まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は、パチンコ遊技機1の回路構成を示すブロック図である。尚、以下の説明において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を後方(後面、背面)側として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、遊技者側からパチンコ遊技機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。また、パチンコ遊技機1の前面を正面から見たときの上下左右方向を基準として説明する。尚、本実施例におけるフローチャートの各ステップの説明において、例えば「ステップS1」と記載する箇所を「S1」と略記する場合がある。
パチンコ遊技機1は、図1に示すように、縦長の方形枠状に形成された外枠100(図8参照)と、外枠100に開閉可能に取り付けられた前面枠101とを有し、前面枠101の前面には、ガラス扉枠102及び下扉枠103がそれぞれ左側辺を中心に開閉可能に設けられている。
下扉枠103には、上皿3(打球供給皿)がある。上皿3の下部には、上皿3に収容しきれない遊技球を貯留する下皿4(余剰球受皿)や、遊技球(打球)を発射する打球操作ハンドル5(操作ノブ)が設けられている。また、ガラス扉枠102の背面には、遊技盤6が前面枠101に対して着脱可能に取り付けられている。
遊技盤6は、遊技領域7が前面に形成された木製のベニヤ板からなり、該遊技盤6の背面側には、演出表示装置9及び演出制御基板80(図2参照)等が組み付けられている。つまり、本実施例における遊技盤6とは、遊技領域7が前面に形成された木製のベニヤ板の背面側に演出表示装置9及び演出制御基板80等の装置類が一体的に構成されたユニットとなっている。尚、ガラス扉枠102を開放することで、前面枠101の中央部に設けられた開口部が正面側に露呈されるようになっており、この状態でユニット(遊技盤6)を前面枠101に対して着脱することができる。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の演出図柄(飾り図柄)を変動表示(可変表示)する複数の演出図柄表示エリアを含む演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの演出図柄表示エリアがある。演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の変動表示期間中に、演出用(装飾用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行う。演出図柄の変動表示を行う演出表示装置9は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ(図示略)によって制御される。
図1に示すように、遊技盤6における右側下部位置には、第1識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aが設けられている。本実施例では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。即ち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または記号)を変動表示するように構成されている。また、第1特別図柄表示器8aの上方位置には、第2識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。即ち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または記号)を変動表示するように構成されている。以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称する場合がある。
第1特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口に入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(例えば、第1特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技や小当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると変動表示結果(停止図柄)を導出表示する。また、第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第2始動入賞口569(図3参照)に入賞)した後、変動表示の開始条件(例えば、いずれの変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技や小当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると変動表示結果(停止図柄)を導出表示する。尚、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、変動表示結果を導出表示(導出)するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示時間中、及び第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動表示時間中に演出図柄の変動表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。同期とは、変動表示の開始時点及び終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい)であって、変動表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口を構成する可変入賞装置15が設けられている。第1始動入賞口に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動入賞口スイッチ14a(例えば、近接スイッチ)によって検出される。
可変入賞装置15は、遊技領域7の左側を流下してくる遊技球が上方から入賞可能なように上方に向けて開口している。また、可変入賞装置15は、ソレノイド16の駆動によって開状態とされる。可変入賞装置15が開状態になることによって、可変入賞装置15に左右側方から入賞可能となり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞装置15が開状態になっている状態では、可変入賞装置15には、上方からよりも左右側方から遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は可変入賞装置15に左右側方から入賞しない(始動入賞し難い)。よって、可変入賞装置15が閉状態になっている状態において、開状態よりも入賞はしづらいものの、入賞することは可能である。
尚、本実施例では、第1始動入賞口を可変入賞装置15のみで構成した形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、これら第1始動入賞口として、入賞する確率が変化する可変入賞装置15に加えて、入賞する確率が変化しない通常の入賞口を設けて、通常の入賞口と可変入賞装置15とで第1始動入賞口を構成するようにしても良い。
本実施例における遊技球の可変入賞装置15の上方からの入賞は、遊技盤6における釘の配置(図1参照)により遊技領域7の左側の遊技領域から流下してくる遊技球のみ可能となっており、遊技状態が時短状態ではない通常状態においては、遊技領域7の右側から流下してくる遊技球は可変入賞装置15の上方からの入賞が不可能となっている。つまり、本実施例のパチンコ遊技機1は、遊技状態が通常状態である場合は、遊技球を遊技領域7の左側から流下させる方が、遊技球を遊技領域7の右側から流下させる場合よりも有利となる。一方、遊技状態が時短状態である場合は、遊技領域7の右側にのみ設けられたゲート32を遊技球が通過することで、普通図柄の変動表示が実行されて高確率で当りとなることにより可変入賞装置15が開状態とされることで、遊技領域7の右側から流下してくる遊技球が可変入賞装置15に容易に入賞可能となるので、遊技状態が時短状態である場合は、遊技球を遊技領域7の右側から流下させる方が、遊技球を遊技領域7の左側から流下させる場合よりも有利となる。
また、可変入賞装置15の右下方位置には、第2始動入賞口569を構成する振分装置550が設けられている(図3参照)。第2始動入賞口569に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動入賞口スイッチ570(例えば、近接スイッチ)によって検出される。
図1に示すように、第2特別図柄表示器8bの上部には、第1始動入賞口に入った有効入賞球数、即ち第1特図保留記憶数(保留記憶を始動記憶または始動入賞記憶ともいう)を表示する第1特別図柄保留記憶表示部と、該第1特別図柄保留記憶表示部とは別個に設けられ、第2始動入賞口569(図3参照)に入った有効入賞球数、即ち第2特図保留記憶数を表示する第2特別図柄保留記憶表示部と、を有して、例えば7セグメントLEDからなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。第1特別図柄保留記憶表示部は、第1特図保留記憶数を入賞順に4個まで表示し、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。また、第2特別図柄保留記憶表示部は、第2特図保留記憶数を入賞順に4個まで表示し、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。尚、本実施例では、第1始動入賞口への入賞による始動記憶数及び第2始動入賞口569への入賞による始動記憶数に上限数(4個まで)が設けられているが、上限数を4個以上にしてもよい。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1特図保留記憶数を表示する第1特図保留記憶表示部9aと、第2特図保留記憶数を表示する第2特図保留記憶表示部9bとが設けられている。尚、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数との合計である合計数(合計保留記憶数)を表示する領域(合計保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合計保留記憶表示部が設けられているようにすれば、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
図1に示すように、遊技領域7の右下部である可変入賞装置15の右側方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は大入賞口扉20aを備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、及び第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって大入賞口扉20aが開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置20において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口569(図3参照)といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。従って、特別可変入賞球装置20において大入賞口が開放状態となれば、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置20において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な第2状態となる。
図1に示すように、遊技領域7の右下部である特別可変入賞球装置20の下方には、振分装置550が設けられている。ここで、図3に基づいて振分装置550の構成について説明する。図3に示すように、振分装置550の上部は、右方から可変入賞装置15側である左方に向けて傾斜を成す上面555が形成されており、該上面555上を遊技球が可変入賞装置15に向けて移動可能となっている。また、振分装置550内には、振分装置550の下方に向けて開口する振分空間552が形成されている。
更に、振分装置550には、上面555から振分空間552にかけて上下方向に貫通する開口部551が形成されており、上面555上を移動する遊技球が開口部551を通過して振分空間552に進入可能となっている。
振分空間552内には、第2始動入賞口569及び複数本の釘560が配設されている。振分空間552に進入した遊技球は、複数本の釘560の配列によりルートAまたはルートBのいずれかの経路に振り分けられて、振分空間552内を通過する。このうちルートAは、遊技球が統計的に149/150の割合で振り分けられる経路である。ルートAに振り分けられた遊技球は、第2始動入賞口569に入賞すること無く振分空間552を通過して後述するアウト口26へ導かれる。また、ルートBは、振分空間552内に進入した遊技球が統計的に1/150の割合で振り分けられる経路である。ルートBに振り分けられた遊技球は、第2始動入賞口569に入賞する。尚、第2始動入賞口569に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動入賞口スイッチ570によって検出される。
図1に示すように、遊技盤6には、演出表示装置9を囲むようにセンター飾り枠11が取り付けられている。このセンター飾り枠11の右部には、役物ユニットYがセンター飾り枠11と一体化された状態で設けられている。
ここで、図1及び図4〜図7に基づいて、役物ユニットYの構成について説明する。
図1に示すように、役物ユニットYは、役物ユニットY内に連通する役物ユニット入賞口305と、小当り遊技時のみ役物ユニットY内に遊技球が進入可能なように役物ユニット入賞口305を開放する小当り用規制部材301と、小当り用規制部材301を開閉動作させるソレノイド22と、役物ユニットY内における下方に配置され、上部に回転円盤201(図6参照)を有する回転役物装置200と、この回転役物装置200の回転円盤201を一定速度で回転駆動させる役物モータM(図4(A)参照)と、を主に備えている。
更に、図4(A)に示すように、役物ユニットYは、コントローラ701を備えている。このコントローラ701によってソレノイド22及び役物モータMが駆動制御される。尚、コントローラ701は、パチンコ遊技機1の起動時に出力回路59を介して後述する遊技制御用マイクロコンピュータ156から起動信号を受信することでソレノイド22及び役物モータMの駆動制御を開始する。
尚、本実施例の役物ユニットYは、後述する主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ156と出力回路59を介して接続されているが、コントローラ701は、主基板31側から電力の供給を受けている。また、役物モータMは、パチンコ遊技機1の遊技状態に拘らず常に一定速度で回転駆動を行う。
図4(B)に示すように、ソレノイド22は、遊技制御用マイクロコンピュータ156(CPU56)の制御によって小当り遊技中において駆動され、該ソレノイド22の駆動により小当り用規制部材301は、小当り遊技中において役物ユニット入賞口305を開放する。尚、本実施例では、小当り用規制部材301が役物ユニット入賞口305を開放する開放時間は2秒間となっている。
図5(A)に示すように、通常時(小当り遊技中でない非小当り時)においては、小当り用規制部材301が役物ユニット入賞口305を閉鎖しているため、遊技球は役物ユニットY内に進入することが不可能になっている。また、図5(B)に示すように、小当り遊技中(小当り時)においては、小当り用規制部材301が役物ユニット入賞口305を2秒間に亘って開放することで、遊技球が役物ユニットY内に進入可能となる。
尚、役物ユニットYは、この役物ユニットY内に進入した遊技球を検出(カウント)する流入口スイッチ230を備えている。この流入口スイッチ230は、役物ユニット入賞口305に設けられており、役物ユニット入賞口305から下方の回転役物装置200に向けて流下する遊技球を検出する。つまり、流入口スイッチ230により役物ユニットY内に進入した遊技球の個数がカウント可能になっている。
また、役物ユニットYの下部には、回転役物装置200が設けられており、役物ユニット入賞口305から役物ユニットY内に進入した遊技球は、回転役物装置200上に供給される。図6及び図7に示すように、回転役物装置200は、遊技球が流入した場合には「大当り」となる大当り流入口207と遊技球が流入した場合には「はずれ」となるはずれ流入口208とが上面側に形成された円柱体202を備えている。更に、この円柱体202の上面中央の回転軸206に回転可能に軸支されて円柱体202とほぼ同一の直径を有する回転円盤201を備えている。尚、回転円盤201は、役物モータMにより常に一定の回転速度で回転駆動される。
尚、本実施例では、これら回転円盤201を常時に一定の回転速度で回転駆動するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら回転円盤201を役物ユニット入賞口305が開放される期間を含む所定期間においてのみ回転させるようにしても良いし、回転形態を役物ユニット入賞口305の開放の時々において、異なる(例えば、ある時は正転、ある時は逆転)ようにしても良い。
回転円盤201には、図6及び図7に示すように、遊技球の直径よりもやや大きな径を有することで遊技球が通過可能とされる孔であって、2つのはずれ孔204と1つの大当り孔203とが穿設されている。尚、大当り孔203は、回転円盤201の外周に接する位置(外周にごく近い位置)に形成されている。また、はずれ孔204は、大当り孔203が形成されている位置よりも回転円盤201の中心側に若干ずれた位置(外周から若干離れた位置)に形成される。
はずれ孔204と大当り孔203の周囲には、遊技球をはずれ孔204或いは大当り孔203内に誘導するための段部205が形成されている。尚、大当り孔203の近傍には、「V」の文字を印刷表示して、当該孔が大当り孔203であることを遊技者が認識できるようにしている。
図6及び図7に示すように、円柱体202の上面の大当り流入口207は、回転円盤201の大当り孔203に対応する位置であって、円柱体202の外周に接する位置(外周にごく近い位置)に形成されている。また、円柱体202の上面のはずれ流入口208は、回転円盤201のはずれ孔204に対応する位置であって、円柱体202の中心側に若干ずれた位置(外周から若干離れた位置)に形成される。
このようにすることで、はずれ孔204に入った遊技球は、回転円盤201が回転してはずれ孔204が大当り流入口207の直上の位置に移動しても、この大当り流入口207に流入できず、はずれ孔204がはずれ流入口208の直上の位置に移動したときに、遊技球がはずれ流入口208に流入するようになっている。また、大当り孔203に入った遊技球は、回転円盤201が回転してはずれ流入口208の直上の位置に移動しても、このはずれ流入口208に流入できず、大当り孔203が大当り流入口207の直上の位置に移動したときに、遊技球が大当り流入口207に流入するようになっている。
大当り流入口207には、この大当り流入口207に流入した遊技球を検出するためのV入賞スイッチ210(例えば、近接スイッチ)が設けられており、V入賞スイッチ210にて遊技球が検出されることによって大当り遊技状態に制御される。また、円柱体202は、大当り流入口207やはずれ流入口208から流入した遊技球が合流して排出される排出口209が設けられている。
尚、役物ユニットYは、排出口209を流下する遊技球であって、役物ユニットYから排出される遊技球を検出(カウント)する排出口スイッチ220を備えている。この排出口スイッチ220により役物ユニットYから排出された遊技球の個数がカウント可能になっている。
役物ユニット入賞口305から役物ユニットY内に進入する遊技球は、回転役物装置200の回転円盤201上に供給される。そして、遊技球は、はずれ孔204または大当り孔203のいずれかに入る。尚、大当り孔203に入った遊技球は、回転円盤201の回転により大当り流入口207に進入してV入賞スイッチ210によって検出された後、排出口スイッチ220によって検出される。一方、はずれ孔204に入った遊技球は、回転円盤201の回転によりはずれ流入口208に進入して、V入賞スイッチ210によって検出されることなく、排出口スイッチ220によって検出される。
尚、本実施例において遊技球は、回転円盤201の回転状況(大当り孔203及びはずれ孔204の位置)に関係なく回転円盤201上に供給されるため、大当り孔203には、低確率(例えば、1/3)で遊技球が入る。一方、はずれ孔204には、高確率(例えば、2/3)で遊技球が入る。
尚、本実施例では、回転円盤201に対して、はずれ孔204を2つ穿設し、大当り孔203を1つ穿設することで、遊技球が大当り孔203に入る確率を低確率である1/3としたが、本発明はこれに限定されず、はずれ孔204を3つ以上穿設することによって、遊技球が大当り孔203に入る確率を更に低くするようにしても良い。
また、回転円盤201上に供給された遊技球は、直ぐに、はずれ孔204または大当り孔203のいずれかに入る態様のみならず、回転円盤201上で転動した後、回転円盤201の回転によりはずれ孔204または大当り孔203のいずれかに導かれて入ることもある。ここで、悪意のある遊技者は、回転円盤201上で転動する遊技球を大当り孔203に導くために、パチンコ遊技機1を叩いたり揺さぶったりして振動を与える不正行為を行う場合がある。そのような不正行為を検出するために、本実施例では、後述する振動センサ400(図8参照)が設けられている。
図1に示すように、第1特別図柄表示器8aの右側には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、例えば2つのランプからなる。遊技球が特別可変入賞球装置20の上方近傍位置に設けられたゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。本実施例では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行われるようになっており、例えば、変動表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10の下側のランプが点灯して当りである場合に、可変入賞装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。即ち可変入賞装置15の状態は、下側のランプが点灯して当りである場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第1始動入賞口に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。特別図柄保留記憶表示器18の上部には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示部(例えば、7セグメントLEDのうち4つのセグメント)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、即ちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示部を1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯する表示部を1減らす。
尚、7セグメントLEDからなる普通図柄保留記憶表示器41には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示部(セグメント)とともに、例えば、大当り時における特別可変入賞球装置20の開放回数(大当りラウンド数)を示す2つの表示部(セグメント)、及び遊技状態を示す2つの表示部(セグメント)が設けられているが、これら表示部を普通図柄保留記憶表示部とは別個の表示器にて構成してもよい。また、普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」及び「×」)を変動表示可能なセグメントLED等にて構成してもよい。
また、遊技領域7の左下部には、普通入賞装置の入賞口29a〜29cが設けられ、入賞口29a〜29cに入賞した遊技球は、入賞口スイッチ30によって検出される。各入賞口29a〜29cは、遊技球を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。尚、第1始動入賞口、第2始動入賞口569や大入賞口も、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。
また、第1始動入賞口スイッチ14aによって遊技球が検出されたことにもとづいて、第1特別図柄の変動表示が開始され、賞球払出が実行される。また、大入賞口のカウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことにもとづいて、賞球払出が実行される。また、第2始動入賞口スイッチ570によって遊技球が検出されたことにもとづいて、第2特別図柄の変動表示が開始され、所定数(例えば3玉)の賞球払出が実行される。尚、排出口スイッチ220によって遊技球が検出された場合にも、所定数(例えば15玉)の賞球払出が実行される。
遊技領域7の左側には、遊技中に点滅表示される装飾LED25aを有する装飾部材25が設けられ、遊技領域7の下部には、入賞しなかった遊技球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上下部には、効果音(報知音)を発する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠LED28a、左枠LED28b、及び右枠LED28cが設けられている。天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28c、及び装飾LED25aは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
図1及び図2では、図示を省略しているが、左枠LED28bの近傍に、賞球払出中に点灯する賞球ランプが設けられ、天枠LED28aの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れランプが設けられている。尚、賞球ランプ及び球切れランプは、賞球の払出中である場合や球切れが検出された場合に、演出制御基板に搭載された演出制御用マイクロコンピュータによって点灯制御される。更に、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするカードユニット50が(図2参照)、パチンコ遊技機1に隣接して設置されている。
遊技者が打球操作ハンドル5を操作することにより、後述する打球発射装置98から発射された遊技球は、発射球案内通路(図示略)を通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口に入って第1始動入賞口スイッチ14aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。即ち第1特別図柄及び演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1特図保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1特図保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口569に入って第2始動入賞口スイッチ570で検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。即ち第2特別図柄及び演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口569への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2特図保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2特図保留記憶数を1増やす。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示は、予め設定されている変動時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄(特定表示結果)であると「大当り」となり、停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄とは異なる所定の小当り図柄(所定表示結果)であると「小当り」となり、停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄及び小当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「はずれ」となる。
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。また、特図ゲームでの変動表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なり、役物ユニットYに遊技球が進入可能となる小当り遊技状態に制御される。
本実施例では、特図ゲームにおける確定特別図柄が「15ラウンド」に対応する大当り図柄が停止表示された場合には、多ラウンド特定遊技状態としての第1大当り状態(15ラウンド大当り状態)に移行する。大当り遊技状態(15ラウンド大当り状態)では、特別可変入賞球装置20の大入賞口扉20aが、第1期間となる所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば8個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。こうしてラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉20aは、遊技盤6の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。15ラウンド大当り状態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンドの実行回数が、第1ラウンド数(例えば「15」)となる。ラウンドの実行回数が「15」となる15ラウンド大当り状態における遊技は、15回開放遊技とも称される。このような15ラウンド大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞するたびに15個の出玉(賞球)が得られる。尚、15ラウンド大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として「5ラウンド」に対応する大当り図柄が停止表示された場合には、多ラウンド特定遊技状態としての第2大当り状態(5ラウンド大当り状態)に移行する。第2大当り状態では、特別可変入賞球装置20の大入賞口扉20aが、第1期間となる所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば8個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。こうしてラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉20aは、遊技盤6の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。第2大当り状態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンドの実行回数が、第2ラウンド数(例えば「5」)となる。
このような第2大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞すれば15個の出玉(賞球)が得られるが、ラウンドの実行回数(第入賞口の開放回数)が第1大当り状態のラウンドの実行回数よりも少ない。尚、第2大当り状態は第2特定遊技状態ともいう。また、第2大当り状態は、第1大当り状態に比べて特別可変入賞球装置20の大入賞口扉20aが、第1期間となる所定期間が短い第2期間(例えば0.5秒間)となるものであってもよい。即ち、第2大当り状態は、各ラウンドで大入賞口を開放状態に変化させる期間が第1大当り状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が第1大当り状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであってもよい。
また、「5ラウンド」または「15ラウンド」に対応する大当り図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき第1大当り状態または第2大当り状態が終了した後には、特別遊技状態として、通常状態に比べて特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)が短縮される時間短縮制御(時短制御)が行われる時短状態に制御される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や時短状態とは異なる遊技状態としての通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短状態は、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
「小当り」に対応する特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示された後には、小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、図1に示すように、遊技領域7の右上部に設けられた小当り用規制部材301において役物ユニット入賞口305を遊技者にとって有利な開放状態に変化させる可変入賞動作が行われる。即ち、小当り遊技状態では、小当り用規制部材301を2秒間だけ開放状態とする動作が実行される。
尚、本実施例では、小当り遊技状態において小当り用規制部材301を2秒間だけ開放状態とする動作を実行しているが、本発明はこれに限定されず、小当り遊技状態においては、小当り用規制部材301を複数回に亘って開放状態とする動作を実行しても良い。尚、このように小当り用規制部材301を複数回に亘って開放状態とする動作を実行する場合は、小当り遊技状態における小当り用規制部材301の総開放時間を本実施例の小当り用規制部材301の開放時間である2秒以内とすることが望ましい。
尚、これら小当り遊技状態が終了した後には、本実施例では、大当り状態に移行するか否かにかかわらず、常に通常遊技状態となる。つまり、小当り遊技状態が時短状態において不適切に発生された場合には、不適切な遊技を行ったペナルティとして大当り状態に移行するか否かにかかわらず、時短状態を終了して通常遊技状態としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら小当り遊技状態が終了した後には、遊技状態の変更が行われず、変動表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御するようにしても良い。また、小当り遊技状態が時短状態において発生させられた後に大当りとならなかった場合は、時短状態を維持する一方で、小当り遊技状態が時短状態において発生させられた後に大当りとなった場合は、大当り遊技終了後に時短状態に移行しないようにしても良い。
これら変動表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたことで役物ユニットY内に進入した遊技球がV入賞スイッチ210にて検出された場合は、抽選によって15ラウンドまたは5ラウンドの大当り遊技状態となることがある。
時短状態では、普通図柄表示器10による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく可変入賞装置15における可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第1始動入賞口を通過(進入)しやすくして第1始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が普通図柄プロセス処理において行われる。
尚、時短状態では、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組合せられて行われるようにしてもよい。このように、時短状態において第1始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御が行われることにより、第1始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第1特別図柄表示器8aにおける第1特図(第1特別図柄)を用いた特図ゲームを実行するための始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。従って、時短状態では、通常状態に比べて大当り遊技状態となりやすくなる。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、パチンコ遊技機1における遊技状態が時短状態に制御されている期間と同一であればよい。また、高開放制御期間であるときには、遊技状態が高ベース中であるともいう。これに対して、高開放制御期間でないときには、遊技状態が低ベース中であるともいう。本実施例における時短状態は、高ベース状態とも称される遊技状態であり、通常状態は、低ベース状態とも称される遊技状態である。
演出表示装置9に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアでは、第1特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図(第2特別図柄)を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアにおける確定演出図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、演出表示装置9の表示領域にて仮停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ仮停止表示もされていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については、変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。
具体的には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにおける一部(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリアなど)では、予め定められた大当り組合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が仮停止表示されているときに未だ仮停止表示もしていない残りの演出図柄表示エリア(例えば「中」の演出図柄表示エリアなど)で、演出図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにおける全部または一部で演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
次に、パチンコ遊技機1における回路構成について説明する。図2に示すように、本実施例のパチンコ遊技機1は、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ(図示略)が搭載された演出制御基板80、遊技制御用マイクロコンピュータ156等が搭載された主基板31(遊技制御基板)、音声制御基板70、ランプドライバ基板35、及び球払出制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている。尚、演出制御基板80や主基板31は、それぞれ専用の基板収納ケースに収納され、遊技盤6の背面側に取り付けられている(図8参照)。
更に、パチンコ遊技機1の背面には、DC30V、DC21V、DC12V及びDC5V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板やタッチセンサ基板(図示略)が設けられている。電源基板には、パチンコ遊技機1における主基板31及び各電気部品制御基板(演出制御基板80及び払出制御基板37)やパチンコ遊技機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチ、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ156のRAM55をクリアするためのクリアスイッチが設けられている。更に、電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
また、パチンコ遊技機1の背面には、各種情報をパチンコ遊技機1の外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板91が設置されている。ターミナル基板91には、例えば、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号(始動口信号、図柄確定回数1信号、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、時短信号、セキュリティ信号、賞球信号1、エラー状態信号など)を外部出力するための情報出力端子が設けられている。
尚、エラー状態信号には、遊技枠が開放状態であることを示すドア開放信号や、後述するように、振動センサ400による振動の検出に基づいて、所定の閾値(検出回数)以上の振動(不正行為による振動)が発生したと判定されたときに、この振動検出エラー状態であることを示す振動検出信号などを含んでいる。このエラー状態信号は、呼び出しランプ(図示略)やホールコンピュータ(図示略)等のなど入力され、呼び出しランプを用いたエラー報知やホールコンピュータによる不正行為の監視などに用いられる。
また、パチンコ遊技機1の背面側の上部に設けられた貯留タンクに貯留された遊技球は誘導レールを通り、カーブ樋を経て球払出装置97に至る。球払出装置97の上方には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチが設けられている。球切れスイッチが球切れを検出すると、球払出装置97の払出動作が停止する。球切れスイッチが遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構からパチンコ遊技機1の貯留タンクに対して遊技球の補給が行なわれる。
入賞にもとづく景品としての遊技球や球貸し要求にもとづく遊技球が多数払出されて上皿3が満杯になると、遊技球は、余剰球誘導通路を経て下皿4に導かれる。更に遊技球が払出されると、感知レバー(図示略)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチ(図示略)を押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチがオンする。その状態では、球払出装置97内の払出モータの回転が停止して球払出装置97の動作が停止するとともに打球発射装置98の駆動も停止する。
図2は、パチンコ遊技機1の回路構成を示すブロック図である。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ156が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ156は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56及びI/Oポート部57を含む。本実施例では、ROM54及びRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ156に内蔵されている。即ち、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ156には、更に、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路60が内蔵されている。
尚、遊技制御用マイクロコンピュータ156においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ156(CPU56)が実行する(処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路60は、特別図柄の変動表示の変動表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路60は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路60は、特別図柄の変動表示の変動表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路60は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路60は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、及び上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、及び数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、乱数回路60が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ156のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ156の製品毎に異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行って得られた数値データを、乱数回路60が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路60が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、第1始動入賞口スイッチ14aまたは第2始動入賞口スイッチ570への始動入賞が生じたときに乱数回路60から数値データをMR1として読み出し、特別図柄及び演出図柄の変動開始時にMR1にもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、即ち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156には、払出制御基板37(払出制御用マイクロコンピュータ)や演出制御基板80(演出制御用マイクロコンピュータ)とシリアル通信で信号を入出力(送受信)するためのシリアル通信回路61が内蔵されている。尚、払出制御用マイクロコンピュータや演出制御用マイクロコンピュータにも、遊技制御用マイクロコンピュータ156とシリアル通信で信号を入出力するためのシリアル通信回路が内蔵されている(図示略)。
また、払出制御基板37には、球払出装置97や打球発射装置98が接続されており、球払出装置97による遊技球の払い出しや、打球発射装置98による遊技球の発射などは、払出制御基板37により制御されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。即ち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態、即ち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータ(賞球コマンド出力カウンタの値)は、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。尚、本実施例では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ156のリセット端子には、電源基板からのリセット信号が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ156等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。尚、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ156等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ156等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ156等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ156等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。尚、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
更に、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。即ち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。尚、電源監視回路を電源基板に搭載するのではなく、バックアップ電源によって電源バックアップされる基板(例えば、主基板31)に搭載するようにしてもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートには、RAM55の内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動入賞口スイッチ14a、第2始動入賞口スイッチ570、カウントスイッチ23、各入賞口スイッチ30、V入賞スイッチ210、排出口スイッチ220、流入口スイッチ230、振動センサ400からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ156に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載される。また、可変入賞装置15を開閉するソレノイド16、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を、遊技制御用マイクロコンピュータ156からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載される。また、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ156をリセットするためのシステムリセット回路(図示略)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板91を介して、ホールコンピュータ(図示略)等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
尚、役物ユニットYは、ソレノイド16,21と共に出力回路59に接続されており、起動時において遊技制御用マイクロコンピュータ156からの指令に従って動作を開始する。また、役物ユニットYの動作の開始後においては、役物ユニットYに内蔵されたコントローラ701により、その動作が制御される。
本実施例では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ156から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を変動表示する演出表示装置9との表示制御を行う。
演出制御基板80は、演出制御用CPU及びRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ(図示略)を搭載している。尚、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU(図示略)は、内蔵または外付けのROM(図示略)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ及び入力ポートを介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU(図示略)は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御用CPU(図示略)は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示略)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU(図示略)は、キャラクタROMから読み出したデータをVDPに出力する。VDPは、演出制御用CPUから入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンド及び演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバに入力する。入力ドライバは、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路(図示略)が搭載されている。単方向性回路として、例えば、ダイオードやトランジスタが使用される。更に、単方向性回路であるI/Oポート部を介して主基板31から演出制御コマンド及び演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。即ち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ156側)に入り込まない。
更に、演出制御用CPU(図示略)は、出力ポート(図示略)を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPUは、出力ポートを介して音声制御基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ(図示略)を介してLEDドライバに入力される。LEDドライバは、駆動信号を天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28cなどの枠側に設けられている各LEDに供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25aに駆動信号を供給する。尚、LED以外の発光体が設けられている場合には、それを駆動する駆動回路(ドライバ)がランプドライバ基板35に搭載される。
音声制御基板70において、音番号データは、入力ドライバ(図示略)を介して音声合成用IC(図示略)に入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路(図示略)に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM(図示略)には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
図12(A)は、本実施例で用いられる演出制御コマンドの内容を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。尚、図12(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図12(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアで変動表示される演出図柄などの変動パターン(変動時間)を指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、特別図柄や演出図柄などの変動表示結果を指定する変動表示結果通知コマンドである。変動表示結果通知コマンドでは、例えば、図12(B)に示すように、変動表示結果が「はずれ」であるか「大当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、変動表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド8C00Hは、変動表示結果が「はずれ」となる旨の事前決定結果を示す第1変動表示結果通知コマンドである。コマンド8C01Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「5ラウンド大当り」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第2変動表示結果通知コマンドである。コマンド8C02Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「15ラウンド大当り」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3変動表示結果通知コマンドである。コマンド8C03Hは、変動表示結果が「小当り」となる旨の事前決定結果を示す第4変動表示結果通知コマンドである。
コマンド8D00Hは、回転役物装置200において遊技球が大当り孔203に入った後、大当り流入口207内にてV入賞スイッチ210(図6参照)により検出されたことを通知するV入賞通知コマンドである。
コマンド8F00Hは、演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアで演出図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えば、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御が行われない遊技状態(低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる遊技状態(高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば、変動表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、変動表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば15ラウンド大当り状態や5ラウンド大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「5」、「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、可変入賞装置15が形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動入賞口スイッチ14aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動入賞口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、第2始動入賞口569を通過(進入)した遊技球が第2始動入賞口スイッチ570により検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動入賞口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、第1特図保留記憶表示部9aなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1特図保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、第2特図保留記憶表示部9bなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2特図保留記憶数通知コマンドである。第1特図保留記憶数通知コマンドは、例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動入賞口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板31から演出制御基板80に対して送信される。第2特図保留記憶数通知コマンドは、例えば、第2始動入賞口569を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動入賞口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板31から演出制御基板80に対して送信される。また、第1特図保留記憶数通知コマンドや第2特図保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
第1特図保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立したときに、第1特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信される。また、第2特図保留記憶数通知コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立したときに、第2特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信される。
本実施例では、保留記憶情報として、第1始動入賞口と第2始動入賞口569とのいずれに始動入賞したかを指定する第1始動入賞口入賞指定コマンドや第2始動入賞口入賞指定コマンドを送信するとともに、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を指定する第1特図保留記憶数通知コマンドや第2特図保留記憶数通知コマンドを送信する。尚、保留記憶数が増加したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1特図保留記憶数加算指定コマンドまたは第2特図保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1特図保留記憶数減算指定コマンドまたは第2特図保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
第1特図保留記憶数通知コマンドや第2特図保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。即ち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
コマンドC601Hは、第1エラー報知(図26(A))の開始を指定する第1エラー報知開始指定コマンドである。コマンドC602Hは、第2エラー報知(図26(B))の開始を指定する第2エラー報知開始指定コマンドである。コマンドC603Hは、エラー報知の終了を指定するエラー報知終了指定コマンドである。
尚、第1エラー報知開始指定コマンドは、役物ユニットY内に遊技球が有るときに、振動センサ400による振動の検出に基づいて、所定の閾値(検出回数)以上の振動が発生したと判定されたときに送信されるコマンドである。また、第2エラー報知開始指定コマンドは、役物ユニットY内に遊技球が無いときに、振動センサ400による振動の検出に基づいて、所定の閾値(検出回数)以上の振動が発生したと判定されたときに送信されるコマンドである。
図13は、主基板31側で用いられる乱数値を示す説明図である。本実施例では、主基板31側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン種別判定用の乱数値MR3、変動パターン判定用の乱数値MR4、普図表示結果判定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。尚、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路60は、これらの乱数値MR1〜MR5の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU56は、乱数回路60とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR5の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
特図表示結果判定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否か、変動表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、決定するために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別判定用の乱数値MR2は、変動表示結果を「大当り」とする場合における演出図柄の変動表示態様である大当り種別を「5ラウンド」、「15ラウンド」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「99」の範囲の値をとる。
変動パターン種別判定用の乱数値MR3は、特別図柄や演出図柄の変動表示における変動パターン種別を、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「251」の範囲の値をとる。変動パターン判定用の乱数値MR4は、特別図柄や演出図柄の変動表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。普図表示結果判定用の乱数値MR5は、普通図柄表示器10による普図ゲームにおける変動表示結果を「普図当り」とするか「普図はずれ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「3」〜「13」の範囲の値をとる。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ156が備えるROM54には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM54には、CPU56が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM54には、CPU56が主基板31から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図14(A)は、ROM54に記憶される第1特図表示結果及び第2特図表示結果を決定するテーブルとしての、表示結果決定テーブルの構成例を示している。表示結果決定テーブルは、第1特別図柄表示器8aによる第1特図を用いた特図ゲーム、または第2特別図柄表示器8bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて変動表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否か、変動表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果判定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
表示結果決定テーブルでは、第1特別図柄表示器8aによる第1特図を用いた特図ゲームと第2特別図柄表示器8bによる第2特図を用いた特図ゲームとにおいて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「小当り」、「はずれ」の特図表示結果に割り当てられている。
表示結果決定テーブルにおいて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される決定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられる決定用データとなっている。
表示結果決定テーブルにおける第1特図の設定例では、所定範囲の決定値(「8000」〜「8327」の範囲の値)が「大当り」の特図表示結果に割り当てられており、その他の範囲の決定値(「0」〜「7999」、「8328」〜「65535」)が「はずれ」の特図表示結果に割り当てられている。
その一方で、表示結果決定テーブルにおける第2特図の設定例では、所定範囲の決定値(「0」〜「327」の範囲の値)が「大当り」の特図表示結果に割り当てられており、その他の範囲の決定値(「328」〜「65535」)が「小当り」の特図表示結果に割り当てられている。このような設定により、第1特別図柄表示器8aによる第1特図を用いた特図ゲームでは、「小当り」が発生せず、第2特別図柄表示器8bによる第2特図を用いた特図ゲームでのみ「小当り」が発生するようになっている。
つまり、第1特図保留記憶に基づく変動表示では、表示結果決定テーブルにおける第1特図の設定例に示すように、1/200の割合で変動表示結果が大当りとなるのみで、変動表示結果として小当りとなることは無いので、大当りとなる確率は1/200であるのに対し、第2特図保留記憶に基づく変動表示では、表示結果決定テーブルにおける第2特図の設定例に示すように、第1特図保留記憶に基づく変動表示と同じく1/200の割合で変動表示結果が大当りとなることに加え、199/200の割合で変動表示結果が小当りとなる。そして、この小当り遊技状態中において遊技球がV入賞スイッチ210にて検出されることで遊技状態が大当りなることにより、第2特図保留記憶に基づく変動表示により大当り遊技状態に制御される割合は、第1特図保留記憶に基づく変動表示により大当り遊技状態に制御される割合よりも、小当りを経由して大当りとなる確率の分だけ高くなっている。
図14(B)は、ROM54に記憶される大当り種別決定テーブルの構成例を示している。大当り種別決定テーブルは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別判定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブルでは、特図ゲームにおいて変動表示(変動)が行われた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示器8aによる特図ゲーム)であるか第2特図(第2特別図柄表示器8bによる特図ゲーム)であるかに応じて、大当り種別判定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、「5ラウンド」、「15ラウンド」といった複数種類の大当り種別に割り当てられている。
尚、小当り遊技中にV入賞による「大当り」が発生した場合は、小当りによる役物ユニットYへの入賞(排出口スイッチ220による遊技球の検出)においても賞球が発生するため、このV入賞による「大当り」の場合は、小当りを1ラウンドとすることで、大当り種別が「5ラウンド」の場合は、実質「6ラウンド」の大当りとなり、大当り種別が「15ラウンド」の場合は、実質「16ラウンド」の大当りとなる。
大当り種別決定テーブルの設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「5ラウンド」、「15ラウンド」の大当り種別に対する決定値の割当てが異なっている。即ち、変動特図が第1特図である場合には、決定値の「0」〜「35」の範囲の値が「5ラウンド」の大当り種別に割り当てられ、決定値の「36」〜「99」の範囲が「15ラウンド」の大当り種別に割り当てられている。一方で、変動特図が第2特図である場合には、決定値の「0」〜「74」の範囲の値が「5ラウンド」の大当り種別に割り当てられ、決定値の「75」〜「99」の範囲が「15ラウンド」の大当り種別に割り当てられている。このような設定により、第1特別図柄表示器8aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示器8bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り遊技における出玉数(球払出し数)の期待値を異ならせることができる。
尚、変動特図が第2特図である場合にも、変動特図が第1特図である場合と同一の範囲の決定値が「5ラウンド」、「15ラウンド」の大当り種別に割り当てられるようにしてもよい。例えば、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別の決定を行うようにしてもよい。
図15は、ROM54に記憶される変動パターン種別決定テーブルの構成例を示している。本実施例では、変動パターン種別決定テーブルとして、図15(A)に示す大当り変動パターン種別決定テーブルや、図15(B)に示す小当り変動パターン種別決定テーブルが予め用意されている。尚、特に図示はしないが、はずれ変動パターン種別決定テーブル(通常時)や、はずれ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)も予め用意されている。
大当り変動パターン種別決定テーブルは、特図表示結果を「大当り」にすると決定(事前決定)されたときに、大当り種別の決定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り変動パターン種別決定テーブルでは、大当り種別の決定結果が「5ラウンド」や「15ラウンド」のいずれであるかに応じて、変動パターン種別判定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−2のいずれかに割り当てられている。
大当り変動パターン種別決定テーブルでは、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、各変動パターン種別に決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターン種別に割り当てられている部分がある。例えば、大当り種別が「5ラウンド」であるか「15ラウンド」であるかに応じて、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−2に対する決定値の割当てが異なっている。これにより、大当り種別を複数種類のいずれにするかの決定結果に応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
尚、大当り種別が「5ラウンド」、「15ラウンド」のいずれかに決定された場合に、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態、時短状態のいずれであるかに応じて、各変動パターン種別に対する決定値の割当てを異ならせるようにしてもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。また、大当り種別が「5ラウンド」、「15ラウンド」のいずれかに決定された場合に、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態、時短状態のいずれであるかに応じて、異なる変動パターン種別に決定値が割り当てられるようにしてもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、異なる変動パターン種別に決定することができる。
小当り変動パターン種別決定テーブルは、特図表示結果を「小当り」にすると決定(事前決定)されたときに、大当り種別の決定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。小当り変動パターン種別決定テーブルでは、決定値の全て(「1」〜「251」)の範囲が変動パターン種別CA4−1に割り当てられている。このため、小当りとなる場合は、必ず変動パターン種別がCA4−1に決定される。
はずれ変動パターン種別決定テーブル(通常時)と、はずれ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)は、特図表示結果を「はずれ」にすると決定(事前決定)されたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。ここで、はずれ変動パターン種別決定テーブル(通常時)は、例えば、遊技状態が通常状態であるときに使用テーブルとして選択される。これに対して、はずれ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)は、例えば、遊技状態が時短状態であるときに、時短制御が行われていることに対応する使用テーブルとして選択される。
はずれ変動パターン種別決定テーブル(通常時)とはずれ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)とでは、互いに各変動パターン種別に決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターン種別に割り当てられている部分がある。これにより、遊技状態が通常状態であるか時短状態において時短制御中であるかに応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。はずれ変動パターン種別決定テーブル(通常時)とはずれ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)とでは、異なる変動パターン種別に決定値が割り当てられている部分がある。これにより、遊技状態が通常状態であるか時短状態において時短制御中であるかに応じて、異なる変動パターン種別に決定することができる。
次に、図8〜図11に基づいて、振動センサ400の構成について説明する。図8に示すように、振動センサ400は、パチンコ遊技機1の背面における演出制御基板80の近傍の取付位置6aに設けられている。本実施例では、遊技盤6が遊技領域7が形成されたベニヤ板の背面側に演出表示装置9及び演出制御基板80等の装置類が一体的に構成されたユニットとなっている。つまり、振動センサ400は、遊技盤6(遊技領域7)に対して固定されている。悪意のある遊技者が振動を与える動機付けとなる役物ユニットYは、遊技盤6(遊技領域7)に設けられているので、この遊技盤6に対して振動センサ400を固定することで、遊技に影響のある遊技領域7の振動の検出精度を向上することができる。尚、本実施例では、遊技領域7が形成されたベニヤ板の背面側に固定された各種装置や部材を介して振動センサ400が固定されている。また、遊技領域7が形成されたベニヤ板の背面側に直接的に振動センサ400を固定するようにしても良い。
尚、遊技盤6は前面枠101に対して着脱可能になっている。前面枠101は、外枠100に対して開閉可能に取り付けられており、外枠100は、遊技島に対して固定されている。つまり、本実施例におけるパチンコ遊技機1は、外枠100及び前面枠101を遊技島に固定した状態で、遊技盤6のみを着脱して機種交換することが可能になっている。例えば、役物ユニットYを備えており、振動を与える不正行為が行われ易い機種の遊技盤6に対しては、振動センサ400を搭載するようにし、役物ユニットYを備えておらず、振動を与える不正行為が行われ難い(不正行為が行われても大当りとなる確率が変化しない)機種の遊技盤6に対しは、振動センサ400を搭載しないようにできる。このようにすることで、振動センサ400が不要な機種の遊技盤6には、振動センサ400を搭載しないようにできるため、外枠100及び前面枠101などに振動センサ400を搭載することと比較してパチンコ遊技機1の製造コストを低減でき、かつ外枠100及び前面枠101の再利用が可能となる。
図9及び図10に示すように、振動センサ400は、取付部材410を介して遊技盤6の背面における所定の取付位置6aに取り付けられる。取付部材410は、取付位置6aから後方に向かって延びる四角形状(箱状)をなす延設部411を有している。この延設部411の先端側(後方側)に、振動センサ400が取り付けられる。
尚、取付部材410は、合成樹脂で形成されている。本実施例では、ABS樹脂を用いて取付部材410が形成されている。尚、ポリスチレンやアクリル等の樹脂を用いて取付部材410を形成しても良い。ガラスや金属等と比較して柔らかい材質(軟質)である合成樹脂で取付部材410が形成されるので、取付部材410が振動し易くなるので、その先端部の振動センサ400が振動し易くなる。
振動センサ400は、円柱形状をなす筐体401を有している。この筐体401の下端部から主基板31に接続される配線409が延設されている。振動センサ400が振動を検出したときに出力される振動パルス(検出信号)は、この配線409により主基板31まで伝達される。
図11に示すように、振動センサ400の筐体401の内部には、鉄やステンレス等の材質で構成された金属球403が収容されるとともに、この金属球403を下方側から保持する保持部材402が設けられている。保持部材402の上面は、湾曲した断面視で円弧状をなす湾曲面402aとなっている。そして、この湾曲面402aの直下には、金属球403の近接状態を検出する近接検出装置404が設けられている。
尚、本実施例における近接検出装置404は、この近接検出装置404に対して金属球403が近接しているとき(金属球403が定常位置にあるとき)には、振動パルスを出力せず、近接検出装置404から金属球403が離れたとき(金属球403が振動位置にあるとき)に、振動パルスを出力するようになっている。
具体的には、振動センサ400が水平方向に揺れる(振動が加わる)と、金属球403が湾曲面402aに沿って転動する。この転動により金属球403が近接検出装置404から離れるため、近接検出装置404が振動パルスを出力するようになっている。また、振動センサ400が上下方向に揺れる(振動が加わる)ことでも、金属球403が近接検出装置404から離れるため、近接検出装置404が振動パルスを出力するようになっている。
尚、本実施例では、金属球403と近接検出装置404とを用いた振動センサ400を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、振動センサ400は、振動を検出したときにパルス信号を出力するものであれば、その他の装置類であっても良い。例えば、加速度を計測することにより振動を検出するセンサや、錘の動きを圧電素子で検出することで振動を検出するセンサや、金属球がその近傍に配置される電極に接触したか否かで振動を検出するセンサなどを振動センサ400として用いても良い。
図9及び図10に示すように、振動センサ400の筐体401には、左右双方に延びる2つの突片405が設けられている。突片405には、ネジが挿設される孔が形成されており、この突片405に挿設されたネジが取付部材410の先端部(後端部)に形成された雌ネジ部417に螺着されることで、振動センサ400が取付部材410の先端部に固定される。
また、取付部材410の延設部411の前端側(取付位置6a側)には、上方に向かって延びる取付片414が延設されている。尚、取付片414の左右端部及び延設部411の端部には、この取付片414及び延設部411の結合状態を補強する補強片413が形成されている。また、延設部411の前端面、及び取付片414の前端面は、取付位置6aに当接可能な垂直面として一体的に形成されている。また、延設部411の前端面及び取付片414の前端面で取付位置6aに当接(接触)されるため、取付位置6aから振動が伝達され易くなっている。
また、取付片414の左右2箇所には、ネジが挿設される挿通孔415が形成されており、この2つの挿通孔415に挿設されたネジが取付位置6aに形成された2つの雌ネジ部(図示略)にそれぞれ螺着されることで、取付部材410が取付位置6aに固定される。尚、取付部材410の挿通孔415は、延設部411の上下方向の中央位置C(図10(C)参照)から上方向に変位した位置に設けられている。この延設部411の上下方向の中央位置C(図10(C)参照)から上方向(一方向)に変位した位置で、取付部材410が取付位置6aに取り付けられることで、延設部411の上下方向の中央位置Cで取り付けられることと比較して、取付部材410の先端部(後端部)が上下方向に揺れ易い不安定な状態で取り付けられるため、取付部材410が振動し易くなるので、その先端部の振動センサ400が上下方向に振動し易くなる。
本実施例では、取付部材410が上方に向かって延びる取付片414により取付位置6aに取り付けられ、取付部材410が取付片414からぶら下がるように取り付けられている。尚、本発明はこれに限定されるものではなく、取付部材から下方に向かって延びる取付片を設けて、この下方に延びる取付片によって、取付部材を取付位置6aに取り付けるようにしても良い。つまり、本実施例の取付部材410を上下反転させた状態で用いるようにしても良い。その場合であっても、延設部411の上下方向の中央位置C(図10(C)参照)から下方方向(一方向)に変位した位置で、取付部材410が取付位置6aに取り付けられることで、取付部材410が振動し易くなる。
尚、本実施例では、取付片414が延設部411から上方に向かって延びているが、本発明はこれに限定されるものではなく、延設部411の左右両側部に取付片を設けても良いし、延設部411の上下両方に延びる取付片を設けても良く、延設部411の中心位置(重心位置)から変位した位置(ずれた位置)で、取付片によって取付位置6aに取付部材410が取り付けられる構成であっても良い。
尚、本実施例では、取付片414を延設部411から延設し、この取付片414を介して延設部411が取付位置6aに取り付けられるが、本発明はこれに限定されるものではなく、延設部411自体にネジが挿設される挿通孔を設けて、この延設部411が取付位置6aに取り付けられるようにしても良い。その場合であっても、延設部411に形成される挿通孔は、延設部411の上下方向の中央位置C(図10(C)参照)から一方向に変位した位置に設けるようにする。
また、取付片414の2つの挿通孔415の近傍には、取付部材410を取付位置6aに取り付ける際に位置決めを行うための突起部416がそれぞれ突設されている。この突起部416は、挿通孔415の周囲を囲むように形成された段部415aから一体的に延設されており、段部415aよりも突起部416の先端が前方(取付位置6aに向く方向)に突出している。取付位置6aには、これら2つの突起部416及び段部415aが嵌合される嵌合穴(図示略)が形成されている。
尚、取付片414の左右2つの突起部416は、互いに上下方向に変位した位置(ずれた位置)に設けられている(図10(C)参照)。そのため、取付片414は、上下方向(縦方向)に揺れ難くなるので、取付位置6aに対して強固に取り付けられる。また、取付部材410を2つの突起部416により適切な向きで位置決めを行って取付位置6aに取り付けることができ、取付部材410を取り付ける組立作業者が誤って取付部材410を上下反転させた状態で取り付けてしまうようなことが無くなる。
図9及び図10に示すように、取付部材410の延設部411は、その基部(前方側)から先端部(後方側)に向かって漸減する錐台形状をなしている。つまり、延設部411は、先端に向かって窄まる形状をなしている。また、延設部411は、その基部(前方側)が開口され、その内部に空洞部412が形成されている。この空洞部412は、延設部411の外形に対応して先端に向かって窄まる(狭くなる)空洞となっている。そのため、取付部材410を成型するときに、取付部材410を金型から抜き易いようになっている。
尚、本実施例において先端部に向かって漸減するとは、先端部に向かって断面積が漸次的に減少する形状のことである。本実施例では、延設部411の内部に空洞部412が形成され、延設部411の肉厚は、基部(前方側)から先端部(後方側)に向かって同じ厚みに形成されているため、延設部411の外形が先端に向かって窄まることで、断面積が漸次的に減少する形状となっている。また、延設部411の肉厚が不均一の場合は、延設部411の断面積が空洞部412を含んだ面積であっても良く、この断面積が漸次的に減少する形状であっても良い。
また、先端部に向かって漸減する形状とは、先端部に向かって質量が漸次的に減少する形状であっても良い。また、延設部411の先端部と基端部とで延設部411を構成する部材の密度を変化させること、例えば、延設部411の先端部は空洞を有するが延設部411の基端部は空洞を有さない構成とし、延設部411の先端部が基端部よりも軽くなる構成とし、先端部に向かって質量が漸次的に減少する構成であっても良い。
本実施例では、取付部材410の延設部411は、その基部(前方側)から先端部(後方側)に向かって漸減する錐台形状をなしていることで、振動センサ400が振動し易くなる。つまり、延設部411の基部に加わる振動の振幅よりも先端部の振動の振幅を大きくさせることができるため、振動センサ400が振動し易くなるので、振動センサ400が振動を検出し易くすることができる。
また、延設部411の内部に空洞部412が形成されることで、取付部材410の軽量化を図ることができ、取付位置6aから振動が取付部材410に加わったときに、この振動のエネルギーが取付部材410自体を振動させることに消費されてしまうことを抑えることができ、その先端部の振動センサ400が振動し易くなる。
また、取付部材410の延設部411は、延設部411の前後方向(延設方向)における突出寸法Lが、上下方向における高さ寸法Hよりも長く(L>H)なっている(図10(A)参照)。また、取付部材410の延設部411は、延設部411の前後方向(延設方向)における突出寸法Lが、左右方向(水平方向)における幅寸法Wよりも長く(L>W)なっている(図10(B)参照)。
尚、本実施例では、延設部411がその基部(前方側)から先端部(後方側)に向かって漸減する錐台形状をなし、最も長い(大きい)寸法である基部における高さ寸法H及び幅寸法Wよりも、突出寸法Lが長くなっている。また、延設部411において、少なくとも最も短い(小さい)寸法である先端部における高さ寸法H及び幅寸法Wよりも、突出寸法Lが長くなっていれば良い。また、延設部411の周面に凹凸がある形状である場合には、少なくとも最も短い(小さい)寸法の部分の高さ寸法Hまたは幅寸法Wよりも、突出寸法Lが長くなっていれば良い。このようにすることで、取付位置6aから加わる振動が取付部材410の延設部411により増幅され、その先端部の振動センサ400が振動し易くなるので、振動センサ400が振動を検出し易くすることができる。
尚、本実施例では、延設部411において、その左右方向(水平方向)における幅寸法Wよりもその上下方向における高さ寸法Hが短く(W>H)なっている。そのため、延設部411は、上下方向(縦方向)に揺れ易くなっており、振動センサ400を上下方向に振動し易くしている。
例えば、悪意のある遊技者がパチンコ遊技機1を叩いたり揺さぶったりして振動を与えると、パチンコ遊技機1が前後方向に揺れることになる。つまり、振動センサ400が上下方向(縦方向)に振動することになる。そのため、本実施例では、取付部材410の延設部411が後方に延設され、その先端部に振動センサ400を取り付けることで、パチンコ遊技機1の前後方向に揺れが取付部材410により増幅され、振動センサ400が上下方向に振動し易くなっている。
尚、本実施例では、延設部411において、その左右方向(水平方向)における幅寸法Wよりもその上下方向における高さ寸法Hが短く(W>H)なっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、延設部411において、その左右方向(水平方向)における幅寸法Wよりもその上下方向における高さ寸法Hを長く(H>W)しても良い。また、延設部411において、その左右方向(水平方向)における幅寸法Wとその上下方向における高さ寸法Hとが同じ長さ(W=H)であっても良い。
尚、本実施例では、延設部411は、その基部(前方側)から先端部(後方側)に向かって漸減する錐台形状をなしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、延設部411がその先端部(後方側)からその基部(前方側)に向かって漸減する錐台形状を成していても良い。
尚、本実施例では、延設部411の内部に空洞部412が形成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、延設部411は、空洞部412を有さない構成であっても良い。また、延設部411は、板状や棒状などのその他の形状をしていても良い。
尚、本実施例では、振動センサ400を取付位置6aに取り付けるための取付部材410が単体の部材として構成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出制御基板80や主基板31などが収納される基板収納ケースの一部に、後方に向かって延びる延設部を形成し、その前後方向(延設方向)における突出寸法Lが、上下方向における高さ寸法Hまたは幅寸法Wよりも長くなっており、この延設部に振動センサ400が設けられる構成であっても良い。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。先ず、主基板31(遊技制御用マイクロコンピュータ156)の動作について説明する。パチンコ遊技機1に対して電源が投入され電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ156にてメイン処理が実行される。メイン処理では、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになる。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ156(CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、S1以降のメイン処理(図示略)を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(S1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(S2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)及びPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(S4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(S5)。尚、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(S6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(S10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えば、パリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(S7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(S8)。本実施例では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、S8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(S41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(S42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。S41及びS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。また、初期化してもよい部分とは、例えば、後述するエラー検出処理(図19参照)にてセットされる第1エラーフラグがセットされているか否かの状態が保存されている領域や、役物ユニット内遊技球数カウンタ(図21(A))、単位期間カウンタ(図21(B))、観測期間カウンタ(図21(C))が保存されている領域などである。尚、遊技状態復旧処理の実行後には、第1エラーフラグに初期値が設定され、役物ユニット内遊技球数カウンタ(図21(A))、単位期間カウンタ(図21(B))、観測期間カウンタ(図21(C))に記憶された値はクリア(消去)される。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(S43)。そして、S14に移行する。尚、本実施例では、CPU56は、S43の処理において、バックアップRAMに保存されていた合計保留記憶数カウンタの値を設定した合計保留記憶数指定コマンドも演出制御基板80に対して送信する。
尚、本実施例では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。即ち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(S10)。尚、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(S12)。
S11及びS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。尚、初期化処理の実行後には、第1エラーフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ156が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある)をサブ基板に送信する(S13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータは、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、即ち初期化報知を行う。また、CPU56は、S13において、役物ユニットYのコントローラ701に対して役物モータMの駆動制御を開始させるための起動信号(起動指定コマンド)を送信する。コントローラ701は、出力回路59を介して遊技制御用マイクロコンピュータ156(CPU56)から起動信号を受信することで役物モータMの駆動制御を開始する。
また、CPU56は、乱数回路60を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(S14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路60にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、S15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ156に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行う。即ち、初期値として、例えば、2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。本実施例では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(S10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(S17)及び初期値用乱数更新処理(S18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理及び初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(S16)、表示用乱数更新処理及び初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(S19)。
本実施例では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。本実施例では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ156が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
尚、本実施例では、リーチ演出は、演出表示装置9において変動表示される演出図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、乱数を用いた抽選によって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータである。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図16に示すタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20a)。電源断信号は、例えば、電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。
次いで、CPU56は、後述するエラー検出処理(図19参照)にてセットされる第1エラーフラグまたは第2エラーフラグがセットされているか否かを判定する(S20b)。ここで、第1エラーフラグまたは第2エラーフラグがセットされている場合は、後述するS35に進む。一方、第1エラーフラグまたは第2エラーフラグがセットされていない場合は、S21に進む。
S21においてCPU56は、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動入賞口スイッチ14a、第2始動入賞口スイッチ570、カウントスイッチ23、排出口スイッチ220及び流入口スイッチ230等の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(S22a)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b及び普通図柄表示器10については、後述するS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次に、CPU56は、振動センサ400により所定回数以上の振動を検出したか否かを判定し、判定結果に基づいて第1エラーフラグまたは第2エラーフラグをセットするエラー検出処理を実行する(S22b)。尚、エラー検出処理については後述する(図19参照)。
次いで、CPU56は、エラー検出処理にてセットされる第1エラーフラグまたは第2エラーフラグがセットされているか否かを判定する(S22c)。ここで、第1エラーフラグまたは第2エラーフラグがセットされている場合は、後述するS35に進む。一方、第1エラーフラグまたは第2エラーフラグがセットされていない場合は、S23に進む。
S23においてCPU56は、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、更に、初期値用乱数及び表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
更に、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b及び大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータに演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:S28)。
更に、CPU56は、例えば、ホールコンピュータ(図示略)に供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(S29)。
また、CPU56は、第1始動入賞口スイッチ14a、第2始動入賞口スイッチ570、排出口スイッチ220及びカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(S30)。具体的には、第1始動入賞口スイッチ14a、第2始動入賞口スイッチ570、排出口スイッチ220及びカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
本実施例では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(S32)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22aにおいて駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8a及び第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示を実行する。
更に、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(S33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」及び「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22aにおいて駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。
尚、前述したS20bまたはS22cにおいて第1エラーフラグまたは第2エラーフラグがセットされている場合に進むS35において、CPU56は、接続信号出力停止処理を行う。この接続信号出力停止処理では、遊技球の発射を停止するために、払出制御基板37に対する接続信号の出力を停止する。
本実施例では、主基板31とカードユニット50との双方から払出制御基板37に対して接続信号が出力されているときに、払出制御基板37から打球発射装置98に発射制御信号が出力されるように構成されている。そして、打球発射装置98は、少なくとも払出制御基板37から発射制御信号が出力されていなければ、遊技球を発射するための駆動モータに通電しないように構成されている。そのため、主基板31から払出制御基板37に対して接続信号が出力されていなければ、打球操作ハンドル5が操作されたとしても駆動モータが駆動されず、遊技球が発射されることはない。従って、本実施例では、第1エラーフラグまたは第2エラーフラグがセットされている場合、つまり振動検出エラーとなっているときには、S35において、払出制御基板37に対する接続信号の出力が停止されることによって、遊技球が発射されない発射停止状態に移行される。そのため、不要な遊技球の消費を抑えることができる。
本実施例では、第1エラーフラグまたは第2エラーフラグがセットされている場合にタイマ割込がかかる度に接続信号出力停止処理(S35)を行うことで、遊技球が発射されない発射停止状態が維持される。尚、第1エラーフラグまたは第2エラーフラグがクリアされると、接続信号出力停止処理(S35)が行われず、遊技球が発射可能な状態に制御される。
尚、本発明はこれに限定されるものではなく、発射停止状態に制御するために、例えば、CPU56から打球発射装置98に対して発射停止信号を出力し、発射停止信号を入力した打球発射装置98において、打球操作ハンドル5が操作されたとしても駆動モータを駆動せず、遊技球が発射されないように制御するようにしてもよい。その場合には、S35の処理において、既に発射停止信号が出力されている場合には、再び発射停止信号を出力しないようにしてもよい。また、接続信号出力停止処理が1度行われ、既に発射停止信号が出力されている場合には、以降のタイマ割込処理において、接続信号出力停止処理を省略するようにしてもよい。尚、打球発射装置98における制御状態は、電源再投入によって初期化される。即ち遊技球が発射可能な状態に制御される。
次いで、CPU56は、第2エラーフラグがセットされているか否かを判定する(S36)。ここで、第2エラーフラグがセットされていない場合は、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。一方、第2エラーフラグがセットされている場合は、S37に進む。
S37においてCPU56は、第2エラーフラグのセット後に所定時間経過したときに、第2エラーフラグをクリアするためのエラー解除処理を実行する(S37)。尚、エラー解除処理については後述する(図20参照)。その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。
以上の制御によって、本実施例では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。尚、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるS21〜S33(S22b、S22c、S29を除く)の処理に相当する。また、本実施例では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では、例えば、タイマ割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図17は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ156(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(S26)のプログラムを示すフローチャートである。先ず、CPU56は、第1始動入賞口または第2始動入賞口569のどちらに遊技球が入賞したかや、各遊技用乱数値MR1〜MR4の抽出及び記憶を行う始動入賞処理を実行する(S300−)。尚、始動入賞処理においては、CPU56は、遊技球が入賞した始動入賞口に応じて、図12(A)及び図12(B)に示す始動入賞指定コマンド等を演出制御基板80に対して送信するための送信設定を実行する。
S300−の処理の実行後は、内部状態に応じて、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。S300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ156は、特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合計保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合計保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合計保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS301に応じた値(この例では1)に更新する。尚、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにクリアされる。
変動パターン設定処理(S301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(変動表示時間:変動表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の変動表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(S302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータに、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(S303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S301でセットされる変動時間タイマがタイムアウト、即ち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(S304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータに、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグ及び小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。尚、演出制御用マイクロコンピュータは、遊技制御用マイクロコンピュータ156が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(S305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306に対応した値(この例では6)に更新する。尚、大入賞口開放前処理はラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(S306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータに送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(S307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータに行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(S308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、役物ユニット入賞口305を開放する制御を行う。具体的には、ソレノイド22を駆動して役物ユニット入賞口305を開放状態にする。また、タイマによって小当り開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS309に対応した値(この例では9)に更新する。尚、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(S309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。役物ユニット入賞口305の閉成条件の成立を確認する制御と、V入賞スイッチ210による遊技球の検出の成立を確認する制御と、を行う。役物ユニット入賞口305の閉成条件が成立した場合及びV入賞スイッチ210による遊技球の検出が成立した場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(S310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータに行わせるための制御を行う。そして、小当り開放中処理でV入賞スイッチ210による遊技球の検出が成立している場合は、該V入賞スイッチ210による遊技球の検出に基づき、V入賞大当りとしての大当り種別を決定する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当り開放中処理でV入賞スイッチ210による遊技球の検出が成立していない場合は、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図18は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合計保留記憶数の値を確認する(S51)。具体的には、合計保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合計保留記憶数が0であれば処理を終了し、合計保留記憶数が0でなければS52に進み、第1特図保留記憶数の値を確認する(S52)。
具体的には、第1特図保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。第1特図保留記憶数が0でなければ、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第1」を示すデータを設定する(S53)。一方、第1特図保留記憶数が0であれば、CPU56は、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定する(S54)。つまり、本実施例では、第1特図保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄の変動表示が第2特別図柄の変動表示よりも優先して実行されるようになっており(第1保留優先消化)、第2特別図柄の変動表示は第1特別図柄の変動表示よりも表示結果が導出され難くなっている。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1特図保留記憶数バッファにおける第1特図保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2特図保留記憶数バッファにおける第2特図保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1特図保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1特図保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2特図保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2特図保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
即ち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1特図保留記憶数バッファにおいて第1特図保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1特図保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2特図保留記憶数バッファにおいて第2特図保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2特図保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1特図保留記憶数(または、各第2特図保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1特図保留記憶数(または、第2特図保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、特別図柄保留記憶表示器18の表示を1減らし(S57)、かつ合計保留記憶数の値を1減らす(S58)。
また、CPU56は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値にもとづいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータに送信する制御を行う(S59)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1特図保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2特図保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、即ち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口569を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータ、即ち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域から乱数値MR1(特図表示結果判定用)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する(S61)。尚、この場合、CPU56は、始動入賞処理で抽出した第1特図保留記憶バッファや第2特図保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値(図14(A)参照)と乱数値MR1とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。即ち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、CPU56は、乱数値MR1の値が図14(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S61;Yes)、S71に移行する。尚、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
S61において大当りとしないことに決定した場合には(S61;No)、CPU56は、あらかじめ決められている小当り判定値(図14(A)参照)と乱数値MR1とを比較し、乱数値MR1の値が図14(A)に示すいずれかの小当り判定値に一致するか否かを判定する(S62)。乱数値MR1の値がいずれかの小当り判定値に一致する場合は、小当りであることを示す小当りフラグをセットしてS75に移行し、乱数値MR1の値がいずれの小当り判定値にも一致しない場合は、S63を経由せずにS75に移行する。
S71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。次いで、図14(B)に示す大当り種別決定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数値MR2の値と一致する値に対応した種別(「5ラウンド大当り」、「15ラウンド大当り」のいずれか)を大当りの種別に決定する(S73)。この場合、CPU56は、S300−の始動入賞処理において抽出し第1特図保留記憶バッファや第2特図保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用の乱数値MR2を読み出し、大当り種別の決定を行う。
そして、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。例えば、大当り種別が「5ラウンド大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「15ラウンド大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(S75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別バッファの設定値から特定される大当り種別に応じて、種別毎に異なる大当り図柄となる所定の大当り記号を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる、大当り記号とは異なる小当り記号を特別図柄の停止図柄に決定する。このように、大当り図柄を複数種類の大当り記号のうちから決定することで、遊技者に大当りであるかを特別図柄によって特定し難くすることができる。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新し(S76)、処理を終了する。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ156のCPU56が実行するエラー検出処理を図19、図21及び図22に基づいて説明する。本実施例では、振動センサ400が振動を検出する度に振動パルス(検出信号)が出力され、この振動パルスが遊技制御用マイクロコンピュータ156に入力される。CPU56は、この振動パルスの入力回数(振動の検出回数)をカウントし、この検出回数が所定の閾値以上である場合には、パチンコ遊技機1において特定の強さの振動(不正行為に起因する振動)が発生したものと判定する。尚、この検出回数が所定の閾値未満である場合には、パチンコ遊技機1内の遊技球の動きや可動役物等の動きにより生じた振動(不正行為による振動ではない)として、特定の強さの振動が発生したものと判定しないようにしている。
図22に示すように、本実施例では、CPU56は、予め決められた一定の期間(時間)である単位期間(例えば120ms;0.12秒)毎に、振動の検出回数をカウントする。更に、CPU56は、単位期間の整数(自然数)倍(例えば10倍)の期間である観測期間(例えば1200ms;1.2秒)内に、振動の検出回数が所定の閾値以上であるか否かを判定する。尚、CPU56は、単位期間が経過する毎に、観測期間の対象として含まれる単位期間をシフト更新する。例えば、1番目から10番目の単位期間が観測期間の対象となっている場合に、単位期間が経過すると、観測期間内において最も古い1番目の単位期間を観測期間の対象から外すとともに、次の2番目から11番目の単位期間を新たに観測期間の対象として設定し直す。そして、CPU56は、この新たに設定された観測期間内に、振動の検出回数が所定の閾値以上であるか否かを判定し、これを順次繰り返す処理を行う。
例えば、図22(A)に示すように、1番目の単位期間内に4回の振動が検出され、2番目の単位期間内に2回の振動が検出され、3番目の単位期間内に2回の振動が検出され、4番目の単位期間内に1回の振動が検出され、5番目の単位期間内に0回の振動が検出され、6番目の単位期間内に0回の振動が検出され、7番目の単位期間内に0回の振動が検出され、8番目の単位期間内に0回の振動が検出され、9番目の単位期間内に1回の振動が検出され、10番目の単位期間内に1回の振動が検出された場合には、観測期間内における検出回数は11回となる。
そして、図22(B)に示すように、観測期間の対象の単位期間をシフト更新した後において、11番目の単位期間内に8回の振動が検出された場合には、1番目の単位期間が観測期間の対象から外されるため、観測期間内における検出回数は15回となる。また、図22(C)に示すように、更に観測期間の対象の単位期間をシフト更新した後において、12番目の単位期間内に6回の振動が検出された場合には、2番目の単位期間が観測期間の対象から外されるため、観測期間内における検出回数は19回となる。
また、本実施例では、役物ユニットY内に遊技球が有るか否かにより判定に用いる閾値を異ならせている。つまり、出玉に影響があるときと出玉に影響がないときとで閾値を異ならせている。例えば、役物ユニットY内に遊技球が有る場合には、観測期間用第1閾値(1回)が用いられ、役物ユニットY内に遊技球が無い場合には、観測期間用第2閾値(12回)が用いられる。役物ユニットY内に遊技球が有る場合には、悪意のある遊技者により不正行為が行われ易いので、観測期間用第2閾値(12回)よりも観測期間用第1閾値(1回)の方が厳しい閾値(シビアな条件)となっている。
また、図21に示すように、本実施例では、遊技制御用マイクロコンピュータ156のRAM55内の記憶領域に、役物ユニット内遊技球数カウンタ(図21(A))と、単位期間カウンタ(図21(B))と、観測期間カウンタ(図21(C))とが設けられている。
役物ユニット内遊技球数カウンタ(図21(A))は、役物ユニットY内に有る遊技球の個数をカウントするものであって、役物ユニットYに流入する遊技球を検出(カウント)する流入口スイッチ230による遊技球のカウント数から、役物ユニットYから排出される遊技球を検出(カウント)する排出口スイッチ220による遊技球のカウント数を減算した値が記憶される。
単位期間カウンタ(図21(B))は、各単位期間(例えば120ms;0.12秒)当りの振動パルスの検出回数が記憶されるカウンタであって、観測期間の対象となる10個の単位期間における振動パルスの検出回数が記憶される。本実施例では、カウンタ番号「1」〜「10」に対応付けて、各単位期間の検出回数を記憶する領域が設けられている。例えば、カウンタ番号「1」に対応する記憶領域には、観測期間における最も古い単位期間に対応する振動パルスの検出回数が記憶され、カウンタ番号「10」に対応する記憶領域には、最も新しい単位期間に対応する振動パルスの検出回数が記憶される。尚、振動パルスの入力がある度に、カウンタ番号「10」に対応する記憶領域の検出回数に1が加算される。
また、単位期間が経過する毎に、カウンタ番号「1」に対応する記憶領域の検出回数が消去され、カウンタ番号「2」〜「10」に対応する記憶領域の検出回数が、それぞれ上位のカウンタ番号「1」〜「9」に対応する記憶領域にシフトして更新する。そして上位にシフトされることによりカウンタ番号「10」に対応する記憶領域の検出回数は消去され、再び振動パルスの入力がある度に、カウンタ番号「10」に対応する記憶領域の検出回数に1が加算されるようになる。
尚、初期状態(電源投入時)には、全てのカウンタ番号「1」〜「10」に対応する記憶領域の検出回数がクリア(消去)されており、最初に振動パルスの入力があると、カウンタ番号「10」に対応する記憶領域の検出回数に1が加算される。つまり、カウンタ番号「10」に対応する記憶領域は、検出回数の入力用記憶領域となっている。
観測期間カウンタ(図21(C))は、単位期間カウンタの各記憶領域に記憶される検出回数の合計値を記憶する。観測期間カウンタの値は、振動パルスの入力がある度(単位期間カウンタが更新される度)に更新される。
図19は、エラー検出処理を示すフローチャートである。エラー検出処理において、CPU56は、単位期間を計数する単位期間タイマの値を1減算する(S401)。そして、単位期間タイマがタイマアップしたか否かを判定する(S402)。ここで、単位期間タイマがタイマアップしていない場合は、後述するS415に進む。一方、単位期間タイマがタイマアップした場合は、S403に進む。
S403においてCPU56は、役物ユニット内遊技球数カウンタ(図21(A))の値が「0」か否かを判定する。つまり、役物ユニットY内に遊技球が有るか否かを判定する。ここで、役物ユニット内遊技球数カウンタの値が「0」でない場合(役物ユニットY内に遊技球が有る場合)は、S404に進む。一方、役物ユニット内遊技球数カウンタの値が「0」である場合(役物ユニットY内に遊技球が無い場合)は、S408に進む。
S404においてCPU56は、観測期間カウンタ(図21(C))の合計検出回数が観測期間用第1閾値以上か否かを判定する。尚、本実施例では、観測期間用第1閾値として「1回」が予め設定されている。ここで、観測期間カウンタの合計検出回数が観測期間用第1閾値以上でない(観測期間用第1閾値未満である)場合は、後述するS412に進む。一方、観測期間カウンタの合計検出回数が観測期間用第1閾値以上である場合は、第1エラーフラグをセットし(S405)、第1エラー報知開始指定コマンドを演出制御基板80に対して送信し(S406)、後述するS407に進む。
S408においてCPU56は、観測期間カウンタ(図21(C))の合計検出回数が観測期間用第2閾値以上か否かを判定する。尚、本実施例では、観測期間用第2閾値として「12回」が予め設定されている。ここで、観測期間カウンタの合計検出回数が観測期間用第2閾値以上でない(観測期間用第2閾値未満である)場合は、後述するS412に進む。一方、観測期間カウンタの合計検出回数が観測期間用第2閾値以上である場合は、第2エラーフラグをセットし(S409)、第2エラー報知開始指定コマンドを演出制御基板80に対して送信し(S410)、エラー報知を解除するまでの期間をカウントうるエラー解除待ちタイマのカウントを開始し(S411)、S407に進む。尚、本実施例では、エラー解除待ちタイマのカウント値として「5秒間」に対応する値がカウント開始時にセットされる。
本実施例では、後述するように、第1エラー報知開始指定コマンドを演出制御基板80が受信することにより実行される第1エラー報知画面(図26(A))は、遊技場の従業員等により行われるパチンコ遊技機1の電源終了操作(電源の再投入の操作やリセット操作等)により終了(解除)される。また、第2エラー報知開始指定コマンドを演出制御基板80が受信することにより実行される第2エラー報知画面(図26(B))は、エラー解除待ちタイマに基づく「5秒間」が経過したときに、演出制御基板80がエラー報知終了指定コマンドを受信することにより終了(解除)される。
S407においてCPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41等の表示器類を消灯し、S412に進む。本実施例では、前述したタイマ割込処理(図16)において、第1エラーフラグまたは第2エラーフラグがセットされている場合には、S23〜S33の処理を行わず、遊技に関する制御が停止されるため、この期間は表示器類を消灯して遊技者に遊技が実行中であるものと誤認されることを防止している。
S412においてCPU56は、単位期間カウンタ(図21(B))において、カウンタ番号「1」に対応する記憶領域の検出回数を消去するとともに、カウンタ番号「2」〜「10」に対応する記憶領域の検出回数を、それぞれ上位のカウンタ番号「1」〜「9」に対応する記憶領域にシフトして更新する。
次いで、CPU56は、観測期間カウンタ(図21(C))の合計検出回数を更新する(S413)。ここで、CPU56は、単位期間カウンタ(図21(B))の各記憶領域に記憶される検出回数の合計値を集計して観測期間カウンタ(図21(C))に記憶する。そして、単位期間タイマのカウントを開始し(S414)、S415に進む。尚、本実施例では、単位期間タイマのカウント値として「0.12秒(120ms)」に対応する値がカウント開始時にセットされる。
S415においてCPU56は、振動センサ400から振動パルスの入力があるか否かを判定する。ここで、振動センサ400から振動パルスの入力がない場合は、当該エラー検出処理を終了する。一方、振動センサ400から振動パルスの入力がある場合は、単位期間カウンタ(図21(B))における最下位のカウンタ番号「10」に対応する記憶領域の検出回数に1を加算し(S416)、観測期間カウンタ(図21(C))の合計検出回数を更新し(S417)、当該エラー検出処理を終了する。
本実施例では、単位期間が経過する毎に、特定の強さの振動(不正行為に起因する振動)が発生した否かを判定しているため、1割り込み毎に判定することと比較して、CPU56の処理負荷が低減できる。尚、本発明はこれに限定されるものではなく、特定の強さの振動が発生した否かの判定を1割り込み毎に行っても良い。
本実施例では、単位期間が経過する毎に、特定の強さの振動(不正行為に起因する振動)が発生した否かを判定しているため、単位期間が経過する毎に判定が可能であるため、判定に用いる観測期間(サンプリング期間)が途切れることがなくなり、振動の検出漏れを防止できる。
また、本実施例では、タイマ割込処理(図16参照)において1割り込み毎にエラー検出処理を実行している。つまり、電源投入時から電源停止時までの期間(但し、既にエラーを検出した状態である第1または第2エラーフラグセット中の期間を除く)に亘って振動センサ400から振動パルスの入力があるか否かを判定している。そのため、振動を検出していない期間が生じることを防ぐことができ、振動の検出漏れを防ぐことができる。
尚、本実施例では、観測期間カウンタ(図21(C))の合計検出回数のみに基づいて特定の強さの振動(不正行為に起因する振動)が発生した否かを判定しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他の値、例えば、単位期間カウンタ(図21(B))の検出回数の値を用いて特定の強さの振動(不正行為に起因する振動)が発生した否かを判定しても良い。
ここで、変形例としてのエラー検出処理を図27に基づいて説明する。図27は、変形例におけるエラー検出処理を示すフローチャートである。変形例におけるエラー検出処理は、前述したエラー検出処理のS404及びS408の処理が異なるのみで、他のステップは、前述したエラー検出処理と同一となっているので、他のステップの説明は省略する。
変形例では、S403において役物ユニット内遊技球数カウンタの値が「0」でない場合(役物ユニットY内に遊技球が有る場合)に進むS404aにおいて、CPU56は、観測期間カウンタ(図21(C))の合計検出回数が観測期間用第1閾値以上か否かを判定する。尚、本実施例では、観測期間用第1閾値として「26回」が予め設定されている。ここで、観測期間カウンタの合計検出回数が観測期間用第1閾値以上である場合は、S405に進む。一方、観測期間カウンタの合計検出回数が観測期間用第1閾値以上でない(観測期間用第1閾値未満である)場合は、S404bに進む。
S404bにおいてCPU56は、単位期間カウンタ(図21(B))における最下位のカウンタ番号「10」に対応する記憶領域の検出回数が単位期間用第1閾値以上か否かを判定する。尚、本実施例では、単位期間用第1閾値として「3回」が予め設定されている。ここで、単位期間カウンタの検出回数が単位期間用第1閾値以上である場合は、S405に進む。一方、単位期間カウンタの検出回数が単位期間用第1閾値以上でない(単位期間用第1閾値未満である)場合は、S412に進む。
また、S403において役物ユニット内遊技球数カウンタの値が「0」である場合(役物ユニットY内に遊技球が無い場合)に進むS408aにおいて、CPU56は、観測期間カウンタ(図21(C))の合計検出回数が観測期間用第2閾値以上か否かを判定する。尚、本実施例では、観測期間用第2閾値として「45回」が予め設定されている。ここで、観測期間カウンタの合計検出回数が観測期間用第2閾値以上である場合は、S409に進む。一方、観測期間カウンタの合計検出回数が観測期間用第2閾値以上でない(観測期間用第2閾値未満である)場合は、S408bに進む。
S408bにおいてCPU56は、単位期間カウンタ(図21(B))における最下位のカウンタ番号「10」に対応する記憶領域の検出回数が単位期間用第2閾値以上か否かを判定する。尚、本実施例では、単位期間用第2閾値として「6回」が予め設定されている。ここで、単位期間カウンタの検出回数が単位期間用第2閾値以上である場合は、S409に進む。一方、単位期間カウンタの検出回数が単位期間用第2閾値以上でない(単位期間用第2閾値未満である)場合は、S412に進む。
このように変形例としてのエラー検出処理では、観測期間カウンタ(図21(C))と単位期間カウンタ(図21(B))の双方の検出回数の値を用いて特定の強さの振動(不正行為に起因する振動)が発生した否かを判定している。尚、単位期間カウンタ(図21(B))のみの検出回数の値を用いて特定の強さの振動(不正行為に起因する振動)が発生した否かを判定するようにしても良い。
尚、本実施例では、電源投入時のおける最初の割込処理において、単位期間カウンタの全てのカウンタ番号「1」〜「10」に対応する各記憶領域には「0回」の検出回数が記憶される(電源供給停止前の記憶内容が消去される)とともに、電源投入時から観測期間(例えば1200ms;1.2秒)が経過する前であっても、観測期間カウンタの合計検出回数が観測期間用第1閾値または観測期間用第2閾値以上であるか否かを判定するようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、電源投入時から観測期間(例えば1200ms;1.2秒)が経過するまで、つまり、単位期間カウンタの全てのカウンタ番号「1」〜「10」に対応する各記憶領域が振動の検出結果(検出無しを含む)に基づく検出回数を記憶するまで、観測期間カウンタの合計検出回数が観測期間用第1閾値または観測期間用第2閾値以上であるか否かを判定しないように(判定待ち)しても良い。
また、変形例においても、電源投入時から観測期間(例えば1200ms;1.2秒)が経過するまで、観測期間カウンタの合計検出回数が観測期間用第1閾値または観測期間用第2閾値以上であるか否かを判定しないように(判定待ち)しても良く、その場合に、単位期間カウンタにおける最下位のカウンタ番号「10」に対応する記憶領域の検出回数が単位期間用第1閾値または単位期間用第2閾値以上か否かの判定については行うようにしても良い。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ156のCPU56が実行するエラー解除処理を図20に基づいて説明する。図20は、エラー解除処理を示すフローチャートである。エラー解除処理において、CPU56は、第2エラーフラグがセットされたときにカウントが開始されるエラー解除待ちタイマの値を1減算する(S431)。
次いで、CPU56は、エラー解除待ちタイマがタイマアップしたか否かを判定する(S432)。ここで、エラー解除待ちタイマがタイマアップしていない場合は、当該エラー解除処理を終了する。一方、エラー解除待ちタイマがタイマアップした場合は、エラー報知終了指定コマンドを演出制御基板80に対して送信する(S433)。
そして、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41等の表示器類の表示を再開し(S434)、単位期間カウンタ(図21(B))の全てのカウンタ番号「1」〜「10」に対応する記憶領域の検出回数をクリア(消去)し(S435)、観測期間カウンタ(図21(C))の合計検出回数をクリア(消去)し(S436)、当該エラー解除処理を終了する。
このように第2エラーフラグがセットされている第2エラー状態においては、エラー解除処理において、単位期間カウンタ及び観測期間カウンタの値がクリア(消去)される。尚、第1エラーフラグがセットされている第1エラー状態においては、遊技機の起動時の初期化処理において、単位期間カウンタ及び観測期間カウンタの値がクリアされる。尚、電力供給が停止したときに、RAMの記憶内容が揮発され、それにより単位期間カウンタ及び観測期間カウンタの値がクリアされても良い。また、不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、遊技機の起動時の遊技状態復旧処理において、単位期間カウンタ及び観測期間カウンタの値がクリアされる。
このように本実施例では、役物ユニットY内に遊技球が有るときに特定の強さの振動(不正行為に起因する振動)が発生したと判定したときと、役物ユニットY内に遊技球が無いときに特定の強さの振動(不正行為に起因する振動)が発生したと判定したときとで、エラーフラグがクリアされる条件を異ならせている。つまり、出玉に影響があるときと出玉に影響がないときとでエラーフラグがクリアされる条件を異ならせている。出玉に影響があるときにセットされる第1エラーフラグは、電源の再投入などの店員の介入によりクリアされ、出玉に影響がないときにセットされる第2エラーフラグは、所定時間の経過など、店員の手間をかけずにクリアされる。
次に、演出制御基板80の動作について説明する。演出制御基板80では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用マイクロコンピュータ(演出制御用CPU)が起動して、図23のフローチャートに示すように演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S700)。その後、演出制御用CPUは、動作検出処理部に関する設定を実施するための動作検出処理部設定処理(S701)を実施した後、タイマ割込フラグの監視(S702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPUは、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセット(タイマ割込フラグに「1」がセット)されていたら、演出制御用CPUは、そのフラグをクリア(タイマ割込フラグに「0」をセット)し(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPUは、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:S704)。
例えば、第1エラー報知開始指定コマンドを受信した場合は、第1エラー報知開始指定コマンド受信フラグをセットし、第2エラー報知開始指定コマンドを受信した場合は、第2エラー報知開始指定コマンド受信フラグをセットし、エラー報知終了指定コマンドを受信した場合は、エラー報知終了指定コマンド受信フラグをセットする。
次いで、演出制御用CPUは、後述するエラー報知処理(図25参照)においてエラー報知中にセットされるエラー報知中フラグがセットされているか否かを判定する(S704+)。ここで、エラー報知中フラグがセットされている場合は、後述するS707に進む。一方、エラー報知中フラグがセットされていない場合は、S705に進む。
S705において演出制御用CPUは、演出制御プロセス処理(図24参照)を行う。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行し(S706)、S707に進む。
S707において演出制御用CPUは、後述するエラー報知処理(図25参照)を実行する。その後、S702に移行する。
尚、CPU56から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、演出制御用マイクロコンピュータのRAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンドであるのか解析する。
図24は、図23に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPUは、演出制御プロセスフラグの値に応じてS801〜S808のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。尚、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、1つの演出制御プロセス処理において実行される。
S801の変動表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この変動表示開始待ち処理は、主基板31からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、演出表示装置9における演出図柄の変動表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
S802の変動表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この変動表示開始設定処理は、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bによる特図ゲームにおいて特別図柄の変動表示が開始されることに対応して、演出表示装置9における演出図柄の変動表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定演出図柄や各種の演出制御パターンを判定する処理などを含んでいる。
S803の変動表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この変動表示中演出処理において、演出制御用CPUは、RAMの所定領域に格納されている演出制御タイマ設定部に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、演出図柄の変動表示中における各種の演出制御を行う。こうした演出制御を行った後、例えば、特図変動時演出制御パターンから演出図柄の変動表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板31から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、演出図柄の変動表示結果となる最終停止図柄としての確定演出図柄を完全停止表示させる。特図変動時演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して確定演出図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する変動表示時間が経過したときに、主基板31からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板80の側で自律的に確定演出図柄を導出表示して変動表示結果を確定させることができる。確定演出図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S804の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPUは、主基板31から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信したときに、その当り開始指定コマンドが小当り遊技状態の開始を指定するもの(小当り開始指定コマンド)であれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「はずれ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
S805の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPUは、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を演出表示装置9の表示画面に表示させることや、音声制御基板70に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ27から音声や効果音を出力させること、ランプドライバ基板35に対する指令(電飾信号)の出力により装飾LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、主基板31からV入賞通知コマンドを受信したことに対応して、実行中の演出制御に替えて、V入賞(小当り遊技中におけるV入賞スイッチ210での遊技級の検出)に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を演出表示装置9の表示画面に表示させることや、音声制御基板70に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ27から音声や効果音を出力させること、ランプドライバ基板35に対する指令(電飾信号)の出力により装飾LEDを点灯/消灯/点滅させることといったV入賞報知用の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板31からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新する。
S806の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPUは、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を演出表示装置9の表示画面に表示させることや、音声制御基板70に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ27から音声や効果音を出力させること、ランプドライバ基板35に対する指令(電飾信号)の出力により装飾LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、主基板31からV入賞通知コマンドを受信していない場合は演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、主基板31からV入賞通知コマンドを受信している場合は演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する。
S807の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPUは、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を演出表示装置9の表示画面に表示させることや、音声制御基板70に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ27から音声や効果音を出力させること、ランプドライバ基板35に対する指令(電飾信号)の出力により装飾LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板31からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新する。
S808のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPUは、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を演出表示装置9の表示画面に表示させることや、音声制御基板70に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ27から音声や効果音を出力させること、ランプドライバ基板35に対する指令(電飾信号)の出力により装飾LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ(演出制御用CPU)が実行するエラー報知処理を図25に基づいて説明する。図25は、エラー報知処理を示すフローチャートである。エラー報知処理において、演出制御用CPUは、エラー報知中フラグがセットされているか否かを判定する(S451)。ここで、エラー報知中フラグがセットされていない場合は、後述するS456に進む。一方、エラー報知中フラグがセットされている場合は、S452に進む。
S452において演出制御用CPUは、エラー報知終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する。ここで、エラー報知終了指定コマンド受信フラグがセットされていない場合は、当該エラー報知処理を終了する。一方、エラー報知終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合は、S453に進む。
S453において演出制御用CPUは、エラー報知終了指定コマンド受信フラグをクリアする。そして、後述する第2エラー報知画面(図26(B))の表示を終了し(S454)、エラー報知中フラグをクリアし(S455)、当該エラー報知処理を終了する。
前述したS451にてエラー報知中フラグがセットされていない場合に進むS456において、演出制御用CPUは、第1エラー報知開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する。ここで、第1エラー報知開始指定コマンド受信フラグがセットされていない場合は、後述するS457に進む。一方、第1エラー報知開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合は、S461に進む。
S461において演出制御用CPUは、第1エラー報知開始指定コマンド受信フラグをクリアする。そして、演出制御用CPUは、第1エラー報知画面(図26(A))の表示を開始し(S462)、ランプ点灯報知を開始し(S463)、スピーカ音報知を開始し(S464)、後述するS460に進む。
図26(A)に示すように、本実施例では、第1エラー報知開始指定コマンドを演出制御基板80が受信することにより実行される第1エラー報知、つまり役物ユニットY内に遊技球が有る場合に特定の強さの振動(不正行為に起因する振動)が発生したものと判定したときに実行される第1エラー報知では、演出表示装置9に第1エラー報知画面を表示する。この第1エラー報知画面では、「店員をお呼び下さい 振動検出エラー 電源を再投入して下さい」等の遊技者に対して店員を呼ぶことを促すとともに、電源を再投入しなければならないことを示す報知を行う。また、パチンコ遊技機1に搭載された各LEDを点滅させる制御を行うとともに、スピーカ27を用いてエラー報知音を出力させる制御を行い、周囲の他の遊技者や店員に対してエラーが発生していることを報知する。
S457において、演出制御用CPUは、第2エラー報知開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する。ここで、第2エラー報知開始指定コマンド受信フラグがセットされていない場合は、当該エラー報知処理を終了する。一方、第2エラー報知開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合は、S458に進む。
S458において演出制御用CPUは、第2エラー報知開始指定コマンド受信フラグをクリアする。そして、演出制御用CPUは、第2エラー報知画面(図26(B))の表示を開始し(S459)、後述するS460に進む。
図26(B)に示すように、本実施例では、第2エラー報知開始指定コマンドを演出制御基板80が受信することにより実行される第2エラー報知、つまり役物ユニットY内に遊技球が無い場合に特定の強さの振動(不正行為に起因する振動)が発生したものと判定したときに実行される第2エラー報知では、演出表示装置9に第2エラー報知画面を表示する。この第2エラー報知画面では、「振動検出エラー しばらくお待ち下さい」等の所定時間が経過すればエラーが終了する旨を示す報知を行う。尚、第2エラー報知では、各LEDを点滅させる制御やスピーカ27を用いてエラー報知音を出力させる制御を行わないようにしている。
このように本実施例では、役物ユニットY内に遊技球が有るときに特定の強さの振動(不正行為に起因する振動)が発生したと判定したときと、役物ユニットY内に遊技球が無いときに特定の強さの振動(不正行為に起因する振動)が発生したと判定したときとで、演出制御基板80が実行するエラー報知の報知態様を異ならせている。つまり、出玉に影響があるときと出玉に影響がないときとでエラー報知の報知態様を異ならせている。出玉に影響があるときの第1エラー報知では、第1エラー報知画面の表示とともに各LEDの点滅やエラー報知音を出力させることで、周囲の他の遊技者や店員にエラーが発生したことを認識させて不正行為を抑制できる。また、出玉に影響がないときの第2エラー報知では、第2エラー報知画面の表示のみとし、過剰な報知を行わずに遊技者に対して不快感を与えないようにできる。
S460において演出制御用CPUは、エラー報知中フラグをセットし、当該エラー報知処理を終了する。
以上、本実施例のパチンコ遊技機1にあっては、延設部411の前後方向における突出寸法Lが、延設部411の上下方向における高さ寸法Hよりも長く(L>H)なっていることで、取付位置6aの振動が取付部材410により増幅され、その先端部の振動センサ400が振動し易くなるので、振動センサ400が振動を検出し易くすることができる。
また、本実施例によれば、延設部411の基部には、取付部材410を取付位置6aに取り付けるときに位置決めを行うための突起部416が設けられることで、取付部材410を突起部416により適切な向きで位置決めを行って取付位置6aに取り付けることができる。
また、本実施例によれば、取付片414は、延設部411の中央位置C上方向に変位した位置で取付位置6aに取り付けられることで、延設部411の中央位置Cで取り付けられることと比較して、取付部材410が不安定な状態で取り付けられるため、取付部材410が振動し易くなるので、その先端部の振動センサ400が振動し易くなる。
また、本実施例によれば、延設部411は、錐台形状をなすことで、振動センサ400が振動し易くなるので、振動センサ400が振動を検出し易くすることができる。
また、本実施例によれば、延設部411は、その基部から先端部に向かって漸減する形状をなすことで、延設部411の基部に加わる振動の振幅よりも先端部の振動の振幅を大きくさせることができるため、振動センサ400が振動し易くなるので、振動センサ400が振動を検出し易くすることができる。
また、本実施例によれば、取付部材410の内部には、空洞部412が形成されることで、取付部材410の軽量化を図ることができ、取付位置6aから振動が取付部材410に加わったときに、この振動のエネルギーが取付部材410自体を振動させることに消費されてしまうことを抑えることができ、その先端部の振動センサ400が振動し易くなる。
また、本実施例によれば、取付部材410は、合成樹脂で形成されることで、ガラスや金属等と比較して柔らかい材質である合成樹脂で取付部材410が形成されるため、取付部材410が振動し易くなるので、その先端部の振動センサ400が振動し易くなる。
また、本実施例によれば、取付部材410は、遊技領域7が前面に形成された遊技盤6に取り付けられていることで、遊技に影響のある遊技領域7の振動の検出精度を向上することができる。
また、本実施例によれば、CPU56が実行する図19に示すエラー検出処理のS412において単位期間カウンタ(図21(B))において、カウンタ番号「1」に対応する記憶領域の検出回数を消去するとともに、カウンタ番号「2」〜「10」に対応する記憶領域の検出回数を、それぞれ上位のカウンタ番号「1」〜「9」に対応する記憶領域にシフトして更新し、この合計検出回数が観測期間用第1閾値または観測期間用第2閾値以上か否かを判定することで、判定を短期間に行うことができる。
また、本実施例によれば、観測期間は、単位期間の整数倍(自然数倍)の期間であることで、単位期間が経過する毎に、合計検出回数を特定し直すときに、その合計検出回数に対応する観測期間に、単位期間が経過する前後の各単位期間が重複して含まれるようになるので、所定の単位期間に検出された振動が合計検出回数に含まれなくなることを防止できる。
また、本実施例によれば、CPU56が実行する図19に示すエラー検出処理のS413において単位期間カウンタ(図21(B))の各記憶領域に記憶される検出回数の合計値を集計して観測期間カウンタ(図21(C))に記憶することで、単位期間が経過する毎に合計検出回数を特定し直すときに、観測期間における合計検出回数の特定する処理を、単位期間カウンタ(図21(B))の記憶に基づいて即座に行うことができる。
また、本実施例によれば、CPU56がタイマ割込処理(図16参照)において1割り込み毎にエラー検出処理を実行し、電源投入時から電源停止時までの期間に亘って振動センサ400から振動パルスの入力があるか否かを判定していることで、振動センサ400が振動を検出していない期間が生じることを防ぐことができ、振動の検出漏れを防ぐことができる。
また、本実施例によれば、役物ユニットY内に遊技球が有る場合には、観測期間用第1閾値(1回)が用いられ、役物ユニットY内に遊技球が無い場合には、観測期間用第2閾値(12回)が用いて判定を行うことで、パチンコ遊技機1の状態に応じて不正行為に基づく判定の判定基準を異ならせることができる。
また、本実施例によれば、第1エラー報知では、第1エラー報知画面の表示とともに各LEDの点滅やエラー報知音を出力させ、第2エラー報知では、第2エラー報知画面の表示のみとしていることで、パチンコ遊技機1の状態に応じて異なる態様の報知を行うことができる。
また、本実施例によれば、役物ユニットY内に遊技球が有るときに特定の強さの振動が発生したと判定したときにセットされる第1エラーフラグは、電源の再投入によりクリアされ、役物ユニットY内に遊技球が無いときに特定の強さの振動が発生したと判定したときにセットされる第2エラーフラグは、所定時間の経過によりクリアされることで、パチンコ遊技機1の状態に応じて異なる停止条件により報知の停止を行うことができる。
また、本実施例によれば、CPU56が実行する図16に示すタイマ割込処理において第1エラーフラグまたは第2エラーフラグがセットされている場合にS22bのエラー検出処理を実行しないことで、遊技に関する制御の停止中は、遊技球の不要な消費を抑えることができ、更にエラー検出処理による振動の検出や判定が不要であるので、不要な処理を実行しないようにできる。
尚、本実施例では、CPU56が実行する図19に示すエラー検出処理のS406またはS410において第1または第2エラー報知開始指定コマンドを演出制御基板80に対して送信するようになっており、CPU56が所定情報を出力可能な出力手段を構成している。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
また、本実施例では、変動時間及びリーチ演出の種類等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用CPU120に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU120に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、CPU56は、1つ目のコマンドでは、例えば、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。
尚、CPU56の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、前記実施例では、遊技球を打球発射装置98により遊技領域よりも下方から打ち出す形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、前記打球発射装置98をパチンコ遊技機1における遊技領域の上方位置に設けることによって、遊技球を遊技領域の上方位置から打ち出すようにしても良い。
また、前記実施例では、始動入賞口を、第1始動入賞口と第2始動入賞口の2つとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、始動入賞口を1つのみとしても良いし、始動入賞口を3以上としても良い。
また、前記実施例では、特別図柄を、第1特図と第2特図の2つとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、特別図柄を1つのみとしても良いし、特別図柄を3以上としても良い。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な演出表示装置に変動表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該演出表示装置に導出された変動表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。
また、前記実施例では、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bはそれぞれ表示結果となる最終停止図柄を含む複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、表示結果となる最終停止図柄を含めずに複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するものであっても良い。つまり、表示結果となる最終停止図柄は、変動表示に用いられる特別図柄と異なる図柄であっても良い。
前記遊技者にとって有利な状態とは、遊技者が多くの遊技媒体を獲得できる遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り等)や、獲得できる遊技媒体の期待値が異なる複数種類の特定遊技状態(ラウンド数が異なる大当り等)や、通常遊技状態よりも賞球払出の条件が成立しやすくなる高ベース状態(時短状態)や、前記特定遊技状態となる確率が高い高確率遊技状態(高確率状態)や高確低ベース状態(潜伏確変状態)、特別リーチ状態(例えば、スーパーリーチ等)、当該変動パターンが大当り変動パターンに基づく変動パターンである状態等が含まれる。
また、本実施例の「少ない(低い、小さい)」か否かの判定は、「以下」か否かの判定、または「未満」か否かの判定であっても良い。また、本実施例の「多い(高い、大きい)」か否かの判定は、「以上」か否かの判定、または「より多い(超過)」か否かの判定であっても良い。
また、前記実施例では、振分装置550を、振分空間552に進入した遊技球を釘560の配列により統計的に1/150の割合で第2始動入賞口569へ入賞することが可能な構成として説明したが、本発明はこれに限定されず、振分装置550は、上面555を移動遊技球が150球検出する毎に遊技球を第2始動入賞口569に機械的に入賞させる構成としても良い。具体的には、振分装置550に上面555を移動する遊技球を計数する計数手段(例えば、近接スイッチ)と、開口部551を駆動により開閉可能なソレノイドと、を設けるとともに、第2始動入賞口569を開口部551の直下に配置することで、計数手段によって遊技球が150球検出される毎にソレノイドの駆動により開口部551を所定時間(例えば、1秒間)開放し、開放された開口部551に進入した遊技球がほぼ確実に第2始動入賞口569に入賞するようにしても良い。
また、前記実施例では、パチンコ遊技機1に役物ユニットYを設け、第2特図の保留記憶に基づく変動表示の小当り遊技中に開放された役物ユニット入賞口305から役物ユニットYに進入した遊技球が大当り流入口207に流入した後にV入賞スイッチ210にて検出されることで大当り遊技に制御したが、本発明はこれに限定されず、例えば、第2始動入賞に基づく大当り確率(第2特別図柄表示器8bによる第2特図を用いた特図ゲームの大当り確率)を第1始動入賞に基づく大当り確率(第1特別図柄表示器8aによる第1特図を用いた特図ゲームの大当り確率)よりも高い値(例えば、9/10)に設定するとともに、第2始動入賞に基づくはずれ確率(第2特別図柄表示器8bによる第2特図を用いた特図ゲームのはずれ確率)を第1始動入賞に基づくはずれ確率(第1特別図柄表示器8aによる第1特図を用いた特図ゲームのはずれ確率)よりも低い値(例えば、1/10)に設定し、該第2特図の保留記憶に基づく変動表示において第2特別図柄表示器8bに大当りを示す図柄が表示されることで大当り遊技に制御するようにしても良い。
尚、このように第2始動入賞に基づく大当り確率を第1始動入賞に基づく大当り確率よりも高い値に設定するとともに、第2始動入賞に基づくはずれ確率を第1始動入賞に基づくはずれ確率よりも低い値に設定した場合は、第2特図の変動表示を第1特図の変動表示と同時に実行(同時変動)または第2特図の変動表示を第1特図の変動表示よりも優先して実行(第2特図優先変動)することで、第2特図の保留記憶に基づく変動表示において第2特別図柄表示器8bに迅速に大当りを示す図柄が表示されるようにしても良い。
また、前記実施例では、第1始動入賞口に可変入賞装置15が設けられ、通常状態においては、可変入賞装置15を閉状態にして遊技球が上方から入賞可能なように上方に向けて開口し、時短状態においては可変入賞装置15を開状態にして左右側方から遊技球が入賞しやすくなるようにし、かつ第2始動入賞口569には振分装置550が設けられることにより第1始動入賞口よりも遊技球が入賞し難いようにしている。そして、第1特別図柄の変動表示が第2特別図柄の変動表示よりも優先して実行されるようになっているが(第1特図優先変動)、本発明はこれに限定されるものではなく、第1始動入賞口には、可変入賞装置を設けないようにしても良く、その替りに第2始動入賞口に可変入賞装置を設けるようにしても良い。例えば、通常状態のときなどに可変入賞装置が閉状態のときには、遊技球が第2始動入賞口に入賞し難くなっているとともに、時短状態のときなどに可変入賞装置が開状態になることにより、遊技球が第2始動入賞口に入賞しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御)が行われるようにしても良い。その場合には、第2特図の変動表示を第1特図の変動表示と同時に実行(同時変動)または第2特図の変動表示を第1特図の変動表示よりも優先して実行(第2特図優先変動)することで、第2特図の保留記憶に基づく変動表示において迅速に大当りを示す図柄が表示されるようにしても良い。
また、前記実施例では、第1特図の保留記憶に基づく変動表示(第1特別図柄表示器8aによる第1特図を用いた特図ゲーム)では小当りが発生しない例を示したが、本発明はこれに限定されず、第1特図の保留記憶に基づく変動表示においても小当りが発生するように設定し、第1特図の保留記憶に基づく変動表示の小当り遊技においては、第2特図の保留記憶に基づく変動表示の小当り遊技とは異なり特別可変入賞球装置20の大入賞口扉20aを所定回数(例えば、1回)開放するようにしても良い。
また、前記実施例では、第2特図保留記憶数を第1特図保留記憶数と同数の4個として説明したが、本発明はこれに限定されず、第2特図保留記憶は振分空間552に進入した遊技球が統計的に1/150の割合で第2始動入賞口569に入賞することで発生するため、第2特図保留記憶数は3個以下、特に1個のみであっても良い。
尚、本実施例では、振分装置550内の振分空間552に進入した遊技球が釘560の配列によりルートBに振り分けられて第2始動入賞口569に入賞する割合を1/150としたが、本発明はこれに限定されず、該第2始動入賞口569に入賞する割合は、本パチンコ遊技機1における大当り確率や小当り確率等に応じて、適宜に任意の値に決定しても良い。
また、前記実施例では、特別可変入賞球装置20と振分装置550とを共に遊技領域7の右下部に個別に設けているが、本発明はこれに限定されず、特別可変入賞球装置20と振分装置550とは一体に構成されていても良い。
また、前記実施例では、特別可変入賞球装置20と役物ユニットYを個別に設けているが、本発明はこれに限定されず、例えば、カウントスイッチ23を役物ユニット入賞口305内に設けることで特別可変入賞球装置20と役物ユニットYとを一体に構成し、大当り遊技中は該役物ユニットYの役物ユニット入賞口305を開放してラウンド消化するようにしてもよい。
また、前記実施例は、第1特図保留記憶と第2特図保留記憶の両方が存在する場合、第1特図保留記憶に基づく変動表示が優先して実行されることで、該第1特図保留記憶に基づく変動表示結果が第2特図保留記憶に基づく変動表示結果よりも先に導出表示される構成となっているが、本発明はこれに限定されず、第2特図保留記憶に基づく変動表示結果が第1特図保留記憶に基づく変動表示結果よりも導出表示され難くなっていれば良い。具体的には、パチンコ遊技機1を第1特図保留記憶に基づく変動表示と第2特図保留記憶に基づく変動表示とを並行して実行可能な構成とするとともに、第1特図保留記憶に基づく変動表示は、時短状態における所定回数(本実施例では100回)の変動表示を高速で実行するために変動表示時間の短い変動パターンが選択されやすいように設定する一方で、第2特図保留記憶に基づく変動表示では第1特図保留記憶に基づく変動表示よりも長い変動時間の変動パターンが選択され易いように設定することで、第1特図保留記憶に基づく変動表示が所定回数実行された時短状態終了後に、第2特図保留記憶に基づく変動表示結果が導出表示されるようにしても良い。
また、前記実施例では、内部に第2始動入賞口569を有する振分装置550と特別可変入賞球装置20とを遊技領域7の同一部である右下部に設けたが、本発明はこれに限定されず、これら内部に第2始動入賞口569を有する振分装置550と特別可変入賞球装置20とは、遊技領域7の同一部であれば遊技領域7の任意の位置に設けても良い。
また、前記実施例では、単位期間カウンタ(図21(B))のうちのカウンタ番号「10」に対応する記憶領域が、検出回数の入力用記憶領域となっており、単位期間が経過する毎に、カウンタ番号「2」〜「10」に対応する記憶領域の検出回数が、上位にシフトされるが、本発明はこれに限定されるものではなく、それぞれのカウンタ番号「1」〜「10」に対応する記憶領域がシフトされないものとし、単位期間が経過する毎に、それぞれのカウンタ番号「1」〜「10」に対応する記憶領域を入力用記憶領域として順次変更されるものであっても良い。即ち単位期間カウンタをリングバッファとして構成したものであっても良い。
また、前記実施例では、特定の強さの振動(不正行為に起因する振動)が発生したと判定したときに、演出制御基板80がエラー報知を行うようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、特定の強さの振動が発生したと判定したときに、演出制御基板80がエラー報知を行わずに、エラー状態信号を、呼び出しランプ(図示略)やホールコンピュータ(図示略)等のなどに出力する態様(出力手段)であっても良い。
また、前記実施例では、エラー検出処理において、役物ユニットY内に遊技球が有るか否かにより判定に用いる閾値を異ならせているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技状態に応じて判定に用いる閾値を異ならせるようにしても良い。例えば、遊技状態が大当り遊技状態である場合には、観測期間用第1閾値が用いられ、遊技状態が大当り遊技状態でない場合(通常遊技状態である場合)には、観測期間用第2閾値が用いられるものであっても良い。
また、前記実施例では、役物ユニットY内に遊技球が有るときに特定の強さの振動(不正行為に起因する振動)が発生したと判定したときと、役物ユニットY内に遊技球が無いときに特定の強さの振動(不正行為に起因する振動)が発生したと判定したときとで、演出制御基板80が実行するエラー報知の報知態様を異ならせているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技状態に応じて報知態様を異ならせても良い。例えば、遊技状態が大当り遊技状態である場合には、第1エラー報知画面を表示し、遊技状態が大当り遊技状態でない場合(通常遊技状態である場合)には、第2エラー報知画面を表示するようにしても良い。
また、前記実施例では、役物ユニットY内に遊技球が有るときに特定の強さの振動(不正行為に起因する振動)が発生したと判定したときの第1エラー報知と、役物ユニットY内に遊技球が無いときに特定の強さの振動(不正行為に起因する振動)が発生したと判定したときの第2エラー報知のいずれのエラー報知がなされる場合でも、遊技に関する制御が停止されるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1エラー報知のときは、遊技に関する制御が停止されるが、第2エラー報知のときは、遊技に関する制御が停止されないで遊技を継続できるものであっても良い。
また、前記実施例では、役物ユニットY内に遊技球が有るときに特定の強さの振動(不正行為に起因する振動)が発生したと判定したときと、役物ユニットY内に遊技球が無いときに特定の強さの振動(不正行為に起因する振動)が発生したと判定したときとで、エラーフラグがクリアされる条件を異ならせているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技状態に応じてエラーフラグがクリアされる条件を異ならせても良い。例えば、遊技状態が大当り遊技状態である場合に特定の強さの振動が発生したと判定したときには、第1エラーフラグをセットし、この第1エラーフラグは、電源の再投入などの店員の介入によりクリアされ、遊技状態が大当り遊技状態でない場合(通常遊技状態である場合)に特定の強さの振動が発生したと判定したときには、第2エラーフラグをセットし、この第2エラーフラグは、所定時間の経過など、店員の手間をかけずにクリアされるようにしても良い。
また、前記実施例では、観測期間を単位期間の整数倍(自然数倍)の長さの期間としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、観測期間の長さは、単位期間の整数倍でなくても良く、単位期間の1.5倍や2.25倍等の整数以外の倍数で構成されていても良く、少なくとも単位期間以上の長さの期間であれば良い。また、観測期間の長さは、単位期間に基づいて設定されるものでなくても良い。例えば、振動を検出した旨を検出時刻とともに常時記憶しておき、観測期間が単位期間の1.5倍である場合に、単位期間が経過する毎に、1の単位期間の長さ分だけ観測期間を変更(シフト)し、1の単位期間の後半部分と次の単位期間の全部を含む期間を観測期間として、当該観測期間内に記憶された検出回数を判定に用いるようにし、この観測期間の変更(シフト)を順次繰り返すようにしても良い。つまり、前記実施例では、観測期間が単位期間の整数倍になっており、1の単位期間とともに複数の単位期間が観測期間に含まれるが、1の単位期間とともに単位期間未満の期間が観測期間に含まれるものであっても良い。このようにすることで、単位期間内に記憶された検出回数は常に重複して2度の判定に用いられるようになるので、検出漏れを防ぐことができる。また、単位期間内に記憶された検出回数を1度しか判定に用いない場合には、1の単位期間と次の単位期間に跨って連続して特定の強さの振動の発生したときに、1の単位期間と次の単位期間の双方で所定の閾値以上とならない場合があるが、単位期間内に記憶された検出回数を常に重複して2度の判定に用いることで、1の単位期間と次の単位期間に跨って連続して特定の強さの振動の発生したときであっても、その振動の検出回数の増減の変化が分かり易くなるので、特定の強さの振動の発生を短時間で検出できるようになる。
また、前記実施例では、観測期間を一定の長さとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、所定時間が経過する毎に観測期間の長さが変更されるものであっても良い。例えば、出玉に影響があるときと出玉に影響がないときとで観測期間の長さが変更されるものであっても良く、出玉に影響があるとき(役物ユニットY内に遊技球が有るとき)には、観測期間を短く設定し、出玉に影響がないとき(役物ユニットY内に遊技球が無いとき)には、観測期間を長く設定しても良い。または、出玉に影響があるとき(役物ユニットY内に遊技球が有るとき)には、観測期間を長く設定し、出玉に影響がないとき(役物ユニットY内に遊技球が無いとき)には、観測期間を短く設定しても良い。尚、観測期間の長さが変更される場合には、判定に用いる観測期間用の閾値が固定されているもの(役物ユニットY内に遊技球が有るときと無いときとで同一の閾値であるもの)であっても良く、その場合には、観測期間の長さに対して閾値が相対的に変更されるものであるため、観測期間の長さに対して相対的に異なる閾値(異なる判定回数)であると言える。
また、前記実施例では、単位期間毎に検出回数を特定し、複数の単位期間における検出回数を合計して観測期間における合計検出回数を集計しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、観測期間における検出回数のみを記憶しておき、この観測期間が所定期間が経過する毎に変更(シフト)されるものであっても良い。例えば、振動を検出した旨を検出時刻とともに常時記憶しておき、1の時刻と該1の時刻から所定期間経過した他の時刻までの期間を観測期間として特定し、1の観測期間内に記憶された検出回数を判定に用いた後に、該1の観測期間の一部を含む次の観測期間内に記憶された検出回数を判定に用いるようにしても良い。
また、前記実施例では、単位期間カウンタ(図21(B))や観測期間カウンタ(図21(C))に記憶される値が、遊技機の起動時の初期化処理等においてクリア(消去)されるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技機への電力供給が停止したときに単位期間カウンタや観測期間カウンタに記憶される値をバックアップしておき、遊技機を再起動したときに、バックアップした値を単位期間カウンタや観測期間カウンタに復帰させるようにし、復帰した値に基づいてそれ以後の処理を行うようにしても良い。