以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図3等に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外郭を構成する固定枠としての外枠11を備えており、この外枠11の一側部に遊技盤固定枠としての内枠12が開閉可能に支持されている。尚、図3では便宜上、遊技盤30面上に配設される釘や役物、前面枠としての前面枠セット14に取付けられるガラスユニット137等を省略して示している。
外枠11は、図6等に示すように、上辺枠構成部11a及び下辺枠構成部11bが木製の板材により構成され、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dがアルミニウム合金製の押出成形材により構成され、これら各枠構成部11a〜11dがネジ等の離脱可能な締結具により全体として矩形枠状に組み付けられている。
左辺枠構成部11cの上下端部には、それぞれ上ヒンジ81及び下ヒンジ82が取着されている(図1参照)。当該上ヒンジ81及び下ヒンジ82にて、内枠12の上下部が回動可能に支持されており、これにより内枠12が開閉可能となる。そして、外枠11の内側に形成される空間部に内枠12等が収容される。
また、右辺枠構成部11dには、その幅方向後端部近傍から外枠11内側へ向け突出した延出壁部83が形成されている。延出壁部83は、内枠12の右側部背面側に設けられる施錠装置600(図6参照)に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆っている(図5参照)。加えて、図3に示すように、延出壁部83の前面側には、施錠装置600の係止部材が係止される上下一対の受部84,85が設けられている。また、下側の受部85には、後述する内枠開放検知スイッチ92に当接する押圧部86が、外枠11内側に向けて突設されている。
さらに、下辺枠構成部11bには樹脂製の幕板飾り87が取着されている。幕板飾り87の上面奥部には、上方に突出するリブ88が一体形成されている。これにより内枠12との間に隙間が形成されにくくなっている。
図3に示すように、内枠12の開閉軸線は、パチンコ機10の正面からみて左側において上下に沿って設定されており、この開閉軸線を軸心として内枠12が前方側に開放できるようになっている。内枠12は、外形が矩形状をなす樹脂ベース38を主体に構成されており、当該樹脂ベース38の中央部には略楕円形状の窓孔39が形成されている。
また、内枠12の前面側には前面枠セット14が開閉可能に取付けられている。前面枠セット14は、内枠12と同様に、パチンコ機10の正面から見て左側において上下に沿って設定された開閉軸線を軸心として前方側に開放できるようになっている。尚、前面枠セット14は、内枠12を介してではなく、外枠11に直接開放可能に支持されるように構成してもよい。
前面枠セット14は、内枠12と同様に外形が矩形状をなし、閉鎖状態においては内枠12の前面側ほぼ全域を覆う。前面枠セット14の中央部には略楕円形状の窓部101が形成されている。これにより、前面枠セット14の窓部101及び内枠12の窓孔39を介して、内枠12の後面に装着される遊技盤30(遊技領域)を外部から視認可能となる。遊技盤30の詳細な構成については後述する。
図1、図2に示すように、前面枠セット14の前面側には、その下部中央において球受皿としての下皿15が設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。また、下皿15の手前側には、下皿15内から遊技球を排出するための球抜きレバー25が設けられている。加えて、下皿15の左部には、LEDが内蔵された演出ボタン125が設けられており、演出ボタン125を押圧操作することで、後述する装飾図柄表示装置42等において対応する演出が行われたり、演出内容が変更されたりする。
下皿15の右方には、手前側に突出した遊技球発射ハンドル(以下「ハンドル18」と称する)が設けられている。尚、ハンドル18には、図示しないタッチセンサや、ハンドル18の操作部の操作量を検出するための図示しない操作量検出手段(可変抵抗器)が設けられている。そして、ハンドル18が右回りに回動操作されると、回動操作量に応じた強さで、後述する発射手段としての発射装置60によって遊技球が発射される。また、ハンドル18には、ハンドル18を握った右手の親指で押圧操作可能な発射禁止ボタン18aが設けられている。当該発射禁止ボタン18aを押圧した状態においては、ハンドル18を握っていたとしても、発射装置60による遊技球の発射が禁止される。このため、遊技球の発射を禁止しつつハンドル18の回動操作を行ったり、ハンドル18を握った状態で、一時的に遊技球の発射を止めたりすることができる。
下皿15の上方には上皿19が設けられている。上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する発射装置60の方へ案内する球受皿である。尚、上皿19が遊技球で満杯になった状態では、払出される遊技球は、後述する下皿連通路71及び排出口16を介して、下皿15へと案内される。
上皿19には球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。これにより、遊技ホール等において、パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で球貸しボタン121が操作されると、その操作に応じて貸出球が上皿19に供給される。一方、返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。但し、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では球貸しボタン121及び返却ボタン122は不要である。
さらに、上皿19には、球抜きボタン123が設けられている。球抜きボタン123が押圧操作されることで、上皿19の球案内路の下流側に設けられ、下皿15に連通する連通孔(図示略)が開口し、上皿19に貯留されていた遊技球が下皿15へと案内される(落下する)。つまり、遊技者は、球抜きボタン123を操作することで、上皿19にある遊技球をいつでも下皿15に移すことができる。
また、前面枠セット14の前面にはその周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、遊技状態の変化等に応じて発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が設けられている。また、該環状電飾部102の両側部には、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ104が設けられている。尚、環状電飾部102のうち各エラー表示ランプ104の上方部位には、前面枠セット14の背面に設けられるスピーカSP(図3参照)に対応して細かな透孔が多数形成されている。
前面枠セット14の背面側にはガラスユニット137が取付けられている。ガラスユニット137は、従来の前後一対の矩形状の板ガラスが前後対をなして別々に取着されるものではなく、全体として丸形をなし、アッセンブリ化された上で取付けられている。
次に、内枠12について図4を参照して説明する。上述した通り、内枠12には、窓孔39の後側において、遊技盤30が樹脂ベース38の裏側に当接した状態で装着されている。従って、遊技盤30前面の略中央部分が窓孔39を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
また、内枠12(樹脂ベース38)の前面下部、すなわち窓孔39の下方位置には、発射装置60及び当該発射装置60によって発射された直後の遊技球を案内する発射レール61が取付けられている。本実施形態では、発射装置60としてソレノイド式発射装置を採用している。さらに、発射装置60の上方には、上皿19から案内される遊技球を、内蔵された駆動手段(例えばソレノイド)の駆動により、1球ずつ発射装置60の発射位置へと案内する球送り装置63が設けられている。
次に、遊技盤30(遊技領域)の構成について図4を参照して説明する。遊技盤30には、一般入賞口31、第1可変入賞装置32a、第2可変入賞装置32b、第1始動入賞装置33a、第2始動入賞装置33b、スルーゲート34、可変表示装置ユニット35、第1特別表示装置43L及び第2特別表示装置43R、変動特定ランプ40等が配設されている。周知の通り、一般入賞口31、可変入賞装置32a、32B、始動入賞装置33a、33B等の各種入賞口に遊技球が入球(入賞)すると、各種検出スイッチにより検出され、上皿19又は下皿15へ所定数の賞球が払い出される。
本実施形態では、一般入賞口31への入球があった場合には10個、第1可変入賞装置32aへの入球があった場合には14個、第2可変入賞装置32bへの入球があった場合には13個、第1始動入賞装置33aへの入球があった場合には2個、第2始動入賞装置33bへの入球があった場合には1個の遊技球が払出されるように構成されている。また、遊技球が通過するだけで入球することのない(遊技盤30の裏面側に排出される)スルーゲート34に遊技球が通過しても、遊技球の払出しは行われない。
その他に、遊技盤30には、遊技領域の最下部に対応してアウト口36が設けられており、一般入賞口31等の各種入賞口に入賞しなかった遊技球は、このアウト口36を通って遊技領域外へと排出される。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
遊技領域の略中央部には、可変表示装置ユニット35が配設されている。可変表示装置ユニット35には、後述する装飾図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。
センターフレーム47の左側部には入球口151が設けられており、該入球口151に入球した遊技球は、センターフレーム47の内部に形成されたワープ流路152を介して、装飾図柄表示装置42の下方に形成されたステージ153上に案内される。ステージ153上に案内された遊技球は、ステージ153上を転動する等して、ステージ153上から前方の遊技領域に転落したり、ステージ153の中央に形成された前後に延びて遊技球を前方に案内する導出溝154に落下したりする。
また、本実施形態では、センターフレーム47のうち装飾図柄表示装置42の両側方に位置する部位には、前方に光(例えば赤外線)を照射する投光部、及び、投光部から照射され、装飾図柄表示装置42の前方に位置した物体で反射された光を検知する受光部を備え、装飾図柄表示装置42の前方に物体が接近したことを検知可能な近接検知手段・接近検知手段としての近接検知センサ401(例えば、赤外線センサ等)が設けられている。
可変表示装置ユニット35の下方位置には、第1始動入賞装置33aが配設されている。第1始動入賞装置33aは、遊技盤30の前面部から前方へ突出し、その上側に遊技球が常時入賞可能な入賞口が開口している。特に、上記ステージ153の導出溝154に案内される遊技球は、比較的高い確率で第1始動入賞装置33aに入球するように構成されている。尚、本実施形態の第1始動入賞装置33aには、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球し易さを変化させるような開閉部材は設けられていない。
第1始動入賞装置33aの下方位置には、第1可変入賞装置32aが配設されている。第1可変入賞装置32aは、通常、遊技球が入賞不能な閉状態になっており、対応する種別の大当たり状態等の際に、遊技球が入賞可能な開状態とされる。尚、図示は省略するが、第1可変入賞装置32aは、遊技盤30の後方へと通じる大入賞口と、大入賞口を開閉する大入賞シャッタと、大入賞シャッタを動作させるための大入賞口用ソレノイドと、大入賞口に入球した遊技球を検出する第1カウントスイッチ223aとを備え、大入賞口用ソレノイドを駆動制御し、大入賞シャッタを開閉させることで、第1可変入賞装置32a(大入賞口)を閉状態と開状態とに切替えている。
以下、便宜上、遊技領域のうち、可変表示装置ユニット35の左側方に位置する領域を「左側方領域」といい、可変表示装置ユニット35の右側方に位置する領域を「右側方領域」という。また、左側方領域の下流側にあたり、第1始動入賞装置33aや第1可変入賞装置32aが配置される遊技盤30の左右方向略中央部よりも左側に位置する領域を「左下部領域」といい、右側方領域の下流側にあたり、遊技盤30の左右方向略中央部よりも右側に位置する領域を「右下部領域」という。
左下部領域の下部には、遊技領域の周縁部(内レール構成部51)に沿って斜めに所定間隔で3つの一般入賞口31が配設されている。各一般入賞口31は、遊技盤30の前面部から前方へ突出し、その上側に遊技球が常時入賞可能な入賞口が開口している。
右側方領域には、スルーゲート34が配置されている。スルーゲート34は、遊技領域を流下する遊技球が1球ずつ通過可能に構成されている。詳しくは後述するが、スルーゲート34は、当該スルーゲート34を通過する遊技球を検知可能なスルーゲートスイッチ225を備えている。当該スルーゲートスイッチ225にて遊技球が検知された場合には、詳しくは後述する第2始動入賞装置33bを開状態とするか否かの入球サポート抽選が行われるとともに、普通図柄表示装置41にて当該入球サポート抽選の結果を教示するための変動表示が行われる。そして、入球サポート抽選にて当選した場合には、当該変動表示の終了後に第2始動入賞装置33bが規定時間だけ開状態とされる。
さらに、右側方領域におけるスルーゲート34の下流側には、第2可変入賞装置32bが配設されている。第2可変入賞装置32bは、通常、遊技球が入賞不能な閉状態となっており、対応する種別の大当たり状態の際に、遊技球が入賞可能な開状態とされる。尚、図示は省略するが、第2可変入賞装置32bは、遊技盤30の後方へと通じる大入賞口と、大入賞口を開閉する大入賞シャッタと、大入賞シャッタを動作させるための大入賞口用ソレノイドと、大入賞口に入球した遊技球を検出する第2カウントスイッチ223bとを備え、大入賞口用ソレノイドを駆動制御し、大入賞シャッタを開閉させることで、第2可変入賞装置32b(大入賞口)を閉状態と開状態とに切替えている。
ちなみに、本実施形態の第1及び第2可変入賞装置32a、32bの大入賞シャッタは、大入賞口の下縁部に沿って大入賞シャッタの下縁部が回動可能に軸支されており、第1及び第2可変入賞装置32a、32bの閉状態では、大入賞シャッタが上下に延びて大入賞口を閉塞し、大入賞シャッタの前方を遊技球が通過可能な状態となる。一方、第1及び第2可変入賞装置32a、32bの開状態では、大入賞シャッタが前方に回動して前後に延び(上面が後方に向けて少し下方傾斜している)、大入賞口の前方に流下してきた遊技球を大入賞シャッタの裏面(上面)で受けて大入賞口へと案内するようになっている。
右下部領域において第2可変入賞装置32bの下流側には、第2始動入賞装置33bが配設されている。第2始動入賞装置33bは、遊技球が入球可能な第2始動入賞装置33bの入賞口(始動入賞口)の左右両側に隣接して、回動変位可能な一対の羽根部材37を備えており、一般的な電子チューリップと称される形状となっている。特に、本実施形態では、第2始動入賞装置33bの始動入賞口の直上方位置に遊技釘が配設されており、羽根部材37が上下に延びる閉姿勢とされている場合には、前記遊技釘と羽根部材37との間に遊技球が通過する余地はなく、第2始動入賞装置33bは、遊技球が始動入賞口に入球不可能な閉状態となっている。一方、羽根部材37が外側に開く開姿勢に変化することで、第2始動入賞装置33bは、遊技球が始動入賞口に入球可能な開状態となる。
また、本実施形態では、第2始動入賞装置33bの下流側、かつ、可変入賞装置33の上流側(右方)おいて、遊技領域を移動する遊技球が入球可能なアシスト入賞口48が設けられている。アシスト入賞口48に入球した遊技球をカウントするアシスト入賞検知スイッチ227によって遊技球が検知されると、上皿19若しくは下皿15に遊技球が3個払い出されるようになっている。
尚、詳しくは後述するが、第1始動入賞装置33a、第2始動入賞装置33bには、それぞれ入賞した遊技球を検知する第1始動入賞スイッチ224a、第2始動入賞スイッチ224bが設けられており、当該始動入賞スイッチ224a、224bにて遊技球が検知された場合には、大当たり状態等を発生させるか否かの当否抽選が行われるとともに、後述する特別表示装置43L、43R(及び装飾図柄表示装置42)にて変動表示が行われる構成となっている。そして、当否抽選にて当選した場合には、第1可変入賞装置32a、又は、第2可変入賞装置32bが開放される大当たり状態等が付与される。
本実施形態では、当否抽選にて所定の確率で大当たりに当選する「低確率状態」と、当否抽選にて低確率状態よりも高確率で大当たりに当選する「高確率状態」とがある。さらに、第2始動入賞装置33bの羽根部材37が比較的頻繁に開放され、遊技球を第2始動入賞装置33bへ入球させ易くなる「高入球状態」と、羽根部材37がほとんど開位置とされず、遊技球を第2始動入賞装置33bへ入球させ難い「低入球状態」とがある。以下、低確率状態かつ低入球状態である状態を「通常モード」と称し、低確率状態かつ高入球状態である状態を「時間短縮モード」と称し、高確率状態かつ高入球状態である状態を「確変モード」と称し、高確率状態かつ低入球状態である状態を「潜確モード」と称する。
さらに、本実施形態では、通常モード、確変モード、及び、潜確モードは、大当たり状態が発生するまで継続されるのに対し、時間短縮モードは大当たり状態が発生しなくても特別表示装置43L、43R及び装飾図柄表示装置42における変動表示が予め設定された規定回数行われると終了し、通常モードに移行する構成となっている。
尚、確変モードや時間短縮モードにおいては、第2始動入賞装置33bの羽根部材37が比較的頻繁に開放されて入球し易くなっている一方で、第1始動入賞装置33aについては入球し易くなるわけではないことから、遊技者は、確変モードや時間短縮モードになると、右側方領域に向けて遊技球を発射させる(所謂、「右打ち」をする)こととなる。また、かかる右打ちのタイミングに際しては、装飾図柄表示装置42等において、右打ちを促すアナウンスが行われるようになっている。
本実施形態では、第1始動入賞装置33a(所謂、「へそ」)に遊技球が入球した場合に行われる当否抽選にて当選した場合と、第2始動入賞装置33b(所謂、「電子チューリップ、電チュー」)に遊技球が入球した場合に行われる当否抽選にて当選した場合とで、付与される当たりの種別が変化する(当たり状態の種別を決定する際に参照される種別判定テーブルが異なる)ように構成されている。
より具体的には、第1始動入賞装置33aへの入球に基づいて大当たり状態に当選した場合の大当たり種別としては、16ラウンド確変大当たり(以下「16RS」と言う)と、8ラウンド確変大当たり(以下「8RS」と言う)と、8ラウンド通常大当たり(以下「8RN」)と、2ラウンド確変大当たり(以下「2RS」と言う)とがある。「16RS」、「8RS」、「8RN」に関しては、第1可変入賞装置32aが30秒間開放されること、又は、第1可変入賞装置32aが開放されてから第1可変入賞装置32aに8個の遊技球が入球することを1ラウンドとして、「16RS」に関しては、それが16回繰り返され、「8RS」、「8RN」に関しては、それが8回繰り返されてから、大当たり状態が終了する。一方、「2RS」に関しては、第1可変入賞装置32aが0.4秒間開放されることを1ラウンドとして、それが2回繰り返されてから、大当たり状態が終了する。すなわち、「16RS」、「8RS」、「8RN」に関しては、大当たり状態中に大幅な遊技球の増加が見込める大当たり(所謂、「出玉有り大当たり」)であるものの、「2RS」は、遊技球の大幅な増加が見込めない大当たり(所謂、「出玉無し大当たり」)となっている。
また、「16RS」、「8RS」の大当たり状態終了後には「確変モード」が付与され、「2RS」の大当たり状態終了後には「潜確モード」が付与され、「8RN」の大当たり状態終了後には「時間短縮モード」(本例では、変動表示90回分)が付与される。つまり、「16RS」、「8RS」、「8RN」の大当たり状態終了後は、第2始動入賞装置33bが開状態とされ易い高入球状態となるため、遊技者は右側方領域に向けて遊技球を発射させることとなる。本実施形態では、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく当否抽選において大当たりに当選した場合、5%の割合で「16RS」となり、55%の割合で「8RS」となり、30%の割合で「8RN」となり、10%の割合で「2RS」となる。
さらに、本実施形態では、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく当否抽選において、小当たりに当選する場合がある。第1始動入賞装置33aへの入球に基づく当否抽選において、小当たりした場合には、第1可変入賞装置32aが0.4秒間開放されることを1ラウンドとして、それが2回繰り返されてから、小当たり状態が終了する。つまり、第1可変入賞装置32aに関し、外見上は、「2RS」と同じである。但し、小当たり状態が発生する前と、発生した後とで遊技モードが変化することはない。すなわち、通常モードにおいて「2RS」に当選すると、潜確モードに移行するのであるが、小当たりに当選しても、通常モードが継続される。これにより、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく当否抽選において、高確率状態が付与されない2ラウンド大当たり(2ラウンド通常大当たり)に当選するような振分けを行わなくても、第1可変入賞装置32aが短く2回開放されることで必ず高確率状態に移行してしまったことが分かってしまうといった事態を回避することができる。
その一方で、第2始動入賞装置33bへの入球に基づいて大当たり状態に当選した場合の大当たり種別としては、16ラウンド確変大当たりと、8ラウンド確変大当たりと、2ラウンド通常大当たり(以下「2RN」と言う)とがある。尚、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否抽選にて当選した場合には、第1可変入賞装置32aではなく、第2可変入賞装置32bが開放される(本例では、ラウンド終了条件は同じであるが、可変入賞装置32a、32bにそれぞれ遊技球が入球した場合の払出個数(14個と13個)が異なる)こととなるものの、説明の便宜上、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否抽選にて当選した場合の大当たりの種別についても、便宜上、同じ名称(「16RS」、「8RS」)を使用することとする。加えて、本実施形態では、第1可変入賞装置32aが開状態とされる大当たり状態のラウンド終了条件と、第2可変入賞装置32bが開状態とされる大当たり状態のラウンド終了条件とが同じである(8個の入賞、或いは、30秒の経過で1ラウンドとなる)が、異ならせること(例えば、ラウンド中の遊技球の入賞上限が8個と9個)としてもよい。
また、「2RS」に関しては、第2可変入賞装置32bが0.4秒間開放されることを1ラウンドとして、それが2回繰り返されてから、大当たり状態が終了する。すなわち、「16RS」、「8RS」に関しては、大当たり状態中に大幅な遊技球の増加が見込めるものの、「2RN」は、遊技球の大幅な増加が見込めない大当たりとなっている。
また、「2RN」の大当たり状態終了後には「時間短縮モード」が付与される。本例では、「2RN」でも3つに分かれており、変動表示30回分の時間短縮モードが付与される「2RN30」と、変動表示60回分の時間短縮モードが付与される「2RN60」と、変動表示90回分の時間短縮モードが付与される「2RN90」とがある。本実施形態では、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否抽選において大当たりに当選した場合、35%の割合で「16RS」となり、35%の割合で「8RS」となり、20%の割合で「2RN30」となり、5%の割合で「2RN60」となり、5%の割合で「2RN90」となる。
さらに、本実施形態では、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否抽選において、小当たりに当選する場合がある。第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否抽選において、小当たりした場合には、第2可変入賞装置32bが0.4秒間開放されることを1ラウンドとして、それが2回繰り返されてから、小当たり状態が終了する。つまり、第2可変入賞装置32bに関し、外見上は、「2RN」と同じである。但し、小当たり状態が発生する前と、発生した後とで遊技モードが変化することはない。すなわち、確変モード等の高確率状態は、基本的に「2RN」に当選することで低確率状態(時間短縮モード等)に移行するのであるが、確変モードで小当たりに当選しても、確変モードが継続される。これにより、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否抽選において2ラウンド確変大当たり「2RS」に当選するような振分けを行わなくても、第2可変入賞装置32bが短く2回開放されることで必ず低確率状態に移行してしまったことが分かってしまうといった事態を回避することができる。
また、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく当否抽選の結果を教示する第1特別表示装置43L、及び、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否抽選の結果を教示する第2特別表示装置43Rは、それぞれ2つのセグメント表示装置により構成され、特別図柄としての記号、文字、及び、数字等を表示可能に構成されている。この特別表示装置43L、43Rは、遊技者から視認可能な位置(本例では遊技領域の左下部領域に隣接している遊技球が通過不能な位置)に設置されている。
そして、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球を契機として第1特別表示装置43Lにて特別図柄の切替表示(変動表示)が行われ、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球を契機として第2特別表示装置43Rにて特別図柄の切替表示(変動表示)が行われる構成となっている。尚、特別表示装置43L、43Rは、後述する主制御手段としての主制御装置261によって表示内容が直接的に制御される。
また、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて特別図柄の変動表示が行われた後、当該変動表示が停止したときの特別図柄により、当否抽選の結果、すなわち、「大当たり」、「小当たり」、又は、「外れ」であることが確定的に表示される。例えば、第1始動入賞装置33aに遊技球が入球すると、対応する第1特別表示装置43Lにて特別図柄(点灯するセグメントの組合わせ)が高速で(例えば4msec毎に)切替表示(変動表示)され、所定時間が経過すると、いずれかの特別図柄を停止表示(例えば数秒間停止)する。そして、例えば、当否抽選にて「大当たり」に当選した場合には、対応する特別図柄が変動停止時に表示され、大当たり状態が発生する。
さらに、特別表示装置43L、43Rにおいては、停止させる特別図柄によって、大当たり種別、すなわち、「16RS」、「8RS」、「8RN」、「2RS」、「2RN」のいずれであるかについても教示される。また、1つの大当たり種別を教示する特別表示装置43L、43Rの停止態様は1つではなく複数存在し、それらのいずれかが選択されて停止表示される。また、第1特別表示装置43L、第2特別表示装置43Rのどちらか一方において、変動表示又は決定表示が行われている場合には、他方が消灯状態とされており(「−」を表示しておいてもよい)、どちらにおいても変動表示及び決定表示が行われていない場合には、両方においてそれぞれ「−」が表示される。
また、第1又は第2特別表示装置43L、43Rの変動表示中に新たに遊技球が第1又は第2始動入賞装置33a、33bに入球した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では、第1始動入賞装置33aに入賞した遊技球、及び第2始動入賞装置33bに入賞した遊技球に対応して、それぞれ4回までの変動表示(合計8回の変動表示)が保留される。
さらに、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球に基づく変動表示(以下、「第1変動表示」と言う)の保留数は、第1特別表示装置43Lの上方に配設され、青色に発光可能な第1保留ランプ46aにて点灯表示され、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球に基づく変動表示(以下、「第2変動表示」と言う)の保留数は、第2特別表示装置43Rの上方に配設され、赤色に発光可能な第2保留ランプ46bにて点灯表示されるようになっている。保留ランプ46a、46bは、第1変動表示及び第2変動表示の各最大保留数と同じく4個ずつ設けられており、保留されている第1変動表示又は第2変動表示の数と同じ数だけ点灯する。当該保留ランプ46a、46bは、後述するサブ制御手段としてのサブ制御装置262によって表示内容が制御される。尚、大当たり状態中に新たに遊技球が始動入賞ユニット33a、33bに入賞した場合、その分の変動表示についても保留される。また、本実施形態では、始動入賞装置33a、33bへの遊技球の入球に基づく変動表示の保留数が、装飾図柄表示装置42においても表示される(変動表示が行われている際に画面下部に表示される)ようになっている。
尚、保留された変動表示は、基本的に、保留された順番で消化されるようになっているが、第1変動表示及び第2変動表示の両方が保留されている場合(保留ランプ46a、46bがそれぞれ1つ以上点灯している場合)には、第2変動表示が優先的に消化されるようになっている。すなわち、第2始動入賞装置33bへの入賞を契機とする第2変動表示が全て消化された状態でなければ、第1始動入賞装置33aへの入球を契機とする第1変動表示が行われない構成となっている。例えば、第1保留ランプ46aが1つ点灯している状態において、第2始動入賞装置33bに遊技球が入球し、第2保留ランプ46bが1つ点灯した場合、第1変動表示が後回しにされ、先に第2変動表示が行われることとなる。
変動特定ランプ40は、装飾図柄表示装置42にて行われている変動表示が第1始動入賞装置33a、及び、第2始動入賞装置33bのうちどちらの入球に対応するものであるか(第1変動表示又は第2変動表示のどちらであるか)を示すためのものであり、遊技者から視認可能な位置(本例ではセンターフレーム47のステージ153上方位置)に配置されている。変動特定ランプ40は、発光色が青色のLED及び発光色が赤色のLEDを備えており、装飾図柄表示装置42において第1変動表示が行われている場合には青色に発光し、第2変動表示が行われている場合には赤色に発光する。
可変表示装置ユニット35には、スルーゲート34の通過を契機として変動表示する普通図柄表示装置41(センターフレーム47のステージ153上方位置)と、第1及び第2特別表示装置43L、43Rによる変動表示に合わせて変動表示する装飾図柄表示装置42とが設けられている。
普通図柄表示装置41は、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示可能に構成されており、遊技球がスルーゲート34を通過した場合に、例えば普通図柄を「○」→「×」→「○」→・・・という具合に高速で切換表示(変動表示)する。そして、その変動表示が「○」図柄(当選図柄)で数秒間停止した場合には、第2始動入賞装置33b(羽根部材37)が所定時間だけ開状態となる。この普通図柄表示装置41は、後述する主制御装置261によって直接的に表示内容が制御される。
また、普通図柄表示装置41における普通図柄の変動表示中に、新たに遊技球がスルーゲート34を通過した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される普通図柄の変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留される。加えて、普通図柄の変動表示の保留回数は、可変表示装置ユニット35に配設され、白色に発光可能な保留ランプ44によって点灯表示されるようになっている。保留ランプ44は、普通図柄の変動表示の各最大保留数と同じく4個ずつ設けられており、保留されている変動表示の数と同じ数だけ点灯する。
尚、高入球状態としては、例えば、(1)普通図柄表示装置41における変動表示時間が低入球状態時よりも短い状態、(2)第2始動入賞装置33bの一回の開放時間(規定時間)が低入球状態時に比べて長い状態、(3)第2始動入賞装置33bの一回の開放につき入球可能となる遊技球の規定個数が低入球状態時に比べて多い状態、(4)入球サポート抽選の当選一回当たりの第2始動入賞装置33bの開放回数が低入球状態時に比べて多い状態、(5)入球サポート抽選の当選確率が低入球状態時よりも高い状態とすることなどが挙げられる。本実施形態における高入球状態は、上記(1)、(2)、(5)の構成を採用している。勿論、これに限らず、「高サポートモード」として、構成(1)〜(5)のいずれか1つ、又は、これら構成(1)〜(5)の任意の組合せを採用してもよい。これにより、第2始動入賞装置33bに対し遊技球が頻繁に入賞しやすくなり、当否抽選の実行される回数が増えると共に、遊技者の持ち球の減少が抑制される球持ちのよい状態となる。
装飾図柄表示装置42は、液晶表示装置によって構成されており、識別情報としての装飾図柄を変動表示可能に構成されている。また、装飾図柄表示装置42は、後述するサブ制御装置262及び表示制御装置45によって表示内容が制御される。すなわち、装飾図柄表示装置42においては、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて表示される結果に対応させるように、主制御装置261からのコマンドに基づき、サブ制御装置262によって補助的な表示内容が決定され、当該決定に基づき、表示制御装置45によって表示が行われる。
装飾図柄表示装置42には、例えば、上、中、下の3つの図柄表示領域が設けられ、各図柄表示領域において複数種類の装飾図柄(例えば1〜9の数字が付された数字図柄)が順次表示され(変動表示され)、その後、図柄表示領域毎に順番に(例えば、上図柄表示領域→下図柄表示領域→中図柄表示領域の順に)装飾図柄が停止表示されるようになっている。例えば、主制御装置261にて大当たり状態の発生が確定すると、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにて大当たりに対応する表示がなされるとともに、装飾図柄表示装置42にて装飾図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示され(例えば、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域において変動表示されている装飾図柄が、所定の有効ライン上に同一の装飾図柄が並ぶようにして停止表示され)、大当たり状態が開始される。
また、装飾図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示される場合には、その前段階として、例えば、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において同一の装飾図柄が停止表示されることとなる。このように上図柄表示領域及び下図柄表示領域にて所定の有効ライン上に同一図柄が停止表示されるとともに、中図柄表示領域において未だ変動表示が行われている状態がリーチ状態である。勿論、リーチ状態が発生したからといって必ずしも大当たりとなるわけではなく、外れる場合もある。
本実施形態では、リーチ状態が発生した後、中図柄表示領域において、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において停止表示された装飾図柄(リーチ図柄)と同じ装飾図柄が同じ有効ライン上に停止表示された場合(ゾロ目が停止表示された場合)に、大当たり状態が付与される。また、奇数のゾロ目の場合には、「16RS」又は「8RS」が発生し、偶数のゾロ目の場合には、「16RS」、「8RS」、又は「8RN」のいずれかが発生する。
ゾロ目以外の装飾図柄の組合わせは基本的に「外れ」を教示するものであるが、本実施形態では、大当たりであっても「2RS」、「2RN」については、装飾図柄がゾロ目の組合わせで停止表示されるのではなく、リーチ図柄となったものの外れとなる組合わせで停止表示される。加えて、「小当たり」についても、リーチ図柄となったものの外れとなる組合わせで停止表示される。
例えば、確変モードにおいては、遊技モードに対応する(滞在している遊技モードを示唆する)演出として、装飾図柄表示装置42において専用の確変ステージが表示されるが、「2RN」に当選して確変モードが終了した場合、或いは、「小当たり」に当選した場合には、かかる確変ステージが終了し、確変モードであるか否かの判別がつかない引き戻しステージが表示される。そして、「2RN」に当選していて、付与された時間短縮モードの期間も終了した場合には、かかる引き戻しステージを終了して、通常モードである(可能性が非常に高い)ことを示す通常ステージの表示を開始する。また、「小当たり」に当選していた場合には、「小当たり」の前後で遊技モードの変化がないことから、確変モードのままである。従って、引き戻しステージに移行するものの、大当たりし易く、さらには、時間短縮モードの最大限に相当する期間(特別図柄の変動表示90回分)を超えた場合には、確変モードであることを把握することができる。
尚、上記のように、特別表示装置43L、43Rにおける特別図柄の停止態様と大当たり種別との対応関係を把握しており、大当たり又は小当たりの発生を教示した特別図柄変動表示の停止態様を確認いていれば、どの種別の大当たりに当選したのかを判別することが可能である。加えて、第2始動入賞装置33bへの入球に基づいて行われる当否抽選で大当たりに当選した場合で、装飾図柄表示装置42においてゾロ目を表示する大当たり種別としては「16RS」と「8RS」しかない。このため、基本的に(保留されていた第1始動入賞装置33aへの入球に対応する変動表示が消化される場合を除く)確変モードや時間短縮モードにおいて装飾図柄表示装置42においてゾロ目で大当たりの教示が行われた場合には、確変モードの付与が確定する。
また、例えば、通常モードにおいては、遊技モードに対応する演出として、装飾図柄表示装置42において通常ステージが表示されるが、「2RS」に当選して確変モードに移行した場合、或いは、「小当たり」に当選した場合には、かかる通常ステージが終了し、確変モードであるか否かの判別がつかない前兆ステージが表示される。本実施形態では、この前兆ステージは、「小当たり」が移行契機であった場合、すなわち、通常モードに滞在している場合には、特別図柄の変動表示で、10回〜50回程度の期間で導出された後、通常ステージに戻るようになっている。その一方で、「2RS」が移行契機であった場合、すなわち、潜確モードに滞在している場合には、基本的に大当たりするまで前兆ステージとなっている。尚、前兆ステージから通常ステージに戻るか否かの抽選を行うこととしてもよいし、前兆ステージから通常ステージに戻った後、再び前兆ステージに移行するか否かの抽選(潜確モードであれば、前兆ステージに戻る確率を高くすることが望ましい)を行うこととしてもよい。加えて、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく当否抽選において「8RN」に当選した場合、及び、「8RS」に当選したものの、その大当たり状態の終了までの間に確変モードが付与されることが教示されなかった場合には、大当たり状態終了後、引き戻しステージに移行する。
また、遊技盤30には、内レール構成部51と外レール構成部52とからなり、発射装置60から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するレール50が取付けられている。これにより、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は発射レール61及びレール50を通じて、遊技盤30とガラスユニット137との間に形成される遊技領域内に案内される。
内レール構成部51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、レール50から遊技領域へと案内された遊技球が再度レール50内に戻ってしまうといった事態が防止される。また、外レール構成部52の略先端部(図4の右上部)には、返しゴム54が取着されている。所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって例えば遊技盤30の略中央部側へ戻されることとなる。
また、本実施形態では、外レール構成部52が遊技盤30の右上部で途絶え、内レール構成部51が遊技盤30の右下部で途絶えている。このため、遊技領域は、レール50及び樹脂ベース38の窓孔39の内周面により画定される。但し、発射装置60にて打出された遊技球が、戻り球防止部材53を通過するまでは、レール50を逆流する場合があるため、内外レール構成部51,52の並行部分は遊技領域から除かれる。
図3に示すように、前面枠セット14の背面側には、窓部101の下方において、球通路ユニット70が設けられている。球通路ユニット70は、後述する払出機構部352から下皿15の排出口16へ繋がる下皿連通路71と、払出機構部352から上皿19へ繋がる上皿連通路73と備えている。また、内枠12の前面側に設けられた発射レール61とレールユニット50(外レール構成部52)との間には所定間隔の隙間があり、前面枠セット14の球通路ユニット70には、前記隙間より落下した遊技球を下皿15へと案内するファール球通路72が形成されている。これにより、仮に、発射装置60から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球としてレール50を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路72を介して下皿15に排出される。
また、図3及び図4中の符号67は後述する払出機構部352により払出された遊技球を内枠12の前方に案内するための払出通路であり、上皿連通路73(上皿19)に通じる通路と、下皿連通路71(下皿15)に通じる通路とに分かれている。払出通路67の下方にはシャッタ68が設けられており、前面枠セット14を開放した状態では、バネ等の付勢力によりシャッタ68が前方に突出して払出通路67の出口をほぼ閉鎖するようになっている。また、前面枠セット14を閉じた状態では、下皿連通路71の入口側後端部によってシャッタ68が押し開けられるようになっている。尚、下皿連通路71及び上皿連通路73の入口(球流入部)が隣接するとともに、前面枠セット14の閉状態において当該各入口と払出通路67とが所定距離だけ離間しており、両者間の隙間を遊技球が通過可能となっている。このため、上皿19及び上皿連通路73が遊技球で満杯となると、払出される遊技球が下皿連通路71側に流れ(下皿連通路71の入口側に溢れ)、下皿連通路71を通って下皿15に払出されることとなる。
加えて、球通路ユニット70には、下皿連通路71内に位置する遊技球を検知する満杯検知スイッチ(図示略)が設けられている。当該満杯検知スイッチの存在により、下皿15が遊技球で満杯になっていること(下皿15が遊技球で満杯となり、下皿連通路71において遊技球が滞留していること)を把握することができる。本実施形態では、満杯検知スイッチによって所定時間継続して遊技球が検知されることに基づき、装飾図柄表示装置42における表示や音声等を用いて下皿15が満杯であることを教示するエラー報知の制御が行われる。尚、下皿連通路71における遊技球の滞留が解消され、満杯検知スイッチにより遊技球が検知されなくなると(所定時間継続して検知されなくなると)エラー報知の状態が解除される。
次に、パチンコ機10の背面構成について図5、図6等を参照して説明する。パチンコ機10の背面には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして、一部前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。払出機構及び保護カバーは1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。
まず、遊技盤30の背面構成について説明する。図6に示すように、遊技盤30中央の貫通孔に対応して配設された可変表示装置ユニット35(図4参照)の背面側には、センターフレーム47を背後から覆う樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられている。また、フレームカバー213の背面側には、フレームカバー213の開口部から前方に臨む液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42、表示制御装置45及びサブ制御装置262が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
装飾図柄表示装置42は、当該装飾図柄表示装置42の表示部(液晶画面)をパチンコ機10の前面側に露出させるための開口部が形成された収容ボックス42aに収容されてフレームカバー213の背面側に固定されている。表示制御装置45は基板ボックス45aに収容されて装飾図柄表示装置42(収容ボックス42a)の背面側に固定されている。サブ制御装置262は基板ボックス262aに収容されて表示制御装置45(基板ボックス45a)の背面側に固定されている。尚、フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するLED制御基板等が配設されている。また、収容ボックス42a及び基板ボックス45a,262aは透明樹脂材料等により構成され、内部が視認可能となっている。
フレームカバー213の下方には裏枠セット215が、一般入賞口31、可変入賞装置32及び始動入賞ユニット33等を背後から覆うようにして遊技盤30に取付けられている。裏枠セット215は、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための球回収機構を備えている(図示略)。この球回収機構により回収された遊技球は、後述する排出通路部217に案内され、排出通路部217の排出シュートからパチンコ機10外部に排出される。
また、本実施形態では、裏枠セット215が主制御装置261の取付台として機能する。より詳しくは、主制御装置261を搭載した基板ボックス263が、裏枠セット215に対し回動可能に軸支され、後方に開放可能となっている。
主制御装置261は透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263に収容されている。基板ボックス263は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備え、これらボックスベースとボックスカバーとが封印部材によって連結されている。封印部材によって連結された基板ボックス263は、所定の痕跡を残さなければ開封できない構成となっている。これにより、基板ボックス263が不正に開封された旨を容易に発見することができる。
また、遊技盤30には、一般入賞口31等の各種入賞口に対応して、当該各種入賞口へ入球した遊技球を検出する入球検出スイッチが設けられている。具体的には、図4に示すように、一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ221が設けられ、第1可変入賞装置32a、第2可変入賞装置32bには、第1カウントスイッチ223a、第2カウントスイッチ223bが設けられ、アシスト入賞口48にはアシスト入賞検知スイッチ227が設けられている。また、第1始動入賞装置33a、第2始動入賞装置33bには、第1始動入賞スイッチ224a、第2始動入賞スイッチ224bが設けられている。さらに、スルーゲート34に対応する位置にはスルーゲートスイッチ225が設けられている。
また、図示は省略するが、裏枠セット215には、入賞口スイッチ221、第1カウントスイッチ223a、第2カウントスイッチ223b、アシスト入賞検知スイッチ227、及びスルーゲートスイッチ225とケーブルコネクタを介して電気的に接続される第1盤面中継基板が設けられている。この第1盤面中継基板は、入賞口スイッチ221等と、主制御装置261とを中継するものであり、ケーブルコネクタを介して主制御装置261と電気的に接続されている。これに対し、第1始動入賞スイッチ224a、第2始動入賞スイッチ224bは中継基板を経ることなくコネクタケーブルを介して直接主制御装置261に接続されている。
各種入球検出スイッチにて各々検出された検出結果は、主制御装置261に取り込まれる。そして、該主制御装置261よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御装置311に送信され、該払出制御装置311からの出力信号に基づき所定数の遊技球の払出しが実施される(スルーゲートスイッチ225により検出された場合を除く)。
この他、遊技盤30の裏面には、図示は省略するが、第1可変入賞装置32aや、第2可変入賞装置32bにて大入賞口を開放する大入賞口用ソレノイドが設けられ、第2始動入賞装置33bにて羽根部材37を開閉駆動する入賞口用ソレノイドが設けられている。また、裏枠セット215には、これらソレノイドと主制御装置261とを中継する第2盤面中継基板(図示略)も設けられている。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。図5に示すように、裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と、遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。また、裏パックユニット203は、内枠12の左側部(図5では右側)に対して開閉可能に支持されており、上下方向に沿って延びる開閉軸線を軸心として後方に開放できるようになっている。加えて、裏パックユニット203の左上部(図5では右上部)には外部端子板240が設けられている。
外部端子板240は、遊技ホールのホールコンピュータなどへの各種情報送信を中継するためのものであり、複数の外部接続端子が設けられている。便宜上、符号は付さないが、例えば現在の遊技状態(大当たり状態や確変モード等)に関する情報を出力するための端子、後述する開放検知スイッチ91、92によって検出される前面枠セット14や内枠12の開放に関する情報を出力するための端子、入球エラー、下皿満タンエラー、タンク球無しエラー、払出しエラーなど各種エラー状態に関する情報を出力するための端子、払出制御装置311から払出される賞球数に関する情報を出力するための端子などが設けられている。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、パチンコ機10の後方に突出して略直方体形状をなす保護カバー部354を備えている。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉塞され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくともフレームカバー213を覆うのに十分な大きさを有する。但し、本実施形態では、保護カバー部354が基板ボックス263の上部及び右部(図5では左側の部位)も合わせて覆う構成となっている。これにより、裏パックユニット203の閉鎖状態において、基板ボックス263の右部に設けられた封印部材、及び主制御装置261の上縁部に沿って設けられた端子部(基板側コネクタ)が覆われることとなる。
払出機構部352は、保護カバー部354を迂回するようにして配設されている。すなわち、保護カバー部354の上方には、上側に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払出された遊技球は上皿19等に供給される。
また、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込む電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFされる。
裏パックユニット203(基板ボックス263)の下方には、内枠12の左側部(図5では右側)にて軸支され、後方に開放可能な下枠セット251が設けられている。図6に示すように、下枠セット251には、上述した球回収機構により回収された遊技球が流入する排出通路部217が形成され、排出通路部217の最下流部には、遊技球をパチンコ機10外部へ排出する排出シュート(図示略)が形成されている。つまり、一般入賞口31等の各入賞口に入賞した遊技球は、裏枠セット215の球回収機構を介して集合し、さらに排出通路部217の排出シュートを通じてパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出通路部217に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出シュートを介してパチンコ機10外部に排出される。尚、本実施形態では、裏パックユニット203と下枠セット251とが別体として構成され、それぞれ独立して開閉可能であるが、裏パックユニット203と下枠セット251とが一体的に形成されることとしてもよい。
また、図5に示すように、下枠セット251の背面側には、払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313、及び、カードユニット接続基板314が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
発射制御装置312及び電源装置313は基板ボックス313aに収容されて下枠セット251の背面側に固定されている。尚、発射制御装置312及び電源装置313は、便宜上それぞれ独立した制御装置として説明するが、実際には1つの基板(プリント基板)により構成される。
また、払出制御装置311は、基板ボックス311aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。尚、払出制御装置311が収容される基板ボックス311aには、上述した主制御装置261が収容される基板ボックス263と同様に封印部材が設けられ、基板ボックス311aの開封された痕跡が残るようになっている。
加えて、カードユニット接続基板314は、基板ボックス314aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。なお、上記各基板ボックス311a,313a,314aは透明樹脂材料等により構成されており、内部が視認可能となっている。
また、払出制御装置311には基板ボックス311aから外方に突出する状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
さらに、電源装置313には基板ボックス313aから外方に突出するRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰させることができる。従って、通常手順で(例えば遊技ホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入する。
また、図6に示すように、内枠12の右側部背面側には施錠装置600が設けられている。施錠装置600は、前面枠セット14の前面側に露出するシリンダ錠700(図1等参照)を備えており、該シリンダ錠700の鍵穴に鍵を挿入し、一方に回動操作することで内枠12を解錠でき、他方に回動操作することで前面枠セット14を解錠できるようになっている。本実施形態では、内枠12は外枠11に対し施錠され、前面枠セット14は内枠12に対し施錠される。
尚、上記のように、外枠11の右辺枠構成部11dには、施錠装置600に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆う延出壁部83が形成されている(図5参照)。これにより、外枠11の背面側から線材等を進入させ、当該線材等により施錠装置600を操作することが困難となる。結果として、防御性能の向上を図ることができる。さらに、延出壁部83は、裏パックユニット203及び下枠セット251の右端部(図5では左側の端部)を背面側から覆う構成となっており、内枠12の閉状態においては、裏パックユニット203及び下枠セット251を開放できない構成となっている。
また、図4に示すように、内枠12の前面側右下部(発射装置60の右側)には、前面枠セット14の開放を検知するための前面枠開放検知スイッチ91が設けられ、図5に示すように、内枠12の背面側右下部(図5では左下)には、内枠12の開放を検知するための内枠開放検知スイッチ92が設けられている。前面枠開放検知スイッチ91及び内枠開放検知スイッチ92は、それぞれスイッチ本体部に対して出没可能な検知部を備えており、前面枠開放検知スイッチ91は検知部が前方に向くように設けられ、内枠開放検知スイッチ92は検知部が後方へ向くように設けられる。そして、検知部がスイッチ本体部から突出した状態にある場合にはオン信号を主制御装置261に出力し、検知部がスイッチ本体部側に押圧され、スイッチ本体部に没入した状態ではオフ信号を主制御装置261に出力する構成となっている。つまり、前面枠開放検知スイッチ91は前面枠セット14の閉鎖時において検知部が前面枠セット14の背面で押圧されてオフ状態となり、前面枠セット14の開放時には、検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。同様に、内枠開放検知スイッチ92は内枠12の閉鎖時において検知部が外枠11の受部85に一体形成された押圧部86によって押圧されてオフ状態となり、内枠12の開放時には検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。
さて、本実施形態では、所定の演出が導出された場合に、遊技者がガラスユニット137に触れると、当該ガラスユニット137が振動する場合がある。以下、かかる構成について、図8、図9等を参照して説明する。尚、本実施形態では、装飾図柄表示装置42が表示手段を構成している。
図9に示すように、ガラスユニット137は、透明体としての前後一対の前ガラス411及び後ガラス412と、前ガラス411及び後ガラス412を保持する保持枠部413とを備えている。前ガラス411及び後ガラス412は前後に離間しているとともに、前ガラス411及び後ガラス412の間の空間は密閉空間となっている。また、本実施形態の保持枠部413は、前後方向において後ガラス412を保持している部位から外周方向に突出する固定片414を備えている。当該固定片414が前面枠セット14のベース板421の後面と当接状態とされるとともに、固定片414に形成された固定孔415、及び、ベース板421に形成された取付孔422に対して、ボルト425及びナット426が取付けられることにより、ガラスユニット137が前面枠セット14に取付けられている。
本実施形態では、ボルト425が前方のベース板421側から取付孔422及び固定孔415に挿通されるとともに、その挿通先端側には、2つのナット426(Wナット)が取付けられている。尚、本実施形態では、保持枠部413のうち、固定片414よりも前方部位(前ガラス411を保持している部位)は、基本的にベース板421と当接しない構成となっている。
また、本実施形態の前ガラス411及び後ガラス412は、略矩形板状の右下及び左下の角部をR加工して、下半分を略半楕円形状としたような形状を成している。これに対応して、本実施形態の保持枠部413は、その内側の開口形状が前ガラス411及び後ガラス412の外形状と略相似形状をなしている。尚、保持枠部413の左下部は外周側に膨出形成され、その内部には乾燥剤が封入されている。
さて、図4に示すように、遊技領域は略楕円形状をなしており、本実施形態のガラスユニット137を遊技領域に当てはめてみると、前ガラス411及び後ガラス412の左上部及び右上部が遊技領域よりも外周側にはみ出すようになっている。本実施形態では、前ガラス411の前面のうち、遊技領域よりも外周側に位置することとなる左上の領域(以下、「左上領域417」という)及び右上の領域(以下「右上領域418」という)に対して、それぞれ前ガラス411を振動させることのできる透明体振動手段及び音声振動出力手段としての音振動発生装置431が両面テープ等によって取付けられている。
音振動発生装置431は、コイルと、コイルの内側に設置された磁石とを備え、コイルに音声電流を流して磁石を振動させることで、当該音振動発生装置431が取付けられてる前ガラス411を振動させ、前ガラス411から音声を発せられるように構成されている。音振動発生装置431は、駆動制御手段としてのサブ制御装置262によって制御され、状況に応じて、スピーカSPと協働して、ときには単独で、音声を導出するように構成されている。特に、音振動発生装置431を稼働させると、前ガラス411、すなわち、遊技者の顔の正面から音声が出力されるため、より迫力のある、或いは、より繊細な音声を出力することができるようになっている。
また、本実施形態の音振動発生装置431は、前ガラス411から音声を発せさせるためだけに設けられているのではなく、前ガラス411を振動させることをも目的として設けられている。つまり、例えば、前ガラス411に低音を発せさせるような振動を音振動発生装置431に発生させることで、遊技者が前ガラス411に触れた場合に、当該遊技者な認識できるような強さで、前ガラス411を振動させることができるようになっている。
加えて、音振動発生装置431が設けられた左上領域417及び右上領域418は、前面枠セット14の前枠カバー435によって覆われている。このため、左上領域417及び右上領域418の前面側に取付けられている音振動発生装置431は、基本的に前方からは視認できないように構成されている。また、本実施形態の前枠カバー435は、基本的に、前ガラス411と当接しない構成となっている。これにより、振動する前ガラス411が前枠カバー435に触れて異音が発生するといった事態を回避することができる。
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図7は、本パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。主制御手段としての主制御装置261(主基板)には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等が内蔵されている。但し、CPU、ROM及びRAMが1チップ化されておらず、それぞれの機能毎にチップ化されている構成であってもよい。
RAM503は、CPU501の内部レジスタの内容やCPU501により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア503aとを備えている。
また、RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア503aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)のメイン処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバス等で構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、サブ制御装置262、第1及び第2特別表示装置43L、43R、普通図柄表示装置41等が接続されている。この構成により、上述した特別表示装置43L、43R、及び普通図柄表示装置41は、主制御装置261により直接的に制御される。一方、装飾図柄表示装置42は、サブ制御装置262を介して制御される。
その他、便宜上、各種中継基板等の図示は省略するが、入出力ポート505には、入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223a,223b、始動入賞スイッチ224a,224b、スルーゲートスイッチ225、ハンドル18の各種スイッチ等の各種検出スイッチや、各種基板、可変入賞装置32を開閉させるためのソレノイド等の各種電気部品が接続されている。つまり、主制御装置261には、各種ケーブルコネクタのコネクタを接続するための複数の端子部(基板側コネクタ)が設けられているが、これら端子部等により、入出力ポート505が構成される。
サブ制御手段としてのサブ制御装置262(サブ制御基板)は、演算装置であるCPU551、該CPU551により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM552、該ROM552内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM553、入出力ポート554、バスライン555を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM553は、CPU551による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
入出力ポート554には、バスライン555を介してCPU551、ROM552、RAM553が接続されるとともに、表示制御装置45が接続されている。さらに、入出力ポート554には、スピーカSP、保留ランプ46a、46b、演出ボタン125、各種電飾部及びランプ102〜104、近接検知センサ401、音振動発生装置431が接続されている。
サブ制御装置262のCPU551は、例えば主制御装置261から送信される指令信号(例えば変動パターンコマンド)に基づいて表示制御装置45に表示制御を実行させ、装飾図柄表示装置42に表示させる。なお、上記のように、本実施形態では、主制御装置261が制御する第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて大当たりに当選したことを表示するようになっており、サブ制御装置262が制御する装飾図柄表示装置42では、前記特別表示装置43L、43R(における特別図柄)の変動表示に合わせて、演出表示として(装飾図柄の)変動表示が行われる。
また、払出制御装置311は、払出装置358により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、CPU511の内部レジスタの内容やCPU511により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア513aとを備えている。
RAM513は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア513aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置261のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SK1が入力されるように構成されており、その停電信号SK1がCPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
作業エリアには、払出制御装置311による賞球の払出許可が設定される払出許可フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドを受信した場合に設定されるコマンド受信フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドが記憶されるコマンドバッファとが設けられている。
払出許可フラグは、賞球の払出許可を設定するフラグであり、主制御装置261から賞球の払出を許可する特定のコマンドが送信され、その特定のコマンドを受信した場合にオンされ、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされる。本実施形態では、特定のコマンドは、払出制御装置311のRAM513の初期処理の指示をする払出初期化コマンドと、賞球の払出を指示する賞球コマンドと、主制御装置261が復電された場合に送信される払出復帰コマンドの3つである。
コマンド受信フラグは、払出制御装置311がコマンドを受信したか否かを確認するフラグであり、いずれかのコマンドを受信した場合にオンされ、払出許可フラグと同様に、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされるとともに、コマンド判定処理により受信されたコマンドの判定が行われた場合にオフされる。
コマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出装置358等がそれぞれ接続されている。
カードユニット接続基板314は、パチンコ機10前面の貸球操作部(球貸しボタン121及び返却ボタン122)と、遊技ホール等にてパチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)とにそれぞれ電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれをカードユニットに出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314を省略することも可能である。
発射制御装置312は、発射装置60による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置60は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者がハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させる発射禁止ボタン18a(図1参照)が操作されていないことを条件に、発射装置60が駆動され、ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。
表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指示に従い、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を実行するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、プログラムROM522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527にはサブ制御装置262の入出力ポート554が接続されている。また、入力ポート527には、バスライン530を介して、CPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、VDP526が接続されている。また、VDP526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529には液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、サブ制御装置262から送信される表示コマンドを、入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP526の制御(具体的にはVDP526に対する内部コマンドの生成)を実施する。これにより、装飾図柄表示装置42における表示制御を行う。
プログラムROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するメモリである。
VDP526は、装飾図柄表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路である。VDP526はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP526は、CPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して装飾図柄表示装置42に表示させる。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。同様に、各種スイッチやモータ等には、これらが接続される制御装置を介して動作電源が供給されることとなる。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力する回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアする回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号SK2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
尚、図示は省略するが、サブ制御装置262のROM552には、複数パターンの音声データを符号化した形(バイナリデータ)で予め記憶している音声データ記憶エリアが設けられている。さらに、サブ制御装置262には、音声データを音声信号に変換可能に構成されるとともに、複数の音声信号をスピーカSPに同時に出力可能に構成されたが設けられている。音声組成部は、音声信号を入力可能な複数のチャンネルと、音声信号を増幅する増幅器とを備え、チャンネルに入力された音声信号をスピーカSPへ出力可能に構成されている。
そして、サブ制御装置262が、主制御装置261から変動パターンコマンド等を受信すると、CPU551が該コマンドに基づいて、装飾図柄表示装置42における表示態様や、これに対応する音声態様を決定するとともに、音声に関しては、対応する音声データを音声データ記憶エリアから読み出して、音声組成部に入力する。音声組成部では、入力された音声データを音声信号、すなわち、デジタル信号、ひいては、アナログ信号に変換し、アナログ信号化された該音声信号を対象のチャンネルに入力する。さらに、音声信号は、増幅器において設定に応じたレベルに増幅された後、スピーカSPに出力される。スピーカSPでは、音声信号が音声(空気の疎密波)に変換されて、かかる音声がパチンコ機10の前方に出力される。
また、増幅器は、各チャンネルに入力された音声信号をそれぞれ個別に増幅可能なプリアンプと、複数のチャンネルに同時に入力されてミキシングされた後の全体の音声信号を増幅可能なメインアンプとを備えている。さらに、音声組成部は、各チャンネルに入力された音声信号の(プリアンプで増幅された後の)音量をそれぞれ調節可能なチャンネルボリューム調節部と、複数のチャンネルに同時に入力されてミキシングされた後の全体の音声信号の(メインアンプで増幅された後の)音量を調節可能なマスタボリューム調節部とを備えている。
さらに、本実施形態では、音振動発生装置431用のチャンネルや増幅器が設けられ、基本的に、スピーカSPと同様に駆動制御される。すなわち、音声組成部から音振動発生装置431用のチャンネルに音声信号が入力された場合には、音声信号が増幅器において設定に応じたレベルに増幅された後、音振動発生装置431に出力される。音振動発生装置431では、音声信号を振動に変換して前ガラス411に伝達することで前ガラス411から音声を発せさせるように構成されている。
さて、本実施形態では、装飾図柄表示装置42の前方に遊技者の手を差し出させるタッチ演出が導出される場合がある。以下、タッチ演出に関する制御(タッチ演出処理)について、図10、図11を参照して説明する。本実施形態では、タッチ演出として、第1タッチ演出と第2タッチ演出とがあり、第1タッチ演出は、遊技者に2択のどちらかを選択してもらう演出となっている。一方、第2タッチ演出はステップアップ演出となっている。
図10に示すように、先ず、ステップS4501では、第1タッチ演出中であることを示す第1タッチ演出中フラグがオンされているか否かを判別する。ステップS4501で否定判別された場合には、ステップS4502において、第2タッチ演出中であることを示す第2タッチ演出中フラグがオンされているか否かを判別する。
ステップS4502で否定判別された場合には、ステップS4503において、第1タッチ演出を行うことが決定されていることを示す第1タッチ演出実行フラグがオンされているか否かを判別する。第1タッチ演出実行フラグは、第1タッチ演出を実行することが決定された際にオン設定されるように構成されており、例えば、変動表示を開始させるにあたって第1タッチ演出を実行することが決定された場合には、その時点でオンされるようになっている。
ステップS4503で肯定判別された場合には、ステップS4504において、少なくともタッチ演出処理の制御に使用される制御タイマの値が0であるか否かを判別する。つまり、第1タッチ演出の実行が決定された際に、第1タッチ演出の内容、及び、第1タッチ演出の開始タイミングについても合わせて決定されるようになっている。ここで決定された開始タイミングまでの時間に対応する値が制御タイマにセットされるとともに、制御タイマの値が定期的に減算されていき、開始タイミングで0となるようになっている。
ステップS4504で否定判別された場合には、未だ第1タッチ演出を発生させるタイミングに至っていないため、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS4504で肯定判別された場合には、ステップS4505において、第1タッチ演出中フラグをオン設定する。第1タッチ演出中フラグがオン設定されることにより、第1タッチ演出用の表示や音声等が開始されることとなる。
尚、本実施形態の第1タッチ演出では、リーチ状態の発生後において大当たり状態への期待度がより高まるスーパーリーチに発展するのか否か、大当たり状態が発生するのか否か、大当たり状態中において、大当たり状態終了後に確変モードが付与されるのか否か、確変モードであるか否かの判別がつかない引き戻しステージにおいて、時間短縮モードの区切りとされる30回目、60回目、及び、90回目の変動表示において、引き戻しステージ(高入球状態)が継続するのか否かを示唆・教示するようになっている。
また、第1タッチ演出によって何を示唆・教示するのかについては、第1タッチ演出の実行を決定した際に決定されているが、上記のように第1タッチ演出は遊技者に2択のうちのどちらかを選択してもらう演出であり、選択に応じて異なる示唆・教示が行われるようになっている。
第1タッチ演出における2択の選択方法であるが、例えば、図12に示すように、装飾図柄表示装置42において、中央よりも左領域と、中央よりも右領域とにおいてそれぞれ手のマークが表示されるとともに、「どちらかをタッチ」等といった表示が行われるので、左右どちらかの手のマークを選んで、その付近(前方)の前ガラス411にタッチしてもらうといった具合である。上記のように、本実施形態では、近接検知センサ401が装飾図柄表示装置42の左方及び右方において左右一対で設けられており、装飾図柄表示装置42の中央よりも左側を選んで前ガラス411にタッチした場合には、左側の近接検知センサ401(以下、「左センサ402」とも称する)によって検知され、装飾図柄表示装置42の中央よりも右側を選んで前ガラス411にタッチした場合には、右側の近接検知センサ401(以下、「右センサ403」とも称する)によって検知されるようになっている。本実施形態では、複数のセンサ(左センサ402及び右センサ403)によって構成される近接検知センサ401によって当接検知手段が構成される。
ステップS4505の後、ステップS4506において、制御タイマに有効時間をセットする。本実施形態では、5秒に対応する値がセットされる。つまり、タッチ演出では、左センサ402や右センサ403の検知に基づいて、対応する示唆や教示を行うのであるが、ここでは当該示唆や教示を行う契機として左センサ402や右センサ403の検知が有効な期間(タッチアクションの受付期間)が設定されることとなる。その後、ステップS4507において、第1タッチ演出実行フラグをオフしてから、本処理を終了する。
また、ステップS4501で肯定判別された場合(第1タッチ演出中フラグがオンされている場合)には、ステップS4508において、制御タイマの値が0であるか否かを判別する。ステップS4508で肯定判別された場合、すなわち、近接検知センサ401の有効期間が終了した場合には、ステップS4513において、時間切れに対応する演出を設定する処理を行う。その後、ステップS4514に移行し、第1タッチ演出を終了させるべく、第1タッチ演出中フラグをオフ設定してから、本処理を終了する。
また、ステップS4508で否定判別された場合、すなわち、近接検知センサ401の有効期間(受付期間)中である場合には、ステップS4509において、左センサ402の検知があるか否かを判別する。ステップS4509で肯定判別された場合、すなわち、遊技者が2択で左を選択した場合には、ステップS4510において、左センサ402の検知に対応する演出を導出するための設定を行う。
一方、ステップS4509において否定判別された場合には、ステップS4511において、右センサ403の検知があるか否かを判別する。ステップS4511において否定判別された場合、すなわち、近接検知センサ401の有効期間中であるが、未だに、左センサ402及び右センサ403のどちらの検知情報もない場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS4511で肯定判別された場合、すなわち、遊技者が2択で右を選択した場合には、ステップS4512において、右センサ403の検知に対応する演出を導出するための設定を行う。
本実施形態では、左センサ402の検知が行われた場合の示唆・教示内容と、右センサ403の検知が行われた場合の示唆・教示内容とが予め決定されており、さらには、どちらを選んでも表示される内容は同じといったこともない構成となっている。2択の選択結果として示唆・教示される内容として、例えば、「継続」又は「終了」、「大当たり」又は「外れ」、「大当たり」又は「疑問符付きの言葉」、「外れ」又は「疑問符付きの言葉」、「発展」又は「終了」、「期待度50%」又は「期待度20%」等が挙げられる。また、2択のうち選択された方に対応する示唆・教示は行われるものの、選択されていない方を選択した場合には何が示唆・教示されていたのかについては分からないようになっている。ちなみに、上記ステップS4508で肯定判別された場合には、2択での選択肢を選択した場合に何が示唆・教示されていたかについては、一切分からないようになっている。
さらに、本実施形態では、2択で遊技者にとって有利な(好ましい)情報が示唆・教示される場合である場合、左センサ402又は右センサ403の検知に基づいて、(遊技者が前ガラス411にタッチするのとほぼ同時に、前ガラス411が振動するように構成されている。特に、2択のうち遊技者にとってより有利な(より好ましい)情報が示唆・教示される方の選択がなされた場合、他方を選択していた場合に比べ、前ガラス411の振動がより大きくなるように構成されている(他方を選択した場合には振動無しでも可)。但し、本実施形態の第1タッチ演出では、左上領域417に設けられた音振動発生装置431と、右上領域418に設けられた音振動発生装置431とが全く同じ動作を行うように構成されており、これによって、例えば、前ガラス411のうち、装飾図柄表示装置42の左側前方位置にタッチした直後に、装飾図柄表示装置42の右側前方位置にタッチして、右側の振動の方が大きいと感じることで、実はもっと期待度が高い等と察知されてしまう(他方側をタッチしていれば得られた情報についても得られてしまう)ことを回避している。
尚、第1タッチ演出の発生した際の状態別に、遊技者が前ガラス411に触れるのは左右のどちら側なのかと、音振動発生装置431の振動態様との対応関係を記憶する振動対応記憶テーブルが設けられており、当該振動対応記憶テーブルを参照して、音振動発生装置431の振動態様が決定され、導出されることとなる。
ステップS4510の後、又は、ステップS4512の後は、ステップS4514に移行して、第1タッチ演出中フラグをオフ設定する。その後、本処理を終了する。
また、ステップS4503で否定判別された場合には、ステップS15において、第2タッチ演出を行うことが決定されていることを示す第2タッチ演出実行フラグがオン設定されているか否かを判別する。第2タッチ演出実行フラグは、第2タッチ演出を実行することが決定された際にオン設定されるように構成されており、例えば、変動表示を開始させるにあたって第2タッチ演出を実行することが決定された場合には、その時点でオンされるようになっている。
ステップS4515で否定判別された場合には、タッチ演出中でもなく、タッチ演出を実行する予定も入っていないことから、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS4515で肯定判別された場合には、ステップS4516において、制御タイマの値が0であるか否かを判別する。尚、制御タイマには、つまり、第2タッチ演出の実行が決定された際に、第1タッチ演出の開始タイミングまでの時間に対応する値が制御タイマにセットされるとともに、制御タイマの値が定期的に減算されていき、開始タイミングで0となるようになっている。
ステップS4516で否定判別された場合には、未だ第2タッチ演出を発生させるタイミングに至っていないため、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS4516で肯定判別された場合には、ステップS4517において、第2タッチ演出中フラグをオン設定する。第2タッチ演出中フラグがオン設定されることにより、第2タッチ演出用の表示や音声等が開始されることとなる。
尚、第2タッチ演出では、大当たり状態が発生するのか否か、確変モードが付与されるのか否か、時間短縮モードの区切りとされる変動表示において、高入球状態が継続するのか否か、或いは、これらのうちの複数が発生する権利を得られるのか否かを示唆・教示するようになっている。ちなみに、本実施形態では、第2タッチ演出は、第1タッチ演出よりも、演出が成功裏に終わる可能性が高い設定となっているとともに、選択される割合についても比較的低く設定されている。
ステップS4517の後、ステップS4518において、制御タイマに近接検知センサ401の有効時間(5秒に対応する値)をセットする。その後、ステップS4519において、第2タッチ演出実行フラグをオフしてから、本処理を終了する。
また、ステップS4502で肯定判別された場合(第2タッチ演出中フラグがオン設定されている場合)には、図11に示すように、ステップS4520において、制御タイマの値が0であるか否かを判別する。ステップS4520で肯定判別された場合、すなわち、(第2タッチ演出中に近接検知センサ401の検知もなく)第2タッチ演出の終了タイミングが到来した場合には、ステップS4521において、第2タッチ演出の終了に対応する演出を行う設定をしてから、本処理を終了する。
一方、ステップS4520で否定判別された場合には、ステップS4522において、近接検知センサ401による検知があるか否かを判別する。尚、第2タッチ演出では、左センサ402及び右センサ403のどちらの検知でも同じ結果となるため、どちらかの検知があれば、ここで肯定判別される。ステップS4522において肯定判別された場合には、ステップS4523において、タッチレベルカウンタの値が0であるか否かを判別する。タッチレベルカウンタは、0〜5の値が設定される計数カウンタであって、第2タッチ演出の開始時点では0が設定されている(第2タッチ演出の実行が決定された際に0を設定してもよいし、ステップS4516で肯定判別された場合に0を設定してもよい。本例では前者)。
より具体的に説明すると、第2タッチ演出の一例としては、図13に示すように、装飾図柄表示装置42においてキャラクタが「剣」をこちら側に投げる表示が行われた後、手のマークが表示されるとともに、「タッチし続けろ」等といった表示が行われる。そして、遊技者が装飾図柄表示装置42の前方の前ガラス411にタッチした状態を保つことで、手の周りに発生するオーラが初期の「白色」から始まり、「青色」→「黄色」→「緑色」→「赤色」といった具合にステップアップする演出が進行する。当然遊技者にとって有利なことが示唆・教示されることが決定されている場合にはステップアップが進行し易い。
タッチレベルカウンタは、ステップアップのレベルと対応しており、タッチレベルカウンタが「0」の場合、すなわち、遊技者のファーストタッチが未だ確認されていない状況では、「白色」に対応し、「1」の場合には「青色」に対応し、「2」の場合には「黄色」に対応し、「3」の場合には「緑色」に対応し、「4」の場合には「赤色」に対応し、「5」の場合には「虹色」に対応する。
ステップS4523で肯定判別された場合には、ステップアップを1段階進める処理に移行する。つまり、ステップS4524において、タッチレベルカウンタを1加算する。続いて、ステップS4525において、タッチ上限カウンタを1減算する。タッチ上限カウンタは、0〜5の値が設定される計数カウンタであり、ステップアップの上限を定めるものであって、第2タッチ演出の実行が決定された際に、対象となる示唆・教示の結果に応じた抽選が行われ、対応する値が設定されるようになっている。当然、遊技者にとって有利なことが示唆・教示されることが決定されている場合には、大きい値が設定され易い。
その後、ステップS4526では、タッチレベルカウンタの値に対応した演出の設定を行う。すなわち、タッチレベルカウンタの値を参照して、表示や音声等の演出にかかる処理、例えば、前ガラス411にタッチし続けている遊技者の手や装飾図柄表示装置42に表示されている剣から出ているかのようにして装飾図柄表示装置42において表示するオーラの色を変更させる処理を行う。特に、本実施形態では、前ガラス411を振動させる機能によって、ステップアップが進行する毎に、振動が段階的に大きくなるように構成されているため、これに対応する処理についても合わせて行う。
ステップS4526の後、ステップS4527では、タッチ上限カウンタの値が0であるか否かを判別する。ステップS4527で否定判別された場合には、ステップアップ演出が予定レベルまでに未だ至っていないので、ステップS4528に移行し、第2タッチ演出の制御に使用されるタッチタイマに対して、0.8秒に対応する値を設定してから、本処理を終了する。すなわち、第2タッチ演出において、遊技者が前ガラス411をタッチし続けると、0.8秒ごとに(オーラの色が)ステップアップしていくようになっている。
また、ステップS4527で肯定判別された場合、すなわち、今回のステップアップ演出で上限までステップアップした場合には、ステップS4529において、タッチ演出の終了に対応する演出を導出させる設定を行う。尚、オーラが青色の場合、7割程度で剣を取り落す演出が行われ、3割程度で剣を持った演出が行われる。オーラが黄色になると、3割程度で剣を取り落す演出が行われ、7割程度で剣を持った演出が行われる。オーラが緑色であれば、必ず剣を持った演出が行われ、チャンスアップパターンが選択される場合もある。オーラが赤色になると、ほぼチャンスアップパターンが選択されるとともに、大当たり等が確定するようなパターンも選択される可能性もある。オーラが虹色であれば、大当たり等が確定する。ちなみに、ステップS4521では、オーラの色が白色で剣を取り落す演出が行われる。
その後、ステップS4530において第2タッチ演出中フラグをオフ設定してから、本処理を終了する。尚、本実施形態では、第2タッチ演出において、左上領域417に設けられた音振動発生装置431と、右上領域418に設けられた音振動発生装置431とは、基本的に同じ動作を行うのであるが、異なる動作をする場合があり、この場合はチャンスアップパターンとなっている。つまり、遊技者の手の感触によって、より多くの情報を得られるように構成されている。
さらに、ステップS4523で否定判別された場合、すなわち、遊技者が前ガラス411をファーストタッチして以降、前ガラス411へのタッチを続けている場合には、ステップS4531において、タッチタイマの値が0であるか否かを判別する。ステップS4531で否定判別された場合には、未だステップアップのタイミングに至っていない(前回のステップアップから0.8秒が経過していない)ため、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS4531で肯定判別された場合には、ステップS4524以降のステップアップを進行させる処理を行う。
また、ステップS4522において否定判別された場合、すなわち、近接検知センサ401(左センサ402、右センサ403)の検知が行われていない場合、ステップS4532において、タッチレベルカウンタの値が0であるか否か、すなわち、第2タッチ演出におけるファーストタッチ前か後かを判別する。ステップS4532で肯定判別された場合、すなわち、ファーストタッチ前である場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS4532で否定判別された場合、すなわち、ファーストタッチ後である場合には、第2タッチ演出を終了させるためのステップS4529以降の処理に移行する。つまり、第2タッチ演出は、遊技者が装飾図柄表示装置42の前方の前ガラス411にタッチすることで開始され、ステップアップの上限に達した、或いは、上限に達する前であっても前ガラス411から手を離した場合に終了するようになっている。
以上詳述したように、本実施形態によれば、ガラスユニット137の前ガラス411を振動させることのできる音振動発生装置431が設けられている。このため、装飾図柄表示装置42の前方にかざした遊技者の手を近接検知センサ401で検知し、当該検知に基づいて演出を実行するといった演出で、遊技者が前ガラス411に触れる際に、前ガラス411を振動させることができる。従って、前記演出において遊技者が前ガラス411に触れた場合のインパクトをより強めることができる。結果として、遊技者が前ガラス411に手を触れる際の感触を利用した斬新な演出を導出することができ、興趣の向上を図ることができる。
また、近接検知センサ401の検知に基づいて、遊技者の手が前ガラス411に近接したときに前ガラス411を震わせることができ、前ガラス411の振動と、装飾図柄表示装置42やスピーカSPや電飾等のその他の部材による演出とをより綿密に合致させることができる。つまり、所定の演出の結果と、前ガラス411が振動するか否かの結果とが対応付けされている場合、前ガラス411の振動のタイミングが早い場合には、前ガラス411に触れずとも前ガラス411の振動に気付かれてしまうことが懸念され、振動のタイミングが遅い場合には、遊技者が前ガラス411に触れた後、前ガラス411を振動させる前に、前ガラス411から手を離してしまうといったことが懸念されるが、本実施形態によれば、かかる不具合を解消することができる。特に、遊技者が前ガラス411に触れる前の時点で、音振動発生装置431の駆動を開始させることによって、前ガラス411を触れたときには未だ前ガラス411が振動していないといった事態を防止することができる。
また、近接検知センサ401の検知情報がなければ音振動発生装置431を用いた振動演出を導出しない等といった具合に、無駄なタイミングで前ガラス411を(比較的大きく)震わせることを抑止することができ、音振動発生装置431で振動させられる前ガラス411周りの構成(特に、ガラスユニット137の保持枠部413や、ガラスユニット137が取付けられている前面枠セット14の取付部位等)の耐久性の向上、振動に起因するその他の構成への悪影響(各接続部位、例えば、コネクタ接続部、かしめ接続部、ねじ接続部等への負担増や、各種制御基板等の電気系統へのリスク増等)の抑制、省電力等を図るとともに、前ガラス411の振動に起因する雑音や視認性の悪化(例えば、視認態様が揺らいで見える)等を抑制することができる。
さらに、音振動発生装置431は、前ガラス411の左上領域417及び右上領域418にそれぞれ設けられ、それぞれ駆動させるタイミングや振動の大きさ等を適宜変更可能に構成されている。特に、本実施形態では、基本的に左右の音振動発生装置431が同じ動作を行うところ、第2タッチ演出において左右の振動具合が異なれば、チャンスアップパターンとなるように構成されている。このように、音振動発生装置431を複数個、複数箇所に設けることで、前ガラス411の振動のパターンを多様化させることができる。さらに、遊技者にとって有利な状態の発生等と、前ガラス411の振動のパターンとを対応付けることによって、遊技者の手の感触によって、より多くの情報を得ることができるといった具合に、振動を利用したより興味深い演出を導出することができる。
加えて、本実施形態では、ガラスユニット137は前後一対の前ガラス411及び後ガラス412を備える構成において、音振動発生装置431は、前ガラス411に取付けられ、前ガラス411を振動させるように構成されている。このため、例えば、遊技領域を画定する後ガラス412が振動することによって遊技球の移動経路が変化してしまったり(後方に撥ねつけられてしまう等)、遊技球と後ガラス412との衝突音が大きくなってしまったりすることを防止することができる。また、前ガラス411と後ガラス412との間に音振動発生装置431を設置するような場合に比べ、ガラスユニット137の大型化、パチンコ機10の前後幅の増大等を防止することができる。
さらに、本実施形態の音振動発生装置431は、前ガラス411の前面に取付けられている。このため、例えば、前ガラス411と後ガラス412との間に音振動発生装置431を設置するべく、保持枠部413に対し、配線用の孔を開ける必要が生じてしまうといった事態を回避することができる。従って、前ガラス411と後ガラス412との間の空間に結露等が生じることを防止するべく、かかる空間を比較的容易かつ確実に密閉空間とすることができる。
また、音振動発生装置431は、前ガラス411を振動させて、前ガラス411から音声を発せさせる機能をも有している。このため、前ガラス411をスピーカとしても利用することができ、前ガラス411を利用した演出の多様化を図ることができる。さらに、前ガラス411は、遊技者の正面である遊技領域の前方に位置することから、遊技者に対してよりインパクトのある音声態様(時にはよりダイナミックに、時にはより繊細に)を導出することができる。加えて、タッチ演出に参加しない(タッチ演出において前ガラス411をタッチしない)遊技者でも、前ガラス411から発せられる音声については確実に堪能することができ、タッチ演出に参加しない遊技者にとっては、音振動発生装置431が全く不必要(無縁)のものとなってしまうといった事態を回避することができる。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施形態では、音振動発生装置431は、前ガラス411の前面、かつ、左上領域417及び右上領域418に設けられているが、設置の数や場所については特に限定されるものではなく、少なくとも前ガラス411を振動させることができるようになっていればよい。但し、意匠性の低下、遊技領域の視認性の悪化(遊技領域に対する視界の狭小化)を抑制するべく、音振動発生装置431は遊技者から視認不可能又は困難な場所に設置すること(音振動発生装置431を隠す覆いを設けること)が望ましい。
さらに、上記実施形態では、ガラスユニット137の前ガラス411を振動させる透明振動手段として、コイルの中に磁石を入れてコイルに音声電流を流して磁石を振動させるものが採用されているが、特にかかる構成に限定されるものではない。例えば、スピーカを前ガラス411に向けて設置して、スピーカから出力される低音で前ガラス411を振動させてもよいし、バイブレータをその振動が前ガラス411に伝わるように設置してもよい。
但し、前ガラス411ではなく、後ガラス412を比較的大きく振動させてしまうと、遊技領域を移動する遊技球の移動が阻害され、或いは、ガラスユニット137全体としても大きな振動となって取付部位に比較的大きな負担が付加されてしまうことが懸念されるため、極力、後ガラス412については比較的大きな振動をさせないように構成することが望ましい。さらに、前ガラス411の後面に音振動発生装置431を取付けようとした場合、前ガラス411と後ガラス412との間隔を広くする必要が生じてガラスユニット137の大型化及びパチンコ機10の前後幅の増大を招いてしまったり、保持枠部413に配線用の孔を開けて気密性の低下等を招いてしまったりするおそれがあることから、音振動発生装置431は、上記実施形態のように前ガラス411の前面側に設けることが望ましい。
(b)また、上記実施形態において、音振動発生装置431は、前ガラス411の振動の大きさ、振動のリズムを変更可能に構成されていることとしてもよい。さらに、音振動発生装置431を使用した演出等についても特に限定されるものではなく、適宜設定可能である。例えば、上記実施形態の第2タッチ演出のように、装飾図柄表示装置42の表示内容及び前ガラス411の振動具合によって大当たり状態発生の期待度等を示唆・教示する構成において、装飾図柄表示装置42の表示内容と、前ガラス411の振動具合とがいつもとは異なる組合わせとなった場合(所謂、ナビ矛盾のような格好となった場合)に、大当たり状態発生の期待度がより一層高まる、或いは、大当たり状態の発生が確定するように構成してもよい。この場合、遊技者は、より手の間隔に集中してより多くの情報を得ようとすることとなり、結果的に、より興趣の向上を図ることができる。
また、例えば、リズムに合わせて前ガラス411をタッチしろという演出が導出された場合に、好適なタイミングでタッチした場合には前ガラス411は振動せず、不正確なタイミングでタッチした場合には前ガラス411が振動するといったお楽しみのミニゲームなどが行われるように構成してもよい。加えて、例えば、遊技者が、前ガラス411が振動しているようだからと前ガラス411に手を触れようとすると、近接検知センサ401の検知情報に基づいて音振動発生装置431の駆動が停止されるような演出を行ってもよい。
(c)上記実施形態では、装飾図柄表示装置42の前方に前ガラス411に接触する程に近接した遊技者の手等を検知可能な近接検知センサ401(左センサ402、右センサ403)が設けられ、近接検知センサ401の検知に基づいて、サブ制御装置262が音振動発生装置431を振動させ、前ガラス411を振動させたり、前ガラス411から音声を発せさせたりするよう構成されているが、かかる構成に代えて、又は、加えて、前ガラス411を当接検知手段・接近検知手段としてのタッチパネルにして、タッチパネルの検知情報に基づいて、音振動発生装置431の駆動制御を行うように構成してもよい。タッチパネルを使用することで、前ガラス411に触れている遊技者の手のより正確な位置情報を得ることができ、より複雑で多彩な演出を導出することが可能になる。従って、演出において振動機能を十分に発揮させ、振動を用いた演出をより一層堪能させることができる。
タッチパネルを利用した演出としては、例えば、装飾図柄表示装置42上に選択肢を3つ表示して、前ガラス411(タッチパネル)のうち各選択肢の前方位置を触ると、選択肢の結果が表示される構成において、遊技者にとって望ましい選択がなされた、或いは、遊技者にとって望ましい結果になることを期待させる場合に、前ガラス411を振動させるように構成してもよい。
また、例えば、装飾図柄表示装置42において「暗闇で猫を探り当てろ」等といった表示を行うとともに、(制限時間内に)前ガラス411のうち特定位置に遊技者が触れた場合に、遊技者に所定の特典(例えば、未だ教示されていない情報を開示したりする等)を付与する構成とする。そして、タッチパネルの位置情報に基づいて、遊技者の前ガラス411に触れている手が前記特定位置から離れている場合には、前ガラス411の振動を弱くし、遊技者に前ガラス411に触れている手が前記特定位置に近付くにつれて、前ガラス411の振動が大きくなるような演出を導出可能に構成してもよい。ちなみに、通常は、遊技者が振動の大きくなる特定位置に近付くと特定位置が移動するようにし、チャンスアップパターンでは特定位置が移動しないようにして、いざ猫を捕まえたとされると振動が大きくなるように構成してもよい。尚、当該構成を採用する場合、音振動発生装置431を、前ガラス411の左右の上角部だけでなく、前ガラス411の下部にも設けることが望ましい(より望ましくは、左右の下角部、さらには、左右側部のうち上下方向中間位置にも設ける)。
さらに、例えば、「財宝を掘り出せ」等といった表示を行うとともに、(制限時間内に)前ガラス411のうち特定位置に遊技者が所定回数振れた場合に、遊技者に所定の特典が付与される構成とし、遊技者が前記特定位置に触れた場合に前ガラス411を振動させるとともに、装飾図柄表示装置42において、特定部位を擦る動作に導くような案内をするように構成してもよい。以上のような構成を採用する場合、遊技者が手さぐりで、遊技者にとって有利となる特典を獲得するといった革新的な演出を堪能してもらうことができる。加えて、例えば、前ガラス411に触れると、装飾図柄表示装置42上で犬が寄ってきたり、装飾図柄表示装置42に表示されるアイコンを移動させたりする(ボールを投げる、ご飯をあげる等)ことができるとともに、犬の動作に対応して前ガラス411が振動するように構成してもよい。
加えて、タッチパネルに表示されたアイコン等を選択した場合、又は、決定入力がなされた場合に、音振動発生装置431が駆動してタッチパネルが振動するように構成してもよい。この場合、ガラスユニット137への各種入力操作に対する反応が分かり易く帰ってくるため、かかる各種入力操作が的確に行われていることを把握することができる。尚、前ガラス411をタッチパネルで構成しなくても、前ガラス411に当接又は近接した遊技者の手の位置に基づいて、装飾図柄表示装置42上に表示されたオブジェクトを選択・決定したり、動かしたりすることができるように構成し、かかる各種操作を行う際に、前ガラス411が対応するパターンで振動するように構成してもよい。
また、上記実施形態において、近接検知センサ401によって遊技者の手が検知されない状態になった場合、振動演出中でも、音振動発生装置431による前ガラス411の振動を停止する(振動演出中の前ガラス411の振動を一時停止させる、或いは、振動させる機会を終了させる)ように構成してもよい。この場合、振動演出中でも遊技者の手が前ガラス411から(近接検知センサ401に検知されない範囲まで)離間すれば、音振動発生装置431の駆動が止まるため、省エネルギー化、耐久性の向上等をより一層図ることができる。
(d)上記実施形態のガラスユニット137の保持枠部413は、前後方向において後ガラス412を保持している部位から外周方向に突出し、前面枠セット14のベース板421に取付固定される固定片414を備えることで、後ガラス412については極力振動を抑え、前ガラス411については後ガラス412よりも振動が許容されるように構成されているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、固定片414が省略されたような形状の保持枠部413を前面枠セット14の後面側に挟持固定し、ガラスユニット137自体の構造としては前ガラス411と後ガラス412とで振動のし易さがほぼ同程度となるような構成としてもよい。但し、前ガラス411の方を積極的に振動させるように音振動発生装置431が取付けられることが望ましい。
また、上記実施形態において、後ガラス412の振動を抑制するための緩衝部材を別途設けることとしてもよい。例えば、後ガラス412の後面にゴム等を当接させるよう構成してもよい。
(e)また、例えば、図14(a)に示すように、保持枠部413のうち、前側透明体としての前ガラス411を保持する前保持部801を、後側透明体としての後ガラス412を保持する後保持部802よりも軟質な材料構成してもよい(例えば、後保持部802をポリプロピレンで構成し、前保持部801をオレフィン系熱可塑性エラストマーで構成する等)。さらに、例えば、図14(b)に示すように、前保持部801と後保持部802とを連結する連結部413を設け、連結部413の変形により、前保持部801が後保持部802に対して相対変位可能に設けられていることとしてもよい。尚、前者では前保持部801自体(前保持部801の後保持部802との連接部位)が連結手段を構成し、後者では、連結部413が連結手段を構成する。また、連結部413は後保持部802よりも軟質な材料により構成されることとしてもよいし、複数の部材をスライド可能に組合わせる等して前保持部801を後保持部802に対してスライド変位可能に構成されていることとしてもよい。
これらの構成を採用する場合、音振動発生装置431の駆動に際し、前保持部801に保持される前ガラス413に関しては比較的敏感に反応してよく振動し、後保持部802に保持される後ガラス412に関してはあまり振動しないようにするといった作用効果がより一層奏されることとなる。尚、固定片414(図14では図示略)は後保持部802に一体形成されているものとする。また、音振動発生装置431によって前ガラス411を直接振動させるのではなく、前保持部801を振動させることで前ガラス411を振動させる構成とした場合、前保持部801は比較的硬質な素材で構成し、後保持部802は比較的軟質な素材で構成することとしてもよい。
また、前保持部801が比較的振動し易い(前保持部801の後保持部802に対する相対変位が許容される)振動容易状態(非ロック状態)と、比較的振動し難い(前保持部801の後保持部802に対する相対変位が許容される)振動困難状態(ロック状態)とに状態変化させることのできるロック手段を設けることとしてもよい。ロック手段として、例えば、図14(a)に示すように、後保持部802に対して前方に出没可能に取付けられた可動片812と、可動片812を動作させるソレノイド(図示略)とを具備するロック装置811を複数箇所に設けることとしてもよいし、保持枠部431の外周方向に沿って変位可能に構成された可動片822と、可動片822を動作させるソレノイド(図示略)とを具備するロック装置821を複数箇所に設けることとしてもよい。
このような構成を採用する場合、振動演出が行われていない状態で遊技者が前ガラス411に触ることで前ガラス411が揺れ動き、保持枠部413等(連結部413がある場合は連結部413、前保持部801自体が柔らかい場合には当該前保持部801のうち後保持部802との連接部位等)の劣化を早めてしまうといった事態を防止することができる。さらに、ロック手段によって、前保持部801を振動困難状態とすることで、前保持部801が基準位置において保持されることとしてもよい。つまり、振動容易状態で音振動発生装置431の駆動を停止した場合、前保持部801が前ガラス411や自身の重みなどで下方に変位していることが考えられるが、ロック手段で前保持部801を振動困難状態とすることで基準位置に戻すことができる。従って、保持枠部413等の劣化を抑制するとともに、前保持部801の上下位置や傾きなどが変化してしまって(光が発射するようになってしまう、斜め後方が前ガラス411に映りこむようになってしまう、前枠部の一部が見えるようになってしまう)、前ガラス411の後方(遊技盤30前面や装飾図柄表示装置42等)が見え難くなってしまうといった事態を防止することができる。
また、上記実施形態では、前ガラス411を触る各種演出が行われるため、前ガラス411が汚れやすいことが懸念される。このため、前ガラス411を拭く機会が増えることが考えられるが、水に濡れたおしぼりや、水に濡らしたぞうきんなどで前ガラス411を拭いた際に、水が前ガラス411を伝って、パチンコ機10の内部に浸入し、電気機器等に至ってしまうと不具合を招くおそれがある。これに対し、図14(b)に示すように、保持枠部413の前保持部801の内周面のうち下縁部かつ前ガラス411の前方に位置する部位において、前ガラス411伝ってきた液体を受ける溝425を形成することとしてもよい。この場合、液体がパチンコ機10の内部に浸入することで不具合が発生してしまうといった事態を抑制することができる。さらに、溝425は、液体を流入させても支障が生じない位置、例えば、パチンコ機10の外部に通じる排出通路に液体を案内可能に構成されていることとしてもよい。この場合、溝425は、当該溝425で受けた液体を直ちに流しても安全な場所に流すことから、例えば、溝425に液体が滞留していて、その状態で前ガラス411が振動した場合に、溝425に溜まっていた液体がこぼれてしまうといった事態を回避することができる。
(f)さらに、上記実施形態では、前ガラス411と、音振動発生装置431の前方を覆う前枠カバー435との間に隙間があるため、かかる隙間にカード等が挿入される等のいたずらが行われた場合には、音振動発生装置431の取付状態の悪化などを招くことが懸念される。これに対し、前枠カバー435を前ガラス411に当接させてしまうと、前ガラス411が振動した場合に、前枠カバー435と前ガラス411とが付いたり離れたりしてビリビリと異音が発生してしまうことが懸念される。この点、例えば、図15に示すように、音振動発生装置431の設置領域を囲むようにして、保持枠部413の前部と一体的に形成された緩衝壁部841を設け、前ガラス411と前枠カバー435との間の隙間に物を挿入しても、音振動発生装置431にまでは当接しない、或いは、前ガラス411と前枠カバー435との間の隙間に物を挿入すること自体ができないように構成してもよい。
この場合、いたずらによって音振動発生装置431の取付状態の悪化させられてしまうといった事態を防止することができる。また、緩衝壁部は前ガラス411を保持する保持枠部413の前部と一体形成されているため、前ガラス411の振動とともに振動することとなる。従って、前ガラス411が振動した場合に、ビリビリと異音が発生するといった事態を防止することができる。
(g)上記実施形態において大当たり確率や、大当たり種別の数や、各種大当たり種別の可変入賞装置32a、32bの開閉パターン等は特に限定されるものではなく、機種ごとに適宜設定可能である。さらに、上記実施形態では、当否抽選での当選確率が変動する構成となっているが、当選確率が変動せず(一定であり)、大当たり状態終了後に付与される高入球状態の期間(変動回数)が複数パターン用意されているパチンコ機に上記構成を適用してもよい。
また、上記実施形態において、始動入賞装置33a、33b、可変入賞装置32a、32b、スルーゲート34の数や配置等は特に限定されるものではなく、機種毎に設定可能である。さらに、上記実施形態では、第1始動入賞装置33aに遊技球が入球した場合に行われる当否抽選と、第2始動入賞装置33bに遊技球が入球した場合に行われる当否抽選とで別々のテーブルが参照され、大当たり種別の振分けが変化するように構成されているが、同じにしてもよい。
(h)上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機として実施してもよい。例えば、遊技領域を移動する遊技球が入球可能な特定領域と、特定領域への入球を許容する開状態と、特定領域への入球を禁止する閉状態とに変化可能な可動手段(羽部材)とを具備する可変入球手段と、特定領域に入球した遊技球が入球可能な特定入球手段及び非特定入球手段と、特定入球手段に入球した遊技球を検知する特定入球検知手段(条件成立検出手段)と、特定領域の外部に設けられ、遊技領域を移動する遊技球が入球可能な特別始動手段と、特別始動手段に入球した遊技球を検知する特別始動検知手段と、可変入球手段の開閉制御を行う主制御手段とを備え、特定領域に遊技球が入球した場合には、当該遊技球が特定入球手段及び非特定入球手段のどちらに入球する場合であっても遊技者に所定数の遊技価値(遊技球)が付与され、主制御手段は、特別始動検知手段の検知に基づいて、可変入球手段を第1時間だけ1回又は複数回開状態とさせる小当たり状態、又は、可変入球手段を前記第1時間よりも長い第2時間開状態とさせる、又は、開状態とされた可変入賞手段に規定個数の遊技球が入球するまでを1ラウンドとして、これを規定回数繰り返す大当たり状態を発生させるか否かの当否抽選を行い、当否抽選にて小当たりに当選した場合には小当たり状態を発生させ、当否抽選にて大当たりに当選した場合、及び、特定入球検知手段の検知があった場合には大当たり状態を発生させるといった遊技機に適用してもよい。加えて、パチンコ機以外にも、アレンジボール機、それに類する雀球等の各種遊技機、回胴式遊技機としてのスロットマシンや、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機などとして実施してもよい。
(i)上記実施形態において、タッチ演出に際して、遊技者が前ガラス411を思いっきり叩きつけることを抑制するべく、例えば、装飾図柄表示装置42で手のひらを左右に動かすような表示をする(手を握って叩くイメージを連想させない)、装飾図柄表示装置42のタッチの対象となる部位に、キャラクタ(動物、子供、女性等のキャラクタ、特に、携帯通信端末を介してパチンコ機10と、遊技機メーカーが運営するサーバとの間でデータのやりとりを行うモバイル連動遊技を行う場合であって、複数のキャラクタから遊技者が所望のキャラクタを選択可能な構成の場合には選択キャラクタ)を表示する(かわいそうで強くたたけない、気が引けるようにする)ように構成してもよい。
また、例えば、スロットマシン等のように、リール等の前方を覆うガラスとは別に、装飾図柄表示装置42の前方に位置し、遊技者から接触可能な透明体を個別に設けること(スロットマシンの場合には、装飾図柄表示装置(液晶表示装置)の前方を覆う透明体は一般的に前後一対でなく1枚である)ができるような場合には、タッチ演出の対象となる装飾図柄表示装置42前方の透明体の角度を鉛直よりも寝かせた角度として、透明体に対して接触する遊技者の手から大きな力が付加され難いように構成してもよい。
(j)上記実施形態において、演出ボタン125や十字ボタン126を振動させることのできる振動手段を設けることとしてもよい。装飾図柄表示装置42の前方まで手を上げて前ガラス411を触るのが恥ずかしい、抵抗がある一方で、振動に関する演出を楽しむ遊技者をうらやましくも思う遊技者でも、同じような体験をしてもらうことができる。例えば、装飾図柄表示装置42において表示される暗い海底で魚を見つけるといった演出に関し、手を前ガラス411の前方にかざす代わりに、装飾図柄表示装置42において十字ボタン126で操作可能なポインタを表示し、魚などに近付いた示唆として十字ボタン126の振動具合を変化させ、遊技者が魚がそこにいるとして判断して演出ボタン125を操作した場合に、魚が存在すれば演出ボタン125が震え、存在しなければ震えないといったように構成してもよい。
(k)上記実施形態において、振動を検知する振動検知手段(振動検知センサ)を、例えば、遊技盤30裏面側における遊技領域左下領域に対応する部位に設け、例えば、所定時間毎に振動検知手段によって振動が検知されたか否かの判別を行い、ここで肯定判別された場合には、さらに、音振動発生装置431によって前ガラス411を振動させる振動演出中であるか否かの判別を行い、ここで否定判別された場合には、パチンコ機10を揺らす等の行為が行われているとして所定の報知を行い、一方、否定判別された場合には、前記所定の報知を行わないように構成してもよい。尚、所定の報知としては、パチンコ機10におけるエラーランプ104等の点灯、装飾図柄表示装置42におけるエラー発生表示、スピーカからのエラー発生音の導出、パチンコ機10における遊技の停止、パチンコ機10から遊技ホールのコンピュータや島設備への情報出力等が挙げられる。また、振動検知手段の検知情報に基づいて各種処理を行う機能が振動対処手段を構成する。尚、振動検知手段を主制御装置261と接続する場合には、振動が検知された場合にその情報をサブ制御装置262に送り、サブ制御装置262が状況に基づいて報知を行うか否かを判断して、対応する処理(サブ制御装置262も外部端子板240と接続する)を行うこととなる。
以上のように、パチンコ機10を揺らす、或いは、強打する等して、パチンコ機10に悪影響が及ぼされるような状況が発生した場合には、所定の報知が行われることで、かかる状況の改善が図られる。また、上記実施形態では、パチンコ機10自身に振動を発生させる音振動発生装置431が設けられているため、遊技者が直接的に関与しなくてもパチンコ機10が振動する状況となり得る。さらに、遊技者に前ガラス411を触れさせて、振動で遊技者に所定の情報を伝えるといった振動演出を行っている際には、遊技者が前ガラス411に触れた衝撃を振動検知手段が検知する可能性がある。これに対し、本態様例では、振動検知手段で振動を検知した場合に、音振動発生装置431の振動状態であるか否かを加味することにより、無駄に報知(普通に遊技する遊技者にとっては迷惑なこと)が行われてしまうといった事態を回避することができる。
尚、振動演出中に大きな揺れが確認される場合には、遊技者が興奮して前ガラス411を強打したり、遊技者が振動演出中の操作を今一つ理解できておらず、前ガラス411のうち下側の部位を叩いてしまっていたりすることも考えられる。上記のように、本態様例では、振動演出中のかかる振動の検知については、報知を行わないように大目に見るのであるが、そのまま流してしまうのではなく、望ましいタッチの位置等を教示することとしてもよい。この場合、タッチする場所が振動検知手段の検知場所に近くなってしまっていて大きな振動が検知されてしまうといった事態を回避するとともに、振動に強い部分(緩衝材を対応して設ける等)をタッチ場所とすることもできる。また、かかる教示を行った後も、相変わらず振動検知手段によって適正値以上の振動が検知された場合には、振動演出中であっても報知を行うこととしてもよい。
尚、遊技者のタッチの場所については近接検知センサ401でもある程度(装飾図柄表示装置42の前方及びその周辺部であれば)確認することができるため、近接検知センサ401の検知情報についても加味して総合的に判断してもよい。つまり、振動演出では、装飾図柄表示装置42の前方位置に遊技者が手をかざすことを想定しているが、近接検知センサ401の検知情報はなく、かつ、振動検知手段による許容値以上の振動が検知されている場合には、装飾図柄表示装置42において、装飾図柄表示装置42の前方の範囲をタッチする要請をするアナウンス表示を行う。また、近接検知センサ401の検知情報があり、かつ、振動検知手段による許容値以上の振動が検知されている場合には、もっと小さな力でも検知は十分に行われることを伝えるアナウンス表示を行う。さらに、近接検知センサ401の検知情報がなく、振動検知手段の音振動発生装置431による振動以外の検知情報もない場合には、前ガラス411へのタッチを促すアナウンス表示を引き続き行う。近接検知センサ401の検知情報があり、振動検知手段の音振動発生装置431による振動以外の検知情報がない場合には、何ら問題がない状態であるので、振動演出の次の段階に移行する。また、上記の不具合が解消された場合についても、振動演出の次の段階に移行する。
また、所定の振動演出が行われている場合に、振動検知手段によって、振動の大きさが許容値以下であると判別された場合には、遊技者が前ガラス411を強く押し過ぎであると判別して、注意アナウンス(少し触れるだけで十分ですよ等の表示およびピピピ等の警告音等)を導出するように構成してもよい。
(l)上記実施形態では特に言及していないが、遊技者に対して、前ガラス411が振動する機能を有していることを教示することとしてもよい。例えば、装飾図柄表示装置42において、デモ表示画面から変動表示画面に切替わった場合、或いは、デモ表示画面からメニュー画面を介して通常画面(変動待機画面;変動表示は行われていないがデモ表示画面にもなっていない状態)に切替わった場合に、装飾図柄表示装置42において、前ガラス411が振動する演出が発生する場合がある旨を表示するように構成してもよい。
また、例えば、前ガラス411が振動する機能を有効にするか無効にするのかを遊技者が設定可能に構成してもよい。すなわち、振動が苦手な遊技者が、前ガラス411が振動することを忘れて前ガラス411に触り、驚いてしまうといった事態を抑止することができる。当該有効・無効の切替えが行えることについても、遊技の開始時等に遊技者に教示するとともに、メニュー画面からかかる設定を行えるように構成してもよい。尚、モバイル連動遊技を行う遊技者に関しては、毎回パチンコ機10のメニュー画面を開いて振動機能を無効にする設定を行わなくても、モバイル連動遊技の開始に際してパチンコ機10に対し対応する情報を含むパスワードが入力されることで振動機能が無効な状態とされるように構成してもよい。
さらに、前ガラス411の振動の強さ(基準の強さ又は最大の強さ)を遊技者が調節することができるように構成してもよい。この場合、振動が苦手な遊技者でも振動機能に挑戦してもらう可能性を高めることができる。
(m)上記実施形態では、ガラスユニット137の一対のガラス411、412の間の空間が密閉されているが、かかる空間と外部との通気ができるように構成してもよい。例えば、保持枠部413に通気孔を形成したり、通気孔に対応して乾燥剤を設置したり、さらに、通気孔を、空気は通過させるが水分は通過させない、或いは、水分を通過させ難い部材で覆ったりしてもよい。この場合、前ガラス411の振動に伴って、ガラス411、412間の空間の空気が適宜出入りすることとなり、前ガラス411の振動が後ガラス412に伝播することを抑制することができる。
[付記]
上記実施形態から把握できる技術的思想について、以下に記載する。
A.従来、遊技機の一種として、例えばパチンコ機等が知られている。パチンコ機では、遊技盤が設けられるとともに、その前方には、発射装置によって発射された遊技球が案内される遊技領域が形成されている。また、遊技盤の前面側には、演出に使用される表示装置や可動役物等が設けられている(例えば、特開2003−154110号公報参照)。
ところで、近年、演出性の向上を図るべく、表示装置を大型化したり、可動役物を複数設けたりする傾向にあるが、どの機種も似たような構成となり、オリジナリティーを出すことが難しくなってきている。尚、かかる課題は、パチンコ機に限られるものではなく、スロットマシン等の他の遊技機にも該当する問題である。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、斬新な演出を導出可能な遊技機を提供することにある。
手段A−1.遊技者の所定の操作に応じて行われる遊技の結果に関する表示が行われる表示手段と、
前記表示手段の前方に設置され、前記表示手段への接触を防止する透明な略板状の透明体とを備え、
前記透明体を介して前記表示手段を視認させる遊技機であって、
前記透明体を振動させる透明体振動手段を備えていることを特徴とする遊技機。
透明体は、表示手段と、遊技者との間を遮りつつ、表示手段を遊技者に視認させるための窓ガラスのようなものである。近年、遊技者に対し、表示手段等において、当該表示手段等の前方に手をかざす等の動作をさせる演出があり、その際、結果的に手が透明体に触れることとなる。そこで、本手段A−1によれば、透明体を振動させる透明体振動手段を備えていることにより、透明体に触れる演出が発生した際に、遊技者が透明体に触れた場合のインパクトをより強めることができる。従って、遊技者が透明体に手を触れる際の感触を利用した斬新な演出を導出することができ、結果として、興趣の向上を図ることができる。
尚、透明体振動手段は、透明体の振動の大きさ、振動のリズムを変更可能に構成されていることとしてもよい。
手段A−2.前記透明体に接近した物体を前記透明体に接触する前の時点で検知可能な接近検知手段と、
前記透明体振動手段を駆動させる駆動制御手段とを備え、
前記駆動制御手段は、前記接近検知手段の検知に基づいて、前記透明体振動手段の駆動を開始可能に構成されていることを特徴とする手段A−1に記載の遊技機。
手段A−2によれば、遊技者の手が透明体に接近したことに基づいて透明体を震わせることができ、透明体の振動と、表示手段等のその他の部材による演出とをより綿密に合致させることができる。つまり、所定の演出の結果と、透明体が振動するか否かの結果とが対応付けされている場合、透明体の振動のタイミングが早い場合には、透明体に触れずとも透明体の振動に気付かれてしまうことが懸念され、振動のタイミングが遅い場合には、遊技者が透明体に触れた後、透明体を振動させる前に、透明体から手を離してしまうといったことが懸念されるが、本手段によれば、かかる不具合を解消することができる。特に、遊技者が透明体に触れる前の時点で、透明体振動手段の駆動を開始させることによって、透明体を触れたときには未だ透明体が振動していないといった事態を防止することができる。
また、近接検知手段の検知情報がなければ透明体振動手段を用いた振動演出を導出しない、近接検知手段の検知がなくなれば振動を止める等といった具合に、無駄なタイミングで透明体を(比較的大きく)震わせることを抑止することができ、透明体振動手段で振動させられる透明体周りの構成の耐久性の向上、振動に起因するその他の構成への悪影響(各接続部位への負担増等)の抑制を図るとともに、透明体の振動に起因する雑音や視認性の悪化(例えば、視認態様が揺らいで見える)等を抑制することができる。
手段A−3.前記透明体に当接又は近接した物体の位置を検知可能な当接検知手段又は近接検知手段を備え、
前記駆動制御手段は、前記当接検知手段又は前記近接検知手段の検知情報に基づいて、前記透明体振動手段を駆動可能に構成されていることを特徴とする手段A−2に記載の遊技機。
手段A−3によれば、透明体に当接又は近接した遊技者の手等の位置に基づいて、透明体を震わせる制御を行うことができる。すなわち、当接位置によって透明体の振動のさせ方を変化させる等、より多様でより複雑な演出を行うことが可能となる。従って、演出において振動機能を十分に発揮させ、振動を用いた演出をより一層堪能させることができる。
また、当接検知手段又は近接検知手段を備えることによって、透明体が振動する機能を、遊技者側が常に受身の形で楽しむ(例えば、透明体を触って震えていれば特別遊技状態の発生する)だけでなく、遊技者の動作で対応する振動演出を導出させる(例えば、所定の表示装置においてスクロール表示する識別情報とは反対側に透明体に触れた指を動かすことで、表示装置の表示態様と、透明体の振動とがそれに対応して、スクロール表示の流れに抗って止まろうとするとともに、抵抗の大きさに伴って振動が大きくなる)といった楽しみ方も可能になる。
手段A−4.前記透明体振動手段は、複数箇所に設けられるとともに、個別に駆動制御可能に構成されていることを特徴とする手段A−1乃至A−3のいずれかに記載の遊技機。
手段A−4によれば、透明体のなかでも振動の大きい箇所と小さい箇所とを設けることができる等、振動のパターンを多様化させることができる。例えば、遊技者が透明体の表面をなぞるように指を移動させることで、振動の強さの変化を感じる等といった構成とすることもできる。さらに、遊技者にとって有利な状態の発生等と、透明体の振動のパターンとを対応付けることによって、遊技者の手の感触によって、より多くの情報を得ることができるといった具合に、振動を利用したより興味深い演出を導出することができる。
手段A−5.前面側に複数の遊技釘が立設された遊技盤を備え、
前記透明体は、前記遊技盤の前方に所定距離を隔てて配置されるとともに、
前記遊技盤と前記透明体との間において、発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域が形成された遊技機であって、
前記透明体は前後一対で構成され、
前記透明体振動手段は、前記一対の透明体のうち前方に位置する前記透明体を振動の対象としていることを特徴とする手段A−1乃至A−4のいずれかに記載の遊技機。
手段A−5によれば、透明体振動手段は、一対の透明体のうち前方に位置する前側の透明体を振動させる構成となっている。このため、例えば、遊技領域を画定する後側の透明体が振動することに起因して遊技球の移動経路が変化してしまったり(後方に撥ねつけられてしまう等)、遊技球と透明体との衝突音が大きくなってしまったりすること等を防止することができる。
尚、「前記透明体振動手段は、前記一対の透明体のうち前方の前記透明体の前面側に対応して取付けられていること」としてもよい。この場合、例えば、一対で設けられる透明体と透明体との空間に透明体振動手段を設置して配線を延ばすといった必要がないことから、一対の透明体の間の空間に結露等が生じることを防止するべく、かかる空間を比較的容易かつ確実に密閉空間とすることができる。また、前後一対の透明体の間に透明体振動手段を設置するような場合に比べ、遊技機の前後幅の増大等を防止することができる。
手段A−6.前記一対の透明体の外周縁を保持してユニット化する保持枠部を備え、
前記保持枠部は、前記一対の透明体のうち前方に位置する前側透明体を支持する前保持部と、後方に位置する後側透明体を支持する後保持部とを備え、
前記前保持部を前記後保持部に対して相対変位可能に連結する連結手段を備えていることを特徴とする手段A−5に記載の遊技機。
手段A−6によれば、前側透明体については透明体振動手段によって比較的振動し易いように構成し、後側透明体については、透明体振動手段や前側透明体等の振動に極力追従して振動しないようにすることができる。また、遊技領域を移動する遊技球が後側透明体に衝突した場合の衝撃についても吸収する効果(衝突音の抑制、遊技者が遊技球の衝突に起因する振動を振動演出と勘違いすることの抑制)を期待することができる。
手段A−7.前記前保持部の前記後保持部に対する相対変位が規制されるロック状態と、前記前保持部の前記後保持部に対する相対変位が許容される非ロック状態とに切替可能なロック手段を備えていることを特徴とする手段A−6に記載の遊技機。
手段A−7によれば、透明体振動手段による振動が行われていない状態で遊技者が前側透明体に触ることで前側透明体が揺れ動き、保持枠部等の劣化を早めてしまうといった事態を防止することができる。
尚、「前記ロック手段によって、前記前保持部を前記ロック状態とした場合、前記前保持部が基準位置において保持されること」としてもよい。つまり、非ロック状態で透明体振動手段の駆動を停止した場合、前保持部が前透明体や自身の重みなどで下方に変位していることが考えられるが、ロック手段で前保持部をロック状態とすることで基準位置に戻すことができる。従って、保持枠部等の劣化を抑制するとともに、前保持部の上下位置や傾きなどが変化してしまって(光が発射するようになってしまう、斜め後方が前透明体に映りこむようになってしまう、前枠部の一部が見えるようになってしまう)、前透明体の後方が見え難くなってしまうといった事態を防止することができる。
手段A−8.前記前保持部の内周面下縁部のうち前記前透明体から前方に延出するようにして延在する部位には、前記前透明体の前面を伝ってきた液体を受けて所定位置へと案内する溝が形成されていることを特徴とする手段A−6又はA−7に記載の遊技機。
前透明体を触る各種演出が行われる場合、前透明体が汚れやすいことが懸念される。このため、前透明体を拭く機会が増えることが考えられるが、水に濡れたおしぼりや、水に濡らしたぞうきんなどで前透明体を拭いた際に、水が前透明体の前面を伝って、遊技機の内部に浸入し、電気機器等に至ってしまうと不具合を招くおそれがある。
これに対し、手段A−8によれば、前保持部の内周面下縁部のうち前透明体から前方に延出するようにして延在する部位において、前透明体を伝ってきた液体を受ける溝が形成されている。このため、液体が遊技機の内部に浸入することで不具合が発生してしまうといった事態を抑制することができる。また、かかる溝は、当該溝で受けた液体を直ちに所定位置、つまり、遊技機の外部に通じる排出通路などの液体を流入させても支障が生じない位置に液体を排出することもでき、例えば、溝に液体が滞留していて、その状態で前透明体が振動した場合に、溝に溜まっていた液体がこぼれてしまうといった事態を回避することができる。
手段A−9.前記透明体振動手段は、音声電流に応じて振動するとともに、当該振動を前記透明体に伝播させる音声振動出力手段によって構成され、
前記透明体の振動による音声を出力可能に構成されていることを特徴とする手段A−1乃至A−8のいずれかに記載の遊技機。
手段A−9によれば、透明体をスピーカとしても利用することができる。従って、透明体を利用した演出の多様化を図ることができる。また、透明体は、遊技者の正面である遊技領域の前方に位置することから、遊技者に対してよりインパクトのある音声態様(時にはよりダイナミックに、時にはより繊細に)を導出することができる。
尚、「前記音声振動出力手段とは別の音声出力手段も備えていること」としてもよい。この場合、音声を出力する度に透明体が振動してしまうといった事態を回避することができる。
手段A−10.振動を検知する振動検知手段と、
前記振動検知手段の検知情報に基づいて所定の報知を行う振動対処手段とを備え、
前記振動対処手段は、前記振動検知手段による検知が行われた場合であっても、前記透明体振動手段によって前記透明体が振動されている場合には、前記報知を行わないことを特徴とする手段A−1乃至A−9のいずれかに記載の遊技機。
手段A−10によれば、遊技機を揺らす、或いは、強打する等して、遊技機に悪影響が及ぼされるような状況が発生した場合には、所定の報知(遊技機における報知、遊技機が設置されている遊技ホールや設置設備への情報出力等)が行われることで、かかる状況の改善が図られる。また、上記手段A−1のように、遊技機自身に振動を発生させる手段が設けられているため、遊技者が直接的に関与しなくても遊技機が振動する状況となり得る。また、上記手段A−2又はA−3の構成を利用して、遊技者に透明体を触れさせて、振動で遊技者に所定の情報を伝えるといった演出等を行っている際には、遊技者が透明体に触れた衝撃を振動検知手段が検知する可能性がある。これに対し、本手段A−10では、透明体振動手段による振動状態であるか否かを加味することにより、無駄に報知(普通に遊技する遊技者にとっては迷惑なこと)が行われてしまうといった事態を回避することができる。
尚、「前記接近検知手段の検知情報に基づいて、前記透明体に当接又は近接した物体の位置を検知可能な当接検知手段又は近接検知手段を備え、前記当接検知手段又は前記近接検知手段の検知情報に基づいて、前記透明体振動手段の駆動制御を行う構成において、前記振動検知手段によって検知される振動の大きさが許容値以上であった場合には、前記透明体振動手段の駆動状態であるか否かを判別し、肯定判別された場合には、遊技者に対して前記透明体への接触範囲を教示する処理を行い、当該処理後において前記振動検知手段によって検知される振動の大きさが前記許容値以上であった場合には、前記透明体振動手段によって前記透明体振動手段の駆動状態であっても、前記所定の報知を導出すること」としてもよい。この場合、透明体やそれを保持する保持枠部の耐久性の向上等を図ることができる。
手段A−11.前記振動対処手段は、前記透明体振動手段によって前記透明体が振動されている状態において、前記振動検知手段によって検知される振動の大きさが許容値以下であった場合に、所定の報知を行うことを特徴とする手段A−10に記載の遊技機。
手段A−11によれば、振動検知手段によって、所定の振動演出が行われている場合に、振動の大きさが許容値以下であった場合には、遊技者が透明体を強く押し過ぎであると判別して、注意アナウンス(少し触れるだけで十分ですよ等の表示およびピピピ等の警告音等)を導出することができる。従って、透明体や透明体を保持する部材の耐久性の向上等を図ることができる。
B.従来、遊技機の一種として、例えばパチンコ機等が知られている。パチンコ機では、遊技盤が設けられるとともに、その前方には、発射装置によって発射された遊技球が案内される遊技領域が形成されている。また、遊技盤の前面側には、演出に使用される表示装置や可動役物等が設けられている(例えば、特開2003−154110号公報参照)。
ところで、近年、演出性の向上を図るべく、表示装置を大型化したり、可動役物を複数設けたりする傾向にあるが、どの機種も似たような構成となり、オリジナリティーを出すことが難しくなってきている。尚、かかる課題は、パチンコ機に限られるものではなく、スロットマシン等の他の遊技機にも該当する問題である。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、斬新な演出を導出可能な遊技機を提供することにある。
手段B−1.遊技者の所定の操作に応じて行われる遊技の結果に関する表示が行われる表示手段と、
前記表示手段の前方に設置され、前記表示手段への接触を防止する透明な略板状の透明体とを備え、
前記透明体を介して前記表示手段を視認させる遊技機であって、
前記透明体を振動させる透明体振動手段と、
前記透明体に当接又は近接した物体を検知可能な接近検知手段と、
前記接近検知手段の検知情報に基づいて、前記透明体振動手段を駆動させる駆動制御手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
透明体は、表示手段と、遊技者との間を遮りつつ、表示手段を遊技者に視認させるための窓ガラスのようなものである。近年、遊技者に対し、表示手段等において、当該表示手段等の前方に手をかざす等の動作をさせる演出があり、その際、結果的に手が透明体に触れることとなる。そこで、本手段B−1によれば、透明体を振動させる透明体振動手段を備えていることにより、透明体に触れる演出が発生した際に、遊技者が透明体に触れた場合のインパクトをより強めることができる。従って、遊技者が透明体に手を触れる際の感触を利用した斬新な演出を導出することができ、結果として、興趣の向上を図ることができる。
また、手段B−1によれば、遊技者の手が透明体に当接又は接近したことに基づいて透明体を震わせることができ、透明体の振動と、表示手段等のその他の部材による演出とをより綿密に合致させることができる。つまり、所定の演出の結果と、透明体が振動するか否かの結果とが対応付けされている場合、透明体の振動のタイミングが早い場合には、透明体に触れずとも透明体の振動に気付かれてしまうことが懸念されるが、本手段によれば、かかる不具合を解消することができる。
また、無駄なタイミングで透明体を(比較的大きく)震わせることを抑止することができ、透明体振動手段で振動させられる透明体周りの構成の耐久性の向上、振動に起因するその他の構成への悪影響(各接続部位への負担増等)の抑制を図るとともに、透明体の振動に起因する雑音や視認性の悪化(例えば、視認態様が揺らいで見える)等を抑制することができる。
特に、接近検知手段が透明体に近接した物体を検知可能な構成を採用する場合には、遊技者が透明体に触れる前の時点で、透明体振動手段の駆動を開始させることができ、透明体を触れたときには未だ透明体が振動していないといった事態を防止することができる。
手段B−2.前記駆動制御手段は、前記接近検知手段による検知に基づいて、前記透明体振動手段の駆動を開始可能に構成されていることを特徴とする手段B−1に記載の遊技機。
手段B−2によれば、接近検知手段の検知情報がなければ透明体振動手段を用いた振動演出を導出しないといった具合に、無駄なタイミングで透明体を(比較的大きく)震わせることを抑止することができ、省電力、耐久性の向上、透明体の振動に起因する雑音や視認性の悪化(例えば、視認態様が揺らいで見える)等を抑制することができる。
手段B−3.前記駆動制御手段は、前記透明体振動手段の駆動を予定時間行った場合、又は、前記予定時間が到来する前段階で、前記接近検知手段による検知が行われなくなった場合に、前記透明体振動手段の駆動を停止させることを特徴とする手段B−1又はB−2に記載の遊技機。
手段B−3によれば、接近検知手段による検知情報がなくなれば直ちに振動演出を終了する等といった具合に、無駄なタイミングで透明体を震わせることを抑止することができ、省電力、耐久性の向上、透明体の振動に起因する雑音や視認性の悪化等をより一層抑制することができる。
手段B−4.前記接近検知手段は、前記透明体に当接又は近接した物体の位置を検知可能に構成され、
前記駆動制御手段は、前記接近検知手段の検知情報に基づいて、前記透明体振動手段を駆動可能に構成されていることを特徴とする手段B−1乃至B−3のいずれかに記載の遊技機。
手段B−4によれば、透明体に当接又は近接した遊技者の手等の位置に基づいて、透明体を震わせる制御を行うことができる。すなわち、当接位置によって透明体の振動のさせ方を変化させる等、より多様でより複雑な演出を行うことが可能となる。従って、演出において振動機能を十分に発揮させ、振動を用いた演出をより一層堪能させることができる。
また、接近検知手段を備えることによって、透明体が振動する機能を、遊技者側が常に受身の形で楽しむ(例えば、透明体を触って震えていれば特別遊技状態の発生する)だけでなく、遊技者の動作で対応する振動演出を導出させる(例えば、所定の表示装置においてスクロール表示する識別情報とは反対側に透明体に触れた指を動かすことで、表示装置の表示態様と、透明体の振動とがそれに対応して、スクロール表示の流れに抗って止まろうとするとともに、抵抗の大きさに伴って振動が大きくなる)といった楽しみ方も可能になる。
手段B−5.前記透明体振動手段は、複数箇所に設けられるとともに、個別に駆動制御可能に構成されていることを特徴とする手段B−1乃至B−4のいずれかに記載の遊技機。
手段B−5によれば、透明体のなかでも振動の大きい箇所と小さい箇所とを設けることができる等、振動のパターンを多様化させることができる。例えば、遊技者が透明体の表面をなぞるように指を移動させることで、振動の強さの変化を感じる等といった構成とすることもできる。さらに、遊技者にとって有利な状態の発生等と、透明体の振動のパターンとを対応付けることによって、遊技者の手の感触によって、より多くの情報を得ることができるといった具合に、振動を利用したより興味深い演出を導出することができる。
手段B−6.前面側に複数の遊技釘が立設された遊技盤を備え、
前記透明体は、前記遊技盤の前方に所定距離を隔てて配置されるとともに、
前記遊技盤と前記透明体との間において、発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域が形成された遊技機であって、
前記透明体は前後一対で構成され、
前記透明体振動手段は、前記一対の透明体のうち前方に位置する前記透明体を振動の対象としていることを特徴とする手段B−1乃至B−5のいずれかに記載の遊技機。
手段B−6によれば、透明体振動手段は、一対の透明体のうち前方に位置する前側の透明体を振動させる構成となっている。このため、例えば、遊技領域を画定する後側の透明体が振動することに起因して遊技球の移動経路が変化してしまったり(後方に撥ねつけられてしまう等)、遊技球と透明体との衝突音が大きくなってしまったりすること等を防止することができる。
尚、「前記透明体振動手段は、前記一対の透明体のうち前方の前記透明体の前面側に対応して取付けられていること」としてもよい。この場合、例えば、一対で設けられる透明体と透明体との空間に透明体振動手段を設置して配線を延ばすといった必要がないことから、一対の透明体の間の空間に結露等が生じることを防止するべく、かかる空間を比較的容易かつ確実に密閉空間とすることができる。また、前後一対の透明体の間に透明体振動手段を設置するような場合に比べ、遊技機の前後幅の増大等を防止することができる。
手段B−7.前記一対の透明体の外周縁を保持してユニット化する保持枠部を備え、
前記保持枠部は、前記一対の透明体のうち前方に位置する前側透明体を支持する前保持部と、後方に位置する後側透明体を支持する後保持部とを備え、
前記前保持部を前記後保持部に対して相対変位可能に連結する連結手段を備えていることを特徴とする手段B−6に記載の遊技機。
手段B−7によれば、前側透明体については透明体振動手段によって比較的振動し易いように構成し、後側透明体については、透明体振動手段や前側透明体等の振動に極力追従して振動しないようにすることができる。また、遊技領域を移動する遊技球が後側透明体に衝突した場合の衝撃についても吸収する効果(衝突音の抑制、遊技者が遊技球の衝突に起因する振動を振動演出と勘違いすることの抑制)を期待することができる。
手段B−8.前記前保持部の前記後保持部に対する相対変位が規制されるロック状態と、前記前保持部の前記後保持部に対する相対変位が許容される非ロック状態とに切替可能なロック手段を備えていることを特徴とする手段B−7に記載の遊技機。
手段B−8によれば、透明体振動手段による振動が行われていない状態で遊技者が前側透明体に触ることで前側透明体が揺れ動き、保持枠部等の劣化を早めてしまうといった事態を防止することができる。
尚、「前記ロック手段によって、前記前保持部を前記ロック状態とした場合、前記前保持部が基準位置において保持されること」としてもよい。つまり、非ロック状態で透明体振動手段の駆動を停止した場合、前保持部が前透明体や自身の重みなどで下方に変位していることが考えられるが、ロック手段で前保持部をロック状態とすることで基準位置に戻すことができる。従って、保持枠部等の劣化を抑制するとともに、前保持部の上下位置や傾きなどが変化してしまって(光が発射するようになってしまう、斜め後方が前透明体に映りこむようになってしまう、前枠部の一部が見えるようになってしまう)、前透明体の後方が見え難くなってしまうといった事態を防止することができる。
手段B−9.前記前保持部の内周面下縁部のうち前記前透明体から前方に延出するようにして延在する部位には、前記前透明体の前面を伝ってきた液体を受けて所定位置へと案内する溝が形成されていることを特徴とする手段B−7又はB−8に記載の遊技機。
前透明体を触る各種演出が行われる場合、前透明体が汚れやすいことが懸念される。このため、前透明体を拭く機会が増えることが考えられるが、水に濡れたおしぼりや、水に濡らしたぞうきんなどで前透明体を拭いた際に、水が前透明体の前面を伝って、遊技機の内部に浸入し、電気機器等に至ってしまうと不具合を招くおそれがある。
これに対し、手段B−9によれば、前保持部の内周面下縁部のうち前透明体から前方に延出するようにして延在する部位において、前透明体を伝ってきた液体を受ける溝が形成されている。このため、液体が遊技機の内部に浸入することで不具合が発生してしまうといった事態を抑制することができる。また、かかる溝は、当該溝で受けた液体を直ちに所定位置、つまり、遊技機の外部に通じる排出通路などの液体を流入させても支障が生じない位置に液体を排出することもでき、例えば、溝に液体が滞留していて、その状態で前透明体が振動した場合に、溝に溜まっていた液体がこぼれてしまうといった事態を回避することができる。
手段B−10.前記透明体振動手段は、音声電流に応じて振動するとともに、当該振動を前記透明体に伝播させる音声振動出力手段によって構成され、
前記透明体の振動による音声を出力可能に構成されていることを特徴とする手段B−1乃至B−9のいずれかに記載の遊技機。
手段B−10によれば、透明体をスピーカとしても利用することができる。従って、透明体を利用した演出の多様化を図ることができる。また、透明体は、遊技者の正面である遊技領域の前方に位置することから、遊技者に対してよりインパクトのある音声態様(時にはよりダイナミックに、時にはより繊細に)を導出することができる。
尚、「前記音声振動出力手段とは別の音声出力手段も備えていること」としてもよい。この場合、音声を出力する度に透明体が振動してしまうといった事態を回避することができる。
手段B−11.振動を検知する振動検知手段と、
前記振動検知手段の検知情報に基づいて所定の報知を行う振動対処手段とを備え、
前記振動対処手段は、前記振動検知手段による検知が行われた場合であっても、前記透明体振動手段によって前記透明体が振動されている場合には、前記報知を行わないことを特徴とする手段B−1乃至B−10のいずれかに記載の遊技機。
手段B−11によれば、遊技機を揺らす、或いは、強打する等して、遊技機に悪影響が及ぼされるような状況が発生した場合には、所定の報知(遊技機における報知、遊技機が設置されている遊技ホールや設置設備への情報出力等)が行われることで、かかる状況の改善が図られる。また、上記手段B−1のように、遊技機自身に振動を発生させる手段が設けられているため、遊技者が直接的に関与しなくても遊技機が振動する状況となり得る。また、遊技者に透明体を触れさせて、振動で遊技者に所定の情報を伝えるといった演出等を行っている際には、遊技者が透明体に触れた衝撃を振動検知手段が検知する可能性がある。これに対し、本手段B−11では、透明体振動手段による振動状態であるか否かを加味することにより、無駄に報知(普通に遊技する遊技者にとっては迷惑なこと)が行われてしまうといった事態を回避することができる。
尚、「前記接近検知手段の検知情報に基づいて、前記透明体に当接又は近接した物体の位置を検知可能な当接検知手段又は近接検知手段を備え、前記当接検知手段又は前記近接検知手段の検知情報に基づいて、前記透明体振動手段の駆動制御を行う構成において、前記振動検知手段によって検知される振動の大きさが許容値以上であった場合には、前記透明体振動手段の駆動状態であるか否かを判別し、肯定判別された場合には、遊技者に対して前記透明体への接触範囲を教示する処理を行い、当該処理後において前記振動検知手段によって検知される振動の大きさが前記許容値以上であった場合には、前記透明体振動手段によって前記透明体振動手段の駆動状態であっても、前記所定の報知を導出すること」としてもよい。この場合、透明体やそれを保持する保持枠部の耐久性の向上等を図ることができる。
手段B−12.前記振動対処手段は、前記透明体振動手段によって前記透明体が振動されている状態において、前記振動検知手段によって検知される振動の大きさが許容値以下であった場合に、所定の報知を行うことを特徴とする手段B−11に記載の遊技機。
手段B−12によれば、振動検知手段によって、所定の振動演出が行われている場合に、振動の大きさが許容値以下であった場合には、遊技者が透明体を強く押し過ぎであると判別して、注意アナウンス(少し触れるだけで十分ですよ等の表示およびピピピ等の警告音等)を導出することができる。従って、透明体や透明体を保持する部材の耐久性の向上等を図ることができる。
以下に、上記各手段が適用される各種遊技機の基本構成を示す。
a.上記各手段における前記遊技機は弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内される遊技領域と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備えた弾球遊技機」が挙げられる。
b.上記各手段における前記遊技機は略鉛直方向に延びる遊技領域を備えた弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内され、略鉛直方向に沿って延びる所定の遊技領域(例えば遊技領域は遊技盤面等により構成される)と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備え、前記遊技領域を流下する遊技球の挙動を視認可能に構成されてなる弾球遊技機」が挙げられる。
c.上記各手段における前記遊技機、又は、上記各弾球遊技機は、パチンコ機又はパチンコ機に準ずる遊技機であること。
d.上記各手段における遊技機は、スロットマシン等の回胴式遊技機であること。より詳しい態様例としては、「複数の識別情報(図柄)からなる識別情報列(図柄列;具体的には図柄の付されたリール、ベルト等の回転体)を変動表示(具体的にはリール等の回転)した後に識別情報列を停止表示する可変表示手段(具体的にはリールユニット等の回転体ユニット)を備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が開始され、停止用操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が停止され、その停止時に有効ライン上に揃った識別情報が特定の識別情報であることを条件に遊技価値が付与されるよう構成した回胴式遊技機」が挙げられる。
e.上記各手段における遊技機は、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機(特に遊技球を遊技媒体として使用するスロットマシン仕様の遊技機)であること。より詳しい態様例としては、「複数の識別情報(図柄)からなる識別情報列(図柄列;具体的には図柄の付されたリール、ベルト等の回転体)を変動表示(具体的にはリール等の回転)した後に識別情報列を停止表示する可変表示手段(具体的にはリールユニット等の回転体ユニット)を備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が開始され、停止用操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が停止され、その停止時に有効ライン上に揃った識別情報が特定の識別情報であることを条件に遊技価値が付与されるよう構成し、さらに球受皿(上皿等)を設けてその球受皿から遊技球を取り込む取込手段と、前記球受皿に遊技球の払出しを行う払出手段とを備え、前記取込手段により遊技球が取り込まれることにより遊技の開始条件が成立するように構成した遊技機」が挙げられる。