以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は、後述する外枠11と内枠12とに対して、前面枠セット14を開放した状態を示す斜視図である。
図1,2に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。従って、釘やリベットを使って各板材を組み付けていた従来構造と比べて構成部材の再利用が容易な構成となっている。本実施形態では、外枠11の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸480mm)となっている。
また、内枠12及び前面枠セット14は合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂により構成されている。両者の成形に合成樹脂を用いることにより、金属製素材を用いた場合と比較してより複雑な形状に対応できるとともに、生産コストの増大を抑制することもできる。また、ABSを用いる利点としては、ポリカーボネイト等の樹脂素材と比較して、生産コストが低い、粘性が強く衝撃に強い等が挙げられる。加えて、例えば前面枠セット14の前面側等の意匠面にメッキ等のコーティング処理を施す場合において、その処理を比較的容易に行いやすく、外観品質のより高いものが製造できるというメリットがある。
さて、内枠12の開閉軸線はパチンコ機10の正面からみて左側(後述するハンドル18設置箇所の反対側)に上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に開放できるようになっている。なお、外枠11は樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成されていてもよい。
内枠12には、その最下部に下皿ユニット13が取り付けられると共に、下皿ユニット13を除く範囲に対応して前面枠セット14が取り付けられている。下皿ユニット13は、内枠12に対してネジ等の締結具により固定されている。また、前面枠セット14は、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。図3は、パチンコ機10より前面枠セット14を取り外した状態を示す正面図である(但し、図3では便宜上、遊技盤30面上の遊技領域内の構成を空白で示している)。なお、内枠12の前面側には、その周囲(前面枠セット14に対応する部分)においてリブR1が突設されている。そして、前面枠セット14の閉時には、前面枠セット14がリブR1の内側に嵌まり込んだ状態となる。この構成により、前面枠セット14と内枠12との間の隙間から針金等を進入させることが困難となり、不正防止の役割を果たす。
下皿ユニット13には、ほぼ中央部に球受皿としての下皿15が設けられ、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。下皿ユニット13はその大部分が内枠12と同様、ABS樹脂にて成形されているが、その中でも特に下皿15を形成する表面層と下皿奥方の前面パネル23とは難燃性のABS樹脂にて成形されている。このため、この部分は燃え難くなっている。なお、符号24はスピーカからの音出力口であり、符号25は下皿15内から遊技球を下方へと排出するための球抜きレバーである。
下皿15よりも右方には、手前側に突出して遊技球発射ハンドル(以下単に「ハンドル」という)18が配設されている。つまり、ハンドル18は、内枠12の開閉軸線とは反対側にあたるパチンコ機10の正面からみて右側に位置しており、ハンドル18の突出に関わりなく内枠12の開放時における所定の開放量を確保できる。また、下皿15の左方には、灰皿26が設けられている。なお、灰皿26は、下皿15の左側辺部より左方へ突出した図示しない軸棒によって回動可能に支持された、いわゆる片持ち構造となっている。
一方、下皿15の上方において球受皿としての上皿19が設けられている。ここで、上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置の方へ導出するための球受皿である。なお、上皿19は、前面枠セット14において、ガラスを支持するガラス枠部と一体的に形成されている。従来のパチンコ機ではガラス枠の下方の内枠に対し開閉可能な前飾り枠が設けられ、該前飾り枠に上皿が設けられていたのであるが、本実施形態では前面枠セット14に対し直接的かつ一体的に上皿19が設けられているため、後述するように前面枠セット14のフレーム部分の幅が従来に比べ比較的細いものであっても、前面枠セット14(ガラス枠部)の所定の強度を確保させることができる。この上皿19も下皿15と同様、表面層が難燃性のABS樹脂にて成形される構成となっている。
また、図3において、内枠12は、外形が矩形状の樹脂ベース20を主体に構成されており、樹脂ベース20の中央部には略円形状の窓孔21が形成されている。樹脂ベース20の後側には遊技盤30が着脱可能に装着されている。遊技盤30は四角形状の合板よりなり、その周縁部が樹脂ベース20(内枠12)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース20の窓孔21を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。なお、遊技盤30の上下方向の長さは476mm、左右方向の長さは452mmとなっている(従来と同等サイズ)。なお、樹脂ベース20には、前面枠セット14の開放を検知する開放検知センサ22が設けられている。また、図示しないが内枠12の開放を検知する開放検知スイッチも設けられている。
次に、遊技盤30の構成を、図4を用いて説明する。
遊技盤30は、その略中央部に設けられた可変表示装置ユニット35と、当該可変表示装置ユニット35を囲むようにして設けられた特別装置としての特別入賞装置401とを備えている。特別入賞装置401の向かって左側方には、第1入球口としての第1契機対応口402が設けられ、特別入賞装置401の向かって右側方には、第2入球口としての第2契機対応口403が設けられている。また、特別入賞装置401の下方、第1契機対応口402の下方、及び第2契機対応口403の下方には一般入賞口31が設けられている。なお、第1契機対応口402及び第2契機対応口403に入球した遊技球は後述する検出スイッチによって検出されるようになっている。
特別入賞装置401は、可変表示装置ユニット35の上方において遊技球を特別入賞装置401内へ案内する第1入賞口411と、第1入賞口411を開状態と閉状態とに切り替える第1電動役物412と、可変表示装置ユニット35の下方において特別入賞装置401内に入球した遊技球が入球可能な第2入賞口432と、第2入賞口432を開状態と閉状態とに切り替える第2電動役物431とを備えている。本実施形態では、第2入賞口432に入球があった場合に大当たり状態が発生するよう構成されている。また、第1入賞口411及び第2入賞口432は常には遊技球の入球を困難又は不能とする閉状態(第1の状態)となっており、詳しくは後述するが所定条件が満たされると遊技球の入球が容易な開状態(第2の状態)となる。なお、本実施形態では、第1入賞口411が特別入球部に相当し、第1電動役物412が第1可変入球装置に相当し、第2電動役物431が第2可変入球装置に相当する。また、第2入賞口432が特定領域に相当しており、第2入賞口432への入球が遊技球の特定領域への通過に相当する。
また、特別入賞装置401は、第1入賞口411に入賞した遊技球を、第2電動役物431の側上方にまで導く左右ワープ部413、414と、当該左右ワープ部413、414の下方に設けられ、上方に開口する略U字状の下受部415とを備えている。
左右ワープ部413、414は、第1入賞口411の直下方から可変表示装置ユニット35の上肩部を囲むようにして正面略円弧状に形成された左右筒部416、417と、左右筒部416、417の外周側の壁部を延在させるようにして設けられた左右延出部418、419とから構成されている。左ワープ部413と右ワープ部414とは、第1入賞口411の下方、かつ、可変表示装置ユニット35の上方において起点(基端部)を同じくするとともに、可変表示装置ユニット35を挟んで左右対称形状となっており、全体として下方に開口する略円弧状に構成されている。第1入賞口411に入球した遊技球は、左筒部416(右筒部417)に導出され、左延出部418(右延出部419)を経由して下受部415へと導かれる。
また、左右ワープ部413、414には、遊技球を左右ワープ413、414内、すなわち特別入賞装置401内へと案内する入賞開口部421、422が設けられている。入賞開口部421、422は常に開口した状態であるが、その間口幅は遊技球よりも若干幅広な程度であるうえに、遊技球が入賞開口部421、422に入球しにくくなるような遊技盤30面構成(釘配置等)となっている。そのため、入賞開口部421、422に入球することはごく稀である。なお、左延出部418と右延出部419とは、その先端部が互いに向き合うよう構成されるとともに、各先端部に向ってやや下方傾斜するよう構成されている。また、左右延出部418、419においては、遊技球の挙動が視認可能になっている。
下受部415は、左右延出部418、419の先端部間の開口を塞ぐようにして設けられている。つまり、特別入賞装置401内は、左右ワープ部413、414と下受部415とで閉塞された領域となっており、特別入賞装置401内へは第1入賞口411、或いは入賞開口部421、422を経由しない限り入球できないようになっている。
第2電動役物431と第2入賞口432とは、下受部415の内側において上下に並ぶようにして設けられている。また、下受部415の内側下端部に隣接して特定入賞口433が設けられている。特別入賞装置401内に入球した遊技球は、特定入賞口433又は第2入賞口432のどちらかに入賞するようになっている。
第2電動役物431は、上下に貫通する入賞路434と、当該入賞路434を開状態と閉状態とに切り替える一対の可動羽435とを備えている。また、第2電動役物431の下端部には、第2入賞口432への入球を規制する袴状の入賞規制部436が設けられている。
第2入賞口432は、上方に開口した略U字状の球受441の内側に設けられている。球受441は前記入賞路434の直下方に配設されており、入賞路434を通過した遊技球は必ず球受441内に至り、第2入賞口432へと入球するようになっている。つまり、第2電動役物431(可動羽435)が作動して入賞路434が開状態とされると、遊技球が第2入賞口432に入賞しやすい状態となる。一方、入賞路434を通過しない遊技球は、第2電動役物431の入賞規制部436によって、第2入賞口432に入球できないよう構成されている。また、第2電動役物431については閉状態となっているときでも、一対の可動羽435間に遊技球がぎりぎり通過できるだけの間隔が残されているため遊技球が入賞路434に全く入球できないわけではないが、第2電動役物431が閉状態のときに遊技球が入賞路434に入球し、第2入賞口432に入賞することはごく稀である。
球受441の内周側には、第2入賞口432の上方に位置するようにして、遊技盤30面に対し出没可能なVストッパー442が設けられている。Vストッパー442は、遊技盤30の背面側に設けられたVソレノイド443と接続されている(図8参照)。Vソレノイド443が非励磁状態のときには、Vストッパー442の前端部と遊技盤30面とが面一となり、球受441内に入球した遊技球の第2入賞口432への入賞が許容されるようになっている。一方、Vソレノイド443が励磁状態とされると、Vストッパー442が遊技盤30面から突出し、第2入賞口432への入賞が規制されるとともに、Vストッパー442上において遊技球が1球だけ停留されるようになっている。つまり、球受441内に遊技球が保留されることとなる。また、Vストッパー442上において遊技球が既に1球保留されている場合、入賞路434を通過してきた遊技球は、前記保留されている遊技球によってはじかれて球受441の側方に落下し、特定入賞口433に入賞することとなる。
可変表示装置ユニット35は、液晶表示装置たる可変表示装置42を備えており、後述する表示制御装置45により表示内容が制御される。可変表示装置42の表示部は、通常、図39に示すように、第1表示部42L、第2表示部42R、及び第3表示部42Bの3つの表示部に区画されており、第1表示部42L、第2表示部42Rにおいてはそれぞれ図柄が変動表示される。本実施形態では、第1表示部42Lにおいて識別情報としての第1図柄が表示され、第2表示部42Rにおいて識別情報としての第2図柄が表示されるようになっている。可変表示装置42は、第1契機対応口402への入球をトリガとして第1図柄を変動表示するとともに、第2契機対応口403への入球をトリガとして第2図柄を変動表示するよう構成されている。なお、本実施形態では、表示制御装置45が第1表示制御手段及び第2表示制御手段に相当する。また、第1表示部42Lが第1可変表示手段に相当し、第2表示部42Rが第2可変表示手段に相当する。
第1表示部42Lには上、中、下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の第1図柄によって構成されており、これら第1図柄が図柄列毎にスクロールされるようにして第1表示部42Lに可変表示(変動表示)されるようになっている。第1図柄には「0」〜「9」の数字が各々付されるよう構成されており、図柄列毎に周期性をもって第1図柄が右から左へと変動表示されるようになっている。この場合において、上図柄列→下図柄列→中図柄列の順に変動表示が停止し、その停止時に第1表示部42L上で第1図柄が当選となる組合せで停止すれば第1表示部42Lにおいて当選表示が行われるようになっている。本実施形態では、上・中・下図柄列に同一の第1図柄が表示された場合に当選となり、その時に表示された3つ並びの第1図柄の組み合わせ(いわゆるゾロ目)が当選図柄である(図39(c)参照)。このように、第1図柄が当選図柄で確定停止表示された場合には第1電動役物412が作動させられ、第1入賞口411が開放される。そして、開放された第1入賞口411に遊技球を入賞させることで、当該遊技球を特別入賞装置401内に入球させることができる。
一方、第2表示部42Rにおいては、第2表示部42Rに左、中、右の3つの図柄列が表示される(図39(c)参照)。各図柄列は複数の第2図柄によって構成されており、これら第2図柄が図柄列毎にスクロールされるようにして第2表示部42Rに可変表示(変動表示)されるようになっている。第2図柄には「0」〜「9」の数字が各々付されるよう構成されており、図柄列毎に周期性をもって第2図柄が上から下へと変動表示されるようになっている。この場合において、左図柄列→右図柄列→中図柄列の順に変動表示が停止し、その停止時に第2表示部42R上で第2図柄が当選となる組合せで停止すれば第2表示部42Rにおいて当選表示が行われるようになっている。本実施形態では、左・中・右図柄列に同一の第2図柄が表示された場合に当選となり、その時に表示された3つ並びの第2図柄の組み合わせ(いわゆるゾロ目)が当選図柄である。このように、第2図柄が当選図柄で確定停止表示された場合には、第2電動役物431が作動させられて入賞路434が開放され、遊技球が第2入賞口432に入賞しやすい状態となる。
特に本実施形態では、通常時において、第2入賞口432に入賞があると大当たり状態が発生させられる。すなわち、第2入賞口432に入賞があると、可変表示装置42において大当たり状態であることを示す特別遊技動画が表示され、大当たり状態が開始される。大当たり状態においては、所定時間の経過又は所定個数の第1入賞口411への入賞を1ラウンドとして、第1入賞口411が所定回数(所定ラウンド数)繰り返し開放される。ただし、各ラウンド毎に第2入賞口432への入賞があることが、ラウンド継続の必要条件とされている。
また、本実施形態では、第2表示部42Rに対応するようにして、第2保留教示手段としての保留ランプ46Rが設けられている。詳しくは、第2図柄変動中に、新たに遊技球が第2契機対応口403に入球した場合には、その分の第2図柄の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。本実施形態では、第2表示部42Rに関する変動表示は最大で4回まで保留され、その保留回数が当該保留ランプ46Rにて点灯表示されるようになっている。
さて、第1表示部42Lにおける第1図柄の変動表示中に、新たに遊技球が第1契機対応口402に入球した場合にも、その分の第1図柄の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われるよう構成されている。本実施形態では、第1表示部42Lに関する保留回数は、第2表示部42Rに関する保留回数の表示方法(ランプ点灯)とは異なり、第3表示部42Bにおいて表示されるようになっている。
より詳しくは、図39に示すように、第1表示部42Lに関して変動表示が保留された場合には、保留された変動表示の数だけ保留表示キャラクタ46Lが表示されるようになっている。本実施形態では、第1表示部42Lに関する変動表示が最大で15回まで保留されるよう構成されており、対応する保留表示キャラクタ46Lも最大で15表示されるようになっている。本実施形態では、第3表示部42Bが第1保留教示手段に相当する。
本実施形態では、第1表示部42L、第2表示部42R毎に、それぞれの保留分が最大保留回数に達するまでカウントされるようになっている。かかる図柄変動表示の保留数は、図示しない保留カウンタによってカウント及び記憶される。以下、保留カウンタに記憶されている保留数を始動保留球数Nと称する。さらに本実施形態では、第1表示部42L、第2表示部42R毎に保留数がカウントされるよう構成されているため、第1表示部42Lに対応する始動保留球数を始動保留球数NL、第2表示部42Rに対応する始動保留球数を始動保留球数NRと称することとする。
さて、詳しくは後述するが、本実施形態では、第3表示部42Bの表示態様(保留表示キャラクタ46Lの態様)によって、当選となる変動表示が保留されているか否かが示唆(教示)可能に構成されている。基本的に、保留表示キャラクタ46Lは、第1表示部42Lに関して変動表示が保留されていないときには表示されないようになっており、変動表示が保留されているときには保留表示キャラクタ46Lが保留されている変動表示の数だけ表示されるのであるが、本実施形態では、保留されている変動表示の内容(当選するか否か)によって、表示される保留表示キャラクタ46Lの種類が異なるようになっている。
その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞口等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。なお、可変表示装置ユニット35や特別入賞装置401は、ルータ加工によって形成された貫通孔に配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取付けられている。一般入賞口31や特定入賞口433に遊技球が入賞した場合、後述する検出スイッチの出力により、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出される。本実施形態では、一般入賞口31への入賞があった場合には5球払い出され、第2入賞口432及び特定入賞口433への入賞があった場合には10球払い出されるようになっている。
また、遊技盤30には、遊技球発射装置から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす樹脂成形品にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール構成部(内レール部)51と外レール構成部(外レール取付け部)52とを有する。内レール構成部51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成されている。また、一部(主に左側部)が内レール構成部51に向かい合うようにして外レール構成部52が形成されている。かかる場合、内レール構成部51と外レール構成部52とにより主として誘導レールが構成され、これら各レール構成部51,52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路が形成されている。なお、球案内通路は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール構成部51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール構成部51及び外レール構成部52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、外レール構成部52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図4の右上部:外レール構成部52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって例えば遊技盤30の略中央部側へ戻される。外レール構成部52の内側面には、遊技球の飛翔をより滑らかなものとするべく、長尺状をなすステンレス製の摺動プレート55が取着されている。なお、本実施形態では、外レール構成部52及び摺動プレート55によって、いわゆる従来の外レールに相当するものが構成されている。そして、内外レール構成部51,52及び摺動プレート55をレールユニット50としてユニット化することにより、従来の内外レールを別々に設けた構成に比べて、取付け作業が容易となり作業性が向上する。
また、レールユニット50の外周部には、外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジ等の固定手段が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなれるようになっている。さらに本実施形態では、正面から見てレールユニット50の上下左右の各端部は略直線状に(平坦に)形成されている。つまり、レールユニット50の上下左右の各端部においてはフランジ56が切り落とされ、パチンコ機10における有限の領域にてレール径の拡張、すなわち遊技盤30上の遊技領域の拡張が図られるようになっている。なお、左下のフランジ56においては他の部分(左上部,右上部及び右下部のフランジ56)と比較して、より多く固定手段が使用されている。これは、上記誘導レール及び球案内通路の位置をより適正な位置に固定するためであり、これにより遊技球発射装置から発射された遊技球がより安定して遊技盤30上部へ案内される。加えて、固定手段の数を増やすことでレールユニット50をより強固に固定でき、仮にレールユニット50の成形時において歪みが生じたとしても、その歪みを吸収する効果がある。
内レール構成部51及び外レール構成部52間の球案内通路の入口には、同球案内通路の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。この凸部57は、内レール構成部51からレールユニット50下端部にかけて略鉛直方向に設けられ、遊技領域まで至らず球案内通路内を逆流してくるファール球をファール球通路63(図3参照)に導くための役目をなす。なお、遊技盤30の右下隅部及び左下隅部は、証紙等のシールやプレート(図4のS1,S2)を貼着するためのスペースとなっており、この貼着スペースを確保するために、フランジ56に切欠58,59が形成されている。
次に、遊技領域について説明する。遊技領域は、レールユニット50の内周部(内外レール構成部51,52)により略円形状に区画形成されており、特に本実施形態では、遊技盤30の盤面上に区画される遊技領域が従来よりもはるかに大きく構成されている。本実施形態では、外レール構成部52の最上部地点から遊技盤30下部までの間の距離は445mm(従来品よりも58mm長い)、外レール構成部52の極左位置から内レール構成部51の極右位置までの間の距離は435mm(従来品よりも50mm長い)となっている。また、内レール構成部51の極左位置から内レール構成部51の極右位置までの間の距離は418mmとなっている。
本実施形態では、遊技領域を、パチンコ機10の正面から見て、内レール構成部51及び外レール構成部52によって囲まれる領域のうち、内外レール構成部51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域と言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域の向かって左側限界位置は外レール構成部52によってではなく内レール構成部51によって特定される。同様に、遊技領域の向かって右側限界位置は内レール構成部51によって特定される。また、遊技領域の下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域の上側限界位置は外レール構成部52によって特定される。
従って、本実施形態では、遊技領域の幅(左右方向の最大幅)は、418mmであり、遊技領域の高さ(上下方向の最大幅)は、445mmである。
ここで、前記遊技領域の幅は、少なくとも380mm以上あることが望ましい。より好ましくは390mm以上、400mm以上、410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、さらに460mm以上であることが望ましい。もちろん、470mm以上であってもよい。すなわち、遊技領域の幅は、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。また、遊技領域の高さは、少なくとも400mm以上あることが望ましい。より好ましくは410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、さらには460mm以上であることがより望ましい。もちろん、470mm以上、480mm以上、490mm以上としてもよい。すなわち、遊技領域の幅は、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。なお、上記幅及び高さの組合せについては、上記数値を任意に組み合わせたものとしてもよい。
本実施形態では、遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率は約70%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、遊技盤30面に対する遊技領域の面積比は、従来では50%程度に過ぎなかったことから、遊技盤30を共通とした前提においてはかなり遊技領域を拡大しているといえる。尚、パチンコ機10の外形は遊技場への設置の都合上製造者間でほぼ統一されており、遊技盤30の大きさも同様とせざるを得ない状況下において、上記のように遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率を約20%も高めたことは、遊技領域拡大の観点で非常に有意義である。ここで、前記比率は、少なくとも60%以上であることが望ましい。さらに好ましくは65%以上であり、より好ましくは70%以上である。また、本実施形態の場合を越えて75%以上であれば、一層望ましい。さらには、80%以上であってもよい。
また、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積の比率は約40%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積比は、35パーセント以上であるのが望ましい。もちろん、40パーセント以上としてもよいし、45パーセント以上、又は50パーセント以上としてもよい。
なお、遊技領域が左右方向に拡張されていることによって、風車、複数の釘(遊技球を中央に誘導するための誘導釘)、他の役物を種々配設することができ、可変表示装置ユニット35の左右両側の遊技領域での遊技球の挙動を一層面白くすることができるようになっている。また、遊技領域が上下方向にも拡張されていることから、さらに風車、複数の釘、他の役物を種々配設することができ、遊技領域での上下方向の遊技球の挙動をより一層面白くすることができるようになっている。
図3の説明に戻り、前記樹脂ベース20において、窓孔21(遊技盤30)の下方には、遊技球発射装置より発射された直後に遊技球を案内するための発射レール61が取り付けられている。発射レール61は、その後方の金属板62と一体的に樹脂ベース20に取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構成されている。従って、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は、まずは発射レール61に沿って斜め上方に打ち出され、その後前述した通りレールユニット50の球案内通路を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。
本パチンコ機10の場合、遊技領域が従来よりも大幅に拡張されることは既に述べたが、かかる構成下では、誘導レールの曲率を小さくせざるを得ないことから、打出球を安定化させるための工夫を要する。そこで本実施形態では、遊技球の発射位置を低くするとともに発射レール61の傾斜角度(発射角度)を既存のものよりも幾分大きくし(すなわち発射レール61を立ち上げるようにし)、さらに発射レール61の長さを既存のものよりも長くして十分な長さの球誘導距離を確保するようにしている。これにより、遊技球発射装置から発射された遊技球をより安定した状態で誘導レールに案内できるようにしている。この場合特に、発射レール61を、遊技球発射装置の発射位置から遊技領域の中央位置(アウト口36)を越える位置まで延びるよう形成している。また、発射レール61を上記構成とするため、本実施形態では金属板62も従来のものより比較的大きなものとし、それを固定する固定手段の数も従来に比べ多くしている。
また、発射レール61とレールユニット50(誘導レール)との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路63が形成されている。従って、仮に、遊技球発射装置から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球として誘導レール内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路63を介して下皿15に排出される。因みに、本実施形態の場合、発射レール61の長さは約240mm、発射レール先端部の隙間の長さ(発射レール61の延長線上の長さ)は約40mmである。
ファール球が誘導レール内を逆流してくる際、その多くは外レール構成部52に沿って流れ、外レール構成部52の下端部に到達した時点で下方に落下するが、一部のファール球は誘導レール内で暴れ、内レール構成部51側へ跳ね上がるものもある。この際、跳ね上がったファール球は、球案内通路入口の前記凸部57に当たり、ファール球通路63に誘導される。これにより、ファール球の全てがファール球通路63に確実に案内されるようになる。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置には、前面枠セット14側の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。この際、本実施形態では遊技球の発射位置を低くしたため、前面枠セット14側の球出口から前記発射位置への落差が大きくなるが、発射レール61の基端部付近にはその右側と手前側にそれぞれガイド部材65,66を設置している。これにより、前面枠セット14側の球出口から供給される遊技球が常に所定の発射位置にセットされ、安定した発射動作が実現できる。また、遊技球発射装置には打球槌が設けられ、軸部を中心とする打球槌の回動に伴い遊技球が発射されるが、打球槌に関して軽量化が望まれている。それ故、アルミニウム等の軽金属への材料変更や軸部寸法の縮小化により打球槌の軽量化を図る一方で、十分な発射力を確保すべく、打球槌のヘッド部(軸部と反対側の端部)に重り部を設けている。これにより、十分でかつ安定した遊技球の発射が実現できる。打球槌の重り部を上方に突出して設けることにより、打球槌を容易に摘んだりひっかけたりすることができ、槌先の打球強さの調整等がし易くなるという効果がある。
なお、図3中の符号67は上皿19に通ずる排出口であり、この排出口67を介して遊技球が上皿19に排出される。排出口67には開閉式のシャッタ68が取り付けられている。詳しい図面の開示は省略するが、シャッタ68は、その下辺部に沿って設けられた軸部を軸心として回動可能となるとともに、前面枠セット14を開放した状態(図3の状態)ではバネ等の付勢力によりシャッタ68が排出口67をほぼ閉鎖するようになっている。また、前面枠セット14を閉鎖した状態では、当該前面枠セット14の裏面に設けられた球通路樋69(図2参照)によりシャッタ68が押し開けられるようになっている。なお、前面枠セット14の開放状態においては、遊技球は下皿15へ排出されるようになっている。従って、上述したように、前面枠セット14に対して上皿19が直接設けられる構成とした本パチンコ機10において、前面枠セット14の開放に際し払出通路内等の遊技球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できるようになっている。
樹脂ベース20には、窓孔21の右下部に略四角形状の小窓71が設けられている。従って、遊技盤30の右下隅部に張られたシール等(図4のS1)は、この小窓71を通じて視認できるようになっている。また、この小窓71から上記シール等を貼り付けることも可能である。
また、樹脂ベース20には窓孔21の左上方において略四角形状の小窓72が設けられ、小窓72に対応して遊技盤30の左上部にも略四角形状の孔部73(図4参照)が設けられている。そして、後述する前面枠セット14の電飾部102、103等と接続される各種電気配線(図示略)が小窓72及び孔部73を通して本パチンコ機10の背面側から導かれている。
また、内枠12の図3の左端部には、前面枠セット14の支持機構として、支持金具81,82が取り付けられている。上側の支持金具81には図の手前側に切欠を有する支持孔83が設けられ、下側の支持金具82には鉛直方向に突出した突起軸84が設けられている。
また、内枠12にはアース用金具E1,E2が設けられている(図3参照)。アース用金具E1,E2は、内枠12の背面側において所定の金属部品と接続されている。そして、前面枠セット14が閉じられた状態において、アース用金具E1,E2が後述する補強板131,132と当接することにより短絡するようになっている。
次に、前面枠セット14について図1,図5を参照しつつ説明する。図5は、前面枠セット14の背面図である。前面枠セット14には前記遊技領域のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、窓部101は、その左右側の略中央部が、上下側に比べて比較的緩やかに湾曲した形状となっている。なお、前記略中央部が直線状になるようにしてもよい。本実施形態において、窓部101の上端(外レール構成部52の最上部、遊技領域の上端)と、前面枠セット14の上端との間の距離(いわゆる上部フレーム部分の上下幅)は61mmとなっており、85mm〜95mm程度上部フレーム幅がある従来技術に比べて著しく短くなっている。これにより、遊技領域の上部領域が確保されやすくなるとともに、大型の可変表示装置ユニット35も比較的上方に配置することができるようになっている。前面枠セット14の上端との間の距離は80mm以下であることが望ましく、より望ましくは70mm以下であり、さらに望ましくは60mm以下である。もちろん、所定の強度が確保できるのであれば、50mm以下であっても差し支えない。
また、パチンコ機10の正面から見て窓部101の左端と前面枠セット14の左端との間の最短距離(いわゆる左側部フレーム部分の左右幅:図5では右側に示されている)、すなわち開閉軸線側のフレーム幅は、前面枠セット14自体の強度及び支持強度を高めるために比較的大きく設定されている。この場合、図1及び図3を相互に比較すると明らかなように、前面枠セット14が閉じられた状態において、外レール構成部52の左端部はもちろん、内レール構成部51の左端部も前記左側部フレーム部分によって覆い隠される。つまり、誘導レールの少なくとも一部が、パチンコ機10の正面からみて前面枠セット14の左側部フレーム部分と重複し覆い隠される。このように遊技球が一時的に視認困難となったとしても、それは、遊技球が遊技領域に案内される通過点に過ぎず、遊技者が主として遊技を楽しむ遊技領域において遊技球が視認困難となるわけではない。そのため、実際の遊技に際しては何ら支障が生じない。また、このような支障が生じない一方で、前面枠セット14の十分な強度及び支持強度が確保可能となっている。ちなみに、パチンコ機10の正面から見て外レール構成部52の左端位置と外枠11の左端位置との左右方向の距離は21mm、遊技領域の右端位置(内レール構成部51の右端位置)と外枠11の右端位置との左右方向の距離は44mmとなっている。
加えて、前面枠セット14にはその周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時やリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、該環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを報知する。さらに、上皿19周りにも、同じくLED等の発光手段を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが設けられている。また、環状電飾部102の下端部に隣接するようにして、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂が取り付けられた小窓107が設けられている。なお、本実施形態におけるリーチ状態には、例えば、第1表示部42Lに表示される上・中・下の3つの図柄列のうちの下図柄列の図柄変動が、上図柄列の停止図柄と同一種類の図柄で停止する状態が含まれる。また、例えば、第2表示部42Rに表示される左・中・右の3つの図柄列のうちの右図柄列の図柄変動が、左図柄列の停止図柄と同一種の図柄で停止する状態が含まれる。
上記リーチ状態においては、中図柄列の図柄が通常変動時と同様に単にスクロールする「ノーマルリーチ」のほかにも、種々のリーチ状態のパターン(リーチパターン)が設定されている。これらリーチパターンのうち、「ノーマルリーチ」以外のリーチパターンは、いわゆる「スーパーリーチ」と称されるものである。「スーパーリーチ」の動作が開始された場合には、「ノーマルリーチ」の場合に比べて、当選(第1電動役物412又は第2電動役物431が作動し、第1入賞口411又は第2入賞口432が開放された状態)となる期待値が高くなるようになっている。また、「スーパーリーチ」においても、各リーチパターンによって当選期待値が異なったものとなっていることとしてもよい。加えて、「スーパーリーチ」よりも期待値の高い「スペシャルリーチ」や当選が確定表示される「プレミアムリーチ」と称されるリーチパターンを用意することとしてもよい。
さらに、上記各リーチパターンには重み付けがなされており、各リーチパターンの選択される確率は個々に異なったものとなっている。具体的には、「ノーマルリーチ」の選択される確率に比べて、「スーパーリーチ」の選択される確率が低くなるように設定されている。また、「スーパーリーチ」よりも、「スペシャルリーチ」の選択される確率が低くなるように設定されている。加えて、「プレミアムリーチ」は、ほとんど選択されないように設定されている。なお、本実施形態においては、当選となる場合と、外れとなる場合とで各リーチパターンの選択される確率は個々に異なったものとなっている。
加えて、図柄変動させられる可変表示装置42(第1表示部42L、第2表示部42R)の演出表示態様において、全図柄列の変動開始から確定停止表示に至るまでの間、リーチ演出以外の演出が行われる場合がある。リーチ演出以外の演出としては、すべり変動、再変動、リーチ示唆、スーパーリーチ示唆、当選示唆などの演出が挙げられる。ここで「示唆」とあるのは、演出によって、所定の遊技状態が発生しやすくなること(可変表示装置42において所定の表示態様が表示されやすくなること)を示唆可能であればよい。或いは、演出によって所定の遊技状態の発生に影響が生じるという主旨であって、所定の遊技状態が発生しない場合があっても差し支えない。
さらに、本実施形態では、図39(a)に示すように、原則として第2表示部42Rにおいて、第1契機対応口402に遊技球を入球させたほうがよい、つまり、第1表示部42Lでの変動表示を優先させるべき旨を教示する案内表示が行われるようになっている。より詳しくは、第1契機対応口402が配設された左方向に遊技球を打ち出すことを促すべく、左向きの矢印、左向きの案内キャラクタ、及び「左を狙ってね!」の文字が表示されるようになっている。また、当該案内表示と変動表示とでは変動表示の方が優先されるようになっており、第2表示部42Rにおいて変動表示が開始される場合には、たとえ案内表示が行われていたとしても、表示態様が切り替わり、変動表示のみが視認可能になるよう構成されている。
また、詳しくは後述するが、所定の条件が満たされた場合には、図39(b)に示すように、前記案内表示の表示態様が、今度は第2契機対応口403に遊技球を入球させたほうがよい、つまり、第2表示部42Rでの変動表示を優先させるべき旨を教示するような表示態様に切り替わるようになっている。本実施形態では、第2契機対応口403が配設された右方向に遊技球を打ち出すことを促すべく、右向きの矢印、右向きの案内キャラクタ、及び「右打ち!」の文字が表示されるようになっている。
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されたカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図られる。
前面枠セット14の裏側には、窓部101を囲むようにして金属製の各種補強部材が設けられている。詳しくは、図5に示すように、前面枠セット14の裏側にあって窓部101の上下左右の外側にはそれぞれ補強板131,132,133,134が取り付けられている。これら補強板131〜134は相互に接触して連結されているが、図の左側及び上側の補強板132,133の連結部には直接の接触を避けるための樹脂パーツ135が介在されている。つまり、補強板131〜134において、樹脂パーツ135の絶縁効果により電気が環状に通ることを防止している。これにより、補強板131〜134におけるノイズのループや環状通電による磁界の発生を抑制することができる。
図5の右側の補強板131にはその中間位置にフック状をなす係合爪131aが設けられており、この係合爪131aは、前面枠セット14を閉じた状態で内枠12の孔部12a(図3参照)に係合されるように構成されている。この構成により、上皿19を含む形態で前面枠セット14が構成され、その上下の軸支位置が延長されたとしても、中間位置における前面枠セット14の浮き上がりが防止できる。それ故、前面枠セット14を浮かしての不正行為等が抑制されるようになっている。
また、下側の補強板134には、前記発射レール61(図3参照)に対向する位置に樹脂製のレール側壁部材136が設けられている。このレール側壁部材136は、前面枠セット14を閉じた際に発射レール61の側壁となる。故に、発射レール61から遊技球がこぼれ落ちないようになっている。
上述した補強板131〜134はガラス支持用の金枠としての機能も兼ね備えており、これら補強板131〜134の一部が後方に折り返されてガラス保持溝が形成されている。このガラス保持溝は前後に2列形成されており、矩形状をなす前後一対のガラス137が各ガラス保持溝にて保持される。これにより、2枚のガラス137が前後に所定間隔を隔てて取着されるようになっている。
前述の通り本実施形態のパチンコ機10では遊技領域の拡張を図っていることから、前面枠セット14を閉じた状態にあっては、内外のレール構成部51,52により構成された誘導レールの一部が前面枠セット14により覆い隠される構成となっている。それ故、当該誘導レールでは手前側の開放部がガラス137で覆えない部分ができてしまう。かかる場合、例えば、遊技球発射装置より発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らず戻ってくると、当該遊技球が誘導レール外にこぼれたり(飛び出したり)、外レール構成部52とガラス137との間に挟まってしまうおそれがある。そこで本実施形態では、前面枠セット14に、誘導レールの手前側開放部を被覆するためのレールカバー140を取り付けている。
レールカバー140は略円弧状をなす略平板体であって、透明な樹脂により形成されている。レールカバー140は、その円弧形状が前記誘導レールの形状に対応しており、窓部101の周縁部に沿って、誘導レールの基端部から先端部近傍までの区間を覆うようにして前面枠セット14の裏側に取着されている。特にレールカバー140の内径側の寸法・形状は内レール構成部51のそれにほぼ一致する。レールカバー140が取着された状態では、その表面側がガラス137に当接した状態となる。前面枠セット14が閉じられた状態においては、レールカバー140の裏面が誘導レールのほぼ全域を覆うこととなる。これにより、誘導レールのほとんどの区間において遊技球のガラス137への衝突を防止できる。従って、ガラス137への接触による破損等の悪影響を抑制することができる。
また、レールカバー140の右端部(すなわち、レールカバー140を前面枠セット14に取着した図5の状態で右端となる部位)には、誘導レールがガラス137の側縁部からはみ出した部分を被覆するための被覆部141が設けられている。これにより、遊技球が誘導レール外にこぼれたり(飛び出したり)、外レール構成部52とガラス137との間に挟まってしまうといった不具合の発生を防止することができる。
さらに、レールカバー140の裏側には、その内側縁に沿って円弧状に延び且つ図5の手前側に突出した突条142が形成されている。突条142は、前面枠セット14が閉じられた状態において、誘導レール内に入り込んだ状態で内レール構成部51にほぼ一体的に重なり合うよう構成されている。従って、例えば前面枠セット14と内枠12との隙間から針金等を侵入させて不正行為を行おうとしても、誘導レールの内側にある遊技領域にまで針金等を侵入させることが非常に困難となる。結果として、針金等を利用して行われる不正行為を防止することができる。なお、突条142をより広い範囲で、例えばレールカバー140の内側縁の全域に沿って形成する構成としても良く、かかる構成によれば、より広い範囲で針金等を侵入させにくくなり、針金等を利用して行われる不正行為をより確実に防止することができる。
また、前面枠セット14の図5の右端部(パチンコ機10正面から見ると左端部)には、内枠12の支持機構として、支持金具151,152が取り付けられている。従って、内枠12側の支持金具81,82(図3参照)に対して前面枠セット14側の支持金具151,152を組み付けることで、内枠12に対して前面枠セット14が開閉可能に装着されるようになる。ここで、前記支持機構について支持金具81,82及び支持金具151,152の関連性をふまえてより詳しく説明する。支持金具151は略棒状をなし、その上部の径が下部の径より太くなっている。上記支持孔83の切欠の幅は、前記支持金具151の上部の太さより狭く、下部の太さより広くなっている。前面枠セット14の装着手順としては、まず前記支持金具151の下部を前記切欠を介して支持孔83に挿入し、次に支持金具82の突起軸84に支持金具152を差込む。そして、前記切欠位置に対応して前記支持金具151の上部を位置させることで、支持金具151が支持孔83から外れなくなり、前面枠セット14の装着が完了する。
ここで、前記施錠機構G1の構成について図6等を参照して説明する。施錠機構G1は、遊技機本体を構成する内枠12の左右一側部(右側部、図6,8の左側)に上下方向へ延びるようにかつ上下方向へ移動可能となるように設けられた長尺状の連動部材G2と、内枠12の前記一側部のうち遊技領域の左右方向の最大幅となる位置とは異なる位置に設けられ連動部材G2を上側又は下側に選択的に移動させる鍵部材G3(図6,9等参照)とを備え、該鍵部材G3の操作による連動部材G2の上下一方への移動により内枠12の施錠が解除されるとともに、連動部材G2の上下他方への移動により前面枠セット14の施錠が解除されるように構成されている。
次に、パチンコ機10の背面の構成を詳しく説明する。図6はパチンコ機10の背面図である。
先ずはじめに、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10にはその背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、主基板と音声ランプ制御基板とを一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、払出制御基板、発射制御基板及び電源基板を他方の取付台に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。
また、払出機構及び保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、さらにこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12又は遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
実際には、図7の概略図に示すように各ユニット201〜203が配置され、取り付けられている。なお図7において、略L字状をなす第1制御基板ユニット201はパチンコ機10のほぼ中央に配置され、その下方に第2制御基板ユニット202が配置されている。また、第1制御基板ユニット201に一部重なる領域に、裏パックユニット203が配置されている。
詳しくは、第1制御基板ユニット201には、パチンコ機10の背面から見て左端部に支軸部M1が設けられ、その支軸部M1による軸線Aを中心に当該第1制御基板ユニット201が開閉可能となっている。また、第1制御基板ユニット201には、その右端部(すなわち支軸部と反対側、さらに言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M2が設けられると共に上端部に係止爪部M3が設けられており、これら締結部M2及び係止爪部M3によって第1制御基板ユニット201がパチンコ機本体に対して固定保持されるようになっている。
また、第2制御基板ユニット202には、パチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M4が設けられ、その支軸部M4による軸線Bを中心に当該第2制御基板ユニット202が開閉可能となっている。また、第2制御基板ユニット202には、その左端部(すなわち支軸部と反対側、さらに言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M5が設けられており、この締結部M5によって第2制御基板ユニット202がパチンコ機本体に対して固定保持されるようになっている。
さらに、裏パックユニット203には、パチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M6が設けられ、その支軸部M6による軸線Cを中心に当該裏パックユニット203が開閉可能となっている。また、裏パックユニット203には、その左端部(すなわち支軸部と反対側、さらに言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M7が設けられると共に上端部及び下端部にそれぞれ回動式の係止部M8,M9が設けられており、これら締結部M7及び係止部M8,M9によって裏パックユニット203がパチンコ機本体に対して固定保持されるようになっている。
この場合、各ユニット201〜203の展開方向は同一でなく、第1制御基板ユニット201は、パチンコ機10の背面から見て左開きになるのに対し、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、同右開きになるよう構成されている。
一方、図8は、内枠12に遊技盤30を組み付けた状態でその構成を示す背面図である。また、図9は内枠12を後方より見た斜視図である。ここでは図8及び図9を用いて内枠12及び遊技盤30の裏面構成を説明する。
遊技盤30は、樹脂ベース20に囲まれた四角枠状の設置領域に設置され、内枠12に設けられた複数(本実施形態では4カ所)の係止固定具211,212によって脱落しないように固定されている。係止固定具211,212は手動で回動でき、固定位置(ロック位置)と固定解除位置(アンロック位置)とを切り替えることができるよう構成されており、図8にはロック状態を示す。遊技盤30の左右3カ所の係止固定具211は金属片を折り曲げ形成したL型の金具であり、遊技盤30の固定状態で内枠12外方へ張り出さないよう構成されている。なお、遊技盤30の下部1カ所の係止固定具212は樹脂製のI型の留め具である。
遊技盤30の略中央部に配置された可変表示装置ユニット35(図4参照)に対応しては、当該可変表示装置ユニット35を背後から覆う樹脂製(例えばABS製)のフレームカバー213が後方に突出して設けられている。そのフレームカバー213の後端に、液晶表示装置たる可変表示装置42と表示制御装置45とが前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。フレームカバー213内には、可変表示装置ユニット35に内蔵されたLED等を駆動するためのLED制御基板などが配設されている。
また、遊技盤30の裏面には、可変表示装置ユニット35を取り囲むようにして裏枠セット215が取り付けられている。この裏枠セット215は、遊技盤30の裏面に張り付くようにして設けられる薄型の樹脂成形品(例えばABS製)であって、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構が形成されている。詳しくは、裏枠セット215の下方には、前述した一般入賞口31、第1契機対応口402、第2契機対応口403、第2入賞口432、特定入賞口433(それぞれ図4参照)の遊技盤開口部に対応し、且つ下流側で1カ所に集合する回収通路216が形成されている。また、遊技盤30の下方には、内枠12にやはり樹脂製(例えばポリカーボネイト樹脂製)の排出通路盤217が取り付けられており、該排出通路盤217には、排出球をパチンコ機10外部へ案内するための排出通路218が形成されている。従って、図8に仮想線で例示するように、一般入賞口31等に入賞した遊技球は何れも裏枠セット215の回収通路216を介して集合し、さらに排出通路盤217の排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36(図3参照)も同様に排出通路218に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。
上記構成では、遊技盤30の下端面を境界にして、上方に裏枠セット215(回収通路216)が、下方に排出通路盤217(排出通路218)が設けられており、排出通路盤217が遊技盤30に対して前後方向に重複(オーバーラップ)せずに設けられている。従って、遊技盤30を内枠12から取り外す際において、排出通路盤17が遊技盤取り外しの妨げになるといった不都合が生じることもない。
なお、排出通路盤217は、パチンコ機前面の上皿19の丁度裏側辺りに設けられており、上皿19に至る球排出口(図2の球通路樋69)より針金等を差し込み、さらにその針金等を内枠12と排出通路盤217との隙間を通じて遊技領域側に侵入させるといった不正行為が考えられる。そこで本パチンコ機10では、排出通路盤217の上皿19の丁度裏側辺りに、内枠12にほぼ一体的に重なり合うようにしてパチンコ機前方に延びるプレート219が設けられている。従って、内枠12と排出通路盤217との隙間から針金等を侵入させようとしてもそれがプレート219にて阻害され、遊技領域にまで針金等を侵入させることが非常に困難となる。結果として、針金等を利用して第1電動役物412(第1入賞口411)や第2電動役物431(入賞路434)を強制的に開放する等の不正行為を防止することができる。
また、遊技盤30の裏面には、各種入賞口などの遊技球の通過を検出するための入賞感知機構(検出スイッチ)などが設けられている。具体的には、遊技盤30表側の一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ221が設けられ、第2入賞口432に対応する位置には特定領域スイッチ222が設けられ、第1入賞口411に対応する位置にはカウントスイッチ223が設けられている。特定領域スイッチ222は、特別入賞装置401内に入球した遊技球が第2入賞口432(大当たり状態においてはラウンド継続を判定するための領域)に入ったことを判定するスイッチであり、カウントスイッチ223は第1入賞口411への入賞球をカウントするスイッチである。また、第2契機対応口403に対応する位置には第2入球検出手段としての第2契機スイッチ224が設けられ、第1契機対応口402に対応する位置には第1入球検出手段としての第1契機スイッチ225が設けられている。
入賞口スイッチ221は、図示しない電気配線を通じて盤面中継基板226に接続され、さらにこの盤面中継基板226が後述する主基板(主制御装置261)に接続されている。また、特定領域スイッチ222及びカウントスイッチ223は大入賞口中継基板227に接続され、さらにこの大入賞口中継基板227がやはり主基板に接続されている。これに対し、第1契機スイッチ225及び第2契機スイッチ224は中継基板を介さずに直接主基板に接続されている。なお、本実施形態では、主制御装置261(主基板)が第1及び第2遊技状態決定制御手段、情報追加手段、追加情報判定手段に相当する。
その他図示は省略するが、第1電動役物412には、第1電動役物412(シャッタ)を前方に傾倒させ、第1入賞口411を開放するための第1入賞口ソレノイドが設けられ、第2電動役物431には、一対の可動羽435を開き、入賞路434を開放することで第2入賞口432を入球可能な状態とするための第2入賞口ソレノイドが設けられている。なお、図8,9において符号228は打球槌等を備えるセットハンドルであり、符号229は発射モータである。
上記入賞感知機構にて各々検出された検出結果は、後述する主基板に取り込まれ、該主基板よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板に送信される。そして、該払出制御基板の出力により所定数の遊技球の払出が実施される。かかる場合、各種入賞口に入賞した遊技球を入賞球処理装置に一旦集め、その入賞球処理装置で入賞球の存在を1つずつ順番に確認した上で払出を行う従来方式(いわゆる証拠球方式)とは異なり、本実施形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に感知して払出が直ちに行われる(すなわち、本パチンコ機10では入賞球処理装置を廃止している)。故に、払い出す遊技球が多量にあっても、その払出をいち早く実施することが可能となる。
また、裏枠セット215には、第1制御基板ユニット201を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、この取付機構として、遊技盤30の裏面から見て左下隅部には上下方向に延びる支持金具231が設けられ、この支持金具231には同一軸線上に上下一対の支持孔231aが形成されている。その他、遊技盤30の右下部において符号232は上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)であり、同左上部において符号233は係止爪片である。
また、内枠12の裏面には、第2制御基板ユニット202や裏パックユニット203を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、内枠12にはその右端部に長尺状の支持金具235が取り付けられており、その構成を図10に示す。図10に示すように、支持金具235は長尺板状の金具本体236を有し、その金具本体236より起立させるようにして、下方2カ所に第2制御基板ユニット用の支持孔部237が形成されると共に、上方2カ所に裏パックユニット用の支持孔部238が形成されている。それら支持孔部237,238にはそれぞれ同軸の支持孔が形成されている。その他、第2制御基板ユニット用の取付機構として、内枠12には、遊技盤設置領域よりも下方左端部に上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)239が設けられている。また、裏パックユニット用の取付機構として、内枠12には、遊技盤設置領域の左端部に上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)240が設けられている。但し、第2制御基板ユニット用の支持金具と裏パックユニット用の支持金具とを各々個別の部材で設けることも可能である。符号241,242,243は、遊技盤30との間に裏パックユニット203を挟み込んで支持するための回動式の固定具である。
その他、内枠12の背面構成において、遊技盤30の右下部には、後述する払出機構より払い出される遊技球を上皿19、下皿15、又は排出通路218の何れかに振り分けるための遊技球分配部245が設けられている。すなわち、遊技球分配部245の開口部245aは上皿19に通じ、開口部245bは下皿15に通じ、開口部245cは排出通路218に通じる構成となっている(図9参照)。なお、従来、遊技球分配部245に相当する部分が裏パックユニット203側に設けられていたため、上皿19に至る球排出口(図2の球通路樋69)を通じて裏パックユニット203を押すことにより、内枠12と遊技球分配部245に相当する部分との間に隙間が生じ、その隙間を通じて針金等を差し込み、内部機器を操作するといった不正行為が考えられた。そこで本パチンコ機10では、遊技球分配部245として内枠12側に設け、なおかつ固定手段によって固定することにより、そのような不正行為を防止している。さらに、遊技球分配部245の上端面は遊技盤30の下端面が設置される高さ位置に合わせて形成されており、遊技盤30の取外しの妨げとならないように工夫されている。
また、内枠12の下端部には、下皿15に設置された上記スピーカの背後を囲むための樹脂製のスピーカボックス246が取り付けられており、このスピーカボックス246により低音域の音質改善が図られている。
次に、第1制御基板ユニット201を図11〜図14を用いて説明する。図11は第1制御基板ユニット201の正面図、図12は同ユニット201の斜視図、図13は同ユニット201の分解斜視図、図14は同ユニット201を裏面から見た分解斜視図である。
第1制御基板ユニット201は略L字状をなす取付台251を有し、この取付台251に主制御装置261と音声ランプ制御装置262とが搭載されている。ここで、主制御装置261は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主基板を具備しており、この主基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263(被包手段)に収容されて構成されている。なお、基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印ユニット264(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス263が封印されている。
封印手段としての封印ユニット264はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用できるが、ここでは図12等に示すように、5つの封印部材が連結された構成となっており、この封印部材の長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に連結されるようになっている。封印ユニット264による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度開封・封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、封印ユニット264を構成する5つの封印部材のうち、少なくとも一つの封印部材の長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主基板の不具合などにより基板ボックス263を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部材と他の封印部材との連結を切断する。その後、再度封印処理する場合は他の封印部材の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス263の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス263に残しておけば、基板ボックス263を見ることで不正な開封が行われた旨を容易に発見できる。
また、音声ランプ制御装置262は、例えば主制御装置261(主基板)又は表示制御装置45からの指示に従い音声やランプ表示の制御を司るCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む音声ランプ制御基板を具備しており、この音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス265に収容されて構成されている。音声ランプ制御装置262上には電源中継基板266が搭載されており、後述する電源基板より供給される電源がこの電源中継基板266を介して表示制御装置45及び音声ランプ制御装置262に出力されるようになっている。
取付台251は、有色(例えば緑、青等)の樹脂材料(例えばポリカーボネイト樹脂製)にて成形され、その表面に平坦状をなす2つの基板搭載面252,253が設けられている。これら基板搭載面252,253は直交する向きに延び、前後方向に段差をもって形成されている。但し、取付台251は無色透明又は半透明の樹脂成形品であっても良い。
そして、一方の基板搭載面252上に主制御装置261(主基板)が横長の向きに配置されると共に、他方の基板搭載面253上に音声ランプ制御装置262(音声ランプ制御基板)が縦長の向きに配置されるようになっている。特に、主制御装置261は、パチンコ機10裏面から見て手前側に配置され、音声ランプ制御装置262はその奥側に配置される。この場合、基板搭載面252,253が前後方向に段差をもって形成されているため、これら基板搭載面252,253に主制御装置261及び音声ランプ制御装置262を搭載した状態において各制御装置261,262はその一部を前後に重ねて配置されるようになる。つまり、図12等にも見られるように、主制御装置261はその一部(本実施形態では1/3程度)が浮いた状態で配置されるようになる。故に、主制御装置261に重なる領域まで音声ランプ制御装置262を拡張することが可能となり、当該制御基板の大型化にも良好に対処できる。また、各制御装置が効率良く設置できるようになる。また、第1制御基板ユニット201を遊技盤30に装着した状態では、基板搭載面252の後方にスペースが確保され、第1入賞口411やその電気配線等が無理なく設置できるようになっている。
図13及び図14に示すように、主基板用の基板搭載面252には、左右2カ所に横長形状の貫通孔254が形成されている。これに対応して、主制御装置261の基板ボックス263には、その裏面の左右2カ所に回動式の固定具267が設けられている。主制御装置261を基板搭載面252に搭載する際には、基板搭載面252の貫通孔254に固定具267が通され、その状態で固定具267が回動されて主制御装置261がロックされる。従って、上述の通り主制御装置261はその一部が浮いた状態で配置されるとしても、当該主制御装置261の脱落等の不都合が回避できる。また、主制御装置261は第1制御基板ユニット201(基板搭載面252)の裏面側から固定具267をロック解除しなければ、取り外しできないため、基板取り外し等の不正行為に対して抑止効果が期待できる。主基板用の基板搭載面252にはその裏面に格子状のリブ255が設けられている。
取付台251には、図12等の左端面に上下一対の支軸256が設けられており、この支軸256を図9等に示す支持金具231に取り付けることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に対して開閉可能に支持される。また、取付台251には、右端部に締結具として上下一対のナイラッチ257が設けられると共に上端部に長孔258が設けられており、ナイラッチ257を図8等に示す被締結孔232にはめ込むと共に、長孔258に図8等に示す係止爪片233を係止させることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に固定されるようになる。なお、支持金具231及び支軸256が前記図7の支軸部M1に、被締結孔232及びナイラッチ257が締結部M2に、係止爪片233及び長孔258が係止爪部M3に、それぞれ相当する。
次に、第2制御基板ユニット202を図15〜図17を用いて説明する。図15は第2制御基板ユニット202の正面図、図16は同ユニット202の斜視図、図17は同ユニット202の分解斜視図である。
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台301を有し、この取付台301に払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が搭載されている。払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313は周知の通り制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、払出制御装置311の払出制御基板により、賞品球や貸出球の払出が制御される。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者によるハンドル18の操作に従い発射モータ229の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。カードユニット接続基板314は、パチンコ機前面の貸球操作部120及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314を省略することも可能である。
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス315,316,317,318にそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、前述した主制御装置261と同様、基板ボックス315(被包手段)を構成するボックスベースとボックスカバーとが封印ユニット319(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス315が封印されている。
払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
また、電源装置313にはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、通常手順で(例えばホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入することとしている。
取付台301は例えば無色透明な樹脂成形品よりなり、その表面に平坦状をなす基板搭載面302が設けられている。この場合、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は取付台301の基板搭載面302に横並びの状態で直接搭載され、電源装置313の基板ボックス317上に払出制御装置311が搭載されている。
また、取付台301には、図15等の右端部に上下一対の支軸305が設けられており、この支軸305を図8等に示す支持孔部237に上方から挿通させることで、第2制御基板ユニット202が内枠12に対して開閉可能に支持される。また、取付台301には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ306が設けられており、ナイラッチ306を図8等に示す被締結孔239にはめ込むことで、第2制御基板ユニット202が内枠12に開閉不能に固定されるようになる。なお、支持孔部237及び支軸305が前記図7の支軸部M4に、被締結孔239及びナイラッチ306が締結部M5に、それぞれ相当する。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものであり、パチンコ機10の背面から見た背面図を図18に示し、分解斜視図を図19に示す。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、略平坦状のベース部353と、パチンコ機後方に突出し横長の略直方体形状をなす保護カバー部354とを有する。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示装置ユニット35を囲むのに十分な大きさを有する(但し本実施形態では、前述の音声ランプ制御装置262も合わせて囲む構成となっている)。保護カバー部354の背面には多数の通気孔354aが設けられている。この通気孔354aは各々が長孔状をなし、それぞれの通気孔354aが比較的近い位置で隣り合うよう設けられている。従って、隣り合う通気孔354a間にある樹脂部分を切断することにより、裏パック351の背面を容易に開口させることができる。つまり、通気孔354a間の樹脂部分を切断してその内部の表示制御装置45等を露出させることで、所定の検定等を容易に実施することができる。
また、ベース部353には、保護カバー部354を迂回するようにして払出機構部352が配設されている。すなわち、裏パック351の最上部には上方に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は図19に示す払出通路359等を通じて前記上皿19に供給される。
タンクレール356には、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360が取り付けられている。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ360が駆動されることで球詰まりが解消されるようになっている。なお、バイブレータ360は、パチンコ機の設計変更等による位置変更や故障時等における交換が容易になるよう、モータ等の振動体が本体部であるケース内に収容されたバイブレータ・ユニットとして構成されており、当該ユニットが着脱可能なようにタンクレール356に取付けられている。なお、前記バイブレータ・ユニットは、その本体部(ケース面)がタンクレール356に密着せず、本体部から突出した足部(振動伝達子)を介してタンクレール356の側面に取付けられており、そのバイブ振動がより効果的にタンクレール356に伝達されるよう構成されている。
タンクレール356の構成ついて詳述すると、図20に示すように、タンクレール356は上方に開口した長尺樋状をなすレール本体361を有し、レール本体361の始端部には球面状の球受部362が設けられている。この球受部362により、タンク355より落下してきた遊技球が円滑にレール本体361内に取り込まれる。また、レール本体361には長手方向に延びる仕切壁363が設けられており、この仕切壁363により遊技球が二手に分流されるようになっている。仕切壁363により仕切られた2条の球通路は遊技球の直径よりも僅かに幅広となっている。仕切壁363により仕切られた各球通路の底面には、1筋又は2筋の突条364が設けられると共に、その突条364の側方に開口部365が設けられている。
また、レール本体361には、その下流側半分程度の天井部分を覆うようにして整流板367が配設されている。この整流板367は、下流側になるほどタンクレール356内の球通路高さを制限するよう弓なりに反った形状をしており、さらにその下面には長手方向に延びる凸部368が形成されている。これにより、タンクレール356内を流れる各遊技球は最終的には上下に積み重なることなく下流側に流出する。従って、タンクレール356に多量の遊技球群が流れ込んできても、遊技球の噛み込みが防止され、タンクレール356内における球詰まりが解消されるようになっている。なお、レール本体361が黒色の導電性ポリカーボネイト樹脂により成形されるのに対し、整流板367は透明のポリカーボネイト樹脂により成形されている。整流板367は着脱可能に設けられており、当該整流板367を取り外すことによりタンクレール356内のメンテナンスが容易に実施できるようになっている。
図18,19の説明に戻り、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
タンク355から払出通路359に至るまでの払出機構部352は何れも導電性を有する樹脂材料(例えば導電性ポリカーボネイト樹脂)にて成形され、その一部にてアースされている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
また、裏パック351には、図18等の右端部に上下一対の支軸385が設けられており、この支軸385を図8等に示す支持孔部238に上方から挿通させることで、裏パックユニット203が内枠12に対して開閉可能に支持される。また、裏パック351には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ386が設けられると共に、上端部に係止孔387が設けられており、ナイラッチ386を図8等に示す被締結孔240にはめ込むと共に、係止孔387に図8等に示す固定具242を係止させることで、裏パックユニット203が内枠12に開閉不能に固定されるようになる。また、本実施形態では、多くの遊技球が貯留され比較的負荷のかかるタンク355の近傍の係止部M8として、回動式のI型の留め具が採用されている。このため、ナイラッチ等の固定具を用いた場合に比べてより確実に裏パックユニット203(タンク355)の係止を行うことができる。このとき、図8等に示す固定具241,243によっても裏パックユニット203が内枠12に固定される。なお、支持孔部238及び支軸385が前記図8の支軸部M6に、被締結孔240及びナイラッチ386が締結部M7に、固定具242及び係止孔387が係止部M8に、それぞれ相当する。また、固定具243が係止部M9に相当する(図7参照)。
また、裏パックユニット203のベース部353には、外部中継端子板230用の開口部391が設けられており、裏パックユニット203の固定された状態でも、外部中継端子板230の取外し及び操作が可能となっている。
なお、上述してきた構成により、主制御装置261(基板ボックス263)の取外しは、まず裏パックユニット203を開け(又は取外し)、次に第1制御基板ユニット201を開け(又は取外し)、そして、固定具267を解除操作するという複雑な過程をふむことにより、ようやく行うことができる。このため、主制御装置261(基板ボックス263)の取り外し等の不正行為に対して抑止効果が期待できる。
図21は、本パチンコ機10の電気的構造を示したブロック図である。パチンコ機10の主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア503aが設けられている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、NMI割込み処理(図32参照)によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)の復電処理(図23参照)において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、図32の停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスパス及びデータパスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、表示制御装置45や、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。
また、払出制御装置311は、払出モータにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、前述した主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア513aが設けられている。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、NMI割込み処理(図32参照)によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時の復電処理(図33参照)において実行される。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスパス及びデータパスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
発射制御装置312は、発射モータ229による遊技機の発射を許可又は禁止するものであり、発射モータ229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者がハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射モータ229が駆動され、ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される(図9参照)。
表示制御装置45は、可変表示装置42において第1図柄及び第2図柄の変動表示を制御するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、2つの出力ポート528,529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527の入力には主制御装置261の出力が接続され、入力ポート527の出力には、CPU521、ROM522、ワークRAM523、画像コントローラ526が接続されると共にバスライン530を介して一方の出力ポート528が接続されている。出力ポート528の出力には音声ランプ制御装置262が接続されている。また、画像コントローラ526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529の出力には可変表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、主制御装置261から送信される表示コマンドに基づいて可変表示装置42の表示を制御する。ROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
ビデオRAM524は、可変表示装置42に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、可変表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、可変表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ526は、CPU521、ビデオRAM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して可変表示装置42に表示させるものである。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給するための電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(図32のNMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアするための回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号SK2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
本実施形態では、主制御装置261内のCPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて可変表示装置42の抽選や図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図22に示すように、可変表示装置42の当落抽選(第1電動役物412又は第2電動役物431を作動させるか否かの抽選)に使用する当選乱数カウンタC1L,C1R(表示部42L,42Rに個別に対応している)と、可変表示装置42の当選図柄の選択に使用する当選図柄カウンタC2L,C2Rと、可変表示装置42が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3L,C3Rと、当選乱数カウンタC1L,C2Rの初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIL,CINIRと、可変表示装置42の変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1L,CS1R,CS2L,CS2Rと、各外れ図柄の設定に使用する各外れ図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。
このうち、カウンタC1L〜C3L,C1R〜C3R,CINIL,CINIR,CS1L,CS1R,CS2L,CS2Rは、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。また、外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、CPU501内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。各カウンタは定期的に更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。また、RAM503には、第1表示部42Lに対応しては、1つの実行エリアと15の保留エリア(保留第1〜保留第15エリア)とからなり、第2表示部42Rに対応しては、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)とからなる保留記憶手段としての保留球格納エリアH1、H2が設けられている。各保留エリアには、第1契機対応口402又は第2契機対応口403への遊技球の入球履歴に合わせて、当選乱数カウンタC1L,C1R、当選図柄カウンタC2L,C2R及びリーチ乱数カウンタC3L,C3Rの各値が順次格納されるようになっている。なお、本実施形態では、保留球格納エリアH1が相手方情報記憶手段に相当する。
各カウンタについて詳しく説明すると、まず第1表示部42Lに関連する当選乱数カウンタC1Lは、例えば0〜399の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり399)に達した後0に戻る構成となっている。特に当選乱数カウンタC1Lが1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINILの値が当該当選乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINILは、当選乱数カウンタC1Lと同様のループカウンタであり(値=0〜399)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。当選乱数カウンタC1Lは定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が第1契機対応口402に入球したタイミングでRAM503の保留球格納エリアH1に格納される。本実施形態では、当選となる乱数の値の数は4つあり、その値は「34〜37」である。
また、第2表示部42Rに関連する当選乱数カウンタC1Rは、例えば0〜179の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり179)に達した後0に戻る構成となっている。特に当選乱数カウンタC1Rが1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIRの値が当該当選乱数カウンタC1Rの初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIRは、当選乱数カウンタC1Rと同様のループカウンタであり(値=0〜179)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。当選乱数カウンタC1Rは定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が第2契機対応口403に入球したタイミングでRAM503の保留球格納エリアH2に格納される。本実施形態では、当選となる乱数の値の数は60あり、その値は「35〜64、133〜162」である。
当選図柄カウンタC2L,C2Rは、当選の際に可変表示装置42(表示部42L,42R)の変動停止時の図柄を決定するものである。当選図柄カウンタC2Lには、第1表示部42Lにおいて表示される各図柄列が各10個の第1図柄で構成されていることから、10個(0〜9)のカウンタ値が用意されている。当選図柄カウンタC2Rは、第2表示部42Rにおいて図柄が10通り設定されていることから、10個(0〜9)のカウンタ値が用意されている。すなわち、当選図柄カウンタC2L,C2Rは、0〜9の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり9)に達した後0に戻る構成となっている。当選図柄カウンタC2L,C2Rは定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が第1契機対応口402、第2契機対応口403に入球したタイミングでRAM503のそれぞれに対応する保留球格納エリアH1、H2に格納される。
また、リーチ乱数カウンタC3L,C3Rは、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、リーチ乱数カウンタC3L,C3Rによって、「極めて惜しいリーチ」や、「やや惜しいリーチ」や、リーチ発生しない「完全外れ」を抽選することとしており、例えば、C3=0,1が極めて惜しいリーチに該当し、C3=2〜21がやや惜しいリーチに該当し、C3=22〜238が完全外れに該当する。なお、リーチの抽選は、可変表示装置42(表示部42L,42R)の抽選確率の状態や変動開始時の始動保留球数N等に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。リーチ乱数カウンタC3L,C3Rは定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が第1契機対応口402、第2契機対応口403に入球したタイミングでRAM503のそれぞれに対応する保留球格納エリアH1、H2に格納される。
また、変動種別カウンタCS1L,CS1R,CS2L,CS2Rのうち、一方の変動種別カウンタCS1L,CS1Rは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2L,CS2Rは、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1L,CS1Rを「第1変動種別カウンタ」、CS2L,CS2Rを「第2変動種別カウンタ」ともいう。第1変動種別カウンタCS1L,CS1Rによって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、表示部42L、42Rにおける図柄のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2L,CS2Rによって、リーチ発生後に最終停止図柄(本実施形態では例えば中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動時間)などより細かな図柄変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1L,CS1R,CS2L,CS2Rを組み合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。また、第1変動種別カウンタCS1L,CS1Rだけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1L,CS1Rと停止図柄とを組み合わせて同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。
さて、本実施の形態では、第2表示部42Rにおいて変動表示が当選図柄で確定停止表示された場合、第1表示部42Lにおける変動表示の変動時間(変動表示時間)が短縮されるよう構成されている。より詳しくは、第1表示部42Lに関しては、取得された第2変動種別カウンタCS2L値に基づいて変動時間を決定する際に参照される変動テーブルが2種類設定されており、通常時においては「通常変動テーブル」が参照され、第2表示部42Rにおいて変動表示が当選図柄で確定停止表示された場合には「ショート変動テーブル」が参照されるようになっている。本実施の形態では、「通常変動テーブル」が参照された場合の変動表示時間は4〜8秒の間となるように設定されている。一方、「ショート変動テーブル」が参照された場合の変動表示時間は、0.5〜1秒の間となるように設定されている。このように、「ショート変動テーブル」と「通常変動テーブル」とが設けられることで、変動表示時間の組み分けを確実に行うことができる。なお、本実施形態では、「ショート変動テーブル」が短縮記憶情報群に相当し、「通常変動テーブル」が通常記憶情報群に相当する。
また、第1表示部42Lに関しては、取得された第1変動種別カウンタCS1Lの値に基づいて、リーチ種別やその他大まかな図柄変動態様を決定する際に参照されるパターンテーブルについても、通常時と第2表示部42Rにおいて変動表示が当選図柄で確定停止表示された場合とで2種類(通常パターンテーブル、ショートパターンテーブル)設定されており、通常時と第2表示部42Rにおいて変動表示が当選図柄で確定停止表示された場合とでは異なるパターンテーブルが参照されるようになっている。また、例えば、通常時の長い変動表示時間にマッチするような図柄変動態様が、「ショート変動テーブル」が参照された際の短い変動表示時間となる変動表示において行われると、本来行われるはずの演出等がカットされるばかりか、変動表示中である図柄が不意に停止するといった違和感のある図柄変動態様が導出されるおそれがある。或いは、変動表示時間が短縮されたときにマッチするような図柄変動態様が、「通常変動テーブル」が参照された際の比較的長い変動表示時間となる変動表示において行われると、図柄が停止しているにもかかわらず、変動表示が終了しない(次変動が開始されない)といった違和感のある図柄変動態様が導出されるおそれがある。その点、本実施形態では、「ショート変動テーブル」と「通常変動テーブル」とにそれぞれ対応するようにして、「ショートパターンテーブル」と「通常パターンテーブル」とがそれぞれ設けられているため、上記した違和感のある図柄変動態様が導出されてしまうおそれを防止することができる。
なお、第2表示部42Rに関しては、状態によって変動表示時間が短縮されることはなく、変動表示時間は常に4〜8秒の間となるように設定されており、また、リーチ種別やその他大まかな図柄変動態様の決定に際しては、常に同一のパターンテーブルが参照されるようになっている。
変動種別カウンタCS1L,CS1R,CS2L,CS2Rは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、可変表示装置42による図柄(第1図柄、第2図柄)の変動開始時における変動パターン決定に際してCS1L,CS1R,CS2L,CS2Rのバッファ値が取得される。
各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、可変表示装置42(表示部42L、42R)の当落抽選が外れとなった時に図柄の停止図柄(外れ図柄)を決定するためのものであり、例えば第1表示部42Lにおける各列では10の第1図柄の何れかが表示されることから、各々に10個(0〜9)のカウンタ値が用意されている。例えば、第1表示部42Lでは、外れ図柄カウンタCLにより上図柄列の停止図柄が決定され、外れ図柄カウンタCMにより中図柄列の停止図柄が決定され、外れ図柄カウンタCRにより下図柄列の停止図柄が決定される。また、第2表示部42Rでは、外れ図柄カウンタCLにより左図柄列の停止図柄が決定され、外れ図柄カウンタCMにより中図柄列の停止図柄が決定され、外れ図柄カウンタCRにより右図柄列の停止図柄が決定される。
本実施形態では、CPU501に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する構成としている。すなわち、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果が最大値を超えた場合には所定数(例えば10)減算されて今回値が決定される。各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして通常処理内で更新され、それら外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが、RAM503の極めて惜しい外れリーチ図柄バッファ、リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。そして、表示部42L,42R毎に、図柄(第1図柄、第2図柄)の変動開始時における変動パターン決定に際し、リーチ乱数カウンタC3L,C3Rの値に応じて極めて惜しいリーチ図柄バッファ、リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかのバッファ値が取得される。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、当選乱数カウンタC1L,C1R、リーチ乱数カウンタC3L,C3R、変動種別カウンタCS1L,CS1R,CS2L,CS2Rの大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
但し、本実施形態において、主制御装置261は、遊技者に対し、射幸心をあおるのを抑制するべく、比較的長期間及びそれよりも短い所定の期間における遊技球の払出性能に所定の制限を課すよう構成されている。例えば、1分間に100個の遊技球が発射されるとして、所定の長期間(第1の所定時間)発射を継続して行った場合において、遊技者に払い出される遊技球の総数が発射した遊技球の総数の50%を超え、かつ、200%未満となるよう構成されている。また、第1の所定時間よりも短い短期間(例えば第1の所定時間の10分の1の時間)発射を継続して行った場合において、遊技者に払い出される遊技球の総数が発射した遊技球の総数の300%未満となるよう構成されている。つまり、比較的短期間であっても、払い出される遊技球数が著しく多くなりすぎることをも抑制するよう構成されている。
その他、主制御装置261には、大当たり中のラウンド回数をカウントするラウンドカウンタ、第1入賞口411への遊技球の入賞個数をカウントする入賞カウンタ、変動表示の保留回数をカウントする保留カウンタ等の各種計数カウンタが設定されている。加えて、第1表示部42L及び第2表示部42Rにおける変動表示が開始されてから確定停止表示されるまでの残り時間(残り変動時間)を計測する第1及び第2変動時間カウンタ等が設定されている。
次いで、主制御装置261内のCPU501により実行される各制御処理を図23〜図36のフローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停止信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上ここでは、先ずはじめにタイマ割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後でメイン処理を説明する。
図30は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置261のCPU501により例えば2msec毎に実行される。
図30において、先ずステップS601では、各種スイッチ221〜225等の読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ221〜225等(但し、RAM消去スイッチ323を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチ221〜225等の状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
ここで、読み込みの度に、特定領域スイッチ222及びカウントスイッチ223に関し同時にオフ状態が構成されているか否か、4つの入賞口スイッチ221、及び、第2契機スイッチ224、第1契機スイッチ225に関し、同時にオフ状態が構成されているか否かを判定する。そして、同時オフ状態が2回続けて判定された場合には、不正が行われた(共通コネクタが取り外された)蓋然性が極めて高いものとして、異変信号を出力し、音声ランプ制御装置262を介して、警告音を発せしめるとともに、ランプ(別途設けたものであってもよいし、トップランプ等)で異変を報知せしめる。また、これとともに、その旨を外部出力信号として、ホールコンピュータに送信する。
その後、ステップS602では、乱数初期値カウンタCINIL,CINIRの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIL,CINIRをそれぞれ1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIL,CINIRの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。また、続くステップS603では、当選乱数カウンタC1L,C1R、当選図柄カウンタC2L,C2R及びリーチ乱数カウンタC3L,C3Rの更新を実行する。具体的には、当選乱数カウンタC1L,C1R、当選図柄カウンタC2L,C2R及びリーチ乱数カウンタC3L,C3Rをそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1L〜C3L,C1R〜C3Rの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップS604では、第1契機対応口402への入球に伴う第1始動入賞処理を行い、ステップS605では、第2契機対応口403への入球に伴う第2始動入賞処理を実行する。
第1始動入賞処理を図31(a)のフローチャートにより説明すると、ステップS701aでは、遊技球が第1契機対応口402に入球したか否かを第1契機スイッチ225の検出情報により判別する。遊技球が第1契機対応口402に入球したと判別されると、続くステップS702aでは、可変表示装置42の第1表示部42Lに対応する始動保留球数NLが上限値(本実施形態では15)未満であるか否かを判別する。遊技球が第1契機対応口402に入球し、且つ始動保留球数NL<15であることを条件にステップS703aに進み、始動保留球数NLを1インクリメントする。第1表示部42Lの始動保留球数NLが上限値未満でない(保留満タンの)場合には、当該第1表示部42Lに関してその後の処理が一旦終了させられる。
また、続くステップS704aでは、第1表示部42Lに関わる乱数を取得する。具体的には、前記ステップS603で更新した当選乱数カウンタC1L、当選図柄カウンタC2L、及びリーチ乱数カウンタC3Lの各値を、RAM503の対応する保留球格納エリアH1の空き記憶エリア(保留エリア)のうち最初のエリアに格納する。
また、本実施形態では、保留球格納エリアH1の他に、ステップS704aで取得された当選乱数カウンタC1Lの値を記憶するための当選乱数記憶エリアが設けられており、ステップS705aにおいて、当選乱数カウンタC1Lの値が当選乱数記憶エリアにも格納されるようになっている。
第2始動入賞処理を図31(b)のフローチャートにより説明すると、ステップS701bでは、遊技球が第2契機対応口403に入球したか否かを第2契機スイッチ224の検出情報により判別する。遊技球が第2契機対応口403に入球したと判別されると、続くステップS702bでは、第2表示部42Rに対応する始動保留球数NRが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する。第2契機対応口403への入球があり、且つ始動保留球数NR<4であることを条件にステップS703bに進み、始動保留球数NRを1インクリメントする。
また、続くステップS704bでは、第2表示部42Rに関わる乱数を取得する。具体的には、前記ステップS603で更新した当選乱数カウンタC1R、当選図柄カウンタC2R及びリーチ乱数カウンタC3Rの各値を、RAM503の対応する保留球格納エリアH2の空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。そして、当該第2始動入賞処理の後、CPU501は本タイマ割込処理を一旦終了する。
図32は、NMI割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は、主制御装置261のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源断時に実行される。このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。
すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から主制御装置261内のCPU501のNMI端子に出力される。すると、CPU501は実行中の制御を中断して図32のNMI割込み処理を開始する。図32のNMI割込み処理は、主制御装置261のROM502に記憶されている。停電信号SK1が出力された後所定時間は、主制御装置261の処理が実行可能となるように電源部541から電流供給がなされており、この所定時間内にNMI割込み処理が実行される。
図32のNMI割込み処理において、先ずステップS801では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aに退避し、続くステップS802では、スタックポインタの値を同バックアップエリア503aに記憶する。さらに、ステップS803では、電源断の発生情報をバックアップエリア503aに設定し、ステップS804では、電源が遮断されたことを示す電源断通知コマンドを他の制御装置に対して送信する。
ステップS805ではRAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。ステップS806では、RAMアクセスを禁止する。その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
なお、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、停電の発生等による電源断時の払出制御装置311の状態がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。停電信号SK1が出力された後所定時間は、払出制御装置311の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされるのも同様である。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMI端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断して図32のNMI割込み処理を開始する。その内容は図32に関して説明した通りである(但し、ステップS804の電源断通知コマンドの送信は除く)。
また、図23は、主制御装置261内のCPU501により実行されるメイン処理の一例を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ずはじめに、ステップS101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置262,払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。また、ステップS102では、払出制御装置311に対して払出許可コマンドを送信し、続くステップS103では、RAMアクセスを許可する。
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS104では、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、続くステップS105では、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。また、ステップS106ではRAM判定値を算出し、続くステップS107では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時に初期状態に戻したい場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS114等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(ステップS114等)に移行する。つまり、ステップS114ではRAM503の使用領域を0にクリアし、続くステップS115ではRAM503の初期化処理を実行する。また、ステップS116では割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS108では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS109では、電源断の発生情報をクリアする。ステップS110では、サブ側の制御装置を電源断時の遊技状態に復帰させるためのコマンドを送信し、ステップS111では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる。さらに、ステップS112,S113では、割込み許可/不許可を電源断前の状態に復帰させた後、電源断前の番地へ戻る。
次に、通常処理の流れを図24のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S207の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。なお、本実施形態では、第1表示部42Lと第2表示部42Rとでそれぞれ独立した抽選に基づく変動表示が行われるよう構成されているため、当該通常処理については第1表示部42L、第2表示部42Rのそれぞれについて個別に行われるようになっている。
図24において、先ずステップS201では、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する外部出力処理が行われる。当該外部出力処理を、図25を参照しつつ説明すると、まず、ステップS2011では、入賞検知情報の有無を判別する。入賞検知情報があれば、ステップS2012に進み、払出制御装置311に対して獲得遊技球数に対応する賞球払出コマンドを送信する。ステップS2011において入賞検知情報がないと判別された場合、或いはステップS2012において賞球払出コマンドを送信した後には、ステップS2013に進み、可変表示装置42による第1図柄及び第2図柄の変動表示に際して停止図柄コマンド、変動パターンコマンド、確定コマンド等を表示制御装置45に送信する。この場合、各表示部42L,42R毎に、各コマンドを送信する。ちなみに、第1表示部42Lに関しては、第1図柄の変動開始後において、変動パターンコマンド→上図柄列の停止図柄コマンド→下図柄列の停止図柄コマンド→中図柄列の停止図柄コマンドの順で通常処理の都度1つずつ(すなわち、4msec毎に1つずつ)コマンドが送出され、変動時間経過の所定タイミングで確定コマンドが送出されるようになっている。一方、第2表示部42Rに関しては、第2図柄の変動開始後において、変動パターンコマンド→左図柄列の停止図柄コマンド→右図柄列の停止図柄コマンド→中図柄列の停止図柄コマンドの順で通常処理の都度1つずつ(すなわち、4msec毎に1つずつ)コマンドが送出され、変動時間経過のタイミングで確定コマンドが送出されるようになっている。
次に、ステップS2014において、当選乱数カウンタC1Lの値を格納(記憶)するための前記当選乱数記憶エリアに、当選乱数カウンタC1Lの値が格納されているか否かを判別する。ここで肯定判別された場合には、ステップS2015において、当該格納されている当選乱数カウンタC1Lの値をコマンド情報として表示制御装置45に送信する。つまり、第1表示部42Lに対応した当落に関する情報に関しては、第1契機対応口402に入球があった時点で表示制御装置45に送信されるようになっている。続いて、ステップS2016に進み、当選乱数記憶エリアに格納されている情報を消去し、本処理を終了する。また、ステップS2014において否定された場合には、そのまま本処理を終了する。
また、停止図柄コマンド、変動パターンコマンド、確定コマンド等を入力した表示制御装置45は、かかる各種コマンドに基づいて、可変表示装置42(表示部42L,42R)の表示態様を決定し、該表示態様を可変表示装置42(表示部42L,42R)において表示するようになっている。
より詳しくは、第1表示部42L、第2表示部42R毎にそれぞれ対応する停止図柄コマンド、変動パターンコマンド、確定コマンド等を入力した表示制御装置45は、表示部42L,42Rにおいて、各コマンドに対応する画像を表示制御する。具体的に、表示制御装置45は、第1表示部42Lに対応するコマンドを受けると、当該コマンドに基づく画像を第1のレイヤに書き込み、第2表示部42Rに対応するコマンドを受けると、当該コマンドに基づく画像を第2のレイヤに書き込む。また、本実施形態では、第1表示部42Lに関して変動表示が保留された場合(当選乱数カウンタC1Lの値がコマンド情報として送信されてきた場合)には、保留表示キャラクタ46Lを第3のレイヤに書き込む。そして、第1〜第3のレイヤを併せて表示することにより、遊技者に視認される画像が構成されるようになっている(図39参照)。
本実施形態における各レイヤは、第1表示部42L、第2表示部42Rに対応したいわば独自性を有するものであり、従来から行われているような背景用のレイヤとか、図柄用のレイヤとかといった性質のものではなく、それぞれがそれぞれに対応したコマンドにより独立して変動表示させられるものである。
次に、ステップS202では、変動種別カウンタCS1L,CS1R,CS2L,CS2Rの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCS1L,CS1R,CS2L,CS2Rを1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1L,CS1R,CS2L,CS2Rの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。続くステップS203では、各図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新を実行する。
各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理を詳しく説明すると、図26に示すように、ステップS301では、外れ図柄カウンタCL(第1表示部42Lに関しては上図柄列に対応)の更新時期か否かを判別し、ステップS302では、外れ図柄カウンタCM(第1表示部42Lに関しては中図柄列に対応)の更新時期か否かを判別する。そして、その更新時期(ステップS301がYES)であればステップS303に進み、外れ図柄カウンタCLを更新する。また、ステップS302において肯定判定された場合にはステップS304に進み、外れ図柄カウンタCMを更新する。さらに、ステップS301、S302において共に否定判定された場合にはステップS305に進み、外れ図柄カウンタCR(第1表示部42Lに関しては下図柄列に対応)を更新する。ステップS303〜S305の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新に際しては、前回のカウンタ値にRレジスタの下位3ビットの値を加算すると共にその加算結果が最大値を超えた場合に所定数を減算し、その演算結果を外れ図柄カウンタCL,CM,CRの今回値とする。
上記CL,CM,CRの更新処理によれば、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRが1回の通常処理で1つずつ順に更新され、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより、通常処理を3回実行する毎に外れ図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新されるようになっている。
その後、ステップS306では、上記更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせがリーチ図柄に対応しているか否かを判別し、リーチ図柄に対応している場合、さらにステップS307では、それが極めて惜しい外れリーチであるか否かを判別する。外れ図柄カウンタCL,CM,CRが極めて惜しい外れリーチに対応している場合、ステップS308に進み、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをRAM503の極めて惜しい外れリーチ図柄バッファに格納する。外れ図柄カウンタCL,CM,CRが極めて惜しい外れリーチに対応していない場合には、ステップS309に進み、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをRAM503のリーチ図柄バッファに格納する。
また、リーチ図柄以外に対応している場合、ステップS310では、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが外れ図柄に対応しているか否かを判別し、外れ図柄の組み合わせになっていれば、ステップS311に進み、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをRAM503の外れ図柄バッファに格納する。なお、ステップS306、S310が共にNOの場合は(例えば第1表示部42Lに関しては上・中・下で図柄が揃っている)大当たりの状態に相当するが、その場合、外れ図柄カウンタCL,CM,CRをバッファに格納することなくそのまま本処理を終了する。
外れ図柄カウンタの更新処理の後、図24のステップS204では、払出制御装置311より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込む。その後、ステップS205では、可変表示装置42による図柄の変動表示を行うための図柄変動処理を実行する。当該処理についても第1表示部42L、第2表示部42Rのそれぞれについて行われるものである。この図柄変動処理により、表示部42L、42Rにおける当落判定や図柄の変動パターンの設定などが行われる。但し、図柄変動処理の詳細は後述する。
その後、ステップS206では、第1入賞口411を開放又は閉鎖するための第1入賞口開閉処理を実行する。ここでは、まず大当たり状態中であるか否か(第2入賞口432に入賞があったか否か)を判別する。大当たり状態中である場合においては、大当たり時第1入賞口開閉処理に移る。すなわち、大当たり状態のラウンド毎に第1入賞口411を開放し、第1入賞口411の最大開放時間が経過したか、又は第1入賞口411に遊技球が規定数だけ入賞したかを判別する。そして、これら何れかの条件が成立すると第1入賞口411を閉鎖する。このとき、ラウンド中に遊技球が第2入賞口432に入賞したことを条件に第1入賞口411の連続開放を許容し、これを所定ラウンド数繰り返し実行する。
一方、大当たり状態中でない場合には、第1表示部42Lにおいて当選状態となるか否か(当選図柄が行われるか否か)を判別し、当選状態となる場合においては通常時第1入賞口開閉処理を行う。すなわち、遊技球の第1契機対応ゲート402への通過に起因して変動表示される第1表示部42Lにおいて当選図柄が表示された場合、第1入賞口411を所定時間だけ開放させる制御を実行する。本実施形態では、大当たり状態中以外のときの第1入賞口411の開放時間は10秒間に設定されている。
ステップS207では、第2入賞口432開閉制御を実行する。ここでは、まず大当たり状態中であるか否かを判別する。大当たり状態中である場合においては、第2電動役物431が所定間隔毎に開閉を繰り返すような処理を実行する。さらに、大当たり状態の各ラウンド中においてはVストッパー442を遊技盤30の面上に突出させ、各ラウンドの終了時にVストッパー442を引っ込めるような処理を実行する。ラウンド中において遊技球がVストッパー442上に保留されていれば、当該遊技球がラウンド終了直後に第2入賞口432に入賞し、ラウンドが継続されることとなる。
一方、大当たり状態中でない場合には、第2表示部42Rにおいて当選状態となるか否かを判別する。当選状態となる場合には、第2電動役物431(可動羽435)が所定時間開放される。つまり、第2契機対応口403への入球に起因して変動表示される第2表示部42Rにおいて当選図柄が表示された場合、入賞路434が所定時間だけ開放され、第2入賞口432に入賞しやすい状態となる。本実施形態では、大当たり状態中以外のときの入賞路434の開放時間は10秒間に設定されている。すなわち、通常時における第2入賞口432の開放時間が10秒間に設定されている。
その後、ステップS208では、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判別する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINIL,CINIR及び変動種別カウンタCS1L,CS1R,CS2L,CS2Rの更新を繰り返し実行する(ステップS209,S210)。つまり、ステップS209では、乱数初期値カウンタCINIL,CINIRの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIL,CINIRを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIL,CINIRの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
また、ステップS210では、変動種別カウンタCS1L,CS1R,CS2L,CS2Rの更新を実行する(前記ステップS202と同様)。具体的には、変動種別カウンタCS1L,CS1R,CS2L,CS2Rを1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1L,CS1R,CS2L,CS2Rの変更値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS201〜S207の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIL,CINIRの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINIL,CINIR(すなわち、当選乱数カウンタC1L,C1Rの初期値)をランダムに更新することができるようになる。
次に、前記ステップS205の図柄変動処理を簡単に説明する。但し、図27に示す図柄変動処理ルーチンは、第1表示部42L、第2表示部42Rそれぞれについて行われるものである。ここでは、例えば、図27に示す処理が、第2表示部42Rに関するものであるとして、処理を説明する。
まず、ステップS401において今現在、大当たり状態中(大当たり表示中)又は第2表示部42Rにおいて当選表示中であるか否かを判別する。なお、大当たり状態中には、大当たりの際に可変表示装置42で表示される特別遊技動画の表示中と特別遊技動画終了後の所定時間の最中とが含まれる。続くステップS402では、第2表示部42Rにおいて図柄変動表示中であるか否かを判別する。そして、大当たり中でなく、さらに第2表示部42Rで当選表示中、図柄変動表示中でもない場合、ステップS403に進み、第2表示部42Rに対応する各始動保留球数NRが0よりも大きいか否かを判別する。このとき、大当たり状態中、当選表示中、図柄変動表示中であるか、又は第2表示部42Rに対応する始動保留球数NRが0である場合、そのまま本処理を終了する。
また、大当たり状態中、当選表示中、図柄変動表示中の何れでもなく且つ始動保留球数NR>0であれば、ステップS404に進む。ステップS404では、始動保留球数NRを1減算する。ステップS405では、保留球格納エリアH2に格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、表示部42L、42Rにおいて取得された各カウンタ値に基づく変動表示を実行させるための変動開始処理を行うのであるが、本実施の形態では、第1表示部42Lに関する変動開始処理と、第2表示部42Rに関する変動開始処理とでは異なる制御が行われるようになっている。そのため、ステップS406では、第1表示部42Lに対応しているか否かを判別する。ここで、肯定された場合にはステップS407Aに進み第1変動開始処理を実行し、否定された場合にはステップS407Bに進み第2変動開始処理を実行する。
さて、第1変動開始処理及び第2変動開始処理について、図面を参照しつつ説明していくが、便宜上、まず第2変動開始処理について図29を参照しつつ説明する。
まず、ステップS501Bでは、保留球格納エリアH2の実行エリアに格納されている当選乱数カウンタC1Rの値に基づいて当選か否かを判別する。
ステップS501Bにおいて当選であると判別された場合、ステップS502Bでは、保留球格納エリアH2の実行エリアに格納されている当選図柄カウンタC2Rの値に対応する図柄、すなわち当選図柄を図示しないテーブル(当選図柄カウンタC2Rの値と図柄との対応関係を表すテーブル)に基づいて求め、その図柄を停止図柄コマンドに設定する。このとき、停止図柄コマンドには当選図柄カウンタC2Rの数値0〜9に対応する10通りの当選図柄の何れかが設定される。
次に、ステップS5031Bで、当選時における変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタ,CS1R,CS2Rの値を確認し、第1変動種別カウンタCS1R、第2変動種別カウンタCS2Rの値に基づいて図柄変動態様を決定する。
その後、ステップS5032Bに進み、第1表示部42Lに対応する保留球格納エリアH1のうち、各種情報(各カウンタ値)が格納されている保留エリアに対して、第2表示部42Rにおいて当選図柄が確定停止表示される旨の情報を追加格納してから本処理を終了する。
一方、ステップS501Bで当選ではないと判別された場合には、ステップS504Bで、保留球格納エリアH2の実行エリアに格納されているリーチ乱数カウンタC3Rの値に基づいてリーチ発生か否かを判別し、リーチ発生の場合、さらにステップS505Bで、同じくリーチ乱数カウンタC3Rの値に基づいて極めて惜しい外れリーチであるか否かを判別する。本実施形態では、リーチ乱数カウンタC3Rの値は0〜238の何れかであり、そのうち「0,1」が極めて惜しい外れリーチに該当し、「2〜21」が外れリーチに該当し、「22〜238」がリーチなし(完全外れ)に該当する。
ステップS505Bにおいて極めて惜しい外れリーチであると判別された場合、ステップS506Bに進み、RAM503の極めて惜しいリーチ図柄バッファに格納されている各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各値を停止図柄コマンドに設定する。
また、ステップS507Bでは、極めて惜しい外れリーチ時における変動パターン(例えば、スーパーリーチ、プレミアムリーチ)を決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、前記ステップS503Bと同様に、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1R,CS2Rの値を確認し、変動種別カウンタCS1R、CS2Rの値に基づいて図柄変動態様を決定する。
また、ステップS505Bで極めて惜しい外れリーチではないと判別された場合、ステップS508Bに進み、RAM503の外れリーチ図柄バッファに格納されている各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各値を停止図柄コマンドに設定する。
また、ステップS509Bでは、外れリーチ時における変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1R,CS2Rの値に基づいて変動パターンが決定されるのは前記ステップS503Bと同様である。
また、ステップS504Bでリーチではないと判別された場合、すなわち当選するでもなくリーチでもない場合、ステップS510Bに進み、RAM503の完全外れ図柄バッファに格納されている各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各値に基づき外れ図柄を停止図柄コマンドに設定する。また、ステップS511Bでは、完全外れ時における変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、リーチ発生しないことで、遊技者の興味は薄れ、多様な図柄変動態様は要求されない。そこで本実施形態では、ステップS511Bにおいて、第1変動種別カウンタCS1Rだけを用いて(すなわち第2変動種別カウンタCS2Rを使わずに)図柄変動態様を決定する。上記の通り大当たり時、リーチ発生時、リーチ非発生時のそれぞれで停止図柄コマンド及び変動パターンコマンドの設定が完了すると、本処理を終了する。
続いて、第1変動開始処理について、図28を参照しつつ説明する。
まず、ステップS501Aでは、保留球格納エリアH1の実行エリアに格納されている当選乱数カウンタC1Lの値に基づいて当選か否かを判別する。
ステップS501Aにおいて当選であると判別された場合、ステップS502Aでは、保留球格納エリアH1の実行エリアに格納されている当選図柄カウンタC2Lの値に対応する図柄、すなわち当選図柄を図示しないテーブル(当選図柄カウンタC2Lの値と図柄との対応関係を表すテーブル)に基づいて求め、その図柄を停止図柄コマンドに設定する。このとき、停止図柄コマンドには当選図柄カウンタC2Lの数値0〜9に対応する10通りの当選図柄の何れかが設定される。
次に、当選時における変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定するのであるが、本実施の形態では、通常時と、第2表示部42Rにおいて当選図柄が確定停止表示される場合とでは異なる図柄変動態様が選択されるようになっている。
より詳しくは、まずステップS5031Aで、保留球格納エリアH1の実行エリアに、前記第2表示部42Rにおいて当選図柄が確定停止表示される旨の情報が格納されているか否かを判別する。ここで肯定された場合には、ステップS5032Aに進み、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタ,CS1L,CS2Lの値を確認し、第1変動種別カウンタCS1L、第2変動種別カウンタCS2Lの値に基づいて、ショートパターンテーブル、ショート変動テーブルを参照しつつ図柄変動態様を決定して本処理を終了する。この場合、第1表示部42Lにおける変動表示が短縮されることとなる。一方、ステップS5031Aで、否定された場合には、ステップS5033Aに進み、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタ,CS1L,CS2Lの値を確認し、第1変動種別カウンタCS1L、第2変動種別カウンタCS2Lの値に基づいて、通常パターンテーブル、通常変動テーブルを参照しつつ図柄変動態様を決定して本処理を終了する。なお、図柄変動態様の決定に際しては、まず、第2変動種別カウンタCS2Lの値に基づいて変動表示時間が決定され、次に、当該決定された変動表示時間及び第1変動種別カウンタCS1Lの値に基づいて、図柄変動態様を決定するようになっている。
一方、ステップS501Aで当選ではないと判別された場合には、ステップS504Aで、保留球格納エリアH1の実行エリアに格納されているリーチ乱数カウンタC3Lの値に基づいてリーチ発生か否かを判別し、リーチ発生の場合、さらにステップS505Aで、同じくリーチ乱数カウンタC3Lの値に基づいて極めて惜しい外れリーチであるか否かを判別する。本実施形態では、リーチ乱数カウンタC3Lの値は0〜238の何れかであり、そのうち「0,1」が極めて惜しい外れリーチに該当し、「2〜21」が外れリーチに該当し、「22〜238」がリーチなし(完全外れ)に該当する。
ステップS505Aにおいて極めて惜しい外れリーチであると判別された場合、ステップS506Aに進み、RAM503の極めて惜しいリーチ図柄バッファに格納されている各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各値を停止図柄コマンドに設定する。
次に、極めて惜しい外れリーチ時における変動パターン(例えば、スーパーリーチ、プレミアムリーチ)を決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定するのであるが、本実施の形態では、通常時と、第2表示部42Rにおいて当選図柄が確定停止表示される場合とでは異なる図柄変動態様が選択されるようになっている。
より詳しくは、まずステップS5071Aで、保留球格納エリアH1の実行エリアに第2表示部42Rにおいて当選図柄が確定停止表示される旨の情報が格納されているか否かを判別する。ここで肯定された場合には、ステップS5072Aに進み、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタ,CS1L,CS2Lの値を確認し、第1変動種別カウンタCS1L、第2変動種別カウンタCS2Lの値に基づいて、ショートパターンテーブル、ショート変動テーブルを参照しつつ図柄変動態様を決定して本処理を終了する。この場合、第1表示部42Lにおける変動表示が短縮されることとなる。一方、ステップS5071Aで、否定された場合には、ステップS5073Aに進み、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタ,CS1L,CS2Lの値を確認し、第1変動種別カウンタCS1L、第2変動種別カウンタCS2Lの値に基づいて、通常パターンテーブル、通常変動テーブルを参照しつつ図柄変動態様を決定して本処理を終了する。
また、ステップS505Aで極めて惜しい外れリーチではないと判別された場合、ステップS508Aに進み、RAM503の外れリーチ図柄バッファに格納されている各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各値を停止図柄コマンドに設定する。
次に、外れリーチ時における変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定するのであるが、本実施の形態では、通常時と、第2表示部42Rにおいて当選図柄が確定停止表示される場合とでは異なる図柄変動態様が選択されるようになっている。
より詳しくは、まずステップS5091Aで、保留球格納エリアH1の実行エリアに第2表示部42Rにおいて当選図柄が確定停止表示される旨の情報が格納されているか否かを判別する。ここで肯定された場合には、ステップS5092Aに進み、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタ,CS1L,CS2Lの値を確認し、第1変動種別カウンタCS1L、第2変動種別カウンタCS2Lの値に基づいて、ショートパターンテーブル、ショート変動テーブルを参照しつつ図柄変動態様を決定して本処理を終了する。この場合、第1表示部42Lにおける変動表示が短縮されることとなる。一方、ステップS5091Aで、否定された場合には、ステップS5093Aに進み、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタ,CS1L,CS2Lの値を確認し、第1変動種別カウンタCS1L、第2変動種別カウンタCS2Lの値に基づいて、通常パターンテーブル、通常変動テーブルを参照しつつ図柄変動態様を決定して本処理を終了する。
また、ステップS504Aでリーチではないと判別された場合、すなわち当選するでもなくリーチでもない場合、ステップS510Aに進み、RAM503の完全外れ図柄バッファに格納されている各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各値に基づき外れ図柄を停止図柄コマンドに設定する。
次に、完全外れ時における変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定するのであるが、本実施の形態では、通常時と、第2表示部42Rにおいて当選図柄が確定停止表示される場合とでは異なる図柄変動態様が選択されるようになっている。
より詳しくは、まずステップS5111Aで、保留球格納エリアH1の実行エリアに第2表示部42Rにおいて当選図柄が確定停止表示される旨の情報が格納されているか否かを判別する。ここで肯定された場合には、ステップS5112Aに進み、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタ,CS1L,CS2Lの値を確認し、第1変動種別カウンタCS1L、第2変動種別カウンタCS2Lの値に基づいて、ショートパターンテーブル、ショート変動テーブルを参照しつつ図柄変動態様を決定して本処理を終了する。また、ステップS5111Aで、否定された場合には、ステップS5113Aに進み、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタ,CS1L,CS2Lの値を確認し、第1変動種別カウンタCS1L、第2変動種別カウンタCS2Lの値に基づいて、通常パターンテーブル、通常変動テーブルを参照しつつ図柄変動態様を決定して本処理を終了する。上記の通り大当たり時、リーチ発生時、リーチ非発生時のそれぞれで停止図柄コマンド及び変動パターンコマンドの設定が完了すると、本処理を終了する。また、上記の通り、第1変動開始処理においては、第2表示部42Rに関する当選情報があった場合、すなわち、第2表示部42Rにおいて当選図柄が確定停止表示されそうなときには、ショートパターンテーブル、ショート変動テーブルが参照されるようになっている。これにより変動表示が短縮され、第1表示部42Lに関して保留されている変動表示が積極的に消化されることとなる。
先ほどの図柄変動処理の説明に戻り、ステップS402がYES、すなわち当該表示部において図柄の変動表示中である場合には、ステップS408に進み、変動時間が経過したか否かを判別する。このとき、図柄の変動パターンに応じて当該図柄の変動時間が決められており、この変動時間が経過した時にステップS408が肯定判別される。そして、ステップS409では、変動の停止と確認のために設定されている停止図柄を確定コマンドとして設定する。
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。図33は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず始めに、ステップS901では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。また、ステップS902では、主制御装置261から送信される払出許可コマンドを受信するまで待機する。そして、払出許可コマンドを受信した時点でステップS903に進んでRAMアクセスを許可すると共に、ステップS904で外部割込みベクタの設定を行う。
その後、CPU511内のRAM513に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS905では、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、続くステップS906では、RAM513のバックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。また、ステップS907ではRAM判定値を算出し、続くステップS908では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS915等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM513の初期化処理(ステップS915等)に移行する。つまり、ステップS915ではRAM513の全領域を0にクリアし、続くステップS916ではRAM513の初期化処理を実行する。また、ステップS917ではCPU周辺デバイスの初期設定を行うと共に、ステップS918では割込み許可を設定し、後述する払出制御処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS909では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS910では、電源断の発生情報をクリアする。また、ステップS911では、CPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS912では、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる。さらに、ステップS913,S914では、割込み許可/不許可を電源断前の状態に復帰させた後、電源断前の番地へ戻る。
次に、払出制御処理の流れを図34のフローチャートを参照しながら説明する。
図34において、ステップS1001では、主制御装置261からのコマンドを取得し、賞球の総賞球個数を記憶する。ステップS1002では、発射制御装置312に対して発射許可の設定を行う。また、ステップS1003では、状態復帰スイッチ321をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。
その後、ステップS1004では、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する。すなわち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、ステップS1005では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった特、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった特、タンク球無し解除状態の設定を実行する。
その後、ステップS1006では、報知する状態の有無を判別し、報知する状態が有る場合には払出制御装置311に設けた7セグメントLEDにより報知する。
ステップS1007〜S1009では、賞球払出の処理を実行する。この場合、賞球の払出不可状態でなく、且つ前記ステップS1001で記憶した総賞球個数が0でなければ(ステップS1007,S1008が共にNO)、ステップS1009に進み、賞球制御処理(後述する図35)を開始する。また、賞球の払出不可状態、又は総賞球個数が0であれば(ステップS1007、S1008の何れかがYES)、貸球払出の処理に移行する。
その後、ステップS1010〜S1012では、貸球払出の処理を実行する。この場合、貸球の払出不可状態でなく、且つカードユニットからの貸球払出要求を受信していれば(ステップS1010がNO、S1011がYES)、ステップS1012に進み、貸球制御処理(後述する図36)を開始する。また、貸球の払出不可状態、又は貸球払出要求を受信していなければ(ステップS1010がYES又はS1011がNO)、後続の球抜きの処理を実行する。
ステップS1013では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータ358aを駆動させ球抜き処理を実行する。続くステップS1014では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、本払出制御処理の先頭に戻る。
ここで、図35に示す賞球制御処理において、ステップS1101では、払出モータ358aを駆動させて賞球の払出を実行する。続くステップS1102では、払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別する。払出モータ358aの回転が正常でなければ、ステップS1103に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図34の払出制御処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば、ステップS1104に進み、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する。遊技球のカウントが正常でなければ、ステップS1105に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図34の払出制御処理に戻る。
さらに、遊技球のカウントが正常であれば、ステップS1106に進み、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が総賞球個数に達して払出が完了したか否かを判別する。払出が完了していれば、ステップS1107で払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図34の払出制御処理に戻る。
また、図36に示す貸球制御処理において、ステップS1201では、払出モータ358aを駆動させて貸球の払出を実行する。続くステップS1202では、払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別する。払出モータ358aの回転が正常でなければ、ステップS1203に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図34の払出制御処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば、ステップS1204に進み、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する。遊技球のカウントが正常でなければ、ステップS1205に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図34の払出制御処理に戻る。
さらに、遊技球のカウントが正常であれば、ステップS1206に進み、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が所定の貸球個数(25個)に達して払出が完了したか否かを判別する。払出が完了していれば、ステップS1207で払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図34の払出制御処理に戻る。
さて、第1始動入賞処理(図31(a)参照)において、当選乱数記憶エリアに当選乱数カウンタC1L値が格納された場合には、その直後に行われる通常処理の外部出力処理(図24参照)において、当選乱数記憶エリアに格納された当選乱数カウンタC1L値がコマンド情報として表示制御装置45に送信されることは既に述べた。さらに、第3表示部42Bにおいて表示される保留表示キャラクタ46Lは、保留されている変動表示の内容によって表示態様(キャラクタの種類)が異なるよう構成されていることも既に述べた。ここで、主制御装置261から情報が送信される側の、表示制御装置45の構成及び制御内容について説明する。
本実施形態における表示制御装置45には、第1表示部42Lに対応するようにして、1つの消去エリアと15の保留エリア(保留第1〜保留第15エリア)とからなる表示保留エリアが設けられている。当該保留第1〜第15エリアには、主制御装置261からの送信履歴、すなわち第1契機対応口402への遊技球の入球履歴に合わせて、当選乱数カウンタC1Lの値に基づいた当落に関する情報が順次格納されるようになっている。
また、表示制御装置45は、保留されている変動表示の当落情報を第3表示部42Bにおいて教示するか否かの抽選に使用する教示乱数カウンタを備えている。教示乱数カウンタは定期的に更新され、その更新値がワークRAM523の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。
次に、主制御装置261から当選乱数カウンタC1Lの値のみが送信されてきた場合の、表示制御装置45の保留判定処理について、図37を参照しつつ説明する。まず、ステップS1301において当落判別処理が行われる。当処理では、主制御装置261から送信されてきた当選乱数カウンタC1Lの値が当選に対応する値であるか否かが判別される。次に、ステップS1302において、当落教示判別処理が行われる。当処理では、変動表示の当落を保留ランプ46Lにおいて教示するか否かが判別される。
本実施形態では、ステップS1301において、当選乱数カウンタC1Lの値が当選に対応する値であると判別された場合とそうでない場合とでは、ステップS1302における当落を教示するか否かの決定に際し、異なるテーブルが参照されるようになっている。より詳しくは、ステップS1301において、当選乱数カウンタC1Lの値が当選に対応する値であると判別された場合、ステップS1302において、教示乱数カウンタの値に基づいて、図38(a)に示す「当選時教示テーブル」を参照しつつ、当選となる旨を教示するか否かが決定される。当該「当選時教示テーブル」が参照された場合には、図38(a)にその対応関係を示すように、教示乱数カウンタの値が0〜79のときに当選となる旨を教示することが決定され、教示乱数カウンタの値が80〜99のときに当選となる旨を教示しないことが決定される。つまり、当選となる変動表示が保留された場合には、80%という比較的高い確率でその旨が教示されることとなる。
一方、ステップS1301において、当選乱数カウンタC1Lの値が当選に対応する値ではないと判別された場合、ステップS1302において、教示乱数カウンタの値に基づいて、図38(b)に示す「外れ時教示テーブル」を参照しつつ、外れとなる旨を教示するか否かが決定される。当該「外れ時教示テーブル」が参照された場合には、図38(b)にその対応関係を示すように、教示乱数カウンタの値が0〜59のときに外れとなる旨を教示することが決定され、教示乱数カウンタの値が60〜99のときに外れとなる旨を教示しないことが決定される。つまり、外れとなる変動表示が保留された場合には、60%の確率で外れとなる旨が教示され、残り40%の確率で教示されないこととなる。
その後、ステップS1303において、当落の情報、及びその旨を教示するか否かの情報を、表示記憶エリアの空き保留エリアのうちの最初のエリアに格納するとともに、ステップS1304において、当該各情報に基づいて、第3表示部42Bの対応する位置に保留表示キャラクタ46Lを表示させる。本実施形態では、当選となる変動表示が保留されていることを教示する場合には「人間(羊飼い)」が表示され、外れとなる変動表示が保留されていることを教示する場合には「豚」が表示され、保留された変動表示に関して当落結果を教示しない場合には「羊」が表示されるようになっている。また、保留表示キャラクタ46Lは、表示記憶エリアに情報が記憶される毎に、第3表示部42Bの左側から順次表示されるようになっている。つまり、第3表示部42Bにおいて表示される各保留表示キャラクタ46Lは、左側から順に保留第1エリア,保留第2エリア,保留第3エリア・・・保留第15エリアに対応するようになっている。
なお、表示制御装置45に関しても、主制御装置261における当落の決定に際して参照されるテーブルと同様のテーブルが設定されており、当落の判定(ステップS1301)に際しては、当該テーブルが参照されるようになっている。また、本実施形態では、表示制御装置45が保留時成否判定手段、教示決定手段、保留内判定手段、教示制御手段に相当する。さらに、本実施形態では、当落判別処理が保留時成否判定手段による判定処理に相当し、当落教示判別処理が教示決定手段による決定処理に相当する。
さらに、本実施形態では、表示記憶エリアに対して当選となる旨の情報と当該情報内容を第3表示部42Bにおいて教示する旨の情報とが記憶された場合(「羊飼い」が表示される場合)には、第2表示部42Rにおける第1契機対応口402に遊技球を入球させることを促すための案内表示(図39(a)参照)が、第2契機対応口403に遊技球を入球させることを促すための案内表示(図39(b)参照)に切り替わるよう構成されている。なお、第2契機対応口403に遊技球を入球させることを促すための案内表示は、(1)前記「羊飼い」に対応する変動表示が当選図柄で確定停止表示されてから2秒が経過する、(2)第2表示部42Rにおいて変動表示が当選図柄で確定停止表示される、又は(3)大当たり状態が発生する、のうち、いずれかの条件が満たされたときに終了する。
また、表示制御装置45は、主制御装置261から第1表示部42Lに関する変動パターンコマンドが送信されてきた際に、表示記憶エリアに格納された情報(データ)をシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、表示記憶エリアの保留第1〜第15エリアに格納されているデータを消去エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→消去エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア・・・保留第15エリア→保留第14エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。消去エリアにまでシフトされたデータは消去されるようになっている。
さらに、表示制御装置45は、前記データシフト処理が行われた際には、シフトされた情報に基づいて第3表示部42Bの表示態様(保留表示キャラクタ46L)を変更するようになっている。すなわち、保留表示キャラクタ46Lが向って左側に移動するかのような表示が行われ、特に、一番左側に表示された保留表示キャラクタ46Lについては、左端に表示されている小屋に入っていくような表示がなされる。
ここで、本遊技機における遊技進行の一態様例について図39を参照しつつ紹介する。
図39(a)に示すように、まず、遊技者は、第2表示部42Rにおける案内表示に従って、第1契機対応口402に遊技球を入球させ、第1表示部42Lの変動表示を開始させようとするとともに、同表示部42Lに関する変動表示を保留させようとする。
そして、図39(b)に示すように、第1表示部42Lにおいて変動表示が保留されているときに、当選となる変動表示が保留された場合には、第3表示部42Bにおいて「羊飼い」が表示される。当該「羊飼い」の表示を認識した時点で、遊技者は第1表示部42Lにおいて変動表示が当選図柄で確定停止表示されることを把握できるので、今度は第2表示部42Rにおいて変動表示を開始させるべく、第2契機対応口403に遊技球を入球させていく。
その後、図39(c)に示すように、第2表示部42Rにおいて変動表示が当選図柄で確定停止表示された場合、第2入賞口432が開放される。また、本実施形態では、第2表示部42Rにおいて変動表示が当選図柄で確定停止表示される場合には、第1表示部42Lにおける変動表示が短縮される(変動表示時間が短くなる)ようになっている。より詳しくは、第2表示部42Rにおいて当選図柄で確定停止表示される変動表示が開始される時点で、第1表示部42L関して保留されている変動表示については、変動表示時間が短縮されるようになっている。従って、第1表示部42Lにおいて、変動表示が積極的に消化されていき、「羊飼い」に対応した変動表示が、第2表示部42Rにおいて変動表示が当選図柄で確定停止表示されたタイミングからそれほど時間を空けずに当選図柄で確定停止表示されることとなる。
以上詳述したように、本実施形態では、遊技球を第1入賞口411に入球させることで、当該遊技球を特別入賞装置401内に入球させることができ、特別入賞装置401内に入球した遊技球が第2入賞口432に入賞することで大当たり状態を発生させることができる。また、第1表示部42Lにおいて変動表示が当選図柄で確定停止表示された場合、第1入賞口411が開放状態とされ、遊技球を特別入賞装置401に比較的容易に入球させることができる。さらに、第2表示部42Rにおいて変動表示が当選図柄で確定停止表示された場合、第2入賞口432が開放状態とされ(入賞路434が開放され、遊技球が第2入賞口432に入賞しやすい状態とされる)、特別入賞装置401内に入球した遊技球が比較的高い割合で第2入賞口432に入賞することとなる。
すなわち、開放された第1入賞口411から特別入賞装置401内に入球した遊技球が第2入賞口432に入賞するためには、そのときに第2入賞口432が開放された状態であることが望ましい。換言すれば、第1入賞口411及び第2入賞口432の開放される期間が重複することで、大当たり状態を発生させやすい状態とすることができる。
本実施形態では、第1入賞口411と第2入賞口432とに関してそれぞれ開放されるか否かの当落抽選が行われ、各抽選の結果が対応する表示部42L、42Rにおいて教示されることとなる。遊技者は、第1表示部42Lにおける変動表示を視認することで第1入賞口411が開放されるのではないかと期待を込めて遊技を行うことができ、第2表示部42Rにおける変動表示を視認することで第2入賞口432が開放されるのではないかと期待を込めて遊技を行うことができる。また、第1表示部42Lと第2表示部42Rとにおいて行われる変動表示を交互に或いは同時に視認することで、それぞれの期待感が相乗されることとなり、その分興趣の向上を図ることができる。
さらに、第1入賞口411と第2入賞口432とが同時期に開放されると、第2入賞口432に入賞しやすく、結果として大当たり状態が発生しやすいといった本遊技機の構成上、第1入賞口411に関する抽選と第2入賞口432に関する抽選とが密接な関係を有することとなる。つまり、第1表示部42Lにおいて行われる変動表示と第2表示部42Rにおいて行われる変動表示との両方の結果(確定停止表示)が総合されて、大当たり状態の発生しやすい状態が付与されるか否かといった抽選結果が教示されることとなる。そのため、単に表示装置を2つ設けた場合とは異なり、互いに関連付けられた第1表示部42Lと第2表示部42Rとにおいて行われる変動表示を視認させることで、遊技者に抑揚のある遊技性を堪能させることができ、興趣の向上を図ることができる。
また、第2入賞口432への入賞しやすさを変えれば、大当たり状態が発生する度合も変わることとなる。さらに、第2入賞口432が特別入賞装置401内に設けられていることにより、特別入賞装置401内への入球しやすさによっても、大当たり状態が発生する度合が変わることとなる。より詳しくは、第1入賞口411及び第2入賞口432が開放される確率、第1入賞口432及び第2入賞口432の大きさ、可動羽435の大きさや形状、入賞開口部221、222の配設位置や大きさ、左右ワープ部413、414の形状等様々な要因に左右される。そのため、大当たり状態を発生させるまでの過程に様々なバリエーションを持たせることができ、そこに様々な面白味を付与することができる。
さらに、例えば、大当たり状態が発生する度合を従来の遊技機とほぼ同じ程度に保つよう構成した場合でも、第1入賞口411及び第2入賞口432が個別に開放される機会が比較的頻繁に生じるよう構成することができる。従って、大当たり状態とまではいかなくとも遊技者にとってわくわくドキドキする状況(第1入賞口411へ入賞すると第2入賞口432又は特定入賞口433に入賞するため、10球の賞球が必ず得られる)が頻繁に訪れることとなり、遊技者は抑揚のある遊技性を十分に堪能することができる。
また、特別入賞装置401内に遊技球が入球した場合は、確実に賞球を受けられることが決定されているうえに、大当たり状態が発生するかもしれないといった期待感を抱くことができる。そのため、遊技者は、特別入賞装置401内に入球するといった大当たり状態を発生させるための第1ステップをクリアした段階において、高揚感を抱きつつ特別入賞装置401内の遊技球の挙動をドキドキしながら視認することとなる。このように、大当たり状態を発生させるまでに、今までにない態様での複数段階の条件を成立させるよう構成することで、大当たり状態の価値を高め、大当たり状態が発生したときの達成感や高揚感等を格別なものとすることができる。
また、本実施形態では、特別入賞装置401内に設けられた第2電動役物431の存在により、第2入賞口432へ遊技球が入球しやすい開状態と、入球困難な閉状態とに切り替えることができる。例えば、第2電動役物432が省略されているような場合には、第2入賞口432へ常に一定の割合で入賞するため、遊技球が特別入賞装置401内に入球したときの期待感は常に一定である。これに対し、本実施形態では、第2電動役物321の状態により、第2入賞口432へ入賞する可能性が大きく異なるため、遊技球が特別入賞装置401内に入球した後も、そのときどきによって遊技者の期待感が大きく様変わりする。特に、特別入賞装置401内に入球した時点で第2入賞口432が開放された状態である場合には、遊技者の大当たり状態の発生に対する期待度が頂点に達し、遊技球の動向に万感の想いを抱くことができる。このように、遊技性に今までにない抑揚を付与することができ、興趣の飛躍的な向上を図ることができる。
加えて、本実施形態では、特別入賞装置401には、第1入賞口411とは別に入賞開口部421、422が設けられており、第1電動役物412が閉状態となっているときであっても、ごく僅かな確率ではあるが特別入賞装置401内に入球可能に構成されている。そのため、第1入賞口411及び第2入賞口432のうち、第2入賞口432のみが開放された場合においても、入賞開口部421、422から特別入賞装置401内に入球させることができれば、比較的高い確率で大当たり状態を発生させることができる。
また、逆に第2電動役物321が閉状態となっているときであっても、ごく僅かな確率ではあるが遊技球が第2入賞口432に入賞可能に構成されている。そのため、第1入賞口411及び第2入賞口432のうち、第1入賞口411のみが開放された場合においても、第1入賞口411及び第2入賞口432がともに開放されたときに比べて大当たり状態を発生させられる可能性は低いものの、大当たり状態を発生させるチャンスは残されている。従って、第1入賞口411又は第2入賞口432のどちらか一方だけが開放されたときにも、遊技者は大当たり状態への期待感を持って遊技を行なうことができる。また、第1入賞口411及び第2入賞口432がともに開放されたときとは異なる遊技性が生じることとなり、結果として、遊技に厚みが増し、興趣の一層の向上につながることとなる。
さて、本遊技機においては、両入賞口411、432が開放される期間が重複されることが望まれるため、第1表示部42L及び第2表示部42Rにおいて同時期に変動表示が行われていることが望ましい。そこで、上記のように構成された本実施形態のパチンコ機10においては、第1表示部42Lに関して変動表示が最大で15回分保留可能に構成され、第2表示部42Rに関して変動表示が最大で4回分保留可能に構成されている。このように、変動表示が保留される構成を採用するうえで、第1表示部42L及び第2表示部42Rのうちの一方の表示部(42L、42R)に関してある程度の変動表示が保留された場合には、当該一方の表示部(42L、42R)において変動表示が途切れる(保留された変動表示が全て消化される)までに、今度は他方の表示部(42R、42L)において変動表示を開始させたり、同表示部(42R、42L)に関して変動表示を保留させたり、或いは、第1、第2表示部42L、42Rにおける変動態様を堪能したりする余裕が生まれる。従って、遊技者は、比較的余裕を持って遊技を行うことができ、遊技を十分に堪能することができる。
特に、本実施形態によれば、第1表示部42Lに関して保留可能な変動表示の数(15回分)が、第2表示部42Rに関して保留可能な変動表示の数(4回分)よりも多く設定されており、第1表示部42Lに関して保留された全ての変動表示が消化されるまでの時間が長くなりやすい。従って、まず先に第1表示部42Lに関して変動表示を保留させていくことで、余裕を持って遊技を行うことができるといった効果を顕著なものとすることができる。
また、第1契機対応口402と第2契機対応口403とが左右に離間して設けられているため、第1表示部42L及び第2表示部42Rにおいてそれぞれ変動表示を開始させるべく遊技球の狙い所を変更する必要が生じる。ここで、狙い所を頻繁に変更するようでは、遊技者の操作負担が増大するとともに、狙い所を変更する際にどちらの契機対応口(402、403)にも向わないいわば無駄球を打たされてしまうおそれがある。この点、本実施形態では変動表示が保留されるよう構成されている。そのため、常には、第1契機対応口402を狙っておいて、第1表示部42Lに関して変動表示がある程度保留された場合に、第2契機対応口403を狙って、第2表示部42Rにおける変動表示を開始させるといった遊技を行っていれば、遊技球の狙い所を変更する頻度を少なくすることができる。結果として、遊技者の操作負担を軽減することができるとともに、無駄球の発生を抑制することができる。
さらに、本実施形態では、第1表示部42Lに対応して保留されている変動表示が当選となるか否かによって第3表示部42Bにおいて表示される保留表示キャラクタ46Lの種類が異なるようになっている。すなわち、第3表示部42Bにおいて「羊飼い」が表示された場合、遊技者は、近いうちに第1表示部42Lにおいて開始される変動表示が当選図柄で確定停止表示されることを認識することができる。そのため、第1表示部42Lにおいて変動表示が当選図柄で確定停止表示されるよりも前に第2契機対応口403へと遊技球の狙い所を変更することができ、遊技者はより余裕を持って第2表示部42Rにおける変動表示を開始させることができる。また、第1表示部42Lにおいて変動表示が当選図柄で確定停止表示される直前になって、慌てて第2表示部42Rにおける変動表示を開始させようとしても、第2契機対応口403への入球に時間がかかってしまって、両入賞口411、432が開放される期間を重複させるチャンスすら得ることができないといったおそれを抑制することができる。結果として、大当たり状態を発生させやすい状態とするチャンスをより確実に得ることができる。
一方、第3表示部42Bにおいて「豚」が表示された場合には、遊技者は、まだ第2表示部42Rにおける変動表示を開始させる段階に至っていないことを認識することができる。そのため、余分な変動表示を行わせるために余分に遊技球を打ち出してしまうといったような不具合を抑制することができる。このように、第1表示部42Lに関して保留されている変動表示の内容が教示されることで、上述した効果、すなわち、常には第1表示部42Lにおいて変動表示を行うことで、頻繁に遊技球の狙い所を変更する必要がなくなり、遊技者の操作負担をより軽減することができるとともに、無駄球の発生をより抑制することができるという効果を一層確実に奏せしめることができる。
特に、本実施形態では、変動表示の最大保留回数の多い第1表示部42Lに関して保留されている変動表示について、その内容が教示可能に構成されていることにより、まず先に第1表示部42Lに関して変動表示を保留させていくことで、遊技球の狙い所を変更する頻度を少なくすることができるといった効果をより顕著なものとすることができる。
また、保留表示キャラクタ46Lは、表示記憶エリアに情報が記憶される毎に、第3表示部42Bの左側から順次表示されるようになっている。すなわち、保留されている複数の変動表示のうち、当選となる変動表示が何番目に保留記憶されているかが教示されるようになっている。このため、遊技者は、当選図柄で確定停止表示される変動表示がいつ開始されるのかを認識することができる。従って、遊技者は、第1表示部42Lにおいて当選図柄で確定停止表示される変動表示に合わせるようにして、第2表示部42Rにおける変動表示を開始させることができる。結果として、大当たり状態を発生させやすい状態とすることができるチャンスを逃してしまうといったおそれをより確実に防止することができる。
加えて、本実施形態では、保留される全ての変動表示について当選となるか否か(当選図柄で確定停止表示されるか否か)を明白にするのではなく、対応する変動表示が開始されてからでないと当選となるか否かが分からない場合もある(第3表示部42Bにおいて「羊」が表示される場合)。従って、保留されている変動表示の当落が教示されることによって、第2表示部42Rにおいて変動表示を開始させるタイミングは計ることはできても、そのことによって遊技性自体が単調なものとなってしまうといったおそれを防止することができ、第1表示部42Lに関しても「果たして今回の変動表示は当選となるのだろうか」といったようなドキドキ感を付与することができる。
また、上記各教示(豚、羊、羊飼い)を、第1図柄及び第2図柄の変動表示が行われる可変表示装置42で行うよう構成したため、別部材が不用となり、部品点数を削減することができる。さらに、第3表示部42Bにおいて、第1表示部42Lに関する変動表示の保留回数が表示されるとともに、当該保留された変動表示の当落に関する情報が教示されるようになっている。そのため、例えば、変動表示の保留回数を表示する装置を設けた上で、別途、保留された変動表示の当落に関する情報を教示するための装置を設けるような必要がなく、部品点数の削減ひいては構成の簡素化を図ることができる。
さらに、本実施形態では、第2表示部42Rにおいて当選図柄で確定停止表示される変動表示が開始される場合、その時点で第1表示部42Lに関して保留されている変動表示については、その変動表示時間が短縮されるようになっている。つまり、第2表示部42Rにおいて変動表示が当選図柄で確定停止表示される場合には、第1表示部42Lにおいて変動表示が積極的に消化されるため、例えば、そのときに第1表示部42Lに関して当選となる変動表示が保留されている場合には、両表示部42L、42Rにおいて変動表示が当選図柄で確定停止表示されるタイミングを近づけることができる。従って、両入賞口411、432が開放される期間を重複させやすくすることができ、結果として、常には第1表示部42Lにおいて変動表示を行わせていけば比較的余裕を持って遊技を行うことができるといった上記効果を一層確実なものとすることができる。
また、例えば、当選となる変動表示が保留されたことが教示された場合でも、遊技者がそのことに気付かない、或いは、何を意味するのかを理解するのに時間がかかってしまうおそれがある。さらに、第1表示部42Lと第2表示部42Rとではそれぞれ最大保留記憶回数が異なることや、第3表示部42Bにおいて、第1表示部42Lに関する変動表示の内容が教示されることを遊技者が認識した場合でも、第1表示部42L及び第2表示部42Rのうちのどちらを先に変動表示させればよいのか理解するのに時間がかかってしまうおそれがある。この点、本実施形態によれば、第1表示部42Lにおける変動表示を先に変動させるべき旨が案内表示されるため、上記のようなおそれを回避することができる。結果として、遊技性の複雑化による興趣の低下を抑制することができる。
さらに、第1表示部42Lに関して当選図柄で確定停止表示される変動表示が保留された場合、前記案内表示が、第1契機対応口402に遊技球を入球させることを促すような態様から、第2契機対応口403に遊技球を入球させることを促すような態様に切り替わるようになっている。そのため、両入賞口411、432が開放される期間を重複させるために、どのタイミングで第2表示部42Rにおける変動表示を開始させればよいか分からず、両入賞口411、432が開放される期間を重複させるチャンス、すなわち、大当たり状態を発生させやすい状態とするチャンスを逃してしまうといったおそれを防止することができ、初心者でも安心して遊技を行うことができる。
また、案内表示が、非変動状態における第2表示部42Rにおいて行われるよう構成されている。そのため、別途案内表示を行うための装置を設ける必要もなく、部品点数の削減を図ることができるとともに、第2表示部42Rの有効活用を図ることができる。
加えて、第1表示部42Lおいて変動表示が当選図柄で確定停止表示される確率(1/100)よりも、第2表示部42Rにおいて変動表示が当選図柄で確定停止表示される確率(1/3)が高く設定されている。本遊技機において、両入賞口411、432が開放される期間を重複させるためには、第1表示部42Lにおいて変動表示が当選図柄で確定停止表示される直前或いは直後といった限られた期間に、第2表示部42Rにおいて変動表示を当選図柄で確定停止表示させる必要があるため、第2表示部42Rにおいて変動表示が当選図柄で確定停止表示される確率が高いことは遊技者にとって非常に都合のよいことになる。従って、両入賞口411、432が開放される期間を重複させる機会、すなわち大当たり状態を発生させやすい状態とする機会が増え、興趣の向上を図ることができる。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施の形態では、第1表示部42Lに関して変動表示が最大で15保留されるよう構成され、第2表示部42Rに関して変動表示が最大で4保留されるよう構成されているが、特にこのような数値に限定されるものではない。すなわち、第1表示部42L及び第2表示部42Rのうち、一方の表示部に関する最大保留回数が、他方の表示部に関する最大保留回数よりも多く設定されていればよい。ただし、最大保留回数の多い方の表示部(42L、42R)に対応して、保留された変動表示の当落が教示可能に構成されることが望ましい。
(b)また、第1表示部42Lに関する最大保留回数と、第2表示部42Rに関する最大保留回数との差が大きいほど、第1表示部42Lに関して保留された変動表示が消化される前に、余裕を持って第2表示部42Rにおいて変動表示を開始させることができるといった効果を顕著なものとすることができる。このため、例えば、第1表示部42Lに関する最大保留回数は、少なくとも第2表示部42Rに関する最大保留回数の2倍以上に設定されることが望ましい。さらに、「2倍」とあるのを「3倍」、「4倍」・・・「15倍」としてもよい。しかし、第1表示部42Lの最大保留回数を多く設定しすぎてしまっても、構成の煩雑さを招いたり、遊技性に倦怠感をもたらしたりしてしまうおそれがあるので、上限は、第2表示部42Rに関する最大保留回数の15倍以下とするのが望ましい。また、第2表示部42Lに関しては変動表示が保留されないように構成してもよい。
(c)上記実施の形態では、第1表示部42L及び第2表示部42Rにおける変動表示時間がともに4〜8秒の間に設定されるよう構成されていたが、特にそのような設定に限定されるものではない。ただし、通常時(第2表示部42Rにおいて変動表示が当選図柄で確定停止表示されていないとき)においては、第1表示部42Lにおける変動表示時間が、第2表示部42Rにおける変動表示時間よりも短くならないよう設定されることが望ましい。その場合、常には第1表示部42Lにおいて変動表示させていれば、余裕を持って遊技を行うことができるといった効果を確実なものとすることができる。
(d)上記実施の形態では、第1表示部42Lにおける変動表示時間及び第2表示部42Rにおける変動表示時間がともに4〜8秒の間に設定されるよう構成されていたが、特にそのような構成に限定されるものではない。例えば、少なくとも、第1表示部42Lに関して当選となる変動表示が保留された場合には、第1表示部42Lにおける変動表示時間が一定(例えば、第1表示部42Lに関して当選となる変動表示が保留されたときに既に保留されている変動表示の変動表示時間が全て4秒に設定される)となるように設定してもよい。その場合、第1表示部42Lにおいて行われる当選図柄で確定停止表示される変動表示に対して、第2表示部42Rにおける変動表示を開始させるタイミング等をより合わせやすくなる。
(e)上記実施の形態では、保留球格納エリアH1、H2には、当選乱数カウンタC1L、C2R等の各乱数カウンタ値が格納されるよう構成されていたが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、各乱数カウンタ値が取得された直後に、当該各乱数カウンタ値に基づいて変動パターンが決定され、当該決定された変動パターンが保留球格納エリアH1、H2に格納されるよう構成してもよい。さらに、少なくとも第1表示部42Lに関する当選するか否かの情報に関しては、第1契機対応口402への入球があった時点で表示制御装置45に送信されるよう構成してもよい。
(f)また、上記(e)の構成を採用する場合、例えば、第1表示部42Lに関して当選となる変動表示が開始されるまでの時間(又は確定停止表示されるまでの時間)を教示可能に構成してもよい。その場合、第1表示部42Lにおいて、当選となる変動表示が開始(停止表示)されるタイミングを計りやすくなる。さらに、第1入賞口411及び第2入賞口432が開放されてから閉鎖されるまでの時間を計測する第1及び第2開放カウンタを設け、それぞれの開放期間を教示するよう構成してもよい。
(g)上記実施の形態では、第1表示部42Lに関してのみ、保留された変動表示が当選となるか否か(当選図柄で確定停止表示されるか否か)の教示が行われるよう構成されているが、第2表示部42Rに関しても、保留された変動表示が当選となるか否かの教示が行われるように構成してもよい。
(h)上記実施の形態における、第1入賞口411、第2入賞口432の開放時間は特に限定されるものではなく、例えば、表示部42L、42Rにおいて確定停止表示された当選図柄の種類(図柄に付与された数字などの違い)によって、入賞口411、432の開放時間が変化するよう構成してもよい。
(i)上記実施の形態では、第3表示部42Bにおいて「羊飼い」が表示される場合に案内表示の態様が切り替わるよう構成されていたが、特にそのような構成に限定されるものではない。例えば、第3表示部42Bにおいて「羊」が表示される場合にも案内表示の態様が切り替わることがあるように構成してもよい。その場合、さらに、切替後の案内表示の態様が複数パターン存在するよう構成するとともに、当該態様パターンによって、当選時に選択される割合、極めて惜しいリーチ時に選択される割合、それ以外のリーチ時に選択される割合がそれぞれ異なるよう構成し、案内表示の態様によって遊技者の当選に対する期待感が変化するように構成してもよい。また、案内表示自体を省略してもよい。
(j)上記実施の形態における、第1契機対応口402と第2契機対応口403とでは、遊技球の入球しやすさが異なるよう構成してもよい。その場合、遊技バリエーションを豊富なものとすることができる。特に、第2契機対応口403を第1契機対応口402よりも大きく構成し、第2契機対応口403に遊技球がより入球しやすいよう構成した場合には、第2表示部42Rにおける変動表示を比較的スムースに開始させることができるため、第1表示部42Lにおいて変動表示が当選図柄で確定停止表示される直前或いは直後といった限られた期間に、第2表示部42Rにおいて変動表示を当選図柄で確定停止表示させることで大当たり状態を発生させやすい状態とするチャンスを得ることができるといった本遊技機の構成上、遊技者にとって都合のよいものとなる。
(k)上記実施の形態では、特別入賞装置401内に特定入賞口433を設け、第1入賞口411を所定ラウンド数開放することで遊技者にとって有利な大当たり状態としていたが、このような構成に限定されるものではない。例えば、特定入賞口433に入球しても賞球がないよう構成するとともに、入球すると賞球がある大入賞口を特別入賞装置401とは別に設け、当該大入賞口が所定ラウンド開放されることを大当たり状態とするよう構成してもよい。
(l)上記実施の形態では、前記第1表示部42L、第2表示部42R、及び第3表示部42Bは、それぞれに対応するレイヤを重ね合わせて表示することで、単一の表示部(可変表示装置42の表示部全体)が区画されるように構成されているが、例えば、第1表示部42L、第2表示部42R、第3表示部42Bをそれぞれ個別に離間させて設けてもよい。
(m)上記実施の形態では、第1表示部42Lに関して変動表示が保留されているか否かを第3表示部42Bの表示態様によって確認できるよう構成されていたが、特にそのような構成に限定されるものではなく、例えば、第2表示部42Rに対応する保留ランプ46Rのようにランプの点灯態様によって変動表示が保留されたことを確認できるよう構成してもよい。また第2表示部42Rに関して変動表示が保留されたことを教示するための構成に関しても特に限定されるものではなく、例えば、変動表示の保留に対応したマークが変動表示の保留数だけ第2表示部42R上に表示されるよう構成してもよい。
(n)また、上記実施の形態では、第3表示部42Bに表示される保留表示キャラクタ46Lの種類によって、保留された変動表示の内容が教示されるよう構成されていたが、特にそのような構成に限定されるものではない。例えば、上記(m)のような保留ランプや、第1表示部42Lに関して当選となる変動表示が保留されたことを教示する教示専用ランプ等を設け、その態様(点灯態様)で第1表示部42Lにおいて保留された変動表示の内容が教示されるよう構成してもよい。また、スピーカ等による音声態様によって保留された変動表示の内容を教示するよう構成してもよい。
(o)上記実施の形態では、ラウンド中に第2入賞口432への入賞があった場合に限りラウンドが継続されるよう構成されていたが、ラウンド中の第2入賞口432への入賞がなくてもラウンドが継続されるよう構成してもよい。
(p)上記実施の形態における入賞開口部221、222の形状、数等は特に限定されるものではない。ただし、入賞開口部221又は222を通過することで特別入賞装置401内に入球する可能性が、開放された第1入賞口411から特別入賞装置401内に入球する可能性に比べて著しく低くなるよう構成することが望ましい。また、入賞開口部221、222を省略し、第1入賞口411が開放されない限り、特別入賞装置401内に遊技球が入球できないよう構成してもよい。また、入賞開口部221、222を開状態と閉状態とに切り替える第3電動役物を設け、入賞開口部221、222を常には閉状態とするよう構成したうえで、第1入賞口411及び第2入賞口432のうち、第2入賞口432だけが開状態とされたときだけ、入賞開口部221、222を開状態とするよう構成してもよい。
(q)上記実施の形態では、第2電動役物431が作動していない状態(閉状態)のときにも、第2入賞口432へ入球する可能性が残されるよう構成されていたが、第2電動役物431が閉状態のときには一対の可動羽435間の距離が遊技球の径よりも狭まり、第2入賞口432への入球が全く望めないよう構成してもよい。
(r)上記実施の形態では、第2表示部42Rに関する当選確率(1/3)が第1表示部42Lに関する当選確率(1/100)よりも高くなっていたが、同じ確率にしてもよいし、確率の高低の関係を逆にしてもよい。
(s)上記実施の形態おいて、第1表示部42Lに関して保留された変動表示の当落が必ず教示されるよう構成してもよい。
(t)上記実施の形態では、第3表示部42Bにおいて表示される「豚」、「羊」、「人間」は、単独で何らかの意味を成すよう構成したが、例えば、複数の保留表示キャラクタの組み合わせで、新たな意義が発生するよう構成してもよい。例えば、「羊」が単独で表示される場合は、当選となるか否かは判別不可能であるが、その直後の変動表示の保留を示す保留表示キャラクタが、例えば「狼」であった場合には、その「羊」に対応する変動表示が当選であることが教示されるよう構成してもよい。
(u)上記実施の形態おいて、少なくとも第1表示部42Lに対応するようにして停止操作手段としての停止ボタンを遊技者が操作可能な位置に設け、停止ボタンが操作された場合、第1表示部42Lにおける変動表示を、前記操作から即座に停止表示させるよう構成してもよい。その場合、第1表示部42Lにおいて変動表示を素早く消化させることができる。従って、保留可能なだけ変動表示を保留した状態においては、それ以上変動表示を格納(保留)することができないが、停止ボタンを操作することで、保留球記憶エリアH1に保留されている変動表示を積極的に消化することができ、その消化した分だけ新たに変動表示を保留させることができる。結果として、時間効率の向上を図ることができるとともに、単調な時間帯を減少させることができる。
特に、本実施の形態では、第1表示部42Lに関して保留されている変動表示の内容が、第3表示部42Bにおいて教示される場合もある。そのため、遊技者はそのときの状況に応じて効率よく遊技を行うことができる。例えば、当選しない変動表示が保留されていることを認識した遊技者は、停止ボタンを操作して保留されている変動表示を素早く消化しようとする。一方、当選となる変動表示が保留されていることを認識した遊技者は、停止ボタンを操作せずに、第2表示部42Lにおいて変動表示を開始させようとする。従って、時間効率の向上を図るとともに、停止操作手段を操作することに起因して、両可変入球装置が第2の状態となる期間を重複させることのできる機会を逃してしまうといったおそれを防止することができる。
(v)上記実施の形態では、第2変動開始処理において、当選変動時のパターンが決定される時点で(第2表示部42において当選となる変動表示が開始される時点で)、第1表示部42Lに関して保留されている変動表示については、その変動表示時間が短縮されるよう構成されていたが、第2表示部42Rにおいて変動表示が当選図柄で確定停止表示された時点で、第1表示部42Lにおける変動表示時間が短縮されるよう構成してもよい。
10…遊技機としてのパチンコ機、18…操作手段としてのハンドル、30…遊技盤、42…可変表示装置、42L…第1可変表示手段としての第1表示部、42R…第2可変表示手段としての第2表示部、42B…第1保留教示手段としての第3表示部、45…第1及び第2表示制御装置としての表示制御装置、46R…第2保留教示手段としての保留ランプ、222…特定領域スイッチ、223…カウントスイッチ、224…第2入球検出手段としての第2契機スイッチ、225…第1入球検出手段としての第1契機スイッチ、261…第1及び第2遊技状態決定制御手段としての主制御装置、401…特別装置としての特別入賞装置、402…第1入球口としての第1契機対応口、403…第2入球口としての第2契機対応口、411…特別入球部としての第1入賞口、412…第1可変入球装置としての第1電動役物、431…第2可変入球装置としての第2電動役物、432…特定領域としての第2入球口、433…特定入賞口。