JP6860217B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
そして、このような設定値を有するパチンコ機は、今後普及が期待されるパチンコ機であり、依然として遊技の興趣を高める観点において改良の余地がある。
また、本発明によれば、複数段階の設定値から一の設定値を設定し、設定されている前記設定値によって大当りに当選する確率が定まり、図柄変動ごとに前記大当りに当選するか否かを判定する当否判定を実行する遊技機であって、演出手段と、前記演出手段を制御する演出制御手段と、第一の遊技状態及び前記第一の遊技状態に比べて有利な第二の遊技状態を含む複数の遊技状態のうち一の遊技状態に制御する遊技状態制御手段と、を備え、前記演出制御手段は、設定されている前記設定値を示唆する設定示唆演出を、前記演出手段を制御することによって実行可能であり、前記演出手段には、第一条件を充足するとストックされるストック情報の数量を、遊技者が視認可能に表示するストック表示手段が含まれ、前記設定示唆演出には、前記ストック情報がストックされている場合において前記第一条件とは異なる第二条件を充足すると、ストックされている前記ストック情報を消費して実行される所定の設定示唆演出が含まれ、前記複数段階の設定値には、第一の設定値と、前記第一の設定値より有利な第二の設定値と、が含まれ、前記演出制御手段は、前記第一条件の充足に係る判定において設定されている前記設定値を参照せず、且つ、前記第二条件の充足に係る判定において設定されている前記設定値を参照せず、前記所定の設定示唆演出に係る演出態様を、設定されている前記設定値を参照して決定し、前記所定の設定示唆演出に係る演出態様には、設定されている設定値が前記第一の設定値であるときには決定されず且つ設定されている設定値が前記第二の設定値であるときには決定されうる特定演出態様が含まれ、前記特定演出態様には、前記第一の遊技状態及び前記第二の遊技状態の双方において決定されうる第一の特定演出態様と、前記第一の遊技状態及び前記第二の遊技状態の一方において決定されず且つ他方において決定されうる第二の特定演出態様と、が含まれる、ことを特徴とする遊技機が提供される。
なお、以降の説明における「有利(有利度)」とは、遊技者に対して有利であることを指し、さらに、特に断りがない限り、いわゆるプレミア画像等の演出面を除き、賞球の獲得量(遊技球の払い出し、メダルの払い出し)に関して有利であることを指す。
本実施形態における遊技機10の詳細を説明する前に、本実施形態に記載されている発明(本発明)の特徴を説明する。
ここで、設定値とは、特図当否判定の有利度(大当りが導出される確率)に影響を与える値である。本実施形態における設定値は、設定値1、設定値2、設定値3、設定値4、設定値5、および設定値6の計6段階が設けられており、設定されている設定値(以下、「現在の設定値」と称する場合がある)の値が大きくなるに従って特図当否判定の有利度が高くなるように構成されている。
本実施形態では演出手段として、可動装飾体22、演出ランプ35、ストック表示ランプ85、スピーカ33、メイン表示部81、サブ表示部82を例示し、これらを制御する演出制御手段として、第1副制御基板200を例示する。なお、演出手段及び演出制御手段に相当する構成要素については、本発明の目的を阻害しない範囲において上記に列挙した構成要素の一部が省かれてもよいし、例示しない他の構成要素を追加してもよい。
ここでストック情報とは、第一条件を充足するとストックされる情報(所定の記憶領域に記憶される情報)であって、演出制御上において数量によって管理される情報である。
また、ストック表示手段とは、遊技者が視認可能な位置(例えば、遊技盤50を基準として遊技機10の前面側)に設けられた表示デバイスの一部であって、ストック情報の数量を表示するものである。なお、演出制御上において管理されるストック情報の数量と、ストック表示手段によって表示されるストック情報の数量と、は必ずしも一致する必要はない。
本実施形態におけるストック表示手段は、具体的にはストック表示ランプ85によって実現されるものとして説明するが、他のランプ(例えば演出ランプ35の一部)によって実現されてもよいし、演出表示装置80の表示領域の一部によって実現されてもよい。
ここで設定示唆演出とは、その演出が実行される時点を基準として当該時点(現在)の設定値を、遊技者が認識可能に示唆する演出である。
所定の設定示唆演出は上記のような特徴を有しているので、徐々にストックされるストック情報を消費(リリース)することと引き替えに設定示唆をすることができるという恩恵を遊技者は受けることができ、ストックされる期間にわたって段階的に遊技者の興趣を高めることを実現することができる。
本実施形態では、後述するルーレット設定示唆演出が、本発明に係る「所定の設定示唆演出」に相当するものとして説明するが、当該ルーレット設定示唆演出は「所定の設定示唆演出」の一具体例であり、本発明の実施はこれに限られない。
「ストック表示手段に表示されるストック情報の数量の減少」及び「所定の設定示唆演出の実行」が発生するタイミングについては、双方共に第二条件が充足した以後であればよく、その先後は特に制限されないが、その連動性を遊技者が認識可能な程度に近接していることが好ましく、互いのタイミングが同時であってもよい。
また、「第一条件」の具体的内容については、特に制限されるものではなく、上記の所定の示唆演出を実現する演出手段の種別等に応じて適宜変更してもよい。「第二条件」の具体的内容については、(i)ストック情報がストックされている場合に充足されうるものであること、(ii)第一条件とは異なる条件であることを前提として特に制限されず、第一条件と同様に、上記の所定の示唆演出を実現する演出手段の種別等に応じて適宜変更してもよい。なお、「第一条件とは異なる第二条件」とは、第一条件の充足と第二条件の充足とが別々の処理によって決定(判定)されることを意味する。
本実施形態における第一条件の充足とは後述する「ストック抽選」に当選すること(図17に図示するステップS405の判定が肯定されること)であり、本実施形態における第二条件の充足とはストック表示ランプ85が全点灯すること(図21に図示するステップS501の判定が肯定されること)である。
まず、図1〜図7を用いて、遊技機10の構造について説明する。
図1は、遊技機10の正面図であり、図2は、図1に示す領域IIに配設される図柄表示装置90を示す図であり、図3は、図1に示す領域IIIに配設される操作ボタン群およびその周辺を示す鳥瞰図であり、図4は、遊技機10内に設置される遊技盤50を示す図であり、図5は、図4に示す領域Vに配設される一般入賞口67及びストック表示ランプ85の配置を示す図であり、図6は、メイン表示部81に表示される演出画像の一具体例を示す図であり、図7は、遊技機10の背面図である。
なお、図1から図7に図示される各構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要なものを挙げたに過ぎず、ここに図示しない構成および機能を遊技機10に追加してもよい。また、遊技機10はここに図示する構成の全部を必ずしも備えなくてもよく、本発明の効果を阻害しない範囲で一部の構成または機能が省かれても良い。
また、前枠20は、遊技領域50aを覆うように配置された透明部材25を備え、透明部材25によって遊技領域50aおよび遊技盤50を透視保護している。
また、前枠20は、遊技球を貯留する上球受け皿27および下球受け皿29を備え、上球受け皿27と下球受け皿29は上下に離間して前枠20と一体的に設けられている。
また、前枠20は、下球受け皿29の右側方に操作ハンドル31を備え、操作ハンドル31の回動操作によって、上球受け皿27に貯留された遊技球が遊技領域50aに向けて発射されるようになっている。
また、上球受け皿27の側方には、図示しないモータ等のアクチュエータにより動作する可動装飾体22が設けられている。
なお、図示は省略するが、上球受け皿27には、球抜き機構36と同様に、操作することで貯留している球を下球受け皿29へ移動させる機構が設けられ、この機構と球抜き機構36の双方を操作することで、貯留している球を排出することが可能となる。
ここで、メイン表示部81は、固定式の液晶表示装置であり、上サブ表示部82a、左サブ表示部82b、右サブ表示部82cは、図示しないモータ等のアクチュエータにより動作する可動式の液晶表示装置である。
メイン表示部81に表示される図柄列(装飾図柄)の変動表示において、表示される装飾図柄は、3つの図柄列をなす。各図柄列の変動表示の方向は特に制限されず、例えば、上下方向、左右方向、奥行き方向、またはこれらの組合せ(斜め方向)のいずれであってもよい。
ここで、奥行き方向とは、実際にはメイン表示部81の表示画面上の平面的な変動表示であるにも関わらず、メイン表示部81の奧方から手前方向またはその逆方向に図柄列が変動表示しているかのように認識させる手法(例えば、遠近法)を用いた表示態様において、遊技者が認識する仮想的な方向をいう。
また、本実施形態における装飾図柄には、数字の「1」を模した「1図柄」、数字の「2」を模した「2図柄」、数字の「3」を模した「3図柄」、数字の「4」を模した「4図柄」、数字の「5」を模した「5図柄」、数字の「6」を模した「6図柄」、数字の「7」を模した「7図柄」、数字の「8」を模した「8図柄」、および数字の「9」を模した「9図柄」があり、これらの図柄は、各図柄列に設けられている。以降の説明では、「1図柄」、「3図柄」、「5図柄」、「7図柄」、および「9図柄」を総称して「奇数図柄」と称し、「2図柄」、「4図柄」、「6図柄」、「8図柄」を総称して「偶数図柄」と称する場合がある。
図6に示す時点におけるメイン表示部81の演出画像には、背景表示81aと、左装飾図柄81bと、中装飾図柄81cと、右装飾図柄81dと、当該保留表示81eと、保留表示81fと、保留数表示81gと、が含まれる。
背景表示81aは、メイン表示部81に表示される演出画像の中で最も後方(最も下層の表示レイヤー)に表示される演出画像であり、その時点において滞在している演出モードや実行されている演出等によって変化する場合がある。なお、演出モードについては後述する。
左装飾図柄81b、中装飾図柄81c、及び右装飾図柄81dは、上述した装飾図柄の図柄列を構成する三つの装飾図柄のうち、それぞれ左、中、右に配置されるものである。
当該保留表示81eは、その時点において実行されている図柄変動(いわゆる当該変動)に対応する演出画像であり、その表示態様(形状や色彩等)によって当該変動における大当りの当選期待度又はその他の情報を示唆する場合がある。
保留表示81fは、その時点において保留されている図柄変動(未だ実行されていない図柄変動)のそれぞれに対応する演出画像であり、その表示態様(形状や色彩等)によってその図柄変動が実行された場合の大当りの当選期待度又はその他の情報を示唆する場合がある。
保留数表示81gは、後述する特図保留カウンタによって計数されている保留数を表示する演出画像である。ここで、保留数表示81gの上側の演出画像は特図1の保留カウンタによる保留数を表し、保留数表示81gの下側の演出画像は特図2の保留カウンタによる保留数を表している。なお、保留数表示81gに表示される演出画像は、図6に図示されている他の演出画像のいずれよりも前方(上層の表示レイヤー)に表示されるものである為、例えば装飾図柄の変動や保留画像の変化に伴う種々の演出に関わらず、その時点における保留数や保留入賞に伴う保留数の増加を遊技者に示すことができる。
なお、それぞれの初期位置は、上サブ表示部82aはメイン表示部81を基準として上側であり、左サブ表示部82bはメイン表示部81を基準として左側であり、右サブ表示部82cはメイン表示部81を基準として右側であり、サブ表示部82のそれぞれは、これらの初期位置からメイン表示部81における装飾図柄の表示領域に重なる位置まで移動可能に構成されている。
また、図柄表示装置90は、メイン表示部81よりも遊技者が視認しにくい位置に配設され、図柄表示装置90の表示領域は、メイン表示部81の表示領域よりも小さい面積になっている。
なお、本実施形態における図柄表示装置90に係るLEDの配置や数は図2に示すとおりであるが、これは一例であって、図柄表示装置90に係るLEDの配置や数はこの例に制限されるものではない。
なお、特別図柄は「特図」、第1特別図柄は「特図1」、第2特別図柄は「特図2」と略称される場合がある。
なお、普通図柄は、「普図」と略称される場合があり、普通電動役物は「電チュー」と称される場合がある。
第1特別図柄保留ランプ94は、保留されている特図1の図柄変動の数を特定可能とし、第2特別図柄保留ランプ95は、保留されている特図2の図柄変動の数を特定可能とし、普通図柄保留ランプ96は、保留されている普図の図柄変動の数を特定可能とし、いずれも2つのLEDの点灯態様(本実施形態では、右常時点灯のみ=1、左右常時点灯=2、右側点滅+左側常時点灯=3、左右点滅=4)によって対応する図柄変動の数を特定可能とするものである。
また、以下の説明では、上述のメイン表示部81に表示される図柄列(装飾図柄)の変動表示は、「特図の図柄変動」や「普図の図柄変動」と区別して「装飾図柄の図柄変動」と称する場合がある。
なお、以下の説明では、単に「図柄変動」と称した場合には、特に断りがない限り特図の図柄変動を意味する。
また、遊技領域50aの左側および上側には、操作ハンドル31の回転操作により発射された遊技球を遊技領域50aの上部に案内するために設けられた湾曲形状の外レール51および内レール53が配置されている。なお、外レール51は、遊技領域50a中央を基準として内レール53より外側に位置している。ここで、風車52とは、遊技球の落下の方向に変化を与えるための機構であって、くぎ状のものをいう。
なお、本実施形態において、第1流路Xから転動する場合と比較して、第2流路Yから転動する場合に多くの遊技球が大入賞口55に向けて転動するように各障害物が配置されている。
より具体的には、特別電動役物65は、後述する特図当否判定によって大当りが導出されたことに起因して設定される大当り遊技の少なくとも一部において開放状態になり、これに伴って大入賞口55への入賞が許容される。このように、特別電動役物65が開放状態である場合には、大入賞口55への入賞が容易となるため、賞球を獲得できる機会が大幅に増大する大当り遊技は、有利な遊技状態であると言える。
大当り遊技では、特別電動役物65の開放状態と閉鎖状態が交互に設定され、1回の開放状態(「ラウンド」と称する場合があり、1回の大当りで発生するラウンドの総数を、「ラウンド数」または「R数」と称する場合がある)は、あらかじめ定められた数(本実施形態では、10)の遊技球が大入賞口55に入賞したことに基づいて終了し、特別電動役物65が閉鎖状態となる。
なお、1回の開放状態は、あらかじめ定められた数の遊技球が大入賞口55に入賞するのに十分な時間(本実施形態では、30秒)が経過したことに基づいても終了する。
ここで、1回のラウンドにおいて、10球の遊技球が入賞したことに基づいて特別電動役物65が開放状態から閉鎖状態に設定される場合に、すぐに閉鎖状態となることはできない。そのため、1回のラウンドにおいて、10球を超える遊技球が大入賞口55に入賞する場合が発生し、当該入賞をオーバー入賞と称する場合がある。
なお、本実施形態に係る遊技領域50aは、第2流路Yから転動した場合に比べて、第1流路Xから転動した場合に多くの遊技球が入球口56に向けて転動するように、遊技釘等の障害物が配置されているものとする。
第2始動口59に係る入賞が判定された場合の少なくとも一部において、特図2の図柄変動が行われることとなる。
なお、本実施形態に係る遊技領域50aは、第1流路Xから転動した場合に比べて、第2流路Yから転動した場合に多くの遊技球が第2始動口59に向けて転動するように、遊技釘等の障害物が配置されているものとする。
より具体的には、普通電動役物61は、普図の図柄変動で当選して行われる普図当り遊技の少なくとも一部において開放状態になり、これに伴って第2始動口59への入賞が許容される。このように、普通電動役物61が開放状態である場合には、第2始動口59への入賞が容易となるため、賞球により遊技球の減少を抑えつつ、特図2の図柄変動が実行される機会を大幅に増大し得る。
また、本実施形態において、第1流路Xから転動する場合と比較して、第2流路Yから転動する場合に多くの遊技球がゲート63に向けて転動するように各障害物が配置されている。
なお、本実施形態において、第2流路Yから転動する場合と比較して、第1流路Xから転動する場合に多くの遊技球が一般入賞口67に向けて転動するように各障害物が配置されているが、第2流路Yから転動する場合に多くの遊技球が一般入賞口67に向けて転動するように各障害物が配置されるようにしてもよい。また、一般入賞口67を複数個設けるようにしてもよい。
ストック表示ランプ85は、8箇所に分けて設けられたLED(不図示)と各LEDを覆う透過性のカバーとを含んでいる。図5に図示するとおり、各カバーには「1」「2」「3」「4」「5」「6」「7」「8」がそれぞれ付されており、覆っているLEDが点灯することによってカバーに付された数字が視認容易になる。
ストック表示ランプ85は、第一条件を充足するとストックされるストック情報の数量を、遊技者が視認可能に表示するデバイスであり、本発明に係る「ストック表示手段」に相当するものである。具体的には、ストックされているストック情報の数量に応じて、点灯しているLEDの数を増やすことによってストック情報の数量を表示する(例えば、「1」のLEDが点灯している場合に、新たに第一条件が充足されてストック情報が1つ増えた場合には、「2」のLEDが追加で点灯されて「1」と「2」のLEDが点灯することになる)。
ここで、ベース値とは、最も不利な状態(後述する、特図低確かつ普図低確)におけるセーフ球数(賞球数)÷アウト球数×100で導出される値であり、当該値は、後述する主制御基板モニタ97に表示される。
より具体的には、初回電源投入(RAM103のベース値に係る領域がクリアされた場合を含む)からアウト球数の60000区切りの区間でベース値を導出し、導出したベース値を次の区間に表示(例えば、アウト球数が60001〜120000の区間で導出したベース値を120001〜180000の区間で表示)する。そして、表示される値は、導出したベース値の整数部分(小数点第一位を四捨五入)である。
なお、各基板を覆う基板ケースおよびカバーは、透明性を有する部材によって構成されており、各ケースおよびカバーを通して対応する基板が視認可能となっている。
また、設定値は、後述する設定変更手段177による設定変更処理によって変更可能であり、現在の設定値は、後述する設定確認手段178による設定確認処理において確認可能であり、設定変更処理および設定確認処理の詳細は、後述する。
なお、設定基板カバー44は、設定キースイッチ42を操作するために用いられる設定キー600が挿入されている状態では、閉鎖状態にならないように構成されている。
また、設定基板カバー44は、ヒンジ機構によって開閉可能に構成されているが、上下にスライドするスライド式のカバーであってもよい。
次に、図8を用いて、本実施形態に係る遊技機10が備える制御構成を説明する。図8は、遊技機10が備える制御構成を示すブロック図である。なお、図8に示す制御構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要となるものであり、遊技機10は、図8で図示しない制御構成を備えていてもよい。
RAM103は、後述するバックアップ電源回路502において生成されるバックアップ電源によってバックアップがなされる。具体的には、RAM103に格納される情報のうち、電断が生じた後の復電時にそのデータを用いて電断直前の状態で遊技機10が復帰できるような各種情報がバックアップされるように構成されている。例えば、電断が生じた際に保持されていたスタックポインタや各レジスタ等のデータに加え、そのときの遊技機10の状態(遊技停止状態、設定変更状態、設定確認状態、または遊技可能状態)、設定中の設定値、現在の特図抽選状態、現在の普図抽選状態などといった遊技に係る情報がバックアップ対象とされる。
なお、本実施形態におけるバックアップの具体的手法については何ら制限されない。例えば、RAM103のうちバックアップ対象とされる領域は、電断状態においても不揮発的にデータを保持可能な構成で実現されてもよい。他の例としては、RAM103の中でも、電断状態においても不揮発的にデータを保持可能に構成される第一メモリと、遊技機10が動作時に参照される第二メモリとで異なるハードウェアが設けられていてもよく、その場合には、遊技機10は、電断時に第二メモリから第一メモリにバックアップ対象となる情報を退避し、その退避された情報を復電時に第一メモリから第二メモリへリカバリすればよい。
同様に、主制御基板100は、メイン操作部39に電気的に接続されており、メイン操作部39の操作を検知可能に構成されている。さらに、主制御基板100は、設定基板41と電気的に接続されており、設定キースイッチ42、およびRAMクリアスイッチ43の操作を検知可能に構成されている。
なお、第1副制御基板200から主制御基板100へデータを送信することはできず、また、第1副制御基板200は、主制御基板100に対してデータの送信を要求することはできないように構成されている。
また、本実施形態では、主制御基板100から第1副制御基板200へのデータ送信にパラレル伝送方式を採用しているが、シリアル伝送方式を採用してもよい。
なお、第1副制御基板200は、演出ボタン37およびカーソルボタン38に電気的に接続されており、当該操作部の操作を検知可能に構成されている。
ここで、第1副制御基板200は、第2副制御基板300と双方向通信が可能に接続されており、画像および音響に関する画像制御コマンドが第1副制御基板200から第2副制御基板300へ送信される一方、その応答として、当該制御コマンドを正常に受信できた旨を示す応答コマンド(ACKコマンド)が第2副制御基板300から第1副制御基板200へ送信される。
そして、可動装飾体22、サブ表示部82は、第1副制御基板200から送信される可動制御データによって可動が制御されるように構成されている。
その他、第2副制御基板300には、図示省略するが、CPU301から受信した制御信号に基づき、後述する演出内容決定手段225によって決定された演出の内容に沿った画像データを生成するVDPと、CPU301から受信した制御信号に基づき当該演出の内容に沿った音響データを生成する音源ICとを搭載している。VDPは、いわゆる画像プロセッサであり、CPU301からの指示に応じて画像ROMに記憶された画像データを読み込み、これを画像処理して生成した画像データを演出表示装置80へ送信する。このVDPには、画像ROMから読み出された画像データの展開・加工に使用される高速のVRAMが接続されている。音源ICは、CPU301からの指示に応じて音声ROMに記憶された音響データを読み込み、読み込んだ音響データを合成処理して生成した最終的な音響データを増幅器を介してスピーカ33に出力する。
また、払出制御基板400は、主制御基板100と双方向通信可能に接続されており、主制御基板100からの払出制御コマンドに基づいて払出ユニット48を駆動させて遊技球を払い出すための制御を実行するとともに、操作ハンドル31の操作量に基づき球送り機構と発射機構とを同期的に駆動させて遊技球の発射を制御する。
また、電源制御基板500には、電源スイッチ40が接続されており、遊技島の電源設備から1次電源が供給されていることを前提として、電源スイッチ40がONになると、電源制御基板500の通常電源回路501で通常電源が生成され、上述の制御基板(主制御基板100、第1副制御基板200、第2副制御基板300、および払出制御基板400)を含む電子部品や電気部品に電源が供給される。
また、電源制御基板500は、電断検出回路503によって電断が検出された場合には、電断信号(NMI信号)を主制御基板100、第1副制御基板200、払出制御基板400のそれぞれに送信する。
また、バックアップ電源回路502は、遊技島の電源設備から遊技機10に電源が供給されているときに充電される仕組みとなっている。
なお、バックアップ電源回路502を払出制御基板400上に設けるようにしてもよく、電断検出回路503を電源制御基板500に設けず、主制御基板100、第1副制御基板200、および払出制御基板400のそれぞれに設けるようにしてもよい。
次に、図9を用いて、本実施形態に係る遊技機10が備える機能構成を説明する。図9は、遊技機10が備える機能構成を示すブロック図である。なお、図9に示す機能構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要となるものであり、遊技機10は、図9で図示しない機能構成を備えていてもよい。また、機能構成を説明する際に、必要に応じて図10〜図11を参照することとする。
より具体的には、メイン乱数発生手段115は、第1始動口57、または第2始動口59への入賞が判定された場合には、後述する、特図当否判定用の乱数、特図停止図柄抽選用の乱数、および特図変動パターン抽選用の乱数を取得する。ゲート63への入賞が判定された場合には、後述する普図当否判定用の乱数、普図図柄抽選用の乱数、および普図変動パターン抽選用の乱数をメイン情報記憶手段160の対応する格納領域に格納する。
より具体的には、メイン保留制御手段120は、特図1の作動保留情報が保留されるごとに1加算され、特図1の作動保留情報が使用される(特図抽選手段130の抽選で用いられる)ごとに1減算される保留カウンタ(以下、「特図1保留カウンタ」と称する)を備え、特図1保留カウンタの値が上限値(本実施形態では、4)となるまで、当該作動保留情報をメイン情報記憶手段160の現在の特図1保留カウンタに対応する格納領域に記憶させ、作動保留情報が使用されるごとに、使用された作動保留情報をクリアし、残りの作動保留情報を、特図1保留カウンタの小さいものから順に、現在の格納領域から現在の特図1保留カウンタよりも1少ない特図1保留カウンタに対応する格納領域に移動(シフト)させる制御を行う。以降の説明では、「作動保留情報の保留」を「図柄変動の保留」と表現する場合がある。
また、メイン保留制御手段120は、特図2および普図に関しても、特図1とは別に上述の制御と同様の制御を行い、特図2の保留カウンタを特図2保留カウンタと称する。
また、本実施形態では、特図1保留カウンタが上限値に達している状態で、第1始動口57への入賞が判定された場合、および特図2保留カウンタが上限値に達している状態で、第2始動口59への入賞が判定された場合にも、保留コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド領域に記憶させる。ただし、これらの入賞が判定されても作動保留情報は保留されず、当該入賞に対応する図柄変動が行われない。
なお、本実施形態では、特図1に対応する作動保留情報および特図2に対応する作動保留情報の双方が保留されている場合には、特図2に対応する作動保留情報が優先して使用される。
より具体的には、事前判定手段125は、今回保留した作動保留情報の各乱数を読み出し、後述する、特図当否判定、特図停止図柄抽選、および特図変動パターン抽選のそれぞれに対する事前判定を実行する。各事前判定では、各事前判定に対応する抽選に用いられる抽選テーブルと同一または同等の抽選テーブル(図示省略)が用いられる。そのため、これらの事前判定の結果は、後に実行される抽選の結果と同一の結果となる。
また、事前判定手段125は、導出された事前判定の結果を含む演出制御コマンド(事前判定コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
なお、上述の通り、事前判定コマンドは、所定の事前判定のタイミングにおいて特図の作動保留情報が保留された場合の少なくとも一部で送信される(生成され、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶される)ものであるため、上述の保留コマンドに続いて送信されることとなる。ここで、所定の事前判定のタイミングとは、大当り遊技中ではないことを指す。
なお、「特図の変動開始条件が充足される」とは、その一例として、大当り中ではないこと、特図1および特図2のいずれも図柄変動中でないこと、特図1および特図2のうちの少なくともいずれか一方に作動保留情報が存在することのすべての条件が充足されたことである。
なお、これらの抽選テーブル以外も含め、抽選テーブルを用いた抽選では、読み出した乱数に対して抽選テーブルに記憶された抽選値をあらかじめ定められた順序に従って順次加算(対象となる抽選値が一つである場合には、加算回数は一回)され、キャリー(桁あふれ)が発生した抽選値に対応する結果が当該抽選の結果として導出される。同様に、抽選テーブルに関する説明では、説明の便宜上、抽選テーブルに名前を付しているが、名前に対応する抽選テーブルに含まれる抽選値等のデータが各ROMに識別可能に記憶されていればよく、これらの名前は、当該データが記憶される領域を特定するものではない。図示される抽選テーブルには、説明の便宜上記載された項目や、抽選値として「−」が記載されている場合があるが、これらは必ずしも各ROMに記憶されたデータを示すものではない。そして、抽選値として「−」が記載された結果は当選することはない。さらに、抽選に使用される乱数範囲(当該範囲で取得され得る乱数の数)と同一の抽選値が抽選テーブルに記載されている場合には、当該結果が100%導出されるため、必ずしも抽選を行う必要はない。また、一回の抽選に用いられる抽選値の合計値が、抽選に使用される乱数範囲と一致した場合には、最後の抽選値の加算で必ずキャリーが発生するため、当該加算を行わなくてよく、その場合には、当該加算に用いられる抽選値自体も不要となる。
図10(a)は、特図当否判定用の抽選テーブルを模式的に示す図であり、当該抽選テーブルは、特図1および特図2で共通して用いられる。当該判定で用いられる乱数の範囲は、0〜65535であるため、特図抽選状態が低確率の場合(以下、「特図低確」と略称する場合がある)において、現在の設定値が設定値1である場合には205/65536(約1/319.6)、現在の設定値が設定値2である場合には210/65536(約1/312.0)、現在の設定値が設定値3である場合には215/65536(約1/304.8)、現在の設定値が設定値4である場合には220/65536(約1/297.8)、現在の設定値が設定値5である場合には225/65536(約1/291.2)、現在の設定値が設定値6である場合には230/65536(約1/284.9)の確率で大当りが導出される。
同様に、特図抽選状態が高確率の場合(以下、「特図高確」と略称する場合がある)において、現在の設定値が設定値1である場合には445/65536(約1/147.2)、現在の設定値が設定値2である場合には455/65536(約1/144.0)、現在の設定値が設定値3である場合には466/65536(約1/140.6)、現在の設定値が設定値4である場合には477/65536(約1/137.3)、現在の設定値が設定値5である場合には488/65536(約1/134.2)、現在の設定値が設定値6である場合には499/65536(約1/131.3)の確率で大当りが導出される。
このように、本実施形態では、特図低確および特図高確のそれぞれにおいて、大当りが導出される確率は設定値ごとに異なり、いずれの設定値においても、特図低確において大当りが導出される確率の分子を1とした場合の分母の値が、特図高確において大当りが導出される確率の分子を1とした場合の分母の値よりも大きくなっている。そのため、特図高確は、特図低確よりも大当りが導出される確率が高く、特図低確よりも有利度が高い状態であると言える。
また、本実施形態では、特図低確の大当りが導出される確率の分母(分子を1とした場合)と、特図高確で大当りが導出される確率の分母(分子を1とした場合)の比率が、設定される設定値に関わらず一定(本実施形態では、1:約2.2)となるように抽選値が設定されており、当該比率が一定とは、大当り確率の分母(分子を1とした場合)の整数部分(小数点以下は、切り捨て、切り上げ、および四捨五入のいずれか)の比率が一定となることを指す。すなわち、前者の確率の分母と、後者の確率の分母の比率が、設定される設定値に関わらず略一定となるように抽選値が設定されていればよい。
なお、これらの確率は、設定値ごとの大当り確率をすべて記載する必要はなく、例えば、特図低確における大当り確率を「1/284.9〜1/319.6」や、特図高確における大当り確率を「1/147.2〜1/131.3」のように、設定値2〜設定値5の大当り確率を記載しないようにしてもよい。すなわち、最も高い確率と最も低い確率のみを記載するようにしてもよい。このようにすることで、確率の記載スペースを有効利用することができる。
特に、特図高確における大当り確率を記載せずに特図低確における大当り確率(特図低確における大当り確率のみ)を記載するようにしてもよく、この場合には、設定値ごとの特図低確における大当り確率をすべて記載してもよいし、一部(最も高い確率と最も低い確率)を記載するようにしてもよい。いずれの場合であっても、特図高確における大当り確率よりも遊技者が関心を持つ特図低確における大当り確率を記載しつつも、特図高確に確率の記載スペースをより有効利用することができる。また、これらの確率の記載は、メイン表示部81の表示に置き換えてもよい。
図柄Aは、ラウンド数が5であり、大当り遊技終了後に特図低確かつ普図高確となる図柄(以下、「通常図柄」と称する場合があり、当該図柄に係る大当りを「通常大当り」と称する場合がある)である。また、図柄Bは、ラウンド数が10であり、大当り遊技終了後に特図低確かつ普図高確となる通常図柄である。上記のように図柄Bは、図柄Aに比べてラウンド数が多い大当り遊技に対応しているので、図柄Aより有利な図柄であると言える。
図柄Cは、ラウンド数が5であり、大当り遊技終了後に特図高確かつ普図高確となる図柄(以下、「確変図柄」と称する場合があり、当該図柄に係る大当りを「確変大当り」と称する場合がある)である。さらに、図柄Dは、ラウンド数が10であり、大当り遊技終了後に特図高確かつ普図高確となる確変図柄である。上記のように図柄Dは、図柄Cに比べてラウンド数が多い大当り遊技に対応しているので、図柄Cより有利な図柄であると言える。
また、図柄Aと図柄Cとは、ラウンド数が互い等しいにも関わらず、大当り遊技終了後における抽選状態が特図低確と特図高確とで相違し且つ普図高確に滞在可能な図柄変動の回数も相違するので、図柄Cは図柄Aより有利な図柄であると言える。同様に、図柄Bと図柄Dとは、ラウンド数が互い等しいにも関わらず、大当り遊技終了後における抽選状態が特図低確と特図高確とで相違し且つ普図高確に滞在可能な図柄変動の回数も相違するので、図柄Dは図柄Bより有利な図柄であると言える。
図柄aは、ラウンド数が10であり、大当り遊技終了後に特図高確かつ普図高確となる確変図柄である。さらに、図柄bは、ラウンド数が5であり、大当り遊技終了後に特図高確かつ普図高確となる確変図柄である。上記のように図柄aは、図柄bに比べてラウンド数が多い大当り遊技に対応しているので、図柄bより有利な図柄であると言える。
図柄cは、ラウンド数が10であり、大当り遊技終了後に特図低確かつ普図高確となる通常図柄である。また、図柄dは、ラウンド数が5であり、大当り遊技終了後に特図低確かつ普図高確となる通常図柄である。上記のように図柄cは、図柄dに比べてラウンド数が多い大当り遊技に対応しているので、図柄dより有利な図柄であると言える。
また、図柄aと図柄cとは、ラウンド数が互い等しいにも関わらず、大当り遊技終了後における抽選状態が特図低確と特図高確とで相違し且つ普図高確に滞在可能な図柄変動の回数も相違するので、図柄aは図柄cより有利な図柄であると言える。同様に、図柄bと図柄dとは、ラウンド数が互い等しいにも関わらず、大当り遊技終了後における抽選状態が特図低確と特図高確とで相違し且つ普図高確に滞在可能な図柄変動の回数も相違するので、図柄bは図柄dより有利な図柄であると言える。
また、通常大当りによって生起する大当り遊技についても確変大当りによって生起する大当り遊技についても、ラウンド数が5ラウンドと10ラウンドの2パターンが混在しているので、大当り遊技のラウンド数に着目しても、大当り遊技後に特図高確且つ普図高確となるか特図低確且つ普図高確となるかを遊技者は区別し難い。
なお、特図停止図柄抽選手段132は、特図当否判定の結果が大当りとならなかった場合には、特図1のハズレ時は図柄E、特図2のハズレ時は図柄eを停止図柄として一律に決定する
本実施形態における特図変動パターン導出状態には、特図変動パターン導出状態PA、特図変動パターン導出状態PB、および特図変動パターン導出状態PCが存在する。特図変動パターン導出状態の遷移の詳細については、後述する。
特図当否判定の結果がハズレとなった場合には、例えば、900/1000(約1/1.11)の確率で特図変動パターンHNP、50/1000(1/20)の確率で特図変動パターンHRP、10/1000(1/100)の確率でHSP−A、8/1000(1/125)の確率でHSP−B、6/100の確率でHSP−Cが決定され、これらの確率は設定値に依存しない。なお、当該場合には、特図変動パターンASP−A〜特図変動パターンASP−Cが決定されることはない。また、特図変動パターンHNPが決定された場合には、図柄変動開始時の特図保留カウンタの値に基づく抽選テーブル(図示省略)を用いて特図変動パターンがさらに特定される。
特図当否判定の結果が大当りとなった場合には、例えば、50/1000(1/20)の確率で特図変動パターンASP−A、70/1000(約1/14.3)の確率で特図変動パターンASP−B、80/1000(1/12.5)の確率で特図変動パターンASP−Cが決定され、これらの確率も設定値に依存しない。なお、当該場合には、特図変動パターンHNP〜特図変動パターンHSP−Cが決定されることはない。
また、特図変動パターンHSP−Aと特図変動パターンASP−Aにおいて実行される発展演出、特図変動パターンHSP−Bと特図変動パターンASP−Bにおいて実行される発展演出、特図変動パターンHSP−Cと特図変動パターンASP−Cにおいて実行される発展演出、はそれぞれが共通の演出ルートを経由して発展するものであるため、その途中において演出態様が共通になっており、演出の結果として大当りの当選が報知されるか否か(図柄揃いになるかバラケ目になるか)という点においてそれぞれ相違する。言い換えれば、上記の各発展演出は、遊技者から見れば、大当りの当選を示唆する演出(当選示唆演出)であると言え、演出ルート決定手段222や演出内容決定手段225(第1副制御基板200)は、上記の演出手段を制御することによって当選示唆演出を実行可能であると言える。また、上記の各発展演出は、演出の結果が遊技者にとって有利な結果(大当り)と不利な結果(ハズレ)のいずれかに分岐する演出(特定演出)であると言える。
図12(b)に示す通り、特図変動パターン導出状態PA時において特定されうる特図変動パターンHNPには、変動時間が3200ms(ミリ秒)の特図変動パターンHNP−A、変動時間が5600msの特図変動パターンHNP−B、変動時間が8000msの特図変動パターンHNP−C、変動時間が11200msの特図変動パターンHNP−Dがあり、この順に変動時間が長い。
そして、この抽選で用いられる乱数(図12(a)で示した抽選テーブルに係る抽選で用いられる乱数とは異なる)の範囲は0〜999である。そのため、特図保留カウンタ=3、2(保3、保2)である場合には、150/1000(約1/6.67)の確率で特図変動パターンHNP−Aが、850/1000(約1/1.18)の確率で特図変動パターンHNP−Bが決定され、特図保留カウンタ=1(保1)である場合には、150/1000(約1/6.67)の確率で特図変動パターンHNP−Bが、850/1000(約1/1.18)の確率で特図変動パターンHNP−Cが決定され、特図保留カウンタ=0(保0)である場合には、150/1000(約1/6.67)の確率で特図変動パターンHNP−Cが、850/1000(約1/1.18)の確率で特図変動パターンHNP−Dが決定され、これらの確率も設定値に依存しない。
図12(c)に示す通り、特図変動パターン導出状態PB時及び特図変動パターン導出状態PC時において特定されうる特図変動パターンHNPには、上述した特図変動パターンHNP−C(8000ms)及び特図変動パターンHNP−B(5600ms)の他に、変動時間が2400msの特図変動パターンHNP−Fと、変動時間が500msの特図変動パターンHNP−Eと、があり、この順に変動時間が短い。
そして、この抽選で用いられる乱数(図12(a)で示した抽選テーブルに係る抽選で用いられる乱数とは異なる)の範囲は0〜999である。そのため、特図保留カウンタ=3、2(保3、保2)である場合には、150/1000(約1/6.67)の確率で特図変動パターンHNP−Eが、850/1000(約1/1.18)の確率で特図変動パターンHNP−Fが決定され、特図保留カウンタ=1(保1)である場合には、150/1000(約1/6.67)の確率で特図変動パターンHNP−Fが、850/1000(約1/1.18)の確率で特図変動パターンHNP−Bが決定され、特図保留カウンタ=0(保0)である場合には、150/1000(約1/6.67)の確率で特図変動パターンHNP−Bが、850/1000(約1/1.18)の確率で特図変動パターンHNP−Cが決定され、これらの確率も設定値に依存しない。
また、図12(a)に示すとおり、特図変動パターンHNPは、いずれの特図変動パターン導出状態である場合であっても最も決定され易い特図変動パターンであるため、特図変動パターンHNPに関する変動時間の傾向性は、特図変動パターン導出状態の滞在期間における全体としての傾向性になる。即ち、特図変動パターン導出状態PB及び特図変動パターン導出状態PCである場合には、特図変動パターン導出状態PAである場合に比べて短い変動時間の図柄変動が決定され易くなる。一方で、特図変動パターン導出状態PB及び特図変動パターン導出状態PCについては、図柄変動の変動時間の長さに差が生じ難い。
従って、図柄変動の変動時間の長さに着目することによって、特図変動パターン導出状態PAである場合と特図変動パターン導出状態PB及び特図変動パターン導出状態PCである場合については区別容易であるが、特図変動パターン導出状態PBである場合と特図変動パターン導出状態PCである場合とについては区別困難である。
また、特図保留カウンタの値が小さくなるほど長い図柄変動が決定され易くなる(特図保留カウンタの値が大きくなるほど短い変動時間が決定され易くなる)。
例えば、図12(a)と図12(b)又は図12(c)の抽選テーブルを一体化した抽選テーブルを参照して特図変動パターンが決定されてもよい(一度の抽選テーブルで特図変動パターンが決定されてもよい)。また、図12(a)の抽選テーブルについては、いずれの特図変動パターン導出状態であっても共通して用いられるように説明したが、特図変動パターン導出状態の種別によって別々の抽選テーブルとしてもよい。
また、特図変動パターン導出手段133は、図柄変動の開始時に、特図当否判定の結果、決定された特図の停止図柄、および決定された特図変動パターンを含む演出制御コマンド(変動開始コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
より具体的には、普図当否判定では、普図抽選状態が高確率の状態(「普図高確」と略称する場合がある)と、普図抽選状態が低確率の状態(「普図低確」と略称する場合がある)とがあり、抽選テーブルの図示は省略するが、本実施形態では、普図高確では、65535/65536の確率(すべての設定値で同一)で普図当りとなり、残りの1/65536の確率でハズレとなる一方、普図低確では、1/65536の確率(すべての設定値で同一)で普図当りとなり、残りの65535/65536の確率でハズレとなる。なお、普図低確では、普図当りとならない(65536/65536でハズレとなる)ようにしてもよい。
また、本実施形態では、普図に関する抽選(普図当否判定、普図停止図柄抽選、および普図変動パターン抽選)のいずれにおいても各抽選結果が導出される確率は、設定値に関わらず一定であり、普図に関する抽選の有利度は、設定される設定値によって変化しない。
また、大当り遊技制御手段140は、大当り開始時には、大当り開始デモに係るデモ時間を含む演出制御コマンド(大当り開始コマンド)を生成し、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させ、大当り終了時には、大当り終了デモに係るデモ時間を含む演出制御コマンド(大当り終了コマンド)を生成し、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
なお、図柄表示制御手段145は、特図1および特図2の表示に係る時間(変動時間、停止表示時間)を管理するための特図遊技タイマを有し、特図を停止表示させる際に(特図遊技タイマの値が「0」となるタイミングで)、装飾図柄の確定停止(確定表示)を要求するための演出制御コマンド(変動停止コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に格納する。
なお、図柄表示制御手段145は、普図の表示に係る時間(変動時間、停止表示時間)を管理するための普図遊技タイマを有する。
図11に示す通り、特図変動パターン導出状態は、特図低確かつ普図低確に対応する特図変動パターン導出状態PA、特図高確かつ普図高確に対応する特図変動パターン導出状態PB、および特図低確かつ普図高確に対応する特図変動パターン導出状態PCで構成され、大当り遊技中を除いて特図抽選状態および普図抽選状態に応じた特図変動パターン導出状態が設定される。そして、特図変動パターン導出状態PA〜特図変動パターン導出状態PC間の遷移条件には、遷移条件(i)〜遷移条件(iii)がある。遷移条件(i)は確変大当りに係る大当り遊技の終了、遷移条件(ii)は通常大当りに係る大当り遊技の終了、遷移条件(iii)は50回目の図柄変動の終了となる。なお、特図変動パターン導出状態PCにおいて通常大当りに係る大当り遊技が開始された場合には、当該大当り遊技の終了後に再度特図変動パターン導出状態PCが設定される(遷移条件(iii)における図柄変動のカウントが0から開始される)こととなる。
なお、メインエラー制御手段165は、例えば、磁気センサ(図示省略)の検知によるエラー状態等、重要度の高いエラー状態となった場合には、払出制御基板400に遊技球の発射を規制させる等、エラーコマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に格納する以外の処理を実行するようにしてもよい。
なお、各演出制御コマンドは、原則として、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶された順番に従って送信される。
ここで、遊技停止状態とは、各入賞口に設けられたセンサの検知結果に応じた処理を実行しない(当該センサの検知結果自体を見なくてもよい)ことで、遊技の進行が不可能となる復帰状態であり、遊技可能状態とは、各入賞口に設けられたセンサの検知結果に応じた処理を実行することで、遊技の進行が可能となる復帰状態である。なお、設定変更状態および設定確認状態の詳細は後述する。
なお、本実施形態におけるRAM異常チェックでは、ベース値に係る領域に対しても異常があるか否かが判断されるが、本実施形態における説明では、特段の説明がない限り、RAM103に異常があるとは、RAM103の遊技に係る領域に異常があることを指す。
また、復帰状態設定処理では、RAM103の遊技に係る領域に異常があり、かつRAM103のベース値に係る領域に異常がある場合に、RAM103のベース値に係る領域がクリアされるが、RAM103のベース値に係る領域に異常があれば(RAM103の遊技に係る領域に異常があるか否かに関わらず)、RAM103のベース値に係る領域をクリアするようにしてもよい。
具体的に説明すると、遊技可能状態移行処理では、セキュリティ信号の出力がONになっている場合には、セキュリティ信号の出力をOFFにする処理、ベース値を主制御基板モニタ97に表示させる処理(ベース値の表示態様については、後述)、およびデバイスの初期設定が実行される。
ここで、セキュリティ信号とは、遊技機外の機器(データ表示機やホールコンピュータ)に向けて遊技機10に設けられた外部端子盤(図示省略)から出力される信号の一種である。以降の説明を含め、セキュリティ信号をONにするとは、セキュリティ信号の出力を開始することを指し、セキュリティ信号をOFFにするとは、セキュリティ信号の出力を終了することを指す。
また、本実施形態において、セキュリティ信号をOFFにする処理では、セキュリティ信号をONにしてからの経過時間を考慮していないが、当該経過時間を考慮、すなわち、セキュリティ信号をONにしてから一定時間経過するまでセキュリティ信号をOFFにしないようにしてもよい。
また、デバイスの初期設定では、払出制御基板400に遊技球の発射を許可するための発射許可コマンドの送信や、各入賞口への入球が有効となる状態の設定や、乱数回路105を起動させるためのデータの設定等の処理が実行される。
具体的には、RAM103のうちの遊技に係る領域(ベース値に係る領域とは異なる領域)に対しては、当該領域のチェックサムを導出し、当該チェックサムの補数をRAM103の遊技に係るバックアップ情報領域に記憶させる処理、および当該領域に対する電断処理が実行されたことを示すバックアップフラグをONにする(RAM103の遊技に係るバックアップ情報領域にバックアップフラグを記憶させる)処理を実行する。また、RAM103のベース値に係る領域に対しても、RAM103のうちの遊技に係る領域と同様に、RAM103のベース値に係る領域のチェックサムを導出し、当該チェックサムの補数をRAM103のベース値に係るバックアップ情報領域に記憶させる処理、およびRAM103のベース値に係る領域に対する電断処理が実行されたことを示すバックアップフラグをONにする(RAM103のベース値に係るバックアップ情報領域にバックアップフラグを記憶させる)処理を実行する。
なお、サブ情報記憶手段260は、第1副制御基板200が備える手段によって読み出されたデータや、当該手段における演算によって導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。また、メインコマンド管理手段170から送信された演出制御コマンドは、サブコマンド管理手段270によってサブ情報記憶手段260の受信コマンド格納領域に記憶される。
本実施形態における演出モードは、通常モード、低確時短モード、確変モードに大別され、特図変動パターン導出状態PAには通常モード、特図変動パターン導出状態PBには確変モード、特図変動パターン導出状態PCには低確時短モードが対応する。
演出ルートとは、図柄変動の開始から終了までの演出であって、当該図柄変動における特図当否判定の結果を報知する演出の過程を規定するものであり、当該図柄変動で実行される演出の内容は、当該図柄変動に対応する演出ルートに従って決定されることとなる。
先読み演出には、先読み対象の図柄変動が開始される前の一又は複数回の図柄変動に亘って、先読み対象の図柄変動における特図当否判定の結果に対する期待度や、先読み対象の図柄変動において実行される演出の内容を示唆する演出である。なお、本実施形態では、先読み演出として、保留画像を、当該保留画像に対応する図柄変動における大当り遊技の期待度を示唆する種々の態様に変化させる保留先読み演出を実行しており、当該演出の詳細は、後述する。
より具体的には、演出ルート決定手段222は、決定された演出ルートの各段階において、実行する演出の内容(演出パターン)を、当該演出ルートに対応する演出パターン抽選テーブルを用いた抽選等によって決定する。このようにすることで、決定された演出ルートに係る(に従って実行される)演出の内容を変えることができるとともに、一つの図柄変動における演出に繋がりを持たせることができる。また、同一の演出ルートが決定された場合であっても、実行される演出を多彩にすることもできる。
上述したように、本実施形態の遊技機10は、大当り遊技のラウンド数に着目しても、大当り終了後に特図高確且つ普図高確(特図変動パターン導出状態PB)になるか、特図低確且つ普図高確(特図変動パターン導出状態PC)になるか区別し難い遊技性になっている。更に、図柄変動の変動時間の長さに着目しても、特図変動パターン導出状態PBであるか特図変動パターン導出状態PCであるか区別困難になっている。このような遊技性を強める為、装飾図柄制御手段226によって決定される停止図柄の組合せについても、通常大当りと確変大当りとが区別し難い態様で決定されることが好ましい。
具体的には、通常図柄(図柄A、図柄B、図柄c、図柄d)で大当りに当選する場合であっても、確変図柄(図柄a、図柄b、図柄C、図柄D)で大当りに当選する場合であっても、装飾図柄制御手段226によって決定される停止図柄の組合せは奇数図柄揃いと偶数図柄揃いを混在させると良い。なお、図柄Eと図柄eについてはバラケ目を対応させると良い。
また、通常演出制御手段220は、復電時の復帰状態が遊技可能状態となった場合(RAMクリア処理を伴う場合)には、RAMクリア処理を伴って遊技可能状態となったことを報知させるための演出データを読み出し、復電時の復帰状態が遊技可能状態となった場合(RAMクリア処理を伴わない場合)には、RAMクリア処理を伴わずに遊技可能状態となったことを報知させるための演出データを読み出す。これらの報知は、設定変更状態を経由して遊技可能状態となった場合、設定確認状態を経由して遊技可能状態となった場合にも実行され、これらの報知の違いによっても、設定変更状態を経由したか、設定確認状態を経由したかを判断させることができる。
さらに、通常演出制御手段220は、復電時の復帰状態が遊技停止状態となった場合には、遊技停止状態となったことに加え、設定変更処理の実行が必要となったことを報知させるための演出データを読み出す。
なお、これらの報知の詳細は省略するが、実行が開始されてから一定時間(例えば、30秒)継続して実行されることが好ましく、当該報知を実行する演出デバイスは問わない。
なお、サブエラー制御手段230は、独自に(メインエラー制御手段165と独立して)遊技機10がエラー状態であるか否かを判定し、エラー状態であると判定した場合にエラー演出を実行する演出データを読み出すようにしてもよく、当該エラー状態としては、例えば、普図低確時におけるゲート63の入賞回数に基づいて判定される右打ちエラー状態がある。
次に、図13を用いて、復電時の復帰状態が設定変更状態となった場合に設定変更手段177によって実行される設定変更処理の詳細を説明する。なお、図13は、設定変更処理のフローを示す図である。
なお、本実施形態では、RAM103に異常がある場合であっても、設定値が正常範囲であれば、当該処理が実行されないが、RAM103に異常がある場合に当該処理を実行するようにしてもよい。
なお、当該コマンドは、メイン表示部81やスピーカ33を用いて設定変更中であることを報知させるためのコマンドである。
なお、当該判定において、設定キースイッチ42がONであるか否かの判定を加え、双方の条件が充足された場合にステップS113に進むようにしてもよい。
なお、設定値が更新(加算)された場合には、主制御基板モニタ97に表示されている設定値も更新される。
なお、当該コマンドは、設定変更状態の終了および確定された設定値を第1副制御基板200に知らせるためのコマンドである。
次に、図14を用いて、復電時の復帰状態が設定確認状態となった場合に設定確認手段178によって実行される設定確認処理の詳細を説明する。なお、図14は、設定確認処理のフローを示す図である。
なお、当該コマンドは、メイン表示部81やスピーカ33を用いて設定確認中であることを第1副制御基板200に報知させるためのコマンドである。
なお、当該コマンドは、設定確認状態が終了したことを第1副制御基板200に知らせるためのコマンドである。
次に、図15を用いて、主制御基板モニタ97の表示態様について説明する。なお、図15は、状態別の主制御基板モニタ97の表示態様を示す図である。
図15に示す通り、主制御基板モニタ97は、横方向に連続的に配置された4つの7セグメントディスプレイ(以下、「7セグ」と略称する場合がある)で構成されるとともに、各7セグの右下には、ドット状のLEDが設けられている。なお、各情報を表示する際には、各情報は右詰めで表示される。
また、特段の説明がない限り、本実施形態における「ベース値の表示」とは、ベース値の表示であることを示す表示(「bL.」の表示)およびベース値自体の表示を合わせて表示することを指す。
また、上述の通り、設定変更状態および設定確認状態では、主制御基板モニタ97に設定値が表示され、遊技停止状態では、主制御基板モニタ97に遊技停止状態の種別(「E1」または「E2」)が表示され、各表示が表示される期間は、対応する復帰状態が設定されている期間と一致しているが、対応する復帰状態が設定されている期間の一部で表示されるようにしてもよい。
なお、「bL.」を点滅させる場合には、ベース値の整数部分を示す7セグについても点滅させるようにしてもよいが、当該7セグについては常時点灯させることが好ましい。
また、本実施形態では、点滅の有無で識別可能としているが、例えば、点灯色を変える等、点滅の有無を含む点灯態様の差異で識別可能にする方法であれば、いずれの方法を採用してもよい。
ベース値を導出する一区間を規定するアウト球数についても、60000に限らず、60000(1分間に100程度の打ち出しスピードで営業日あたりに打ち出される球数(100×60(分)×10(時間)))に近しい値であれば、いずれの値を採用してもよい。
次に、復電時の復帰状態を含む復電時の遊技機10の状態の詳細を説明するのに先立ち、図16(a)〜図16(d)を用いて、設定キースイッチ42の態様とRAMクリアスイッチ43の態様の組合せについて説明する。なお、図16(a)〜図16(d)は、設定キースイッチ42の態様とRAMクリアスイッチ43の態様との組合せのパターンを示す図である。
なお、設定キースイッチ42は、OFFの状態となる位置、およびONの状態となる位置のそれぞれにおいて、外力を要することなく、変位部を保持することができる。
また、設定キー600は、設定キースイッチ42がONの状態で抜去することができない。
なお、RAMクリアスイッチ43は、変位部をOFFの状態となる位置に付勢して保持している。そのため、RAMクリアスイッチ43は、OFFの状態となる位置では、外力を要することなく変位部を保持することができる一方、ONの状態となる位置では、外力を要することなく変位部を保持できないようになっている。
続いて、図17に示す表を用いて、直前の電断時の状態が遊技可能状態である場合における復電時の復帰状態を含む復電時の遊技機10の状態の詳細を説明する。なお、上述の通り、本実施形態における復帰状態を含む復電時の遊技機10の状態は、RAM103に異常があるか否か、直前の電断時の状態、復電時の設定キースイッチ42の態様と復電時のRAMクリアスイッチ43の態様との組合せ、および復電時の中枠開扉センサ77の状態によって決定される。
ここで、図17(a)および図17(b)は、復電時に異常(RAM103の遊技に係る領域に異常がある場合、設定値が正常でない場合、直前の電断時の状態が遊技停止状態である場合)がなく、かつ直前の電断時の状態が遊技可能状態である場合の復電時の遊技機の状態を整理した表であり、図17(a)は復電時に中枠17が開放状態である場合、図17(b)は復電時に中枠17が閉鎖状態である場合の復電時の遊技機の状態を整理した表である。なお、復帰状態を含む復電時の遊技機10の状態を決定する処理フロー(図示省略)においては、RAMクリアスイッチ43の態様、中枠開扉センサ77の状態、および設定キースイッチ42の態様を参照する順序は問わず、後述する表に示す関係性を満たせば、当該順序に限らず、いずれの順序を採用してもよい。なお、本実施形態では、RAM103の遊技に係る領域に異常がある場合に、復電時に異常があるとしているが、RAM103のベース値に係る領域に異常がある場合を、RAM103の遊技に係る領域に異常がある、すなわち、復電時に異常があると取り扱ってもよい。
場合1において、設定キースイッチ42がOFFであり、かつRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(図17(a)の左上のパターン)には、RAMクリア処理が実行されず、復電時の復帰状態として遊技可能状態が設定され、かつ主制御基板モニタ97にベース値が表示される。
また、場合1において、設定キースイッチ42がOFFであり、かつRAMクリアスイッチ43がONである場合(図17(a)の右上のパターン)には、RAMクリア処理が実行され、復電時の復帰状態として遊技可能状態が設定され、かつ主制御基板モニタ97にベース値が表示される。
また、場合1において、設定キースイッチ42がONであり、かつRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(図17(a)の左下のパターン)には、RAMクリア処理が実行されず、復電時の復帰状態として設定確認状態が設定され、かつ主制御基板モニタ97に現在の設定値が表示される。
また、場合1において、設定キースイッチ42がONであり、かつRAMクリアスイッチ43がONである場合(図17(a)の右下のパターン)には、RAMクリア処理が実行され、復電時の復帰状態として設定変更状態が設定され、かつ主制御基板モニタ97に現在の設定値が表示される。なお、この場合に、RAM103のベース値に係る領域に異常があれば、当該領域もクリアされる。
このようにすることで、復電時の操作手段の態様に応じて復電時の復帰状態を選択可能にし、当該選択をスムーズにすることができる。
場合2において、設定キースイッチ42がOFFであり、かつRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(図17(b)の左上のパターン)には、RAMクリア処理が実行されず、復電時の復帰状態として遊技可能状態が設定され、かつ主制御基板モニタ97にベース値が表示される。
また、場合2において、設定キースイッチ42がOFFであり、かつRAMクリアスイッチ43がONである場合(図17(b)の右上のパターン)には、RAMクリア処理が実行され、復電時の復帰状態として遊技可能状態が設定され、かつ主制御基板モニタ97にベース値が表示される。
また、場合2において、設定キースイッチ42がONであり、かつRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(図17(b)の左下のパターン)には、RAMクリア処理が実行されず、復電時の復帰状態として遊技可能状態が設定され、かつ主制御基板モニタ97にベース値が表示される。
また、場合2において、設定キースイッチ42がONであり、かつRAMクリアスイッチ43がONである場合(図17(b)の右下のパターン)には、RAMクリア処理が実行され、復電時の復帰状態として遊技可能状態が設定され、かつ主制御基板モニタ97にベース値が表示される。
さらに、場合1において、設定キースイッチ42がONであり、かつRAMクリアスイッチ43がONである場合には、設定変更状態を設定する一方、場合2において、設定キースイッチ42がONであり、かつRAMクリアスイッチ43がONである場合には、RAMクリア処理が実行されるとともに、遊技可能状態が設定される。さらに、場合1および場合2のいずれにおいても、設定キースイッチ42がOFFであり、かつRAMクリアスイッチ43がONである場合には、RAMクリア処理が実行されるとともに、遊技可能状態が設定される。このように、適切でない設定変更状態の設定を禁止する一方、RAMクリア処理は許容することで、中枠開扉センサ77がOFF(中枠17が閉鎖状態)である場合における不正な設定変更を防ぎつつも、RAMクリア処理の操作性を高めることができる。
特に、設定キースイッチ42がONであり、かつRAMクリアスイッチ43がONである場合において、中枠開扉センサ77がOFF(中枠17が閉鎖状態)である場合には、RAMクリア処理が実行される。そのため、不正な設定変更が試みられた虞がある場合に有利な状態を維持しないようにすることができる。
また、本実施形態において、設定変更状態および設定確認状態は、復電時にのみ設定される可能があり、いずれも復電時以外に設定されることはない。そのため、遊技制御の安定化を図ることができる。
この設定示唆演出の一具体例として、以下、ルーレット設定示唆演出の詳細と、ルーレット設定示唆演出に用いられるストック表示ランプ85の点灯制御について説明する。
上述したように、ストック表示ランプ85はストック抽選に当選すること(第一条件に充足すること)によって、ストック情報がストックされ、ストックされたストック情報の数量に応じて点灯するLEDの数が変化するデバイスである。
本実施形態においては、特定フラグの成立の有無によってストック情報のストックの発生しやすさ(第一条件の充足しやすさ)が変化する構成を採用している。以下の説明では、特定フラグが成立している状態を「ストック集中状態」と称する。
ここで「特図変動パターンHSP―C以外のリーチはずれに係る特図変動パターン」とは、特図当否判定の結果がハズレである場合において導出されうる特図変動パターンのうち、特図変動パターンHSP―Cを除くリーチ状態を経由するものである。より具体的には、図12に図示した中に限って言えば特図変動パターンHRP、特図変動パターンHSP−A、及び特図変動パターンHSP−Bが該当する。なお、「特図変動パターンHSP―C以外のリーチはずれに係る特図変動パターン」に該当する特図変動パターンは、上記の3つ以外に存在してもよく、3つに限定されてもよい。
また、「特図変動パターンHSP―C以外のリーチはずれ」が生じた回数を計数する特定カウンタのカウント値が15に到達したとき、特定フラグが成立してストック集中状態になる。言い換えれば、点灯演出制御手段228は、特図変動パターンHSP―C以外のリーチはずれ(第二の当選示唆演出)が実行された図柄変動において大当りに当選しなかった回数を計数する計数手段を備え、計数手段による計数が所定回数になると、第一の条件が充足されやすくなると言える。或いは、点灯演出制御手段228は、演出の結果が遊技者にとって有利な結果(大当り)と不利な結果(ハズレ)のいずれかに分岐する演出(特定演出)が不利な結果になった回数を計数する計数手段を備え、設定示唆演出には、計数手段による計数が所定回数になると、実行される頻度が向上する所定の設定示唆演出(ルーレット設定示唆演出)が含まれると言える。
次に、図19及び図20を用いて、点灯演出制御手段228によって実行されるストック表示ランプ85の点灯制御に係るストック表示処理について説明する。なお、図19は、ストック表示処理の処理手順を示すフローチャートである。図20は、ストック抽選用の抽選テーブルを模式的に示す図である。
図20において、「フラグなし」とは上述した特定フラグが成立していないこと(ストック集中状態ではないこと)を表しており、「フラグあり」とは上述した特定フラグが成立していること(ストック集中状態であること)を表している。従って、ストック集中状態ではないときに変動開始コマンドを受信した場合、点灯演出制御手段228は、750/1000(約1/1.33)の確率でストック抽選の非当選(ハズレ)を決定し、250/1000(1/4)の確率でストック抽選の当選を決定する。また、ストック集中状態であるときに変動開始コマンドを受信した場合、点灯演出制御手段228は、400/1000(1/2.5)の確率でストック抽選の非当選(ハズレ)を決定し、600/1000(約1/1.66)の確率でストック抽選の当選を決定する。
このように、ストック集中状態においては、そうではない場合に比べて、2.4倍の確率でストック抽選に当選(第一条件に充足)することができる。
また、点灯演出制御手段228は、ステップS407の処理を行うと、ストック表示処理を終了する。
続いて、図21〜図24を用いて、点灯演出制御手段228によって実行されるルーレット設定示唆演出の制御について説明する。なお、図21は、ルーレット設定示唆演出制御処理の処理手順を示すフローチャートである。図22及び図23は、点灯ナンバー抽選用の抽選テーブルを模式的に示す図である。図24は、ルーレット設定示唆演出に関するタイムチャートである。
なお、図21に示すルーレット設定示唆演出制御処理は、図19に図示したストック表示処理の後に点灯演出制御手段228によって行われる。上述したように、ストック表示処理は変動開始コマンドの受信時に実行される処理である為、ルーレット設定示唆演出制御処理は変動開始コマンドを受信した後に実行される処理と言い換えることができる。ここでルーレット設定示唆演出制御処理の実行タイミングは、変動開始コマンドの受信時と略同時(ストック表示処理の直後)であってもよいし、ストック表示処理の結果がストック表示ランプ85に反映された以後(ストック表示ランプ85の点灯以後)であってもよい。
点灯演出制御手段228は、当該抽選テーブルを参照したとき、現在の設定値が1である場合には、300/1000(約1/3.33)の確率で「1」のLEDを点灯させる演出態様を決定し、140/1000(約1/7.14)の確率で「2」のLEDを点灯させる演出態様を決定し、130/1000(約1/7.69)の確率で「3」のLEDを点灯させる演出態様を決定し、120/1000(約1/8.33)の確率で「4」のLEDを点灯させる演出態様を決定し、100/1000(1/10)の確率で「5」のLEDを点灯させる演出態様を決定し、90/1000(約1/11.11)の確率で「6」のLEDを点灯させる演出態様を決定し、「7」又は「8」のLEDを点灯させる演出態様を決定する場合はない(決定される確率が0である)。従って、現在の設定値が1である場合に実行されるルーレット設定示唆演出の結果として点灯されるストック表示ランプ85のLEDの数値(点灯ナンバー)の期待値は2.9である。
点灯演出制御手段228は、当該抽選テーブルを参照したとき、現在の設定値が2である場合には、140/1000(約1/7.14)の確率で「1」のLEDを点灯させる演出態様を決定し、300/1000(約1/3.33)の確率で「2」のLEDを点灯させる演出態様を決定し、180/1000(約1/5.55)の確率で「3」のLEDを点灯させる演出態様を決定し、150/1000(約1/6.66)の確率で「4」のLEDを点灯させる演出態様を決定し、120/1000(約1/8.33)の確率で「5」のLEDを点灯させる演出態様を決定し、110/1000(約1/9.99)の確率で「6」のLEDを点灯させる演出態様を決定し、「7」又は「8」のLEDを点灯させる演出態様を決定する場合はない(決定される確率が0である)。従って、現在の設定値が2である場合に実行されるルーレット設定示唆演出の結果として点灯されるストック表示ランプ85のLEDの数値(点灯ナンバー)の期待値は3.14である。
点灯演出制御手段228は、当該抽選テーブルを参照したとき、現在の設定値が3である場合には、130/1000(約1/7.69)の確率で「1」のLEDを点灯させる演出態様を決定し、160/1000(1/6.25)の確率で「2」のLEDを点灯させる演出態様を決定し、300/1000(約1/3.33)の確率で「3」のLEDを点灯させる演出態様を決定し、160/1000(1/6.25)の確率で「4」のLEDを点灯させる演出態様を決定し、130/1000(約1/7.69)の確率で「5」のLEDを点灯させる演出態様を決定し、120/1000(約1/8.33)の確率で「6」のLEDを点灯させる演出態様を決定し、「7」又は「8」のLEDを点灯させる演出態様を決定する場合はない(決定される確率が0である)。従って、現在の設定値が3である場合に実行されるルーレット設定示唆演出の結果として点灯されるストック表示ランプ85のLEDの数値(点灯ナンバー)の期待値は3.36である。
点灯演出制御手段228は、当該抽選テーブルを参照したとき、現在の設定値が4である場合には、120/1000(約1/8.33)の確率で「1」のLEDを点灯させる演出態様を決定し、140/1000(約1/7.14)の確率で「2」のLEDを点灯させる演出態様を決定し、160/1000(1/6.25)の確率で「3」のLEDを点灯させる演出態様を決定し、300/1000(約1/3.33)の確率で「4」のLEDを点灯させる演出態様を決定し、150/1000(約1/6.66)の確率で「5」のLEDを点灯させる演出態様を決定し、130/1000(約1/7.69)の確率で「6」のLEDを点灯させる演出態様を決定し、「7」又は「8」のLEDを点灯させる演出態様を決定する場合はない(決定される確率が0である)。従って、現在の設定値が4である場合に実行されるルーレット設定示唆演出の結果として点灯されるストック表示ランプ85のLEDの数値(点灯ナンバー)の期待値は3.67である。
点灯演出制御手段228は、当該抽選テーブルを参照したとき、現在の設定値が5である場合には、100/1000(1/10)の確率で「1」のLEDを点灯させる演出態様を決定し、110/1000(約1/9.99)の確率で「2」のLEDを点灯させる演出態様を決定し、140/1000(約1/7.14)の確率で「3」のLEDを点灯させる演出態様を決定し、160/1000(1/6.25)の確率で「4」のLEDを点灯させる演出態様を決定し、300/1000(約1/3.33)の確率で「5」のLEDを点灯させる演出態様を決定し、140/1000(約1/7.14)の確率で「6」のLEDを点灯させる演出態様を決定し、50/1000(1/20)の確率で「8」のLEDを点灯させる演出態様を決定し、「7」のLEDを点灯させる演出態様を決定する場合はない(決定される確率が0である)。従って、現在の設定値が5である場合に実行されるルーレット設定示唆演出の結果として点灯されるストック表示ランプ85のLEDの数値(点灯ナンバー)の期待値は4.12である。
点灯演出制御手段228は、当該抽選テーブルを参照したとき、現在の設定値が6である場合には、90/1000(約1/11.11)の確率で「1」のLEDを点灯させる演出態様を決定し、110/1000(約1/9.99)の確率で「2」のLEDを点灯させる演出態様を決定し、130/1000(約1/7.69)の確率で「3」のLEDを点灯させる演出態様を決定し、150/1000(約1/6.66)の確率で「4」のLEDを点灯させる演出態様を決定し、170/1000(約1/5.88)の確率で「5」のLEDを点灯させる演出態様を決定し、300/1000(約1/3.33)の確率で「6」のLEDを点灯させる演出態様を決定し、50/1000(1/20)の確率で「8」のLEDを点灯させる演出態様を決定し、「7」のLEDを点灯させる演出態様を決定する場合はない(決定される確率が0である)。従って、現在の設定値が6である場合に実行されるルーレット設定示唆演出の結果として点灯されるストック表示ランプ85のLEDの数値(点灯ナンバー)の期待値は4.35である。
従って、特図変動パターン導出状態PA時又は特図変動パターン導出状態PC時に行われるルーレット設定示唆演出における点灯ナンバーの期待値は、現在の設定値が大きくなるほど大きくなる傾向になっているものと言える。
また、特図変動パターン導出状態PA時又は特図変動パターン導出状態PC時に行われるルーレット設定示唆演出における点灯ナンバーは、現在の設定値に等しい値になる確率(割合)が最も高いものと言える。
更に、「8」のLEDが点灯する演出態様については、設定値が5又は6である場合にのみ決定されうる演出態様であるため、当該演出態様のルーレット設定示唆演出は高設定(設定値が5又は6)を確定的に示唆する演出であると言える。
点灯演出制御手段228は、当該抽選テーブルを参照したとき、現在の設定値が1〜4である場合については、図22を用いて説明した内容と同様なので、ここでの詳細な説明は省略する。
点灯演出制御手段228は、当該抽選テーブルを参照したとき、現在の設定値が5である場合には、100/1000(1/10)の確率で「1」のLEDを点灯させる演出態様を決定し、110/1000(約1/9.99)の確率で「2」のLEDを点灯させる演出態様を決定し、140/1000(約1/7.14)の確率で「3」のLEDを点灯させる演出態様を決定し、160/1000(1/6.25)の確率で「4」のLEDを点灯させる演出態様を決定し、300/1000(約1/3.33)の確率で「5」のLEDを点灯させる演出態様を決定し、140/1000(約1/7.14)の確率で「6」のLEDを点灯させる演出態様を決定し、20/1000(1/50)の確率で「7」のLEDを点灯させる演出態様を決定し、30/1000(約1/33.33)の確率で「8」のLEDを点灯させる演出態様を決定する。従って、現在の設定値が5である場合に実行されるルーレット設定示唆演出の結果として点灯されるストック表示ランプ85のLEDの数値(点灯ナンバー)の期待値は4.1である。
点灯演出制御手段228は、当該抽選テーブルを参照したとき、現在の設定値が6である場合には、90/1000(約1/11.11)の確率で「1」のLEDを点灯させる演出態様を決定し、110/1000(約1/9.99)の確率で「2」のLEDを点灯させる演出態様を決定し、130/1000(約1/7.69)の確率で「3」のLEDを点灯させる演出態様を決定し、150/1000(約1/6.66)の確率で「4」のLEDを点灯させる演出態様を決定し、170/1000(約1/5.88)の確率で「5」のLEDを点灯させる演出態様を決定し、300/1000(約1/3.33)の確率で「6」のLEDを点灯させる演出態様を決定し、30/1000(約1/33.33)の確率で「7」のLEDを点灯させる演出態様を決定し、20/1000(1/50)の確率で「8」のLEDを点灯させる演出態様を決定する。従って、現在の設定値が6である場合に実行されるルーレット設定示唆演出の結果として点灯されるストック表示ランプ85のLEDの数値(点灯ナンバー)の期待値は4.32である。
従って、特図変動パターン導出状態PB時に行われるルーレット設定示唆演出における点灯ナンバーの期待値についても、特図変動パターン導出状態PA時又は特図変動パターン導出状態PC時と同様に、現在の設定値が大きくなるほど大きくなる傾向になっているものと言える。
また、特図変動パターン導出状態PA時又は特図変動パターン導出状態PC時に行われるルーレット設定示唆演出における点灯ナンバーについても、特図変動パターン導出状態PA時又は特図変動パターン導出状態PC時と同様に、現在の設定値に等しい値になる確率(割合)が最も高いものと言える。
更に、「7」又は「8」のLEDが点灯する演出態様については、設定値が5又は6である場合にのみ決定されうる演出態様であるため、当該演出態様のルーレット設定示唆演出は有利な設定値(設定値が5又は6)を確定的に示唆する演出(高設定確定演出)であると言える。
更に、「7」のLEDが点灯する演出態様については、設定値が5である場合に比べて設定値が6である場合に決定される割合が高い演出態様であり、「8」のLEDが点灯する演出態様については、設定値が6である場合に比べて設定値が5である場合に決定される割合が高い演出態様であるため、「7」のLEDが点灯する演出態様のルーレット設定示唆演出は、「8」のLEDが点灯する演出態様のルーレット設定示唆演出に比べて有利な設定値を示唆する演出であると言える。
図24に図示される「T0」は、上記のストック表示処理が実行されてストック表示ランプ85が全点灯する図柄変動の開始タイミング(変動開始コマンドの送受信が行われるタイミング)を表している。図24に図示される「T1」は、当該ストック表示処理の後にルーレット設定示唆演出制御処理が実行されるタイミング(ルーレット設定示唆演出の開始タイミング)を表している。図24に図示される「T2」は、当該ルーレット設定示唆演出制御処理によって決定された点灯ナンバーのストック表示ランプ85が点灯するタイミング(ルーレット設定示唆演出の結果を報知するタイミング)を表している。図24に図示される「T3」は、当該ルーレット設定示唆演出制御処理によって決定された点灯ナンバーのストック表示ランプ85の点灯が終了するタイミング(ルーレット設定示唆演出の終了タイミング)を表している。
なお、図24においては、ストック表示ランプ85が全点灯している期間(T0〜T1)と、ストック表示ランプ85が変動している期間(T1〜T2)と、決定された点灯ナンバーのストック表示ランプ85の点灯期間(T2〜T3)と、が(a)〜(d)のいずれの場合においても不変であること、即ち設定値に関わらず(設定値を参照して行われる点灯ナンバー抽選の結果に関わらず)一定であることを前提として図示しているが、本発明に係るルーレット設定示唆演出の実行はこれに限られない。即ち、本発明に係るルーレット設定示唆演出に係る実行期間(T0〜T1、T1〜T2、及びT2〜T3)の少なくとも一部は、場合に応じて(設定値に基づいて)変化してもよい。
図24(a)に示すとおり、当該場合において、ルーレット設定示唆演出の実行期間の全部が、一回の図柄変動に収まる。
図24(b)に示すとおり、当該場合において、ルーレット設定示唆演出において決定された点灯ナンバーのストック表示ランプ85の点灯(ルーレット設定示唆演出の結果報知)が、連続する2回の図柄変動に跨がって行われる。
図24(c)に示すとおり、当該場合において、ルーレット設定示唆演出におけるストック表示ランプ85の変動が、連続する2回の図柄変動に跨がって行われる。
図24(d)に示すとおり、当該場合において、ルーレット設定示唆演出におけるストック表示ランプ85の全点灯(第二条件が充足された旨の報知)が、連続する2回の図柄変動に跨がって行われる。
ステップS511では、ステップS509における特定カウンタのクリアを受けて、点灯しているストック表示ランプ85の数が0になる(全消灯する)。
また、点灯演出制御手段228は、ステップS511の処理を行うと、ストック表示処理を終了する。
上記の所定の設定示唆演出は、ストックされたストック情報を消費することによって実行可能に構成されているので、ストック情報をストックすると設定示唆し易くなるという心証を遊技者に与えることができ、新たな興趣向上を実現することができる。
ここで、ストック表示ランプ85は、当該図柄変動の実行期間に行われる他の演出(例えば、メイン表示部81やサブ表示部82における演出画像の表示)が行われるデバイスとは個別に設けられたデバイスである為、第一タイミング又は第二タイミングに重複して行われる他の演出に関わらず、ストック表示手段の変化を該第一タイミング及び該第二タイミングの双方において遊技者が視認可能であるものと言える。
これにより、遊技者に対してストック情報の増減を容易に視認させることができるので、所定の設定示唆演出の演出効果を強めることができる。
このように高設定確定演出と言える演出態様を設けることによって、所定の設定示唆演出に対する遊技者の関心を更に高めることができる。
このように高設定確定演出であるのみならず有利な遊技状態についても示唆する演出態様を設けることによって、所定の設定示唆演出に対する遊技者の関心を更に高めることができる。このような特徴を有する所定の設定示唆演出は、本実施形態のように、種々の要素(大当り遊技のラウンド、図柄変動の変動時間の長さ、停止した装飾図柄の組合せ)に着目しても、遊技状態の区別困難になっている遊技性において特に有用である。
以上の説明に記載されていない変形例について、以下に列挙する。
この変形例において、本発明に係る「ストック情報」は第1副制御基板200に限られず、主制御基板100がその数量を管理するものであってもよい。
また、第二条件の充足を判定するタイミング(ルーレット設定示唆演出制御処理の実行タイミング)は、第一条件の充足を判定するタイミングの直後又はそれより後であれば良い旨を説明したが、ストック情報がストックされている期間であれば特に制限されない。例えば、或る図柄変動において第一条件の充足と第二条件の充足を判定する場合において、第二条件の充足を判定した後に第一条件の充足を判定する場合があってもよい(但し、当該場合における第二条件の充足に係る判定は、当該図柄変動より前に第一条件が充足されてストック情報がストックされていることを前提とする)。
本実施形態は、次のような技術思想を包含する。
(1)複数段階の設定値から一の設定値を設定し、設定されている前記設定値によって大当りに当選する確率が定まり、図柄変動ごとに前記大当りに当選するか否かを判定する当否判定を実行する遊技機であって、演出手段と、前記演出手段を制御する演出制御手段と、を備え、前記演出制御手段は、設定されている前記設定値を示唆する設定示唆演出を、前記演出手段を制御することによって実行可能であり、前記演出手段には、第一条件を充足するとストックされるストック情報の数量を、遊技者が視認可能に表示するストック表示手段が含まれ、前記設定示唆演出には、前記ストック情報がストックされている場合において前記第一条件とは異なる第二条件を充足すると、ストックされている前記ストック情報を消費して実行される所定の設定示唆演出が含まれることを特徴とする遊技機。
(2)前記演出制御手段は、或る図柄変動において前記第一条件を充足すると、前記ストック表示手段に表示されている前記ストック情報の数量を該図柄変動中に変化させ、該図柄変動中に行われる他の演出に関わらず、少なくとも該図柄変動が停止するまで変化後の前記ストック情報の数量を遊技者が視認可能である(1)に記載の遊技機。
(3)前記演出制御手段は、或る図柄変動において前記第一条件と前記第二条件を共に充足する場合、第一タイミングにおいて前記ストック情報のストックによって生じる変化を前記ストック表示手段に反映させ、前記第一タイミングの後に到来する第二タイミングにおいて前記所定の設定示唆演出の実行に伴う前記ストック情報の消費によって生じる変化を前記ストック表示手段に反映させ、前記第一タイミング又は前記第二タイミングに重複して行われる他の演出に関わらず、前記ストック表示手段の変化を該第一タイミング及び該第二タイミングの双方において遊技者が視認可能である(2)に記載の遊技機。
(4)前記演出制御手段は、前記第一条件の充足に係る判定において設定されている前記設定値を参照せず、且つ、前記第二条件の充足に係る判定において設定されている前記設定値を参照しないことを特徴とする(1)から(3)のいずれか一つに記載の遊技機。
(5)前記複数段階の設定値には、第一の設定値と、前記第一の設定値より有利な第二の設定値と、が含まれ、前記演出制御手段は、前記所定の設定示唆演出に係る演出態様を、設定されている前記設定値を参照して決定し、前記所定の設定示唆演出に係る演出態様には、設定されている設定値が前記第一の設定値であるときには決定されず且つ設定されている設定値が前記第二の設定値であるときには決定されうる特定演出態様が含まれる(4)に記載の遊技機。
(6)第一の遊技状態及び前記第一の遊技状態に比べて有利な第二の遊技状態を含む複数の遊技状態のうち一の遊技状態に制御する遊技状態制御手段を備え、前記特定演出態様には、前記第一の遊技状態及び前記第二の遊技状態の双方において決定されうる第一の特定演出態様と、前記第一の遊技状態及び前記第二の遊技状態の一方において決定されず且つ他方において決定されうる第二の特定演出態様と、が含まれる(5)に記載の遊技機。
(a)前記演出制御手段は、前記大当りの当選を示唆する当選示唆演出を、前記演出手段を制御することによって実行可能であり、前記演出制御手段によって第一の当選示唆演出が実行される図柄変動において前記大当りに当選しないとき、第一条件が充足されやすくなる前記第一条件が充足されやすくなる(1)から(6)のいずれか一つに記載の遊技機。
(b)前記演出制御手段は、前記大当りの当選を示唆する当選示唆演出を、前記演出手段を制御することによって実行可能であり、前記演出制御手段によって第二の当選示唆演出が実行された図柄変動において前記大当りに当選しなかった回数を計数する計数手段を備え、前記計数手段による計数が所定回数になると、前記第一の条件が充足されやすくなる(1)から(6)のいずれか一つに記載の遊技機。
(c)複数段階の設定値から一の設定値を設定し、設定されている前記設定値によって大当りに当選する確率が定まり、図柄変動ごとに前記大当りに当選するか否かを判定する当否判定を実行する遊技機であって、演出手段と、前記演出手段を制御する演出制御手段と、を備え、前記演出制御手段が前記演出手段を制御することによって実行可能な演出には、演出の結果が遊技者にとって有利な結果と不利な結果のいずれかに分岐する特定演出と、設定されている前記設定値を示唆する設定示唆演出と、が含まれ、前記特定演出が不利な結果になった回数を計数する計数手段を、更に備え、前記設定示唆演出には、前記計数手段による計数が所定回数になると、実行される頻度が向上する所定の設定示唆演出が含まれることを特徴とする遊技機。
15 外枠
17 中枠
20 前枠
21 ヒンジ機構
22 可動装飾体
23 シリンダ錠
25 透明部材
27 上球受け皿
29 下球受け皿
31 操作ハンドル
32 上枠部
33(33a、33b) スピーカ
34a、34b 左右側枠部
35(35a、35b、35c) 演出ランプ
36 球抜き機構
37 演出ボタン
38(38a、38b、38c、38d) カーソルボタン
39 メイン操作部
39a 玉貸ボタン
39b 返却ボタン
40 電源スイッチ
41 設定基板
42 設定キースイッチ
43 RAMクリアスイッチ
44 設定基板カバー
45 開閉カバー
46 遊技球タンク
47 タンクレール
48 払出ユニット
49 払出通路
50 遊技盤
50a 遊技領域
51 外レール
52 風車
53 内レール
55 大入賞口
56 入球口
57 第1始動口
59 第2始動口
60 左右振分け部材
61 普通電動役物
62 普通電動役物ソレノイド
63 ゲート
65 特別電動役物
66 特別電動役物ソレノイド
67 一般入賞口
69 アウト口
70 第1始動口センサ
72 第2始動口センサ
73 大入賞口センサ
74 一般入賞口センサ
75 ゲートセンサ
76 アウト球センサ
77 中枠開扉センサ
80 演出表示装置
81 メイン表示部
82 サブ表示部
82a 上サブ表示部
82b 左サブ表示部
82c 右サブ表示部
90 図柄表示装置
91 第1特別図柄表示装置
92 第2特別図柄表示装置
93 普通図柄表示装置
94 第1特別図柄保留ランプ
95 第2特別図柄保留ランプ
96 普通図柄保留ランプ
97 主制御基板モニタ
100 主制御基板
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 I/Oポート
105 乱数回路
109 主制御基板ケース
110 入球判定手段
115 メイン乱数発生手段
120 メイン保留制御手段
125 事前判定手段
130 特図抽選手段
131 特図当否判定手段
132 特図停止図柄抽選手段
133 特図変動パターン導出手段
135 普図抽選手段
140 大当り遊技制御手段
145 図柄表示制御手段
150 電動役物制御手段
155 遊技状態制御手段
160 メイン情報記憶手段
165 メインエラー制御手段
170 メインコマンド管理手段
175 復電処理実行手段
176 復帰状態設定手段
177 設定変更手段
178 設定確認手段
179 遊技可能状態移行手段
180 電断処理実行手段
200 第1副制御基板
201 CPU
202 ROM
203 RAM
204 I/Oポート
209 第1副制御基板ケース
210 サブ乱数発生手段
220 通常演出制御手段
221 演出モード制御手段
222 演出ルート決定手段
223 サブ保留制御手段
224 先読み演出制御手段
225 演出内容決定手段
226 装飾図柄制御手段
227 大当り演出制御手段
228 点灯演出制御手段
230 サブエラー制御手段
240 ランプ制御手段
250 可動役物制御手段
260 サブ情報記憶手段
270 サブコマンド管理手段
300 第2副制御基板
301 CPU
302 ROM
303 RAM
304 I/Oポート
309 第2副制御基板ケース
400 払出制御基板
401 CPU
402 ROM
403 RAM
409 払出制御基板ケース
500 電源制御基板
501 通常電源回路
502 バックアップ電源回路
503 電断検出回路
509 電源制御基板ケース
600 設定キー
X 第1流路
Y 第2流路
Claims (2)
- 複数段階の設定値から一の設定値を設定し、設定されている前記設定値によって大当りに当選する確率が定まり、図柄変動ごとに前記大当りに当選するか否かを判定する当否判定を実行する遊技機であって、
演出手段と、
前記演出手段を制御する演出制御手段と、を備え、
前記演出制御手段は、設定されている前記設定値を示唆する設定示唆演出を、前記演出手段を制御することによって実行可能であり、
前記演出手段には、第一条件を充足するとストックされるストック情報の数量を、遊技者が視認可能に表示するストック表示手段が含まれ、
前記設定示唆演出には、前記ストック情報がストックされている場合において前記第一条件とは異なる第二条件を充足すると、ストックされている前記ストック情報を消費して実行される所定の設定示唆演出が含まれ、
前記演出制御手段は、或る図柄変動において前記第一条件を充足すると、前記ストック表示手段に表示されている前記ストック情報の数量を該図柄変動中に変化させ、
該図柄変動中に行われる他の演出に関わらず、少なくとも該図柄変動が停止するまで変化後の前記ストック情報の数量を遊技者が視認可能であり、
更に、前記演出制御手段は、或る図柄変動において前記第一条件と前記第二条件を共に充足する場合、第一タイミングにおいて前記ストック情報のストックによって生じる変化を前記ストック表示手段に反映させ、前記第一タイミングの後に到来する第二タイミングにおいて前記所定の設定示唆演出の実行に伴う前記ストック情報の消費によって生じる変化を前記ストック表示手段に反映させ、
前記第一タイミング又は前記第二タイミングに重複して行われる他の演出に関わらず、前記ストック表示手段の変化を該第一タイミング及び該第二タイミングの双方において遊技者が視認可能である、
ことを特徴とする遊技機。 - 複数段階の設定値から一の設定値を設定し、設定されている前記設定値によって大当りに当選する確率が定まり、図柄変動ごとに前記大当りに当選するか否かを判定する当否判定を実行する遊技機であって、
演出手段と、
前記演出手段を制御する演出制御手段と、
第一の遊技状態及び前記第一の遊技状態に比べて有利な第二の遊技状態を含む複数の遊技状態のうち一の遊技状態に制御する遊技状態制御手段と、
を備え、
前記演出制御手段は、設定されている前記設定値を示唆する設定示唆演出を、前記演出手段を制御することによって実行可能であり、
前記演出手段には、第一条件を充足するとストックされるストック情報の数量を、遊技者が視認可能に表示するストック表示手段が含まれ、
前記設定示唆演出には、前記ストック情報がストックされている場合において前記第一条件とは異なる第二条件を充足すると、ストックされている前記ストック情報を消費して実行される所定の設定示唆演出が含まれ、
前記複数段階の設定値には、第一の設定値と、前記第一の設定値より有利な第二の設定値と、が含まれ、
前記演出制御手段は、
前記第一条件の充足に係る判定において設定されている前記設定値を参照せず、且つ、前記第二条件の充足に係る判定において設定されている前記設定値を参照せず、
前記所定の設定示唆演出に係る演出態様を、設定されている前記設定値を参照して決定し、
前記所定の設定示唆演出に係る演出態様には、設定されている設定値が前記第一の設定値であるときには決定されず且つ設定されている設定値が前記第二の設定値であるときには決定されうる特定演出態様が含まれ、
前記特定演出態様には、
前記第一の遊技状態及び前記第二の遊技状態の双方において決定されうる第一の特定演出態様と、
前記第一の遊技状態及び前記第二の遊技状態の一方において決定されず且つ他方において決定されうる第二の特定演出態様と、
が含まれる、
ことを特徴とする遊技機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018175786A JP6860217B2 (ja) | 2018-09-20 | 2018-09-20 | 遊技機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018175786A JP6860217B2 (ja) | 2018-09-20 | 2018-09-20 | 遊技機 |
Publications (2)
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JP2020044159A JP2020044159A (ja) | 2020-03-26 |
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Family
ID=69901972
Family Applications (1)
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JP2018175786A Active JP6860217B2 (ja) | 2018-09-20 | 2018-09-20 | 遊技機 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP6860217B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019005412A (ja) * | 2017-06-28 | 2019-01-17 | 株式会社ソフイア | 遊技機 |
-
2018
- 2018-09-20 JP JP2018175786A patent/JP6860217B2/ja active Active
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JP2020044159A (ja) | 2020-03-26 |
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