以下、本発明に係る遊技機の実施形態として、遊技場等に設置されるパチンコ機を図面に沿って説明する。図1は本発明の第一実施例におけるパチンコ機の外部構造を示す正面図である。
パチンコ機1は、図1に示すように、発射ハンドル2の操作による発射装置(図示せず)の作動で遊技球(所謂パチンコ玉)を遊技盤3の遊技領域3aに向かって打ち出しつつ遊技を行うもので、所謂確率変動等の大当たりが発生した状態でアタッカー5に入球した遊技球に対応する数の遊技球を払い出すように構成されている。上記確率変動当たり(「確変当たり」とも言う)とは、抽選の結果、確変モードの大当たりが当選したとき、少なくとも当該確変モードによる遊技状態において次なる大当たりを引くまでの間、遊技者に有利な付加価値を付与し得る特殊状態を意味する。これに対し、当該特殊状態にならない大当たりとして「通常当たり」がある。
本パチンコ機1は、開口を有する枠体状の外枠6と、遊技盤3を支持した形で外枠6に開閉可能に支持された前扉7とを有しており、前扉7の前面には、透明ガラス9を有するガラス枠10が開閉可能に取り付けられている。透明ガラス9の奥側には、遊技盤3が配設されている。前扉7における遊技盤3の左右には演出用照明装置11が配設されており、前扉7における上部左右、及び下部の皿ユニット16の左右には、スピーカ(図示せず)を有する放音装置12が夫々に配設されている。そして、前扉7の上部における両放音装置12,12の間には、演出用照明装置8が配設されている。なお、外枠6及び前扉7等により遊技機本体である遊技機枠1aが構成されている。
また、ガラス枠10における中央部右方には、前扉7を外枠6側に施錠又は解放し、或いは、ガラス枠10を前扉7側に施錠又は解放するための施錠装置13が配設されている。なお、図1中の符号14は、不図示の発射装置によって打ち出された遊技球を遊技盤3側に案内するガイドレールを示している。本パチンコ機1には、遊技中に遊技領域3aにて入賞することなく落下してアウト口(図示せず)に進入した遊技球をパチンコ機背面側に導くアウト球通路(図示せず)が設けられている。
そして、前扉7における下部中央には皿ユニット16が設けられており、皿ユニット16における右上部には、賞球及び貸球を含む遊技球が供給される球供給口17が設けられ、皿ユニット16における右上部壁面には、球貸ボタン19a及び返却ボタン19bが設けられている。皿ユニット16の中央部左方には、該皿ユニット16上の遊技球を球発射装置(図示せず)付近から皿ユニット下部の球排出口(図示せず)を通して下方に排出するための第1球抜きボタン20aが配設されており、皿ユニット16の中央部下方には、皿ユニット16上の遊技球を球供給口17付近から上記球排出口を通して下方に排出するための第2球抜きボタン20bが配設されている。また、皿ユニット16の中央上方には、遊技参加ボタンとして機能する押しボタン装置50が配設されている。
また、前扉7における皿ユニット16の右側下方には、上記球発射装置を操作して遊技球を遊技盤3に向けて打ち出すための発射ハンドル2が設けられている。更に、皿ユニット16の下部左方には、台座部15と灰皿21とが配設されている。
遊技領域3aの中央部分には、ステージSを有するセンター飾り23が配設されている。センター飾り23の下部左右には、大当たり抽選に寄与しない一般の入賞が行われる入賞口25,26が配設されており、センター飾り23の下方には、始動チャッカー27と、アタッカー5とが順次配設されている。
始動チャッカー27は、大当たり抽選実行の契機となり得る入賞が行われるものであり、開放位置と閉止位置とに開閉動作するように始動チャッカー開閉ソレノイド(始動口ソレノイド27c)によって作動させられる。始動チャッカー27の直上方には、所謂命釘としての一対の障害釘30が打ち込まれている。
アタッカー5は、大当たり発生時に開放され、遊技盤3の遊技領域3aに打ち出されて転動落下する遊技球を(図1中ではアタッカー5により閉じられた大入賞口5aに)入賞させるものであり、大当たり発生中、例えば、1回の開放で9個の入球を完了した時点で閉じ、当該開閉動作を15回(つまり、15ラウンド)繰り返すように構成される。なお、これらの入球数並びに開閉動作の回数は、9個や15回に限定されることはなく、必要に応じて適宜設定され得るものである。
遊技領域3aには、センター飾り23の四方に風車31が夫々配設されており、ステージSの下方における始動チャッカー27の左側には、スルーゲート32が配設されている。このスルーゲート32は、始動チャッカー27を開閉動作させるための普通図柄抽選の契機となる遊技球通過が行われる役物である。
遊技領域3aにおけるスルーゲート32、入賞口25,26及び始動チャッカー27等の周囲には、センター飾り23のステージSから零れた遊技球や、発射されてからステージSに関与せずに落下してくる遊技球を適宜散らし、或いは入球に導くようにするための障害釘33を含む多数の障害釘が打ち込まれている。
上記センター飾り23は、その中央部に、遊技盤3側に固定された画像表示装置35を露出する開口36を有し、左上部にワープ導入口37を有し、開口36の下側に上記ステージSを有し、該ステージSの下側に、ステージS上で転動して該ステージSの所定位置の落下孔(図示せず)に落下した遊技球を始動チャッカー27に向け放出する放出口49を有している。ワープ導入口37に対向するように、一対の障害釘39が打ち込まれている。ワープ導入口37の周囲や上方側にも、遊技球を適宜散らし、或いは入球に導くようにするための多数の障害釘(図示せず)が打ち込まれている。このような本パチンコ機1では、遊技領域3aに打ち出された遊技球Baを始動チャッカー27等に、ステージSを介して入球させ又はステージSを介さず直接入球させ得るように遊技が進められる。
なお、上記「ワープ導入」という語句は、遊技領域3aに打ち出された遊技球を、当該遊技領域3aの比較的下側に位置する不図示の道釘等を経ることなく、始動チャッカー27の上に導くことを意味する概念である。また、上記「道釘」とは、遊技領域3aにおいて始動チャッカー27左右に打ち込まれた複数本の障害釘(図示せず)の列を意味するもので、上方から転動落下してきた遊技球を始動チャッカー27方向に導く役割を担っている。
ついで、本パチンコ機1の背面構造について図2を参照して説明する。同図は、本パチンコ機1の背面構造を示す背面図である。
すなわち、図2に示すように、パチンコ機1の前扉背面における上部左方には、賞球タンク43が取り付けられており、この賞球タンク43の下方に、演出表示制御部280、主制御部200、及び払出制御部230がこの順に配設されている。また、前扉背面における上部右方には、外部端子板52が取り付けられており、この外部端子板52の下方に、整列待機通路45、賞球装置46、賞球排出通路47、電源ユニット41、及び発射装置(図示せず)用の発射制御部250がこの順に配設されている。パチンコ機1の前扉背面における左側部には、施錠装置13が配設されている。
次に、本実施の形態における押しボタン装置50の構造を図3〜図10に基づいて説明する。図3〜図5は押しボタン装置50の、操作が加えられていない通常の状態を示すものであり、図6、図7は押しボタン装置50の押し込み時の状態を示すものである。また、図8〜図10は、押しボタン装置50の各部を分解した状態を示すものである。
図8〜図10に示すように、押しボタン装置50は、第1〜第3の部位50A〜50Cを有し、第1の部位50Aは、ベゼル501、皿前ボタン502、十字装飾503、及びインナーレンズ504を有している。また、第2の部位50Bは、プランジャ505、遮光ケース506、導光スティック507、LEDセンサ基板508、及びボタン基板ベース509を有している。さらに、第3の部位50Cは、バネ510、ホルダ511、三つの防振ブッシュ512,…、同じく三つのキャップ513,…、振動モータ514、及びモーターカバー515を有している。
これらのうち第1の部位50Aのベゼル501は、合成樹脂材料を環状に成型してなるものであり、中央に穴部501aを有するとともに、全体に金メッキ処理が施されている。また、ベゼル501の、外側へ低く傾斜した表面には、所定のデザインの凹凸からなる装飾部501bが設けられている。
上記皿前ボタン502は、透明な合成樹脂材料を楕円の皿状に成形して成るものであり、押圧面502aや多数のカット面502b,…等を有している。そして、皿前ボタン502は、図5(a)中に示すように、上記ベゼル501に下側から進入しており、押圧面502aや多数のカット面502b,…等を穴部501aから露出させている。
上記十字装飾503は、合成樹脂材料を十字の骨組み状に成型してなるものであり、蒸着により赤色に彩色されている。また、上記インナーレンズ504は、透明な合成樹脂材料を、上面に所定の凹凸を有する楕円状に成型してなるもので、このインナーレンズ504の上面の凹部には、上記十字装飾503が嵌め込まれている。
上記第2の部位50Bの上記プランジャ505は、白色の合成樹脂材料を楕円状に成形してなるものであり、周方向に沿って複数の透過孔505aを有している。さらに、プランジャ505の下面中央部には円筒状のボス部505bが突設されており、このボス部505bの下端には2つの爪部505cが突設されている。そして、2本ビス503a、503aがプランジャ505に下方から差し込まれるとともに、図8中に示す十字装飾503にねじ込まれており、プランジャ505には、十字装飾503、インナーレンズ504が共締めにより連結されている。
上記遮光ケース506は、黒色の合成樹脂材料を成型してなるもので、環状の本体部5506aを有している。上記導光スティック507は透明な合成樹脂材料を成型してなるものであり、円柱状の第1及び第2の導光部507a,…,507b,…を有している。さらに、導光スティック507は、水平方向を長手方向として略四角柱状に成型された二つの第3の導光部507c、507cを有している。そして、導光スティック507は、遮光ケース506に下方から収容されて、第1〜第3の導光部507a,507b,507cの先端面を露出させている。
上記LEDセンサ基板508は、ガラス布やエポキシ樹脂等の材質からなる基板本体508aに、環状に配置された多数のチップ型LED508b,…、及び投受光部が一体化された溝型の光電センサ508cが実装されたものである。上記光電センサ508cは、チップ型LED508b,…の外側に配置されている。LED508b,…の光は、導光スティック507によりインナーレンズ504の側に導かれて、皿前ボタン502を照明する。なお、LED508b,…として多色発光のものを採用することが可能である。
上記ボタン基板ベース509は、黒色の合成樹脂材料を楕円の皿状に成型してなるものである。そして、図5(a),(b)中に示すように、ボタン基板ベース509には、上から、プランジャ505、遮光ケース506、導光スティック507、LEDセンサ基板508の順に重ねられて収容されている。そして、2本のビス509a,509aが遮光ケース506に情報から差し込まれるとともにボタン基板ベース509にねじ込まれ、ボタン基板ベース509には、遮光ケース506、導光スティック507、LEDセンサ基板508が共締めにより連結されている。
また、ボタン基板ベース509には、図10中に符号501c,…で示す4本のビスが下方から差し込まれており、図8中に示すベゼル501に到達してねじ込まれている。そして、遮光ケース506等が固定されたボタン基板ベース509と上記ベゼル501との間には、上記皿前ボタン502が、十字装飾503等が固定されたプランジャ505とともに挟み込まれた状態で保持されている。
上記第3の部位50Cのバネ510は、ステンレス鋼等の材料からなるコイルスプリングである。また、上記ホルダ511は、合成樹脂材料を成型してなるもので、略三角形状のベース部511aの中央部にボス部511bが突設され、上記ベース部511aの各隅部には円弧上の切欠部511c,…が形成されている。
ホルダ511のボス部511bには、上記バネ510が同心的に収容されており、バネ510は、図5(a)及び(b)に示すように、ボス部511bの底部に嵌合されてその位置及び姿勢を保っている。また、ホルダ511のボス部511bには、上記プランジャ505のボス部505bが進入しており、プランジャ505のボス部505bには上記バネ510が進入している。そして、バネ510は、プランジャ505のボス部505bにおいて天井部に嵌合されており、プランジャ505やこれに連結された十字装飾503、インナーレンズ504、及び皿前ボタン502を上下動可能に弾性的に支持している。なお、プランジャ505の上記爪部505cは、ホルダ511を貫通してホルダ511の底部の外側に達して側方に張り出している。
上記防振ブッシュ512,…はゴム等の材料からなるもので、各防振ブッシュ512は、同心的に形成された穴部512aと、下端寄りの部位において周方向に形成された溝部512bとを有する円柱状に成型されている。また、各防振ブッシュ512には、透明な合成樹脂材料を成型してなる円形容器状のキャップ513がビス512cにより下方から連結されており、各防振ブッシュ512の下端部は、キャップ513により覆われている。
また、各防振ブッシュ512の溝部512bには、ホルダ511に形成された切欠部511cの周縁部が入り込んでおり、ホルダ511と防振ブッシュ512とは係合関係にある。そして、防振ブッシュ512,…は、ベース部511aの各隅部において、ボス部511bとともに上向きに突出し、ボタン基板ベース509を弾性的に支持している。
上記振動モータ514は、小判型筐体の直流ブラシ付モータ514aの出力軸に偏心錘514bを取り付けたものである。また、上記モーターカバー515は、合成樹脂材料を成型してなるものであり、矩形状の本体部515aの四隅にビス穴を有する座部515b,…が突設されている。そして、4本のビス511d,…が座部515bのビス穴に下方から差し込まれるとともにホルダ511にねじ込まれ、振動モータ514がホルダ511とモーターカバー515に挟み込まれた状態で保持されている。
次に、押しボタン装置50の構造的な作用について説明する。遊技中に皿前ボタン502が遊技者によって押されると、その押圧力がプランジャ505に伝わり、プランジャ505が、バネ510を圧縮しながら、図7(a),(b)に示すように、下方に移動する。この際、皿前ボタン502及びプランジャ505の最大変位量は、ホルダ511のボス部511bに当接することで規制される。さらに、遊技者が押しボタン装置50を操作したことは、プランジャ505の変位に伴い光電センサ508cの出力信号が変化することによって検出される。
また、振動モータ514が発生させた振動は、ホルダ511、バネ510、プランジャ505を介して皿前ボタン502に伝えられ、遊技者が振動を感知できるようになっている。そして、バネ510の特性設計、及び振動モータ514の回転数は、振動モータ514が発生させた振動がバネ510によって過度に減衰することのないように設定されている。
次に、本実施例のパチンコ機1の電子制御装置について、図11に基づいて説明する。図11は、電子制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図11に示すように、電子制御装置は、主制御部200と、その主制御部200に接続された副制御部230、260、280とを含んで構成されている。副制御部は、払出制御部(賞球制御部)230、演出制御部260及び演出表示制御部280から構成される。主制御部200は主制御基板200aを備え、副制御部230、260及び280は周辺制御基板として払出制御基板230a、演出制御基板260a及び演出表示制御基板280aをそれぞれ備えている。これらの各制御基板や、その他の基板(電源基板、中継基板、駆動基板、装飾基板、アンプ基板など)は、パチンコ機1の裏面側に配置される。
各制御部200、230、260、280には、(上記電源ユニット41を介して)図示しない主電源から電源が供給されている。また、電源立上げ時には、システムリセット信号が各制御部200、230、260、280に送信される。なお、本実施例のパチンコ機1は、電源断時に主制御部200及び払出制御部230に作動電圧を供給する図示しないバックアップ電源部(図示略)を備えており、電源断時にも主制御部200及び払出制御部230のRAMデータが保持される。
主制御部200は、遊技の進行を司る主制御手段を構成するものであり、各副制御部230、260、280に処理内容を指示する指令信号(コマンドデータ)を送信し、各副制御部230、260、280は指令信号に基づいて各種制御を行うように構成されている。
主制御部200を構成する主制御基板200aのCPU200bは、CPUコア、内蔵RAM(以下、単にRAMともいう)、内蔵ROM(以下、単にROMともいう)等を備えており、ROMに格納された制御プログラムにより、RAMをワークエリアとしてパチンコ機1全体の作動制御(遊技の基本進行制御)を司る。また、主制御部200は、CPU200bが主体となって、ROMに格納された当否判定プログラムにより特別図柄の当否判定(大当たり抽選)を行う当否判定手段を構成している。また、主制御部200のCPU200bは、特別図柄当否判定を実行する際に、ROMに格納された特別図柄の変動パターンテーブルから特定の変動パターンを決定する。なお、本実施例の主制御部200のCPU200bの制御周期は2msに設定されている。
主制御部200には、盤面入力中継部201と盤面出力中継部202とを有する遊技盤接続基板203が接続されている。盤面入力中継部201には、普通図柄作動ゲート検知スイッチ32s、始動口入球検知スイッチ27s、大入賞口入球検知スイッチ5sが接続されており、これらの信号が主制御部200に入力するように構成されている。盤面出力中継部202には、特別図柄表示装置51、始動口ソレノイド27c、大入賞口ソレノイド5cが接続されており、主制御部200からの制御信号が出力される。
払出制御部230を構成する払出制御基板230aは、主制御部200のCPU200bと同様の構成を有するCPU230bを備えている。払出制御部230には、発射制御部250、CRユニット38等が接続されている。主制御部200から払出制御部230には、賞球払出を指示する賞球指示コマンド、遊技開始許可を指示する遊技開始許可信号、各種発射制御コマンド等のコマンドが送信される。各種発射制御コマンドには、球送り許可・禁止、発射許可・禁止、遊技開始許可等が含まれている。
払出制御基板230aのCPU230bは、主制御部200からの賞球指示コマンドを受信すると、そのコマンドが示す賞球数に基づいて、パチンコ機1の裏面側に設けられた遊技球払出装置(賞球装置46)の払出モータを回転駆動することにより、指定された賞球数分の遊技球の払い出し(賞球払出)を行う。この遊技球の払い出し(賞球払出)は、パチンコ機1の裏面側上部に設けられ賞球タンク43に貯留された遊技球を、遊技球レールを介して遊技球払出装置(賞球装置46)に供給し、その供給された遊技球を遊技球払出装置(賞球装置46)の払出モータの回転駆動により排出することで行われる。
演出制御部260は、遊技の進行に伴って実行される各種演出を制御する演出制御手段(進行管理用制御手段)を構成しており、演出制御基板260aにはCPU260bや図示しないROM、RAM、入出力ポート等を有する演算回路構成要素とサウンドジェネレータが設けられており、入出力ポートにおいて主制御部200に接続されている。演出制御部260は、各種ランプ類による装飾表示、スピーカ10a〜10dから出力される効果音の制御、及び画像表示装置35による図柄表示等を用いた演出制御を司るように構成されている。
主制御部200から演出制御部260には、各種ランプ制御コマンド及び各種音声制御コマンドが送信される。主制御部200から演出表示制御部280には、演出制御部260を介して、演出図柄の表示制御を指示する各種図柄制御制御コマンドが送信される。演出制御部260から演出表示制御部280には、演出表示制御を指示する各種演出表示制御コマンドが同時に送信される。
演出制御部260には、演出表示制御部280が接続されている。演出表示制御基板280aには、CPU280b、RAM、ROM、入出力ポート、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)等を有する演算回路構成要素(図示略)が設けられ、入出力ポートにおいて演出制御基板260に接続されている。演出表示制御部280には画像表示装置35(演出表示装置)が接続されている。演出表示制御部280は、CPU280bがROMに格納された制御プログラムに従ってRAMをワークエリアとして画像表示装置35の表示制御を行うように構成されている。演出表示制御部280のROMには、画像表示装置35で表示される演出用図柄の画像データ(前述した変動演出に関する画像データなど)が複数格納されている。
演出制御部260には、装飾駆動基板261を介して各種LED・ランプ262(上記演出用照明装置8,11を構成する)が接続されている。各種LED・ランプ262は、遊技効果を高めるためのものであり、これらのランプ類はゲームの進行に対応して点灯・消灯又は点滅し、遊技効果を高めている。また、演出制御部260にはアンプ基板263が接続されている。アンプ基板263にはスピーカ10a〜10d(上記放音装置12を構成する)が接続されている。スピーカ10a〜10dからは、遊技の進行に対応して各種サウンド、音声等が出力される。さらに、演出制御部260には、演出ボタン基板103を介して押しボタン装置50の押圧操作を検出する演出操作検出センサ104(本実施例では上記光電センサ508cがこの演出操作検出センサ104として機能している)と、押しボタン装置50を振動させる振動モータ514が接続されている。
演出制御部260は、主制御部200や演出操作検出センサ104からの各種指令(変動パターン指定コマンドの受信、演出ボタン操作信号の入力など)に基づいて、各種LED・ランプの点灯・点滅パターンの選択・実行処理や、スピーカ10a〜10dから出力される効果音データの選択・出力処理や、画像表示装置35での演出表示のパターンの選択・実行処理、振動モータ514の制御処理等を行う。
上記電源ユニット41には、交流(AC)24Vの電源が接続されている。また、電源ユニット41には、直流(DC)32V、DC12V、DC5V等の電源信号を生成する電源基板(図示しない)が備えられており、この電源基板により生成された電源信号は、主制御部200、払出制御部230、演出制御部260、演出表示制御部280などに供給される。なお、本実施例においては、演出制御部260にて、DC12V電源からDC3Vが生成されている。
次に、本実施例における押しボタン装置50の振動モータ駆動回路部(以下、「駆動回路部」と称する)60を図12に基づいて説明する。この駆動回路部60は、上記演出制御部260に電気的に接続されており、演出制御部260のDC3Vの電源信号を電源部61で中継して上記直流ブラシ付モータ(以下、「DCモータ」と称する)514aに供給し、振動モータ514を振動させる。さらに、駆動回路部60には、演出制御部260からの指令信号が入力される制御信号入力部62が設けられており、演出制御部260からの制御信号としての第1及び第2の指令信号P1,P2に基づき、DCモータ514aに供給される電力を変化させる。
すなわち、駆動回路部60は、DCモータ514a、逆流防止部63、第1及び第2の駆動信号線64,65、切換回路部66、第1及び第2の制御信号線67,68を備えている。電源部61は、DCモータ514aの正極(+)側に接続されており、DCモータ514aの負極(−)側においては、第1及び第2の駆動信号線64,65は並列に分岐している。
上記逆流防止部63にはショットキー・ダイオードが用いられている。この逆流防止部63は、DCモータ514aと並列に接続されており、アノード(A)側をDCモータ514aの正極側に、カソード(K)側をDCモータ514aの負極側に向けている。また、上記第1及び第2の駆動信号線64,65のうち、第2の駆動信号線の途中には抵抗69が介装されている。さらに、第1及び第2の駆動信号線64,65は途中で分岐しており、上記切換回路部66の被制御端子である第5〜第8端子に接続されている。なお、切換回路部66に繋がる各線に付した数字は、第1〜第8の端子の端子番号を示している。
切換回路部66は、過電圧、過熱、及び過電流に対する保護回路を内蔵した小型のICパッケージであり、第1端子(S1)、第2端子(IN1)、第3端子(S2)、第4端子(IN2)、第5及び第6端子(D2−1,D2−2)、第7及び第8端子(D1−1,D1−2)を有している。そして、第1、第2、第7、第8の各端子と、第3、第4、第5、第6の各端子とで、それぞれ一系統ずつのスイッチング回路を形成しており、上述したように第7及び第8端子は第1の駆動信号線64に接続されており、第5及び第6端子は第2の駆動信号線65に接続されている。さらに、第1及び第3端子はともに接地部66aに接続されており、第2及び第4端子は、それぞれ第1及び第2の制御信号線67,68に接続されている。
上記制御信号入力部62は、上記演出制御部260に電気的に接続されており、上記第1及び第2の制御信号線67,68は、演出制御部260における演出制御基板260aの2つの出力端子に一対一で接続されている。すなわち、演出制御部260から、第1の振動パターンで振動モータ514を振動させるための第1の指令信号P1が出力されると、切換回路部66において第2端子がONし、第1の系統60aが動作状態となって、第1の駆動信号線64がONする。そして、電源部61のDC3Vと第1の駆動信号線64の合成抵抗値により規定される値の電流が第1の電力としてDCモータ514aに供給されて、振動モータ514が振動を発生させる。
ここで、本実施例において第1の系統60aは、電源部61からDCモータ514a及び逆流防止部63を経て、第1の駆動信号線64、切換回路部66、接地部66aまでの経路を指している。
一方、演出制御部260ら、第2の振動パターンで振動モータ514を振動させるための指令信号P2が出力されると、切換回路部66において第4端子がONし、第2の系統が動作状態となって、第2の駆動信号線65がONする。ここで、第2の駆動信号線65には、第1の駆動信号線64とは異なり抵抗69が介装されているので、第2の駆動信号線65の合成抵抗値は第1の駆動信号線よりも高い。したがって、電源部61のDC3Vと第2の駆動信号線65の合成抵抗値により規定される値の電流が、第1の系統60aが動作状態となった場合よりも小さくなり、DCモータ514aには、この相対的に低い電力が供給されて、振動モータ514は第1の系統60aが動作状態となった場合よりも低い強度の振動が発生する。
ここで、本実施例において第2の系統60bは、電源部61からDCモータ514a及び逆流防止部63を経て、第2の駆動信号線65、切換回路部66、接地部66aまでの経路を指している。
次に、本パチンコ機1における基本的なゲーム性について説明する。すなわち、本パチンコ機1に対面して着座した遊技者が発射ハンドル2を握り、適宜の角度に回動操作すると、発射装置の作動で遊技球が所定の時間間隔で遊技領域3aに向けて連続的に発射される。すると、遊技領域3aに打ち出されて転動落下する多数の遊技球は、始動チャッカー27や入賞口25,26に適時入賞し、或いは、これらに関与せずに転動落下して、遊技領域3a最下部のアウト口(図示せず)から遊技盤3背面側に排出される。
遊技領域3aに打ち出された遊技球の一部がワープ導入口37に入球すると、その遊技球はステージS上に放出された後、該ステージSの傾斜に沿って転動し、或るものはそのまま遊技領域3aに落下し、或るものは放出口49から始動チャッカー27に向けて放出され、高い入賞確率(略100%)で該始動チャッカー27に入賞する。
ところで、始動チャッカー27に入賞した場合、その時点での保留球数が所定数未満であれば、乱数カウンタを用いた大当たり抽選が行われるが、該抽選で当選した場合、更に、大当たりの種別に対応する変動パターンが決定される。これにより、画像表示装置35に表示される当たり図柄がセットされる。一方、大当たり抽選で外れた場合には、変動の結果、外れに対応する図柄が最終的に揃う旨の変動パターンが決定され、画像表示装置35に表示される外れ図柄がセットされる。
そして、画像表示装置35に表示すべき演出内容に関する信号に基づき、該画像表示装置35が駆動され、大当たり抽選結果に関する内容等が演出表示される。画像表示装置35の画面上に表れた抽選結果が大当たり決定である場合、アタッカー5が開放され、所定数入賞が終了する(又は所定時間が経過する)毎に閉塞する動作を所定ラウンド数だけ繰り返される。この大当たり遊技(特別遊技)により、アタッカー5(詳しくは、アタッカー5によりにより閉じられていた大入賞口5a)に入賞した遊技球に対応する多量の遊技球が、球供給口17から皿ユニット16に払い出されることとなる。
また、本実施例においては、画像表示装置35での図柄表示の他に、上記特別図柄表示装置51での特別図柄表示が行われている。すなわち、主制御部200で行われる大当たり抽選や小当たり抽選の結果を直接的に報知するための特別図柄の変動停止表示は、特別図柄表示装置51で行われ、特別図柄の表示を基準として演出を付加した演出図柄の変動停止表示が、上記画像表示装置35で行われる。
そして、大当たりの抽選結果の報知は、特別図柄表示装置51及び画像表示装置35の双方を用いて行われる。また、小当たりの報知や、高確率状態やその他の遊技者にとって通常よりも有利な状態にあることの報知等は、全く或いは一定の期間、画像表示装置35では行われない場合があるように、演出制御が行われる。
また、本実施例では、演出図柄の変動表示中(図柄変動演出の実行中)に、確変昇格演出(パチンコ機1の状態が高確率な状態に変化したことを、演出表示を伴い所定時間をかけて報知するような演出)において、押しボタン装置50を用いるボタン演出が行われる。ボタン演出としては、例えば演出図柄の変動表示過程で行われるリーチ演出中に、押しボタン装置50の操作により、味方キャラクタが敵キャラクタに対する攻撃を行う演出等が挙げられる。
通常時は押しボタン装置50の操作が無効となっているが、ボタン演出中は押しボタン装置50の操作が有効となるボタン操作有効期間となっている。ボタン操作有効期間は、予め設定された一定時間となっている。また、ボタン操作有効期間中は、押しボタン装置50の操作が有効となっている旨を遊技者に報知し、遊技者に押しボタン装置50の操作を促すボタン操作促進演出が行われる。このボタン操作促進演出は、例えば画像表示装置35の表示領域で押しボタン装置50の図柄を表示することにより実施できる。
また、本実施例では、押しボタン装置50が操作された場合に、振動モータ514によって押しボタン装置50を振動させる振動演出を伴うボタン演出を行うように構成されている。本実施例では、演出図柄の演出パターンのうち、特別図柄当否判定の結果(大当たり又は外れ)にかかわらず選択され得る演出パターンであって、他の演出パターンに比べ選択される可能性(選択率)が低く、かつ「外れ」のときよりも「大当たり」ときの方が選択される可能性の高い「特別演出パターン」に基づく図柄変動演出が行われている場合、換言すると、「大当たり信頼度の高い図柄変動演出」が行われている場合に、振動演出を伴うボタン演出を行うように構成されている。ボタン演出および振動演出は、演出制御部260の制御により実現される。
次に、本実施例のパチンコ機1の基本的な制御内容をフローチャートに基づいて説明する。図13は、主制御部200のCPU200bが、CPU200bに内蔵されるROMあるいは主制御基板200aに搭載されるROMに格納されたプログラムに基づいて実行するメインジョブの一例を示している。図13に示すメインジョブは、電源投入処理S100を実行した後、遊技開始処理S200、普通図柄遊技処理S300、普通電動役物遊技処理S400、特別図柄遊技処理S500、特別電動役物遊技処理S600の各ステップが、タイマリセットされる毎に繰り返し実行される。電源断発生処理S50は、停電等によって電源断が発生した場合に、使用レジスタやスタックポインタの保存、払出モータの停止等が行われ、システムリセットが発生した場合に電源投入処理S100に移るようになっている。
電源投入処理S100は、電源投入時と電源断発生後の復電時に行われるものであり、電源投入時にはRAM初期化処理等が行われ、電源断復帰時には電源断時の遊技状態に復帰させるための復帰設定等が行われ。遊技開始処理S200では、各種スイッチ状態の検出、各種乱数の更新、賞球制御等が行われる。
普通図柄遊技処理S300では、まず、普通図柄の当否判定を行って、普通図柄表示装置40にて普通図柄を当り図柄で停止表示させるか、外れ図柄で停止表示させるかを決定する。次に、普通図柄の変動表示時間を設定した後、普通図柄の変動表示を開始する。そして、変動表示時間が経過すると、決定しておいた図柄で普通図柄を停止表示させ、普通図柄の当り図柄が停止表示された場合には、普通電動役物の作動を開始させる(始動チャッカー27を開放状態とする)。普通図柄遊技処理では、以上のようにして、普通図柄の変動表示および停止表示を行い、普通図柄が当り図柄で停止表示された場合には、始動チャッカー27を作動させる処理を行う。始動チャッカー27が作動すると、一対の翼片部が左右に開動作して、始動チャッカー27が開放状態となる。
普通電動役物遊技処理S400では、始動チャッカー27を開放状態に維持する開放時間が経過したか否かを判定し、開放時間が経過していない場合には、始動チャッカー27に規定入賞数の入賞があったか否かを判定する。開放状態にある始動チャッカー27に規定入賞数の入賞があったと判定されるか、開放状態にある始動チャッカー27の開放時間が経過していると判定された場合には、一対の翼片部が閉動作して、始動チャッカー27は通常状態(閉鎖状態)となる。
次に、特別図柄遊技処理S500を図14〜図16のフローチャートに基づいて説明する。図14に示すように、まず、始動チャッカー27の始動口に入賞したか否かを判定し(S501)、始動口に入賞していないと判定された場合には(S501:NO)、S505の処理に移行する。一方、始動口に入賞したと判定された場合には(S501:YES)、特別図柄保留数が4未満であるか否かを判定する(S502)。この結果、特別図柄保留数が4未満でないと判定された場合には(S502:NO)、S505の処理に移行する。一方、特別図柄保留数が4未満であると判定された場合には(S502:YES)、特別図柄用乱数を取得して記憶する(S503)。特別図柄用乱数は、特別図柄当否判定用乱数、特別図柄の当り図柄決定用乱数(特別図柄決定用乱数)、リーチ乱数などからなる。これにより、特別図柄保留数が1増加する。
次に、大当たり遊技中であるか否かを判定する(S505)。この結果、大当たり遊技中であると判定された場合には(S505:YES)、そのまま特別図柄遊技処理を終了し、大当たり遊技中でないと判定された場合には(S505:NO)、特別図柄が変動中であるか否かを判定する(S506)。この結果、特別図柄が変動中であると判定された場合には(S506:YES)、後述のS510の処理に移行し、特別図柄が変動中でないと判定された場合には(S506:NO)、特別図柄の停止表示時間中であるか否かを判定する(S507)。この結果、特別図柄の停止表示時間中であると判定された場合には(S507:YES)、後述のS514の処理に移行し、特別図柄の停止表示時間中でないと判定された場合には(S507:NO)、特別図柄保留数がゼロであるか否かを判定する(S508)。
この結果、特別図柄保留数がゼロであると判定された場合には(S508:YES)、特別図柄遊技処理を終了する。一方、特別図柄保留数がゼロでないと判定された場合には(S508:NO)、特別図柄変動表示処理を行う(S509)。ここで、特別図柄変動表示処理を図16のフローチャートに基づいて説明する。まず、主制御部200のRAMの所定領域(保留記憶領域)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数(始動口への遊技球入球時に取得された当否判定用乱数)を読み出し(S509a)、特別図柄当否判定を行う(S509b)。特別図柄当否判定では、確率変動機能が作動中(確変遊技中)の場合には、確率変動時の当否判定、すなわち判定結果が大当たりとなる確率を通常よりも高くした状態(高確率状態)で当否判定を行い、確率変動機能が作動中でない(通常遊技中)と判定された場合には、非確率変動時の当否判定、すなわち判定結果が大当たりとなる確率を低くした通常の状態(通常確率状態)で当否判定を行う。
次に、当否判定の結果が大当たりであるか否かを判定する(S509c)。この結果、大当たりであると判定された場合には(S509c:YES)、大当たり変動パターンテーブルをセットし(S509d)、変動パターン決定乱数を取得し、主制御部200のRAMの所定領域に記憶されている当り図柄決定用乱数(始動口への遊技球入球時に取得された特別図柄決定用乱数)を読み出す(S509e)。
一方、外れであると判定された場合には(S509c:NO)、リーチ演出を伴う外れである否かを判定する(S509f)。この結果、リーチ演出を伴う外れである場合には(S509f:YES)、リーチあり外れ変動パターンテーブルをセットし(S509g)、リーチ演出を伴わないリーチ外れである場合には(S509f:NO)、リーチなし外れ変動パターンテーブルをセットする(S509h)。そして、変動パターン決定乱数と外れ図柄決定乱数を取得する(S509i)。
次に、特別図柄の変動パターンと停止図柄を決定する(S509j)。特別図柄の変動パターンは、S509eまたはS509iで取得した変動パターン決定乱数を用いて、S509d、S509g、S509hの何れかの処理でセットした変動パターンテーブルから特定の変動パターンを選択する。特別図柄の停止図柄は、S509eで読み出した当り図柄決定乱数またはS509iで取得した外れ図柄決定乱数を用いて特別図柄の停止図柄を確変大当たり図柄、通常大当たり図柄、外れ図柄の何れかに決定する。
次に、S509jで決定された停止図柄および変動パターンに従って、特別図柄表示装置51で特別図柄の変動表示を開始し(S509k)、演出制御部260に特別図柄の変動パターン指定コマンドと停止情報指定コマンドを送信する(S509l)。特別図柄の変動パターン指定コマンドは、S509jで設定された特別図柄の変動パターンを指定するコマンドであり、特別図柄の停止情報指定コマンドは、特別図柄の停止図柄を指定するコマンドである。
次に、特別図柄保留数を1減算し(S509m)、この1減算を示す特別図柄保留数コマンドを演出制御部260に送信する(S509n)。
次に、図14に戻り、上記S506で特別図柄が変動中であると判定された場合には(S506:YES)、変動中の特別図柄の変動表示時間が経過しているか否かを判定する(図15のS510)。この結果、特別図柄の変動表示時間が経過していないと判定された場合には(S510:NO)、そのまま特別図柄遊技処理を終了し、特別図柄の変動表示時間が経過していると判定された場合には(S510:YES)、特別図柄の変動を停止し(S511)、図柄停止コマンドを演出制御部260に送信し(S512)、特別図柄の停止図柄表示時間を設定する(S513)。図柄停止コマンドを受け取った演出制御部260は、画像表示装置35における演出図柄の変動表示を停止させる。
次に、特別図柄の停止図柄表示時間が経過したか否かを判定する(S514)。この結果、特別図柄の停止図柄表示時間が経過していないと判定された場合には(S514:NO)、そのまま特別図柄遊技処理を終了し、特別図柄の停止図柄表示時間が経過していると判定された場合には(S514:YES)、特別図柄の停止図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する(S515)。この結果、特別図柄の停止図柄が大当たり図柄であると判定された場合には(S515:YES)、大当たり遊技(特別遊技)フラグをONにセットする(S516)。これにより、大当たり遊技(特別遊技)が開始する。
次に、確変フラグがONであるか否かを判定し(S517)、確変フラグがONであると判定された場合は(S517:YES)、確変フラグをOFFにセットし(S518)、変動短縮フラグをOFFにセットし(S519)、開放延長フラグをOFFにセットする(S520)。これにより、大当たり遊技の開始に伴い、確率変動機能、変動時間短縮機能、開放時間延長機能が作動停止する。
一方、確変フラグがONでないと判定された場合には(S517:NO)、変動短縮フラグがONであるか否かを判定する(S521)。この結果、変動短縮フラグがONでないと判定された場合には(S521:NO)、そのまま特別図柄遊技処理を終了し、変動短縮フラグがONであると判定された場合には(S521:YES)、変動短縮フラグをOFFにセットし(S519)、開放延長フラグをOFFにセットする(S520)。これにより、大当たり遊技の開始に伴い、変動時間短縮機能、開放時間延長機能が作動停止する。
上記S515の判定処理で、特別図柄の停止図柄が大当たり図柄でない(外れ図柄である)と判定された場合には(S515:NO)、変動短縮フラグがONであるか否かを判定する(S522)。この結果、変動短縮フラグがONでないと判定された場合には(S522:NO)、そのまま特別図柄遊技処理を終了し、変動短縮フラグがONであると判定された場合には(S522:YES)、特別図柄の変動回数を計数し(S523)、変動回数が予め設定された変動回数(本例では100回)に到達したか否かを判定する(S524)。
この結果、変動回数が予め設定された変動回数(100回)に到達していないと判定された場合には(S524:NO)、特別図柄遊技処理を終了し、変動回数が予め設定された変動回数(100回)に到達したと判定された場合には(S524:YES)、変動短縮フラグをOFFにセットし(S525)、開放延長フラグをOFFにセットする(S526)。これにより、変動時間短縮機能、開放時間延長機能が作動停止する。
次に、特別電動役物遊技処理S600について図17のフローチャートに基づいて説明する。まず、大当たり遊技中であるか否かを判定し(S601)、大当たり遊技中でないと判定された場合には(S601:NO)、特別図柄遊技処理を終了し、大当たり遊技中であると判定された場合には(S601:YES)、大入賞口5aが開放中であるか否かを判定する(S602)。この結果、大入賞口5aが開放中であると判定された場合には(S602:YES)、大入賞口5aの開放時間が経過したか否かを判定する(S603)。この結果、大入賞口5aの開放時間が経過していないと判定された場合には(S603:NO)、大入賞口5aに最大入賞数が入賞したか否かを判定する(S604)。
この結果、大入賞口5aに最大入賞数が入賞していないと判定された場合には(S604:NO)、特別電動役物遊技処理を終了し、大入賞口5aに最大入賞数が入賞していると判定された場合(S604:YES)または大入賞口5aの開放時間が経過していると判定された場合には(S603:YES)、大入賞口5aを閉鎖する(S605)。
上記S602で、大入賞口5aが開放中でないと判定された場合には(S602:NO)、大当たり遊技のラウンド数が所定の最高継続ラウンド数(本実施例では15ラウンド)に達したか否かを判定する(S606)。この結果、大当たり遊技のラウンド数が最高継続ラウンド数に達していないと判定された場合には(S606:NO)、大入賞口5aの閉鎖時間(インターバル時間)が経過しているか否かを判定し(S607)、大入賞口5aの閉鎖時間が経過していないと判定された場合には(S607:NO)、特別電動役物遊技処理を終了し、大入賞口5aの閉鎖時間が経過していると判定された場合には(S607:YES)、大入賞口5aを開放させる(S608)。
上記S606で、大当たり遊技のラウンド数が最高継続ラウンド数に達していると判定された場合には(S606:YES)、大当たり遊技フラグをOFFに設定して大当たり遊技を終了する(S609)。そして、今回の大当たり遊技の開始契機となった特別図柄当否判定の結果(停止表示された大当たり図柄の種類)が確変大当たりか否かを判定する(S610)。この結果、特別図柄当否判定の結果が確変大当たりである(停止表示された大当たり図柄が確変大当たり図柄である)と判定された場合には(S610:YES)、確変フラグをONにセットし(S611)、変動短縮フラグをONにセットし(S612)、開放延長フラグをONにセットする(S613)。これにより、確率変動機能、変動時間短縮機能、開放時間延長機能が作動開始する。
一方、S610の判定処理で特別図柄当否判定が確変大当たりでない(通常大当たりである)と判定された場合には(S610:NO)、変動短縮フラグをONにセットし(S612)、開放延長フラグをONにセットする(S613)。これにより、変動時間短縮機能、開放時間延長機能が作動開始する。
次に、演出制御部260が主体となって行う図柄変動演出処理について説明する。図18〜図20は、演出制御部260(演出制御基板260aのCPU260b)が、CPU260bに内蔵されるROMあるいは演出制御基板260aに搭載されるROMに格納されたプログラムに基づいて実行する図柄変動演出処理の流れを示すフローチャートであり、この処理は演出制御部260が実行する図示しないメインルーチンのサブルーチンとして実行される。
まず、図18に示すように、S509lの処理(図16参照)で主制御部200が送信する図柄変動開始時コマンド(特別図柄の変動パターン指定コマンドと停止情報指定コマンド)を受信したか否かを判定する(S700)。この結果、図柄変動開始時コマンドを受信していないと判定された場合には(S700:NO)、図柄変動開始時コマンドを受信するまで待機状態となる。一方、図柄変動開始時コマンドを受信していると判定された場合には(S700:YES)、特別図柄当否判定の結果が大当たりであるか否かを判定する(S701)。特別図柄当否判定の結果が大当たりであるか否かは、停止情報指定コマンドで指定される特別図柄の停止図柄の種類に基づいて判断することができる。
この結果、特別図柄当否判定の結果が大当たりであると判定された場合には(S701:YES)、演出図柄の当たり演出パターンと当たり停止図柄を決定する(S702)。一方、特別図柄当否判定が外れであると判定された場合には(S701:NO)、演出図柄の外れ演出パターンと外れ停止図柄を決定する(S703)。これらのS702またはS703の演出パターン決定処理で、振動演出を伴うボタン演出を含む演出パターンであるか否かが決定される。
そして、S702またはS703で決定した演出パターンを示す演出パターン指定コマンドと演出図柄の停止図柄を示す停止図柄指定コマンドを演出表示制御部280に送信する(S704)。演出表示制御部280は、演出パターン指定コマンドと停止図柄指定コマンドに基づいて、画像表示装置35の表示領域で演出図柄の変動表示を開始する。ボタン演出を含む演出パターンの場合には、ボタン演出の開始タイミングとなったらボタン演出の開始画面を表示する。
次に、変動パターン指定コマンドで指定される演出パターンが押しボタン装置50を用いるボタン演出を伴うものであるか否かを判定する(S705)。この結果、ボタン演出を伴わないと判定された場合には(S705:NO)、S725の処理に移行する。一方、ボタン演出を伴うと判定された場合には(S705:YES)、変動パターン指定コマンドで指定される演出パターンが押しボタン装置50を振動させる振動演出を伴うものであるか否か、すなわち上述の「特別演出パターン」であるか否かを判定する(S706)。
この結果、振動演出を伴わないと判定された場合には(S706:NO)、S709の処理に移行する。一方、振動演出を伴うと判定された場合には(S706:YES)、振動強度切換演出フラグがONにセットされているか否か判定する(S707)。振動強度切換演出フラグがONにセットされていないと判定された場合には(S707:NO)、ボタン振動演出フラグをONにセットする(S708)。「ボタン振動演出フラグ」は、振動演出を実行することを示すフラグであり、後述のS721の処理でOFFにセットされる。
次に、押しボタン装置50の操作を有効化するタイミングであるか否か、つまりボタン操作有効化期間の開始時期が到来したか否かを判定する(S709)。この結果、押しボタン装置50の操作を有効化するタイミングでないと判定された場合には(S709:NO)、押しボタン装置50の操作を有効化するタイミングになるまで待機状態となる。一方、押しボタン装置50の操作を有効化するタイミングが到来したと判定された場合には(S709:YES)、押しボタン装置50の操作を有効化する(S710)。
この押しボタン装置50の操作有効化(ボタン操作有効期間の開始)に伴って、遊技者に押しボタン装置50の操作を促すボタン操作促進演出を行う。ボタン操作促進演出では、例えば画像表示装置35の表示領域に押しボタン装置50の図柄を表示したり、押しボタン装置50に内蔵されたLED(508b,…)を点灯又は点滅させたりすることで、遊技者に押しボタン装置50の操作を促すことができる。また、ボタン操作促進演出の態様に応じて、今回のボタン演出が振動演出を伴うものであるか否かを遊技者に示唆することもできる。例えば、画像表示装置35の表示領域に表示する押しボタン装置50の図柄として、振動演出有りに対応する第1ボタン図柄と、振動演出無しに対応する第2ボタン図柄のいずれかを表示したり、押しボタン装置50に内蔵されたLED(508b,…)の点灯又は点滅のパターンに応じて振動演出の有無を示したりすることができる。なお、上述のS707の判定処理で否定判定となった後で、演出表示制御部280に振動演出禁止コマンドが送信された場合には、画像表示装置35の表示領域に第2ボタン図柄(振動演出無し)のみを表示するようにしてもよい。
次に、図19に示すように、押しボタン装置50が操作されたか否か(演出操作検出センサ104の操作信号がONであるか否か)を判定する(S711)。この結果、押しボタン装置50が操作されていないと判定された場合には(S711:NO)、押しボタン装置50の操作を無効化するタイミングであるか否か(ボタン操作有効期間が経過したか否か)を判定する(S712)。この結果、押しボタン装置50の操作を無効化するタイミングでないと判定された場合には(S712:NO)、S711の判定処理に戻り、押しボタン装置50の操作を無効化するタイミングであると判定された場合には(S712:YES)、S724の処理(押しボタン装置50の操作無効化)に移行する。
次に、S711の判定処理で、押しボタン装置50が操作されたと判定された場合には(S711:YES)、ボタン演出指定コマンドを演出表示制御部280に送信する(S713)。演出表示制御部280は、画像表示装置35の表示領域でボタン演出を開始する。ボタン演出としては、例えば画像表示装置35の表示領域で味方キャラクタが敵キャラクタに対する攻撃を行う場面を表示する。
次に、ボタン振動演出フラグがONにセットされているか否か(振動演出を行うか否か)を判定する(S714)。この結果、ボタン振動演出フラグがONにセットされていない(振動演出を行わない)と判定された場合には(S714:NO)、S724の処理(押しボタン装置50の操作無効化)に移行する。一方、ボタン振動演出フラグがONにセットされている(振動演出を行う)と判定された場合には(S714:YES)、振動モータ514の作動を開始させ(S715)、振動モータ514の作動時間の計時を開始する(S716)。
次に、押しボタン装置50の操作が解除されたか否か(演出操作検出センサ104の操作信号がOFFであるか否か)を判定する(S717)。この結果、押しボタン装置50の操作が解除されていないと判定された場合には(S717:NO)、振動演出を終了するタイミングが到来したか否かを判定する(S718)。この結果、振動演出を終了するタイミングが到来していないと判定された場合には(S718:NO)、S717の判定処理に戻る。一方、振動演出を終了するタイミングが到来したと判定された場合には(S718:YES)、振動モータ514の作動を終了させ(S719)、振動モータ514の作動時間の計時を終了する(S720)。
次に、S512の処理(図15参照)で主制御部200が送信する演出停止コマンドを受信したか否かを判定する(S722)。この結果、演出停止コマンドを受信していないと判定された場合には(S722:NO)、演出停止コマンドを受信するまで待機状態となる。一方、演出停止コマンドを受信していると判定された場合には(S722:YES)、演出停止コマンドを演出表示制御部280に送信する(S723)。これにより、演出表示制御部280は、演出図柄を用いた変動表示演出を終了する。
前述のS707において、振動強度切換演出フラグがONにセットされていると判定された場合(S707:NO)には、図20に示すように、演出制御部260は、相対的に低い強度の振動を発生させるための第2の指令信号P2を出力する(S731)。さらに、振動モータ作動時間の計測が監視タイマを用いて開始され(S732)、所定の第2の指令信号P2の出力時間が経過したか否かが判定される(S733)。第2の指令信号P2の出力時間が経過していない場合(S733:NO)には、待機状態となり、経過している場合(S733:YES)には、第2の指令信号P2の出力が停止されて、相対的に低い強度の振動を発生させるための第1の指令信号P1が出力される(S734)。
さらに、所定の第1の指令信号P1の出力時間が経過したか否かが判定され(S735)、第1の指令信号P1の出力時間が経過していない場合(S735:NO)には、待機状態となる。第1の指令信号P1の出力時間が経過している場合(S735:YES)には、り、振動モータ514の作動を終了させ(S736)、振動モータ514の作動時間の計時を終了する(S737)。
次に、押しボタン装置50を用いて行われる振動強度切換演出について説明する。先ず、振動強度切換演出の一つのパターンとして、リーチ信頼度報知のパターンが設定されている。
このリーチ信頼度報知パターンにおいては、画像表示装置35の画面上にリーチ表示が行われている場合に、画面上に例えば「ボタンを押して下さい」等のメッセージ表示が行われる。所定の時間の経過後、上記演出制御部260においてボタン振動演出を実行することが決定されている場合であれば、押しボタン装置50の振動モータ514が駆動される。そして、振動モータ514の振動が皿前ボタン502に伝達され、遊技者がメッセージに従い押しボタン装置50に手指を載せていれば、皿前ボタン502の振動が遊技者に伝わる。振動の発生は、大当たりが発生する場合に多い割合で発生するよう設定されており、そのとき実行されているリーチ演出表示の大当たりの信頼度が高いことを表している。
さらに、振動切換演出が併せて行われる場合には、演出制御部260は、図20に示すように、指令信号P2をONして振動モータ514を第2の振動パターンで振動させた後、所定時間が経過すると指令信号P2をOFFして指令信号P1をONし、振動モータ514を第1の振動パターンで振動させる。第1の振動パターンの振動強度は第2の振動パターンよりも強く設定されているので、遊技者は振動強度が強く切換ったことを知覚できる。
つまり、遊技者は、押しボタン装置50を押し続ける(所謂「長押し」)、或いは押しボタン装置50に触れ続けるという行為をとることにより、単に振動が発生したことのみでなく、振動が変化したことによって大当たりに対する期待を膨らませることができる。
また、本実施例のパチンコ機1においては、振動切換演出における他の報知パターンとして、疑似連続予告における信頼度報知が設定されている。この報知パターンにおいては、例えば一回の特別図柄の変動停止表示について、画像表示装置35において、複数の特別保留を跨いで連続した信頼度の高い各種予告が行われているように疑似的な連続予告(疑似連続予告)演出が実行される場合に、振動強度切換演出が関連付けられる。
すなわち、疑似連続予告演出中に、遊技者に対して押しボタン装置50を操作するよう促す演出表示(例えば「ボタンを押して下さい」等のメッセージ表示)が行われ、疑似的な各回の予告演出毎に、押しボタン装置50の状態を、「振動なし」、「弱振動あり」、「強振動あり」の順に変化させる。この押しボタン装置50の状態の変化は、疑似連続予告の進行と大当たり信頼度等と対応付けられており、「強振動あり」の状態となった場合には、大当たり信頼度等が高い状態となっている。
また、振動切換演出における他の報知パターンとして、ステップアップ予告報知パターンが設定されている。この報知パターンにおいては、例えばリーチ演出の内容が、装飾の度合や物語のストーリー展開等の面で、徐々に発展してステップアップしていく場合に、振動強度切換演出が関連付けられるものである。この場合においても、押しボタン装置50の状態は、「振動なし」、「弱振動あり」、「強振動あり」の順に変化するが、この押しボタン装置50の状態の変化は、リーチ演出のステップアップの段階の変化に対応付けられている。
さらに、振動切換演出における他の報知パターンとして、確率状態報知が設定されている。本実施例において確率状態報知は、小当たり発生後や、大当たりの発生に伴う特別遊技の終了後に、そのときの大当たり確率状態が、高い状態(高確率状態)に変化したのか、或いは低い状態(通常確率状態)のままであるのかの区別を遊技者に報知するものである。また、本実施例においては、小当たり発生後や、大当たりの発生に伴う特別遊技の終了後に特定状態となり、この特定状態中には、画像表示装置35における図柄の変動表示時間が短くなる時短制御や、始動チャッカー27の開閉羽根の開放時間が長くなる開放延長制御が実行される。この時短制御及び開放延長制御は、同じ期間に双方が実行される場合や、何れか一方のみが実行される場合がある。
特定状態中において、画像表示装置35では確率状態報知が行われない場合がある。このため遊技者は、現在の確率状態が高確率であるのか通常確率であるのかを常に正確に把握できるわけではない。しかし、本実施例のパチンコ機においては、乱数抽選により、特定状態中に押しボタン装置50を用いて確率状態報知が行われる場合がある。
つまり、演出制御部260は、特定状態中の所定の時期から、指令信号P2をONし続けており、振動モータ514を第2の振動パターンで振動させている。そして、遊技者に対して高確率状態にある旨の報知を行うことが決定されている場合には、所定のタイミングで指令信号P2をOFFするとともに指令信号P1をONし、振動モータ514を第1の振動パターンで強く振動させる。したがって、遊技者は、特定状態中に振動報知が行われえるかも知れないという期待の下、押しボタン装置50に触れ、そのままボタン装置に触れたまま手指に注意を払うことで、画像表示装置35に現れない確率状態を認識することができる。
このような振動切換演出を行うことにより、確率状態を全く報知しない、或いは判り易くは報知しないタイプの演出である所謂、潜伏確変中に、遊技者が自ら確率状態を知覚するための行為を行い続けることで、自分のみが確率状態を知ることのできる場合があるといったゲーム性を実現可能となる。
また、上記実施例では、特別図柄の変動表示(図柄変動遊技)に付随して行われる図柄変動演出において押しボタン装置50を用いるボタン演出を行い、そのボタン演出にて押しボタン装置50を振動させる振動演出を行うように構成したが、これに限らず、大当たり遊技の進行に伴う大当たり遊技演出(ラウンド演出)において、振動演出を伴うボタン演出を行うようにしてもよい。例えば、大当たりラウンド数が複数(例えば15ラウンドと7ラウンド)設定され、大当たり遊技中にラウンド昇格演出を行う遊技機において、ラウンド昇格演出でボタン演出を行い、昇格確定の場合に振動演出及び振動強度切換演出を行うように構成してもよい。
ラウンド昇格演出は、特別図柄当否判定の結果が15ラウンド大当たりまたは7ラウンド大当たりの場合に、演出図柄が7ラウンド大当たりに対応する図柄で停止表示して大当たり遊技が開始されたことを前提条件として行われる。特別図柄当否判定の結果が15ラウンド大当たりであっても、演出図柄が7ラウンド大当たりに対応する図柄で停止表示した後、ラウンド昇格演出で特別図柄当否判定の結果が15ラウンド大当たりであると報知された場合には、遊技者はあたかも特別図柄当否判定が7ラウンド大当たりから15ラウンド大当たりに昇格したような印象を受け、興趣が向上する。
あるいは、大当たり遊技中に、この大当たり遊技の終了後に確率変動機能が作動開始するか否かを報知する確変昇格演出を行う場合、この確変昇格演出でボタン演出を行い、確変昇格確定の場合に振動演出及び振動強度切換演出を行うように構成してもよい。確変昇格演出は、特別図柄当否判定の結果が確変大当たりまたは通常大当たりの場合に、演出図柄が通常大当たり図柄で停止表示して大当たり遊技が開始されたことを前提条件として行われる。特別図柄当否判定の結果が確変大当たりであっても、演出図柄が通常大当たり図柄で停止表示した後、確変昇格演出で特別図柄当否判定の結果が確変大当たりであると報知された場合には、遊技者はあたかも特別図柄当否判定が通常大当たりから確変大当たりに昇格したような印象を受け、興趣が向上する。
なお、上記の「ラウンド昇格演出」や「確変昇格演出」は、演出制御部260の制御により実行され、例えば画像表示装置35の画面表示を用いて行うことができる。確変昇格演出の具体的態様としては、例えば味方キャラクタと敵キャラクタの戦闘場面を表示し、味方キャラクタが勝利した場合に「ラウンド昇格」や「確変昇格」等と書かれた文字が現われる場面を表示することで、特別図柄当否判定の結果が15ラウンド大当たりであることや確変大当たりであることを示唆することができる。
以上説明したように本実施例のパチンコ遊技機1によれば、演出制御部260からの第1の指令信号P1、及び第2の指令信号P2の切換えによって、駆動回路部60におけるDCモータ514aに対する電力供給の信号系統(60a,60b)が切り換えられるので、プログラム開発に多大な負荷をかけることなく、振動強度を切換える機種を提供できる。
つまり、振動モータ514に、ON/OFF制御により駆動されるDCモータ514a(ブラシ付き)が用いられているので、機器構成が低コストである。これに加えて、本実施例のパチンコ機1においては、振動強度の切換えは、駆動回路部60への第1及び第2の指令信号のON/OFF制御により行われるので、パルスモータ等の高価なモータを用いた場合に必要となるような、パルスモータの機械的特性や偏心錘の仕様と、プログラム上の種々のパラメータとの摺り合わせ(マッチング作業)によりモータの脱調を防止するための作業を行う必要がなく、プログラム開発のコストが大幅に抑制される。したがって、振動強度の切換えを低コストで行うことが可能となる。
特に、本実施例においては、抵抗69が挿入されていない第1の駆動信号線64と、抵抗69が挿入された第2の駆動信号線64とを設けることで、振動強度の切換えを可能としているため、演出制御部260のCPU260bに空いた出力ポートがあればそれを利用できる。したがって、回路構成が簡素であり、これによっても振動強度の切換えを低コストで行うことが可能となる。
さらに、本実施例においては、強度が弱い振動パターンから強い振動パターンへ切り替えているので、遊技者が振動を知覚し易く、振動モータ514を有効に活用できる。
また、ブラシ付きのDCモータ514aを用いているので、転流制御の必要がなく、定格電流や定格電圧の影響を受け難い。したがって、電圧や電流の制御が容易であり、これによっても回路構成の簡素化が可能である。
さらに、ボタン振動演出を行う場合は、単に押しボタン装置50の押圧操作を行わせるだけの演出を行う場合に比べて、一般に、ボタン装置の操作が長くなりがち(長押しをしがち)であるので、第2の振動パターン(比較的弱い振動パターン)で振動が発生している期間が過度に長くならないように設定することにより、第1の振動パターン(比較的強い振動パターン)で振動が発生する前に遊技者が手を離してしまうことを防止できる。
また、電源部61における電源が一つ(DC3V)のみであるので、電源部61の構成が簡素であり、コストを低く抑えることができる。さらに、直流12Vを降圧して3Vの電源を構成しているので、電圧が低く、波形に回路にダメージを与えるほどのスパイク(オーバーシュート等ともいう)は現れにくい。したがって、逆流防止部63の選定に過度の注意を払う必要がなく、設計が容易である。
なお、逆流防止部63のダイオードとしては、ファーストリカバリータイプのものを用いるのが好ましい。しかし、電圧波形のスパイクが十分に小さく、悪影響が生じない場合には、この逆流防止部63を省略することも可能である。
また、本実施例においては、振動強度切換に係る処理(図20参照)が図柄変動演出処理(図18参照)に含まれるようプログラム制作が行われているが、振動強度切換処理を別のプログラムモジュールとしてもよい。この場合には、振動強度の切換え機能の有無に伴うソフトウエアの変更作業が一層容易になる。
図21は、本発明の第二実施例に係る振動モータ駆動回路部(以下、「駆動回路部」と称する)70を示している。なお、第一実施例に係る駆動回路部60と同様の構成については同一符号を付し、その説明は省略する。
本実施例の駆動回路部70には、電源部71と、第2の切換回路部72とが備えられている。なお、本実施例では、切換回路部66は第1の切換回路部として機能している。
これらのうち電源部71には、第1の電源71aと第2の電源71bとが備えられている。第1の電源部は演出制御部260のDC3Vの電源信号を中継してDCモータ514aに供給できるよう構成されており、第2の電源部は演出制御部260のDC35の電源信号を中継してDCモータ514aに供給できるよう構成されている。
上記第2の切換回路部72は、第1及び第2のスイッチング素子72a,72bを備えており、各スイッチング素子としてバイポーラ型のトランジスタが用いられている。第1及び第2のスイッチング素子72a,72bは、上記電源部71とDCモータ514aとの間に介装されており、第1のスイッチング素子72aのエミッタ端子は第1の電源71aに接続され、第2のスイッチング素子72bのエミッタ端子は第2の電源71bに接続されている。さらに、第1及び第2のスイッチング素子72a,72aの各コレクタ端子は、DCモータ514aの正極(+)側に接続されている。そして、第1のスイッチング素子72aのベース端子が第1の駆動信号線64に接続されてDC3Vに繋がる第1の系統70aが構成され、第2のスイッチング素子72bのベース端子が第2の駆動信号線65に接続されてDC5Vに繋がる第2の系統70bが構成されている。
ここで、本実施例において第1の系統70aは、電源71aから第1のスイッチング素子72a、DCモータ514a及び逆流防止部63を経て、接地部70cに至るまでの経路と、第1のスイッチング素子72aから、第1の駆動信号線64、切換回路部66、接地部66aに至る経路とを足し合せた経路を指している。
演出制御部260から、第1の振動パターンで振動モータ514を振動させるための第1の指令信号P1が出力されると、切換回路部66において第2端子(IN1)がONし、第1の系統70aが動作状態となって、第1の駆動信号線64がONする。そして、第1の電源71aのDC3VがDCモータ514aに供給され、振動モータ514が第1の電源71aの電圧値に応じた電力の供給を受けて振動を発生させる。
その後、所定時間が経過すると、演出制御部260は、第1の指令信号P1をOFFし、第2の振動パターンで振動モータ514を振動させるための第2の指令信号P2を出力する。切換回路部66においては第4端子(IN2)がONし、第2の系統70bが動作状態となって、第2の駆動信号線65がONする。そして、第2の電源71bのDC5VがDCモータ514aに供給され、振動モータ514が第2の電源71bの電圧値に応じた電力の供給を受けて振動を発生させる。
ここで、本実施例において第2の系統70bは、電源71bから第2のスイッチング素子72b、DCモータ514a及び逆流防止部63を経て、接地部70cに至るまでの経路と、第2のスイッチング素子72bから、第2の駆動信号線65、切換回路部66、接地部66aに至る経路とを足し合せた経路を指している。
以上説明したように本実施例のパチンコ遊技機1によれば、第一実施例と同様に、演出制御部260からの第1の指令信号P1、及び第2の指令信号P2の切換えによって、駆動回路部60におけるDCモータ514aに対する電力供給の信号系統(70a,70b)が切り換えられるので、プログラム開発に多大な負荷をかけることなく、振動強度を切換える機種を提供できる。
また、本実施例によれば、電圧値の切換えによって複数の振動パターンを生成することができ、振動強度の切換え時におけるDCモータ514aの応答性が良く、振動強度の切換えを円滑に行うことが可能である。
なお、第2の切換回路部72においては、第1及び第2のスイッチング素子72a,72bにおいて、それぞれ電圧の損失(例えば0.3V程度)が生じる場合があるが、本実施例においては、これらの損失があっても遊技者が十分に振動を感知できるよう、電源部71の第1及び第2の電源71a,71bの電圧値(3V,5V)が決定されている。なお、第1及び第2の電源71a,71bの電圧値は上記実施例の値に限られるものではなく、例えば電圧の損失の影響が生じないような場合には、第2の電源71a,71bの電圧値を1.5Vと3Vとすることも可能である。
以上、本発明をその好適な実施の形態に基づいて説明したが、本発明の遊技機は、上記実施形態の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施した遊技機も、本発明の範囲に含まれる。
上記実施例では、遊技者が操作する遊技者操作部として押しボタン装置50を用いた例について説明したが、これに限らず、本発明の遊技者操作部は遊技者が直接触れて操作可能なものであればよく、例えば発射ハンドル2を用いることができる。図22は、本発明の変形例に係る発射ハンドル2を概略的に示しており、発射ハンドル2のハンドル軸2cに振動モータ154を取り付け、発射ハンドル2に振動モータ154を内蔵させている。このような構成により、振動可能とした発射ハンドル2を本発明の遊技者操作部とすることができる。
また、本発明は、複数の回胴を所定の図柄の組合せが揃うように停止させ、遊技役の入賞が成立しているか否かによって遊技メダルが払い出されるという一連の遊技を行う回胴式遊技機(スロットマシン)にも適用可能である。例えば、変動開始した回胴を停止させる停止ボタンに振動モータを内蔵させ、振動可能とした停止ボタンを本発明の操作手段とすることができる。また、ベットボタンに本発明の押しボタン装置を適用することも可能である。