JP7033314B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技機に関する。
パチンコ遊技機に代表される遊技機において、何らかのトラブルが発生する、又は開発者が設計上想定している操作を遊技者がしない等によって、通常では発生し難い状況(以下、イレギュラーケースと称する)が生じうる。
このようなイレギュラーケースにおいて遊技者の興趣低下を抑制させる従来技術として、下記の特許文献1に係る遊技機を例示する。
特許文献1には、確変大当りに当選し、その大当り遊技中に特定領域が開放される場合のイレギュラーケースとして、その特定領域の開放中に遊技球が通過せず、その大当り遊技後に確変状態が付与されない場合に生じる遊技者の喪失感を軽減する従来技術が開示されている。
特開2016-87168号公報
特許文献1において想定されているイレギュラーケースは一例であって、その他のイレギュラーケースに対する対応策としては、同文献の従来技術は十分とは言えない。
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、イレギュラーケースの大当り当選時における制御を適切に行うことによって、遊技者の興趣低下を抑制させる遊技機を提供するものである。
本発明によれば、第一の始動口または第二の始動口への遊技球の入賞に基づいて図柄変動を実行可能であり、図柄変動ごとに大当りに当選するか否かを判定する当否判定を実行し、前記第一の始動口に係る図柄変動と前記第二の始動口に係る図柄変動とを並行して実行可能であり、前記大当りに当選した図柄変動の終了後に該大当りに係る大当り遊技の開始を待機させ、該大当り遊技の待機中に所定領域に遊技球が入球又は通過をしたことに基づいて該大当り遊技を開始させる遊技機であって、第一の遊技状態及び前記第一の遊技状態よりも有利な第二の遊技状態を含む複数の遊技状態の中から一の遊技状態を設定する遊技状態制御手段と、点灯することによって、前記所定領域が設けられている方向への遊技球の打ち出しが推奨される状態であることを示す点灯手段と、前記点灯手段を制御する点灯制御手段と、演出手段と、前記演出手段を制御する演出制御手段と、備え、前記第一の遊技状態は、前記第一の遊技状態における前記当否判定によって当選する前記大当りのうちの前記第一の始動口に係る図柄変動での前記当否判定によって当選する前記大当りが占める割合が、前記第一の遊技状態における前記当否判定によって当選する前記大当りのうちの前記第二の始動口に係る図柄変動での前記当否判定によって当選する前記大当りが占める割合よりも高くなる遊技状態であり、前記第一の遊技状態に設定され、前記第一の始動口に係る図柄変動が停止し且つ前記第一の始動口に係る図柄変動が保留されていないときに、前記第二の始動口に遊技球が入賞して前記大当りに当選し、該大当りに基づく図柄の組合せが停止表示して該大当りに係る前記大当り遊技を待機している特定の場合において電断が発生し、当該電断後に復電した場合の少なくとも一部において、前記演出制御手段は、当該電断の発生前において前記第一の始動口への遊技球の入賞が発生すると、前記所定領域への遊技球の打ち出し又は前記所定領域が設けられている方向への遊技球の打ち出しを遊技者に促す第一の右打ち表示を表示させ、当該電断の発生前において前記第一の始動口への遊技球の入賞が発生しない場合、前記第一の右打ち表示を表示させず、当該電断の発生前において前記第一の始動口への遊技球の入賞が発生しない場合において、図柄変動の停止中に実行させうる待機デモ演出を実行した場合、前記待機デモ演出の実行期間において前記第一の右打ち表示を表示させず、当該電断時に前記待機デモ演出が実行されているか否かに関わらず、当該電断後の復電後において、前記第一の始動口への遊技球の入賞が発生しなくても、前記所定領域への遊技球の打ち出し又は前記所定領域が設けられている方向への遊技球の打ち出しを遊技者に促す表示であって前記第一の右打ち表示とは表示態様が異なる第二の右打ち表示を表示させる一方、前記第一の右打ち表示を表示させず、前記点灯制御手段は、当該電断の発生前に前記点灯手段を点灯させ、当該電断時に前記待機デモ演出が実行されているか否かに関わらず、当該電断後の復電後に前記点灯手段を点灯させる遊技機が提供される。
本発明によれば、イレギュラーケースの大当り当選時における制御を適切に行うことによって、遊技者の興趣低下を抑制させる遊技機が提供される。
図1は、遊技機の正面図である。 図2は、図1に示す領域IIに配設される図柄表示装置を示す図である。 図3は、図1に示す領域IIIに配設される操作ボタン群およびその周辺を示す鳥瞰図である。 図4は、遊技機内に設置される遊技盤を示す図である。 図5は、遊技機の背面図である。 図6は、遊技機が備える制御構成を示すブロック図である。 図7は、遊技機が備える機能構成を示すブロック図である。 図8(a)は、特図1に係る特図当否判定用の抽選テーブルを模式的に示す図であり、図8(b)は、特図2に係る特図当否判定用の抽選テーブルを模式的に示す図である。 図9(a)は、特図1停止図柄抽選用の抽選テーブルを模式的に示す図であり、図9(b)は、特図2停止図柄抽選用の抽選テーブルを模式的に示す図である。 図10(a)は、特図変動パターン導出状態PA時の特図1に係る特図変動パターン導出用の抽選テーブルを、図10(b)は、特図変動パターンHNPが決定された場合に用いられる特図変動パターン導出用の抽選テーブルを模式的に示す図である。 図11(a)は、普図当否判定用の抽選テーブルを模式的に示す図であり、図11(b)は、普図抽選状態別の普図の変動時間および普通電動役物の開放時間をまとめた表である。 図12は、右打ち点灯処理のフローを示す図である。 図13(a)は、特図変動パターン導出状態の遷移を示す状態遷移図であり、図13(b)は、特図変動パターン導出状態ごとの平均変動時間の関係を示す図である。 図14は、設定変更処理のフローを示す図である。 図15は、設定確認処理のフローを示す図である。 図16は、状態別の主制御基板モニタの表示態様を示す図である。 図17(a)~図17(d)は、設定キースイッチの態様とRAMクリアスイッチの態様との組合せのパターンを示す図である。 図18(a)および図18(b)は、復電時に異常がなく、かつ直前の電断時の状態が遊技可能状態である場合の復電時の遊技機の状態を整理した表である。 図19は、変動開始時サブ処理のフローを示す図である。 図20は、或る図柄変動の停止時におけるメイン表示部の表示態様を例示する図である。 図21は、特定の演出が実行される図柄変動中におけるメイン表示部の表示態様を例示する図である。 図22は、大当り待機報知が行われている際のメイン表示部の表示態様を例示する図である。 図23は、大当り遊技中におけるメイン表示部の表示態様を例示する図である。 図24は、待機デモ演出中におけるメイン表示部の表示態様を例示する図である。 図25は、特定の場合に電断した後に復電した際のメイン表示部の表示態様を例示する図である。 図26(a)は、特定の場合において第一の始動口の入賞が発生した場合のタイムチャートであり、図26(b)は、特定の場合において電断が発生し、当該電断後に復電した場合のタイムチャートである。 特定の場合において待機デモ演出が実行されている期間に電断が発生し、当該電断後に復電した場合のタイムチャートである。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。また、以下の説明では、「前」「後」「左」「右」「上」「下」とは、特に断りのない限り、図1に示すように遊技機10を正面側(遊技者側)から見た状態で指称するものとする。
なお、以降の説明における「有利(有利度)」とは、遊技者に対して有利であることを指し、さらに、特に断りがない限り、いわゆるプレミア画像等の演出面を除き、賞球の獲得量(遊技球の払い出し、メダルの払い出し)に関して有利であることを指す。
<本発明の特徴について>
本実施形態における遊技機10の詳細を説明する前に、本実施形態に記載されている発明(本発明)の特徴を説明する。
なお、当該特徴を説明するにあたり、括弧内の構成は、直前の構成に対応する本実施形態の構成を例示したものであり、当該説明以降の遊技機10の説明においても同様の用途で括弧内に構成を記載する場合がある。
遊技機10は、いわゆるパチンコ遊技機であり、第一の始動口または第二の始動口への遊技球の入賞に基づいて図柄変動を実行可能なものである。
また、遊技機10は、図柄変動ごとに大当りに当選するか否かを判定する当否判定(後述する特図当否判定手段131による特図当否判定)を実行し、第一の始動口に係る図柄変動と第二の始動口に係る図柄変動とを並行して実行可能なもの(いわゆる同時変動タイプのパチンコ遊技機)である。
また、遊技機10は、大当りに当選した図柄変動の終了後に該大当りに係る大当り遊技の開始を待機させ、該大当り遊技の待機中に所定領域に遊技球が入球又は通過をしたことに基づいて該大当り遊技を開始させるものである。
なお、「第一の始動口」及び「第二の始動口」は、一方の入賞が第1特別図柄に係る図柄変動の開始契機になるものであって、他方の入賞が第2特別図柄に係る図柄変動の開始契機になるものであれば足り、いずれが第1特別図柄に係る図柄変動又は第2特別図柄に係る図柄変動の開始契機になるものであるかは問わない。
ここで「所定領域」とは、遊技球が入球又は通過可能な遊技盤に設けられた領域(遊技盤の表面及び内部のいずれを問わない)であり、本実施形態ではゲート63が相当する。
遊技機10は、演出手段と、演出制御手段と、を備える。
本実施形態では演出手段として、可動装飾体22、演出ランプ35、スピーカ33、メイン表示部81、サブ表示部82及び演出用可動体83を例示する。また、上記の演出手段を制御する演出制御手段として、第1副制御基板200を例示する。
なお、演出手段及び演出制御手段に相当する構成要素については、本発明の目的を阻害しない範囲において上記に列挙した構成要素の一部が省かれてもよいし、例示しない他の構成要素を追加してもよい。
遊技機10は、遊技状態制御手段を備える。
遊技状態制御手段は、複数の遊技状態の中から一の遊技状態を設定するものであり、本実施形態では主制御基板100(特に遊技状態制御手段155)によって実現される。
遊技状態制御手段によって設定され得る遊技状態には、第一の遊技状態及び第一の遊技状態よりも有利な第二の遊技状態が含まれる。第一の遊技状態は、第一の遊技状態における当否判定によって当選する大当りのうちの第一の始動口に係る図柄変動での当否判定によって当選する大当りが占める割合が、第一の遊技状態における当否判定によって当選する大当りのうちの第二の始動口に係る図柄変動での当否判定によって当選する大当りが占める割合よりも高くなる遊技状態である。但し、この要件は、第一の遊技状態において推奨される打ち出し方向(後述する特図抽選状態および普図抽選状態の組合せによって定まる遊技者にとって相対的に有利となる打ち出し方向)で遊技球を打ち出して遊技を行った場合における割合の比較を指す。
上記の「第一の遊技状態」及び「第二の遊技状態」は、双方の相対的な有利度合いと大当り当選の占める割合によって定まるものであり、その対応関係は一律に定まるものではない。本実施形態では、「第一の遊技状態」については後述する「特図低確且つ普図低確(又は特図変動パターン導出状態PA)」が相当し、「第二の遊技状態」については後述する「特図高確且つ普図高確(又は特図変動パターン導出状態PB)」、「特図高確且つ普図低確(又は特図変動パターン導出状態PC)」及び「特図低確且つ普図高確(又は特図変動パターン導出状態PD)」が相当するものとして説明するが、本発明の実施において「第一の遊技状態」及び「第二の遊技状態」の組合せは、上記の要件を充足する範囲において適宜変更可能である。
第一の遊技状態に設定され、第一の始動口に係る図柄変動が停止し且つ第一の始動口に係る図柄変動が保留されていないときに、第二の始動口に遊技球が入賞して大当りに当選し、該大当りに基づく図柄の組合せが停止表示して該大当りに係る大当り遊技を待機している特定の場合において電断が発生し、当該電断後に復電した場合の少なくとも一部において、演出制御手段は、所定領域への遊技球の打ち出し又は所定領域が設けられている方向への遊技球の打ち出しを遊技者に促す所定演出を実行させる。
ここで「所定領域への遊技球の打ち出しを遊技者に促す」とは、「所定領域を狙え」等の表示によって直接的に所定領域への遊技球の打ち出しを想起させるものをいう。また、「所定領域が設けられている方向への遊技球の打ち出しを遊技者に促す」とは、所定領域が設けられている方向(例えば、左方向や右方向)への打ち出しを想起させる表示等によって間接的に所定領域への遊技球の打ち出しを観念させるものをいう。
本実施形態に係る遊技機10は、上記のような特徴を有しているので、イレギュラー大当りであっても、大当りとなる演出画像を遊技者に視認させる機会を担保することができ、遊技興趣の低下を防止することができる。
上記の特徴を有する遊技機10について、以下の実施形態に基づいて具体的に説明する。
<遊技機10の構造について>
まず、図1~図5を用いて、遊技機10の構造について説明する。
図1は、遊技機10の正面図であり、図2は、図1に示す領域IIに配設される図柄表示装置90を示す図であり、図3は、図1に示す領域IIIに配設される操作ボタン群およびその周辺を示す鳥瞰図であり、図4は、遊技機10内に設置される遊技盤50を示す図であり、図5は、遊技機10の背面図である。
なお、図1から図5に図示される各構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要なものを挙げたに過ぎず、ここに図示しない構成および機能を遊技機10に追加してもよい。また、遊技機10はここに図示する構成の全部を必ずしも備えなくてもよく、本発明の効果を阻害しない範囲で一部の構成または機能が省かれても良い。
本実施形態の遊技機10は、いわゆるパチンコ機であり、多数の遊技釘(図示省略)が立設された遊技盤50の前面領域(以下、「遊技領域50a」と称する)に遊技球を発射し、遊技球が入賞口(例えば、大入賞口55等)に入球すると賞球が得られる遊技を行うものである。なお、以下の説明では、入賞口に遊技球が入球することを、単に「(入賞口に)入賞する」と表現する場合がある。
遊技機10は、前後に開口する矩形枠状の外枠15と、外枠15の開口前面側に遊技盤50を着脱可能に保持する中枠17と、遊技盤50の前面側を覆うよう構成された前枠20と、を備える。
中枠17は、ヒンジ機構21と同一側にあるヒンジ機構(図示省略)により左端側を中心に回動自在に支持され、外枠15の前側に開閉可能となっている。なお、中枠17は、シリンダ錠23により、施錠および解錠(シリンダ錠23に扉キーを差し込み、扉キーを前枠20の解錠方向とは逆の方向(本実施形態では、右)に回す)が可能となっている。
なお、本実施形態では、中枠17が開放状態であるか否かを検知するための中枠開扉センサ76を備えている。なお、中枠開扉センサ76は、中枠17が開放状態である場合にはONとなり、中枠17が閉鎖状態である場合にはOFFとなる。
前枠20は、ヒンジ機構21により左端側を中心に回動自在に支持され、中枠17に対して開閉可能となっている。なお、前枠20は、シリンダ錠23により施錠および解錠(シリンダ錠23に扉キーを差し込み、扉キーを中枠17の解錠方向とは逆の方向(本実施形態では、左)に回す)が可能となっている。
また、前枠20は、遊技領域50aを覆うように配置された透明部材25を備え、透明部材25によって遊技領域50aおよび遊技盤50を透視保護している。
また、前枠20は、遊技球を貯留する上球受け皿27および下球受け皿29を備え、上球受け皿27と下球受け皿29は上下に離間して前枠20と一体的に設けられている。
また、前枠20は、下球受け皿29の右側方に操作ハンドル31を備え、操作ハンドル31の回動操作によって、上球受け皿27に貯留された遊技球が遊技領域50aに向けて発射されるようになっている。
図3に示すように、上球受け皿27の上面には、遊技者に操作される操作ボタン群が配置されている。この操作ボタン群には、後述する主制御基板100に電気的に接続されているメイン操作部39として、玉貸ボタン39a、およびプリペイドカードの返却操作を受け付ける返却ボタン39bが設けられ、後述する第1副制御基板200に電気的に接続されている操作部として、遊技中に発生する演出を切り替えるまたは遊技機10に関わる種々の情報を得るために行う遊技者の操作を受け付けることができる演出ボタン37、およびそれぞれ上、下、左、右への操作を指示するためのカーソルボタン38(38a、38b、38c、38d)等が含まれる。なお、各操作部には、操作を検知するためのセンサが設けられており、接続対象の制御基板は、当該センサの検知状態の変化によって各操作部の操作を検知している。
また、上球受け皿27の側方には、図示しないモータ等のアクチュエータにより動作する可動装飾体22が設けられている。
下球受け皿29の下部には、下球受け皿29に貯留された遊技球を下方へ排出する球抜き機構36が設けられている。この球抜き機構36を操作することにより、下球受け皿29の底面に形成された底面口(図示省略)が開口して、当該底面口から遊技球が自然落下して排出される。
なお、図示は省略するが、上球受け皿27には、球抜き機構36と同様に、操作することで貯留している球を下球受け皿29へ移動させる機構が設けられ、この機構と球抜き機構36の双方を操作することで、貯留している球を排出することが可能となる。
図1に示すように、前枠20の上枠部32の左側と右側にそれぞれ一対のスピーカ33(33a、33b)が配設されている。また、前枠20の上枠部32と左右側枠部34a、34bは光透過性のカバーにより形成されており、その内部にはそれぞれ演出ランプ35(35a、35b、35c)が配設されている。スピーカ33や演出ランプ35は、遊技中に発生する演出やエラー演出等と連動して音声出力または点灯若しくは消灯することができる。
演出表示装置80は、遊技盤50の略中央に配設されているメイン表示部81と、メイン表示部81の周囲に配設されているサブ表示部82で構成されている。サブ表示部82は、さらに、メイン表示部81の上方に配設されている上サブ表示部82aと、メイン表示部81の左側に配設されている左サブ表示部82bと、メイン表示部81の右側に配設されている右サブ表示部82cと、を含んでいる。
ここで、メイン表示部81は、固定式の液晶表示装置であり、上サブ表示部82a、左サブ表示部82b、右サブ表示部82cは、図示しないモータ等のアクチュエータにより動作する可動式の液晶表示装置である。
メイン表示部81は、後述する第1特別図柄表示装置91または第2特別図柄表示装置92における変動表示に連動して行われる図柄列の変動表示を表示することができ、さらに他の各種の演出も表示することができる。
メイン表示部81に表示される図柄列(装飾図柄)の変動表示において、表示される装飾図柄は、3つの図柄列をなす。各図柄列の変動表示の方向は特に制限されず、例えば、上下方向、左右方向、奥行き方向、またはこれらの組合せ(斜め方向)のいずれであってもよい。
ここで、奥行き方向とは、実際にはメイン表示部81の表示画面上の平面的な変動表示であるにも関わらず、メイン表示部81の奧方から手前方向またはその逆方向に図柄列が変動表示しているかのように認識させる手法(例えば、遠近法)を用いた表示態様において、遊技者が認識する仮想的な方向をいう。
また、本実施形態における装飾図柄には、数字の「1」を模した「1図柄」、数字の「2」を模した「2図柄」、数字の「3」を模した「3図柄」、数字の「4」を模した「4図柄」、数字の「5」を模した「5図柄」、数字の「6」を模した「6図柄」、数字の「7」を模した「7図柄」、数字の「8」を模した「8図柄」、および数字の「9」を模した「9図柄」があり、これらの図柄は、各図柄列に設けられている。以降の説明では、「1図柄」、「3図柄」、「5図柄」、「7図柄」、および「9図柄」を総称して「奇数図柄」と称し、「2図柄」、「4図柄」、「6図柄」、「8図柄」を総称して「偶数図柄」と称する場合がある。
サブ表示部82のそれぞれは、主として演出に関連する演出画像を表示するために設けられるだけでなく、移動可能に構成されている。
なお、それぞれの初期位置は、上サブ表示部82aはメイン表示部81を基準として上側であり、左サブ表示部82bはメイン表示部81を基準として左側であり、右サブ表示部82cはメイン表示部81を基準として右側であり、サブ表示部82のそれぞれは、これらの初期位置からメイン表示部81における装飾図柄の表示領域に重なる位置まで移動可能に構成されている。
なお、本実施形態における演出表示装置80(メイン表示部81、上サブ表示部82a、左サブ表示部82b、右サブ表示部82c)には、いずれも液晶表示装置が採用されているが、本発明の実施はこれに限るものではない。例えば、ドラム式やドットマトリックス式等、多様な方式の表示装置を演出表示装置80として採用することができる。
メイン表示部81より前方には、複数の演出用可動体83が設けられている。これら演出用可動体83は、ソレノイド、モータなどのようなアクチュエータからの動力により所定の態様でそれぞれ動作可能である。各演出用可動体83の動作を実現し得る構造や動作態様等については何ら制限されない。
本実施形態では、演出用可動体83として下可動体83a、左可動体83b及び右可動体83cが設けられている。なお、本実施形態では、上述したとおり、サブ表示部82及び可動装飾体22も動作可能であるため、演出用可動体83と共に、可動体であるといえる。
各演出用可動体83の初期位置は、図4に示される位置である。具体的には、下可動体83aの初期位置はメイン表示部81の下側であり、左可動体83bの初期位置はメイン表示部81の左上側であり、右可動体83cの初期位置はメイン表示部81の右上側である。
メイン表示部81の右下側には、複数の発光ダイオード(light emitting diode、以下、「LED」と略称する)が配設されており、これらのLEDによって図柄表示装置90の表示領域が構成されており、図柄表示装置90には、特別図柄および普通図柄が表示される。
また、図柄表示装置90は、メイン表示部81よりも遊技者が視認しにくい位置に配設され、図柄表示装置90の表示領域は、メイン表示部81の表示領域よりも小さい面積になっている。
なお、本実施形態における図柄表示装置90に係るLEDの配置や数は図2に示すとおりであるが、これは一例であって、図柄表示装置90に係るLEDの配置や数はこの例に制限されるものではない。
特別図柄は、特別電動役物(例えば、特別電動役物65)を作動させるか否かを決定する図柄変動の結果として停止表示される図柄である。本実施形態における特別図柄には、第1特別図柄表示装置91に表示される第1特別図柄と、第2特別図柄表示装置92に表示される第2特別図柄と、が含まれる。
なお、特別図柄は「特図」、第1特別図柄は「特図1」、第2特別図柄は「特図2」と略称される場合がある。
普通図柄は、普通電動役物(例えば、普通電動役物61)を作動させるか否かを決定する図柄変動の結果として停止表示される図柄である。本実施形態における普通図柄は、普通図柄表示装置93に表示される。
なお、普通図柄は、「普図」と略称される場合があり、普通電動役物は「電チュー」と称される場合がある。
また、図柄表示装置90には、上述の表示装置以外に、第1特別図柄保留ランプ94、第2特別図柄保留ランプ95、普通図柄保留ランプ96が設けられている。
第1特別図柄保留ランプ94は、保留されている特図1に係る図柄変動の数を特定可能とし、第2特別図柄保留ランプ95は、保留されている特図2に係る図柄変動の数を特定可能とし、普通図柄保留ランプ96は、保留されている普図の図柄変動の数を特定可能とし、いずれも2つのLEDの点灯態様(本実施形態では、右常時点灯のみ=1、左右常時点灯=2、右側点滅+左側常時点灯=3、左右点滅=4)によって対応する図柄変動の数を特定可能とするものである。
以下の説明では、第1特別図柄表示装置91または第2特別図柄表示装置92で特図を変動表示させた後に特図を停止表示させる図柄変動を「特図の図柄変動」と称し、以下の説明では、普通図柄表示装置93を変動表示させた後に普図を停止表示させる図柄変動を「普図の図柄変動」と称する場合がある。
また、以下の説明では、上述のメイン表示部81に表示される図柄列(装飾図柄)の変動表示は、「特図の図柄変動」や「普図の図柄変動」と区別して「装飾図柄の図柄変動」と称する場合がある。
なお、以下の説明では、単に「図柄変動」と称した場合には、特に断りがない限り特図の図柄変動を意味する。
遊技盤50の前面には、図4に示すように、多数の遊技釘(図示省略)や風車52、装飾部材といった障害物が配置されていることにより、打ち出された遊技球が転動するように遊技領域50aが画成されている。
また、遊技領域50aの左側および上側には、操作ハンドル31の回転操作により発射された遊技球を遊技領域50aの上部に案内するために設けられた湾曲形状の外レール51および内レール53が配置されている。なお、外レール51は、遊技領域50a中央を基準として内レール53より外側に位置している。ここで、風車52とは、遊技球の落下の方向に変化を与えるための機構であって、くぎ状のものをいう。
遊技機10は操作ハンドル31の回転操作量(例えば回転角度)の大小によって遊技球の打ち出しの強弱をつけることが可能になっており、より弱く打ち出された遊技球が転動する第1流路X(いわゆる左打ち)、より強く打ち出された遊技球が転動する第2流路Y(いわゆる右打ち)、のいずれか一方を遊技球が転動するように各種障害物が遊技領域50aに配置されている。
図4には、主要な入賞口として、大入賞口55、第1始動口57、第2始動口59、ゲート63、一般入賞口67を図示しているが、図示されている入賞口の数や配置は一例であり、以降で説明される役割を満たす限りにおいて、その数や配置は適宜変更しても構わない。
大入賞口55は遊技領域50aの右下部に2つ配置されている。大入賞口55には大入賞口センサ72が付設されており、大入賞口センサ72の検知結果によって大入賞口55への入賞が判定されて、大入賞口55に対応付けられた数の賞球が付与される。
より具体的には、大入賞口55には、第1大入賞口55aと第2大入賞口55bとがあり、大入賞口センサ72には、第1大入賞口センサ72aと第2大入賞口センサ72bとがあり、第1大入賞口55aには第1大入賞口センサ72aが付設され、第2大入賞口55bには第2大入賞口センサ72bが付設されている。そして、第1大入賞口55aへの入賞が判定された場合には、15球の賞球が付与され、第2大入賞口55bへの入賞が判定された場合には、第1大入賞口55aに対応づけられた賞球数よりも少ない10球の賞球が付与される。
なお、本実施形態において、第1流路Xから転動する場合と比較して、第2流路Yから転動する場合に多くの遊技球が第1大入賞口55aおよび第2大入賞口55bに向けて転動するように各障害物が配置されている。
大入賞口55の上方には特別電動役物65が配設されている。特別電動役物65は、大入賞口55への入賞が容易である開放状態または入球が困難である閉鎖状態に可換に遷移する部材であり、特別電動役物ソレノイド66により開放状態または閉鎖状態のいずれかに遷移する。
より具体的には、特別電動役物65には、第1特別電動役物65aと第2特別電動役物65bとがあり、第1大入賞口55aの上方には第1特別電動役物65aが配設され、第2大入賞口55bの上方には第2特別電動役物65bが配設されている。さらに、特別電動役物ソレノイド66には、第1特別電動役物ソレノイド66aと第2特別電動役物ソレノイド66bとがあり、第1特別電動役物65aは、第1特別電動役物ソレノイド66aにより開放状態または閉鎖状態のいずれかに遷移し、第2特別電動役物65bは、第2特別電動役物ソレノイド66bにより開放状態または閉鎖状態のいずれかに遷移する。
第1特別電動役物65aは、後述する特図当否判定によって大当りが導出されたことに起因して設定される大当り遊技の少なくとも一部において開放状態になり、これに伴って第1大入賞口55aへの入賞が許容される。このように、第1特別電動役物65aが開放状態である場合には、第1大入賞口55aへの入賞が容易となるため、賞球を獲得できる機会が大幅に増大する大当り遊技は、有利な遊技状態であると言える。
さらに、大当り遊技では、第1特別電動役物65aの開放状態と閉鎖状態が交互に設定され、1回の開放状態(「ラウンド」と称する場合があり、1回の大当りで発生するラウンドの総数を「ラウンド数」と称する場合がある)は、あらかじめ定められた数(本実施形態では、10)の遊技球が第1大入賞口55aに入賞したことに基づいて終了し、第1特別電動役物65aが閉鎖状態となる。なお、1回の開放状態は、あらかじめ定められた数の遊技球が第1大入賞口55aに入賞するのに十分な時間(本実施形態では、30s(秒))が経過したことに基づいても終了する。ここで、1回のラウンドにおいて、10球の遊技球が入賞したことに基づいて第1特別電動役物65aが開放状態から閉鎖状態に設定される場合に、すぐに閉鎖状態となることはできない。そのため、1回のラウンドにおいて、10球を超える遊技球が第1大入賞口55aに入賞する場合が発生し、当該入賞をオーバー入賞と称する場合がある。
また、第2特別電動役物65bは、特図当否判定によって小当りが導出されたことに起因して設定される小当り遊技の少なくとも一部において開放状態になり、これに伴って第2大入賞口55bへの入賞が許容される。このように、第2特別電動役物65bが開放状態である場合には、第2大入賞口55bへの入賞が容易となるため、賞球を獲得できる機会が大幅に増大する小当り遊技は、有利な遊技状態であると言える。
なお、小当り遊技は、大当り遊技よりも第2特別電動役物65bが開放状態となる合計時間が短く、開放状態が終了することとなる大入賞口55への入賞数(規定数)が大当り遊技よりも少ない(本実施形態では、4)。さらに、上述の通り、第2大入賞口55bに対応づけられた賞球数(10)は、第1大入賞口55aに対応づけられた賞球数(15)よりも小さい。したがって、小当り遊技は、大当り遊技よりも有利度が低い遊技状態と言える。
また、小当り遊技も、一の小当り遊技における第2特別電動役物65bが開放状態となる時間の累計が規定時間(本実施形態では、1.8s)以内となれば、大当り遊技と同様に、第2特別電動役物65bの開放状態と閉鎖状態を交互に設定し、一の小当り遊技において複数回の第2特別電動役物65bの開放状態を設けてもよい。
さらに、小当り遊技におけるオーバー入賞は、大当り遊技におけるオーバー入賞と同様に、小当り遊技(1回または複数回の第2特別電動役物65bの開放状態)が終了する第2大入賞口55bへの入賞数を超えた入賞と定義してもよいが、小当り遊技において第2特別電動役物65bが開放状態となる時間が大当り遊技よりも短いため、当該時間が経過した後の入賞と定義してもよい。
第1始動口57は、遊技領域50aの中央下部に配置されている。第1始動口57には第1始動口センサ70が付設されており、第1始動口センサ70の検知結果によって第1始動口57への入賞が判定されて、第1始動口57に対応付けられた数(本実施形態では、4)の賞球が付与される。第1始動口57への入賞が判定された場合の少なくとも一部において、特図1に係る図柄変動が行われることとなる。
なお、本実施形態に係る遊技領域50aは、第2流路Yから転動した場合に比べて、第1流路Xから転動した場合に多くの遊技球が第1始動口57に向けて転動するように、遊技釘等の障害物が配置されているものとする。
第2始動口59は、遊技領域50aの右下部に配置されている。第2始動口59には第2始動口センサ71が付設されており、第2始動口センサ71の検知結果によって第2始動口59への入賞が判定されて、第2始動口59に対応付けられた数(本実施形態では、1)の賞球が付与される。そのため、第2始動口への入賞による賞球によって遊技球を増やすことはできない。
第2始動口59への入賞が判定された場合の少なくとも一部において、特図2に係る図柄変動が行われることとなる。
なお、本実施形態に係る遊技領域50aは、第1流路Xから転動した場合に比べて、第2流路Yから転動した場合に多くの遊技球が第2始動口59に向けて転動するように、遊技釘等の障害物が配置されているものとする。
第2始動口59に繋がる流路には普通電動役物61が配設されている。普通電動役物61は、第2始動口59に遊技球への入球が容易である開放状態または入球が困難である閉鎖状態に可換に遷移する部材であり、普通電動役物ソレノイド62により開放状態または閉鎖状態のいずれかに遷移する。
より具体的には、普通電動役物61は、普図の図柄変動で当選して行われる普図当り遊技の少なくとも一部において開放状態になり、これに伴って第2始動口59への入賞が許容される。このように、普通電動役物61が開放状態である場合には、第2始動口59への入賞が容易となるため、賞球により遊技球の減少を抑えつつ、特図2に係る図柄変動が実行される機会を大幅に増大し得る。
なお、図4に示す通り、第2特別電動役物65bは、第2流路Yにおいて、普通電動役物61よりも下流側にある。一方、第1特別電動役物65aは、第2流路Yにおいて、普通電動役物61よりも上流側にある。
ゲート63は、遊技領域50aの右中央部に配置されている。ゲート63には、ゲートセンサ74が付設されており、ゲートセンサ74の検知結果によってゲート63への遊技球の通過が判定される。ゲート63への遊技球の通過が判定された場合の少なくとも一部において、普図の図柄変動が行われることとなる。さらに、後述する大当り待機中において、ゲート63への遊技球の通過が判定された場合には、待機されていた大当り遊技が開始される。なお、本実施形態では、ゲート63への遊技球の通過が判定されても賞球は付与されない。
また、本実施形態において、第1流路Xから転動する場合と比較して、第2流路Yから転動する場合に多くの遊技球がゲート63に向けて転動するように各障害物が配置されている。
一般入賞口67は、遊技領域50aの左下部に配置されている。一般入賞口67には、一般入賞口センサ73が付設されており、一般入賞口センサ73の検知結果によって一般入賞口67への入賞が判定されて、一般入賞口67に対応付けられた数(本実施形態では、4)の賞球が付与される。
なお、本実施形態において、第2流路Yから転動する場合と比較して、第1流路Xから転動する場合に多くの遊技球が一般入賞口67に向けて転動するように各障害物が配置されている。
アウト口69は、遊技領域50aの最下部に配置されている。遊技領域50aに打ち込まれ、上述の各入賞口に入球しなかった遊技球はアウト口69に落入し、アウト球として処理される。
なお、本実施形態では、上記入賞口およびアウト口に入球した遊技球(以下、「アウト球」と称する)を検出するためのアウト球センサ75(図示省略)を備えており、当該センサの検出結果を用いて計数されたアウト球数は、ベース値を導出するために用いられる。
ここで、ベース値とは、最も不利な状態(後述する、特図低確かつ普図低確)におけるセーフ球数(賞球数)÷アウト球数×100で導出される値であり、当該値は、後述する主制御基板モニタ97に表示される。
より具体的には、初回電源投入(RAM103のベース値に係る領域がクリアされた場合を含む)からアウト球数の60000区切りの区間でベース値を導出し、導出したベース値を次の区間に表示(例えば、アウト球数が60001~120000の区間で導出したベース値を120001~180000の区間で表示)する。そして、表示される値は、導出したベース値の整数部分(小数点第一位を四捨五入)である。
遊技盤50の背面には、図5に示すように、主制御基板100が格納された主制御基板ケース109、第1副制御基板200が格納された第1副制御基板ケース209、第2副制御基板300が格納された第2副制御基板ケース309、電源制御基板500が格納された電源制御基板ケース509、払出制御基板400が格納された払出制御基板ケース409、および設定基板41が装着され、第1副制御基板ケース209および第2副制御基板ケース309の背面に加え、主制御基板ケース109の背面の一部を覆う開閉カバー45が着脱自在に装着されている。
なお、各基板を覆う基板ケースおよびカバーは、透明性を有する部材によって構成されており、各ケースおよびカバーを通して対応する基板が視認可能となっている。
主制御基板100には、設定値、ベース値、および遊技停止状態の種別(詳細は後述)を表示する主制御基板モニタ97が設けられ、当該モニタは、遊技盤50の背面から視認可能となっている。また、当該モニタの表示は、主制御基板100により制御される。
ここで、設定値とは、後述する特図当否判定の有利度(大当りが導出される確率)に影響を与える値である。本実施形態における設定値は、設定値1、設定値2、設定値3、設定値4、設定値5、および設定値6の計6段階が設けられており、設定されている設定値(以下、「現在の設定値」と称する場合がある)の値が大きくなるに従って特図当否判定の有利度が高くなるように構成されており、設定値に応じた特図当否判定の詳細は、後述する。なお、以降の説明では、設定値1、設定値3、設定値5を総称して奇数設定値と、設定値2、設定値4、設定値6を総称して偶数設定値と、設定値1、設定値2、設定値3を総称して低設定値と、設定値4、設定値5、設定値6を総称して高設定値と称する場合がある。また、設定値の段階は、複数段階あれば、6段階に限らない。そして、本実施形態とは異なる数の段階となる場合における高設定値とは、上位半分の設定値(段階の数が奇数の場合には、真ん中の設定値を含む上位の設定値)を指す。
また、設定値は、後述する設定変更手段177による設定変更処理によって変更可能であり、現在の設定値は、後述する設定確認手段178による設定確認処理において確認可能であり、設定変更処理および設定確認処理の詳細は、後述する。
また、本実施形態では、設定されている設定値、ベース値、および遊技停止状態の種別を同一の表示装置(主制御基板モニタ97)で表示しているが、これらの一部または全部を別の表示装置に表示するようにしてもよい。
電源制御基板500には、遊技島の電源設備から供給される一次電源を遊技機10に供給するために操作される電源スイッチ40が設けられている。
設定基板41には、後述する復電時(電源投入時)の復帰状態を決定するための操作部として、設定キースイッチ42およびRAMクリアスイッチ43が設けられている。さらに、設定基板41には、設定キースイッチ42およびRAMクリアスイッチ43を覆う透明性を有する設定基板カバー44がヒンジ機構21と同一側にあるヒンジ機構(図示省略)により開閉可能に設けられている。
なお、設定基板カバー44は、設定キースイッチ42を操作するために用いられる設定キー600が挿入されている状態では、閉鎖状態にならないように構成されている。
また、設定基板カバー44は、ヒンジ機構によって開閉可能に構成されているが、上下にスライドするスライド式のカバーであってもよい。
このように、遊技島に設置された状態では、中枠17を開放状態としなければ、遊技盤50の背面側に設けられた各操作部(電源スイッチ40、設定キースイッチ42、RAMクリアスイッチ43)の操作が困難となる。
また、遊技盤50の背面には、開閉カバー45の上部に、遊技島の球供給設備から供給される遊技球が貯留される遊技球タンク46が配置されている。遊技球タンク46は、さらに、タンクレール47および払出ユニット48を介して、上球受け皿27に繋がる払出通路49と接続されており、払出ユニット48によって払い出された球は、払出通路49を通って上球受け皿27に払い出される。
ここまで、本実施形態における遊技機10の構造について説明してきたが、これらは一具体例であって、別の構成によって本発明を実施することもできる。
<遊技機10の制御構成について>
次に、図6を用いて、本実施形態に係る遊技機10が備える制御構成を説明する。図6は、遊技機10が備える制御構成を示すブロック図である。なお、図6に示す制御構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要となるものであり、遊技機10は、図6で図示しない制御構成を備えていてもよい。
主制御基板100は、遊技に関する各種の演算処理を行うCPU101と、制御プログラムや各種抽選テーブル等のデータを記憶したROM102と、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM103と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート104と、CPU101によるプログラム処理とは別系統で動作して乱数(ハード乱数)を生成する乱数回路105と、を備えており、これらが内部バスを介して相互に接続されている。
CPU101は、ROM102に格納された各種の制御プログラムを読み出して演算処理を行うことで、遊技の主制御に係る各種処理を実行する。
RAM103は、後述するバックアップ電源回路502において生成されるバックアップ電源によってバックアップがなされる。具体的には、RAM103に格納される情報のうち、電断が生じた後の復電時にそのデータを用いて電断直前の状態で遊技機10が復帰できるような各種情報がバックアップされるように構成されている。例えば、電断が生じた際に保持されていたスタックポインタや各レジスタ等のデータに加え、そのときの遊技機10の状態(遊技停止状態、設定変更状態、設定確認状態、または遊技可能状態)、設定中の設定値、現在の特図抽選状態、現在の普図抽選状態などといった遊技に係る情報がバックアップ対象とされる。
本実施形態では、少なくとも、そのような遊技に係る情報が格納される領域(RAM103の遊技に係る領域と表記される場合がある)に加えて、ベース値が格納される領域(RAM103のベース値に係る領域)と、RAM103の遊技に係る領域に関するチェックサムの補数およびバックアップフラグが格納される領域(RAM103の遊技に係るバックアップ情報領域と表記される場合がある)と、RAM103のベース値に係る領域に関するチェックサムの補数およびバックアップフラグが格納される領域(RAM103のベース値に係るバックアップ情報領域と表記される場合がある)とがバックアップされる。そして、遊技機10は、復電時に、そのバックアップされた、RAM103の遊技に係る領域と、RAM103のベース値に係る領域と、RAM103の遊技に係るバックアップ情報領域と、RAM103のベース値に係るバックアップ情報領域とに格納される各種情報を用いて復帰する。
なお、本実施形態におけるバックアップの具体的手法については何ら制限されない。例えば、RAM103のうちバックアップ対象とされる領域は、電断状態においても不揮発的にデータを保持可能な構成で実現されてもよい。他の例としては、RAM103の中でも、電断状態においても不揮発的にデータを保持可能に構成される第一メモリと、遊技機10が動作時に参照される第二メモリとで異なるハードウェアが設けられていてもよく、その場合には、遊技機10は、電断時に第二メモリから第一メモリにバックアップ対象となる情報を退避し、その退避された情報を復電時に第一メモリから第二メモリへリカバリすればよい。
また、主制御基板100は、第1始動口センサ70、第2始動口センサ71、大入賞口センサ72、一般入賞口センサ73、ゲートセンサ74、アウト球センサ75、中枠開扉センサ76等と電気的に接続されており、I/Oポート104を介して、これらのセンサからの検出信号をCPU101に入力可能に構成されている。
また、主制御基板100は、第1特別図柄表示装置91、第2特別図柄表示装置92、普通図柄表示装置93、第1特別図柄保留ランプ94、第2特別図柄保留ランプ95、普通図柄保留ランプ96、主制御基板モニタ97、右打ちランプ98、普通電動役物ソレノイド62および特別電動役物ソレノイド66に電気的に接続されており、I/Oポート104を介してこれらを制御可能に構成されている。
同様に、主制御基板100は、メイン操作部39に電気的に接続されており、メイン操作部39の操作を検知可能に構成されている。さらに、主制御基板100は、設定基板41と電気的に接続されており、設定キースイッチ42、およびRAMクリアスイッチ43の操作を検知可能に構成されている。
なお、右打ちランプ98の設置箇所については具体的に図示しないが、前枠20が閉鎖している状態で前面側から視認可能な位置に配置されれば、その設置箇所は特に制限されない。
主制御基板100と第1副制御基板200との間は、8本のパラレル信号線および1本のストローブ線で接続されており、主制御基板100から第1副制御基板200へと向かう単一方向のみで通信可能に接続され、主制御基板100から第1副制御基板200へ各種の演出制御コマンドが送信される。
なお、第1副制御基板200から主制御基板100へデータを送信することはできず、また、第1副制御基板200は、主制御基板100に対してデータの送信を要求することはできないように構成されている。
また、本実施形態では、主制御基板100から第1副制御基板200へのデータ送信にパラレル伝送方式を採用しているが、シリアル伝送方式を採用してもよい。
第1副制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに基づき遊技演出に関する各種の演算処理を行うCPU201、演出制御プログラムや各種抽選テーブル等のデータを記憶したROM202、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM203と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート204と、を備え、これらが内部バスを介して相互に接続され、CPU201がROM202に記憶された制御プログラムに従って遊技演出に係る主要な制御を実行するように構成されている。
なお、第1副制御基板200は、演出ボタン37およびカーソルボタン38に電気的に接続されており、当該操作部の操作を検知可能に構成されている。
また、第1副制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに基づく演出制御処理にて、第2副制御基板300へ画像および音響を指示する画像制御コマンド、演出ランプ35等の各種ランプの点灯を制御するためのランプ制御データ、可動装飾体22およびサブ表示部82等の可動体の可動を制御するための可動制御データ等を生成する。
ここで、第1副制御基板200は、第2副制御基板300と双方向通信が可能に接続されており、画像および音響に関する画像制御コマンドが第1副制御基板200から第2副制御基板300へ送信される一方、その応答として、当該制御コマンドを正常に受信できた旨を示す応答コマンド(ACKコマンド)が第2副制御基板300から第1副制御基板200へ送信される。
また、第1副制御基板200は、演出ランプ35と電気接続されており、I/Oポート204を介して、ランプ制御データを送信する。そして、演出ランプ35は、第1副制御基板200から送信されるランプ制御データによって点灯が制御されるように構成されている。
また、第1副制御基板200は、可動装飾体22、サブ表示部82、および演出用可動体83と電気接続されており、I/Oポート204を介して、可動制御データを送信する。
そして、可動装飾体22、サブ表示部82、および演出用可動体83は、第1副制御基板200から送信される可動制御データによって可動が制御されるように構成されている。
第2副制御基板300は、第1副制御基板200からの画像制御コマンドに基づき画像演出に関する各種の演算処理を行うCPU301と、画像制御プログラムや各種データ等を記憶したROM302と、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM303と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート304とを備えており、CPU301がROM302に記憶された制御プログラムに従って画像演出に係る主要な制御を実行するように構成されている。
その他、第2副制御基板300には、図示省略するが、CPU301から受信した制御信号に基づき、後述する演出内容決定手段225によって決定された演出の内容に沿った画像データを生成するVDPと、CPU301から受信した制御信号に基づき当該演出の内容に沿った音響データを生成する音源ICとを搭載している。VDPは、いわゆる画像プロセッサであり、CPU301からの指示に応じて画像ROMに記憶された画像データを読み込み、これを画像処理して生成した画像データを演出表示装置80へ送信する。このVDPには、画像ROMから読み出された画像データの展開・加工に使用される高速のVRAMが接続されている。音源ICは、CPU301からの指示に応じて音声ROMに記憶された音響データを読み込み、読み込んだ音響データを合成処理して生成した最終的な音響データを増幅器を介してスピーカ33に出力する。
払出制御基板400は、CPU401、ROM402およびRAM403(いずれも図示省略)を主体として構成されている。
また、払出制御基板400は、主制御基板100と双方向通信可能に接続されており、主制御基板100からの払出制御コマンドに基づいて払出ユニット48を駆動させて遊技球を払い出すための制御を実行するとともに、操作ハンドル31の操作量に基づき球送り機構と発射機構とを同期的に駆動させて遊技球の発射を制御する。
電源制御基板500は、遊技島の電源設備から供給される一次電源を基に、上述の制御基板等の電子部品や電気部品に供給する通常電源を生成する通常電源回路501、バックアップ電源を生成するバックアップ電源回路502、および電断(通常電源による供給電圧が所定の電圧低下となること)を検出する電断検出回路503で構成されている。
また、電源制御基板500には、電源スイッチ40が接続されており、遊技島の電源設備から1次電源が供給されていることを前提として、電源スイッチ40がONになると、電源制御基板500の通常電源回路501で通常電源が生成され、上述の制御基板(主制御基板100、第1副制御基板200、第2副制御基板300、および払出制御基板400)を含む電子部品や電気部品に電源が供給される。
また、電源制御基板500は、電断検出回路503によって電断が検出された場合には、電断信号(NMI信号)を主制御基板100、第1副制御基板200、払出制御基板400のそれぞれに送信する。
また、バックアップ電源回路502は、遊技島の電源設備から遊技機10に電源が供給されているときに充電される仕組みとなっている。
なお、バックアップ電源回路502を払出制御基板400上に設けるようにしてもよく、電断検出回路503を電源制御基板500に設けず、主制御基板100、第1副制御基板200、および払出制御基板400のそれぞれに設けるようにしてもよい。
<遊技機10の機能構成について>
次に、図7を用いて、本実施形態に係る遊技機10が備える機能構成を説明する。図7は、遊技機10が備える機能構成を示すブロック図である。なお、図7に示す機能構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要となるものであり、遊技機10は、図7で図示しない機能構成を備えていてもよい。また、機能構成を説明する際に、必要に応じて図8~図15を参照することとする。
主制御基板100は、図7に示すように、入球判定手段110、メイン乱数発生手段115、メイン保留制御手段120、事前判定手段125、特図抽選手段130、普図抽選手段135、大当り遊技制御手段140、図柄表示制御手段145、電動役物制御手段150、遊技状態制御手段155、メイン情報記憶手段160、メインエラー制御手段165、メインコマンド管理手段170、復電処理実行手段175、および電断処理実行手段180を備えており、これらの手段は、図6を用いて説明した主制御基板100上の各制御構成によって実現されるものを機能的に表したものである。
なお、メイン情報記憶手段160は、主制御基板100が備える手段によって読み出されたデータや、当該手段における演算によって導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。特に、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶されたデータ(演出制御コマンド)は、記憶された後にコマンド送信手段によって後述する第1副制御基板200のサブコマンド管理手段270に向けて送信される。
入球判定手段110は、各入賞口に設けられたセンサの検知結果に基づいて各入賞口への入賞を判定する。
メイン乱数発生手段115は、乱数回路105によって更新範囲が異なる複数種類の乱数を生成可能であり、入賞口への入賞が判定されたタイミングで乱数回路105から当該入賞口に対応する一または複数の乱数を取得(ラッチ)する。
より具体的には、メイン乱数発生手段115は、第1始動口57または第2始動口59への入賞が判定された場合には、後述する、特図当否判定用の乱数、特図停止図柄抽選用の乱数、および特図変動パターン抽選用の乱数を取得する。ゲート63への遊技球の通過が判定された場合には、後述する普図当否判定用の乱数、普図図柄抽選用の乱数、および普図変動パターン抽選用の乱数をメイン情報記憶手段160の対応する格納領域に格納する。
メイン保留制御手段120は、特図に係る図柄変動の保留、および普図に係る図柄変動の保留に関する制御を行う。特図1に関しては、第1始動口57への入賞を契機として取得された、特図当否判定用の乱数、特図停止図柄抽選用の乱数、および特図変動パターン抽選用の乱数を、特図1に係る作動保留情報として保留する(記憶させる)。
より具体的には、メイン保留制御手段120は、特図1に係る作動保留情報が保留されるごとに1加算され、特図1に係る作動保留情報が使用される(特図抽選手段130の抽選で用いられる)ごとに1減算される保留カウンタ(以下、「特図1保留カウンタ」と称する)を備え、特図1保留カウンタの値が上限値(本実施形態では、4)となるまで、当該作動保留情報をメイン情報記憶手段160の現在の特図1保留カウンタに対応する格納領域に記憶させ、作動保留情報が使用されるごとに、使用された作動保留情報をクリアし、残りの作動保留情報を、特図1保留カウンタの小さいものから順に、現在の格納領域から現在の特図1保留カウンタよりも1少ない特図1保留カウンタに対応する格納領域に移動(シフト)させる制御を行う。
また、メイン保留制御手段120は、特図2および普図に関しても、特図1とは別に上述の制御と同様の制御を行い、特図2の保留カウンタを特図2保留カウンタと称する。なお、以降の説明では、特図1に係る作動保留情報の保留、および特図2に係る作動保留情報の保留の双方を、「図柄変動の保留」と表現する場合がある。
また、メイン保留制御手段120は、特図1または特図2に係る作動保留情報(保留カウンタ)を更新(加算または減算)した際に、特図1保留カウンタおよび特図2保留カウンタを含む演出制御コマンド(保留コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
事前判定手段125は、所定の事前判定のタイミングにおいて特図の作動保留情報が保留された場合の少なくとも一部で、当該作動保留情報を対象とした先読み演出のための事前判定を実行する。
より具体的には、事前判定手段125は、今回保留した作動保留情報の各乱数を読み出し、後述する、特図当否判定、特図停止図柄抽選、および特図変動パターン抽選のそれぞれに対する事前判定を実行する。各事前判定では、各事前判定に対応する抽選に用いられる抽選テーブルと同一または同等の抽選テーブル(図示省略)が用いられる。そのため、これらの事前判定の結果は、後に実行される抽選の結果と同一の結果となる。
また、事前判定手段125は、導出された事前判定の結果を含む演出制御コマンド(事前判定コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
なお、上述の通り、事前判定コマンドは、所定の事前判定のタイミングにおいて特図の作動保留情報が保留された場合の少なくとも一部で送信される(生成され、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶される)ものであるため、上述の保留コマンドに続いて送信されることとなる。ここで、所定の事前判定のタイミングとは、大当り遊技中ではないことを指す。
特図抽選手段130は、特図当否判定手段131、特図停止図柄抽選手段132、および特図変動パターン導出手段133を備え、変動開始条件が充足されると、メイン情報記憶手段160に保留されている作動保留情報のうちの、当該変動条件に係る特図に対応する最先の作動保留情報を読み出す。そして、特図当否判定手段131、特図停止図柄抽選手段132、特図変動パターン導出手段133の順に各手段による処理が実行される。
ここで、変動開始条件とは、特図1および特図2のそれぞれで個別に充足されるか否かが判定される条件であり、より具体的には、後述する大当り待機中および大当り遊技中のいずれでもなく、かつ同一の特図の図柄変動が実行中でないことで充足される条件である。すなわち、本実施形態では、特図1に係る図柄変動と特図2に係る図柄変動とが同時並行で実行され得る。
よって、遊技機10は、第一の始動口(第1始動口57)に係る図柄変動と第二の始動口(第2始動口59)に係る図柄変動とを並行して実行可能であると換言できる。
なお、本実施形態では、例えば、特図1に係る作動保留情報、および特図2に係る作動保留情報の双方が、大当り遊技終了時に保留されている状況等、特図1に係る変動開始条件と特図2に係る変動開始条件とが同時に充足される状況が発生し得るが、このような状況では、特図2に係る最先の作動保留情報を読み出して特図2に係る図柄変動を開始させた直後に、特図1に係る最先の作動保留情報を読み出して特図1に係る図柄変動を開始させる。
また、作動保留情報の保留と同時に変動開始条件が充足される場合には、メイン保留制御手段120によって作動保留情報が保留されることなく、当該作動保留情報を特図抽選手段130によって直接読み出すようにしてもよい。
また、本実施形態では、特図当否判定によって大当りが導出された特図1に係る図柄変動において当選図柄が停止している際に第2始動口59の入賞が生じた場合、又は、特図当否判定によって大当りが導出された特図2に係る図柄変動において当選図柄が停止している際に第1始動口57の入賞が生じた場合、これらの新たに入賞によって取得される作動保留情報は、少なくとも導出された大当りによって生起される大当り遊技が終了されるまでメイン保留制御手段120によって保留される。仮に、新たに入賞によって取得される作動保留情報に基づいて大当りに当選する場合であっても、大当り遊技を並行して実行することができないからである。
ここで、図8~図10は、特図抽選手段130で用いられる抽選テーブルを模式的に示す図であり、以下の説明において必要に応じて参照する。
なお、これらの抽選テーブル以外も含め、抽選テーブルを用いた抽選では、読み出した乱数に対して抽選テーブルに記憶された抽選値をあらかじめ定められた順序に従って順次加算(対象となる抽選値が一つである場合には、加算回数は一回)され、キャリー(桁あふれ)が発生した抽選値に対応する結果が当該抽選の結果として導出される。同様に、抽選テーブルに関する説明では、説明の便宜上、抽選テーブルに名前を付しているが、名前に対応する抽選テーブルに含まれる抽選値等のデータが各ROMに識別可能に記憶されていればよく、これらの名前は、当該データが記憶される領域を特定するものではない。図示される抽選テーブルには、説明の便宜上記載された項目や、抽選値として「-」や「0」が記載されている場合があるが、これらは必ずしも各ROMに記憶されたデータを示すものではない。そして、抽選値として「-」や「0」が記載された結果は当選することはない。さらに、抽選に使用される乱数範囲(当該範囲で取得され得る乱数の数)と同一の抽選値が抽選テーブルに記載されている場合には、当該結果が100%導出されるため、必ずしも抽選を行う必要はない。また、一回の抽選に用いられる抽選値の合計値が、抽選に使用される乱数範囲と一致した場合には、最後の抽選値の加算で必ずキャリーが発生するため、当該加算を行わなくてよく、その場合には、当該加算に用いられる抽選値自体も不要となる。
特図当否判定手段131は、図柄変動ごとに、特図当否判定用の乱数を読み出し、読み出した乱数と現在の設定値に対応する特図当否判定用の抽選テーブルを用いて大当り、小当り、ハズレのいずれに当選するかを抽選によって判定する特図当否判定を実行する。
図8(a)は、特図1に係る特図当否判定用の抽選テーブルを模式的に示す図である。当該判定で用いられる乱数の範囲は、0~65535であるため、特図抽選状態が低確率の場合(以下、「特図低確」と略称する場合がある)の特図1に係る特図当否判定において、現在の設定値が設定値1である場合には205/65536(約1/319.6)、現在の設定値が設定値2である場合には210/65536(約1/312.0)、現在の設定値が設定値3である場合には215/65536(約1/304.8)、現在の設定値が設定値4である場合には220/65536(約1/297.8)、現在の設定値が設定値5である場合には225/65536(約1/291.2)、現在の設定値が設定値6である場合には230/65536(約1/284.9)の確率で、大当りが導出される(大当りに当選する)。同様に、特図抽選状態が高確率の場合(以下、「特図高確」と略称する場合がある)において、現在の設定値が設定値1である場合には445/65536(約1/147.2)、現在の設定値が設定値2である場合には455/65536(約1/144.0)、現在の設定値が設定値3である場合には466/65536(約1/140.6)、現在の設定値が設定値4である場合には477/65536(約1/137.3)、現在の設定値が設定値5である場合には488/65536(約1/134.2)、現在の設定値が設定値6である場合には499/65536(約1/131.3)の確率で、大当りが導出される。なお、図8(a)に示す通り、特図1に係る特図当否判定において小当りは、導出されない。
図8(b)は、特図2に係る特図当否判定用の抽選テーブルを模式的に示す図である。当該判定で用いられる乱数の範囲は、特図1と同様に、0~65535であり、大当りが導出される確率は、特図1に係る特図当否判定と同様であるため、説明を省略する。なお、図8(b)に示す通り、特図2に係る特図当否判定において、小当りは、特図低確および特図高確のいずれにおいても、60000/65536(約1/1.09)の確率(ハズレを含めた特図当否判定の結果の中で最も高い確率)で導出され、当該確率は、現在の設定値の段階によらない。この点が特図1に係る特図当否判定とは異なる。
このように、本実施形態では、特図低確および特図高確のそれぞれにおいて、大当りが導出される確率は設定値ごとに異なり、いずれの設定値においても、特図低確において大当りが導出される確率の分子を1とした場合の分母の値が、特図高確において大当りが導出される確率の分子を1とした場合の分母の値よりも大きくなっている。そのため、特図高確は、特図低確よりも大当りが導出される確率が高く、特図低確よりも有利度が高い状態であると言える。
また、本実施形態では、特図低確の大当りが導出される確率の分母(分子を1とした場合)と、特図高確で大当りが導出される確率の分母(分子を1とした場合)の比率が、設定される設定値に関わらず一定(本実施形態では、1:約2.2)となるように抽選値が設定されており、当該比率が一定とは、大当り確率の分母(分子を1とした場合)の整数部分(小数点以下は、切り捨て、切り上げ、および四捨五入のいずれか)の比率が一定となることを指す。すなわち、前者の確率の分母と、後者の確率の分母の比率が、設定される設定値に関わらず略一定となるように抽選値が設定されていればよい。
また、上述の通り、本実施形態では、特図1に係る図柄変動と特図2に係る図柄変動とが同時並行で実行され得る。そのため、特図当否判定によって大当りが導出された特図1に係る図柄変動の実行中には特図2に係る図柄変動が、特図当否判定によって大当りが導出された特図2に係る図柄変動の実行中には特図1に係る図柄変動が、新たに開始され得るが、本実施形態では、これらの新たに開始された図柄変動における特図当否判定において大当りが導出されても当該大当りを無効とする。
一方、特図当否判定によって大当りが導出された特図1に係る図柄変動の実行中に、新たに開始された特図2に係る図柄変動における特図当否判定において小当りが導出された場合には、当該特図2に係る図柄変動が、当該特図1に係る図柄変動よりも早くに終了することを条件に、当該小当りが有効となり、当該特図2に係る図柄変動の終了後に小当り遊技が開始される。ただし、当該特図1に係る図柄変動が、特図2に係る図柄変動よりも早くに終了する場合には、当該小当りは無効となる。
なお、本実施形態における特図当否判定では、大当りに当選するか否かの判定と、小当りに当選するか否かの判定と、を一の抽選テーブルを用いて一体的に判定しているが、これに限らない。例えば、別の抽選テーブルを用いて、これらの判定を順に行うようにしてもよく、この場合には、大当りが導出された一方の特図に係る図柄変動の実行中に、新たに他方の特図に係る図柄変動が開始された場合には、当該他方の特図に係る図柄変動において大当りに当選するか否かの判定を実行せず、当該他方の特図に係る図柄変動において小当り当選するか否かの判定を実行するようにしてもよい。
すなわち、大当りが導出された一方の特図に係る図柄変動の実行中に、新たに他方の特図に係る図柄変動が開始された場合に、新たに開始された図柄変動において大当りが導出されないようになっていればよい。これにより、特図1に係る図柄変動と特図2に係る図柄変動とが同時並行で実行されるようにしつつも、大当りが導出された後の遊技球の発射を抑制することができる。
よって、遊技機10において、当否判定によって大当りに当選したと判定された第二の始動口(第2始動口59)に係る図柄変動の実行中に新たに開始される第一の始動口(第1始動口57)に係る図柄変動では、大当りが導出されないと換言できる。
また、上述の遊技盤50の説明では省略したが、遊技盤50の前面には、特図低確における大当り確率および特図高確における大当り確率の設定値ごとの設計値(いずれも分子を1とした場合の確率であることが好ましい)が、前枠20が閉鎖している状態で前面側から視認可能な位置に記載されている。そのため、遊技者は、これらの確率の設計値を認識することができる。
なお、これらの確率は、設定値ごとの大当り確率をすべて記載する必要はなく、例えば、特図低確における大当り確率を「1/284.9~1/319.6」や、特図高確における大当り確率を「1/147.2~1/131.3」のように、設定値2~設定値5の大当り確率を記載しないようにしてもよい。すなわち、最も高い確率と最も低い確率のみを記載するようにしてもよい。このようにすることで、確率の記載スペースを有効利用することができる。
特に、特図高確における大当り確率を記載せずに特図低確における大当り確率(特図低確における大当り確率のみ)を記載するようにしてもよく、この場合には、設定値ごとの特図低確における大当り確率をすべて記載してもよいし、一部(最も高い確率と最も低い確率)を記載するようにしてもよい。いずれの場合であっても、特図高確における大当り確率よりも遊技者が関心を持つ特図低確における大当り確率を記載しつつも、特図高確に確率の記載スペースをより有効利用することができる。また、これらの確率の記載は、メイン表示部81等の液晶表示装置による表示に置き換えてもよい。
特図停止図柄抽選手段132は、特図当否判定の結果が大当りとなった場合に、特図停止図柄抽選用の乱数を読み出し、読み出した乱数と特図停止図柄抽選用の抽選テーブルを用いて特図の停止図柄を抽選によって決定する。
図9(a)は、特図1停止図柄抽選用の抽選テーブルを模式的に示す図であり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は、0~99である。そのため、特図1で大当りが導出された場合には、50/100(1/2)の確率で図柄A、15/100(約1/6.67)の確率で図柄B、35/100(約1/2.86)の確率で図柄Cが停止図柄として決定され、これらの確率は設定値に依存しない。
図柄Aは、ラウンド数(R数)が10となる図柄であって、大当り遊技終了後に特図高確且つ後述する普図低確となる図柄であり、図柄Bは、ラウンド数が6となる図柄であって、大当り遊技終了後に特図高確且つ普図高確となる図柄である。以下、これらの図柄を総称して、「確変図柄」と称する場合があり、当該図柄に係る大当りを「確変大当り」と称する場合がある。一方、図柄Cは、ラウンド数が6となる図柄であって、大当り遊技終了後に特図低確且つ普図高確となる図柄である。以下、この図柄を、「通常図柄」と称する場合があり、当該図柄に係る大当りを「通常大当り」と称する場合がある。
ここで、図柄Aおよび図柄Bは、大当り遊技終了後に、特図高確となる図柄である。そのため、図柄Aおよび図柄Bは、図柄Cよりも有利な図柄と言える。さらに、図柄Aは、特図高確且つ普図高確よりも有利な遊技状態である、特図高確且つ普図低確となる図柄であるため、図柄Aは、図柄Bよりも有利な図柄と言える。
図9(b)は、特図2停止図柄抽選用の抽選テーブルを模式的に示す図であり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は、特図1停止図柄抽選と同様に、0~99である。そのため、特図2で大当りが導出された場合には、52/100(約1/1.92)の確率で図柄a、13/100(約1/7.69)の確率で図柄b、35/100(約1/2.86)の確率で図柄cが停止図柄として決定され、これらの確率は設定値に依存しない。
図柄aは、ラウンド数が16となる図柄であって、図柄Aと同様に、大当り遊技終了後に特図高確且つ普図低確となる図柄である。図柄bは、ラウンド数が6となる図柄であって、図柄Bと同様に、大当り遊技終了後に特図高確且つ普図高確となる図柄である。さらに、図柄cは、ラウンド数が6となる図柄であって、図柄Cと同様に、大当り遊技終了後に特図低確且つ普図高確となる図柄である。
ここで、図柄aおよび図柄bは、大当り遊技終了後に、特図高確となる図柄である。そのため、図柄aおよび図柄bは、図柄cよりも有利な図柄と言える。さらに、図柄aは、特図高確且つ普図高確よりも有利な遊技状態である、特図高確且つ普図低確となる図柄であるため、図柄aは、図柄bよりも有利な図柄と言える。
このように、本実施形態では、特図1および特図2のいずれにおいても、各停止図柄が導出される確率は、設定される設定値に関わらず一定であり、特図停止図柄抽選の有利度は、設定される設定値によって変化しない。
特に、図柄aは、図柄Aよりも、ラウンド数が多くかつ当選確率が高い。そのため、特図2に係る図柄変動は、特図1に係る図柄変動よりも有利であると言える。
また、特図停止図柄抽選手段132は、特図当否判定の結果が大当りとならなかった場合には、特図1のハズレ時は図柄D、特図2のハズレ時は図柄dを停止図柄として一律に決定し、特図2の小当り時は図柄eを停止図柄として決定する。
特図変動パターン導出手段133は、特図変動パターンを決定する際に参照する特図変動パターン抽選テーブルを複数種類備え、現在の特図変動パターン導出状態、特図の種類、および特図当否判定の結果に基づいて、今回の特図変動パターンを決定するための一つの特図変動パターン抽選テーブルを選択し、選択した特図変動パターン抽選テーブルと特図変動パターン抽選用の乱数とを用いて一つの特図変動パターンを決定し、決定した特図変動パターンに基づいて変動時間を決定する。
なお、遷移条件等の詳細は後述するが、本実施形態における特図変動パターン導出状態には、特図低確且つ後述する普図低確となる特図変動パターン導出状態PA、特図高確且つ普図低確となる特図変動パターン導出状態PB、特図高確且つ後述する普図高確となる特図変動パターン導出状態PC、および特図低確且つ普図高確となる特図変動パターン導出状態PDが存在する。そして、各特図変動パターン導出状態では、推奨される遊技球の打ち出し方向(特図抽選状態および普図抽選状態の組合せによって定まる遊技者にとって相対的に有利となる打ち出し方向)があり、当該打ち出し方向は、特図変動パターン導出状態PA時では、第1流路Xとなる。一方、特図変動パターン導出状態PB、特図変動パターン導出状態PC、および特図変動パターン導出状態PDにおいて推奨される遊技球の打ち出し方向は、第2流路Yとなる。したがって、特図変動パターン導出状態PAでは、主に特図1に係る図柄変動が実行され、特図変動パターン導出状態PB、特図変動パターン導出状態PC、および特図変動パターン導出状態PDでは、主に特図2に係る図柄変動が実行されることとなる。
そのため、本実施形態では、特図変動パターン導出状態PAでは、当該特図変動パターン導出状態における特図当否判定によって当選する大当りのうちの、特図1に係る図柄変動における特図当否判定によって当選する大当りの割合は、当該特図変動パターン導出状態における特図当否判定によって当選する大当りのうちの、特図2に係る図柄変動における特図当否判定によって当選する大当りの割合よりも高くなる。
一方、特図変動パターン導出状態PB、特図変動パターン導出状態PC、および特図変動パターン導出状態PDのそれぞれでは、当該特図変動パターン導出状態における特図当否判定によって当選する大当りのうちの、特図2に係る図柄変動における特図当否判定によって当選する大当りの割合は、当該特図変動パターン導出状態における特図当否判定によって当選する大当りのうちの、特図1に係る図柄変動における特図当否判定によって当選する大当りの割合よりも高くなる。
よって、遊技機10において、第一の遊技状態(特図変動パターン導出状態PA)は、第一の遊技状態における当否判定によって当選する大当りのうちの第一の始動口(第1始動口57)に係る図柄変動での当否判定によって当選する大当りが占める割合が、第一の遊技状態における当否判定によって当選する大当りのうちの第二の始動口(第2始動口59)に係る図柄変動での当否判定によって当選する大当りが占める割合よりも高くなる遊技状態であると換言できる。
ここで、主に特図2に係る図柄変動が実行される特図変動パターン導出状態から、主に特図1に係る図柄変動が実行される特図変動パターン導出状態へ遷移する際には、特図2に係る図柄変動が保留されている可能性が高く、主に特図1に係る図柄変動が実行される特図変動パターン導出状態から、主に特図2に係る図柄変動が実行される特図変動パターン導出状態へ遷移する際には、特図1に係る図柄変動が保留されている可能性が高い。
そのため、各特図変動パターン導出状態では、主に実行される特図に係る図柄変動とは異なる特図に係る図柄変動が実行され、この異なる特図に係る図柄変動において大当りに当選する場合があり、以降の説明では、当該大当りを、「イレギュラー大当り」と表現する場合がある。
特に、本実施形態では、上述の通り、特図2に係る図柄変動が、特図1に係る図柄変動よりも有利となる。そのため、主に特図1に係る図柄変動が実行される特図変動パターン導出状態におけるイレギュラー大当りは、遊技者の興趣を喚起し得る。
図10(a)は、特図変動パターン導出状態PA時の特図1に係る特図変動パターン導出用の抽選テーブルを模式的に示す図であり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は、0~999である。
そのため、特図変動パターン導出状態PA時に特図当否判定の結果がハズレとなった場合には、900/1000の確率で特図変動パターンHNP、50/1000の確率で特図変動パターンHRP、10/1000の確率でHSP1-A、8/1000の確率でHSP1-B、6/1000の確率でHSP1-C、7/1000の確率でHSP2-A、5/1000の確率でHSP2-B、4/1000の確率でHSP2-C、5/1000の確率でHSP3-A、3/1000の確率でHSP3-B、2/1000の確率でHSP3-Cが決定され、これらの確率は、現在の設定値や設定値の変更の有無に依存しない。なお、当該場合には、特図変動パターンASP1-A~特図変動パターンASP3-Cが決定されることはない。また、詳細は図10(b)を用いて後述するが、特図変動パターンHNPが決定された場合には、図柄変動開始時の特図1保留カウンタの値を用いて特図変動パターンがさらに特定される。
特図変動パターン導出状態PA時に特図当否判定の結果が大当りとなった場合には、50/1000の確率で特図変動パターンASP1-A、70/1000の確率で特図変動パターンASP1-B、80/1000の確率で特図変動パターンASP1-C、70/1000の確率で特図変動パターンASP2-A、100/1000の確率で特図変動パターンASP2-B、130/1000の確率で特図変動パターンASP2-C、130/1000の確率で特図変動パターンASP3-A、170/1000の確率で特図変動パターンASP3-B、200/1000の確率で特図変動パターンASP3-Cが決定され、これらの確率も、現在の設定値や設定値の変更の有無に依存しない。なお、当該場合には、特図変動パターンHNP~特図変動パターンHSP3-Cが決定されることはない。
また、図示は省略するが、特図変動パターン導出状態PA時の特図2に係る図柄変動に加え、特図変動パターン導出状態PB、特図変動パターン導出状態PC、および特図変動パターン導出状態PDにおける各特図に係る図柄変動においても、特図変動パターン導出状態PA時の特図1に係る図柄変動と同様に、特図当否判定の結果に応じて特図変動パターンを抽選する。
図10(b)は、特図変動パターンHNPが決定された場合に用いられる特図変動パターン導出用の抽選テーブルを模式的に示す図であり、上述の通り、当該抽選では、特図1保留カウンタの値を用いて特図変動パターンがさらに特定される。
まず、図10(b)に示す通り、特図変動パターンHNPには、変動時間が3200ms(ミリ秒)の特図変動パターンHNP-A、変動時間が5600msの特図変動パターンHNP-B、変動時間が8000msの特図変動パターンHNP-C、変動時間が11200msの特図変動パターンHNP-Dがあり、この順に変動時間が長い。
そして、この抽選で用いられる乱数(図10(a)で示した抽選テーブルに係る抽選で用いられる乱数とは異なる)の範囲は0~999である。そのため、特図1保留カウンタ=3(保3)である場合には、1000/1000の確率で特図変動パターンHNP-Aが決定され、この確率は設定値に依存しない。同様に、特図1保留カウンタ=2(保2)である場合には、150/1000の確率で特図変動パターンHNP-Aが、850/1000の確率で特図変動パターンHNP-Bが決定され、特図1保留カウンタ=1(保1)である場合には、50/1000の確率で特図変動パターンHNP-Aが、150/1000の確率で特図変動パターンHNP-Bが、800/1000の確率で特図変動パターンHNP-Cが決定され、特図1保留カウンタ=0(保0)である場合には、50/1000の確率で特図変動パターンHNP-Bが、100/1000の確率で特図変動パターンHNP-Cが、850/1000の確率で特図変動パターンHNP-Dが決定され、これらの確率も、現在の設定値や設定値の変更の有無に依存しない。
このように、特図変動パターンHNPが決定された場合には、特図1保留カウンタの値によって決定され易い特図変動パターン(変動時間)が異なる。より具体的には、特図1保留カウンタの値が小さくなるほど長い図柄変動が決定され易くなる(特図1保留カウンタの値が大きくなるほど短い変動時間が決定され易くなる)。
なお、このような特図変動パターン(以下、「基本特図変動パターン」と称する場合がある)は、特図変動パターン導出状態PB時、特図変動パターン導出状態PC時、および特図変動パターン導出状態PD時の特図2に係る図柄変動における特図変動パターン抽選においても導出され、対応する基本特図変動パターンの種類やそれぞれの長さは異なるが、その傾向(特図の保留カウンタ(特図変動パターン導出状態PB、特図変動パターン導出状態PC、および特図変動パターン導出状態PDでは、特図2保留カウンタ)の値と決定され易い特図変動パターン(変動時間)の関係性)は特図変動パターン導出状態PAと同様である。これにより、推奨される遊技球の打ち出し方向に従って遊技している遊技者の遊技意欲を減退させ難くすることができる。
ただし、各特図変動パターン導出状態では、推奨される遊技球の打ち出し方向で打ち出された遊技球が相対的に入賞容易となる始動口とは異なる始動口(例えば、特図変動パターン導出状態PAに対しては第2始動口59)に係る図柄変動では、基本特図変動パターンが決定されないようにすることが好ましい。すなわち、当該図柄変動では、当該図柄変動に係る特図の保留カウンタの値に関わらず、特図変動パターンが決定されることが好ましい。
また、本実施形態では、上述の特図停止図柄抽選と同様に、特図変動パターン導出状態および特図当否判定の結果が同一であれば、各特図変動パターンが導出される確率は、設定される設定値によらない。
また、特図変動パターン導出手段133は、図柄変動の開始時に、特図当否判定の結果、決定された特図の停止図柄、および決定された特図変動パターンを含む演出制御コマンド(変動開始コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
普図抽選手段135は、特図抽選手段130と同様に、普図の図柄変動中でない場合に、メイン情報記憶手段160に保留されている作動保留情報のうちの最先の作動保留情報を読み出し、読み出した乱数を用いて、普図の当否を判定する普図当否判定を実行し、普図当否判定の結果および現在の普図抽選状態に基づいて普図の停止図柄を決定し、かつ現在の普図抽選状態に基づいて普図の変動パターン(変動時間)を決定する。
より具体的には、普図当否判定では、普図抽選状態が高確率の状態(「普図高確」と略称する場合がある)と、普図抽選状態が低確率の状態(「普図低確」と略称する場合がある)とがあり、当該判定で用いられる乱数は、0~65535である。
そのため、普図当否判定用の抽選テーブルを模式的に示す図である図11(a)に示す通り、普図低確では、65534/65536の確率で普図当りとなり、残りの2/65536の確率でハズレとなる一方、普図高確では、65535/65536の確率で普図当りとなり、残りの1/65536の確率でハズレとなる。なお、これらの確率は、設定される設定値によらない。
このように、本実施形態では、普図低確および普図高確のいずれでも、普図当否判定において普図当りとなる確率が、普図当否判定においてハズレとなる確率よりも高く(普通電動役物61が開放状態となり易く)、第2始動口59への入賞を容易としている。
また、普図抽選状態別の普図の変動時間および普通電動役物61の開放時間(普通電動役物61が開放状態となっている時間)をまとめた表である図11(b)に示す通り、普図低確における普図の変動時間(本実施形態では、5000ms)は、普図高確における普図の変動時間(本実施形態では、500ms)よりも長くなる。
さらに、普図低確における普通電動役物61の開放時間(本実施形態では、1000ms)は、普図高確に普通電動役物61の開放時間(6000ms)よりも短い。
そのため、普図低確における普通電動役物61の閉鎖時間(普通電動役物61が閉鎖状態となっている時間)は、普図高確における普通電動役物61の閉鎖時間よりも長くなる。
したがって、本実施形態では、普図低確および普図高確のいずれでも第2始動口59への入賞を可能にしつつも、単位時間当たりの普通電動役物61が閉鎖状態となっている時間(第2流路Yから転動する遊技球が、第2始動口59へ入賞せずに、第2始動口59よりも下流側に転動する時間)が占める割合を、普図低確において普図高確よりも高めることができる。
そして、上述の通り、第2流路Yにおいて、小当り遊技において開放状態となる第2特別電動役物65bは、普通電動役物61よりも下流側にある。
そのため、推奨される遊技球の打ち出し方向が第2流路Yとなる特図変動パターン導出状態(特図変動パターン導出状態PB、特図変動パターン導出状態PC、および特図変動パターン導出状態PD)では、小当り遊技に係る第2大入賞口55bへの入賞による賞球の獲得が容易となる普図低確となる特図変動パターン導出状態PBが、普図高確となる特図変動パターン導出状態PCおよび特図変動パターン導出状態PDよりも有利となる。
なお、特図変動パターン導出状態PAは、特図変動パターン導出状態PBと同様に、普図低確となる。しかし、後述する通り、特図変動パターン導出状態PAにおける特図2に係る図柄変動の変動時間は、他の特図変動パターン導出状態における特図2に係る図柄変動の変動時間よりも極端に長くなるため、特図変動パターン導出状態PAは、他の特図変動パターン導出状態よりも有利となることはない。
よって、遊技機10において、遊技状態制御手段(遊技状態制御手段155)は、第一の遊技状態(特図変動パターン導出状態PA)と、第一の遊技状態よりも有利な第二の遊技状態(特図変動パターン導出状態PB)と、を設定可能なものであると換言できる。
なお、上述の通り、第2流路Yにおいて、大当り遊技において開放状態となる第1特別電動役物65aは、普通電動役物61よりも上流側にある。そのため、大当り遊技中における普通電動役物61の開放によって第1大入賞口55aへの入賞が阻害されることがない。
また、本実施形態では、普図当否判定において普図当りとなった場合には、普図抽選状態ごとに一の普図の変動時間を決定し、普図抽選状態ごとの普図の変動時間を変えているが、これに限らない。すなわち、図11(b)に示す変動時間の関係性が担保されていれば、普図抽選状態ごとに、複数種類の普図の変動時間を対応させ、抽選によって一の普図の変動時間を決定するようにしてもよい。
さらに、本実施形態では、普図当否判定において普図当りとなった場合には、普図抽選状態ごとに一の普図の停止図柄を決定し、普図抽選状態ごとの普通電動役物61の開放時間を変えているが、これに限らない。すなわち、図11(b)に示す開放時間の関係性が担保されていれば、普図抽選状態ごとに、複数種類の普図の停止図柄を対応させ、抽選によって一の普図の停止図柄を決定するようにしてもよい。
以上説明した通り、本実施形態では、設定される設定値に基づいて特図当否判定で大当りに当選する確率が定まり、設定される設定値が大きくなるほど特図当否判定で大当りに当選する確率が高くなることで、設定される設定値が大きくなるほど有利度が高くなるように構成されているが、特図当否判定に加え、特図停止図柄抽選、普図当否判定、および普図停止図柄抽選のうちの少なくとも一つの抽選(または判定)において有利な結果が導出される確率に設定差を設けるようにしてもよい。また、特図当否判定を含まず、特図停止図柄抽選、普図当否判定、および普図停止図柄抽選のうちの少なくとも一つの抽選(または判定)において有利な結果が導出される確率に設定差を設けることで、設定される設定値が大きくなるほど有利度が高くなる(設定される設定値に応じて有利度が異なる)ようにしてもよい。すなわち、設定される設定値に応じて賞球の付与に関する有利度が異なるように構成されていればよい。
よって、遊技機10は、複数段階の設定値から一の設定値を設定し、設定されている設定値によって大当りに当選する確率が定まるものであると換言できる。
大当り遊技制御手段140は、大当りに当選した図柄変動の終了時に、大当り遊技の開始を待機する大当り待機中とし、ゲート63への遊技球の通過によって大当り遊技を開始させるとともに、当該大当りに係る特図の停止図柄に応じて、大当り開始デモに係るデモ時間、および大当り終了デモに係るデモ時間を決定する。
なお、大当り待機中における大当り遊技の開始は、ゲート63への遊技球の通過に限らず、大当り遊技において入賞可能となる大入賞口55とは異なる入賞口への遊技球の入賞を契機としてもよい。
従って、遊技機10は、大当りに当選した図柄変動の終了後に該大当りに係る大当り遊技の開始を待機させ、該大当り遊技の待機中に所定領域(ゲート63)に遊技球が入球又は通過をしたことに基づいて該大当り遊技を開始させるものと言える。
また、大当り遊技制御手段140は、大当り遊技開始時には、大当り開始デモに係るデモ時間を含む演出制御コマンド(大当り開始コマンド)を生成し、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させ、大当り終了時には、大当り終了デモに係るデモ時間を含む演出制御コマンド(大当り終了コマンド)を生成し、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
図柄表示制御手段145は、特図1の特図変動パターンに基づく変動時間に従って、特図1を第1特別図柄表示装置91に変動表示させるとともに、変動時間の経過後に特図停止図柄抽選によって決定された停止図柄で特図1を停止表示させる。同様に、第2特別図柄の特図変動パターンに基づく変動時間に従って、特図2を第2特別図柄表示装置92に変動表示させるとともに、変動時間の経過後に特図停止図柄抽選によって決定された停止図柄で特図2を停止表示させる。
なお、図柄表示制御手段145は、特図1および特図2の表示に係る時間(変動時間、停止表示時間)を管理するための特図遊技タイマを有し、特図を停止表示させる際に(特図遊技タイマの値が「0」となるタイミングで)、装飾図柄の確定停止(確定表示)を要求するための演出制御コマンド(変動停止コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に格納する。
また、図柄表示制御手段145は、普図の普図変動パターン(変動時間)に従って、普図を普通図柄表示装置93に変動表示させるとともに、変動時間の経過後に決定された停止図柄で普図を停止表示させる。
なお、図柄表示制御手段145は、普図の表示に係る時間(変動時間、停止表示時間)を管理するための普図遊技タイマを有する。
また、図柄表示制御手段145は、右打ちランプ98の点灯制御を行う。ここで右打ちランプ98の点灯制御について、図12を用いて説明する。図12は、右打ち点灯処理のフローを示す図である。
先ず、ステップS301において、図柄表示制御手段145は、その時点において右打ち推奨状態であるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS303に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS305に進む。
ここで、右打ち推奨状態とは、第2流路Yへの遊技球の打ち出しが推奨される状態をいい、例えば、特図変動パターン導出状態PB、特図変動パターン導出状態PC、特図変動パターン導出状態PD、大当り遊技、小当り遊技及び大当り待機中の少なくとも一部が該当しうる。また、上述したように、第2流路Yにはゲート63が設けられている。
ステップS303において、図柄表示制御手段145は、右打ちランプ98を点灯させる。また、ステップS305において、図柄表示制御手段145は、右打ちランプ98を消灯させる。
即ち、右打ちランプ98の点灯は、右打ちが推奨される状態であることを遊技者に認識させるものであり、右打ちランプ98の消灯は、右打ちが推奨される状態ではないこと(左打ちが推奨されること)を遊技者に認識させるものである。
従って、遊技機10は、点灯手段(右打ちランプ98)と、所定領域(ゲート63)が設けられている方向への遊技球の打ち出しが推奨される状態であることを示す第一の点灯態様(右打ちランプ98の点灯)を少なくとも含む複数の点灯態様のうち一の点灯態様で点灯手段を制御する点灯制御手段(図柄表示制御手段145)と、を備えるものと換言できる。
なお、右打ち点灯処理は、後述する遊技可能状態である場合において所定の周期で行われるものであり、図柄変動の実行の有無及び大当り遊技及び小当り遊技の実行の有無に関わらず行われるものである。
また、右打ち推奨状態が電断の前後において維持されること(RAMクリアされないこと)を条件として、図柄表示制御手段145は、当該電断の発生前にも当該電断後の復電後にも、右打ちランプ98を点灯させることが可能である。
電動役物制御手段150は、大当り遊技が開始された後に、特別電動役物ソレノイド66に制御信号を出力し、特別電動役物65を特図の停止図柄に対応する開放パターンに従って開放させる。大当り遊技は、特別電動役物65の1回の開閉動作を1回のラウンド遊技とし、当該ラウンド遊技を規定ラウンド数(本例では、16R、10R、6R)だけ連続して実行する遊技状態である。
さらに、電動役物制御手段150は、普図当否抽選において普図当りに当選した場合の普図当り遊技において、普通電動役物ソレノイド62に制御信号を出力して、普通電動役物61を停止された普図の停止図柄に対応する開放パターンに従って開放させる。
遊技状態制御手段155は、特図抽選状態を制御する。具体的には、遊技状態制御手段155は、上述の通り、大当り遊技の開始時に、大当りに係る図柄に関わらず、特図低確とし、通常大当りに係る大当り遊技の終了時には、特図低確を維持し、確変大当りに係る大当り遊技の終了時には、特図高確とする。
さらに、遊技状態制御手段155は、普図抽選状態を制御する。具体的には、遊技状態制御手段155は、大当り開始時に、大当りに係る図柄に関わらず、普図低確とし、通常大当りに係る大当り遊技の終了時には、100回の図柄変動が行われるまで普図高確とし(100回の図柄変動後には普図低確とする)、確変大当りに係る大当り終了時には、当該確変大当りに係ると特図の停止図柄に応じて、普図高確(100回の図柄変動後には普図低確とする)または普図低確とする。
また、遊技状態制御手段155は、上述の特図変動パターン導出状態を制御する。この特図変動パターン導出状態の遷移、および各特図変動パターン導出状態における平均変動時間については、図13(a)および図13(b)を参照しながら説明する。なお、図13(a)は、特図変動パターン導出状態の遷移を示す状態遷移図であり、図13(b)は、特図変動パターン導出状態ごとの平均変動時間の関係を示す図である。ここで、平均変動時間とは、一の特図変動パターン導出状態において選択され得る特図変動パターンの変動時間に対して出現率を掛け算することで導出される変動時間の総和を指す。
図13(a)に示す通り、特図変動パターン導出状態には、特図低確且つ普図低確となる特図変動パターン導出状態PA、特図高確且つ普図低確となる特図変動パターン導出状態PB、特図高確且つ普図高確となる特図変動パターン導出状態PC、および特図低確且つ普図高確となる特図変動パターン導出状態PDがあり、大当り遊技中を除いて特図抽選状態および普図抽選状態に応じた特図変動パターン導出状態が設定される。そして、特図変動パターン導出状態PA~特図変動パターン導出状態PD間の遷移条件には、遷移条件(i)~遷移条件(iv)がある。
具体的には、遷移条件(i)は、図柄Aまたは図柄aに係る大当り遊技の終了であり、(ii)は、図柄Bまたは図柄bに係る大当り遊技の終了であり、(iii)は、図柄Cまたは図柄cに係る大当り遊技の終了であり、(iv)は、100回目の図柄変動の終了である。なお、特図変動パターン導出状態PCにおいて図柄Bまたは図柄bの大当りに係る大当り遊技が開始された場合には、当該大当り遊技の終了後に再度特図変動パターン導出状態PCが設定され、特図変動パターン導出状態PDにおいて図柄Cまたは図柄cの大当りに係る大当り遊技が開始された場合には、当該大当り遊技の終了後に再度特図変動パターン導出状態PDが設定され、遷移条件(iv)に係る図柄変動のカウントが0から開始されることとなる。
また、図13(b)に示す通り、特図変動パターン導出状態PAでは、特図2に係る図柄変動の平均変動時間が、特図1に係る図柄変動の平均変動時間よりも長くなる。一方、特図変動パターン導出状態PB、特図変動パターン導出状態PC、および特図変動パターン導出状態PDでは、特図1に係る図柄変動の平均変動時間が、特図2に係る図柄変動の平均変動時間よりも長くなる。
すなわち、各特図変動パターン導出状態では、推奨される遊技球の打ち出し方向で打ち出された遊技球が相対的に入賞容易となる始動口(第1始動口57または第2始動口59)に係る図柄変動の平均変動時間が、推奨される遊技球の打ち出し方向とは異なる打ち出し方向で打ち出された遊技球が相対的に入賞容易となる始動口に係る図柄変動の平均時間よりも短くなる傾向にある。
特に、特図変動パターン導出状態PAにおける特図2に係る図柄変動の平均変動時間(本実施形態では、10分)は、他の平均変動時間のいずれよりも長い。
そのため、特図変動パターン導出状態PAでは、第2始動口59への入賞を発生させ、特図2に係る図柄変動を実行させることは可能であるが、単位時間当たりの当該図柄変動の実行回数が極端に少なくなり、当該図柄変動に係る特図当否判定によって大当りまたは小当りに当選させ、これらの当りによって賞球を獲得することは困難となる。
また、遊技状態制御手段155は、特図抽選状態、普図抽選状態、および特図変動パターン導出状態の更新が発生した場合に、更新後の各状態を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
メイン情報記憶手段160は、上述の通り、各手段によって読み出されたデータや、各手段による演算等によって導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。
メインエラー制御手段165は、I/Oポート104の入力情報を監視し、遊技機10がエラー状態であるか否かを判定する。エラー状態であると判定された場合には、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(エラーコマンド)をメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に格納する。
なお、メインエラー制御手段165は、例えば、磁気センサ(図示省略)の検知によるエラー状態等、重要度の高いエラー状態となった場合には、払出制御基板400に遊技球の発射を規制させる等、エラーコマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に格納する以外の処理を実行するようにしてもよい。
メインコマンド管理手段170は、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に演出制御コマンドが記憶されている場合に、当該演出制御コマンドを第1副制御基板200に向けて送信する。
なお、各演出制御コマンドは、原則として、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶された順番に従って送信される。
復電処理実行手段175は、復帰状態設定手段176、設定変更手段177、設定確認手段178、および遊技可能状態移行手段179を備える。
復帰状態設定手段176は、復電時の復帰状態を、RAM103に異常があるか否か、当該復電の直前の電断時の状態、復電時の設定キースイッチ42の態様と復電時のRAMクリアスイッチ43の態様の組合せ、および復電時の中枠開扉センサ76の状態に基づいて設定する復帰状態設定処理を実行する。当該処理によって設定される復帰状態には、遊技停止状態、設定変更状態、設定確認状態、および遊技可能状態(RAMクリア処理を伴う場合と、RAMクリア処理を伴わない場合とがある)があり、当該処理のフローは省略するが、上記復帰条件に対応する復電時の復帰状態を含む復電時の遊技機10の状態の詳細は後述する。なお、RAMクリア処理が実行された場合には、特図低確および普図低確が設定されることとなる。
ここで、遊技停止状態とは、各入賞口に設けられたセンサの検知結果に応じた処理を実行しない(当該センサの検知結果自体を見なくてもよい)ことで、遊技の進行が不可能となる復帰状態であり、遊技可能状態とは、各入賞口に設けられたセンサの検知結果に応じた処理を実行することで、遊技の進行が可能となる復帰状態である。なお、設定変更状態および設定確認状態の詳細は後述する。
また、RAM103に異常があるか否かとは、復帰状態設定処理の先頭で行われるRAM異常チェック(具体的には、対象となる領域に係るバックアップ情報領域にバックアップフラグが記憶されているか否か(バックアップフラグがONであるか否か)を判定し、当該バックアップフラグが記憶されている場合(当該バックアップフラグがONである場合)には、対象となる領域と当該領域に係るバックアップ情報領域に記憶されている補数のチェックサムを導出し、当該演算結果が0である場合には、対象となる領域が正常であると判断し、それ以外は、対象となる領域が異常であると判断する処理)をRAM103の遊技に係る領域に対して実行して判断される。
なお、本実施形態におけるRAM異常チェックでは、ベース値に係る領域に対しても異常があるか否かが判断されるが、本実施形態における説明では、特段の説明がない限り、RAM103に異常があるとは、RAM103の遊技に係る領域に異常があることを指す。
また、復帰状態設定処理では、RAM103の遊技に係る領域に異常があり、かつRAM103のベース値に係る領域に異常がある場合に、RAM103のベース値に係る領域がクリアされるが、RAM103のベース値に係る領域に異常があれば(RAM103の遊技に係る領域に異常があるか否かに関わらず)、RAM103のベース値に係る領域をクリアするようにしてもよい。
設定変更手段177は、設定変更状態が設定された場合に、設定値の変更を可能とする設定変更処理を実行する。なお、当該処理の詳細は、後述する。
設定確認手段178は、設定確認状態が設定された場合に、設定値の確認を可能とする設定確認処理を実行する。なお、当該処理の詳細は、後述する。
遊技可能状態移行手段179は、遊技可能状態が設定された場合に、遊技可能状態へ移行させる遊技可能状態移行処理を実行する。
具体的に説明すると、遊技可能状態移行処理では、セキュリティ信号の出力がONになっている場合には、セキュリティ信号の出力をOFFにする処理、ベース値を主制御基板モニタ97に表示させる処理(ベース値の表示態様については、後述)、およびデバイスの初期設定が実行される。
ここで、セキュリティ信号とは、遊技機外の機器(データ表示機やホールコンピュータ)に向けて遊技機10に設けられた外部端子盤(図示省略)から出力される信号の一種である。以降の説明を含め、セキュリティ信号をONにするとは、セキュリティ信号の出力を開始することを指し、セキュリティ信号をOFFにするとは、セキュリティ信号の出力を終了することを指す。
また、本実施形態において、セキュリティ信号をOFFにする処理では、セキュリティ信号をONにしてからの経過時間を考慮していないが、当該経過時間を考慮、すなわち、セキュリティ信号をONにしてから一定時間経過するまでセキュリティ信号をOFFにしないようにしてもよい。
また、デバイスの初期設定では、払出制御基板400に遊技球の発射を許可するための発射許可コマンドの送信や、各入賞口への入球が有効となる状態の設定や、乱数回路105を起動させるためのデータの設定等の処理が実行される。
電断処理実行手段180は、電源制御基板500からの電断信号を受信したことに基づいて電断処理を実行する。
具体的には、RAM103のうちの遊技に係る領域(ベース値に係る領域とは異なる領域)に対しては、当該領域のチェックサムを導出し、当該チェックサムの補数をRAM103の遊技に係るバックアップ情報領域に記憶させる処理、および当該領域に対する電断処理が実行されたことを示すバックアップフラグをONにする(RAM103の遊技に係るバックアップ情報領域にバックアップフラグを記憶させる)処理を実行する。また、RAM103のベース値に係る領域に対しても、RAM103のうちの遊技に係る領域と同様に、RAM103のベース値に係る領域のチェックサムを導出し、当該チェックサムの補数をRAM103のベース値に係るバックアップ情報領域に記憶させる処理、およびRAM103のベース値に係る領域に対する電断処理が実行されたことを示すバックアップフラグをONにする(RAM103のベース値に係るバックアップ情報領域にバックアップフラグを記憶させる)処理を実行する。
第1副制御基板200は、図7に示すように、サブ乱数発生手段210、通常演出制御手段220、サブエラー制御手段230、ランプ制御手段240、可動役物制御手段250、サブ情報記憶手段260、およびサブコマンド管理手段270を備えており、これらの手段は、図6を用いて説明した第1副制御基板200上の各制御構成によって実現されるものを機能的に表したものである。
サブ情報記憶手段260は、第1副制御基板200が備える手段によって読み出されたデータや、当該手段における演算によって導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。また、メインコマンド管理手段170から送信された演出制御コマンドは、サブコマンド管理手段270によってサブ情報記憶手段260の受信コマンド格納領域に記憶される。なお、以降の説明では、メインコマンド管理手段170から送信された演出制御コマンドが、サブコマンド管理手段270によってサブ情報記憶手段260の受信コマンド格納領域に記憶されることを、単に、演出制御コマンドの受信と表現する場合がある。
サブ乱数発生手段210は、CPU201によってプログラム処理で更新される乱数(ソフトウェア乱数)を生成可能であり、通常演出制御手段220による各抽選(詳細は後述)が実行されるタイミングで乱数を取得する。
通常演出制御手段220は、演出モード制御手段221、演出ルート決定手段222、サブ保留制御手段223、先読み演出制御手段224、演出内容決定手段225、装飾図柄制御手段226、および大当り演出制御手段227を備える。
演出モード制御手段221は、遊技状態指定コマンドが送信された場合に、主制御基板100側で管理された特図変動パターン導出状態との整合性をとるかたちで、演出モードの遷移を制御する。
本実施形態における演出モードは、通常モード、確変モード1、確変モード2、および低確時短モードに大別され、特図変動パターン導出状態PAには通常モード、特図変動パターン導出状態PBには確変モード1、特図変動パターン導出状態PCには確変モード2、特図変動パターン導出状態PDには低確時短モードが対応する。
演出ルート決定手段222は、事前判定コマンドが送信された場合に、当該コマンドに含まれる事前判定の結果(本実施形態では、特図変動パターン)に基づいて、今回保留された図柄変動に対応する演出ルートを決定(設定)する。なお、演出ルート決定手段222は、当該図柄変動に対応する特図変動パターンが上述の特図変動パターンHNPであった場合には、事前判定コマンドが送信された場合に演出ルートは決定せず、図柄変動の開始時に、変動開始コマンドに含まれる特図変動パターン(特図変動パターンHNP-A~特図変動パターンHNP-D)に基づいて演出ルートを決定する。
ここで、演出ルートとは、図柄変動の開始から終了までの演出であって当該図柄変動における特図当否判定の結果を報知する演出の過程を規定するものであり、当該図柄変動で実行される演出の内容は、後述する演出内容決定手段225によって当該図柄変動に対応する演出ルートに従って決定されることとなる。
本実施形態では、図10(a)および図10(b)で示した特図変動パターンのそれぞれに対し、互いに異なる一の演出ルートが対応する。そして、これらの演出ルートは、今回の(演出ルートが決定された)図柄変動における特図当否判定の結果がハズレであること(大当りではないこと)を報知するハズレ演出ルートと、今回の図柄変動における特図当否判定の結果が大当りであることを報知する大当り演出ルートに大別される。さらに、ハズレ演出ルートには、発展演出が実行されない非発展ハズレ演出ルートと、発展演出が実行される発展ハズレ演出ルートがある。ここで、発展演出とは、装飾図柄がリーチ状態となった以降に、装飾図柄の変動表示以外の演出を用いて今回の図柄変動における特図当否判定の結果が大当りであるか否かを報知する演出を指し、本実施形態では、互いに内容が異なる発展演出A~発展演出Cの3種類が存在する。これらの発展演出は、大当り演出ルートにおいても実行される。
本実施形態では、一の特図変動パターンに対して一の演出ルートが対応するが、複数の特図変動パターン間で同一の演出ルートが対応しなければ、一の特図変動パターンに対して複数の演出ルートを対応させてもよく、この場合には、複数の演出ルートから一の演出ルートを決定するようにすればよい。
まず、特図変動パターンHNP-A~特図変動パターンHNP-Dおよび特図変動パターンHRPに対応する演出ルートには、上述の非発展ハズレ演出ルートが対応する。
具体的には、特図変動パターンHNP-A~特図変動パターンHNP-Dには、装飾図柄がリーチ状態(一つの図柄列を除いて装飾図柄が停止表示され、残りの図柄列が変動表示されている状態)とならずに装飾図柄がバラケ目(すべての図柄列が停止され、各図柄列に同一の装飾図柄が停止されていない状態)で停止表示されることで、今回の図柄変動における特図当否判定の結果がハズレであることを報知する演出ルートが対応する。
特図変動パターンHRPには、複数回の疑似変動を介さずに装飾図柄がリーチ状態となり、その後、後述する発展演出が実行されずに装飾図柄がバラケ目で停止表示されることで、今回の図柄変動における特図当否判定の結果がハズレであることを報知する演出ルートが対応する。ここで、疑似変動とは、発展演出が開始される前の期間において、一定のルールに基づいた装飾図柄の停止(本実施形態では、例えば、「5図柄-7図柄-6図柄」のように、真ん中の図柄列に7図柄が停止した態様となる)で区切られる期間を指す。以降の説明では、図柄変動の開始から1回目の装飾図柄の停止までを1回目の疑似変動、1回目の装飾図柄の停止から2回目の装飾図柄の停止までを2回目の疑似変動、2回目の装飾図柄の停止からリーチ状態となるまでを3回目の疑似変動と表現する。なお、本実施形態における疑似変動の最大回数は3回であるが、これに限らず、2以上の回数であれば、いずれの回数を採用してもよい。
次に、特図変動パターンHSP1-A~特図変動パターンHSP1-C、特図変動パターンHSP2-A~特図変動パターンHSP2-C、および特図変動パターンHSP3-A~特図変動パターンHSP3-Cには、上述の発展ハズレ演出ルートが対応する。
具体的には、特図変動パターンHSP1-A~特図変動パターンHSP1-Cには、複数回の疑似変動を介さずに(1回の疑似変動で)装飾図柄がリーチ状態となり、その後、今回の図柄変動における特図当否判定の結果がハズレであることを報知する発展演出が実行され、当該発展演出の終了後に装飾図柄がバラケ目で停止表示される演出ルートが対応する。ただし、各特図変動パターンに対応する発展演出の種類は互いに異なり、特図変動パターンHSP1-Aには、上述の発展演出Aが対応し、特図変動パターンHSP1-Bには、上述の発展演出Bが対応し、特図変動パターンHSP1-Cには、発展演出Cが対応する。
特図変動パターンHSP2-A~特図変動パターンHSP2-Cには、2回の疑似変動を介して装飾図柄がリーチ状態となり、その後、今回の図柄変動における特図当否判定の結果がハズレであることを報知する発展演出が実行され、当該発展演出の終了後に装飾図柄がバラケ目で停止表示される演出ルートが対応する。ただし、特図変動パターンHSP1-A~特図変動パターンHSP1-Cと同様に、各特図変動パターンに対応する発展演出の種類は互いに異なり、特図変動パターンHSP2-Aには発展演出Aが対応し、特図変動パターンHSP2-Bには発展演出Bが対応し、特図変動パターンHSP2-Cには発展演出Cが対応する。
特図変動パターンHSP3-A~特図変動パターンHSP3-Cには、3回の疑似変動を介して装飾図柄がリーチ状態となり、その後、今回の図柄変動における特図当否判定の結果がハズレであることを報知する発展演出が実行され、当該発展演出の終了後に装飾図柄がバラケ目で停止表示される演出ルートが対応する。ただし、特図変動パターンHSP1-A~特図変動パターンHSP1-Cと同様に、各特図変動パターンに対応する発展演出の種類は互いに異なり、特図変動パターンHSP3-Aには発展演出Aが対応し、特図変動パターンHSP3-Bには発展演出Bが対応し、特図変動パターンHSP3-Cには発展演出Cが対応する。
また、特図変動パターンASP1-A~特図変動パターンASP1-C、特図変動パターンASP2-A~特図変動パターンASP2-C、および特図変動パターンASP3-A~特図変動パターンASP3-Cには、上述の大当り演出ルートが対応する。
具体的には、特図変動パターンASP1-A~特図変動パターンASP1-Cには、複数回の疑似変動を介さずに(1回の疑似変動で)装飾図柄がリーチ状態となり、その後、今回の図柄変動における特図当否判定の結果が大当りであることを報知する発展演出が実行され、当該発展演出の終了後に装飾図柄が図柄揃い(すべての図柄列が停止され、各図柄列に同一の装飾図柄が停止された状態)で停止表示される演出ルートが対応する。ただし、各特図変動パターンに対応する発展演出の種類は互いに異なり、特図変動パターンASP1-Aには、上述の発展演出Aが対応し、特図変動パターンASP1-Bには、上述の発展演出Bが対応し、特図変動パターンASP1-Cには、発展演出Cが対応する。
特図変動パターンASP2-A~特図変動パターンASP2-Cには、2回の疑似変動を介して装飾図柄がリーチ状態となり、その後、今回の図柄変動における特図当否判定の結果が大当りであることを報知する発展演出が実行され、当該発展演出の終了後に装飾図柄が図柄揃いで停止表示される演出ルートが対応する。ただし、特図変動パターンASP1-A~特図変動パターンASP1-Cと同様に、各特図変動パターンに対応する発展演出の種類は互いに異なり、特図変動パターンASP2-Aには発展演出Aが対応し、特図変動パターンASP2-Bには発展演出Bが対応し、特図変動パターンASP2-Cには発展演出Cが対応する。
特図変動パターンASP3-A~特図変動パターンASP3-Cには、3回の疑似変動を介して装飾図柄がリーチ状態となり、その後、今回の図柄変動における特図当否判定の結果が大当りであることを報知する発展演出が実行され、当該発展演出の終了後に装飾図柄が図柄揃いで停止表示される演出ルートが対応する。ただし、特図変動パターンASP1-A~特図変動パターンASP1-Cと同様に、各特図変動パターンに対応する発展演出の種類は互いに異なり、特図変動パターンASP3-Aには発展演出Aが対応し、特図変動パターンASP3-Bには発展演出Bが対応し、特図変動パターンASP3-Cには発展演出Cが対応する。
このように、本実施形態では、特図変動パターンHSP1-Aに対応する演出ルートに対して特図変動パターンASP1-Aに対応する演出ルートを、特図変動パターンHSP1-Bに対応する演出ルートに対して特図変動パターンASP1-Bに対応する演出ルートを、特図変動パターンHSP1-Cに対応する演出ルートに対して特図変動パターンASP1-Cに対応する演出ルートを、特図変動パターンHSP2-Aに対応する演出ルートに対して特図変動パターンASP2-Aに対応する演出ルートを、特図変動パターンHSP2-Bに対応する演出ルートに対して特図変動パターンASP2-Bに対応する演出ルートを、特図変動パターンHSP2-Cに対応する演出ルートに対して特図変動パターンASP2-Cに対応する演出ルートを、特図変動パターンHSP3-Aに対応する演出ルートに対して特図変動パターンASP3-Aに対応する演出ルートを、特図変動パターンHSP3-Bに対応する演出ルートに対して特図変動パターンASP3-Bに対応する演出ルートを、特図変動パターンHSP3-Cに対応する演出ルートに対して特図変動パターンASP3-Cに対応する演出ルートを対応づけている(対応づけられた演出ルートの演出の過程同士が酷似する)。そのため、発展演出A~発展演出Cが実行される図柄変動において、遊技者に大当り当選の期待感を抱かせることができる。そして、発展演出A~発展演出Cが実行される演出ルートが決定される上述の特図変動パターンは、大当りを期待させる特図変動パターンとなる。
また、図10(a)で示した通り、特図当否判定の結果がハズレの場合には、疑似変動の回数が同一となる範囲内において、発展演出Aが実行される演出ルートに対応する特図変動パターン(例えば、特図変動パターンHSP1-A)、発展演出Bが実行される演出ルートに対応する特図変動パターン(例えば、特図変動パターンHSP1-B)、発展演出Cが実行される演出ルートに対応する特図変動パターン(例えば、特図変動パターンHSP1-C)の順に決定され難くなる。そして、特図当否判定の結果が大当りの場合には、疑似変動の回数が同一となる範囲内において、発展演出Aが実行される演出ルートに対応する特図変動パターン(例えば、特図変動パターンASP1-A)、発展演出Bが実行される演出ルートに対応する特図変動パターン(例えば、特図変動パターンASP1-B)、発展演出Cが実行される演出ルートに対応する特図変動パターン(例えば、特図変動パターンASP1-C)の順に決定され易くなる。そのため、発展演出A、発展演出B、発展演出Cの順に大当り当選の期待感を高めることができる。
さらに、図10(a)で示した通り、特図当否判定の結果がハズレの場合には、同種の発展演出となる範囲において、疑似変動の回数が1回となる演出ルートに対応する特図変動パターン(例えば、特図変動パターンHSP1-A)、疑似変動の回数が2回となる演出ルートに対応する特図変動パターン(例えば、特図変動パターンHSP2-A)、疑似変動の回数が3回となる演出ルートに対応する特図変動パターン(例えば、特図変動パターンHSP3-A)の順に決定され難くなる。そして、特図当否判定の結果が大当りの場合には、同種の発展演出となる範囲において、疑似変動の回数が1回となる演出ルートに対応する特図変動パターン(例えば、特図変動パターンASP1-A)、疑似変動の回数が2回となる演出ルートに対応する特図変動パターン(例えば、特図変動パターンASP2-A)、疑似変動の回数が3回となる演出ルートに対応する特図変動パターン(例えば、特図変動パターンASP3-A)の順に決定され易くなる。そのため、疑似変動の回数が大きくなるにつれて大当り当選の期待感を高めることができる。
サブ保留制御手段223は、保留コマンドの受信があった場合に、当該コマンドに含まれる特図1保留カウンタと特図2保留カウンタの情報に基づいて、メイン表示部81の保留表示領域(図示省略)に、特図1保留カウンタに対応する数の保留画像と、特図2保留カウンタに対応する数の保留画像とを表示させるための演出データを設定する。なお、保留画像とは、大当り遊技の期待度等の有利度を示唆する種々の態様に変化する保留先読み演出の対象となる画像である。
先読み演出制御手段224は、事前判定コマンドが送信された場合に、当該コマンドに含まれる事前判定の結果に基づいて先読み演出の内容を決定する。
先読み演出とは、先読み対象の図柄変動が開始される前の一又は複数回の図柄変動に亘って、先読み対象の図柄変動における特図当否判定の結果に対する期待度や、先読み対象の図柄変動において実行される演出の内容を示唆する演出である。
演出内容決定手段225は、変動開始コマンドが送信された場合に、演出ルート決定手段222によって既に決定された演出ルートに従って今回の図柄変動において実行する演出の内容を決定する。
より具体的には、演出内容決定手段225は、図柄変動における演出実行タイミングごとの演出の内容(演出パターン)を、演出ルート決定手段222によって決定された演出ルートに対応する演出パターン抽選テーブルを用いた抽選等によって決定する。このようにすることで、決定された演出ルートに係る(に従って実行される)演出の内容を変えることができるとともに、一つの図柄変動における演出に繋がりを持たせることができる。また、同一の演出ルートが決定された場合であっても、実行される演出を多彩にすることもできる。
なお、演出の内容を決定するタイミングとしては、例えば、疑似変動の開始時(図柄変動の開始時を含む)があり、一の図柄変動において疑似変動の開始が複数回ある場合には、各疑似変動の開始時に当該抽選を実行する。
本実施形態では、演出内容決定手段225によって決定される演出の内容として、ステップアップ演出がある。このステップアップ演出の詳細は後述するが、特図変動パターン導出状態PAにおける特図1の図柄変動に係る疑似変動の開始時に、ステップアップ演出の実行有無を決定する実行抽選が実行され、当該実行抽選に当選した場合には、その後の抽選によって具体的な演出の内容(演出パターン)が決定される。なお、これらの抽選を含むステップ演出実行有無決定処理の詳細は後述するが、当該処理は、特図変動パターン導出状態PB、特図変動パターン導出状態PC、および特図変動パターン導出状態PDでは実行されない。
装飾図柄制御手段226は、変動開始コマンドが送信された場合に、決定された特図の停止図柄に基づいて、装飾図柄の最終的な停止図柄の組合せ(左図柄・中図柄・右図柄)を決定する。
具体的には、図柄Aおよび図柄aには奇数図柄揃いを、図柄B、図柄C、図柄b、および図柄cには偶数図柄揃いを、図柄Dと図柄dにはバラケ目を、対応させている。
なお、停止させる装飾図柄の組合せを特図の停止図柄に対応させるにあたっては、必ずしも上述の対応関係とする必要はなく、例えば、図柄Aに偶数図柄揃いを対応させる等、上述の対応関係に対して停止させる装飾図柄の組合せの期待度が高くならない組合せであれば、一部の場合(上述の対応関係となる割合よりも低い割合)で上述の対応関係とは異なる装飾図柄の組合せを採用してもよく、このような場合であっても、停止させる装飾図柄の組合せが特図の停止図柄と対応していると言える。
大当り演出制御手段227は、大当り開始コマンドが送信された場合に、当該コマンドに含まれる情報等に基づいて、大当り遊技中であることを報知する大当り演出の内容を決定する。なお、大当り演出には、大当り遊技の開始を報知する開始デモ演出、ラウンド遊技中であることを報知するラウンド演出、及び大当り遊技の終了を報知する終了デモ演出が存在する。
通常演出制御手段220は、第1副制御基板200が備える上述の手段によって決定された演出内容に従って、各演出の実行タイミングで当該演出に対応する各デバイスの演出データを読み出す。なお、読み出した演出データに画像及び音響に係る演出データがある場合には、当該演出データに基づいて画像及び音響に関する画像制御コマンドを生成し、当該コマンドをサブ情報記憶手段260の送信コマンド格納領域に格納する。
特に、通常演出制御手段220は、復電時の復帰状態が設定変更状態となった場合(後述する設定変更開始コマンドが送信された場合)に、演出表示装置80を用いて設定変更中であることを報知させるための演出データを読み出し、当該演出データによって開始された報知は、当該設定変更状態が終了して遊技可能状態となる場合(後述する設定変更終了コマンドが送信された場合)に終了する。同様に、通常演出制御手段220は、復電時の復帰状態が設定確認状態となった場合(後述する設定確認開始コマンドが送信された場合)に、演出表示装置80を用いて設定確認中であることを報知させるための演出データを読み出し、当該演出データによって開始された報知は、当該設定確認状態が終了して遊技可能状態となる場合(設定確認終了コマンドが送信された場合)に終了する。なお、これらの報知の詳細は省略するが、当該報知は現在の設定値を特定不可能な(特定可能な態様ではない)報知であり、当該報知を実行する演出デバイスは問わない。このようにすることで、設定値の変更や設定値の確認に対する作業効率及びセキュリティを高めることができる。
また、通常演出制御手段220は、復電時の復帰状態が遊技可能状態となった場合(RAMクリア処理を伴う場合)には、RAMクリア処理を伴って遊技可能状態となったことを報知させるための演出データを読み出し、復電時の復帰状態が遊技可能状態となった場合(RAMクリア処理を伴わない場合)には、RAMクリア処理を伴わずに遊技可能状態となったことを報知させるための演出データを読み出す。これらの報知は、設定変更状態を経由して遊技可能状態となった場合、設定確認状態を経由して遊技可能状態となった場合にも実行され、これらの報知の違いによっても、設定変更状態を経由したか、設定確認状態を経由したかを判断させることができる。
さらに、通常演出制御手段220は、復電時の復帰状態が遊技停止状態となった場合には、遊技停止状態となったことに加え、後述する設定変更処理の実行が必要となったことを報知させるための演出データを読み出す。
なお、これらの報知の詳細は省略するが、実行が開始されてから一定時間(例えば、30s)継続して実行されることが好ましく、当該報知を実行する演出デバイスは問わない。
さらに、通常演出制御手段220は、後述する設定変更終了コマンドが受信された場合に、当該コマンドで特定される今回設定された設定値と、RAM203の領域に記憶されていた前回設定されていた設定値とを比較する。これらの設定値が異なる場合、通常演出制御手段220は、設定変更フラグをONにする(RAM203の領域に設定変更フラグを記憶させる)一方、これらの設定値が同一である場合に加え、設定変更処理が実行されずに遊技可能状態が設定された場合には、設定変更フラグをONにしない。そして、通常演出制御手段220は、当該フラグを、電断時に一律にOFFにする。したがって、設定変更フラグは、設定変更処理によって別の設定値が設定された場合にONとなり、設定変更処理が実行されなかった場合にOFFとなり、設定変更処理が実行されても前回設定されていた設定値と同一の設定値が今回の設定値として設定された場合(以下、「同一設定値への打ち直し」と表現する場合がある)にOFFとなるフラグとなる。なお、設定変更フラグは、後述するステップアップ演出の詳細を決定する抽選(特に、設定示唆種別抽選)に用いられる。また、通常演出制御手段220は、電断時に設定変更フラグをOFFにせず、復電時も当該フラグをOFFにするようにしてもよく、特に、設定変更処理が実行される場合には、設定変更終了コマンドが来る前に当該フラグをOFFにするようにすればよい。
サブエラー制御手段230は、エラーコマンドが送信された場合に、エラー演出パターンを決定し、当該エラー演出パターンに従ってエラー演出を実行するための演出データを読み出す。
なお、サブエラー制御手段230は、独自に(メインエラー制御手段165と独立して)遊技機10がエラー状態であるか否かを判定し、エラー状態であると判定した場合にエラー演出を実行する演出データを読み出すようにしてもよく、当該エラー状態としては、例えば、普図低確時におけるゲート63への遊技球の通過回数に基づいて判定される右打ちエラー状態がある。
ランプ制御手段240は、演出ランプ35の点灯を制御するためのランプ制御データを保持しており、通常演出制御手段220によって読み出された演出データに演出ランプ35に対応する演出データがある場合には、当該演出データに基づいてランプ制御データを読み出し、読み出したランプ制御データを演出ランプ35へ送信する。
可動役物制御手段250は、可動装飾体22およびサブ表示部82の可動を制御するための可動制御データを保持しており、通常演出制御手段220によって読み出された演出データに可動役物に対応する演出データがある場合には、当該演出データに基づいて可動制御データを読み出し、読み出した可動制御データを可動装飾体22およびサブ表示部82へ送信する。
待機デモ制御手段280は、待機デモコマンドが送信された場合に、待機デモ演出を実行させる。なお、待機デモ演出の詳細については、後に詳述する。
ここで、待機デモコマンドが送信される場合は、後述する遊技可能状態を設定した時又は図柄変動の停止時を基準として所定時間(例えば、30秒)が経過した場合である為、待機デモ制御手段280によって制御される待機デモ演出は、図柄変動が停止している期間に実行される演出であると言える。
サブ情報記憶手段260は、上述の通り、第1副制御基板200が備える手段によって読み出されたデータや、当該手段における演算によって導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。
サブコマンド管理手段270は、主制御基板100から送信された演出制御コマンドを受信し、受信した演出コマンドをサブ情報記憶手段260の受信コマンド格納領域に記憶させ、サブ情報記憶手段260の送信コマンド格納領域に画像制御コマンドが記憶されている場合には、当該画像制御コマンドを第2副制御基板300に向けて送信する。なお、各画像制御コマンドは、原則として、サブ情報記憶手段260の送信コマンド格納領域に記憶された順番に従って送信される。
<設定変更処理について>
次に、図14を用いて、復電時の復帰状態が設定変更状態となった場合に設定変更手段177によって実行される設定変更処理の詳細を説明する。なお、図14は、設定変更処理のフローを示す図である。
最初のステップS101では、設定値が正常範囲(設定値1~設定値6)であるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS105に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS103に進む。
ステップS103では、設定値に1を設定する。
なお、本実施形態では、RAM103に異常がある場合であっても、設定値が正常範囲であれば、当該処理が実行されないが、RAM103に異常がある場合に当該処理を実行するようにしてもよい。
ステップS105では、セキュリティ信号をONにする。
ステップS107では、設定変更開始コマンドを第1副制御基板200に向けて送信する(当該コマンドを、メイン情報記憶手段160の第1副制御基板200への送信用の送信コマンド格納領域に格納する)。
なお、当該コマンドは、メイン表示部81やスピーカ33を用いて設定変更中であることを報知させるためのコマンドである。
ステップS109では、現在の設定値を主制御基板モニタ97に表示させる。
ステップS111では、RAMクリアスイッチ43がOFFからONになったか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS113に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS115に進む。
なお、当該判定において、設定キースイッチ42がONであるか否かの判定を加え、双方の条件が充足された場合にステップS113に進むようにしてもよい。
ステップS113では、設定値を更新する。具体的には、現在の設定値に1を加算し、設定値が6を超える場合には、設定値に1を設定する。
なお、設定値が更新(加算)された場合には、主制御基板モニタ97に表示されている設定値も更新される。
ステップS115では、設定キースイッチ42がONからOFFになったか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS117に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS111に戻る。
ステップS117では、表示していた設定値を非表示にし、現在の設定値を設定値として確定する。
ステップS119では、RAM103の遊技に係る領域の一部(設定値に係る領域を除く領域)をクリアする。
ステップS121では、設定変更終了コマンドを第1副制御基板200および払出制御基板400に向けて送信する(当該コマンドを、メイン情報記憶手段160の第1副制御基板200への送信用の送信コマンド格納領域に格納する)。
なお、当該コマンドは、設定変更状態の終了および確定された設定値を第1副制御基板200に知らせるためのコマンドである。
ステップS123では、遊技可能状態を設定し、その後、設定変更処理を終了する。なお、遊技可能状態が設定された場合には、上述の遊技可能状態移行処理が実行された後に遊技可能状態へ移行する。
よって、遊技機10は、設定されている設定値を変更する設定変更処理を実行可能であると換言できる。
<設定確認処理について>
次に、図15を用いて、復電時の復帰状態が設定確認状態となった場合に設定確認手段178によって実行される設定確認処理の詳細を説明する。なお、図15は、設定確認処理のフローを示す図である。
最初のステップS201では、セキュリティ信号をONにする。
ステップS203では、設定確認開始コマンドを第1副制御基板200に向けて送信する(当該コマンドを、メイン情報記憶手段160の第1副制御基板200への送信用の送信コマンド格納領域に格納する)。
なお、当該コマンドは、メイン表示部81やスピーカ33を用いて設定確認中であることを第1副制御基板200に報知させるためのコマンドである。
ステップS205では、現在の設定値を主制御基板モニタ97に表示させる。
ステップS207では、設定キースイッチ42がONからOFFに変化したか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS209に進み、当該条件が充足されなかった場合には再びステップS207の判定を実行する。
ステップS209では、設定値を非表示にする。
ステップS211では、設定確認終了コマンドを第1副制御基板200に向けて送信する(当該コマンドを、メイン情報記憶手段160の第1副制御基板200への送信用の送信コマンド格納領域に格納する)。
なお、当該コマンドは、設定確認状態が終了したことを第1副制御基板200に知らせるためのコマンドである。
ステップS213では、遊技可能状態を設定し、その後、設定確認処理を終了する。なお、遊技可能状態が設定された場合には、上述の遊技可能状態移行処理が実行された後に遊技可能状態へ移行する。
<主制御基板モニタ97の表示態様について>
次に、図16を用いて、主制御基板モニタ97の表示態様について説明する。なお、図16は、状態別の主制御基板モニタ97の表示態様を示す図である。
図16に示す通り、主制御基板モニタ97は、横方向に連続的に配置された4つの7セグメントディスプレイ(以下、「7セグ」と略称する場合がある)で構成されるとともに、各7セグの右下には、ドット状のLEDが設けられている。なお、各情報を表示する際には、各情報は右詰めで表示される。
より具体的には、現在の設定値は、右端の7セグを用いて表示され、遊技停止状態の種別は、右端の7セグおよび右から2番目の7セグを用いて表示される。また、ベース値の表示については、ベース値の表示であることを示す「bL.」を、左端の7セグ、左から2番目の7セグ、および左から2番目の7セグの右下のドット状のLEDを用いて表示し、導出したベース値を、右端の7セグおよび右から2番目の7セグを用いて表示する。なお、ベース値が100を超える場合には、「bL.99.」と表示する。
また、特段の説明がない限り、本実施形態における「ベース値の表示」とは、ベース値の表示であることを示す表示(「bL.」の表示)およびベース値自体の表示を合わせて表示することを指す。
ここで、現在の設定値を特定可能な表示、および遊技停止状態の種別を特定可能な表示は、互いに異なる態様であれば、本実施形態における態様に限らず、種々の態様を採用してもよい。
また、上述の通り、設定変更状態および設定確認状態では、主制御基板モニタ97に設定値が表示され、遊技停止状態では、主制御基板モニタ97に遊技停止状態の種別(「E1」または「E2」)が表示され、各表示が表示される期間は、対応する復帰状態が設定されている期間と一致しているが、対応する復帰状態が設定されている期間の一部で表示されるようにしてもよい。
また、上述のベース値に関する説明において説明を省略したが、初回電源投入(RAM103のベース値に係る領域がクリアされた場合を含む)からアウト球数が300となるまで(アウト球数が0~299の範囲)では、主制御基板モニタ97に「bL.--」を表示し(ベース値自体を表示せず)、アウト球数が300~60000の範囲では、主制御基板モニタ97にリアルタイムのベース値を表示し、いずれの範囲においても「bL.」を点滅させる。一方、アウト球数が60001以降の範囲では、上述の通り、手前の区間で導出されたベース値を表示し、当該範囲では、「bL.」を常時点灯させる(点滅させない)。そのため、ベース値の表示が常時点灯しているか否(点滅しているか)か、またはベース値の表示の有無によって、RAM103のベース値に係る領域がクリアされたか否かを認識させることができる。
なお、「bL.」を点滅させる場合には、ベース値の整数部分を示す7セグについても点滅させるようにしてもよいが、当該7セグについては常時点灯させることが好ましい。
また、本実施形態では、点滅の有無で識別可能としているが、例えば、点灯色を変える等、点滅の有無を含む点灯態様の差異で識別可能にする方法であれば、いずれの方法を採用してもよい。
また、初回電源投入からの「bL.--」を表示させる期間を規定するアウト球数の閾値は、300に限らず、ベース値を導出する一区間を規定するアウト球数(本実施形態では、60000)の10%未満の値であれば、いずれの値を採用してもよい。
ベース値を導出する一区間を規定するアウト球数についても、60000に限らず、60000(1分間に100程度の打ち出しスピードで営業日あたりに打ち出される球数(100×60(分)×10(時間)))に近しい値であれば、いずれの値を採用してもよい。
また、本実施形態では、設定変更状態および設定確認状態において表示されていた設定値が非表示になった直後に(遊技者が認識できない程度の時間を挟んで)ベース値を表示しているが、設定値を非表示にした後に遊技者が認識できる程度の時間を空けてベース値の表示を開始するようにしてもよい。なお、一度表示されたベース値は、電断が発生するまで表示され続けることとなる。
<設定キースイッチ42の態様、およびRAMクリアスイッチ43の態様について>
次に、復電時の復帰状態を含む復電時の遊技機10の状態の詳細を説明するのに先立ち、図17(a)~図17(d)を用いて、設定キースイッチ42の態様とRAMクリアスイッチ43の態様の組合せについて説明する。なお、図17(a)~図17(d)は、設定キースイッチ42の態様とRAMクリアスイッチ43の態様との組合せのパターンを示す図である。
まず、設定キースイッチ42およびRAMクリアスイッチ43のそれぞれは、一方の位置から他方の位置に変位する変位部(図示省略)と、当該変位部をいずれかの位置で検知するセンサ(図示省略)を備えており、主制御基板100のCPU101は、当該センサの検知結果によって各スイッチの態様を把握することができる。
設定キースイッチ42を操作する際には、図17(a)~図17(d)に示す通り、設定キースイッチ42に設定キー600を挿入する必要がある。より具体的には、設定キースイッチ42は、図17(a)および図17(b)に示す設定キー600を挿入した状態(以下、「設定キースイッチ42がOFF」と表現する場合があり、当該状態は設定キー600の挿入の有無とは無関係)で、図17(c)および図17(d)に示すように、挿入面に向かって右回りに90度回転させることで、設定キースイッチ42が操作された状態(以下、「設定キースイッチ42がON」と表現する場合がある)となる。
なお、設定キースイッチ42は、OFFの状態となる位置、およびONの状態となる位置のそれぞれにおいて、外力を要することなく、変位部を保持することができる。
また、設定キー600は、設定キースイッチ42がONの状態で抜去することができない。
また、RAMクリアスイッチ43は、当該スイッチの上面を押下することで操作可能となる。より具体的には、図17(a)および図17(c)に示す状態(以下、「RAMクリアスイッチ43がOFF」と表現する場合がある)で、図17(b)および図17(d)に示すように、当該スイッチの上面を押下することで、RAMクリアスイッチ43が操作された状態(以下、「RAMクリアスイッチ43がON」と表現する場合がある)となる。
なお、RAMクリアスイッチ43は、変位部をOFFの状態となる位置に付勢して保持している。そのため、RAMクリアスイッチ43は、OFFの状態となる位置では、外力を要することなく変位部を保持することができる一方、ONの状態となる位置では、外力を要することなく変位部を保持できないようになっている。
このように、復電時の設定キースイッチ42の態様とRAMクリアスイッチ43の態様の組合せとしては、図17(a)に示す、設定キースイッチ42がOFFであり、かつRAMクリアスイッチ43がOFFの状態となる組合せ、図17(b)に示す、設定キースイッチ42がOFFであり、かつRAMクリアスイッチ43がONの状態となる組合せ、図17(c)に示す、設定キースイッチ42がONであり、かつRAMクリアスイッチ43がOFFの状態となる組合せ、および図17(d)に示す、設定キースイッチ42がONであり、かつRAMクリアスイッチ43がONの状態となる組合せの4パターンが存在する。
<復帰状態を含む復電時の遊技機10の状態について>
続いて、図18に示す表を用いて、直前の電断時の状態が遊技可能状態である場合における復電時の復帰状態を含む復電時の遊技機10の状態の詳細を説明する。なお、上述の通り、本実施形態における復帰状態を含む復電時の遊技機10の状態は、RAM103に異常があるか否か、直前の電断時の状態、復電時の設定キースイッチ42の態様と復電時のRAMクリアスイッチ43の態様との組合せ、および復電時の中枠開扉センサ76の状態によって決定される。
ここで、図18(a)および図18(b)は、復電時に異常(RAM103の遊技に係る領域に異常がある場合、設定値が正常でない場合、直前の電断時の状態が遊技停止状態である場合)がなく、かつ直前の電断時の状態が遊技可能状態である場合の復電時の遊技機の状態を整理した表であり、図18(a)は復電時に中枠17が開放状態である場合、図18(b)は復電時に中枠17が閉鎖状態である場合の復電時の遊技機の状態を整理した表である。なお、復帰状態を含む復電時の遊技機10の状態を決定する処理フロー(図示省略)においては、RAMクリアスイッチ43の態様、中枠開扉センサ76の状態、および設定キースイッチ42の態様を参照する順序は問わず、後述する表に示す関係性を満たせば、当該順序に限らず、いずれの順序を採用してもよい。なお、本実施形態では、RAM103の遊技に係る領域に異常がある場合に、復電時に異常があるとしているが、RAM103のベース値に係る領域に異常がある場合を、RAM103の遊技に係る領域に異常がある、すなわち、復電時に異常があると取り扱ってもよい。
図18(a)には、復電時に異常がなく、直前の電断時の状態が遊技可能状態であり、かつ復電時の中枠開扉センサ76がON(中枠17が開放状態)である場合(以下、「場合1」と称する)における復電時の遊技機10の状態が示されている。
場合1において、設定キースイッチ42がOFFであり、かつRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(図18(a)の左上のパターン)には、RAMクリア処理が実行されず、復電時の復帰状態として遊技可能状態が設定され、かつ主制御基板モニタ97にベース値が表示される。
また、場合1において、設定キースイッチ42がOFFであり、かつRAMクリアスイッチ43がONである場合(図18(a)の右上のパターン)には、RAMクリア処理が実行され、復電時の復帰状態として遊技可能状態が設定され、かつ主制御基板モニタ97にベース値が表示される。
また、場合1において、設定キースイッチ42がONであり、かつRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(図18(a)の左下のパターン)には、RAMクリア処理が実行されず、復電時の復帰状態として設定確認状態が設定され、かつ主制御基板モニタ97に現在の設定値が表示される。
また、場合1において、設定キースイッチ42がONであり、かつRAMクリアスイッチ43がONである場合(図18(a)の右下のパターン)には、RAMクリア処理が実行され、復電時の復帰状態として設定変更状態が設定され、かつ主制御基板モニタ97に現在の設定値が表示される。なお、この場合に、RAM103のベース値に係る領域に異常があれば、当該領域もクリアされる。
このようにすることで、復電時の操作手段の態様に応じて復電時の復帰状態を選択可能にし、当該選択をスムーズにすることができる。
また、場合1において、復電時の設定キースイッチ42の態様と復電時のRAMクリアスイッチ43の態様の組合せに対応する復帰状態は、本実施形態の対応関係に限定されないが、本実施形態のように、RAMクリアスイッチ43がONであることを少なくとも含む組合せに対して、RAMクリア処理を伴う復帰状態を対応させることで、誤ったRAMクリア処理の発生を抑えることができる。
図18(b)には、復電時に異常がなく、直前の電断時の状態が遊技可能状態であり、かつ復電時の中枠開扉センサ76がOFF(中枠17が閉鎖状態)である場合(以下、「場合2」と称する)における復電時の遊技機10の状態が示されている。
場合2において、設定キースイッチ42がOFFであり、かつRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(図18(b)の左上のパターン)には、RAMクリア処理が実行されず、復電時の復帰状態として遊技可能状態が設定され、かつ主制御基板モニタ97にベース値が表示される。
また、場合2において、設定キースイッチ42がOFFであり、かつRAMクリアスイッチ43がONである場合(図18(b)の右上のパターン)には、RAMクリア処理が実行され、復電時の復帰状態として遊技可能状態が設定され、かつ主制御基板モニタ97にベース値が表示される。
また、場合2において、設定キースイッチ42がONであり、かつRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(図18(b)の左下のパターン)には、RAMクリア処理が実行されず、復電時の復帰状態として遊技可能状態が設定され、かつ主制御基板モニタ97にベース値が表示される。
また、場合2において、設定キースイッチ42がONであり、かつRAMクリアスイッチ43がONである場合(図18(b)の右下のパターン)には、RAMクリア処理が実行され、復電時の復帰状態として遊技可能状態が設定され、かつ主制御基板モニタ97にベース値が表示される。
このように、本実施形態では、復電時に異常がなく、かつ直前の電断時の状態が遊技可能状態である場合には、中枠開扉センサ76の状態(中枠17の開閉状態)に応じて設定される復帰状態が異なる。
さらに、場合1において、設定キースイッチ42がONであり、かつRAMクリアスイッチ43がONである場合には、設定変更状態を設定する一方、場合2において、設定キースイッチ42がONであり、かつRAMクリアスイッチ43がONである場合には、RAMクリア処理が実行されるとともに、遊技可能状態が設定される。さらに、場合1および場合2のいずれにおいても、設定キースイッチ42がOFFであり、かつRAMクリアスイッチ43がONである場合には、RAMクリア処理が実行されるとともに、遊技可能状態が設定される。このように、適切でない設定変更状態の設定を禁止する一方、RAMクリア処理は許容することで、中枠開扉センサ76がOFF(中枠17が閉鎖状態)である場合における不正な設定変更を防ぎつつも、RAMクリア処理の操作性を高めることができる。
特に、設定キースイッチ42がONであり、かつRAMクリアスイッチ43がONである場合において、中枠開扉センサ76がOFF(中枠17が閉鎖状態)である場合には、RAMクリア処理が実行される。そのため、不正な設定変更が試みられた虞がある場合に有利な状態を維持しないようにすることができる。
また、上述の説明では省略したが、復電時に異常がある場合、直前の電断状態が遊技停止状態である場合、および直前の電断状態が設定変更状態である場合のいずれかの場合では、設定キースイッチ42がONであり、かつRAMクリアスイッチ43がONである場合において、中枠開扉センサ76がON(中枠17が開放状態)である場合にのみ、設定変更状態を経由して遊技可能状態に復帰させることができ、当該場合以外では、遊技停止状態となり、主制御基板モニタ97には遊技停止状態の種別(「E1」または「E2」)が表示される。なお、復電時に異常がなく、直前の電断時の状態が設定確認状態である場合には、上述の復電時に異常がなく、直前の電断時の状態が遊技可能状態である場合と同様の挙動となる。
また、本実施形態において、設定変更状態および設定確認状態は、復電時にのみ設定される可能があり、いずれも復電時以外に設定されることはない。そのため、遊技制御の安定化を図ることができる。
<変動開始時サブ処理について>
次に、図19を用いて、変動開始コマンドを受信した際に、第1副制御基板200によって実行される変動開始時サブ処理の詳細を説明する。なお、図19は、変動開始時サブ処理のフローを示す図である。
先ず、ステップS401において、第1副制御基板200(サブコマンド管理手段270)によって変動開始コマンドが受信されるとステップS403に進み、受信しない場合には変動開始時サブ処理は終了となる。
ステップS403において、第1副制御基板200(演出モード制御手段221)は、変動開始コマンドの受信時における演出モードが通常モードであるか否かを判定し、当該条件を充足する場合にはステップS405に進み、当該条件を充足しない場合にはステップS431に進む。
ステップS405において、第1副制御基板200は、受信した変動開始コマンドが特図1に係るコマンドであるか否か(特図1に係るコマンドか特図2に係るコマンドであるか)を判定し、当該条件を充足する場合にはステップS406に進み、当該条件を充足しない場合にはステップS423に進む。
ステップS406において、第1副制御基板200は、変動開始コマンドの受信時において、特図1に係る図柄変動が停止しており、且つ、特図1に係る図柄変動が保留されていないものであるか否かを判定し、当該条件を充足する場合にはステップS413に進み、当該条件を充足しない場合にはステップS407に進む。
ステップS407において、第1副制御基板200は、特図2に係る図柄変動が実行されているか否かを判定し、当該条件を充足する場合にはステップS411に進み、当該条件を充足しない場合にはステップS417に進む。
ステップS411において、第1副制御基板200は、ステップS407の判定対象となった特図2に係る図柄変動が大当りに当選しているか否かを判定し、当該条件を充足する場合にはステップS429に進み、当該条件を充足しない場合にはステップS417に進む。
ステップS413において、第1副制御基板200は、変動開始コマンドの受信時において、特図2に係る図柄変動の結果として(第2始動口59の入賞に起因して)大当りに当選し、当該大当りに基づく図柄の組合せが停止表示しているとき、即ちイレギュラー大当りに基づく大当り遊技を待機しているときであるか否かを判定し、当該条件を充足する場合にはステップS415に進み、当該条件を充足しない場合にはステップS417に進む。
ステップS415において、待機中である大当り遊技の開始を促進する為、第1副制御基板200は、大当り待機中である旨を遊技者に報知する(以下、大当り待機報知と称する)。大当り待機報知の具体的な態様については、後述する。
ステップS417において、第1副制御基板200(演出ルート決定手段222)は、受信した変動開始コマンドに含まれる特図変動パターンに基づいて演出ルートを決定し、ステップS419に進む。
ステップS419において、第1副制御基板200(演出内容決定手段225)は、決定された演出ルートに基づいて、今回の図柄変動中に行う演出の詳細な内容を決定し、ステップS421に進む。
ステップS421において、第1副制御基板200(装飾図柄制御手段226)は、装飾図柄の変動の結果としてメイン表示部81に停止させる装飾図柄の組合せを決定し、変動開始時サブ処理は終了となる。
ステップS423において、受信した変動開始コマンドに係る図柄変動(特図2に係る図柄変動)が大当りに当選しているか否かを判定し、当該条件を充足する場合にはステップS425に進み、当該条件を充足しない場合にはそのまま変動開始時サブ処理が終了となる。即ち、当該条件を充足しない場合、第1副制御基板200は、受信した変動開始コマンドに係る図柄変動中に、当該図柄変動に対応する演出画像(装飾図柄の変動態様や共に行う演出内容、又は大当り待機報知等)を表示させない。
ここで「図柄変動に対応する演出画像」とは、第1特別図柄の変動開始を条件として演出表示手段に表示され得る演出画像、又は第2特別図柄の変動開始を条件として演出表示手段に表示され得る演出画像のいずれかに該当するものをいい、いわゆる装飾図柄の他に、装飾図柄の退避表示、や大当り待機中である旨を認識可能な画像等も含まれる。
ステップS425において、第1副制御基板200は、特図1に係る図柄変動が実行されているか否かを判定し、当該条件を充足する場合にはステップS427に進み、当該条件を充足しない場合にはそのまま変動開始時サブ処理が終了となる。即ち、当該条件を充足しない場合についても、第1副制御基板200は、受信した変動開始コマンドに係る図柄変動中に、当該図柄変動に対応する演出画像を表示させない。
ステップS427において、第1副制御基板200は、ステップS425の判定対象となった特図1に係る図柄変動の特図変動パターンが基本特図変動パターン(特図変動パターンHNP-A~HNP-Dのいずれか)であるか否かを判定し、当該条件を充足する場合にはステップS429に進み、当該条件を充足しない場合にはそのまま変動開始時サブ処理が終了となる。
ステップS429において、第1副制御基板200は、実行中の特図1に係る図柄変動の演出を中止して(演出を途中で打ち切って)、大当り待機報知を実行する。
即ち、ステップS427の条件を充足する場合(実行中の特図1に係る図柄変動が基本特図変動パターンである場合)には、当該図柄変動に対応する演出実行(演出内容を最後まで遊技者に認識させること)より大当り待機報知の実行を優先する。一方、ステップS427の条件を充足しない場合(実行中の特図1に係る図柄変動が基本特図変動パターン以外である場合)には、大当り待機報知の実行より当該図柄変動に対応する演出実行を優先する。
ここで、上記の前者の場合、実行中の特図1に係る図柄変動の演出を完全に中止する必要はなく、例えば、実行中の特図1に係る図柄変動の演出を表示する表示レイヤーより上層の表示レイヤーに大当り待機報知に係る演出表示を行うことによって、当該演出の実行より大当り待機報知の実行を優先してもよい。或いは、大当り待機報知に係る報知内容を阻害しない程度に抑制された態様(例えば、装飾図柄の変動を退避表示に切り替える、効果音の音量を小さくする又はミュートにする等)に変化させることによって、実行中の特図1に係る図柄変動の演出の実行より大当り待機報知の実行を優先してもよい。このとき、当該演出は最後まで(図柄変動の停止時まで)実行されることになるので、当該図柄変動については大当りに非当選(はずれ)である旨を認識させることができる。
また、上記の後者の場合、実行中の特図1に係る図柄変動が停止した後(新たに特図1に係る図柄変動の変動開始コマンドを受信した場合に)、ステップS415又はステップS429の処理によって大当り待機中である旨が報知され得る。
なお、本実施形態では、ステップS427の条件を充足しない場合には、そのまま変動開始時サブ処理を終了させる態様で説明したが、例えば、第1副制御基板200は、当該場合において大当り待機報知の実行を予定する為の専用フラグを設定し、実行中の特図1に係る図柄変動が終了するタイミング(変動停止コマンドの受信時)に大当り待機報知を実行させるようにしてもよい。
ステップS431において、第1副制御基板200は、受信した変動開始コマンドが特図2に係るコマンドであるか否か(特図2に係るコマンドか特図1に係るコマンドであるか)を判定し、当該条件を充足する場合にはステップS433に進み、当該条件を充足しない場合にはステップS443に進む。
ステップS433において、第1副制御基板200は、特図1に係る図柄変動が実行されているか否かを判定し、当該条件を充足する場合にはステップS435に進み、当該条件を充足しない場合にはステップS437に進む。
ステップS435において、第1副制御基板200は、ステップS433の判定対象となった特図1に係る図柄変動が大当りに当選しているか否かを判定し、当該条件を充足する場合にはステップS449に進み、当該条件を充足しない場合にはステップS437に進む。
ステップS437において、第1副制御基板200(演出ルート決定手段222)は、受信した変動開始コマンドに含まれる特図変動パターンに基づいて演出ルートを決定し、ステップS439に進む。
ステップS439において、第1副制御基板200(演出内容決定手段225)は、決定された演出ルートに基づいて、今回の図柄変動中に行う演出の詳細な内容を決定し、ステップS441に進む。
ステップS441において、第1副制御基板200(装飾図柄制御手段226)は、装飾図柄の変動の結果としてメイン表示部81に停止させる装飾図柄の組合せを決定し、変動開始時サブ処理は終了となる。
ステップS443において、受信した変動開始コマンドに係る図柄変動(特図1に係る図柄変動)が大当りに当選しているか否かを判定し、当該条件を充足する場合にはステップS445に進み、当該条件を充足しない場合にはそのまま変動開始時サブ処理が終了となる。即ち、当該条件を充足しない場合、第1副制御基板200は、受信した変動開始コマンドに係る図柄変動中に、当該図柄変動に対応する演出画像を表示させない。
ステップS445において、第1副制御基板200は、特図2に係る図柄変動が実行されているか否かを判定し、当該条件を充足する場合にはステップS447に進み、当該条件を充足しない場合にはそのまま変動開始時サブ処理が終了となる。即ち、当該条件を充足しない場合についても、第1副制御基板200は、受信した変動開始コマンドに係る図柄変動中に、当該図柄変動に対応する演出画像を表示させない。
ステップS447において、第1副制御基板200は、ステップS445の判定対象となった特図2に係る図柄変動の特図変動パターンが基本特図変動パターンであるか否かを判定し、当該条件を充足する場合にはステップS449に進み、当該条件を充足しない場合にはそのまま変動開始時サブ処理が終了となる。
ステップS449において、第1副制御基板200は、実行中の特図2に係る図柄変動の演出を中止して、大当り待機報知を実行する。
即ち、ステップS447の条件を充足する場合(実行中の特図2に係る図柄変動が基本特図変動パターンである場合)には、当該図柄変動に対応する演出実行(演出内容を最後まで遊技者に認識させること)より大当り待機報知の実行を優先する。一方、ステップS447の条件を充足しない場合(実行中の特図2に係る図柄変動が基本特図変動パターン以外である場合)には、大当り待機報知の実行より当該図柄変動に対応する演出実行を優先する。
なお、前者の場合、実行中の特図2に係る図柄変動の演出を完全に中止する必要はなく、大当り待機報知に係る報知内容を阻害しない程度に抑制された態様に変化させること(例えば、装飾図柄の変動を退避表示に切り替える、効果音の音量を小さくする又はミュートにする等)によって、実行中の特図2に係る図柄変動に対応する演出実行より大当り待機報知の実行を優先してもよい。
以上説明したように、変動開始コマンドを受信した際に、第1副制御基板200は、そのタイミングにおける状況に応じて、特図1に係る図柄変動に対応する演出を実行するか、特図2に係る図柄変動に対応する演出を実行するか、図柄変動に対応する演出を実行しないか、を分別する。
上記のようなフローチャートで演出制御するので、第一の遊技状態(通常モードに対応する特図変動パターン導出状態PA)の図柄変動における当否判定によって大当りに非当選と判定された第二の始動口(第2始動口59)に係る図柄変動の実行中に(ステップS407の条件を充足し且つステップS411の条件を充足しない場合)、第一の始動口(第1始動口57)に係る図柄変動が開始すると、演出制御手段(第1副制御基板200)は、第一の始動口に係る図柄変動に対応する演出画像(ステップS419で決定された演出内容やステップS421で決定された装飾図柄の組合せ)を演出表示手段に表示させるものと言える。
また、第一の遊技状態の図柄変動における当否判定によって大当りに当選したと判定された第二の始動口に係る図柄変動の実行中に、第一の始動口に係る図柄変動が開始すると(ステップS407及びステップS411の条件を共に充足する場合)、演出制御手段は、第二の始動口に係る図柄変動に対応する演出画像(ステップS429で実行する大当り待機報知)を演出表示手段に表示させるものと言える。
上記のような演出制御によって、イレギュラー大当りのケース(通常モードにおいて大当りとなる特図2に係る図柄変動が実行されている間に、はずれとなる特図1に係る図柄変動が開始するケース)においても大当りとなる演出画像を遊技者に視認させる機会を担保することができ、遊技興趣の低下を防止することができる。
上記のようなフローチャートで演出制御するので、第一の遊技状態(通常モードに対応する特図変動パターン導出状態PA)の図柄変動における当否判定によって大当りに非当選と判定された第一の始動口(第1始動口57)に係る図柄変動の実行中に、当否判定によって大当りに当選したと判定された第二の始動口(第2始動口59)に係る図柄変動が開始するときの少なくとも一部(ステップS427がNOのとき)に、演出制御手段(第1副制御基板200)は、第一の始動口に係る図柄変動について大当りの非当選を示す演出画像を演出表示手段に表示させた以後に、第二の始動口に係る図柄変動について大当りの当選を示すことになる演出画像の表示を演出表示手段で開始させるものと言える。
また、第一の遊技状態(通常モードに対応する特図変動パターン導出状態PA)の図柄変動における当否判定によって大当りに非当選と判定された第一の始動口(第1始動口57)に係る図柄変動の実行中に、当否判定によって大当りに当選したと判定された第二の始動口(第2始動口59)に係る図柄変動が開始するときの少なくとも一部(ステップS427がYESのとき)に、演出制御手段(第1副制御基板200)は、第一の始動口に係る図柄変動について大当りの非当選を示す演出画像を演出表示手段に表示させる前に、又は当該演出画像を遊技者に対して認識可能に演出表示手段に表示させずに、第二の始動口に係る図柄変動について大当りの当選を示すことになる演出画像を演出表示手段で開始させる。
上記のような演出制御によって、イレギュラー大当りのケース(通常モードにおいてはずれとなる特図1に係る図柄変動が実行されている間に、大当りとなる特図2に係る図柄変動が開始するケース)においても大当りとなる演出画像を遊技者に視認させる機会を担保することができ、遊技興趣の低下を防止することができる。
上記のようなフローチャートで演出制御するので、第一の遊技状態(通常モードに対応する特図変動パターン導出状態PA)に設定され、第一の始動口(第1始動口57)に係る図柄変動が停止し且つ第一の始動口に係る図柄変動が保留されていないときに、第二の始動口(第2始動口59)に遊技球が入賞して大当りに当選し、該大当りに基づく図柄の組合せが停止表示して該大当りに係る大当り遊技を待機している場合(ステップS406がYESと判定され且つステップS413と判定される場合)において、第一の始動口への遊技球の入賞が発生すると(ステップS405がYESである場合)、演出制御手段(第1副制御基板200)は、大当り待機報知を実行させるものと言える。
上記のような演出制御によって、イレギュラー大当りのケース(特図2に係る図柄変動が大当りの当選図柄で停止している間に、第1始動口57の入賞が生じるケース)においても大当りである旨を遊技者に視認させる演出画像を表示するので、大当りの当選を認識できる機会を担保することができ、遊技興趣の低下を防止することができる。
なお、以下の説明において、上記のイレギュラー大当りのケース(第1始動口57への遊技球の入賞が発生すると、図19のフローにおいてステップS406がYESと判定され且つステップS413と判定されることとなる状況)を、「特定の場合」と称する場合がある。
なお、通常モード以外の演出モードであるときであって、受信した変動開始コマンドが特図2に係るコマンドであるとき(ステップS403がNOであってステップS431がYESの場合)、ステップS406やステップS413と同様の判定を経て大当り待機報知(ステップS415)を実行するフローが存在しない。
何故ならば、このような状況において、遊技者は右打ちをしているものと考えられるので、大当り待機中である旨を敢えて報知せずとも、ゲート63を遊技球が通過して大当り遊技が開始されることが想定されるからである。
ステップS415の大当り待機報知の態様と、ステップS429の大当り待機報知の態様と、ステップS449の大当り待機報知の態様と、は原則として(復電やエラー等の他のイレギュラーな要因が発生しないことを条件として)いずれも共通である。しかしながら、本発明の目的に反しない範囲において、これらのうち一部の態様については、他の態様と区別可能にしてもよい。
なお、ステップS415、ステップS429及びステップS449を処理する状況についてはいずれも大当り待機中である為、上述した右打ち推奨状態に該当する。従って、主制御基板100(図柄表示制御手段145)は、これらの処理と並行して右打ちランプ98の点灯を実行している。
<特定の場合における演出表示について>
続いて、上述した特定の場合において、メイン表示部81に表示され得る演出表示について説明する。また、当該演出表示との対比説明の為、特定の場合では無い場合に表示され得る演出表示についても言及する。
図20は、或る図柄変動の停止時におけるメイン表示部81の表示態様を例示する図である。図21は、特定の演出が実行される図柄変動中におけるメイン表示部81の表示態様を例示する図である。図22は、大当り待機報知が行われている際のメイン表示部81の表示態様を例示する図である。図23は、大当り遊技中におけるメイン表示部81の表示態様を例示する図である。図24は、待機デモ演出中におけるメイン表示部81の表示態様を例示する図である。図25は、特定の場合に電断した後に復電した際のメイン表示部81の表示態様を例示する図である。
特図1及び特図2のいずれに係る図柄変動に関わらず、原則として、図柄変動中のメイン表示部81には、3つの図柄列からなる装飾図柄の変動が表示され、図柄変動の停止時におけるメイン表示部81には、停止した装飾図柄の組合せ85aが略中央に表示される(図20参照)。
また、その時点において保留されている図柄変動の数を特定可能な表示として保留表示86a(図20においては3つの図柄変動が保留されている)と、その時点において変動中(又は停止中)の図柄変動に対応する当該保留表示87と、がメイン表示部81に表示される。
特定の演出(メイン表示部81の中央部分に演出画像88aが表示される演出)が実行される図柄変動中におけるメイン表示部81には、演出画像88aの表示の妨げにならない位置(ここではメイン表示部81の左下隅部)に、装飾図柄の変動に相当する退避変動表示85bと、保留表示に相当する退避保留表示86bと、が表示される。(図21参照)。
図21に図示される退避変動表示85bの上段の表示は、特図1に係る図柄変動に対応しており、「×」の表示は大当りに非当選である旨を表している。なお、「〇」と表示される場合は、大当りに当選している旨を表す。また、退避変動表示85bの下段の表示は、特図2に係る図柄変動に対応しており、図示する矢印(実際は「〇」と「×」とが交互に表示される)は図柄変動中である旨を表している。
図21に図示される退避保留表示86bの上段の表示は、特図1に係る図柄変動の保留数を表しており、「0」の表示は当該保留数が零である旨を表している。また、退避保留表示86bの下段の表示は、特図2に係る図柄変動の保留数を表しており、「3」の表示は当該保留数が3つである旨を表している。
なお、上述したように本実施形態における「特定の場合」は、(i)第1始動口57に係る図柄変動が停止し且つ第1始動口57に係る図柄変動が保留されていないときであって、且つ(ii)第2始動口59に遊技球が入賞して大当りに当選し、該大当りに基づく図柄の組合せが停止表示して該大当りに係る大当り遊技を待機している場合である。
従って、特定の場合であって第1始動口57の入賞が生じる前については、図20に類似する表示態様、具体的には特図1に係る図柄変動の結果として大当りに非当選であったことを表す装飾図柄の組合せ85aがメイン表示部81の略中央に表示されており(アイドリングしており)、且つ、実行中の図柄変動及び保留されている図柄変動が無いことを示す表示(保留表示86aと当該保留表示87とが非表示)がメイン表示部81に表示されていることが想定される。
或いは、特定の場合であって第1始動口57の入賞が生じる前については、図21に類似する表示態様、具体的には特図1に係る図柄変動の停止期間においてもメイン表示部81の略中央に表示され続ける演出画像(演出画像88a相当のもの)と、保留されている特図1に係る図柄変動が無いことを示す表示(退避保留表示86bの上段が「0」になっている)と、第2始動口59に遊技球が入賞して大当りに当選していることを表す表示(退避変動表示85bの下段の表示が「〇」になっている)と、がメイン表示部81に表示されることが想定される。
ここで「特図1に係る図柄変動の停止期間においてもメイン表示部81の略中央に表示され続ける演出画像」とは、例えば、複数の図柄変動に跨がって行われる連続予告に係る演出画像、又は特定の演出モード滞在中に表示され得る演出画像等が想定される。
メイン表示部81が、上記のように想定される表示態様になっている状態(特定の場合)において、第1始動口57の入賞が発生すると、第1副制御基板200によって大当り待機報知が行われ、大当り待機中である旨を表す大当り待機表示88bがメイン表示部81の略中央に表示される(図22参照)。
このとき、メイン表示部81には、保留されている特図1に係る図柄変動が無いことを示す表示(退避保留表示86bの上段が「0」になっている)と、第2始動口59に遊技球が入賞して大当りに当選していることを表す表示(退避変動表示85bの下段の表示が「〇」になっている)と、が表示される。
更に、メイン表示部81には、ゲート63が設けられている方向である「右方向」への遊技球の打ち出しを遊技者に促す表示(以下、右打ち表示88c)が、大当り待機表示88bを阻害しない位置(ここではメイン表示部81の右上隅部)に表示される。
なお、右打ち表示88cに代えて、ゲート63への遊技球の打ち出しを直接的に遊技者に促す表示(例えば、「ゲートを狙え!」等)をメイン表示部81に表示させてもよい。
また、右打ち表示88cの表示と共に、スピーカ33から右打ちを促す音声を出力すること、演出ランプ35の点灯パターンによって右方向を示すこと、又はこれらの組合せを実行してもよい。
従って、演出手段には、図柄変動に対応する演出画像(図20に示す装飾図柄の組合せ85a、図21に示す演出画像88aや退避変動表示85b、図22に示す大当り待機表示88bや退避変動表示85b等)を表示可能である演出表示手段(メイン表示部81)が含まれるものと換言できる。
更に、特定の場合において、第一の始動口(第1始動口57)への遊技球の入賞が発生すると、演出制御手段(第1副制御基板200)は、所定領域(ゲート63)への遊技球の打ち出し又は所定領域が設けられている方向(右方向)への遊技球の打ち出しを遊技者に促す所定演出(右打ち表示88cの表示等)を実行させるものと言える。
これにより、大当り遊技の開始条件であるところのゲート63への遊技球の通過を促進させることができる。更に言えば、本実施形態では、第1始動口57が設けられている方向は「左方向」である為、間違った打ち出しをしていること(右打ちに変更しないと大当り遊技が開始されないこと)を遊技者に注意喚起する効果も奏する。
当然ながら、図22に図示する状態は、上述した右打ち推奨状態に該当する。また、図22に図示する状態より前(第1始動口57の入賞が発生する前)においても、特図2に係る図柄変動は大当りに当選し、その大当り基づく当選図柄が表示されている為、大当り待機中であって上述した右打ち推奨状態に該当する。従って、図柄表示制御手段145は、第1始動口57の入賞の前後にわたって右打ちランプ98を点灯させることになる。
上記のケースにおける右打ちランプ98の点灯と、大当り待機報知の実行と、の時系列関係を説明する為、図26(a)を用いる。図26(a)は、特定の場合において第一の始動口の入賞が発生した場合のタイムチャートである。なお、当該タイムチャートは、模式的に示すものであり、時間の長短を厳密に表すものではない。
ここに図示するように、特図2(第2始動口59)に係る図柄変動で大当りに当選し、該大当りに基づく図柄の組合せを停止させるタイミングと、図柄表示制御手段145が右打ちランプ98を点灯させるタイミングと、は略同じである。
一方、大当り待機報知の実行(右打ち表示88cの表示)のタイミングは、新たに特図1(第1始動口57)の入賞を待って行われる。
即ち、特定の場合において、演出制御手段(第1副制御基板200)は、第一の始動口(第1始動口57)への遊技球の入賞が発生する所定のタイミング(特図1に係る変動開始コマンドの受信時)まで所定領域(ゲート63)への遊技球の打ち出し又は所定領域が設けられている方向への遊技球の打ち出しを遊技者に促す第一演出(右打ち表示88cの表示等)を実行させず、所定のタイミングの以後に第一演出を実行させるものと言える。そして、点灯制御手段(図柄表示制御手段145)は、所定のタイミングの前後に跨がって、第一の点灯態様で点灯手段を制御する(右打ちランプ98を点灯させる)ものと言える。
上述したように、特図2に係る図柄変動に当選して当選図柄が停止している際に、新たに第1始動口57への入賞が発生すると、当該入賞に起因する図柄変動は保留される。
従って、特定の場合において、第一の始動口(第1始動口57)への遊技球の入賞が発生すると、当該入賞に起因する図柄変動が保留されるものと言える。
図22に図示した右打ち表示88cは、右打ち推奨状態において広く用いられるものであり、特定の場合にのみ表示され得るものではない。
例えば、大当り遊技中(ここでは大当り開始から3回目のラウンド遊技)においても右打ち表示88cは、図22に図示したケースと共通の態様でメイン表示部81に表示され得る(図23参照)。
なお、大当り遊技中におけるメイン表示部81には、ラウンド数やそのラウンドにおいて獲得した賞球数などを表すラウンド表示88dが、右打ち表示88cの他に表示され得る。
続いて、特定の場合において電断が発生し、当該電断後に復電した場合について説明する。当該場合の少なくとも一部、詳細にはRAMクリア(設定変更処理と共に行われるものを含む)が実行されないことを条件として、当該場合であっても特図2の大当りが維持される。従って、当該電断後に復電すると、その直後から遊技機10の内部状態としては大当り待機中となり、上述の右打ち推奨状態に該当するようになる。また、当該電断後に復電に伴って復電した旨を報知する表示(以下、復帰中表示88g)が表示される。
このようなケースにおいて、メイン表示部81には略中央に復帰中表示88gが表示されると共に、右打ち表示88fが表示される(図25参照)。更に、図25に図示するケースでは、「球を抜いて下さい」との表示(以下、貯留不可エラー表示88h)が表示されている。貯留不可エラー表示88hは、上球受け皿27に貯留された遊技球が貯留可能状態を超えたことの検知に伴い表示される、貯留不可エラーを示すエラー演出表示である。このように、上記のようなケースの一部において、復帰中表示88g、右打ち表示88fとは異なる他の表示(貯留不可エラー表示88h)が表示される場合がある。
また、右打ち表示88fの表示と共に、スピーカ33から右打ちを促す音声を出力すること、演出ランプ35の点灯パターンによって右方向を示すこと、又はこれらの組合せを実行してもよい。
上記のケースにおける右打ちランプ98の点灯と、復電中表示の実行と、の時系列関係を説明する為、図26(b)を用いる。図26(b)は、特定の場合において電断が発生し、当該電断後に復電した場合のタイムチャートである。なお、当該タイムチャートは、模式的に示すものであり、時間の長短を厳密に表すものではない。
ここに図示するように、特図2(第2始動口59)に係る図柄変動で大当りに当選し、該大当りに基づく図柄の組合せを停止させるタイミングと、図柄表示制御手段145が右打ちランプ98を点灯させるタイミングと、は略同じである点については、図26(a)のケースと同様である。一方、上記のケースにおける電断前においては、右打ち表示をする契機である第1始動口57の入賞が生じない為、右打ち表示が実行されない。
また、電断と共に右打ちランプ98が消灯し、復電後の初期処理を終えた後に右打ちランプ98が点灯し、その後に復帰中表示88gと右打ち表示88fとが表示される。このように右打ちランプ98の点灯のタイミングから、復帰中表示88gと右打ち表示88fの表示のタイミングまで間が空くのは、それぞれの初期処理に要する時間長さの差異に起因するものである。
以上説明したように、特定の場合において電断が発生し、当該電断後に復電した場合の少なくとも一部において、演出制御手段(第1副制御基板200)は、所定領域(ゲート63)への遊技球の打ち出し又は所定領域が設けられている方向への遊技球の打ち出しを遊技者に促す所定演出(右打ち表示88fの表示等)を実行させるものと言える。
また、特定の場合において電断が発生し、当該電断後に復電した場合の少なくとも一部において、演出制御手段(第1副制御基板200)は、当該電断の発生前に所定領域(ゲート63)への遊技球の打ち出し又は所定領域が設けられている方向への遊技球の打ち出しを遊技者に促す第一演出(右打ち表示88fの表示等)を実行させず、当該電断後の復電後に第一演出を実行させるものと言える。また、点灯制御手段(図柄表示制御手段145)は、当該電断の発生前にも当該電断後の復電後にも、第一の点灯態様で点灯手段を制御する(右打ちランプ98を点灯させる)ものと言える。
これにより、復電後に遊技可能状態となった際には、右打ちで遊技を開始するべきである旨を遊技者に確実に認識させることができ、遊技興趣の低下を抑制することができる。
ここで図26(b)に図示するケースにおいて、電断前のメイン表示部81に表示される内容は、上述した図20や図21に類似する表示態様、即ち、特図1に係る図柄変動に対応する演出画像(装飾図柄の組合せ85a、退避変動表示85bに相当するもの)や、その時点において保留されている図柄変動の数(保留数)を特定可能な演出画像(保留表示86a、退避保留表示86bに相当するもの)を含むものであることが想定される。
従って、特定の場合において電断が発生し、当該電断後に復電した場合の少なくとも一部において、演出制御手段(第1副制御基板200)は、当該電断の発生前に所定領域(ゲート63)への遊技球の打ち出し又は所定領域が設けられている方向への遊技球の打ち出しを遊技者に促す第一画像(右打ち表示88f)を演出表示手段に表示させず、当該電断後の復電後に第一画像を演出表示手段に表示させるものと言える。更に、演出制御手段は、当該電断の発生前に第一の始動口(第1始動口57)に係る図柄変動の保留数を特定可能な第三画像(保留表示86a、退避保留表示86bに相当するもの)を演出表示手段に表示させるものと言える。ここで、図25から明らかであるように、演出制御手段は、少なくとも当該電断後の復電後に第一画像を表示させる期間(復帰中表示88gの表示期間)において、第三画像を演出表示手段に表示させないものと言える。
また、点灯制御手段(図柄表示制御手段145)は、当該電断の発生前にも当該電断後の復電後にも、第一の点灯態様で点灯手段を制御する(右打ちランプ98を点灯させる)ものと言える。
なお、上記の「第三画像」に該当するものが複数存在する場合、「少なくとも当該電断後の復電後に第一画像を表示させる期間において、第三画像を演出表示手段に表示させない」態様としては、その一部を演出表示手段に表示させない態様であってもよいし、その全部を演出表示手段に表示させない態様であってもよいものとする。
また、「第三画像を演出表示手段に表示させない」とは、視認困難になっていれば足り、実際に表示させない態様の他に、下層の表示レイヤーに第三画像を表示させた上で、それより上層の表示レイヤーに他の画像を表示させる態様も含まれる。
図25と図22とを比べれば明らかであるように、互いに図示するケースにおいて表示される右打ちを推奨する表示(右打ち表示88cと右打ち表示88f)は表示態様が違う。より詳細には、右打ち表示88fは右打ち表示88cに比べて大きいサイズで表示されており、前者は後者よりも強めの報知(強報知)であると言える。
このように表示サイズを変えることで、復電後に初めて遊技機10を視認した遊技者に対しても、右打ち推奨状態であることをより確実に認識させることができる。
続いて、特定の場合において待機デモ演出(待機デモ制御手段280によって制御される演出)が実行されている期間に電断が発生し、当該電断後に復電した場合について説明する。当該場合の少なくとも一部、詳細にはRAMクリア(設定変更処理と共に行われるものを含む)が実行されないことを条件として、当該場合であっても特図2の大当りが維持される。従って、このケースにおいても、当該電断後に復電すると、その直後から遊技機10の内部状態としては大当り待機中となり、上述の右打ち推奨状態に該当するようになる。また、当該電断後に復電に伴って復帰中表示88gが表示される。
上記のケースにおいて、メイン表示部81には待機デモ演出の演出画像(以下、待機デモ表示88e)が表示される(図24参照)。待機デモ表示88eは、いわゆるタイトルロゴを表すものである。
図24から明らかであるように、右打ちを推奨する表示(右打ち表示88c又は右打ち表示88fに相当するもの)は、待機デモ演出の実行中においてメイン表示部81に表示されない。
上記のケースにおける右打ちランプ98の点灯と、待機デモ演出の実行と、の時系列関係を説明する為、図27を用いる。図27は、特定の場合において待機デモ演出が実行されている期間に電断が発生し、当該電断後に復電した場合のタイムチャートである。なお、当該タイムチャートは、模式的に示すものであり、時間の長短を厳密に表すものではない。
ここに図示するように、特図2(第2始動口59)に係る図柄変動で大当りに当選し、該大当りに基づく図柄の組合せを停止させるタイミングと、図柄表示制御手段145が右打ちランプ98を点灯させるタイミングと、は略同じである点については、図26(a)及び図26(b)のケースと同様である。
一方、電断前において、右打ちを推奨する表示はメイン表示部81に表示されず、右打ちランプ98を視認しなければ、遊技者は右打ち推奨状態であることに気付く術がない。
そして、電断と共に右打ちランプ98が消灯し且つ待機デモ表示88eが非表示になる。当該電断後に復電すると初期処理を終えた後に右打ちランプ98が点灯し、その後に復帰中表示88gと右打ち表示88fとが表示される点については、図26(b)のケースと同様である。ここで、復帰中表示88gと右打ち表示88fの表示期間において、待機デモ表示88eはメイン表示部81に表示されない。右打ち推奨状態であることを、右打ち表示88fの表示によって遊技者に強く喚起する為である。
以上説明したように、特定の場合において、図柄変動の停止中に実行させうる待機デモ演出の演出画像を演出表示手段に表示させているときに電断が発生し、当該電断後に復電した場合の少なくとも一部において、演出制御手段(第1副制御基板200)は、所定領域(ゲート63)への遊技球の打ち出し又は所定領域が設けられている方向への遊技球の打ち出しを遊技者に促す所定画像(右打ち表示88f)を演出表示手段(メイン表示部81)に表示させ、少なくとも当該電断後の復電後に所定画像を演出表示手段に表示させる期間において、待機デモ演出の演出画像(待機デモ表示88e)を演出表示手段に表示させないものと言える。
また、点灯制御手段(図柄表示制御手段145)は、当該電断の発生前にも当該電断後の復電後にも、第一の点灯態様で点灯手段を制御する(右打ちランプ98を点灯させる)ものと言える。
以上、図26(a)に図示するケースでは特定の場合における第一の始動口(第1始動口57)の入賞発生を契機として、図26(b)に図示するケースでは特定の場合における電断及び復電が発生したことを契機として、図27に図示するケースでは特定の場合における待機デモ演出の実行期間に電断及び復電が発生したことを契機として、それぞれ右打ちを推奨する表示を含む種々の演出(大当り待機報知、復電中表示)がメイン表示部81でなされることについて説明した。
なお、いずれのケースにおいても共通として、右打ち(第2流路Yへの遊技球の打ち出し)が行われている蓋然性が高い第二の始動口(第2始動口59)への遊技球の入賞が発生している場合については、上記の演出に相当するもの(右打ちを推奨する演出)は勿論のこと、打ち方を変えるような演出(左打ちを推奨する演出)もしないことが好ましい。言い換えるならば、特定の場合において、演出制御手段(第1副制御基板200)は、第二の始動口(第2始動口59)への遊技球の入賞が発生しても所定演出を実行させないことが好ましい。その打ち方を続ければ、自然とゲート63への遊技球の通過を契機として大当り遊技が開始されるからである。
また、図26(a)、図26(b)及び図27に図示するケースのいずれについても、第二の始動口(第2始動口59)への遊技球の入賞を除く他の条件については、上記の演出に相当するもの(右打ちを推奨する演出)の契機としてもよい。
例えば、特定の場合において、演出制御手段(第1副制御基板200)は、第一の始動口(第1始動口57)への遊技球の入賞が発生する他に、一般入賞口67への遊技球の入賞、アウト口69の遊技球の通過、又は所定の遊技操作(例えば、操作ハンドル31の操作)の検知のうち少なくとも一つが発生しても所定演出を実行させてもよい。
<他の変形例について>
以上の説明に記載されていない変形例について、以下に列挙する。
上記の実施形態においては、「所定領域への遊技球の打ち出し又は所定領域が設けられている方向への遊技球の打ち出しを遊技者に促す」ものの例示として、右打ち表示88cや右打ち表示88f、ゲート63への打ち出しを直接想起させるもの(「ゲートを狙え!」等の表記)を挙げたが、本発明の実施はこれに限られない。
上記の実施形態においては、「所定領域への遊技球の打ち出し又は所定領域が設けられている方向への遊技球の打ち出しを遊技者に促す」ものと対比するものの一つとして、右打ちランプ98を挙げ、右打ちランプ98については主制御基板100(図柄表示制御手段145)の制御対象とするように説明したが、第1副制御基板200や第2副制御基板300の制御対象となるものに置換してもよい。
上記の実施形態において右打ち表示88cと右打ち表示88fの表示サイズの差をもって、右打ち表示88fは右打ち表示88cに比べて強い報知(強報知)である旨を述べたが、このような報知の強弱を取り入れて以下のような変形例を実現してもよい。
例えば、図26(a)に図示したケースの変形例として、特定の場合において第一の始動口への遊技球の入賞が発生するときの少なくとも一部に、演出制御手段は、所定のタイミングまで第二演出(弱報知の右打ち推奨演出)を実行させ、所定のタイミングの以後に第一演出(強報知の右打ち推奨演出)を実行させてもよい。
ここで第二演出の要件としては、(i)第二演出は、所定領域への遊技球の打ち出し又は所定領域が設けられている方向への遊技球の打ち出しを遊技者に促すものであること、(ii)第一演出に係る演出画像が第二演出に係る演出画像に比べて大きい、又は、演出表示手段の表示領域において第一演出に係る演出画像の表示位置が第二演出に係る演出画像の表示位置に比べて中央に寄っている、のいずれか一方を充足すること、等が挙げられる。
或いは、図26(b)に図示したケースの変形例として、特定の場合において電断が発生し、当該電断後に復電した場合の少なくとも一部に、演出制御手段は、当該電断の発生まで第二演出(弱報知の右打ち推奨を示す第二画像を用いた演出)を実行させ、当該電断後の復電後に第一演出(強報知の右打ち推奨を示す第一画像を用いた演出)を実行させてもよい。
ここで第二演出に用いられる第二画像の要件は、(i)所定領域への遊技球の打ち出し又は所定領域が設けられている方向への遊技球の打ち出しを遊技者に促すものであること、及び(ii)第一画像が第二画像に比べて大きい、又は、演出表示手段の表示領域において第一画像の表示位置が第二画像の表示位置に比べて中央に寄っている、のいずれか一方を充足すること、等である。
また、本実施形態およびその変形例における確率、割合、頻度の高低は、各関係性が担保されていれば、低い方が当選しないようにしてもよいし、高い方が必ず当選するようにしてもよい。いずれの場合も抽選自体を行わないようにしてもよい。
また、上述の説明では、復電時のRAMクリアスイッチ43の態様を参照して復電時の復帰状態を決定しているが、復電時からのRAMクリアスイッチ43の連続操作時間が規定時間(例えば、3秒)を超えるか否かを参照するようにしてもよい。このようにすれば、誤ったRAMクリア処理の発生をより抑えることができる。
また、上述の説明では、復電時の復帰状態を決定するにあたり、中枠開扉センサ76の状態(中枠17の開閉状態)を参照していたが、当該状態を参照せずに復帰状態を設定するようにしてもよい。この場合には、一律に、中枠開扉センサ76がON(中枠17が開放状態)の場合に従って復電時の復帰状態を設定すればよい。
また、主制御基板モニタ97に表示する遊技機の性能に関する表示としては、上述のベース値に限らず、いわゆる「役物比率」や「役物連続比率」等の遊技機の性能(設計値)を評価するための指標であれば、いずれの指標を採用してもよい。
以上で説明した本発明は、上述の説明に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
<付記>
本実施形態は、次のような技術思想を包含する。
(1)第一の始動口または第二の始動口への遊技球の入賞に基づいて図柄変動を実行可能であり、図柄変動ごとに大当りに当選するか否かを判定する当否判定を実行し、前記第一の始動口に係る図柄変動と前記第二の始動口に係る図柄変動とを並行して実行可能であり、前記大当りに当選した図柄変動の終了後に該大当りに係る大当り遊技の開始を待機させ、該大当り遊技の待機中に所定領域に遊技球が入球又は通過をしたことに基づいて該大当り遊技を開始させる遊技機であって、第一の遊技状態及び前記第一の遊技状態よりも有利な第二の遊技状態を含む複数の遊技状態の中から一の遊技状態を設定する遊技状態制御手段と、演出手段と、前記演出手段を制御する演出制御手段と、備え、前記第一の遊技状態は、前記第一の遊技状態における前記当否判定によって当選する前記大当りのうちの前記第一の始動口に係る図柄変動での前記当否判定によって当選する前記大当りが占める割合が、前記第一の遊技状態における前記当否判定によって当選する前記大当りのうちの前記第二の始動口に係る図柄変動での前記当否判定によって当選する前記大当りが占める割合よりも高くなる遊技状態であり、前記第一の遊技状態に設定され、前記第一の始動口に係る図柄変動が停止し且つ前記第一の始動口に係る図柄変動が保留されていないときに、前記第二の始動口に遊技球が入賞して前記大当りに当選し、該大当りに基づく図柄の組合せが停止表示して該大当りに係る前記大当り遊技を待機している特定の場合において電断が発生し、当該電断後に復電した場合の少なくとも一部において、前記演出制御手段は、前記所定領域への遊技球の打ち出し又は前記所定領域が設けられている方向への遊技球の打ち出しを遊技者に促す所定演出を実行させる遊技機。
(2)前記特定の場合において、前記演出制御手段は、前記第二の始動口への遊技球の入賞が発生しても前記所定演出を実行させない(1)に記載の遊技機。
(3)前記特定の場合において、前記演出制御手段は、前記第一の始動口への遊技球の入賞が発生する他に、一般入賞口への遊技球の入賞、アウト口の遊技球の通過、又は所定の遊技操作の検知のうち少なくとも一つが発生しても前記所定演出を実行させる(1)又は(2)に記載の遊技機。
10 遊技機
15 外枠
17 中枠
20 前枠
21 ヒンジ機構
22 可動装飾体
23 シリンダ錠
25 透明部材
27 上球受け皿
29 下球受け皿
31 操作ハンドル
32 上枠部
33(33a、33b) スピーカ
34a、34b 左右側枠部
35(35a、35b、35c) 演出ランプ
36 球抜き機構
37 演出ボタン
38(38a、38b、38c、38d) カーソルボタン
39 メイン操作部
39a 玉貸ボタン
39b 返却ボタン
40 電源スイッチ
41 設定基板
42 設定キースイッチ
43 RAMクリアスイッチ
44 設定基板カバー
45 開閉カバー
46 遊技球タンク
47 タンクレール
48 払出ユニット
49 払出通路
50 遊技盤
50a 遊技領域
51 外レール
52 風車
53 内レール
55 大入賞口
55a 第1大入賞口
55b 第2大入賞口
57 第1始動口
59 第2始動口
61 普通電動役物
62 普通電動役物ソレノイド
63 ゲート
65 特別電動役物
65a 第1特別電動役物
65b 第2特別電動役物
66 特別電動役物ソレノイド
66a 第1特別電動役物ソレノイド
66b 第2特別電動役物ソレノイド
67 一般入賞口
69 アウト口
70 第1始動口センサ
71 第2始動口センサ
72 大入賞口センサ
72a 第1大入賞口センサ
72b 第2大入賞口センサ
73 一般入賞口センサ
74 ゲートセンサ
75 アウト球センサ
76 中枠開扉センサ
80 演出表示装置
81 メイン表示部
82 サブ表示部
82a 上サブ表示部
82b 左サブ表示部
82c 右サブ表示部
83 演出用可動体
83a 下可動体
83b 左可動体
83c 右可動体
90 図柄表示装置
91 第1特別図柄表示装置
92 第2特別図柄表示装置
93 普通図柄表示装置
94 第1特別図柄保留ランプ
95 第2特別図柄保留ランプ
96 普通図柄保留ランプ
97 主制御基板モニタ
100 主制御基板
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 I/Oポート
105 乱数回路
109 主制御基板ケース
110 入球判定手段
115 メイン乱数発生手段
120 メイン保留制御手段
125 事前判定手段
130 特図抽選手段
131 特図当否判定手段
132 特図停止図柄抽選手段
133 特図変動パターン導出手段
135 普図抽選手段
140 大当り遊技制御手段
145 図柄表示制御手段
150 電動役物制御手段
155 遊技状態制御手段
160 メイン情報記憶手段
165 メインエラー制御手段
170 メインコマンド管理手段
175 復電処理実行手段
176 復帰状態設定手段
177 設定変更手段
178 設定確認手段
179 遊技可能状態移行手段
180 電断処理実行手段
200 第1副制御基板
201 CPU
202 ROM
203 RAM
204 I/Oポート
209 第1副制御基板ケース
210 サブ乱数発生手段
220 通常演出制御手段
221 演出モード制御手段
222 演出ルート決定手段
223 サブ保留制御手段
224 先読み演出制御手段
225 演出内容決定手段
226 装飾図柄制御手段
227 大当り演出制御手段
230 サブエラー制御手段
240 ランプ制御手段
250 可動役物制御手段
260 サブ情報記憶手段
270 サブコマンド管理手段
300 第2副制御基板
301 CPU
302 ROM
303 RAM
304 I/Oポート
309 第2副制御基板ケース
400 払出制御基板
401 CPU
402 ROM
403 RAM
409 払出制御基板ケース
500 電源制御基板
501 通常電源回路
502 バックアップ電源回路
503 電断検出回路
509 電源制御基板ケース
600 設定キー
X 第1流路
Y 第2流路

Claims (2)

  1. 第一の始動口または第二の始動口への遊技球の入賞に基づいて図柄変動を実行可能であり、図柄変動ごとに大当りに当選するか否かを判定する当否判定を実行し、前記第一の始動口に係る図柄変動と前記第二の始動口に係る図柄変動とを並行して実行可能であり、前記大当りに当選した図柄変動の終了後に該大当りに係る大当り遊技の開始を待機させ、該大当り遊技の待機中に所定領域に遊技球が入球又は通過をしたことに基づいて該大当り遊技を開始させる遊技機であって、
    第一の遊技状態及び前記第一の遊技状態よりも有利な第二の遊技状態を含む複数の遊技状態の中から一の遊技状態を設定する遊技状態制御手段と、
    点灯することによって、前記所定領域が設けられている方向への遊技球の打ち出しが推奨される状態であることを示す点灯手段と、
    前記点灯手段を制御する点灯制御手段と、
    演出手段と、
    前記演出手段を制御する演出制御手段と、備え、
    前記第一の遊技状態は、前記第一の遊技状態における前記当否判定によって当選する前記大当りのうちの前記第一の始動口に係る図柄変動での前記当否判定によって当選する前記大当りが占める割合が、前記第一の遊技状態における前記当否判定によって当選する前記大当りのうちの前記第二の始動口に係る図柄変動での前記当否判定によって当選する前記大当りが占める割合よりも高くなる遊技状態であり、
    前記第一の遊技状態に設定され、前記第一の始動口に係る図柄変動が停止し且つ前記第一の始動口に係る図柄変動が保留されていないときに、前記第二の始動口に遊技球が入賞して前記大当りに当選し、該大当りに基づく図柄の組合せが停止表示して該大当りに係る前記大当り遊技を待機している特定の場合において電断が発生し、当該電断後に復電した場合の少なくとも一部において、
    前記演出制御手段は、
    当該電断の発生前において前記第一の始動口への遊技球の入賞が発生すると、前記所定領域への遊技球の打ち出し又は前記所定領域が設けられている方向への遊技球の打ち出しを遊技者に促す第一の右打ち表示を表示させ、
    当該電断の発生前において前記第一の始動口への遊技球の入賞が発生しない場合、前記第一の右打ち表示を表示させず、
    当該電断の発生前において前記第一の始動口への遊技球の入賞が発生しない場合において、図柄変動の停止中に実行させうる待機デモ演出を実行した場合、前記待機デモ演出の実行期間において前記第一の右打ち表示を表示させず、
    当該電断時に前記待機デモ演出が実行されているか否かに関わらず、当該電断後の復電後において、前記第一の始動口への遊技球の入賞が発生しなくても、前記所定領域への遊技球の打ち出し又は前記所定領域が設けられている方向への遊技球の打ち出しを遊技者に促す表示であって前記第一の右打ち表示とは表示態様が異なる第二の右打ち表示を表示させる一方、前記第一の右打ち表示を表示させず、
    前記点灯制御手段は、
    当該電断の発生前に前記点灯手段を点灯させ、
    当該電断時に前記待機デモ演出が実行されているか否かに関わらず、当該電断後の復電後に前記点灯手段を点灯させる遊技機。
  2. 前記演出制御手段は、前記特定の場合において、一般入賞口への遊技球の入賞、アウト口の遊技球の通過、又は所定の遊技操作の検知のうち少なくとも一つが発生しても前記第一の右打ち表示を実行させる請求項1に記載の遊技機。
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