状態の終了時(たとえば、確変昇格決定時)までの期間であってもよい。
(24) 第4演出の実行タイミングは、次のa〜dのようなものであってもよい。a変動開始時、b変動開始後最初の図柄(左図柄)が停止するまで、かつ、第3演出実行前の期間、c変動開始後リーチ状態となるまで、かつ、第3演出実行前の期間、または、d大当り遊技状態時の演出(ラウンド継続演出、確変昇格演出)時、かつ、第3演出実行前の期間の期間であってもよい。また、第4演出の実行後、ただちに第3演出が実行されてもよい。また、第4演出の実行後、所定期間経過したら第3演出が実行されてもよい(他の演出を挟んで実行)。
(25) 第3,第4演出は、演出態様が別の演出表示でもよく、演出態様がステップアップ演出のような一連の継続的な演出表示であってもよい。
(26) 第1〜第3演出(第4演出を実行する場合も含む)を実行するときに、図17に示すような先読み予告割合調整処理は、実行しないようにしてもよい。
(27) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。