以下、発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図106は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。図1〜図8において、遊技機本体1は、外枠2と、この外枠2の前側に配置された前枠3と、この前枠3の前側に配置された前扉4とを備えている。
外枠2は、図2〜図4に示すように、左右一対の縦枠材5,6と、上下一対の横枠材7,8とで矩形状に形成されている。下側の横枠材8の前側には、左右の縦枠材5,6を連結するように前カバー部材9が装着されており、その前カバー部材9の上側に前枠3が配置されている。
前枠3は、図4等に示すように、前カバー部材9の上側で外枠2の前縁側に略当接可能な矩形状の枠部10と、この枠部10内の上部側に設けられた遊技盤装着部11と、枠部10内の下部側に設けられた下部装着部12とを例えば一体に備え、左右方向一端側、例えば左端側に配置された第1ヒンジ13を介して外枠2に開閉自在及び着脱自在に枢着されるとともに、第1ヒンジ13に対する左右方向反対側、例えば右端側の施錠手段14によって外枠2に対して閉状態で施錠可能となっている。遊技盤装着部11には、遊技盤15が例えば前側から着脱自在に装着され、下部装着部12には、その前側の例えば左右方向略中央に発射手段16が、その右側に下部スピーカ17が配置されている。
発射手段16は、図5に示すように、例えば左上がりの傾斜状に配置された発射レール18と、この発射レール18上に供給された遊技球を発射待機位置で支持する発射球ストッパ19と、発射レール18上の発射待機位置に対応して配置され且つ前後方向の駆動軸20a廻りに揺動可能な打撃槌20と、駆動軸20aを介して打撃槌20を揺動駆動するロータリソレノイド等の発射駆動手段21とを備え、後述する発射ハンドル22が回転操作されたときに、その操作量に応じた発射強度で発射駆動手段21により打撃槌20を打撃方向(時計方向)に連続的に駆動するようになっている。これにより、発射レール18上に1個ずつ供給される遊技球が発射レール18に沿って遊技盤15の遊技領域15aに向けて順次発射される。なお、下部装着部12の前側には板金製の発射ベース板23が装着されており、発射レール18、発射球ストッパ19、打撃槌20は夫々発射ベース板23の前面側に配置され、発射駆動手段21は発射ベース板23の背面側に配置されている。
前扉4は、図6〜図8等に示すように、前枠3の前面に対応して矩形状に形成され且つ略中央に視認窓24の窓孔24aを有する合成樹脂製の扉ベース25を備え、第1ヒンジ13と同じ例えば左端側に配置された第2ヒンジ26を介して前枠3に開閉自在及び着脱自在に枢着されるとともに、施錠手段14によって前枠3に対して閉状態で施錠可能となっている。
扉ベース25は、窓孔24aの上側に配置された左右方向の上ベース部27と、窓孔24aの左右両側に配置された一対の縦ベース部28a,28bと、窓孔24aの下側に配置された左右方向の下ベース部29とを例えば一体に備え、下ベース部29は前枠3の下部装着部12の前側に対応して上下に広幅状に形成されている。窓孔24aの周囲には、例えば上ベース部27の左右両端側に一対の上部スピーカ30a,30bが、左右の縦ベース部28a,28bの下端側に一対の中間スピーカ31a,31bが夫々配置されている。
また扉ベース25の背面側には、上ベース部27の上端側に左右方向の横補強部材32が、左右の縦ベース部28a,28bの外側に上下方向の縦補強部材33a,33bが、下ベース部29に下補強部材34が夫々装着されている。下補強部材34は下ベース部29の略全体に対応する広幅状で、左右両端部に縦補強部材33a,33bの下端側が前後に重合してねじ等により連結されており、上縁側に後方に屈曲する受け枠34aが設けられている。なお、各補強部材32,33a,33b,34は板金製である。
扉ベース25の上ベース部27と左右の縦ベース部28a,28bとの接合部分、下ベース部29と左右の縦ベース部28a,28bとの接合部分は、内周側が窓孔24aに対応して円弧状に形成された広幅状で、その各接合部分にスピーカ装着部を介して上部スピーカ30a,30b、中間スピーカ31a,31bが夫々前向きに装着されている。
窓孔24aは遊技領域15aの前側に対応して設けられ、扉ベース25の裏側に着脱自在に装着された透明板ユニット35により塞がれている。透明板ユニット35は、図2,図7等に示すように、遊技領域15aを透視可能な前後2枚の透明板36aと、この前後2枚の透明板36aを外周側で連結する連結枠36bとを備え、係合手段37(図6参照)を介して受け枠34a上に載置され、上部側が複数の固定手段39により扉ベース25の裏側に着脱自在に固定されている。なお、透明板36aはガラス板を用いることが望ましいが、合成樹脂板等でもよい。
また、下ベース部29の前面側には下部ユニット41が、上ベース部27及び縦ベース部28a,28bの前面側には上部ユニット42が夫々設けられている。上部ユニット42は複数、例えば左側の第1上部ユニット42aと右側の第2上部ユニット42bとの2つに分割されている。
下部ユニット41には、図1,図6,図8〜図10等に示すように、遊技者が操作可能な例えば押しボタン式の演出操作手段43と、発射用の遊技球を貯留する上皿44と、余剰球を貯留する下皿45と、上皿44内の遊技球を発射手段16に案内する発射球案内通路46と、遊技者が操作可能な球抜き操作手段47と、球抜き操作手段47が操作されたときに上皿44側の遊技球を下皿45側に案内する球抜き案内通路48と、上皿44、下皿45、発射球案内通路46、球抜き案内通路48等を前側から覆う化粧カバー49とを備えている。
上皿44は、図8に示すように、扉ベース25と一体の背壁50から前側に広がる皿状の貯留部51と、この貯留部51に対して左右一方側、例えば右側に接続される整列部52とを備え、背壁50の前側に装着された皿部材53に設けられている。背壁50には、貯留部51に対して整列部52と反対側、例えば左側に払い出し口50aが設けられており、賞球等はこの払い出し口50aから貯留部51に払い出される。
貯留部51は、整列部52に向けて徐々に幅狭となり、またその底面は整列部52側が低い緩やかな傾斜状に形成されており、内部の遊技球を一列状に整列させつつ整列部52に案内するようになっている。整列部52は、遊技球が一列状に整列可能な幅の溝状で、下流側が低い緩やかな傾斜状に形成されており、その下流端側が例えばU字状に屈曲して発射球案内通路46の上流端側に接続されている。
発射球案内通路46は、図8〜図10に示すように、例えば背壁50の前側に沿って左下がりの傾斜状に配置されており、下流端側(左端側)が、下ベース部29及び下補強部材34を前後に貫通する発射球供給孔54に接続されている。なお、下ベース部29及びその後側の下補強部材34には、発射球案内通路46の後側に対応して通路開口部55が形成されている。この通路開口部55はメンテナンス用で、開閉蓋56により開閉可能に閉鎖されている。通路開口部55は、例えば発射球供給孔54の上流側に発射球供給孔54と一体的に形成されている。
また発射球案内通路46の底壁46aには、例えば発射球供給孔54の上流側近傍に球抜き孔57が形成されており、この球抜き孔57の下側に球抜き案内通路48が連通している。球抜き案内通路48は、下流端側が下皿45に向けて開口しており、球抜き孔57内に落下した遊技球を下皿45に案内するようになっている。
また、例えば発射球案内通路46の下側には、球抜き操作手段47と連動して球抜き孔57を開閉可能な球抜き開閉手段58が配置されている。球抜き開閉手段58は、例えば発射球案内通路46の底壁46aに沿って左右方向摺動自在に支持されることにより、開閉部58aが球抜き孔57側に突出して球抜き孔57を閉鎖する閉鎖状態(図10に実線で示す)と、開閉部58aが球抜き孔57を開放する開放状態(図10に二点鎖線で示す)とに変化可能であり、図外の付勢手段により閉鎖状態側に付勢されている。
また、球抜き操作手段47は、化粧カバー49から例えば上向きに突出した状態で上下動可能に支持されており、その球抜き操作手段47の上下方向の動作と、球抜き開閉手段58の左右方向の動作とが、揺動アーム等よりなる連動機構59によって連動している。遊技者操作の押下操作によって球抜き操作手段47が非操作位置から操作位置まで下向きに移動すると、連動機構59を介して球抜き開閉手段58が付勢手段の付勢力に抗して閉鎖状態から開放状態に移行し、球抜き孔57が開放される。それにより、球抜き孔57よりも上流側の遊技球は球抜き孔57内に順次落下し、球抜き案内通路48により下皿45に案内される。
そして、球抜き操作手段47を押下していた遊技者がその押下操作をやめたとき、付勢手段の付勢力によって球抜き開閉手段58が開放状態から閉鎖状態に復帰し、球抜き孔57が閉鎖されるとともに、連動機構59を介して球抜き操作手段47が非操作位置に復帰する。球抜き孔57が閉鎖されると、発射球案内通路46内を流下する遊技球は球抜き孔57に落下することなく発射球供給孔54側に案内される。
また下補強部材34の背面側には、図6〜図9等に示すように球送りユニット61と下皿案内ユニット62とが着脱自在に装着されている。球送りユニット61は、上皿44から発射球案内通路46を介して案内されてきた遊技球を発射手段16に供給するためのもので、発射球供給孔54の後側で且つ発射手段16の前側に配置されている。なお、球送りユニット61は、その前面側に開閉蓋56を例えば一体に備え、下部側に設けられた左右方向のヒンジ63により、開閉蓋56が通路開口部55を閉鎖する通常位置と開放する開放位置との間で回転可能に支持されており、保持手段64により通常位置に保持されている。
球送りユニット61は、図9,図11,図12等に示すように、下補強部材34の後側に沿って配置された前後に偏平状の球送りケース65と、この球送りケース65内に揺動自在に設けられた球送り部材66と、球送りケース65内で球送り部材66を駆動する電磁ソレノイド等の球送り駆動手段67とを有し、発射手段16の発射動作と同期して遊技球を1個ずつ発射レール18上に繰り出すようになっている。
球送りケース65は、発射球供給孔54に対応して前側に開口する球受入口68と、この球受入口68よりも低い位置に設けられ且つ発射レール18に対応して後側に開口する球送り口69とを前後に備え、下部側にヒンジ63の枢軸63aが設けられている。球送り部材66は、その一端側に前後方向の支軸70を、他端側に球送り部71を夫々備え、球送り駆動手段67の駆動により球送りケース65に対して支軸70廻りに揺動することによって球送り部71が昇降するようになっている。
球送り部71は、阻止部71aと球受け部71bとを遊技球略1個分の隙間を空けて上下に備えており、上昇時には図12(a)に示すように阻止部71aが球受入口68の上側に退避するとともに球受け部71bが遊技球を1個受け入れて保持し、下降時には図12(b)に示すように阻止部71aが後続の遊技球の進入を阻止するとともに球受け部71b上に保持した遊技球を球送り口69から発射レール18上に流下させるようになっている。
なお本実施形態の場合、球抜き孔57とその下流側の球送りユニット61との間には若干の距離があるため、上皿44内に遊技球が残っている状態で発射手段16による発射動作を停止し、球抜き操作手段47を操作しても全ての遊技球を抜き取ることはできず、図9に示すように、球送りユニット61の上流側に数個程度(ここでは2個)の遊技球が残ってしまう。遊技者がこの数個の残り球を回収するためには、遊技領域15aに届かない程度の発射強度で発射手段16を作動させることにより、意図的にファール球とする必要がある。
下皿案内ユニット62は、上皿44が満杯となったときの余剰球、及び発射手段16により発射されたにも拘わらず遊技領域15aに達することなく戻ってきたファール球を下皿45に案内するためのもので、払い出し口50aの上流側で余剰球を受ける余剰球受け部72と、遊技盤15の発射球案内通路73を逆流してきたファール球を受けるファール球受け部74と、余剰球受け部72で受けた余剰球及びファール球受け部74で受けたファール球を下皿45に案内する下皿案内通路(返却通路)75とを備えている。
発射ハンドル22は、図1,図2,図13〜図15等に示すように、化粧カバー49から略前向きに突出する発射ハンドルベース81、この発射ハンドルベース81の前側に略前後方向の軸廻りに回動可能に支持された回転操作部(第1操作手段)82、この回転操作部82を反操作方向に付勢する戻しバネ(付勢手段)83、回転操作部82の前側を覆うハンドルキャップ84等を備えている。
発射ハンドルベース81は、例えば合成樹脂製で、前後方向に配置された略円筒状の支持脚部85と、この支持脚部85の前端側に設けられた椀型の機構収容部86とを一体に備え、支持脚部85の後端側が扉ベース25、下補強部材34等に固定されている。
機構収容部86内には、中心部に略前後方向の軸受部87が、周辺部の複数箇所に例えば前向き突出状の筒状部88が夫々発射ハンドルベース81と一体に設けられるとともに、可変抵抗器89、タッチセンサ90、作動スイッチ91、操作レバー(第2操作手段)92等が収容されている。
可変抵抗器89は、回転操作部82の回転角度(操作量)を検出するためのもので、前向きに突出する検出軸89aには検出側ギア93が装着されている。タッチセンサ90は、回転操作部82への手指等の接触を検出するためのもので、例えば軸受部87の後側に配置されている。
操作レバー92は、発射手段16による発射動作を停止させるための発射停止操作と、発射手段16により意図的にファール球を発射させるためのファール球発射操作とを行うもので、一端側の操作部92aを機構収容部86の外周側の所定箇所、例えば左下部に設けた切欠部86aから外側に突出させた状態で、他端側において発射ハンドルベース81に対して前後方向の回転軸94廻りに揺動自在に支持されている。操作レバー92は、例えば操作部92aの突出量が大きい第1位置(図15(a)に二点鎖線で示す)と突出量が小さい第2位置(図15(a)に実線で示す)との間で揺動可能であるとともに第1位置に向けて付勢されており、第1位置にあるときには作動スイッチ91がONとなって発射手段16による発射動作が許容され、第2位置にあるときには作動スイッチ91がOFFとなって発射手段16による発射動作が停止するようになっている。
また操作レバー92には、回転操作部82側の第1係合部95と係合可能な第2係合部96が設けられている。第2係合部96は、操作レバー92の揺動に伴って回転操作部82の回転方向に移動する位置に配置され、例えば前向き突起状に形成されている。
回転操作部82は、例えば合成樹脂製で、機構収容部86の前縁側に対応する短円筒状に形成された操作リング部101と、この操作リング部101の外周側に突設された複数、例えば三つの指掛け部102と、操作リング部101の中心に配置される略前後方向の操作軸103と、操作リング部101の内周側と操作軸103の外周側とを連結する連結板104とを一体に備え、操作軸103の後端側が軸受部87に挿通されることにより発射ハンドルベース81により回転自在に支持されている。
回転操作部82の操作軸103には、操作側ギア105が一体回転可能に装着されており、この操作側ギア105が検出側ギア93に噛合している。これにより、回転操作部82と可変抵抗器89の検出軸89aとが連動し、可変抵抗器89により回転操作部82の回転角度(変位量)を検出可能である。また回転操作部82は、例えばその外表面全体に導電性メッキが施されることにより、タッチセンサ90の電極として機能するようになっている。
回転操作部82の連結板104には、円弧状のガイド孔104aが例えば複数設けられ、そのガイド孔104aに発射ハンドルベース81側の筒状部88が前向きに挿通されている。これにより、回転操作部(第1操作手段)82の操作可能範囲は、所定の非操作位置とその非操作位置から時計方向に所定角度回転した操作上限位置との間に規制されている。
また、回転操作部82は戻しバネ(付勢手段)83により非操作位置に向けて付勢されている。戻しバネ83は、回転操作部82の操作軸103に前側から装着され、その一端側が回転操作部82側の係合部106に、他端側が発射ハンドルベース81側の係合部107に夫々係合しており、回転操作部82を反操作方向(反時計方向)に付勢すると共に回転操作部82とタッチセンサ90とを導通させている。
また回転操作部82には、例えば連結板104の背面側に第1係合部95が一体に設けられている。第1係合部95は、例えば半径方向の突条で、回転操作部82が戻しバネ83によって非操作位置側に復帰する際に、その非操作位置の所定角度手前の特定位置で、第1位置にある操作レバー92の第2係合部96に係合するようになっている。なお、回転操作部82側の戻しバネ83による付勢力は、操作レバー92側の付勢力よりも大きいため、回転操作部82が更に特定位置から非操作位置まで移動する間は、第2係合部96が第1係合部95に押されて操作レバー92が第2位置側に移動し、回転操作部82が非操作位置に達したとき、操作レバー92が第2位置に達するようになっている。即ち、回転操作部82が非操作位置にあるときには操作レバー92は第2位置に保持される。
ハンドルキャップ84は、合成樹脂により略半球状に形成され、その内面側には発射ハンドルベース81側の筒状部88に対応して複数の固定基部108が後ろ向きに突設されており、後縁側を操作リング部101の内周側に前側から嵌め合わせた状態で、発射ハンドルベース81の後側から筒状部88を介して固定基部108をねじ止めすることにより発射ハンドルベース81に着脱自在に固定されている。ハンドルキャップ84は、少なくともその一部が発光レンズ部を構成しており、その内側にはLED基板109が配置されている。
図16(a),(b)に示すように、遊技者が回転操作部82を把持して時計方向に回転させると、それに伴って操作レバー92が第2位置から第1位置側に移動して作動スイッチ91がONとなり、発射手段16による発射動作が許容され、その後は回転操作部82の操作量(変位量)に応じた発射強度で発射手段16による発射動作が行われる。このとき、発射手段16により発射した遊技球は、回転操作部82の操作量が所定のファール閾値(特定閾値)以下の場合には遊技領域15aに到達せず、回転操作部82の回転操作量がファール閾値を超えた場合に遊技領域15aに到達する(後述する戻り防止弁337を通過する)ようになっている(図16(a))。また、この状態で遊技者が操作レバー92を第1位置から第2位置まで押下操作(第1操作)すると、作動スイッチ91がOFFとなって発射手段16による発射動作が停止する。
図16(c)に示すように、遊技者が発射動作を停止するべく回転操作部82の操作を止め、回転操作部82を非操作位置に戻すと、それに伴って操作レバー92が第1位置から第2位置に移動する。これによって作動スイッチ91がOFFとなり、発射手段16による発射動作が停止する。なお、回転操作部82が非操作位置にあるとき、操作レバー92は第2位置に保持され、遊技者による第1位置側への操作(第2操作)は可能な状態となる。
このように、回転操作部82が非操作位置に戻るとき、第1係合部95が第2係合部96に当接し、操作レバー92が第1位置から第2位置へと移動するため、回転操作部82が非操作位置に達するときの例えば回転操作部82側のガイド孔104aと発射ハンドルベース81側の筒状部88との衝突による衝撃が、操作レバー92の付勢力によって軽減される。なお、回転操作部82が非操作位置にあるとき、回転操作部82側のガイド孔104aと発射ハンドルベース81側の筒状部88とが当接せず、第1係合部95と第2係合部96との係合によって回転操作部82を非操作位置に保持するようにしてもよい。
図16(c)では、操作レバー92が押下操作されていない(第1位置にある)状態で回転操作部82を非操作位置に戻した場合の例を示したが、操作レバー92が押下操作された(第2位置にある)状態で回転操作部82を非操作位置に戻すことももちろん可能である。この場合、操作レバー92は予め第2位置に保持されているため、回転操作部82が非操作位置に達したときに第1係合部95が第2係合部96に当接する。この場合についても、回転操作部82が非操作位置にあるとき、回転操作部82側のガイド孔104aと発射ハンドルベース81側の筒状部88とが当接せず、第1係合部95と第2係合部96との係合によって回転操作部82を非操作位置に保持するようにしてもよい。
図16(d)に示すように、回転操作部82が非操作位置にある状態で、遊技者が回転操作部82ではなく操作レバー92を第2位置から第1位置まで操作(第2操作)すると、操作レバー92側の第2係合部96が回転操作部82側の第1係合部95を押し動かすことにより、回転操作部82が戻しバネ83の付勢力に抗して特定位置まで移動する。このとき、回転操作部82の回転量(変位量)はファール閾値以下となるように設定されているため(図16(a))、その状態で遊技者が回転操作部82にタッチし、発射手段16を作動させると、発射された遊技球は遊技領域15aに到達することなくファール球となる。
従って、遊技者が球抜き操作手段47を操作して上皿44の遊技球を下皿45側に抜き取った後、球送りユニット61の上流側に残った数個の遊技球についても全て回収したい場合には、操作レバー92を操作して第1位置に保持した状態で発射手段16を動作させれば、残りの遊技球を容易且つ確実にファール球として回収することができる。なお、遊技者が操作レバー92を第2位置から第1位置まで操作(第2操作)し、その状態を維持している間、回転操作部82は特定位置に保持され、非操作位置に戻ることはない。
扉ベース25の上部には、図17,図18等に示すように、この扉ベース25から前側に突出する左右一対のスピーカ装着突部111a,111bが一体に形成されている。このスピーカ装着突部111a,111bは、図19〜図22に示すように、前後両側に開口部112,113が形成された正面視略四角形状であって、後側の開口部113側から上部スピーカ30a,30bが着脱自在に挿入され、収容されている。
スピーカ装着突部111aには、図20に示すように、第1,第2上部ユニット42a,42b用の受け部114b,114cが設けられている。即ち、ヒンジ13,26側のスピーカ装着突部111aには、平坦部114aの左右両側に第1,第2上部ユニット42a,42b用の受け部114b,114cが設けられ、各受け部114b,114c上の各上部ユニット42a,42bの上面が平坦部114aと略面一状になっている。また、ヒンジ13,26と反対側のスピーカ装着突部111bの上側には、図21に示すように第2上部ユニット42b用の受け部114dが設けられている。
上部スピーカ30a,30bは、図22に示すように、スピーカフレーム115内に磁石116、コイルボビン117、ボイスコイル118、振動板119、センターキャップ120等を備え、スピーカフレーム115の前側に前カバー121が装着されている。前カバー121はスピーカ装着突部111a,111bの前側の開口部112に嵌め込まれている。
各上部スピーカ30a,30bには、磁石116等の内周側の内部空間122に配置された導光体124と、この導光体124の後端側に近接してLED125が装着されたLED基板126とを有し、LED基板126のLED125が発光したときに、その光を導光体124からセンターキャップ120、前カバー121を経て前側に照射するようになっている。
導光体124、センターキャップ120は透明な合成樹脂製であり、前カバー121は音声及び光が前側に出るように多数の小孔121aが形成されている。導光体124はスピーカフレーム115の後壁部115aの通孔115bに挿入して着脱自在に支持されている。また、後壁部115aの裏側には、LED125が導光体124と前後に相対向するように、LED基板126がねじ等で着脱自在に固定されている。前カバー121は無色透明、着色透明又は不透明の何れでもよい。なお、前カバー121が無色透明又は着色透明の合成樹脂製の場合には、その裏面側に凹凸状の乱反射部を形成して、LED125からの光により前カバー121自体が発光するようにしてもよい。
このように上部スピーカ30a,30bに導光体124、LED基板126等の発光手段を組み付けることにより、LED基板126のLED125からの光を導光体124からセンターキャップ120、前カバー121を経て前側に照射することができる。従って、上部スピーカ30a,30bを効果音の発生の他に発光演出用として利用することができ、従来にない演出効果が期待できる。
上部ユニット42を構成する第1,第2上部ユニット42a,42bのうち、第1上部ユニット42aは、下部ユニット41と同様、複数種類の機種に共通に使用される共通部品であるのに対し、第2上部ユニット42bは、機種毎に特有のデザイン、機能等を有するもので、第1上部ユニット42aに比べて容易に着脱が可能となっている。なお本実施形態の上部ユニット42では、図17,図18等に示すように、左側の縦ベース部28aに対応する部分を第1上部ユニット42a、上ベース部27及び右側の縦ベース部28bに対応する部分を第2上部ユニット42bとしたが、第1,第2上部ユニット42a,42bの分割箇所は任意である。もちろん上部ユニット42全体を機種毎に特有の構成とし、容易に着脱可能としてもよい。
例えば複数種類の機種を製造する場合には、第1上部ユニット42aを共通に使用して、これに各機種特有の構成を有する第2上部ユニット42bを組み合わせて、前扉4の視認窓24の周辺部分を構成する。このように構成すれば、第1上部ユニット42aを共通に使用しながらも、第2上部ユニット42bのデザイン、その他の構成を変えることによって、容易に異なる機種のパチンコ機を製作することができる。
なお、パチンコ機の機種によっては、第1上部ユニット42aについてデザイン、その他の構成を変えることが可能である。その場合には、扉ベース25が複数の機種に共通することになる。そのため第1上部ユニット42a、第2上部ユニット42bの何れにおいても、効果音発生用の上部スピーカ30a,30b、中間スピーカ31a,31b等のように、各機種に共通して必要な電子部品等は扉ベース25側に装着して、特定の機種に特有の電子部品等は第1上部ユニット42a及び第2上部ユニット42b、又は第2上部ユニット42bに組み込まれている。
第1上部ユニット42aは、図1,図17,図18,図23〜図25等に示すように、視認窓24の左側に沿って左側の上部スピーカ30aと左側の中間スピーカ31aとの間に縦長状に配置されており、扉ベース25の前面側に配置され且つ前面に多数のLED130が装着されたLED基板131と、内側に乱反射部132aが形成され且つLED基板131を前側から覆う発光装飾カバー132と、LED基板131の前側に配置された内部レンズ133とを備え、LED基板131のLED130からの光により発光装飾カバー132を発光させるようになっている。
LED基板131は、例えば複数に分割され、コネクタ134等により接続されている。発光装飾カバー132は無色透明又は着色透明の合成樹脂製であって、裏側の内面に凹凸状の乱反射部132aが設けられている。
発光装飾カバー132は、図24,図25に示すように上部側134aが下部側134bよりも前側に突出しており、図20等に示すように上部側134aがスピーカ装着突部111aの受け部114b,114c上に重なっている。LED基板131と発光装飾カバー132との間隔はその上部側が大きく、下部側が小さくなっている。
内部レンズ133には、図23〜図25に示すように、LED基板131と発光装飾カバー132との間隔が大である上部側134aの各LED130に対応して透孔135が形成され、また、LED基板131と発光装飾カバー132との間隔が小である下部側134bの各LED130に対応して前面側又は裏面側に円錐状、球面状等の凹レンズ部136が形成されている。
従って、LED基板131の各LED130が発光した場合、発光装飾カバー132の上部側134aでは、LED130からの光が透孔135を経て直接発光装飾カバー132の乱反射部132aへと照射するが、LED基板131と発光装飾カバー132との間隔が大きいので、LED130からの光は適度に拡散しながら乱反射部132aに照射する。
一方、LED基板131と発光装飾カバー132との間隔が小さい下部側134bでは、LED130からの光が凹レンズ部136により拡散して発光装飾カバー132の乱反射部132aに照射する。そのため発光装飾カバー132側の上部側134aと下部側134bとの発光ムラを極力防止するか又は発光ムラを少なくすることができる。
なお、凹レンズ部136は、内部レンズ133の前面に形成された円錐凹部136aと、この円錐凹部136aに対応して内部レンズ133の裏面に形成された球面突部136bとにより構成されている。凹レンズ部136は光の拡散機能を有するものであればよく、具体的な断面形状は問題ではない。
第2上部ユニット42bは、図1,図17,図26〜図28等に示すように、左側の上部スピーカ30aから右側の上部スピーカ30bを経て右側の中間スピーカ31bに跨がる正面視略L字状に形成されており、例えば左右の上部スピーカ30a,30bの間に対応する横ユニット部141と、上部スピーカ30bと中間スピーカ31bとの間に対応する縦ユニット部142と、それら横ユニット部141と縦ユニット部142とに跨がってそれらの背面側に装着される背面視略L型のユニット補強板143とを備え、両端側に配置された第1、第2位置決め手段144,145と、分散して配置された複数、例えば3つの第1〜第3係止手段146〜148と、分散して配置された複数、例えば3つのねじ式の第1〜第3固定手段149〜151(図6,図7等)とにより扉ベース25に対して前側から着脱自在に装着されている。
横ユニット部141は、ユニット本体部152と、このユニット本体部152の例えば左右方向略中央に配置される枠可動演出手段153とを備えている。また枠可動演出手段153は、図29〜図32等に示すように、ユニット本体部152に対して略前後方向にスライド動作可能な可動部154と、この可動部154を、原点位置とそれよりも前側の前進位置との間で駆動する駆動手段140とを備えているが、その可動部154のスライド動作方向(以下、単に「スライド動作方向」という)は、図27等に示すように若干前下がりの傾斜状となっている。
枠可動演出手段153を構成する可動部154は、図29〜図31等に示すように、可動本体部155と、この可動本体部155の前側に配置された枠可動体156とを備えている。可動本体部155は、中心軸をスライド動作方向に向けた略筒状に形成されており、例えばその後端側に、ユニット本体部152側の第1スライドガイド157に対応する第1ガイドローラ158と、ユニット本体部152側の第2スライドガイド159に対応する第2ガイドローラ160と、駆動手段140からの駆動力を受ける被駆動部161とが配置されている。
第1ガイドローラ158は、例えば左右方向の軸廻りに回転可能で、例えば可動本体部155の左右に、スライド動作方向に沿って複数個ずつ(ここでは2個ずつ)配置されている。第2ガイドローラ160は、第1ガイドローラ158と同様に左右方向の軸廻りに回転可能で、例えば可動本体部155の左右に例えば1個ずつ配置されている。左右の第2ガイドローラ160は、例えば左右の第1ガイドローラ158よりも内側で且つ上下方向の一方側(ここでは上側)にずれた位置に配置されている。なお、第1ガイドローラ158及び第2ガイドローラ160は、可動本体部155の後端側に固定された可動ガイド板金162により支持されている。
被駆動部161は、例えば可動本体部155の後端部下側に配置されており、例えばスライド動作方向に直交するように略下向きに突設された被駆動シャフト161aと、この被駆動シャフト161aに装着されたブッシュ161bとで構成されている。
また、可動本体部155の前端側には、回転ガイド163、ラチェット爪164、回転ロックレバー165、回転位置検出手段166等が設けられている。回転ガイド163は、枠可動体156を回転自在に支持するためのもので、可動本体部155の外周壁155aよりも小径の短円筒状に形成されており、外周壁155aの内側に例えば一体に設けられている。
ラチェット爪164は、枠可動体156を一又は複数の回転位置で保持するためのもので、回転ガイド163の内周側に突出する突出位置と突出しない退避位置との間で移動可能な状態で、回転ガイド163の周上の所定位置(ここでは上部位置)に配置されており、バネ164aにより突出位置側に弾性付勢されている。ラチェット爪164の先端部は、図31に示すように、回転ガイド163の周方向両側に対応して形成された傾斜面により尖形に形成されている。
回転ロックレバー165は、枠可動体156を一又は複数の回転位置で解除可能にロックするためのもので、例えば可動本体部155の前端部前側に、外周壁155aに略沿うように配置され、外周壁155aの外周側に固定されたロックレバーベース167により、スライド動作方向の回転軸167a廻りに揺動自在に支持されている。回転ロックレバー165は、外周壁155aの周方向に沿う略円弧状で、一端側に例えば外周壁155aの外側に向けて突出する押下操作部165aが、他端側に例えば外周壁155aの内周側に向けて突出するロック爪部165bが夫々一体に設けられると共に、長手方向の略中央に配置された回転軸167aにより、ロック位置とロック解除位置との間で揺動可能な状態で支持され、バネ165cによりロック位置側に付勢されている。回転ロックレバー165は、バネ165cの付勢力に抗して押下操作部165aが押下操作されることによりロック位置からロック解除位置に移行する。
また、回転位置検出手段166は、枠可動体156の回転位置を検出するもので、例えばフォトセンサにより構成されており、枠可動体156の回転位置が所定の原点回転位置であるとき、枠可動体156側の被検出部166aを検出可能となるように、例えば回転ガイド163の後側近傍に前向きに配置され、センサベース168を介して可動本体部155に固定されている。
枠可動体156は、装飾ユニット169と、この装飾ユニット169を後側で支持する装飾支持体170とを備えている。装飾支持体170は、図29〜図31に示すように、可動本体部155側の回転ガイド163の内周に対応する第1円筒部172と、この第1円筒部172の前側に同心状に配置され且つ第1円筒部172よりも大径に形成された第2円筒部173と、この第2円筒部173の前側に配置され且つ第2円筒部173の半径方向外側に延設された固定ベース部174とを例えば一体に備え、第1円筒部172を回転ガイド163に対して前側から挿入し、回転ガイド163よりも大径の略円板状に形成された抜け止め部材175を、回転ガイド163の後側から第1円筒部172の後端側に固定することにより、可動本体部155に対して回転可能に支持されている。なお、回転ガイド163の前縁側には第1円筒部172との間に回転ブッシュ176が配置されている。
抜け止め部材175には、背面側の外縁部近傍に、例えば後向き突起状の被検出部166aが設けられており、枠可動体156の回転位置が図26に示す原点回転位置であるとき、可動本体部155側の回転位置検出手段166が被検出部166aを検出するようになっている。
また、抜け止め部材175には、その外周の所定位置に、回り止め部175aが例えば半径方向外向きの突起状に形成されている。この回り止め部175aは、枠可動体156の回転を一定範囲(ここでは原点回転位置と格納回転位置との間)に制限するためのもので、図31に示すように、枠可動体156の回転動作に伴って、可動本体部155側の第1規制部177aと第2規制部177bとの間を移動し、例えば枠可動体156が原点回転位置にきたときに第1規制部177aに略当接し、枠可動体156が格納回転位置にきたときに第2規制部177bに略当接するようになっている。
第1円筒部172の外周側には、例えば軸方向に形成されたV溝178が、周方向の一又は複数箇所に配置されている。このV溝178は、ラチェット爪164に対応するもので、ラチェット爪164がV溝178に係合することにより、枠可動体156はその位置で保持される。なお、ラチェット爪164の先端部はV溝178に対応する尖形となっているため保持力は弱く、枠可動体156に一定以上の回転力を加えることにより、ラチェット爪164はバネ164aの付勢力に抗してV溝178の斜面に沿って退避位置側に移動し、保持状態は解除される。
V溝178は、枠可動体156の一又は複数の回転位置に対応して一又は複数設けられている。本実施形態では、原点回転位置、格納回転位置、及びそれらの間を等分する例えば3箇所に対応して計5つのV溝178を設けることとするが、V溝178は原点回転位置に対応する位置にのみ設けてもよいし、原点回転位置と収納回転位置とに対応する位置にのみ設けてもよい。もちろん、3つ以上のV溝178を設ける場合、それらは等間隔でなくてもよい。
また、第2円筒部173の外周側には、例えば軸方向に形成されたロック溝179が、周方向の一又は複数箇所に配置されている。このロック溝179は、回転ロックレバー165のロック爪部165bに対応するもので、回転ロックレバー165のロック爪部165bがロック溝179に係合することにより、枠可動体156はその位置で回転不可能な状態にロックされる。回転ロックレバー165は、バネ165cによりロック位置側に付勢されているから、ロック爪部165bがロック溝179に係合すると、そのロック状態が維持される。その状態から枠可動体156を回転させるためには、押下操作部165aを押下操作して回転ロックレバー165をロック解除位置まで移動させ、ロック爪部165bとロック溝179との係合を解除する必要がある。
ロック溝179は、枠可動体156の一又は複数の回転位置に対応して一又は複数設けられている。本実施形態では、原点回転位置、格納回転位置、及びそれらの間を等分する例えば1箇所(中間回転位置)に対応して計3つのロック溝179を設けている。このように、全てのロック溝179は、夫々複数のV溝178の何れかに対応している。なお、ロック溝179は原点回転位置に対応する位置にのみ設けてもよいし、原点回転位置と収納回転位置とに対応する位置にのみ設けてもよい。もちろん、3つ以上のロック溝179を設ける場合、それらは等間隔でなくてもよい。また、全てのロック溝と全てのV溝とを一対一に対応させてもよい。
装飾ユニット169は、例えば前後に扁平で、図26に示すように、例えば左右方向中央に配置される枠第1装飾部180aと、その枠第1装飾部180aの左右両側に配置される一対の枠第2装飾部180bとで所定の立体形状を呈し、枠第1装飾部180aの下部側が可動本体部155の前側に対応するように配置されている。この枠可動体156は、後述する盤可動体371が上限位置まで上昇して特定相対位置関係になったとき、その盤可動体371と視覚的に一体化して纏まりある特定形態(ここではデザイン化された「蝶」の形態)を形成するようになっており、例えば正面視円形の枠第1装飾部180aが蝶の頭部(或いは前胴体)に対応し、その枠第1装飾部180aの左右及び上側に張り出す枠第2装飾部180bが蝶の前翅に対応している。
なお、装飾ユニット169は、図27に示すようにスライド動作方向に対して略垂直に配置されている。即ち、枠可動体156は前側に所定角度傾き、前面が前斜め下向きとなるように配置されている。
装飾ユニット169は、図26〜図30等に示すように、枠第1,第2装飾部180a,180bの背面側を構成する装飾ベース181と、枠第1,第2装飾部180a,180bの前面側を夫々構成する発光装飾カバー182a,182bと、装飾ベース181の外周に沿ってその前側に装着され且つ発光装飾カバー182a,182bをその外周側で支持する装飾枠183a,183bと、枠第1,第2装飾部180a,180bに対応して装飾ベース181と発光装飾カバー182a,182bとの間に配置されるLED基板184a,184bと、枠第1装飾部180a内に配置される回転体185と、この回転体185を回転駆動する回転駆動手段186とを備え、装飾ベース181が装飾支持体170側の固定ベース部174の前側に着脱自在に固定されている。
装飾ベース181は、例えば非透光性で、図30に示すように枠第1装飾部180aの略中央にスライド動作方向に沿って軸受部187が設けられており、その軸受部187に、回転体185の回転軸185aが回転自在に挿通されている。回転体185は、例えば風車(かざぐるま)を象った立体形状に形成されており、回転軸185aの前端側に固定されている。また、装飾ベース181には、例えば軸受部187の下側に、後向きに膨出する膨出部188が形成されており、その膨出部188の背面188aに、ステッピングモータ等よりなる回転駆動手段186が、その駆動軸186aを前向きに突出させた状態で装着されている。なお、回転駆動手段186は装飾支持体170の第1,第2円筒部172,173内に配置されている。
回転駆動手段186の駆動軸186aにはその先端側に駆動ギア189が固定され、また回転軸185aの後端側には被駆動ギア190が固定されており、それら駆動ギア189と被駆動ギア190とが噛合している。これにより、回転駆動手段186の駆動力が駆動ギア189、被駆動ギア190、回転軸185aを介して回転体185に伝達され、回転体185が回転する。
枠第1装飾部180aに対応するLED基板184aは、図26,図30に示すように、回転軸185aを中心とする略円形で、回転体185の後側に配置されており、その前面側には、外周部近傍に、複数のLED191aが周方向に略等間隔で配列され、更にその内周側には複数のLED191bが同じく周方向に略等間隔で配列されている。LED基板184aの前側近傍には、LED191a,191bの配置位置に対応してその前側に円環状のリフレクタ192が配置され、またLED191a,191bの配置位置よりも内側には略円形の内レンズ193が配置されている。また、枠第1装飾部180aに対応する発光装飾カバー182aは、内部の回転体185が視認可能な無色透明又は有色透明の合成樹脂製で、回転体185の前側から外周側を覆う碗型に形成されている。
リフレクタ192は、外周側のLED191aからの光を発光装飾カバー182a側に、内周側のLED191bからの光を内レンズ193側に夫々案内するためのもので、非透光性の合成樹脂により形成されており、外周側のLED191aに対応する外リング部192aと内周側のLED191bに対応する内リング部192bとを一体に備えている。外リング部192aには、図30の拡大図に示すように、前後方向貫通状の導光孔192cが各LED191aに対応して形成されており、外リング部192aはそれら導光孔192cにLED191aを収容した状態でLED基板184aの前面側に略当接している。
内レンズ193は、図26の拡大図に示すように、外周側にLED191bに対応する切欠部193aが形成され、リフレクタ192の外リング部192aの内側でLED基板184aの前面に沿って配置されている。内リング部192bは、外リング部192aの内周側に内レンズ193の前面に沿って少なくとも切欠部193aの内側まで延設されている。またリフレクタ192の前面側には、支持溝192dが導光孔192cの前側に対応する位置に全周にわたって設けられており、その支持溝192dに、発光装飾カバー182aの後端側が前側から嵌合している。これにより、外周側のLED191aからの光は導光孔192cを回して発光装飾カバー182aに導かれ、内周側のLED191bからの光は内リング部192b等を回して内レンズ193側に導かれる。これにより、回転体185の前側の発光装飾カバー182aと、回転体185の後側の内レンズ193とを個別に発光させることが可能である。
枠第2装飾部180bに対応するLED基板184bは、図26に示すように枠第1装飾部180aの略全体に対応する形状で、その前面側には例えば2種類のLED(第1発光体)194a,194bが夫々複数配置されている。LED194aは、枠可動体156と盤可動体371とで形成する「蝶」の外周に対応する位置に略等間隔で配置されており、例えば白色等の単色での発光が可能となっている。LED194bは、例えば「蝶」の内部領域に略均等に分散配置されており、例えば多色での発光が可能となっている。また、枠第2装飾部180bに対応する発光装飾カバー182bは、無色透明又は着色透明の合成樹脂製で、裏側の内面に凹凸状の乱反射部が設けられている。なお、LED194aとLED194bとは同種であってもよい。
ユニット本体部152は、図26,図28等に示すように、略水平に配置された上壁部195と、前側の前壁部196と、下側から左側にかけての下周壁部197と、後側の背壁部198とで例えば右側が開口する略箱形に形成されている。
ユニット本体部152は、例えば左右方向の略中央よりも若干左寄りの部分に、正面視で下面側から内向き(略上向き)に凹入する凹入部201が設けられており、その凹入部201よりも左側の部分が、第1上部ユニット42a及びスピーカ装着突部111aに対して視覚的に連結される左連結部202を構成し、凹入部201よりも右側の部分が、下向きに突出する枠非可動体203を構成している。
この枠非可動体203は、枠可動体156、盤可動体371と共に特定形態としての「蝶」を形成する部分で、図26に示すように正面視で枠可動体156の例えば右下部に配置されており、その左壁部203aが略上下方向に、下壁部203bが若干右下がりの傾斜状に形成されると共に、図32に示すように前面側が後向きに凹入し、その凹入部分を略埋めるように、装飾カバー204が装着されている。装飾カバー204は、少なくともその一部が無色透明又は有色透明の発光レンズ部204aとなっており、その内側にはLED基板206が配置されている。発光レンズ部204aの内面側には凹凸状の乱反射部が設けられている。
LED基板206の前面側には例えば2種類のLED205a,205bが配置されている。LED205aは、枠可動体156、盤可動体371と共に形成する「蝶」の外周に対応する位置に1個又は複数個配置されており、LED194aと同様、例えば白色等の単色での発光が可能となっている。LED205bは、例えば「蝶」の内部領域に対応するように例えばLED205aの左側に略均等に分散配置されており、LED194bと同様、例えば多色での発光が可能となっている。
またユニット本体部152の前壁部196には、図32に示すように、その略中央に可動体装着孔207が形成され、ユニット本体部152内における可動体装着孔207の後側の空間が枠可動体収容部208となっており、可動部154の可動本体部155が、ユニット本体部152の前側から可動体装着孔207を介して枠可動体収容部208内に出退可能に収容されている。
ユニット本体部152内には、図29,図32に示すように、枠可動体収容部208の左右両側に一対の第1スライドガイド157が、枠可動体収容部208の上側左右に一対の第2スライドガイド159が夫々配置されている。第1スライドガイド157は、例えば合成樹脂よりなる左右一対の第1ガイドベース209上に設けられ、スライド動作方向に沿う前下がりの長孔状に形成されており、可動本体部155側に左右2個ずつ設けられた第1ガイドローラ158が摺動又は転動可能に係合している。
また、第2スライドガイド159は、例えば合成樹脂よりなる第2ガイドベース210の下面側に、スライド動作方向に沿って形成された左右一対の傾斜面であり、可動本体部155側に左右1個ずつ設けられた第2ガイドローラ160が下側から摺動又は転動可能な状態で略当接している。
このように、可動部154は、第1ガイドローラ158が第1スライドガイド157に沿って、また第2ガイドローラ160が第2スライドガイド159に沿って夫々移動することにより、原点位置(図27に実線で示す)と前進位置(図27に二点鎖線で示す)との間でスライド動作方向に移動可能となっている。
なお、第1ガイドベース209及び第2ガイドベース210は、板金製のガイドベースフレーム211を介してユニット本体部152に支持されている。ガイドベースフレーム211は、ユニット本体部152の上壁部195の下側に略平行に配置された上板部211aと、その上板部211aの左右両縁部に沿って下向きに配置された左右一対の側板部211bとを備え、左右の側板部211bの例えば外面側に第1ガイドベース209が、左右の側板部211bの内面側で且つ上板部211aの下面側に第2ガイドベース210が夫々着脱自在に装着されている。
またユニット本体部152内には、枠可動体収容部208の下側に駆動ベース板212が配置されており、その駆動ベース板212上に、可動部154側の被駆動部161を案内するスライドガイド213、可動部154をスライド動作方向の一方側、例えば前進位置側に付勢するバネ214、駆動手段140の駆動力を可動部154側に伝達する駆動力伝達手段215、可動部154の動作位置を検出する枠可動体位置検出手段216等が配置されている。駆動ベース板212は、図29,図32に示すように、例えば枠可動体収容部208の下側からその左右一方側、例えば右側に至る範囲に対応して、例えばスライド動作方向に沿って若干前下がりの傾斜状に配置されており、ユニット本体部152に対して着脱自在に固定されている。
スライドガイド213は、図33〜図35に示すように、可動部154側の被駆動部161に対応して前後方向の長孔状に形成され、被駆動部161が下向きに挿通されている。バネ214は、細長状のコイルバネで、スライドガイド213の左右一側、例えば左側に配置されており、その一端側がスライドガイド213の後端側近傍で例えば駆動ベース板212に固定され、他端側が可動本体部155の例えば後端側に固定され、中間部がスライドガイド213の前端側近傍に配置されたプーリ217に巻き掛けられることにより、平面視略U字状に配置されている。
駆動力伝達手段215は、図33〜図35に示すように、駆動アーム218、カムギア219、アイドルギア220、駆動ギア221等を備えている。なお、駆動手段140の駆動軸140aの他、駆動アーム218、カムギア219、アイドルギア220等の回転軸は全て駆動ベース板212の板面に直交する方向に配置されている。
駆動アーム218は、例えば駆動ベース板212の下面側に配置され、その一端側がアーム軸218aにより回転自在に支持され、他端側に設けた駆動連結部218bが、被駆動部161に対して駆動アーム218の長手方向に摺動可能な状態で係合している。なお、アーム軸218aは、スライドガイド213の前後方向略中央部における右側に配置されている。駆動アーム218には、その中間部分にガイド孔218cが長手方向に沿って形成されている。このように、駆動アーム218はアーム軸218aを中心に後側の原点駆動位置と前側の前進駆動位置との間で揺動可能であり、それに伴って被駆動部161を介して可動部154がスライドガイド213に沿って原点位置と前進位置との間でスライド移動する。
また駆動アーム218には、例えばアーム軸218a側の端部に、半径方向外向きに突出する被検出部218dが例えば一体に設けられている。また駆動ベース板212の下面側には、被検出部218dに対応してフォトセンサ等よりなる枠可動体位置検出手段216が配置されている。本実施形態では、原点位置検出手段216aと前進位置検出手段216bの2つの枠可動体位置検出手段216が設けられており、可動部154が原点位置にあるときには原点位置検出手段216aが、可動部154が前進位置にあるときには前進位置検出手段216bが、夫々被検出部218dを検出するようになっている。
なお、駆動アーム218は、バネ222により例えば後向き、即ち原点駆動位置側に向けて弾性付勢されている。このように本実施形態の可動部154は、バネ214により前進位置側に、バネ222により駆動アーム218を介して原点位置側に夫々付勢されているが、バネ222による原点位置側への付勢力よりもバネ214による前進位置側への付勢力の方が大となっている。
カムギア219は、例えば駆動ベース板212の上面側に配置され、外周部近傍の所定位置にカムシャフト219aを備えている。このカムシャフト219aは、駆動ベース板212に設けられた円弧状の挿通孔223を下向きに貫通し、駆動ベース板212の下側で駆動アーム218のガイド孔218cに摺動自在に係合している。なお、カムギア219は、その中心軸219bがスライドガイド213とアーム軸218aとの間に配置されている。このカムギア219が、図34に示す第1回転位置と図35に示す第2回転位置との間の約180度の範囲で回転することにより、駆動アーム218は原点駆動位置と前進駆動位置との間で揺動する。なお、カムギア219が第1回転位置にあり、それによって駆動アーム218が原点駆動位置にあるとき、図34(b)に示すように、カムギア219側の中心軸219bとカムシャフト219aとを結ぶ方向と、駆動アーム218のガイド孔218cの方向とが略直交するため、駆動アーム218はバネ214による付勢力に抗して原点駆動位置にロックされる。
アイドルギア220は、例えば軸方向に第1ギア220aと第2ギア220bとを一体に備える2段ギアで、第2ギア220bをカムギア219に噛合させた状態で例えば駆動ベース板212の上側に配置されている。
駆動ベース板212の例えば上側には、ねじ止め基部224が突設されており、そのねじ止め基部224上に、ステッピングモータ等よりなる駆動手段140が、駆動軸140aが下向きの状態で配置されている。駆動手段140の駆動軸140aには駆動ギア221が固定されており、この駆動ギア221が、アイドルギア220の第1ギア220aに噛合している。
可動部154が原点位置にある状態(図34)で駆動手段140が正方向に作動すると、駆動ギア221、アイドルギア220、カムギア219を介して駆動アーム218が原点駆動位置から前進駆動位置に向けて揺動し、それに伴って可動部154が原点位置から前進位置に向けて前向きに移動すると共に、原点位置検出手段216aがONからOFFに変化する。そして、駆動アーム218が前進駆動位置に達し、可動部154が前進位置に達するとき(図35)、前進位置検出手段216bがOFFからONに変化すると共に駆動手段140が停止する。その状態から駆動手段140が逆方向に作動すると、上記とは逆の過程を経て可動部154は原点位置に復帰する(図34)。このように、本実施形態の枠可動演出手段153では、駆動手段140を正逆両方向に作動させることにより、枠可動体156を原点位置とそれよりも前側の前進位置との間で前下がりのスライド動作方向に沿って前後に動作させることができる。
また枠可動体156は、略前後方向(スライド動作方向)の軸廻りに回転可能であり、例えば運搬用に梱包する際などには、回転ロックレバー165の押下操作部165aを押下操作してロックを解除することにより、原点回転位置(図36(a))から中間回転位置(図36(b))を経て格納回転位置(図36(c))まで回転させることができる。枠可動体156は、図36(a)に示す原点回転位置ではユニット本体部152の上壁部195よりも上側に大きく突出しているが、図36(c)に示す格納回転位置ではその全体が上壁部195よりも下側に収まり、コンパクトに梱包することができる。梱包が解かれた際には、再び回転ロックレバー165の押下操作部165aを押下操作してロックを解除することにより、格納回転位置(図36(c))から中間回転位置(図36(b))を経て原点回転位置(図36(a))まで回転させればよい。また、回転位置検出手段166の検出信号に基づいて枠可動体156が原点回転位置にあると判定することを条件に、駆動手段140による枠可動体156の駆動を実行するように構成してもよい。
なお図6,図17,図32に示すように、上壁部195には、例えばその前縁側に切欠部225が形成されており、枠可動体156が原点位置にあるとき、回転ロックレバー165の押下操作部165aは切欠部225を経て上側に露出している。このように、いたずらによる操作を防止するため、回転ロックレバー165の押下操作部165aは枠可動体156の後側に配置され、枠可動体156が原点回転位置にあるときにはその枠可動体156の後側に隠れて前側からは見えないようになっている。
縦ユニット部142は、図26〜図28等に示すように、ユニット本体部231と、このユニット本体部231の例えば上下方向略中央に配置される操作演出手段232と、ユニット本体部231の例えば上部側に配置される送風手段233とを備えている。
操作演出手段232は、図37〜図41等に示すように、操作ハンドル234と、この操作ハンドル234を前後方向移動自在に保持するスライド支持手段235と、操作ハンドル234を前後方向に駆動する操作ハンドル駆動手段236と、操作ハンドル駆動手段236の駆動力を操作ハンドル234に伝達する駆動力伝達手段237と、操作ハンドル234の動作位置を検出する操作ハンドル位置検出手段238と、スライド支持手段235、操作ハンドル駆動手段236等を支持する操作ハンドルベース239等を備えている。
なお本実施形態では、操作ハンドル234が原点位置にあることを検出する原点位置検出手段238aと、操作ハンドル234が前端位置にあることを検出する前端位置検出手段238bと、操作ハンドル234が押込位置にあることを検出する押込位置検出手段238cとの3種類の操作ハンドル位置検出手段238が設けられている。操作ハンドル234に関する原点位置、前端位置及び押込位置については後述する。
操作ハンドル234は、図37〜図39等に示すように、略前後方向に配置された筒状、例えば略円筒状のハンドル本体部241と、このハンドル本体部241の前端側に配置されたハンドル操作部242とを備えている。ハンドル本体部241の後端側には、例えば内部の左右両側に一対のスライド部材243a,243bが、また周上の所定位置(ここでは上部)に被駆動部244が夫々配置されている。
左右のスライド部材243a,243bは、ハンドル本体部241の内面側に着脱自在に固定されており、例えばそれらの対向面側に、スライド支持手段235側のスライドガイド245に対応するガイドローラ246が、前後方向に沿って複数個ずつ(ここでは2個ずつ)配置され、また例えば上下一方側には、図40〜図42に示すようにスライド突起部248が一体に設けられている。スライド突起部248には、スライド支持手段235側のスライド軸247が挿通するスライド孔248aが形成されている。
被駆動部244は、操作ハンドル駆動手段236からの駆動力を受ける部分で、ハンドル本体部241の後端部外周側(ここでは上部側)からハンドル本体部241の中心軸側(ここでは下側)に向けて突出する被駆動シャフト244aと、この被駆動シャフト244aに装着されたブッシュ244bとで構成されている。
ハンドル操作部242は、遊技者が把持する部分で、例えばその全周においてハンドル本体部241の外周側に張り出すようにハンドル本体部241の前端側に装着されており、後側の開閉カバー418と、その開閉カバー418の前側を覆う前カバー250とを備え、内部にはLED基板251等が配置されている。前カバー250の少なくとも一部は発光レンズ部を構成している。なお、ハンドル操作部242は、ハンドル本体部241の軸方向(前後方向)に対して垂直ではなく、遊技者側に向けて若干左斜め前向きに配置されている。
また、操作ハンドル234の例えば前端側には、ハンドル操作部242又はハンドル本体部241の内側に一又は複数個(ここでは2つ)の振動手段252が配置されている。この振動手段252を作動させることによりハンドル操作部242が振動する。
スライド支持手段235は、図37,図40,図41等に示すように、左右一対のガイド部材253a,253bと、それら左右のガイド部材253a,253bを連結する連結部材254等を備えている。
ガイド部材253a,253bは、夫々前後方向の細長状で左右に一定間隔を空けて対向しており、その後端側が操作ハンドルベース239に固定され、操作ハンドル234のハンドル本体部241内に後側から挿入されている。左右のガイド部材253a,253bには、夫々スライドガイド245が前後方向の長孔状に形成されており、それらスライドガイド245に、ハンドル本体部241内に左右2個ずつ設けられたガイドローラ246が摺動又は転動可能に係合している。
また、左右のスライドガイド245の近傍には、スライド軸247が前後方向に配置され、その前後両端側がガイド部材253a,253bにより支持されている。このスライド軸247は、スライド部材243a,243bのスライド突起部248に設けられたスライド孔248aに挿通されている。なお、ガイド部材253a,253bは、夫々ガイド板金255a,255bにより補強されている。
このように、操作ハンドル234は、スライド部材243a,243bのガイドローラ246がスライドガイドに沿って、またスライド部材243a,243bのスライド突起部248がスライド軸247に沿って夫々移動することにより、押込位置と、それよりも前側の前端位置(図39,図41)との間で前後方向にスライド移動可能となっている。操作ハンドル234の原点位置(図38,図40)は、押込位置と前端位置との間で押込位置の若干前側に設定されており、操作ハンドル234は、少なくとも原点位置と押込位置との間では、バネ256により前向きに弾性付勢されている。なお、バネ256は所定長さのコイルバネで、スライド軸247におけるスライド突起部248の後側に挿通されている。
連結部材254は、ガイド部材253a,253bを左右に連結するもので、ガイド部材253a,253bの前端側に配置されている。
また、ガイド部材253a,253bの例えば前端側には前端位置検出手段238bが、後端側には押込位置検出手段238cが夫々配置されている。前端位置検出手段238bは例えばフォトセンサで、例えば連結部材254の下側に配置されており、操作ハンドル234が前端位置にきたとき、ハンドル本体部241の例えば後端部下部側に設けた被検出部257を検出するようになっている。また、押込位置検出手段238cも例えばフォトセンサで、例えば一方のガイド部材253aの後端部下部側に配置されており、操作ハンドル234が押込位置にきたとき(図42)、例えば一方のスライド部材243aに設けた被検出部258を検出するようになっている。
また、操作ハンドルベース239の前側には、操作ハンドル234のハンドル本体部241を覆う前後方向の筒状に形成されたハンドルカバー259が装着されている。
駆動力伝達手段237は、図37〜図39等に示すように、操作ハンドル234の被駆動部244を前後に移動させるための送りねじ261と、この送りねじ261と一体に回転する送りねじギア262と、操作ハンドル駆動手段236の駆動軸236aに固定された駆動ギア263と、駆動ギア263と送りねじギア262との間に配列されたギア列264とで構成されている。
送りねじ261は、前後方向に長い棒状で、例えば左右のガイド部材253a,253bの間に配置され、例えばその前端側が連結部材254により、後端側が操作ハンドルベース239により、中心軸廻りに回転可能な状態で支持されている。なお、送りねじ261の後端側には、送りねじ261と一体に回転する送りねじギア262が配置されている。送りねじ261の外周面上には、らせん状の送り溝265が形成されており、その送り溝265に操作ハンドル234の被駆動部244が例えば上側から摺動自在に係合している。これにより、送りねじ261が回転すると、送り溝265に案内されて被駆動部244が前後方向に移動し、それに伴って操作ハンドル234が原点位置と前端位置との間で前後方向に移動する。
また、送り溝265の後端部には、溝幅が他の部分よりも広い拡幅部266が設けられている。この拡幅部266は後側に拡幅しており、被駆動部244の前後方向の遊びが他の部分に比べて大きくなっている。そして、被駆動部244がこの拡幅部266内の前端側にあるときの操作ハンドル234の位置が原点位置(図38)、同じく後端側にあるときの操作ハンドル234の位置が押込位置(図42)となっている。なお、操作ハンドル234は少なくとも原点位置と押込位置との間ではバネ256により原点位置側(前側)に付勢されているから、被駆動部244が拡幅部266に達しても操作ハンドル234は前側の原点位置に保持されるが、遊技者がバネ256の付勢力に抗して後向きに押し込むことにより、操作ハンドル234は押込位置まで移動可能となっている。
操作ハンドル駆動手段236は、ステッピングモータ等により構成され、例えば送りねじ261の上方に配置されており、例えば駆動軸236aを後側に向けた状態で、操作ハンドルベース239の前側に装着されている。駆動軸236aには駆動ギア263が装着されている。駆動ギア263と送りねじギア262との間に配列されたギア列264は、例えば複数(ここでは5つ)のギアにより構成されており、夫々操作ハンドルベース239の前側に回転自在に装着されている。
また、操作ハンドルベース239の前側には、原点位置検出手段238aが配置されている。この原点位置検出手段238aは、例えばフォトセンサで、操作ハンドル234が原点位置にきたときに被検出部269を検出するようになっている。なお、被検出部269は、例えば送りねじ261と連動するセンサ用ギア270の外周部近傍に突設されている。センサ用ギア270は、送りねじ261の例えば下側で操作ハンドルベース239の前側に配置されており、アイドルギア271を介して送りねじギア262と連動している。
以上のように、本実施形態の操作演出手段232では、操作ハンドル駆動手段236を正逆両方向に作動させることにより、操作ハンドル234を原点位置(図27に実線で示す)とそれよりも前側の前端位置(図27に二点鎖線で示す)との間で前後に動作させることができ、また振動手段252を作動させることにより操作ハンドル234を振動させることができる。また操作ハンドル234が原点位置にある状態では、図42に示すように、遊技者が操作ハンドル234を押込位置(図27に二点鎖線で示す)まで押し込むことが可能である。
ユニット本体部231は、図26〜図28等に示すように、略水平に配置された上壁部281と、左右の各側面を形成する左壁部282及び右壁部283と、下面を形成する下壁部284と、前側を覆う前装飾カバー285と、背面側のベース板金286とで略箱形に形成されている。操作演出手段232は、操作ハンドル234及びそれを覆うハンドルカバー259の前部を前装飾カバー285に形成された開口部287を介して前側に突出させた状態でユニット本体部231内に配置され、例えば操作ハンドルベース239がベース板金286の前面側に固定されている。
またユニット本体部231内には、図26に示すように、例えば操作ハンドル234の上側に送風手段233が配置されている。送風手段233は、送風ケース233a内に羽根車が組み込まれたシロッコファン等であって、前装飾カバー285に形成された送風口288から例えば操作ハンドル234のハンドル操作部242に向けて送風可能となっている。
また前装飾カバー285は、少なくともその一部が発光レンズ部を構成しており、その後側には、例えば操作ハンドル234の上下に夫々LED基板289が配置されている。
横ユニット部141のユニット本体部152と、縦ユニット部142のユニット本体部231とは、それらの背面側に配置された板金製のユニット補強板143により互いに連結されて1つの第2上部ユニット42bを構成している。
第2上部ユニット42bの背面側には、図17,図21,図22に示すように、上部スピーカ30b用のスピーカ装着突部111bに対応する開口部291が設けられている。この開口部291にはスピーカ装着突部111bが出し入れ自在であり、この開口部291の上部内壁291aをスピーカ装着突部111bの受け部114dの上面に載せることができる。また図17,図20等に示すように、スピーカ装着突部111aには第2上部ユニット42b用の受け部114cがあり、第2上部ユニット42bのスピーカ装着突部111a側の端部には、受け部114cに上側から重なる重なり部292が例えば上壁部195と一体に設けられている。
このような構成を採用すれば、第2上部ユニット42bを扉ベース25の前側に装着する際には、スピーカ装着突部111bを開口部291の案内用とし、スピーカ装着突部111aを重なり部292の案内用として夫々利用しながら作業をすることが可能であり、第2上部ユニット42bを扉ベース25側の所定の取り付け位置に容易に配置することができる。
また、第2上部ユニット42bの開口部291及び重なり部292が左右のスピーカ装着突部111a,111bに対応した後は、第2上部ユニット42bをスピーカ装着突部111a,111bを介して扉ベース25側に預けて、スピーカ装着突部111a,111bにより第2上部ユニット42b側の略全荷重を支持した状態で位置合わせ等を行うことが可能である。そのため、第2上部ユニット42bの装着作業時に作業者が第2上部ユニット42bの荷重を常時支える必要がなく、装着時の作業者の負担を軽減することができる。
図17に示すように、第1位置決め手段144は第2上部ユニット42bの上部先端側(左端側)に配置され、第2位置決め手段145は第2上部ユニット42bの側部下端側に配置されている。第1位置決め手段144は、図20等に示すように、スピーカ装着突部111aの受け部114cに形成された位置決め凹部144aと、第2上部ユニット42bの端部の重なり部292に形成された位置決め突部144bとを備え、位置決め突部144bと位置決め凹部144aとにより、第2上部ユニット42bの上部先端側を前後左右に位置決め可能となっている。
位置決め凹部144a、位置決め突部144bは、スピーカ装着突部111aの内側部分に平面視L字状に形成されている。なお、この第1位置決め手段144は、重なり部292に位置決め凹部144aを設け、受け部114cに位置決め突部144bを設けてもよい。また、第1位置決め手段144は他の構造でもよい。
第2位置決め手段145は、図43(a),(b)に示すように、扉ベース25又はその縦補強部材33bに形成された位置決め孔部145aと、ユニット補強板143の下端側に屈曲形成された位置決め突部145bとを備え、位置決め孔部145aと位置決め突部145bとにより、第2上部ユニット42bの側部下端側を扉ベース25に対して左右方向に位置決め可能となっている。
位置決め孔部145aと位置決め突部145bとの間には、図43(b)に二点鎖線で示すように、各係止手段146〜148を係脱するに必要な上下方向の余裕がある。なお、この第2位置決め手段145は、ユニット補強板143に位置決め孔部145aを設け、扉ベース25に位置決め突部145bを設けてもよい。また、第2位置決め手段145は他の構造でもよい。
従って、第2上部ユニット42bの装着に際しては、中間部分に配置される複数の第1〜第3係止手段146〜148、第1〜第3固定手段149〜151により第2上部ユニット42bを扉ベース25に固定するが、第2上部ユニット42bの両端側に第1、第2位置決め手段144,145を設けることにより、第2上部ユニット42bの両端側の左右位置等を確実に規制することができる。そのため遊技者の悪戯等による第2上部ユニット42bの下端側の位置ズレ等を防止できる利点がある。
第1〜第3係止手段146〜148は、図44〜図46に示すように、第2上部ユニット42bの上部先端側(左端側)と側部上端側と側部中間部との三箇所に配置されており、ユニット補強板143に下向きに一体に設けられた係止爪146a〜148aと、縦補強部材33bに設けられた孔状の係止部146b〜148bとを備え、その第2係止手段147にはクランプ手段293が設けられている。
第1〜第3係止手段146〜148の各係止爪146a〜148aの突出長さは、第3係止手段148が最大であり、第1係止手段146、第2係止手段147の順で短くなっている。つまり、第1〜第3係止手段146〜148の係止爪146a〜148aと係止部146b〜148bとの係合長さ146c〜148cは、係合長さ148c>係合長さ146c>係合長さ147cの関係にある。
第1〜第3係止手段146〜148の係合長さ146c〜148cは、係合長さ148c>係合長さ146c>係合長さ147cに設定されており、第1〜第3係止手段146〜148の係止爪146a〜148aを係止部146b〜148bに係合させて第2上部ユニット42bを扉ベース25に係止する際に、第3係止手段148、第1係止手段146、第2係止手段147の順序で第1〜第3係止手段146〜148を順次係合させることができる。従って、第1〜第3係止手段146〜148を同時に係合させる場合に比較して、係止爪146a〜148aを係止部146b〜148bに対して容易に係合させることができる。
第1〜第3係止手段146〜148の係合長さ146c〜148cの何れか一つを最大とし、他の二つの係合長さは略同じにしてもよい。例えば、第3係止手段148の係合長さ148cを最大とし、第1、第2係止手段146,147の係合長さ146c,147cを係合長さ148cよりも短い略同じ長さとすることも可能である。この場合には、第2上部ユニット42bの装着に際しては、各係止手段146〜148は、下側の第3係止手段148から上側の第1、第2係止手段146,147へと順次係合することになる。
第2係止手段147は、図46(a),(b)に示すように、係止爪147a、係止部147bを左右に複数配置する等により、他の係止手段146,148に比較して剛強になっており、係止部147bに係合した後の係止爪147aを係止部147b側へと締め付けるようにクランプ手段293が設けられている。
クランプ手段293は、係止部147bの下側で縦補強部材33bに固定された平面視U字状のブラケット293aと、このブラケット293aに支軸293b廻りに枢支された平面視逆U字状のクランプレバー293cと、クランプレバー293cの中間に連結軸293dにより連結され且つ係止爪147aの上側の係合部147dに上側から係合するU字状のクランプ具293eとを備えている。クランプレバー293cにはその遊端側に操作部293fが設けられている。
第2上部ユニット42bの装着に際しては、第1〜第3係止手段146〜148の係止爪146a〜148aを係止部146b〜148bに係合した後に、クランプ手段293のクランプ具293eを係止爪147aの係合部147dに係合させる。そして、クランプレバー293cを支軸293b廻りに下側へと回動させて、連結軸293dがクランプ具293eの係止爪147aに対する係合位置と支軸293bとを結ぶ線分から縦補強部材33b側へと越えて縦補強部材33bに当接したときに、第2係止手段147の係止爪147aを係合部147b側へと係合方向に締め付ける。そのため、第2係止手段147の係止爪147aは、他の第1、第3係止手段146,148に比較して剛強になっている。
従って、第2係止手段147の係止爪147aの係合部147dに上側から係合させるだけの場合に比較して、第2上部ユニット42bの機械的な振動を防止することができ、ねじ式の第1〜第3固定手段149〜151の振動による弛み等を確実に防止することが可能である。
第1〜第3固定手段149〜151は、図6,図7等に示すように、第2上部ユニット42bの上部先端側(左端側)と側部上下両端側とに対応する三箇所に配置されている。この第1〜第3固定手段149〜151は、図19,図47,図48に示すように、ユニット補強板143に形成されたねじ孔149a〜151aと、横補強部材32側から扉ベース25に挿通された操作部149b〜151b付きの固定ねじ149c〜151cとを備え、固定ねじ149c〜151cをねじ孔149a〜151aに螺合することにより、ユニット補強板143を扉ベース25側に裏側から締め付けて固定するようになっている。
ヒンジ13,26側のスピーカ装着突部111aには、図19に示すように、その第2上部ユニット42b側にねじ挿通部111cが前後方向に形成されており、ユニット補強板143側からねじ挿通部111cに固定ねじ149cが挿通されている。固定ねじ149cはねじ挿通部111cの後側でユニット補強板143の屈曲部143aの先端部に形成されたねじ孔149aに螺合されている。
第1〜第3固定ねじ149c〜151cは、横補強部材32又は縦補強部材33bと、この横補強部材32又は縦補強部材33bに固定された支持部材149d〜151dとに跨がって挿通されており、また、横補強部材32又は縦補強部材33bと支持部材149d〜151dとの間に、スナップリング等の外れ止め部材149e〜151eが設けられている。なお、固定ねじ149c〜151cの先端側の外周は、ねじ孔149a〜151aに挿入し易くすると共に、手指等を引っ掛けて怪我をしないように面取りを施している。
前枠3側には、図48に示すように、固定ねじ150c,151cの操作部150b,151bに対応する段部3aが外周壁3bの内側にある。この段部3aは、固定ねじ150c,151cを締め付けた状態であれば、図48(b)に示すように、前扉4を前枠3側に閉鎖する場合にも、固定ねじ150c,151cの操作部150b,151bと干渉せずに、前扉4を前枠3側に閉鎖することができる。
しかし、固定ねじ150c,151cを締め付けないままの状態で前扉4を前枠3側に閉鎖しようとした場合には、図48(a)に示すように、段部3aが固定ねじ150c,151cの操作部150b,151bと干渉して、前枠3と前扉4との間に隙間ができて閉鎖できない。これにより、第2上部ユニット42bの装着時に、第2,第3固定手段150,151の固定ねじ150c,151cを締め忘れたままで前扉4を前枠3側に閉鎖するようなミスの発生を防止することができる。なお、ユニット補強板143は板金材を正面視略L字状に打ち抜いて一体に形成されているが、複数に分割してもよい。
第2上部ユニット42bの可動部154、操作演出手段232、送風手段233等から引き出された各ハーネス(図示省略)は、図28に示すように、例えば横ユニット部141内の内中継基板294を介してユニット側ハーネス295に集約されている。ユニット側ハーネス295は、ユニット補強板143の開口296(図28)と、その後側に形成された扉ベース25側の開口297(図49)とを経て前扉4の後側に引き出されている。
扉ベース25の上ベース部27の後側には、図49に示すように、左右方向の略中央部に配置された開口297に隣接して左右方向に長い上中継基板298が設けられている。この上中継基板298は、上ベース部27の狭い部分に形成された収容凹部299内に配置されている。上中継基板298には左右に2個の基板側コネクタ301,302が後側向きに装着されており、その一方の基板側コネクタ301にユニット側ハーネス295のコネクタ295aが着脱自在に接続されている。
他方の基板側コネクタ302には、ユニット用中継ハーネス303のコネクタ303aが着脱自在に接続されている。ユニット用中継ハーネス303は、扉ベース25の上ベース部27の後側上端に沿って上部スピーカ30bの上側等の近傍を経てヒンジ13,26と反対側の端部へと左右方向に引き出された後、その端部側の開口304から扉ベース25の前側へと引き出されている。
開口304から前側に引き出されたユニット用中継ハーネス303は、図18に示すように、扉ベース25のヒンジ13,26と反対側の縦ベース部28bの端縁に沿って中間スピーカ31bの上側近傍へと上下方向に配置され、中間スピーカ31bのスピーカカバー305b内を経て下ベース部29側の下中継基板(図示省略)側に接続されている。なお、中間スピーカ31a,31bの前側周辺にはスピーカカバー305a,305bが配置されている。
扉ベース25の縦ベース部28bの前側に上下方向に配置されるユニット用中継ハーネス303は、図8,図18に示すように、その上下方向の略全体が保護カバー306により覆われている。保護カバー306は断面L字状であって、縦ベース部28bの外周壁306aに沿って配置され、ねじ等の固定具により扉ベース25に着脱自在に固定されている。
第1上部ユニット42a内のLED基板131の上端部には、図49に示すように、扉ベース25の開口307に対応して後向きに2個の基板側コネクタ308a,308bが設けられ、この各基板側コネクタ308a,308bに着脱自在に接続されたハーネス309a,309bが扉ベース25の上ベース部27の後側を経て上部スピーカ30a,30b側のLED基板126a,126bに接続されている。2個の基板側コネクタ308a,308bはLED基板131の配線パターンを経て下端側から下中継基板等に接続されている。
扉ベース25のヒンジ13,26側の縦ベース部28aの後側には、上部スピーカ30aの近傍にスピーカ用中継基板310が設けられ、各上部スピーカ30a,30bからのスピーカ側ハーネス311a,311bと、スピーカ駆動源側のスピーカ用中継ハーネス312とがこのスピーカ用中継基板310を介して接続されている。
スピーカ用中継基板310には、3個の基板側コネクタ313a,313b,314が設けられ、その2個の基板側コネクタ313a,313bに各上部スピーカ30a,30bからのスピーカ側ハーネス311a,311bが、1個の基板側コネクタ314にスピーカ用中継ハーネス312が夫々着脱自在に接続されている。スピーカ用中継ハーネス312は、図8に示すように、扉ベース25のヒンジ13,26側の縦ベース部28aに装着された縦補強部材33aに沿って上下方向に配置され、保護カバー315により後側から保護されている。
スピーカ用中継ハーネス312、保護カバー315は、上部スピーカ30aの近傍から下ベース部29の下端近傍までの間に上下方向に配置されている。保護カバー315は、スピーカ用中継ハーネス312を覆う断面L字状又はU字状であって、縦補強部材33aに沿って上下方向に配置され、ねじ等の固定具により扉ベース25の裏側に着脱自在に固定されている。
このように扉ベース25のヒンジ13,26側の縦ベース部28aの裏側にスピーカ用中継ハーネス312を設けることにより、縦ベース部28aの前側にある第1上部ユニット42aに関係なくスピーカ用中継ハーネス312の保守点検等を容易に行うことができる。
保護カバー315の後側には、図50に示すように、前扉4と前枠3との間から内部への不正部材の挿入を阻止するための挿入阻止部315aが後方に突出するリブ状に設けられている。即ち、前枠3のヒンジ13,26側には、本体枠部316aの前壁部316bに外突条部316cと内突条部316dとが上下方向に設けられ、その前壁部316bの裏側から外突条部316cの外側に沿うように板金製の補強部材316eが設けられている。この補強部材316eは前端から内側に屈曲する内側屈曲部316fを有する。
扉ベース25のヒンジ13,26側の縦補強部材33aには、扉ベース25の内周壁部317aに沿って後側に屈曲する後側屈曲部33a1と、この後側屈曲部33a1の後端から外側に屈曲する外側屈曲部33a2とが上下方向の略全長に設けられている。
そして、前扉4と前枠3との間には、前扉4をヒンジ13,26廻りに前枠3側に閉じたときに、前扉4の外側屈曲部33a2と内周壁部317aとの間に補強部材316eの内側屈曲部316fが入り込んで、不正部材の挿入を阻止する屈曲迷路318が形成される。内周壁部317aの外側には、後端の傾斜壁部317bを介して外周壁部317cが設けられ、その外周壁部317cの前端に発光装飾カバー132の後端が当接している。
保護カバー315の後壁部315bは縦補強部材33aの外側屈曲部33a2と同等か又は外側屈曲部33a2よりも後方に突出しており、その後壁部315bから後方へと突出する挿入阻止部315aが、上部スピーカ30a,30bの近傍から下ベース部29の下端近傍までの全範囲に上下方向に配置されている。この挿入阻止部315aはリブ状であって、前扉4を前枠3側に閉じたときに、前枠3の内突条部316dの内側に近接するようになっている。保護カバー315はその取り付け部315cが扉ベース25にねじ等の固定具により取り付けられている。
このように縦補強部材33aに沿ってその内側に保護カバー315の後壁部315bから後方に突出するリブ状の挿入阻止部315aを設けることにより、仮に屈曲迷路318を通過して不正部材が挿入されるようなことがあっても、この挿入阻止部315aと内突条部316dとによって、それ以上の不正部材の進入を阻止することができる。また、挿入阻止部315aを保護カバー315に設けているので、前扉4側の構造等を大きく変更する必要もなく容易に実施することが可能である。
扉ベース25の上ベース部27には、図6,図7,図19,図22等に示すように、上部スピーカ30a,30b、ハーネス295,309a,309b,311a,311b及びスピーカ用中継基板310の一部又は全部を裏側から覆うための左右一対の上部裏カバー319a,319bが着脱自在に設けられている。ヒンジ13,26側の上部裏カバー319aは、第1固定手段149の固定ねじ149cの操作部149bを裏側から操作できるように、第1固定手段149に対応して切り欠き部319a1が設けられている。ヒンジ13,26と反対側の上部裏カバー319bは、クランプ手段293を操作できるように、上中継基板298の基板側コネクタ302とクランプ手段293との間に設けられている。
このように上部裏カバー319a,319bを設けることによって、上部スピーカ30a,30b、ハーネス295,309a,309b,311a,311b及びスピーカ用中継基板310が露出する場合に比較して、前扉4の扉ベース25の裏側上部の見映えを良好にすることができる。
一方、上ベース部27の左右方向の略中央部、即ち上ベース部27に形成された開口297と、この開口297から引き出されたユニット側ハーネス295が接続される上中継基板298側の基板側コネクタ301とに対応する部分には、上部裏カバー319a,319bは設けられていない。そのため上中継基板298の基板側コネクタ301に対してユニット側ハーネス295のコネクタ295aを容易に着脱することができる。また、同時に第1固定手段149の固定ねじ149c、クランプ手段293も上部裏カバー319a,319bに関係なく操作することができる。そのため第2上部ユニット42bを着脱する都度、上部裏カバー319a,319bを着脱するような煩わしさを解消できる。
なお、上部裏カバー319a,319bは左右別々に着脱可能にしているが、左右の上部裏カバー319a,319bを接続して一体化することも可能である。但し、この場合には、第2上部ユニット42bを着脱する際に、左右一体の上部裏カバー319a,319bを取り外した上で、上中継基板298の基板側コネクタ301に対してユニット側ハーネス295を着脱する必要がある。
遊技盤15は、図51,図52に示すように例えばベニヤ板等のベース板321を備え、そのベース板321の前側に、発射手段16から発射された遊技球を案内するガイドレール322が環状に配置されると共に、そのガイドレール322の内側の遊技領域15aに、中央表示枠ユニット323、始動入賞ユニット324、普通入賞ユニット325等のユニット部品の他、多数の遊技釘(図示省略)が配置され、また例えば遊技領域15aの外側下部には遊技情報表示手段326が配置されている。また、遊技盤15の後側には液晶表示手段327と盤可動演出手段328とが配置され、遊技盤15の裏面に固定された裏装着ベース329(図54〜図57等)に装着されている。なお、ベース板321には合成樹脂製の透明板を用いてもよい。
ベース板321は、例えば正面視略矩形状に形成され、図52に示すように、中央表示枠ユニット323、始動入賞ユニット324、普通入賞ユニット325を装着するための一又は複数(ここでは3つ)の装着孔330a〜330cが板厚方向貫通状に形成されている。また、ベース板321の前面側には、ガイドレール322を構成する複数、例えば3つの第1〜第3レール部材331〜333が装着されている。
第1レール部材331は、ベース板321の下部左側から左縁部略中央、上縁部略中央を経て右上部に至る略弓形に形成されており、ベース板321と平行な前壁部334と、その前壁部334の外周に沿って後向きに突設された略一定幅の周壁部335とを一体に備え、周壁部335の後端側をベース板321の前面に当接させた状態でベース板321に着脱自在に固定されている。第1レール部材331は、周壁部335のうち、遊技領域15a側の内周壁部335aが正面視略円弧状に形成されてガイドレール322の一部を構成している。
第2レール部材332は、ベース板321の前面側に略垂直に立設する前後方向一定幅の薄板状に形成され、ベース板321の左上部から左下部にかけて第1レール部材331の内側に並行するように略円弧状に配設されている。なお、第1レール部材331と第2レール部材332とで挟まれた部分が、発射手段16によって発射された遊技球を遊技領域15aに案内する発射案内通路336となっている。また、発射案内通路336の下流側端部には、遊技領域15a側から発射案内通路336側への遊技球の戻りを防止する戻り防止弁337が設けられている。
第3レール部材333は、第1レール部材331の右上部側端部と第2レール部材332の左下部側端部とを接続するように、ベース板321の右縁部と下縁部とに沿う正面視略L型に形成されており、ベース板321と平行な前壁部338と、その前壁部338の周縁部から後向きに突設された略一定幅の周壁部339とを一体に備え、周壁部339の後端側をベース板321の前面に当接させた状態でベース板321に着脱自在に固定されている。第3レール部材333は、周壁部339のうち、遊技領域15a側の内周壁部339aがガイドレール322の一部を構成している。
中央表示枠ユニット323は、ベース板321に形成された装着孔330aの外周に沿って配置されることにより、液晶表示手段327及び盤可動演出手段328を視認するための開口窓340を形成しており、例えば左右上下の4つの構成部材323a〜323dにより構成され、ベース板321に対して前側から着脱自在に装着されている。なお、発射案内通路336から戻り防止弁337を通過して遊技領域15aに流入した遊技球は、遊技領域15a内の左側の左流下経路341と右側の右流下経路342との何れかを流下するようになっている。
左構成部材323aは、左流下経路341の少なくとも上流部分を構成するもので、図51に示すように、遊技領域15aの左上部から左中央部にかけて、戻り防止弁337の配置位置を挟んでガイドレール322に沿って配置されている。左構成部材323aは、左流下経路341の入口を構成する左流入部341aを上端側に、遊技球を左流下経路341の下流側に排出する左流出部341bを下端側に夫々備え、それらの間の通路部分には前向き突起状の障害部343が複数設けられている。なお、左構成部材323aは、少なくとも一部を透明に形成し、後側の液晶表示手段327や盤可動演出手段328を前側から視認可能とすることが望ましい。
右構成部材323bは、右流下経路342の少なくとも上流部分を構成するもので、図51に示すように、遊技領域15aの右上部から右下部にかけてガイドレール322に沿って配置され、その上端側には、右流下経路342の入口にあたる右流入部342aが設けられると共に、この右流入部342aよりも下流側に普通図柄始動手段344、第2特別図柄始動手段346、大入賞手段347、普通入賞手段348等が配置されている。なお、右構成部材323bは、少なくとも一部を透明に形成し、後側の液晶表示手段327や盤可動演出手段328を前側から視認可能とすることが望ましい。
上構成部材323cは、左構成部材323aと右構成部材323bの各上端側を左右に接続するようにガイドレール322に沿って配置されており、図51,図52に示すように、発射案内通路336から戻り防止弁337を通過して遊技領域15aの上部側に流入した遊技球を右流下経路342に案内する右案内通路351を備えている。
右案内通路351は、上構成部材323cの左端側に設けられた流入口351aと、この流入口351aから略下向きに設けられた縦通路部351bと、この縦通路部351bの下端側から右下がりの傾斜状に設けられた横通路部351cと、その横通路部351cの右端側に設けられた流出口351dとを備え、例えば縦通路部351bよりも横通路部351cの方が長い正面視略L字状に形成されている。また、右案内通路351の上流端側には返しゴム352が配置されている。
流入口351aは、遊技領域15aの流入部(戻り防止弁337の配置位置)とガイドレール322の最上部との間に配置され、ガイドレール322に向けて略上向きに開口している。そして遊技領域15aの流入部と流入口351aとの間に、左構成部材323a側の左流入部341aが配置されている。返しゴム352は、流入口351aの右上方に、遊技球の衝突面352aを例えば左斜め下側に向けた状態で配置され、例えば上構成部材323cに固定されている。また流出口351dは、例えばガイドレール322の近傍で右構成部材323b側の右流入部342aと連通している。発射手段16により発射され、戻り防止弁337を通過して遊技領域15aに流入した遊技球は、ガイドレール322に沿って返しゴム352まで到達した場合には、その多くが流入口351aに流入し、右案内通路351を経て右流下経路342を流下するが、それ以外は左流入部341aに流入して左流下経路341を流下する。
このように本実施形態では、右案内通路351を、ガイドレール322の上部側の所定範囲に対応してガイドレール322から離間して配置することにより、遊技領域15aの上部側(所定箇所)に、遊技球が流入不可能な非流入領域353を内向き(下向き)凹入状に形成している。言い換えれば、右案内通路351は、非流入領域353を避けるようにその縁部に沿って配置されている。なお、上構成部材323cには、非流入領域353を埋める閉鎖板354が右案内通路351と一体に設けられている。この非流入領域353の前側には、前扉4側の透明板36aを挟んで前枠3側の枠非可動体203が配置されている。なお、上構成部材323cは、少なくとも右案内通路351の部分を透明に形成し、後側の液晶表示手段327や盤可動演出手段328を前側から視認可能とすることが望ましい。
下構成部材323dは、左構成部材323aと右構成部材323bの各下端側をガイドレール322から離間した位置で接続するように配置されており、遊技球を左右方向に自由に転動させて中央落下部355aとそれ以外の部分との何れかから前側に落下させるステージ355と、例えば左流下経路341を流下する遊技球が流入可能なワープ入口356と、ワープ入口356に流入した遊技球をステージ355に案内するステージ案内通路357とを備えている。なお、下構成部材323dは、少なくとも一部を透明に形成し、後側の液晶表示手段327や盤可動演出手段328を前側から視認可能とすることが望ましい。
始動入賞ユニット324は、中央表示枠ユニット323の下側にガイドレール322に沿って配置され、ベース板321に形成された装着孔330bに対して前側から着脱自在に装着されている。この始動入賞ユニット324には、第1特別図柄始動手段345、アウト口358等が配置されている。
普通入賞ユニット325は、中央表示枠ユニット323の下側で始動入賞ユニット324の左側にガイドレール322に沿って配置され、ベース板321に形成された装着孔330cに対して前側から着脱自在に装着されている。この普通入賞ユニット325には、例えば複数(ここでは2つ)の普通入賞手段349,350が配置されている。
なお本実施形態では、アウト口358を遊技領域15aの最下流部(本実施形態では遊技領域15aの下部中央)に1つ配置した例を示したが、遊技領域15aの最下流部に加えてそれ以外の位置にも1つ以上のアウト口を配置してもよい。この場合のアウト口の配置位置は任意であり、例えば普通入賞手段349,350が配置された普通入賞ユニット325に設けてもよいし、大入賞手段347が配置されたユニット(本実施形態では中央表示枠ユニット323の右構成部材323b)に設けてもよい。
遊技情報表示手段326は、図53に示すように、例えば8個のLED360で構成されるLEDグループを4つ備えており、それら計32個のLED360が普通図柄表示手段361、普通保留個数表示手段362、第1特別図柄表示手段363、第2特別図柄表示手段364、第1特別保留個数表示手段365、第2特別保留個数表示手段366、変動短縮報知手段367、右打ち報知手段368及びラウンド数報知手段369に所定個数ずつ割り当てられている。即ち、第1,第2LEDグループ326a,326bに属する各8個のLED360は夫々第1,第2特別図柄表示手段363,364を構成し、第3LEDグループ326cに属する8個のLED360は、2個ずつに分けられて夫々第1特別保留個数表示手段365、第2特別保留個数表示手段366、普通保留個数表示手段362、変動短縮報知手段367を構成し、第4LEDグループ326dに属する8個のLED360は、そのうちの2個が普通図柄表示手段361を、他の2個が右打ち報知手段368を、残りの4個がラウンド数報知手段369を夫々構成している。
普通図柄始動手段344は、普通図柄表示手段361による普通図柄の変動表示を開始させるためのもので、遊技球が通過可能な通過ゲート等により構成され、遊技球の通過を検出する通過検出手段344aを備えている。この普通図柄始動手段344は、例えば中央表示枠ユニット323の右構成部材323bにおける右流入部342aの下流側に設けられており、右流下経路342を流下する遊技球が通過可能となっている。
普通図柄表示手段361は、普通図柄を変動表示するためのもので、遊技情報表示手段326における例えば2個のLED360で構成されており(図53)、普通図柄始動手段344が遊技球を検出することに基づいて、普通図柄を構成するそれら2個のLED360が普通変動中発光パターンで発光した後、普通図柄始動手段344による遊技球検出時に取得された普通乱数情報に含まれる当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致する場合には当たり態様(所定態様)で、それ以外の場合にははずれ態様で変動を停止する。なお、普通図柄を構成する2個のLED360は、それらの発光態様(例えば点灯/消灯)の組み合わせにより一又は複数の当たり態様と一又は複数のはずれ態様とを表示可能であり、また普通変動中発光パターンは、例えば特定の複数種類(ここでは2種類)の発光態様を所定時間(例えば128ms)毎に切り替えるようになっている。
また、普通図柄表示手段361の図柄変動中と普通利益状態中とを含む普通保留期間中に普通図柄始動手段344が遊技球を検出した場合には、それによって取得された普通乱数情報が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として保留記憶され、普通保留期間が終了する毎に1個ずつ消化されて普通図柄の変動が行われる。普通乱数情報の記憶個数(普通保留個数)は、普通保留個数表示手段362等によって遊技者に報知される。普通保留個数表示手段362は、遊技情報表示手段326における例えば2個のLED360で構成されており(図53)、それら2個のLED360の夫々の発光態様(例えば点灯/点滅/消灯)の組み合わせにより、0〜4個の5種類の普通保留個数を表示可能となっている。
第1特別図柄始動手段(図柄始動手段)345は、第1特別図柄表示手段363による図柄変動を開始させるためのもので、開閉手段を有しない非開閉式入賞手段により構成され、入賞した遊技球を検出する入賞検出手段(始動入賞検出手段)345aを備えている。この第1特別図柄始動手段345は、例えば始動入賞ユニット324に設けられ、ステージ355の中央落下部355aに対応してその下側に上向き開口状に配置されており、左流下経路341側のワープ入口356からステージ355を経て入賞するルートが存在すること等により、右流下経路342を流下してきた遊技球よりも左流下経路341を流下してきた遊技球の方が高い確率で入賞可能となっている。なお、この第1特別図柄始動手段345に遊技球が入賞すると、1入賞当たり所定個数の遊技球が賞球として払い出される。
第2特別図柄始動手段(図柄始動手段)346は、第2特別図柄表示手段364による図柄変動を開始させるためのもので、開閉部346bの作動によって遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能(又は開状態よりも入賞困難)な閉状態とに変化可能な開閉式入賞手段により構成され、入賞した遊技球を検出する入賞検出手段(始動入賞検出手段)346aを備えており、普通図柄表示手段361の変動後の停止図柄が当たり態様となって普通利益状態が発生したときに、開閉部346bが所定時間閉状態から開状態に変化するようになっている。
この第2特別図柄始動手段346は、例えば中央表示枠ユニット323の右構成部材323bにおける普通図柄始動手段344の下流側に設けられており、右流下経路342を流下してきた遊技球が入賞可能となっている。なお、この第2特別図柄始動手段346に遊技球が入賞すると、1入賞当たり所定個数の遊技球が賞球として払い出される。
第1特別図柄表示手段(図柄表示手段)363は、遊技情報表示手段326における例えば8個のLED360で構成されており(図53)、第1特別図柄始動手段345が遊技球を検出することを条件に(図柄始動条件が成立した場合に)、第1特別図柄を構成するそれら8個のLED360が特別変動中発光パターンで発光した後、第1特別図柄始動手段345による遊技球検出時に取得された第1特別乱数情報に含まれる大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致する場合(乱数抽選で当選した場合)には第1大当たり態様(特定態様)で、それ以外の場合には第1はずれ態様(非特定態様)で変動を停止するようになっている。第1特別図柄表示手段363の変動後の停止図柄が第1大当たり態様となった場合には第1特別利益状態が発生する。
第2特別図柄表示手段(図柄表示手段)364は、遊技情報表示手段326における例えば8個のLED360で構成されており(図53)、第2特別図柄始動手段346が遊技球を検出することを条件に(図柄始動条件が成立した場合に)、第2特別図柄を構成するそれら8個のLED360が特別変動中発光パターンで発光した後、第2特別図柄始動手段346による遊技球検出時に取得された第2特別乱数情報に含まれる大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致する場合(乱数抽選で当選した場合)には第2大当たり態様(特定態様)で、それ以外の場合には第2はずれ態様(非特定態様)で変動を停止するようになっている。第2特別図柄表示手段364の変動後の停止図柄が第2大当たり態様となった場合には第2特別利益状態が発生する。
第1,第2特別図柄表示手段363,364は、各8個のLED360の発光態様(例えば点灯/消灯)の組み合わせにより一又は複数の第1,第2大当たり態様と一又は複数の第1,第2はずれ態様とを表示可能であり、また特別変動中発光パターンは、例えば特定の複数種類(ここでは2種類)の発光態様を所定時間(例えば128ms)毎に切り替えるようになっている。
また、第1特別図柄表示手段363の図柄変動中、第2特別図柄表示手段364の図柄変動中及び第1,第2特別利益状態中を含む特別保留期間中に第1,第2特別図柄始動手段345,346が遊技球を検出した場合には、それによって取得された第1,第2特別乱数情報(乱数情報)が夫々予め定められた上限保留個数、例えば各4個を限度として保留記憶される。そして、特別保留期間が終了した時点で第2特別図柄側の保留記憶が1以上の場合にはその第2特別図柄の保留記憶を1個消化して第2特別図柄の変動を行い、第1特別図柄側の保留記憶のみが1以上の場合にはその第1特別図柄の保留記憶を1個消化して第1特別図柄の変動を行う。このように本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とが共に変動中になることはなく、また第1特別図柄側と第2特別図柄側との両方に保留記憶がある場合には、第2特別図柄の変動を優先的に行うようになっている。
なお、第1,第2特別乱数情報の記憶個数(第1,第2特別保留個数)は、第1,第2特別保留個数表示手段365,366、液晶表示手段327等によって遊技者に報知される。ここで、第1,第2特別保留個数表示手段365,366は、遊技情報表示手段326における各2個のLED360で構成され(図53)、それらの発光態様(例えば点灯/点滅/消灯)の組み合わせにより、0〜4個の5種類の第1,第2特別保留個数を表示可能となっている。
大入賞手段347は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板347bを備えた開閉式入賞手段で、入賞した遊技球を検出する入賞検出手段347aを備えており、例えば中央表示枠ユニット323の右構成部材323bにおける第2特別図柄始動手段346の下流側で且つ第1特別図柄始動手段345の上流側に配置され、左流下経路341を流下してきた遊技球よりも右流下経路342を流下してきた遊技球の方が高い確率で入賞可能となっている。この大入賞手段347は、第1,第2特別図柄表示手段363,364の第1,第2特別図柄が変動後に第1,第2大当たり態様で停止した場合に発生する第1,第2特別利益状態において、開閉板347bが一又は複数種類の開放パターンの何れかに従って前側に開放して、その上に落下してきた遊技球を内部へと入賞させるようになっている。この大入賞手段347に遊技球が入賞すると、1入賞当たり所定個数の遊技球が賞球として払い出される。なお以下の説明では、第1特別利益状態と第2特別利益状態とを合わせて「大当たり遊技」(特別遊技)という。
本実施形態では、大当たり遊技における大入賞手段347の開放パターンとして例えば4R,6R,10Rの3種類設けられている。4R,6R,10Rの各開放パターンは、いわゆる出玉ありのラウンドを夫々4回,6回,10回行うように構成されている。ここで、出玉ありのラウンドは、大入賞手段347の開放後、その大入賞手段347への入賞個数が所定個数(例えば9個)に達するか、所定時間(例えば28秒)経過した時点で大入賞手段347を閉じるように設定されており、遊技者が右流下経路342側の大入賞手段347を狙って右打ちをすれば最大個数の遊技球を容易に入賞させて大量の賞球を獲得できる。なお、出玉ありのラウンドに加えて、大入賞手段347が極短時間(例えば0.2秒)だけ開放する出玉なしのラウンドを有する開放パターンを設けてもよいし、出玉なしのラウンドのみの開放パターンを設けてもよい。
なお本実施形態では、大当たりの場合の大当たり図柄乱数値等に応じて、大当たり遊技の終了後に遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能となっている。特別遊技状態は、高確率状態と開放延長状態との組み合わせにより、例えば高確率状態が発生し開放延長状態が発生しない「潜確状態」、高確率状態と開放延長状態とが共に発生する「確変状態」、高確率状態が発生せず、開放延長状態が発生する「時短状態」の3種類が考えられる。なお、高確率状態と開放延長状態とが共に発生していない状態が通常遊技状態である。
高確率状態中は、それ以外の低確率状態中よりも大当たり判定値の数を多くすることにより、第1,第2特別図柄が大当たり態様となる確率を高確率に設定するようになっている。
また開放延長状態中は、第2特別図柄始動手段346の開閉パターンが通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)から延長開閉パターン(例えば2秒×3回開放)に切り替えられるが、それ以外にも、第1,第2特別図柄に関して、第1,第2特別図柄表示手段の変動時間が夫々通常変動時間よりも短い短縮変動時間に切り替えられ、普通図柄に関して、当たり確率が通常確率(例えば1/10)から高確率(例えば1/1.3)に、変動時間が通常変動時間(例えば27秒)から短縮変動時間(例えば2.7秒)に、夫々切り替えられるようになっている。
本実施形態では、大当たり遊技の終了後に、確変状態と時短状態との何れかが所定の確率で発生するものとする。なお、例えば確変状態は、次の大当たり発生により終了し、確変状態は、第1,第2特別図柄が所定回数(例えば50回)変動するか、それまでに次の大当たりが発生することにより終了する。なお、確変状態についても、次の大当たり発生までに第1,第2特別図柄が所定回数変動したとき等に終了するように構成してもよい。
普通入賞手段348〜350は、開閉手段を有しない非開閉式入賞手段で、入賞した遊技球を検出する入賞検出手段348a〜350aを備えており、普通入賞ユニット325、中央表示枠ユニット323等に配置されている。この普通入賞手段348〜350に遊技球が入賞すると、1入賞当たり所定個数の遊技球が賞球として払い出される。
アウト口358は、第1,第2特別図柄始動手段345,346等の入賞手段の何れにも入賞することなく遊技領域15aを流下してきた遊技球を遊技領域15aから例えば遊技盤15の後側に排出するもので、例えば第1特別図柄始動手段345の下側のガイドレール322上に、例えばベース板321を前後に貫通する後ろ下がりの傾斜状に形成されている。なお、アウト口358を複数設けてもよい。
ベース板321の裏側には、図54〜図57に示すように、裏装着ベース329を介して液晶表示手段327と盤可動演出手段328とが装着されている。裏装着ベース329は、前面側が開放した略箱形に形成され、その背壁329aには矩形状の開口部329bが形成されており、液晶表示手段327は、その表示画面327aを開口部329bに対応させた状態で背壁329aの背面側に着脱自在に固定されている。
液晶表示手段327には、図51に示すように、例えば第1,第2特別図柄表示手段363,364による第1,第2特別図柄の変動表示と並行して演出図柄370を変動表示可能である他、第1,第2特別保留個数を示す第1,第2保留画像X1〜X4,Y1〜Y4,変動中保留画像Z等の各種画像を表示可能となっている。
ここで演出図柄370は、数字図柄その他の複数個の図柄で構成される図柄列を複数(ここでは3つ)備えており、またそれら各図柄列を構成する各図柄は、例えば1〜8等の数字、その他で構成される図柄本体部370aと、この図柄本体部370aに付随するキャラクタその他の装飾部370bとの結合で構成されている。演出図柄370は、例えば第1,第2特別図柄の変動開始と略同時に所定の変動パターンに従って図柄列毎に縦スクロール等による変動を開始すると共に、所定の有効ライン上の停止図柄が所定態様となるように例えば第1,第2特別図柄の変動停止と略同時に最終停止するようになっている。なお演出図柄370では、例えば有効ライン上の全ての停止図柄が同じ場合が大当たり演出態様、それ以外が外れ演出態様となっており、第1,第2特別図柄が第1,第2大当たり態様(特定態様)となる場合には演出図柄370は大当たり演出態様(特定演出態様)となり、第1,第2特別図柄が第1,第2外れ態様(非特定態様)となる場合には演出図柄370は外れ演出態様(非特定演出態様)となる。
また第1,第2保留画像X1〜X4,Y1〜Y4,変動中保留画像Zに関しては、第1,第2特別図柄始動手段345,346が遊技球を検出することに基づいて第1,第2特別保留個数が増加した場合に、第1,第2保留画像X1〜,Y1〜を液晶表示手段327上に1個追加表示し、また第1,第2特別図柄表示手段363,364による第1,第2特別図柄の新たな変動が開始することに基づいて第1,第2特別保留個数が減少した場合に、例えば変動中保留画像Zを消去し、第1,第2保留画像X1〜,Y1〜を待ち行列の前側(例えば画面右側)に向けて1個分ずつシフトすると共に、押し出された先頭の第1,第2保留画像X1,Y1を例えば所定位置まで移動させて新たな変動中保留画像Zに変化させるようになっている。
盤可動演出手段328は、図54〜図58に示すように、盤可動体371と、盤可動体ベース372を介して盤可動体371を上下方向に駆動する左右一対の昇降駆動ユニット373,373とを備えている。
盤可動体ベース372は、例えば左右対称な横長の略板状で、液晶表示手段327の前側に表示画面327aと略平行に配置されており、左右両端側の昇降連結部374が夫々昇降駆動ユニット373側の昇降スライダ375に連結されている。
盤可動体371は、例えば前後に扁平で、背面下部側に配置した左右方向のヒンジピン376を介して盤可動体ベース372の前側に枢着されることにより、盤可動体ベース372の前面に沿って起立する直立状態(図56に実線で示す)と、その直立状態に対して前側に所定角度傾く傾斜状態(図57に二点鎖線で示す)との間で揺動可能に構成されており、例えば左右方向中央に配置される盤第1装飾部377aと、その盤第1装飾部377aの左右両側に配置される盤第2装飾部377bとで所定の立体形状を呈している。
なお、この盤可動体371は、昇降駆動ユニット373により上限位置まで上昇し、図61(b1),(b2)に示すように枠可動体156と特定相対位置関係になったとき、枠可動体156と視覚的に一体化して特定の形態(ここではデザイン化された「蝶」)を形成するようになっており、例えば正面視矩形状の盤第1装飾部377aが蝶の胴体(又は後胴体)に対応し、その盤第1装飾部377aの左右に張り出す盤第2装飾部377bが蝶の後翅に対応している。
盤可動体371は、図54,図58等に示すように、背面側を構成する装飾ベース378と、その装飾ベース378の前側に装着される発光装飾カバー379と、左右一対のガイドローラ380と、発光装飾カバー379の後側に配置されるLED基板381とを備えている。装飾ベース378は例えば非透光性で、その背面下部側にヒンジピン376が配置されている。発光装飾カバー379は、無色透明又は着色透明の合成樹脂製で、裏側の内面に凹凸状の乱反射部が設けられている。
LED基板381は、例えば盤第2装飾部377bに対応する範囲に配置されており、その前面側には例えば2種類のLED(第2発光体)381a,381bが夫々複数配置されている。LED381aは、枠可動体156と盤可動体371とで形成する「蝶」の外周に対応する位置に略等間隔で配置されており、例えば白色等の単色での発光が可能となっている。LED381bは、例えば「蝶」の内部領域に略均等に分散配置されており、例えば多色での発光が可能となっている。なお、LED381aとLED381bとは同種であってもよい。
左右一対のガイドローラ380は、例えばヒンジピン376よりも上側に配置されており、盤可動体371の左右両端側から外向きに突設されたローラ支持部382の先端側に、左右方向の軸廻りに回転可能な状態で支持されている。
左右の昇降駆動ユニット373は、液晶表示手段327の前側の左右両側に配置されており、図54,図55,図59,図60等に示すように、盤可動体ベース372が連結されている昇降スライダ375を上限位置と下限位置との間で上下方向に案内する昇降ガイド383と、昇降ガイド383を上限位置に保持する上限位置保持手段384と、昇降ガイド383の一端側近傍に配置される駆動プーリ385と、昇降ガイド383の他端側近傍に配置される従動プーリ386と、駆動プーリ385を回転駆動するステッピングモータ等の駆動手段387と、駆動プーリ385と従動プーリ386とに巻き掛けられ且つその周上の所定箇所に昇降スライダ375が固定される無端状のベルト388と、昇降スライダ375を例えば上昇方向に付勢するバネ389と、昇降スライダ375を下限位置において解除可能に規制する昇降規制手段390と、盤可動体371のガイドローラ380を介して盤可動体371を揺動方向に案内する揺動ガイド391と、それら昇降ガイド383、駆動プーリ385、従動プーリ386、駆動手段387等を支持する昇降ベース392等を備えている。
昇降ベース392は、例えば液晶表示手段327の左右の縁部に沿って縦長状に配置され、例えば裏装着ベース329における背壁329aの前面側に着脱自在に固定されている。昇降ベース392には、その上端側と下端側とに夫々前向きに膨出する膨出部393,394が設けられている。
昇降ガイド383は、例えば細長円柱状で、昇降ベース392の前側で上膨出部393と下膨出部394との間に上下方向に配置されており、昇降スライダ375は、この昇降ガイド383により、上限位置と下限位置との間で摺動自在に支持されている。上限位置保持手段384は、昇降ベース392側の例えば上膨出部393に配置される磁石395と、その磁石395に対応して昇降スライダ375側に配置される磁石吸着用板金396とで構成されており、昇降スライダ375が上限位置にきたとき、磁石395が磁石吸着用板金396を吸着することにより、昇降スライダ375を上限位置に保持するようになっている。もちろん、磁石395を昇降スライダ375側、磁石吸着用板金396を昇降ベース392側に夫々配置してもよいし、上限位置保持手段384を一対の磁石で構成してもよい。
昇降ガイド383の上端部近傍には駆動プーリ385が、下端部近傍には従動プーリ386が夫々配置され、例えば前後方向の軸廻りに回転可能な状態で、例えば昇降ベース392と、その前側に装着されたベースカバー397とに支持されている。駆動手段387は、例えば上膨出部393の前側に装着されており、その駆動軸387aに装着された駆動ギア398が、駆動プーリ385のギア部385aに噛合している。この駆動手段387を正逆方向に作動させることにより、ベルト388、昇降スライダ375を介して盤可動体ベース372及び盤可動体371を下限位置と上限位置との間で昇降させることができる。なお本実施形態では、盤可動体371は下限位置を原点位置とする。
バネ389は、細長状のコイルバネで、例えば昇降ガイド383の近傍に配置されており、その一端側が昇降ベース392の例えば下端部側に固定され、他端側が昇降スライダ375の例えば上部側に固定され、中間部が例えば昇降ベース392の上端側に配置されたプーリ399に巻き掛けられることによって正面視逆U字状に配置され、昇降スライダ375を介して盤可動体371を上昇方向に付勢している。
また、昇降ベース392には、盤可動体371の動作位置を検出するフォトセンサ等よりなる盤可動体位置検出手段400が配置されている。本実施形態では、原点位置検出手段400aと上限位置検出手段400bとの2つの盤可動体位置検出手段400が設けられており、盤可動体371が原点位置(下限位置)にあるときには原点位置検出手段400aが、盤可動体371が上限位置にあるときには上限位置検出手段400bが、夫々例えば昇降スライダ375に設けられた非検出部375aを検出するようになっている。
揺動ガイド391は、盤可動体371側のガイドローラ380が摺動自在に係合する溝状に形成され、例えばベースカバー397の前側に装着されるガイド部材401の側面側に略上下方向に配置されている。ここで、盤可動体ベース372を案内する昇降ガイド383は上下方向に真っ直ぐに配置されているのに対し、盤可動体371側のガイドローラ380を案内する揺動ガイド391は前後方向の屈曲部を有している。
即ち本実施形態の揺動ガイド391は、例えば上部側の所定箇所に屈曲部391aを備え、その屈曲部391aよりも上端側が前上がりの傾斜状に形成された傾斜案内部391b、下端側が昇降ガイド383と平行に形成された非傾斜案内部391cとなっている。また非傾斜案内部391cの前後位置は、盤可動体371が真正面を向いた状態でのガイドローラ380の位置に対応している。これにより、盤可動体371が原点位置から上昇する際、ガイドローラ380が非傾斜案内部391cを摺動している間は、盤可動体371は真正面を向いた状態が維持されるが、ガイドローラ380が屈曲部391aを通過して傾斜案内部391bに入ると、盤可動体371は、ヒンジピン376が設けられた下部側についてはそれまでと変わらず上昇を続けるのに対し、ガイドローラ380が設けられた上部側が傾斜案内部391bに沿って前側に移動する。これにより、盤可動体371は上限位置に到達する少し前に前側に徐々に傾きはじめ、上限位置に到達したときには、その傾斜角度は、枠可動体156の傾斜角度と略同じ所定角度となる(図57)。
昇降規制手段390は、原点位置(下限位置)にある昇降スライダ375の上昇移動を規制する規制位置と、規制しない規制解除位置とに変化可能な規制部材402と、この規制部材402を駆動する昇降規制駆動手段403と、昇降規制駆動手段403の駆動力を規制部材402に伝達するリンク部材404とを備え、原点位置にある昇降スライダ375の近傍に対応して例えばベースカバー397の下部前側に配置されている。
規制部材402は、規制位置と規制解除位置との間で例えば前後方向の回転軸402a廻りに揺動自在であり、その回転軸402aに対する半径方向に規制アーム部402bと付勢アーム部402cとが突設されており、規制位置では規制アーム部402bが昇降スライダ375側の被規制部405に上側から係合して昇降スライダ375の上昇移動を阻止し、その規制位置から例えば時計方向に回転した規制解除位置では被規制部405への係合が解除されて昇降スライダ375の上昇移動を許容するようになっている。なお、規制部材402は、付勢アーム部402cとベースカバー397との間に配置されたバネ406により反時計方向、即ち規制位置側に弾性付勢されている。
リンク部材404は、例えば規制部材402の下側で前後方向の回転軸404a廻りに揺動自在であり、回転軸404aを挟んで一端側が規制部材402に対して規制アーム部402b上の連結ピン402dに連結され、他端側が電磁ソレノイド等よりなる昇降規制駆動手段403の駆動軸403aに連結されている。昇降規制駆動手段403は、例えば規制部材402及びリンク部材404の下側で、駆動軸403aを例えば左右方向に向けた状態でベースカバー397の前側に配置されている。
盤可動体371が原点位置にあるとき(図61(a1),(a2))、昇降規制手段390の規制部材402はバネ406の付勢により規制位置に保持され、規制アーム部402bが昇降スライダ375の被規制部405に上側から係合した状態(図60(b))となるから、盤可動体371はその原点位置で確実に保持される。これにより、盤可動体371が例えばバネ389の付勢力によって原点位置からずれてしまう不具合を確実に防止できる。
盤可動体371を原点位置から上限位置に向けて移動させる際には、まず昇降規制手段390の規制部材402を規制解除位置に切り替える。即ち、昇降規制駆動手段403を作動させることにより、リンク部材404を回転軸404a廻りに反時計方向に回転させ、それによって規制部材402をバネ406の付勢力に抗して時計方向に回転させる。これにより、規制アーム部402bが昇降スライダ375の被規制部405から外れ、昇降スライダ375の上昇移動が可能な状態となる。
続いて駆動手段387を正方向に作動させる。これにより、ベルト388が回転して昇降スライダ375が昇降ガイド383に沿って上昇し、それに伴って盤可動体ベース372とその前側の盤可動体371とが上昇する。その上昇開始後、ガイドローラ380が揺動ガイド391の屈曲部391aに達するまでは、盤可動体371は前後に傾くことなく前向きの状態を維持するが、ガイドローラ380が揺動ガイド391の屈曲部391aを超えて傾斜案内部391bに入ると、盤可動体371は徐々に前側に傾き、上限位置に到達したときにその傾きが最大となる。なお、このときの盤可動体371の傾きは枠可動体156の傾きと略同じである。
盤可動体371が上限位置(盤側特定位置)に達したとき(図61(b1),(b2))、その盤可動体371と枠可動体156とは前後方向には離れているものの上下方向には接近し、しかも両者の傾きは略同じであるため、正面視で両者は視覚的に一体化して「蝶」の形態を形成する。なお、盤可動体371と枠可動体156との間には、遊技領域15aや透明板ユニット35が存在するが、例えば中央表示枠ユニット323は、その上部側の上構成部材323c等が透明に形成されており、その後側の盤可動体371を前側から視認可能となっているため、盤可動体371と枠可動体156との間が視覚的に分断されることがない。しかも、遊技領域15aの上部側に、遊技球が流入不可能な非流入領域353を内向き(下向き)凹入状に配置し、その前側に枠非可動体203を配置することによって盤可動体371と枠可動体156とを視覚的に連結しているため、盤可動体371と枠可動体156との視覚的一体感はより強固となる。
盤可動体371が上限位置にある状態で(図61(b1),(b2))、駆動手段387を逆方向に作動させると、盤可動体371は上昇時と逆の経路を辿って原点位置(図61(a1),(a2))まで移動する。即ち、盤可動体371は下降するに従って徐々にその傾きが小さくなり、ガイドローラ380が揺動ガイド391の屈曲部391aを超えたときに傾きは解消し、その後原点位置に達するまで前向きの状態が維持される。盤可動体371が原点位置に達するとき、昇降スライダ375の被規制部405がバネ406の付勢力に抗して規制アーム部402bに自動的に係合する。
もちろん、枠可動体156を盤可動体371と同一の傾きのままで昇降移動するように構成してもよいが、本実施形態のように上限位置に達するときに盤可動体371を傾け、それ以外は傾けることなく盤可動体371を移動させることにより、盤可動体371の動作空間を最小限に抑えることができる。また、盤可動体371を傾けるための揺動駆動手段を別途設けてもよいが、本実施形態のように、盤可動体371を上下方向に案内するための昇降ガイド383とは別に、これと並行して盤可動体371を揺動方向に案内するための揺動ガイド391を設けることにより、1つの駆動手段で盤可動体371の昇降駆動と揺動駆動との両方を行うことが可能である。
また遊技盤15の裏側には、図3,図54〜図56等に示すように、例えば裏装着ベース329の下側に集球ケース411が配置されている。集球ケース411は、各種入賞手段に入賞するか、アウト口358を経て遊技盤15の裏側に案内された遊技球を集球するためのもので、図54〜図56に示すように、その下部側に排出口412が設けられている。集球ケース411で集められた遊技球は、排出口412から前枠3側の排出通路を経て機外へと排出される。また集球ケース411には、排出口412を通過する遊技球(アウト球)を検出するアウト球検出手段414が設けられている。なお、アウト球検出手段414による検出を球詰まりなく迅速に行うべく、アウト球検出手段414を配置した排出口412を複数設けてもよい。また、アウト球検出手段414を前枠3側の例えば排出通路に設けてもよい。
また例えば集球ケース411の背面側には、図3等に示すように主制御基板415aが格納された主基板ケース415が装着され、その上側の裏装着ベース329の背面側には、演出制御基板416a及び演出インターフェイス基板416bが格納された演出基板ケース416、液晶制御基板417aが格納された液晶基板ケース417等が装着されている。
また前枠3の裏側には、遊技盤15の裏側を開閉自在に覆う開閉カバー418が着脱自在に装着されると共に、その上側に遊技球タンク419とタンクレール420とが、左右一側に払い出し手段421と払い出し通路422とが夫々装着されており、遊技球が大入賞手段347等の入賞手段に入賞したとき、又は図外の自動球貸し機から球貸し指令があったときに、遊技球タンク419内の遊技球をタンクレール420を経て払い出し手段421により払い出し、その遊技球を払い出し通路422を経て上皿44に案内するようになっている。なお、開閉カバー418は、例えば主基板ケース415の上部側の一部分を後側から覆うように配置されている。
また、前枠3の裏側下部には、基板装着台423が着脱自在に装着されており、この基板装着台423の背面側に、電源基板424aが格納された電源基板ケース424、払出制御基板425aが格納された払出基板ケース425が夫々着脱自在に装着されている。電源基板424aには、電源基板ケース424の外側からON/OFF操作が可能な電源スイッチ426が設けられている。なお、アウト球を機外に排出するための排出通路は例えば基板装着台423と一体に設けられている。
図62(a)は本パチンコ機の制御系の概略ブロック図である。図62(a)において、主制御基板415aは遊技制御動作を統括するもので、遊技盤15上の遊技情報表示手段326、普通図柄始動手段344、第1特別図柄始動手段345、第2特別図柄始動手段346、大入賞手段347、普通入賞手段348〜350等が例えば図示しない中継基板等を経由して接続され、またその下位には、主制御基板415aからの制御コマンドに基づいて音声出力、電飾発光、可動体駆動等の演出制御を行う演出制御基板416a、この演出制御基板416aからの制御コマンドに基づいて液晶表示手段327を制御する液晶制御基板417a、主制御基板415aからの制御コマンドに基づいて払い出し手段421を制御する払出制御基板425a、この払出制御基板425aからの発射制御信号等に基づいて発射手段16を制御する発射制御基板427等のサブ制御手段が接続されている。
また主制御基板415aには、RAMクリアスイッチ431、設定変更操作手段432等の操作手段と、性能情報表示手段433等の表示手段とが接続されている。図3に示すように、RAMクリアスイッチ431と設定変更操作手段432とは何れも主基板ケース415の外側から操作可能な状態で、また性能情報表示手段433は主基板ケース415の外側から視認可能な状態で、夫々主制御基板415aに装着されている。なお本実施形態では、RAMクリアスイッチ431、設定変更操作手段432、性能情報表示手段433は、何れも開閉カバー418で覆われない位置に配置されている。
RAMクリアスイッチ431は、電源投入時にRAMクリアを行う場合等に操作するもので、主基板ケース415の外側から例えば押圧操作可能であり、非操作時にOFF、押圧操作時にONとなるように構成されている。また設定変更操作手段432は、設定変更を行う場合等に操作するもので、主基板ケース415の外側から例えば専用の設定キーを鍵穴部に差し込んで回転操作することによりON/OFFの切り替えが可能となっている。なお本実施形態では、この設定変更操作手段432等を操作することにより、大当たり確率、即ち第1,第2特別図柄が大当たり態様となる確率(乱数抽選で当選する確率)を複数段階(ここでは設定1〜6の6段階)に変更可能となっている。この設定変更等の詳細については後述する。
性能情報表示手段433は、設定表示手段434と性能表示手段435とを構成するもので、例えば4桁の7セグ表示部433a〜433dを備え、透明な主基板ケース415を通して視認可能となるように例えば主基板ケース415内で主制御基板415aに装着されており、第1期間中は設定表示手段434として機能し、第1期間とは異なる第2期間中は性能表示手段435として機能するようになっている。
設定表示手段434は、設定値(ここでは設定1〜6の何れか)を示す設定情報を、例えばその設定値が確定前であるか否かに応じて異なる表示態様で表示するもので、例えば設定1〜6に対応して「1」〜「6」、「1.」〜「6.」の何れかを性能情報表示手段433の少なくとも一部に表示可能であり、設定変更期間中は確定前の設定値に対応する設定情報を例えばドットなしの「1」〜「6」(第1表示態様)で、設定変更期間終了後の所定期間及び設定確認期間中は確定された設定値に対応する設定情報を例えばドット付きの「1.」〜「6.」(第2表示態様)で夫々表示可能となっている。もちろん、設定値が確定前であるか否かを、ドットの有無以外の表示態様の違い(例えば点灯/点滅)で表現してもよいし、確定前後の設定値に対応する設定情報を同じ表示態様で表示してもよい。
なお本実施形態では、性能情報表示手段433の4桁の7セグ表示部433a〜433dのうち、前枠3を開いたときに前側から最も近くに見える背面視左端側の7セグ表示部433dを設定表示手段434として使用するが、7セグ表示部433d以外の例えば7セグ表示部433aを設定表示手段434として使用してもよいし、7セグ表示部433c〜433d、7セグ表示部433b〜433d等の2桁以上の7セグ表示部を設定表示手段434として使用してもよい。
性能表示手段435は、いわゆるベース値を、性能情報表示手段433の少なくとも一部、例えば7セグ表示部433a〜433dに表示するものである。ベース値は、遊技実績に基づいて得られる特定情報の一例であり、例えば「(特定期間中の払い出し個数÷特定期間中のアウト個数)×100」で算出される。ここで、「特定期間」は、大当たり遊技中でなく、特別遊技状態中でもない期間である。従って、「特定期間」は、通常遊技状態中に大当たり態様となる図柄変動が終了したとき(開始条件が満たされたとき)に開始し、特別遊技状態中における最終の図柄変動(はずれ変動)が終了したとき(終了条件が満たされたとき)に終了する。実際の制御処理では、図柄変動の終了後に開始条件/終了条件が満たされたか否かの判定が行われるため、図柄変動の終了後に、開始条件が満たされた場合に特定期間が開始し、図柄変動の終了後に、終了条件が満たされた場合に特定期間が終了するものとしてもよい。
なお本実施形態の性能表示手段435は、複数種類のベース値、例えばリアルタイムベース値、第1累計ベース値、第2累計ベース値、第3累計ベース値の4種類を切り替え表示可能となっている。リアルタイムベース値は、アウト個数が所定個数(例えば60000個)に達するまでを単位計測期間としてその単位計測期間中におけるリアルタイムでのベース値である。第1〜第3累計ベース値は、夫々1〜3回前の単位計測期間における累計のベース値である。もちろん、リアルタイムでのベース値のみを表示してもよいし、1種類、2種類又は4種類以上の累計ベース値を表示可能としてもよい。
以上のように、RAMクリアスイッチ431、設定変更操作手段432、性能情報表示手段433(設定表示手段434及び性能表示手段435)は、何れも遊技機本体1の後側に配置されており、それらにアクセスするためには解錠して前枠3を開放する必要があるため、ホール関係者等以外はRAMクリアスイッチ431、設定変更操作手段432を操作することができず、また性能情報表示手段433(設定表示手段434、性能表示手段435)の表示内容を見ることもできない。
また本実施形態では、遊技情報表示手段326と性能情報表示手段433とについて主にダイナミック点灯方式により駆動制御を行うようになっている。図63に示すように、主制御基板415aのLEDコモンポートからは1バイトのダイナミック点灯コモンC0〜C7の走査信号を出力可能であり、それらのうち、ダイナミック点灯コモンC0〜C3のラインが遊技情報表示手段326のLEDグループ326a〜326dに、ダイナミック点灯コモンC4〜C7のラインが性能情報表示手段433の7セグ表示部433a〜433dに夫々接続されている。
また、主制御基板415aのLEDデータポート1,2からは夫々1バイトのダイナミック点灯データD10〜D17,D20〜D27を出力可能であり、LEDデータポート1のダイナミック点灯データD10〜D17のラインが遊技情報表示手段326のLEDグループ326a〜326dに、LEDデータポート2のダイナミック点灯データD20〜D27のラインが性能情報表示手段433の7セグ表示部433a〜433dに夫々接続されている。
演出制御基板416a及び液晶制御基板417aは、図62(a)に示すように主制御基板415aに接続された演出インターフェイス基板416bに接続されており、主制御基板415aから演出制御基板416aへの制御コマンド、演出制御基板416aから液晶制御基板417aへの制御コマンドは共に演出インターフェイス基板416bを経由して送信されるようになっている。
また、演出制御基板416aの制御対象である各種演出手段、例えばスピーカ17,30a,30b,31a,31b、各部に配置された多数のLEDよりなる電飾手段436、枠可動演出手段153、操作演出手段232、盤可動演出手段328等の他、遊技者が操作可能な演出操作手段43等は例えば演出インターフェイス基板416bを介して演出制御基板416aに接続されている。
続いて、電源投入時に主制御基板415aにおいて実行される電源投入処理(図64)について説明する。この電源投入処理(図64)では、まずタイマ割込み等の割込み処理が実行されないように割込み禁止とし(S1)、スタックポインタを設定し(S2)、サブ基板の起動待ち処理(S3〜S5)を実行する。即ち、サブ基板起動待ち時間(例えば2秒)に対応する値を所定のレジスタにセットし(S3)、その値が0になるまで、即ちサブ基板起動待ち時間が経過するまで、減算処理(S4)を繰り返し実行する。また、電源異常信号がOFFになるまで待機する電源異常信号監視処理(S6)を実行すると共に、RAMのプロテクト及び禁止領域を無効とする(S7)。
続いて、作業領域の初期設定(S8)を実行する。ここでは、例えばソレノイドポートバッファ、電源異常確認カウンタを夫々クリアし、システム動作ステータスに初期値である01Hをセットする。また、演出制御基板416aに対して電源投入時コマンド(BA08H)を送信する(S9)。演出制御基板416aが電源投入時コマンド(BA08H)を受信すると、例えば液晶表示手段327には「Please Wait」等の表示が行われる(図101,図102)。
そして、入力ポートから取得される電源投入時信号及び払出通信確認信号がONになるまで、WDT(Watchdog Timer)をクリアしつつ待機する(S10,S11)。
続いて図65に示すS12〜S22の処理に移行する。このS12〜S22の処理は、設定変更処理(S14)及びRAMクリア処理(S15)を実行する「設定変更」、設定変更処理(S14)を実行することなくRAMクリア処理(S15)を実行する「RAMクリア」、設定確認処理(S20)及びバックアップ復帰処理(S21)を実行する「設定確認」、設定確認処理(S20)を実行することなくバックアップ復帰処理(S21)を実行する「バックアップ復帰」、電源再投入待ち処理(S17)を実行する「RAM異常」の5種類の処理態様の何れかで行われる。
また、これら5種類の処理態様のうち、「RAM異常」を除く4種類については、設定変更操作手段432のON/OFF状態、RAMクリアスイッチ431のON/OFF状態、扉(前枠3)の開放/閉鎖状態の組み合わせに応じて選択される。なお、扉の開放/閉鎖状態については、図示しない扉開放スイッチのON/OFF信号により判定される。この扉開放スイッチは、例えば前枠3が外枠2に対して前側に開放したときにON、閉鎖したときにOFFとなるように構成されている。
本実施形態では、図69に示すように、RAMクリアスイッチ431と設定変更操作手段432とが共にONの場合には原則として「設定変更」が選択され、RAMクリアスイッチ431がON、設定変更操作手段432がOFFの場合には「RAMクリア」が選択されるが、設定変更操作手段432とRAMクリアスイッチ431とが共にONであっても、扉閉鎖の場合には「設定変更」ではなく「RAMクリア」が選択されるようになっている。また同様に、RAMクリアスイッチ431がOFF、設定変更操作手段432がONの場合には原則として「設定確認」が選択され、RAMクリアスイッチ431と設定変更操作手段432とが共にOFFの場合には「バックアップ復帰」が選択されるが、RAMクリアスイッチ431がOFF、設定変更操作手段432がONであっても、扉閉鎖の場合には「設定確認」ではなく「バックアップ復帰」が選択されるようになっている。
このように本実施形態では、扉(前枠3)が開放していないにも拘わらずRAMクリアスイッチ431や設定変更操作手段432がONであるという状況は不正行為が疑われることから、設定変更機能に関する「設定変更」及び「設定確認」については扉開放を条件とし、扉閉鎖の場合には、設定変更処理(S14)を実行しない「RAMクリア」、設定確認処理(S20)を実行しない「バックアップ復帰」を選択するようになっている。なお、設定変更機能に関係しない「RAMクリア」、「バックアップ復帰」については、RAMクリアスイッチ431及び設定変更操作手段432のON/OFF状態のみを条件とし、扉の開放/閉鎖状態は条件としていない。
以下、S12〜S22の処理について、図65等のフローチャートを参照しつつ、図66,図67等に示すソースプログラムに従って詳細に説明する。なお図66,図67には、S12〜S22のソースプログラムが、メモリ上の記憶順序に沿って記載されている。また、そのソースプログラムの右側には、上述した「設定変更」、「RAMクリア」、「設定確認」、「バックアップ復帰」、「RAM異常」の5種類の処理態様毎に、実行する処理とそれらの実行順序とを、矢印とその右上の数字とで示している。
入力ポートデータ取得処理(S12)では、図66に示すように、入力ポート(P_INPT1)のデータをAレジスタに入力する(Sa1)。本実施形態では、入力ポート(P_INPT1)の第0〜7ビットに対応する入力信号は図68に示すようになっており、扉開放スイッチのON/OFF信号(扉開放信号)は第4ビットに、RAMクリアスイッチ431のON/OFF信号は第5ビットに、設定変更操作手段432のON/OFF信号は第6ビットに、夫々入力される。Sa1では、その入力ポート(P_INPT1)の第0〜7ビットのデータがAレジスタの第0〜7ビットに夫々入力される。
入力ポートデータ取得処理(S12)に続いては、設定変更分岐判定処理(S13)を実行する。この設定変更分岐判定処理(S13)は、処理態様として「設定変更」を選択するか否かを判定するもので、図66に示すように、Aレジスタの値とマスクデータ“01110000B”(@DOPEN+@RWMCR+@SETKY)との論理積(AND)を求めることにより、扉開放スイッチのON/OFF信号(扉開放信号)に対応する第4ビット、RAMクリアスイッチ431のON/OFF信号に対応する第5ビット、設定変更操作手段432のON/OFF信号に対応する第6ビット以外のビットをマスクし、Aレジスタをそのマスク後のデータに更新する(Sb1)。
図69に示すように、Sb1の処理実行後のAレジスタの第4ビットは、扉(前枠3)が開放している場合に1、閉鎖している場合に0となり、同じく第5ビットは、RAMクリアスイッチ431がONの場合に1、OFFの場合に0となり、同じく第6ビットは、設定変更操作手段432がONの場合に1、OFFの場合に0となる。なお、このときのAレジスタの第4,5,6ビットの値の組み合わせは図69に示す8種類存在する。以下の説明では、このときのAレジスタの第4,5,6ビットの値a4,a5,a6の組み合わせを、必要に応じてA(a4,a5,a6)で表現する。
続いて、Aレジスタの値と“01110000B”(@DOPEN+@RWMCR+@SETKY)とを比較してそれらの差を求める(Sb2)。これにより得られる値は、Aレジスタの第4,5,6ビットが全て1の場合(A(1,1,1))、即ち扉(前枠3)が開放し、RAMクリアスイッチ431と設定変更操作手段432とが共にONの場合に0となる。なお、得られた値(差)が0であれば例えばZF(ゼロフラグ)に1がセットされる。そして、Sb2で得られた値が0であれば(ZF=1)、即ちA(1,1,1)であれば、処理態様として「設定変更」が選択され、SYSTEM_80(RAM異常判定処理(S18))へジャンプすることなく次の設定変更処理(S14)へと移行する(Sb3)。
なお、このSb3のジャンプ処理では、絶対アドレスジャンプの「JP」命令ではなく、相対アドレスジャンプの「JR」命令を用いている。絶対アドレスジャンプの「JP」命令では、ジャンプ先アドレスを絶対アドレス(2バイト)で指定するのに対し、相対アドレスジャンプの「JR」命令では、ジャンプ先のアドレスを相対アドレス(1バイト)で指定するため、「JR」命令の方が1バイト分プログラム容量を削減できるという利点がある。但し、「JR」命令の場合には、ジャンプ先として指定可能な範囲が「JP」命令に比べて制限され、PCレジスタの場所から−128〜+127バイトの範囲となるため、その範囲を超えてジャンプする場合には使用できない。
設定変更処理(S14)では、図66のソースプログラム及び図70のフローチャートに示すように、まず設定変更期間が開始したことを示す設定変更開始コマンド(BA76H)を送信する(Sc1,Sc2)。演出制御基板416aが設定変更開始コマンド(BA76H)を受信すると、例えば液晶表示手段327には「設定変更中」等の表示が行われる(図101)。
次に、バックアップフラグをクリアする(Sc3)。これは、設定変更期間中に電断が発生した場合、次回電源投入時に後述するRAM異常判定処理(S16)でバックアップ異常と判定されるようにするためである。また、システム動作ステータスをインクリメントする(Sc4)。これにより、システム動作ステータスは初期値である01H(図64のS8参照)から02Hへと変化する。
続いて、RAMの設定値ワーク領域から設定値データを読み出し、設定作業値として例えばWレジスタにセットする(Sc5)と共に、そのWレジスタの値をデクリメントする(Sc6)。本実施形態では、設定値として設定1〜6の何れかを選択可能であり、RAM上の設定値ワーク領域には、設定値(設定1〜6の何れか)に応じて0〜5の何れかの設定値データが格納されている。従って、設定値ワーク領域の値が正常であれば、Wレジスタにはまず0〜5の何れかが格納された後、デクリメントされて−1〜4の何れかとなる。
続いて、Wレジスタの設定作業値と、設定値データの最大値である5(設定最大値(@DANMAX)である6から1減算した値)とを比較し、それらの差が負の値であればCF(キャリーフラグ)に1をセットする(Sc7)。ここで、Sc5でWレジスタにセットした設定値データの値が正常値(0〜5の何れか)であれば、Sc7の比較処理で得られる値は負の値となってCF=1となるのに対し、設定値データの値が異常値(例えば6)であれば負の値にはならないためCF≠0となる。次に、Wレジスタの設定作業値をインクリメントする(Sc8)。これにより、Sc6でデクリメントされた設定作業値は元の値に戻る。
そして、CF=1であるか否かを判定し、CF=1でなければSc10でWレジスタの設定作業値をクリアした後にSc11(SYSTEM_60)に移行するが、CF=1であれば、Sc10をスキップしてSc11(SYSTEM_60)に移行する(Sc9)。これにより、設定値データに異常がある場合、設定作業値に設定1に対応する0を強制的にセットすることができる。もちろん、異常時にWレジスタ(設定作業値)にセットする値は0に限られるものではなく、正常範囲内(0〜5)の何れかであればよい。
本実施形態の場合、設定変更処理(S14)の前には後述するRAM異常判定処理(S16)が実行されないため(図65参照)、設定変更処理(S14)の開始時点でRAM異常により設定値ワーク領域の設定値データが正常範囲内にない可能性がある。そこで本実施形態では、設定変更処理(S14)において、設定値データが異常値の場合に正常値(ここでは0)に補正する設定値異常補正処理(Sc6〜Sc10)を実行することにより、RAM異常の場合でも設定変更処理を進めることができるようにしている。
続いて、Sc11でWAレジスタのデータをスタックに退避した後、Aレジスタをクリアし(Sc12)、システム入出力管理処理(M_SYSIO)をコールする(Sc13)。
このシステム入出力管理処理(第1処理モジュール、表示制御処理)は、主に設定表示手段434(性能情報表示手段433の7セグ表示部433d)のダイナミック点灯制御を行うもので、図71(a)のソースプログラム及び図71(b)のフローチャートに示すように、まず外部端子ポート(P_GAIBU2)に所定データ(@GAI1)を出力することによってセキュリティ信号の出力をONにし(Ss1)、またLEDコモンポートへの出力をクリアする(Ss2)。そして、数値用7セグデコードテーブル(D_N7STBL)の先頭アドレスをHLレジスタにセットする(Ss3)。数値用7セグデコードテーブルは、図72に示すように、設定1〜6の6種類の設定値とエラーに対応する各1バイト、計7バイトの表示パターンデータで構成されている。
続いて、HLレジスタの値(数値用7セグデコードテーブルの先頭アドレス)にWレジスタの値(設定変更処理中の場合は設定作業値)を加算して得られたアドレスから表示パターンデータを取得し、Aレジスタ(設定変更処理中の場合は0)との論理和(OR)を求めてAレジスタの値を更新する(Ss4)。これにより、例えば設定変更処理中であれば、Aレジスタには設定作業値に対応する表示パターンデータ、例えば設定作業値が0であれば「1」を表示するための“00000110B”が、設定作業値が5であれば「6」を表示するための“01111101B”がセットされる。
そして、そのAレジスタの表示パターンデータをLEDデータポート2(P_LED2)に出力する(Ss5)。また、LED出力カウンタ(W_LEDCNT)をインクリメントし(Ss6)、そのインクリメント後のLED出力カウンタの下位2ビットが“11”であれば、7セグ表示部433d(設定表示手段434)を指定するコモンデータ(@CMN23)をLEDコモンポート(P_LEDCMN)に出力するが(Ss7〜Ss9)、LED出力カウンタの下位2ビットが“11”でなければSs9はスキップされるため、LEDコモンポートへの出力はクリアされたままとなる。これにより、設定表示手段434(7セグ表示部433d)には、LED出力カウンタの下位2ビットが“11”になる毎(4回に1回)に点灯状態となってその時点の設定作業値に対応して「1」〜「6」の何れかが表示され、LED出力カウンタの下位2ビットが“11”でないとき(4回に3回)は消灯状態となる。
なお、Ss8のジャンプ処理では、「JR」命令よりも更にプログラム容量を小さくできる「JRS」命令を用いている。「JR」命令の場合、命令1バイト、ジャンプ先の相対アドレス指定1バイトの計2バイト構成であるのに対し、「JRS」命令の場合、命令3ビット、ジャンプ先の相対アドレス指定5ビットの計1バイト構成となり、「JRS」命令の方が「JR」命令よりも更に1バイト分プログラム容量を削減できる。但し、「JRS」命令の場合には、ジャンプ先に指定可能な範囲が「JR」命令よりも更に制限され、PCレジスタの場所から−16〜+15バイトの範囲となる。
続いて、システム確認中処理(M_WAIT)をコールする(Ss10)。このシステム確認中処理(待ち時間形成モジュール、周期調整待ち時間処理)は、所定の待ち時間(ここでは約4ms)を設けるためのもので、図73(a)のソースプログラム及び図73(b)のフローチャートに示すように、まずWDTをクリアし(St1)、WAレジスタにタイマ値として初期値(ここでは6654)をセットする(St2)。そして、WAレジスタのタイマ値が0になるまでデクリメントを繰り返した後(St3,St4)、電源異常チェック処理(M_PWRCHK)をコールし(St5)、システム確認中処理(M_WAIT)を終了する。なお本実施形態では、St2でタイマ初期値として6654をセットすることにより、システム確認中処理の実行時間を、後述するタイマ割込みの周期(ダイナミック点灯方式におけるデータ出力タイミングの周期)である4msと略一致させている。
電源異常チェック処理(M_PWRCHK)は、図74に示すように、まず電源基板424aから送信されてくる電源異常信号を2回読み込む(S41)。そして、その2回読み込んだ電源異常信号のレベルが一致するか否かを判定し(S42)、それらのレベルが一致しない場合(S42:No)にはS41に戻り、一致する場合(S42:Yes)にはその電源異常信号がONであるか否か、即ち電源異常信号のレベルが「H」レベルであるか否かを判定する(S43)。
電源異常信号のレベルが「H」レベル(ON)でない場合には(S43:No)、電源異常確認カウンタの値をクリアし(S44)、電源異常チェック処理を終了する。
一方、電源異常信号のレベルが「H」レベル(ON)である場合には(S43:Yes)、電源異常確認カウンタの値をインクリメントする(S45)と共に、インクリメント後の電源異常確認カウンタの値が例えば2に達しているか否かを判定する(S46)。そして電源異常確認カウンタの値が2未満であれば(S46:No)、そのまま電源異常チェック処理を終了する。
S46で電源異常確認カウンタの値が2に達している場合には(S46:Yes)、電源異常と判断し、電源断コマンド(BA33H,BA55H)を送信する(S47)と共に、システム動作ステータスが00Hであることを条件に、バックアップフラグをON(=AA55H)に設定する(S48,S49)。ここで、例えば設定変更処理中はシステム動作ステータスが02Hに設定されているため(Sc4)、設定変更処理中に電断が発生した場合にはバックアップフラグはOFF(=0000H)のままとなる。
そして、RAMのプロテクトを有効にすると共に禁止領域を無効とする(S50)。これにより、以降の処理においてRAMへのデータ書込みが禁止される。また、外部端子ポート、サブポート、ソレノイドポート、LEDコモンポート、LEDデータポート等の出力ポートをクリアし(S51)、タイマ割込みを禁止した後(S52)、WDTをクリアしつつ無限ループ処理を繰り返し、電源電圧が降下してCPUが非動作状態になるのを待つ(S53)。
図71に戻って説明を続ける。以上のシステム確認中処理(M_WAIT)が終了すると(Ss10)、入力データテーブル(D_SWINTBL2)を用いて、RAMクリアスイッチ431、設定変更操作手段432等の入力情報を取得する操作入力情報取得処理を実行し(Ss11,Ss12)、システム入出力管理処理(M_SYSIO)を終了する。
以上のように本実施形態では、図71(c)に示すように、システム入出力管理処理を実行する毎にLED出力カウンタがインクリメントされると共に4msの待ち時間が設けられ、しかもLED出力カウンタの下位ビットが“11”の場合にのみ7セグ表示部433d(設定表示手段434)を指定するコモンデータをLEDコモンポート(P_LEDCMN)に出力し、それ以外はLEDコモンポートへの出力はクリアされた状態となる。これにより、7セグ表示部433d(設定表示手段434)の点灯/消灯パターンは、4ms点灯→12ms消灯→4ms点灯→12ms消灯→…となり、後述する性能表示手段435(性能情報表示手段433)によるベース値表示時における7セグ表示部433dの点灯/消灯パターン(4ms点灯→12ms消灯→4ms点灯→12ms消灯→…)と一致する。
また本実施形態では、設定変更操作手段432がOFFになるまで(Sc15,Sc16)、Sc7〜Sc19又はSc11〜Sc19の処理(設定変更中処理)が高速で繰り返され、その度に設定変更操作がなされたか否か(Sc17〜Sc19)、即ちRAMクリアスイッチ431がOFF→ONに変化したか否かが判定されるが、RAMクリアスイッチ431等の入力情報を取得する操作入力情報取得処理(Ss11,Ss12)の前にシステム確認中処理(所定待ち時間処理)をコールする(Ss10)ことにより4msの待ち時間(所定待ち時間)を設けているため、RAMクリアスイッチ431のチャタリングによる誤検出を防止できる。また、その所定待ち時間(4ms)として、ダイナミック点灯制御用の4ms周期を作成するための周期調整待ち時間を利用しているため、チャタリング防止用の待ち時間のための処理プログラムを別途設ける場合と比較してプログラム容量を削減できる。
図70に戻って説明を続ける。以上のシステム入出力管理処理(M_SYSIO)が終了すると(Sc13)、スタックからWAレジスタにデータを復帰させた後(Sc14)、設定変更終了条件が満たされたか否か、即ち設定変更操作手段432のOFFエッジが検出されたか否かを判定し(Sc15)、設定変更操作手段432のOFFエッジが検出されない場合には、所定の設定変更操作が行われたか否かを判定する(Sc16,Sc17)。本実施形態では、RAMクリアスイッチ431を設定変更操作用にも利用しており、Sc17では、RAMクリアスイッチ431のONエッジを検出した場合に設定変更操作が行われたものと判定する。
そして、設定変更操作が行われたと判定された場合にはSc7(SYSTEM_50)に移行する(Sc18)。即ち、その時点の設定作業値と、設定値データの最大値である5(設定最大値(@DANMAX)である6から1減算した値)とを比較し、それらの差が負の値であればCF(キャリーフラグ)に1をセットする(Sc7)。これにより、設定作業値が0〜5のうちの0〜4の場合のみCF=1となる。次に、設定作業値をインクリメントし(Sc8)、CF=1でない場合(インクリメント後の設定作業値が6の場合)には設定作業値に0をセットする(Sc9,Sc10)。
このように本実施形態では、設定変更期間中に設定変更操作(RAMクリアスイッチ431の操作)が行われる毎にSc7〜Sc10の設定作業値変更処理を実行することにより、設定変更操作に応じて設定作業値を0〜5の範囲で循環的に変更するようになっている。なお、この設定作業値変更処理(Sc7〜Sc10)は、上述した設定値異常補正処理(Sc6〜Sc10)と一部処理(Sc7〜Sc10)を共通化しているため、別処理で行う場合と比べてプログラム容量を小さく抑えることができる。
設定作業値変更処理(Sc7〜Sc10)に続いてはSc11以降の処理が行われる。また、Sc17で設定変更操作がないと判定された場合にはSc11に移行する。このSc11〜Sc14の処理については既に説明したのでここでは詳細は省略するが、この処理により、設定作業値の変化に応じて設定表示手段434の表示も変化する。
以上のように、設定変更処理(S14)では、設定変更操作手段432がONである限り、設定変更操作が行われた場合にはSc7〜Sc14の処理が、設定変更操作が行われない場合にはSc11〜Sc14の処理が繰り返し実行される。そして、設定変更操作手段432がONからOFFに切り替えられて設定変更終了条件が満たされると、設定変更期間を終了し、Wレジスタの設定作業値を、設定値ワーク領域に格納する(Sc20)。これにより、設定変更期間中にRAMクリアスイッチ431の操作により変更された暫定的な設定作業値が設定値データとして確定する。そして、RAMクリア処理(S15)へジャンプし(Sc21)、設定変更処理を終了する。
続くRAMクリア処理(S15)では、図67のソースプログラム及び図75のフローチャートに示すように、まず領域内のワークエリア(領域内RAM)の特定範囲をクリアする(Sg1〜Sg6)。即ち、まず領域内RAMにおけるバックアップフラグ領域のアドレス(W_BACKFLG)をHLレジスタにセットする(Sg1)。これが、クリア対象範囲の先頭アドレスとなる。またAレジスタをクリアする(Sg2)。そして、HLレジスタで指定された領域をクリアすると共にそのHLレジスタの値をインクリメントする処理(Sg3)を、HLレジスタの値が、例えば領域外RAMの先頭アドレス(@RWM2TOP)に達するまで繰り返し実行する(Sg3〜Sg5)。
本実施形態では、RAM上の所定範囲が領域内のワークエリア(領域内RAM)として、またそれに続く所定範囲が領域外のワークエリア(領域外RAM)として夫々割り当てられている。従って、上記Sg1〜Sg5により、領域内RAMにおけるバックアップフラグ領域以降の領域が0クリアされる。なお本実施形態では、LED出力カウンタ、システム動作ステータス、設定値データを格納する各領域は、領域内RAMにおけるバックアップフラグ領域よりも前側に設けられているため、Sg3〜Sg5の処理ではクリアされない。なお、LED出力カウンタについては次のSg6で0クリアされる。
領域内RAMのクリア処理(Sg1〜Sg6)に続いては、初期値設定テーブル(D_INISET2)の先頭アドレスをHLレジスタにロードし(Sg7)、データセット処理をコールすることにより(Sg8)、例えば不正情報タイマに初期値(例えば30秒に対応する値)をセットし、第1特別図柄、第2特別図柄に所定の外れ態様をセットする。この不正情報タイマは、セキュリティ信号の出力時間をカウントするためのもので、例えば後述するタイマ割込み処理においてこの不正情報タイマの値が0になるまでセキュリティ信号を出力するようになっている。
続いて、設定変更処理(S14)を経由したか否かを判定する設定変更経由判定処理(Sg9)を実行する。本実施形態では、システム動作ステータス(初期値01H)の値が02Hであるか否かを判定し(Sc4参照)、システム動作ステータスの値が02Hであれば、設定変更処理(S14)を経由したと判断して次の設定変更経由時処理(Sg11〜Sg22)を実行するが、システム動作ステータスの値が02Hでなければ、設定変更経由時処理をスキップしてSg23に移行するようになっている。
設定変更経由時処理(Sg11〜Sg22)では、まずシステム動作ステータスに00Hをセットし(Sg11)、設定変更期間が終了したことを示す設定変更終了コマンド(BA77H)を送信する(Sg12,Sg13)。システム動作ステータスに00Hをセットすることにより、例えばその後に電断が生じても、既に説明した電源異常チェック処理(図74)のS48,S49でバックアップフラグがON(=AA55H)となるため、次回電源投入時にバックアップ異常により電源再投入待ちとなることはない。
また、7セグ表示部433d(設定表示手段434)を指定するコモンデータ(@CMN23)をLEDコモンポート(P_LEDCMN)に出力する(Sg14)。そして、数値用7セグデコードテーブル(D_N7STBL)(図72)の先頭アドレスをHLレジスタに、設定値データの値をAレジスタに夫々セットする(Sg15,Sg16)と共に、HLレジスタの値(数値用7セグデコードテーブルの先頭アドレス)にAレジスタの値(設定値データ)を加算して得られたアドレスから表示パターンデータを取得し、Aレジスタにセットする(Sg17)。これにより、Aレジスタには設定値データに対応する表示パターンデータ、例えば設定値データが0であれば「1」を表示するための“00000110B”が、設定値データが5であれば「6」を表示するための“01111101B”がセットされる。
そして、そのAレジスタの値と、「.(ドット)」に対応する表示パターンデータである“10000000B”(@SEG_DP)との論理和(OR)を求めてAレジスタの値を更新し(Sg18)、そのAレジスタの表示パターンデータをLEDデータポート2(P_LED2)に出力する(Sg19)。これにより、設定変更処理により確定した設定値データ(0〜5の何れか)に対応して「1.」〜「6.」の何れかが設定表示手段434、即ち性能情報表示手段433の7セグ表示部433dに表示される。このように、設定変更期間が終了して設定値データが確定したとき、設定表示手段434に表示される設定情報の表示態様を、それまでの設定変更期間中とは異ならせる(例えばドットを付加する)ことにより、設定値データが確定したことを作業者に視覚的に報知することが可能である。このとき、表示内容の変化(ドットの付加等)に代えて又は加えて、光量を変化(例えば増加)させたり、表示パターンを変化(例えば点滅から点灯)させてもよい。
続いて、所定時間(例えば約1秒)の待ち時間処理(Sg20〜Sg22)を実行する。即ち、まずBレジスタに所定時間(例えば約1秒)に対応する値(ここでは250)をセットし(Sg20)、上述したシステム確認中処理(M_WAIT)を、Bレジスタの値を減算しつつその減算後のBレジスタの値が0になるまで繰り返し実行する(Sg21,Sg22)。本実施形態のシステム確認中処理は、上述したように4msの待ち時間を設けるためのものであるから、これを250回繰り返すことにより、設定表示手段434による確定後の設定値データ(0〜5の何れか)に対応する表示(以下、設定変更確定表示という)を約1秒継続することができる。
また、設定変更確定表示のための待ち時間処理(1秒)に、設定表示手段434(7セグ表示部433d)の表示制御でデータ出力タイミングを一定周期に調整するために用いているシステム確認中処理(待ち時間形成モジュール)を用いているため、専用の待ち時間処理を設ける場合と比較してプログラム容量を削減できる。なお本実施形態では、以上のように約1秒間の設定変更確定表示に関してはスタティック点灯方式により駆動制御を行っている。
以上の設定変更経由時処理(Sg11〜Sg22)に続いては、RAMクリアコマンド用の下位バイトデータである02HをWレジスタにセットした上で共通処理(S22)へジャンプし(Sg23,Sg24)、RAMクリア処理を終了する。
共通処理(S22)では、図67のソースプログラム及び図76のフローチャートに示すように、まずBA01H(イニシャライズコマンドデータ)をDEレジスタに格納し(Sk1)、コマンド送信処理(Sk2)によってそのコマンドデータを送信する。また、WレジスタをEレジスタにロードし(Sk3)、コマンド送信処理(Sk4)によってDEレジスタのコマンドデータを送信する。例えば「設定変更」の場合には、Wレジスタには02Hがセットされているため(Sg23)、DEレジスタに格納されているBA01Hの下位バイトが02Hに変更されてBA02H(RAMクリアコマンド)が送信される。
続いて、遊技状態報知情報更新処理(M_MKINFO)を実行する(Sk5)。この遊技状態報知情報更新処理(Sk5)では、処理態様に応じて各種コマンドの送信等を行う。即ち、処理態様が「設定確認」、「バックアップ復帰」の何れかの場合には、第1,第2特別保留個数の値に基づく第1,第2特別保留個数指定コマンド(B0xxH,B1xxH)、設定値データに基づく設定値コマンド(F6xxH)、遊技状態に基づく状態指定コマンド(FAxxH〜FDxxH)を順次送信する(Sk51→Sk52〜Sk54)。また、処理態様が「設定確認」、「バックアップ復帰」の何れでもない場合、即ち「設定変更」、「RAMクリア」の何れかの場合には、設定値データに基づく設定値コマンド(F6xxH)を送信し、第1,第2特別保留個数指定コマンド(B0xxH,B1xxH)、状態指定コマンド(FAxxH〜FDxxH)は送信しない(Sk51→Sk55)。更に、第1,第2特別図柄が変動中でない場合には客待ち中コマンド(BA04H)を送信する(Sk56,Sk57)。
そして、各種内部機能レジスタに初期値を設定する(Sk6〜Sk10)。例えばLEDコモンポートはここでクリアされ、それによって約1秒間の設定変更確定表示は終了する。また、作業領域の初期設定を行う(Sk11,Sk12)。この作業領域の初期設定では、例えばシステム動作ステータスに00Hをセットし、発射制御信号をONに設定し、動作確認タイマに初期値をセットする。
動作確認タイマは、性能表示手段435の動作確認表示の実行時間を計時するためのもので、例えば領域内RAMに記憶され、初期値として、例えば4800msに対応するタイマ値に1を加算した値がセットされる。本実施形態では、後述するように4ms周期で実行されるタイマ割込み処理において動作確認タイマが1ずつ減算されるため(図89のS82)、4800msに対応するタイマ値は1200となり、動作確認タイマの初期値はこれに1を加算した1201となる。このように本実施形態では、動作確認表示の実行時間の計時に用いる動作確認タイマの初期設定を、電源投入時の処理(メインループ処理の前)に行っている。
S13(図65,図66)の設定変更分岐判定処理に戻って説明を続ける。Sb2で得られた値が0でなければ(ZF≠1)、即ちA(1,1,1)でなければ、図66のSYSTEM_80、即ちRAM異常判定処理(S16)へとジャンプする(Sb3)。
RAM異常判定処理(S16)は、「RAM異常」の処理態様を選択するか否かを判定するもので、図66に示すように、まずRAM異常か否かの判定を行う(Sd1,Sd2)。即ち、領域内RAMの設定値ワーク領域(W_SETVAL)から設定値データを取得し、その設定値データと設定最大値(@DANMAX)である6とを比較してそれらの差を求める(Sd1)。本実施形態の場合、RAM上の設定値ワーク領域には、1〜6の何れが選択されているかに応じて0〜5の何れかの設定値データが格納されているはずであるから、正常であれば、設定値データと6との差は負の値となる。従って、その差が負の値でなければ(JF=0)、RAM異常と判断してSYSTEM_90、即ち電源再投入待ち処理(S17)にジャンプする(Sd2)。
またRAM異常でない場合には、バックアップ異常か否かの判定を行う(Sd3,Sd4)。即ち、バックアップフラグの値とAA55H(@BACKUP)とを比較してそれらの差を求める(Sd3)。そして、その差が0でなければ(ZF≠1)、バックアップ異常と判定し、ジャンプすることなく次のSYSTEM_90、即ち電源再投入待ち処理(S17)へと移行する(Sd4)。
なお上述したように、設定変更処理(S14)でバックアップフラグをクリアし(Sc3)、電源異常チェック処理で電源異常を検出した場合にはシステム動作ステータスが00Hの場合にのみバックアップフラグがON(=AA55H)に設定されるようになっているため、設定変更期間中に電断が発生した場合には、次の電源投入時にはこのRAM異常判定処理(S16)でバックアップ異常と判定され、電源再投入待ち処理(S17)が実行される。
電源再投入待ち処理(S17)では、図66のソースプログラム及び図77のフローチャートに示すように、まず電源再投入コマンド(BA7FH)を送信する(Se1,Se2)。演出制御基板416aが電源再投入コマンド(BA7FH)を受信すると、例えば液晶表示手段327には「RAMエラー 電源再投入して設定を1に決定してください」等の表示が行われる(図102)。
そして、Wレジスタに「E」表示用のオフセット値である06Hをセットし(Se3)、Aレジスタをクリアした上で(Se4)、システム入出力管理処理(M_SYSIO)をコールする(Se5)という一連の処理を無限に繰り返す電源再投入待ち状態(Se6)となる。ここで、システム入出力管理処理については既に設定変更処理(S14)で説明した通りであるが、Wレジスタの値が異なることにより、設定変更処理のときとは一部動作が異なっている。即ち、この電源再投入待ち処理ではシステム入出力管理処理をコールする際にWレジスタに06Hをセットしているため(Se3)、システム入出力管理処理のSs4(図71)では、数値用7セグデコードテーブルにおける7番目の表示パターンデータ、即ち「E」を表示するための“01111001B”がAレジスタにセットされる。従って、設定表示手段434、即ち性能情報表示手段433の7セグ表示部433dにはエラーを示す「E」が表示される。
以上のように本実施形態では、性能情報表示手段433のダイナミック点灯制御に関する処理と電源異常チェック処理とをシステム入出力管理処理(表示制御モジュール)として設定変更処理(S14)、電源再投入待ち処理(S17)等の間で共通化することにより、プログラム容量を削減している。
また以上のように、本実施形態では、RAM異常又はバックアップ異常の場合には、電源再投入待ち状態に移行することにより、強制的に電源を再投入させるように構成されている。なお、RAM異常により電源再投入待ち処理(S17)が実行された場合、次の電源再投入時のS13でA(1,1,1)でない場合には再びRAM異常と判定され、電源再投入待ち処理(S17)が実行される。よって、電源再投入待ちとなって電源を再投入する際には、扉(前枠3)を開放し、RAMクリアスイッチ431と設定変更操作手段432とを共にONにすることによって設定変更処理(S14)を実行させ、設定値を設定1〜6のうちの任意の値に設定する必要がある。
このように、「RAM異常」の場合には、電源の再投入により設定変更処理(S14)を実行させて設定値を正常な値に設定させるために電源再投入待ち状態となる。その点、設定変更処理(S14)を実行する「設定変更」の場合には、RAM異常であっても電源再投入待ち状態にする必要がない。よって本実施形態では、無駄な処理を排除すべく、設定変更分岐判定処理(S13)の後にRAM異常判定処理(S16)を実行するようになっている。
S16のRAM異常判定処理に戻って説明を続ける。S16でRAM異常でもバックアップ異常でもないと判定された場合には、図67のSYSTEM_110、即ちRAMクリア分岐判定処理(S18)へと移行する(Sd4)。このRAMクリア分岐判定処理(S18)は、「RAMクリア」の処理態様を選択するか否かを判定するもので、図67に示すように、まずAレジスタの第5ビット(@B_RWMCR)の値をCF(キャリーフラグ)に転送する(Sf1)。そして、そのCF(Aレジスタの第5ビット)が1であれば、即ちRAMクリアスイッチ431がONであれば、「RAMクリア」の処理態様が選択され、Sf2でジャンプすることなく次のRAMクリア処理(S15)へと移行するが、そうでなければSYSTEM_160、即ち設定確認分岐判定処理(S19)へとジャンプする。
本実施形態では、Aレジスタの第4,5,6ビットの値の8種類の組み合わせのうち、RAMクリア分岐判定処理(S18)が実行されるのはA(1,1,1)以外の7種類の場合である。そしてそれら7種類のうち、「RAMクリア」の処理態様が選択されるのはA(0,1,1)、A(1,1,0)、A(0,1,0)の3種類の場合であるから(図69参照)、このS18ではAレジスタの第4,5,6ビットのうちの第5ビットのみを判定すれば足りる。
なお、上述したようにRAMクリア処理(S15)では設定値ワーク領域はクリアされないため、本実施形態ではRAMクリア分岐判定処理(S18)よりも前にRAM異常判定処理(S16)を実行するように構成されている。
RAMクリア処理(S15)及びそれ以降の処理については既に説明した通りであるが、この場合、RAMクリア処理(S15)におけるSg9の時点ではシステム動作ステータスは初期値である01Hのままであるため、設定変更経由判定処理(Sg9)では設定変更処理(S14)を経由していないと判定され、設定変更経由時処理(Sg11〜Sg22)は実行されない。従って、約1秒間の設定変更確定表示は行われないため、設定変更が行われていないにも拘わらず無駄に1秒間の待ち時間が設けられることもない。
RAMクリア分岐判定処理(S18)でAレジスタの第5ビットが1でないと判定された場合に移行する設定確認分岐判定処理(S19)は、「設定確認」と「バックアップ復帰」の何れの処理態様を選択するかを判定するものである。このように、設定確認分岐判定処理(S19)をRAM異常判定処理(S16)よりも後に行うことにより、設定確認或いはバックアップ復帰と判定された後にRAM異常により復帰できないという事態を回避できる。
設定確認分岐判定処理(S19)では、図67に示すように、まずAレジスタの値と“01010000B”(@DOPEN+@SETKY)とを比較してそれらの差を求める(Sh1)。これにより得られる値は、Aレジスタの第4,6ビットが1で第5ビットが0の場合(=A(1,0,1))、即ち扉(前枠3)が開放し、RAMクリアスイッチ431がOFF、設定変更操作手段432がONの場合に0となる(図69参照)。なお、得られた値(差)が0であれば例えばZF(ゼロフラグ)に1がセットされる。そして、Sh1で得られた値が0でなければ(ZF=0)、即ちA(1,0,1)でなければ、「設定確認」ではなく「バックアップ復帰」の処理態様が選択され、次の設定確認処理(S20)をスキップしてSYSTEM_180、即ちバックアップ復帰処理(S21)へと移行(ジャンプ)する(Sh2)。
本実施形態では、Aレジスタの第4,5,6ビットの値の8種類の組み合わせのうち、設定確認分岐判定処理(S19)が実行されるのは第5ビットが0の4種類の場合のみである。そして、それら4種類のうち、「設定確認」の処理態様が選択されるのはA(1,0,1)の場合のみであり、それ以外のA(0,0,1)、A(1,0,0)、A(0,0,0)の3種類の場合は全て「バックアップ復帰」の処理態様が選択される(図69参照)。
バックアップ復帰処理(S21)では、図67に示すように、まず領域内RAMにおけるバックアップフラグのアドレスをHLレジスタにセットし(Sj1)、領域内RAMにおける入賞口エラー検出タイマ3のアドレスからバックアップフラグのアドレスを引いて1を加えることにより得られた値をBレジスタにセットする(Sj2)と共に、0クリア処理をコールする(Sj3)。本実施形態では、領域内RAMの設定値ワーク領域の次がバックアップフラグワーク領域となっており、そのバックアップフラグワーク領域の次から入賞口エラー検出タイマ3ワーク領域までの間が、エラー関連のワーク領域となっている。従って、上記Sj1〜Sj3により、領域内RAMにおけるバックアップフラグワーク領域と、それに続くエラー関連のワーク領域とが0クリアされる。このように、バックアップ復帰時であっても、エラー関連のワーク領域だけは0クリアすることで、電断前のエラー情報を持ち越さないようになっている。
そして、停電復帰表示コマンド用の下位バイトデータである03HをWレジスタにセットし(Sj4)、次の共通処理(S22)に移行する。共通処理(S22)については既に説明した通りであるが、この場合、Wレジスタには03Hがセットされているため、イニシャライズコマンド(BA01H)の送信(Sk1,Sk2)に続いては停電復帰表示コマンド(BA03H)が送信される。
設定確認分岐判定処理(S19)に戻って説明を続ける。図67のSh2において、Sh1で得られた値が0であれば(ZF=1)、即ちA(1,0,1)であれば、「設定確認」の処理態様が選択され、SYSTEM_180(バックアップ復帰処理S21)へジャンプすることなく、次の設定確認処理S20に移行する。
設定確認処理(S20)では、図67のソースプログラム及び図78のフローチャートに示すように、まず不正情報タイマ(W_SGTMER)に初期値(例えば30秒に対応する値)をセットする(Si1)。この不正情報タイマは、セキュリティ信号の出力時間をカウントするためのもので、例えば後述するタイマ割込み処理においてこの不正情報タイマの値が0になるまでセキュリティ信号を出力するようになっている。なお本実施形態では、「設定確認」の場合、不正情報タイマへの初期値の設定を設定確認処理(S20)の開始時に行っているため、設定確認終了後に所定時間(ここでは30秒)のセキュリティ信号の出力が保証される。即ち、例えば不正情報タイマへの初期値の設定を設定確認処理(S20)の終了時に行う場合、例えば設定確認期間中に電源を切り(電断)、設定変更操作手段432をOFFにして電源を再投入することによりバックアップ復帰させると(電断復帰)、セキュリティ信号の出力をキャンセルできる可能性があるが、本実施形態の場合にはそのような手順で操作しても不正情報タイマには30秒に対応する初期値がセットされているため、セキュリティ信号の出力をキャンセルすることはできない。即ち本実施形態では、設定確認処理(S20)の実行中に電断し、その後の電断復帰時に設定確認処理(S20)を実行することなく遊技処理を実行する場合もセキュリティ信号を外部出力するため、セキュリティ信号を所定時間確実に出力することが可能である。
続いて、設定確認期間が開始したことを示す設定確認開始コマンド(BA60H)を送信する(Si2,Si3)。演出制御基板416aが設定確認開始コマンド(BA60H)を受信すると、例えば液晶表示手段327には「設定確認中」等の表示が行われる(図102)。なお、例えば設定確認開始コマンド(BA60H)の下位バイトに設定値データを加算することにより、設定値データの情報を付加した設定確認開始コマンド(BA60H〜BA65H)を送信するようにしてもよい。
次に、設定値ワーク領域から取得した設定値データをWレジスタにセットし(Si4)、「.(ドット)」に対応する表示パターンデータである“10000000B”(@SEG_DP)をAレジスタにセットした上で(Si5)、システム入出力管理処理(M_SYSIO)をコールする(Si6)一連の処理を、設定確認終了条件が満たされるまで、即ち設定変更操作手段432のOFFエッジが検出されるまで繰り返し実行する(Si7,Si8)。
ここで、システム入出力管理処理については既に設定変更処理(S14)、電源再投入待ち処理(S17)で説明した通りであるが、WレジスタとAレジスタの値が異なることにより、設定変更処理、電源再投入待ち処理のときとは一部動作が異なっている。即ち、この設定確認処理ではシステム入出力管理処理をコールする際にWレジスタに設定値データを、Aレジスタに「.(ドット)」に対応する表示パターンデータを夫々セットしているため(Si4,Si5)、システム入出力管理処理のSs4(図71)では、HLレジスタの値(数値用7セグデコードテーブルの先頭アドレス)にWレジスタの値(設定値データ)を加算して得られたアドレスから表示パターンデータを取得し、Aレジスタ(「.(ドット)」に対応する表示パターンデータ)との論理和(OR)を求めてAレジスタの値を更新する。これにより、設定値データ(0〜5の何れか)に対応して「1.」〜「6.」の何れかが設定表示手段434、即ち性能情報表示手段433の7セグ表示部433dに表示される。
そして、設定変更操作手段432のOFFエッジが検出されると、設定確認期間が終了したことを示す設定確認終了コマンド(BA67H)を送信し(Si9,Si10)、既に説明したバックアップ復帰処理(S21)に移行する。
このように本実施形態では、設定表示手段434(7セグ表示部433d)のダイナミック点灯制御に関する処理と電源異常チェック処理とをシステム入出力管理処理(M_SYSIO)として設定変更処理(S14)、電源再投入待ち処理(S17)及び設定確認処理(S20)の間で共通化することにより、プログラム容量を削減している。
以上のS12〜S22が終了すると、メインループ処理(S23〜S28)に移行する。このメインループ処理では、割込みを禁止し(S23)、各種乱数を更新し(S24)、全レジスタをスタック領域に退避させ(S25)、領域外処理(S26)を実行した後、全レジスタを復帰させて(S27)割込みを許可する(S28)という一連の処理を繰り返し実行する。これにより、例えば4ms周期でタイマ割込み処理が呼び出され、実行される。
ここで、領域外処理(S26)では、図79に示すように、まず領域内スタックポインタを退避させ(S61)、領域外RAMチェック処理(S62)を実行する。この領域外RAMチェック処理(S62)では、例えば図80に示すように、領域外RAMに異常があるか否かを判定し(S71)、領域外RAMに異常があると判定することを条件に(S71:Yes)、領域外RAMを初期化(クリア)する(S72)。
このように、メインループ中に領域外RAMに異常が発生した場合には領域外RAMは初期化されるが(S71,S72)、本実施形態では動作確認タイマは領域内RAMに記憶されているため、例えば動作確認タイマの値が0に達する前に領域外RAMに異常が発生しても動作確認タイマの値はクリアされない。
領域外RAMチェック処理(S62)に続いては性能表示集計除算処理(S63)を実行する。性能表示集計除算処理(S63)は、性能表示手段435に表示するベース値(特定値)を算出するもので、「総アウト個数」が所定個数(例えば60000個)に達するまでの単位計測期間毎に、大当たり遊技中(大当たり開始/終了インターバル中を含む)、高確率状態中及び開放延長状態中を除く特定期間中におけるアウト個数(以下、「通常アウト個数」という)と、同じく特定期間中における払い出し個数(以下、「通常払い出し個数」という)とをカウントし、「通常払い出し個数」を「通常アウト個数」で除算することによりリアルタイムベース値(特定値)を算出する。なお、この性能表示集計除算処理(S63)を実行する主制御基板415aが、ベース値(特定値)を算出する特定値算出手段を構成している。
本実施形態では、アウト球検出手段414による検出信号に基づいて「総アウト個数」をカウントする総アウトカウンタと、同じくアウト球検出手段414による検出信号に基づいて「通常アウト個数」をカウントする通常アウトカウンタと、各入賞手段に設けられた入賞検出手段による検出信号に基づいて、特定期間中における各入賞手段への入賞個数(特定数)をカウントする入賞カウンタ(特定数カウンタ)とを設けている。なお、「通常払い出し個数」については、入賞カウンタによる各入賞手段への入賞個数と、入賞手段毎の賞球個数とに基づいてカウントされる。遊技状態毎の各カウンタの加算/非加算の切り換えは図81のようになる。以下の説明では、入賞検出手段、アウト球検出手段414が遊技球を検出したときに入賞カウンタ、通常アウトカウンタに加算される期間を「加算期間」、加算されない期間を「非加算期間」という。
性能表示集計除算処理(S63)では、各カウンタによるカウント処理については常に行うが、カウンタ値を用いてベース値を算出する処理については、後述する集計除算カウンタに開始値がセットされたときに実行し、それ以外のタイミングでは実行しないようになっている。また、単位計測期間が終了するとき、その時点のリアルタイムベース値が新たな第1累計ベース値となり、それまでの第1,第2累計ベース値が夫々新たな第2,第3累計ベース値となる。
性能表示集計除算処理(S63)の実行後は、領域内スタックポインタを復帰させ(S64)、領域外処理を終了する。
なお本実施形態では、入賞カウンタによるカウントは各入賞手段345〜350に設けられた入賞検出手段345a〜350aによる検出に基づいて行い、通常アウトカウンタによるカウントはアウト球検出手段414による検出に基づいて行うが、図51に示すように各入賞検出手段345a〜350aとアウト球検出手段414とは距離があるため、1つの遊技球が入賞検出手段を通過してからアウト球検出手段414を通過するまでにはある程度の時間を要する。図82は、遊技球が入賞検出手段を通過してからアウト球検出手段414を通過するまでの経過時間の最小値と最大値とを入賞手段(図柄変動中の入賞がなく、始動入賞手段でもない大入賞手段347を除く)毎に示したものである。アウト口358についても同様に、アウト口358を通過してからアウト球検出手段414を通過するまでの経過時間の最小値と最大値とを示している。以下、入賞検出手段又はアウト口を通過してからアウト球検出手段414を通過するまでの経過時間を「特定経過時間」という。
本実施形態では、図51に示す各入賞検出手段及びアウト球検出手段414の位置関係より明らかなように、図82に示す最小値Ta1〜Te1の大小関係はTb1>Tc1>Td1>Ta1>Te1、同じく最大値Ta2〜Te2の大小関係はTb2>Tc2>Td2>Ta2>Te2となっている。なお、例えば普通入賞ユニット325に第2アウト口を、大入賞手段347のユニットに第3アウト口を夫々設け、第2アウト口に関する特定経過時間の最小値、最大値を夫々Tf1,Tf2、第3アウト口に関する特定経過時間の最小値、最大値を夫々Tg1,Tg2とした場合、最小値Ta1〜Tg1の大小関係は例えばTb1>Tc1>Td1>Tf1>Tg1>Ta1>Te1となり、同じく最大値Ta2〜Tg2の大小関係は例えばTb2>Tc2>Td2>Tf2>Tg2>Ta2>Te2となる。以下、第2アウト口を設けることを想定する場合にはその特定経過時間の最小値、最大値としてTf1,Tf2を用い、同じく第3アウト口を設けることを想定する場合にはその特定経過時間の最小値、最大値としてTg1,Tg2を用いることとする。
ここで、入賞手段への入賞タイミングによっては、入賞検出手段の通過時は加算期間(特定期間)であったにも拘わらずアウト球検出手段414の通過時には非加算期間に移行していることにより、入賞カウンタは加算されるが通常アウトカウンタは加算されない場合が考えられ、また逆に、入賞検出手段の通過時は非加算期間であったにも拘わらずアウト球検出手段414の通過時には加算期間(特定期間)に移行していることにより、入賞カウンタは加算されないが通常アウトカウンタは加算される場合が考えられる。
このような不都合を解消すべく、本実施形態では、通常遊技状態中に第1,第2特別図柄の大当たり変動(特定期間の終了条件が満たされる前の最後の図柄変動)を実行する場合には、その変動時間を、その図柄変動に関する始動入賞手段の特定経過時間の最大値(特定時間)よりも長くするように構成されている。また、特別遊技状態が終了する前の最後の第1,第2特別図柄がはずれ変動(特定期間の開始条件が満たされる前の最後の図柄変動)の場合には、その変動時間を、その図柄変動に関する始動入賞手段の特定経過時間の最大値(特定時間)よりも長くするように構成されている。
図83(a)は、通常遊技状態中で且つ第1特別保留個数が0の状態で第1特別図柄始動手段345に遊技球が入賞し、第1特別図柄表示手段363による大当たりとなる図柄変動が行われた場合の例を示している。この場合、第1特別図柄の変動終了時に加算期間(特定期間)から非加算期間(大当たり遊技)に移行するが、その第1特別図柄の変動時間は、第1特別図柄始動手段345に関する特定経過時間(遊技球が入賞検出手段345aを通過してからアウト球検出手段414を通過するまでの経過時間)の最大値であるTa2(図82参照)よりも長いため、遊技球が入賞検出手段345aを通過するタイミングと、その遊技球がアウト球検出手段414を通過するタイミングとは共に加算期間中となり、上述のような不都合は生じない。
また図83(b)は、時短状態中で且つ第2特別保留個数が0の状態で第2特別図柄始動手段346に遊技球が入賞し、その時短状態の最終変動(例えば50回目)である第2特別図柄表示手段364によるはずれ変動が行われた場合の例を示している。この場合、第2特別図柄の変動終了時に非加算期間(時短状態)から加算期間(特定期間)に移行するが、その第2特別図柄の変動時間は、第2特別図柄始動手段346に関する特定経過時間(遊技球が入賞検出手段346aを通過してからアウト球検出手段414を通過するまでの経過時間)の最大値であるTb2(図82参照)よりも長いため、遊技球が入賞検出手段346aを通過するタイミングと、その遊技球がアウト球検出手段414を通過するタイミングとは共に非加算期間中となり、上述のような不都合は生じない。
以上のように、加算/非加算期間の切り換え前の最終の図柄変動に関する始動入賞については、その最終の図柄変動の変動時間を適切に設定することにより、入賞検出手段の通過タイミングとアウト球検出手段414の通過タイミングとが加算期間と非加算期間とに分かれることを防止できる。
一方、第1,第2特別図柄の大当たり態様となる変動中(特定期間の終了条件が満たされる前の最後の図柄変動中)における入賞や、特別遊技状態が終了する前の最後の第1,第2特別図柄のはずれ態様となる変動中(特定期間の開始条件が満たされる前の最後の図柄変動)における入賞については、入賞検出手段の通過タイミングとアウト球検出手段414の通過タイミングとが加算期間と非加算期間とに分かれてしまうことを完全には防止することができない。アウト口358を通過する遊技球についても同様である。
そこで本実施形態では、以下に例示するように、加算期間の終了前又は加算期間の開始前の最後の図柄変動における変動終了前の所定期間を、各入賞検出手段(大入賞手段347を除く)及びアウト口358に関する特定経過時間の最小値と略同じ時間に設定している。
図84は、通常遊技状態(加算期間)中に演出図柄370がSPリーチ1大当たり変動パターンで変動した場合の例を示している。このSPリーチ1大当たり変動パターンは、SPリーチ演出(a)の後、大当たりとなるか否かの当落演出(b1〜b3)、大当たりとなったことに関する当選演出(c1〜c3)、大当たり図柄表示(揺れ変動)(d1〜d3)を経て図柄確定(e)となるが、大当たり図柄表示(揺れ変動)以降の変動時間を、特定経過時間の最小値(特定時間;ここではアウト口358に関する特定経過時間の最小値であるTe1)よりも短い時間(略同じ時間でもよい)に設定している。また、当選演出以降の変動時間を、特定経過時間の最大値(特定時間;ここでは第2特別図柄始動手段346に関する特定経過時間の最大値であるTb2)よりも長い時間(略同じ時間でもよい)に設定している。なお、特定経過時間の最小値、最大値としてはそれぞれTa1〜Tg1、Ta2〜Tg2の何れを用いてもよい。
ここで、図84の下部に示す白抜き矢印と黒塗り矢印とについては、その始点が入賞検出手段等の通過タイミング、終点がアウト球検出手段414の通過タイミングを示し、白抜き矢印は加算/非加算期間に跨がらない場合、黒塗り矢印は加算/非加算期間に跨がる場合を示している。図85〜図87についても同様である。
図84の例では、大当たり図柄表示(揺れ変動)以降に入賞手段に入賞し又はアウト口358に入球した場合、アウト球検出手段414の通過タイミングは非加算期間への移行後となる([1],[2])。また、遊技者が大当たりか否かを未だ把握していない当落演出以前に入賞手段に入賞し又はアウト口358に入球した場合、アウト球検出手段414の通過タイミングは非加算期間への移行前となる([3],[4])。
そして、当選演出の期間は過渡期間であり、その当選演出中に入賞手段に入賞し又はアウト口358に入球した場合、アウト球検出手段414の通過タイミングは非加算期間への移行前と移行後との何れかとなる([5],[6])。図84の[6]では、当選演出の序盤にアウト口358に入球した遊技球が加算期間中にアウト球検出手段414を通過する例を示したが、アウト口358への入球タイミングが遅くなって例えば当選演出の終盤になれば、アウト球検出手段414を通過するタイミングが非加算期間(非特定期間)への移行後となる可能性がある。同様に、図84の[5]では、当選演出の終盤に普通入賞手段350に入賞した遊技球が非加算期間(非特定期間)への移行後にアウト球検出手段414を通過する例を示したが、普通入賞手段350への入賞タイミングが早くなって例えば当選演出の序盤になれば、アウト球検出手段414を通過するタイミングが非加算期間への移行前(加算期間中)となる可能性がある。
また、図84では当選演出中については普通入賞手段350、アウト口358に入賞/入球する例のみを示したが([5],[6])、例えば入賞/入球のタイミングが当選演出の序盤であれば、例えば第2,第3アウト口を含む全ての入賞手段及びアウト口について、入賞/入球後の遊技球のアウト球検出手段414の通過タイミングが加算期間(特定期間)中となり、入賞/入球のタイミングが当選演出の終盤であれば、第2,第3アウト口を含む全ての入賞手段及びアウト口のうちの一部、例えば第2特別図柄始動手段346、普通入賞手段348〜350については入賞後の遊技球のアウト球検出手段414の通過タイミングが非加算期間(非特定期間)への移行後となり、その他の例えば第2,第3アウト口、第1特別図柄始動手段345、アウト口358については入賞/入球後の遊技球のアウト球検出手段414の通過タイミングが加算期間(特定期間)中となるようにしてもよい。
なお、図84の当落演出は、変動中の中図柄の停止図柄候補として、大当たり演出態様を構成することとなる「7」とはずれ演出態様を構成することとなる「6」との2つを登場させ、それらをハンマーで破壊するまでの時間を2つのキャラクタによって競わせ(b1)、先に「6」が破壊されて「7」が残るという内容となっている(b2,b3)。
また当選演出は、盤可動体371が液晶表示手段327の前で動作して原点位置に戻り(c1)、「7・7・7」の大当たり演出態様を例えば画面中央に表示した後(c2)、演出図柄370を縮小して画面隅に移動させてキャラクタ等による大当たりを祝福する内容のアニメーションを表示し(c3)、再度「7・7・7」の大当たり演出態様を例えば画面中央に表示する(c4)内容となっている。ここで、入賞/入球のタイミングが当選演出のc1〜c3であれば、例えば第2,第3アウト口を含む全ての入賞手段及びアウト口について、入賞/入球後の遊技球のアウト球検出手段414の通過タイミングが加算期間(特定期間)中となり、入賞/入球のタイミングが当選演出のc4であれば、例えば第2,第3アウト口を含む全ての入賞手段及びアウト口について、入賞/入球後の遊技球のアウト球検出手段414の通過タイミングが非加算期間(非特定期間)への移行後となるようにしてもよい。なお、例えば冒頭の枠可動体156の動作から「7・7・7」の大当たり演出態様の表示までの部分(c1,c2)は当選演出ではなくその前の当落演出に含ませてもよい。
また大当たり図柄表示は、通常画面に戻った後(d1)、「7・7・7」の各演出図柄が変化(回転、拡縮、揺れ等)するアニメーションの後(d2)、例えば画面中央に表示する(d3)内容となっている。ここで、大当たり図柄表示d1〜d3、図柄確定eの期間を長くすることにより、入賞/入球のタイミングが当選演出のc1〜c4の何れであっても、例えば第2,第3アウト口を含む全ての入賞手段及びアウト口について、入賞/入球後の遊技球のアウト球検出手段414の通過タイミングが加算期間(特定期間)中となるように構成してもよい。また、本実施形態では、各図柄がアニメーションにより変化する前の通常画面の期間(d1)も大当たり図柄表示に含ませているが、各図柄のアニメーション以降(d2,d3)を大当たり図柄表示とし、その前の通常画面の期間(d1)は当選演出に含ませてもよい。
図85は、通常遊技状態(加算期間)中に演出図柄370がSPリーチ2大当たり変動パターンで変動した場合の例を示している。このSPリーチ2大当たり変動パターンは、SPリーチ演出(a)の後、大当たりとなるか否かの当落演出(b1〜b3)、はずれとなったことを示す落選演出(c)、大当たりに復活したことを示す復活演出(d1〜d4)、大当たり図柄表示(揺れ変動)を経て図柄確定となるが、大当たり図柄表示(揺れ変動)以降の変動時間を、特定経過時間の最小値(特定時間;ここではアウト口358に関する特定経過時間の最小値であるTe1)よりも短い時間(略同じ時間でもよい)に設定している。また、落選演出以降の変動時間を、特定経過時間の最大値(特定時間;ここでは第2特別図柄始動手段346に関する特定経過時間の最大値であるTb2)よりも長い時間(略同じ時間でもよい)に設定している。なお、特定経過時間の最小値、最大値としてはそれぞれTa1〜Tg1、Ta2〜Tg2の何れを用いてもよい。
図85の例では、大当たり図柄表示(揺れ変動)以降に入賞手段に入賞し又はアウト口358に入球した場合、アウト球検出手段414の通過タイミングは非加算期間への移行後となる([1],[2])。また、遊技者が大当たりを把握していない落選演出以前に入賞手段に入賞し又はアウト口358に入球した場合、アウト球検出手段414の通過タイミングは非加算期間への移行前となる([3],[4])。
そして、復活演出の期間は過渡期間であり、その復活演出中に入賞手段に入賞し又はアウト口358に入球した場合、アウト球検出手段414の通過タイミングは非加算期間への移行前と移行後との何れかとなる([5],[6])。図85の[6]では、復活演出の序盤にアウト口358に入球した遊技球が加算期間中にアウト球検出手段414を通過する例を示したが、アウト口358への入球タイミングが遅くなって例えば復活演出の終盤になれば、アウト球検出手段414を通過するタイミングが非加算期間(非特定期間)への移行後となる可能性がある。同様に、図85の[5]では、復活演出の終盤に普通入賞手段350に入賞した遊技球が非加算期間(非特定期間)への移行後にアウト球検出手段414を通過する例を示したが、普通入賞手段350への入賞タイミングが早くなって例えば復活演出の序盤になれば、アウト球検出手段414を通過するタイミングが非加算期間への移行前(加算期間中)となる可能性がある。
また、図85では復活演出中については普通入賞手段350、アウト口358に入賞/入球する例のみを示したが([5],[6])、例えば入賞/入球のタイミングが復活演出の序盤であれば、例えば第2,第3アウト口を含む全ての入賞手段及びアウト口について、入賞/入球後の遊技球のアウト球検出手段414の通過タイミングが加算期間(特定期間)中となり、入賞/入球のタイミングが復活演出の終盤であれば、第2,第3アウト口を含む全ての入賞手段及びアウト口のうちの一部、例えば第2特別図柄始動手段346、普通入賞手段348〜350については入賞後の遊技球のアウト球検出手段414の通過タイミングが非加算期間(非特定期間)への移行後となり、その他の例えば第2,第3アウト口、第1特別図柄始動手段345、アウト口358については入賞/入球後の遊技球のアウト球検出手段414の通過タイミングが加算期間(特定期間)中となるようにしてもよい。
なお、図85の当落演出は、図84の当落演出と同様、変動中の中図柄の停止図柄候補として、大当たり演出態様を構成することとなる「7」とはずれ演出態様を構成することとなる「6」との2つを登場させ、それらをハンマーで破壊するまでの時間を2つのキャラクタによって競わせる内容であるが(b1)、先に「7」が破壊されて「6」が残るようになっている(b2,b3)。また落選演出は、通常画面で「7・6・7」の外れ演出態様を表示する内容となっている(c)。
また復活演出は、図84の当選演出と略同内容で、盤可動体371が液晶表示手段327の前で動作して原点位置に戻り(d1)、「7・7・7」の大当たり演出態様を例えば画面中央に表示した後(d2)、演出図柄370を縮小して画面隅に移動させてキャラクタ等による大当たりを祝福する内容のアニメーションを表示し(d3)、再度「7・7・7」の大当たり演出態様を例えば画面中央に表示する(d4)内容となっている。ここで、入賞/入球のタイミングが復活演出のd1〜d3であれば、例えば第2,第3アウト口を含む全ての入賞手段及びアウト口について、入賞/入球後の遊技球のアウト球検出手段414の通過タイミングが加算期間(特定期間)中となり、入賞/入球のタイミングが復活演出のd4であれば、例えば第2,第3アウト口を含む全ての入賞手段及びアウト口について、入賞/入球後の遊技球のアウト球検出手段414の通過タイミングが非加算期間(非特定期間)への移行後となるようにしてもよい。
大当たり図柄表示、図柄確定については図84(d1)〜(d3),(e)と同内容である。ここで、大当たり図柄表示、図柄確定の期間を長くすることにより、入賞/入球のタイミングが復活演出のd1〜d4の何れであっても、例えば第2,第3アウト口を含む全ての入賞手段及びアウト口について、入賞/入球後の遊技球のアウト球検出手段414の通過タイミングが加算期間(特定期間)中となるように構成してもよい。
図86は、時短状態(非加算期間)中の最終変動として演出図柄370が通常はずれ1変動パターンで変動した場合の例を示している。この通常はずれ1変動パターンは、左、右、中の各図柄が順次仮停止した後(a〜d)、時短状態中における遊技実績情報を表示するリザルト演出(e1〜e3,f)を経て図柄確定(g)となる。リザルト演出は、遊技実績情報を表示する結果表示期間(f)と、その前の結果表示開始期間(e1〜e3)とで構成されており、その間、はずれ図柄表示(揺れ変動)が並行して行われる。また図86の例では、リザルト演出の結果表示期間以降の変動時間を、特定経過時間の最小値(特定時間;ここではアウト口358に関する特定経過時間の最小値であるTe1)よりも短い時間(略同じ時間でもよい)に設定している。また、リザルト演出の結果表示開始期間以降の変動時間を、特定経過時間の最大値(特定時間;ここでは第2特別図柄始動手段346に関する特定経過時間の最大値であるTb2)よりも長い時間(略同じ時間でもよい)に設定している。なお、特定経過時間の最小値、最大値としてはそれぞれTa1〜Tg1、Ta2〜Tg2の何れを用いてもよい。
図86の例では、リザルト演出の結果表示期間以降に入賞手段に入賞し又はアウト口358に入球した場合、アウト球検出手段414の通過タイミングは加算期間への移行後となる([1],[2])。また、最終図柄が停止(仮停止)する前に入賞手段に入賞し又はアウト口358に入球した場合、アウト球検出手段414の通過タイミングは加算期間への移行前となる([3],[4])。そして、リザルト演出における結果表示開始期間は過渡期間であり、その結果表示開始期間中に入賞手段に入賞し又はアウト口358に入球した場合、アウト球検出手段414の通過タイミングは加算期間への移行前と移行後との何れかとなる([5],[6])。
なお、図86のリザルト演出では、リザルト表示が開始されてから最終的な数値が表示されるまでの変化期間を結果表示期間(e1〜e3)、リザルト表示として最終的な数値が表示される期間(f)を結果表示期間としている。このリザルト演出中、はずれ演出態様である「6・7・7」の図柄が仮停止状態で縮小表示され(e1〜e3)、そのリザルト演出の終了までに完全停止(f)するようになっている。
図87は、時短状態(非加算期間)中の最終変動として演出図柄370が通常はずれ2変動パターンで変動した場合の例を示している。この通常はずれ2変動パターンは、左、右、中の各図柄が仮停止した後(a〜d)、時短状態中における遊技実績情報を表示するリザルト演出(e1〜e3,f、g1,g2)、通常画面(h)を経て図柄確定となる。リザルト演出は、遊技実績情報を表示する結果表示期間(f)と、その前の結果表示開始期間(e1〜e3)と、最後の終了表示期間(g1,g2)とで構成されている。またリザルト演出から通常画面までははずれ図柄表示(揺れ変動)が並行して行われる。また図87の例では、通常画面以降の変動時間を、特定経過時間の最小値(特定時間;ここではアウト口358に関する特定経過時間の最小値であるTe1)よりも短い時間(略同じ時間でもよい)に設定している。また、リザルト演出の終了表示期間以降の変動時間を、特定経過時間の最大値(特定時間;ここでは第2特別図柄始動手段346に関する特定経過時間の最大値であるTb2)よりも長い時間(略同じ時間でもよい)に設定している。なお、特定経過時間の最小値、最大値としてはそれぞれTa1〜Tg1、Ta2〜Tg2の何れを用いてもよい。
図87の例では、リザルト演出後の通常画面以降に入賞手段に入賞し又はアウト口358に入球した場合、アウト球検出手段414の通過タイミングは加算期間への移行後となる([1],[2])。また、最終図柄が停止(仮停止)する前に入賞手段に入賞し又はアウト口358に入球した場合、アウト球検出手段414の通過タイミングは加算期間への移行前となる([3],[4])。そして、リザルト演出期間は過渡期間であり、そのリザルト演出中に入賞手段に入賞し又はアウト口358に入球した場合、アウト球検出手段414の通過タイミングは加算期間への移行前と移行後との何れかとなる([5],[6])。
なお、図87のリザルト演出では、リザルト表示が開始されてから最終的な数値が表示されるまでの変化期間を結果表示期間(e1〜e3)、リザルト表示として最終的な数値が表示される期間を結果表示期間(f)、例えば画面がブラックアウトして「END」が表示される期間を終了表示期間(g1,g2)としている。このリザルト演出の結果表示開始期間中、はずれ演出態様である「6・7・7」の図柄が仮停止状態で縮小表示され、結果表示期間の終了までに完全停止するようになっている。
図88は、以上説明した電源投入処理において主制御基板415aから演出制御基板416aに対して送信される主なコマンドとその送信順序とを、「設定変更」、「RAMクリア」、「設定確認」、「バックアップ復帰」、「RAM異常」の5種類の処理態様毎に示したものである。この図88より明らかなように、「設定変更」における設定変更開始コマンド(BA76H)及び設定変更終了コマンド(BA77H)、「設定確認」における設定確認開始コマンド(BA60H)及び設定確認終了コマンド(BA67H)、「RAM異常」における電源再投入コマンド(BA7FH)については各処理態様の場合にのみ送信されるが、それ以外のコマンドについては、複数の処理態様において共通に送信されるようになっている。
続いて、主制御基板415aのタイマ割込み処理(図89)について説明する。このタイマ割込み処理(図89)では、まず電源異常チェック処理(S81)を実行する。この電源異常チェック処理(S81)は、既に説明した図74に示す電源異常チェック処理と共通である。このように、電源投入処理とタイマ割込み処理とで電源異常チェック処理を共通化することによりプログラム容量の更なる削減が可能となっている。
電源異常チェック処理(S81)が終了すると、続いて遊技制御に用いられる各種タイマを管理するタイマ管理処理(S82)、各入賞手段に設けた入賞検出手段や操作手段等の各種センサによる検出情報を管理する入力管理処理(S83)、設定値に関する異常チェックを行う設定異常チェック処理(S84)、各種エラーの発生を監視するエラー管理処理(S85)、大当たり判定乱数等の各種乱数を更新する乱数更新処理(S86)、払出制御基板425aに払出制御コマンドを送信する等の賞球管理を行う賞球管理処理(S87)を実行する。
ここで、タイマ管理処理(S82)では、例えば動作確認タイマの減算処理も行われる。この動作確認タイマの減算処理は、例えば動作確認タイマの値が0になるまで行われる。動作確認タイマは、電源投入時の共通処理(S22)における作業領域初期設定処理(図76のSk12)において、初期値として動作確認時間(ここでは4800ms)に対応するタイマ値に1を加算した値、具体的には1201がセットされているため、電源投入後の最初のタイマ管理処理(S82)で1減算され、4800msに対応する1200となる。
また、賞球管理処理(S87)に続いては、普通図柄管理処理(S88)、普通電動役物管理処理(S89)、特別図柄管理処理(S90)、特別電動役物管理処理(S91)を実行する。
普通図柄管理処理(S88)は、普通図柄表示手段361による普通図柄の変動を管理するもので、普通図柄始動手段344が遊技球を検出することに基づいて、当たり判定乱数値等の普通乱数情報を取得すると共にその普通乱数情報を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として先入れ先出し式の記憶領域に記憶し、普通図柄表示手段361が変動表示可能な状態となり且つ1個以上の普通乱数情報が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通乱数情報の待ち行列からその先頭の当たり判定乱数値を取り出し、その当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かに応じて当たり/はずれの判定(当たり判定)を行うと共に、その当たり判定結果に基づいて普通図柄の変動後の停止図柄及び変動時間を選択し、普通図柄表示手段361による普通図柄の変動を行うようになっている。
また、普通電動役物管理処理(S89)は、普通利益状態を管理するもので、S88の当たり判定結果が当たりとなることに基づいて普通図柄表示手段361の変動後の停止図柄が当たり態様となった場合に、第2特別図柄始動手段346の開閉部346bを所定の開閉パターンに従って開状態に変化させる普通利益状態を発生させるようになっている。
特別図柄管理処理(S90)は、第1,第2特別図柄表示手段363,364による第1,第2特別図柄の変動を管理するもので、第1,第2特別図柄始動手段345,346が遊技球を検出することに基づいて、大当たり判定乱数値、大当たり図柄乱数値、その他の乱数値よりなる第1,第2特別乱数情報を取得すると共にその第1,第2特別乱数情報を予め定められた上限保留個数(例えば各4個)を限度として先入れ先出し式の記憶領域に記憶し、第1,第2特別図柄表示手段363,364が変動表示可能な状態となったときに、第2特別保留個数が1以上であれば第2特別乱数情報の待ち行列から、第1特別保留個数のみが1以上であれば第1特別乱数情報の待ち行列から、その先頭の大当たり判定乱数値を取り出し、その大当たり判定乱数値を用いた乱数抽選により所定の大当たり確率で大当たり/はずれの判定を行うと共に、その大当たり判定結果に応じて、第1,第2特別図柄の停止図柄態様、演出図柄の変動パターン等を決定し、第1,第2特別図柄表示手段363,364による第1,第2特別図柄の変動を行うようになっている。
特別電動役物管理処理(S91)は、大当たり遊技を管理するもので、大当たり判定の結果が大当たりとなり、第1,第2特別図柄表示手段363,364の変動後の停止図柄が大当たり態様(特定態様)となった場合に、大入賞手段347の開閉板347bを所定の開放パターンに従って開状態に変化させる大当たり遊技(第1,第2特別利益状態)を発生させるようになっている。なお、この特別電動役物管理処理(S91)を実行する主制御基板415aが、大当たり遊技(特別遊技)を実行する大当たり遊技実行手段(特別遊技実行手段)を構成している。
特別電動役物管理処理(S91)に続いては、外部端子処理(S92)、LED管理処理(S93)を実行する。外部端子処理(S92)では、外部出力端子からホールコンピュータ等の外部装置に各種情報を出力するための処理を行う。本実施形態では、例えば設定確認処理(S20)の開始時等において不正情報タイマに初期値(例えば30秒に対応する値)をセットするようになっているが、この外部端子処理(S92)では、その不正情報タイマを減算しつつ、その値が0になるまで(即ち例えば30秒経過するまで)外部出力端子からセキュリティ信号を出力するようになっている。
またLED管理処理(S93)は、遊技情報表示手段326、性能表示手段435(性能情報表示手段433)等を構成するLEDの発光管理を行うものである。本実施形態では遊技情報表示手段326と性能情報表示手段433とについてダイナミック点灯方式により駆動制御を行うようになっている。
LED管理処理(S93)では、図90に示すように、まずLEDコモンポートとLEDデータポートにクリア信号を出力して同ポートをクリアし(S101)、LED出力カウンタをインクリメントする(S102)。そして、LEDコモン出力選択テーブル(図91(a))から、LED出力カウンタの値に対応するコモンデータを選択し(S103)、そのコモンデータをLEDコモンポートに出力する(S104)。
本実施形態のLEDコモン出力選択テーブルでは、図91(a)及び図63に示すように、コモンC0とコモンC4とをONにする第1コモンデータと、コモンC1とコモンC5とをONにする第2コモンデータと、コモンC2とコモンC6とをONにする第3コモンデータと、コモンC3とコモンC7とをONにする第4コモンデータの4種類のコモンデータが設けられており、それら第1〜第4コモンデータが、LED出力カウンタの増加に応じてその順序で循環的に選択されるようになっている。
これにより、1割込み毎(ここでは4ms毎)に、遊技情報表示手段326の点灯対象はLEDグループ326a→326b→326c→326d→326a→…のように順次変化し、同様に性能表示手段435(性能情報表示手段433)の点灯対象は7セグ表示部433a→433b→433c→433d→433a→…のように順次変化する。
続いて、LED出力カウンタについて、最下位を第0ビットとしたときの第5ビットの値を判定し(S105)、その値に応じて2つのLEDデータ出力情報テーブルA,B(図91(b))の何れかを選択する(S106a,106b)。これにより、割込み32回(128ms)毎にLEDデータ出力情報テーブルを切り替えることができる。もちろん、割込み何回毎にLEDデータ出力情報テーブルを切り替えるかは任意である。
ここで、LEDデータ出力情報テーブルA,Bは、遊技情報表示手段326に接続されるLEDデータポート1に対応しており、図91に示すように夫々第1〜第4コモンデータに対応する第1〜第4LEDデータA0〜A3,B0〜B3が設けられている。即ち、第1LEDデータA0,B0は、コモンC0に対応する遊技情報表示手段326のLEDグループ326a(第1特別図柄表示手段363)のLEDデータであり、第2LEDデータA1,B1は、コモンC1に対応する遊技情報表示手段326のLEDグループ326b(第2特別図柄表示手段364)のLEDデータであり、第3LEDデータA2,B2は、コモンC2に対応する遊技情報表示手段326のLEDグループ326c(特別保留個数表示手段365等)のLEDデータであり、第4LEDデータA3,B3は、コモンC3に対応する遊技情報表示手段326のLEDグループ326d(普通図柄表示手段361等)のLEDデータである。
LEDデータ出力情報テーブルA,Bの何れかを選択すると(S106a,S106b)、そのLEDデータ出力情報テーブルからLED出力カウンタの値に対応するLEDデータを選択し(S107)、そのLEDデータをLEDデータポート1に出力し(S108)、LED管理処理を終了する。
以上の処理により、遊技情報表示手段326の4つのLEDグループ326a〜326dを4ms毎に順次切り替えつつ点灯させることができ、しかも同一グループで2種類の表示態様を128ms毎に切り替えることができる。
図89のタイマ割込み処理に戻って説明を続ける。以上説明したLED管理処理(S93)が終了すると、全レジスタの内容をスタック領域に退避させた後(S94)、性能表示手段435による表示を行うための性能表示更新処理(S95)を実行する。この性能表示更新処理(S95)により、性能表示手段435が全点灯と全消灯とを繰り返す動作確認表示が所定の動作確認時間(例えば約5秒間)行われた後、性能表示集計除算処理(図79のS63)で算出される複数種類のベース値(ここではリアルタイムベース値、第1〜第3累計ベース値の4種類)を性能表示手段435に表示する複数のベース値表示期間(リアルタイムベース値表示期間、第1〜第3累計ベース値表示期間)が所定時間(例えば約5秒、ここでは4.8秒)毎に循環的に切り替えられる。
このように、性能表示手段435の動作確認表示は、タイマ割込みのLED管理処理(S93)において実行されるため、その開始時期は、設定変更終了後に所定時間(例えば約1秒)行われる設定表示手段434による設定変更確定表示の終了後となる。なお、性能表示手段435の動作確認表示後は、例えば扉(前枠3)開放中等の所定期間のみベース値の表示を行うようにしてもよいし、時間経過以外の所定条件を満たしたとき(例えばボタン操作が行われたとき)に複数のベース値表示期間を切り替えるようにしてもよい。
性能表示手段435を構成する4つの7セグ表示部433a〜433d(図3,図63)は、例えば上位2桁の7セグ表示部433d,433cがベース値の種類(リアルタイムベース値、第1〜第3累計ベース値の別)等を示す識別表示部、下位2桁の7セグ表示部433b,433aがベース値の数値等を表示する数値表示部となっている。
ベース値は、総アウト個数が所定個数(ここでは60000個)に達するまでを単位計測期間としてその単位計測期間毎に計測されるが、初回電源投入後の1回目の単位計測期間は、電源投入時から開始するのではなく、所定の計測前期間の経過後(例えば総アウト個数が所定個数(ここでは300個)に達したとき)に開始する。
リアルタイムベース値表示期間中、識別表示部には例えばリアルタイムベース値を示す「bL.」と表示し、数値表示部には例えばそのリアルタイムベース値表示期間の開始時又はその直前のリアルタイムベース値を表示するが、その時点の単位計測期間における総アウト個数が所定閾値(例えば6000個)に達しているか否かに応じて、識別表示部の「bL.」の表示態様を例えば点灯と点滅とで異ならせるようになっている。なお、ベース値は例えば小数第一位を四捨五入した上で数値表示部に表示するが、四捨五入後の値が3桁以上の場合には、数値表示部にオーバーフローを示す「99.」等を表示する。
また、第1〜第3累計ベース値表示期間中は、識別表示部には例えば第1〜第3累計ベース値を示す「b1.」〜「b3.」を表示し、数値表示部にはその時点の第1〜第3累計ベース値を表示するが、未だ第1〜第3累計ベース値が得られていない場合には、例えば識別表示部の「b1.」〜「b3.」を点滅表示すると共に数値表示部には「−−」を表示する。例えば初回電源投入後の1回目の単位計測期間が終了するまでは、第1〜第3累計ベース値は何れも得られていないため、第1〜第3累計ベース値表示期間中の性能表示手段435の表示は「b1.−−」〜「b3.−−」となる。
なお、1回目の単位計測期間が始まる前の計測前期間中(総アウト個数が300個未満)については、識別表示部には「bL.」,「b1.」〜「b3.」を例えば点滅表示し、数値表示部には例えば「−−」を点灯表示する。
性能表示更新処理(S95)では、図92に示すように、まず全レジスタを退避させた後(S111)、表示更新処理(S112)により、識別表示部出力バッファ及び数値表示部出力バッファに夫々表示パターンデータをセットし、続く表示データ出力処理(S113)により、それら識別表示部出力バッファ及び数値表示部出力バッファにセットされた表示パターンデータを、LED管理処理(図90)で選択されたコモン(7セグ表示部)に応じてLEDデータポート2(図63)に出力することにより、性能表示手段435に所定の表示を行う。そして、試射試験信号出力処理(S114)を実行し、全レジスタを復帰させて(S115)終了する。
以下、表示更新処理(S112)の処理手順を、図98〜図100のタイムチャートを適宜参照しつつ時間経過に従って説明する。表示更新処理(S112)では、図93に示すように、まずこの表示更新処理の実行が電源投入後1回目である場合に限り(S121:Yes)、性能表示手段435の表示に関する各種情報(動作確認タイマを除く第1情報)の初期設定を行う(S122)。S121の判定については種々の方法が考えられるが、本実施形態では、動作確認タイマの値が4800msに対応する値、具体的には1200であるか否かで判定を行う。本実施形態の動作確認タイマは、電源投入時の作業領域初期設定処理(図76のSk12)で、初期値として4800msに対応するタイマ値に1を加算した値、具体的には1201がセットされ、その後の1回目のタイマ管理処理(S82)で1減算されるため、電源投入後1回目の表示更新処理(S112)の時点では動作確認タイマの値は4800msに対応する1200となっている。
S122では、例えば点滅周期タイマに0が、点灯・消灯切替カウンタに15が、集計除算カウンタに所定の非開始値が、表示内容ポインタに4が、夫々セットされると共に、識別表示部出力バッファ及び数値表示部出力バッファに夫々消灯データ(0000H)がセットされる。ここで、点滅周期タイマは点滅周期を計時するためのもの、点灯・消灯切替カウンタは点滅時の点灯と消灯とを切り替えるためのもの、集計除算カウンタは、性能表示集計除算処理(S63)においてカウント値を用いてリアルタイムベース値を算出するタイミングを指定するためのものである。また表示内容ポインタは、性能表示手段435の表示内容、即ちベース値の種類を指定するためのもので、例えばリアルタイムベース値、第1〜第3累計ベース値に対応して例えば1〜4の値をとるようになっている。
このように本実施形態では、性能表示手段435の表示に関する第1情報、即ち点滅周期タイマ、点灯・消灯切替カウンタ、集計除算カウンタ、表示内容ポインタについて電源投入後に初期設定を行うように構成することで、例えば電源を投入する毎に、動作確認表示が開始される際の点灯/消灯の状態が異なったり、動作確認表示後に最初に表示されるベース値の種類が異なるようなことがなく、電源投入後の性能表示手段435の表示開始時の状態を常に同じにすることができる。
また本実施形態では、性能表示手段435の表示に関する所定情報のうち、動作確認タイマについては割込み処理が開始される前の電源投入処理にて初期設定を行い(Sk12)、それ以外の第1情報、例えば点滅周期タイマ、点灯・消灯切替カウンタ、集計除算カウンタ、表示内容ポインタについては割込み処理にて初期設定を行うため(S122)、電源投入時の処理時間が短く、迅速な立ち上げが可能である。
なお、点滅周期タイマ、点灯・消灯切替カウンタ、集計除算カウンタ、表示内容ポインタについては領域外RAM(第2記憶領域)に記憶される。従って、領域外RAMチェック処理(図80)で領域外RAM異常であると判定された場合には(S71:Yes)、領域内RAMに記憶されている動作確認タイマはクリアされないが、領域外RAMに記憶されている点滅周期タイマ、点灯・消灯切替カウンタ、集計除算カウンタ、表示内容ポインタ等はクリアされる。
続いて、点滅周期タイマをインクリメントし(S123)、その加算後の点滅周期タイマの値が所定値(ここでは0.3秒に対応する75)以上であるか否かを判定し(S124)、点滅周期タイマの値が所定値未満であれば(S124:No)ここで表示更新処理を終了する。S124で点滅周期タイマの値が所定値(ここでは75)以上であれば(S124:Yes)、その点滅周期タイマをクリアする(S125)と共にS126以降の処理を実行する。このように、S125以降の処理は、点滅周期タイマが所定値である75に達する毎、即ち例えば0.3秒(=4ms×75)経過毎に実行される。
なお、上述したS122において、識別表示部出力バッファ及び数値表示部出力バッファには初期値として夫々消灯データ(0000H)がセットされるため、S124で最初にYes判定となるまで(点滅周期タイマが最初に所定値に達するまで)の約0.3秒間(図98のT1〜T2)は、性能表示手段435は全消灯状態となる。
S125に続いては、点灯・消灯切替カウンタをインクリメントする(S126)と共に、その加算後の点灯・消灯切替カウンタの値が偶数/奇数の何れであるかを判定し(S127)、偶数であれば図94のS131へ、奇数であれば図95のS141へ移行する。即ち、例えば0.3秒経過毎に、図94に示すS131以降の処理と、図95に示すS141以降の処理とが交互に行われる。
本実施形態では、S122で点灯・消灯切替カウンタに初期値として15がセットされるため、電源投入後1回目のS127(図98のT2)では点灯・消灯切替カウンタは偶数(=16)となり、図94のS131へ移行する。この時点の点灯・消灯切替カウンタは16で所定値(ここでは15)以上であるから、点灯・消灯切替カウンタはS131でクリアされ、0になる(図98参照)。またこの時点の動作確認タイマの値は1126(図98参照)であって0ではないから(S132:No)、識別表示部出力バッファと数値表示部出力バッファとに夫々点灯データ(FFFFH)をセットし(S133,S134)、ここで表示更新処理を終了する。これにより、性能表示手段435は全消灯状態から全点灯状態に切り替わる。なお、このS133,S134の点灯データは、データテーブル等を参照することなく各出力バッファに直接書き込まれる。
その0.3秒後の表示更新処理では、S126による加算後の点灯・消灯切替カウンタは1となるから(図98のT3)、S127で奇数と判定されて図95のS141へ移行する。この時点の動作確認タイマの値は1051(図98参照)であって0ではないから(S141:No)、識別表示部出力バッファと数値表示部出力バッファとに夫々消灯データ(0000H)をセットする(S142,S143)。これにより、性能表示手段435は全点灯状態から全消灯状態に切り替わる。なお、S142,S143の消灯データについても、データテーブル等を参照することなく各出力バッファに直接書き込まれる。また、この時点での点灯・消灯切替カウンタの値は1であって所定値(ここでは15)ではないから(S147:No)、ここで表示更新処理を終了する。
以上の処理は、S126による加算後の点灯・消灯切替カウンタが15になる前まで(図98のT4)繰り返し行われる。そして、S126による加算後の点灯・消灯切替カウンタが15となったとき(図98のT5)、S127で奇数と判定されて図95のS141に移行するが、この時点の動作確認タイマの値は1(図98参照)であって0ではないから、S142,S143で識別表示部出力バッファと数値表示部出力バッファとに夫々消灯データ(0000H)をセットする。これにより、性能表示手段435は全点灯状態から全消灯状態に切り替わる。
そして、この時点の点灯・消灯切替カウンタは15であるから、続くS147の判定がYesとなり、S148〜S151の処理を実行する。即ち、表示内容ポインタに1を加算し(S148)、その加算後の表示内容ポインタが所定値(ここでは5)以上であることを条件に(S149:Yes)、表示内容ポインタに1をセットする(S150)。本実施形態では、S122で表示内容ポインタには初期値として4がセットされるため、S148の加算後の表示内容ポインタの値は5となり、S149で所定値以上であると判定され、S150で表示内容ポインタに1がセットされる。そして、集計除算カウンタに開始値をセットし(S151)、表示更新処理は終了する。
集計除算カウンタに開始値がセットされると、性能表示集計除算処理(図79のS63)において、その時点のカウント値を用いてリアルタイムベース値を算出するための除算処理が行われる。リアルタイムベース値の算出が行われると、集計除算カウンタには非開始値がセットされる。なお、例えばリアルタイムベース値の表示を行わない計測前期間中等、集計除算カウンタに開始値がセットされても、リアルタイムベース値を算出しない場合があってもよい。
その0.3秒後の表示更新処理では、S126による加算後の点灯・消灯切替カウンタは16となるから(図98,図99のT6)、S127で偶数と判定され、続く図94のS131で、点灯・消灯切替カウンタはクリアされて0となる。そして、この時点では動作確認タイマは既に0となっているから(S132:Yes)、動作確認表示を終了し、S135〜S138の処理を実行する。このように本実施形態では、性能表示手段435の全消灯と全点灯とを所定時間(0.3秒)毎に切り替える動作確認表示が、図98のT1〜T6まで約5.1秒間(=0.3秒×17)行われる。
S135〜S138では、まず識別表示部LEDデータテーブルから、表示内容ポインタに対応する識別表示部表示パターンデータを取得し(S135)、取得した識別表示部表示パターンデータを識別表示部出力バッファにセットする(S136)。識別表示部LEDデータテーブルには、図96(a)に示すように、表示内容ポインタの1〜4の値に対応して、「bL.」,「b1.」,「b2.」,「b3.」の表示に対応する表示パターンデータが予め記憶されている。この時点の表示内容ポインタの値は1であるから(図99参照)、「bL.」の表示に対応する表示パターンデータが識別表示部出力バッファにセットされる。
また、10進数値LEDデータテーブルから、数値表示部への表示内容に対応する数値表示部表示パターンデータを取得し(S137)、取得した数値表示部表示パターンデータを数値表示部出力バッファにセットする(S138)。数値表示部への表示内容は、例えば図97に示すように表示内容ポインタと区間ポインタとに基づいて決定する。ここで、区間ポインタはベース値の計測に関する期間を示すもので、例えば図97に示すように、「計測前期間」、それに続く「第1単位計測期間」,「第2単位計測期間」,「第3単位計測期間」及び「第4単位計測期間以降」の5種類の期間に対応して1〜5の何れかの値をとるようになっている。また、10進数値LEDデータテーブルには、図96(b)に示すように、「0」〜「9」の10種類の数字と「−」とに対応する各1バイトの表示パターンデータが予め格納されている。
この時点(図99のT6)では、表示内容ポインタは1であり、また区間ポインタは1(計測前期間)である可能性が高いから、図97に示すように数値表示部の表示内容は「−−」となる。従って、10進数値LEDデータテーブルから10の位の「−」に対応する“01000000B”と、同じく1の位の「−」に対応する“01000000B”とが取得され、数値表示部出力バッファにセットされる。
以上により、図98,図99のT6の時点(動作確認表示の終了時点)でリアルタイムベース値表示期間(計測前期間)が開始され、性能表示手段435の表示は全消灯状態から「bL.−−」に切り替えられる。
その0.3秒後(図99のT7)の表示更新処理では、S126による加算後の点灯・消灯切替カウンタは1となり、S127で奇数と判定される。そして、図95のS141で動作確認タイマの値は0であると判定されるから(S141:Yes)、続くS144で識別表示部の表示態様が点灯/点滅の何れであるかを判定し、その判定結果が点滅であることを条件に(S145:Yes)、識別表示部出力バッファに消灯データ(0000H)をセットする(S146)。これにより、識別表示部の表示は例えば「bL.」から消灯状態に切り替わる。なお、数値表示部出力バッファの値は更新されないため、数値表示部の表示は例えば「−−」のまま変化しない。
以上の処理は、S126による加算後の点灯・消灯切替カウンタが16になる前まで(図99のT8)繰り返し行われる。なお、S126による加算後の点灯・消灯切替カウンタが15となったときには(図99のT8)、図95のS147の判定がYesとなるから、S148〜S151の処理により、表示内容ポインタが1から2に変化すると共に集計除算カウンタに開始値がセットされる。
これにより、その0.3秒後(図99のT9)にはリアルタイムベース値表示期間が終了して新たに第1累計ベース値表示期間が開始し、例えば識別表示部は例えば「b1.」の点滅状態となり、数値表示部には例えば「−−」が点灯表示される。
図100は、識別表示部の表示態様が点灯の場合の例として、区間ポインタが3(第2単位計測期間)で、表示内容ポインタが2(第1累計ベース値表示期間)の場合の性能表示手段435の表示状態を示している。区間ポインタが3で表示ポインタが2の場合、識別表示部の表示態様は点灯となっているため(図97)、S126の加算後の点灯・消灯切替カウンタの値が偶数の場合には、識別表示部出力バッファには「b1.」に対応する識別表示部表示パターンデータが、数値表示部出力バッファにはその時点の第1累計ベース値に対応する数値表示部表示パターンデータがセットされ(S135〜S138)、S126の加算後の点灯・消灯切替カウンタの値が奇数の場合には、識別表示部出力バッファ及び数値表示部出力バッファは何れも更新されない。従って、図100のT10〜T11の第1累計ベース値表示期間中、識別表示部には「b1.」が点灯表示され、数値表示部にはその時点の第1累計ベース値が点灯表示される。
そして、表示内容ポインタが2から3に切り替わって第2累計ベース値表示期間が開始されると(図100のT11)、識別表示部の表示態様は点滅となるため(図97)、S126の加算後の点灯・消灯切替カウンタの値が偶数の場合には、識別表示部出力バッファには「b2.」に対応する識別表示部表示パターンデータが、数値表示部出力バッファには「−−」に対応する数値表示部表示パターンデータがセットされ(S135〜S138)、S126の加算後の点灯・消灯切替カウンタの値が奇数の場合には、識別表示部出力バッファに消灯データ(0000H)がセットされる(S146)。従って、図100のT11〜の第2累計ベース値表示期間中、識別表示部には「b2.」が点滅表示され、数値表示部には「−−」が点灯表示される。
また、動作確認表示中(図98のT1〜T6)に領域外RAMに異常が発生した場合(図80のS71:Yes)、領域外RAMはクリアされるが(S72)、動作確認タイマは領域内RAMに記憶されているためクリアされない。従って、動作確認表示は中断することなく、少なくとも動作確認タイマの値が0に達するまでそのまま継続される。しかしながらこの場合、領域外RAMに記憶されている点滅周期タイマ、点灯・消灯切替カウンタ、表示内容ポインタ等(第1情報)についてはクリアされるため、例えば点滅のタイミング(点滅周期タイマの値が所定値(75)に達するタイミング)等が変化する可能性がある。また、表示内容ポインタがクリアされることにより、動作確認表示後の最初の表示内容が変化する可能性もある。
図89のタイマ割込み処理に戻って説明を続ける。以上説明した性能表示更新処理(S95)が終了すると、退避していたレジスタの内容を復帰させ(S96)、WDTをクリアして(S97)、タイマ割込み処理を終了する。
続いて、演出制御基板416aの制御動作について説明する。演出制御基板416aは、液晶表示手段327、電飾手段436、スピーカ17,30a,30b,31a,31b、枠可動演出手段153、操作演出手段232、盤可動演出手段328等の各種演出手段による演出を制御するもので、図62(b)に示すように、電源投入時制御手段441、特別保留個数表示制御手段442、図柄変動演出制御手段443、エラー報知制御手段444等を備えている。
電源投入時制御手段441は、電源投入時に主制御基板415aから各種制御コマンドを受信することに基づいて液晶表示手段327等の各種演出手段を制御するようになっている。
図101,図102は、主制御基板415aからの主な受信コマンドとそれに対応する液晶表示手段327、電飾手段436、スピーカ17等、可動演出手段153,328等の作動内容とを処理態様毎に示したもので、図101が「RAMクリア」及び「設定変更」の場合を、図102が「バックアップ復帰」、「設定確認」及び「RAM異常」の場合を示している。
RAMクリア時については、図101に示すように、電源投入時コマンド(FA08H)を受信したときに、液晶表示手段327に「Please Wait」等の文字情報を表示するが、電飾手段436は全て消灯し、スピーカ17等からはBGM等の音声は出力せず(消音)、可動演出手段153,328等は例えば原点位置に停止した状態を維持する(変化無し)。そして、その後にイニシャライズコマンド(BA01H)を受信したとき、液晶表示手段327、電飾手段436、スピーカ17等についてはそれまでの状態を継続するが、可動演出手段153,328等については初期動作(イニシャライズ動作)の実行を開始する。
そして、RAMクリアコマンド(BA02H)を受信すると、液晶表示手段327に演出図柄370による所定の図柄態様、例えば「2・3・7」(低確画面)を表示すると共に、電飾手段436を全て点灯させ、スピーカ17等からは所定のRAMクリア音を出力し、可動演出手段153,328等についてはそれまでの状態(初期動作)を継続する。
その後に客待ち中コマンド(BA04H)を受信すると、液晶表示手段327の表示については、例えば180秒経過後にデモ表示を開始するまでそのまま継続し、電飾手段436を例えば所定の客待ちパターンで発光させ、スピーカ17等からは例えば30秒経過後にフェードアウトするまでBGM出力を継続し、可動演出手段153,328等についてはそれまでの状態を継続する。
また設定変更時については、図101に示すように、電源投入時コマンド(FA08H)を受信したときにRAMクリア時と同様の処理を行った後、設定変更開始コマンド(BA76H)を受信したときに、液晶表示手段327に設定変更期間中であることを示す「設定変更中」等の文字情報を表示すると共に、電飾手段436を例えば所定の設定変更中パターンで発光させ、スピーカ17等からは所定の設定変更中音を出力するが、可動演出手段153,328等についてはそれまでの状態を継続する。そして、その後に設定変更終了コマンド(BA77H)を受信したときには例えば液晶表示手段327、電飾手段436、スピーカ17等、可動演出手段153,328等の何れについてもそれまでの状態を維持する。なお、設定変更終了コマンド(BA77H)を受信したとき、液晶表示手段327に表示中の「設定変更中」等の文字情報を消去し、電飾手段436の設定変更中パターンでの発光を終了して消灯し、スピーカ17等からの設定変更中音の出力を停止してもよい。その後のイニシャライズコマンド(BA01H)、RAMクリアコマンド(BA02H)、客待ち中コマンド(BA04H)の受信時における各演出手段の演出態様はRAMクリア時と同様である。
またバックアップ復帰時については、図102に示すように、電源投入時コマンド(FA08H)、イニシャライズコマンド(BA01H)を受信したときにRAMクリア時と同様の処理を行った後、停電復帰表示コマンド(BA03H)を受信したとき、液晶表示手段327に、遊技の再開を促すための「停電から復帰しました 遊技を再開してください」等の文字情報を表示するが、電飾手段436については例えば全消灯を維持し、スピーカ17等については消音状態を維持し、また可動演出手段153,328等については例えば初期動作を継続する。その後、第1,第2特別保留個数指定コマンド(B0xxH,B1xxH)、設定値コマンド(F6xxH)、状態指定コマンド(FAxxH〜FDxxH)を受信したときには例えば液晶表示手段327、電飾手段436、スピーカ17等、可動演出手段153,328等の何れについてもそれまでの状態を維持する。そして、客待ち中コマンド(BA04H)を受信したときには、液晶表示手段327には例えば180秒経過後にデモ表示を開始するまで演出図柄370による所定の図柄態様、例えば「2・3・7」(低確画面)を表示し、電飾手段436を例えば所定の客待ちパターンで発光させ、スピーカ17等からは例えば30秒経過後にフェードアウトするまでBGM出力を継続し、可動演出手段153,328等についてはそれまでの状態を継続する。
このバックアップ復帰時には、電断前の状態で復帰することになるため、例えば電断前における遊技情報表示手段326が示す特別図柄の情報が大当たりの停止態様であった場合には、バックアップ復帰後も大当たりの停止態様で復帰することとなる。ここで、設定変更処理が実行された場合に、RAMクリア処理後、遊技情報表示手段326が示す特別図柄の情報として、はずれの停止態様を示す値や、非点灯を示す値、その他の特定値(遊技中には使用しない表示態様)を設定するようにすると、バックアップ復帰時の特別図柄の表示態様と矛盾が生じ、これによりバックアップ復帰されたか(すなわち非設定変更)、設定変更処理が行われたかを遊技者が判別可能となる。これは、遊技情報表示手段326が示す特別図柄の情報だけに限らず、普通図柄の情報に関しても同様のことが言える。そこで、バックアップ復帰時に、特別図柄が変動中か否かの情報を確認して、変動中ではないと判断した場合には、遊技情報表示手段326が示す特別図柄の表示態様を、設定変更の場合と同じはずれの停止態様に設定することで、仮にバックアップ復帰時に遊技情報表示手段326が示す特別図柄の情報が当たりを示す表示態様であったとしても、はずれの停止態様を示す値や、非点灯を示す値、その他の特定値(遊技中には使用しない表示態様)に書き換えることができるので、設定変更処理が行われた際との矛盾が生じない。
ここで、特別図柄が変動中か否かの情報を確認することとしたのは、仮に特別図柄が変動中であった場合には、変動中の特別図柄の情報をはずれに書き換えてしまうこととなり、仮にその変動が当たりの変動であった場合には、当たりをはずれ態様で表示してしまうという矛盾を発生させてしまうからである。このような矛盾は、遊技機として市場に提供可能な基準を満たしているとは到底言えず、絶対に発生させてはいけない事象であるので、上述の様な構成としている。このように、バックアップ復帰時に、特別図柄の情報を参照して特定の条件(非変動中や客待ち中など)を満たす場合には、遊技情報表示手段326の特別図柄の情報を書き換えるようにしてもよく、これにより特定の条件(電断前の状態が非変動中や客待ち中など)を満たしたバックアップ復帰時と、RAMクリア時や設定変更時とで、同様の情報を遊技情報表示手段326の特別図柄の表示態様として指定することができ、設定変更処理がなされたか否かの判別を困難にすることが可能となる。また、特別図柄の情報に限らず、特別図柄の非変動中にしか発生し得ない客待ち状態中か否かを参照することで、同様の構成とするようにしてもよい。また、特別図柄だけに限らず、遊技情報表示手段326が示す普通図柄についても同様の構成としておくことが望ましい。これにより、特別図柄と同様に普通図柄についてもバックアップ復帰時と設定変更時とで表示態様に矛盾が生じないように構成することが可能となる。
また設定確認時については、図102に示すように、電源投入時コマンド(FA08H)を受信したときにRAMクリア時と同様の処理を行った後、設定確認開始コマンド(BA60H)を受信したときに、液晶表示手段327に設定確認期間中であることを示す「設定確認中」等の文字情報を表示すると共に、電飾手段436を例えば所定の設定確認中パターンで発光させ、スピーカ17等からは所定の設定確認中音を出力するが、可動演出手段153,328等についてはそれまでの状態を継続する。その後に設定確認終了コマンド(BA67H)を受信したときには例えば液晶表示手段327、電飾手段436、スピーカ17等、可動演出手段153,328等の何れについてもそれまでの状態を維持する。そして、イニシャライズコマンド(BA01H)、停電復帰表示コマンド(BA03H)、第1,第2特別保留個数指定コマンド(B0xxH,B1xxH)、設定値コマンド(F6xxH)、状態指定コマンド(FAxxH〜FDxxH)、客待ち中コマンド(BA04H)の受信時における各演出手段の演出態様はバックアップ復帰時と同様である。なお、例えば設定確認終了コマンド(BA67H)を受信したとき、液晶表示手段327に表示中の「設定確認中」等の文字情報を消去し、電飾手段436の設定確認中パターンでの発光を終了して消灯し、スピーカ17等からの設定確認中音の出力を停止してもよい。
またRAM異常時については、図102に示すように、電源投入時コマンド(FA08H)を受信したときにRAMクリア時と同様の処理を行った後、電源再投入コマンド(BA7FH)を受信したときに、液晶表示手段327に電源の再投入を促すための「RAMエラー 電源再投入して設定を1に決定してください」等の文字情報を表示するが、電飾手段436、スピーカ17等、可動演出手段153,328等についてはそれまでの状態を維持するようになっている。
特別保留個数表示制御手段442は、液晶表示手段327への第1,第2特別保留個数の表示制御を行うもので、第1,第2特別保留個数の増減に対応して、第1特別保留個数分(最大4個)の第1保留画像X1〜X4と、第2特別保留個数分(最大4個)の第2保留画像Y1〜Y4と、変動中の第1,第2特別図柄に対応する変動中保留画像Zとを液晶表示手段327に表示するように構成されている。
本実施形態では、第1特別図柄の保留記憶よりも第2特別図柄の保留記憶を優先的に消化するため、保留表示に関しても第2特別図柄側を優先し、図51に示すように第1保留画像X1〜X4の前側に第2保留画像Y1〜Y4を夫々一部重ねて表示している。主制御基板415aから第1,第2特別保留個数に関する保留加算コマンドを受信した場合には、第1,第2保留画像X1〜,Y1〜を待ち行列の最後尾に1個追加表示する。また、主制御基板415aから第1,第2特別保留個数に関する保留減算コマンドを受信した場合には、第1,第2保留画像X1〜,Y1〜を待ち行列の前側に向けて1個分ずつシフトすると共に、押し出された先頭の第1,第2保留画像X1,Y1を例えば所定位置まで移動させて変動中保留画像Zに変化させるようになっている。
図柄変動演出制御手段443は、演出図柄370の表示制御及びそれに伴う可動体動作、音声出力、電飾発光等の制御を行うもので、主制御基板415aから変動パターンコマンドを受信した場合に、指定された変動パターンに対応する変動パターンシナリオに基づいて、液晶表示手段327での演出図柄370の変動演出及びそれに伴う可動体動作、音声出力、電飾発光を開始させると共に、変動停止コマンドを受信したときに、停止図柄コマンドと変動パターンコマンドとに基づいて選択された停止図柄で演出図柄370の変動を停止させるようになっている。
図103〜図105は、演出図柄370の変動中に行われる枠可動体156、盤可動体371及び操作ハンドル234による可動体演出の一例を示している。図103(a)は所定のリーチ演出中の状態を示しており、液晶表示手段327には所定のキャラクタによるアニメーション画像が表示されている。このとき、枠可動体156、盤可動体371、操作ハンドル234は夫々の原点位置に保持されている。
そのリーチ演出中、遊技者による操作ハンドル234の操作を伴う操作演出が開始されると、図103(b),(c),図104(d)に示すように、液晶表示手段327には、操作ハンドル234の操作をすべき旨の操作誘導画像と共に例えば操作のタイミングを示唆する「3→2→1」等のカウントダウン画像が表示される。またこのとき、操作ハンドル234が例えば連続的に出退動作を繰り返した後、カウントダウンが終了する直前には原点位置に停止する。
そして、カウントダウン終了のタイミングに合わせて遊技者が操作ハンドル234を押し込むと、図104(e)に示すように液晶表示手段327が例えばブラックアウトした後、図104(f)に示すように盤可動体371が液晶表示手段327の前側で上昇移動を開始する。
盤可動体371は、真正面を向いた状態で上昇した後、上限位置に達する直前に前側に傾き始め、上限位置に達したときには図105(g)に示すように上側の枠可動体156と略同じ傾きとなる。盤可動体371が上限位置に達し、枠可動体156と盤可動体371とが特定相対位置関係になったとき、両可動体156,371は正面視において視覚的に一体化して「蝶」の形態を形成する。このとき、盤可動体371と枠可動体156との間には遊技領域15aが存在しているが、中央表示枠ユニット323は、その上部側の上構成部材323c等が透明に形成されており、その後側の盤可動体371を前側から視認可能となっているため、盤可動体371と枠可動体156との間が視覚的に分断されることがない。しかも、遊技領域15aの上部側に、遊技球が流入不可能な非流入領域353を内向き(下向き)凹入状に配置し、その前側に枠非可動体203を配置することによって盤可動体371と枠可動体156とを視覚的に連結しているため、盤可動体371と枠可動体156との視覚的一体感はより強固となる。
更に、盤可動体371が上限位置に達して「蝶」の形態が完成したとき、図105(g)に示すように、その「蝶」の形態を構成する枠可動体156、盤可動体371及び枠非可動体203に配置されたLEDが共通の発光態様で発光する。この共通の発光態様は、「蝶」の一体感を強調するものであればよいが、例えば「蝶」の外周に沿って配置されたLED194a,381a,205aを一斉に点灯(又は点滅)させることにより、「蝶」の形状を強調するようにしてもよい。
盤可動体371が上限位置に達して「蝶」の形態が完成した後は、例えば液晶表示手段327に所定の演出画像が表示され、操作ハンドル234は振動し、回転体185が回転を開始する。また図105(h)に示すように、枠可動体156は原点位置と前進位置との間で前後に往復動作し、それと同期して盤可動体371は例えば傾きが変化する範囲で上下に往復動作する。これにより、枠可動体156と盤可動体371とが一体化して「蝶」を形成していることをより強調することができる。
その後、図105(i)に示すように、LED194a,381a,205aの発光を停止すると共に、枠可動体156と盤可動体371は共に原点位置に復帰する。
エラー報知制御手段444は、エラー報知を制御するもので、例えば主制御基板415aからエラーコマンドを受信した場合に、液晶表示手段327による画像表示、スピーカ17等による音声出力、ランプ(電飾手段436)発光等によるエラー報知を所定期間実行するように構成されている。
本実施形態では、例えば前枠3等の開放が検出された場合の扉開放エラーに関し、音声、ランプ、液晶による各エラー報知の開始タイミングは全てエラー発生時(扉開放時)であるが、各エラー報知の終了タイミングは夫々異なっている。即ち、図106に示すように、液晶によるエラー報知はエラー解消時(扉閉鎖時)に終了し、ランプによるエラー報知はエラー終了後所定時間(例えば30秒)経過時に終了し、音声によるエラー報知は報知開始から所定時間経過時に終了するようになっている。
このように、扉開放エラーの場合の音声によるエラー報知については、エラー発生から所定時間経過後に終了するが、その音声による扉開放エラー報知継続時間については、性能表示手段435によるベース値の表示サイクルとの関係で次のように設定されている。
即ち、性能表示手段435では、複数種類のベース値を所定時間毎に循環的に表示するようになっているが、性能表示手段435に表示するベース値の種類数をN、ベース値毎の表示時間をT、音声による扉開放エラー報知継続時間をTesとすると、図106に示すように、Tes>T×(N−1)としている。例えばN=4、T=5とするとTes>15となる。
このように、音声による扉開放エラー報知継続時間TesをT×(N−1)よりも大きい例えば16秒に設定することにより、音声によるエラー報知を、全てのベース値表示期間に必ず跨がるように実行することができ、ゴト行為の発見及び抑止の面で有効である。なお、Tesをより長くして例えばTes>T×Nとすれば、全てのベース値がT(秒)ずつ表示される間は音声によるエラー報知を実行することができ、更にTes>T×(N+1)とすれば、性能表示手段435によるベース値の表示サイクル1回分の期間は必ず音声によるエラー報知を実行することができる。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機では、外部からの操作により非操作位置と操作上限位置との間で変化可能な回転操作部(第1操作手段)82と、回転操作部82を非操作位置に向けて付勢する戻しバネ(付勢手段)83と、外部から第1操作が可能な操作レバー(第2操作手段)92とを備え、発射手段16が、回転操作部82における非操作位置からの変位量に応じた発射強度で遊技球の発射動作を行うと共に、その変位量が特定閾値以下の状態で発射した遊技球は遊技領域15aに到達せず、特定閾値を超えた状態で発射した遊技球は遊技領域15aに到達し、操作レバー92に対して第1操作が行われた場合には発射手段16による発射動作を実行しないように構成し、回転操作部(第1操作手段)82が非操作位置にあるときに操作レバー(第2操作手段)92に対して第2操作が行われた場合に、その第2操作に伴って回転操作部82が操作上限位置側に変位すると共にその変位量が特定閾値以下となるように構成しているため、操作レバー92を操作することによって容易且つ確実にファール球を打ち出すことが可能である。
また、操作レバー92に対して第2操作が行われている間は、回転操作部82が非操作位置に戻ることなく保持されるようになっている。また回転操作部82が非操作位置にある状態では、操作レバー92に対する第1操作が禁止され、第2操作が許容されるようになっている。
また、枠可動体156と盤可動体371とが特定相対位置関係となったとき、枠可動体156と盤可動体371とが視覚的に一体化して「蝶」の形態(特定形態)を形成するように構成されている。このとき、その特定相対位置関係が成立する直前に枠可動体156と盤可動体371との少なくとも一方(ここでは盤可動体371)の傾きが変化することにより、特定相対位置関係において枠可動体156と盤可動体371との傾きが略同一となる。また、枠可動体156と盤可動体371とが特定相対位置関係となったとき、枠可動体156側のLED(第1発光体)と盤可動体371側のLED(第2発光体)とを共通の発光態様で発光させるようになっている。
また、遊技領域15aの所定箇所に、遊技球が流入不可能な非流入領域353を内向き凹入状に配置し、前枠3に配置され且つ枠可動体156,盤可動体371と視覚的に一体化して特定形態の一部を形成する枠非可動体203の少なくとも一部が非流入領域353の前側に位置するように構成されている。
また、遊技領域15a内に、左側の左流下経路341と、右側の右流下経路342と、遊技領域15aの上部側に流入した遊技球を右流下経路342に案内する右案内通路351とを設け、右案内通路351を非流入領域353の縁部に沿って配置している。また、右案内通路351を透明に形成し、盤可動体371が上限位置(盤側特定位置)にあるとき、盤可動体371の一部が右案内通路351の後側に位置するようになっている。また、右案内通路351の上流端側に返しゴム352を配置している。
また、アウト球検出手段414による検出に基づいて、特定期間中におけるアウト個数をカウントする通常アウトカウンタと、始動入賞検出手段345a,346aを含む入賞検出手段による検出に基づいて、特定期間中における各入賞手段への入賞個数(特定数)をカウントする入賞カウンタ(特定数カウンタ)と、通常アウトカウンタと入賞カウンタとによる各カウント値に基づいてベース値(特定値)を算出する特定値算出手段とを備え、特定期間は、少なくとも第1,第2特別図柄表示手段363,364による図柄変動の終了後に開始条件が満たされた場合に開始し、第1,第2特別図柄表示手段363,364による図柄変動の終了後に終了条件が満たされた場合に終了するように構成されており、特定期間中において、終了条件が満たされる前の最後の図柄変動の変動時間を、始動入賞検出手段345a,346aにより検出された遊技球がアウト球検出手段414により検出されるまでの経過時間に関する最大値(特定時間)よりも長くし、また開始条件が満たされる前の最後の図柄変動の変動時間を、始動入賞検出手段345a,346aにより検出された遊技球がアウト球検出手段414により検出されるまでの経過時間に関する最大値(特定時間)よりも長くしている。
また、特定期間中において、終了条件が満たされる前の最後の図柄変動における該図柄変動の終了前の所定期間を、始動入賞検出手段により検出された遊技球が、その後に前記アウト球検出手段により検出されるまでにかかる特定時間よりも短い時間に設定している。
また、特定期間中ではない非特定期間中において、開始条件が満たされる前の最後の図柄変動における該図柄変動の終了前の所定期間を、始動入賞検出手段により検出された遊技球が、その後に前記アウト球検出手段により検出されるまでにかかる特定時間よりも短い時間に設定している。
図107は本発明の第2の実施形態を例示し、第1の実施形態を一部変更して、枠可動体156に中間装飾体451を設け、その中間装飾体451を、遊技盤15側の非流入領域353の前側に配置した例を示している。
中間装飾体451は、例えば正面形状については第1の実施形態における枠非可動体203と略同一で、枠可動体156における装飾ユニット169の下側に突出状に配置されており、枠可動体156と一体的に動作するようになっている。
そして、枠可動体156が原点位置と前進位置との間の可動範囲内(枠側特定位置)にあるとき、中間装飾体451は上構成部材323cにおける非流入領域353の前側に位置し、正面視で右案内通路351とは重ならないようになっている。
このように、枠可動体156と一体に動作する中間装飾体451を非流入領域353の前側に配置してもよい。
図108は本発明の第3の実施形態を例示し、第1の実施形態を一部変更して、枠非可動体203を、正面視においては右案内通路351の前側に重なるが、遊技者の目の高さに対応する斜め上向きの視点では右案内通路351の前側に重ならないように配置した例を示している。
このように構成することで、枠非可動体203をより遊技領域15a側(ここでは下側)に張り出すように配置することができ、盤可動体371との視覚的一体感をより高めることが可能である。
なお、第2の実施形態についても第3の実施形態のように変更することが可能である。即ち、中間装飾体451を、正面視においては、例えば原点位置と前進位置との間の可動範囲内の少なくとも一部において右案内通路351の前側に重なるが、遊技者の目の高さに対応する斜め上向きの視点では右案内通路351の前側に重ならないように配置してもよい。
図109は本発明の第4の実施形態を例示し、大当たり開始インターバル、大当たり終了インターバルを、性能表示手段435によるベース値の表示サイクルとの関係で所定時間よりも長い時間に設定した例を示している。
大当たり開始インターバル中及び大当たり終了インターバル中は、図柄変動は行われず、大入賞手段347の開放も行われないため、ホール担当者等が遊技の邪魔にならないように性能表示手段435によるベース値を確認することが可能な数少ない期間であると言える。
そこで本実施形態では、性能表示手段435に表示するベース値の種類数をN、ベース値毎の表示時間をT、大当たり開始/終了インターバルの長さをTinとした場合に、例えばTin>T×(N−1)としている。例えばN=4、T=5とするとTin>15となる。このように、大当たり開始/終了インターバルの長さTinを15秒よりも長くすることで、大当たり開始/終了インターバルを全てのベース値表示期間に必ず跨がるように実行することができ、その大当たり開始/終了インターバル中に全種類のベース値を確認することが可能となる。
なお、Tinをより長くして例えばTin>T×Nとすれば、大当たり開始/終了インターバル中に全てのベース値が少なくともT(秒)ずつ表示され、またTinを更に長くして例えばTin>T×(N+1)とすれば、大当たり開始/終了インターバル中に性能表示手段435によるベース値の表示サイクルが少なくとも1回実行されるため、その大当たり開始/終了インターバル中におけるベース値の確認をより余裕を持って行うことが可能である。
なお、この第4の実施形態の場合、大当たり開始/終了インターバル中に、ベース値の確認が可能である旨のベース値確認可能報知を実行してもよい。このベース値確認可能報知は、例えば液晶表示手段327に「ベース値確認可能」等の文言を表示する他、「残り○○秒」等、大当たり開始/終了インターバル終了までの残り時間を例えばカウントダウン表示するようにしてもよい。また、大当たり開始インターバルと大当たり終了インターバルとの何れか一方のみを上記のような長さに設定してもよい。
図110及び図111は本発明の第5の実施形態を例示し、第2特別図柄始動手段346に入賞した遊技球を排出口412側に案内する案内樋452を配置した例を示している。また本実施形態では、集球ケース411における遊技球を案内するための形状についても説明する。
図110及び図111に示すように、集球ケース411は、裏装着ベース329の裏側下部に後側から被せた状態でベース板321の裏側に装着、固定されている。裏装着ベース329の底部前側には、左右方向に長い開口部453がベース板321の背面に沿って設けられている。
集球ケース411の底面は、その左右方向略中央の例えば前側に配置された排出口412側が低くなった複数の傾斜面で構成されており、排出口412とその周囲の傾斜面461〜465の一部が、集球ケース411の開口部453に対応してその下側に配置されている。
集球ケース411の底面には、排出口412の例えば左側に左第1傾斜面461が、更にその上流側(左側)に左第2傾斜面462が配置されており、また排出口412の例えば右側に右第1傾斜面463が、更にその上流側(右側)に右第2傾斜面464が配置され、また例えば排出口412の後側には中央傾斜面465が配置されている。
傾斜面461〜465は、全て前下がりの傾斜角を有しており、その前向きの傾斜角は例えば全て略同一(例えば3度)となっている。一方、排出口412の左右に配置された傾斜面461〜464は、排出口412側が低くなるように左右方向の傾斜角を有しているが、それら傾斜面461〜464の左右方向の傾斜角は同一ではなく一部異なっている。即ち、例えば排出口412の左側に配置された傾斜面461,462については、左右方向の傾斜角が略同一(例えば5度)となっているが、排出口412の右側に配置された傾斜面463,464については、下流側の右第1傾斜面463よりも上流側の右第2傾斜面464の方が左右方向の傾斜角が大(例えば右第1傾斜面463が4度、右第2傾斜面464が5度)となっている。また、排出口412を挟んでその左側の傾斜面461と右側の傾斜面463とでは左右方向の傾斜角が異なっている(例えば左第1傾斜面461が5度、右第1傾斜面463が4度)。
なお、排出口412の左右の傾斜面461,463の左右方向の傾斜角の関係は任意であり、例えば左側の傾斜面461の傾斜角よりも右側の傾斜面463の傾斜角を大きくしてもよい。また、排出口412を中心として入賞検出スイッチ(又は入賞手段)の多い側(本実施形態では右側)の傾斜角を少ない側(本実施形態では左側)の傾斜角よりも大きくしてもよい。これにより、遊技球の排出効率を高めることが可能である。また、傾斜面461,462の境界部分、及び傾斜面463,464の境界部分には夫々段差が形成されているが、段差は設けなくてもよい。
また、ベース板321の背面側には、第2特別図柄始動手段346に設けられた入賞検出手段346aの下側に対応して案内樋452が配置されている。案内樋452は、上流端側の流入口452aと、下流端側の流出口452bとを備え、例えば入賞検出手段346aの下側で入賞検出手段346aと左右方向位置が重なるように配置された入賞検出手段348aと、入賞検出手段346aよりも下側で入賞検出手段346aよりも排出口412側に配置された入賞検出手段347aとの間を通過するように略上下方向に配置されており、流入口452aが入賞検出手段346aの下流側に接続され、流出口452bが集球ケース411の底面における例えば右第2傾斜面464の上側近傍で例えば下向きに開口している。
案内樋452は、流入口452aよりも流出口452bの方が排出口412側に配置されると共に、流入口452aと流出口452bとの間に、遊技球を排出口412側に向けて案内する傾斜案内部452cが設けられており、その傾斜案内部の傾斜角は右第2傾斜面464等の傾斜角よりも大となっている。また案内樋452は、入賞検出手段346aの下側の入賞検出手段348aに対し、その近傍を避けて十分に排出口412寄りの位置を通過するように配置されている。第2特別図柄始動手段346に入賞し、入賞検出手段346aを通過した遊技球は、この案内樋452を通過することにより、例えば他の入賞手段等への衝突等を回避しつつより早く排出口412に到達できる。また、流出口452bから排出された遊技球が傾斜面464に着地するようになっているため、その遊技球を即座に排出口412側に案内することが可能である。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば実施形態では、アウト球検出手段414を各入賞検出手段やアウト口358よりも下流側に配置した例を示したが、アウト球検出手段を各入賞検出手段やアウト口358よりも上流側、例えば遊技領域15aの入口に配置し、戻り防止弁337を通過した遊技球を検出するように構成してもよい。この場合、アウト球検出手段を通過してから入賞検出手段又はアウト口を通過するまでの経過時間を「特定経過時間」とすれば、加算期間の終了前又は加算期間の開始前の最後の図柄変動における変動終了前の所定期間を、各入賞検出手段(大入賞手段347を除く)及びアウト口358に関する特定経過時間の最小値よりも短い時間(略同じ時間でもよい)に設定した図84〜図87の例をそのまま適用可能である。但しこの場合、図84〜図87に示す白抜き矢印と黒塗り矢印とについては、その始点がアウト球検出手段の通過タイミング、終点が入賞検出手段等の通過タイミングとなる。
特定経過時間の所定値は、最小値ではなく平均値、最大値等でもよい。また「特定経過時間の最小値(所定値)」については、全ての入賞手段等に関する特定経過時間の最小値(所定値)であってもよいし、特定の入賞手段等、例えば始動入賞手段に関する特定経過時間の最小値(所定値)であってもよい。
また実施形態では、加算期間の終了前又は加算期間の開始前の最後の図柄変動における変動終了前の所定期間を図柄確定期間+αとしたが、その所定期間を図柄確定期間のみとしてもよい。例えば図84,図85の場合、図柄確定の変動時間を、特定経過時間の最小値(ここではアウト口358に関する特定経過時間の最小値であるTe1)と同じかそれよりも短い時間に設定し、例えば大当たり図柄表示(揺れ変動)以降の変動時間を、特定経過時間の最大値(ここでは第2特別図柄始動手段346に関する特定経過時間の最大値であるTb2)と同じかそれよりも長い時間に設定してもよい。また図86の場合、図柄確定の変動時間を、特定経過時間の最小値(ここではアウト口358に関する特定経過時間の最小値であるTe1)と同じかそれよりも短い時間に設定し、例えばリザルト演出の結果表示期間以降の変動時間を、特定経過時間の最大値(ここでは第2特別図柄始動手段346に関する特定経過時間の最大値であるTb2)と同じかそれよりも長い時間に設定してもよい。また図87の場合、図柄確定の変動時間を、特定経過時間の最小値(ここではアウト口358に関する特定経過時間の最小値であるTe1)と同じかそれよりも短い時間に設定し、例えば通常画面以降の変動時間を、特定経過時間の最大値(ここでは第2特別図柄始動手段346に関する特定経過時間の最大値であるTb2)と同じかそれよりも長い時間に設定してもよい。
実施形態では、枠可動体156と盤可動体371とが近づいて特定相対位置関係になったときに盤可動体371の傾きが変化して枠可動体156の傾きと略同一となるように構成したが、枠可動体156の傾きを変化させるようにしてもよいし、枠可動体156と盤可動体371との両方の傾きを変化させるようにしてもよい。例えば、盤可動体371が上昇して枠可動体156に近づいたとき、枠可動体156の傾きが小さくなって盤可動体371と共に真正面を向くように構成してもよい。
実施形態では、枠可動体156は原点位置に止まったまま、盤可動体371が上限位置まで移動することによって「蝶」の形態を形成するように構成したが、盤可動体371が原点位置に止まったまま、枠可動体156が所定位置まで移動することによって特定形態を形成するように構成してもよい。また、枠可動体156と盤可動体371とが共に原点位置以外の位置まで移動することによって特定形態を形成するように構成してもよい。
枠可動体156と盤可動体371とが互いに離間し、特定形態を形成していないとき、例えば盤可動体371が変形して、「蝶」(特定形態)とは別の形態を形成するように構成してもよい。枠可動体156についても同様である。
実施形態では、1つの枠可動体156と1つの盤可動体371とで1つの特定形態(蝶)を形成するように構成したが、特定形態を形成する枠可動体と盤可動体との少なくとも一方を複数設けてもよい。例えば、視認窓24の左右両側に一対の枠可動体を配置し、盤可動体が液晶表示手段327の中央まで移動したとき、その盤可動体と左右一対の枠可動体とで特定形態を形成するようにしてもよい。
盤可動体及び枠可動体を利用した可動体演出に関して、可動体演出後に待機位置(原点位置)に復帰する順番は、まず枠可動体を待機位置に復帰させ、その後、盤可動体を待機位置に復帰させるようにしてもよい。枠可動体は遊技者が直接手で触れることができる構成となっているため、動作中の枠可動体を手で止めたり、可動部に物を挟んだりなど、枠可動体が不具合を招くリスクは盤可動体に比べて高い。そのため、可動体演出の終了、すなわち待機位置への移動もできるだけ迅速に行うことが望ましいので、盤可動体よりも先に枠可動体を待機位置に移動させるようにしてもよい。
また、逆に盤可動体を枠可動体よりも先に待機位置に移動させるような構成としてもよい。盤可動体は液晶前側に位置するため、盤可動体の動作によって液晶の表示を隠してしまう恐れがある。即ち、盤可動体が待機位置への移動を完了するまでは、液晶表示の内容が制限されてしまうことになるため、その制限をできるだけ迅速に解消するために、まずは盤可動体を待機位置へ移動させた後に、枠可動体を待機位置へと移動させるようにしてもよい。
また、盤可動体と枠可動体を略同時又は同期/同時期に待機位置へと移動させるようにしてもよい。この場合、同時駆動を行うので一時的に遊技機が使用する電流値が高くなってしまうが、それに対応可能な電源を用意している場合には、同時駆動により待機位置へと移動させるようにしてもよい。また、同時駆動による電流値を抑えるために、例えば待機位置へと移動する際の枠可動体や盤可動体に搭載されたLED及び/又はその他のLEDに関しては消灯態様とするように構成してもよい。
盤可動体と枠可動体が演出位置から待機位置(原点位置)へと移動するよりも前に液晶演出を開始するようにしてもよい。この場合、例えば図105(h)に示すように、今回当選した図柄を表示するようにしてもよい。また、可動体演出前に実行していた当落演出の続きを実行するようにしてもよい。
遊技者が操作可能な操作手段などに振動演出を行う振動手段を備えている場合、枠可動体と盤可動体が一体的な形態(意匠)を形成している際に、振動演出を実行するようにしてもよい。また、その後、枠可動体や盤可動体が待機位置に戻るまでに振動演出を実行するようにしてもよい。しかしながら、操作手段などの枠側の遊技部品に振動手段を備えている場合には、振動演出によって枠全体に振動が伝わってしまうため、その振動が枠可動体の動作に影響を及ぼしてしまう可能性があるため、少なくとも枠可動体の動作時には振動演出を実行しないようにしてもよい。例えば、枠可動体と盤可動体が一体的な形態(意匠)を形成した際、枠可動体を演出位置で停止させておいて、その間に振動演出を実行し、演出位置から待機位置へと移動する際には振動演出を終了させるようにしてもよい。また、待機位置へ移動した後に再度振動演出を実行するようにしてもよい。このように構成することで、枠可動体の動作が振動演出により影響を受けるリスクを少なくすることができる。
枠可動体と盤可動体とをそれぞれ個別に動作させる動作パターンを有してもよい。そして、枠可動体と盤可動体を動作させて一体的な形態(意匠)を形成する特定動作パターンと、枠可動体のみを動作させる枠動作パターンと、盤可動体のみを動作させる盤動作パターンとをそれぞれ演出内容に応じて使い分けるように構成してもよい。例えば、当たり変動のリーチ最終の当落を報知する当落演出において、特定動作パターンを実行するようにし、当たりの場合には枠可動体と盤可動体とが一体的な形態(意匠)を形成する様にすることで、可動体演出の演出効果を高めるようにしてもよい。
また、当たり変動又は外れ変動において、当該変動の大当り期待度を報知するための予告として可動体を動作させる可動体予告を実行するようにしてもよく、この場合には、枠動作パターンまたは盤動作パターンを実行し、可動体予告においては特定動作パターンを使用しないように構成してもよい。これにより、頻繁に実行される外れ変動や当たり変動の当落演出前においては、盤動作パターン及び/又は枠動作パターンしか実行されないので、特定動作パターンが実行された際の高揚感やインパクトを相対的により高めることができる。
通常遊技状態に比べて、遊技者に有利な大当り状態、時短状態、潜確状態、確変状態、などにおいて、枠可動体と盤可動体を動作させて一体的な形態(意匠)を形成した状態を維持するようにしてもよい。これにより、遊技者が有利な遊技状態に滞在している間は、盤枠の可動体で一体的な形態を形成しているので、遊技している遊技者は勿論、非遊技中でホールを巡回している遊技者などに対しても、遊技機全体を利用した一体的な可動体演出を魅せることが可能となる。また、このように構成する場合、遊技中に実行される変動演出に応じたランプ演出も盤/枠可動体が一体となっていることを意識したランプパターンとなっていることが望ましく、例えば、盤/枠可動体が非一体となっている通常遊技状態では、それぞれが独立したランプパターンを実行するのに対して、盤/枠可動体が一体となっている遊技状態においては、それぞれがより一体的に見えるようなランプパターンにより発光演出を実行するように構成することが望ましい。
電源投入時に行う可動体のイニシャライズに関して、変動中に使用する可動体の動作パターンとして、特定動作パターンと枠動作パターンと盤動作パターンとがある場合には、全ての動作パターンについてイニシャライズを行うようにしてもよい。この場合、盤動作パターン及び/又は枠動作パターンを実行した後、特定動作パターンを実行するように構成してもよい。その際、盤動作パターンまたは枠動作パターンが正常に動作を実行できないような場合には、特定動作パターンについては実行しないように構成してもよい。また、イニシャライズに関しては特定動作パターンのみを行うようにするか、盤動作パターン及び枠動作パターンのみを行うように構成してもよい。この場合、どちらを選択したとしても、盤枠それぞれの可動体の動作チェックを実行することは可能なので、全ての動作パターンを実行するに比して、イニシャライズに要する時間を少なくすることが可能となる。
盤可動体の待機位置を、正面視で枠可動体の後側となるように配置するようにしてもよい。このような構成とすることで、正面視で盤可動体が枠可動体に隠蔽されるような配置となり、盤可動体は遊技者の死角となる位置で待機することとなる。これにより、可動体演出時には、盤可動体が枠可動体の後側から遊技者の視認可能な領域に突如出現するような構成とすることができ、遊技者に驚きを与えることができるとともに、出現した盤可動体と枠可動体とが一体的な形態(意匠)を形成することで、よりインパクトのある可動体演出を実行することが可能となる。また、盤可動体の待機位置を、正面視で枠可動体の後側となるように配置する場合、盤可動体の全てが正面視で枠可動体の後側となるように配置してもよいし、盤可動体の一部が正面視で枠可動体の後側となるように配置してもよい。また、盤可動体の待機位置は、正面視で遊技者の死角と成り得る位置でもよく、例えば枠可動体が位置する上部と同じ方向で、遊技盤や遊技部品の後側に位置するように配置されていてもよい。また枠可動体が上部ではなく、左右側部や下部に配置されている場合には、それぞれ同方向であればよい。
枠可動体と遊技盤面(遊技領域)のデザインとで一体的な意匠を形成するようにしてもよい。また、枠可動体と遊技盤面のデザインと盤可動体とで一体的な形態(意匠)を形成するようにしてもよい。これにより、枠可動体の動作時に、盤枠全体でより一体的な意匠を形成できる。また、遊技盤面のデザインとは、遊技盤に描画されたものでもいいし、シール状のデザインでもよいし、遊技盤に取付けられた遊技部品に施されたデザイン(形状、描画、シールなど)でもよい。
枠可動体と盤可動体との動作方向を共通の方向とすることで、可動体演出時に一体的な可動体移動演出を実行するように構成してもよい。例えば、可動体演出時に、盤可動体が下側から上側に向けて移動を開始し、上側に移動を完了した際に、枠可動体が遊技機の上側に向けて動作するような構成とすることで、盤/枠可動体を利用したより一体的な動作による可動体演出を実行することが可能となる。また、可動体演出の終了時には、まず枠可動体が下側に向けて動作を開始し、待機位置に移動を完了した際に、盤可動体を上側から下側に移動させ、待機位置に戻すようにしてもよい。このように、可動体演出の開始から終了にかけて、より一体的な盤枠可動体演出を実行するようにしてもよい。
盤可動体と枠可動体とを動作させることで、一体的な形態(意匠)を形成することとしたが、一体的な形態を形成するパターンは1種類でもいいし、複数種類あってもよい。すなわち、盤可動体と枠可動体とが動作することで、第1一体意匠を形成し、その後さらに盤可動体及び/又は枠可動体が動作することで、第1一体意匠とは異なる第2一体意匠を形成するように構成してもよい。また、第2一体意匠とは第1一体意匠と異なっていればよく、例えば第1一体意匠とは全く異なるキャラクタや意匠を形成するものであってもよいし、第1一体意匠が変形することで何かしらの特定動作を行っている様に見える第2一体意匠を形成する様にしてもよい。また、第2一体意匠は第1一体意匠を形成した後に形成されるものに限らず、第1特定動作パターンが実行された場合には第1一体意匠が形成され、第2特定動作パターンが実行された場合には第2一体意匠が形成されるように構成してもよい。また、第1一体意匠が形成された場合と、第2一体意匠が形成された場合とで、当たりとなる信頼度が異なるように構成してもよい。
枠可動体及び盤可動体を複数備え、それぞれを組み合わせることで一体意匠を形成するような構成としてもよい。第1枠可動体と第1盤可動体とを動作させることで、第1一体意匠を形成し、第2枠可動体と第2盤可動体とを動作させることで、第2一体意匠を形成し、第1枠可動体と第2盤可動体とを動作させることで、第3一体意匠を形成し、第2枠可動体と第1盤可動体とを動作させることで、第4一体意匠を形成するような構成としてもよい。また、第1枠可動体、第2枠可動体、第1盤可動体、第2盤可動体を動作させることで、第5一体意匠を形成する構成としてもよい。
枠可動体を動作させずに、盤可動体を所定位置へと動作させることにより、一体的な意匠を形成する様にしてもよい。また、盤可動体を動作させずに、枠可動体を所定位置へと動作させることにより、一体的な意匠を形成する様にしてもよい。枠可動体と盤可動体と遊技盤面のデザインとで一体的な意匠を形成する場合に、枠可動体を動作させることで遊技盤面のデザインとの第1一体意匠を形成し、盤可動体を動作させることで遊技盤面のデザインとの第2一体意匠を形成する様にしてもよい。また、枠可動体と盤可動体を動作させ、遊技盤面のデザインとで第3一体意匠を形成する様にしてもよい。この場合、第1一体意匠が形成される場合と、第2一体意匠が形成される場合と、第3一体意匠が形成される場合とで、大当りの信頼度が異なるように構成してもよい。
枠可動体と複数の盤可動体とを有する場合に、少なくとも第1盤可動体の動作又は第1盤可動体及び第2盤可動体の動作により、第1盤可動体と第2盤可動体とで第1一体意匠を形成し、少なくとも第1盤可動体の動作により、第1盤可動体と枠可動体とで第2一体意匠を形成する様にしてもよい。また、少なくとも第2盤可動体の動作により、第2盤可動体と枠可動体とで第3一体意匠を形成する様にしてもよい。このように、複数の盤可動体が動作することで形成される第1一体意匠と、複数の盤可動体のうち少なくとも1つが動作することにより、盤可動体と枠可動体とで形成される第2一体意匠とを有する構成とすることで、可動体演出をよりインパクトのあるものとすることができる。またこの場合、盤可動体のみで形成される一体意匠と、盤可動体と枠可動体とで形成される一体意匠とで、それぞれが出現した場合の大当りとなる信頼度を異ならせるようにしてもよい。また、より遊技者に対してインパクトを与えることのできる盤可動体と枠可動体とで形成される一体意匠が出現した場合の方が大当りとなる信頼度が高くなるように構成することが望ましい。
遊技盤15の前側の発射案内通路336については、例えばその上流端側(発射手段側)の一部分を、前扉4に隠れて(即ち視認窓24の外側に外れて)前側から内部の遊技球を視認できない隠蔽通路部としてもよい。このとき、操作レバー92を第2位置から第1位置まで操作(第2操作)することによって意識的にファール球を発生させる場合、発射した遊技球が隠蔽通路部で戻ってくる発射強度に設定してもよい。或いは、発射した遊技球が隠蔽通路部を通過して戻ってくる発射強度に設定してもよい。
例えば設定確認に関するセキュリティ信号の出力期間については、設定確認処理中と設定確認処理後との何れか一方であってもよいし、それらの両方であってもよい。また、設定確認に関するセキュリティ信号の出力時間(所定時間)は、例えば50ms程度の短時間から30000ms或いはそれ以上の長時間までを任意に設定可能である。設定確認処理中と設定確認処理後とで異なるセキュリティ信号を出力するようにしてもよい。実施形態では設定確認処理の開始時に不正情報タイマに初期値を設定するように構成したが、設定確認処理の実行を示すフラグをセットするようにしてもよい。
実施形態では、設定変更中、設定確認中における性能情報表示手段433のダイナミック点灯制御において、点灯時(4ms)の間だけコモンデータを指定し、消灯時(12ms)の間はコモンデータを指定しない(クリアする)ように構成したが、遊技中に性能情報表示手段433にベース値を表示する場合と同様、4ms毎にコモンデータを切り替えるように構成してもよい。その場合、点灯時(4ms)の間は点灯用データを指定し、消灯時(12ms)の間は、消灯用データに切り替えて点灯制御することが望ましい。
また実施形態では、ダイナミック点灯を行うためのプログラムをモジュール化して、設定変更中と設定確認中とで共通のサブモジュールを呼び出すこととしたが、これに限らず、遊技中に性能情報表示手段433にベース値を表示する際に使用する点灯用モジュールを呼び出すように構成してもよい。
実施形態では、性能表示手段435の一部を設定表示手段434として使用するように構成したが、性能表示手段435の全部を設定表示手段434として使用してもよいし、設定表示手段434と性能表示手段435とを別々に設けてもよい。
実施形態では、性能表示手段435の動作確認表示中に領域外RAMに異常が生じて領域外RAMがクリアされた場合でも、動作確認表示は継続して実行するように構成した例を示したが、動作確認表示中に領域外RAMに異常が生じて領域外RAMがクリアされた場合には性能表示手段435の動作確認表示を中断するように構成してもよい。
この場合の第1の構成としては、例えば実施形態を一部変更し、動作確認タイマを領域内RAMではなく、点滅周期タイマ等と同じく領域外RAMに記憶することが考えられる。これにより、領域外RAMに異常が生じた場合(図80のS71:Yes)、領域外RAMが初期化(クリア)されることにより(S72)、動作確認タイマは0となるため、それが動作確認表示中であった場合には動作確認表示はその時点で中断し、以後再開されることはない。
この第1の構成を更に変更し、例えば領域外RAMに異常が生じて領域外RAMが初期化(クリア)された場合には、動作確認タイマに初期値をセットするように構成してもよい。これにより、動作確認表示を再度最初から実行することができる。このとき、領域外RAMが初期化されたタイミングが動作確認表示中であった場合に限り、動作確認タイマに初期値をセットするように構成してもよい。これにより、動作確認表示の終了後に領域外RAMに異常が生じた場合に再度動作確認表示が行われることを防止できる。逆に、領域外RAMが初期化されたタイミングに拘わらず動作確認タイマに初期値をセットするように構成すれば、動作確認表示の終了後に領域外RAMに異常が生じた場合には再度動作確認表示が行われる。なお、領域外RAMに異常が生じて領域外RAMが初期化(クリア)された場合には、動作確認タイマに初期値をセットするだけでなく、点滅周期タイマ、点灯・消灯切替カウンタ、表示内容ポインタ等についても初期値をセットするように構成してもよい。実施形態の表示更新処理(図93)の場合、S121で動作確認タイマの値が4800msに対応する1200の場合に、点滅周期タイマ等に初期値をセットするS122が実行されるため、例えば動作確認タイマに初期値として4800msに対応するタイマ値に1を加算した値、具体的には1201をセットすれば、点滅周期タイマ等にも初期値をセットすることができるが、例えば動作確認タイマにそれ以外の値、例えば4800msに対応するタイマ値である1200をセットすれば、S122は実行されないため、点滅周期タイマ等には初期値はセットされない。
また、領域外RAMがクリアされた場合に動作確認表示を中断する第2の構成としては、例えば実施形態を一部変更し、領域外RAMに異常が生じて領域外RAMがクリアされた場合、領域内RAMに記憶された動作確認タイマをクリアすることが考えられる。これにより、領域外RAMの異常により動作確認表示中に領域外RAMがクリアされた場合、動作確認タイマもクリアされて0となるため、動作確認表示はその時点で中断し、以後再開されることはない。
また、領域外RAMがクリアされた場合に動作確認表示を中断する第3の構成としては、例えば実施形態を一部変更し、領域外RAMに異常が生じて領域外RAMがクリアされた場合、領域内RAMに記憶された動作確認タイマに初期値をセットすることが考えられる。これにより、領域外RAMの異常により動作確認表示中に領域外RAMがクリアされた場合、動作確認表示を再度最初から実行することができる。このとき、領域外RAMが初期化されたタイミングが動作確認表示中であった場合に限り、動作確認タイマに初期値をセットするように構成してもよい。これにより、動作確認表示の終了後に領域外RAMに異常が生じた場合に再度動作確認表示が行われることを防止できる。逆に、領域外RAMが初期化されたタイミングに拘わらず動作確認タイマに初期値をセットするように構成すれば、動作確認表示の終了後に領域外RAMに異常が生じた場合には再度動作確認表示が行われる。なお、領域外RAMに異常が生じて領域外RAMが初期化(クリア)された場合には、動作確認タイマに初期値をセットするだけでなく、点滅周期タイマ、点灯・消灯切替カウンタ、表示内容ポインタ等についても初期値をセットするように構成してもよい。実施形態の表示更新処理(図93)の場合、S121で動作確認タイマの値が4800msに対応する1200の場合に、点滅周期タイマ等に初期値をセットするS122が実行されるため、例えば動作確認タイマに初期値として4800msに対応するタイマ値に1を加算した値、具体的には1201をセットすれば、点滅周期タイマ等にも初期値をセットすることができるが、例えば動作確認タイマにそれ以外の値、例えば4800msに対応するタイマ値である1200をセットすれば、S122は実行されないため、点滅周期タイマ等には初期値はセットされない。
性能表示手段435の動作確認表示の態様については、7セグ表示部を全て同時に点滅させる全点滅に限られるものではなく、複数の7セグ表示部を順番に点滅させる順次点滅等でもよい。
設定変更機能に関連する設定変更機能部(RAMクリアスイッチ431、設定変更操作手段432、設定表示手段434等)のうち、RAMクリアスイッチ431、設定変更操作手段432については外側から操作できるように主基板ケース415の外側(後側)に露出させておく必要があるが、設定表示手段434については外側から表示内容を視認できればよいため、主基板ケース415内に収容しておくことが望ましい。これにより、少なくとも設定表示手段434へのアクセスが困難となるため、例えば遊技者に有利な設定値に不正に変更しつつ、設定表示手段434には遊技者に不利な設定値を表示させておくようなゴト行為を防止できる。
設定変更機能は、大当たり確率を変更するものであるため、ゴト行為の痕跡を容易に発見できるようにしておくことが重要である。そこで、各設定変更機能部に接続される電子部品(例えば、主制御CPU→電子部品1→電子部品2→設定変更機能部の順に接続されている場合には、電子部品1と電子部品2の少なくとも一方)については、主基板ケース415の管理番号表記部や開封履歴表記部等と前後に重ならない位置に配置することが望ましい。これにより、遊技機本体1の後方から主基板ケース415を視認した際(主基板ケース415の背面部分を通して主制御基板415aを視認した際)に、各設定変更機能部に接続される電子部品を容易に確認できる。また、管理番号表記部や開封履歴表記部に限らず、例えば設定可能な設定値の段階数(設定1〜6等)や設定毎の大当たり確率を表記したシールを主基板ケース415に貼付する場合にも同様の構成とすることが望ましい。
また、各設定変更機能部に接続される電子部品に限らず、例えばベース値を表示する性能表示手段435に接続されている電子部品(物理的に接続されているものに限らず、例えば主制御CPU→電子部品1→電子部品2→性能表示手段435の順に接続されている場合には、電子部品1と電子部品2の両方を含む)についても、同様の構成としておくことが望ましい。これにより、電子部品に対する何らかの不正により累計遊技におけるベース値を書き換えたりリセットするようなゴト行為が行われたとしても、その痕跡の発見が容易となる。
主基板ケース415に設けた各設定変更機能部の後側に位置するように開閉カバー418を配置してもよい。これにより、開閉カバー418を開放しない限り各設定変更機能部にアクセスできないため、ゴト行為の抑制という面では有利である。また、開閉カバー418が主基板ケース415の後側に位置する構成を採用しつつ、各設定変更機能部と開閉カバー418とが前後に重ならないように、開閉カバー418の一部に開口部、切欠部等を設けてもよい。これにより、主基板ケース415の一部は開閉カバー418と前後関係にあるので、開閉カバー418を開放しない限り主基板ケース415を容易には取り外せないようにすることができ、ゴト行為を抑制することができると共に、ホール関係者が設定変更を行うために各設定変更機能部にアクセスする際には開閉カバー418を開放する必要がなく、設定変更を容易に行うことができる。ホール関係者が設定変更を行う際のアクセスのし易さだけを考慮するならば、開閉カバー418が主基板ケース415の後側には位置しないような構成としてもよい。
また、各設定変更機能部のうち、一部の機能部については開閉カバー418と前後に重ならない位置に配置し、その他の機能部については開閉カバー418と前後に重なる位置に配置してもよい。例えば、各設定変更機能部のうち、設定表示手段434(性能情報表示手段433)については開閉カバー418と前後に重なる位置に配置し、その他の設定変更操作手段432、RAMクリアスイッチ431等については開閉カバー418と前後に重ならない位置に配置してもよい。これにより、設定表示手段434についてはアクセスし難いため、設定情報の表示を変更するゴト行為を抑制できると共に、設定変更操作手段432、RAMクリアスイッチ431等については開閉カバー418を開放することなくアクセスできるため、設定変更を容易に行うことができる。
また、実施形態のように設定キーを鍵穴部に差し込んでON/OFF操作を行う設定変更操作手段432の場合、その鍵穴部を開閉カバー418と前後に重なる位置に配置してもよい。またこの場合、鍵穴部に設定キーを挿した状態では開閉カバー418を閉鎖することができない構成としてもよい。例えば、開閉カバー418を閉鎖した状態での鍵穴部とその後側の開閉カバー418との間の隙間を、鍵穴部に挿した状態での設定キーの突出高さよりも小さくしておくことが考えられる。これにより、設定変更や設定確認を行った後の設定キーの抜き忘れを防止することが可能である。逆に、設定キーを挿した状態でも、開閉カバー418を閉鎖することができる構成としてもよい。これにより、設定変更や設定確認を行った後、設定キーを挿しっぱなしの状態で開閉カバー418を閉鎖したとしても、設定キーとの当接により開閉カバー418や設定キーが損傷することを防止できる。
また、設定変更操作手段432の鍵穴部を開閉カバー418と前後に重ならない位置に配置することにより、設定キーを挿した状態でも開閉カバー418を閉鎖することができる構成としてもよい。この場合、開閉カバー418を閉鎖した状態で、鍵穴部に挿した設定キーの頭部が開閉カバー418よりも後側に突出するように構成してもよい。これにより、設定変更や設定確認を行った後、設定キーを挿しっぱなしの状態で開閉カバー418を閉鎖した場合に、開閉カバー418から設定キーが突出するため、設定キーの抜き忘れに気付きやすいという利点がある。
各設定変更機能部のうち、開閉カバー418と前後に重なる位置に配置するものと、開閉カバー418と前後に重ならない位置に配置するものの組み合わせは任意である。なお、設定表示手段434(性能情報表示手段433)を開閉カバー418と前後に重なる位置に配置する場合には、開閉カバー418における少なくとも設定表示手段434の後側に対応する部分については、開閉カバー418を閉鎖した状態でも設定値を視認できるよう、光透過性とすることが望ましい。また、開閉カバー418に設けられた放熱孔を、設定表示手段434と前後に重なる位置に配置してもよい。これにより、設定値を確認する際の視認性が高くなる。また、各設定変更機能部のうち、開閉カバー418の放熱孔と前後に重なる位置に配置するものと、開閉カバー418の放熱孔と前後に重ならない位置に配置するものの組み合わせは任意である(全て重なる位置でもよいし、全て重ならない位置でもよい)。
設定変更開始コマンド(BA76H)、設定変更終了コマンド(BA77H)、設定確認開始コマンド(BA60H)等の設定変更機能に関するコマンド(以下、設定情報コマンドという)を主制御基板415aからサブ基板へ送信するためのハーネス(以下、特定ハーネスという)については、開閉カバー418と前後に重なる位置に配線することが望ましい。開閉カバー418に複数の放熱孔がある場合には、特定ハーネスについては、放熱孔を避けた位置に配線することが望ましい。また、ここでいう「ハーネス」は、両端のコネクタ同士を繋ぐ複数本の信号線により構成されるが、上述のように開閉カバー418と前後に重なる位置に配線したり、開閉カバー418の放熱孔を避けて配線したりするのは、複数本の信号線のうち少なくとも設定情報コマンドが送信される信号線を含んでいればよい。これにより、遊技機後側から特定ハーネスへアクセスすることが困難となり、例えば特定ハーネスや特定ハーネスの信号線を挿脱して不正な電子部品を仕込むことにより本来の設定情報コマンドとは異なる情報を不正にサブ基板へ送信するようなゴト行為を抑制できる。
また特定ハーネスを、開閉カバー418と前後に重ならない位置に配線したり、開閉カバー418の放熱孔と前後に重なる位置に配線してもよい。これにより、遊技機後側からの特定ハーネスへのアクセスが容易になるとともに、特定ハーネスの遊技機後側からの視認性が高くなり、目視による確認を容易に行うことができる。また、特定ハーネスについては、複数の信号線の周りをビニール性等の特定部材などで覆うことで、アクセスを困難にしてもよい。またその場合であっても、前述した配置を採用することでより強固に不正行為を防止することができる。
実施形態では、設定表示手段434に表示する設定情報に「.(ドット)」を付加するか否かで、その設定情報が確定前のものか確定後のものであるかを識別可能としたが、例えば性能情報表示手段433を構成する7セグ表示部433a〜433dのうち、設定表示手段434として利用していない7セグ表示部433b〜433dの表示態様の違いによってその設定情報が確定前のものか確定後のものであるかを報知するようにしてもよい。
実施形態では、設定変更中や設定確認中であることを、サブ基板側で制御する電飾手段436、スピーカ17等、液晶表示手段327等により報知するように構成したが、主制御基板415a側で制御する盤ランプや設定表示手段434により報知するようにしてもよい。ここで、サブ基板側で制御する電飾手段436とは、例えば遊技機の枠側に搭載されている可動体、操作手段、その他装飾部に設けられているLEDや、遊技機の遊技盤側に搭載されている可動体、始動口、アタッカー、センターケースなどの各種遊技部品に設けられているLEDのことである。一方、主制御基板415a側で制御する盤ランプとは、遊技機正面から視認可能となるように遊技盤15に設けられた遊技情報表示手段326(図53)等である。
遊技情報表示手段326は、主制御基板415a側で決定する図柄抽選に関する様々な事項について、サブ制御基板を介さずに、主制御基板415aから直接信号を受けて、その内容を複数種類の発光表示手段により報知するようになっている。なお実施形態では、遊技情報表示手段326により構成される複数種類の発光表示手段として、普通図柄表示手段361、第1,第2特別図柄表示手段363,364、第1,第2特別保留個数表示手段365,366、普通保留個数表示手段362、変動短縮報知手段367、右打ち報知手段368、ラウンド数報知手段369を例示したが、もちろんそれらに限られるものではない。
そして、設定変更中及び/又は設定確認中に、遊技情報表示手段326を構成するLED360を所定の発光態様で発光させることにより、設定変更中及び/又は設定確認中であることを報知するように構成してもよい。この場合の遊技情報表示手段326の発光態様は、そのLED360の全てを点灯、点滅等させるものでもよいし、上述した複数種類の発光表示手段のうちの一部を点灯、点滅等させるものでもよい。またこのとき、設定変更中と設定確認中とで発光態様を異ならせることで設定変更中であるか設定確認中であるかを識別可能としてもよいし、逆に設定変更中と設定確認中とで発光態様を同じにすることで設定変更中と設定確認中との何れであるかについては識別できないようにしてもよい。
また実施形態の場合、設定変更中や設定確認中は遊技が出来ない状態(具体的には、発射操作が不可能であったり、始動入賞口への入賞が無効であったり、図柄変動に係る処理を実行しない状態などであり、要するに主制御のプログラムとしてこれらの処理を行うためのタイマ割込み処理を未だ開始していない状態)であって、遊技情報表示手段326の各発光表示手段についても本来の発光表示を行うことができない。従って、設定変更中及び/又は設定確認中に、その旨を報知するべく遊技情報表示手段326をどのような発光態様で発光させても、それが図柄変動に関する報知であるとホール関係者が誤認してしまう可能性は低いが、設定変更中及び/又は設定確認中に遊技情報表示手段326を以下のように発光させることでより効果的な報知が可能である。
即ち、遊技情報表示手段326の発光表示手段の全部を点灯/消灯/点滅等させることにより設定変更中や設定確認中であることを報知する場合には、多くのLED360により視覚的に発光態様を確認し易くすることができる。また、特定単数の発光表示手段のみで報知する場合には、その発光表示手段の発光部が故障していた場合などは報知不可能となるが、全部の発光表示手段を使用して報知する場合にはその心配はない。
また、遊技情報表示手段326の複数種類の発光表示手段のうち、いずれか1つの発光表示手段を点灯/消灯/点滅等させることにより設定変更中や設定確認中であることを報知する場合には、全部の発光表示手段を使用して報知する場合に比べて発光制御のためのプログラム容量を少なくすることができる。またその場合、発光表示手段が単数の発光部(LED360)により構成されている場合には、複数の発光部により構成されている場合に比べて視認性は低下するが、主制御から点灯/消灯/点滅を示す制御信号を送信するプログラム容量を更に少なくすることができる。
また、遊技情報表示手段326の複数種類の発光表示手段のうち、少なくとも2以上を組み合わせて点灯/消灯/点滅等させることにより、設定変更中や設定確認中であることを報知する場合には、現在の状況が遊技中ではなく設定変更中或いは設定確認中であると認識させ易くすることができる。例えば、実施形態のように第2特別図柄が第1特別図柄に優先して変動表示されるパチンコ機の場合には、遊技中であれば第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動することはないため、設定変更中や設定確認中にそれら第1特別図柄と第2特別図柄とに対応する発光表示手段(第1,第2特別図柄表示手段363,364)を同時に点灯等させることで、設定変更中或いは設定確認中であると認識させ易くすることができる。もちろんその他の2以上の発光表示手段により、遊技中には起こり得ない発光態様で設定変更中や設定確認中であることを報知するようにしてもよい。
また、遊技情報表示手段326の少なくとも1つの発光表示手段を、遊技中ではあり得ない発光態様で点灯/消灯/点滅等させることにより、設定変更中や設定確認中であることを報知してもよい。例えば、ラウンド数報知手段369が、遊技中は点滅状態で表示することがない場合に、このラウンド数報知手段369を点滅させることにより設定変更中や設定確認中であることを報知してもよい。
ここで、遊技情報表示手段326の発光表示手段の発光態様として、点灯/消灯/点滅等と説明したが、この場合の点灯、点滅とは、視覚的にそのように認識されるものをいうものとする。即ち、実施形態のようにダイナミック点灯方式により遊技情報表示手段326を制御する場合、点灯状態であっても実際には高速の点滅状態であるが、これは点灯状態とする。点滅状態とは、視覚的に点灯状態(高速の点滅)と消灯状態(消灯)とを所定間隔で繰り返す場合をいう。
また、遊技中に遊技情報表示手段326の発光表示手段を制御する場合にはダイナミック点灯方式とし、設定変更中や設定確認中に遊技情報表示手段326の発光表示手段を制御する場合にはスタティック点灯方式としてもよい。例えば、遊技中は4msのタイマ割込み処理の発生を許可しているため、4ms毎に繰り返し行われる処理を利用して、毎割込み毎に遊技情報表示手段326の発光表示手段のいずれの発光部に点灯に関するデータを送信するかを決定するコモンデータを切り替えることができ、これにより割込み毎に所定間隔で点灯/消灯を繰り返して行うダイナミック点灯制御を行うことが容易である一方、設定変更中や設定確認中は遊技が可能な状態となる前であり、この期間では未だ4msのタイマ割込み処理の発生を許可していないため、同様の処理を実行しようとした場合にはそれを実現するために必要なプログラム容量が大きくなってしまう。その点、設定変更中や設定確認中は遊技情報表示手段326の制御をスタティック点灯方式とすれば、遊技情報表示手段326の発光表示手段のうち、何れかの発光部に対して点灯に関するデータを送信するだけでいいので、ダイナミック点灯制御の場合よりも圧倒的にプログラム容量を少なくすることが可能である。このように、遊技中と設定変更中及び/又は設定確認中とで、遊技情報表示手段326の点灯制御方式を異ならせてもよい。
また、遊技情報表示手段326に、設定変更中及び/又は設定確認中であることを報知するための発光表示手段を、遊技中に使用する発光表示手段とは別に設けてもよい。この場合、設定変更中であることを報知する発光表示手段と、設定確認中であることを報知する発光表示手段とを別に設けてもよい。1種類の発光表示手段(1又は複数個の発光部)で設定変更中と設定確認中とを報知する場合、設定変更中と設定確認中とで発光態様を異ならせることで設定変更中であるか設定確認中であるかを識別可能としてもよいし、逆に設定変更中と設定確認中とで発光態様を同じにすることで設定変更中と設定確認中との何れであるかについては識別できないようにしてもよい。
また、遊技情報表示手段326に、遊技中に使用する発光表示手段とは別に、設定変更中であることを報知する発光表示手段と設定確認中であることを報知する発光表示手段とを設ける場合、両者を隣接するように配置することが望ましいが、他の発光表示手段を挟むように配置してもよい。
また、性能表示手段435は、遊技中はベース値を表示する為に常時作動しているため、基本的に遊技中は消灯状態を長時間継続するという制御を行うことがない。そのため、設定変更中や設定確認中などの遊技中ではない状態では、あえて消灯状態を継続することで、現在の状態が遊技中ではないと認識させることができ、それにより設定変更中や設定確認中であることを報知することが可能である。このように、性能表示手段435の本来の表示態様を考慮し、点灯状態ではなく敢えて消灯状態とすることで、設定変更中や設定確認中であることを報知するようにしてもよい。これは、設定表示手段434と性能表示手段435とを別々に設ける場合も同様である。
続いて、設定変更中や設定確認中であることを主制御側で制御する遊技情報表示手段326(盤ランプ)や設定表示手段434、性能表示手段435により報知することによるメリットを以下に記載する。仮にサブ側で制御する電飾手段436、スピーカ17等、液晶表示手段327のみによって設定変更中や設定確認中であることを報知する場合には、ゴト行為により、主制御基板とサブ制御基板とを接続する信号線を切断されてしまうと、設定変更中や設定確認中であることを報知することができなくなってしまい、例えばホール関係者に知られることのないまま、容易に設定変更や設定確認を行うことが可能になってしまう。一方、サブ側で制御する電飾手段436、スピーカ17等、液晶表示手段327に加えて(或いは代えて)、主制御側で制御する遊技情報表示手段326(盤ランプ)や設定表示手段434、性能表示手段435により設定変更中や設定確認中であることを報知するようにすれば、仮に主制御基板とサブ制御基板とを接続する信号線を切断された場合であっても遊技情報表示手段326や設定表示手段434、性能表示手段435による報知は行われるため、ホール関係者がゴト行為に気付くことが可能となる。
また、遊技機前側から視認可能な遊技情報表示手段326と、遊技機後側から視認可能な設定表示手段434及び/又は性能表示手段435(性能情報表示手段433)とを用いて、設定変更中や設定確認中であることを報知するように構成すれば、遊技機の前側と後側の両方から設定変更中や設定確認中の状態を確認可能である。
また、設定変更中や設定確認中であることを、サブ側(演出制御基板416a)で制御する電飾手段436、スピーカ17等、液晶表示手段327(演出手段)では報知せず、主制御側で制御する遊技情報表示手段326や設定表示手段434、性能表示手段435により報知するように構成してもよいが、サブ側で制御する電飾手段436、スピーカ17等、液晶表示手段327と、主制御側で制御する遊技情報表示手段326や設定表示手段434、性能表示手段435との両方で報知するように構成することにより例えば識別性がより向上する。
また、設定変更中及び/又は設定確認中であることを報知するための盤ランプとして遊技情報表示手段326を例示したが、主制御基板側で制御するものであればどのような発光手段でもよく、例えば盤側と枠側との何れに設けられているものでもよい。
実施形態では、RAMクリアスイッチ431を設定変更操作用に利用する例を示したが、RAMクリアスイッチ431以外の操作手段、例えば演出操作手段43等を設定変更操作用に利用してもよいし、設定変更操作手段432に、設定変更に関するON/OFF機能に加えて設定変更操作機能を持たせてもよい。また、設定変更操作専用の操作手段を設けてもよい。
設定変更操作手段432は、主制御基板415aとは別の基板に設けてもよい。例えば別途、設定変更操作基板を設け、これに設定変更操作手段432を設けてもよい。
実施形態では、設定値を設定1〜6の6段階に変更可能な構成としたが、設定値の段階数は任意であり、2〜5段階でもよいし7段階以上でもよい。
演出制御基板416aが設定変更終了コマンド(BA77H)を受信した場合に、設定変更期間が終了した旨を液晶表示手段327、電飾手段436、スピーカ17等により報知するようにしてもよい。また、演出制御基板416aが例えば設定確認終了コマンド(BA67H)等を受信した場合に、設定確認期間が終了した旨を液晶表示手段327、電飾手段436、スピーカ17等により報知するようにしてもよい。
例えば設定変更終了コマンドの下位バイトに現在の設定値を加算することにより、設定変更終了コマンドに設定値情報を付与してサブ制御に送信するように構成してもよい。例えば、BA70H(設定1)〜BA75H(設定6)のようなコマンド構成とし、設定変更後の設定作業値を設定変更終了コマンドBA70Hに加算するようにしてもよいし、設定変更後の設定作業値を設定値データにロードした後、設定変更終了コマンドBA70Hに加算するようにしてもよい。このように、設定変更終了コマンドに設定変更後の設定値情報を乗せてサブ制御に送信することで、例えばサブ制御側では、設定変更された設定値の履歴を残す場合に、設定変更終了コマンドの下位バイトを参照して履歴記憶することができる。また必要があれば、設定変更終了コマンドを受信した場合に行う設定変更終了を報知するための処理を、設定値に応じた報知態様で報知するようにすることも可能となる。
性能表示手段435の動作確認表示中に、遊技盤15に設けられた盤可動体371や前枠3側に設けられた枠可動体156による初期動作(イニシャル動作)を実行するようにしてもよい。また、性能表示手段435の動作確認表示が終了するまでに可動体の初期動作が終了するように構成することが望ましいが、盤可動体371と枠可動体156のいずれかの可動体についてのみ、動作確認表示中に初期動作が終了するように構成してもよい。また、性能表示手段435の動作確認表示が終了した後に、可動体の初期動作を実行するように構成してもよい。この場合には、当然ながら動作確認表示の終了後に初期動作が完了することとなる。
性能表示手段435の動作確認表示中は、遊技機前側のランプ・音・液晶のうちの少なくとも1つを用いて、動作確認表示中である旨を報知するようにしてもよい。これにより、性能表示手段435が動作確認表示中であることを、ホール従業員等が遊技機前側から確認することができる。性能表示手段435の動作確認表示中であっても、第1,第2特別図柄や普通図柄の変動表示を開始可能に構成してもよい。
実施形態では、性能表示手段435に、性能情報(特定情報)の一例としてベース値を表示することとしたが、表示する性能情報はこれに限らず、役物比率(いわゆる電チュー(第2特別図柄始動手段346)及び大入賞口(大入賞手段347)への入賞により払い出された遊技球/電チュー及び大入賞口に加えて始動入賞口(第1特別図柄始動手段345)、その他入賞口への入賞により払い出された遊技球)を表示するようにしてもよい。これにより、総払出遊技球のうち、電チューや大入賞口といった役物による払い出しの割合を性能表示手段435に表示することが可能となる。また、性能表示手段435に複数種類の性能情報、例えばベース値と役物比率とを表示する際には、ベース値と役物比率の両方を所定タイミングやボタン操作で切り替えて表示するようにしてもよいし、役物比率のみを表示するようにしてもよい。また、ベース値を表示するモニタと、役物比率を表示するモニタとを個別に設けてもよい。
設定値に関する各種履歴情報を記憶し、その履歴情報を所定の表示手段、例えば演出制御基板416a側で制御する表示手段(液晶表示手段327等)で表示可能としてもよい。この場合、設定変更処理や設定確認処理が行われた日時を履歴情報として記憶し、表示可能としてもよい。またその場合、設定変更処理や設定確認処理の日時と共に、設定変更処理によって設定された設定値、設定確認処理により確認された設定値を履歴情報として記憶し、表示可能としてもよい。また、例えばRTC(real-time clock)を搭載していないために設定変更等の日時を取得できない場合には、前回の設定変更からの通電経過時間を、例えば設定変更処理によって設定された設定値、設定確認処理により確認された設定値と共に記憶し、表示可能としてもよい。この場合、電源が投入される度にその時点から通電経過時間を蓄積カウントし、設定変更処理や設定確認処理を実行したときにその時点の通電経過時間の蓄積カウント値を履歴情報として記憶するように構成してもよい。更にその場合、通電経過時間の蓄積カウント値は設定変更処理を実行したときにクリアされ、設定確認処理を実行してもクリアされないように構成する。なお、例えばRTCを搭載している場合でも、設定変更等の日時と共に、或いは日時に代えて前回の設定変更からの通電経過時間を履歴情報として記憶し、表示可能としてもよい。また、設定変更処理や設定確認処理の日時を履歴情報として記憶する場合、その履歴情報に基づいて例えば前回の設定変更からの経過時間等を算出し、表示可能としてもよい。また、特定のエラー情報が発生した場合にその旨を履歴情報として記憶し、表示可能としてもよい。
設定値が異常値であると判定した場合には、その日時を履歴情報として記憶し、表示可能としてもよい。また、設定値が異常値であると判定した後、正常な設定値が設定された場合に、その間の経過時間等を表示可能としてもよい。また、本来は遊技中に設定値が変更されたり、設定値が正常値から異常値になることはないが、ノイズやゴト行為により、遊技中にもかかわらず設定値に変更があった場合には、その日時を履歴情報として記憶し、表示可能としてもよい。また、RAMクリア処理やバックアップ復帰処理が行われた場合にも例えば履歴情報として記憶し、その日時や回数等を表示可能としてもよい。
履歴情報の表示は、設定確認処理中や設定変更処理中とすることが望ましい。また、設定確認処理中や設定変更処理中に所定の操作入力があった場合に、表示手段に履歴情報を表示するように構成してもよい。また、遊技中であっても所定の操作入力があった場合には、表示手段に履歴情報を表示するように構成してもよい。
以上のような履歴情報は、演出制御基板416a側にSRAMを設け、このSRAMに記憶するようにしてもよい。演出制御基板416aの演出制御CPUは、電源投入時にSRAMの情報を読み出して内部ワークに保存し、後述する所定のタイミングで、内部ワークの情報をSRAMに記憶する処理を行う。基本的には、履歴情報はSRAMに記憶するが、履歴情報に更新がある場合には、内部ワークの値を更新するようにしている。このように更新時には内部ワークの値を更新することで、更新の度にSRAMにアクセスする必要がなく、SRAMへのアクセス頻度を少なくでき、処理速度を高速化することができる。
また、更新した内部ワークの情報については、例えばその内部ワークに記憶された経過時間を参照し、所定時間が経過したと判断されたタイミングでSRAMに記憶するようにしてもよい。また、主制御基板415a側から演出制御基板416a側に、設定確認中コマンド、設定確認終了コマンド、設定変更中コマンド、設定変更完了コマンド等の所定のコマンドが送信されたタイミングで、内部ワークの値をSRAMに記憶するようにしてもよい。ここで、設定確認中コマンド、定確認終了コマンド、設定変更中コマンド、設定変更完了コマンドが送信された場合には、その時点で新たに履歴情報が追加されることとなるため、まず新たな履歴情報を内部ワークに記憶した上で、SRAMに記憶する処理を行うことが望ましい。またこの際、バックアップ用のデータをSRAMのバックアップ領域に記憶させておくようにしてもよい(以下、SRAMの履歴情報を記憶している領域をメイン領域とし、バックアップ用のデータを記憶している領域をバックアップ領域とする)。
また、内部ワークの情報についてサム値を算出し、これも同様にSRAMに記憶させておくようにしてもよい。これにより、例えば演出制御CPUの電源が投入されたタイミングや履歴情報を表示するタイミングでSRAMの履歴情報を内部ワークに読み出した場合に、読み出した内部ワークのサム値と記憶したサム値とを比較することで、履歴情報が正常か否かを判断することができる。ここで、内部ワークに読み出した履歴情報が正常ではない場合には、バックアップ用として記憶した履歴情報をSRAMから内部ワークに読み出すようにしてもよい。またこの際にも、読み出した内部ワークのサム値とバックアップ用に記憶したサム値とを比較して、正常なデータか否かを判断するようにしてもよい。そして、バックアップ用の履歴情報も正常ではないと判断された場合には、内部ワークの情報を初期化した上で、その初期化データをSRAMに書き込むようにしてもよい。この場合、SRAMのバックアップ領域に対しても初期化データを書き込むようにする。一方、バックアップ用の履歴情報が正常であると判断された場合には、内部ワークの情報をSRAMのメイン領域に書き込むようにする。これにより、正常ではないと判断されたメイン領域の履歴情報を正常なものに書き換えることができる。
SRAMの履歴情報が記憶されるメイン領域とバックアップ領域には、例えばチェックサム記憶領域(2バイト)、最新履歴位置情報記憶領域(2バイト)、経過時間記憶領域(4バイト)、履歴記憶領域(300バイト)等を夫々設けてもよい。ここで、チェックサム記憶領域には、サム値が記憶されている。また最新履歴位置情報記憶領域には、最新の履歴情報を記憶するための位置情報が記憶されている。例えば現在30履歴までを記憶している場合には、次に記憶する履歴情報は31個目になるので、最新履歴位置情報記憶領域には31履歴目の情報として記憶するための位置情報を記憶している。ここで、記憶可能な履歴情報の数を最大50個とした場合には、50履歴の次に新たな履歴を記憶する場合には、1履歴目の情報に上書きする形で記憶することとなるので、最新履歴位置情報記憶領域は、1履歴目を示す情報となる。なお、それらの例えば最大50個の履歴情報は上述した履歴記憶領域に記憶される。また経過時間記憶領域には、上述した通電経過時間の蓄積カウント値等が記憶される。
履歴情報の表示中は、遊技機前側の十字操作手段、演出操作手段43等の操作手段を操作することによって履歴情報の切り替えを行えるようにしてもよい。例えば、最初に表示される画面を1ページ目とした場合に、ここには最新の履歴情報を1個目として、過去へ遡る形で所定個数(例えば10個目まで)の履歴情報が表示される。そして、例えば十字操作手段の左右キーを操作することで、2ページ目へと切り替わり、11個目から20個目までの履歴情報が表示される。同様の操作により例えば5ページ目まで切替可能であり、それによって例えば全50履歴まで表示可能となる。そのため、ページの切替操作が行われたタイミングでは、次に表示されるページにて表示する必要がある履歴情報についてのみ、その情報がコマンドにより液晶制御CPUへ送信又は表示手段に送信されることとなる。また、履歴情報の1ページ目については、ページ切り替え用の操作手段(ここでは十字操作手段の左右キー)とは別の操作手段(例えば演出操作手段43)が操作された場合にその表示を開始するようにしてもよい。また、何れかのページを表示中に、ページ切り替え用の操作手段(ここでは十字操作手段の左右キー)とは別の操作手段(例えば演出操作手段43)が操作された場合には履歴情報の表示を終了するようにしてもよい。また、所定期間中(設定確認中、設定変更中等)は、所定の操作手段(ここでは演出操作手段43)を操作する毎に、履歴情報の表示と非表示とを切り替え可能としてもよい。
履歴情報の表示中は、ベース値を表示する性能表示手段435を非表示としておくことが望ましい。また、性能表示手段435の動作確認表示についても履歴情報の表示中は行わないようにすることが望ましい。また、履歴情報の表示中であっても、音量及び/又は光量の調整が有効となるように構成してもよい。この場合、履歴情報の表示中は、音量及び/又は光量の調整が有効であっても、履歴情報を表示している表示手段には調整が有効である旨の表示は行わないことが望ましいが、行う場合には履歴情報とは重ならない位置に表示することが望ましい。また、履歴情報の表示中は、音量及び/又は光量の調整の調整ができないようにしてもよい。
また、履歴情報の表示中は、少なくとも盤側の可動体のイニシャライズ動作を実行しないようにすることが望ましい。これにより盤側の可動体が表示手段(液晶表示手段327)の前側に移動して、表示画面の視認性を妨げてしまうことを防止することができる。また、枠側の可動体についても同様にイニシャライズ動作を実行しないようにしてもよい。但し、枠側の可動体については、液晶表示手段327等の表示画面を妨げる可能性がない場合にはイニシャライズを行うようにしてもよい。この場合、例えば操作ハンドル234等の操作手段に搭載された振動手段252や、エアーを噴出する送風手段233などについてもイニシャライズ動作を行うようにしてもよい。これにより、枠側の可動体については、先にイニシャライズ動作を終了させておくことができるので、履歴情報の表示終了後、すなわち設定確認処理や設定変更処理の終了後に、盤側の可動体のイニシャライズを行うだけで済むため効率的である。またこれに限らず、履歴情報の表示終了後に、全ての可動体についてイニシャライズ動作を行うようにしてもよい。
実施形態では、アウト球検出手段414を1つだけ設けた構成としたが、アウト球検出手段414を複数個設けてもよい。この場合、複数のアウト球検出手段414に対してそれぞれ排出口412を設ける構成でもよいし、1つの排出口412に対して複数個のアウト球検出手段414を配置してもよい。これにより、遊技球の排出効率が高くなり、排出口412周辺で遊技球が渋滞して球詰まりを起こしてしまうリスクを低減することができる。また、1つの排出口412に複数のアウト球検出手段414を設ける場合、少なくとも2つを左右に配置することが望ましい。これにより、左側の傾斜面461(図110,図111)から流下する遊技球を検出し易いアウト球検出手段414と、右側の傾斜面463(図110,図111)から流下する遊技球を検出し易いアウト球検出手段414とに役割分担させることができ、より排出効率が高まるので、球詰まりリスクを低減することができる。
また、遊技球をより効率よく排出口412に流下させるべく、排出口412の周辺の傾斜面に、遊技球を排出口412側へ案内する案内リブを設けてもよい。この案内リブは複数設けてもよく、例えば、左側の傾斜面461側に配置した案内リブと、右側の傾斜面463側に配置した案内リブとを非対称(例えば長さを異ならせる)としてもよい。また、一方の案内リブは遊技球を排出口412の奥側へ案内し、もう一方の案内リブは遊技球を排出口412の前側へ案内するようにしてもよい。このように排出口412の左右で案内リブの構成を異ならせることで、左側の傾斜面461から流下してきた遊技球と、右側の傾斜面463から流下してきた遊技球とが、排出口412に到達するタイミングを異ならせることができ、排出口412周辺での球詰まりのリスクを低減させることができる。
また、複数の排出口412を設けて夫々アウト球検出手段414を配置する場合、左側の傾斜面461側に配置した案内リブと、右側の傾斜面463側に配置した案内リブとが異なる排出口412に向けて遊技球を案内する構成としてもよい。また、左側の傾斜面461側に配置した案内リブは左側(右側でもよい)の排出口412へ、右側の傾斜面463側に配置した案内リブは右側(左側でもよい)の排出口412へ、夫々遊技球を案内するように構成してもよい。このように、複数の案内リブにより異なる排出口412へ遊技球を案内する構成とすることで、排出口412周辺での球詰まりのリスクを低減させることができる。
図110,図111に示すような構成において、左側の傾斜面461,462と右側の傾斜面463,464とで左右方向の傾斜角を異ならせる場合、入賞検出スイッチやアウト口の多い側の傾斜面の傾斜角を、少ない側の傾斜面の傾斜角よりも大きくしてもよい。また、いわゆるアタッカー(大入賞手段347)や電チュー(第2特別図柄始動手段346)といった一時的に多くの遊技球が入賞する可能性のある入賞手段が配置されている側(本実施形態では右側)の傾斜面に関しては、その反対側(本実施形態では左側)の傾斜面よりも傾斜角を大きくすることで遊技球の流下速度を速くし、球詰まりのリスクを低減させるようにしてもよい。
アウト口358に入球した遊技球が排出口412に案内されやすくするため、アウト口358から排出口412に向けて傾斜する傾斜面を設けてもよい。この傾斜面は、排出口412の右側の傾斜面および/または左側の傾斜面と異なる傾斜角としてもよいし、同一の傾斜角としてもよい。
排出口412やアウト球検出手段414、排出口412側に遊技球を案内する傾斜面等については、それらの少なくとも一部を遊技盤15側ではなく前枠3側に配置してもよい。
アウト球検出手段414を、特定基準位置に対して左右方向の一方側にずらして配置してもよい。この場合の特定基準位置は、遊技盤15の(ベース板321の)左右方向中央でもよいし、遊技領域15aの左右方向中央でもよいし、最も左側の入賞検出スイッチと最も右側の入賞検出スイッチとの左右方向中央でもよい。もちろん、アウト球検出手段414は、遊技盤15側に配置されていても前枠3側に配置されていてもよい。
また、特定基準位置に対する左右方向一方側とは、遊技球の排出時間のかかる側としてもよい。遊技球の排出時間のかかる側とは、アウト球検出手段414を特定基準位置に配置した場合に、入賞球がアウト球検出手段414に到達するまでの時間が最も長くかかる入賞検出スイッチが配置されている側であってもよいし、アウト球検出手段414の周辺の傾斜面の傾斜角が小さい側であってもよい。また、入賞検出スイッチがより多く配置されている側(遊技球同士の衝突等により排出に時間がかかる)であってもよいし、入賞検出スイッチがより高い位置に配置されている側であってもよい。また、特定基準位置に対する左右方向一方側は、入賞契機、入賞機会が比較的多い側(例えば大当り中に多くの球が入賞する大入賞手段347の入賞検出スイッチ347aや、時短/確変中に多くの球が入賞する電チュー(第2特別図柄始動手段346)の入賞検出スイッチ346aが位置する側)としてもよい。
また、アウト球検出手段414を複数配置する場合、それら複数のアウト球検出手段414の中心位置を特定基準位置に対して左右方向の一方側にずらしてもよいし、複数のアウト球検出手段414の全てを特定基準位置に対して左右方向の一方側にずらしてもよい。また、複数のアウト球検出手段414の何れか1つを特定基準位置に対して左右方向の一方側にずらしてもよい。
普通入賞ユニット325にアウト口(第2アウト口)を設ける場合、第2アウト口を通過した遊技球が例えば案内樋(図示していない)を通過して傾斜面462(図110)に着地するまでの時間と、入賞検出スイッチ349a,350aを通過した遊技球が例えば案内樋を通過して傾斜面462に着地するまでの時間とを異ならせてもよい。この場合、前者よりも後者を短くすることで、状態変化による遊技球の検出タイミングのラグを軽減することができるとともに、遊技球が排出口412へ流下するタイミングを異ならせることができるので、排出口412付近での球詰まりを軽減することができる。大入賞手段347の近傍にアウト口(第3アウト口)を設けている場合も同様に、第3アウト口を通過した遊技球が例えば案内樋(図示していない)を通過して傾斜面464(図110)に着地するまでの時間と、入賞検出スイッチ347a,348aを通過した遊技球が例えば案内樋を通過して傾斜面464に着地するまでの時間とを異ならせてもよく、またその場合、前者よりも後者を短くしてもよい。また、入賞から傾斜面への着地までの時間を異ならせるために、入賞手段の後側に設けた各案内樋の流下長を異ならせたり、各案内樋の流出口から着地面である傾斜面までの距離を異ならせてもよい。
上述した全ての実施形態、変更形態は、どのように組み合わせて構成してもよく、各実施形態、変更形態として記載した内容は個別の実施形態、変更形態のみに限定されるものではない。例えば、第2,第3の実施形態は夫々第1の実施形態の変形例であるが、第3の実施形態は第2の実施形態に対して適用することも可能である。また、第4の実施形態は、第1〜第3の実施形態及びそれらの組み合わせの全てに対して適用可能である。更に第5の実施形態は、第1〜第4の実施形態及びそれらの組み合わせの全てに対して適用可能である。また、実施形態の後に記載した変形例その他の各種事項についても、第1〜第5の実施形態及びそれらの組み合わせに対して適用可能である。
また本発明は、アレンジボール機、雀球遊技機等の各種弾球遊技機の他、スロットマシン等の弾球遊技機以外の遊技機においても同様に実施することが可能である。