以下に、本発明を実施するための形態を図を用いて説明する。図1は、遊技機1の全体斜視図、図2は、遊技盤21の正面図、図3は、普通図柄作動ゲート19及び始動入賞口11の正面図、図4は、表示集合板45の正面図、図5は、打球発射装置43の構成を示す説明図、図6は、遊技機1の裏側に設けられた遊技機制御装置100の要部ブロック図、図7は、遊技機制御装置100を構成する演出制御基板111を示すブロック図である。
本実施形態の遊技機1は、一定数の遊技球(例えば30個)を循環して遊技を行う封入式遊技機であって、図1乃至図5に示すように、図示しない遊技島に固定される外枠22と、この外枠22に取り付けられた内枠23とから構成されており、内枠23には、遊技者にパチンコ遊技を提供する着脱自在に装着される遊技盤21と、遊技盤21の前面側に開閉自在に装着されるガラス扉枠17と、ガラス扉枠17の下方に配置される皿ユニット24と、ガラス扉枠17の上方に配置され入賞に対する賞球の払い出しや球詰まり、異常等を報知する遊技効果ランプ15とが設けられている。
遊技盤21には、後述する打球発射装置43によって打ち出された遊技球を誘導する打球誘導レール3と、打ち出された遊技球が一定範囲内で飛球するよう設けられた遊技領域形成レール4と、打球誘導レール3及び遊技領域形成レール4によって囲われた遊技領域5と、遊技領域5に打ち出された遊技球が再び打球誘導レール3と遊技領域形成レール4の間に戻ってファール球が発生するのを防止するファール球防止弁28と、遊技領域5に打ち出された遊技球を不測の方向へ変化を与える風車20と、演出図柄が回転する様子を示す擬似的な表示(以下、スクロール表示ともいう)や所定の遊技状態(例えばリーチ)になったときに様々な演出表示を行う液晶表示ディスプレイ(LCD)等で構成された演出図柄表示装置6と、遊技球が入賞することによって演出図柄表示装置6及び後述の特別図柄表示装置47に演出図柄の変動表示及び特別図柄の変動表示を開始させるチャッカー型の始動入賞口11a、電動チューリップ型の始動入賞口11b(以下、両者を単に始動入賞口11ともいう)と、演出図柄表示装置6が演出図柄(特別図柄表示装置47が特別図柄)の変動表示中又は大当り中に遊技球が始動入賞口11へ入賞した場合に、あと何回変動表示するか(最高4回)を遊技者に報知するための保留記憶の点灯表示を順次行う4つの保留LED25と、演出図柄表示装置6内において所定の画像を表示する表示部30と、この表示部30において3つの演出図柄をそれぞれ個別に表示する左図柄表示部8、中図柄表示部9、右図柄表示部10と、演出図柄表示装置6における表示結果が予め定められた態様(大当り)になった場合、遊技者に有利に開口される大入賞口(アタッカ)7と、遊技球が通過することによって普通図柄表示装置18(図4参照)に普通図柄の変動表示を開始させる普通図柄作動ゲート19と、入賞することによって賞品球に相当する後述のクレジット数が与えられる普通入賞口14と、遊技領域5の最下部に設けられた遊技球を回収するアウト口16と、所定の遊技状態になると回転する星型の可動物32と、所定の遊技状態になると下方に移動するオバケ型の3つの可動物31と、所定の遊技状態になると点灯等の表示を行うLEDが集められた表示集合板45とが設けられている。
図3を参照して、普通図柄作動ゲート19には、(A)に示すように、遊技球に設けられた後述するRFタグ70から遊技球識別情報を読み取るためのRFタグリーダ19rが設けられており、また、始動入賞口11には、(B)に示すように、同様にRFタグ70から遊技球識別情報を読み取るためのRFタグリーダ11ar、11brが設けられている。RFタグリーダ19rは、普通図柄作動ゲート19と一体的に設けられ、普通図柄作動ゲート19を1個ずつ通過する遊技球の遊技球識別情報を読み取る。RFタグリーダ11arは、チャッカー型の始動入賞口11aの入賞通路に設けられ、該入賞通路を1個ずつ通過する始動入賞口11aに入賞した遊技球の遊技球識別情報を読み取る。RFタグリーダ11brは、電動チューリップ型の始動入賞口11bの入賞通路に設けられ、該入賞通路を1個ずつ通過する始動入賞口11bに入賞した遊技球の遊技球識別情報を読み取る。
次に、図4を参照して、遊技領域5の左側中ほどに遊技領域形成レール4に沿って設けられる表示集合板45には、上部に特別図柄を変動表示する7セグメントLEDで構成された特別図柄表示装置47と、特別図柄表示装置47下部の右側に配置され、確率変動状態時に点灯する確変LED48aと時短状態時に点灯する時短LED48bから構成される確変時短表示装置48と、特別図柄表示装置47及び確変時短表示装置48の下側に三連状に配置され、大当りのラウンド数を点灯表示する3つのラウンド表示LED46a、46b、46cから構成されるラウンド表示装置46と、ラウンド表示装置46の下側に配置され、普通図柄を変動表示すると共に、当りである場合に始動入賞口11bとしての電動チューリップの羽根を所定時間開放させる当りLED18aとはずれLED18bで構成される普通図柄表示装置18と、普通図柄表示装置18の下側に配置され、普通図柄表示装置18が普通図柄の変動表示中に遊技球が普通図柄作動ゲート19を通過した場合に、当該変動表示が終了した後に、あと何回変動表示するか(最高4回)を遊技者に報知するための保留記憶の点灯表示を順次行う4つの保留LED26とが設けられている。
図1に戻って、内枠23に設けられた皿ユニット24には、遊技者が操作することにより後述する打球発射装置43(発射ソレノイド43a、球送りソレノイド43b)を作動させる打球操作ハンドル2と、遊技球を打球発射装置43に供給するための打球供給皿12と、遊技者が獲得した遊技球数の情報等を表示する情報表示部13とが設けられている。
打球供給皿12には、遊技者が所定の遊技状態になったときに操作するプッシュ式の演出ボタン51と、遊技機1に隣接して設けられる図示しないカードユニットから挿入したプリペイドカードを返却させる返却ボタン58と、プリペイドカードの残度数を表示する度数表示器が設けられる度数表示基板61と、プリペイドカードの残度数の範囲内で後述のクレジット表示装置33にクレジット数を転送して、遊技機1から打球供給皿12に遊技球を貸し出す球貸ボタン59とが設けられている。また、打球供給皿12の上面には、遊技球の飛び出しを防止すると共に、遊技者が遊技球に触れることを防止するための透明な蓋12aが設けられている。なお、演出ボタン51は、内部にランプやLED等を設けて所定の遊技状態になったら点灯するように構成してもよい。
情報表示部13には、遊技者が獲得した遊技球(クレジット)数を表示するクレジット表示装置33と、遊技者が遊技を終了するときに操作するクレジット精算ボタン35と、クレジット精算ボタン35が操作されたときにクレジット数を記憶したクレジットカードを発行したり、発行されたクレジットカードを挿入したりするクレジットカード装置36とが設けられている。クレジット表示装置33は、リアルタイムでクレジット数を1個単位でデジタル表示する、6個の7セグメントLEDで構成される表示装置であり、遊技球の入賞口への入賞により賞品球数に相当するクレジット数が加算されると共に、球貸ボタン59が操作されたときに規定クレジット数が加算され、一方、遊技領域5に打ち出された遊技球数に相当するクレジット数が減算される。また、クレジットカード装置36は、予め所定枚数の生カードがストックされており、クレジット精算ボタン35操作時に、1枚の生カードにクレジット数が記憶されて排出され、一方、この排出されたクレジットカードをクレジットカード装置36に挿入すると、そのクレジットカードに記憶されたクレジット数がクレジット表示装置33に表示され、これにより遊技者は、所望の遊技機1にて遊技をすることが可能となる。つまり、遊技機1は、クレジット表示装置33に表示されたクレジット数だけ遊技球が発射可能になっている。
なお、上記したプリペイドカードやクレジットカードは限定されるものではなく、例えばコイン等、他の媒体で構成するようにしてもよい。また、上記の説明では、プリペイドカードをカードユニットに、クレジットカードをクレジットカード装置36(遊技機1)に挿入する態様で説明したが、これは限定されるものではなく、例えば両者をカードユニット又は遊技機1に挿入して処理する態様にしてもよく、さらにプリペイドカード及びクレジットカードを、両者の機能を持ち合わせた1つの媒体で構成するようにしてもよい。
ここで、図5を参照しながら、皿ユニット24の背面側に設けられる打球発射装置43の構成について説明する。打球発射装置43は、ベース板41に構成部品が集約して設けられており、その中央部には球供給通路37が形成されている。球供給通路37は、略つ字状に形成され、その上部には、アウト口16に回収された遊技球と入賞口に入賞した遊技球、即ち遊技領域5に打ち出された遊技球が流入する幅広状の球入口38が形成されている。なお、この球入口38は、遊技機1の点検で遊技球を抜いたとき等に、遊技球を補給するための球補給口としての機能も兼ねている。
球供給通路37の終端部には、球送りソレノイド43bが設けられており、球入口38から流入して球供給通路37を転動流下する遊技球は、この球送りソレノイド43bにより、一旦、球供給通路37内で停止するようになっている。これにより、球供給通路37内には、図5に示すように、複数の遊技球が一列に整列して貯留されることになる。また、球供給通路37の終端部には、遊技球に設けられた後述するRFタグ70に遊技球識別情報を書き込むためのRFタグライタ39wが設けられている。このRFタグライタ39wは、後述する識別情報書込スイッチ150が操作されたときに、遊技球に設けられたRFタグ70に、所定の遊技球識別情報を書き込む。なお、RFタグライタ39wは、識別情報書込スイッチ150の操作に替えて、遊技機1の電源ON時に、RFタグ70に所定の遊技球識別情報を書き込むようにしてもよい。
図中、49は、球発射口であり、球供給通路37内で整列していた遊技球は、球送りソレノイド43bの駆動により1個ずつ球供給通路37から排出されて球発射口49に流下する。図中、43aは、発射ソレノイドであり、球発射口49に流出した遊技球は、発射レール50の発射位置まで流下して停止し、発射ソレノイド43aの駆動により遊技領域5に向かって打ち出される。球送りソレノイド43bと発射ソレノイド43aは、交互にタイミングよく駆動制御されることで、遊技球を所定間隔で1個ずつ発射することが可能になっている。なお、発射される速度が遅くファールとなった遊技球は、図示しないリフトや経路を通って、再び球供給通路37に導出され発射されるようになっている。
上記したように構成される遊技機1は、プリペイドカード等を挿入して球貸ボタン59を操作したり、クレジット数が記憶されたクレジットカードをクレジットカード装置36に挿入したりしてクレジット表示装置33にクレジット数が表示された後、打球操作ハンドル2の操作により、打球発射装置43から遊技球が発射され、打球誘導レール3と遊技領域形成レール4の間を通って遊技球が遊技盤21上の遊技領域5に打ち出される。また、打球発射装置43から発射される速度が遅くファール球防止弁28を通過しない遊技球は、遊技領域5に打ち出されることなく、再び打球誘導レール3と遊技領域形成レール4の間を通ってファール球として処理され、再び打球発射装置43から発射される。
遊技領域5に打ち出された遊技球は、後述する発射球スイッチ117により検出され、この検出された遊技球数に相当するクレジット数が減算されてクレジット表示装置33に表示される。そして、遊技球は遊技領域5を自重により落下し、落下する過程においては、遊技盤21に植設される遊技釘や風車20によって落下する方向に変化を与えられ、始動入賞口11や普通入賞口14に入賞したり、普通図柄作動ゲート19を通過したり、全ての入賞口に入賞しなかった場合には、アウト口16に回収される。そして、これらアウト口16に回収された遊技球と入賞口に入賞した遊技球、即ち遊技領域5に打ち出された遊技球は、再び打球発射装置43の球供給通路37に集められて遊技領域5に向かって打ち出される。
遊技球が普通入賞口14に入賞した場合には、後述する左入賞口スイッチ122a、又は右入賞口スイッチ122bにより遊技球が検出され、賞品球数に相当するクレジット数が加算されてクレジット表示装置33に表示される。遊技球が始動入賞口11(始動入賞口11a、又は始動入賞口11b)に入賞した場合には、RFタグリーダ11ar、又は11brにより遊技球の遊技球識別情報が読み取られる。そして、後述する始動入賞口スイッチ116a、又は116bにより遊技球が検出され、賞品球数に相当するクレジット数が加算されてクレジット表示装置33に表示される。
また、遊技球が始動入賞口11に入賞すると、演出図柄表示装置6の各図柄表示部8、9、10に複数種類(例えば20種類)の演出図柄をスクロール表示させ、所定時間後に左図柄表示部8、右図柄表示部10、中図柄表示部9の順に演出図柄を停止させて確定表示を行い、左図柄表示部8の演出図柄と右図柄表示部10の演出図柄とが停止した時点で大当りを構成する演出図柄の組合せ(例えば、左図柄表示部8の演出図柄と右図柄表示部10の演出図柄とが同一の演出図柄の組合せ)である場合にはリーチとなり、演出図柄表示装置6の表示部30にて所定のリーチアクションが演出表示されるようになっており、その後中図柄表示部9の演出図柄が停止した時点で確定表示された演出図柄が予め定められた大当り演出図柄の組合せである場合には大当りとなり、大入賞口7としてのアタッカを所定の態様で開放するようになっている。そしてこれら以外の演出図柄の組合せである場合には、はずれとなる。なお、遊技球が大入賞口7に入賞した場合には、後述する大入賞口スイッチ123により遊技球が検出され、賞品球数に相当するクレジット数が加算されてクレジット表示装置33に表示される。
ここで、演出図柄表示装置6に演出図柄を変動表示させる過程で、所定の遊技状態になった場合、例えばリーチになった場合には、所定の割合で演出図柄表示装置6にて遊技者に演出ボタン51を所定の態様で操作させる演出表示が実行されるようになっている。なお、演出図柄表示装置6にて左図柄表示部8、中図柄表示部9、右図柄表示部10の演出図柄を停止させる順序は特に限定するものではなく、また、大当り以外に、中当りや小当りを設け、大入賞口7(アタッカ)を所定の態様で開放するようにしてもよい。
また、遊技球が始動入賞口11に入賞した場合には、演出図柄表示装置6が作動するのと同時に特別図柄表示装置47が作動して特別図柄が変動表示され、この特別図柄の変動表示は、演出図柄表示装置6にて変動表示されていた演出図柄が停止して確定表示されたとき、同時に停止して確定表示される。つまり演出図柄表示装置6の変動表示と特別図柄表示装置47の変動表示は同期する。なお、特別図柄表示装置47の変動表示は、7セグメントLEDのセグメントを所定の順序で点灯させていくことで実行している。
そして演出図柄表示装置6にて、はずれ又は大当り図柄が確定表示されたときは、特別図柄表示装置47にも予め定められたはずれ又は大当り図柄が表示される。また、特別図柄表示装置47において、はずれのときの特別図柄は1種類であり、一方、大当りの特別図柄は複数種類(例えば20種類)設けられており、これら大当りの特別図柄はそれぞれ大当りの遊技内容(例えばラウンド数、確率変動や時短の有無及び回数等)が異なるようになっている。なお、始動入賞口11aに入賞したときと、始動入賞口11bに入賞したときとで大当りなる確率や、所定の遊技内容の大当りになる確率を異ならせるようにしてもよい。また、特別図柄表示装置47にてはずれの特別図柄や大当りの特別図柄の種類は特に限定されるものではなく、例えば、はずれの特別図柄を複数種類設けるようにしてもよい。
また、大当りになると、ラウンド表示装置46のラウンド表示LED46a、46b、46cが当該大当りのラウンド数に応じて点灯する。例えば、今回の大当りの特別図柄が4ラウンド大当りである場合には、大入賞口7の作動中にラウンド表示LED46aが点灯し、大当りの特別図柄が7ラウンド大当りである場合には、大入賞口7の作動中にラウンド表示LED46bが点灯し、大当りの特別図柄が15ラウンド大当りである場合には、大入賞口7の作動中にラウンド表示LED46b、46cが点灯するといった具合である。もちろん、これらラウンド表示LED46a、46b、46cが点灯する組合せは、大当りの特別図柄に応じて適宜設定するようにすればよい。
さらに、大当りの特別図柄が確率変動大当りである場合には、大入賞口7の作動終了後(大当り遊技終了後)次の大当りになるまで、又は、所定回数特別図柄が変動表示するまで大当りになる確率が上昇する遊技状態(確変状態)になり、この確変状態になっているときは、確変時短表示装置48の確変LED48aが点灯する。また、大当りの特別図柄が時短大当りである場合には、大入賞口7の作動終了後(大当り遊技終了後)次の大当りになるまで、又は、所定回数特別図柄が変動表示するまで特別図柄の変動時間が短縮する遊技状態(時短状態)になり、この時短状態になっているときは確変時短表示装置48の時短LED48bが点灯する。また、大当りの特別図柄が確率変動且つ時短大当りである場合には、大入賞口7の作動終了後(大当り遊技終了後)次の大当りになるまで、又は、所定回数特別図柄が変動表示するまで大当りになる確率が上昇且つ特別図柄の変動時間が短縮する遊技状態(確変時短状態)になり、この確変時短状態になっているときは、確変LED48aと時短LED48bが点灯する。そして、大当りの特別図柄がこれら以外の通常大当りである場合には、確変LED48aと時短LED48bは点灯しない。
また、遊技球が普通図柄作動ゲート19を通過した場合には、RFタグリーダ19rにより遊技球の遊技球識別情報が読み取られる。そして、後述する普通作動ゲートスイッチ121によって遊技球を検出し、普通図柄表示装置18に普通図柄を変動表示させて抽選を行い、所定時間経過後当りLED18aが点灯して所定の当り図柄(例えば「◎」)が確定表示されれば当りとなり、電動チューリップ(始動入賞口11b)の羽根を所定時間開放し、一方所定時間経過後はずれLED18bが点灯して所定のはずれ図柄(例えば「×」)が確定表示されればはずれとなる。なお、遊技状態が確変状態や時短状態になっているときに普通図柄が当りとなったときは、電動チューリップ(始動入賞口11b)の羽根の開放時間を延長するようにしてもよい。この電動チューリップ(始動入賞口11b)の羽根の開放時間を延長する態様は、例えば羽根を複数回開放して開放時間を延長したり、1回の羽根の開放時間を延長したりすればよく、ただしこの場合、所定個数(例えば8個)の遊技球が入賞したら羽根を閉じるようにすればよい。
従って、このような遊技機1を遊技する遊技者は、遊技球が始動入賞口11に入賞したときは大当りを期待することができるので、演出表示のない特別図柄表示装置47の特別図柄よりも、極めて演出効果の高い演出図柄表示装置6に変動表示される演出図柄を注視することになる。そして、演出図柄表示装置6に大当りを構成する演出図柄の組合せが停止して遊技状態がリーチになったときは、遊技者が最も期待する瞬間となり、このとき演出図柄表示装置6に演出ボタン51を操作させる演出が表示されたときは、遊技者は大当りを獲得すべく演出ボタン51を懸命に操作することになる。これにより遊技に参加することができるという満足感を遊技者に与えて遊技機1の趣向性が向上する。
次に遊技機1の裏側に設けられた遊技機制御装置100を図6を用いて説明する。遊技機制御装置100は図6に示すように構成され、遊技機制御装置100を主に構成する主制御基板44は、図示していないが、入力回路、出力回路、ワンチップマイクロコンピュータ及びこれらを接続するバス(データバス、アドレスバス、コントロールバス等)とを備えており、入力回路を介して取得した各センサやスイッチ等からの信号に基づいて、ワンチップマイクロコンピュータが出力回路に接続されている各種回路や機器等を制御するための所定の制御プログラムを実行する。また、ワンチップマイクロコンピュータは、制御プログラムを実行するCPU、CPUが実行する制御プログラムを格納するROM及びCPUが処理するデータを一時的に記憶するRAMが内蔵されている。
主制御基板44の入力回路には、電源基板53及びクレジット制御基板40と、始動入賞口11に設けられた遊技球の入賞を検出すると演出図柄及び特別図柄の変動開始信号及びクレジット加算信号を送る始動入賞口11aスイッチ116a、始動入賞口11bスイッチ116bと、普通図柄作動ゲート19に設けられた遊技球の通過を検出すると普通図柄の変動開始信号を送る普通作動ゲートスイッチ121と、大入賞口7に設けられ、大入賞口7を開放することにより大入賞口7内に入賞した遊技球を検出するとクレジット加算信号を送る大入賞口スイッチ123と、普通入賞口14に入賞した遊技球を検出するとクレジット加算信号を送る左入賞口スイッチ122a、右入賞口スイッチ122b(左入賞口スイッチ122aは左側の3つの普通入賞口14に、右入賞口スイッチ122bは右側の普通入賞口14に対応)と、ファール球防止弁28の近傍に設けられ、遊技領域5に打ち出された遊技球を検出するとクレジット減算信号を送る発射球スイッチ117とが接続されている。
主制御基板44の出力回路には、演出制御基板111及びクレジット制御基板40と、大入賞口7としてのアタッカを開口動作するための大入賞口ソレノイド106と、始動入賞口11bとしての電動チューリップを開放動作するための普通電動ソレノイド107と、図示しないドライバ回路を経由して7セグLEDとしての特別図柄表示装置47と、当りLED18a及びはずれLED18bからなる普通図柄表示装置18と、図示しないホール管理コンピュータ等に接続される外部端子板109とが接続されている。
クレジット制御基板40及び発射基板42は、上記した主制御基板44と同様に、入出力回路、ワンチップマイクロコンピュータ等を備えて構成されている。クレジット制御基板40の入出力回路には、電源基板53、発射基板42及び主制御基板44と、ガラス扉枠17が開放されると扉開放信号を送る扉開放スイッチ124と、内枠23が開放されると枠開放信号を送る枠開放スイッチ125と、打球発射装置43の発射ソレノイド43aと、情報表示部13のクレジット表示装置33、クレジット精算ボタン35及びクレジットカード装置36と、打球供給皿12の返却ボタン58、球貸ボタン59及び度数表示基板61とが接続されている。
また、発射基板42の入出力回路には、クレジット制御基板40と、打球操作ハンドル2が回動操作されて遊技球が発射される時にオンするタッチセンサ119と、打球操作ハンドル2の所定箇所に設けられ押圧操作することにより打球発射装置43の作動をオフさせて遊技球の発射を停止する発射停止スイッチ120と、打球発射装置43の球送りソレノイド43bとが接続されている。
次に、演出制御基板111について、図7を参照しながら説明する。演出制御基板111は、所定の制御プログラムを実行するCPU140、CPU140が実行する制御プログラムを格納するROM142及びCPU140の作業領域を構成するRAM141等からなるワンチップマイクロコンピュータを備えている。また、演出制御基板111は、LCDとしての演出図柄表示装置6に演出表示する画像を制御するVDP143、VDP143が読み出す各コマンドに対応した表示制御データ(変動パターン等)及びキャラクタや図柄や背景等が記憶された画像データ用のCGROM145、VDP143が処理する画像データ等を一時的に記憶保持するための記憶エリアを備えたVRAM144を備えている。これらのCPU140、RAM141、ROM142、VDP143、VRAM144及びCGROM145は、バス115により接続されている。また、バス115と接続される入出力回路147には、電源が切られた場合でもRAM141及びVRAM144の記憶内容を所定時間保持可能なRAM、VRAMバックアップ回路146が接続されている。
即ち、演出制御基板111は、主制御基板44のCPUから一方向のストローブ信号や表示制御用コマンド信号等の制御信号を受け、ストローブ信号が入力されると、表示制御用CPU140は表示制御用コマンドを認識する。するとVDP143は、この表示制御用コマンドに対応するデータエリアから表示制御データ及びキャラクタや図柄や背景等をCGROM145から読み出し、上記画像データを一時記憶するVRAM144に格納する。そしてVDP143は、この格納された画像データを、表示順がくるとVRAM144から読み出し、CPU140からの指令に応じて所定の態様でLCD(演出図柄表示装置6)に演出表示する。
また、入出力回路147には、演出図柄表示装置6と、操作されたときに操作信号を送る演出ボタン51と、各種の効果音を拡声させるためのスピーカ113と、オバケ型の可動物31を落下動作するための演出モータ105と、星型の可動物32を回転動作するための演出モータ108と、各種のLEDやランプ(例えば、保留LED25や遊技効果ランプ15)と、図示しないホール管理コンピュータ等に接続される外部端子板109とが接続されている。
さらに、入出力回路147には、識別情報書込スイッチ150と、閾値設定スイッチ151と、RFタグリーダ11ar、11br、19rと、RFタグライタ39wとが接続されている。識別情報書込スイッチ150は、遊技場の関係者のみが操作可能なように、遊技機1の裏面側に設けられるスイッチであって、遊技機1に電源が投入されてから所定時間(例えば3分)以内に操作されたときのみ有効となる。識別情報書込スイッチ150が有効に操作されると、RFタグライタ39wが遊技球に設けられたRFタグ70に遊技球識別情報を書き込む。
つまり、RFタグライタ39wは、識別情報書込スイッチ150が有効に操作されると起動し、RFタグライタ39wが発生するRFフィールド内に遊技球が入ってくると、無線によりRFタグ70に電力と遊技球識別情報を送信する。RFタグ70は、電池を内蔵していないパッシブタイプであって、電気的に書き換え可能なEEPROM71を備えており、RFタグライタ39wからの無線による送信電力により起動して、RFタグライタ39wから無線送信された遊技球識別情報を受信してEEPROM71に記憶する。これにより、遊技球のRFタグ70に所定の遊技球識別情報が書き込まれる。さらに、RFタグライタ39wは、RFタグ70からEEPROM71に記憶された遊技球識別情報を無線送信により受信して読み取る機能も備えている。
ここで、上述したように、RFタグライタ39wは、球供給通路37の直ぐ上側に設けられ、この球供給通路37内は、図5に示したように、遊技球が整列して貯留されている。従って、複数のRFタグ70からRFタグライタ39wへのデータの通信が衝突することがなく、これにより、RFタグライタ39wに、これらデータの衝突を回避するためのアンチコリジョン等の機能を備える必要がない。
閾値設定スイッチ151は、識別情報書込スイッチ150と同様に、遊技場の関係者のみが操作可能なように、遊技機1の裏面側に設けられるスイッチであって、普通図柄作動ゲート19、始動入賞口11a、始動入賞口11bへの遊技球の通過又は入賞回数が、適正か否かを判断するための閾値を設定するためのスイッチである。この閾値設定スイッチ151が操作されると、CPU140は、普通図柄作動ゲート19、始動入賞口11a、始動入賞口11bそれぞれに対して、所定の閾値をRAM141の所定の記憶エリアに設定記憶する。
RFタグリーダ11arは、始動入賞口11aに入賞した遊技球の遊技球識別情報を読み取り、RFタグリーダ11brは、始動入賞口11bに入賞した遊技球の遊技球識別情報を読み取り、RFタグリーダ19rは、普通図柄作動ゲート19を通過する遊技球の遊技球識別情報を読み取る装置であって、これらのRFタグリーダ11ar、11br、19rは、RFタグリーダ11ar、11br、19rが発生するRFフィールド内に遊技球が入ってくると、無線によりRFタグ70に電力を送信する。RFタグ70は、RFタグリーダ11ar、11br、19rからの無線による送信電力により起動して、EEPROM71に記憶している遊技球識別情報を読み出してRFタグリーダ11ar、11br、19rに無線送信する。RFタグリーダ11ar、11br、19rは、RFタグ70から無線送信された遊技球識別情報を受信して、RAM141の所定の記憶エリアに受信した遊技球識別情報の回数を、遊技球識別情報毎に累積記憶する。これにより、RAM141に普通図柄作動ゲート19、始動入賞口11a、始動入賞口11bへの遊技球の通過又は入賞回数が、遊技球識別情報毎に記憶される。
ここで、上述したように、RFタグリーダ11ar、11brは、始動入賞口11a、11bの入賞通路に設けられ、RFタグリーダ19rは、普通図柄作動ゲート19と一体的に設けられており、これらRFタグリーダ11ar、11br、19rが設けられている箇所は、遊技球が1個ずつ通過するようになっている。従って、複数のRFタグ70からRFタグリーダ11ar、11br、19rへのデータの通信が衝突することがなく、これにより、RFタグリーダ11ar、11br、19rに、これらデータの衝突を回避するためのアンチコリジョン等の機能を備える必要がない。
なお、演出制御基板111は、演出制御基板111を構成する各種装置の機能や配置及び各CPU140の処理速度やROM142、RAM141等の記憶装置の容量等に応じて適宜設計すればよい。
次に、このように構成された遊技機1にて実行される本発明の特徴的な処理について、図8乃至図18を参照しながら詳述する。図8は、演出制御基板111のCPU140が実行する不正遊技処理を示すフローチャート、図9は、演出制御基板111のCPU140が実行する電源投入処理を示すフローチャート、図10は、演出制御基板111のCPU140が実行する遊技球識別情報書込処理を示すフローチャート、図11は、遊技球毎に書き込まれる識別情報を示す説明図、図12は、演出制御基板111のCPU140が実行する遊技中処理を示すフローチャート、図13は、RAM141に記憶される遊技球毎の始動入賞口11a、11bの入賞回数及び普通図柄作動ゲート19の通過回数を示す説明図、図14は、演出制御基板111のCPU140が実行する平均値算出処理を示すフローチャート、図15は、演出制御基板111のCPU140が実行するリセット処理を示すフローチャート、図16は、演出制御基板111のCPU140が実行する閾値外判断処理を示すフローチャート、図17は、演出制御基板111のCPU140が実行する閾値外処理を示すフローチャート、図18は、演出制御基板111のCPU140が実行する閾値設定スイッチ処理を示すフローチャート、図19は、閾値設定スイッチ151により設定された新たな閾値の例を示す説明図である。なお、これらの処理は遊技機1の電源投入時から所定時間(例えば2msec)毎に繰り返し実行されるようになっている。
図8を参照して、本発明の特徴的な演出制御基板111のCPU140が実行する不正遊技処理は、電源投入処理(ステップS10)、遊技球識別情報書込処理(ステップS20)、遊技中処理(ステップS40)、閾値設定スイッチ処理(ステップS130)からなっている。この不正遊技処理が実行されると、まずステップS10にて、遊技機1に電源が投入されたときに係る図9に示す電源投入処理が実行される。この電源投入処理が実行されると、ステップS12にて、遊技機1に電源が投入されたか否かを判定し、ステップS12にてYESのときはステップS13に移行し、ここで、CPU140は、初期化処理として、スタックの設定や以下の処理に必要な各フラグ、各レジスタ及びRAM141等の記憶エリアの初期化を行う。
そして、ステップS14に移行し、識別情報書込スイッチ150がオン操作されたか否かを判定し、識別情報書込スイッチ150がオン操作されたときは、ステップS16に移行し、遊技機1に電源が投入されてから識別情報書込スイッチ150がオン操作されるまでの時間が、所定時間(例えば3分)以内か否かを判定する。そしてステップS16にてYESのときはステップS18に移行し、ここで上記ステップS14にてYESと判定された識別情報書込スイッチ150のオン操作を有効にする。そして、ステップS18の処理を終えると、又は、ステップS12、S14にてNOの場合には、この電源投入処理を終了する。
つまり、図9に示す電源投入処理では、遊技場の関係者以外の者が容易に識別情報書込スイッチ150をオン操作できないようにすると共に、営業中に誤って識別情報書込スイッチ150をオン操作して、遊技球の識別情報を書き換えてしまうことを防止するようにしている。これにより、後述する不正球の判断が容易且つ正確に行われる。
また、識別情報書込スイッチ150のオン操作が有効になったときは、その旨を報知するように、例えば、識別情報書込スイッチ150(或いは、識別情報書込スイッチ150に対応して設けたLEDやランプ等)を点灯させるようにするとよい。このようにすれば、識別情報書込スイッチ150の操作者は、識別情報書込スイッチ150のオン操作が有効になったことを容易に確認できる。なお、ステップS16にてNOの場合には、即ち、遊技機1に電源が投入されてから識別情報書込スイッチ150がオン操作されるまでの時間が、所定時間を越えていた場合には、遊技機1の電源を一旦落とした後、再度、図9に示すように、ステップS12に戻って電源投入処理を実行するようにすればよい。
図8に戻って、電源投入処理が終了すると、ステップS20に移行し、次に図10に示す遊技球識別情報書込処理が実行される。この遊技球識別情報書込処理が実行されると、まずステップS22にて、識別情報書込スイッチ150のオン操作が有効にされているか否かを判定し、ステップS22にてYESのときはステップS24に移行し、ここでRFタグライタ39wを起動し、次いでステップS26に移行して、遊技機1の各遊技球に設けられたRFタグ70に遊技球識別情報を書き込む。
本実施形態の遊技機1は、30個の遊技球を循環して遊技を行う封入式遊技機であるので、図11に示すように、1個の遊技球に対して、その遊技機の台番号(例えば100)と、01〜30の番号の何れかを組み合わせた数字(例えば100−01)が、遊技球識別情報のデータとしてRFタグ70に書き込まれ、RFタグ70の備えるEEPROM71に記憶される。従って、1台の遊技機1に対して、30種類の遊技球識別情報が、遊技球毎に書き込まれて記憶されることになる。また、このRFタグ70への書き込みは、EEPROM71に、書き込み予定の遊技球識別情報と同じデータが既に記憶されていた場合には、実行されない。つまり、RFタグ70への遊技球識別情報の書き込みは、通常、遊技機1に初めて遊技球をセットするとき、古い遊技球を交換するとき、或いは、点検等で遊技球を紛失し、新たに遊技球を補充するとき等の場合に実行されることになる。なお、これらの場合に遊技機1に遊技球を補給するには、上記図5で示した球入口38に所定数の遊技球を入れて行えばよい。
ステップS26を終えると、ステップS27に移行して発射ソレノイド43aと球送りソレノイド43bを所定回数駆動させる。このステップS27の処理は、遊技機1の全ての遊技球に遊技球識別情報を書き込むための処理であり、つまり、遊技機1に電源が投入されたときは、通常、全ての遊技球(30個)が図5に示した球供給通路37内に整列しており、従って、これら全ての遊技球をRFタグライタ39wが発生するRFフィールド内に進入させるため、発射ソレノイド43aと球送りソレノイド43bを駆動させるのである。ここで、発射ソレノイド43aと球送りソレノイド43bを駆動させる回数は、例えば60回(全ての遊技球を2回RFフィールド内に進入させる回数)程度であればよく、また、このステップS27における遊技球の発射速度は、遊技領域5に打ち出されて遊技データに含まれることがないよう、発射した遊技球がファール球となる速度が望ましい。
そして、ステップS28に移行し、RFタグライタ39wによる書込が全て終了したか否か、つまり、遊技機1の全ての遊技球に対して遊技球識別情報が書き込まれている否かを判定する。この判定は、次のように行う。即ち、RFタグライタ39wは、遊技機1で使用される遊技球毎の遊技球識別情報を予め記憶しており、この記憶している遊技球識別情報と、RFタグ70から受信する遊技球識別情報を比較し、これによりRFタグ70から全ての遊技球識別情報を受信したら、RFタグ70への書き込みを終了したと判定し、CPU140に書き込みが終了した旨を示す書込終了信号を送出する。CPU140は、このRFタグライタ39wからの書込終了信号を受信することにより、ステップS28にてYESと判定する。
そして、ステップS28にてYESのときはステップS30に移行し、RFタグライタ39wの作動を停止し、ステップS32に移行して、識別情報書込スイッチ150のオン操作を無効にする。なお、識別情報書込スイッチ150が点灯していた場合には、このステップS32の処理にて、識別情報書込スイッチ150を消灯する。このようにすれば、識別情報書込スイッチ150の操作者は、識別情報書込スイッチ150のオン操作が無効になったことを容易に確認できる。
一方、ステップS28にてNOのときは、つまり、RFタグライタ39wからの書込終了信号を受信していないときは、ステップS36に移行し、ここでエラー処理を実行する。このエラー処理としては、例えば、遊技機1の所定のLEDやランプ等を点灯させたり、遊技機1のスピーカ113から音声でその旨を報知したり、或いは、外部端子板109を介してホール管理コンピュータや遊技機1の周辺機器(例えば、呼び出しランプや台間装置)に出力してその旨を報知させるようにすればよい。さらに、演出図柄表示装置6にその旨を文字等で表示させるようにしてもよい。この演出図柄表示装置6に文字等で表示させる場合には、例えば「識別情報が書き込みエラー」「識別情報が1つ書き込みできません」というような表示が考えられ、特に後者の場合には、何らかの理由で紛失した遊技球の個数を把握することができる。
そして、ステップS36のエラー処理を受けて、店員等が遊技機1に遊技球を補充するような措置を行ったら、遊技機1の電源を一旦落とした後、再度、ステップS12(図9参照)に戻って電源投入処理を実行するようにすればよい。一方、ステップS32の処理を終えたら、又は、ステップS22にてNOと判定されたときは、この遊技球識別情報書込処理を終了する。なお、この遊技球識別情報書込処理は、通常、営業の開始前に行われる。
図8に戻って、遊技球識別情報書込処理が終了すると、ステップS40に移行し、次に図12に示す遊技中処理が実行される。この遊技中処理が実行されると、まずステップS42にて、RFタグリーダ11arがオンしたか、つまり、RFタグリーダ11arが始動入賞口11aに入賞した遊技球の遊技球識別情報を読み取ったか否かが判定され、ステップS42にてYESのときはステップS44に移行し、RAM141の始動入賞口11a記憶エリアに、始動入賞口11aに入賞した遊技球の入賞回数を遊技球識別情報毎に累積記憶する。
そして、ステップS44を終えると、又は、ステップS42にてNOのときは、ステップS46に移行し、RFタグリーダ11brがオンしたか、つまり、RFタグリーダ11brが始動入賞口11bに入賞した遊技球の遊技球識別情報を読み取ったか否かが判定され、ステップS46にてYESのときはステップS48に移行し、RAM141の始動入賞口11b記憶エリアに、始動入賞口11bに入賞した遊技球の入賞回数を遊技球識別情報毎に累積記憶する。
そして、ステップS48を終えると、又は、ステップS46にてNOのときは、ステップS50に移行し、RFタグリーダ19rがオンしたか、つまり、RFタグリーダ19rが普通図柄作動ゲート19を通過した遊技球の遊技球識別情報を読み取ったか否かが判定され、ステップS50にてYESのときはステップS52に移行し、RAM141の普通図柄作動ゲート19記憶エリアに、普通図柄作動ゲート19を通過した遊技球の通過回数を遊技球識別情報毎に累積記憶する。なお、図13には、RAM141に記憶される遊技球(遊技球識別情報)毎の始動入賞口11a、11bの入賞回数及び普通図柄作動ゲート19の通過回数を示した例が記載されている。
そして、ステップS52を終えると、又は、ステップS50にてNOのときは、ステップS60に移行し、図14に示す平均値算出処理を実行する。この平均値算出処理が実行されると、ステップS62にて、全ての遊技球の始動入賞口11aへの入賞回数の合計Saが100以上になったか否かを判定し、ステップS62にてYESのときはステップS64に移行し、全ての遊技球の始動入賞口11aへの入賞回数の平均値Haを算出する。この平均値Haは、Sa/30の式により求める。
そして、ステップS64を終えると、又は、ステップS62にてNOのときは、ステップS66に移行し、全ての遊技球の始動入賞口11bへの入賞回数の合計Sbが100以上になったか否かを判定し、ステップS66にてYESのときはステップS68に移行し、全ての遊技球の始動入賞口11bへの入賞回数の平均値Hbを算出する。この平均値Hbは、Sb/30の式により求める。
そして、ステップS68を終えると、又は、ステップS66にてNOのときは、ステップS70に移行し、全ての遊技球の普通図柄作動ゲート19への通過回数の合計Gが100以上になったか否かを判定し、ステップS70にてYESのときはステップS72に移行し、全ての遊技球の普通図柄作動ゲート19への通過回数の平均値Hを算出する。この平均値Hは、G/30の式により求める。そして、ステップS72を終えると、又は、ステップS70にてNOのときは、この平均値算出処理を終了する。
つまり、この平均値算出処理では、全ての遊技球の始動入賞口11a、11b、普通図柄作動ゲート19への入賞又は通過回数の合計Sa、Sb、Gが、100以上になったものから平均値Ha、Hb、Hを算出するようにしている。この理由は、あまり平均値を算出するためのデータが少ないと、算出した平均値の精度がよくなく、その結果、後述する閾値外判断処理にて不正ではない遊技球を、不正な遊技球と誤って判断する虞が高くなり、好ましくないからである。なお、図13には、合計Sa、Sb、G、平均Ha、Hb、Hを示した例が記載されている。
図12に戻って、平均値算出処理が終了すると、ステップS80に移行し、次に図15に示すリセット処理が実行される。このリセット処理が実行されると、まずステップS82にて、合計Saが1000以上になったか否かを判定し、ステップS82にてYESのときはステップS84に移行し、この合計Saの値を0にリセットする。
そして、ステップS84を終えると、又は、ステップS82にてNOのときは、ステップS86に移行し、合計Sbが1000以上になったか否かを判定し、ステップS86にてYESのときはステップS88に移行し、この合計Sbの値を0にリセットする。
そして、ステップS88を終えると、又は、ステップS86にてNOのときは、ステップS90に移行し、合計Gが2000以上になったか否かを判定し、ステップS90にてYESのときはステップS92に移行し、この合計Gの値を0にリセットする。そして、ステップS92を終えると、又は、ステップS90にてNOのときは、このリセット処理を終了する。
つまり、このリセット処理では、全ての遊技球の始動入賞口11a、11b、普通図柄作動ゲート19への入賞回又は通過回数の合計Sa、Sb、Gが、1000又は2000以上になったら、これら合計Sa、Sb、Gの値を0にリセットするようにしている。この理由は、後述する閾値外判断処理では、あまり長期間に亘って不正な遊技球を判断しようとすると、途中で遊技球に不正が行われても数字に表れにくく、その結果、後述する閾値外判断処理にて不正な遊技球を、不正ではない遊技球と誤って判断する虞が高くなり、好ましくないからである。なお、合計Gが2000以上になったときに、合計Gの値を0にリセットするようにしたのは、始動入賞口11a、11bの遊技球の入賞率に比して、普通図柄作動ゲート19の遊技球の通過率が高いからである。
図12に戻って、リセット処理が終了すると、ステップS100に移行し、次に図16に示す閾値外判断処理が実行される。この閾値外判断処理が実行されると、まずステップS101にて、平均値Ha、Hb、Hの2倍を閾値に設定し、ステップS102に移行して、平均値Ha、Hb、Hを閾値に設定する。なお、この閾値の設定は、RAM141の所定の記憶エリアに設定される。そして、ステップS103に移行して、平均値Haの2倍を超える遊技球が有るか否かを判定し、ステップS103にてNOのときはステップS104に移行し、平均値Hbの2倍を超える遊技球が有るか否かを判定し、ステップS104にてNOのときはステップS106に移行し、平均値Hの2倍を超える遊技球が有るか否かを判定する。
そして、ステップS106にてNOのときはステップS108に移行し、2倍しても平均値Ha未満の遊技球が有るか否かを判定し、ステップS108にてNOのときはステップS110に移行し、2倍しても平均値Hb未満の遊技球が有るか否かを判定し、ステップS110にてNOのときはステップS112に移行し、2倍しても平均値H未満の遊技球が有るか否かを判定する。
一方、ステップS103、S104、S106、S108、S110、S112にてYESの場合には、ステップS120に移行し、ここで図17に示す閾値外処理を実行する。つまり、閾値外判断処理のステップS101〜S112では、全ての遊技球の始動入賞口11a、11b、普通図柄作動ゲート19への入賞又は通過回数の平均値Ha、Hb、Hと、この平均値Ha、Hb、Hの2倍を閾値として設定し、これら平均値Ha、Hb、Hの2倍(閾値)を超える遊技球、又は、2倍しても平均値Ha、Hb、H(閾値)未満の遊技球を不正な遊技球と判断するようにしている。即ち、この閾値外判断処理では、閾値を、RFタグリーダ11ar、11br、19rにより読み取った遊技球識別情報に基づいて算出される、現在の遊技状態が反映された精度の高い値に設定することができ、従って、この不正球の判断に対する信頼性を高めることができる。例えば、図13において、平均値Haは29であり、この場合には、遊技球識別情報が「100−04」、「100−30」が不正な遊技球として判断される。また、平均値Hbは16、平均値Hは31であり、この場合には、何れの遊技球も、不正な遊技球として判断されない。
図17を参照して、閾値外処理が実行されると、まずステップS122にて、外部出力処理が行われる。この外部出力処理は、外部端子板109を介してホール管理コンピュータや遊技機1の周辺機器(例えば、呼び出しランプや台間装置)に出力して、閾値外の不正な遊技球がある旨を報知させる処理である。報知内容としては、例えば「不正な遊技球があります。点検してください」等が考えられる。これにより、遊技場は、当該遊技機1の検査や確認作業が可能となる。
次に、ステップS124に移行し、遊技機報知処理を実行する。この遊技機報知処理は、遊技機1自身の備える装置、例えば、演出図柄表示装置6やスピーカ113にて、表示や音声で閾値外の不正な遊技球がある旨を報知させる処理である。報知内容としては、例えば「警告!不正な遊技球を検出しました。」等が考えられる。これにより、不正行為を働く遊技者への抑止力になる。
次に、ステップS126に移行し、遊技停止処理を実行する。この遊技停止処理は、打球発射装置43(発射ソレノイド43a、球送りソレノイド43b)の作動を停止したり、発射ソレノイド43aの発射速度を遅くして、発射する遊技球全てをファール球としたり、遊技機1の電源を落としたりする処理である。これにより、不正な遊技球による遊技の続行を防止でき、遊技場に被害を与えることがない。そして、ステップS126を終えると、この閾値外処理を終了する。
図16に戻って、ステップS120の閾値外処理が終了すると、又は、ステップS112にてNOと判定されたときは、閾値外判断処理を終了し、これにより図12の遊技中処理を終了させ、図8に戻って、次に、ステップS130に移行して、図18に示す閾値設定スイッチ処理を実行する。
この閾値設定スイッチ処理が実行されると、まずステップS132にて、閾値設定スイッチ151がオンされたか否かを判定し、ステップS132にてYESのときはステップS136に移行し、閾値設定スイッチ151にて入力された新たな平均値を、上記した平均値Ha、Hb、Hの替わりに設定する。
ここで、閾値設定スイッチ151は、例えば、図19に示すように、「密」「普」「荒」の3つのスイッチから構成するようにしてもよい。図19を参照して、「密」の閾値設定スイッチ151aがオンされた場合には、始動入賞口11aへの入賞回数20を平均値Maとし、始動入賞口11bへの入賞回数10を平均値Mbとし、普通図柄作動ゲート19への通過回数25を平均値Mとして、上記した平均値Ha、Hb、Hの替わりに設定する。
また、「普」の閾値設定スイッチ151bがオンされた場合には、始動入賞口11aへの入賞回数30を平均値Faとし、始動入賞口11bへの入賞回数15を平均値Fbとし、普通図柄作動ゲート19への通過回数40を平均値Fとして、上記した平均値Ha、Hb、Hの替わりに設定する。
また、「荒」の閾値設定スイッチ151cがオンされた場合には、始動入賞口11aへの入賞回数40を平均値Aaとし、始動入賞口11bへの入賞回数20を平均値Abとし、普通図柄作動ゲート19への通過回数55を平均値Aとして、上記した平均値Ha、Hb、Hの替わりに設定する。
従って、上記図16に示した閾値外判断処理のステップS103〜S112では、閾値設定スイッチ151a、151b、151cで設定された新たな平均値として、平均値Haの替わりにMa、Fa、Aaが、平均値Hbの替わりにMb、Fb、Abが、平均値Hの替わりにM、F、Aが設定される。
即ち、「密」の閾値設定スイッチ151aがオンされた場合、平均値Ma、Mb、Mと、この平均値Ma、Mb、Mの2倍を新たな閾値として設定し、「普」の設定スイッチ151bがオンされた場合、平均値Fa、Fb、Fと、この平均値Fa、Fb、Fの2倍を新たな閾値として設定し、「荒」の閾値設定スイッチ151cがオンされた場合、平均値Aa、Ab、Aと、この平均値Aa、Ab、Aの2倍を新たな閾値として設定し、この新たな閾値に基づいた閾値外判断処理により、閾値外処理が実行されるか否かが決定されることになる。
このように、閾値設定スイッチ151を、「密」「普」「荒」の3つのスイッチ151a、151b、151cから構成するようにすれば、不正な遊技球をより厳密に判定するため、閾値を小さくしたり、或いは、不正ではない遊技球を、間違って不正な遊技球と判定してしまうことを防止するため、閾値を大きくしたりすることが、容易に実現できる。なお、閾値設定スイッチ151は、これ以外にも、閾値(平均値)を数値で入力できるようにして、より自由な設定ができるように構成してもよい。
図18に戻って、ステップS136を終えると、又は、ステップS132にてNOのときは、この閾値設定スイッチ処理を終了し、これにより上述してきた図8に示す不正遊技処理を終了する。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る封入式の遊技機1は、遊技に使用する全ての遊技球にRFタグ70を設け、RFタグライタ39wによりRFタグ70に遊技球識別情報を書き込むと共に、遊技に影響を与える始動入賞口11a、始動入賞口11b、普通図柄作動ゲート19に、RFタグリーダ11ar、RFタグリーダ11br、RFタグリーダ19rをそれぞれ設け、これら始動入賞口11a、始動入賞口11b、普通図柄作動ゲート19に入賞又は通過する遊技球から遊技球識別情報を読み取って、その入賞又は通過回数を遊技球(遊技球識別情報)毎に対応付けて累積記憶する。そして、この累積記憶した全ての遊技球データから算出する適正値を閾値として設定し、この閾値と、累積記憶した個々の遊技球データとを比較し、閾値を外れている遊技球があったときは、該遊技球を不正な遊技球としてその旨を外部に出力したり、報知したり、遊技を停止したりする閾値外処理を実行するよう構成されている。
従って、このように構成された遊技機1では、遊技球に不正が行われたときに、この不正な遊技球を特定して対処することができ、その結果、遊技場の被害を少なくすることができる。また、遊技機1は、RFタグライタ39wを備えているので、遊技球を補給するとき、予め遊技球識別情報を書き込んだ遊技球を遊技機1毎に仕分けする必要がないと共に、RFタグライタ39wは、球供給通路37に設けるようにしたので、新たに補給された遊技球が発射される前に、確実に該遊技球に遊技球識別情報を書き込むことができる。
以上、本発明の実施形態に係わる遊技機1を図面に基づいて説明してきたが、具体的な構成は実施形態に示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加などがあっても本発明に含まれる。例えば、上述した実施形態においては、遊技機1は、封入式遊技機で説明したが、これは、一定数の遊技球を循環させる単島に設置される遊技機としてもよい。また、遊技球としては、従来からの磁石にくっつく鋼等の材質に限定することなく、ガラスやプラスチック等の材質であってもよい。
また、上述した実施形態の遊技機1では、遊技球に書き込み可能なEEPROM71を備えたRFタグ70を設け、このRFタグ70に遊技球識別情報をRFタグライタ39wにより書き込む構成を説明したが、これは、遊技球に書き込み不能なROM等を備えたRFタグ70を設け、遊技機1からRFタグライタ39wを除くようにしてもよい。このように遊技機1を構成する場合には、遊技機1で使用される前に、遊技球のRFタグ70毎に相違する遊技球識別情報を、ROMライタ等で予め書き込むようにすればよい。
また、RFタグ70は、パッシブタイプのもので説明したが、これは、アクティブタイプのものを使用するようにしてもよい。パッシブタイプは、タグに電池を内蔵せず、タグリーダは電磁誘導等を用いてタグに給電し識別情報(ID)を読み取る構成で、IDの読み取り可能範囲が狭い(数センチ〜最大1メートル程度)ものの、タグの小型化、薄型化が容易になるという特徴を持つ。一方、アクティブタイプは、タグに電池を内蔵し、タグリーダはタグから微弱無線等で一定時間毎に発信される(ID)を読み取る構成で、IDの読み取り可能範囲が広い(数メートル〜最大数十メートル程度)ものの、タグの小型化には限界があるという特徴を持つ。
また、閾値は、遊技球の入賞又は通過回数を設定するようにしたが、これに変えて、遊技球の入賞又は通過率を設定するようにしてもよい。この場合、遊技球30個の入賞又は通過率の平均値は1/30であるから、図16の閾値外判断処理においては、1/30の2倍を超える入賞又は通過率の遊技球(図13における遊技球識別情報が「100−04」の遊技球が該当、入賞率80/870)、2倍しても1/30未満の入賞又は通過率の遊技球(図13における遊技球識別情報が「100−30」の遊技球が該当、入賞率8/870)が不正な遊技球として判断され、つまり、これは、閾値に遊技球の入賞又は通過率を設定しても、閾値に遊技球の入賞又は通過回数を設定したときと、この判断結果は同じとなる。
或いは、閾値は、遊技球が入賞又は通過してから、次の遊技球が入賞又は通過するまでの時間Tを設定するようにしてもよい。この場合、予め、遊技機1において試射等から得られた平均的な時間T1を設定しておき、一方、遊技球(遊技球識別情報)毎に入賞又は通過したときの現在時間を累積記憶して時間T2を算出し、この時間T2の平均が時間T1の2倍を超える遊技球、この時間T2の平均を2倍しても時間T1未満の遊技球を、不正な遊技球として判断するようにすればよい。
即ち、RFタグリーダ11ar、11br、19rが読み取った遊技球識別情報に関連する所定データ(入賞又は通過回数、入賞又は通過したときの現在時間等)を、この遊技球識別情報毎に対応付けてRAM141に累積記憶し、一方、始動入賞口11a、11b、普通図柄作動ゲート19に対する遊技球の入賞又は通過が、適正か否かを判断するための所定データに係る閾値を、所定の算出方法により内部で設定、又は、閾値設定スイッチ151により外部から設定し、この設定した閾値と、所定データ又は所定データから算出されるデータとを比較することにより、遊技機1にて使用される遊技球の中から、閾値を外れている遊技球があるか否かを判断し、閾値を外れている遊技球があれば不正な遊技球として、閾値外処理を実行するようにすればよい。
なお、上述した実施形態では、図16に示したように、平均値Ha、Hb、Hの2倍を閾値の上限値、平均値Ha、Hb、Hを閾値の下限値として設定し(ステップS101、S102)、閾値の上限値を越える遊技球があった場合及び閾値の下限値未満の遊技球(2倍しても閾値の下限値未満の遊技球)があった場合に(ステップS103〜S112)、閾値を外れている遊技球があるとして閾値外処理を実行するようにしたが、この閾値が外れているか否かの判断は、閾値の上限値以上の遊技球があった場合及び閾値の下限値以下の遊技球があった場合に、閾値を外れている遊技球があると判断してもよい、即ち、閾値が外れているとは、閾値そのものの数値を含む場合(閾値を越える又は閾値未満)と、閾値そのものの数値を含まない場合(閾値以上又は閾値以下)の何れであってもよい。
また、RFタグ70に書き込まれる遊技球識別情報のデータは、遊技機毎に全て異なるように、図11に示す遊技機の台番号を含むようにしたが、このデータは、遊技球毎に区別が可能なものであればよく、遊技機の台番号を無くして遊技機内のみを異なるようにしてもよい。また、平均値Ha、Hb、Hの算出方法は、全ての遊技球の入賞又は通過回数の合計Sa、Sb、Gを、全ての遊技球数で除すことにより求めたが、平均値を大きく変える、例えば図13に示す遊技球識別情報「100−04」や「100−30」は、両者又は一方を除外して計算するようにしてもよい。
また、図15のリセット処理では、入賞又は通過回数の合計Sa、Sb、Gが所定回数(1000、1000、2000以上)になったらリセットするようにしたが、これは、大当り毎、所定数の遊技球が発射されたとき、加算されたクレジット数の累計が所定数になったとき、遊技時間が所定時間になったとき等にリセットするようにしてもよい。さらに、リセット処理において、遊技機1に封入する遊技球数によって、リセットすることとなる入賞又は通過回数の合計Sa、Sb、Gを変更するようにしてもよい。本実施形態の遊技機1では、30個の遊技球を封入して、入賞又は通過回数の合計Sa、Sb、Gが1000、1000、2000以上になったらリセットするようにしたが、例えば、遊技機1に15個の遊技球を封入したときは、入賞又は通過回数の合計Sa、Sb、Gが500、500、1000以上になったらリセットするようにしてもよい。この場合、入賞又は通過回数の合計Sa、Sb、G同士の比と、封入する遊技球数の比とは、等しく2対1となる。
また、図17の閾値外処理では、ステップS126にて遊技停止処理を実行するようにしたが、この処理に変えて、不正な遊技球を、遊技機1を循環する遊技球から除外する処理を実行するようにしてもよい。具体的には、不正な遊技球を発射するとファール球になるように打球発射装置43(発射ソレノイド43a)を制御したり、不正な遊技球を、遊技機1を循環する遊技球の循環経路とは別の経路に誘導して、所定の待機箇所に待機させたりすることが考えられる。或いは、不正な遊技球を、遊技機1の外部に排出するようにしてもよい。これにより、善意の遊技者は、中断することなく遊技を続けることができる。
また、RFタグリーダは、始動入賞口11a、始動入賞口11b、普通図柄作動ゲート19に設けるようにしたが、これに加えて又は変えて、大入賞口7に設けるようにしてもよい。また、RFタグライタ39wは、遊技球の発射位置となる球発射口49手前の球供給通路37の終端部に設けるようにしたが、これは、球供給通路37であれば、どこに設置してもよく、即ち、RFタグライタ39wは、遊技球の待機位置から発射するまでの間であれば、どこに設置してもよい。また、識別情報書込スイッチ150は、個別に遊技機1の裏面側に設けるようにしたが、これは、もともとある主制御基板44のRAMクリアスイッチが兼ねるようにしてもよい。RAMクリアスイッチは、遊技機1の電源投入時にオン操作されるスイッチであって、もともと遊技場の関係者のみが操作可能なように、遊技機1の裏面側に設けられているからである。
また、閾値設定スイッチ151は、識別情報書込スイッチ150と同様に、遊技場の関係者のみが操作可能なように、遊技機1の裏面側に設けたが、これは、ホール管理コンピュータに設け、外部から外部端子板109を介して遠隔操作できるようにしてもよい。或いは、識別情報書込スイッチ150及び閾値設定スイッチ151は、リモコンスイッチとしてもよい。また、RFタグライタ39w、RFタグリーダ11ar、RFタグリーダ11br、RFタグリーダ19r、識別情報書込スイッチ150及び閾値設定スイッチ151は、演出制御基板111に接続したが、これは限定することなく、例えば、図6に示すクレジット制御基板40や発射基板42(所謂サブ基板と呼ばれる主制御基板44以外の基板)に接続するようにしてもよく、この場合には、図8に示す不正遊技処理は、クレジット制御基板40や発射基板42のマイクロコンピュータが実行するようにすればよい。また、遊技機1は、上述した実施形態ではパチンコ機で説明したが、これは限定するものではなく、例えばアレパチ、雀球等、一定数の遊技媒体を循環して遊技を行う全ての遊技機に本発明を適用するようにしてもよい。
次に特許請求の範囲の構成と、本発明の実施形態との主な対応を説明する。
遊技装置は、始動入賞口11a、11b、普通図柄作動ゲート19に相当し、遊技機は、遊技機1に相当し、識別情報は、RFタグ70に相当し、読取装置は、RFタグリーダ11ar、11br、19rに相当し、記憶手段は、RAM141に相当し、判断手段は、CPU140が実行する閾値外判断処理のステップS103〜S112に相当し、データ記憶手段は、EEPROM71に相当し、書込装置は、RFタグライタ39wに相当し、操作スイッチは、識別情報書込スイッチ150に相当し、実行手段は、CPU140が実行する閾値外処理に相当する。なお、遊技装置は、始動入賞口11a、11b、普通図柄作動ゲート19以外にも、遊技球の入賞又は通過率に影響を与える風車20、遊技釘、ワープ通路、役物等であってもよい。また、識別情報は、RFタグ70(ICタグ)に限らず、外部から情報が読み取れる媒体であれば何であってもよい。