JP2014054334A - 情報管理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】特定表示結果が導出表示された後に特定領域を遊技球が通過したことに基づいて特定遊技状態に制御される遊技機の遊技情報を管理する情報管理装置において、特定遊技状態の発生に伴い遊技者が獲得した実質的な遊技媒体数を把握可能とする。
【解決手段】図柄確定信号がホールコンピュータに入力されると(1)、パチンコ遊技機においてはゲート無効期間を経て権利発生状態となり、該権利発生状態において第1特定領域〜第3特定領域のいずれかを遊技球が通過すると、決定されたラウンド数の大当り遊技状態に制御され、大当り信号がONになる(2)。大当り遊技状態の開始に伴い大入賞口が開放され、最終ラウンドの終了に伴い大当り遊技状態が終了して、大当り信号がOFFになる(3)。ホールコンピュータは、(1)から(2)までの期間の差玉数を待機期間差玉数として集計し、(1)から(3)までの期間の差玉数を合計期間差玉数として集計する。
【選択図】図16
【解決手段】図柄確定信号がホールコンピュータに入力されると(1)、パチンコ遊技機においてはゲート無効期間を経て権利発生状態となり、該権利発生状態において第1特定領域〜第3特定領域のいずれかを遊技球が通過すると、決定されたラウンド数の大当り遊技状態に制御され、大当り信号がONになる(2)。大当り遊技状態の開始に伴い大入賞口が開放され、最終ラウンドの終了に伴い大当り遊技状態が終了して、大当り信号がOFFになる(3)。ホールコンピュータは、(1)から(2)までの期間の差玉数を待機期間差玉数として集計し、(1)から(3)までの期間の差玉数を合計期間差玉数として集計する。
【選択図】図16
Description
本発明は、遊技者が所定の遊技を行うことが可能なパチンコ遊技機における遊技情報を管理する情報管理装置に関する。
遊技機として、遊技媒体である遊技球を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技球が入賞すると、所定の入賞価値を遊技者に与えるように構成されたものがある。さらに、遊技領域に設けられている始動領域を遊技球が通過したことにもとづいて特別図柄(識別情報)を可変表示(「変動」ともいう。)可能な可変表示部が設けられ、可変表示部における可変表示の表示結果として、あらかじめ定められた特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたことに基づいて特定遊技状態(所謂大当り遊技状態)に制御されるものがある。なお、導出表示とは、図柄を停止表示させることである。そして特定遊技状態においては所定の遊技価値が遊技者に付与される。なお、入賞価値とは、入賞領域への遊技球の入賞に応じて賞球を払い出したり得点や景品を付与したりすることである。また、遊技価値とは、特定表示結果となった場合に遊技機の遊技領域に設けられた可変入賞球装置の状態が打球が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態になることや、遊技者にとって有利な状態になるための権利を発生させたりすることや、賞球払出の条件が成立しやすくなる状態になることである。
通常、上述したような遊技機やこれに対応して設けられた遊技媒体計数器からは、遊技領域に打ち込まれた遊技球数に応じて打込信号が出力され、入賞領域への遊技球の入賞に応じて払い出された遊技球数に応じて賞球信号が出力され、特定遊技状態に制御されている期間は特定遊技状態に制御されていることを示す大当り信号が出力される。そのため、これらの信号が入力される情報管理装置側では、特定遊技状態の発生に伴い遊技者が獲得した遊技媒体数(例えば、[大当り信号入力中の打込玉数−大当り信号入力中の賞球数]により算出される差玉数)を集計することが可能となる。
一方で、パチンコ遊技機として、可変表示部における可変表示の表示結果として特定表示結果が導出表示された後、さらに遊技領域に設けられた特定領域を遊技球が通過したことに基づいて特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御されるものが存在する。このような遊技機として、例えば特許文献1には、識別情報の可変表示が実行されて特定表示結果が導出表示された後に、特定領域(遊技球通過検出部)を遊技球が通過したことに基づいて特定遊技状態を開始するパチンコ遊技機であって、特定表示結果が導出表示された後に遊技領域に遊技球を打ち込むよう遊技者に報知するものが開示されている。
しかしながら、特許文献1に示されるような、特定表示結果が導出表示された後に特定領域を遊技球が通過したことに基づいて特定遊技状態に制御される遊技機では、特定表示結果が導出表示されたことに基づいて直ちに特定遊技状態に制御される遊技機と異なり、特定表示結果の導出表示から特定遊技状態の開始(特定領域を遊技球が通過する)までに所定期間を要することになる。この所定期間は、遊技者が遊技領域に遊技球を打ち込むことになるため、単に大当り信号が入力されている期間において遊技者が獲得した遊技媒体数を集計したのでは、特定遊技状態の発生に伴い遊技者が獲得した実質的な遊技媒体数(特定表示結果の導出表示から特定遊技状態の終了までの期間の差玉数)を情報管理装置側で把握することができないという問題がある。
本発明は、このような背景のもとになされたものであり、その目的は、特定表示結果が導出表示された後に特定領域を遊技球が通過したことに基づいて特定遊技状態に制御される遊技機の遊技情報を管理する情報管理装置において、特定遊技状態の発生に伴い遊技者が獲得した実質的な遊技媒体数を把握可能とすることにある。
本発明は、前記課題を解決するために、次のような手段を採る。なお後述する発明を実施するための最良の形態の説明及び図面で使用した符号を参考のために括弧書きで付記するが、本発明の構成要素は該付記したものには限定されない。
まず手段1に係る発明は、
各々が識別可能な複数種類の識別情報(第1特別図柄、第2特別図柄)の可変表示を実行して表示結果を導出表示し、該導出表示された表示結果が予め定められた特定表示結果(大当り図柄)となった後に、特定領域(第1特定領域61〜第3特定領域63)を遊技媒体が通過したことに基づいて遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御すると共に、該特定遊技状態に制御されていることを示す特定遊技状態信号(大当り信号)を外部に出力する遊技機(パチンコ遊技機1)の遊技情報を管理する情報管理装置(ホールコンピュータ1200)であって、
前記特定遊技状態信号が入力される入力手段(通信部1207)と、
前記遊技機において前記特定表示結果が導出表示されてから前記入力手段に前記特定遊技状態信号が入力されるまでの待機期間の開始点を特定する開始点特定手段(大当り図柄の導出表示に対応する図柄確定信号が入力されるときに図柄確定信号入力時処理を実行するCPU1202)と、
前記入力手段に入力される特定遊技状態信号に基づいて前記特定遊技状態に制御されている特定遊技状態制御期間の終了点を特定する終了点特定手段(大当り信号がONからOFFに切り替わるタイミングで大当り信号OFF検出時処理を実行するCPU1202)と、
特定された前記開始点および前記終了点に基づいて前記待機期間と前記特定遊技状態制御期間との合計期間において遊技者が獲得した遊技媒体数を集計する集計手段(大当り図柄の導出表示に対応する図柄確定信号の入力から大当り信号がONからOFFに切り替わるまでの期間において集計した差玉数(図柄確定後差玉数)を合計期間差玉数として履歴化するCPU1202)と、を備えることを特徴とする。
これによれば、待機期間と特定遊技状態制御期間との合計期間において遊技者が獲得した遊技媒体数を集計するため、特定遊技状態の発生に伴い遊技者が獲得した実質的な遊技媒体数を把握することができる。
各々が識別可能な複数種類の識別情報(第1特別図柄、第2特別図柄)の可変表示を実行して表示結果を導出表示し、該導出表示された表示結果が予め定められた特定表示結果(大当り図柄)となった後に、特定領域(第1特定領域61〜第3特定領域63)を遊技媒体が通過したことに基づいて遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御すると共に、該特定遊技状態に制御されていることを示す特定遊技状態信号(大当り信号)を外部に出力する遊技機(パチンコ遊技機1)の遊技情報を管理する情報管理装置(ホールコンピュータ1200)であって、
前記特定遊技状態信号が入力される入力手段(通信部1207)と、
前記遊技機において前記特定表示結果が導出表示されてから前記入力手段に前記特定遊技状態信号が入力されるまでの待機期間の開始点を特定する開始点特定手段(大当り図柄の導出表示に対応する図柄確定信号が入力されるときに図柄確定信号入力時処理を実行するCPU1202)と、
前記入力手段に入力される特定遊技状態信号に基づいて前記特定遊技状態に制御されている特定遊技状態制御期間の終了点を特定する終了点特定手段(大当り信号がONからOFFに切り替わるタイミングで大当り信号OFF検出時処理を実行するCPU1202)と、
特定された前記開始点および前記終了点に基づいて前記待機期間と前記特定遊技状態制御期間との合計期間において遊技者が獲得した遊技媒体数を集計する集計手段(大当り図柄の導出表示に対応する図柄確定信号の入力から大当り信号がONからOFFに切り替わるまでの期間において集計した差玉数(図柄確定後差玉数)を合計期間差玉数として履歴化するCPU1202)と、を備えることを特徴とする。
これによれば、待機期間と特定遊技状態制御期間との合計期間において遊技者が獲得した遊技媒体数を集計するため、特定遊技状態の発生に伴い遊技者が獲得した実質的な遊技媒体数を把握することができる。
また手段2に係る発明は、
手段1に記載した情報管理装置であって、
前記待機期間および前記特定遊技状態制御期間を特定する期間特定手段(大当り信号がOFFからONに切り替わるタイミングで大当り信号ON検出時処理を実行するCPU1202)と、をさらに備え、
前記集計手段は、前記待機期間において遊技者が獲得した遊技媒体数と前記特定遊技状態制御期間において遊技者が獲得した遊技媒体数とを個別に集計する(大当り図柄の導出表示に対応する図柄確定信号の入力から大当り信号がOFFからONに切り替わるまでの期間において集計した差玉数(図柄確定後差玉数)を待機期間差玉数として履歴化すると共に、最終的に得られた合算期間差玉数−待機期間差玉数を大当り期間差玉数として算出する)ことを特徴とする。
これによれば、待機期間において遊技者が獲得した遊技媒体数と特定遊技状態制御期間において遊技者が獲得した遊技媒体数とを個別に把握することが可能になり、特定領域の通過しやすさや特定遊技状態における開放領域への入賞し易さを遊技釘により調整する際の指標とすることができる。
手段1に記載した情報管理装置であって、
前記待機期間および前記特定遊技状態制御期間を特定する期間特定手段(大当り信号がOFFからONに切り替わるタイミングで大当り信号ON検出時処理を実行するCPU1202)と、をさらに備え、
前記集計手段は、前記待機期間において遊技者が獲得した遊技媒体数と前記特定遊技状態制御期間において遊技者が獲得した遊技媒体数とを個別に集計する(大当り図柄の導出表示に対応する図柄確定信号の入力から大当り信号がOFFからONに切り替わるまでの期間において集計した差玉数(図柄確定後差玉数)を待機期間差玉数として履歴化すると共に、最終的に得られた合算期間差玉数−待機期間差玉数を大当り期間差玉数として算出する)ことを特徴とする。
これによれば、待機期間において遊技者が獲得した遊技媒体数と特定遊技状態制御期間において遊技者が獲得した遊技媒体数とを個別に把握することが可能になり、特定領域の通過しやすさや特定遊技状態における開放領域への入賞し易さを遊技釘により調整する際の指標とすることができる。
また手段3に係る発明は、
手段1又は2に記載した情報管理装置であって、
前記入力手段には、前記識別情報の可変表示が実行されて表示結果が導出表示されたことに基づいて前記遊技機から外部に出力される表示結果確定信号(図柄確定信号)が入力され、
前記表示結果が前記特定表示結果となることに基づいて当該表示結果の導出表示前に所定態様に変化する前記遊技機の部材(大当り報知LED51)が、該所定態様に変化したこと(点灯したこと)を検出する検出手段(発光検出信号の入力を認識するCPU1202)をさらに備え、
前記開始点特定手段は、前記検出手段により前記部材が前記所定態様に変化したことが検出されたときに、当該検出直後に前記入力手段に入力された表示結果確定信号に基づいて前記開始点を特定する(発光検出信号の入力直後の図柄確定信号の入力時点から図柄確定後差玉数の集計を開始する)ことを特徴とする。
これによれば、遊技機の部材が所定態様に変化したことを検出した場合にのみ、表示結果確定信号の入力に基づいて遊技媒体数の集計を実行するようにすれば良く、処理負担が軽減される。
手段1又は2に記載した情報管理装置であって、
前記入力手段には、前記識別情報の可変表示が実行されて表示結果が導出表示されたことに基づいて前記遊技機から外部に出力される表示結果確定信号(図柄確定信号)が入力され、
前記表示結果が前記特定表示結果となることに基づいて当該表示結果の導出表示前に所定態様に変化する前記遊技機の部材(大当り報知LED51)が、該所定態様に変化したこと(点灯したこと)を検出する検出手段(発光検出信号の入力を認識するCPU1202)をさらに備え、
前記開始点特定手段は、前記検出手段により前記部材が前記所定態様に変化したことが検出されたときに、当該検出直後に前記入力手段に入力された表示結果確定信号に基づいて前記開始点を特定する(発光検出信号の入力直後の図柄確定信号の入力時点から図柄確定後差玉数の集計を開始する)ことを特徴とする。
これによれば、遊技機の部材が所定態様に変化したことを検出した場合にのみ、表示結果確定信号の入力に基づいて遊技媒体数の集計を実行するようにすれば良く、処理負担が軽減される。
また手段4に係る発明は、
手段1又は2に記載した情報管理装置であって、
前記入力手段には、前記識別情報の可変表示が実行されて表示結果が導出表示されたことに基づいて前記遊技機から外部に出力される表示結果確定信号(図柄確定信号)が入力され、
前記表示結果が前記特定表示結果となったことに基づいて前記表示結果確定信号の出力後に所定態様に変化する前記遊技機の部材(大当り報知LED51)が、該所定態様に変化したこと(点灯したこと)を検出する検出手段(発光検出信号の入力を認識するCPU1202)をさらに備え、
前記開始点特定手段は、前記検出手段により前記部材が前記所定態様に変化したことが検出されたときに、当該検出直前に前記入力手段に入力された表示結果確定信号に基づいて前記開始点を特定する(発光検出信号の入力直前の図柄確定信号の入力時点から開始されていた図柄確定後差玉数の集計を継続する)ことを特徴とする。
これによれば、遊技機の部材が所定態様に変化したことを検出した場合にのみ、表示結果確定信号の入力に基づいて実行されている遊技媒体数の集計を継続するようにすれば良く、処理負担が軽減される。
手段1又は2に記載した情報管理装置であって、
前記入力手段には、前記識別情報の可変表示が実行されて表示結果が導出表示されたことに基づいて前記遊技機から外部に出力される表示結果確定信号(図柄確定信号)が入力され、
前記表示結果が前記特定表示結果となったことに基づいて前記表示結果確定信号の出力後に所定態様に変化する前記遊技機の部材(大当り報知LED51)が、該所定態様に変化したこと(点灯したこと)を検出する検出手段(発光検出信号の入力を認識するCPU1202)をさらに備え、
前記開始点特定手段は、前記検出手段により前記部材が前記所定態様に変化したことが検出されたときに、当該検出直前に前記入力手段に入力された表示結果確定信号に基づいて前記開始点を特定する(発光検出信号の入力直前の図柄確定信号の入力時点から開始されていた図柄確定後差玉数の集計を継続する)ことを特徴とする。
これによれば、遊技機の部材が所定態様に変化したことを検出した場合にのみ、表示結果確定信号の入力に基づいて実行されている遊技媒体数の集計を継続するようにすれば良く、処理負担が軽減される。
また手段5に係る発明は、
手段1又は2に記載した情報管理装置であって、
前記入力手段には、前記識別情報の可変表示が実行されて表示結果が導出表示されたことに基づいて前記遊技機から外部に出力される表示結果確定信号(図柄確定信号)が入力され、
前記開始点特定手段は、前記入力手段に前記特定遊技状態信号が入力されたときに、その直前に入力された前記表示結果確定信号に基づいて前記開始点を特定する(図柄確定信号が入力される毎に図柄確定信号入力時処理を実行しておき、大当り信号がOFFからONに切り替わるときには大当り信号ON検出時処理を実行する)ことを特徴とする。
これによれば、遊技機から通常出力される表示結果確定信号および特定遊技状態信号に基づいて遊技媒体数の集計を行うことができる。
手段1又は2に記載した情報管理装置であって、
前記入力手段には、前記識別情報の可変表示が実行されて表示結果が導出表示されたことに基づいて前記遊技機から外部に出力される表示結果確定信号(図柄確定信号)が入力され、
前記開始点特定手段は、前記入力手段に前記特定遊技状態信号が入力されたときに、その直前に入力された前記表示結果確定信号に基づいて前記開始点を特定する(図柄確定信号が入力される毎に図柄確定信号入力時処理を実行しておき、大当り信号がOFFからONに切り替わるときには大当り信号ON検出時処理を実行する)ことを特徴とする。
これによれば、遊技機から通常出力される表示結果確定信号および特定遊技状態信号に基づいて遊技媒体数の集計を行うことができる。
さらに手段6に係る発明は、
手段1〜5のいずれか1に記載した情報管理装置であって、
前記特定領域が複数存在(第1特定領域61、第2特定領域62、第3特定領域63)し、前記特定遊技状態として遊技者に付与する遊技価値が異なる複数の特定遊技状態(5R、10R、15の大当り遊技状態)が存在し、いずれの特定領域を遊技媒体が通過したかに応じて異なる特定遊技状態に制御すると共に、いずれの特定遊技状態に制御されているかを識別可能とするための識別信号(大入賞口の開放期間中に出力される開放信号)を外部に出力する遊技機の遊技情報を管理し、
前記入力手段には前記識別信号が入力され、
前記入力手段に入力された識別信号に基づいていずれの特定遊技状態に制御されているかを識別する特定遊技状態識別手段(開放信号検出時処理においてラウンド数を更新し、大当り信号OFF検出時処理においてラウンド数を履歴化するCPU1202)をさらに備えることを特徴とする。
これによれば各特定遊技状態について、待機期間と特定遊技状態制御期間との合計期間において遊技者が獲得した遊技媒体数を個別に集計することができる。
手段1〜5のいずれか1に記載した情報管理装置であって、
前記特定領域が複数存在(第1特定領域61、第2特定領域62、第3特定領域63)し、前記特定遊技状態として遊技者に付与する遊技価値が異なる複数の特定遊技状態(5R、10R、15の大当り遊技状態)が存在し、いずれの特定領域を遊技媒体が通過したかに応じて異なる特定遊技状態に制御すると共に、いずれの特定遊技状態に制御されているかを識別可能とするための識別信号(大入賞口の開放期間中に出力される開放信号)を外部に出力する遊技機の遊技情報を管理し、
前記入力手段には前記識別信号が入力され、
前記入力手段に入力された識別信号に基づいていずれの特定遊技状態に制御されているかを識別する特定遊技状態識別手段(開放信号検出時処理においてラウンド数を更新し、大当り信号OFF検出時処理においてラウンド数を履歴化するCPU1202)をさらに備えることを特徴とする。
これによれば各特定遊技状態について、待機期間と特定遊技状態制御期間との合計期間において遊技者が獲得した遊技媒体数を個別に集計することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。本発明の実施の形態として、以下に示す第1実施形態〜第3実施形態に係る情報管理装置が含まれる。以下では、まず、第1実施形態に係る情報管理装置について説明し、次に第2実施形態に係る情報管理装置について第1実施形態と異なる点について説明し、最後に第3実施形態に係る情報管理装置について第1実施形態と異なる点について説明する。
[第1実施形態]
図1に示す第1実施形態に係る情報管理装置としてのホールコンピュータ1200は、遊技場において複数配置された遊技島に並設される遊技機としてのパチンコ遊技機1における遊技にて発生した遊技情報を管理する。遊技情報は、図1に示すパチンコ遊技機1や、該パチンコ遊技機1に対応して設けられているアウト玉計数器1120等から出力される各種信号に基づいて集計される。
図1に示す第1実施形態に係る情報管理装置としてのホールコンピュータ1200は、遊技場において複数配置された遊技島に並設される遊技機としてのパチンコ遊技機1における遊技にて発生した遊技情報を管理する。遊技情報は、図1に示すパチンコ遊技機1や、該パチンコ遊技機1に対応して設けられているアウト玉計数器1120等から出力される各種信号に基づいて集計される。
(パチンコ遊技機1)
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図2はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図3は、図2に示す飾り部材90の拡大斜視図である。図4は、大当り種別の制御の特徴を表形式で説明する図である。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図2はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図3は、図2に示す飾り部材90の拡大斜視図である。図4は、大当り種別の制御の特徴を表形式で説明する図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技媒体としての遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球(遊技球)を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。遊技領域7には、遊技球を誘導するための多数の釘8が植設されている。釘8は、植設角度の調整等の所謂釘調整をすることにより、遊技球の流下方向を調整可能な流下方向調整手段としての機能を有する。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9は、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄(飾り図柄)の変動表示(可変表示、更新表示、または、巡回表示ともいう)を行なう変動表示装置に相当する。演出表示装置9では、表示画面上で演出図柄を表示する演出図柄表示領域が設けられており、当該演出図柄表示領域に、たとえば「左」,「中」,「右」の3つ(複数)の演出図柄を変動表示する表示領域としての図柄表示エリアがある。これら3つの演出図柄のそれぞれは、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄である。
演出表示装置9では、後述する第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄(飾り図柄)の変動表示が行なわれる。演出図柄の変動表示は、スクロール表示およびその場切替え表示等の各種の変動態様で実行される。
演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤6における演出表示装置9の上部の左側には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示手段)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。遊技盤6における演出表示装置9の上部の右側には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。
この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(たとえば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、たとえば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。第1特別図柄は、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されていないことを条件に変動表示が実行される。第2特別図柄は、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されていないことを条件に変動表示が実行される。つまり、第1特別図柄と第2特別図柄とは、同時に変動表示されることなく、どちらか一方が変動表示される。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り図柄の導出表示から大当り遊技状態の終了までの期間内ではないこと)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したこと(遊技球が進入したこと)である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
以下の説明においては、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことを第1始動入賞と呼ぶ場合があり、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことを第2始動入賞と呼ぶ場合がある。始動条件は成立しているが開始条件が成立していない変動表示に関するデータは、開始条件が成立するまで特別図柄の変動表示を行なう権利である保留記憶データとして保留して記憶される。具体的に、保留記憶データは、後述する遊技制御用マイクロコンピュータ560のRAM55の所定領域に記憶される。第1始動入賞の保留記憶データは所定数(たとえば、4個)を上限として第1保留記憶データとして第1保留記憶バッファに記憶され、第2始動入賞の保留記憶データは所定数(たとえば、4個)を上限として第2保留記憶データとして第2保留記憶バッファに記憶される。第1始動入賞または第2始動入賞が生じた場合には、RAM55の保留特定領域において、始動入賞順に、第1始動入賞の場合には「第1」のデータが設定され、第2始動入賞の場合には「第2」のデータが設定されることになる。
パチンコ遊技機1には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態になったときに(第1の開始条件(たとえば、保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」のデータであって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り図柄の導出表示から大当り遊技状態の終了までの期間内ではない)が成立しているときに)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始される。これに伴い、保留特定領域に設定されている1番目のデータが削除されて、2番目以降のデータが1ずつシフトされる。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態になったときに(第2の開始条件(たとえば、保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第2」のデータであって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り図柄の導出表示から大当り遊技状態の終了までの期間内ではない)が成立しているときに)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始される。これに伴い、保留特定領域に設定されている1番目のデータが削除されて、2番目以降のデータが1ずつシフトされる。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置9は、遊技領域7の中央部に設けられ、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(飾り図柄)の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。同期とは、変動表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、変動表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが大当り表示結果として停止表示される。前述した第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、および、演出表示装置9は、識別情報の変動表示を行ない表示結果を導出表示する変動表示装置であり、変動表示部として用いられる。
演出表示装置9では、変動表示を開始するときに、たとえば、左,中,右の演出図柄のすべてが変動表示を開始する。そして、変動表示している左,中,右の演出図柄が基本的に所定の順番(たとえば、左演出図柄、右演出図柄、中演出図柄の順番のような予め定められた順番)で停止し、変動表示の開始から予め定められた変動時間が経過したときに、左,中,右の全演出図柄が停止して表示結果が確定する。なお、左,中,右の演出図柄が停止する順番は、左,右,中の図柄の順番以外の順番であってもよい。また、左,中,右の演出図柄は、同時に停止してもよい。
遊技領域7は、遊技者の選択により遊技球を打込む領域が変更可能となる複数の領域を含む。本実施の形態の場合、遊技領域7は、遊技領域の左右方向の中央部を境界として左側の領域が左領域7aと呼ばれ、右側の領域が右領域7bと呼ばれる。なお、遊技領域7の領域分けは、遊技領域7の中央部を境界として左右に分けるもの以外に、たとえば、遊技領域7の中央から左または右に偏在した位置を境界として左右に分けるものであってもよい。たとえば、演出表示装置9等の装置が設けられる飾り部材90は、遊技領域7の中央から左または右に偏在して設けられる場合があるが、そのような場合に、遊技領域7の中央から左または右に偏在した当該飾り部材の頂点を中心として左右に領域が分けられたものであってもよい。つまり、遊技領域7の領域分けは、遊技領域7において、ある位置を中心として遊技領域が複数に分けられているものであればどのような領域分けが行なわれてもよい。また、このように、左領域7aと右領域7bとの複数の領域を含む場合において、遊技球が左領域7aへ流れるように左領域7aを狙って遊技球を打込むことが「左打ち」と呼ばれ、遊技球が右領域7bへ流れるように右領域7bを狙って遊技球を打込むことが「右打ち」と呼ばれる。
パチンコ遊技機1においては、打球操作ハンドル5の操作量に応じて打球発射装置の発射強度を変更することで、右打ちまたは左打ちする等、遊技者の選択により遊技球を打込む領域を変更することができる。
演出表示装置9の下方には、遊技球が入賞(進入)可能な第1始動入賞口13が設けられている。第1始動入賞口13は、遊技領域7の左右方向の中央部に設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。本実施の形態の場合、第1始動入賞口13は、「左打ち」をしたときが「右打ち」をしたときよりも入賞しやすいように、構造物および釘の配列等により遊技球の流路が形成されている。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13の右側方部における右領域7bには、遊技球が入賞(進入)可能な第2始動入賞口14(第2始動口)を有する可変入賞球装置(電動チューリップ)15が設けられている。可変入賞球装置15は、左右一対の可動片18を備え、可動片18の状態により、遊技球が入賞可能な第1の状態(開状態)と遊技球が入賞しない第2の状態(開状態)とに変化可能なものである。可動片18の上方には、上方からの遊技球の入賞を阻止するストッパ部材17が設けられており、閉状態のときには、遊技球が第2始動入賞口14に入賞しない構造とされている。可変入賞球装置15に設けられた第2始動入賞口14は、「右打ち」をしたときが「左打ち」をしたときよりも入賞しやすいように、構造物および釘の配列等により遊技球の流路が形成されている。
第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。
可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15は、閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい(たとえば、ストッパ部材17を設けない構成例)。このように、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞しにくいまたは入賞しない状態であればよい。つまり、可変入賞球装置15は、遊技球が入賞可能な第1の状態(開状態)と該第1の状態よりも遊技球が入賞しにくいまたは入賞しない第2の状態(開状態)とに変化可能なものであればよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
また、遊技領域7には、遊技球の入賞に基づいて予め定められた所定数の賞球の払出を行なうための入賞口(普通入賞口)29,30も設けられている。入賞口29,30に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30aで検出される。
演出表示装置9の下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(たとえば、「○」および「×」)を変動表示する。
演出表示装置9の右側方の右領域7bにおいては、遊技球が進入して通過可能な普図ゲート32が設けられている。普図ゲート32においては、進入した遊技球を検出する普図ゲートスイッチ32aが設けられている。普図ゲート32には、普図ゲート32に進入(通過)した遊技球を検出する普図ゲートスイッチ32aが設けられている。
遊技球が普図ゲート32を通過し普図ゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、たとえば、変動表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄「○」)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。
普通図柄表示器10の近傍には、普図ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示器(たとえば、LED)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。普図ゲート32への遊技球の通過があるごとに、すなわち普図ゲートスイッチ32aによって遊技球が検出されるごとに、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示器を1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器を1減らす。普図保留記憶数の上限値は4つであり、普通図柄保留記憶表示器41においては、この4つを上限値として表示器を点灯する。
第1特別図柄表示器8aの下部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器(たとえば、LED)からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞があるごとに、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの下部には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器(たとえば、LED)からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞があるごとに、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域としての合算保留記憶表示部18cが設けられている。このように、合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられることにより、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部と、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部とのそれぞれの表示領域が設けられるようにしてもよい。
第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、および、合算保留記憶表示部18cで行なわれる保留記憶数等の保留記憶に関する表示は、保留記憶表示と呼ばれる。このように、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、および、合算保留記憶表示部18cでは、変動表示を行なう権利の数を視認可能な態様で各権利に対応する保留記憶表示が行なわれる。
なお、この実施の形態では、図2に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行なう可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行なう可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
遊技領域7の中央の領域においては、演出表示装置9の周囲を枠形状の壁部で囲う態様の飾り部材90が設けられている。飾り部材90の下端部には、遊技球が進入(入賞)可能な第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63という3つの特定領域の領域口が同心円上に分配形成された円盤状の特定領域部60(「3穴クルーン」ともいう。)が設けられたステージ部400が形成されている。特定領域部60は、中心部に向けて傾斜しており、特定領域部60に誘導された遊技球は、中心部に向けて転動していく。
ステージ部400は、流下してくる遊技球を受けるステージ状(舞台状)の部分であり、正面から見て、左右から中央部にかけて下るように傾斜し、かつ、後方から前方にかけて下るように傾斜した形状に形成されている。ステージ部400の正面から見て中央部には、内部に特定領域部60が取付けられる円形の穴よりなる特定領域入口部600が設けられている。
特定領域入口部600内においては、周囲よりも1段下がった位置に特定領域部60が設けられている。ステージ部400の前縁部としての流下縁部40は、遊技球が前縁に向けて転がると、どの位置からでも下方へ流下可能な形状に形成されている。すなわち、ガラス扉枠2のガラスと、ステージ部400の前縁部との間には空間が形成されることにより、ステージ部400において前方に転がった遊技球は、流下縁部40を超えると下方へ流下することとなる。これにより、ステージ部400においては、流下縁部40が、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれにも進入しない遊技球が飾り部材90の外部へ流下する流下経路として用いられる。
なお、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれにも進入しない遊技球が飾り部材90の外部へ流下する流下経路としては、特定領域入口部600内、または、特定領域入口部600外の所定位置に遊技球が進入可能な穴等の開口部を形成し、当該開口部に進入した遊技球を内部に取込まずに遊技領域7に誘導する誘導経路を設け、遊技球を当該誘導経路から放出して流下させるようにしてもよい。
飾り部材90の正面から見て右側の側壁部には、矩形状の穴901が形成されており、当該穴901の外側から内側に挿通する態様で、玉送出装置70が設けられている。玉送出装置70は、飾り部材90の外側において遊技領域7を流下する遊技球を受入れて飾り部材90の内側に送出する装置である。玉送出装置70は、上方に向いて開口した球入口71と、下方に向いて開口した球出口72とを有する湾曲した形状の誘導路73と、当該誘導路73への遊技球の進入を遮蔽する遮蔽状態(閉状態ともいう)と、遊技球の進入を遮蔽しない状態(開状態ともいう)とに変化可能なシャッター状の遮蔽部材75とを含み、遊技球を特定領域部60に向けて送出する手段である。玉送出装置70における球入口71、誘導路73、および、球出口72のそれぞれにおける遊技球の通路は、遊技球を1個ずつ送出するために、1個の遊技球が通過可能な程度の広さで形成されている。
玉送出装置70において、遮蔽部材75は、後述するようなソレノイド(図5のソレノイド34)により駆動され、球入口71の内部において、前後方向に移動することで出没することにより、前述の開状態または閉状態となる。たとえば、ソレノイドが非励磁状態ではバネの弾性力により遮蔽部材75が前方へ付勢されて閉状態となっており、ソレノイドが励磁状態にされると遮蔽部材75がバネの弾性力に抗して後退して開状態となるように構成されている。遮蔽部材75が設けられた位置のよりも下方においては、誘導路73での遊技球の進入(言い換えると遊技球の送出)を検出する送出領域スイッチ33が設けられている。なお、遮蔽部材75を駆動する手段は、このような開状態または閉状態とすることができる駆動手段であれば、ソレノイドに限らず、モータ等のその他の駆動手段を設けてもよい。
玉送出装置70において、遊技領域7においては、球入口71近傍の障害釘Pにより誘導された遊技球等、流下する遊技球が、球入口71に向けて転動する。遮蔽部材75は、通常時は開状態(あるいは開状態と閉状態が所定の周期で切り替わる状態)である。遮蔽部材75が開状態であるときには、遊技球が誘導路73内に進入可能となり、進入した遊技球が誘導路73内で球出口72へ誘導されていく。閉状態であるときは、遊技球は誘導路73に進入できない。開状態であるときに遊技球が誘導路73内に進入して送出領域スイッチ33により検出されると、遮蔽部材75が所定の閉期間(例えば5秒間)の間、閉状態に制御される。遮蔽部75が閉状態となる期間は、遊技球が球入口71に進入してから第1特定領域61、第2特定領域62、および第3特定領域63のいずれかの特定領域を通過するか、または飾り部材90の外部に流出するに十分な期間であればよい。このように、遮蔽部材75は、遊技球が玉送出装置70に1個進入するとただちに閉状態となる。これにより、特定領域を含む飾り部材90の内部に遊技球が1個ずつ受入れられ、1個ずつ送出されることとなる。
このように、同時に複数の遊技球が特定領域部60に向けて送出されることがないので、送出された遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、および第3特定領域63のいずれの特定領域を通過するか、またはいずれの特定領域も通過せずに飾り部材90の外部へ流下するかを把握し易くすることができる。また、送出領域スイッチ33により特定領域部60に向けて送出される遊技球を検出することが可能であるため、この検出に応じた演出を実行することが可能である。
球出口72は、ステージ部400の上方において下方を向いた態様で開口している。たとえば、球出口72は、正面から見て特定領域入口部600の右端部近傍上の位置にある。誘導路73内で球出口72まで誘導された遊技球は、球出口72から、特定領域部60を含むステージ部400へ向けて送出されて落下することとなる。ステージ部400に向けて落下した遊技球は、ステージ部400上で転動し、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれかに進入するか、または、いずれにも進入せずに、流下縁部40から飾り部材90の外部へ流下する。
なお、球出口72の位置は、特定領域部60に対して遊技球を送出できる位置であれば、特定領域部60上のどの位置であってもよく、また、特定領域部60上以外のステージ部400上の位置であってもよい。また、特定領域部60に設けられる特定領域は、複数設けられればよく、3つに限られない。また、球出口72は、遊技球をステージ部400の上方から落下させる位置ではなく、たとえば、遊技球を落下させずにステージ部400の側面から転動する態様で特定領域部60に対して遊技球を送出できる位置に設けてもよい。
第1特定領域61に進入した遊技球は、図6に示すように、パチンコ遊技機1の内部に設けられた第1球通路601に誘導され当該第1球通路601に設けられた第1特定領域スイッチ61aにより検出される。第2特定領域62に進入した遊技球は、パチンコ遊技機1の内部に設けられた第2球通路602に誘導され当該第2球通路602に設けられた第2特定領域スイッチ62aにより検出される。第3特定領域63に進入した遊技球は、パチンコ遊技機1の内部に設けられた第3球通路603に誘導され当該第3球通路603に設けられた第3特定領域スイッチ63aにより検出される。また、第1球通路601、第2球通路602、および第3球通路603のいずれに誘導された遊技球も、その後に下方の共通通路604に誘導され、共通領域スイッチ64aにより検出されることになる。
権利発生状態(大当り図柄が停止して所定のゲート無効期間が経過してから遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうちのいずれかに進入するまでの期間)において玉送出装置70から送出された遊技球が、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれかに進入(入賞)したときは、後述するような大入賞口の開放制御状態(大当り遊技状態)に制御される。具体的には、遊技球が、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、および、第3特定領域スイッチ63aのいずれかにより検出されたとき、または、不正や故障等の要因により遊技球が第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、および、第3特定領域スイッチ63aのいずれでも検出されないが、共通領域スイッチ64aによって検出されたときは、大当り遊技状態に制御される。
一方、一旦閉状態となった遮蔽部材75は所定期間経過後には再度開状態となる。そのため、権利発生状態において玉送出装置70から送出された遊技球が、所定期間内に第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれかに進入しないときでも、再度玉送出装置70に遊技球を受け入れて特定領域部60に送出可能な状態となる。すなわち、遊技球が送出領域スイッチ33で検出されてから所定期間経過しても、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、第3特定領域スイッチ63a、および共通領域スイッチ64aのいずれでも検出されない場合、再度遮蔽部材75を開状態として玉送出装置70に遊技球を受入れて送出する制御が行なわれる。遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうちのいずれかに進入するまで繰返し遊技球を受入れて特定領域部60に送出することになる。
権利発生状態でないときに遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれかに進入すると、所定演出が実行される。所定演出には、音によって実行中の特別図柄の変動表示が大当りとなるか否かを示唆する示唆所定演出や、遊技者に「左打ち」を指示する左打ち指示所定演出等が含まれる。
本実施の形態の場合、普図ゲート32、および、玉送出装置70の球入口71のそれぞれは、右領域7bに設けられており、「右打ち」をしたときに遊技球が進入可能であるが、「左打ち」をしたときには遊技球が進入不可能となるように、構造物および釘の配列等により遊技球の流路が形成されている。なお、普図ゲート32は、「右打ち」をしたときが「左打ち」をしたときよりも遊技球が進入しやすい(遊技球が進入不可能ではない)ように、構造物および釘の配列等により遊技球の流路が形成されてもよい。
パチンコ遊技機1においては、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bによる変動表示の表示結果が大当り表示結果となったとき、そして、このような表示結果に対応して演出表示装置9による変動表示の表示結果が大当り表示結果となったときに、当該大当り表示結果の停止表示から所定のゲート無効期間が経過するまでの期間は、遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうちのいずれに進入しても大当り遊技状態には制御しない(特定領域の通過を無効化する)権利発生前状態に制御される。そして、当該ゲート無効期間が経過してから遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうちのいずれかに進入するまでの期間は権利発生状態に制御される。当該権利発生状態においては、遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうちのいずれかに進入することに基づいて、大当り遊技状態に制御される。すなわち遊技者にとって有利な大入賞口の開放制御状態を実行する権利が発生した権利発生状態に制御される。
そして、権利発生状態において、遊技球が、第1特定領域61に進入して第1特定領域スイッチ61aにより検出され、第2特定領域62に進入して第2特定領域スイッチ62aにより検出され、または、第3特定領域63に進入して第3特定領域スイッチ63aにより検出されると、大入賞口の開放制御状態(大当り遊技状態)に制御される。また、不正や故障等の要因により遊技球が第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、および、第3特定領域スイッチ63aのいずれでも検出されないが、第1特定領域61、第2特定領域62、および第3特定領域63のいずれに進入した遊技球も検出する共通領域スイッチ64aによって検出されたときにも、大当り遊技状態に制御される。つまり、権利発生状態において、遊技球が、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうちいずれかの特定領域を通過することに基づいて、大入賞口の開放制御状態(大当り遊技状態)に制御される。言い換えると、権利発生状態において、遊技球が、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうちいずれかの特定領域を通過することに基づいて、大入賞口の開放制御状態に制御される(大当り遊技状態)という価値が付与される。
本実施の形態では、変動表示の表示結果が大当り表示結果となることに基づいて権利発生状態となり、権利発生状態において遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうちいずれかに進入すると特別可変入賞球装置20の大入賞口を開放する開放制御状態となる。遊技者にとって有利となる大当り遊技状態は、このような権利発生状態後の開放制御状態が該当する。また、権利発生状態は、遊技球が特定領域(第1特定領域61、第2特定領域62、第3特定領域63)に進入すること以外の条件で終了することはない。したがって、変動表示の表示結果が大当り表示結果となったときに、大当り遊技状態(開放制御状態)に制御可能となる所定条件が成立することとなる。変動表示の表示結果を大当り表示結果とするか否かは、変動表示結果が表示される前に事前決定される。したがって、このような事前決定は、開放制御状態(大当り遊技状態)に制御可能な状態とするか否かの事前決定と定義することができる。
また、本実施の形態では、玉送出装置70および飾り部材90においては、玉送出装置70から送出された1つの遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域のいずれにも進入しない流下経路として、ステージ部400の流下縁部40があるので、玉送出装置70から送出された1つの遊技球が、いずれかの特定領域に進入する場合と、いずれの特定領域にも進入しない場合とが生じるため、権利発生状態が成立した後に遊技球がいずれかの特定領域に進入したことに基づいて大当り遊技状態に制御される構成における遊技の興趣を向上させることができる。
なお、権利発生状態とする大当り表示結果を決定することが結果的に開放制御状態に制御することに関与するので、表示結果を決定することを、大当りとするか否かを決定する大当り判定と呼ぶ場合がある。また、本実施の形態では、大入賞口が開放される開放制御状態が遊技者にとって有利な状態であるので、開放制御状態のみを「大当り」と呼ぶが、前述した権利発生前状態および権利発生状態も開放制御状態に制御されることが保証された遊技者にとって有利な状態であるので、権利発生前状態および権利発生状態と開放制御状態とを含めて「大当り」と呼んでもよい。したがって、本実施の形態において「大当り」と呼ぶときは、基本的に開放制御状態を示すが、たとえば「大当り確率」のように権利発生前状態および権利発生状態となる大当り表示結果を決定する確率等のように、「大当り」という概念で示した方が意味が分かりやすくなるときには、権利発生前状態および権利発生状態ならびに開放制御状態を含む概念として、「大当り」と呼ぶ場合がある。
なお、権利発生状態において遊技球が進入したときに開放制御状態(大当り遊技状態)に制御されることとなる特定領域としては、遊技球が進入可能な領域であればよく、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のように遊技球が遊技機1の内部に受入れられる構造の領域であってもよく、遊技球が遊技機1の内部に受入れられず遊技領域7へ流下するゲート構造の領域であってもよい。
また、このような特定領域としては、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のような特定領域専用の領域が設けられてもよく、他の制御または賞球の払出し等の他の目的でも用いられる領域を兼用するものであってもよい。
本実施の形態では、前述したように、遊技領域7における複数の領域(左領域7a、右領域7b)のうちの特別可変入賞球装置20が設けられた領域に、玉送出装置70の球入口71が設けられている。そして、打球操作ハンドル5の操作量に応じて打球発射装置の発射強度を変更することで、右打ちまたは左打ちする等、遊技者の選択により遊技球を打込む領域が変更できるので、遊技者が大入賞口の開放制御状態を開始させる意思を持ったときに開放制御状態を開始させることができるようになり、遊技者の意に反した時期に開放制御状態が開始されてしまうことを防ぐことができる。
演出表示装置9における演出図柄の変動表示中には、リーチ状態が生じる場合がある。ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り図柄の組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り図柄の組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示エリアで同じ図柄が停止し、中の図柄表示エリアで図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示エリアで停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチ(ノーマルリーチ)に比べて、大当り表示結果が発生しやすいように設定され、大当り表示結果となる信頼度が高いものがある。このような特別(特定)のリーチをスーパーリーチという。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様を、変動表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の変動表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果を、変動表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の変動表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに、演出図柄が揃って停止表示される。
また、図2に示すように、遊技領域7における右領域7bには、可変入賞球装置15の下方に、遊技球が入賞可能な特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、大入賞口と呼ばれる入賞口を開閉可能な開閉板を備え、遊技球が入賞可能な開状態(第1の状態)と、遊技球が入賞しない閉状態(第2の状態)とに変化可能な可変入賞装置である。これにより、特別可変入賞球装置20は、右領域7bに設けられており、「右打ち」をしたときに遊技球が進入可能であるが、「左打ち」をしたときには遊技球が進入不可能となるように、構造物および釘の配列等により遊技球の流路が形成されている。なお、特別可変入賞球装置20は、右領域7bに設けられ、「右打ち」をしたときが「左打ち」をしたときよりも遊技球が進入しやすいように、構造物および釘8の配列等により遊技球の流路が形成されてもよい。また、特別可変入賞球装置20は、左領域7aに設けられ、「左打ち」をしたときに遊技球が進入可能であるが、「右打ち」をしたときには遊技球が進入不可能となるように、構造物および釘8の配列等により遊技球の流路が形成されてもよい。また、特別可変入賞球装置20は、左領域7aに設けられ、「左打ち」をしたときが「右打ち」をしたときよりも遊技球が進入しやすいように、構造物および釘の配列等により遊技球の流路が形成されてもよい。また、特別可変入賞球装置20は、特別可変入賞球装置20は、閉状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。このように、特別可変入賞球装置20が閉状態になっている状態は、遊技球が特別可変入賞球装置20に入賞しにくいまたは入賞しない状態であればよい。つまり、特別可変入賞球装置20は、遊技球が入賞可能な第1の状態(開状態)と該第1の状態よりも遊技球が入賞しにくいまたは入賞しない第2の状態(開状態)とに変化可能なものであればよい。
特別可変入賞球装置20は、開放制御状態となったときに、ソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
開放制御状態(大当り遊技状態)においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる(Rという記号で示される場合がある)。また、1の大当り遊技状態における大入賞口の開放回数をラウンド数ということがある。従来のパチンコ遊技機では、権利発生状態において特定領域に遊技球が1個進入すると入賞口が1回開放するものであったので、権利発生状態が終了するまでに遊技球を複数回繰返して特定領域に遊技球を進入させる必要があり、遊技の進行させ方が煩雑なものであった。これに対し、本実施の形態のパチンコ遊技機1では、権利発生状態において第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうちのいずれかに遊技球が一度進入すると、進入した特定領域に応じて決定されたラウンド数に基づいて、第1ラウンドから最終ラウンドまでのすべてのラウンドが実行される大入賞口の開放制御が行なわれる。これにより、本実施の形態のパチンコ遊技機1では、遊技の進行させ方を、簡素なものとすることができ、遊技の進行状況に対応するとともに、遊技の進行させ方を容易にすることができる。また、本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当り表示結果とすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示されるランプ(発光体)としての装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27R,27Lが設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられたランプ(発光体)としての天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。
左枠LED28bの近傍には特別図柄の表示結果が大当り図柄となるときに、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が導出表示される前又は後に点灯する大当り報知LED51が設けられている。また、右枠LED28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。また、左枠LED28bの近傍には、パチンコ遊技機1の電源投入時(起動時)において、バックアップデータに基づいて確変状態となっているときに点灯することで確変状態であることを報知する確変報知LED53が設けられている。当該確変報知LED53は、電源投入時以外のときは、消灯しており、電源投入時にのみ、状態に応じて点灯する。天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾LED25は、パチンコ遊技機1に設けられている演出用の発光体の一例である。なお、上述した演出用(装飾用)の各種LEDの他にも演出のためのLEDやランプが設置されている。
打球供給皿3の右側の所定位置には、押圧操作により遊技者が操作可能な操作ボタン130が設置されている。操作ボタン130には、操作を検出するための操作検出スイッチ131が設けられている。なお、操作ボタン130は、押圧操作するボタンに限らず、押下可能なジョグボタン、および、回動可能なジョグダイアルといった、その他の構成の操作手段により構成されてもよい。このような操作ボタン130は、たとえば、変動表示中の演出に応じて、操作する等、所定の演出が行なわれるときに操作が要求される。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図4においては、(A)に大当り時の制御の概要が表形式で示され、(B)に特定領域の種別と大当り時のラウンド数(ラウンド上限値)との関係が示されている。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に移行する大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
本実施の形態では、通常大当りとして、通常大当りA〜Gという複数種類の通常大当りが設けられており、また、確変大当りとして、確変大当りA〜Gという複数種類の確変大当りが設けられている。これらの大当り種別のうち、いずれの大当り種別とするかは、特別図柄の変動表示が開始されるときに、大当りとすることの決定がされた場合に、抽出された大当り種別判定用乱数の値に基づいて決定される。大当りとすることの決定および大当り種別の決定がされると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにより変動表示が実行されて大当り図柄が導出表示されたことに基づいて権利発生前状態に移行し、所定のゲート無効期間が経過したことに基づいて権利発生状態に移行する。そして、権利発生状態において第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれかを遊技球が通過したことに基づいて、特別可変入賞球装置20の開放態様を選択する(ラウンド数を決定する)開放態様選択処理を実行する。
図4(A)では、通常大当りA〜Gおよび確変大当りA〜Gの大当り種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態の終了後の変動時間、大当り遊技状態における開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
具体的に、通常大当りA〜Gおよび確変大当りA〜Gのそれぞれの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が、ラウンド数の上限値(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
通常大当りA〜Gのそれぞれの大当り遊技状態におけるラウンド数の上限値は、(B)に示されるように、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうち、どの特定領域への遊技球の進入が、権利発生状態から開放制御状態に移行するきっかけとなったか、に応じて選択決定される。そして、通常大当りA〜Gのそれぞれでは、通常大当りの種別ごとに、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のそれぞれの領域に対応するラウンド数の上限値の割振りが異なるように設定されている。
たとえば、通常大当りAの場合、第1特定領域61への遊技球の進入に基づいて開放制御状態に移行したときには、ラウンド数の上限値が5ラウンドに決定される。第2特定領域62への遊技球の進入に基づいて開放制御状態に移行したときには、ラウンド数の上限値が10ラウンドに決定される。第3特定領域63への遊技球の進入に基づいて開放制御状態に移行したときには、ラウンド数の上限値が15ラウンドに決定される。
(B)に示されるように、通常大当りA〜Gのそれぞれの大当り遊技状態におけるラウンド数の上限値を選択するときの遊技者にとっての有利度は、通常大当りA=B=C<D=E=F<Gという関係となるように設定されている。
また、確変大当りA〜Gのそれぞれの大当り遊技状態におけるラウンド数の上限値は、(C)に示されるように、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうち、どの特定領域への遊技球の進入が、権利発生状態から開放制御状態に移行するきっかけとなったか、に応じて選択決定される。そして、確変大当りA〜Gのそれぞれでは、確変大当りの種別ごとに、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のそれぞれの領域に対応するラウンド数の上限値の割振りが異なるように設定されている。
(B)に示されるように、確変大当りA〜Gのそれぞれの大当り遊技状態におけるラウンド数の上限値を選択するときの遊技者にとっての有利度は、確変大当りA=B=C<D=E=F<Gという関係となるように設定されている。
このように、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63は、大当りの種別に応じて、遊技球が進入したときに移行する開放制御状態(大当り遊技状態)でのラウンド数の上限値の割振りが異なるので、遊技球が進入したときに移行する開放制御状態(大当り遊技状態)において付与される価値の大きさの割振りが異なる。
なお、特定領域への遊技球の進入により付与される価値としては、開放制御状態のラウンド数のみに限らず、各ラウンドの開放時間、確変状態に制御するか否か、確変状態の継続を変動表示回数により制限するとき(たとえば、変動表示が100回実行されると確変状態を終了させる等)の確変回数、時短状態に制御するか否か(確変状態に伴って制御する場合と、確変状態に伴わずに制御する場合とを含む)、および、変動パターンの変動時間の長短のうち、いずれか1つ、または、複数の組合せとすることが考えられる。このような場合に、特定領域への遊技球の進入に基づく開放制御状態(大当り遊技状態)において付与される価値の大きさが特定領域の種別により異なるようにするときには、これら価値のうち、いずれか1つ、または、複数の組合せについて、価値の大きさを異ならせるようにすればよい。
この実施の形態では、大当り遊技状態において付与される遊技価値として、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれの特定領域を遊技球が通過したかによって付与される価値の大きさが異なる第1の遊技価値としてのラウンド数と、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれの特定領域を遊技球が通過したかによらず大当り判定のときに付与するか否かが決定される第2の遊技価値としての確変状態が存在する。このように遊技価値の付与態様を多様化することで、遊技の興趣を向上させるようにしている。
このように、大当りとなるときには、権利発生状態においていずれの特定領域に遊技球が進入したかに応じて、開放制御状態におけるラウンド数が選択されるように制御される。
通常大当りA〜Gおよび確変大当りA〜Gのそれぞれについて、ラウンド数が異なる大当りが選択され得るので、ラウンド数が異なる大当りについても種別が異なる大当りとして類別した場合、本実施の形態では、5R通常大当り、10R通常大当り、15R通常大当り、5R確変大当り、10R確変大当り、および、15R確変大当りという複数の種別の大当りが選択され得ることとなる。
この実施の形態では、5R通常大当り、10R通常大当り、および、15R通常大当りのような通常大当りについて、これらを総称して「通常大当り」として示す場合があり、5R通常大当り、10R通常大当り、または、15R通常大当りというように、ラウンド数を特定した通常大当りとして示す場合がある。同様に、この実施の形態では、5R確変大当り、10R確変大当り、および、15R確変大当りのような確変大当りについて、これらを総称して「確変大当り」として示す場合があり、5R確変大当り、10R確変大当り、または、15R確変大当りというように、ラウンド数を特定した確変大当りとして示す場合がある。
なお、本実施の形態では、通常大当りA〜Gおよび確変大当りA〜Gについて、ラウンド数の上限値の選択対象(5R、10R、15R)が同じである例を説明するが、これに限らず、大当り種別により、ラウンド数の上限値の選択対象が異なる(たとえば、確変大当りのときには通常大当りのときよりも選択対象のラウンド数の上限値が大きい等)ようにしてもよい。
本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。また、本願実施の形態では、通常大当りで大当り遊技状態に制御された後についても、時短状態に制御される。なお、通常大当りで大当り遊技状態に制御された後は、時短状態に制御されないようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。
また、本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して電チューサポート制御状態に制御される場合があるようにしてもよい。また、本願実施の形態では、通常大当りで大当り遊技状態に制御された後についても、電チューサポート制御状態に制御される。なお、通常大当りで大当り遊技状態に制御された後は、電チューサポート制御状態に制御されないようにしてもよい。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。また、このような制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
このような電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
さらに、電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、および、開放回数増加制御状態のうちのいずれか複数を組合せた状態に移行させることによって、高ベース状態に移行するようにしてもよい。また、電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、および、開放回数増加制御状態のうちのいずれか1つの状態に移行させることによって、高ベース状態に移行するようにしてもよい。このように、電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、および、開放回数増加制御状態のうち、いずれか1つの状態、いずれか複数(すべての組合せを除く)を組合せた状態、または、すべてを組合せた状態に制御するものであれば、どのような制御を行なうようにしてもよい。
本実施の形態では、特別遊技状態として、確変状態に付随して、時短状態および電チューサポート制御状態に制御される。なお、特別遊技状態として、確変状態とは独立して時短状態および電チューサポート制御状態に制御される場合があるようにしてもよい。その他、特別遊技状態における時短状態と電チューサポート制御状態との関係としては、時短状態に付随して電チューサポート制御状態に制御されるようにしてもよく、時短状態に独立して電チューサポート制御状態に制御されるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、通常大当りの大当り遊技状態後の制御状態として、時短状態および電チューサポート制御状態に制御される。なお、通常大当りの大当り遊技状態後の制御状態として、時短状態とは独立して電チューサポート制御状態に制御される場合があるようにしてもよい。
この実施の形態の場合は、大当り遊技状態の終了後において、特別遊技状態として、確変状態に制御されたときに時短状態および電チューサポート制御状態に制御されるが、確変状態に制御されたときに時短状態および電チューサポート制御状態に制御されない場合があるようにしてもよい。また、大当り遊技状態の終了後において、確変状態に制御されず通常状態となるときは、変動表示回数により期間が制限されずに、次回の大当りが発生するまでの間、時短状態および電チューサポート制御状態に制御されるようにしてもよい。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「高確高ベース状態」、および、「低確高ベース状態」を用いる。なお、「高確低ベース状態」に制御可能となるようにしてもよい。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「高確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「低確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
以上に説明したように、本実施の形態において、確変大当りは、決定されたラウンド数の大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りの場合は、確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態が、変動表示回数とは関係なく、次回の大当りが発生するまでという条件が成立するまでの期間継続する。
また、以上に説明したように、本実施の形態において、通常大当りは、決定されたラウンド数の大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態(低確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。通常大当りの場合は、時短状態、および、電チューサポート制御状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
また、大当りとしては、大当り遊技状態について、ラウンド数が同じであるが、1回の開放時間が長い開放パターンの大当りと、1回の開放時間が短い開放パターンの大当りとを設ける等、ラウンド数が同じであるが開放パターンが異なるものを複数設け、第1特別図柄の変動表示で大当りとなったときと、第2特別図柄の変動表示で大当りとなったときとで異なる選択割合で選択して実行されるようにしてもよい。
本実施の形態のパチンコ遊技機1は、打球操作ハンドル5の操作量を調整することにより発射強度を調整することにより、次のような態様で遊技者が遊技球を左領域7aまたは右領域7bへ打分けることにより、遊技者にとって有利な状態に制御されやすくなるように構成されている。
低確低ベース状態のような低ベース状態においては、時短状態に付随する高ベース状態よりと比べて可変入賞球装置15が開状態になりにくく、第1始動入賞口13の方が第2始動入賞口14よりも遊技球が進入しやすい。したがって、低確低ベース状態においてより多数の始動入賞を得たい場合に、遊技者は、第1始動入賞口13を狙って「左打ち」をすればよい。
また、高確高ベース状態および低確高ベース状態のような大当り遊技状態後の時短状態に付随する高ベース状態においては、電チューサポート制御等により、低ベース状態よりと比べて可変入賞球装置15が開状態になりやすく、第2始動入賞口144の方が第1始動入賞口13よりも遊技球が進入しやすい。したがって、大当り遊技状態後の高ベース状態においてより多数の始動入賞を得たい場合に、第2始動入賞口14が設けられた可変入賞球装置15を開状態にするために、普図ゲート32を狙って「右打ち」をすればよい。
また、特別図柄および演出図柄の変動表示結果が大当り表示結果となって権利発生状態となったときには、遊技球が、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうちいずれかを通過すれば大入賞口の開放制御状態となる大当り遊技状態に制御される。したがって、権利発生状態において大入賞口の開放制御状態に移行させたい場合には、玉送出装置70の球入口71を狙って「右打ち」をすればよい。
また、権利発生状態において遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうちいずれかを通過して大入賞口の開放制御状態となったときには、特別可変入賞球装置20の大入賞口を狙って「右打ち」をすればよい。
図5は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図5には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。払出制御基板37には、プログラムにしたがって入賞に応じた賞球を払出す制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。また、演出制御基板80には、プログラムにしたがって各種演出制御を行なう演出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切替え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。たとえば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行なうことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路503から数値データをランダムRとして読出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRに基づいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否かを決定することにより、大当りとするか否かを決定する。また、大当りとする(大当り表示結果にする)と決定されたときには、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数の値を抽出し、該抽出した乱数に基づいて大当り種別も決定する。そして、大当りとすると決定したときに、当該始動入賞に係る可変表示の表示結果が大当り図柄となり、さらに権利発生状態において第1特定領域61、第2特定領域62、および第3特定領域63のいずれかを遊技球が通過したことに基づいて、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御状態に応じたデータ(特別図柄の可変表示状況を示す特別図柄プロセスフラグや各保留記憶数カウンタの値等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。本実施の形態の場合、このようにバックアップRAMに保存される遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御状態に応じたデータ(バックアップデータ)には、大当り図柄が導出表示されてから権利発生状態が終了するまで(大当り遊技状態が開始されるまで)セットされる停止フラグ、権利発生状態に制御されているときにセットされる権利発生フラグ、大当り遊技状態に制御されているときにセットされる大当り開始フラグ、および、確変状態に制御されているときにセットされる確変フラグに関するデータが含まれている。停止フラグとは、特別図柄の表示結果として大当り図柄が導出表示されたこと、即ち所定条件が成立していることを示すフラグである。権利発生フラグとは、特別図柄の変動表示の結果大当り図柄が導出された後、所定のゲート無効期間(例えば5秒)が経過して、遊技状態を大当り遊技状態とする権利が発生したことを示すフラグである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
従って、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、電力供給時に実行されるメイン処理において、停止フラグを参照することにより、前回電力供給が停止したときに大当り図柄が導出表示されていたが大当り遊技状態が開始されていなかったことを確認可能である。また、権利発生フラグを参照することにより、前回電力供給が停止したときに権利発生状態であったか否かを確認することができる。また、大当り開始フラグを参照することにより、前回電力供給が停止したときに大当り遊技状態であったか否かを確認することができる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、電力供給時に実行されるメイン処理において、停止フラグがセットされているが権利発生フラグがセットされていないときには、前回電力供給が停止したときに権利発生前状態であったことを特定することができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。したがって、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(たとえば、DC30VやDC5V等)の電圧値を監視して、電圧値が予め定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力される。
また、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、第3特定領域スイッチ63a、共通領域スイッチ64a、普図ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29,30、および後述する不正検出基板60からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、玉送出装置70の遮蔽部材75を駆動するソレノイド34、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
ここで、図6に示すように第1特定領域61を通過した遊技球は、第1球通路601に誘導され第1特定領域スイッチ61aにより検出される。第2特定領域62を通過した遊技球は、第2球通路602に誘導され第2特定領域スイッチ62aにより検出される。第3特定領域63を通過した遊技球は、第3球通路603に誘導され第3特定領域スイッチ63aにより検出される。また、第1球通路601、第2球通路602、および第3球通路603のいずれに誘導された遊技球も、その後に下方の共通通路604に誘導され、共通領域スイッチ64aにより検出されることになる。
本実施形態において、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、第3特定領域スイッチ63aは、いずれも公知の誘導形近接スイッチ(JIS C 8201-5-2)であるものとする。例えば、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、および第3特定領域スイッチ63aは、いずれも特許文献1に示されるような高周波発振型の貫通型近接スイッチである。また、本実施形態において、共通領域スイッチ64aは、公知の光電形近接スイッチ(JIS C 8201-5-2)であるものとする。例えば、共通領域スイッチ64aは、投光素子と受光素子との間の光路の遮断(遮光)による光量変化を検出する透過形の光電形近接スイッチである。
このように、特定領域に設けられる遊技球検出手段としての第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、および第3特定領域スイッチ63aは、いずれも誘導形近接スイッチであり、特定領域間では共通の方式で遊技球を検出するようにしている。一方、共通領域に設けられる遊技球検出手段としての共通領域スイッチ64aは光電形近接スイッチであり、特定領域に設けられる遊技球検出手段とは異なる方式で遊技球を検出するようにしている。
不正検出基板60は、遊技者の不正を検出する機能を有しており、具体的には、高周波信号検出機能、磁気検出機能、振動検出機能を有している。例えば、高周波信号検出機能に関しては、特開2002−239169号公報に示されるような技術によって異常な高周波信号が検出される。第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、および第3特定領域スイッチ63aが、いずれも高周波発振型の貫通型近接スイッチである場合、各々のスイッチに接続された信号監視回路が設けられ、いずれかの信号監視回路で異常な高周波信号を検出した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560に不正検出信号が所定期間出力される。また、磁気検出機能により異常磁気が検出された場合、振動検出機能により異常振動が検出された場合にも、遊技制御用マイクロコンピュータ560に不正検出信号が所定期間出力される。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41、および、確変報知LED53の表示制御を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、第3特定領域スイッチ63a、および、入賞口スイッチ29,30のいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに、賞球個数を示す払出制御コマンドとしての賞球個数コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数コマンドが示す賞球個数に応じて駆動信号を供給することで、球払出装置97を駆動する。球払出装置97には、賞球を払出す払出モータが備えられている。払出制御用マイクロコンピュータにより払出モータが回転駆動制御されることにより、払出制御用マイクロコンピュータにより指定された個数の賞球が球払出装置97から払出される。
この場合、払出制御基板37側において、賞球払出が検出され、10個の賞球が払い出される毎に賞球信号が主基板31に入力される。そして、主基板31に入力された賞球信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560を経由することなく、主基板31上をそのまま経由してターミナル基板160を介して外部出力される。なお、主基板31に入力された賞球信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560を一旦経由してから、ターミナル基板160を介して外部出力されるようにしてもよい。
また、遊技球を打撃して発射する打球発射装置は、タッチセンサ基板91上の回路によって制御される発射モータ94を含み、発射モータ94が回転することによって遊技球を遊技領域7に向けて発射する。遊技者が打球操作ハンドル5に触れていることはタッチセンサおよびタッチセンサ回路(遊技者が打球操作ハンドル5に触れているか否かを検出するための検出回路等を含む回路)で検出され、タッチセンサ回路からの信号がオフ状態を示している場合には、発射モータ94の駆動を停止する。
タッチセンサ基板91には、間欠的に繰り返しパルス(ステッピングモータとしての発射モータ94の各相に供給されるパルス信号)を発生するパルス発生器と、単発パルスを発生する単発パルス発生器とが設けられている。タッチセンサ回路からの信号がオン状態を示している場合に、パルス発生器が発生するパルスが発射モータ94に供給される。さらに、打球操作ハンドル5に、または、打球操作ハンドル5の近傍に、発射停止スイッチが設けられ、発射停止スイッチが操作されているときにはパルス発生器のパルス出力が停止される。
なお、パルス発生器のパルス出力は、払出制御基板37からの発射制御信号がオフ状態になったときにも停止される。また、打球発射装置には単発発射スイッチが設けられ、単発発射スイッチが操作されると、単発パルス発生器が発生する単発パルスが発射モータ94に供給される。
なお、この実施の形態では、タッチセンサ基板91にパルス発生器が設けられているが、発射モータ94に供給されるパルスの発生機能を払出制御基板37に持たせてもよい。その場合には、例えば、払出制御用マイクロコンピュータがパルスを発生し、発生されたパルスはタッチセンサ基板91で中継されて発射モータ94に供給される。また、発射停止スイッチの出力は払出制御用マイクロコンピュータに入力され、払出制御用マイクロコンピュータは、下皿満タンや補給球切れが生じたとき、および発射停止スイッチの出力がオフ状態になったときに、パルス出力を停止する。
また、打球発射装置は、遊技球を遊技領域7に打出す打球ハンマ、打球ハンマを付勢するためのコイルばね、コイルばねで付勢された打球ハンマを付勢された位置から解放させるためのカム機構を備え、カム機構が発射モータ94により駆動される。そして、打球操作ハンドル5の回動によりコイルばねの固定位置を変化させてばねの付勢力を調整し、その結果として、打球ハンマの遊技球を打出す力(発射強度)が調整される。
打球発射装置としては、ステッピングモータによる発射モータ94やロータリソレノイドの軸に直接打球ハンマを固定して遊技球を打出す方式のものがある。そのように構成されている場合には、打球操作ハンドル5の回動角度(位置)を可変抵抗器により検出し、検出結果に応じて駆動源としてのステッピングモータおよびロータリソレノイドの動作速度を上げることにより遊技球を打出す力(発射強度)が調整される。
前述のそれぞれの構成において、打球発射装置の発射強度を調整する操作が可能な発射強度操作手段は、回動可能な打球操作ハンドル5に相当する。なお、打球発射装置による遊技球の発射を停止させる操作が可能な発射停止操作手段は、発射停止スイッチに相当する。
さらに、大当り遊技状態に制御されていることを示す大当り信号等の外部出力信号を、パチンコ遊技機1の裏面側上部に設けられたターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路159も主基板31に搭載されている。
本実施形態では、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の変動表示が終了して表示結果が導出表示されたときに、特別図柄が確定したことを示す図柄確定信号が情報出力回路159から出力される。図柄確定信号は所定幅のパルス信号である。また、権利発生状態において遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうちのいずれかに進入したことに基づいて大当り遊技状態に制御されたときに、大当り遊技状態に制御されていることを示す大当り信号が情報出力回路159から出力される。大当り信号は大当り遊技状態の開始から大当り遊技状態の終了(最終ラウンドの終了)まで出力される(ONとなる)信号である。また、特別可変入賞球装置20が開放制御状態のときには、開放制御状態であることを示す開放信号が情報出力回路159から出力される。開放信号は1ラウンドの開始(大入賞口の開放開始)から1ラウンドの終了(大入賞口の開放終了)まで出力される(ONとなる)信号である。さらに、確変状態に制御されている期間は、確変状態に制御されていることを示す確変信号が情報出力回路159から出力される。確変信号は確変状態の開始(確変大当りの大当り遊技状態の終了)から確変状態の終了(大当り遊技状態の開始)まで出力される(ONとなる)信号である。
また、前述したように、賞球が10個払い出される毎にターミナル基板160から賞球信号が出力される。賞球信号は所定幅のパルス信号である。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を変動表示する演出表示装置9との表示制御を行なう。また、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータには、操作ボタン130の操作を検出するための操作検出スイッチ131の操作検出信号が入力される。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤6に設けられている装飾LED25、および枠側に設けられている天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28cの表示制御を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう。
また、遊技制御基板31には、電源電圧を監視する電源監視手段が設けられている。図7は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図7に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムにしたがって動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行なわせる。
本実施形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに、図4(B)および(C)に示されるような、大当り種別毎の特定領域とラウンド数との対応関係が記憶されている。そのため、例えば、決定された大当り種別について、第1特定領域61、第2特定領域62、および第3特定領域の各特定領域に対応するラウンド数の振り分けを演出表示装置9に表示することも可能である。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なうVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドにしたがってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)を予め格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータに基づいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、たとえばダイオードやトランジスタが使用される。図7には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号ごとに設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図5に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
さらに、演出制御用CPU101は、操作検出スイッチ131から入力ドライバ106および入力ポート107を介して、操作検出信号の入力を受ける。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、駆動信号を天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28c等の枠側に設けられている各LEDに供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25に駆動信号を供給する。なお、LED以外の発光体が設けられている場合には、それを駆動する駆動回路(ドライバ)がランプドライバ基板35に搭載される。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27R,27Lに出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(たとえば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
この実施の形態においては、前述したように遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにより大当り図柄が導出表示されたことに基づいて権利発生前状態に移行し、所定のゲート無効期間が経過したことに基づいて権利発生状態に移行する。そして、権利発生状態において第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれかを遊技球が通過したことに基づいて、特別可変入賞球装置20の開放態様を選択する開放態様選択処理を実行する。具体的には、権利発生状態において共通領域スイッチ64aにより遊技球が検出されたこと、または、権利発生状態において第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、および第3特定領域スイッチ63aのいずれかにより遊技球が検出されたが、該検出から所定期間(例えば0.2秒)経過しても共通領域スイッチ64aにより遊技球が検出されなかったことに基づいて、開放態様選択処理が実行される。
即ち、共通領域スイッチ64がオンであっても、スイッチの故障や不正等の要因によって第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、および、第3特定領域スイッチ63aの何れもオンとなっていない場合があるが、この場合にも、開放態様選択処理が実行されることになる。また、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、および、第3特定領域スイッチ63aの何れかがオンとなった場合には、これらの特定領域に設けられたスイッチから共通領域スイッチ64aまでの遊技球の流下時間を考慮すると所定期間(例えば0.2秒)以内に共通領域スイッチ64aもオンとなるはずである。にもかかわらず所定期間以内に共通領域スイッチ64aがオンとならない場合には、故障や不正の要因が考えられる。この場合にも、開放態様選択処理が実行されることになる。ここで、図8〜図11を参照して、開放態様選択処理を具体的に説明する。
開放態様選択処理において、CPU56は、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、第3特定領域スイッチ63a、および共通領域スイッチ64aの検出状況と、不正検出基板60による不正検出状況(不正検出信号が入力されているか否か)を確認する。そして、これらの検出状況が図8(A)に示す検出結果書き換えテーブルに設定されている検出結果、すなわち検出結果1−1、検出結果2−1〜2−3、検出結果3−1〜3−4、検出結果4−1〜4−4のいずれかに該当するか否かを確認する。
検出結果1−1は、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、第3特定領域スイッチ63a、および共通領域スイッチ64aの検出状況によらず、不正検出信号が入力されている場合の検出結果である。
検出結果2−1〜2−3は、不正検出信号が入力されておらず、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、および第3特定領域スイッチ63aのいずれかがオンであるが、共通領域スイッチ64aがオフのときの検出結果である。例えば、不正検出基板60によって検出されないような不正電波によって、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、および第3特定領域スイッチ63aのいずれかがオンとなったが、検出方式の異なる共通領域スイッチ64aはオンとならなかった場合、あるいは共通領域スイッチ64aが埃等により検出能力が低下しており遊技球を検出できなかった場合に、検出結果2−1〜2−3の検出結果となりうる。
検出結果3−1〜3−4は、不正検出信号が入力されておらず、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、および第3特定領域スイッチ63aの2以上のスイッチがオンとなっており、且つ共通領域スイッチ64aがオンのときの検出結果である。例えば、不正検出基板60によって検出されないような不正電波によって、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、および第3特定領域スイッチ63aの1以上がオンとなり、且つ遊技球が実際にいずれかの特定領域を通過して共通領域スイッチ64aにより検出された場合に、検出結果3−1〜3−4の検出結果となりうる。
検出結果4−1〜4−4は、不正検出信号が入力されておらず、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、および第3特定領域スイッチ63aの2以上のスイッチがオンとなっており、且つ共通領域スイッチ64aがオフのときの検出結果である。例えば、不正検出基板60によって検出されないような不正電波によって、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、および第3特定領域スイッチ63aの2以上がオンとなったが、検出方式の異なる共通領域スイッチ64aはオンとならなかった場合、あるいは共通領域スイッチ64aが埃等により検出能力が低下しており遊技球を検出できなかった場合に、検出結果4−1〜4−4の検出結果となりうる。
そしてCPU56は、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、第3特定領域スイッチ63a、および共通領域スイッチ64aの検出状況と、不正検出基板60による不正検出状況が、検出結果1−1、検出結果2−1〜2−3、検出結果3−1〜3−4、検出結果4−1〜4−4のいずれかに該当する場合には、その検出結果を検出結果Dに書き換える処理を行う。検出結果Dとは、図8(B)に示すように、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、および第3特定領域スイッチ63aのいずれもオンとならず、共通領域スイッチ64aのみがオンとなる検出結果である。
一方、CPU56は、検出状況が、検出結果1−1、検出結果2−1〜2−3、検出結果3−1〜3−4、検出結果4−1〜4−4のいずれにも該当しない場合には、検出結果の書き換えを行わない。すなわち、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、および第3特定領域スイッチ63aのいずれか1つのみがオンとなり、且つ、共通領域スイッチ64aがオンになるという正常な検出結果が得られた場合には検出結果の書き換えを行わないことになる。なお、検出結果の書き換えを行わずとも検出結果として検出結果Dが得られる場合もあるが、この場合には、検出結果の書き換えを行わないことになる。
上記のようにして検出結果(書換え後の検出結果を含む)を得たCPU56は、特別図柄の変動開始のときに決定された大当り種別に対応するラウンド数決定テーブルを選択する。図9には、通常大当りA〜通常大当りG、確変大当りA〜確変大当りGの大当り種別毎に設けられているラウンド数決定テーブルの例を示す。ラウンド数決定テーブルには、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、第3特定領域スイッチ63a、および共通領域スイッチ64aの検出結果に応じて、制御される大当り遊技状態のラウンド数が設定されている。ここで設定されるラウンド数は、前述した図4(B)および(C)の通常大当り時ラウンド数選択態様および確変大当り時ラウンド数選択態様で示される各特定領域に割り振られるラウンド数に対応している。ラウンド数決定の要因となる検出結果は検出結果A〜Dに限られており、検出結果A〜D以外の検出結果が得られた場合には、前述したように検出結果Dに書き換えられることになる。
例えば、通常大当りAの場合、図4(B)に示すように、第1特定領域61を遊技球が通過したときに5Rの大当り遊技状態に制御され、第2特定領域62を遊技球が通過したときに10Rの大当り遊技状態に制御され、第3特定領域63を遊技球が通過したときに15Rの大当り遊技状態に制御するものとしている。これは、具体的には、大当り種別として通常大当りAが決定された場合に、図9の通常大当りAに関するラウンド数決定テーブルが参照され、第1特定領域スイッチ61aおよび共通領域スイッチ64aがオンのときに(検出結果Aの場合)に5Rの大当り遊技状態に制御され、第2特定領域スイッチ62aおよび共通領域スイッチ64aがオンのときに(検出結果Bの場合)に10Rの大当り遊技状態に制御され、第3特定領域スイッチ63aおよび共通領域スイッチ64aがオンのときに(検出結果Cの場合)に15Rの大当り遊技状態に制御されることを示している。また、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、および第3特定領域スイッチ63aのいずれもオンではないが、共通領域スイッチ64aのみがオンのとき(検出結果Dの場合)には、当該大当り種別における最低ラウンド数(5R)の大当り遊技状態に制御されることを示している。
図9に示すように、他の大当り種別についても同様に、検出結果A〜Dに応じたラウンド数が設定されており、検出結果Dの場合には当該大当り種別における最低ラウンド数(5R)の大当り遊技状態に制御されることになる。
CPU56は、決定された大当り種別に対応するラウンド数決定テーブルを選択した後、得られた検出結果が検出結果A(第1特定領域スイッチ61aおよび共通領域スイッチ64aがオン)に該当するか否かを確認し、該当するときには、検出結果Aに対応したラウンド数の大当り遊技状態に制御することを決定する。すなわち、大当りのラウンド数の上限値として、第1特定領域61への遊技球の進入に対応したラウンド数を選択決定し、選択決定したラウンド数を示すデータをRAM55のラウンド数記憶領域に記憶し、記憶したラウンド数の大当り遊技状態に制御する。
また、CPU56は、得られた検出結果が検出結果Aに該当しない場合は、検出結果B(第2特定領域スイッチ62aおよび共通領域スイッチ64aがオン)に該当するか否かを確認し、該当するときには、検出結果Bに対応したラウンド数の大当り遊技状態に制御することを決定する。すなわち、大当りのラウンド数の上限値として、第2特定領域62への遊技球の進入に対応したラウンド数を選択決定し、選択決定したラウンド数を示すデータをRAM55のラウンド数記憶領域に記憶し、記憶したラウンド数の大当り遊技状態に制御する。
また、CPU56は、得られた検出結果が検出結果Bに該当しない場合は、検出結果C(第3特定領域スイッチ63aおよび共通領域スイッチ64aがオン)に該当するか否かを確認し、該当するときには、検出結果Cに対応したラウンド数の大当り遊技状態に制御することを決定する。すなわち、大当りのラウンド数の上限値として、第3特定領域63への遊技球の進入に対応したラウンド数を選択決定し、選択決定したラウンド数を示すデータをRAM55のラウンド数記憶領域に記憶し、記憶したラウンド数の大当り遊技状態に制御する。
また、CPU56は、得られた検出結果が検出結果Cに該当しない場合は、検出結果が検出結果D(共通領域スイッチ64aのみがオン)に該当するため、検出結果Dに対応した最低ラウンド数(5R)の大当り遊技状態に制御することを決定する。すなわち、大当りのラウンド数の上限値として、当該大当り種別における最低ラウンド数を選択決定し、選択決定したラウンド数を示すデータをRAM55のラウンド数記憶領域に記憶し、記憶したラウンド数の大当り遊技状態に制御する。
このように、共通領域スイッチ64aのみがオンとなり、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、および第3特定領域スイッチ63aが全てオンではない場合には、不正行為が行われている可能性があるため、決定された大当り種別における最低ラウンド数(5R)の大当り遊技状態に制御することで遊技場の損害を防止するようにしている。
特に、本実施形態では、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、および第3特定領域スイッチ63aは、いずれも誘導形近接スイッチであるのに対して、共通領域スイッチ64aは光電形近接スイッチであり、特定領域と共通領域とで異なる方式で遊技球を検出するようにしている。このような構成とすることにより、不正によって特定領域スイッチと共通領域スイッチの両方を適切なタイミングでオンとする(特定領域がオンとなった0.2秒以内に共通領域をオンとする)ことが困難となり、特定領域スイッチと共通領域スイッチのいずれか一方のみがオンとなって、最低ラウンド数(5R)の大当り遊技状態に制御されることになる。
例えば、図10(A)に示すような検出結果1−1−Aが得られた場合、第1特定領域スイッチ61aおよび共通領域スイッチ64aがオンとなっているが、不正検出信号が入力されているため、検出結果書き換えテーブルの検出結果1−1に該当する。従って、図10(B)に示すように、検出結果が検出結果D(共通領域スイッチ64aのみオン)に書き換えられ、決定された大当り種別における最低ラウンド数(5R)の大当り遊技状態に制御されることになる。このように、特定領域および共通領域の検出結果が正常な場合であっても、不正が検出された場合には、特定領域側の検出を無効とする書き換え処理が行われるため、その結果として、最低ラウンド数の大当り遊技状態に制御されることになり、遊技場の損害を防止することができる。
また、本実施形態では、不正が検出された場合に特定領域の検出を無効とすることにより、共通領域スイッチ64aのみがオンとなった場合(検出結果Dの場合)と共通の処理が実行されることになり、その結果として、最低ラウンド数の大当り遊技状態に制御されることになる。すなわち、不正が検出されたときには、特定領域スイッチおよび共通領域スイッチのうち共通領域スイッチのみが遊技媒体を検出した場合と共通の処理が実行されて、ラウンド数が最低の大当り遊技状態に制御されることになる。従って、不正検出時の制御を複雑化させずに遊技場の不利益を適切に防止することができる。
また、本実施形態では、不正が検出された場合に複数の特定領域各々に対応する特定領域スイッチ(第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、および第3特定領域スイッチ63a)による検出を無効としている。そのため、ラウンド数決定テーブルにおいては、正常時の検出結果A〜C以外に、異常時の検出結果として検出結果Dのみに対するラウンド数を設定しておけば良く、これによりラウンド数決定テーブルの容量を削減し、制御を簡素化することができる。仮に、共通領域スイッチ64a側の検出を無効とするようにした場合、第1特定領域スイッチ61aのみがオンの場合、第2特定領域スイッチ62aのみがオンの場合、および第3特定領域スイッチ63aのみがオンの場合というように、複数存在する特定領域の検出結果に応じてラウンド数を設定しておかなければなくなるため、ラウンド数決定テーブルの容量が増加し、制御も複雑化してしまう。そのため、本実施形態では複数存在する特定領域における遊技球の検出を無効化するようにして、ラウンド数決定時の判定処理を容易化している。
また、例えば、図11(A)に示すような検出結果3−1が得られた場合、第1特定領域スイッチ61aおよび第2特定領域スイッチ62a、ならびに共通領域スイッチ64aがオンとなっているが、不正検出信号が入力されていない。この場合には、検出結果書き換えテーブルの検出結果3−1に該当する。従って、図11(B)に示すように、検出結果が検出結果D(共通領域スイッチ64aのみオン)に書き換えられ、決定された大当り種別における最低ラウンド数(5R)の大当り遊技状態に制御されることになる。このように、不正が検出されていない場合であっても、2以上の特定領域に対応する特定領域スイッチにより遊技球が検出された場合には、不正のおそれがあるため、異常時処理として、ラウンド数が最低の大当り遊技状態に制御するための処理(検出結果Dへの書き換え処理が実行される)。
従って、仮に不正検出基板60のような不正検出手段が設けられていなかったり、不正検出手段が設けられていても検出能力や故障等の要因により不正を検出できない場合であっても、2以上の特定領域に対応する特定領域スイッチにより遊技球が検出された場合には、特定領域側の検出を無効とする書き換え処理が行われて、最低ラウンド数の大当り遊技状態に制御される。これにより、遊技場の損害を防止することができる。例えば、不正検出基板60の高周波信号検出機能によっては検出できないような電波を出力して、誘導形近接スイッチである第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、および第3特定領域スイッチ63aのいずれかをオンとさせるような不正を行う場合、これらの複数のスイッチのうちの目的のスイッチ(最大ラウンド数が割り当てられている特定領域のスイッチ)のみをオンとすることは通常困難であるため、複数のスイッチがオンとなるケースがあり、このような場合には最低ラウンド数の大当り遊技状態に制御されることになる。すなわち、不正検出機能が存在しなかったり、不正検出手段により不正が検出できないケースでも遊技場の損害を防止することができる。
以上に説明したように、開放態様選択処理においては、特定領域スイッチと共通領域スイッチのいずれか一方のみがオンとなっている場合、不正検出信号が入力されている場合、複数の特定領域に対応するスイッチがオンとなっている場合という、不正のおそれがある全てのケースで、決定された大当り種別における最低ラウンド数の大当り遊技状態に強制的に制御されるようにしている。そのため、単に、いずれかの特定領域を通過した遊技球の検出を無効とする場合と比較して、再度の不正を行う余地が無く、遊技場の損害を確実に防止することができる。
また、開放態様選択処理においては、決定された大当り種別に対応したラウンド数決定テーブルを参照して、各特定領域センサ61a〜63aの検出結果と共通領域センサ64aの検出結果に対応したラウンド数を、制御する大当り遊技状態のラウンド数として決定するようにしている。このように、大当り種別によって各特定領域に対応するラウンド数の割り当てが異なっているため、遊技球が通過する特定領域にどのようなラウンド数が割り当てられているか(いずれの大当り遊技状態に制御されるか)について、遊技者の注意を引付けることができる。
なお、この実施の形態では、不正検出時において、第1〜第3特定領域スイッチ61a〜63aによる遊技球の検出を無効化する(検出結果Dに書き換える)ことにより、共通領域スイッチ64aのみが遊技球を検出した場合の制御と共通の制御が実行される(その結果、最低ラウンド数の大当り遊技状態に制御される)例について説明したが、これに限らず、不正検出時において、共通領域スイッチ64aによる遊技球の検出を無効化することにより、第1〜第3特定領域スイッチ61a〜63aのいずれか1つのみが遊技球を検出した場合の制御と共通の制御が実行される(その結果、最低ラウンド数の大当り遊技状態に制御される)ようにしても良い。
また、この実施の形態では、第1〜第3特定領域スイッチ61a〜63aによる遊技球の検出方式(誘導形近接スイッチ)と、共通領域スイッチ64aによる遊技球の検出方式(光電形近接スイッチ)とが異なる例について説明したが、これに限らず、両者の検出方式が共通であっても良い。また、第1〜第3特定領域スイッチ61a〜63aや、共通領域スイッチ64aとして、例えば、静電容量形近接スイッチや、超音波形近接スイッチ等、他の検出方式のスイッチを用いるようにしても良い。
また、この実施の形態では、不正検出信号が入力された場合には、第1〜第3特定領域スイッチ61a〜63aによる検出結果を書き換えて検出を無効化することで、共通領域スイッチ64aによる検出結果のみが有効となり、その結果、最低ラウンド数の大当り遊技状態に制御される例について説明したが、これに限らず、第1〜第3特定領域スイッチ61a〜63aにおける検出処理自体を実行しないようにしても良い。例えば、不正検出信号の入力状況をチェックする不正検出処理を、第1〜第3特定領域スイッチ61a〜63aによる遊技球の検出状況をチェックする検出スイッチ処理に先立って実行するようにしておき、スイッチ処理では不正検出信号が入力されていることを条件として、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、および第3特定領域スイッチ63aからの検出信号の入力判定をスキップするようにしても良い。このようにすることで、共通領域スイッチ64aのみが有効な検出を行うことになり、結果として最低ラウンド数の大当り遊技状態に制御される。
次に、本実施の形態における停止フラグ、ゲート無効タイマ、権利発生フラグ、進入管理タイマ及び大当り開始フラグの管理例を、図12を参照して説明する。特別図柄の変動において大当り図柄が停止するまでの期間(期間A)は、停止フラグ、権利発生フラグ、大当り開始フラグはOFF(未セット)であり、ゲート無効タイマと進入管理タイマは0である。大当り図柄が停止すると、ゲート無効タイマが所定時間(T1)にセットされ、停止フラグがONとなる。そして、ゲート無効タイマが0となるまでの期間(期間B)は第1〜第3特別領域スイッチは無効であり、この間に遊技球が特定領域に侵入してもなにも起こらない(ゲート無効期間)。
ここで本実施形態におけるゲート無効期間は、遊技球が送出領域スイッチ33により検出されてから、第1特定領域61、第2特定領域62、および第3特定領域63のいずれかを通過するまでに要する時間よりも長い時間(送出領域スイッチ33により検出された遊技球がいずれかの特定領域を通過したことが確定できるような時間であり、例えば5秒)に設定されているため、少なくとも大当り図柄が導出表示されたときに送出領域スイッチ33により検出されていた遊技球が、第1特定領域61、第2特定領域62、または第3特定領域63を通過したとしても、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、または第3特定領域スイッチ63aによる遊技球の検出は無効化されることになる。
このように、大当り図柄が導出表示されている状態であっても(停止フラグがセットされている状態であっても)、権利発生状態でなければ大当り開始フラグがセットされず特定遊技状態には制御されない。これにより、大当り図柄の導出表示直後に、特定領域部60付近に到達していた遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、および第3特定領域63のいずれかを通過して直ちに大当り遊技状態に制御されてしまうことを防止することができる。本実施形態のような遊技機では、大当り図柄の導出表示後に、遊技球が特定領域を通過すること(即ち、大当り遊技状態に制御されるタイミング)を見届けるという2段階の制御によって遊技性を高めるようにしており、大当り図柄の導出表示直後に、遊技球がいずれかの特定領域を通過して大当り遊技状態に制御されてしまうことで、このような遊技性が損なわれることになる。これに対して、本実施形態では、大当り図柄の導出表示後(停止フラグがセットされてから)、所定のゲート無効期間(例えば5秒)を経た後に権利発生状態となるため、大当り図柄の導出表示直後に、遊技球がいずれかの特定領域を通過して大当り遊技状態に制御されてしまうことを防止することができる。
なお、上記ゲート無効期間は、遊技球が発射されてから、第1特定領域61、第2特定領域62、および第3特定領域63のいずれかを通過するまでに要する時間よりも長い時間(発射された遊技球がいずれかの特定領域を通過したことが確定できるような時間であり、例えば8秒)に設定するようにしても良い。このようにすることで、遊技者が大当り図柄の導出表示を見届けてから特定領域部60へ向けて発射した遊技球、すなわち、第1特定領域61、第2特定領域62、および第3特定領域63のいずれかを通過させようと意図して発射した遊技球が、いずれの特定領域を通過するかを見届けることが可能になり、遊技性がより高められることになる。
そして、ゲート無効期間が経過すると、権利発生フラグがセットされ、第1〜第3特別領域スイッチが有効となる(期間C)。この期間Cは、遊技球が特定領域に侵入して第1〜第3特別領域スイッチがONとなることを待ち受ける期間である。期間Cにおいて玉送出装置70の送出領域スイッチ33がONとなると(遊技球が検出されると)、遊技球を1個ずつ特定領域部60に送出するため進入管理タイマが所定時間(T2、ここでは5秒)に相当する値にセットされる。進入管理タイマが0となるまで(閉期間、図12の一点鎖線矢印)は、遮蔽部材75は閉状態となり、遊技球は玉送出装置70に進入できない。そして、遊技球が第1〜第3特定領域の何れかを通過すると、大当り開始フラグがセットされ、大当り遊技状態が開始される。
ここで、大当り図柄が導出表示されてから大当り遊技状態に制御されるまで(特定領域を遊技球が通過するまで)の区間B又は区間Cにおいて、パチンコ遊技機1への電源供給が停止された場合には、電源供給の再開時に、停電復旧コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されることになる。このとき、本実施形態では、停電復旧コマンドの送信に伴い、停止フラグのセット状況を示すコマンドも送信される。区間B又は区間Cで電源供給が停止されていた場合には、停止フラグがセットされている。
演出制御用CPU101では、受信した停止フラグのセット状況を示すコマンドを解析し、停止フラグがセットされていることを示している場合には、演出表示装置9に、例えば「クルーンを狙え!!」の文字を表示するようにして、遊技者に特定領域部60を狙って遊技球を発射させるように促す報知を実行する。このようにすることで、電源供給が再開されたときに、大当り図柄が導出表示されているが大当り遊技状態には制御されていないことを遊技者に把握させると共に、特定領域に遊技球を通過させるよう促すことで混乱を防止することができる。
このように、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する際に、停止フラグのセット状況に応じたコマンドも送信することにより、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、電力供給が停止されたときに停止フラグがセットされていたか否か(大当り図柄は導出表示されていたが大当り遊技状態には制御されていない状態であったか否か)を把握可能であり、停止フラグがセットされていたことに基づいて、遊技者に右打ちを示唆する報知(「クルーンを狙え!!」の表示)を行うことが可能である。
なお、この実施の形態では、ゲート無効期間は、送出領域スイッチ33により検出された遊技球がいずれかの特定領域を通過したことが確定できるような時間であり、これにより、少なくとも大当り図柄が導出表示されたときに送出領域スイッチ33により検出されていた遊技球が、いずれかの特定領域を通過したとしても、特定領域スイッチ61a〜63aによる当該遊技球の検出は無効化される例について説明したが、これに限らず、大当り図柄が導出表示されたときに送出領域スイッチ33により遊技球が検出されていた場合に、該検出されたタイミングをゲート無効期間の開始時点とするようにしても良い。このようにしても、大当り図柄が導出表示されたときに送出スイッチ33により検出されていた遊技球が、いずれかの特定領域を通過したとしても、特定領域スイッチ61a〜63aによる当該遊技球の検出は無効化される。
(遊技情報の集計)
図1に戻り、上述したパチンコ遊技機1の下方には、該パチンコ遊技機1において遊技に使用されて、該パチンコ遊技機1から排出された遊技球(アウト玉)を計数するアウト玉計数器1120が設けられている。所定数(例えば10玉)のアウト玉が計数される毎にアウト玉計数器1120から打込信号が出力される。打込信号は所定幅のパルス信号である。
図1に戻り、上述したパチンコ遊技機1の下方には、該パチンコ遊技機1において遊技に使用されて、該パチンコ遊技機1から排出された遊技球(アウト玉)を計数するアウト玉計数器1120が設けられている。所定数(例えば10玉)のアウト玉が計数される毎にアウト玉計数器1120から打込信号が出力される。打込信号は所定幅のパルス信号である。
ターミナル基板160から出力される賞球信号、大当り信号、開放信号、図柄確定信号、および確変信号、ならびに、アウト玉計数器1120から出力される打込信号が、台端末1220等の中継機器および通信ケーブルを介してホールコンピュータ1200の通信部1207に入力されることで、該ホールコンピュータ1200において各パチンコ遊技機1の遊技情報を集計できるようになっている。台端末1220等の中継機器には複数のパチンコ遊技機1(およびこれに対応するアウト玉計数器1120)からの出力信号が入力される。台端末1220等の中継機器からは、入力信号に対応させて当該信号を出力した(または当該信号を出力したアウト玉計数器1120に対応する)パチンコ遊技機1を識別可能な台識別情報(例えば中継機器の信号入力端子に対応して付された識別情報)が出力される。これにより、ホールコンピュータ1200等の情報管理装置においては、台識別情報に対応させた台番号毎に遊技情報を管理することが可能となる。
次いで、本実施形態に係るホールコンピュータ1200の構成を図1に基づいて説明する。本実施例のホールコンピュータ1200は、コンピュータ内部にてデータの送受を行うデータバス1201に、当該ホールコンピュータ1200が実施する各種処理を実施する記憶制御手段としてのCPU1202、ワークメモリ等として使用されるRAM1203、磁気ディスクや光磁気ディスクから成る記憶装置1204、キーボードやマウス等の入力装置1205、各種画面等を表示出力するための表示装置1206や、台端末1220等の中継機器とのデータ通信を行う受信手段としての通信部1207が接続された通常のコンピュータである。
前記記憶装置1206には、該ホールコンピュータ1200が実施する各種処理内容が記述された処理プログラムに加えて、図13に示す全体テーブルと、図14に示す台別履歴テーブルと、図15に示す台別統計テーブルが記憶されている。
全体テーブルには、図13に示すように、遊技場に設置されている各パチンコ遊技機1の台番号に対応付けて、当該パチンコ遊技機1が通常状態(低確率状態)であるか確変状態(高確率状態)であるかを示す「遊技状態」と、大当り遊技状態に制御されているか否かを示す「大当り信号」と、大当り遊技状態に制御されている場合の現在のラウンド数を示す「ラウンド数」と、当日払い出された賞球数の合計を示す「総賞球数」と、当日打ち込まれた打込玉数の合計を示す「総打込玉数」と、「総打込玉数」−「総賞球数」により算出される「総差玉数」と、当日の特別図柄の変動表示回数を示す「総スタート回数」と、当日の大当り発生回数を示す「総大当り回数」と、当日の確変大当り回数を示す「総確変回数」と、直前の図柄確定信号入力後からの賞球数を示す「図柄確定後賞球数」と、直前の図柄確定信号入力後からの打込玉数を示す「図柄確定後打込玉数」と、「図柄確定後打込玉数」−「図柄確定後賞球数」により算出される「図柄確定後差玉数」とが記憶されている。
台別履歴テーブルは、図14に示すように、台番号毎に設けられており、当該台番号のパチンコ遊技機1において当日発生した全ての大当りの履歴が記憶されている。「大当り番号」は、当日発生した大当りの順番に応じて付される大当り遊技状態の識別番号であり、「ラウンド数」は、当該大当り遊技状態のラウンド数(最終ラウンド数)を示し、「待機期間差玉数」は、当該大当り遊技状態に係る大当り図柄の導出表示から大当り遊技状態に制御されるまでの期間(前述した権利発生前状態および権利発生状態を合計した期間)における差玉数(当該期間における打込玉数−当該期間における賞球数)を示し、「大当り期間差玉数」は、当該大当り遊技状態に制御されている期間における差玉数(当該期間における打込玉数−当該期間における賞球数)を示している。
台別統計テーブルは、図15に示すように、台番号毎に設けられており、当該台番号のパチンコ遊技機1において当日発生した大当りの統計情報が記憶されている。「待機期間平均差玉数」は、当日発生した全ての大当りにおける「待機期間差玉数」の平均値を示しており、「大当り回数」は、ラウンド数の異なる複数の大当り遊技状態(この例では5R、10R、15R)各々について、当日発生した回数を示しており、「大当り期間平均差玉数」は、ラウンド数の異なる複数の大当り遊技状態(この例では5R、10R、15R)各々について、当日における「大当り期間差玉数」の平均値を示している。
次に図16を用いて、パチンコ遊技機1において大当り遊技状態に制御される場合のホールコンピュータ1200における差玉の集計方法について説明する。パチンコ遊技機1において特別図柄の変動表示が実行されて大当り図柄が導出表示されると、これに伴い、図柄確定信号がホールコンピュータ1200に入力される(このタイミングを(1)として示す)。そして、パチンコ遊技機1においては前述したようにゲート無効期間を経て権利発生状態となり、該権利発生状態において第1特定領域61〜第3特定領域63のいずれかを遊技球が通過すると、開放態様選択処理が実行されて大当り遊技状態のラウンド数が決定される。この例では5ラウンドに決定されたものとする。そして、該決定されたラウンド数の大当り遊技状態に制御され、大当り信号がONになる(このタイミングを(2)として示す)。大当り遊技状態の開始に伴い大入賞口が開放されて、各ラウンド(1R〜5R)の開放期間(例えば10個の遊技球が入賞するまでの期間または29秒)に応じて開放信号がONになる。そして、最終ラウンドの終了に伴い大当り遊技状態が終了して、大当り信号がOFFになる(このタイミングを(3)として示す)。
この実施の形態では、ホールコンピュータ1200は、図柄確定信号の入力から大当り信号がONとなるまでの待機期間、すなわち(1)から(2)までの期間の差玉数を「待機期間差玉数」として集計する。また、図柄確定信号の入力から大当り信号がOFFとなるまでの合計期間、すなわち(1)から(3)までの期間の差玉数を「合計期間差玉数」として集計する。また、大当り信号がONとなってから大当り信号がOFFとなるまでの大当り期間、すなわち(2)から(3)までの期間の差玉数を「大当り期間差玉数」として集計する。「大当り期間差玉数」は「合計期間差玉数」−「待機期間差玉数」により算出される。
次に、ホールコンピュータ1200が実行する遊技情報集計処理について図17〜図23を用いて説明する。CPU1202は、賞球信号、打込信号、および図柄確定信号の入力、ならびに、大当り信号、開放信号、および確変信号の切り替わり(OFFからON、ONからOFFへの変化)を待機しており、これらの検出に伴い、検出結果に応じた集計処理を実行する。
図17に示すように、CPU1202は、賞球信号の入力を検出した場合には(S300でYES)、図18に示す賞球信号入力時処理を実行する(S310)。賞球信号入力時処理では、まず、全体テーブルにおいて総賞球数を10加算し(S311)、[総打込玉数−更新後の総賞球数]により総差玉数を更新する(S312)。さらに、図柄確定後賞球数を10加算し(S313)、[図柄確定後打込玉数−更新後の図柄確定後賞球数]により図柄確定後差玉数を更新する(S314)。
図17に示すように、CPU1202は、打込信号の入力を検出した場合には(S301でYES)、図19に示す打込信号入力時処理を実行する(S320)。打込信号入力時処理では、まず、全体テーブルにおいて総打込玉数を10加算し(S321)、[更新後の総打込玉数−総賞球数]により総差玉数を更新する(S322)。さらに、図柄確定後打込玉数を10加算し(S323)、[更新後の図柄確定後打込玉数−図柄確定後賞球数]により図柄確定後差玉数を更新する(S324)。
図17に示すように、CPU1202は、図柄確定信号の入力を検出した場合には(S302でYES)、図20に示す図柄確定信号入力時処理を実行する(S330)。図柄確定信号入力時処理では、まず、全体テーブルにおいて総スタート回数を1加算し(S331)、図柄確定後賞球数を0にリセットし(S332)、図柄確定後打込玉数を0にリセットし(S333)、図柄確定後差玉数を0にリセットする(S334)。このようにして、図柄確定後賞球数、図柄確定後打込玉数、および図柄確定後差玉数は、図柄確定信号の入力毎に0にリセットされる。
図17に示すように、CPU1202は、大当り信号のOFFからONへの切り替わり(立ち上がり)を検出した場合には(S303でY)、図21に示す大当り信号ON検出時処理を実行する(S340)。大当り信号ON検出時処理では、まず、全体テーブルにおいて大当り信号をONに更新し(S341)、総大当り回数を1加算する(S342)。また、台別履歴テーブルにおいて加算更新後の大当り回数を大当り番号として記憶し(S343)、全体テーブルにおける図柄確定後差玉数を台別履歴テーブルにおける待機期間差玉数として履歴化する(S344)。S344のタイミングにおいて、図柄確定後差玉数は、大当り図柄が導出表示されてから大当り遊技状態が開始されるまでの期間の差玉数に相当する。
図17に示すように、CPU1202は、開放信号のOFFからONへの切り替わり(立ち上がり)を検出した場合には(S304でY)、図22に示す開放信号検出時処理を実行する(S350)。開放信号検出時処理では、全体テーブルにおいてラウンド数を1加算する。
図17に示すように、CPU1202は、大当り信号のONからOFFへの切り替わり(立ち下がり)を検出した場合には(S305でY)、図23に示す大当り信号OFF検出時処理を実行する(S360)。大当り信号OFF検出時処理では、まず、全体テーブルにおいて大当り信号をOFFに更新し(S361)、全体テーブルにおけるラウンド数を台別履歴テーブルにおけるラウンド数として履歴化した後(S362)、全体テーブルにおけるラウンド数を0にリセットする(S363)。さらに、全体テーブルにおける図柄確定後差玉数を台別履歴テーブルにおける合計期間差玉数として履歴化し(S364)、台別履歴テーブルにおいて「合計期間差玉数」−「待機期間差玉数」を「大当り期間差玉数」として履歴化する(S365)。S364のタイミングにおいて、合計期間差玉数は、大当り図柄が導出表示されてから大当り遊技状態が終了するまでの期間の差玉数に相当する。
このように、大当り図柄が導出表示されたことに伴って権利発生状態となり、権利発生状態において遊技球が第1特定領域61〜第3特定領域63のいずれかを通過したことに基づいて大当り遊技状態に制御される場合において、大当り期間のみならず待機期間と大当り期間との合計期間における差玉数を集計することにより、大当り発生に伴って実質的に遊技者が獲得する遊技球数を把握することが可能となる。例えば、大入賞口への入賞が容易であっても、権利発生状態において遊技球が第1特定領域61〜第3特定領域63を通過することが困難である場合には、権利発生状態の期間は打込玉数がかさむことになる。その分、遊技者が大当り発生に伴って実質的に獲得可能な遊技球数は減少することになる。すなわち、単に大当り期間のみの差玉数を集計したのでは、大当り発生による遊技者の有利度を正確に把握することができない。本実施の形態では、大当り期間のみならず待機期間も含めた合計期間の差玉数を集計することにより、大当り発生による遊技者の有利度を正確に把握することが可能となる。
また、この実施の形態では、大当り図柄の導出表示から大当り遊技状態に制御されるまでの待機期間における待機期間差玉数と、大当り遊技状態に制御されている大当り期間における大当り期間差玉数とを個別に把握することが可能となる。待機期間差玉数は球入口71近傍の障害釘Pを調整する際の指標とすることができ、大当り期間差玉数は特別可変入賞球装置20近傍の障害釘を調整する際の指標とすることができる。例えば、待機期間差玉数の値が小さい(賞球数に対しての打込玉数が少なく遊技者にとって有利であることを示す)場合には、球入賞口71への入賞が困難(即ち、特定領域への入賞が困難)となるように、球入口71近傍の障害釘Pを調整するようにする。また、大当り期間差玉数の値が大きい(賞球数に対しての打込玉数が多く遊技者にとって不利であることを示す)場合には、大入賞口への入賞が容易となるように、特別可変入賞球装置20近傍の障害釘を調整するようにする。
また、この実施の形態では、通常のパチンコ遊技機(およびこれに対応するアウト玉計数器)から出力される図柄確定信号および大当り信号に基づいて、大当り信号の入力直前に入力された図柄確定信号の入力タイミングを待機期間の開始点(すなわち待機期間の開始点)として、待機期間差玉数および合計期間差玉数の集計を実行することが可能である。すなわち、大当り図柄が導出表示されたタイミングを特定するために特殊な手段を用いることなく、待機期間差玉および合計期間差玉の集計を行うことができる。
図17に示すように、CPU1202は、確変信号のONからOFFへの切り替わり(立ち上がり)を検出した場合には(S306でY)、全体テーブルにおいて遊技状態を確変状態に更新し(S370)、総確変回数を1加算する(S371)。
図17に示すように、CPU1202は、確変信号のOFFからONへの切り替わり(立ち下がり)を検出した場合には(S307でY)、全体テーブルにおいて遊技状態を通常状態に更新する(S372)。
なお、図15に示した台別統計テーブルは、台別履歴テーブルに基づいて以下のようにして更新される。まず、台別履歴テーブルにおける最新の大当り番号について、前述した集計処理に基づいてラウンド数、待機期間差玉数、大当り期間差玉数、および合計期間差玉数が履歴化された場合に、当該台別履歴テーブルにおける全ての待機期間差玉数を対象とした平均値を算出して、台別統計テーブルの待機期間平均差玉数とする。また、台別履歴テーブルにおける最新の大当り番号に対応するラウンド数(5R、10R、または15R)に基づいて台別統計テーブルにおいて当該ラウンド数の大当り回数を1加算する。また、台別履歴テーブルにおける最新の大当り番号に対応するラウンド数(5R、10R、または15R)と同じラウンド数の大当り期間差玉数を対象とした平均値を算出して、台別統計テーブルにおいて当該ラウンド数(5R、10R、または15R)に対応する大当り期間平均差玉数とする。また、台別履歴テーブルにおける最新の大当り番号に対応するラウンド数(5R、10R、または15R)と同じラウンド数の合計期間差玉数を対象とした平均値を算出して、台別統計テーブルにおいて当該ラウンド数(5R、10R、または15R)に対応する合計期間平均差玉数とする。
このように、大当り遊技状態のラウンド数を特定可能な開放信号が入力されることにより、ラウンド数が異なる複数の大当り遊技状態が存在する場合に、いずれのラウンド数の大当り遊技状態に制御されたのかを識別することが可能となる。これにより、ラウンド数が異なる複数の大当り遊技状態毎に大当り回数、大当り期間平均差玉数、および合計期間平均差玉数を集計することが可能となる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る情報管理装置としてのホールコンピュータ1200について、第1実施形態と異なる点について説明する。第2実施形態に係るパチンコ遊技機1には、特別図柄の表示結果が大当り図柄となるときに、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が導出表示される前、すなわち大当り図柄の導出表示に基づく図柄確定信号が出力される前に点灯する大当り報知LED51が設けられている。
次に、第2実施形態に係る情報管理装置としてのホールコンピュータ1200について、第1実施形態と異なる点について説明する。第2実施形態に係るパチンコ遊技機1には、特別図柄の表示結果が大当り図柄となるときに、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が導出表示される前、すなわち大当り図柄の導出表示に基づく図柄確定信号が出力される前に点灯する大当り報知LED51が設けられている。
第2実施形態においては、大当り報知LED51の発光を検出する発光検出センサ1210が配置されている。例えば、発光検出センサ1210はフォトダイオードにより構成されており、大当り報知LED51から受光したことに基づいて所定の発光検出信号を出力する。発光検出信号は所定幅のパルス信号である。発光検出信号は、台端末1220等の中継機器を経由して台識別情報と共にホールコンピュータ1200の通信部1207に入力される。CPU1202は、該入力された発光検出信号に基づいて当該台番号のパチンコ遊技機1において大当り図柄が導出表示されること(大当りが発生すること)を検出する。即ち、CPU1202は、大当り図柄の導出表示前に、当該台番号のパチンコ遊技機1において大当り図柄が導出表示されることを検出することになる。
次に図24を用いて、第2実施形態に係るホールコンピュータ1200における差玉の集計方法について説明する。パチンコ遊技機1において特別図柄の変動表示が実行されて大当り図柄が導出表示される場合には、特別図柄の変動表示中であって大当り図柄の導出表示前(例えば導出表示直前)に大当り報知LED51が点灯することにより大当りが報知される。これに伴い、大当り報知LED51の発光を検出した発光検出センサ1210が発光検出信号を出力し、該発光検出信号がホールコンピュータ1200に入力される(このタイミングを(1)として示す)。この(1)のタイミングで発光検出フラグがセットされる。そして、その後に大当り図柄が導出表示されて図柄確定信号がホールコンピュータ1200に入力される(このタイミングを(2)として示す)。この(2)のタイミングで発光検出フラグがリセットされて、集計フラグがセットされる。そして、パチンコ遊技機1においては前述したようにゲート無効期間を経て権利発生状態となり、該権利発生状態において第1特定領域61〜第3特定領域63のいずれかを遊技球が通過すると、開放態様選択処理が実行されて大当り遊技状態のラウンド数が決定される。そして、該決定されたラウンド数の大当り遊技状態に制御され、大当り信号がONになる(このタイミングを(3)として示す)。そして、最終ラウンドの終了に伴い大当り遊技状態が終了して、大当り信号がOFFになる(このタイミングを(4)として示す)。
この実施の形態では、ホールコンピュータ1200は、発光検出信号の直後に入力された図柄確定信号に基づいて、該図柄確定信号の入力から大当り信号がOFFとなるまでの期間についてのみ(この(2)〜(4)の期間は集計フラグがセットされている)、全体テーブルの図柄確定後賞球数、図柄確定後打込玉数、および図柄確定後差玉数を集計することになる。
次に、第2実施形態に係るホールコンピュータ1200が実行する遊技情報集計処理について図25〜図28を用いて説明する。CPU1202は、賞球信号、打込信号、図柄確定信号、および発光検出信号の入力、ならびに、大当り信号、開放信号、および確変信号の切り替わり(OFFからON、ONからOFFへの変化)を待機しており、これらの検出に伴い、検出結果に応じた集計処理を実行する。
図25に示すように、CPU1202は、賞球信号の入力を検出した場合には(S300でYES)、図26に示す賞球信号入力時処理を実行する(S310a)。賞球信号入力時処理では、まず、全体テーブルにおいて総賞球数を10加算し(S311)、[総打込玉数−更新後の総賞球数]により総差玉数を更新する(S312)。さらに、集計フラグがセットされている場合にのみ(S312aでY)、図柄確定後賞球数を10加算し(S313)、[図柄確定後打込玉数−更新後の図柄確定後賞球数]により図柄確定後差玉数を更新する(S314)。即ち、集計フラグがセットされていない場合には(S312aでN)、図柄確定後賞球数および図柄確定後差玉数を更新しない。
図25に示すように、CPU1202は、打込信号の入力を検出した場合には(S301でYES)、図27に示す打込信号入力時処理を実行する(S320a)。打込信号入力時処理では、まず、全体テーブルにおいて総打込玉数を10加算し(S321)、[更新後の総打込玉数−総賞球数]により総差玉数を更新する(S322)。さらに、集計フラグがセットされている場合にのみ(S322aでY)、図柄確定後打込玉数を10加算し(S323)、[更新後の図柄確定後打込玉数−図柄確定後賞球数]により図柄確定後差玉数を更新する(S324)。即ち、集計フラグがセットされていない場合には(S322aでN)、図柄確定後打込玉数および図柄確定後差玉数を更新しない。
図25に示すように、CPU1202は、図柄確定信号の入力を検出した場合には(S302でYES)、図28に示す図柄確定信号入力時処理を実行する(S330a)。図柄確定信号入力時処理では、まず、全体テーブルにおいて総スタート回数を1加算する(S331)。そして、発光検出フラグがセットされている場合にのみ(S331aでY)、図柄確定後賞球数を0にリセットし(S332)、図柄確定後打込玉数を0にリセットし(S333)、図柄確定後差玉数を0にリセットし(S334)、さらに、集計フラグをセットすると共に(S335)、発光検出フラグをリセットする(S336)。発光検出フラグがセットされていなければ(S331aでN)、S332〜S336の処理は実行しない。このようにして、発光検出信号が入力された直後に入力された図柄確定信号についてのみ、集計フラグがセットされて(S335)、その後に図柄確定後賞球数、図柄確定後打込玉数、および図柄確定後差玉数が集計されることになる。
図25に示すように、CPU1202は、大当り信号のOFFからONへの切り替わり(立ち上がり)を検出した場合には(S303でY)、第1実施形態と同様の大当り信号ON検出時処理を実行する(S340)。
図25に示すように、CPU1202は、開放信号のOFFからONへの切り替わり(立ち上がり)を検出した場合には(S304でY)、第1実施形態と同様の開放信号検出時処理を実行する(S350)。
図25に示すように、CPU1202は、大当り信号のONからOFFへの切り替わり(立ち下がり)を検出した場合には(S305でY)、第1実施形態と同様の大当り信号OFF検出時処理を実行し(S360)、さらに集計フラグをリセットする(S360a)。
図25に示すように、CPU1202は、確変信号のONからOFFへの切り替わり(立ち上がり)を検出した場合には(S306でY)、全体テーブルにおいて遊技状態を確変状態に更新し(S370)、総確変回数を1加算する(S371)。
図25に示すように、CPU1202は、確変信号のOFFからONへの切り替わり(立ち下がり)を検出した場合には(S307でY)、全体テーブルにおいて遊技状態を通常状態に更新する(S372)。
図25に示すように、CPU1202は、発光検出信号の入力を検出した場合には(S308でYES)、発光検出フラグをセットする(S373)。
このように、第2実施形態においては、大当り報知LED51の発光が発光検出センサ1210により検出されて発光検出信号が入力された場合にのみ、すなわち、大当り遊技状態が発生することが確定した場合にのみ、図柄確定信号の入力に基づいて集計フラグがセットされて図柄確定後賞球数、図柄確定後打込玉数、および図柄確定後差玉数が集計されるようになるため、ホールコンピュータ1200(CPU1202)の処理負担が軽減される。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る情報管理装置としてのホールコンピュータ1200について、第1実施形態と異なる点について説明する。第3実施形態に係るパチンコ遊技機1には、特別図柄の表示結果が大当り図柄となったときに、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が導出表示された後、すなわち大当り図柄の導出表示に基づく図柄確定信号が出力された後に点灯する大当り報知LED51が設けられている。
次に、第3実施形態に係る情報管理装置としてのホールコンピュータ1200について、第1実施形態と異なる点について説明する。第3実施形態に係るパチンコ遊技機1には、特別図柄の表示結果が大当り図柄となったときに、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が導出表示された後、すなわち大当り図柄の導出表示に基づく図柄確定信号が出力された後に点灯する大当り報知LED51が設けられている。
第3実施形態においては、大当り報知LED51の発光を検出する発光検出センサ1210が配置されている。例えば、発光検出センサ1210はフォトダイオードにより構成されており、大当り報知LED51から受光したことに基づいて所定の発光検出信号を出力する。発光検出信号は所定幅のパルス信号である。発光検出信号は、台端末1220等の中継機器を経由して台識別情報と共にホールコンピュータ1200の通信部1207に入力される。CPU1202は、該入力された発光検出信号に基づいて当該台番号のパチンコ遊技機1において大当り図柄が導出表示されたことを検出する。即ち、CPU1202は、大当り図柄の導出表示後に当該台番号のパチンコ遊技機1において大当り図柄が導出表示されたことを検出することになる。
次に図29を用いて、第3実施形態に係るホールコンピュータ1200における差玉の集計方法について説明する。パチンコ遊技機1において特別図柄の変動表示が実行されて大当り図柄が導出表示された場合には、図柄確定信号が出力され、該図柄確定信号がホールコンピュータ1200に入力される(このタイミングを(1)として示す)。図柄確定信号の入力に基づいて、発光待ちタイマに所定時間がセットされる。このときの所定時間は、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が導出表示されてから大当り報知LED51が点灯するまでの時間よりも長い時間であり、この例ではtとしている。
ここで図柄確定信号の入力((1)のタイミング)に基づいて、全体テーブルにおける図柄確定後賞球数、図柄確定後打込玉数、および、図柄確定後差玉数の集計が開始される。そして、発光検出信号が入力された場合、すなわち大当り図柄の導出表示から所定時間以内に大当り報知LED51が点灯した場合(このタイミングを(2)として示す)には、図柄確定後賞球数、図柄確定後打込玉数、および、図柄確定後差玉数の集計が継続されることになる。そして、パチンコ遊技機1においては前述したようにゲート無効期間を経て権利発生状態となり、該権利発生状態において第1特定領域61〜第3特定領域63のいずれかを遊技球が通過すると、開放態様選択処理が実行されて大当り遊技状態のラウンド数が決定される。そして、該決定されたラウンド数の大当り遊技状態に制御され、大当り信号がONになる(このタイミングを(3)として示す)。そして、最終ラウンドの終了に伴い大当り遊技状態が終了して、大当り信号がOFFになる(このタイミングを(4)として示す)。
一方、発光待ちタイマがタイムアウトした場合(所定時間以内に発光検出信号の入力が無かった場合)には、集計無効フラグがセットされて、全体テーブルにおける図柄確定後賞球数、図柄確定後打込玉数、および、図柄確定後差玉数の集計が継続されない。この実施の形態では、ホールコンピュータ1200は、図柄確定信号の入力直後に発光検出信号が入力されたことに基づいて、該発光検出信号の入力から大当り信号がOFFとなるまでの期間について(この(2)〜(4)の期間は集計無効フラグがセットされていない)、全体テーブルの図柄確定後賞球数、図柄確定後打込玉数、および図柄確定後差玉数を継続して集計することになる。
次に、第3実施形態に係るホールコンピュータ1200が実行する遊技情報集計処理について図30〜図32を用いて説明する。CPU1202は、賞球信号、打込信号、図柄確定信号、および発光検出信号の入力、ならびに、大当り信号、開放信号、および確変信号の切り替わり(OFFからON、ONからOFFへの変化)を待機しており、これらの検出に伴い、検出結果に応じた集計処理を実行する。
図30に示すように、CPU1202は、賞球信号の入力を検出した場合には(S300でYES)、図31に示す賞球信号入力時処理を実行する(S310b)。賞球信号入力時処理では、まず、全体テーブルにおいて総賞球数を10加算し(S311)、[総打込玉数−更新後の総賞球数]により総差玉数を更新する(S312)。さらに、集計無効フラグがセットされていない場合にのみ(S312bでN)、図柄確定後賞球数を10加算し(S313)、[図柄確定後打込玉数−更新後の図柄確定後賞球数]により図柄確定後差玉数を更新する(S314)。即ち、集計無効フラグがセットされている場合には(S312bでY)、図柄確定後賞球数および図柄確定後差玉数を更新しない。
図30に示すように、CPU1202は、打込信号の入力を検出した場合には(S301でYES)、図32に示す打込信号入力時処理を実行する(S320b)。打込信号入力時処理では、まず、全体テーブルにおいて総打込玉数を10加算し(S321)、[更新後の総打込玉数−総賞球数]により総差玉数を更新する(S322)。さらに、集計無効フラグがセットされていない場合にのみ(S322bでN)、図柄確定後打込玉数を10加算し(S323)、[更新後の図柄確定後打込玉数−図柄確定後賞球数]により図柄確定後差玉数を更新する(S324)。即ち、集計無効フラグがセットされている場合には(S322bでY)、図柄確定後打込玉数および図柄確定後差玉数を更新しない。
図30に示すように、CPU1202は、図柄確定信号の入力を検出した場合には(S302でYES)、第1実施形態と同様の図柄確定信号入力時処理を実行し(S330)、さらに発光待ちタイマに所定時間をセットし(S330a)、セットされていれば集計無効フラグをリセットする(S330b)。ここで所定時間は、前述したように、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が導出表示されてから大当り報知LED51が点灯するまでの時間よりも長い時間である。
図30に示すように、CPU1202は、大当り信号のOFFからONへの切り替わり(立ち上がり)を検出した場合には(S303でY)、第1実施形態と同様の大当り信号ON検出時処理を実行する(S340)。
図30に示すように、CPU1202は、開放信号のOFFからONへの切り替わり(立ち上がり)を検出した場合には(S304でY)、第1実施形態と同様の開放信号検出時処理を実行する(S350)。
図30に示すように、CPU1202は、大当り信号のONからOFFへの切り替わり(立ち下がり)を検出した場合には(S305でY)、第1実施形態と同様の大当り信号OFF検出時処理を実行する(S360)。
図30に示すように、CPU1202は、確変信号のONからOFFへの切り替わり(立ち上がり)を検出した場合には(S306でY)、全体テーブルにおいて遊技状態を確変状態に更新し(S370)、総確変回数を1加算する(S371)。
図30に示すように、CPU1202は、確変信号のOFFからONへの切り替わり(立ち下がり)を検出した場合には(S307でY)、全体テーブルにおいて遊技状態を通常状態に更新する(S372)。
図30に示すように、CPU1202は、発光検出信号の入力を検出した場合には(S308でYES)、発光待ちタイマの値をクリアする(S374)。なお発光待ちタイマの値がクリアされると、以降は、発光待ちタイマがタイムアウトしたとは判定されない(S309でYESと判定されない)。
図30に示すように、CPU1202は、発光待ちタイマがタイムアウトした場合には(S309でYES)、集計無効フラグをセットする(S375)。
このように、大当り図柄の導出表示後、所定時間(t)以内に発光検出信号が入力されない場合、すなわち大当り遊技状態が発生しないことが確定した場合には、集計無効フラグがセットされることになるため、これ以降は、図柄確定後賞球数、図柄確定後打込玉数、および図柄確定後差玉数が集計されず、ホールコンピュータ1200(CPU1202)の処理負担が軽減される。
[変形例]
最後に本実施形態に係る情報管理装置の変形例について説明する。
最後に本実施形態に係る情報管理装置の変形例について説明する。
上記の実施形態では大当り信号がONからOFFに切り替わるタイミングを合計期間差玉数(大当り期間差玉数)の集計終了期間とする例について説明したが、これに限らず、大当り信号がOFFとなった時点において、所定期間以内(例えば5秒以内に)賞球信号が入力されていた場合には、集計期間を終了させずに延長し、所定期間以内に賞球信号が入力されなくなったことに基づいて集計期間を終了させるようにしても良い。このようにすることで、例えば、玉詰まり等によって最終ラウンドまでに払い出されなかった賞球が大当り遊技状態終了後にも払い出されているようなケースで、これら大当り遊技状態終了後に払い出される賞球についても集計対象とすることができ、集計値の信頼度が高まる。
具体的には、大当り信号OFF検出時処理において、所定期間以内(例えば5秒以内)に賞球信号が入力されたか否かを判定し、入力されていれば、図柄確定後差玉数を仮合計期間差玉数として一時記憶しておくと共に、集計延長フラグをセットしておき、該集計延長フラグがセットされている期間は、入力された賞球信号や打込信号に基づいて仮合計期間差玉数が更新される(賞球信号が入力されると−10、打込信号が入力されると+10)ようにすると良い。ここで、集計延長フラグは5秒を超えて賞球信号が入力されていない場合にリセットされるようにすると良い。そして、集計延長フラグがリセットされたことに基づいて、一時記憶している仮合計期間差玉数を、合計期間差玉数として履歴化するようにすると良い。このように、ホールコンピュータ1200における集計期間の終了時点は、大当り遊技状態における大入賞口への入賞に基づく賞球の払出しが終了する時点とすると良い。なお、このような方法に限らず、大当り信号がONからOFFに切り替わったことが検出されても、直ちに図柄確定後差玉数を合計期間差玉数として履歴化せずに、一定時間(例えば30秒)を経過してから履歴化するようにしても良い。このようにしても、大当り遊技状態終了後に払い出される賞球について一定程度は集計対象とすることができ、集計値の信頼度が高まる。
上記の実施形態では、情報管理装置がホールコンピュータ1200である例について説明したが、これに限らず、情報管理装置は遊技機に対応して設けられる台間データ表示器であっても良く、呼出ランプ装置であっても良い。このような遊技者に遊技データを提示するものにおいては、合計期間差玉数ではなく合計期間における賞球数を提示するようにしても良い。
上記の実施形態では、大当り遊技状態に制御されている遊技機から大当り信号が出力される例について説明したが、大当り図柄が導出表示されたときに大当り1信号が出力され、大当り遊技状態に制御されたときに大当り2信号が出力される遊技機における差玉数を集計する場合には、情報管理装置側で、大当り1信号が入力されているが大当り2信号が入力されていない期間の差玉数を待機期間差玉数として集計することができる。また、大当り1信号の入力が開始されてから大当り2信号の入力が終了するまでの期間の差玉数を合計期間差玉数として集計することができる。
なお、上記大当り1信号は出力されるが大当り2信号は出力されないような遊技機の遊技情報を集計する情報管理装置であれば、大当り1信号の入力タイミングを待機期間開始タイミングとして特定し、大当り1信号が入力されている状態で賞球信号が入力されたタイミング(または賞球信号の入力頻度が閾値以上となったタイミング)を大当り遊技状態の開始タイミングとして特定するようにすると良い。また、このような遊技機において、仮に待機期間(大当り図柄が導出表示されてから大当り遊技状態に制御されるまでの期間)において電力供給が停止された場合には、例えば、前述した停止フラグの値がバックアップ電源によりバックアップされているRAMに記憶されている。そのため、電力供給時に実行されるメイン処理において、停止フラグを参照することにより、前回電力供給が停止したときに大当り図柄が導出表示されていたが大当り遊技状態が開始されていなかったことを確認可能である。この場合には、遊技機は大当り1信号を出力することになる。該大当り1信号が入力された情報管理装置においては、大当り図柄が導出表示されているが大当り遊技状態が開始されていない遊技機を特定して適切な措置をとることができる。また、遊技場の閉店後、待機期間中において電源断状態にしておき、翌日の遊技場の開店時に電源投入すると、内部制御状態は、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のような特定領域に遊技球が進入するだけで大入賞口の開放制御状態に移行するというように、簡単な操作により大量の賞球を得ることができる不正なサービスとしての所謂モーニングサービス状態を防止することができる。
上記の実施形態では、大入賞口の開放期間に応じた開放信号が出力されることにより、該開放信号が入力される情報管理装置において、制御されている大当り遊技状態のラウンド数を特定可能な例について説明したが、これに限らず、例えば、大当り遊技状態が開始されるときに当該大当り遊技状態のラウンド数を示す情報が情報管理装置に送信されて、該情報が入力される情報管理装置において、開始される大当り遊技状態のラウンド数を特定可能とするようにしても良い。
また、例えば、開放期間の異なるラウンドが混在している大当り遊技状態(例えば最初の5Rは29秒開放だが、6R〜15Rは0.5秒開放)が存在する遊技機の遊技情報を管理する情報管理装置においては、開放信号により特定される開放期間が所定時間以下(例えば1秒以下)のラウンドはラウンド数のカウントから除外するようにすると良い。このようにすることで、共通のラウンド数の大当り遊技状態であっても実質的に出玉が期待できるラウンド数により大当り遊技状態を区別して集計を行うことができる。
上記の実施形態では、大当り図柄が導出表示されるときには大当り報知LED51が点灯し(はずれのときには大当り報知LED51が点灯せず)、発光検出センサ1210がその発光を検出する例について説明したが、これに限らず、例えば、大当り図柄が導出表示されるときには必ず点灯し、大当り図柄が導出表示されない場合にも(例えば極めて信頼度の高い予告が実行されたときにも)点灯することがある激熱報知LEDの発光を、発光検出センサ1210が検出するようにしても良い。
上記の実施形態では、発光検出センサ1210からの発光検出信号の入力に基づいて、待機期間の開始点、すなわち、大当り図柄の導出表示に対応する図柄確定信号の入力時点を特定する(その時点を集計開始時点とする)例について説明したが、これに限らず、大当り図柄の導出表示に伴いモータ駆動する役物が可動したことを検出したことに基づいて、待機期間の開始点を特定するようにしても良い。例えば、役物が可動したことの検出は、投光素子と受光素子との間を役物が通過したことに基づく光路の遮断(遮光)による光量変化を検出する透過形の光電形近接スイッチにより行うと良い。
上記の実施形態では、台別統計テーブルにおいてラウンド数の異なる各大当り遊技状態の発生回数を管理している例について説明したが、例えば、最低ラウンド数(5R)の大当り遊技状態の発生比率を算出して、発生比率が所定比率以上(例えば60%以上)の台番号については情報管理装置の表示装置に警告を表示するようにしても良い。前述したように、上記のパチンコ遊技機1では、不正や不具合のおそれがある場合には高い割合で最低ラウンド数の大当り遊技状態に制御されるようになっているため、管理者は不正や不具合のおそれがある遊技機を把握して対処することができる。
また、例えば、最高ラウンド数(15R)の大当り遊技状態の発生比率を算出して、発生比率が所定比率以上(例えば60%以上)の台番号については情報管理装置の表示装置に警告を表示するようにしても良い。このようなパチンコ遊技機1では、検出されない巧妙な手法で最高ラウンド数の特定領域に遊技球を通過させる不正が行われている可能性があり、このような場合に、管理者は不正のおそれがある遊技機を把握して対処することができる。例えば、遊技球を紐でくくった状態で遊技領域内に発射させ、権利発生状態となったときに最高ラウンド数に対応する特定領域上方まで遊技球を誘導して紐を切って入賞させる手法がとられた場合には、実際に最高ラウンド数に対応する特定領域と共通領域を1の遊技球が通過することになるため、不正が検出されにくい(最低ラウンド数の大当り遊技状態に制御されにくい)。このような場合にも、情報管理装置側で、最高ラウンド数の大当り遊技状態に制御される割合が不自然に高いパチンコ遊技機1を把握して対処することができる。
また、上記のような不正を行う場合、不正行為者は、極力短時間で不正行為を完了させようとするため、権利発生状態に突入した直後に遊技球を特定領域に通過させようとする(あるいは不正電波等によって特定領域スイッチのいずれかをオンにしようとする)。その結果、待機期間における差玉数(打込玉数−賞球数)が小さくなるという傾向になる。情報管理装置側では、待機期間における差玉数を個別に集計しているため、例えば、所定回数以上連続して待機期間差玉数が所定値以下となる場合や、待機期間差玉数が所定値以下となる割合が所定比率以上である場合に、該当する台番号については不正行為の疑いありとして情報管理装置の表示装置に警告を表示するようにしても良い。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1…パチンコ遊技機
31…主基板
56…CPU
59…出力回路
61…第1特定領域
62…第2特定領域
63…第3特定領域
160…ターミナル基板
560…遊技制御用マイクロコンピュータ
1120…アウト玉計数器
1200…ホールコンピュータ
1202…CPU
1207…通信部
31…主基板
56…CPU
59…出力回路
61…第1特定領域
62…第2特定領域
63…第3特定領域
160…ターミナル基板
560…遊技制御用マイクロコンピュータ
1120…アウト玉計数器
1200…ホールコンピュータ
1202…CPU
1207…通信部
Claims (1)
- 各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を実行して表示結果を導出表示し、該導出表示された表示結果が予め定められた特定表示結果となった後に、特定領域を遊技媒体が通過したことに基づいて遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御すると共に、該特定遊技状態に制御されていることを示す特定遊技状態信号を外部に出力する遊技機の遊技情報を管理する情報管理装置であって、
前記特定遊技状態信号が入力される入力手段と、
前記遊技機において前記特定表示結果が導出表示されてから前記入力手段に前記特定遊技状態信号が入力されるまでの待機期間の開始点を特定する開始点特定手段と、
前記入力手段に入力される特定遊技状態信号に基づいて前記特定遊技状態に制御されている特定遊技状態制御期間の終了点を特定する終了点特定手段と、
特定された前記開始点および前記終了点に基づいて前記待機期間と前記特定遊技状態制御期間との合計期間において遊技者が獲得した遊技媒体数を集計する集計手段と、を備えることを特徴とする情報管理装置。
Priority Applications (1)
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