[第1実施形態]
以下、本発明をパチンコ遊技機に具体化した第1実施形態について図1〜図11を参照して説明する。
図1には、遊技に関する制御を行うパチンコ遊技機10と、該パチンコ遊技機10が遊技場の遊技機設置設備(遊技島)に設置された際に並設される遊技媒体貸出用ユニットとしてのカードユニット装置11とが略示されている。カードユニット装置11には、遊技者に貸し出される貸出用遊技媒体としての遊技球(貸し球)と交換可能な交換媒体としてのプリペイドカードを投入するための投入口11aが設けられている。カードユニット装置11は、投入されたプリペイドカードの価値を読み書き可能な構成となっている。
パチンコ遊技機10の機体の外郭をなす外枠12の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の図示しない中枠が開閉及び着脱自在に組み付けられている。中枠の前面側には、中央部に窓口14を有するとともに、該窓口14の下方にパチンコ遊技機10の遊技媒体となる遊技球を貯留可能な上皿15を一体成形した前枠16が開閉及び着脱自在に組み付けられている。前枠16の裏面側には、機内部に配置された遊技盤YBを保護し、かつ窓口14を覆う大きさのガラスを支持する図示しないガラス支持枠が着脱及び傾動開放可能に組み付けられている。また、前枠16には、窓口14のほぼ全周を囲むように、図示しない発光体(ランプ、LEDなど)の発光(点灯や点滅)により発光演出を行う電飾表示部を構成する枠用ランプ部17が配置されている。報知手段としての枠用ランプ部17は、前枠16の前面に装着される複数の発光体を、該各発光体の発する光を透過可能に成形したランプレンズ17aで覆って構成されている。
前枠16には、窓口14の左右上部に、各種音声を出力して音声演出を行うスピーカ20が配置されている。報知手段としてのスピーカ20は、前枠16の裏面に装着されており、該前枠16の前面であってスピーカ20の装着部位に対応する部位には図示しない放音孔が複数形成されている。
中枠の前面側であって前枠16の下部には、上皿15から溢れ出て機内部に形成される溢れ球通路22を流下した遊技球を貯留する下皿23が装着されている。また、中枠の前面側であって下皿23の右方には、遊技球を遊技盤YBに発射させる際に遊技者によって回動操作される遊技球発射用の発射ハンドル24が装着されている。
上皿15には、その左方側に機内部から払出される遊技球の払出口15aが設けられているとともに、遊技者の保有する遊技球を貯留する凹状の図示しない貯留通路が連設されており、さらに右方側に貯留通路内の遊技球を機内部に取り込む図示しない上皿取込口が設けられている。上皿15に貯留された遊技球は、貯留通路により上皿取込口へ案内されるとともに上皿取込口を介して1球ずつ機内に取り込まれ、機内に装備された発射ユニット83(図4に示す)によって遊技盤YBに向けて発射される。なお、遊技盤YBに向けて発射される遊技球は、発射ハンドル24の回動量に応じて発射の強弱が設定される。
上皿15の上面15dには、貸し球(遊技球)の貸し受けに関しての各種操作を行うための球貸し操作部26が装備されている。球貸し操作部26には、カードユニット装置11にプリペイドカードを投入した状態で遊技者が遊技球の貸し受けを指示する球貸ボタンと、カードユニット装置11に投入したプリペイドカードの返却を指示する返却ボタンとが設けられている。また、球貸し操作部26は、カードユニット装置11に投入したプリペイドカードの残金を表示するとともに、球貸しが可能な状態であるか否かを報知する。
上皿15の前面15eには、上皿球抜きボタン27が設けられている。本実施形態のパチンコ遊技機10では、上皿15と下皿23とが溢れ球通路22とは別に設けた図示しない球抜き通路で接続されている。そして、上皿球抜きボタン27が押下操作されると、上皿15の貯留通路内の遊技球が前記球抜き通路を介して下皿23に流下案内されるようになっている。
下皿23には、溢れ球通路22を流下した遊技球の出口23aが設けられているとともに、遊技球を貯留する凹状の貯留部23bが遊技球の出口23aに連設されている。また、下皿23には、貯留部23b内の遊技球を下皿23から外部に排出するための図示しない切換機構が設置されている。切換機構は、下皿23の下部に配置された下皿球抜きボタン28と、貯留部23bの底部の一部を貫通するように形成された図示しない球抜き孔と、該球抜き孔を開放及び閉鎖するための蓋体と、下皿球抜きボタン28の操作状態に連動させて蓋体を開放状態又は閉鎖状態に作動させる作動部材とから構成されている。このような切換機構により下皿23は、蓋体の閉鎖状態にあって球抜き孔が閉鎖されている場合に遊技球を貯留部23bで貯留可能な貯留状態とされる一方で、下皿球抜きボタン28が押下操作されて蓋体が開放状態に作動し、球抜き孔が開放されている場合に遊技球を外部に排出する貯留解除状態とされる。また、下皿23には、前記球抜き通路を介して上皿15から流下案内された遊技球を貯留部23bに排出する図示しない球抜き口が設けられている。
次に、遊技盤YBの構成について図2を参照して詳しく説明する。
図2に示すように、遊技盤YBの前面には、発射ハンドル24の操作によって発射された遊技球を誘導し、かつパチンコ遊技の主体となるほぼ円形の遊技領域H1を形成する誘導レール30が円形渦巻き状に敷設されている。この誘導レール30によって遊技盤YBには、該遊技盤YBの左下方から左上方に向かって延びる遊技球の誘導路30aが形成されるとともに、誘導レール30の内側に遊技球が転動可能な遊技領域H1が形成される。誘導路30aの下方には、中枠に装着されるとともに、発射ユニット83(図4に示す)の作動によって打球される遊技球を案内する図示しない発射レールが配置されている。また、遊技盤YBの前面であって誘導レール30の外側となる遊技領域H1外は、パチンコ遊技に直接関与しない非遊技領域H2とされている。
遊技盤YBのほぼ中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部33aを有する演出表示装置33が配設されている。報知手段としての演出表示装置33には、複数の図柄列(本実施形態では3列)を変動表示させて行う図柄変動ゲーム(以下、「変動ゲーム」と示す)を含み、該変動ゲームに関連して実行される各種の表示演出が画像表示される。なお、演出表示装置33の変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄、以下、「飾図」と示す)を用いて行われる。
また、演出表示装置33の右下には、7セグメント型の第1特別図柄表示装置34aが、第1特別図柄表示装置34aの右には、7セグメント型の第2特別図柄表示装置34bが、それぞれ配設されている。第1特別図柄表示装置34a又は第2特別図柄表示装置34bでは、特別図柄(以下、「特図」と示す)を変動させて表示する変動ゲームが行われる。この特図は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果、小当りか否かの内部抽選(小当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。本実施形態において、変動ゲームは、各特別図柄表示装置34a,34bにおいて、特図の変動表示が開始されてから確定停止表示される迄を1回として実行される。以下、第1特別図柄表示装置34aで行われる変動ゲームを「第1変動ゲーム(第1図柄変動ゲーム)」と示すことがあり、第2特別図柄表示装置34bで行われる変動ゲームを「第2変動ゲーム(第2図柄変動ゲーム)」と示すことがある。
本実施形態において各特別図柄表示装置34a,34bには、複数種類の特図の中から、大当り抽選の抽選結果又は小当り抽選の抽選結果に対応する1つの特図が選択され、その選択された特図が変動ゲームの終了によって個別に確定停止表示される。特図は、大当りを認識し得る図柄となる大当り図柄(大当り表示結果)と、小当りを認識し得る図柄となる小当り図柄(小当り表示結果)と、はずれを認識し得る図柄となるはずれ図柄(はずれ表示結果)とに分類される。また、大当り図柄が確定停止表示された場合、遊技者には、大当り遊技が付与される。また、小当り図柄が確定停止表示された場合、遊技者には、小当り遊技が付与される。
また、本実施形態において演出表示装置33には、複数の図柄列毎に複数種類の数字が飾図として表示されるようになっている。そして、本実施形態において演出表示装置33は、各特別図柄表示装置34a,34bに比較して大きい表示領域で構成されるとともに、飾図は特図に比較して遥かに大きく表示されるようになっている。このため、遊技者は、演出表示装置33に確定停止表示された図柄から当り(大当り及び小当り)又ははずれを認識し得る。
そして、演出表示装置33には、各特別図柄表示装置34a,34bの表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的に言えば、第1特別図柄表示装置34a又は第2特別図柄表示装置34bに大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置33にも大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される。本実施形態において、飾図による大当り図柄としては、全列の図柄が同一図柄となる図柄組み合わせである。
また、第1特別図柄表示装置34a又は第2特別図柄表示装置34bにはずれ図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置33にもはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される。本実施形態において、飾図によるはずれ図柄としては、全列の図柄が異なる図柄となる図柄組み合わせ、又は1列の図柄が他の2列の図柄とは異なる図柄となる図柄組み合わせである。
また、第1特別図柄表示装置34a又は第2特別図柄表示装置34bに小当り図柄(小当り表示結果)が確定停止表示される場合、演出表示装置33に小当り図柄が確定停止表示される。なお、本実施形態において、この小当り図柄は、大当り図柄とは異なる図柄であり、全列の図柄が異なる図柄となる図柄組み合わせの中でも、所定の図柄組み合わせが該当する。
また、演出表示装置33では、遊技者側から見て左列→右列→中列の順に図柄の変動表示が停止するようになっており、特定の2列(本実施形態では左右の2列)に同一の図柄が一旦停止表示された場合、リーチ状態が形成される。ここで、一旦停止表示とは、画像表示部33aにおいてゆれ変動状態で表示されている状態であり、画像表示部33aにおいて図柄が確定停止している確定停止表示とは区別される。本実施形態では、複数の図柄列のうち左列が第1停止列、右列が第2停止列、中列が第3停止列となり、左列及び右列がリーチ状態を形成するリーチ形成列となる。
第2特別図柄表示装置34bの右には、複数個(本実施形態では2個)の第1特図保留発光部を有する第1特別図柄保留表示装置35aが配設されている。第1特別図柄保留表示装置35aは、機内部で記憶した第1変動ゲームにおける特図用の始動保留球の記憶数を遊技者に報知する。なお、以下、第1変動ゲームにおける特図用の始動保留球の記憶数を「第1保留記憶数」と示す。第1保留記憶数は、遊技盤YBに配設した始動手段(第1始動手段)としての第1始動入賞口37に遊技球が入賞することで「1」加算される一方で、第1変動ゲームの開始により「1」減算される。したがって、変動ゲーム中に第1始動入賞口37へ遊技球が入賞すると、第1保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(第1上限数、本実施形態では「4」)まで累積される。
第1特別図柄保留表示装置35aの右には、複数個(本実施形態では2個)の第2特図保留発光部を有する第2特別図柄保留表示装置35bが配設されている。第2特別図柄保留表示装置35bは、機内部で記憶した第2変動ゲームにおける特図用の始動保留球の記憶数を遊技者に報知する。なお、以下、第2変動ゲームにおける特図用の始動保留球の記憶数を「第2保留記憶数」と示す。第2保留記憶数は、遊技盤YBに配設した始動手段(第2始動手段)としての第2始動入賞口38に遊技球が入賞することで「1」加算される一方で、第2変動ゲームの開始により「1」減算される。したがって、変動ゲーム中に第2始動入賞口38へ遊技球が入賞すると、第2保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(第2上限数、本実施形態では「4」)まで累積される。
また、第2特別図柄保留表示装置35bの右には、複数個(本実施形態では2個)の普図発光部を有する普通図柄表示装置36が配設されている。普通図柄表示装置36では、複数種類の普通図柄を変動させて表示する普通図柄変動ゲームが行われる。普通図柄は、普通当りか否かの内部抽選(普通当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。なお、以下、普通図柄を「普図」と示し、普通図柄ゲームを「普図ゲーム」と示す。また、この普図ゲームにおいても変動ゲームと同じように、遊技盤YBに配設した作動ゲート39に遊技球が通過(入球)することで普図用の始動保留球(普図始動保留球)が記憶される。この普図始動保留球の記憶数(普図保留記憶数)は、作動ゲート39への遊技球の通過により、所定の上限数(本実施形態では「4」)を上限として「1」加算される一方で、普図ゲームの開始により「1」減算される。
また、本実施形態において、第1変動ゲームと第2変動ゲームとが同時に実行されないように構成されており、変動ゲーム(第1変動ゲーム又は第2変動ゲーム)が終了した場合に第1保留記憶数と第2保留記憶数とが共に「1」以上であるときには、第2保留記憶数に基づく第2変動ゲームが優先して実行される。また、本実施形態において、変動ゲームと普図ゲームとは同時に実行可能である。
演出表示装置33の下方には、遊技球の第1入賞口37aを有する第1始動入賞口37が配設されている。第1始動入賞口37の奥方には入賞した遊技球を検知する第1始動口スイッチSW1(図4及び図5に示す)が配設されている。第1始動入賞口37は、入賞した遊技球を第1始動口スイッチSW1で検知することにより、第1変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。なお、本実施形態において、符号Yに示すように遊技球が遊技盤YBの右側から転動したときには、符号Xに示すように遊技盤YBの左側から転動したときよりも、第1始動入賞口37に入賞し難くなるように、障害釘等が配設されている。つまり、第1始動入賞口37は、遊技盤YBの左側を主とする第1流路Xに設けられている。
また、演出表示装置33の右下には、遊技球の第2入賞口38aを有する第2始動入賞口38が配設されている。第2始動入賞口38は普通電動役物とされ、普通電動役物ソレノイドSOL1(図4に示す)の作動により開閉動作を行う開閉手段としての開閉扉38bを備えている。第2始動入賞口38は、開閉扉38bの開動作により第2入賞口38aが開放されることで遊技球の入賞が許容される。つまり、第2始動入賞口38は、開閉扉38bの開動作により開状態(第1状態)とされたときには、閉状態(第2状態)とされたときよりも第2入賞口38aに遊技球が入賞(入球)し易くなる。そして、第2始動入賞口38の奥方には入賞した遊技球を検知する第2始動口スイッチSW2(図4及び図5に示す)が配設されている。第2始動入賞口38は、入賞した遊技球を第2始動口スイッチSW2で検知することにより、変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。なお、本実施形態において、遊技球が遊技盤YBの右側から転動するときには、遊技盤YBの左側から転動するときよりも、第2始動入賞口38に入賞し易くなるように障害釘等が配設されている。つまり、第2始動入賞口38は、遊技盤YBの左側を主とする第1流路Xとは異なり、遊技盤YBの右側を主とする第2流路Yに設けられている。
また、第2始動入賞口38の上には、作動ゲート39が配設されている。作動ゲート39の奥方には、通過した遊技球を検知するゲートスイッチSW5(図4及び図5に示す)が配設されている。作動ゲート39は、通過した遊技球をゲートスイッチSW5で検知することにより、普図ゲームの始動条件を付与し得る。普図ゲームは、第2始動入賞口38の開閉扉38bを開状態とするか否かの抽選結果を導出するために行われる演出である。即ち、普通当り抽選に当選すると、開閉扉38bの開放によって第2始動入賞口38に遊技球を入賞させ易くなり、遊技者は、第2変動ゲームの始動条件と賞球を容易に獲得できる機会を得ることができる。
また、第2始動入賞口38の下方には、第1大入賞口ソレノイドSOL2(図4に示す)の作動により開閉動作を行う第1大入賞口扉40aを備えた第1大入賞口40が配設されている。第1大入賞口40の奥方には、入賞した遊技球を検知する第1カウントスイッチSW3(図4及び図5に示す)が配設されている。第1大入賞口40は、入賞した遊技球を検知することにより、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。第1大入賞口40は、変動ゲームにおける大当り遊技中に第1大入賞口扉40aが奥行き方向に移動する開動作によって開放されることで遊技球の入賞が許容される。このため、大当り遊技中、遊技者は、賞球を獲得できる機会を得ることができる。なお、本実施形態において、遊技球が遊技盤YBの右側から転動するときには、遊技盤YBの左側から転動するときよりも、第1大入賞口40に入賞し易くなるように障害釘等が配設されている。
また、作動ゲート39の左方には、第2大入賞口ソレノイドSOL3(図4に示す)の作動により開閉動作を行う第2大入賞口羽根41aを備えた第2大入賞口41が配設されている。第2大入賞口41の奥方には、入賞した遊技球を検知する第2カウントスイッチSW4(図4及び図5に示す)が配設されている。第2大入賞口41は、入賞した遊技球を検知することにより、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。第2大入賞口41は、変動ゲームにおける大当り遊技中に第2大入賞口羽根41aが奥行き方向に移動する開動作によって開放されることで遊技球の入賞が許容される。なお、本実施形態において、遊技球が遊技盤YBの右側から転動するときには、遊技盤YBの左側から転動するときよりも、第2大入賞口41に入賞し易くなるように障害釘等が配設されている。
また、図3に示すように、第2大入賞口41の奥方には、第2大入賞口41に入賞した遊技球が1球ずつ通過可能な排出流路42が形成されている。この排出流路42は、第2大入賞口41から下方に対して所定角度で傾斜するように形成されている。また、この排出流路42には、1球の遊技球が通過可能な特定領域43と一般領域44とが並設されている。特定領域43には、通過した遊技球を検知する特定領域スイッチSW6(図4及び図5に示す)が、一般領域44には、通過した遊技球を検知する一般領域スイッチSW7(図4及び図5に示す)が、それぞれ配設されている。また、特定領域43には、特定領域ソレノイドSOL4(図4に示す)の作動により特定領域43の開閉動作を行う開閉片45が配設されている。この開閉片45は、第2大入賞口41が開放された場合には、図3(a)に示すように、遊技球が通過可能なように特定領域43を開放させることがあり、それ以外のときには、図3(b)に示すように、遊技球が通過不可能なように特定領域43を閉鎖させ、遊技球が一般領域44に導かれる。
大当り抽選で大当りに当選し、第1特別図柄表示装置34aと第2特別図柄表示装置34bとで大当り図柄が確定停止表示され、変動ゲームの終了後、大当り遊技が開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出の終了後には、第1大入賞口40が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、第1大入賞口40の開閉が所定回数(本実施形態では1回)行われる迄であり、1回のラウンド遊技中に第1大入賞口40に、規定個数(入賞上限個数)の遊技球が入賞する迄の間、又は規定時間(ラウンド遊技時間)が経過するまでの間、開放される。ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、規定ラウンド数のラウンド遊技が終了すると、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われ、大当り遊技は終了される。
また、本実施形態において、第1変動ゲームにおいて小当り抽選に当選することはないが、第2変動ゲームにおいて小当り抽選に当選することがある。小当り抽選で小当りに当選し、第2特別図柄表示装置34bで小当り図柄が確定停止表示されたときには、第2変動ゲームの終了後に、小当り遊技が開始される。小当り遊技が開始されると、第2大入賞口41が開放される。小当り遊技は、第2大入賞口41の開閉が所定回数行われる迄であり、規定個数(入賞上限個数)の遊技球が入賞する迄の間、又は規定時間が経過するまでの間、第2大入賞口41が開放される。また、小当り遊技が開始されてから規定時間が経過した場合には、開閉片45が開放動作を行い、予め定められた開放時間だけ特定領域43を開放させる。この小当り遊技において第2大入賞口41に遊技球が入賞し、その遊技球が特定領域43を通過すると、小当り遊技の終了後に、大当り抽選に当選したときと同じように、大当り遊技が付与される。なお、本実施形態において、各入賞口37〜41は、遊技球の入球又は通過が可能な入球装置に相当し、各スイッチSW1〜SW7が入球検知手段に相当する。特に、本実施形態における第2大入賞口41は、遊技球が入賞した場合において特定領域43を通過することによって、遊技者に有利な大当り遊技が付与される入球装置に相当する。
また、本実施形態のパチンコ遊技機では、大当り遊技の終了後には、変動短縮状態(以下、「変短状態」と示す)が付与される場合がある。この変短状態では、変短状態が付与されていない非変短状態と比較して、変動ゲームの変動時間が短縮される場合がある(短縮され得る)。また、変短状態では、開閉扉38bを開動作させるか否かの抽選結果を導出する普図ゲームの変動時間が、非変短状態と比較して短縮される。また、変短状態では、普通当り抽選に当選した際、非変短状態とは異なる動作パターンで開閉扉38bが開閉動作するようになっている。なお、本実施形態において、非変短状態で普通当り抽選に当選する場合には、開閉扉38bが短開放する一方で、変短状態で普通当り抽選に当選する場合には、開閉扉38bが長開放する。つまり、開閉扉38bは、変短状態では、非変短状態と比較して、1回の普通当りに対応する合計開放時間が長く、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。このため、変短状態は、開閉扉38bが開放状態に動作し易い入球率向上状態であり、変動ゲーム(第2変動ゲーム)が実行され易くなる傾向がある。なお、小当り遊技の終了後には、小当り遊技の開始前の遊技状態を維持する。
また、変短状態が付与される場合には、各変動ゲームにおいて決定される大当りの種類に応じて、次回の大当り遊技が付与されるまで(「次回まで」と示す)、を上限回数として、変短状態が付与されるようになっている。なお、普通当りとなった場合に開閉扉38bが開放されるが、閉鎖する前であっても、入賞上限個数の遊技球が入賞したときには、開閉扉38bは閉鎖するようになっている。
また、このように変短状態が付与されている場合には、開閉扉38bが開動作し易くなる。このため、第1始動入賞口37に遊技球が入賞し難いが、遊技球が遊技盤YBの右側から転動するように遊技球を発射させる(所謂、「右打ち」)ほうが遊技者にとって有利な遊技状態である。その一方で、変短状態が付与されていない場合には、開閉扉38bが開動作し難くなる。このため、第1始動入賞口37に遊技球が入賞するように、遊技球が遊技盤YBの左側から転動するように遊技球を発射させる(所謂、「左打ち」)ほうが遊技者にとって有利な遊技状態である。
なお、大当り遊技中は、第1大入賞口40に入賞し易くするために、右打ちするほうが遊技者にとって有利である。また、小当り遊技中も、第2大入賞口41に入賞し易くするために、右打ちするほうが遊技者にとって有利である。
なお、本実施形態におけるパチンコ遊技機での仕様は以下の通りである。飾図としては[1]〜[8]の8種類の数字が採用されており、大当り図柄としては[111][222][333][444][555][666][777][888]が採用されている。また、大当りの当選確率としては、第1変動ゲームと第2変動ゲームとの両方で同じ165/65536が規定されている。また、小当りの当選確率としては、第2変動ゲームにおいて、非変短状態であるか変短状態であるかに拘わらず、65371/65536が規定されており、第1変動ゲームでは小当りに当選しない。普通当りの当選確率としては、非変短状態であるか変短状態であるかに拘わらず、65262/65536が規定されている。
また、遊技球の賞球数としては、第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38に対して3個が、第1大入賞口40及び第2大入賞口41に対して14個がそれぞれ規定されている。また、開閉扉38bの短開放としては、開閉扉38bが1回開放し、開放してから0.088s経過するまで開放状態を維持する態様が、開閉扉38bの長開放としては、開閉扉38bが3回開放し、開放してから1.7s経過するまで開放状態を維持する態様が、それぞれ規定されている。このため、非変短状態では、作動ゲート39への遊技球の通過に伴って普図ゲームにおいて普通当りに当選した場合であっても、開閉扉38bが短開放されるため、第2始動入賞口38に遊技球がほとんど入球しない。また、開閉扉38bの閉鎖条件である入賞上限個数としては、5球が規定されている。また、普図ゲームの変動時間としては、非変短状態で4.0sが、変短状態で1.5sがそれぞれ規定されている。また、大当り遊技中では、規定ラウンド数として「15」が、各ラウンド遊技における第1大入賞口40の開放回数として「1回」が、開放時間として「30s」が、入賞上限個数として「10球」がそれぞれ設定されている。また、小当り遊技中では、第2大入賞口41の開放回数として「1回」が、開放時間として「1.6s」が、入賞上限個数として「5球」がそれぞれ設定されている。また、開閉片45の動作により特定領域43が開放される開放時間は、第2大入賞口が開放してから1sが経過した後から0.388s間が規定されている。
第1変動ゲームにおける大当り遊技の終了後に変短状態が付与される確率(突入率、継続率)としては、非変短状態で大当り遊技が付与されたときには「50%」が、変短状態で大当り遊技が付与されたときには「75%」がそれぞれ規定されている。その一方で、第2変動ゲームにおける大当り遊技の終了後に変短状態が付与される確率(継続率)としては、非変短状態で当り遊技が付与されたときには「0%」が、変短状態で当り遊技が付与されたときには「75%」がそれぞれ規定されている。
このような仕様とすることで以下のようなパチンコ遊技(所謂、1種2種混合機)を提供することができる。まず、非変短状態においては、左打ちにより第1始動入賞口37に遊技球を入賞させることで、第1変動ゲームにおいて大当りに当選させるようなパチンコ遊技が行われる(165/65536の大当り当選確率)。そして、第1変動ゲームにおいて大当りに当選した場合には、第1大入賞口40が開放可能となる大当り遊技が付与され、右打ちにより第1大入賞口40に遊技球を入賞させるようなパチンコ遊技が行われる。そして、第1変動ゲームにおける大当り遊技の終了後に変短状態が付与されなかった場合には、再度、左打ちにより非変短状態におけるパチンコ遊技が行われる。その一方で、第1変動ゲームにおける大当り遊技の終了後に変短状態が付与された場合には、変短状態におけるパチンコ遊技が行われる(突入率50%)。
変短状態においては、右打ちにより、作動ゲート39に遊技球を通過させ、それに伴って開放させた第2始動入賞口38に遊技球を入賞させることで、第2変動ゲームにおいて当りに当選させるようなパチンコ遊技が行われる(165/65536の大当り当選確率、65371/65536の小当り当選確率)。なお、この場合、極めて高い確率で小当りに当選することとなり、ほぼ毎変動ゲームで小当りに当選し、大当りに当選することは稀となる。第2変動ゲームにおいて小当りに当選した場合には、第2大入賞口41が開放可能となる小当り遊技が付与され、右打ちが継続され、第2大入賞口41に遊技球を入賞させるようなパチンコ遊技が行われる。そして、第2大入賞口41に遊技球が入賞した場合において、第2大入賞口41の奥方に形成されている特定領域43(図3に示す)に遊技球が通過したときには、第2変動ゲームにおける大当り遊技が付与されることとなる。この場合も、第1変動ゲームにおいて大当り遊技と同じように、第1大入賞口40が開放可能となる大当り遊技が付与され、右打ちが継続され、第1大入賞口40に遊技球を入賞させるようなパチンコ遊技が行われる。その一方で、第2大入賞口41に遊技球が入賞しなかった場合や、遊技球が第2大入賞口41に入賞したが特定領域43を通過しなかった場合には、第2変動ゲームにおける大当り遊技が付与されることなく、変短状態が維持され、引き続き変短状態におけるパチンコ遊技が行われる。そして、第2変動ゲームにおける大当り遊技の終了後に変短状態が付与された場合には、右打ちが継続され、再度、変短状態におけるパチンコ遊技が行われる(変短継続率75%)。その一方で、第2変動ゲームにおける大当り遊技の終了後に変短状態が付与されなかった場合には、左打ちにより非変短状態におけるパチンコ遊技が行われる。
説明を戻し、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の機裏側には、貯留された遊技球を機外(上皿15又は下皿23)に払出す払出動作を行う払出ユニット61(図4及び図5)が装着されている。払出ユニット61には、球通路の上流側から下流側に遊技球を送る図示しないスプロケットが回転可能に支持されており、スプロケットの回転の許容、規制を切り替える払出ソレノイド61l(図5に示す)が配設されている。また、球通路の上流側には、停留されている遊技球の存在の有無を検出する払出制御センサ61hが、球通路の下流側には、スプロケットの作動によって払出された遊技球を検出する払出計数センサ61i(ともに図5に示す)が配設されている。
また、パチンコ遊技機10の機裏側には、中枠に外部端子板53(図4及び図5に示す)が装着されている。外部端子板53は、遊技場に設置された各パチンコ遊技機の動作状態を管理するために遊技場の管理室などに設置される外部装置(報知手段)としてのホールコンピュータHC(図4及び図5に示す)に接続する基板である。なお、外部端子板53が遊技盤YBに装着されず、中枠に装着されることによって、遊技盤YBに装着される場合よりも、外部端子板53を装着する領域が確保し易くなり、ホールコンピュータHCに出力する信号線を増加させ易い構成となっている。
また、パチンコ遊技機10の機裏側には、主制御基板54と、電源基板55と、払出制御基板56と、発射制御基板57と(ともに図4に示す)が、保護ケースにより覆われるように配置されており、更には、主制御中継端子板58と遊技球等貸出装置接続端子板59と(ともに図4に示す)が装着されている。
主制御基板54は、遊技の進行を制御する第1制御手段(制御手段)として機能し、パチンコ遊技機10全体を制御する。電源基板55は、電源スイッチと、遊技機設置設備の電源に接続される電源コードとを有し、パチンコ遊技機10の各種制御基板や各種演出装置に対して電源を供給する。さらに、電源基板55には、パチンコ遊技機10の電源投入時に操作することにより、バックアップデータをクリアするRWMクリアスイッチRCS(図4に示す)が設けられている。払出制御基板56は、遊技球を払出す払出ユニット61(図4に示す)の払出動作を制御する第2制御手段(制御手段)として機能し、賞球又は貸し球として払出す遊技球の払出しに関する払出制御を実行する。発射制御基板57は、発射ハンドル24の操作状態を検知し、その検知結果に応じて遊技球の発射間隔や発射強度などの発射制御を実行する。主制御中継端子板58は、主制御基板54と払出制御基板56との間に接続される基板である。遊技球等貸出装置接続端子板59は、カードユニット装置11と球貸し操作部26とを払出制御基板56に接続する基板である。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、機種毎に専用部品となる主制御基板54を遊技盤YBに装着し、機種に関係なく流用可能な共通部品となる電源基板55、払出制御基板56及び発射制御基板57を中枠に装着している。この構成により、遊技盤YBを交換し、その他の部材をそのまま流用して機種変更を行う場合(盤代えによる機種変更)において、主制御基板54などの遊技盤YBに装着される専用部品は交換対象の部品となり、払出制御基板56などの中枠に装着される共通部品は非交換対象の部品となる。
また、遊技盤YBの裏面側には、統括制御基板70と、音声・ランプ制御基板71と、演出表示装置33と、表示制御基板72と(ともに図4及び図5に示す)が配設されている。統括制御基板70と音声・ランプ制御基板71とは一体形成されている。統括制御基板70は、主制御基板54が出力する制御信号を入力し、演出表示装置33、枠用ランプ部17、及び各スピーカ20などの報知を行う報知手段を統括的に制御する報知制御手段として機能し、このような制御を行うための制御信号を音声・ランプ制御基板71及び表示制御基板72に出力する。音声・ランプ制御基板71は、枠用ランプ部17の発光態様と、スピーカ20の音声出力態様とを専門的に制御する基板である。表示制御基板72は、演出表示装置33の表示態様を専門的に制御する基板である。
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成を図4及び図5を参照して以下に説明する。
図4に示すように、電源基板55には、遊技機設置設備の電源が接続されているとともに、払出制御基板56が接続されている。払出制御基板56には、主制御中継端子板58が接続されている。主制御中継端子板58には、主制御基板54が接続されている。主制御基板54には、統括制御基板70が接続されている。
なお、本実施形態においては、電源基板55から供給される電源は、符号Vの矢印で示すように、主に払出制御基板56、主制御中継端子板58、主制御基板54、統括制御基板70等の各種制御基板や各種装置に供給される。また、電源基板55から供給されるバックアップ電源は、符号VBBの点線矢印で示すように、払出制御基板56及び主制御基板54に供給される。なお、本実施形態における電源基板55は、主制御基板54及び払出制御基板56に対して、各種情報のバックアップを行うためのバックアップ電源を供給するバックアップ電源供給手段として機能する。
また、電源基板55には、オン設定、オフ設定に切替操作が可能なRWMクリアスイッチRCSが配設されている。電源基板55からは、RWMクリアスイッチRCSの操作に応じて、RWMクリア信号が払出制御基板56に出力され、払出制御基板56及び主制御中継端子板58を介して、主制御基板54にも出力される。また、電源基板55からは、RWMクリア信号以外にも、電源断信号、リセット信号等が払出制御基板56に出力され、払出制御基板56及び主制御中継端子板58を介して、主制御基板54にも出力される。なお、本実施形態において、主制御基板54からは、リセット信号が統括制御基板70に出力される。また、本実施形態においては、電源基板55からの電源断信号、リセット信号、RWMクリア信号は、払出制御基板56と主制御基板54とに対して同じように入力されることとなり、何れか一方のみに入力されるようには構成されていない。
また、払出制御基板56と主制御中継端子板58との間、及び主制御基板54と主制御中継端子板58との間は、それぞれ互いに信号の送受信が可能な双方向通信を許容した形態で接続されている。
主制御基板54には、図柄表示基板86が接続されている。図柄表示基板86には、各特別図柄表示装置34a、34bと、各特別図柄保留表示装置35a,35bと、普通図柄表示装置36と、が接続されており、主制御基板54が出力する制御信号を入力することにより各特別図柄表示装置34a,34b、各特別図柄保留表示装置35a,35b、及び普通図柄表示装置36の表示内容を制御する。そして、図柄表示基板86は、各特別図柄表示装置34a、34b、各特別図柄保留表示装置35a,35b、及び普通図柄表示装置36と対応する位置に装着されている。
主制御基板54には、磁気センサSE1、誘導磁界検知センサSE2、振動検知センサSE3、第1始動口スイッチSW1、第2始動口スイッチSW2、第1カウントスイッチSW3、第2カウントスイッチSW4、ゲートスイッチSW5、特定領域スイッチSW6、一般領域スイッチSW7などの各種のスイッチ・センサが接続されている。また、主制御基板54には、普通電動役物ソレノイドSOL1、第1大入賞口ソレノイドSOL2、第2大入賞口ソレノイドSOL3、及び特定領域ソレノイドSOL4などの各種の可動体作動用のソレノイドが接続されている。
統括制御基板70には、表示制御基板72と音声・ランプ制御基板71とが接続されている。表示制御基板72には、演出表示装置33が接続されている。音声・ランプ制御基板71には、枠用ランプ部17と、スピーカ20とが接続されている。
次に、払出制御基板56には、発射制御基板57がそれぞれに双方向通信を許容した形態で接続されている。発射制御基板57には発射ユニット83が接続されている。発射ユニット83は、図示しない発射ソレノイドと該発射ソレノイドに連結される図示しない打球杆から構成される。そして、上皿15から機内に取り込んだ遊技球は、発射制御基板57による発射ソレノイドのオン/オフ制御に応じて打球杆が作動することにより遊技盤YBへ向けて打球される。
また、発射ユニット83には、前枠16の開放時に該前枠16の開放を検知する扉開放検知スイッチ85が装着されており、発射制御基板57に接続されている。扉開放検知スイッチ85によって前枠16の開放が検知されると、発射制御基板57を介して払出制御基板56に制御信号が入力される。
また、払出制御基板56には、払出ユニット61と遊技球等貸出装置接続端子板59とがそれぞれに双方向通信を許容した形態で接続されている。そして、遊技球等貸出装置接続端子板59には、カードユニット装置11と球貸し操作基板88とがそれぞれに双方向通信を許容した形態で接続されている。球貸し操作基板88は、上皿15の内部であって球貸し操作部26と対応する位置に装着されている。カードユニット装置11と遊技球等貸出装置接続端子板59は、互いに信号の送受信が可能な双方向通信を許容した形態で接続されている。遊技球等貸出装置接続端子板59と球貸し操作基板88は、互いに信号の送受信が可能な双方向通信を許容した形態で接続されている。
払出制御基板56は、遊技球等貸出装置接続端子板59を介してカードユニット装置11に対して、貸し球としての遊技球の払出しが完了したことや、遊技球の払出しが可能であることを指示する信号貸し球に関する信号を供給する。一方、払出制御基板56は、遊技球等貸出装置接続端子板59を介してカードユニット装置11が出力するカードユニット装置11に関する信号を出力する。
球貸し操作基板88には、球貸し操作部26が装着されており、遊技球等貸出装置接続端子板59を介してカードユニット装置11に対して球貸しに関する信号を出力する。一方、球貸し操作基板88は、遊技球等貸出装置接続端子板59を介してカードユニット装置11が出力するカードユニット装置11やプリペイドカードに関する信号を入力する。
また、払出制御基板56には、外部端子板53が接続されているとともに、該外部端子板53にはホールコンピュータHCが接続されるようになっている。払出制御基板56は、外部端子板53を介してホールコンピュータHCに対して、パチンコ遊技機10の動作状態等の遊技情報を出力可能である。
また、払出制御基板56には、満杯スイッチ89が接続されている。満杯スイッチ89は、上皿15と下皿23を連結する溢れ球通路22の途中に設置されている。そして、満杯スイッチ89は、下皿23における遊技球の貯留量が該遊技球の外部排出(すなわち、下皿球抜きボタン28の操作などにより下皿23内の遊技球を取り出すこと)を遊技者に促す貯留量に達したか否かを検出する。なお、パチンコ遊技機10では、上皿15の貯留量が満杯状態になると遊技球を溢れ球通路22によって下皿23へ導くようになっている。このため、下皿23の貯留量が満杯状態となり、該満杯状態を解消させない場合には、遊技球の払出しに伴って溢れ球通路22等も遊技球で満杯状態となり、やがて払出ユニット61まで達し、該払出ユニット61の動作を妨げることとなる。したがって、パチンコ遊技機10は、下皿23の満杯状態を満杯スイッチ89で検出し、遊技者に遊技球の外部排出を促す制御(満杯状態の報知など)を実行するように構成されている。
次に、本実施形態のパチンコ遊技機10における外部端子板53、主制御基板54、払出制御基板56、発射制御基板57、払出ユニット61、及び統括制御基板70等の接続態様及び送受信される制御信号の種類について図7を参照してさらに詳しく説明する。なお、図5においては、主制御基板54と払出制御基板56との間に介在する主制御中継端子板58をはじめ、各種構成要素等が省略されている。
主制御基板54には、制御動作を所定の手順で実行することができる主制御用CPU(Central Processing Unit)54aと、主制御用CPU54aの制御プログラムを格納する主制御用ROM(Read Only Memory)54bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RWM(Read Write Memory)54cなどが設けられている。主制御用CPU54aは、大当り又は小当りに当選するか否かを判定するための当り判定用乱数、特図の種類を決定するための特図振分乱数、はずれリーチ変動とするか否かを決定するためのリーチ判定用乱数などの各種乱数値を所定の周期毎にカウントし、発生させる。
払出制御基板56には、制御動作を所定の手順で実行することができる払出制御用CPU56aと、払出制御用CPU56aの制御プログラムを格納する払出制御用ROM56bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる払出制御用RWM56cとが設けられている。さらに、払出制御基板56には、該払出制御基板56側で検出した各種のエラー状態を表示する図示しない状態表示装置が設けられている。なお、本実施形態におけるエラー状態(エラー)とは、正常な動作が行われていない状態に限らず、正常な動作が行われている状態であっても、パチンコ遊技機10のセキュリティに関する脅威が存在するおそれのある状態も含まれる。
統括制御基板70には、制御動作を所定の手順で実行することができる統括制御用CPU70aと、統括制御用CPU70aの制御プログラムを格納する統括制御用ROM70bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる統括制御用RWM70cとが設けられている。
払出制御基板56は、主制御中継端子板58を介して主制御基板54に対して、電源基板55により出力された電源断信号と、リセット信号と、RWMクリア信号とを入力する。主制御基板54と払出制御基板56とにおいては、それら信号に基づいて、電断時処理や初期化処理を行う。特に、主制御基板54と払出制御基板56とでは、RWMクリアスイッチRCSからのRWMクリア信号が入力された状態において、リセット信号が入力した場合には、バックアップデータがクリアされる。その一方で、主制御基板54と払出制御基板56とでは、RWMクリアスイッチRCSからのRWMクリア信号が入力されていない状態において、リセット信号が入力した場合には、バックアップデータがクリアされない。
本実施形態において払出制御基板56の払出制御用CPU56aは、6種類のエラー状態を検出するように構成されている。具体的に言えば、払出制御用CPU56aは、払出停止中エラーと、満杯エラーと、払出ユニットエラーと、払出ユニット球詰まりエラーと、払出ユニット球切れエラーと、遊技球等貸出装置未接続エラーを検出する。払出停止中エラーは、遊技球の払出しが停止状態のときのエラー状態である。満杯エラーは、下皿23が満杯状態のときのエラー状態である。払出ユニットエラーは、払出ユニット61を構成する払出制御センサ61hや払出計数センサ61iなど、払出ユニット61自体に故障が発生しているときのエラー状態である。払出ユニット球詰まりエラーは、払出ユニット61の作動によって払出される遊技球が該払出ユニット61から排出されずに払出計数センサ61iの検知範囲内で滞留しているときのエラー状態である。払出ユニット球切れエラーは、次払出し段階の遊技球が存在しておらず、払出制御センサ61hが遊技球を検知できないときのエラー状態である。遊技球等貸出装置未接続エラーは、パチンコ遊技機10とカードユニット装置11が未接続のときのエラー状態である。
払出制御基板56は、満杯スイッチ89が出力する満杯スイッチ信号を入力する。この満杯スイッチ信号は、下皿23における遊技球の貯留量が該遊技球の外部排出を遊技者に促す貯留量に達したか否かの検出結果を示す信号である。この満杯スイッチ信号は、満杯スイッチ89が前記貯留量に達した旨を検出した場合にオンとなり、前記貯留量に達した旨を検出していない場合にオフとなる。
払出制御基板56は、払出ユニット61に払出ソレノイド信号を出力するとともに、該払出ユニット61は、払出制御基板56に払出計数センサ信号(払出検出信号)と払出制御センサ信号を出力する。払出ソレノイド信号は、払出ユニット61の払出ソレノイド61lに対し、オン作動及びオフ作動を指示する信号である。払出計数センサ信号は、払出計数センサ61iによる遊技球の検出結果を示す信号であり、払出計数センサ61iから出力される。この払出計数センサ信号は、払出計数センサ61iが遊技球を検出した場合にオンとなり、遊技球を検出していない場合にオフとなる。払出制御センサ信号は、払出制御センサ61hによる遊技球の検出結果を示す信号であり、払出制御センサ61hから出力される。この払出制御センサ信号は、払出制御センサ61hが遊技球を検出した場合にオンとなり、遊技球を検出していない場合にオフとなる。
払出制御基板56は、発射制御基板57を介して扉開放検知スイッチ85が出力する扉開放スイッチ信号を入力する。この扉開放スイッチ信号は、前枠16が開放されたか否かの検知結果を示す信号である。この扉開放スイッチ信号は、前枠16が開放されたと検知した場合にオンとなり、前枠16が開放されていないと検知した場合にオフとなる。
また、払出制御基板56は、主制御中継端子板58を介して主制御基板54に対して、エラー1信号とエラー2信号と扉開放検知信号とを出力する。エラー1信号は、払出制御基板56の払出制御用CPU56aが検出する各種のエラー状態のうち、満杯エラーが発生している場合に該エラー状態を指示する信号である。エラー2信号は、払出制御基板56の払出制御用CPU56aが検出する各種のエラー状態のうち、払出ユニット球切れエラーが発生している場合に該エラー状態を指示する信号である。これらのエラー1信号とエラー2信号は、満杯エラーを検出した場合にエラー1信号がオンになるとともに、払出ユニット球切れエラーを検出した場合にエラー2信号がオンになる一方で、これらのエラーを検出していない場合に何れの信号(エラー1信号とエラー2信号)もオフとなる。扉開放検知信号は、前枠16が開放されたと検知したことを指示する信号である。
払出制御基板56は、発射制御基板57に対し発射停止信号を出力する。発射停止信号は、遊技球の発射を強制的に停止させる旨を指示する信号である。本実施形態において払出制御基板56は、遊技球等貸出装置未接続エラーが発生している場合に発射停止信号を出力する。
主制御基板54は、各種のスイッチ・センサと接続されている。具体的に、主制御基板54は、磁気センサSE1、誘導磁界検知センサSE2、振動検知センサSE3、第1始動口スイッチSW1、第2始動口スイッチSW2、第1カウントスイッチSW3、第2カウントスイッチSW4、ゲートスイッチSW5、特定領域スイッチSW6、一般領域スイッチSW7と接続されている。
主制御基板54は、磁気センサSE1が出力する磁気検知信号を入力する。この磁気検知信号は、磁気センサSE1によって所定の強さ以上の磁気が検知されたことを示す信号である。この磁気検知信号は、所定の強さ以上の磁気が検知された場合にオンとなり、所定の強さ以上の磁気が検知されていない場合にオフとなる。
主制御基板54は、誘導磁界検知センサSE2が出力する電波検知信号を入力する。この電波検知信号は、誘導磁界検知センサSE2によって特定の周波数帯の電波が検知されたことを示す信号である。なお、本実施形態において、特定の周波数帯としては、遊技球の入球や通過を検知する各種スイッチSW1〜SW7などに悪影響を及ぼすおそれのある周波数帯である。この電波検知信号は、特定の周波数帯の電波が検知された場合にオンとなり、特定の周波数帯の電波が検知されていない場合にオフとなる。
主制御基板54は、振動検知センサSE3が出力する振動検知信号を入力する。この振動検知信号は、振動検知センサSE3によって所定の強度以上の振動(特定の振動)が検知されたことを示す信号である。なお、本実施形態において、振動検知センサSE3としては加速度センサが採用されており、遊技領域における遊技球の入球や通過や、各入賞口に残存する遊技球が変位して各種スイッチSW1〜SW7などに悪影響を及ぼすおそれのある特定の加速度を越える場合に所定の強度以上の振動があったと検知することとなる。この振動検知信号は、所定の強度以上の振動が検知された場合にオンとなり、所定の強度以上の振動が検知されていない場合にオフとなる。なお、本実施形態において、所定の強度以上の振動を検知する振動検知センサSE3が特定検知手段に相当する。
主制御基板54は、第1始動口スイッチSW1、第2始動口スイッチSW2、第1カウントスイッチSW3、第2カウントスイッチSW4、ゲートスイッチSW5、特定領域スイッチSW6、及び一般領域スイッチSW7が出力する入賞検知信号のそれぞれを入力する。この入賞検知信号のそれぞれは、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、第1大入賞口40、第2大入賞口41、作動ゲート39、特定領域43、及び一般領域44の何れかによって遊技球が入賞又は通過されたことを示す信号である。この入賞検知信号は、各入賞口に遊技球が入賞又は通過した場合にオンとなり、各入賞口に遊技球が入賞又は通過しなかった場合にオフとなる。
本実施形態において主制御基板54の主制御用CPU54aは、図6に示す主なエラー状態を検出するように構成されている。具体的に言えば、主制御用CPU54aは、RWMクリアと、磁気エラーと、誘導磁界検知エラーと、振動検知エラーと、第1大入賞口不正入賞エラーと、第2大入賞口不正入賞エラーと、普通電動役物不正入賞エラーと、役物内球詰まりエラーと、扉開放と、満杯エラーと、賞球エラーとを検出する。RWMクリアは、バックアップデータが初期化されることを示す状態であり、電源基板55から出力されるRWMクリア信号がオンとなった状態で、リセット信号がオンとなったときに検出される。磁気エラーは、磁気センサSE1により所定の強さ以上の磁気が検知されたときのエラー状態であり、磁気センサSE1からの磁気検知信号がオンとなったときに検出される。誘導磁界検知エラーは、誘導磁界検知センサSE2により特定の周波数帯の電波が検知されたときのエラー状態であり、誘導磁界検知センサSE2からの磁気検知信号がオンとなったときに検出される。振動検知エラーは、振動検知センサSE3により所定の強度以上の振動が検知され、振動検知センサSE3からの振動検知信号がオンとなったことを一つの条件として検出される。第1大入賞口不正入賞エラーは、大当り遊技ではない遊技において、大当り遊技が終了してから一定時間が経過した後に第1大入賞口40に遊技球が入賞したときのエラー状態であり、大当り遊技ではない遊技において第1カウントスイッチSW3からの入賞信号がオンとなったときに検出される。第2大入賞口不正入賞エラーは、小当り遊技ではない遊技において、小当り遊技が終了してから一定時間が経過した後に第2大入賞口41に遊技球が入賞したときのエラー状態であり、小当り遊技ではない遊技において第2カウントスイッチSW4からの入賞信号がオンとなったときに検出される。普通電動役物不正入賞エラーは、開閉扉38bが閉鎖しており、第2始動入賞口38に遊技球が入賞すべきでないタイミングに、第2始動入賞口38に遊技球が入賞したときのエラー状態であり、開閉扉38bが閉鎖しており、開閉扉38bの閉鎖動作から一定時間が経過した後に第2始動口スイッチSW2からの入賞信号がオンとなったときに検出される。役物内球詰まりエラーは、各入賞口37〜41に遊技球が残存しているエラー状態であり、各スイッチSW1〜SW7のうち何れかからの入賞信号が規定時間を越えて連続してオンとなったときに検出される。また、この役物内球詰まりエラーは、第2カウントスイッチSW4からの入賞信号がオンからオフになってから規定時間を越えても、特定領域スイッチSW6、一般領域スイッチSW7の何れかからの入賞信号がオンとならないときにも検出される。特に、所謂、糸釣りゴトや大玉ゴトが検知可能である。糸釣りゴトとは、糸などの一端を付着させた遊技球を発射させ、各種入賞口に入賞させて、入賞口内に残存させる。そして、物理的に変位させたり、電波により各種スイッチを誤動作させたりすることで、恰も多くの遊技球が入賞したと検知させ、多くの遊技球を払出させる不正である。また、大玉ゴトとは、通常用いられる遊技球よりも僅かに大きいサイズの遊技球を発射させ、各種入賞口に入賞させて、入賞口内に残存させる。そして、電波により各種スイッチを誤動作させることで、恰も多くの遊技球が入賞したと検知させ、多くの遊技球を払出させる不正である。扉開放は、前枠16が開放された状態であり、払出制御基板56からの扉開放信号がオンとなったときに検出される。満杯エラーは、下皿23が満杯状態のときのエラー状態であり、払出制御基板56からのエラー1信号がオンとなったときに検出される。賞球エラーは、上記払出ユニット球切れエラーと同じエラー内容であり、次払出し段階の遊技球が存在しておらず、払出制御センサ61hが遊技球を検知できないときのエラー状態であり、払出制御基板56からのエラー2信号がオンとなったときに検出される。
また、図5に示すように、主制御基板54は、主制御中継端子板58を介して払出制御基板56に対して、情報1信号〜情報7信号と、扉開放情報信号と、セキュリティ情報信号(出力情報、エラー関連情報)と、賞球制御信号(払出制御コマンド)とを出力する。これらの各信号は、別々の信号線を用いて出力される。情報1信号〜情報7信号は、ホールコンピュータHCに対し、パチンコ遊技機10の遊技に関する情報を出力する信号である。例えば、これらの情報としては、大当り遊技や小当り遊技などの遊技状態を示す情報、第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38に遊技球が入球したことを示す情報、図柄変動ゲーム及び普通図柄変動ゲームが終了したことを示す情報などである。扉開放情報信号は、前枠16が開放されたこと、すなわち扉開放検知スイッチ85が扉の開放を検出したことを出力する信号である。セキュリティ情報信号は、複数種類のエラー状態のうち、特定のエラー状態の少なくとも何れかが検知されたことを出力する信号である。なお、本実施形態において、この特定のエラー状態としては、図6に示すように、RWMクリア、磁気エラー、誘導磁界検知エラー、振動検知エラー、第1大入賞口不正入賞エラー、第2大入賞口不正入賞エラー及び普通電動役物不正入賞エラーが該当する。その一方で、役物内球詰まりエラー、扉開放、満杯エラー及び賞球エラーは、特定のエラー状態に該当せずに、非特定のエラー状態に該当する。この特定のエラー状態として規定されたエラー状態は、主に不正防止に関わるエラー状態であり、非特定のエラー状態として規定されたエラー状態は、必ずしも不正防止に関わるというエラー状態ではない。具体的な一例としては、扉開放については、不正に前枠16を開放させる以外にも、遊技盤YBの障害釘の間に挟まった遊技球を排除する等、前枠16が開放されることは稀ではなく、その場合には、扉開放情報信号として出力される。この扉開放情報信号とは異なり、特定のエラー状態が検知されることは頻繁にはなく、扉開放情報信号とは別にセキュリティ情報信号を出力するように構成されている。また、前枠16が開放される時間としては、特定のエラー状態と比べると連続性があり、長時間検知されるという特徴があるため、扉開放情報信号とは別にセキュリティ情報信号を出力可能にすることによって、扉開放と特定のエラー状態との重複を防止することができる。賞球制御信号は、各入賞口37,38,40,41への遊技球の入球により賞球としての遊技球の払出条件が成立した場合に、該払出条件に応じた数の賞球の払出しを指示する信号である。
ここで、セキュリティ情報信号の出力態様の具体的な一例について図7を参照して以下に説明する。
図7に示すように、主制御基板54には、払出制御基板56から基本パルスが入力されている。この基本パルスは、払出制御基板56により生成されており、予め定められた規定周期T(本実施形態では0.056s)でオン設定、オフ設定が切り替わる信号である。なお、本実施形態において、払出制御基板56は、予め定められた規定周期Tで基本パルスを生成する基本パルス生成手段として機能する。そして、主制御基板54に対して、RWMクリア信号がオンの状態で、リセット信号が入力され、符号T1に示すタイミングで、リセット信号がオンからオフになったときには、RWMクリアが検出され、主制御用RWM54cに割り当てられたセキュリティ情報出力カウンタが「0」から「1」になる。
そして、主制御基板54の初期設定が終了した後、符号T2に示すタイミングで、払出制御基板56から主制御基板54に基本パルスがオンとして入力されると、セキュリティ情報信号がオンとして主制御基板54から払出制御基板56に出力される。そして、セキュリティ情報信号がオンとして出力されたことに応じてセキュリティ情報出力カウンタが「1」から「0」になる。また、このセキュリティ情報信号は、基本パルスの規定周期Tがオンとなっている時間だけオンとなり、基本パルスの規定周期Tがオフとなる符合T3に示すタイミングでオフとなる。
また、符号T4に示すタイミングで磁気エラー、振動検知エラー、第1大入賞口不正入賞エラー、及び普通電動役物不正入賞エラーが同じタイミングで検出された場合には、セキュリティ情報出力カウンタが「0」から「1」になる。このように複数のエラー状態が検出された場合には、エラー状態が検出されたことが特定可能であり、1回のエラー状態の検出として計数される。また、セキュリティ情報出力カウンタが「1」になってから基本パルスがオフからオンになる前であり、各エラーが検出されなくなり、符号T5に示すタイミングで、再度、磁気エラー及び振動検知エラーが同時に検出された場合には、セキュリティ情報出力カウンタが「1」から「2」になる。
そして、符号T6に示すタイミングで払出制御基板56から主制御基板54に基本パルスがオンとして入力されると、セキュリティ情報信号がオンとして主制御基板54から払出制御基板56に出力され、セキュリティ情報出力カウンタが「2」から「1」になる。続いて、符号T8に示すタイミングで払出制御基板56から主制御基板54に基本パルスがオンとして入力されると、セキュリティ情報信号が主制御基板54から払出制御基板56に出力され、セキュリティ情報出力カウンタが「1」から「0」になる。この場合も、セキュリティ情報信号は、基本パルスの規定周期Tがオンとなっている時間だけオンとなり、基本パルスの規定周期Tがオフとなる符合T7や符号T9に示すタイミングでオフとなる。
ここで説明を戻し、主制御用CPU54aは、エラー状態を検出すると、そのエラー状態の報知を指示するエラー指定コマンドを選択し、該エラー指定コマンドを統括制御基板70に出力する。なお、本実施形態におけるエラー指示コマンドは、エラー状態毎に異なるコマンドである。
また、主制御用CPU54aは、エラー状態の検出が終了すると、そのエラー状態の報知の解除を指示するエラー解除指定コマンドを選択し、該エラー解除指定コマンドを統括制御基板70に出力する。なお、本実施形態におけるエラー終了指示コマンドは、エラー状態毎に異なるコマンドである。
その一方で、統括制御基板70の統括制御用CPU70aは、エラー指定コマンドを入力すると、該コマンドに対応するエラー報知を実行させる。具体的に、統括制御用CPU70aは、表示制御基板72に演出表示装置33において画像によるエラー報知を実行させ、音声・ランプ制御基板71に対してエラー報知の実行を指示し、スピーカ20からのエラー音によるエラー報知を実行させる。また、統括制御基板70のCPUは、エラー解除指定コマンドを入力すると、該コマンドに対応するエラー報知を終了させる。なお、本実施形態においては、図6に示すように、RWMクリア、磁気エラー、誘導磁界検知エラーについては、画像、音声及びランプを用いてエラー報知が行われる。また、振動検知エラー、第1大入賞口不正入賞エラー、第2大入賞口不正入賞エラー、役物内球詰まりエラー、扉開放については、音声及びランプを用いてエラー報知が行われる。また、普通電動役物不正入賞エラーについては、ランプを用いてエラー報知が行われる。また、満杯エラーについては、画像及び音声を用いてエラー報知が行われる。また、賞球エラーについては、ランプを用いてエラー報知が行われる。
また、RWMクリア、振動検知エラー、第1大入賞口不正入賞エラー、第2大入賞口不正入賞エラー及び普通電動役物不正入賞エラー、扉開放は、エラーが検知されてから予め定められた規定時間(例えば、30秒)が経過するまで、エラー報知が行われる。その一方で、磁気エラー、誘導磁界検知エラーは、電源断となるまでエラー報知が行われ、役物内球詰まりエラー、満杯エラー及び賞球エラーは、エラーが解除されるまでエラー報知が行われる。
また、これらのようなエラー報知としては、それぞれのエラー状態が特定可能なように、エラー状態毎に異なる報知態様で行われる。具体的な一例としては、磁気エラーが検出された場合には紫色で、誘導磁界検知エラーが検出された場合には緑色で、振動検知エラーが検出された場合には橙色で、役物内球詰まりエラーが検出された場合には青色で、それぞれ枠用ランプ部17が点灯する。また、エラー状態毎に異なる音声データが対応付けられており、異なる音声を用いたエラー報知が行われる。
また、統括制御用ROM70bには、エラー状態毎に優先順位が記憶されている。具体的には、優先順位の高い順に、RWMクリア、磁気エラー、誘導磁界検知エラー、振動検知エラー、第1大入賞口不正入賞エラー、第2大入賞口不正入賞エラー、普通電動役物不正入賞エラー、役物内球詰まりエラー、扉開放、満杯エラー、賞球エラーとして優先順位が規定されている。特に、振動検知エラーのほうが、役物内球詰まりエラーより優先順位が高くなるように優先順位が規定されている。なお、本実施形態において、このような統括制御用ROM70bは、複数種類のエラー毎に優先順位が記憶された優先順位記憶手段として機能する。
そして、統括制御用CPU70aは、複数種類のエラー状態が検知されている場合には、検知されている複数のエラーに関するエラー報知を重複させて実行させることはなく、複数のエラーの優先順位を統括制御用ROM70bから読み出し、優先順位の最も高い1種類のエラー状態に関するエラー報知を実行させるように制御する。また、統括制御用CPU70aは、複数種類のエラー状態が検知されている場合において、優先順位が最も高いエラー状態を指定するエラー解除指定コマンドを入力したときには、エラー解除指定コマンドにより指定されたエラー状態を除いて、優先順位が最も高いエラー状態に関するエラー報知を実行させるように制御する。
次に、払出制御基板56は、主制御中継端子板58を介して主制御基板54から出力された各種信号を入力すると、情報1信号〜情報7信号と、扉開放情報信号と、セキュリティ情報信号と、賞球予定情報信号(払出予定信号)と、賞球情報信号とを外部端子板53を介してホールコンピュータHCに出力する。これらの各信号は、別々の信号線を用いて出力される。なお、情報1信号〜情報7信号と、扉開放情報信号と、セキュリティ情報信号とは、払出制御用CPU56aに入力されず、該払出制御用CPU56aは各信号を用いた制御を実行しない。このように払出制御用CPU56aが制御に用いない各信号の信号線も払出制御基板56に接続することで、各信号の信号線を主制御中継端子板58と外部端子板53との間に特別に配設する必要がなく、賞球制御信号の信号線とまとめたコネクタを使って信号を送ることができる。また、賞球予定情報信号と賞球情報信号とを払出制御基板56経由で外部端子板53に送信する構成により、払出制御用CPU56aが外部端子板53に出力する情報1信号などの信号線とまとめたコネクタを使って賞球予定情報信号と賞球情報信号とを送ることもできる。したがって、信号線の取り回し形態の簡素化や、部品点数の削減を図ることができる。
特に、払出制御基板56は、賞球制御信号を入力した場合には、各出力条件の成立により、外部端子板53を介してホールコンピュータHCに対して、賞球予定情報信号や賞球情報信号を出力することとなる。賞球予定情報信号は、払出ユニット61により遊技球の払出動作が行われたか否かに拘わらず、予め定めた一定数単位(本実施形態では10球)の賞球としての遊技球を払出す予定がある旨を指示する信号である。この賞球予定情報信号は、賞球制御信号の入力を契機に計数された賞球予定球数(払出予定球数)が一定数(規定数)以上となった場合にオンとなり、その賞球予定球数が一定数未満となった場合にオフとなる。その一方で、賞球情報信号は、予め定めた一定数単位(本実施形態では10球)の賞球としての遊技球の払出した旨を指示する信号である。この賞球情報信号は、一定数単位の賞球としての遊技球の払出しが完了した場合にオンとなり、払出しが完了していない場合にオフとなる。また、これら賞球予定情報信号、賞球情報信号は、貸出指示に伴う賞球数を含まずに、各種の入賞口への入賞に伴う賞球数を示す信号である。
以下、本実施形態において主制御基板54の主制御用CPU54aや払出制御基板56の払出制御用CPU56a等が実行する制御内容を図8〜図10のフローチャートを参照して以下に説明する。なお、図8〜図10のフローチャートには、各種CPUが実行する制御内容の中でも、エラー報知に係る制御に関連する制御内容を示しており、これらの処理を中心に説明する。
まず、メイン処理について以下に説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機では、電源の投入に伴って、主制御用CPU54aは、リセット信号が入力されると、タイマ割込み処理の割込みを禁止するとともに、CPU内蔵のRWMのアクセスを許可し、さらにCPU周辺デバイスとウォッチドッグタイマの初期設定を行い、電源投入時に必要な各種設定を行う。次に、主制御用CPU54aは、RWMクリアスイッチRCSの設定に応じて初期化を行うか否かと、正常にバックアップが行われているか否かと、を判定する。主制御用CPU54aは、初期化を行う、又は、正常にバックアップが行われていないと判定した場合、主制御用RWM54cに記憶されているバックアップデータを消去し、初期値に基づき初期化時の処理を行う。その一方で、主制御用CPU54aは、初期化を行わず、正常にバックアップが行われていると判定した場合、バックアップデータの設定値に基づき復電時の処理を行う。
その一方で、払出制御基板56においても同じように、電源の投入に伴って、払出制御用CPU56aは、リセット信号が入力されると、タイマ割込み処理の割込みを禁止するとともに、CPU内蔵のRWMのアクセスを許可し、さらにCPU周辺デバイスとウォッチドッグタイマの初期設定を行い、電源投入時に必要な各種設定を行う。次に、払出制御用CPU56aは、RWMクリアスイッチRCSの設定に応じて初期化を行うか否かと、正常にバックアップが行われているか否かとを判定する。払出制御用CPU56aは、初期化を行う、又は、正常にバックアップが行われていないと判定した場合、払出制御用RWM56cに記憶されているバックアップデータを消去し、初期値に基づき初期化時の処理を行う。その一方で、払出制御用CPU56aは、初期化を行わず、正常にバックアップが行われていると判定した場合、バックアップデータの設定値に基づき復電時の処理を行う。
特別図柄入力処理について以下に説明する。
最初に、主制御用CPU54aは、第1始動口スイッチSW1から検知信号を入力しているか否かに基づいて、第1始動入賞口37に遊技球が入賞したか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合、主制御用CPU54aは、主制御用RWM54cに記憶されている第1保留記憶数が上限数の「4」未満であるか否かを判定する。第1保留記憶数が「4」未満である場合、主制御用CPU54aは、第1保留記憶数を「1」加算する。第1保留記憶数を更新(「1」加算)した主制御用CPU54aは、更新後(加算後)の第1保留記憶数を表示するように第1特別図柄保留表示装置35aの表示内容を制御する。次に、主制御用CPU54aは、各種乱数の値(本実施形態では当り判定用乱数の値など)を主制御用RWM54cから読み出して取得し、該値を第1保留記憶数に対応する主制御用RWM54cの所定の記憶領域に設定する。その後、主制御用CPU54aは、特別図柄入力処理を終了する。
その一方で、第1始動入賞口37に遊技球が入賞しない場合、又は第1始動入賞口37に遊技球が入賞したが第1保留記憶数が「4」未満でない場合、主制御用CPU54aは、第2始動口スイッチSW2から検知信号を入力しているか否かに基づいて、第2始動入賞口38に遊技球が入賞したか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合、主制御用CPU54aは、主制御用RWM54cに記憶されている第2保留記憶数が上限数の「4」未満であるか否かを判定する。第2保留記憶数が「4」未満でない場合、主制御用CPU54aは、特別図柄入力処理を終了する。一方、第2保留記憶数が「4」未満である場合、主制御用CPU54aは、第2保留記憶数を「1」加算する。第2保留記憶数を更新(「1」加算)した主制御用CPU54aは、更新後(加算後)の第2保留記憶数を表示するように第2特別図柄保留表示装置35bの表示内容を制御する。次に、主制御用CPU54aは、各種乱数の値(本実施形態では当り判定用乱数の値など)を主制御用RWM54cから読み出して取得し、該値を第2保留記憶数に対応する主制御用RWM54cの所定の記憶領域に設定する。その後、主制御用CPU54aは、特別図柄入力処理を終了する。
次に、特別図柄開始処理について以下に説明する。
最初に、主制御用CPU54aは、変動ゲームの実行中、又は大当り遊技中か否かの実行条件を判定する。この判定結果が肯定(変動ゲーム中、又は当り遊技中である)の場合、主制御用CPU54aは、特別図柄開始処理を終了する。
その一方で、この判定結果が否定(変動ゲーム中ではなく、かつ大当り遊技中ではない)の場合、主制御用CPU54aは、主制御用RWM54cに記憶されている第2保留記憶数が「0」よりも大きいか否かを判定する第2保留判定処理を実行する。第2保留記憶数が「1」以上の場合、第2保留記憶数を「1」減算し、更新後(減算後)の第2保留記憶数を表示するように第2特別図柄保留表示装置35bの表示内容を制御する。そして、主制御用CPU54aは、第2大当り判定処理を実行する。
その一方で、主制御用CPU54aは、第2保留記憶数が「0」である場合、主制御用RWM54cに記憶されている第1保留記憶数が「0」よりも大きいか否かを判定する第1保留判定処理を実行する。第1保留記憶数が「1」以上の場合、第1保留記憶数を「1」減算し、更新後(減算後)の第1保留記憶数を表示するように第1特別図柄保留表示装置35aの表示内容を制御する。そして、主制御用CPU54aは、第1大当り判定処理を実行する。
このように、主制御用CPU54aは、第1保留記憶数及び第2保留記憶数の両方が「1」以上である場合、第2大当り判定処理を優先して行うことによって、第2変動ゲームを優先的に実行させることとなる。
第1大当り判定処理において、主制御用CPU54aは、第1保留記憶数に対応付けられて主制御用RWM54cの所定の記憶領域に記憶されている当り判定用乱数の値を読み出す。続いて、主制御用CPU54aは、第1保留記憶数に対応付けられた当り判定用乱数の値と大当り判定値を比較し、両値が一致するか否かの大当り判定をする。
この大当り判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU54aは、大当りとなる変動ゲームであることを示す大当りフラグに「1」を設定し、大当りとなる変動ゲームを実行させるための第1大当り時変動処理を実行する。第1大当り時変動処理において主制御用CPU54aは、第1保留記憶数に対応付けられた特図振分乱数の値を主制御用RWM54cから読み出し、該特図振分乱数の値に基づいて、第1特別図柄表示装置34aに確定停止表示させる特図(最終停止図柄)として大当り図柄を決定し、大当り図柄に対応する大当りの種類を決定することとなる。続いて、主制御用CPU54aは、大当り変動用変動パターンの中から何れかを選択し、決定する。その後、主制御用CPU54aは、特別図柄開始処理を終了する。
その一方で、上記大当り判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU54aは、第1保留記憶数に対応付けられたリーチ判定用乱数の値を読み出すとともに、リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値を比較し、両値が一致するか否かのリーチ判定を行う。なお、リーチ判定値としては、主に、変短状態が付与されているか否か、減算後の保留記憶数等によって異なる値が定められており、リーチ演出を実行させるか否かを決定する確率が異なる場合がある。
このリーチ判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU54aは、リーチ判定に当選したことから、はずれリーチ変動となる変動ゲームを実行させるための第1リーチ時変動処理を実行する。第1リーチ時変動処理において主制御用CPU54aは、第1特別図柄表示装置34aに確定停止表示させる特図としてはずれ図柄を決定するとともに、はずれリーチ変動用変動パターンの中から何れかを選択し、決定する。その後、主制御用CPU54aは、特別図柄開始処理を終了する。
その一方で、リーチ判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU54aは、リーチ判定に当選しなかったことから、はずれ変動となる変動ゲームを実行させるための第1はずれ時変動処理を実行する。第1はずれ時変動処理において主制御用CPU54aは、第1特別図柄表示装置34aに確定停止表示させる特図としてはずれ図柄を決定する。続いて、主制御用CPU54aは、はずれ変動用変動パターンの中から何れかを選択し、決定する。その後、主制御用CPU54aは、特別図柄開始処理を終了する。
その一方で、第2大当り判定処理において、主制御用CPU54aは、第2保留記憶数に対応付けられて主制御用RWM54cの所定の記憶領域に記憶されている当り判定用乱数の値を読み出す。続いて、主制御用CPU54aは、第2保留記憶数に対応付けられた当り判定用乱数の値と大当り判定値を比較し、両値が一致するか否かの大当り判定をする。
この大当り判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU54aは、大当りとなる変動ゲームであることを示す大当りフラグに「1」を設定し、大当りとなる変動ゲームを実行させるための第2大当り時変動処理を実行する。第2大当り時変動処理において主制御用CPU54aは、第2保留記憶数に対応付けられた特図振分乱数の値を主制御用RWM54cから読み出し、該特図振分乱数の値に基づいて、第2特別図柄表示装置34bに確定停止表示させる特図(最終停止図柄)として大当り図柄を決定する。続いて、主制御用CPU54aは、大当り変動用変動パターンの中から何れかを選択し、決定する。その後、主制御用CPU54aは、特別図柄開始処理を終了する。
その一方で、上記大当り判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU54aは、当り判定用乱数の値と小当り判定値を比較し、両値が一致するか否かの小当り判定をする。
この小当り判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU54aは、小当りとなる変動ゲームであることを示す小当りフラグに「1」を設定し、小当りとなる変動ゲームを実行させるための第2小当り時変動処理を実行する。第2小当り時変動処理において主制御用CPU54aは、第2保留記憶数に対応付けられた特図振分乱数の値を主制御用RWM54cから読み出し、該特図振分乱数の値に基づいて、第2特別図柄表示装置34bに確定停止表示させる特図として小当り図柄を決定し、小当り変動用変動パターンの中から何れかを選択し、決定する。その後、主制御用CPU54aは、特別図柄開始処理を終了する。
その一方で、上記小当り判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU54aは、当り判定用乱数の値が大当り又は小当りとなる値ではないことからはずれを特定する。このため、主制御用CPU54aは、第2保留記憶数に対応付けられたリーチ判定用乱数の値を読み出すとともに、リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値を比較し、両値が一致するか否かのリーチ判定を行う。
このリーチ判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU54aは、リーチ判定に当選したことから、はずれリーチ変動となる変動ゲームを実行させるための第2リーチ時変動処理を実行する。第2リーチ時変動処理において主制御用CPU54aは、第2特別図柄表示装置34bに確定停止表示させる特図としてはずれ図柄を決定するとともに、はずれリーチ変動用変動パターンの中から何れかを選択し、決定する。その後、主制御用CPU54aは、特別図柄開始処理を終了する。
その一方で、リーチ判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU54aは、リーチ判定に当選しなかったことから、はずれ変動となる変動ゲームを実行させるための第2はずれ時変動処理を実行する。第2はずれ時変動処理において主制御用CPU54aは、第2特別図柄表示装置34bに確定停止表示させる特図としてはずれ図柄を決定する。続いて、主制御用CPU54aは、はずれ変動用変動パターンの中から何れかを選択し、決定する。その後、主制御用CPU54aは、特別図柄開始処理を終了する。
その後、特別図柄開始処理とは別の処理において、主制御用CPU54aは、特別図柄開始処理において決定した決定事項にしたがって生成した制御コマンドを所定のタイミングで統括制御基板70(統括制御用CPU70a)に出力する。具体的に、主制御用CPU54aは、変動パターンを指示するとともに変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを変動ゲームの開始に際して最初に出力する。また、主制御用CPU54aは、特図を指定する特図用の特図指定コマンドを変動パターン指定コマンドの出力後、次に出力する。また、主制御用CPU54aは、特図の確定停止表示に際して全図柄停止コマンドを統括制御基板70に出力する。
このように、主制御用CPU54aは、大当り遊技を決定した場合、決定した変動パターンに基づく変動ゲームの終了後、最終停止図柄に基づいて特定された種類の大当り遊技の制御を開始し、統括制御基板70の統括制御用CPU70aに対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。主制御用CPU54aは、変動ゲームが終了すると、オープニングコマンドを出力する。また、主制御用CPU54aは、ラウンドの開始毎にラウンドコマンドを出力する。また、主制御用CPU54aは、最後のラウンドのラウンド遊技が終了すると、インターバル時間の経過後にエンディングコマンドを出力する。そして、主制御用CPU54aは、エンディング時間の経過後、大当りフラグに「0」を設定し(クリアし)、大当り遊技を終了させる。なお、主制御用CPU54aは、大当りに当選した場合、第1大入賞口40を開放させるときに、開放信号を出力し、第1大入賞口40を閉鎖させるときに、閉鎖信号を出力する。
また、主制御用CPU54aは、小当り遊技を決定した場合、大当り遊技を決定した場合におけるオープニングコマンド、ラウンドコマンド、エンディングコマンドと同じようにコマンドを出力する。そして、主制御用CPU54aは、エンディング時間の経過後、小当りフラグに「0」を設定し(クリアし)、小当り遊技を終了させる。なお、主制御用CPU54aは、小当りに当選した場合、第2大入賞口41を開放させるときに、開放信号を出力し、第2大入賞口41を閉鎖させるときに、閉鎖信号を出力する。
また、主制御用CPU54aは、小当り遊技が開始されてから規定時間が経過した場合には、特定領域ソレノイドSOL4に開放信号を出力し、開閉片45を変位させ、特定領域43を開放させる。そして、主制御用CPU54aは、特定領域43が開放されてから所定時間(開放時間)が経過した場合には、特定領域ソレノイドSOL4に閉鎖信号を出力し、開閉片45を変位させ、特定領域43を閉鎖させる。
また、小当り遊技中において、主制御用CPU54aは、特定領域スイッチSW6からの入賞信号に基づいて遊技球が特定領域43を通過したと判定した場合、大当りフラグに「1」を設定し、小当り遊技の終了後、大当り抽選に当選したことに伴う大当り遊技と同じように大当り遊技を行うこととなる。なお、本実施形態において、特定領域43に遊技球が通過した場合に付与される第2変動ゲームの大当りの種類としては、第2始動入賞口38に遊技球が入賞したときに抽出された特図振分乱数に基づいて決定される。その一方で、主制御用CPU54aは、特定領域スイッチSW6からの入賞信号に基づいて遊技球が特定領域43を通過していないと判定した場合、小当り遊技の終了後、大当り遊技を開始させることなく、遊技状態を維持して次の変動ゲームを行うこととなる。
また、主制御用CPU54aは、作動フラグの制御により、変短状態に関する遊技状態の制御を行うこととなる。具体的には、主制御用CPU54aは、当り遊技の種類に拘わらず、大当り遊技の開始時に、作動フラグをクリアする(「0」を設定する)。
また、主制御用CPU54aは、大当り遊技の終了後に、当選した大当りの種類に基づいて、変短状態を付与するか否かを決定し、変短状態を付与する場合には、変短状態を付与することを示す作動フラグに「1」を設定する一方、変短状態を付与しない場合には、作動フラグに「0」を設定する。なお、本実施形態においては、決定された特図に対応する当りの種類と、当選時の遊技状態とに基づいて、変短状態が付与されるか否かが決定される。そして、主制御用CPU54aは、作動フラグに対応する変短指定コマンドを統括制御基板70に出力する。変短指定コマンドは、変短状態が付与されているか否かを示すコマンドである。
次に、普図ゲームに関する普通図柄入力処理について以下に説明する。
普通図柄入力処理において、主制御用CPU54aは、遊技球が作動ゲート39を通過したと判定した場合、主制御用RWM54cに記憶されている普図保留記憶数が上限数の「4」未満であるか否かを判定する。そして、その判定結果が肯定(普図保留記憶数<「4」)の場合、主制御用CPU54aは、普図保留記憶数を「1」加算し、普図保留記憶数を書き換える。続いて、主制御用CPU54aは、普通当り判定用乱数の値を主制御用RWM54cから読み出して取得し、該値を普図保留記憶数に対応付けられた主制御用RWM54cの所定の記憶領域に設定し、普通図柄入力処理を終了する。
次に、主制御用CPU54aは、以下のような処理を所定の制御周期(本実施形態では、4ms)毎に実行する。主制御用CPU54aは、まず、普図が変動表示中又は普通当り遊技中ではない場合において、読み出した普図保留記憶数が「0」よりも大きいときには、普図保留記憶数の数を「1」減算し、当該普図保留記憶数に対応付けられて主制御用RWM54cの所定の記憶領域に記憶されている普通当り判定用乱数の値を取得する。そして、主制御用CPU54aは、取得した普通当り判定用乱数の値が主制御用ROM54bに記憶されている普通当り判定値と一致するか否かを判定して普通当り判定を行い、判定結果に対応する普図を、普通図柄表示装置36にて確定停止表示される最終停止図柄として決定する。そして、主制御用CPU54aは、普図の変動表示を開始させるように普通図柄表示装置36の表示内容を制御するなど、普図ゲームに関する各種処理を実行する。
そして、主制御用CPU54aは、普通当りを決定した場合、普図ゲームの終了後、普通当り遊技に関する制御を実行する。また、主制御用CPU54aは、普図ゲームが開始したときに変短状態が付与されているか否かによって異なる開放態様にて、開閉扉38bを開放させるよう普通電動役物ソレノイドSOL1を制御する。
なお、本実施形態において、主制御用CPU54aは、変短状態が付与されているか否かに応じた普図ゲームの変動パターンを選択し、決定する。これにより、主制御用CPU54aは、変短状態では、非変短状態よりも普図ゲームの変動時間を短くさせるよう制御するとともに、1回の普通当りに対応する合計開放時間を長く開放させるよう制御する。
次に、主制御用CPU54aによって実行されるエラー検知時処理について図8を参照して以下に説明する。このエラー検知時処理は、エラーに関連する検知を行ったときに実行される処理であり、主制御用CPU54aは、本処理を所定周期毎に実行するようになっている。
図8に示すように、主制御用CPU54aは、各種信号の入力に基づいて、エラー状態を検知したか否かを判定する(ステップS101)。具体的な一例としては、主制御用CPU54aは、主制御中継端子板58を介して入力される電源基板55からのRWMクリア信号がオンとなった状態で、リセット信号がオンとなったときには、RWMクリアを検知したと判定する。また、主制御用CPU54aは、磁気センサSE1により所定の強さ以上の磁気が検知され、磁気センサSE1からの磁気検知信号がオンとなったときには、磁気エラーを検知したと判定する。
また、主制御用CPU54aは、大当り遊技中であるか否かを判定し、大当り遊技中ではない通常の遊技中であると判定した場合において、第1大入賞口40に遊技球が入賞し、第1カウントスイッチSW3からの入賞信号がオンとなったときには、第1大入賞口不正入賞エラーを検知したと判定する。また、主制御用CPU54aは、小当り遊技中であるか否かを判定し、小当り遊技中ではない通常の遊技中であると判定した場合において、第2大入賞口41に遊技球が入賞し、第2カウントスイッチSW4からの入賞信号がオンとなったときには、第2大入賞口不正入賞エラーを検知したと判定する。また、主制御用CPU54aは、開閉扉38bが閉鎖しており、開閉扉38bの閉鎖動作から一定時間が経過したか否かを判定し、肯定と判定した場合において、第2始動口スイッチSW2からの入賞信号がオンとなったときには、普通電動役物不正入賞エラーを検知したと判定する。また、主制御用CPU54aは、主制御中継端子板58を介して入力される払出制御基板56からの扉開放信号がオンとなったときには、扉開放を検知したと判定する。
また、主制御用CPU54aは、各スイッチSW1〜SW7のうち何れかからの入賞信号が規定時間を越えて連続してオンとなったときには、役物内球詰まりエラーを検知したと判定する。また、主制御用CPU54aは、第2大入賞口41における第2カウントスイッチSW4からの入賞信号がオンとなってから、所定時間が経過しても、特定領域スイッチSW6、一般領域スイッチSW7のうち何れかからの入賞信号がオンとならないときにも、役物内球詰まりエラーを検知したと判定する。このように、各スイッチSW1〜SW7からの検知信号(検知結果)に基づいて各入賞口37〜41の少なくとも何れかに入賞した遊技球が残存しているか否かを判定する主制御用CPU54aが第1判定手段に相当する。
特に、主制御用CPU54aは、図9の振動検知エラー制御処理を実行することによって、振動検知エラーであるか否かを検知することとなる。図9に示すように、主制御用CPU54aは、振動検知センサSE3からの振動検知信号がオンとなっているか否かによって、所定の強度以上の振動が検知されたか否かを判定する(ステップS111)。
主制御用CPU54aは、所定の強度以上の振動が検知されたと判定した場合には、役物内球詰まりエラー中であるか否かを判定する(ステップS112)。そして、主制御用CPU54aは、役物内球詰まりエラー中であると判定した場合には、振動検知エラーが発生していることを示すデータを主制御用RWM54cに設定する振動検知エラー設定処理を実行し(ステップS113)、本処理を終了する。その一方で、主制御用CPU54aは、所定の強度以上の振動が検知されていない、又は、役物内球詰まりエラー中ではないと判定した場合には、ステップS113を実行せずに、振動検知エラーが発生していることを示すデータを主制御用RWM54cに設定することなく、本処理を終了する。つまり、本実施形態において、所定の強度以上の振動が検知された場合であっても、役物内球詰まりエラー中でなければ、振動検知エラーが検知されず、役物内球詰まりエラー中であって始めて、振動検知エラーが検知されることとなる。このように、振動検知センサSE3からの振動検知信号(検知結果)に基づいて所定の強度以上(特定)の振動が検知されたか否かを判定する主制御用CPU54aが第2判定手段に相当する。
ここで説明を戻し、図8のステップS101の判定結果が否定の場合(エラー状態を検知していない)、主制御用CPU54aは、ステップS102〜S105を実行することなく、エラー検知時処理を終了する。その一方で、ステップS101の判定結果が肯定の場合(エラー状態を検知した)、主制御用CPU54aは、検知したエラーの種類を特定可能なエラー情報を主制御用RWM54cに記憶し、ステップS102に移行する。なお、本実施形態において、主制御用CPU54aは、エラー情報を重複しないように主制御用RWM54cに記憶することとなる。
ステップS102において、主制御用CPU54aは、主制御用RWM54cに記憶されたエラー情報に基づいて、特定のエラー状態を検知したか否かを判定する。本実施形態において、この特定のエラー状態としては、RWMクリアと、磁気エラーと、誘導磁界検知エラーと、振動検知エラーと、第1大入賞口不正入賞エラーと、第2大入賞口不正入賞エラーと、普通電動役物不正入賞エラーとが該当し、主なる非特定のエラーとしては、役物内球詰まりエラーと、扉開放と、満杯エラーと、賞球エラーとが該当する。ステップS102の判定結果が否定の場合(特定状態のエラーを検知していない)、主制御用CPU54aは、ステップS103,S104を実行することなく、ステップS105に移行する。その一方で、ステップS102の判定結果が肯定の場合(特定のエラー状態を検知した)、主制御用CPU54aは、ステップS103に移行する。
ステップS103において、主制御用CPU54aは、エラー状態が検知されない状態から検知された状態となったことを示すセキュリティ情報出力回数(判定回数)を計数するセキュリティ情報出力回数計数処理を実行する。特に、主制御用CPU54aは、同じ規定周期に伴って複数のエラーが検知された場合であっても、それぞれで共通してセキュリティ情報出力回数を1回として計数することとなる。そして、主制御用CPU54aは、計数したセキュリティ情報出力回数を、主制御用RWM54cに割り当てられたセキュリティ情報出力カウンタに記憶するセキュリティ情報出力回数記憶処理を実行し(ステップS104)、ステップS105に移行する。
ステップS105において、主制御用CPU54aは、遊技機においてエラーに関する報知を行うためのエラー指定コマンド設定処理を実行し、エラー検知時処理を終了する。なお、本実施形態におけるエラー指定コマンドとしては、図6に示すエラー状態の種類を特定可能なコマンドである。
その後、エラー検知時処理とは別の処理において、主制御用CPU54aは、エラー指定コマンドを所定のタイミングで統括制御基板70(統括制御用CPU70a)に出力する。これによって、統括制御用CPU70aは、エラー指定コマンドにより指定されるエラー状態の種類に対応する信号を、枠用ランプ部17、スピーカ20、演出表示装置33に出力することによって、エラー状態の種類に対応する報知態様のエラー報知を、枠用ランプ部17、スピーカ20、演出表示装置33に行わせる制御を行うこととなる。
特に、統括制御用CPU70aは、エラー指定コマンドに基づいて、複数種類のエラー状態が検知されているときには、それら複数種類のエラーの優先順位を判定し、優先順位が高くないと判定されたエラーに関する報知を行なわせずに、優先順位が最も高いと判定されたエラーに関する報知を優先して行わせる制御を行うこととなる。
また、主制御用CPU54aは、エラー状態の検知が解除されたときには、エラー解除指定コマンドを所定のタイミングで統括制御基板70(統括制御用CPU70a)に出力する。これによって、統括制御用CPU70aは、エラー状態に関する信号を、枠用ランプ部17、スピーカ20、演出表示装置33に出力することなく、枠用ランプ部17、スピーカ20、演出表示装置33におけるエラー報知の実行を終了させる制御を行うこととなる。
特に、統括制御用CPU70aは、複数種類のエラー状態が検知されている場合において、最も優先順位の高いエラー状態の検知が解除されたときには、未だに検知されている一種類又は複数種類のエラー状態の優先順位を判定する。そして、統括制御用CPU70aは、優先順位が高くないと判定されたエラーに関する報知を行なわせずに、優先順位が最も高いと判定されたエラーに関する報知を優先して行わせる制御を行うこととなる。なお、本実施形態において、このような処理を実行する統括制御用CPU70aは、優先順位判定手段、報知制御手段に相当する。
次に、主制御用CPU54aによって実行されるセキュリティ情報信号出力処理について図10を参照して以下に説明する。このセキュリティ情報信号出力処理は、払出制御基板56に出力するセキュリティ情報に関する制御を行うための処理である。主制御用CPU54aは、払出制御基板56から供給される基本パルスがオフからオンとなる毎に本処理を実行するようになっている。なお、本実施形態においては、基本パルスのオフとオンとの切替を行う周期としては、0.056sに規定されている。
図10に示すように、主制御用CPU54aは、主制御用RWM54cに記憶されたセキュリティ情報出力カウンタから値を読み出し、セキュリティ情報出力回数が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS131)。ステップS131の判定結果が否定の場合(セキュリティ情報出力回数が「1」以上ではない)、主制御用CPU54aは、ステップS132,S133を実行することなく、セキュリティ情報信号出力処理を終了する。その一方で、ステップS131の判定結果が肯定の場合(セキュリティ情報出力回数が「1」以上である)、主制御用CPU54aは、ステップS132に移行する。
ステップS132において、主制御用CPU54aは、基本パルスがオフからオンとなってからオフになるまでの間、払出制御基板56に対してセキュリティ情報信号をオンとして出力する。また、このセキュリティ情報信号は、払出制御用CPU56aに入力されず、該払出制御用CPU56aはセキュリティ情報信号を用いた制御を実行しない。そして、セキュリティ情報信号は、払出制御基板56から外部端子板53を介してホールコンピュータHCに出力されることとなる。
そして、主制御用CPU54aは、主制御用RWM54cに記憶されたセキュリティ情報出力カウンタの値を読み出し、セキュリティ情報出力回数を「1」減算するセキュリティ情報出力回数減算処理を実行し(ステップS133)、セキュリティ情報信号出力処理を終了する。つまり、この処理において、主制御用CPU54aは、セキュリティ情報出力回数を、セキュリティ情報信号の出力回数分だけ減算する更新を行うこととなる。
このように制御することによって、主制御用CPU54aは、エラー状態が検知されたときには、該エラー状態が検知されたセキュリティ情報出力回数を計数し、セキュリティ情報出力回数が「1」以上であり、エラー状態が検知されたことが記憶されていると判定された場合に、セキュリティ情報信号をホールコンピュータHCに出力する。特に、主制御用CPU54aは、賞球予定球数や未払出球数等の記憶内容の初期化を示すリセット信号とRWMクリア信号と(初期化コマンド)が入力されたことを契機に、主制御中継端子板58、払出制御基板56及び外部端子板53を介してホールコンピュータHCにセキュリティ情報信号を出力することとなる。なお、本実施形態において、主制御用CPU54aが、判定回数計数手段、判定回数記憶手段、判定回数判定手段、出力手段、判定回数更新手段に相当する。
図11を参照して、振動検知エラーの報知と、役物内球詰まりエラーの報知との関係についての一例を説明する。
図11(a)に示すように、各スイッチSW1〜SW7のうち何れかからの入賞信号が規定時間を越えて連続してオンとなっていない場合には、役物内球詰まりエラーが検知されず、役物内球詰まりエラーを示すエラー報知(第1報知)も行われない。また、振動検知センサSE3からの振動検知信号が入力されていない場合には、振動検知エラーが検知されず、振動検知エラーを示すエラー報知(第2報知)も行われない。
図11(b)に示すように、符号T11のタイミングから符号T12のタイミングまで、各スイッチSW1〜SW7のうち何れかからの入賞信号が規定時間を越えて連続してオンとなった場合には、役物内球詰まりエラーが検知され、第1報知が行われる。この第1報知は、役物内球詰まりエラーが検知された符号T11のタイミングから、役物内球詰まりエラーが解消された符号T12のタイミングまで行われる。なお、この場合、振動検知センサSE3からの振動検知信号が入力されていない。このように、第1報知が行われている場合において、振動検知エラーが検知されていないときには、役物内球詰まりエラーが検知されなくなるまで第1報知が継続して行われる。
図11(c)に示すように、符号T13のタイミングから符号T14のタイミングまで、振動検知センサSE3からの振動検知信号が入力されても、各スイッチSW1〜SW7の入賞信号が規定時間を越えて連続してオンとなっていないので、振動検知エラーが検知されず、第2報知も行われない。
図11(d)に示すように、符号T11のタイミングから符号T12のタイミングまで、役物内球詰まりエラーが検知された場合において、符号T15のタイミングから符号T16のタイミングまで振動検知センサSE3からの振動検知信号が入力されたときには、振動検知エラーが検知される。
この場合、符号T11のタイミングから符号T15のタイミングまでは、役物内球詰まりエラーが検知され、振動検知エラーが検知されていないので、第1報知が行われる。そして、符号T15のタイミングで振動検知エラーが検知されると、符号T15のタイミングで第1報知が終了し、第2報知が行われる。このように、第1報知を行わせた場合において、役物内球詰まりエラーが検知されなくなる前に、振動検知エラーが検知されたときには、第2報知が行われる。なお、第2報知が行われている場合には、振動検知エラー、役物内球詰まりエラーが検知されているか否かに拘わらず、振動検知エラーが検知されてから規定時間TL(例えば30秒)が経過するまで第2報知が継続して行われる。この場合、符号T16のタイミングで振動検知エラーが検知されなくなったが、規定時間TLが経過していないため、規定時間TLが経過する符号T17のタイミングまで第2報知が行われる。なお、規定時間TLが経過しても振動検知エラーが検知されている場合には、その検知タイミングから規定時間TLが経過するまで第2報知が行われる。
続いて、符合T17のタイミングで振動検知エラーが検知されなくなったが、役物内球詰まりエラーが検知されているため、役物内球詰まりエラーが解消する符号T12のタイミングまで第1報知が行われる。なお、符合T17のタイミングで、役物内球詰まりエラーが検知されていない場合には、第1報知と第2報知との両方が行われない。
このように、役物内球詰まりエラーが検知されたことを条件として、第1報知が行われる一方で、役物内球詰まりエラーが検知され、かつ、振動検知エラーが検知された場合には、異なる報知内容の第2報知が行われる。特に、第1報知と第2報知とが重複して行われることはなく、何れか一方が行われることとなる。
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)振動検知センサSE3からの信号に基づいて所定の強度以上の振動が検知されたか否かが判定される。遊技領域H1における第2大入賞口41を始めとする各入賞口37〜41の少なくとも何れかに遊技球が残存しているときには遊技が確実に行われており、その場合に、所定の強度以上の振動が検知されたか否かを判定し、振動検知エラーに関する第2報知を行う。したがって、振動による不正行為に関する検知結果について効果的な報知を行うことができる。
(2)また、各入賞口37〜41の少なくとも何れかに遊技球が残存していることを利用して、所定の強度以上の振動により不正行為が行われるおそれがあり、その場合に、所定の強度以上の振動が検知されたか否かを判定し、第2報知を行う。したがって、振動による不正行為に関する検知結果について効果的な報知を行うことができる。
(3)また、従来では、例えば、最初に検知されたエラーを報知する、又は、複数のエラーを重複させて報知するように制御していたが、遊技場の従業員や管理者等により特定し難い。特に、近年、役物内球詰まりエラーや振動検知エラーなどが重複して検知されるような不正行為も増えてきており、不正行為に関する検知結果について効果的な報知を行うことが望まれている。そこで、振動検知エラーの検知と役物内球詰まりエラーの検知とが重複して検知された場合には、振動検知エラーに関する第2報知を行わせるように構成した。このため、第2報知を行わせることによって、所定の強度以上の振動による不正行為を報知することができ、相対的に重大な不正行為を特定し易くすることができる。したがって、振動による不正行為に関する検知結果について効果的な報知を行うことができる。
(4)各入賞口37〜41の少なくとも何れかに入賞された遊技球が残存していない状態となるまで第1報知を行わせるとともに、その第1報知が行われているときに、所定の強度以上の振動が検知されたときには第1報知を終了させ、第2報知を行わせる。各入賞口37〜41の少なくとも何れかに入球された遊技球を残存させることよる不正行為は、ある程度の長い時間継続させる傾向があるので、その不正行為を特定し易くすることができる。また、第1報知が行われている場合であっても第2報知を行わせることができ、相対的に重大な不正行為を特定し易くすることができる。したがって、振動による不正行為に関する検知結果について効果的な報知を行うことができる。
(5)また、各入賞口37〜41の少なくとも何れかに入球された遊技球を残存させる第1工程、所定の強度以上の振動を施す第2工程の順に、不正行為が行われることが考えられるが、この場合、第1工程で第1報知が行われ、第2工程で第2報知が行われ、段階的に報知を行うことによって、不正行為を特定し易くすることができる。したがって、振動による不正行為に関する検知結果について効果的な報知を行うことができる。
(6)振動による不正行為はある程度の短い時間で行われる傾向があるため、振動検知エラーが解消することにより第2報知を終了させず、予め定められた規定時間TLが経過したことを契機として第2報知を終了させるので、その不正行為を特定し易くすることができる。また、第2報知が行われれば、その後に、遊技球が残存しているか否かに拘わらず、予め定められた規定時間TLが経過するまで第2報知を行わせることができ、相対的に重大な不正行為を特定し易くすることができる。したがって、振動による不正行為に関する検知結果について効果的な報知を行うことができる。
(7)役物内球詰まりエラーが検知されたとき、振動検知エラーが検知されたときには、検知されたセキュリティ情報出力回数を計数し、所定期間毎にセキュリティ情報出力回数だけセキュリティ情報信号をホールコンピュータHCに出力する。遊技場の係員等により特定可能となるように各種報知装置によってエラー報知が実行されるものの、遊技機自体で報知が行われるため、エラーの検知後にその分析を行う等の管理を行うことは容易なことではなかった。そこで、本実施形態のように構成することで、役物内球詰まりエラー、振動検知エラーに伴って容易に出力情報の管理を行うことができるように有用な遊技情報を出力することができる。
(8)役物内球詰まりエラー、振動検知エラーが規定周期内に複数回検知された場合であっても、そのセキュリティ情報出力回数を計数し、記憶する。これによって、そのセキュリティ情報出力回数分の出力情報を出力することができ、セキュリティ情報出力回数を特定可能な有用なセキュリティ情報信号(遊技情報)をホールコンピュータHCに出力することができるとともに、設計者の所望とする規定周期でセキュリティ情報信号の出力周期を制御することができる。例えば、セキュリティ情報信号を出力する間隔よりも短い時間に、各種のスイッチ・センサを何回も誤動作させる不正が行われることがあり、その場合に本発明を適用することは好適である。
尚、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・上記実施形態において、振動検知センサSE3として加速度センサを用いて遊技盤YBの加速度を検知したが、これに限らず、例えば、外枠12、中枠、前枠16など、パチンコ遊技機10の枠体の加速度を検知するように構成してもよい。また、例えば、振動が検知される場合、所定の強度以上の振動が検知された時間や回数によって、振動エラー状態であるか否かを判定してもよい。また、振動の振幅や速度を検知する振動検知センサを用いてもよい。
・上記実施形態において、演出に関するランプ演出が実行可能な枠用ランプ部17を用いて、ランプ演出とは異なる態様でエラー報知を行ったが、これに限らず、例えば、演出に関するランプと、エラー報知を行うランプとを別体に構成してもよい。
・上記実施形態において、ホールコンピュータHCに対するセキュリティ情報信号の1回の出力毎にセキュリティ情報出力回数を「1」減算したが、これに限らず、例えば、ホールコンピュータHCに対するセキュリティ情報信号の複数回の出力毎にセキュリティ情報出力回数を当該複数回だけ減算するように構成してもよい。
・上記実施形態において、1系統のセキュリティ情報信号をホールコンピュータHCに出力したが、これに限らず、例えば、2系統以上のセキュリティ情報信号を出力してもよい。この場合、複数系統のセキュリティ情報を複数本の信号線を用いてホールコンピュータHCに出力しても、1本の信号線を用いてホールコンピュータHCに出力してもよい。具体的な一例としては、2系統のセキュリティ情報を1本の信号線を用いて出力する場合には、例えば、オンとなる時間を、第1エラー状態を示すセキュリティ情報信号と、第2エラー状態を示すセキュリティ情報信号とで異ならせるようにすることで、ホールコンピュータHCも、第1エラー状態と第2エラー状態との何れであるかが特定可能となる。
・上記実施形態において、複数種類のエラー状態に優先順位が規定されており、検知されたエラー状態のうち優先順位が最も高い1種類のエラー状態に関するエラー報知を優先して行う構成としたが、これに限らず、例えば、検知されたエラー状態のうち、優先順位が高い2種類以上(複数種類)のエラー状態に関するエラー報知を行ってもよい。また、例えば、2種類のエラー状態を第1エラー状態と第2エラー状態とすると、第1エラー状態と第2エラー状態との分類については、優先順位に限らず、エラー状態の種類を問わない。例えば、振動検知エラー等の特定エラー状態を第1エラー状態として、それ以外のエラー状態を第2エラー状態として、報知を行い、セキュリティ情報1信号とセキュリティ情報2信号とを出力してもよい。また、例えば、検知されたエラー状態のうち、相対的な優先順位によって、報知態様が異なってもよい。具体的には、複数種類のエラー状態が検知された場合に、それら複数種類のエラー状態のなかで優先順位が最も高いエラー報知はそのまま報知を行うが、それ以外のエラー報知については、通常時よりも認識し難い態様でエラー報知を行うように構成してもよい。また、例えば、優先順位が規定されていなくてもよく、エラー報知を行わない構成であってもよい。
・上記実施形態において、第2始動入賞口38や各大入賞口40,41に予め規定された期間に遊技球が入賞した場合に、各種エラーであると判定したが、これに限らない。例えば、予め規定された期間ではない場合であっても、第2始動入賞口38や各大入賞口40,41に入賞した遊技球の個数が規定個数以上となった場合に、各種エラーであると判定してもよい。また、これらは、その検知時における遊技状態や大当りの種類によって、各種エラーであるか否かを判定してもよい。具体的な一例としては、第2始動入賞口38の開放制御が行われる期間において、不正が行われないと入賞しない個数が規定個数として規定されており、その規定個数以上となったときに、普通電動役物不正入賞エラーであると判定される。この場合、第2始動入賞口38が短時間開放される遊技状態(例えば、通常状態)と、長時間開放される遊技状態(変短状態)とで異なる規定個数が規定されていてもよい。また、例えば、各大入賞口40,41については、各大入賞口40,41にほとんど入賞しない当り遊技(短時間開放当り遊技)と、それよりも多くの遊技球が入賞する当り遊技(長時間開放当り遊技)とで、異なる規定個数が規定されていてもよい。
・上記実施形態において、報知手段の異常を検知する報知異常検知手段を備え、報知異常検知手段からの信号に基づいて、報知エラー状態であると判定し、セキュリティ情報信号として出力してもよい。また、このセキュリティ情報信号は、ホールコンピュータHCに出力しても、パチンコ遊技機10の外部に配設される表示装置に出力してもよい。従来においては、エラー状態が検知された場合には、パチンコ遊技機に配設された報知手段でエラー報知を行なわせたが、報知手段までの信号線を断線させるなど、報知手段に異常を発生させた後に、別の不正を行うおそれがあった。例えば、統括制御基板70から枠用ランプ部17やスピーカ20までの信号線、表示制御基板72から演出表示装置33までの信号線を断線させて、パチンコ遊技機10におけるエラー報知を行なわせることなく、別の不正を行うようなことがある。この断線を検知する報知異常検知手段(断線検知手段)を備え、各種制御基板におけるCPUが、報知エラー状態であると判定するように構成してもよい。この場合、報知異常検知手段の具体的な一例としては、報知手段から所定周期で出力される信号が入力されなくなったことを各種制御基板におけるCPUが検知するように構成してもよい。
・上記実施形態において、エラー状態が検知されたときには、該エラー状態が検知されたことを示すセキュリティ情報出力回数(セキュリティ情報1出力回数、セキュリティ情報2出力回数)を計数し、記憶したが、これに限らず、計数や記憶を行わないように構成してもよい。
・上記実施形態において、基本パルスがオンとなっている間に各種の遊技情報をオンとするように構成したが、これに限らず、例えば、基本パルスがオフからオンとなったことを契機に、基本パルスがオンからオフになったか否かに拘わらず、所定時間、各種の遊技情報をオンとするように構成してもよい。また、情報信号の種類によってオンとする時間を異ならせてもよい。また、例えば、エラー状態の種類によってオンとする時間を異ならせてもよい。
・上記実施形態において、払出制御基板56が、予め定められた規定周期で基本パルスを生成したが、これに限らず、例えば、主制御基板54が、基本パルスを生成してもよく、それら以外の基板が基本パルスを生成してもよい。また、同期をとることができるのであれば、1つの基板ではなくても、複数の基板で基本パルスを生成してもよい。
・上記実施形態において、基本パルスがオフからオンになったことを契機に各種信号を、外部端子板53を介してホールコンピュータHCに対して出力したが、これに限らず、例えば、基本パルスがオンからオフとなったことを契機としてもよい。また、例えば、基本パルスに拘わらず、各種信号をホールコンピュータHCに出力してもよい。
・上記実施形態において、カードユニット装置11を接続しないパチンコ遊技機に本発明を提供してもよい。
・上記実施形態において、2つの大入賞口40,41を備えたが、これに限らず、1つ又は3つ以上の大入賞口を備えてもよい。
・上記実施形態において、役物内球詰まりエラーを示す第1報知と、振動検知エラーを示す第2報知とを重複しないように実行させたが、これに限らず、例えば、重複させてもよい。
・上記実施形態において、パチンコ遊技機10に配設された報知手段と、パチンコ遊技機10の外部に配設された報知手段とに対して、振動検知エラーと役物内球詰まりエラーに関する報知を行わせたが、これに限らず、例えば、何れか一方の報知手段であってもよい。
・上記実施形態において、役物内球詰まりエラーを示す第1報知と、振動検知エラーを示す第2報知とを行ったが、これに限らず、例えば、直接的に示さなくてもよく、役物内球詰まりエラーに関する第1報知と、振動検知エラーに関する第2報知とを行うように構成してもよい。
・上記実施形態において、役物内球詰まりエラーが検知されていない場合には、第2報知が行われなかったが、これに限らない。例えば、役物内球詰まりエラーが検知されていない場合であっても、各入賞口37〜41の少なくとも何れかに遊技球が入球又は通過したときには遊技が確実に行われており、その場合に、所定の強度以上の振動が検知されたことを条件として、第2報知が行われてもよい。具体的な一例としては、各入賞口37〜41の少なくとも何れかに遊技球が入球又は通過してから予め定められた時間以内に、所定の強度以上の振動が検知されたことを条件として、第2報知が行われる。その一方で、予め定められた時間を越えたときには、所定の強度以上の振動が検知されたか否かに拘わらず、第2報知が行われないように制御してもよい。つまり、パチンコ遊技を行っているか否かを検知することによって、パチンコ遊技機が行われていると検知されてから予め定められた時間以内に、所定の強度以上の振動が検知されたことを条件として、第2報知が行われてもよい。例えば、遊技領域から遊技球が排出されるアウト口にスイッチを設け、アウト口から排出された遊技球が検知されることで、パチンコ遊技を行っているか否かが検知可能である。また、例えば、遊技球の誘導路30aから遊技領域H1に発射される遊技球を検知する発射用スイッチを設け、遊技球の発射が検知されることで、パチンコ遊技を行っているか否かが検知可能である。また、例えば、発射ハンドル24を操作することを検知するセンサや、人感センサを設けてもよい。
・上記実施形態において、役物内球詰まりエラーが検知されたことを条件として、所定の強度以上の振動を検知すると、振動検知エラーであると判定したが、これに限らず、例えば、特定の電波や特定の磁力を検知すると、磁気エラー、誘導磁界検知エラーであると判定してもよい。もちろん、これらの組み合わせであってもよい。つまり、特定の電波、磁気、及び振動の少なくとも何れかを検知するような特定検知手段を備えていればよい。
・上記実施形態において、第1変動ゲームにおいて大当り遊技が、第2変動ゲームにおいて大当り遊技及び小当り遊技がそれぞれ付与されるように構成したが、これに限らず、例えば、第1変動ゲームでも、小当り遊技が付与される構成であってもよい。
・上記実施形態において、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、作動ゲート39、第1大入賞口40、第2大入賞口41の各入賞口に本発明を採用したが、これに限らず、例えば、一般入賞口であってもよく、これらの組み合わせであっても少なくとも何れか一つであってもよい。もちろん、遊技領域内における領域を遊技球が入球又は通過する構成であればよく、例えば、発射している遊技球が左打ちであるか右打ちであるかを検知するセンサや、遊技球を発射していることを検知するセンサに対して本発明を採用してもよい。
・上記実施形態において、第1保留記憶数、第2保留記憶数、及び普図保留記憶数の上限を「4」としたが、これに限らず、「1」〜「3」や「5」以上としてもよい。
・上記実施形態において、所謂1種2種混合機に本発明を採用したが、これに限らず、例えば、所謂、第1種のパチンコ遊技機、第2種のパチンコ遊技機、第3種のパチンコ遊技機のそれぞれに採用してもよい。第1種のパチンコ遊技機においては、上記実施形態における第1変動ゲームと同じ遊技性を第2変動ゲームにおいても行う。また、第3種のパチンコ遊技機においては、大当りに当選した場合に大当り遊技の権利が付与され、その後、特別の領域を通過することによって大当り遊技が開始される。
・上記実施形態において、第1変動ゲームよりも第2変動ゲームを優先して実行させたが、これに限らず、例えば、入賞順序に従って変動ゲームを行ってもよい。また、例えば、第1変動ゲームと第2変動ゲームとで同時に実行させてもよい。
・上記実施形態において、小当りに当選しないように制御してもよい。
・上記実施形態において、第1変動ゲーム、第2変動ゲームというように2種類の変動ゲームを実行可能としたが、これに限らず、例えば、1種類又は3種類以上の変動ゲームを実行可能としてもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記報知制御手段は、前記報知手段に対して前記第2報知を行わせた場合には、前記第2判定手段の判定結果に拘わらず、予め定められた時間が経過するまで前記第2報知の実行を継続させる制御を行う請求項3に記載の遊技機。
(ロ)前記第1報知と前記第2報知とは、異なる報知内容であり、前記報知制御手段は、前記報知手段に対して前記第1報知と前記第2報知とを重複させずに何れか一方を行わせる制御を行う請求項1〜請求項6、及び(イ)のうち何れか一項に記載の遊技機。
(ハ)前記第2判定手段の判定結果のほうが前記第1判定手段の判定結果より優先順位が高くなるように前記第1判定手段の判定結果と前記第2判定手段の判定結果とに対して優先順位が記憶された優先順位記憶手段と、前記第1判定手段の判定結果と前記第2判定手段の判定結果との両方が肯定であるときには、判定結果の優先順位を判定する優先順位判定手段と、を備えた請求項1〜請求項6、(イ)、及び(ロ)の何れか一項に記載の遊技機。
(ニ)前記入球装置は、遊技球が入球した場合に遊技者に有利な大当り遊技が付与される装置である請求項1〜請求項6、(イ)〜(ハ)のうち何れか一項に記載の遊技機。
(ホ)前記報知制御手段は、前記入球検知手段の検知結果に基づいて前記入球装置に遊技球が入球又は通過したことと、前記第2判定手段の判定結果が肯定であることとを条件として、前記報知手段に対して前記第2判定手段の判定結果に関する第2報知を行わせる制御を行う請求項1〜請求項6、(イ)〜(ハ)の何れか一項に記載の遊技機。