以下、図面を参照して、本発明の実施の形態による遊技機について説明する。なお、実施形態の説明における前後左右とは、遊技盤に向かって見た方向(遊技者から見た方向)を指すものとする。
(第1の実施の形態)
〔遊技機構成〕
まず、図1及び図2を参照して、本発明の第1の実施の形態による遊技機1の全体構成を説明する。図1は、前面枠5及びガラス枠6を閉じた状態の遊技機1の斜視図である。図2は、ガラス枠6のみを開けた状態の遊技機1の斜視図である。
図1及び図2に示すように、遊技機1は、島設備に固定される本体枠2にヒンジ3を介して右側部が開閉回動自在に取り付けられる開閉枠4を備える。開閉枠4は、前面枠5及びガラス枠6によって構成される。
前面枠5は、遊技盤30(図3参照)を収納可能な収納部(遊技盤収納部)5aを有する枠体である。前面枠5には、遊技盤30が配設されるとともに、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス6aを備えたガラス枠6が取り付けられる。前面枠5及びガラス枠6は、それぞれ個別に開放することが可能となっている。例えば、ガラス枠6のみを開放して遊技盤30の遊技領域31(図3参照)にアクセスすることができる。また、前面枠5をガラス枠6が開放されていない状態で開放することによって、遊技盤30の裏側に配置された遊技制御装置600及び演出制御装置700(図4参照)や、前面枠5の裏面下部に配置された電源装置800及び払出制御装置640等にアクセスすることができる。
前面枠5の裏面上部には島設備に設置された補給装置(図示省略)から補給される遊技球を貯留する貯留ユニット641が設けられ、前面枠5の左側部裏側には貯留ユニット641から流下してきた遊技球を上皿11aに払い出す払出ユニット642が設けられる。払出制御装置640は、払出ユニット642の動作を制御する装置である。
ガラス枠6のカバーガラス6aの周囲には、装飾部材7が配設されている。装飾部材7の内部にはLED等によって構成された枠装飾装置21(図44参照)が収容されており、枠装飾装置21を制御することによって装飾部材7における発光状態を調整することができる。
ガラス枠6の上部には照明ユニット8が配設され、照明ユニット8の左右両側には可動式照明9が配設される。照明ユニット8は、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じて発光演出を行う。可動式照明9は、LED等の照明部材と、照明部材を駆動する照明駆動モータ等から構成される枠演出装置22(図44参照)とを備える。可動式照明9の枠演出装置22は、遊技状態に応じて照明部材を回転駆動するように制御される。なお、照明ユニット8及び可動式照明9の内部に配設される照明部材も、枠装飾装置21(図44参照)の一部を構成している。
また、ガラス枠6の裏面には補強板金6bが配設され、補強板金6bは後述する遊技盤30の除電ユニット900(図3参照)と接触可能に後方に突設される導通部6cを有する。導通部6cはアース部材として機能し、導通部6cが除電ユニット900の導電部材901(図34参照)と接触することで遊技盤30に帯電する静電気を除去する。
遊技機1は、効果音や警報音、報知音等を発する上スピーカ10a及び下スピーカ10bを備える。上スピーカ10aはガラス枠6の上両側部に配置され、下スピーカ10bは前面枠5の左下隅部に配置される。
左側の可動式照明9の右上方には、遊技機1における異常を報知するための遊技状態報知LED12が設けられている。遊技機1において異常が発生した場合には、遊技状態報知LED12が点灯又は点滅するとともに、上スピーカ10a及び下スピーカ10bから異常を報知するための報知音が出力される。
遊技機1で発生する異常には、遊技機1の故障及び不正行為の実施等が含まれる。不正行為には、例えば、発射された遊技球の軌道を磁石によって不正に操作する行為や遊技機1の始動口スイッチ等に対して電波を発振する行為等が含まれる。これらの不正行為は、磁気センサ23(図43参照)によって磁気を検出したり、電波センサ24(図43参照)によって電波を検出したりすることで検知される。
また、不正に開閉枠4を開放する行為も不正行為に含まれる。前面枠5の開閉状態は前面枠開放検出スイッチ25(図43参照)によって検出され、ガラス枠6の開閉状態はガラス枠開放検出スイッチ26(図43参照)によって検出される。
ガラス枠6の前面下部には、上皿11aを含む上皿ユニット11が備えられる。上皿11aに貯留された遊技球は、前面枠5の下部に設けられた球発射ユニット13に供給される。
球発射ユニット13よりも下方の前面枠5には下皿14が設置されており、前面枠5の右下隅部には球発射ユニット13の動作を制御するための操作ハンドル15が設置されている。遊技者が操作ハンドル15を回動操作することによって、球発射ユニット13は上皿11aから供給された遊技球を遊技盤30の遊技領域31に発射する。下皿14には、当該下皿14に貯留された遊技球を外部へ排出するための球抜き機構16が設けられる。
上皿ユニット11には、遊技者からの操作入力を受け付けるための演出ボタン17が上皿11aの手前側に配設されている。また、演出ボタン17の外周部には選択ボタン29が配置されている。遊技者が演出ボタン17を操作することによって、変動表示装置35(図4参照)での変動表示ゲームにおいて遊技者の操作を介入させた演出を行うことができ、また通常遊技状態においては演出パターン(演出態様)を変更することができる。変動表示ゲームには、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームが含まれ、本明細書では単に変動表示ゲームとした場合には特図変動表示ゲームを指すものとする。
なお、通常遊技状態とは、特定の遊技状態が発生していない遊技状態である。特定の遊技状態とは、例えば変動表示ゲームの抽選確率が高い確率の確変状態(確率変動状態)、変動表示ゲームの抽選確率は通常の確率だが変動表示ゲームの単位時間当たりの実行数を向上させることが可能な時短状態(時間短縮変動状態)、大当り遊技状態(特別遊技状態)、又は小当り遊技状態等である。
ここで、確変状態は、次の大当りが発生するまで継続するもの(ループタイプ)、所定回数の変動表示ゲームが実行されるまで継続するもの(回数切りタイプ)、及び所定の確率転落抽選に当選するまで継続するもの(転落抽選タイプ)などが考えられる。
なお、ループタイプでは確変状態を発生させるか否かを大当り図柄乱数によって決定して確変状態を発生させ、回数切りタイプや転落抽選タイプでは大当りが発生した場合に必ず確変状態を発生させるようにしているが、特定領域を備える入賞装置などを設け、当該特定領域を遊技球が通過した場合に確変状態を発生させるようにしてもよい。
ガラス枠6の装飾部材7の下部には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン18と、カードユニット(図示省略)からプリペイドカード等を排出させるために操作される排出ボタン19とが配設される。また、球貸ボタン18及び排出ボタン19の間には、プリペイドカード等の残高を表示する残高表示部20が設けられる。
〔遊技盤構成〕
図3〜図5を参照して、遊技機1に備えられる遊技盤30について説明する。
図3は、センターフレーム(前面構成部材)34を取り付けた状態の遊技盤30の正面図である。図4は、遊技盤30、センターフレーム34、及び演出装置ユニット(裏面構成部材)200の斜視図である。図5は、センターフレーム34を取り外した状態の遊技盤30の斜視図である。なお、前面構成部材と裏面構成部材を合わせてセンターケースと呼ぶ場合もある。
図3〜図5に示すように、遊技盤30は、プラスチック等からなる矩形状の遊技板32の表面に、金属製のガイドレール32aや導電性樹脂製の区画部材32bを設けることで、略円形状の遊技領域31を区画形成している。遊技板32は、後方が透けて見える透明部材である。遊技板32と、遊技領域31を区画するガイドレール32a及び区画部材32bとによって、遊技盤本体部が構成される。
遊技盤30の右上隅部には、遊技板32に帯電する静電気をガラス枠6に逃がして除去する除電ユニット900が設けられる。なお、除電ユニット900の詳細については、図34〜図40にて後述する。
遊技盤30の右上隅部及び右下隅部には前面枠5に設けられるクランプ状の固定部材(図示省略)により固定される固定受部32cが形成されており、遊技盤30の左上隅部及び左下隅部には前面枠5に設けられる係合フック5b(図2参照)が係合可能な係合受部32dが形成されている。前面枠5の固定部材及び係合フック5bが遊技盤30の固定受部32c,係合受部32dに係合することで、遊技盤30は前面枠5の収納部5aに収納された状態で前面枠5の前面に固定される。
遊技領域31には、開口部(表示窓部)34aを有するセンターフレーム(前面構成部材)34が配設される。遊技板32にはセンターフレーム34の外周に沿った形状の開口32eが形成されており、センターフレーム34はその開口32eに前方から嵌装される。
図4に示すように、遊技盤30の裏側には各種演出装置から構成される演出装置ユニット(裏面構成部材)200が配設され、この演出装置ユニット200の裏側には表示ユニット70及び主制御ユニット80が配設される。表示ユニット70は、メイン表示装置としての変動表示装置35と、変動表示装置35に表示される演出等を制御する演出制御装置700と、を備える。主制御ユニット80は、遊技制御装置600と、当該遊技制御装置600を演出装置ユニット200に対して回動可能に取り付けるためのベース部材81と、を備える。
図3及び図4に示すように、表示ユニット70の変動表示装置35は、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示可能な表示部35aを有する。センターフレーム34の開口部34aは変動表示装置35の表示部35aに対応して設けられており、変動表示装置35の表示部35aはセンターフレーム34の開口部(表示窓部)34aを介して視認可能となっている。
変動表示装置35の表示部35aは任意の画像を表示可能な液晶表示器であり、表示画面上には複数の識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタ等、遊技の進行に基づく画像が表示される。変動表示装置35は、表示部35aに複数の変動表示領域(例えば、左側、中央、右側の3つの可変表示領域)を設定して、各表示領域の各々で独立した画像を表示可能に構成されている。なお、変動表示装置35は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、ELやCRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
図3に示すように、センターフレーム34の左側方の遊技領域31には、遊技球が通過した場合に普通図柄(普図)変動表示ゲームの始動条件を成立させる普図始動ゲート36が配設される。遊技領域31内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート36を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
センターフレーム34の左下方の遊技領域31には3つの一般入賞口40が配置されており、センターフレーム34の右下方の遊技領域31には一つの一般入賞口40が配置されている。
センターフレーム34の下方の遊技領域31には、特図変動表示ゲームの開始条件を付与する第1始動入賞口(第1始動入賞領域)37が設けられ、その直下には第2始動入賞口(第2始動入賞領域)38が設けられる。第2始動入賞口38は、上側が逆「ハ」の字状に開いて、遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材38aを備える。遊技球が第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に入賞した場合には、特別図柄(特図)変動表示ゲームが実行される。
第2始動入賞口38の一対の可動部材38aは、通常時は遊技球の直径程度の間隔をあけた閉状態(遊技者にとって不利な入賞規制状態)を保持している。ただし、第2始動入賞口38の上方には、第1始動入賞口37が設けられているので、可動部材38aが閉状態である場合には遊技球が第2始動入賞口38に入賞できないようになっている。
可動部材38aは、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合に、普電ソレノイド27(図43参照)を介して逆「ハ」の字状に開いて、遊技球が第2始動入賞口38に流入しやすい開状態(遊技者にとって有利な入賞容易状態)に変化(変換)する。
なお、可動部材38aは、後述する遊技制御装置600によって制御される。遊技制御装置600は、確変状態や時短状態においては通常遊技状態に比べて入賞容易状態の発生頻度を高めたり、入賞容易状態の発生時間を長くしたりしており、このような状態を一般的には普電サポート状態という。
第1始動入賞口37と右側の一般入賞口40の間の遊技領域31には、大入賞口ソレノイド28a(図43参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動することで第1大入賞口を開放するアタッカ形式の開閉扉41aを有する第1特別変動入賞装置41が設けられている。第1特別変動入賞装置41は、特図変動表示ゲームの結果によって第1大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に変換し、第1大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、第1大入賞口内には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段として下カウントスイッチ605a〜605m(図43参照)が配設されている。
また、センターフレーム34の左上部には、大入賞口ソレノイド28b(図43参照)によって回動することで第2大入賞口を開放する回動部42aを有する第2特別変動入賞装置42が設けられている。第2特別変動入賞装置42は、第1特別変動入賞装置41と同様に、特図変動表示ゲームの結果によって第2大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に変換し、第2大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、第2大入賞口内には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段として上カウントスイッチ606(図43参照)が配設されている。
一般入賞口40、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、第1特別変動入賞装置41の第1大入賞口、及び第2特別変動入賞装置42の第2大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置640は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出ユニット642から上皿11aに排出する。一般的には、大入賞口に入賞した際の賞球数(例えば15個)が最も多く、一般入賞口40(例えば10個)、始動入賞口(例えば3個)と続くが、第1大入賞口と第2大入賞口の賞球数や第1始動入賞口と第2始動入賞口の賞球数を異ならせても良い。
なお、第2始動入賞口38の下方の遊技領域31には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口43が設けられている。
また、遊技領域31の外側であって遊技板32の右下部には、特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム、第2特図変動表示ゲーム)及び普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。一括表示装置50は、現在の遊技状態等の情報を表示する表示部51〜60を備える。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、普図変動表示ゲーム用の普図変動表示部(普図表示器)53と、各変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示部54、特図2保留表示部55、普図保留表示部56)と、を有している。
また、一括表示装置50には、遊技機1の電源投入時から最初の大当りの発生まで大当りの確率状態が高確率状態となっていることを報知するための高確率表示部57及び時短状態が発生すると点灯して時短状態の発生を報知する時短状態表示部58からなる遊技状態表示部と、大当り時のラウンド数(第1特別変動入賞装置41及び第2特別変動入賞装置42の開閉ラウンド回数)を表示するラウンド数表示部59が設けられている。
次に、遊技機1における遊技の流れ、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームの詳細について説明する。
遊技機1では、球発射ユニット13から遊技領域31に向けて遊技球が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域31内の各所に配置された障害釘や風車等によって転動方向を変えながら遊技領域31を流下し、普図始動ゲート36、一般入賞口40、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、第1特別変動入賞装置41又は第2特別変動入賞装置42に入賞するか、遊技領域31の最下部に設けられたアウト口43へ流入し遊技領域31から排出される。そして、一般入賞口40、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、第1特別変動入賞装置41又は第2特別変動入賞装置42に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が払出ユニット642を介して上皿11aに排出される。
普図始動ゲート36は、当該普図始動ゲート36を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ603(図31、図43参照)と、ゲートスイッチ603を支持した状態でフランジ部36bを介して遊技盤本体部(遊技板32)に取り付けられるゲート部材(支持部材)36a(図31参照)が設けられている。遊技球が普図始動ゲート36を通過すると、ゲートスイッチ603によって検出され、普図変動表示ゲームが実行される。
普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われており当該普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって第2始動入賞口38が開放状態に変換されている場合に、遊技球が普図始動ゲート36を通過すると、普図始動記憶数が上限数未満ならば当該記憶数が加算(+1)される。
普図始動記憶には普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されており、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出される。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた普図表示器53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
普図始動ゲート36通過時に抽出された普図乱数値が当り値である場合には、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普電ソレノイド27(図43参照)が駆動されることにより、可動部材38aが所定の時間(例えば0.3秒間)だけ開状態に変換され、第2始動入賞口38への遊技球の入賞が許容される。
遊技球の第1始動入賞口37への入賞及び第2始動入賞口38への入賞は、第1始動口スイッチ601(図43参照)と第2始動口スイッチ602(図43参照)によって検出される。第1始動入賞口37に入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶されるとともに、第2始動入賞口38に入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶される。
特図変動表示ゲームの始動入賞球の検出時には、大当り乱数値や大当り図柄乱数値、各変動パターン乱数値が抽出される。これら乱数値は、遊技制御装置600の特図保留記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数分(例えば最大で8回分)を限度に記憶される。特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の特図1保留表示部54や特図2保留表示部55に表示されるとともに、変動表示装置35の表示部35aや後述するサブ表示装置としての表示器480にも表示される。
遊技制御装置600は、第1始動入賞口37への入賞若しくは第1始動記憶に基づいて、特図1表示器51で第1特図変動表示ゲーム(第1変動表示ゲーム)を実行する。また、遊技制御装置600は、第2始動入賞口38への入賞若しくは第2始動記憶に基づいて、特図2表示器52で第2特図変動表示ゲーム(第2変動表示ゲーム)を実行する。
第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、特図1表示器51及び特図2表示器52において識別情報を変動表示した後に所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、変動表示装置35では、各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行される。
変動表示装置35における飾り特図変動表示ゲームは、前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示(スクロール表示)を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、変動表示装置35では、興趣向上のためにキャラクタの出現等の多様な演出表示が行われる。
第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への遊技球の入賞が所定のタイミングでなされた場合(入賞検出時の大当り乱数値が大当り値である場合)には、特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出され、大当り状態(特別遊技状態)となる。これに対応して、変動表示装置35の表示態様は特別結果態様(例えば「7,7,7」等の数字が揃った状態)となる。
その後、特別遊技状態が発生して第1特別変動入賞装置41や第2特別変動入賞装置42に設けられた大入賞口ソレノイド28a及び大入賞口ソレノイド28b(図43参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば30秒)だけ閉状態から開状態に変換される。すなわち、第1特別変動入賞装置41及び第2特別変動入賞装置42に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開き、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
なお、本実施形態においては特別結果態様が導出されてから特別遊技状態が発生するまでの間に後述するラウンド数決定遊技(補助遊技)を実行する場合と実行しない場合とがあるが、どちらか一方に統一しても良い。また、特図1表示器51及び特図2表示器52は、別々の表示器として構成してもよいし同一の表示器として構成してもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないように設定される。
変動表示装置35における飾り特図変動表示ゲームについては、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。なお、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっており、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶があり、特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合は第2特図変動表示ゲームが実行される。始動記憶が記憶された順で第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームが実行されるようにしても良い。
なお、本実施形態の遊技機1は、遊技状態に応じて遊技者が左打ち又は右打ちを行うように構成されている。遊技者が遊技状態に応じた打ち分けをしやすいように、変動表示装置35の表示部35aには左打ち又は右打ちの指示が表示される。
〔センターフレーム〕
次に、図3、図6及び図7を参照して、センターフレーム34について説明する。図6は、センターフレーム34の分解斜視図である。図7(A)はセンターフレーム34に配設される振分装置90の分解斜視図であり、図7(B)はセンターフレーム34に設置された振分装置90の正面図である。
図6に示すように、センターフレーム(前面構成部材)34は、透明なリング状(フレーム状)の枠体として構成されている。センターフレーム34は、遊技盤30の遊技板32に形成された開口32e(図4参照)に嵌装される嵌装部34bと、嵌装部34bに対して鍔状に形成される鍔部34cと、遊技球が転動可能なガイド部34dと、を備える。センターフレーム34は、鍔部34cよりも前側が遊技領域31内に配設される。
図3及び図6に示すように、センターフレーム34の左上部には、第2特別変動入賞装置42が設けられている。第2特別変動入賞装置42は、第2大入賞口を開閉する回動部42aと、回動部42aを回動させる大入賞口ソレノイド28bと、遊技球の第2大入賞口への入賞を検出するカウントセンサとしての上カウントスイッチ606と、を備える。第2特別変動入賞装置42に入賞した遊技球は、入賞球流路44を通って遊技盤の裏面側に導かれる。
大入賞口ソレノイド28bは、センターフレーム34の裏面に固定される。大入賞口ソレノイド28bの取付位置におけるセンターフレーム34の前面には、装飾板34eが設けられている。装飾板34eは、大入賞口ソレノイド28bを隠蔽する部材である。センターフレーム34はほぼ全体が透明部材として形成されているが、装飾板34eを設けることで、大入賞口ソレノイド28bが前方から視認されることを防止でき、美観を損ねることがない。なお、装飾板34eを透明としてその前面に装飾シールを貼着することで、大入賞口ソレノイド28bが前方から視認されることを規制しても良い。
センターフレーム34の下部には、遊技球が転動可能な転動面101を有するステージ部100と、遊技領域31を流下する遊技球をステージ部100に導くワープ通路110と、演出装置ユニット(裏面構成部材)200の内部に遊技球が流入することを規制するためのカバー部材120とを備える。ステージ部100、ワープ通路110及びカバー部材120は透明部材として構成されている。
ワープ通路110は、センターフレーム34の左下部に配設される。ワープ通路110は、センターフレーム34の左側方の遊技領域31を流下してきた遊技球を受け入れ可能な受入部111と、受入部111を通過した遊技球をステージ部100の転動面101の左端に誘導する誘導部112と、から構成されている。受入部111は、センターフレーム34の左側方を流下してきた遊技球を受け入れやすいように左斜め上方に向かって開口している。誘導部112は、背面が開口する通路状となっているがカバー部材120によって背面の開口が塞がれるようになっている。
ステージ部100は、センターフレーム34の下部中央に配設される。ステージ部100は、左右方向に延設され、遊技球が転動可能な転動面101を備える。ステージ部100の後方にはカバー部材120が設けられる。
ステージ部100の転動面101は、左右両端部と中央部とが高くなる波状に形成されている。転動面101の中央部には後方に向かって下り傾斜する第1案内部102が設けられ、第1案内部102の左右両側方における転動面101には前方に向かって下り傾斜する第2案内部103が設けられる。
カバー部材120は、転動面101の後端部分から上方に起立する起立壁部121と、転動面101と対向するように起立壁部121の上端から前方に向かって折り返される折返壁部122とから構成される。カバー部材120の起立壁部121と折返壁部122とによって、転動面101を転動する遊技球が変動表示装置35(演出装置ユニット200)側に流入することを防止できる。
また、折返壁部122はその先端がステージ部100の前面よりも前方に突出するように形成されるので、ステージ部100の下方の遊技領域31等において遊技球が障害釘等に衝突して上方に跳ね上がっても、折返壁部122によって遊技領域31側に跳ね返される。これにより遊技領域31から跳ね上がった遊技球が変動表示装置35(演出装置ユニット200)側に進入することを防止できる。
カバー部材120の起立壁部121には、第1案内部102と対応する位置に形成される開口部121a、及び開口部121aとステージ部100の前面下部に開口する流出口104とに連通する連通路121b(図6参照)が形成される。第1案内部102から開口部121aを介して連通路121bに流入した遊技球は、転動面101の下方に誘導され、流出口104から遊技領域31に排出される。
ワープ通路110からステージ部100に導かれた遊技球は、転動面101上を転動した後、第1案内部102から連通路121bを通って流出口104から遊技領域31に排出されるか、又は第2案内部103から遊技領域31へと排出される。ステージ部100の流出口104は第1始動入賞口37の直上方に形成されるのに対して第2案内部103は第1始動入賞口37の左右側にずれて配設されているため(図3及び図6参照)、流出口104から排出される遊技球の方が第2案内部103から排出される遊技球よりも第1始動入賞口37へ誘導される確率が高くなる。
図3及び図6に示すように、センターフレーム34の右上部には、センターフレーム34のガイド部34dを転動してきた遊技球が流入する振分空間(振分空間部)34fが形成されており、当該振分空間34fには遊技球が通過可能な第1通過ゲート部34g(第1特定領域、抽選ゲート)及び第2通過ゲート部34h(第2特定領域、固定ゲート)が配設されている。振分空間34fに流入した遊技球は、振分装置90によって振り分けられ、第1通過ゲート部34g又は第2通過ゲート部34hを通過する。振分装置90は、遊技球の流下ルートを切り換える装置である。なお、第1通過ゲート部34gの前面には「変動」の文字装飾が施されており、第2通過ゲート部34hの前面には「固定」の文字装飾が施されている。
図6及び図7(A)に示すように、振分装置90は、センターフレーム34の裏面に固定される固定ベース91と、固定ベース91内に固定される回転モータ92と、回転モータ92によって回転駆動され遊技球の流下ルートを切り換える切換部93と、を備える。
切換部93は、略円柱状の部材であって、外周面から径方向に突出する突起93aを有している。切換部93は、センターフレーム34の振分空間34f内に収容され、センターフレーム34の前面に対して回転可能に配設される。
回転モータ92は固定ベース91に取り付けられており、回転モータ92の回転軸92aには円板部96が固定されている。円板部96の中心には前方に突出する突出軸96aが形成され、この突出軸96aに切換部93の裏面に突設される軸部(図示省略)が固定される。したがって、回転モータ92の駆動力は、円板部96を介して切換部93に伝達される。
円板部96は前後方向に貫通する切欠部96bを備えており、切欠部96bを有する円板部96及び固定ベース91内に配設されるフォトセンサ97によって切換部93の初期位置が検出される。
フォトセンサ97は、円板部96が通過可能な溝部と、この溝部を跨ぐように配設された発光部及び受光部とを、備えている。フォトセンサ97の発光部は、受光部に向けて光(赤外線)を照射している。この光が、円板部96により遮光される遮光状態であるか、円板部96の切欠部96bを通じて通光する通光状態であるかを判別し、通光状態である場合に切換部93が初期位置にあると判断される。なお、切換部93の回転位置は、初期位置からの回転モータ92のステップ数により検出することができる。
図7(B)に示すように、センターフレーム34に切換部93が配設されることで、振分空間34f内には、第1通過ゲート部34gへと遊技球を誘導する第1誘導路94と、第2通過ゲート部34hへと遊技球を誘導する第2誘導路95とが形成される。
回転モータ92によって切換部93が図7(B)において時計回りに所定量回転すると、切換部93の突起93aが第2誘導路95の上流部を閉塞し、振分空間34f内に流入する遊技球は第1誘導路94を通じて第1通過ゲート部34gへと導かれる。一方、回転モータ92によって切換部93が図7(B)において反時計回りに所定量回転すると、切換部93の突起93aが第1誘導路94の上流部を閉塞し、振分空間34f内に流入する遊技球は第2誘導路95を通じて第2通過ゲート部34hへと導かれる。第1通過ゲート部34g及び第2通過ゲート部34hを通過した遊技球は、振分空間34fの下部に形成された排出通路98を通じて、センターフレーム34の右側方の遊技領域31に排出される。
なお、第1通過ゲート部34gには遊技球が第1通過ゲート部34gを通過したこと検出する第1通過検出センサ607aが設けられており、第2通過ゲート部34hには遊技球が第2通過ゲート部34hを通過したこと検出する第2通過検出センサ607bが設けられている。
図6及び図7(A)に示すように、振分装置90の固定ベース91内には、2枚のLED基板99a,99cが収容されている。
LED基板99aの前面には、第1誘導路94及び第2誘導路95に沿って複数(5個)のLED99bが設けられている。遊技状態に応じてLED99bを発光させることで、第1誘導路94及び第2誘導路95が光るような発光演出が行われる。
LED基板99cは、LED基板99aの下方に配置される。LED基板99cの前面には、排出通路98に沿って四個のLED99dが横一列に設けられるとともに、その下方に後述する報知演出に用いられる三個の報知LED99eが横一列に設けられる。
LED基板99cの報知LED99eの前方のセンターフレーム34には、各報知LED99eに対応してレンズ部材61〜63が取り付けられている。左側に配置されるレンズ部材61の前面には「変動」の文字装飾が施されており、右側に配置されるレンズ部材63の前面には「固定」の文字装飾が施されている。中央のレンズ部材62には、「狙え」の文字装飾が施されている。
遊技状態に応じてLED基板99cの報知LED99eを発光させることで、上記したレンズ部材61〜63を介した報知演出が行われる。この報知演出の詳細については、図104〜図105を参照して後述する。また、遊技状態に応じてLED基板99cのLED99dを発光させることで、排出通路98が光るような発光演出が行われる。
なお、遊技機1では、LED基板99aのLED99b及びLED基板99cのLED99dの前方には、レンズ部材を設けていないが、必要に応じてレンズ部材を設けてもよい。
〔演出装置ユニット〕
次に、図4及び図8を参照して、演出装置ユニット(裏面構成部材)200について説明する。図8は、演出装置ユニット200の分解斜視図である。
演出装置ユニット200は、遊技盤30の裏面に固定されるユニットベース部材210と、ユニットベース部材210内に収容される奥側演出装置300、下部演出装置220、上部装飾ユニット240、及び下部装飾ユニット260と、を備える。上部装飾ユニット240には、上部演出装置400及び右部演出装置500が取り付けられている。
図8及び図9を参照して、ユニットベース部材210について説明する。図9は、ユニットベース部材210の斜視図である。
図8及び図9に示すように、ユニットベース部材210は、背面壁211と、背面壁211の外周縁から前方に起立する側壁212とから構成される枠体であって、各種装置等を収容可能に構成されている。
遊技機1の遊技盤30の遊技板32は樹脂製であり、従来の木製の遊技板と比較して遊技板32の板厚は薄くなっている。遊技機1では、薄くなった遊技板32の板厚を補うため、ユニットベース部材210の側壁212の前端にスペーサ部材213が一体形成されている(スペーサ部材213を別部材として取り付けるようにしても良い)。ユニットベース部材210を遊技板32に設置した時の前後方向の厚さが薄いと前面枠5への係合による固定が困難となるが、ユニットベース部材210には前後方向に厚みを持たせたスペーサ部材213を設けたので、ユニットベース部材210を遊技板32に設置した時の前後方向の厚さが従来と同等となり、前面枠5に係合(適切に収納)させることが可能となる。
ユニットベース部材210の右上隅部に位置するスペーサ部材213には切欠部213aが形成されている。この切欠部213aは遊技盤30のアース処理のために必要であり、除電ユニット900(図3参照)に対応する位置に配設される。
なお、遊技機1では、スペーサ部材213を、ユニットベース部材210の側壁212に沿って額縁状に形成するようにしたが、ユニットベース部材210の左右上下の4つの角部のみに形成するようにしてもよい。また、スペーサ部材213は透明な遊技板32を介して視認可能となっているので、スペーサ部材213の前面に装飾シートや装飾シールを取り付けて装飾性を高めてもよい。
ユニットベース部材210の背面壁211は、その上側部分が後方に窪んでいる。背面壁211の上側部分と側壁212とによって取り囲まれる空間が奥側演出装置300及び上部装飾ユニット240を収容する上部収容空間214であり、背面壁211の下側部分と側壁212とによって取り囲まれる空間が下部演出装置220及び下部装飾ユニット260を収容する下部収容空間215である。
図4及び図9に示すように、ユニットベース部材210の上側部分の裏面には変動表示装置35を有する表示ユニット70が配設され、ユニットベース部材210の下側部分の裏面には遊技制御装置600を有する主制御ユニット80が配設される。
背面壁211の上側部分には、変動表示装置35の表示部35aと対応する位置に窓部216が開口形成されている。変動表示装置35の表示部35aは、窓部216を介して視認可能となっている。
また、背面壁211の下側部分の裏面には、遊技制御装置600や各種装置等と電気的に接続される中継基板が4つ取り付けられる。背面壁211には、図9の破線に示すように、これら4つの中継基板の周囲をそれぞれ取り囲む包囲壁が形成されている。包囲壁は、背面壁211の裏面から後方に起立する壁部材である。
ユニットベース部材210の下部に位置する側壁212には、下部装飾ユニット260を介して遊技盤30の下方に導かれる遊技球を通過させるための開口217が形成されている。また、ユニットベース部材210の左側に位置する曲面の側壁212には、遊技盤30に配設される電気部品の配線を通す配線用開口212a、212bが形成されている。電気部品の配線処理の詳細については、図29〜図33にて後述する。
また、ユニットベース部材210の右下部に位置するスペーサ部材213には、ドロワーコネクタ基板219を収納するための収納部218が設けられ、当該収納部の背面壁にはドロワーコネクタを遊技盤の後方に臨ませるための開口が形成されている。内枠5に設けられた収納部5aの右下部にもドロワーコネクタ基板(図示省略)が配設されており、収納部5aに遊技盤30が収納された時に、遊技盤30と内枠5のドロワーコネクタ同士が接続する。2つのドロワーコネクタを接続することで、遊技盤30側の各種電気部品(遊技制御装置600、演出制御装置700等)と内枠5側の各種電気部品(電源装置600、払出制御装置640等)を電気的に接続できる。電気部品の接続にワイヤーハーネスを用いる場合には配線の取り回し等が煩雑となるが、遊技機1ではドロワーコネクタ基板を用いているので接続作業の簡素化を図ることが可能となる。
〔下部演出装置〕
次に、図8、図10及び図11を参照して、下部演出装置220について説明する。図10は、下部演出装置220の分解斜視図である。図11(A)は下部演出装置220の可動部分の裏面図であり、図11(B)は下部演出装置220の斜視図である。
図8及び図10に示すように、下部演出装置220は、平板状の固定ベース221と、固定ベース221の前面に取り付けられるカバー部材222と、固定ベース221とカバー部材222との間の収容空間内に上下動可能に収容される可動装飾部材223と、可動装飾部材223を駆動する駆動モータ230と、を備える。
固定ベース221は、略矩形状の板部材であって、ユニットベース部材210の下部の背面壁211(図9参照)に固定される。
カバー部材222は、固定ベース221の前面を覆うように、当該固定ベース221に取り付けられる蓋部材である。カバー部材222と固定ベース221の間には各種部材を収容可能な収容空間が形成される。
カバー部材222は、後述する可動装飾部材223が下限位置(初期位置)にある場合に、可動装飾部材223の装飾体224を収容する収容凹部222aを有している。また、カバー部材222の上面壁222bには文字装飾が施されており、カバー部材222の前面壁222cには駆動モータ230等と接続する電気配線を通過させるための配線用開口222dが形成されている。
可動装飾部材223は、装飾体224と、当該装飾体224の裏面に固定されるスライド板225とを備え、下限位置(初期位置)と上限位置との間で上下動可能に構成されている。
装飾体224は円盤状の部材であって、装飾体224の前面には文字装飾が施されている。なお、装飾体224の内部にLED基板を配設し、LED基板に設けられたLEDを用いて装飾体224を発光させるようにしてもよい。
図10及び図11(A)に示すように、スライド板225は、上下方向に延設される板状部材である。スライド板225の上部は装飾体224の裏面に固定されており、スライド板225の下部は装飾体224から下方に延在するように構成されている。スライド板225は、固定ベース221の前面中央に固定されたガイド部材226に対して、上下方向に摺動自在に取り付けられる。ガイド部材226は上下方向に延設されており、ガイド部材226の横断面形状はコ字状に形成されている。
スライド板225がガイド部材226に取り付けられた状態では、スライド板225の後端側がガイド部材226内に挿入され、スライド板225の前端側はガイド部材226内に挿入されずに露出している。このように露出しているスライド板225の右側部には、上下方向に亘ってラックギア225aが形成されている。
駆動モータ230は、可動装飾部材223を上下動させる駆動源である。駆動モータ230は、出力軸231が後方に向かうように、カバー部材222の裏面に固定される。駆動モータ230の出力軸231には、主動ギア232が固定される。
主動ギア232は、固定ベース221に突出形成された第1軸221aに回転自在に軸支される第1従動ギア233に噛合する。第1従動ギア233は、固定ベース221に突出形成された第2軸221bに回転自在に軸支される第2従動ギア234に噛合する。第2従動ギア234は、可動装飾部材223のスライド板225のラックギア225aに噛合する。
上記のように構成される下部演出装置220では、遊技状態に応じて、可動装飾部材223が下限位置と上限位置との間で上下動するように制御される。
図8に示すように、下部演出装置220による演出が実行されていない場合には、駆動モータ230は停止しており、可動装飾部材223は下限位置に位置している。このように可動装飾部材223が下限位置にある場合には、装飾体224は、カバー部材120(図3参照)の後方に位置しており、視認されにくい状態となっている。
なお、固定ベース221には略コ字形状のフォトセンサ235が配設されており、可動装飾部材223が下限位置にある時に、可動装飾部材223のスライド板225の下端が、フォトセンサ235の凹部に挿入されフォトセンサ235の発射光を遮光するようになっている。したがって、フォトセンサ235が通光状態であるか遮光状態であるかを検知することで、可動装飾部材223が下限位置(初期位置)にあるか否かを検出することができる。
遊技機1において遊技が進行して所定の遊技状態となった場合には、駆動モータ230が正転駆動され、駆動モータ230の駆動力が各ギア233,234,235を介してスライド板225に伝達される。これにより、図11(B)に示すようにスライド板225が上昇し、可動装飾部材223は上限位置まで上昇する。このように可動装飾部材223が上限位置まで上昇すると、装飾体224の全体が遊技者によって視認可能な状態となる。
その後、駆動モータ230が逆転駆動され、スライド板225が下降することで、可動装飾部材223は上限位置から初期位置に戻る。なお、駆動モータ230の正転及び逆転を交互に繰り返すことで、可動装飾部材223を上下に振動させる振動演出を実行することもできる。
〔奥側演出装置〕
次に、図8、図12〜図15を参照して、奥側演出装置300について説明する。図12は、奥側演出装置300の分解斜視図である。図13は、奥側演出装置300の左側のシャッタユニット330の分解斜視図である。図14は、左側のシャッタユニット330の回動扉340の回動動作を説明する図である。図15は、左側のシャッタユニット330のスライド動作を説明する図である。
図8及び図12に示すように、奥側演出装置300は、額縁状のベース枠310と、ベース枠310の前面側に取り付けられるカバー枠320と、ベース枠310とカバー枠320との間において左右方向にスライド移動可能に配設される一対のシャッタユニット330と、これらシャッタユニット330を駆動する駆動ユニット360と、を備える。
ベース枠310は、平板状の枠体であって、ユニットベース部材210の背面壁211の上部に固定される。ベース枠310は、ユニットベース部材210の窓部216と対応する位置に、変動表示装置35の表示部35aを視認可能とする開口部311を備える。
カバー枠320は、ベース枠310の形状に対応して形成された枠体であって、ベース枠310の前面を覆うように当該ベース枠310に固定される。カバー枠320は、ユニットベース部材210の窓部216と対応する位置に、変動表示装置35の表示部35aを視認可能とする開口部321を備える。
図12に示すように、ベース枠310とカバー枠320との間には、一対のシャッタユニット330が設けられる。これらシャッタユニット330は、変動表示装置35の表示部35aよりも側方の位置(初期位置)と、表示部35aの前方の位置(中央位置)との間で左右方向にスライド移動するように構成されている。したがって、シャッタユニット330が収容される空間は、変動表示装置35の表示部35aの側方に設定されてシャッタユニット330が待機する待機領域と、表示部35aの前方に設定されてシャッタユニット330が動作する演出領域と、に分けられる。
また、ベース枠310の上部とカバー枠320の上部との間には、シャッタユニット330を駆動する駆動ユニット360を配設するための配設空間が形成される。この配設空間は、シャッタユニット330が収容される空間(待機領域及び演出領域)と連通している。
一対のシャッタユニット330は、左右方向に離間して配設される。左側のシャッタユニット330と右側のシャッタユニット330とは、左右対称となるように構成されている。これらシャッタユニット330は同じ機能を果たす部材であるため、左側のシャッタユニット330の構成について主に説明し、右側のシャッタユニット330の構成についての説明は省略する。
図13に示すように、左側のシャッタユニット330は、スライド部材331と、スライド部材331の前面に取り付けられる装飾部材334と、スライド部材331及び装飾部材334に対して回動自在に設けられる回動扉340と、回動扉340を回転駆動する駆動モータ350と、を備える。
スライド部材331は、正面視で略コ字状の部材であって、前面上部に駆動モータ350を収容するための収容凹部331aを備えている。
スライド部材331の上端面には、カバー枠320の裏面上部に水平に固定されたガイドロッド322(図12及び図15参照)に対してスライド可能に取り付けられる取付部332が形成されている。取付部332には左右方向に亘って軸受孔332aが貫通形成されており、取付部332の軸受孔332aにガイドロッド322が挿通される。
ブロック状の取付部332の上端面には、後述する駆動ユニット360の無端ベルト375に固定されるベルト固定部333が形成されている。ベルト固定部333には左右方向に亘って貫通孔333aが形成されており、ベルト固定部333は貫通孔333aを介して無端ベルト375に取り付けられる。
装飾部材334はスライド部材331の前面を覆うように設けられる部材であって、装飾部材334の前面にはメッキ加工等の装飾が施されている。装飾部材334がスライド部材331に設置された状態では、駆動モータ350は装飾部材334によって隠蔽される。
スライド部材331及び装飾部材334の上部はもう一方のシャッタユニット330側に向かって突出する上側突出部330a(図12参照)として形成されており、スライド部材331及び装飾部材334の下部はもう一方のシャッタユニット330側に向かって突出する下側突出部330b(図12参照)として形成されている。左右二つのシャッタユニット330が中央位置まで移動した場合には、左側のシャッタユニット330の上側突出部330a及び下側突出部330bと、右側のシャッタユニット330の上側突出部330a及び下側突出部330bとが微小隙間をあけて対向(近接)する。
回動扉340は、スライド部材331及び装飾部材334に対して回動する可動部材である。回動扉340は、第1ベース341と、第1ベース341の裏側に固定される第2ベース342と、第1ベース341と第2ベース342との間の収容空間に配設されるLED基板343と、を備える。
第1ベース341は、略矩形状の透光性部材であって、表面(図14(A)参照)に文字装飾が施されている。第1ベース341の右上端面には上方に突出する上側回動軸341aが形成されており、第1ベース341の右下端面には下方に突出する下側回動軸341bが形成されている。
第1ベース341の裏面に固定される第2ベース342は、略矩形状の透光性部材であって、表面(図14(B)参照)に文字装飾が施されている。第2ベース342の前面であって、第1ベース341の上側回動軸341a及び下側回動軸341bが設けられる側とは反対側の側部寄りの位置には、上下一対の磁性体収容部342aが形成されている。これら磁性体収容部342aには、磁性体344が収容される。
LED基板343は、第1ベース341と第2ベース342の間の収容空間内において当該第1ベース341の裏面に固定される。LED基板343は、複数のLED343aを有しており、これらLED343aが横向きとなるように第1ベース341に配置されている。LED343aは、回動扉340の前面及び裏面(第1ベース341及び第2ベース342)を同時に発光させる共通の発光源である。このように、回動扉340の前面及び裏面を同時に発光させることで、回動扉340全体を用いた発光演出が可能となり、演出効果を高めることができる。また、回動扉340の前面及び裏面を発光させるためのLEDをそれぞれ別個に設ける場合に比べ部品点数が少なくなる。
回動扉340は、上側回動軸341a及び下側回動軸341bが装飾部材334の上部及び下部に形成された一対の軸受孔334aにそれぞれ挿入されることで、スライド部材331及び装飾部材334に対して回動可能となっている。回動扉340の上側回動軸341aは、連結部材351を介して駆動モータ350の出力軸に連結される。
図14(A)に示すように、回動扉340による回動演出が実行されていない場合には、駆動モータ350は停止しており、第1ベース341の表面が回動扉340の前面となり、第1ベース341の表面に施された文字装飾が視認可能となる。これに対して、回動扉340による回動演出が実行される場合には、駆動モータ350が駆動され、図14(B)に示すように第2ベース342の表面が回動扉340の前面となり、第2ベース342の表面に施された文字装飾が視認可能となる。
図12及び図15に示すように、一対のシャッタユニット330を駆動する駆動ユニット360は、ベース枠310の上部とカバー枠320の上部との間の配設空間内に収容される。駆動ユニット360は、左側のシャッタユニット330を駆動する左側駆動機構370と、右側のシャッタユニット330を駆動する右側駆動機構380と、から構成されている。
左側駆動機構370は、出力軸が後方に向くようにカバー枠320の裏面上部に固定される駆動モータ371と、駆動モータ371の出力軸に固定される主動プーリ372と、主動プーリ372の左右側方に配設される二つの従動プーリ373,374と、これらプーリ372,373,374に巻き回される無端ベルト375と、を備える。
従動プーリ373は、駆動モータ371の左側方に設けられており、ベース枠310とカバー枠320のそれぞれに端部が固定される固定軸361を介して軸支されている。また、従動プーリ374は、駆動モータ371の右側方に設けられており、ベース枠310とカバー枠320のそれぞれに端部が固定される固定軸362を介して軸支されている。
従動プーリ373,374の間に位置する無端ベルト375に、左側のシャッタユニット330のベルト固定部333が固定されている。
一方、右側駆動機構380は、出力軸が前方を向くようにベース枠310の前面上部に固定される駆動モータ381と、駆動モータ381の出力軸に固定される主動プーリ382と、主動プーリ382の左右側方に配設される二つの従動プーリ383,384と、これらプーリ382,383,384に巻き回される無端ベルト385と、を備える。
従動プーリ383は、駆動モータ381の左側方に設けられており、左側駆動機構370の従動プーリ374を軸支する固定軸362を介して軸支されている。このように、固定軸362は、従動プーリ374,383の両方を支持する共通軸となっている。また、従動プーリ384は、駆動モータ381の右側方に設けられており、ベース枠310とカバー枠320のそれぞれに端部が固定される固定軸363を介して軸支されている。
従動プーリ383,384の間に位置する無端ベルト385に、右側のシャッタユニット330のベルト固定部333が固定されている。
奥側演出装置300による演出が実行されていない場合には、駆動ユニット360の駆動モータ371,381は停止しており、左右のシャッタユニット330は待機領域における初期位置(待機位置)に位置している。このようにシャッタユニット330が初期位置にある場合には、シャッタユニット330は上部装飾ユニット240(図8参照)の後方に位置しており、シャッタユニット330のほぼ全体が視認されにくい状態となっている。シャッタユニット330の前方に上部装飾ユニット240が配設されているので、待機領域で停止しているシャッタユニット330においては、回動扉340による回動演出が不能となっている。つまり、待機領域は、シャッタユニット330の回動扉340が回動不能な広さ(前後幅)に設定されている。
なお、カバー枠320の左側部には略コ字形状のフォトセンサ335(図12参照)が配設されており、左側のシャッタユニット330が初期位置にある時に、シャッタユニット330のスライド部材331の左端面に形成された遮光板331b(図15参照)が、フォトセンサ335の凹部に挿入されフォトセンサ335の発射光を遮光するようになっている。したがって、フォトセンサ335が通光状態であるか遮光状態であるかを検知することで、左側のシャッタユニット330が初期位置にあるか否かを検出することができる。
また、カバー枠320の右側部には略コ字形状のフォトセンサ336(図12参照)が配設されており、右側のシャッタユニット330が初期位置にある時に、シャッタユニット330のスライド部材331の右端面に形成された遮光板331b(図12参照)が、フォトセンサ336の凹部に挿入されフォトセンサ336の発射光を遮光するようになっている。したがって、フォトセンサ336が通光状態であるか遮光状態であるかを検知することで、右側のシャッタユニット330が初期位置にあるか否かを検出することができる。
遊技機1において遊技が進行して所定の遊技状態となった場合には、駆動ユニット360の駆動モータ371が逆転駆動され、左側のシャッタユニット330が初期位置から右方向に移動するように無端ベルト375が回転する。この時、駆動ユニット360の駆動モータ381が正転駆動され、右側のシャッタユニット330が初期位置から左方向に移動するように無端ベルト385が回転する。これにより、図15に示すように、左右のシャッタユニット330はガイドロッド322に沿って待機領域から変動表示装置35の表示部35aの前方の演出領域にスライド移動する。
なお、各シャッタユニット330のスライド部材331の下端面には突片331cが下向きに突出形成されており、各突片331cはベース枠310の下部とカバー枠320の下部との間に形成されたガイド溝(図示省略)に摺動自在に挿入されている。シャッタユニット330の上部は取付部332を介してガイドロッド322に沿ってガイドされ、シャッタユニット330の下部は突片331cを介してガイド溝に沿ってガイドされるので、シャッタユニット330をスムーズにスライド移動させることができる。
シャッタユニット330が待機領域内の初期位置から演出領域内の中央位置まで移動した場合には、シャッタユニット330のほぼ全体が遊技者によって視認可能となる。演出領域では、シャッタユニット330の前方に回動扉340の回動動作を妨げる部材が配設されておらず、回動扉340の回動動作が可能となっている。つまり、演出領域は、シャッタユニット330の回動扉340が回動可能な広さ(前後幅)に設定されている。
本実施形態による遊技機1では、左右のシャッタユニット330を待機領域内の初期位置から演出領域内の中央位置までスライド移動させてから、各シャッタユニット330の回動扉340を回動させる。このように演出動作を制御することで、変動表示装置35周りの待機領域や演出領域等の空間を効率的に活用でき、奥側演出装置300による演出効果を高めることが可能となる。
また、シャッタユニット330は待機領域から演出領域において左右方向にスライド移動するように構成されおり、シャッタユニット330に設けられる回動扉340は演出領域の前後方向の空間を利用して回動するように構成されているので、一つの奥側演出装置300において異なる演出動作を実現でき、奥側演出装置300の演出効果をより高めることが可能となる。また、待機領域周辺の省スペース化を図ることができる。
シャッタユニット330の待機領域の前方には上部装飾ユニット240が配設されているので、待機領域周辺における装飾性を高めることができる。なお、本実施形態では、待機領域にあるシャッタユニット330の前方に上部装飾ユニット240を配設するようにしたが、待機領域にあるシャッタユニット330の後方(待機領域の背面部分)に上部装飾ユニット240のような装飾部材を配設してもよい。この場合には、シャッタユニット330が待機領域から移動した場合に装飾部材が視認可能な状態となる。
奥側演出装置300では、ベース枠310の上部とカバー枠320の上部との間に駆動ユニット360を配設するための配設空間が形成されており、この配設空間はシャッタユニット330が動作する空間(待機領域及び演出領域)と連通するように構成されている。駆動ユニット360が駆動した場合には、無端ベルト375,385や各シャッタユニット330の動きにより、駆動ユニット360の配設空間内の空気とシャッタユニット330が動作する空間内の空気とが攪拌され、駆動ユニット360を構成する駆動モータ371,381の発熱を抑えることができる。これにより、駆動モータ371,381等の電気的駆動源の故障や動作不良を抑制することが可能となる。
〔下部装飾ユニット〕
次に、図8、図16〜図20を参照して、下部装飾ユニット260について説明する。
図16は、下部装飾ユニット260の分解斜視図である。図17は、下部装飾ユニット260を構成する中間部材290の斜視図である。図18は、中間部材290に取り付けられた装飾部材270の斜視図である。図19(A)は下部装飾ユニット260の一部を拡大した正面図であり、図19(B)は図19(A)のB−B面に沿う下部装飾ユニット260の縦断面図である。図20は、下部装飾ユニット260を構成する流路構成部材280の斜視図である。
図8に示すように、下部装飾ユニット260は、下部演出装置220の前方に配置された状態で、ユニットベース部材210の下部収容空間215内に収容される。下部装飾ユニット260は、遊技領域31の下部を装飾する部材として機能するとともに、入賞口等に入賞した遊技球を前面枠5の球回収口5c(図2参照)に誘導する部材として機能する。前面枠5の球回収口5cから回収された遊技球は、誘導路(図示省略)を通って遊技機1の外部に導かれる。
図8及び図16に示すように、下部装飾ユニット260は、流路構成部材280と、流路構成部材280の前面に配設される中間部材290と、中間部材290の前面に配設されるLED基板261と、中間部材290の前面を覆うように配設される装飾部材270と、を備える。
図16及び図17に示すように、中間部材290は、略矩形状の板部材である。中間部材290は、第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38に入賞した遊技球を誘導する第1誘導樋291と、第1特別変動入賞装置41に入賞した遊技球を誘導する第2誘導樋292と、一般入賞口40に入賞した遊技球を誘導する誘導路293と、を備える。
第1誘導樋291は、遊技領域31(図3参照)に設けられた第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38に対応して、中間部材290の中央部に形成されている。第1誘導樋291は、前後方向に延設される遊技球転動路であって、中間部材290を前後方向に貫通するように形成されている。第1誘導樋291は、第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38に入賞した遊技球を中間部材290の前方から後方に誘導する。
第2誘導樋292は、遊技領域31に設けられた第1特別変動入賞装置41に対応して、第1誘導樋291の右側方に形成されている。第2誘導樋292は、前後方向に延設される遊技球転動路であって、中間部材290を前後方向に貫通するように形成されている。第2誘導樋292は、第1特別変動入賞装置41に入賞した遊技球を中間部材290の前方から後方に誘導する。
誘導路293は、遊技領域31に設けられた4つの一般入賞口40のそれぞれに対応して形成されている。第1誘導樋291の左側方に三つの誘導路293が設けられ、第2誘導樋292の右側方に一つの誘導路293が設けられる。誘導路293は、前後方向に延設される遊技球転動路であって、中間部材290を前後方向に貫通するように形成されている。誘導路293は、一般入賞口40に入賞した遊技球を中間部材290の前方から後方に誘導する。
また、中間部材290は、磁気センサ23を取り付けるための取付孔294(図16参照)を三つ有している。取付孔294は中間部材290を前後方向に貫通する孔であって、三つの取付孔294は左右方向に所定間隔をあけて配列されている。磁気センサ23は、中間部材290の裏側から取付孔294に挿入され、当該中間部材290に固定される。中間部材290に固定された状態では、磁気センサ23の先端部分が当該中間部材290の前方に突出する。
LED基板261は、中間部材290の前面に固定される。このLED基板261には、前方に向かって光を照射する複数のLED261aと、中間部材290の第1誘導樋291、第2誘導樋292及び誘導路293を通過させる五つの開口261bと、磁気センサ23を通過させる三つの通過孔261cとが設けられている。
図16及び図18に示すように、装飾部材270は略矩形板状の透光性部材であって、装飾部材270の前面には文字装飾等の各種装飾が施されている。装飾部材270は、LED基板261を覆うように中間部材290に取り付けられる。下部装飾ユニット260が遊技機1に備えられた状態では、下部装飾ユニット260の装飾部材270はカバー部材120(図3及び図4参照)の後方に位置しており、装飾部材270の上側半分が透明のカバー部材120や遊技板32越しに視認可能となる。
装飾部材270は、中間部材290の第1誘導樋291を収容する樋収容部271と、第2誘導樋292を通過させる貫通孔272と、誘導路293を通過させる貫通孔273と、を備える。
樋収容部271は、装飾部材270の中央部分に形成されている。装飾部材270が中間部材290に設置された状態では、樋収容部271内に中間部材290の第1誘導樋291が収容される。樋収容部271の前側壁には、第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38に入賞した遊技球を当該樋収容部271内に受け入れる貫通孔271aが形成されている。
また、装飾部材270が中間部材290に設置された状態では、中間部材290の第2誘導樋292は貫通孔272を通じて装飾部材270の前方に突出し、中間部材290の各誘導路293は各貫通孔273を通じて装飾部材270の前方に突出する。
図16及び図18に示すように、上記した装飾部材270は、磁気センサ23を収容する磁気センサ収容部274と、電波センサ24を収容する電波センサ収容部276と、をさらに備えている。
電波センサ収容部276は、装飾部材270に左下部に設けられている。電波センサ24は、電波センサ収容部276内に取り付けられる。
磁気センサ収容部274は、中間部材290に固定される三つの磁気センサ23に対応して配置されている。三つの磁気センサ収容部274は、装飾部材270の前面上部であって、遊技板32を介して遊技者から視認可能となる位置に設けられている。
図19(A)及び図19(B)に示すように、磁気センサ収容部274は、略円筒状に形成されており、磁気センサ23の先端部分が挿入される挿入孔274aを有している。したがって、装飾部材270が中間部材290に設置されると、中間部材290に固定された磁気センサ23の先端部分が装飾部材270の磁気センサ収容部274の挿入孔274a内に挿入される。磁気センサ収容部274内に収容された磁気センサ23は、当該磁気センサ23が配置された遊技領域31周辺の所定範囲内の磁気を検出する。
図16及び図18に示すように、装飾部材270の前面上部であって、遊技板32を介して遊技者から視認可能となる位置には、磁気センサ収容部274の外形と同一の外形を有するダミー収容部275が二つ設けられる。ダミー収容部275は、磁気センサ収容部274に収容された磁気センサ23の磁気検出範囲外(磁気検出範囲内でも良い)の位置に配置される。このようにダミー収容部275を装飾部材270に設けることで、磁気センサ23の個数を増やすことなく、磁気不正に対する抑止力を高めることが可能となる。
なお、装飾部材270には二つのダミー収容部275を形成したが、ダミー収容部275の個数は必要に応じて任意に定められる。
上記のように構成される下部装飾ユニット260では、第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38に入賞した遊技球は装飾部材270の前方から貫通孔271a及び第1誘導樋291を通じて中間部材290の後方に誘導され、第1特別変動入賞装置41に入賞した遊技球は装飾部材270の前方から第2誘導樋292を通じて中間部材290の後方に誘導される。また、各一般入賞口40に入賞した遊技球は、装飾部材270の前方から各誘導路293を通じて中間部材290の後方に誘導される。このように中間部材290の後方に誘導された遊技球は、流路構成部材280の前面側の各種流路に流入する。
図16及び図20に示すように、流路構成部材280は、中間部材290の裏面に固定され、中間部材290の裏面と流路構成部材280の前面との間に各種流路を形成する枠体である。
流路構成部材280は、第1誘導樋291から流入してきた遊技球を下方に導く始動入賞口流路281と、第2誘導樋292から流入してきた遊技球を下方に導く第1大入賞口流路282と、左側の三つの誘導路293から流入してきた遊技球を下方に導く一般入賞口流路283と、右側の一つの誘導路293から流入してきた遊技球を下方に導く一般入賞口流路284と、第2特別変動入賞装置42に入賞した遊技球を下方に導く第2大入賞口流路285と、これら流路281〜285から流下してきた遊技球が合流する合流路286と、を備える。
始動入賞口流路281は、流路構成部材280の前面中央部に形成される。始動入賞口流路281の上流部は第1誘導樋291に連通し、始動入賞口流路281の下流部は合流路286に連通する。第1誘導樋291から流入してきた遊技球は、始動入賞口流路281を流下して合流路286に導かれる。
第1大入賞口流路282は、始動入賞口流路281の右側方の流路構成部材280に形成される。第1大入賞口流路282の上流部は第2誘導樋292に連通し、第1大入賞口流路282の下流部は合流路286に連通する。第2誘導樋292から流入してきた遊技球は、第1大入賞口流路282を流下して合流路286に導かれる。
一般入賞口流路283は、始動入賞口流路281の左側方の流路構成部材280に形成される。一般入賞口流路283の上流部は三つの流路に分岐しており、これら三つの流路が三つの誘導路293のそれぞれに連通している。一般入賞口流路283の下流部は、上流部の三つの流路が集合する一つの流路であって、合流路286に連通する。左側の三つの誘導路293から流入してきた遊技球は、一般入賞口流路283を流下して合流路286に導かれる。一般入賞口流路283の出口部には、遊技球が一般入賞口40に入賞したことを検出する入賞口スイッチ604aが設けられている。
一般入賞口流路284は、第1大入賞口流路282の右側方の流路構成部材280に形成される。一般入賞口流路284の上流部は右側の誘導路293に連通し、一般入賞口流路284の下流部は合流路286に連通する。右側の誘導路293から流入してきた遊技球は、一般入賞口流路284を流下して合流路286に導かれる。一般入賞口流路284の出口部には、遊技球が一般入賞口40に入賞したことを検出する入賞口スイッチ604bが設けられている。
第2大入賞口流路285は、一般入賞口流路283の左側方の流路構成部材280に形成される。第2大入賞口流路285の上流部は第2特別変動入賞装置42に入賞した遊技球を流下させる入賞球流路44(図6及び図21参照)の下流端に連通し、第2大入賞口流路285の下流部は合流路286に連通する。入賞球流路44から流入してきた遊技球は、第2大入賞口流路285を流下して合流路286に導かれる。
合流路286は、流路構成部材280の前面下部に設けられ、流入してきた遊技球を遊技機1の前方に転動させるように形成されている。合流路286を転動した遊技球は、ユニットベース部材210に形成される開口217を介して前面枠5の球回収口5c(図2参照)に導かれ、図示しない誘導路を通って遊技機1の外部に導かれる。
なお、図20に示すように、流路構成部材280は、磁気センサ23等の各種センサの電気配線を外側に導出するための配線用開口287を有している。
上記した下部装飾ユニット260では、磁気センサ23を中間部材290に固定し、磁気センサ23を収容する磁気センサ収容部274を装飾部材270に設けるようにしたが、磁気センサ23を装飾部材270と遊技板32との間に配設してもよい。また、電波センサ24を、装飾部材270の電波センサ収容部276に配設するのではなく、装飾部材270と遊技板32との間に配設してもよい。
〔上部装飾ユニット〕
次に、図8及び図21を参照して、上部装飾ユニット240について説明する。図21は、上部装飾ユニット240の分解斜視図である。
図8及び図21に示すように、上部装飾ユニット240は、奥側演出装置300の前方に配置された状態で、ユニットベース部材210の上部収容空間214内に収容される。
上部装飾ユニット240は、変動表示装置35の表示部35aの左側縁に沿って上下方向に延在する左装飾部241と、表示部35aの右側縁に沿って上下方向に延在する右装飾部242と、表示部35aの上側縁に沿って左右方向に延在する上装飾部243と、を備える。上部装飾ユニット240は、正面視で略コ字状に構成されている。
図21に示すように、左装飾部241は、普図始動ゲート36を含む左側の遊技領域31の後方に配置される(図3参照)。左装飾部241の裏面には、第2特別変動入賞装置42に入賞した遊技球を流下させる入賞球流路44が取り付けられる。
入賞球流路44は、第2特別変動入賞装置42に入賞した遊技球を左右方向に誘導する上流側流路44aと、上流側流路44aに連接され遊技球を下方に誘導する下流側流路44bと、から構成される。
入賞球流路44の下流側流路44bが左装飾部241の裏面に固定され、下流側流路44bの上部に連接される上流側流路44aは左装飾部241の切欠部241aを通って左装飾部241の右側方に延設される。上流側流路44aは上装飾部243の下面に沿って配設され、上流側流路44aの上流端はセンターフレーム(前面構成部材)34に設けられる入賞球流路44に接続され、第2特別変動入賞装置42の第2大入賞口に入賞した遊技球が流入する。また、入賞球流路44の下流側流路44bの下流端は、前述した下部装飾ユニット260の第2大入賞口流路285(図20参照)の上流部に接続される。
普図始動ゲート36の後方に位置する左装飾部241には、磁気センサ23を収容するための磁気センサ収容部241bが形成されている。この磁気センサ収容部241bに収容された磁気センサ23によって、普図始動ゲート36周辺(図31参照)の磁気が検出される。これに対して、第2特別変動入賞装置42の大入賞口ソレノイド28b(図32参照)が配設される位置近傍の上装飾部243には、磁気センサ収容部241bと同外形を有するダミー収容部243bが設けられている。ダミー収容部243bは、磁気センサ収容部241bに収容された磁気センサ23の磁気検出範囲外(磁気検出範囲内でも良い)の位置に配置される。大入賞口ソレノイド28bの周辺に磁気センサを配置すると、ソレノイド駆動時の磁力を磁気センサが検出してしまい、磁気不正の判断を誤ってしまう可能性がある。そのため、大入賞口ソレノイド28bの近傍には、磁気センサを収容する磁気センサ収容部ではなく、ダミー収容部243bを配設し、第2特別変動入賞装置42に対する磁気不正を抑止している。なお、大入賞口ソレノイド28bの近傍に、当該大入賞口ソレノイド28bからの磁力を検出しない程度に検出精度を低下させた磁気センサを配置してもよい。
左装飾部241、右装飾部242、及び上装飾部243は透光性部材であって、これら装飾部241,242,243の裏面には一枚のLED基板244が固定される。LED基板244の前面には、左装飾部241、右装飾部242、及び上装飾部243に対して光を照射するLED244aが複数設けられている。
また、上装飾部243の前面には上部演出装置400を取り付けるための取付凹部243aが形成されており、右装飾部242の前面には右部演出装置500を取り付けるための取付凹部242aが形成されている。
上部演出装置400が上装飾部243の取付凹部243aに設置された状態では、当該上部演出装置400は、センターフレーム34の開口部(表示窓部)34a内であって、変動表示装置35の表示部35aの上方に位置している(図3参照)。また、右部演出装置500が右装飾部242の取付凹部242aに設置された状態では、当該右部演出装置500は、センターフレーム34の開口部(表示窓部)34a内であって、変動表示装置35の表示部35aの右側方に位置している(図3参照)。
〔上部演出装置〕
次に、図21〜図25Bを参照して、上部演出装置400について説明する。
図22は、上部演出装置400の分解斜視図である。図23は、上部演出装置400の可動表示ユニット450を構成する導光板470の斜視図である。図24は、上部演出装置400の横断面図である。図25Aは、上部演出装置400の可動表示ユニット450及び駆動機構440の斜視図である。図25Bは、固定ベース420を取り外した状態における上部演出装置400の裏面図である。
図21及び図22に示すように、上部演出装置400は、上装飾部243の取付凹部243aに固定される上部固定ユニット410と、上部固定ユニット410の前面に上下動可能に配設される可動表示ユニット450と、から構成されている。
図22〜図24に示すように、可動表示ユニット450は、各種部材が取り付けられる取付ベース460と、取付ベース460の前方に配設される導光板470と、導光板470の前方に配設されるサブ表示装置としての表示器480と、各種部材の周囲を取り囲むように取付ベース460に取り付けられるカバー部材490と、を備える。
取付ベース460は平板状の部材であり、取付ベース460の前面の上部及び下部には前方に立設する壁部461が形成されている。上下一対の壁部461は、左右方向に延設されるともに、上側の壁部461の下面と下側の壁部461の上面とが対向するように配置される。上側の壁部461の下面には導光板470の上部が係合可能な係合溝461aが左右方向に亘って形成されており、下側の壁部461の上面には導光板470の下端が係合可能な係合溝461aが左右方向に亘って形成されている。導光板470は、これら係合溝461aに係合することで、上下の壁部461によって支持される。
導光板470は透光性を有する板部材であって、導光板470の内部には「大チャンスざます!!」という文字をかたどったパターン溝が形成されている。導光板470は、当該導光板470の左右側方に配置されるLED基板462のLED462aからの光を受けた時に、パターン溝が発光表示されるように構成されている。
二つのLED基板462は、取付ベース460の前面に左右方向に離間して配置される。取付ベース460には左右一対の基板支持部463が形成されており、これら左右の基板支持部463にLED基板462がそれぞれ取り付けられる。左側の基板支持部463に支持されたLED基板462のLED462aは導光板470の左端面に光を照射するように右向きに配置され、右側の基板支持部463に支持されたLED基板462のLED462aは導光板470の右端面に光を照射するように左向きに配置される。
左側のLED基板462には四つのLED462aが上下一列に並んで配置されており、右側のLED基板462には三つのLED462aが上下一列に並んで配置されている。左側のLED基板462の各LED462aと、右側のLED基板462の各LED462aとは、上下方向の位置が異なるように上下にずらして配置されている。このようなLED配置とすることで、導光板470を全体的に均一に照らすことが可能となる。
図22及び図24に示すように、表示器480は、矩形状のELディスプレイであって、非表示状態時には後方に配置された導光板470が視認可能な透過型表示装置である。表示器480は、カバー部材490内に取り付けられる。表示器480が配設されたカバー部材490を取付ベース460に取り付けることで、表示器480は導光板470の前方に位置するようになっている。
カバー部材490は透光性を有する枠部材であり、カバー部材490の前面には表示器480を視認可能とする窓部491が開口形成されている。
図22、図24及び図25Aを参照して、上部演出装置400の上部固定ユニット410について説明する。
図22、図24及び図25Aに示すように、上部固定ユニット410は、固定ベース420と、固定ベース420の前面に取り付けられる装飾カバー部材430と、固定ベース420と装飾カバー部材430との間の収容空間に配設され可動表示ユニット450を駆動する駆動機構440と、を備える。
固定ベース420は、平板状の部材であって、上装飾部243の取付凹部243aに固定される。固定ベース420の前面には、駆動機構440の駆動モータ441を取り付けるための取付部421が形成されている。
装飾カバー部材430は、駆動機構440を取り囲むカバー部材であって、固定ベース420に固定される。装飾カバー部材430の前面には「陸」、「海」、「空」の文字装飾が施されており、三つの文字装飾は左右方向に一列に並設されている。これら文字装飾は、可動表示ユニット450が上部固定ユニット410の前方に位置している場合には可動表示ユニット450により隠蔽されて視認不能な状態となり、可動表示ユニット450が下降した場合には視認可能な状態となる。
駆動機構440は、駆動源としての駆動モータ441と、駆動モータ441の出力軸に固定される円板状のカムリンク442と、カムリンク442と連係するスライダー443と、を備える。
スライダー443は、左右方向に延在する平板状の部材である。スライダー443は、当該スライダー443を前後方向に貫通するとともに、左右方向に延設される長孔443aを有している。スライダー443の長孔443aには、カムリンク442のリンクピン442aが摺動自在に挿入される。リンクピン442aは、カムリンク442の回転中心からオフセットされた位置において、当該カムリンク442の前面に固定されている。
スライダー443の左右両端部には前方に向かって突出する連結ピン443bが設けられており、装飾カバー部材430にはスライダー443の連結ピン443bを前後方向に通過させるガイド溝431が形成されている。二つのガイド溝431は、上下方向に対して僅かに傾いて延設されており、左右方向に離間した状態で平行に配置されている。スライダー443を装飾カバー部材430に配設した状態では、スライダー443の連結ピン443bはガイド溝431を通じて装飾カバー部材430の前方に突出する。連結ピン443bの突出部分には、可動表示ユニット450の取付ベース460が固定される。このように可動表示ユニット450はスライダー443の連結ピン443bを介して支持されている。
なお、二つのガイド溝431の間における装飾カバー部材430には、スライダー443の前面に突設されたガイドピン464(図25A及び図25B参照)が摺動自在に挿入される中央ガイド溝432が設けられる。中央ガイド溝432は、ガイド溝431と平行に形成されている。
図25Bに示すように、上部演出装置400による演出が実行されていない場合には、駆動機構440の駆動モータ441は停止しており、カムリンク442のリンクピン442aは最上位置に位置している。この時、スライダー443の連結ピン443bによって支持されている可動表示ユニット450は、上部固定ユニット410の前方位置(初期位置)で停止している。可動表示ユニット450が初期位置で停止している場合には、上部固定ユニット410の装飾カバー部材430の文字装飾は視認不能な状態となる。
遊技機1において遊技が進行して所定の遊技状態となった場合には、駆動機構440の駆動モータ441が正転駆動され、カムリンク442のリンクピン442aが図25Bにおいて時計回り方向に旋回する。リンクピン442aが旋回してスライダー443の長孔443aを摺動しながら最上位置から下降すると、リンクピン442aの位置に応じてスライダー443も下降する。これにより、スライダー443の連結ピン443bによって支持されている可動表示ユニット450が上部固定ユニット410に対して下降する。この時、可動表示ユニット450の取付ベース460のガイドピン464は、装飾カバー部材430の中央ガイド溝432に沿って下方に移動する。
リンクピン442aが最上位置から最下位置まで旋回すると、可動表示ユニット450が初期位置から下限位置まで下降し、上部固定ユニット410の装飾カバー部材430の文字装飾が視認可能な状態となる。この後、リンクピン442aが最下位置から最上位置まで旋回するように駆動モータ441が正転駆動されると、可動表示ユニット450は初期位置まで上昇する。
なお、上部演出装置400はスライダー443の位置を検出する位置検出センサ(図示省略)を備えており、この位置検出センサに基づいて可動表示ユニット450が初期位置にあるか下限位置にあるかが判定される。また、上部演出装置400では、駆動モータ441の正転及び逆転を交互に繰り返すことで、可動表示ユニット450を上下に振動させる振動演出を実行することもできる。
〔右部演出装置〕
次に、図21、図26〜図28Bを参照して、右部演出装置500について説明する。
図26は、右部演出装置500の分解斜視図である。図27は、右部演出装置500の縦断面斜視図である。図28Aは、右部演出装置500の可動装飾ユニット550及び駆動機構540の斜視図である。図28Bは、固定ベース520を取り外した状態における右部演出装置500の裏面図である。
図21及び図26に示すように、右部演出装置500は、右装飾部242の取付凹部242aに固定される側部固定ユニット510と、側部固定ユニット510に対して左右方向にスライド移動可能に配設される可動装飾ユニット550と、から構成されている。
図26及び図27に示すように、可動装飾ユニット550は、側部固定ユニット510の前方に配設される取付ベース560と、取付ベース560の前面に固定される装飾部材570と、装飾部材570に対して回転可能に設けられる回転筒580と、装飾部材570の下部に取り付けられる一対の赤外線センサ(人感センサ)590と、を備える。
取付ベース560は平板状の部材であり、取付ベース560の前面には装飾部材570が取り付けられている。
装飾部材570は、箱状部材である。装飾部材570の中央部分には前後方向に貫通する開口部571が形成され、この開口部571内に位置するように回転筒580が配設される。回転筒580の上端は閉塞端として形成されており、回転筒580の下端は開口端として形成されている。
装飾部材570の上部には回転筒580を回転駆動する駆動モータ551を収容するモータ収容部572が形成されており、装飾部材570の下部には赤外線センサ590を収容するセンサ収容部573が形成されている。
駆動モータ551がモータ収容部572に収容された状態では、駆動モータ551の出力軸は下向きとなる。駆動モータ551の出力軸の下端には、回転筒580の閉塞端(上端)が固定される。
また、装飾部材570の開口部571には、回転筒580の開口端を通じて当該回転筒580内に挿入されるLED基板552が固定されている。このLED基板552の表面には、回転筒580を発光させるための複数のLED552aが設けられている。
赤外線センサ590は、遊技者の身体の一部等が検出範囲内に進入したことを検出する非接触式人感センサである。赤外線センサ590の検出範囲については、図111にて後述する。装飾部材570のセンサ収容部573には、二個の赤外線センサ590が左右方向に隣接して配設されている。
図26及び図27に示すように、側部固定ユニット510は、固定ベース520と、固定ベース520の前面に取り付けられる装飾カバー部材530と、固定ベース520と装飾カバー部材530との間の収容空間に配設され可動装飾ユニット550を駆動する駆動機構540と、を備える。
固定ベース520は、平板状の部材であって、右装飾部242の取付凹部242aに固定される。固定ベース520の前面には、駆動機構540の駆動モータ541を取り付けるための取付部521が形成されている。
装飾カバー部材530は、駆動機構540を取り囲むカバー部材であって、固定ベース520に固定される。装飾カバー部材530の前面には、「手をかざして廻せ」の文字装飾が施されている。この文字装飾は、可動装飾ユニット550が側部固定ユニット510の前方に位置している場合には可動装飾ユニット550により隠蔽されて視認不能な状態となり、可動装飾ユニット550が左方向にスライド移動した場合には視認可能な状態となる。
図26及び図28Aに示すように、駆動機構540は、駆動源としての駆動モータ541と、駆動モータ541の出力軸に固定される円板状のカムリンク542と、カムリンク542と連係するスライダー543と、を備える。
スライダー543は、上下方向に延在する平板状の部材である。スライダー543は、当該スライダー543を前後方向に貫通するとともに、上下方向に延設される長孔543aを有している。スライダー543の長孔543aには、カムリンク542のリンクピン542aが摺動自在に挿入される。リンクピン542aは、カムリンク542の回転中心からオフセットされた位置において、当該カムリンク542の前面に固定されている。
スライダー543の上下両端部には前方に向かって突出するガイドピン543bが設けられており、装飾カバー部材530にはスライダー543のガイドピン543bが摺動自在に係合するガイド溝531が形成されている。二つのガイド溝531は、左右方向に延設されるとともに、上下方向に離間した状態で水平に配置されている。スライダー543は、ガイドピン543bがガイド溝531に沿って摺動することで、左右方向にスライド移動する。
また、可動装飾ユニット550の取付ベース560の裏面にはスライダー543に連結される上下一対の連結ボス561(図28A参照)が形成されており、これら連結ボス561を介して、取付ベース560を含む可動装飾ユニット550がスライダー543に固定される。装飾カバー部材530には、取付ベース560の連結ボス561を前後方向に通過させるガイド溝532が形成されている。二つのガイド溝532は、左右方向に延設されており、二つのガイド溝531の内側において上下方向に離間した状態で水平に配置されている。可動装飾ユニット550は、連結ボス561がガイド溝532に沿って摺動することで、左右方向にスライド移動する。
図27に示すように、右部演出装置500による演出が実行されていない場合には、駆動機構540の駆動モータ541は停止しており、カムリンク542のリンクピン542aは最も右寄りの右限位置に位置している。この時、スライダー543によって支持されている可動装飾ユニット550は、側部固定ユニット510の前方位置(初期位置)で停止している。可動装飾ユニット550が初期位置で停止している場合には、側部固定ユニット510の装飾カバー部材530の文字装飾は視認不能な状態となる。
図28Bに示すように、遊技機1において遊技が進行して所定の遊技状態となった場合には、駆動機構540の駆動モータ541が正転駆動され、カムリンク542のリンクピン542aが図28Bにおいて時計回り方向に旋回する。リンクピン542aが旋回してスライダー543の長孔543aを摺動しながら右限位置から左方に移動すると、リンクピン542aの位置に応じてスライダー543も左方向に移動する。これにより、スライダー543に連結されている連結ボス561がガイド溝532に沿って移動し、可動装飾ユニット550が側部固定ユニット510に対して左方向にスライド移動する。
リンクピン542aが右限位置から左限位置まで旋回すると、可動装飾ユニット550が初期位置から左側方の左限位置までスライド移動し、側部固定ユニット510の装飾カバー部材530の文字装飾が視認可能な状態となる。この後、リンクピン542aが左限位置から右限位置まで旋回するように駆動モータ541が逆転駆動されると、可動装飾ユニット550は初期位置までスライド移動する。
右部演出装置500は、可動装飾ユニット550が左限位置に位置し、かつ赤外線センサ590が検出状態となった場合に、駆動モータ551によって回転筒580を回転させるように構成されている。この時、LED基板552のLED552aを用いた発光演出も行われる。
なお、右部演出装置500はスライダー543の位置を検出する位置検出センサ(図示省略)を備えており、この位置検出センサに基づいて可動装飾ユニット550が初期位置にあるか左限位置にあるかが判定される。また、右部演出装置500では、駆動モータ541の正転及び逆転を交互に繰り返すことで、可動装飾ユニット550を左右に振動させる振動演出を実行することもできる。
〔配線引き回し構造〕
以下、図29から図33を参照して、遊技板32に配設される電気部品(ここでは普図始動ゲート36及び第2特別変動入賞装置42)の配線引き回し構造について説明する。前述のように本発明の第1の実施の形態の遊技板32は後方を透視可能な透明部材である。このため、遊技盤30と後方のユニットベース部材210との間の装飾空間(すなわち、前述の上部収容空間214と下部収容空間215とからなる空間)に配設される演出装置ユニット200は、遊技者から視認されて装飾効果を生み出す立体装飾部材として機能する。また、遊技盤30に配設され、遊技板32の後方に引き回される電気部品の配線も遊技者から視認可能となるので、立体装飾部材の装飾を邪魔しない配線処理が望まれる。
図29は、本発明の第1の実施の形態の上部装飾ユニット240の斜視図である。図30は、本発明の第1の実施の形態の遊技盤30を取り付けた状態の上部装飾ユニット240の左上拡大斜視図である。図31は、本発明の第1の実施の形態の図30における普図始動ゲート(ゲートスイッチ603が特定電気部品に相当)36の周辺拡大図である。図32は、本発明の第1の実施の形態の図30における大入賞口ソレノイド28b及び上カウントスイッチ606(通常電気部品に相当)の周辺拡大図である。図33は、本発明の第1の実施の形態の図30における普図始動ゲート36周辺部分の裏面斜視図である。
図29に示すように、正面視でメイン表示装置(変動表示装置、メイン表示器)35の左右側部及び上部の周縁を略コ字状に装飾する上部装飾ユニット240は、左装飾部241と、右装飾部242と、上装飾部243とで構成される。なお、図29は前述した図21に含まれる図と同じであり、説明済みの構成については同じ符号を付して適宜説明を省略する。
右装飾部242の上方には、上装飾部243との繋ぎ部分にセンターフレーム34の振分装置90(図3参照)が配設されるので、振分装置90に設けられる各センサの配線を上部装飾ユニット240の裏面側に引き回すための配線用開口242bが設けられている。
上装飾部243の取付凹部243aには、上部演出装置400(図8参照)の配線を上部装飾ユニット240の裏面側に引き回すための配線用開口243cが設けられている。また、上装飾部243には、第2特別変動入賞装置42(図30参照)の後方に位置して上部前面装飾部材245が設けられる。そして、上部前面装飾部材245の前面には、第2特別変動入賞装置42の配線を上部装飾ユニット240の裏面側に引き回すための配線用開口245aが設けられている。
ここで、第2特別変動入賞装置42の配線引き回し構造について説明する。図30及び図32に示すように、遊技盤30を取り付けた状態では上部前面装飾部材245の前方には、遊技領域31に設けられる第2特別変動入賞装置42が配置される。第2特別変動入賞装置42は、大入賞口ソレノイド28bによって回動部42aが動作することで第2大入賞口に遊技球が入賞可能になる。第2大入賞口には入賞した遊技球を検出する上カウントスイッチ606が備えられている。第2大入賞口に入賞した遊技球は、入賞球流路44に導かれる。そして、図32及び図33に示すように、大入賞口ソレノイド28b及び上カウントスイッチ606の配線W2は、回動部42aの後方に位置する配線用開口245aから上部前面装飾部材245等の立体装飾部材の内部に形成される配線導出路(図示省略)を通って、ユニットベース部材210の裏面側の配線用開口212bから装飾空間の外に導出される。このように、上部前面装飾部材245は、配線W2が遊技板32の後方で露出しないように遮蔽するとともに装飾効果も有する遮蔽装飾部として機能し、さらに前面の配線用開口245aから配線W2を内部に引き入れて裏面側に引き出すための配線導出部としても機能する。
このように第2特別変動入賞装置42が遊技板32の中央寄り(上部装飾ユニット240の中央)に配置される場合は、第2特別変動入賞装置42の配線W2を、後方の立体装飾部材の内部に設けられる配線導出路を介して立体装飾部材の裏面側に引き回し、装飾空間の外に導出する。これにより、上部装飾ユニット240の前方に配線W2を通して端部まで引き回す構造に比べ、配線距離が短く効率のよい配線処理を行うことができるとともに、遊技板32後方の美観や視認性の低下を抑制することができる。このとき配線W2は、上部装飾ユニット240の上装飾部243に突出して設けられる上部前面装飾部材245から内部に引き入れられる。このように上部装飾ユニット240は、装飾空間に収納されるベースの上装飾部243(第2装飾部)の前方に突出して設けられ、遊技板32の裏面に近接若しくは当接する上部前面装飾部材245(第1装飾部)を備える。上装飾部243よりも遊技板32に近い上部前面装飾部材245に配線用開口245aが設けられ、配線用開口245aから配線W2が内部に引きこまれるので、遊技板32の後方における配線W2の露出量を減らすことができ、遊技板の後方の美観の低下を抑制することができる。
また、図29、図30及び図32に示すように、上部前面装飾部材245の上方には、不正行為を検出する磁気センサ23を収容しているかのように見せるダミー収容部243bが突設される。このようなダミー収容部243bは、あまり不正行為が発生しない場所や他の磁気を有する装置(例えば、第2特別変動入賞装置42)に反応してしまう場所に設けられる。遊技者には磁気センサ23の有無を判断することはできない。このようにダミー収容部243bを設けることで、遊技者に数多くの磁気センサ23が設置されていると思わせることができるので、不正行為を断念させる効果が得られる。
図29に示すように、左装飾部241の前面には、側部前面装飾部246が突設される。図30及び図31に示すように、側部前面装飾部246は、普図始動ゲート36の後方に位置し、遊技板32裏から装飾空間に出されるゲートスイッチ603の配線W1が前方を通るように配設される。具体的には、ゲートスイッチ603の配線W1は、ゲート部材36aのフランジ部36bの後方及び側部前面装飾部246の前方を通過しその端部に引き回される。その後、図33に示すように、配線W1は、ユニットベース部材210の側壁212に前後方向に形成される配線用開口212aから装飾空間の外部に導出され、配線用開口212aに沿って配線されてユニットベース部材210の裏面側に導出される。ユニットベース部材210は、配線W1を配線用開口212aに通して装飾空間の外に引き回す配線導出部としても機能する。
ここで、側部前面装飾部246は、配線W1と同系色になるよう配色される。これにより、側部前面装飾部246の前方を通る配線W1が目立たなくなるので、さらに遊技板32の後方の美観や側部前面装飾部246の視認性の低下を抑制することができる。なお、側部前面装飾部246に配線W1の引き回し方向(ここでは左右方向)と同じ方向への縞模様やカットを設けて、配線W1と同系色になってもならなくても同等の効果が得られるようにしてもよい。
このように普図始動ゲート36が遊技板32の端部寄り(装飾空間の端部)に配設される場合は、普図始動ゲート36の配線W1を、後方の上部装飾ユニット240の前を通って端部まで引き回し、側方に設けられる配線用開口212aに通して装飾空間の外に導出する。このとき上部装飾ユニット240の前面(遊技者が遊技板32を介して視認可能な領域)に配線導出部を形成する必要がないので、上部装飾ユニット240の装飾性の低下を防止することができる。
また、前述した第2特別変動入賞装置42の大入賞口ソレノイド28bの前方には、当該大入賞口ソレノイド28bを遮蔽する装飾板(遮蔽板)34e(図6参照)が設けられている。この装飾板34eにより、大入賞口ソレノイド28bが遊技者に直接視認可能となることを規制しており、第2特別変動入賞装置42周辺の美観が損なわれることを防止することができる。また、装飾板34eの後方を大入賞口ソレノイド28bの配線が通ってから配線用開口245aに導かれるため、装飾板34eによって大入賞口ソレノイド28bの配線が視認し難くなる。また、普図始動ゲート36のゲートスイッチ603は、ゲート部材36a(図31参照)により前面側が覆われた状態となっているため、当該ゲート部材36aがゲートスイッチ603を遮蔽する部材として機能する。これにより、ゲートスイッチ603が遊技者に直接視認可能となることを規制しており、普図始動ゲート36周辺の美観が損なわれることを防止することができる。さらに、ゲート部材36aに設けられたフランジ部36bの後方をゲートスイッチ603の配線が通過するので、フランジ部36bによってゲートスイッチ603の配線が視認し難くなる。
以上、本発明の第1の実施の形態では、遊技領域31(装飾空間)の端部に近い普図始動ゲート36(第2電気部品)の配線W1は、上部装飾ユニット240(立体装飾部材)の前方を通って、ユニットベース部材210の配線用開口212aに沿って引き回されることで装飾空間の外に導出される一方、遊技領域31の端部から遠い第2特別変動入賞装置42(第1電気部品)の配線W2は、上部装飾ユニット240の配線用開口245aから内部を通って装飾空間の外に導出される。そして、装飾空間の外(ユニットベース部材210の裏面側)に導出された配線W1、W2は、遊技制御装置600に接続される。このように、電気部品の配置に応じて配線の引き回し構造を適用するので効率のよい配線処理が可能である。
なお、図29〜図31に示すように、普図始動ゲート36近くの磁気センサ収容部241bは、その形状はダミー収容部243bと同じである。磁気センサ収容部241bは、不正行為を検出する磁気センサ23を実際に収容している。このように、遊技領域31に一見して区別がつかない磁気センサ収容部241b及びダミー収容部243bを設け、不正行為の発生割合が高い箇所に磁気センサ23を備えることで、効率よく不正行為の発見及び防止を行うことができる。なお、本発明の第1の実施の形態では、磁気センサ収容部241b及びダミー収容部243bは、それぞれ左装飾部241及び上装飾部243(すなわち上部装飾ユニット240)に配設されているが、遊技板32側に配設してもよい。
〔除電ユニット〕
次に、図34から図40を参照して、透明樹脂製の遊技板32に帯電した静電気を枠体(ここではガラス枠6)側に逃がす除電ユニット900について説明する。前述したように本発明の第1の実施の形態では、ガラス枠6の裏面に補強板金6b(図2参照)が設けられ、遊技盤30の右側部上方に除電ユニット900(図3及び図5参照)が設けられる。そして、ガラス枠6と前面枠5からなる枠体(開閉枠4)に遊技盤30が収納された状態において、除電ユニット900に設けられる金属の導電部材901をガラス枠6の補強板金6bに接触させることでアースする。以下、その仕組みを説明する。
図34は、本発明の第1の実施の形態の遊技盤30に設けられた除電ユニット900の取付状態を示す斜視図である。図35は、本発明の第1の実施の形態の除電ユニット900の斜視分解図である。図36は、本発明の第1の実施の形態の除電ユニット900の裏面斜視図である。図37は、本発明の第1の実施の形態の図34における除電ユニット900を示す縦断面図である。図38及び図39は、本発明の第1の実施の形態の枠体(開閉枠4)に収納されるときの除電ユニット900の動作態様を示す縦断面図である。
図34〜図39に示すように、遊技盤30の右側部上方には、遊技板32前面の区画部材32bによって除電ユニット900を取り付ける取付部902が形成される。除電ユニット900は、前面に開口するねじ穴903を有し、取付部902に取り付けられた後、ねじ穴903にねじ904を通して遊技板32に止着される。取付部902の後方に位置する遊技板32及びユニットベース部材210のスペーサ部材213には、ねじ904による止着位置の下方にそれぞれ切欠部32f、213aが形成される。これら切欠部32f、213aは、遊技盤30が前面枠5に収納されるときに前面枠5に設けられる突出押圧部5d(図38参照)が挿通可能なように形成されている。
ここで、除電ユニット900は、収容空間形成部905及びレール導通部906を有するベース部材907と、ガラス枠6の補強板金6bに接触可能な導電部材901と、ガイドレール32aと接触可能な導通部材908と、を備える。なお、ガイドレール32aは遊技板32に直接取り付けられていても良いし、区画部材32bに取り付けられていても良い。要は、発射された遊技球や遊技板に帯電した静電気を集めることができれば遊技板32への取り付け方は任意に設定できる。
ベース部材907は後面が開口した箱形状であり、収容空間形成部905は、開口した後面から導電部材901を収容可能な収容空間905aを形成している。また、レール導通部906は、収容空間形成部905の側面に、遊技領域31を区画するガイドレール32aと接触可能に突出して設けられる。ここで、レール導通部906の後面にはL字型の導通部材908が取り付けられる。レール導通部906の端部には導通部材908及びガイドレール32aを差し込み可能な差込部906aが設けられており、図36に示すように差込部906aに差し込まれた導通部材908の接触部908aとガイドレール32aとが接触することでガイドレール32aを介して遊技盤30に帯電する静電気を除電ユニット900の導通部材908に流す。そして、導通部材908のもう一方の端部には、ねじ904によってベース部材907及び導電部材901と共に遊技板32に止着される被固定部908bが設けられており、ガイドレール32aから接触部908aを介して導通部材908に流れた静電気を被固定部908bを介して導電部材901に流す。
導電部材901の上端部には、前面で導通部材908の被固定部908bと接触し、後面で遊技板32と接触し、前述したようにベース部材907及び導通部材908とともにねじ904によって遊技板32に止着される被固定部901aが設けられる。また、被固定部901aの下方には、押圧受部901bが設けられる。図37に示すように遊技盤30が前面枠5に取り付けられていない状態において、押圧受部901bは、遊技板32の切欠部32fに突出して臨む。また、図38に示すように遊技盤30が前面枠5に取り付けられた状態において、押圧受部901bは、切欠部32fに挿通される前面枠5の突出押圧部5dにより前方に押し出される。そして、押圧受部901bの下方には、前下方に傾斜する平板部901cを介して接触部901dが設けられる。このとき平板部901cは、ベース部材907の後面に設けられる支持部907aの上面に沿って配設される。
図37に示すように導電部材901の接触部901dは、遊技盤30が前面枠5に取り付けられていない状態ではベース部材907の収容空間905a内に収まっている状態(埋没状態)を維持する。これに対し、図38に示すように遊技盤30が前面枠5に取り付けられた状態では、前面枠5の突出押圧部5dによる押圧受部901bの前方への押し出しに伴って導電部材901の接触部901dも前方に押し出される。そして、押圧受部901bが切欠部32fから完全に押し出されると、接触部901dは、ベース部材907(収容空間形成部905)の前面に開口して設けられる露出開口907bから外部(遊技盤30の外)に突出する突出状態に変化する。
このように導電部材901は、押圧受部901bが前方向への力を受けることで弾性変形する板ばねとして機能する。そして、図39に示すように遊技盤30が前面枠5に取り付けられて接触部901dが埋没状態から突出状態に変換した状態でガラス枠6が閉じられると、接触部901dにガラス枠6裏面に設けられる補強板金6bの導通部6cが接触する。これにより導電部材901は遊技盤30の静電気を導通部6cを介してガラス枠6に逃がして除去することができる。
このとき接触部901dの下方であって導電部材901の下端には、接触部901dの前方への突出を規制するストッパ部901eが設けられており、ストッパ部901eがベース部材907の露出開口907bの下枠を形成する動作規制部907cに係止されることで、接触部901dの突出状態が安定する。
本発明の第1の実施の形態の除電ユニット900は、遊技盤30が前面枠5に収納されない状態、すなわち遊技盤30が運搬されたり着脱されたりする状況では、導電部材901はベース部材907(収容空間905a)から露出しない埋没状態を維持するので、導電部材901によって作業者がけがすることを防止することができる。一方、遊技盤30が前面枠5に収納されている状態では、導電部材901は前面枠5の突出押圧部5dによって埋没状態からベース部材907の外に突出する突出状態に変換される。そして、導電部材901が突出状態のときガラス枠6を閉じると、補強板金6bの導通部6cは接触部901dと接触して遊技盤30に帯電した静電気を除去するアース部材として機能する。
このように本発明の除電ユニット900は、樹脂製の遊技板32に帯電した静電気を枠体側(ここではガラス枠6)に逃がすことで確実に除去することができる。また、遊技盤30の収納状況に応じて導電部材901の姿勢状態が変換されるので、安全な運搬作業及び着脱作業を提供することができる。また、導電部材901の状態変換作業やアース部材との接触作業は、遊技盤30を前面枠5及びガラス枠6からなる収納枠体に収納する作業に伴い完了するので、特別な除電作業が不要である。そして、遊技盤30の収容作業効率が下がることもなく、効率よい除電を提供できる。
そして、遊技板32に設けられ、遊技領域31を区画するガイドレール32aは遊技板32に帯電した静電気を集める帯電部材として機能し、ガイドレール32aと遊技盤30の端部に設けられる除電ユニット900の導電部材901とは、導通部材908を介して導通する。帯電し易い遊技板32に静電気を集める帯電部材を設けることで集電効率が向上し、効率よく遊技板32に帯電した静電気を除去することができる。
なお、導通部材908の接触部908aと接触する遊技盤30の帯電部材は、ガイドレール32aに限らない。遊技盤30に設けられ、導電性の高い部材であれば装飾用のメッキパーツでもよい。遊技領域31に臨むように遊技板32に取り付けられる装飾部材を帯電部材として機能させるためには、装飾部材に金属膜を付着すればよいので、遊技領域31(遊技板32の後方)の美観を損ねることなく、遊技領域31に臨む帯電部材を配設することができる。
また、除電ユニット900のベース部材907は、遊技板32の前方に設けられている区画部材32bと遊技板32とに挟持された状態でねじ904によって遊技板32に止着される。これにより、導電部材901を支持するベース部材907の遊技板32への止着状態が強固なものになり安定する。
ここで、除電ユニット900を遊技板32に止着する止着部材として導電性の高いねじ904を用いる。このときベース部材907だけでなく、導電部材901も一緒に遊技板32に止着される。よって、遊技板32に帯電した静電気は止着部材を介して導電部材901に導かれるので、除電効率が向上する。
なお、本発明の第1の実施の形態では、ガラス枠6を閉じたときに除電ユニット900の導電部材901が枠体(開閉枠4)の外枠側(ガラス枠6)に接地される構成としたが、内枠側(前面枠5)に接地される構成にしてもよい。
(変形例)
図40は、本発明の第1の実施の形態の変形例の除電ユニットを示す図である。図40(A)は斜視図であり、図40(B)は枠体に取り付けられた状態における縦断面図である。
変形例では、図40(A)及び図40(B)に示すように、ベース部材907の露出開口907bの左右枠に沿って前方に保護壁907dが突設される。保護壁907dは、導電部材901の接触部901dが突出状態であるときに接触部901dを左右側方から被覆可能に設けられ、このときガラス枠6の補強板金6bの導通部6cは保護壁907dの間で接触部901dに接触する。
これにより、薄板である導電部材901の接触部901dの側部エッジを破損や変形から保護することができる。
以上、本実施形態における遊技機1の構造について説明した。続いて、本実施形態における遊技機1の制御について説明する。まず、本実施形態における遊技の仕様について説明する。
〔遊技機仕様〕
図41は、本発明の第1の実施の形態の遊技機の仕様を説明する図である。(A)は変動表示ゲームの仕様、(B)は特図変動表示ゲームが特別結果となった場合の各大当り状態(特別遊技状態)の発生割合、(C)は抽選ゲート(変動部、第1通過ゲート部34g)に遊技球が通過した場合の大当り状態のラウンド数の選択確率を含むラウンド振分テーブル1、(D)は固定ゲート(固定部、第2通過ゲート部34h)に遊技球が通過した場合の大当り状態のラウンド数を含むラウンド振分テーブル2を示している。
(A)を参照すると、本実施形態における遊技機では、低確率状態では、大当り確率が1/300、高確率状態(確変状態)では大当り確率が1/50に設定されている。
また、特図変動表示ゲームで大当りが発生すると、65/100の確率で確変状態に移行する。具体的には、(B)に示すように、第1特別結果確変大当り、第2特別結果通常大当り、第2特別結果確変大当りの3種類が発生し、それぞれ、5/100、35/100、60/100の確率で選択される。
大当り状態におけるラウンド数は、5ラウンド、10ラウンド、15ラウンド、16ラウンドが選択可能となっている。第1特別結果確変大当りでは、常に16ラウンドが選択される。一方、第2特別結果通常大当り及び第2特別結果確変大当りの場合には、5ラウンド、10ラウンド又は15ラウンドのいずれかが選択される。
具体的には、前述のように、振分装置90の抽選ゲートを遊技球が通過した場合には、(C)に示すように、50/100の確率で5ラウンド又は15ラウンドが選択される。一方、固定ゲートに遊技球が通過した場合には、(D)に示すように、必ず10ラウンドが選択される。
最後に普図変動表示ゲームについて説明する。本実施形態では、普電サポート状態(電サポ状態、時短状態又は確変状態)でない場合(非電サポ状態)には、普図変動表示ゲームの当選確率が0/128に設定されており、必ず当選しないように設定されている。
一方、普電サポート状態の場合には、普図変動表示ゲームの当選確率が127/128に設定されており、ほぼ確実に当選するように設定されている。普図変動表示ゲームに当選すると、普通電動役物が1.5秒間開放され、さらに、この開放が3回繰り返される。また、複数の開放パターンを定義し、抽選によっていずれかの開放パターンで普通電動役物を開放させるようにしてもよい。
また、本実施形態の遊技機1では、普図変動表示ゲームの変動時間は、普電サポート状態であるか否かにかかわらず、1秒間となっている。非電サポ状態で普図変動表示ゲームの当選確率に0よりも大きい値が設定され、さらに変動時間が長く設定されている場合には、普図変動表示ゲームが終了するまでに時間を要するため、特別遊技状態の終了後にすぐに普電サポート状態に移行できないおそれがある。普図変動表示ゲームの当選確率を0に設定し、変動時間を一定にすることによって、特別遊技状態の終了後にすぐに普電サポート状態に移行させることが可能となる。
なお、非電サポ状態においても普図変動表示ゲームの当選確率が0よりも大きい値を設定してもよい。さらに、複数の開放パターンを設定するようにしてもよい。例えば、通常の普電ショート開放の他に、所定の確率で普通電動役物を比較的長い時間開放させる普電ロング開放を含めるようにしてもよい。普電ロング開放中には、特別な演出を実行するようにしてもよい。
なお、本実施形態の遊技機1では、2つの始動入賞口が備えられているが、いずれの始動入賞口に入賞しても第1特別結果確変大当り、第2特別結果通常大当り、第2特別結果確変大当りの振り分けは同じであるが、例えば、第2始動入賞口に遊技球が入賞した場合には、第1特別結果確変大当りに振り分けられる確率を高くするなど、第2始動入賞口に遊技球が入賞した場合のほうが有利となるように設定してもよい。
続いて、本発明の第1の実施の形態の遊技機における状態遷移について説明する。図42は、本発明の第1の実施の形態の遊技機における状態の遷移を説明する図である。
まず、通常状態において、始動入賞口に遊技球が入賞すると、変動表示ゲームが開始される。変動表示ゲームがはずれの場合には、通常状態に戻る。
変動表示ゲームの結果が第1特別結果の場合には、図41にて説明したように、16ラウンド大当りとなる。このとき、センターフレーム34の上部に配設された第2特別変動入賞装置42が開放される。
一方、変動表示ゲームの結果が第2特別結果となった場合には、遊技者は振分装置90に向かって遊技球を発射し、抽選ゲート(第1通過ゲート部34g)又は固定ゲート(第2通過ゲート部34h)に当該遊技球を通過させる。
前述のように、遊技者が抽選ゲート(第1通過ゲート部34g)を選択して遊技球を通過させた場合には、抽選で5ラウンド又は15ラウンドが選択される。一方、固定ゲート(第2通過ゲート部34h)が選択された場合には、必ず、10ラウンドが選択されるようになっている。
本実施形態では、5ラウンドが選択される確率と、15ラウンドが選択される確率はそれぞれ50/100に設定されているが、抽選ゲート(第1通過ゲート部34g)を選択した場合に選択されるラウンド数の期待値が10ラウンドになるように設定されていれば、別のラウンド数を設定するようにしてもよい。例えば、4ラウンドと16ラウンドが50/100の確率で選択されるようにしてもよいし、5ラウンド、10ラウンド、15ラウンドが等確率で選択されるようにしてもよい。
したがって、遊技者は、確実に10ラウンド分の賞球が得られるように固定ゲートを選択してもよいし、より多くの賞球を取得可能な抽選ゲートを選択してもよく、好みによって選択することができる。
また、変動表示ゲームの結果が第2特別結果となった場合には、特別遊技状態が開始されると、遊技盤30の右下方に配設されたアタッカ形式の第1特別変動入賞装置41が選択されたラウンド数分だけ開放される。
〔遊技制御装置/演出制御装置〕
次に、図43及び図44を参照して、遊技機1に備えられる遊技制御装置600及び演出制御装置700について説明する。
図43は、遊技機1の遊技制御装置600を中心とする制御系を示すブロック構成図である。図44は、遊技機1の演出制御装置700を中心とする制御系を示すブロック構成図である。
図43に示す遊技制御装置600は、遊技機1における遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)である。遊技制御装置600には、電源装置800、払出制御装置640、及び演出制御装置700が接続される。遊技制御装置600は、払出制御装置640や演出制御装置700に制御信号(コマンド)を送信し、各種処理の実行を指示する。さらに、遊技制御装置600には、各種スイッチや制御対象のソレノイド等が接続される。
遊技制御装置600は、各種演算処理を行うCPU部610と、各種信号の入力を受け付ける入力部620と、各種信号や制御信号を出力する出力部630とを備える。CPU部610、入力部620及び出力部630は、互いにデータバス680によって接続される。
入力部620は、遊技盤30等に設けられた各種スイッチから出力される信号や払出制御装置640から出力される信号を受け付ける。この入力部620は、近接インターフェース(I/F)621(621a、621b)及び入力ポート622(622a、622b)、623を備える。
入力ポート622、623は、近接I/F621を介して入力される信号を受け付けたり、外部から入力される信号を直接受け付けたりする。入力ポート622、623に入力した情報は、データバス680を介してCPU部610等に提供される。
近接I/F621は、各種スイッチから出力された信号を受け付け、それら入力信号を変換して入力ポート622に出力するインターフェースである。近接I/F621aには、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、及び下カウントスイッチ605a〜605mが接続される。また、近接I/F621bには、上カウントスイッチ606、第1通過検出センサ607a及び第2通過検出センサ607bが接続される。
第1始動口スイッチ601は、遊技球が第1始動入賞口37に入賞したことを検出するスイッチである。第2始動口スイッチ602は、遊技球が第2始動入賞口38に入賞したことを検出するスイッチである。ゲートスイッチ603は、遊技球が普図始動ゲート36を通過したことを検出するスイッチである。入賞口スイッチ604a〜604nは、遊技球が一般入賞口40に入賞したことを検出するスイッチである。
下カウントスイッチ605a〜605m及び上カウントスイッチ606は、遊技球が大入賞口に入賞したことを検出するスイッチである。下カウントスイッチ605a〜605m及び上カウントスイッチ606によって遊技球の入賞が検出されると、入賞した遊技球の数がカウントされ、カウントされた遊技球の数が遊技制御装置600に備えられたメモリに記憶される。
第1通過検出センサ607aは、振分装置90に備えられた第1通過ゲート部34gを遊技球が通過したことを検出する。同様に、第2通過検出センサ607bは、第2通過ゲート部34hを遊技球が通過したことを検出する。
近接I/F621は、各種スイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vといった負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換する。近接I/F621は、通常時には所定範囲内(7V−11V)となっているため、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
なお、近接I/F621に接続されるスイッチのコネクタの着脱によって、近接I/F621に入力される信号の出力値(ON/OFF)が切り替わるため、近接I/F621はスイッチが接続されていない場合であっても出力を一定に維持するように構成されている。
また、近接I/F621aと近接I/F621bの二つの近接I/Fを設けている理由は、近接I/F621aの入力端子数が限られているためである。近接I/F621bは不足する入力端子数に応じて近接I/F621aよりも小型のものを用いることでコストを削減するようにしてもよい。なお、近接I/F621aとして必要な入力端子数を備えるものを用いることによって、近接I/F621bを設けないようにしてもよい。
また、近接I/F621の出力のうち、電波センサ24の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号1,2は入力ポート622aに入力される。また、入力ポート622aには、遊技機1の前面枠5等に設けられた不正検出用の磁気センサ23の検出信号も入力されるようになっている。
磁気センサ23は、発射された遊技球の軌道を磁石によって操作する不正行為を検出するために磁力を検出する。電波センサ24は、入賞口スイッチ604などを誤作動させる不正行為を検出するために、遊技機1に向かって照射された電波を検出する。なお、振動を検出する振動センサを遊技機に設け、検出信号が入力ポート622aに入力されるようにしてもよい。
また、近接I/F621の出力のうち、入力ポート622bへの出力は、遊技制御装置600から中継基板650を介して図示しない試射試験装置に供給されるようになっている。さらに、近接I/F621の出力のうち第1始動口スイッチ601と第2始動口スイッチ602の検出信号は、入力ポート622bの他、反転回路612を介して遊技用マイコン611へ入力されるように構成されている。反転回路612を設けているのは、遊技用マイコン611の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
したがって、第1始動口スイッチ601と第2始動口スイッチ602としてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路612を設けずに直接遊技用マイコン611へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、第1始動口スイッチ601と第2始動口スイッチ602からの負論理の信号を直接遊技用マイコン611へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F621は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F621には、電源装置800から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
入力ポート622aには、磁気センサ23からの信号が直接入力され、入力ポート623には前面枠開放検出スイッチ(SW)25及びガラス枠開放検出スイッチ(SW)26からの信号が直接入力される。入力ポート623には、払出制御装置640からの払出異常を示すステータス信号なども入力される。
前面枠開放検出SW25は、前面枠5が開放されたことを検出する。前面枠開放検出SW25は、前面枠5が本体枠2から開放されるとオンに設定され、前面枠5が本体枠2に閉止されるとオフに設定される。
ガラス枠開放検出SW26は、ガラス枠6が開放されたことを検出する。ガラス枠開放検出SW26は、ガラス枠6が前面枠5から開放されるとオンに設定され、ガラス枠6が前面枠5に閉止されるとオフに設定される。
入力ポート622bが保持しているデータは、遊技用マイコン611が入力ポート622bに割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。入力ポート622aや後述の入力ポート623も同様である。
遊技制御装置600のCPU部610は、遊技用マイコン611と、反転回路612と、水晶発振器613とを備える。
遊技用マイコン611は、CPU611a、ROM611b、及びRAM611cを有しており、入力部620を介して入力された信号に基づいてROM611bに記憶されたプログラムを実行して大当り抽選等の各種処理を実行する。遊技用マイコン611は、出力部630を介して、第1特図変動表示部(特図1表示器)51、第2特図変動表示部(特図2表示器)52、普図変動表示部(普図表示器)53、特図1保留表示部54、特図2保留表示部55、普図保留表示部56、高確率表示部57、時短状態表示部58、ラウンド数表示部59が設けられた特図/普図LED基板等から構成される一括表示装置50、普電ソレノイド27、大入賞口ソレノイド28、演出制御装置700、及び払出制御装置640に制御信号を送信し、遊技機1を統括的に制御する。遊技用マイコン611は、チップセレクトで、信号を入力又は出力するポートを選択している。
ROM611bは、不揮発性の記憶媒体であり、遊技制御のためのプログラムやデータ等を記憶する。
RAM611cは、揮発性の記憶媒体であり、遊技制御に必要な情報(例えば、乱数値など)を一時的に記憶するワークエリアとして利用される。
反転回路612は、近接I/F621を介して入力された信号(第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602からの信号)の論理値を反転させて遊技用マイコン611に出力する。
水晶発振器613は、タイマ割込み、システムクロック信号、大当り抽選等を行うためのハード乱数の動作クロック源として構成されている。
遊技制御装置600の出力部630は、ポート631a〜631eと、バッファ632a、632bと、ドライバ633a〜633dと、フォトカプラ634とを備える。
ポート631a〜631eは、データバス680を介して入力された信号を受け付ける。
バッファ632a、632bは、データバス680やポート631a、631bを介して入力された信号を一時的に保持する。
ドライバ633a〜633dは、ポート631c〜631eを介して入力される信号から各種駆動信号を生成して各装置に出力する。
フォトカプラ634は、外部の検査装置670に接続可能に構成されており、入出力される各種信号からノイズを除去して各種信号の波形を整形する。フォトカプラ634と検査装置670との間は、シリアル通信によって情報が送受信される。
払出制御装置640には、ポート631aを介してパラレル通信によってCPU部610から出力された情報が送信される。具体的には、4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)を出力する。払出制御装置640に対しては片方向通信を担保する必要がないため、ポート631aから払出制御装置640の払出制御基板に制御信号が直接送信される。
また、払出制御装置640は、発射制御装置に発射許可信号を出力する。発射制御装置は、発射許可信号が入力されている場合にのみ遊技球を遊技領域31に発射することが可能となっている。
払出制御装置640は、遊技制御装置600からの賞球指令信号に基づいて払出ユニット(図示省略)から賞球を排出させたり、カードユニット(図示省略)からの貸球要求信号に基づいて払出ユニットから貸球を排出させたりする。払出制御装置640は、前述のように、球切れや故障等の障害が発生した場合に、払出異常ステータス信号やシュート球切れスイッチ信号、オーバーフロースイッチ信号を遊技制御装置600に出力する。
払出異常ステータス信号は、遊技球の払い出しが正常に行われていない場合に出力される信号である。払出シュート球切れスイッチ信号は、払い出し前の遊技球が不足している場合に出力される信号である。オーバーフロースイッチ信号は、下皿14(図1参照)に所定量以上の遊技球が貯留されている場合に出力される信号である。遊技制御装置600から演出制御装置700には、シリアル通信でデータが送信される。
演出制御装置700には、出力部630のバッファ632aを介してサブコマンドが入力される。バッファ632aを有することによって、演出制御装置700の側から遊技制御装置600に信号を入力できないようにすることが可能となり、片方向通信を担保することができる。演出制御装置700に送信されるサブコマンドには、変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等の演出制御指令信号が含まれる。
大入賞口ソレノイド28及び普電ソレノイド27には、ポート631b及びドライバ633aを介して、CPU部610から出力された信号が入力する。大入賞口ソレノイド28aは第1特別変動入賞装置41の開閉扉41a(図3参照)を回動させ、大入賞口ソレノイド28bは第2特別変動入賞装置42の回動部42a(図3参照)を回動させ、普電ソレノイド27は第2始動入賞口38への遊技球の入賞が許容されるように、可動部材38aを開状態に変換させる。
一括表示装置50は、特図/普図LED基板と該特図/普図LED基板を収容するケース部材等から構成されている。一括表示装置50のLEDのアノード端子はセグメント線を介してドライバ633cに接続し、このドライバ633cとポート631cとが接続している。一括表示装置50のLEDのカソード端子はデジット線を介してドライバ633bと接続し、このドライバ633bとポート631bとが接続している。一括表示装置50のLEDのアノード端子にはドライバ633cからのオン/オフ駆動信号が入力され、一括表示装置50のLEDのカソード端子からはドライバ633bにオン/オフ駆動信号が出力される。
外部情報端子660は、フォトリレーが備えられ、変動表示ゲームの開始を示すスタート信号や大当り遊技状態の発生を示す特賞信号等の遊技データを情報収集端末装置に出力するための端子である。遊技データは、ポート631e及びドライバ633dを介して外部情報端子660に出力される。
遊技制御装置600は、中継基板650を介して、外部の試射試験装置に接続可能に構成されている。試射試験装置は、所定機関において遊技機1の型式試験を行うための装置である。試射試験装置には、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、下カウントスイッチ605a〜605m、及び上カウントスイッチ606からの信号や、大入賞口ソレノイド28及び普電ソレノイド27に出力される信号等、試射試験に必要な信号が入力される。
遊技制御装置600は、入力部620に設けられるシュミット回路624を介して、電源装置800に接続している。シュミット回路624は、電源の立ち上がり時や電源遮断時において遊技機1の動作が不安定になることを防ぐために、入力信号の揺らぎ(ノイズ)を除去する回路である。シュミット回路624には、電源装置800からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号が入力される。
電源装置800は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータや、DC32Vの電圧からDC12V、DC5V等のより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータを有する通常電源部810と、遊技用マイコン611の内部のRAM611cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部820と、停電監視回路や初期化スイッチを有し、遊技制御装置600に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号等の制御信号を生成して出力する制御信号生成部830とを備える。
バックアップ電源部820は、遊技用マイコン611のRAM611cに記憶された遊技データをバックアップするための電源である。遊技制御装置600は、停電復旧後、RAM611cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。
制御信号生成部830は、DC12V及びDC5Vを生成するスイッチングレギュレータの入力電圧(保証DC32V)を監視する。検出電圧がDC17.2V〜DC20.0Vのときに停電と判定し、制御信号生成部830から停電監視信号が出力される。停電監視信号は、シュミット回路624を経由して、入力部620の入力ポート623に入力する。停電監視信号の出力後には、停電監視回路はリセット信号を出力する。リセット信号は、シュミット回路624を経由して、遊技用マイコン611及び出力部630の各ポート631a〜631eに入力する。遊技制御装置600は、停電監視信号を受け付けると所定の停電処理を行い、リセット信号を受け付けた後にCPU部610の動作を停止させる。
制御信号生成部830は、初期化スイッチ(図示省略)を備えており、電源投入時に初期化スイッチがON状態となっている場合に、制御信号生成部830から初期化スイッチ信号が出力される。初期化スイッチ信号は、シュミット回路624を介して、入力部620の入力ポート623に入力する。初期化スイッチ信号は、遊技用マイコン611のRAM611c及び払出制御装置640のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する信号である。
以上のように、停電監視信号及び初期化スイッチ信号は、一旦、入力ポート623に入力され、データバス680を介して遊技用マイコン611に取り込まれ、各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。これは、遊技用マイコン611に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミット回路624によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、前述のように、遊技用マイコン611に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部630の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは、出力部630を介さずに直接中継基板650に出力することで、試射試験装置に出力するために中継基板650のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板650を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部620の各ポート622、623には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン611によって出力部630の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部620の各ポートから遊技用マイコン611が読み込んだデータは、遊技用マイコン611のリセットによって廃棄されるためである。
図44に示す演出制御装置700は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)710と、主制御用マイコン710の制御下で映像制御等を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)720と、映像制御用マイコン720からのコマンドやデータに従って変動表示装置35(図2参照)への映像表示のための画像処理を行うVDP(Video Display Processor)730と、各種メロディや効果音等を上スピーカ10a及び下スピーカ10bから再生させる音源LSI705とを備える。
主制御用マイコン710と映像制御用マイコン720には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(Programmable Read Only Memory)702、703がそれぞれ接続される。
VDP730には、キャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM704が接続される。
音源LSI705には、音声データ等が記憶された音声ROM706が接続される。
主制御用マイコン710は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611から送信されたコマンドを解析し、映像制御用マイコン720に出力映像の内容を指示したり、音源LSI705に再生音の内容を指示したりする。また、主制御用マイコン710は、遊技制御装置600からの制御コマンドに基づいて、LED等の点灯制御、各種モータの駆動制御、演出時間の管理等の処理も実行する。
主制御用マイコン710及び映像制御用マイコン720の作業領域を提供するRAM711、721は、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAM711、721はチップの外部に設けるようにしてもよい。
主制御用マイコン710と映像制御用マイコン720との間、主制御用マイコン710と音源LSI705との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。これに対して、主制御用マイコン710とVDP730との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアル方式の場合よりも短時間のうちにコマンドやデータを送信することができる。
VDP730には、画像ROM704から読み出されたキャラクタ等の画像データを展開したり加工したりするのに使用されるVRAM(ビデオRAM)731、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ732、及びLVDS(小振幅信号伝送)方式で変動表示装置35へ送信する映像信号を生成する信号変換回路733が設けられる。
VDP730から主制御用マイコン710へは、変動表示装置35の映像と、前面枠5や遊技盤30に設けられるLED等の点灯とを同期させるために垂直同期信号VSYNCが出力される。また、VDP730から映像制御用マイコン720へは、VRAM731への描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン720からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが出力される。
映像制御用マイコン720から主制御用マイコン710へは、映像制御用マイコン720が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが出力される。
主制御用マイコン710と音源LSI705との間においては、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け信号CTSと応答信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン720には、主制御用マイコン710よりも高速処理が可能なCPUが使用されている。主制御用マイコン710とは別に映像制御用マイコン720を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン710のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を変動表示装置35に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン720と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。
演出制御装置700は、遊技制御装置600から送信されるコマンドを受信するためのインタフェースチップ(コマンドI/F)701を備えている。演出制御装置700は、コマンドI/F701を介して、遊技制御装置600から送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置600の遊技用マイコン611はDC5Vで動作し、演出制御装置700の主制御用マイコン710はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F701には信号のレベル変換の機能が設けられている。
演出制御装置700には、センターフレーム34や遊技盤30に設けられるLED等を含む盤装飾装置760を制御する盤装飾LED制御回路741、前面枠5等に設けられるLED等を含む枠装飾装置21を制御する枠装飾LED制御回路742、変動表示装置35における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物や装飾部材7等を含む盤演出装置770を駆動制御する盤演出モータ/SOL(ソレノイド)制御回路743、可動式照明9の照明駆動モータ等を含む枠演出装置22を駆動制御する枠演出モータ制御回路744が設けられている。これらの制御回路(741〜744)は、アドレス/データバス740を介して主制御用マイコン710に接続されている。
また、演出制御装置700には、演出ボタン17又は選択ボタン29(図1参照)が操作されたことを検知する演出ボタンSW(スイッチ)751、各種駆動モータが駆動されたことを検知する演出モータSW(スイッチ)752a〜752n、人感センサ(赤外線センサ)590のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン710へ検出信号を送信するスイッチ(SW)入力回路750が設けられている。さらに、上スピーカ10a及び下スピーカ10bを駆動するオーディオパワーアンプ等からなるアンプ回路707、708が設けられている。
電源装置800の通常電源部810は、演出制御装置700及び当該演出制御装置700によって制御される電子部品に対して所定レベルの直流電圧を供給するために、複数種類の電圧を生成可能に構成されている。具体的には、駆動モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる変動表示装置35を駆動するためのDC12V、コマンドI/F701の電源電圧となるDC5Vの他に、上スピーカ10a及び下スピーカ10bを駆動するためのDC18Vや、これらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させたりするのに使用するNDC24Vの電圧を生成することが可能となっている。
電源装置800の制御信号生成部830により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン710、映像制御用マイコン720、VDP730、音源LSI705、各種制御回路(741〜744、707、708)に供給され、これらをリセット状態にする。電源装置800は、映像制御用マイコン720が有する汎用ポートを利用して、VDP730に対するリセット信号を生成して供給する機能を有している。これにより、映像制御用マイコン720とVDP730の動作の連携性を向上させることができる。
以上のように、演出制御装置700は、遊技制御装置600から送信されたコマンドに基づいて演出制御を行う演出制御手段として機能し、変動表示装置35に表示される表示内容を制御する表示制御手段、及び、スピーカ10から効果音等を出力する音出力制御手段としての機能を有する。
以上が本発明の第1の実施の形態における遊技機1の構成である。続いて、遊技制御装置600による具体的な制御について説明する。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、メイン処理について説明する。図45は、本発明の第1の実施の形態のメイン処理の前半部のフローチャートである。図46は、本発明の第1の実施の形態のメイン処理の後半部のフローチャートである。
メイン処理は、遊技機1の電源投入時に実行が開始される。例えば、遊技場で営業を開始するために遊技機の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行される。
遊技制御装置600は、メイン処理が実行されると、まず、割込みを禁止する(ステップA1001)。次いで、割込みが発生した場合に実行されるジャンプ先を示すベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理を実行する(ステップA1002)。さらに、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定する(ステップA1003)。さらに、入力ポート623の状態を読み込み(ステップA1004)、割込み処理のモードを設定する(ステップA1005)。
次に、遊技制御装置600は、従属制御装置(払出制御装置(払出基板))640や演出制御装置700)のプログラムが正常に起動するまで待機するための電源投入ディレイタイマを設定する(ステップA1006)。例えば、3秒間待機するように電源投入ディレイタイマを設定する。このように制御することによって、電源投入の際に、払出制御装置640や演出制御装置700の起動が完了する前に、遊技制御装置600が先に起動してコマンドを従属制御装置に送信してしまうことによって、送信されたコマンドを従属制御装置が取りこぼすことを回避することができる。したがって、遊技制御装置600が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置600)の起動を遅らせて従属制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなしている。
なお、入力ポート623には初期化スイッチ信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に入力ポート623の状態を読み込むことで、初期化スイッチの操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に初期化スイッチの状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから初期化スイッチを操作したり、電源投入から待機時間の経過まで初期化スイッチを操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても電源投入後すぐに操作を行うことで検出されるようになり、電源投入時に行った初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源投入ディレイタイマの設定が完了すると、遊技制御装置600は、停電を監視する処理を実行する(ステップA1007〜ステップA1011)。遊技制御装置600は、まず、停電監視信号のチェック回数を設定する(ステップA1007)。停電監視信号のチェックは、電源装置800から出力された停電監視信号を読み込むことによって行う。停電監視信号のチェック回数は、例えば、2回である。なお、停電が発生している場合に、停電監視信号はオンになる。
次に、遊技制御装置600は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(ステップA1008)。そして、ステップA1007の処理で設定したチェック回数分だけステップA1008の判定を繰り返す(ステップA1009)。
遊技制御装置600は、チェック回数分だけ停電監視信号がオンであることを計測した場合には(ステップA1009の結果が「Y」)、停電が発生していると判定し、電源が遮断されるまで待機する。このように、所定のチェック回数分、停電監視信号をチェックすることによって、ノイズなどによる誤検知を防止することが可能となる。すなわち、遊技制御装置600が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなしている。これにより、遊技制御装置600の起動を遅らせている期間に発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、遊技制御装置600は、停電監視信号がオンでない場合(ステップA1009の結果が「N」)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを−1更新し(ステップA1010)、電源投入ディレイタイマの値が0であるか否かを判定する(ステップA1011)。電源投入ディレイタイマの値が0でない場合(ステップA1011の結果が「N」)、すなわち、待機時間が経過していない場合には、ステップA1007の処理に戻る。
一方、遊技制御装置600は、電源投入ディレイタイマの値が0の場合(ステップA1011の結果が「Y」)、すなわち、待機時間が経過した場合には、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)に対するアクセスを許可する(ステップA1012)。さらに、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップA1013)。また、遊技用マイコン611に予め搭載されているシリアルポートを使用しない状態に設定する(ステップA1014)。本実施形態では、遊技制御装置600は、演出制御装置700との間でシリアル通信を行っている。
続いて、遊技制御装置600は、電源装置800内の初期化スイッチ信号がオンに設定されているか否か判定する(ステップA1015)。初期化スイッチ信号は、遊技機1に電源が投入された場合に、初期化された状態で遊技を開始するか否かを設定するための信号である。
例えば、閉店時などに確変状態のまま電源が切断され、翌日の開店時に電源が投入された場合には、初期化された状態で遊技が開始されるように、初期化スイッチ信号がオンに設定される。一方、停電発生後に再度電源が投入された場合には、遊技を可能な限り停電前の遊技状態に近い状態で再開するために、遊技機が初期化されないように、初期化スイッチ信号がオフに設定される。
遊技制御装置600は、初期化スイッチ信号がオフに設定されている場合には(ステップA1015の結果が「N」)、RWM内の停電検査領域のデータが正常であるか否かをチェックする(ステップA1016、ステップA1017)。さらに詳しく説明すると、停電検査領域には、停電検査領域1及び停電検査領域2が含まれている。そして、停電検査領域1には停電検査領域チェックデータ1、停電検査領域2には停電検査領域チェックデータ2が記憶される。ステップA1016の処理では停電検査領域1に記憶された停電検査領域チェックデータ1が正常であるか否かを判定する。同様に、ステップA1017の処理では停電検査領域2に記憶された停電検査領域チェックデータ2が正常であるか否かを判定する。
遊技制御装置600は、RWM内の停電検査領域の停電検査領域チェックデータが正常であると判定された場合には(ステップA1016、ステップA1017の結果が「Y」)、チェックサムと呼ばれる検証用データを算出するチェックサム算出処理を実行する(ステップA1018)。
そして、遊技制御装置600は、チェックサム算出処理で算出されたチェックサムの値と、電源切断時に算出されたチェックサムの値とを比較し、これらの値が一致するか否かを判定する(ステップA1019)。
一方、遊技制御装置600は、初期化スイッチ信号がオンに設定されている場合(ステップA1009の結果が「Y」)、停電検査領域の値が正常でない場合(ステップA1016又はステップA1017の結果が「N」)、電源切断時のチェックサムの値とステップA1018の処理で算出されたチェックサムの値とが一致しない場合には(ステップA1019の結果が「N」)、図46のステップA1040からステップA1043までの初期化処理を実行する。初期化処理の詳細については後述する。
遊技制御装置600は、算出されたチェックサムの値と電源切断時のチェックサムの値とが一致する場合には(ステップA1019の結果が「Y」)、停電処理が正常に実行されたため、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(ステップA1020)。例えば、停電時の情報が正常に記憶されていたか否かを判定するための情報が記憶されていた、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の領域(停電検査領域、チェックサム、エラー関連の情報及び不正行為を監視するための情報を記憶する領域等)をクリアする。
次に、遊技制御装置600は、RWM内の遊技状態を記憶する領域から停電発生時の遊技状態が高確率状態であったか否かを判定する(ステップA1021)。高確率でないと判定された場合には(ステップA1021の結果が「N」)、ステップA1024以降の処理を実行する。
また、遊技制御装置600は、停電発生時の遊技状態が高確率状態であったと判定された場合には(ステップA1021の結果が「Y」)、高確率報知フラグをオンに設定して高確率報知フラグ領域にセーブ(保存)する(ステップA1022)。続いて、一括表示装置50に設けられる高確率表示部57のLEDをオン(点灯)に設定する(ステップA1023)。
さらに、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置700に送信する(ステップA1024)。特図ゲーム処理番号は、特図ゲームの状態を示す番号であり、停電発生時にRWMの所定の領域に記憶されている。このように、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置700に送信することによって、可能な限り停電発生前に近い状態で遊技を再開することができるのである。
ここで、初期化処理を実行する場合について説明する。前述のように、初期化処理は、正常に電源が切断された遊技機を起動する場合や停電発生前の状態に復帰できない場合に実行される。
遊技制御装置600は、初期化処理において、まず、アクセス禁止領域よりも前の全作業領域をクリアする(ステップA1040)。さらに、アクセス禁止領域よりも後の全スタック領域をクリアする(ステップA1041)。そして、初期化された領域に電源投入時用の初期値をセーブ(保存)する(ステップA1042)。さらに、電源投入時のコマンドを演出制御装置700に送信し(ステップA1043)、ステップA1025以降の処理を実行する。
なお、ステップA1024で送信される停電復旧時のコマンド及びステップA1043で送信される電源投入時のコマンドには、遊技機の種類を示す機種指定コマンド、特図1、2の保留数を示す飾り特図1保留数コマンド及び飾り特図2保留数コマンド、確率の状態を示す確率情報コマンドが含まれる。また、電源遮断時や電源投入時の状態に応じて、電源遮断時に特図変動表示ゲームの実行中であった場合は復旧画面コマンド、電源遮断時に客待ち中であった場合は客待ちデモコマンド、電源投入時に初期化された場合は電源投入コマンドが含まれる。さらに、機種によって演出モードの状態を示す演出モード情報コマンド、時短状態での残りゲーム数を示す時短回数情報コマンドが含まれる。
遊技制御装置600は、ステップA1024又はステップA1043の処理が終了すると、遊技用マイコン611(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動させる(ステップA1025)。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン611内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器613からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、前述したCTC回路とを備えている。タイマ割込み信号は、分周された信号に基づいてCPU611aに所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込みを発生させるための信号である。乱数更新トリガ信号(CTC)は、分周された信号に基づいて乱数生成回路に供給され、乱数生成回路が乱数を更新するトリガとなる。
遊技制御装置600は、CTC回路を起動すると、乱数生成回路の起動設定を行う(ステップA1026)。具体的には、CPU611aが乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)を設定するなどの処理を実行する。このとき、乱数生成回路が正常に動作するかのチェックを行うようにしてもよい。
さらに、遊技制御装置600は、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブする(ステップA1027)。その後、遊技制御装置600は、割込みを許可する(ステップA1028)。
なお、本実施形態のCPU611a内の乱数生成回路では、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変更されるように構成されており、ソフト乱数レジスタの初期値に基づいて各種初期値乱数の初期値(スタート値)を設定することによって、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことが可能となり、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。各種初期値乱数には、例えば、大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数)が含まれる。
続いて、遊技制御装置600は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(ステップA1029)。また、本実施形態では、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。すなわち、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。なお、各種乱数の発生源は前述の態様に限定されるわけではなく、大当り乱数がソフトウェア乱数であってもよいし、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数がハードウェア乱数であってもよい。
さらに、初期値乱数更新処理が実行された後、遊技制御装置600は、電源装置800から入力され、ポート及びデータバスを介して読み込まれる停電監視信号をチェックする回数を設定する(ステップA1030)。チェック回数には、通常、2以上の値が設定される。停電監視信号をチェックすることによって停電が発生したか否かを判定することができる。遊技制御装置600は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(ステップA1031)。停電監視信号がオンでない場合、すなわち、停電していない場合には(ステップA1031の結果が「N」)、ステップA1029の初期値乱数更新処理を再び実行し、ステップA1029からステップA1031までの処理を繰り返し実行する(ループ処理)。
また、初期値乱数更新処理(ステップA1029)の前に割り込みを許可(ステップA1028)することによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生した場合に、割込み処理を優先して実行することが可能となる。したがって、初期値乱数更新処理の実行が完了するまでタイマ割込み処理を実行できないために、割込み処理に含まれる各種処理を実行する時間が不足してしまうことを回避できる。
なお、初期値乱数更新処理(ステップA1029)は、メイン処理の他に、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行してもよい。ただし、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行する場合には、両方の処理で初期値乱数更新処理が実行されることを回避するため、メイン処理における初期値乱数更新処理の実行時に割込みを禁止し、初期値乱数を更新後に割込みを解除する必要がある。しかし、本実施形態のようにタイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行せず、メイン処理でのみ初期値乱数更新処理を実行すれば、初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても問題が生じることはなく、さらに、メイン処理が簡素化されるという利点がある。また、タイマ割込処理ではなく、メイン処理で各種乱数を更新するようにしてもよい。
なお、停電発生の検出(停電監視信号のチェック)をタイマ割込処理で実行してもよい。このとき、検出結果をメイン処理で監視してもよいし、そのままリセットされるまで待機するようにしてもよい。
一方、遊技制御装置600は、停電監視信号がオンに設定されている場合には(ステップA1031の結果が「Y」)、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がステップA1030の処理で設定したチェック回数に到達したか否かを判定する(ステップA1032)。停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達していない場合には(ステップA1032の結果が「N」)、再度、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(ステップA1031)。すなわち、停電監視信号がオンである場合にはチェック回数分だけ停電監視信号がオンであるか否かを判定する。
遊技制御装置600は、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達した場合には(ステップA1032の結果が「Y」)、停電が発生したものと見なして停電発生時の処理を実行する(ステップA1033〜ステップA1039)。
遊技制御装置600は、割込みを禁止し(ステップA1033)、全出力ポートをオフに設定する(ステップA1034)。その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップA1035)、さらに、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップA1036)。
さらに、遊技制御装置600は、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(ステップA1037)、算出されたチェックサムの値をRWMのチェックサム領域にセーブ(保存)する(ステップA1038)。最後に、RWMの内容が変更されないように、RWMへのアクセスを禁止し(ステップA1039)、遊技機1の電源が遮断されるまで待機する。このように、停電復旧検査領域にチェック用のデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して記憶させることで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することが可能となる。
〔タイマ割込み処理(遊技制御装置)〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図47は、本発明の第1の実施の形態のタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路によって生成される周期的(例えば、1ミリ秒周期)なタイマ割込信号がCPU611aに入力されることによって開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すことによってレジスタを退避させる(ステップA1101)。なお、本実施形態では遊技用マイコンとしてZ80系のマイコンを使用している。Z80系のマイコンには、表レジスタと裏レジスタが備えられており、表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避させることでステップA1101の処理を実装することが可能である。
次に、遊技制御装置600は、入力部620を介して入力される各種センサやスイッチなどからの入力信号を取り込み、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(ステップA1102)。各種センサには、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、普図のゲートスイッチ603、下カウントスイッチ605a〜605m、上カウントスイッチ606、第1通過検出センサ607a、第2通過検出センサ607bなどが含まれる。また、入力処理では、入力信号にチャタリング除去等を行って入力情報を確定させる。
さらに、遊技制御装置600は、各種処理でセットされた遊技制御に関する出力データを、演出制御装置700及び払出制御装置640に送信するための出力処理を実行する(ステップA1103)。出力データは、ソレノイド等のアクチュエータの駆動制御などを行うための情報であり、制御対象となるソレノイドには、例えば、大入賞口ソレノイド28、普電ソレノイド27が含まれる。また、出力処理では、遊技機における遊技データを収集する情報収集端末装置(図示せず)に遊技データを出力する処理も含まれる。
次に、遊技制御装置600は、送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置640に送信(出力)する払出コマンド送信処理を実行する(ステップA1104)。例えば、払出装置から払い出す賞球数を指定する賞球コマンドを送信する。
さらに、遊技制御装置600は、大当り図柄乱数1及び大当り図柄乱数2を更新する乱数更新処理1を実行し(ステップA1105)、続いて特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2を実行する(ステップA1106)。乱数更新処理1及び乱数更新処理2では、各種乱数にランダム性を付与するために、各種乱数に対応するカウンタ(大当り乱数カウンタ、当り乱数カウンタ、演出決定用乱数カウンタなど)の値を1ずつ加算する。
その後、遊技制御装置600は、各種入賞口スイッチなどを監視したり、枠の不正な開放などのエラーを監視したりする入賞口スイッチ/エラー監視処理が実行される(ステップA1107)。各種入賞口スイッチには、例えば、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、下カウントスイッチ605a〜m、上カウントスイッチ606が含まれる。入賞口スイッチ/エラー監視処理では、これらのスイッチから正常な信号が入力されているか否かを監視したりする。エラーの監視としては、前面枠5やガラス枠6が不正に開放されていないかなどを対象としている。
次に、遊技制御装置600は、特別遊技状態における大当りラウンド数を決定するための振分装置90の動作を制御する振分状態処理を実行する。なお、振分状態処理の詳細については、図48にて後述する。
さらに、遊技制御装置600は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(ステップA1109)。なお、特図ゲーム処理の詳細については、図49にて後述する。また、特図ゲーム処理は、開始される変動表示ゲームの結果に対応して、通常時用と大当り時用の2種類を用意してもよい。
続いて、遊技制御装置600は、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(ステップA1110)。
次に、遊技制御装置600は、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDの表示内容を制御するセグメントLED編集処理を実行する(ステップA1111)。具体的には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの結果をセグメントLED(例えば、一括表示装置50)に出力するためのパラメータを編集する。
遊技制御装置600は、磁気センサ23からの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する磁石エラー監視処理を実行する(ステップA1112)。さらに、電波センサ24からの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する電波不正監視処理を実行する(ステップA1113)。異常の発生を検出した場合には、スピーカ10から報知音を出力したり、遊技状態報知LED12を点灯させたりするなどして外部に報知する。
次に、遊技制御装置600は、外部情報端子660から出力する各種信号を編集する外部情報編集処理を実行する(ステップA1114)。
そして、遊技制御装置600は、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する(ステップA1115)。その後、ステップA1101の処理で一時退避されていたレジスタを復帰させ(ステップA1116)、禁止設定されていた外部機器による割込み及びタイマ割込みを許可し(ステップA1117)、タイマ割込み処理を終了し、メイン処理に復帰する。
〔振分状態更新処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理における振分状態更新処理(ステップA1108)の詳細について説明する。本処理では、センターフレーム右上部に配設された振分装置90に設けられた切換部93の振分状態を所定間隔(本実施形態では、5秒)で切り替えて、振分状態の情報を演出制御装置700にコマンド出力するための処理である。図48は、本発明の第1の実施の形態の振分状態更新処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、振分状態が初期化済みであるか否かを判定する(ステップA7001)。本実施形態では、振分部材(切換部93)の初期状態は、「変動側」となっている。遊技制御装置600は、振分状態が初期化済みの場合には(ステップA7001の結果が「Y」)、ステップA7007以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置600は、振分状態が初期化済みでない場合には(ステップA7001の結果が「N」)、振分状態の初期化処理を実行する(ステップA7002)。そして、初期化が完了したか否かを判定する(ステップA7003)。初期化が完了しない場合には(ステップA7003の結果が「N」)、振分部材(切換部93)の振分状態の初期化が完了するまでA7004以降の処理を待機させるために、振分状態更新処理を終了する。
遊技制御装置600は、切換部93の初期化が完了した場合には(ステップA7003の結果が「Y」)、初期の振分状態に応じた振分状態コマンドを準備し(ステップA7004)、コマンド設定処理を実行する(ステップA7005)。さらに、振分状態を切り替えるタイミングを設定する切替タイマをセットする(ステップA7006)。なお、本実施形態では、切替タイマに設定する時間は5秒となっている。
続いて、遊技制御装置600は、切替タイマが0でなければ、タイマを−1更新する(ステップA7007)。そして、切替タイマが0になったか否かを判定する(ステップA7008)。切替タイマが0になった場合には(ステップA7008の結果が「Y」)、振分状態を切り替えるタイミングであるため、振分部材(切換部93)の状態変更をセットし(ステップA7014)、切替タイマを5秒に設定する(ステップA7015)。
一方、遊技制御装置600は、切替タイマが0になっていない場合には(ステップA7008の結果が「N」)、振分状態の変更中であるか否かを判定する(ステップA7009)。振分状態の変更中でない場合には(ステップA7009の結果が「N」)、振分状態の変更が完了しているため、本処理を終了する。
遊技制御装置600は、振分状態の変更中である場合には(ステップA7009の結果が「Y」)、振分状態変更処理を実行する(ステップA7010)。そして、振分状態の変更が完了したか否かを判定する(ステップA7011)。振分状態の変更が完了していない場合には(ステップA7011の結果が「N」)、本処理を終了する。
遊技制御装置600は、振分状態の変更が完了した場合には(ステップA7011の結果が「Y」)、変更後の振分状態に応じた振分状態コマンドを準備し(ステップA7012)、コマンド設定処理を実行する(ステップA7013)。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップA1109)の詳細について説明する。図49は、本発明の第1の実施の形態の特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
特図ゲーム処理では、第1通過ゲート部(抽選ゲート)34g及び第2通過ゲート部(固定ゲート)34hの遊技球の通過の監視、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602による入力信号の監視、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図(識別図柄、識別情報)の表示の設定を行う。
遊技制御装置600は、まず、第1通過ゲート部34g及び第2通過ゲート部34hの遊技球の通過を監視する通過検出センサ監視処理を実行する(ステップA1201)。通過検出センサ監視処理では、通過したゲートに応じた大当りラウンドを決定するための乱数を抽出及び保存する処理である。通過検出センサ監視処理の詳細については、図50にて後述する。
次に、遊技制御装置600は、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602の入賞を監視する始動スイッチ監視処理を実行する(ステップA1202)。
始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については、図51にて後述する。
次に、遊技制御装置600は、大入賞口スイッチ監視処理を実行する(ステップA1203)。大入賞口スイッチ監視処理では、第2特別変動入賞装置42内に設けられた上カウントスイッチ606及び第1特別変動入賞装置41内に設けられた下カウントスイッチ605a〜605mによって入賞した遊技球を検出し、入賞した遊技球の数を監視する。
次に、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップしていなければ、特図ゲーム処理タイマを−1更新する(ステップA1204)。そして、当該特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(ステップA1205)。なお、特図ゲーム処理タイマは、初期値として、実行される特図変動表示ゲームの変動時間がセットされ、ステップA1204の処理で当該特図ゲーム処理タイマの値を1減じる。特図ゲーム処理タイマの値が0になると、タイムアップしたと判断される。なお、変動表示ゲームが実行される場合にのみ変動制御タイマを更新することによって変動時間を計測するようにしてもよい。
遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない場合には(ステップA1205の結果が「N」)、ステップA1218以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした場合には(ステップA1205の結果が「Y」)、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(ステップA1206)。さらに、当該テーブルに基づいて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップA1207)。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(ステップA1208)、ゲーム処理番号に応じて処理を分岐させる(ステップA1209)。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「0」の場合には(ステップA1209の結果が「0」)、特図普段処理を実行する(ステップA1210)。特図普段処理は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定、特図変動中処理を実行するために必要な情報の設定等を行う。特図普段処理の詳細については、図54にて後述する。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「1」の場合には(ステップA1209の結果が「1」)、特図変動中処理を実行する(ステップA1211)。特図変動中処理は、特図変動表示ゲームにおける識別情報の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。特図変動中処理の詳細については、図62にて後述する。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「2」の場合には(ステップA1209の結果が「2」)、特図表示中処理を実行する(ステップA1212)。特図表示中処理は、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間を設定したり、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報を設定したりする。また、大当りラウンド決定処理を行うために必要な情報を設定する。特図表示中処理の詳細については、図64にて後述する。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「3」の場合には(ステップA1209の結果が「3」)、大当りラウンド決定処理を実行する(ステップA1213)。大当りラウンド決定処理は、第2特別結果大当り発生時に大当りラウンドを決定するための処理である。通過検出センサ監視処理で通過フラグ格納領域及びラウンド乱数格納領域に格納された値に基づいて、大当りラウンドを決定する。大当りラウンド決定処理の詳細については、図66にて後述する。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「4」の場合には(ステップA1209の結果が「4」)、ファンファーレ/インターバル中処理を実行する(ステップA1214)。ファンファーレ/インターバル中処理は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。ファンファーレ/インターバル中処理の詳細については、図66にて後述する。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「5」の場合には(ステップA1209の結果が「5」)、大入賞口開放中処理を実行する(ステップA1215)。大入賞口開放中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定したり、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報を設定したりする。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「6」の場合には(ステップA1209の結果が「6」)、大入賞口残存球処理を実行する(ステップA1216)。大入賞口残存球処理は、大当りラウンドが最終ラウンドの場合に大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定したり、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
大入賞口残存球処理では、特別図柄の処理タイマの更新とファンファーレ/インターバル中処理、又は大当り終了処理を行うために必要な情報を設定する。また、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数(所定数)だけ入賞したかを判定し、いずれかの条件が成立した場合に開閉扉41aを閉鎖する。これが所定ラウンド数繰り返し実行された後、特図ゲーム処理番号を「7」に設定する。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「7」の場合には(ステップA1209の結果が「7」)、大当り終了処理を実行する(ステップA1217)。大当り終了処理は、ステップA1209の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。大当り終了処理の詳細については、図71にて後述する。
その後、遊技制御装置600は、一括表示装置50(特図1表示器51)における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(ステップA1218)。続いて、一括表示装置50(特図1表示器51)に対応する図柄変動制御処理を実行する(ステップA1219)。
さらに、遊技制御装置600は、一括表示装置50(特図2表示器52)における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(ステップA1220)。続いて、一括表示装置50(特図2表示器52)に対応する図柄変動制御処理を実行する(ステップA1221)。
〔通過検出センサ監視処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における通過検出センサ監視処理(ステップA1201)の詳細について説明する。図50は、本発明の第1の実施の形態の通過検出センサ監視処理の手順を示すフローチャートである。
通過検出センサ監視処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、第1通過検出センサ607aがオンになっているか否か、すなわち、第1通過ゲート部34gに遊技球が通過したか否かを判定する(ステップA7001)。第1通過検出センサ607aがオンになっている場合には(ステップA7001の結果が「Y」)、第1通過フラグを通過フラグ格納領域にセーブする(ステップA7002)。なお、前述のように、第1通過ゲート部34gは変動側に配置されており、特図変動表示ゲームが第2特別結果となった後に実行されるラウンド数決定遊技(補助遊技)において第1通過ゲート部34gに遊技球が通過した場合には、5ラウンド又は15ラウンドのいずれかの大当りラウンドが実施される。
遊技制御装置600は、第1通過検出センサ607aがオンになっていない場合には(ステップA7001の結果が「N」)、第2通過検出センサ607bがオンになっているか否か、すなわち、第2通過ゲート部34hに遊技球が通過したか否かを判定する(ステップA7003)。第2通過検出センサ607bがオンになっている場合には(ステップA7003の結果が「Y」)、第2通過フラグを通過フラグ格納領域にセーブする(ステップA7004)。なお、前述のように、第2通過ゲート部34hは固定側に配置されており、特図変動表示ゲームが第2特別結果となった後に実行されるラウンド数決定遊技(補助遊技)において第2通過ゲート部34hに遊技球が通過した場合には、大当りラウンド数は常に10ラウンドとなる。
遊技制御装置600は、第1通過検出センサ607aがオンになっておらず、かつ、第2通過検出センサ607bがオンになっていない場合には(ステップA7003の結果が「N」)、本処理を終了する。
遊技制御装置600は、第1通過ゲート部34g又は第2通過ゲート部34hのいずれかに遊技球が通過し、通過フラグ格納領域に通過フラグをセーブすると、さらに、ラウンド決定用乱数を抽出し、抽出された乱数をラウンド乱数格納領域にセーブする(ステップA7105)。なお、固定ラウンドが選択された場合であっても、ラウンド決定用乱数が抽出されて大当りラウンド数の抽選が行われるが、変動ラウンドが選択された場合にのみラウンド決定用乱数が抽出されるようにしてもよい。
続いて、遊技制御装置600は、大当りラウンドを決定中であるか否かを判定する(ステップA7106)。大当りラウンドを決定中であるか否かは、特図ゲーム処理番号が「3」であるか否かを判定するようにしてもよい。遊技制御装置600は、大当りラウンドを決定中であれば(ステップA7106の結果が「Y」)、特図ゲーム処理における大当りラウンド決定処理(ステップA1213)で大当りラウンドを決定するために本処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、大当りラウンドを決定中でない場合には(ステップA7106の結果が「N」)、現在の遊技状態が大当り中であるか否かを判定する(ステップA7107)。大当り中でない場合には(ステップA7107の結果が「N」)、大当り中でない(例えば、客待ち状態、通常遊技状態、時短状態等)にもかかわらず、遊技者が右打ちをしているため、右打ち警告(左打ち)コマンドを準備し(ステップA7108)、コマンド設定処理を実行する(ステップA7109)。演出制御装置700は、右打ち警告(左打ち)コマンドを受信すると、左打ちを行うように促す警告表示を行う。警告表示は、変動表示装置35で行っても良いが、遊技の演出の妨げにならないように、上部演出装置400に備えられた表示器(以降、「サブ表示装置」)480で行うとよい。
遊技制御装置600は、現在の遊技状態が大当り中である場合(ステップA7107の結果が「Y」)、また、ステップA7109の処理が終了すると、通過フラグ格納領域とラウンド乱数格納領域をクリアする(ステップA7110)。すなわち、大当りラウンド決定中の場合には通過フラグ格納領域及びラウンド乱数格納領域がクリアされないため、後述する大当りラウンド決定処理において、通過フラグ格納領域とラウンド乱数格納領域に格納された値に基づいて、ラウンド数を決定することができる。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理の詳細について説明する。図51は、本発明の第1の実施の形態の始動口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
始動口スイッチ監視処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、第1始動入賞口37に遊技球が入賞したことによる保留の情報を設定するテーブルを準備する(ステップA1301)。
続いて、遊技制御装置600は、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に遊技球が入賞した場合に共通して実行される特図始動口スイッチ共通処理を実行する(ステップA1302)。なお、特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、図52にて後述する。
次に、遊技制御装置600は、普通電動役物(普通変動入賞装置、第2始動入賞口38の可動部材38a)が作動中である、すなわち、第2始動入賞口38の可動部材38aが遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定する(ステップA1303)。普通電動役物が作動中である場合には(ステップA1303の結果が「Y」)、ステップA1305以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置600は、普通電動役物が作動中でない場合には(ステップA1303の結果が「N」)、普電不正入賞が発生しているか否かを判定する(ステップA1304)。
普電不正入賞について具体的に説明すると、第2始動入賞口38は、可動部材38aが閉状態の場合には遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合には何らかの異常や不正が発生した可能性が高く、閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数している。ステップA1304の処理では、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値、例えば5個)以上であるかを判定している。
遊技制御装置600は、普電不正入賞が発生している場合には(ステップA1304の結果が「Y」)、第2始動入賞口38への遊技球の入賞と無効として特図変動表示ゲームに関する処理を実行せずに、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、普電不正入賞が発生していない場合には(ステップA1304の結果が「N」)、第2始動入賞口38による保留の情報を設定するテーブルを準備し(ステップA1305)、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(ステップA1306)。その後、始動口スイッチ監視処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、前述した始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA1302、ステップA1306)の詳細について説明する。図52は、本発明の第1の実施の形態の特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。
特図始動口スイッチ共通処理は、第1始動入賞口37や第2始動入賞口38に遊技球が入賞したことによって第1始動口スイッチ601や第2始動口スイッチ602から信号入力があった場合に共通して実行される処理である。
遊技制御装置600は、まず、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602のうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、第1始動口スイッチ601)から信号が入力されたか否かをチェックする(ステップA1401)。監視対象の始動口スイッチから信号が入力されていない場合には(ステップA1401の結果が「N」)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチから信号が入力された場合には(ステップA1401の結果が「Y」)、監視対象の始動口に対応する乱数ラッチレジスタにラッチデータがあるか否か、すなわち、乱数が抽出されているか否かを判定する(ステップA1402)。乱数が抽出されていない場合には(ステップA1402の結果が「N」)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
遊技制御装置600は、監視対象の始動口に対応する乱数ラッチレジスタにラッチデータがある場合には(ステップA1402の結果が「Y」)、監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグをRWMの所定の領域にセーブする(ステップA1403)。さらに、監視対象始動口スイッチに対応するハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、以降の処理で使用するための準備を行う(ステップA1404)。
続いて、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動入賞口への入賞の回数に関する情報が、遊技機1の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードする(ステップA1405)。そして、ロードした値に1加算して更新し(ステップA1406)、始動口信号出力回数がオーバーフローするか否かをチェックする(ステップA1407)。
そして、遊技制御装置600は、始動口信号出力回数がオーバーフローしない場合には(ステップA1407の結果が「N」)、更新後の始動口信号出力回数の値を、RWMの始動口信号出力回数領域にセーブする(ステップA1408)。
遊技制御装置600は、ステップA1408の処理が終了した後、又は、始動口信号出力回数がオーバーフローする場合には(ステップA1407の結果が「Y」)、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かを判定する(ステップA1409)。
遊技制御装置600は、特図保留数が上限値未満の場合には(ステップA1409の結果が「Y」)、始動口スイッチによって検出された入賞に対応する情報を設定する。具体的には、まず、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数)に1加算して更新する(ステップA1410)。
続いて、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備する(ステップA1411)。飾り特図保留数コマンドは、MODE部とACTION部によって構成される。このとき、飾り特図保留数コマンドに新たに生成された始動記憶に対応する先読み結果を合わせて送信するようにしてもよい。例えば、飾り特図保留数コマンドのACTION部に先読み結果を示す値を加算するようにしてもよい。
具体的に説明すると、遊技制御装置600は、まず、監視対象の始動口スイッチの飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備し、さらに、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備する。そして、準備された飾り特図保留数コマンドを設定するためのコマンド設定処理を実行する(ステップA1412)。
次に、遊技制御装置600は、更新された特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する(ステップA1413)。そして、ステップA1404の処理で取得された大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブする(ステップA1414)。さらに、当該監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備する(ステップA1415)。その後、準備された大当り図柄乱数をRWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(ステップA1416)。
続いて、遊技制御装置600は、変動パターン乱数を抽出し、抽出した値をRWMの対応する変動パターン乱数格納領域にセーブする(ステップA1417)。具体的には、変動パターン乱数1〜3を抽出し、それぞれ対応する変動パターン乱数格納領域にセーブする。変動パターン乱数1〜3は、例えば、前半と後半の変動パターンを個別に設定したり、特定の演出を実行したりするために用いられる。
第1又は第2特図変動表示ゲームにおける変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数(変動パターン1〜3)は、大当り図柄乱数のように乱数生成回路のソフトウェアによって更新されるものとは異なり、遊技制御用プログラムによって更新されるものである。なお、変動パターン乱数の更新は遊技制御用プログラムによって更新することに限らず、乱数生成回路のハードウェア又はソフトウェアで更新するようにしてもよい。
そして、遊技制御装置600は、ステップA1416の処理でRWMにセーブされた監視対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数などをロードし、特図保留情報判定処理を実行する(ステップA1418)。特図保留情報判定処理の詳細については、図53にて後述する。その後、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、特図保留数が上限値未満でない場合には(ステップA1409の結果が「N」)、飾り特図保留数コマンド(保留オーバーフローコマンド)を準備し(ステップA1419)、コマンド設定処理を実行する(ステップA1420)。その後、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、前述した特図始動口スイッチ共通処理(図52)における特図保留情報判定処理(ステップA1418)の詳細について説明する。図53は、本発明の第1の実施の形態の特図保留情報判定処理の手順を示すフローチャートである。
特図保留情報判定処理は、各始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定するための先読み処理である。
遊技制御装置600は、まず、先読み演出(予告)の実行条件を満たしているか否かを判定する(ステップA1501)。先読み演出の実行条件は、例えば、遊技球が第1始動入賞口37に入賞した場合には、普電サポートなし、かつ、特別遊技状態でないことである。また、遊技球が第2始動入賞口38に入賞した場合には常に先読み演出の実行条件を満たす。通常遊技状態の場合には、また、先読み禁止コマンドを送信する条件、すなわち、停電復帰後、変動表示ゲームの実行回数が8回未満の場合にも先読み演出の実行条件を満たさないと判定してもよい。遊技制御装置600は、先読み演出の実行条件を満たしていない場合には(ステップA1501の結果が「N」)、特図保留情報判定処理を終了する。
また、通常遊技状態(非電サポ状態)で普図変動表示ゲームの結果が当りとなった場合に、4/5の確率で可動部材38aが短時間開放する普電ショート開放、又は、1/5確率で可動部材38aが長時間(0.5+5秒)開放する普電ロング開放が選択される仕様では、普電ショート開放発生時に入賞した特図2の始動記憶については先読みを行わない一方、普電ロング開放発生時に入賞した特図2の始動記憶については先読みを行うようにしてもよい。
一方、遊技制御装置600は、先読み演出の実行条件を満たしている場合には(ステップA1501の結果が「Y」)、新たに記憶された始動記憶が大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(ステップA1502)。大当り判定処理は、保留中の始動記憶に含まれる大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かを判定することによって、当該始動記憶にかかる変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定する。
遊技制御装置600は、ステップA1502の大当り判定処理による判定結果が大当りであるか否かを判定する(ステップA1503)。大当り判定処理の判定結果が大当りでない場合には(ステップA1503の結果が「N」)、停止図柄パターンとして、はずれ停止図柄パターンを設定する(ステップA1506)。そして、ステップA1507以降の処理を実行する。
一方、大当り判定処理の判定結果が大当りの場合には(ステップA1503の結果が「Y」)、遊技制御装置600は、入賞した始動口に対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを大当り時の識別図柄を特定するためのテーブルとして設定する(ステップA1504)。大当り図柄乱数チェックテーブルには、大当りか否かの振り分け率を表す乱数の判定値や当該判定値に対応する大当り停止図柄パターンが定義されている。
さらに、遊技制御装置600は、ステップA1504の処理で設定された大当り図柄乱数チェックテーブルから大当り図柄乱数をチェックし、対応する大当り停止図柄パターンを取得し、設定する(ステップA1505)。
続いて、遊技制御装置600は、ステップA1505の処理で設定した大当り停止図柄パターン又はステップA1506の処理で設定したはずれ停止図柄パターンを先読み停止図柄停止パターン領域にセーブする(ステップA1507)。さらに、対象の始動口スイッチ及び停止図柄パターンに対応する先読み図柄コマンドを準備し(ステップA1508)、コマンド設定処理を実行する(ステップA1509)。
次に、遊技制御装置600は、監視対象の始動口に関して設定された特図情報を設定するための特図情報設定処理を実行する(ステップA1510)。特図情報設定処理の詳細については、図58にて後述する。
続いて、遊技制御装置600は、特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定するために、監視対象の始動口に対応する後半変動パターン設定情報テーブルを準備し(ステップA1510)、変動パターン全体を設定するための変動パターン設定処理を実行する(ステップA1511)。変動パターン設定処理の詳細については、図59にて後述する。なお、特図変動表示ゲームの結果ごとに変動パターン設定処理を定義し、対象の特図変動表示ゲームの結果に応じて対応する変動パターン設定処理を実行するようにしてもよい。
最後に、遊技制御装置600は、変動パターン設定処理で設定された前半変動番号及び後半変動番号に対応する先読み変動パターンコマンドを準備し(ステップA1513)、コマンド設定処理を実行する(ステップA1514)。その後、特図保留情報判定処理を終了する。
以上のように、特図保留情報判定処理では、始動記憶に対応する特図変動表示ゲームを実行する前に、特図変動表示ゲームの結果を取得し、演出制御装置700に対して通知することが可能になっている。演出制御装置700は、変動表示装置35に表示されている始動記憶表示の表示態様を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に特図変動表示ゲームの結果を報知する。ここで、遊技制御装置600は事前判定手段として機能し、演出制御装置700は事前報知手段として機能する。
〔特図普段処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA1210)の詳細について説明する。図54は、本発明の第1の実施の形態の特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かを判定する(ステップA1601)。さらに、特図2保留数が0の場合には(ステップA1601の結果が「Y」)、第1始動記憶数(特図1保留数)が0であるか否かを判定する(ステップA1606)。このように、特図2保留数のチェック(ステップA1601)を、特図1保留数のチェック(ステップA1606)よりも先に行うことによって、第1特図変動表示ゲームよりも遊技者にとって有利な第2特図変動表示ゲームを優先して実行するようにしている。
遊技制御装置600は、特図2保留数が0でない場合には(ステップA1601の結果が「N」)、特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップA1602)、コマンド設定処理を実行する(ステップA1603)。さらに、特図変動表示ゲームを実行するための特図2変動開始処理を実行する(ステップA1604)。特図2変動開始処理の詳細については、図55にて後述する。
その後、遊技制御装置600は、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第2特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図2)を実行し(ステップA1605)、特図普段処理を終了する。特図変動中処理移行設定処理の詳細については、図61にて後述する。
また、遊技制御装置600は、特図1保留数が0でない場合には(ステップA1606の結果が「N」)、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップA1607)、コマンド設定処理を実行する(ステップA1608)。さらに、特図変動表示ゲームを実行するための特図1変動開始処理を実行する(ステップA1609)。特図1変動開始処理の詳細については、図55にて後述する。
その後、遊技制御装置600は、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第1特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図1)を実行し(ステップA1610)、特図普段処理を終了する。特図変動中処理移行設定処理の詳細については、図61にて後述する。
なお、飾り特図保留数コマンドは、保留数が変化した場合のみに演出制御装置700に送信するようにしてもよい。
一方、遊技制御装置600は、特図1保留数が0の場合には(ステップA1606の結果が「Y」)、既に客待ちデモが開始されているか否かを判定する(ステップA1611)。客待ちデモを開始していない、すなわち、開始済みでない場合には(ステップA1611の結果が「N」)、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセーブする(ステップA1612)。続いて、客待ちデモコマンドを準備し(ステップA1613)、コマンド設定処理を実行する(ステップA1614)。
一方、遊技制御装置600は、既に客待ちデモが開始されている場合には(ステップA1606の結果が「Y」)、既に客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグが設定済みであり、客待ちデモコマンドが演出制御装置700に送信済みであるため、ステップA1615以降の処理を実行する。
最後に、遊技制御装置600は、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する特図普段処理移行設定処理1を実行する(ステップA1615)。具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に対応する処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を実行する。その後、特図普段処理を終了する。
〔特図変動開始処理〕
次に、前述した特図普段処理における特図変動開始処理(ステップA1604、ステップA1609)の詳細について説明する。図55は、本発明の第1の実施の形態の特図変動開始処理の手順を示すフローチャートであり、(A)は第1特図変動表示ゲームの開始時に実行される特図1変動開始処理、(B)は第2特図変動表示ゲームの開始時に実行される特図2変動開始処理である。まず、特図1変動開始処理について説明する。
遊技制御装置600は、特図1変動フラグ(変動中フラグ)をRWMの変動図柄判別領域にセーブする(ステップA1701)。次に、最先の始動記憶に対応する第1特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合に大当りフラグ1を設定する大当りフラグ1設定処理を実行する(ステップA1702)。
次に、遊技制御装置600は、第1特図停止図柄(特図1停止図柄)の設定に対応する特図1停止図柄設定処理を実行する(ステップA1703)。特図1停止図柄設定処理の詳細については、図56にて後述する。
続いて、遊技制御装置600は、特図情報を設定する特図情報設定処理を実行する(ステップA1708)。特図情報設定処理の詳細については、図58にて後述する。
さらに、遊技制御装置600は、特図1用の変動パターン(変動表示時間)に関する情報を、始動記憶として記憶されている乱数に基づき設定する特図1パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA1705)。続いて、第1特図変動表示ゲームの変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行し(ステップA1706)。変動パターン設定処理の詳細については、図59にて後述する。
最後に、遊技制御装置600は、第1特図変動表示ゲームを開始するための情報を設定する変動開始情報設定処理を実行し(ステップA1707)、特図1変動開始処理を終了する。変動開始情報設定処理の詳細については、図60にて後述する。
また、(B)に示す特図2変動開始処理(ステップA1609)は、特図1変動開始処理と同様の手順であり、特図1の代わりに特図2に対応する処理が実行される。
次に、前述した特図変動開始処理における特図停止図柄設定処理(ステップA1703、ステップA1713)の詳細について説明する。図56は、本発明の第1の実施の形態の特図1停止図柄設定処理の手順を示すフローチャートである。図57は、本発明の第1の実施の形態の特図2停止図柄設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、大当りフラグ1が設定されているか否か、すなわち、対象の第1特図変動表示ゲームの結果が大当りか否かを判定する(ステップA1801a)。大当りフラグ1が設定されている場合には(ステップA1801aの結果が「Y」)、保留数1用、すなわち、変動が開始される始動記憶に対応する特図1大当り図柄乱数格納領域から乱数をロードする(ステップA1802a)。さらに、停止図柄を決定するためのテーブルとして、特図1用の大当り図柄テーブルを設定する(ステップA1803a)。
次に、遊技制御装置600は、ステップA1802aの処理で取得した大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号をステップA1803aの処理で設定された特図1用の大当り図柄テーブルから取得し、取得した停止図柄番号を特図1停止図柄領域にセーブする(ステップA1804a)。
続いて、遊技制御装置600は、現在の遊技状態に対応する大当り停止図柄情報テーブルを設定する(ステップA1805a)。そして、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを大当り停止図柄情報テーブルから取得し、停止図柄パターン領域にセーブする(ステップA1806a)。さらに、停止図柄番号に対応する確率変動判定フラグを取得し、確率変動判定フラグ領域にセーブする(ステップA1807a)。
一方、遊技制御装置600は、大当りフラグ1が設定されていない場合には(ステップA1801aの結果が「N」)、はずれ時の停止図柄番号を取得し、取得した停止図柄番号を特図1停止図柄領域にセーブする(ステップA1808a)。さらに、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブする(ステップA1809a)。
ステップA1807a又はステップA1809aの処理が終了すると、遊技制御装置600は、飾り特図コマンドテーブルから停止図柄パターンに対応し、ACTION部及びMODE部からなる飾り特図1コマンドを準備する(ステップA1810a)。さらに、飾り特図コマンド領域に、ステップA1810aの処理で取得された飾り特図コマンドをセーブし(ステップA1811a)、コマンド設定処理を実行する(ステップA1812a)。
さらに、遊技制御装置600は、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1813a)最後に、特図1用の大当り図柄乱数セーブ領域を0クリアし(ステップA1814a)、特図1停止図柄設定処理を終了する。
また、図57に示す特図2停止図柄設定処理は、特図1の代わりに特図2に対応する処理が実行され、特図1停止図柄設定処理と同様の手順であるため、説明を省略する。
〔特図情報設定処理〕
次に、前述した特図変動開始処理における特図情報設定処理(ステップA1704、ステップA1714)の詳細について説明する。図58は、本発明の第1の実施の形態の特図情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、遊技状態が時短状態であるか否かを判定する(ステップA1901)。時短状態でない場合には(ステップA1901の結果が「N」)、通常時の変動パターン選択グループ情報テーブルを設定する(ステップA1902)。一方、時短状態の場合には(ステップA1901の結果が「Y」)、時短時の変動パターン選択グループ情報テーブルを設定する(ステップA1903)。
遊技制御装置600は、変動パターン選択グループ情報テーブルが設定されると、設定された変動パターン選択グループ情報テーブルから変動図柄判別フラグに対応する特図保留数をロードする(ステップA1904)。さらに、特図保留数に対応する変動パターン選択グループ情報を取得し、変動振分情報1領域にセーブする(ステップA1905)。
これにより変動振分情報1領域には、変動を開始する特図の種別(特図1又は特図2)と、当該特図の種別についての始動記憶数に関する情報である保留数情報と、時短状態か否かの情報を含む遊技状態情報とから求められる変動振分情報1がセーブされる。この変動振分情報1は後に変動グループを選択するために用いられる。
なお、変動グループとは複数の変動パターンが含まれたもので、変動パターンを決定する際には、まず、変動グループを選択し、さらに、この変動グループの中から一の変動パターンを選択するようになっている。一の変動パターンを選択する際に、新たに別の乱数を取得するようにしてもよい。
続いて、遊技制御装置600は、振分ベースポインタテーブルを設定し(ステップA1906)、停止図柄パターンに対応する振分ベースポインタを取得する(ステップA1907)。さらに、取得された振分ベースポインタに演出モード番号を加算し(ステップA1908)、加算後の値を変動振分情報2領域にセーブして(ステップA1909)、特図情報設定処理を終了する。
これにより変動振分情報2領域には、停止図柄パターン情報及び演出モード情報に基づいて取得される変動振分情報2がセーブされる。この変動振分情報2は、後に変動グループを選択するために用いられる。なお、演出モードは、確率状態、時短状態の有無、特図変動表示ゲームの進行状況などに応じて、複数の演出モードから一の演出モードが設定されるようになっている。
〔変動パターン設定処理〕
次に、前述した特図変動開始処理における変動パターン設定処理(ステップA1706、ステップA1716)の詳細について説明する。図59は、本発明の第1の実施の形態の変動パターン設定処理の手順を示すフローチャートである。なお、変動パターンは、特図変動表示ゲームの開始からリーチ状態となるまでの変動態様である前半変動パターンと、リーチ状態となってから特図変動表示ゲームの終了までの変動態様である後半変動パターンとからなり、先に後半変動パターンを設定してから前半変動パターンを設定する。
変動パターン設定処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、変動グループ選択アドレステーブルを設定し(ステップA2001)、変動振分情報2に対応する後半変動グループテーブルのアドレスを取得して準備する(ステップA2002)。
そして、遊技制御装置600は、演出モード番号が2未満(0又は1の何れか)であるか否かを判定する(ステップA2003)。演出モード番号が2未満でない場合には(ステップA2003の結果が「N」)、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンであるか否かを判定する(ステップA2004)。そして、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンでない場合には(ステップA2004の結果が「N」)、対象の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数1をロードして準備する(ステップA2007)。
一方、遊技制御装置600は、演出モード番号が2未満である場合(ステップA2003の結果が「Y」)、又は、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンである場合には(ステップA2004の結果が「Y」)、ステップA2002の処理で準備した後半変動グループテーブルから変動振分情報1に対応するテーブルのアドレスを取得する(ステップA2005)。次に、取得したアドレスを後半変動グループのアドレスとして準備し(ステップA2006)、対象の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数1をロードして準備する(ステップA2007)。
なお、演出モード番号が2未満である場合や、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンである場合は、始動記憶数に関する情報である保留数情報から求められた変動振分情報1も加味してアドレスを取得することで、始動記憶数によって変動パターンの選択態様が異なるようにされている。
その後、遊技制御装置600は、変動パターン乱数1に基づいて後半変動グループテーブルから特図変動表示ゲームの後半変動選択テーブルを選択するための2バイト振分処理を実行する(ステップA2008)。そして、2バイト振分処理によって選択された後半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備する(ステップA2009)。さらに、対象の変動パターン乱数2格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数2をロードして準備する(ステップA2010)。
さらに、遊技制御装置600は、変動パターン乱数2に基づいて、後半変動選択テーブル(後半変動パターングループ)から特図変動表示ゲームの後半変動パターンを選択する振り分け処理を実行する(ステップA2011)。そして、振分処理によって選択された後半変動番号を取得し、後半変動番号領域にセーブする(ステップA2012)。この処理により、後半変動パターンが設定されることとなる。
次に、遊技制御装置600は、前半変動グループテーブルを設定し(ステップA2013)、変動振分情報1及び変動振分情報2(決定された後半変動番号を含む)に基づいてテーブル選択ポインタを算出する(ステップA2014)。そして、算出したポインタに対応する前半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備し(ステップA2015)、対象の変動パターン乱数3格納領域(保留数1用)から乱数をロードして準備する(ステップA2016)。
その後、遊技制御装置600は、変動パターン乱数3に基づいて、前半変動選択テーブル(前半変動パターングループ)から特図変動表示ゲームの前半変動パターン(前半変動番号)を選択する振り分け処理を実行する(ステップA2017)。そして、振分処理によって選択された前半変動番号を取得して前半変動番号領域にセーブし(ステップA2018)、変動パターン設定処理を終了する。この処理により、前半変動パターンが設定され、特図変動表示ゲームの変動パターンが設定されることとなる。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、前述した特図変動開始処理における変動開始情報設定処理(ステップA1707、ステップA1717)の詳細について説明する。図60は、本発明の第1の実施の形態の変動開始情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
変動開始情報設定処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、対象の変動パターン乱数1〜3の乱数格納領域をクリアする(ステップA2101)。次に、前半変動時間値テーブルを設定し(ステップA2102)、前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する(ステップA2103)。さらに、後半変動時間値テーブルを設定し(ステップA2104)、後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(ステップA2105)。
そして、遊技制御装置600は、前半変動時間値と後半変動時間値を加算し(ステップA2106)、加算値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA2107)。その後、前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を準備し(ステップA2108)、後半変動番号に対応する変動コマンド(ACTION)を準備して(ステップA2109)、コマンド設定処理を行う(ステップA2110)。
次に、遊技制御装置600は、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を−1更新し(ステップA2111)、変動図柄判別フラグに対応する乱数格納領域のアドレスを設定する(ステップA2112)。さらに、乱数格納領域をシフトし(ステップA2113)、シフト後の空き領域を0クリアする(ステップA2114)。
その後、遊技制御装置600は、特図変動表示ゲームの結果を表示する停止時間の延長に関する処理として、まず、停止延長情報領域をクリアする(ステップA2115)。そして、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンであり(ステップA2116の結果が「Y」)、演出モード番号が3であり(ステップA2117の結果が「Y」)、当該演出モードでの残り回転数(ゲーム数)が1である場合には(ステップA2118の結果が「Y」)、特図高確率(高確率状態)中であるか否かを判定する(ステップA2119)。
遊技制御装置600は、特図高確率中でない場合には(ステップA2119の結果が「N」)、停止延長情報1を停止延長情報領域にセーブし(ステップA2120)、停止延長情報に対応する停止情報コマンドを準備して(ステップA2122)、コマンド設定処理(ステップA2123)を行い、変動開始情報設定処理を終了する。これにより停止時間が通常特図表示時間(通常停止時間)よりも延長された特図延長表示時間1(第1延長停止時間)に設定される。
また、遊技制御装置600は、特図高確率中である場合には(ステップA2119の結果が「Y」)、停止延長情報2を停止延長情報領域にセーブする(ステップA2121)。そして、停止延長情報に対応する停止情報コマンドを準備し(ステップA2122)、コマンド設定処理を実行する(ステップA2123)。その後、変動開始情報設定処理を終了する。これにより停止時間が通常特図表示時間よりも延長された特図延長表示時間2(第2延長停止時間)に設定される。
一方、遊技制御装置600は、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンでない場合(ステップA2116の結果が「N」)、演出モード番号が3でない場合(ステップA2117の結果が「N」)、又は、演出モード2での残り回転数(ゲーム数)が1でない場合には(ステップA2118の結果が「N」)、変動開始情報設定処理を終了する。この場合は停止時間の延長が設定されず通常停止時間が設定される。
このように特図変動表示ゲームの停止時間は、当該特図変動表示ゲームの結果や特定回転数であるか否か、演出モードの状態に基づき、当該特図変動表示ゲームの開始時に設定が行われるようになっている。これにより、例えば変動時間と停止時間とで連続する演出を設定することが可能となり、遊技の興趣を向上することができる。
以上の処理により、特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定される。すなわち、遊技制御装置600が、始動記憶手段(遊技制御装置600)に記憶された各種の乱数値の判定を行う判定手段をなしている。また、遊技制御装置600が、始動記憶の判定情報に基づいて、変動表示ゲームで実行する識別情報の変動パターンを決定することが可能な変動パターン決定手段をなしている。
そして、これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報は、演出制御装置700に送信され、演出制御装置700では、特図変動表示ゲームの開始に関する情報の受信に基づいて、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設定する。これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報としては、始動記憶数(保留数)に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド、停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンド、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動コマンド、停止時間の延長に関する情報を含む停止情報コマンドが挙げられ、この順でコマンドが演出制御装置700に送信される。特に、飾り特図コマンドを変動コマンドよりも先に送信することで、演出制御装置700での処理を効率よく進めることができる。
〔特図変動中処理移行設定処理〕
次に、前述した特図普段処理における特図変動中処理移行設定処理(ステップA1605、ステップA1610)の詳細について説明する。図61は、本発明の第1の実施の形態の特図変動中処理移行設定処理の手順を示すフローチャートであり、(A)は第1特図変動表示ゲームの場合、(B)は第2特図変動表示ゲームの場合である。まず、第1特図変動表示ゲームの場合について説明する。
遊技制御装置600は、まず、処理番号として「1」を設定し(ステップA2201)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA2202)。
そして、遊技制御装置600は、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップA2203)、特図1の変動開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA2204)。その後、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップA2205)、特図1点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図1表示器51の点滅の周期のタイマ)の初期値(例えば200ms)を設定する(ステップA2206)。その後、特図変動中処理移行設定処理(特図1)を終了する。
また、(B)に示す第2特図変動表示ゲームの場合についても、第1特図変動表示ゲームの場合と同様の手順であり、特図1の代わりに特図2に対応する処理が実行される。
〔特図変動中処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における特図変動中処理(ステップA1211)の詳細について説明する。図62は、本発明の第1の実施の形態の特図変動中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、停止延長情報(停止延長情報1又は2)があるか否かを判定する(ステップA2301)。停止延長情報がない場合には(ステップA2301の結果が「N」)、通常特図表示時間(例えば600ms)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA2302)。そして、特図表示中処理移行設定処理を実行し(ステップA2306)、特図表示中処理を終了する。
また、遊技制御装置600は、停止延長情報がある場合には(ステップA2301の結果が「Y」)、停止延長情報1であるか否かを判定する(ステップA2303)。停止延長情報1である場合には(ステップA2303の結果が「Y」)、特図延長表示時間1(例えば3500ms)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA2304)。そして、特図表示中処理移行設定処理を実行し(ステップA2306)、特図表示中処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、停止延長情報1でない場合(ステップA2303の結果が「N」)、すなわち停止延長情報2である場合には、特図延長表示時間2(例えば14300ms)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA2305)。そして、特図表示中処理移行設定処理を実行し(ステップA2306)、特図表示中処理を終了する。すなわち、遊技制御装置600が、変動表示ゲームの停止結果態様を表示する停止時間を設定する停止時間設定手段をなしている。
〔特図表示中処理移行設定処理〕
次に、前述した特図変動中処理における特図表示中処理移行設定処理(ステップA2306)の詳細について説明する。図63は、本発明の第1の実施の形態の特図表示中処理移行設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、特図表示中処理に対応する処理番号「2」を設定し(ステップA2401)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA2402)。
次に、遊技制御装置600は、特図1及び特図2の変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA2403、ステップA2404)、外部情報端子に出力用の特図変動表示ゲームの実行回数に対応する図柄確定回数信号制御タイマ領域に制御タイマ初期値(例えば256ms)をセーブする(ステップA2405)。
その後、遊技制御装置600は、特図1表示器51における第1特図変動表示ゲームの制御用の情報として、特図1表示器51での変動停止に係る停止フラグを特図1変動制御フラグ領域にセーブする(ステップA2406)。さらに、特図2表示器52における第2特図変動表示ゲームの制御用の情報として、特図2表示器52での変動停止に係る停止フラグを特図2変動制御フラグ領域にセーブし(ステップA2407)、特図変動中処理移行設定処理を終了する。
〔特図表示中処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップA1212)の詳細について説明する。図64は、本発明の第1の実施の形態の特図表示中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された大当りフラグ2をロードし(ステップA2501)、RWMの大当りフラグ2領域をクリアする(ステップA2502)。そして、ロードされた大当りフラグ2が大当りか否かを判定する(ステップA2503)。
遊技制御装置600は、ロードされた大当りフラグ2が大当りである場合には(ステップA2503の結果が「Y」)、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする(ステップA2508)。そして、第2特図変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する試験信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA2509)。
一方、遊技制御装置600は、ロードされた大当りフラグ2が大当りでない場合には(ステップA2503の結果が「N」)、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1をロードし(ステップA2504)、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする(ステップA2505)。続いて、ロードされた大当りフラグ1が大当りか否かを判定する(ステップA2506)。
遊技制御装置600は、大当りフラグ1が大当りである場合には(ステップA2506の結果が「Y」)、第1特図変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する試験信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA2507)。
遊技制御装置600は、特図1又は特図2が大当りの場合には、停止図柄領域から停止図柄番号を取得する(ステップA2510)。そして、大当りのラウンド数が固定となる停止図柄番号(第1特別結果確変大当り)であるか否かを判定する(ステップA2511)。ラウンド数が固定となる停止図柄番号でない場合(ステップA2511の結果が「N」)、すなわち、大当りのラウンド数を選択できる停止図柄番号(第2特別結果通常大当り及び第2特別結果確変大当り)である場合には、大当りラウンド決定処理移行設定処理を実行し(ステップA2512)、その後、特図表示中処理を終了する。なお、大当りラウンド決定処理移行設定処理の詳細については、図65にて後述する。
一方、遊技制御装置600は、ラウンド数が固定となる停止図柄番号の場合には(ステップA2511の結果が「N」)、固定用のラウンド数上限値(16ラウンド)を準備する(ステップA2513)。そして、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1を実行し(ステップA2514)、その後、特図表示中処理を終了する。なお、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理の詳細については、図67にて後述する。
一方、遊技制御装置600は、大当りフラグ1が大当りでない場合には(ステップA2506の結果が「N」)、演出モードの設定に関する演出モード情報チェック処理を実行し(ステップA2516)、さらに、時短状態とする特図変動表示ゲームの実行回数を管理する時間短縮変動回数更新処理を実行する(ステップA2517)。そして、特図普段処理移行設定処理を実行し(ステップA2517)、その後、特図表示中処理を終了する。なお、時短状態の実行回数を管理は、変動開始時に行ってもよい。
〔大当りラウンド決定処理移行設定処理〕
次に、前述した特図表示中処理における大当りラウンド決定処理移行設定処理(ステップA2512)の詳細について説明する。図65は、本発明の第1の実施の形態の大当りラウンド決定処理移行設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、処理番号として「3」を設定し(ステップA7201)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA7202)。
そして、遊技制御装置600は、ラウンド決定開始コマンドを準備し(ステップA7203)、コマンド設定処理を実行する(ステップA7204)。その後、大当りラウンド決定処理移行設定処理を終了する。ラウンド決定開始コマンドは、大当りラウンドのラウンド数の抽選を行うことを演出制御装置700に通知するためのコマンドである。演出制御装置700は、ラウンド決定開始コマンドを受信すると、大当りラウンドを決定する演出を開始する。
〔大当りラウンド決定処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における大当りラウンド決定処理(ステップA1213)の詳細について説明する。図66は、本発明の第1の実施の形態の大当りラウンド決定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、通過検出センサ監視処理(図50)で通過フラグ格納領域に設定された通過フラグをロードし(ステップA7301)、通過フラグが設定されているか否かを判定する(ステップA7302)。通過フラグが設定されていない場合には(ステップA7302の結果が「N」)、大当りラウンドを決定する必要がないため、大当りラウンド決定処理を終了する。
遊技制御装置600は、通過フラグが設定されている場合には(ステップA7302の結果が「Y」)、設定されている通過フラグが第1(変動)通過フラグであるか否かを判定する(ステップA7303)。第1(変動)通過フラグの場合には(ステップA7303の結果が「Y」)、5ラウンド又は15ラウンドが1対1で選択されるラウンド振分テーブル1(図41(C))を設定する(ステップA2704)。一方、第1(変動)通過フラグでない場合(ステップA7303の結果が「N」)、すなわち、第2(固定)通過フラグが設定されている場合には、10ラウンドが選択されるラウンド振分テーブル2(図41(D))を設定する(ステップA2705)。なお、ラウンド振分テーブル2に実行ラウンドの期待値(平均値)が10ラウンドとなるように複数のラウンド数を設定しておいても良い。
遊技制御装置600は、ラウンド振分テーブルが設定されると、通過検出センサ監視処理で設定されたラウンド決定用乱数をラウンド乱数格納領域からロードする(ステップA2706)。さらに、ロードされたラウンド決定用乱数に基づいて、設定されたラウンド振分テーブルから対応するラウンド数を取得する(ステップA2707)。
さらに、遊技制御装置600は、取得したラウンド数に対応するラウンド数決定コマンドを準備し(ステップA2708)、コマンド設定処理を実行する(ステップA2709)。さらに、取得したラウンド数に対応するラウンド数上限値(5ラウンド、10ラウンド、15ラウンドのいずれか)を準備し(ステップA2710)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1を実行する(ステップA2514)。その後、特図表示中処理を終了する。なお、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理の詳細については、図67にて後述する。
〔ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1〕
次に、前述した特図表示中処理及び大当りラウンド決定処理におけるファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(ステップA2514、ステップA7311)の詳細について説明する。図67は、本発明の第1の実施の形態のファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値を取得してRWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA2801)。続いて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得してRWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA2802)。これによりラウンド数表示部59に大当りのラウンド数が表示される。
次に、遊技制御装置600は、停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードして準備し(ステップA2803)、コマンド設定処理を実行する(ステップA2804)。その後、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA2805)、コマンド設定処理を実行する(ステップA2806)。
続いて、遊技制御装置600は、特図1又は特図2停止図柄設定処理にて設定された図柄情報(停止図柄番号又は停止図柄パターン)に対応するファンファーレコマンドを準備し(ステップA2807)、コマンド設定処理を実行する(ステップA2808)。
次に、遊技制御装置600は、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA2809)。その後、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間(例えば6000ms又は48ms)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA2810)。
そして、遊技制御装置600は、大入賞口開放情報に対応する大入賞口(第1特別変動入賞装置41又は第2特別変動入賞装置42)の大入賞口不正入賞数領域をクリアする(ステップA2811)。さらに、大入賞口開放情報に対応する大入賞口の大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA2812)。
次に、遊技制御装置600は、特図ゲームモードフラグをロードし(ステップA2813)、ロードしたフラグを特図ゲームモードフラグ退避領域へセーブする(ステップA2814)。これにより特別結果が発生した際における演出モードの情報が記憶される。そして、後に記憶した情報に基づき特別遊技状態の終了後の演出モードが決定される。
続いて、遊技制御装置600は、ファンファーレ/インターバル中処理に対応する処理番号である「4」を設定し(ステップA2815)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA2816)。
次に、遊技制御装置600は、大当り(特別遊技状態)の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA2817)、高確率状態と時短状態の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA2818)。
その後、遊技制御装置600は、特別遊技状態で実行したラウンド数を管理するためのラウンド数領域をクリアし(ステップA2819)、遊技状態表示番号領域に低確率中の番号をセーブする(ステップA2820)。さらに、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率&普電サポートなしフラグをセーブする(ステップA2821)。
そして、遊技制御装置600は、変動図柄判別フラグ領域をクリアし(ステップA2822)、さらに、高確率状態の表示に対応する遊技状態表示LED(第3遊技状態表示部59)を消灯させるために高確率報知フラグ領域をクリアする(ステップA2823)。そして、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブする(ステップA2824)。
次に、遊技制御装置600は、停電復旧時に演出制御装置700に出力されるコマンドをセーブする停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(ステップA2825)、時短状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数を管理するための時間短縮変動回数領域をクリアする(ステップA2826)。これにより高確率状態及び時短状態が終了し、通常確率状態かつ通常動作状態となる。
その後、遊技制御装置600は、演出モード番号領域に演出モード1の番号をセーブし(ステップA2827)、演出残り回転数領域をクリアする(ステップA2828)。そして、次モード移行情報領域に更新なしコードをセーブし(ステップA2829)、さらに、演出モードコマンド領域に演出モード1のコマンドをセーブする(ステップA2830)。その後、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1を終了する。これにより、特別遊技状態の発生に伴い演出モードの情報が一旦クリアされることとなる。
〔演出モード情報チェック処理〕
次に、前述した特図表示中処理における演出モード情報チェック処理(ステップA2515)の詳細について説明する。図68は、本発明の第1の実施の形態の演出モード情報チェック処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、次モード移行情報が更新なしコードであるか否かを判定する(ステップA2901)。次モード移行情報が更新なしコードである場合には(ステップA2901の結果が「Y」)、演出モード情報チェック処理を終了する。この場合は、実行した特図変動表示ゲームの回数に応じた演出モードの変更が行われない場合であって、例えば、高確率状態において次回の大当りまで継続する演出モードが選択されている場合などである。
また、遊技制御装置600は、次モード移行情報が更新なしコードでない場合には(ステップA2901の結果が「N」)、演出モードの変更までの特図変動表示ゲームの実行可能回数である演出残り回転数を−1更新する(ステップA2902)。そして、演出残り回転数が0となったか否かを判定する(ステップA2903)。
遊技制御装置600は、演出残り回転数が0となった場合(ステップA2903の結果が「Y」)、すなわち、次の特図変動表示ゲームから演出モードを変更する場合には、演出モード情報アドレステーブルを設定し(ステップA2904)、次モード移行情報に対応するテーブルのアドレスを取得する(ステップA2905)。
そして、遊技制御装置600は、移行する演出モードの演出モード番号を取得して演出モード番号領域にセーブし(ステップA2906)、移行する演出モードの演出残り回転数を取得して演出残り回転数領域にセーブする(ステップA2907)。さらに、移行する演出モードの次モード移行情報を取得して次モード移行情報領域にセーブする(ステップA2908)。
その後、遊技制御装置600は、新たな演出モード番号に対応するコマンドを準備し(ステップA2909)、コマンドを演出モードコマンド領域にセーブする(ステップA2910)。その後、コマンド設定処理を実行し(ステップA2911)、演出モード情報チェック処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、演出残り回転数が0でない場合(ステップA2903の結果が「N」)、すなわち、次の特図変動表示ゲームでも現在の演出モードが継続する場合には、演出残り回転数が規定回転数(例えば8回)であるか否かを判定する(ステップA2912)。
遊技制御装置600は、演出残り回転数が規定回転数でない場合には(ステップA2912の結果が「N」)、演出モード情報チェック処理を終了する。一方、演出残り回転数が規定回転数である場合には(ステップA2912の結果が「Y」)、演出モード切替準備コマンドを準備し(ステップA2913)、コマンド設定処理を実行する(ステップA2914)。その後、演出モード情報チェック処理を終了する。これにより、演出モードの切替の規定回転数前から切替を予告する演出を行うことが可能となる。
以上のように遊技制御装置600で演出モードを管理するようにしたことで、例えば特定の演出モードでのみ特定のリーチを発生させる等の制御が可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
〔時間短縮変動回数更新処理〕
次に、前述した特図表示中処理における時間短縮変動回数更新処理(ステップA2516)の詳細について説明する。図69は、本発明の第1の実施の形態の時間短縮変動回数更新処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、特図高確率(高確率状態)中であるか否かを判定する(ステップA3001)。特図高確率中である場合には(ステップA3001の結果が「Y」)、時間短縮変動回数更新処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、特図高確率中でない場合には(ステップA3001の結果が「N」)、特図時短(時短状態)中であるか否かを判定する(ステップA3002)。特図時短中でない場合には(ステップA3002の結果が「N」)、時間短縮変動回数更新処理を終了する。また、特図時短中である場合には(ステップA3002の結果が「Y」)、時短状態とする特図変動表示ゲームの実行回数を管理する時間短縮変動回数を−1更新し(ステップA3003)、時間短縮変動回数が0となったか否かを判定する(ステップA3004)。
遊技制御装置600は、時間短縮変動回数が0でない場合(ステップA3004の結果が「N」)、すなわち、次の特図変動表示ゲームでも時短状態が継続する場合には、時間短縮変動回数更新処理を終了する。また、時間短縮変動回数が0である場合(ステップA3004の結果が「Y」)、すなわち、今回の特図変動表示ゲームで時短状態が終了する場合には、確率情報コマンド(時短終了)を準備し(ステップA3005)、コマンド設定処理を実行する(ステップA3006)。その後、時短終了設定処理を実行し(ステップA3007)、時間短縮変動回数更新処理を終了する。
〔時短終了設定処理〕
次に、前述した時間短縮変動回数更新処理における時短終了設定処理(ステップA3007)の詳細について説明する。図70は、本発明の第1の実施の形態の時短終了設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、時短の終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA3101)、さらに、時短の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA3102)。
次に、遊技制御装置600は、遊技状態表示番号領域に低確率中の番号をセーブし(ステップA3103)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率&普電サポートなしフラグをセーブする(ステップA3104)。さらに、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブし(ステップA3105)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブして(ステップA3106)、特図普段処理移行設定処理2(時短終了時)を終了する。
〔大当り終了処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における大当り終了処理(ステップA1217)の詳細について説明する。図71は、本発明の第1の実施の形態の大当り終了処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、今回の特別遊技状態を実行する契機となった特別結果の種類に基づき設定される確率変動判定フラグが、特別遊技状態の終了後に高確率状態となる場合に設定される高確率データか否かを判定する(ステップA3201)。
遊技制御装置600は、高確率データでない場合には(ステップA3201の結果が「N」)、大当り終了設定処理1を実行する(ステップA3202)。一方、高確率データである場合には(ステップA3201の結果が「Y」)、大当り終了設定処理2を実行する(ステップA3203)。
その後、遊技制御装置600は、特図ゲームモードフラグに対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA3204)、コマンド設定処理を実行する(ステップA3205)。
次に、遊技制御装置600は、演出モードの管理に必要な情報をセーブするために、まず、停止図柄パターンに対応する演出モード情報設定テーブルを設定する(ステップA3206)。そして、設定された演出モード情報設定テーブルを参照して、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの演出モード番号を取得して演出モード番号領域にセーブする(ステップA3207)。さらに、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの演出残り回転数を取得して演出残り回転数領域にセーブし(ステップA3208)、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの次モード移行情報を取得して次モード移行情報領域にセーブする(ステップA3209)。
その後、遊技制御装置600は、新たな演出モード番号に対応するコマンドを準備し(ステップA3210)、コマンドを演出モードコマンド領域にセーブし(ステップA3211)、コマンド設定処理を実行する(ステップA3212)。最後に、特図普段処理移行設定処理3を実行し(ステップA3213)、大当り終了処理を終了する。
〔大当り終了設定処理〕
次に、前述した大当り終了処理における大当り終了設定処理1(ステップA3202)及び大当り終了設定処理2(ステップA3203)の詳細について説明する。図72は、本発明の第1の実施の形態の大当り終了設定処理の手順を示すフローチャートであり、(A)は大当り終了設定処理1、(B)は大当り終了設定処理2を示す。
最初に大当り終了設定処理1について説明する。遊技制御装置600は、まず、時短の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA3301)、時短の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA3302)。
次に、遊技制御装置600は、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率&普電サポートフラグをセーブし(ステップA3303)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短フラグをセーブする(ステップA3304)。その後、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(時短)をセーブし(ステップA3305)、時間短縮変動回数領域に時間短縮変動回数初期値(例えば70)をセーブして(ステップA3306)、大当り終了設定処理1を終了する。
以上の処理により、特別遊技状態の終了後、特図変動表示ゲームの確率状態が通常確率状態となるとともに時短状態となる。また、時短変動回数領域に時短変動回数初期値(例えば70)をセットすることで、所定回数(例えば70回)の特図変動表示ゲームの実行により時短状態が終了するようになる。
続いて、大当り終了設定処理2について説明する。遊技制御装置600は、まず、高確率の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA3311)、高確率の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA3312)。
次に、遊技制御装置600は、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率&普電サポートフラグをセーブし(ステップA3313)、特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率&時短フラグをセーブする(ステップA3314)。その後、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブし(ステップA3315)、時間短縮変動回数領域をクリアして(ステップA3316)、大当り終了設定処理2を終了する。
以上の処理により、特別遊技状態の終了後、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態となるとともに次回の特別結果態様の導出まで時短状態となる。すなわち、遊技制御装置600が、特別遊技状態の終了後、予め定められた所定期間にわたり、第2始動入賞口38の可動部材38aを開状態とする期間を延長する特定遊技状態(時短状態)を発生可能な特定遊技状態発生制御手段をなす。
〔特図普段処理移行設定処理3〕
次に、前述した大当り終了処理における特図普段処理移行設定処理3(ステップA3213)の詳細について説明する。図73は、本発明の第1の実施の形態の大当り終了設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、特図普段処理に対応する処理番号として「0」を設定し(ステップA3401)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA3402)。
その後、遊技制御装置600は、大当りの終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA3403)、大当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA3404)。
続いて、遊技制御装置600は、確率変動判定フラグ領域の情報をクリアし(ステップA3405)、大当りのラウンド回数を示すラウンドLEDのポインタ領域の情報をクリアする(ステップA3406)。さらに、遊技状態表示番号領域に時短中の番号をセーブする(ステップA3407)。
そして、遊技制御装置600は、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブする(ステップA3408)。最後に、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(ステップA3409)、特図普段処理移行設定処理3を終了する。
〔図柄変動制御処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における図柄変動制御処理(ステップA1219、ステップA1221)の詳細について説明する。図74は、本発明の第1の実施の形態の図柄変動制御処理の手順を示すフローチャートである。図柄変動制御処理は、第1特図や第2特図等の特別図柄の変動の制御と特別図柄の表示データの設定を行う処理である。
遊技制御装置600は、まず、第1特図及び第2特図のうち、制御対象の特図(例えば、第1特図)に対応する特図変動制御フラグが変動中であるかをチェックし(ステップA3501)、変動中であるか否かを判定する(ステップA3502)。
そして、遊技制御装置600は、特図変動中フラグが変動中である場合には(ステップA3502の結果が「Y」)、制御対象の特図(例えば、第1特図)に対応する図柄表示テーブル(変動用)を取得する(ステップA3503)。そして、第1特図及び第2特図のうち、制御対象の特図(例えば、第1特図)に対応する点滅制御タイマを−1更新し(ステップA3504)、当該タイマの値が0、すなわちタイムアップしたか否かを判定する(ステップA3505)。
遊技制御装置600は、点滅制御タイマの値が0である場合には(ステップA3505の結果が「Y」)、点滅制御タイマ初期値を制御対象の点滅制御タイマ領域にセーブし(ステップA3506)、第1特図及び第2特図のうち、制御対象の特図(例えば、第1特図)に対応する変動図柄番号を+1更新する(ステップA3507)。
また、遊技制御装置600は、ステップA3507の処理の終了後、又は、点滅制御タイマの値が0でない場合には(ステップA3505の結果が「N」)、対象の変動図柄番号領域の値に対応する表示データを取得する(ステップA3508)。その後、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブし(ステップA3511)、図柄変動制御処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、特図変動中フラグが変動中でない場合には(ステップA3502の結果が「N」)、制御対象の特図(例えば、第1特図)に対応する図柄表示テーブル(停止用)を取得する(ステップA3509)。そして、対象の変動図柄番号領域の値に対応する表示データを取得する(ステップA3510)。その後、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(ステップA3511)、図柄変動制御処理を終了する。
以上の処理によって、特図1表示器51及び特図2表示器52のうち、制御対象となる特図表示器(例えば、特図1表示器51)に図柄番号に対応した特図が表示されることとなる。
〔磁石不正監視処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理における磁石不正監視処理(ステップA1112)の詳細について説明する。図75は、本発明の第1の実施の形態の磁石不正監視処理の手順を示すフローチャートである。磁石不正監視処理では、磁気センサ23からの検出信号に基づき異常の有無を判定し不正報知の開始や終了の設定等を行う。
遊技制御装置600は、まず、磁気センサ23から出力されて入力ポート622aに取り込まれる検出信号の状態から、異常な磁気を検出した状態であるかを判定する(ステップA3601)。磁石センサ(磁気センサ23)がオンである場合(ステップA3601の結果が「Y」)、すなわち、異常な磁気を検出した場合には、異常な磁気の検出期間を計時する磁石不正監視タイマを+1更新し(ステップA3602)、当該タイマがタイムアップしたか否かを判定する(ステップA3603)。
遊技制御装置600は、磁石不正監視タイマがタイムアップした場合(ステップA3603の結果が「Y」)、すなわち、異常な磁気を一定期間継続して検出した場合には、磁石不正監視タイマをクリアする(ステップA3604)。さらに、磁石不正報知タイマ初期値を磁石不正報知タイマ領域にセーブする(ステップA3605)。そして、磁石不正報知のコマンドを準備し(ステップA3606)、磁石不正フラグとして磁石不正発生フラグを準備する(ステップA3607)。
さらに、遊技制御装置600は、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致するか否かを判定する(ステップA3613)。すなわち、磁気センサ23が一定期間(例えば8回の割込み)連続してオンであった場合に異常が発生していると判定するようにしている。
一方、遊技制御装置600は、磁石センサ(磁気センサ23)がオンでない場合(ステップA3601の結果が「N」)、すなわち、異常な磁気を検出していない場合は、磁石不正監視タイマをクリアする(ステップA3608)。
さらに、遊技制御装置600は、ステップA3608の処理終了後、又は、磁石不正監視タイマがタイムアップしていない場合には(ステップA3603の結果が「N」)、磁石不正の報知時間を規定する磁石不正報知タイマが0でなければ−1更新する(ステップA3609)。なお、磁石不正報知タイマの最小値は0に設定されている。そして、磁石不正報知タイマの値が0であるか否かを判定する(ステップA3610)。
遊技制御装置600は、磁石不正報知タイマの値が0でない場合(ステップA3610の結果が「N」)、すなわち、タイムアップしていない場合は、磁石不正監視処理を終了する。また、磁石不正報知タイマの値が0である場合(ステップA3610の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合であって、不正報知の期間が終了した場合又は当初から不正報知が行われていない場合は、磁石不正報知終了のコマンドを準備する(ステップA3611)。さらに、磁石不正フラグとして磁石不正解除フラグを準備し(ステップA3612)、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致するか否かを判定する(ステップA3613)。
そして、遊技制御装置600は、ステップA3607又はステップA3612の処理で準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致する場合には(ステップA3613の結果が「Y」)、磁石不正監視処理を終了する。一方、値が一致しない場合には(ステップA3613の結果が「N」)、準備した磁石不正フラグを磁石不正フラグ領域にセーブし(ステップA3614)、コマンド設定処理を実行する(ステップA3615)。その後、磁石不正監視処理を終了する。
〔電波不正監視処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理における電波不正監視処理(ステップA1113)の詳細について説明する。図76は、本発明の第1の実施の形態の電波不正監視処理の手順を示すフローチャートである。電波不正監視処理では、電波センサ24からの検出信号に基づき異常の有無を判定し不正報知の開始や終了の設定等を行う。
遊技制御装置600は、まず、電波センサ24から出力されて近接I/F621aを経由して入力ポート622aに取り込まれる検出信号の状態から、電波センサ24がオン、すなわち、異常な電波を検出した状態であるか否かを判定する(ステップA3701)。電波センサがオンである場合(ステップA3701の結果が「Y」)、すなわち異常な電波を検出した場合には、電波不正報知タイマ初期値を電波不正報知タイマ領域にセーブする(ステップA3702)。
さらに、遊技制御装置600は、電波不正報知のコマンドを準備し(ステップA3703)、電波不正フラグとして電波不正発生フラグを設定する(ステップA3704)。
一方、遊技制御装置600は、電波センサがオンでない場合(ステップA3701の結果が「N」)、すなわち、異常な電波を検出していない場合には、電波不正の報知時間を規定する電波不正報知タイマが0でなければ−1更新する(ステップA3705)。なお、電波不正報知タイマの最小値は0に設定されている。
そして、遊技制御装置600は、電波不正報知タイマの値が0であるかを判定する(ステップA3706)。電波不正報知タイマの値が0でない場合(ステップA3706の結果が「N」)、すなわち、タイムアップしていない場合には、電波不正監視処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、電波不正報知タイマの値が0である場合(ステップA3706の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合であって、不正報知の期間が終了した場合又は当初から不正報知が行われていない場合には、電波不正報知終了のコマンドを準備し(ステップA3707)、電波不正フラグとして電波不正解除フラグを設定する(ステップA3708)。
ステップA3704又はステップA3708の処理で電波不正フラグが設定されると、遊技制御装置600は、準備した電波不正フラグが電波不正フラグ領域の値と一致するか否かを判定する(ステップA3709)。すなわち、電波不正の場合は磁気不正の場合とは異なり、異常な電波を検出した時点で異常が発生したと判定する。
遊技制御装置600は、準備した電波不正フラグが電波不正フラグ領域の値と一致する場合には(ステップA3709の結果が「Y」)、電波不正監視処理を終了する。一方、値が一致しない場合には(ステップA3709の結果が「N」)、準備した電波不正フラグを電波不正フラグ領域にセーブし(ステップA3710)、コマンド設定処理を実行する(ステップA3711)。その後、電波不正監視処理を終了する。
以上が、遊技制御装置600(メイン基板)で実行される処理の説明である。続いて、遊技制御装置600から受信したコマンドに基づいて実行される演出制御について説明する。演出制御は、演出制御装置700(サブ基板)によって実行される。
〔1stCPUメイン処理(演出制御装置)〕
まず、演出制御装置700によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。図77は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710によって実行されるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
主制御用マイコン710は、まず、割込みを禁止する(ステップB1001)。次に、各種初期化処理を実行する(ステップB1003)。具体的には、作業領域であるRAM711を0クリアし、CPU初期化処理を実行する。さらに、各種処理の実行に必要な初期値をRAM711に設定し、乱数初期化処理を実行する。
続いて、主制御用マイコン710は、所定のタイミング(例えば、1ミリ秒)で割込みを発生させるための各種割込みタイマを起動させ(ステップB1003)、割込みを許可する(ステップB1004)。割込みの発生タイミングで遊技制御装置600から送信されたコマンドを受信するなどの割込み処理が実行される。割込み処理の詳細については図78にて後述する。
主制御用マイコン710は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(ステップB1005)。WDTは、上述した初期化処理に含まれるCPU初期化処理で起動され、CPUが正常に動作しているか否かを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPUがリセットされる。
そして、主制御用マイコン710は、遊技者による演出ボタン17(選択ボタン29)の操作信号を検出し、検出した信号(入力情報)を生成する演出ボタン入力処理を実行する(ステップB1006)。また、遊技制御装置600から受信した遊技制御コマンドを解析して特定する遊技制御コマンド解析処理を実行する(ステップB1007)。具体的には、割り込みで受信バッファにコマンドを正確に受信できたか否かを判定し、受信できた場合には、受信したコマンドを1stシーン制御処理(ステップB1009)などで利用するために区分けをする。
次に、主制御用マイコン710は、テストモード処理を実行する(ステップB1008)。テストモード処理は、工場出荷時の検査の際に検査用のコマンドを受信してLEDの点灯等を検査する。したがって、テストモード処理は、工場出荷時にCPUを検査するときに実行される。なお、実際に表示や音声の出力、発光等の処理が必要な場合には、後述するサウンド制御処理(ステップB1012)、装飾制御処理(ステップB1013)、モータ/ソレノイド(SOL)制御処理(ステップB1014)で処理される。
続いて、主制御用マイコン710は、遊技制御コマンド解析処理(ステップB1007)において解析された制御コマンドに基づき、変動表示装置(以降、「メイン表示装置」)35又はサブ表示装置480に表示させるシーン(表示内容)を制御する1stシーン制御処理を実行する(ステップB1009)。1stシーン制御処理では、遊技の進行にかかわるシーンを制御する。なお、1stシーン制御処理の詳細については、図80にて後述する。
さらに、主制御用マイコン710は、遊技機1における異常の発生を監視する遊技機エラー監視処理を実行する(ステップB1010)。演出制御装置700に関わる異常の他に、遊技制御装置600からエラー報知を指示するコマンドを受信した場合などに、報知LEDの発光、画面表示や警報音の出力など所定の処理を実行する。なお、実際の報知は、後述するサウンド制御処理(ステップB1012)、装飾制御処理(ステップB1013)、モータ/ソレノイド(SOL)制御処理(ステップB1014)で実行される。
そして、主制御用マイコン710は、映像制御用マイコン(2ndCPU)720に送信するコマンドを編集し、所定のレジスタに書き込む演出コマンド編集処理を実行する(ステップB1011)。
また、主制御用マイコン710は、スピーカ10から出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(ステップB1012)。また、LED等の装飾装置(盤装飾装置101、枠装飾装置181)を制御する装飾制御処理を実行し(ステップB1013)、さらにモータ及びソレノイドで駆動される電動役物や可動式照明などの演出装置(盤演出装置102、枠演出装置182)を制御するモータ/SOL制御処理を実行する(ステップB1014)。
最後に、主制御用マイコン710は、演出乱数などの乱数を更新するための乱数更新処理を実行して(ステップB1015)、ステップB1005の処理に戻る。以降、ステップB1005からステップB1015までの処理を繰り返す。
〔割込み処理(演出制御装置)〕
続いて、タイマによって所定の間隔で実行される割込処理について説明する。図78は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置700における割込み処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置700は、まず、各種タイマの値を更新するタイマ更新処理を実行する(ステップB1101)。
続いて、演出制御装置700は、外部からの信号入力を監視し、入力を受け付けるための入力処理を実行する(ステップB1102)。例えば、演出ボタン17が操作されたことによって入力された信号を検出し、当該信号の入力を受け付ける。
さらに、演出制御装置700は、1stシーン制御処理表示制御処理(図77のステップB1009)によって指示された画像をメイン表示装置35から出力したり、サウンド制御処理(図77のステップB1012)によって指示された効果音や報知音などをスピーカ10に出力したりする出力処理を実行する(ステップB1103)。
最後に、演出制御装置700は、遊技制御装置600から送信されたメインコマンドの入力を監視し、当該メインコマンドを受信するメインコマンド受信処理を実行し(ステップB1104)、割込み処理を終了する。
〔2ndCPUメイン処理(演出制御装置)〕
続いて、演出制御装置700によって実行されるもう一方のメイン処理の詳細を説明する。図79は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置700の映像制御用マイコン(2ndCPU)720によって実行されるメイン処理の手順を示すフローチャートである。2ndCPUメイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
映像制御用マイコン(2ndCPU)720は、まず、CPU初期化処理を実行する(ステップB1201)。そして、作業領域であるRAM721を0クリアして(ステップB1202)、各種処理の実行に必要な初期値をRAM721に設定する(ステップB1203)。そして、画像処理を行うグラフィックプロセッサを初期化するVDP初期化処理を実行する(ステップB1204)。次に、Vブランク割込みなどの各種割込みを許可する(ステップB1205)。
さらに、映像制御用マイコン720は、各種制御処理の初期化処理を実行する(ステップB1206)。各種制御処理の初期化処理では、後述する各制御処理で使用される変数の初期化などが行われる。例えば、メイン表示装置35(又はサブ表示装置480)に表示される映像の背景を初期化したり、図柄の配列を初期化したりする。そして、メイン表示装置35(又はサブ表示装置480)の画面描画を許可する(ステップB1207)。
その後、映像制御用マイコン720は、システム周期待ちフラグをクリア(初期化)して(ステップB1208)、システム周期待ちフラグが1に設定されるまで待機する(ステップB1209)。
映像制御用マイコン720は、システム周期待ちフラグが1に設定された場合には(ステップB1209の結果が「Y」)、映像制御用マイコン720が正常に動作しているかを判定するためのWDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(ステップB1210)。なお、WDTがクリアされずに所定の時間経過すると、映像制御用マイコン720がリセットされる。
続いて、映像制御用マイコン720は、受信コマンドチェック処理を実行する(ステップB1211)。受信コマンドチェック処理では、遊技制御装置600から送信され、主制御用マイコン710を介して受信したコマンドを特定し、以降実行される処理に応じて区分けする。
次に、映像制御用マイコン720は、メイン表示装置35(又はサブ表示装置480)に表示する内容を決定する2ndシーン制御処理を実行する(ステップB1212)。具体的には、2ndシーン制御処理では、予告キャラクタ等を設定したり、表示されるキャラクタの優先順位を決定したりする。
次に、映像制御用マイコン720は、遊技状態、リーチシーンに応じた背景表示を行う背景処理を実行する(ステップB1213)。続いて、変動表示に関する表示制御を行う変動表示処理を実行する(ステップB1214)。さらに、前述した先読みコマンド受信処理で先読み記憶領域に記憶された保留演出情報に基づいて保留表示を行う保留表示処理を実行する(ステップB1215)。
次に、映像制御用マイコン720は、客待ちデモコマンドを受けてから所定時間(例えば20秒)経過後に、客待ちデモ背景を設定する客待ちデモ処理を実行する(ステップB1216)。
最後に、映像制御用マイコン720は、画像ROM557に格納されたデータをRAMに転送し、メイン表示装置35(又はサブ表示装置480)に実際に表示させる表示システム処理を実行し(ステップB1217)、ステップB1208の処理に戻る。以降、ステップB1208からステップB1217までの処理を繰り返す。
〔1stシーン制御処理〕
次に、前述した1stメイン処理における1stシーン制御処理(ステップB1009)の詳細について説明する。図80は、本発明の第1の実施の形態の1stシーン制御処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、遊技機1がテスト中モードであるか否かを判定する(ステップB1301)。テスト中モードの場合には(ステップB1301の結果が「Y」)、1stシーン制御処理を終了する。
主制御用マイコン710は、遊技機1がテスト中モードでない場合には(ステップB1301の結果が「N」)、遊技制御装置600から送信されたシーン変更コマンドを受信しているか否かを判定する(ステップB1302)。シーン変更コマンドを受信していない場合には(ステップB1302の結果が「N」)、ステップB1307以降の処理を実行する。
主制御用マイコン710は、シーン変更コマンドを受信している場合には(ステップB1302の結果が「Y」)、更新する(現在の)遊技状態を取得する(ステップB1303)。さらに、有効なコマンドを受信しているか否かを判定する(ステップB1304)。具体的には、変更先のシーンが現在の遊技状態と整合するか否かなどを判定する。主制御用マイコン710は、有効なコマンドを受信していない場合には(ステップB1304の結果が「N」)、ステップB1307以降の処理を実行する。
主制御用マイコン710は、有効なコマンドを受信した場合には(ステップB1304の結果が「Y」)、受信したコマンドをメモリにセーブする(ステップB1305)。さらに、演出リクエストフラグをセットする(ステップB1306)。演出リクエストフラグは、シーンを変更するタイミングであることを示すフラグであり、後述する変動中処理(ステップB1311)で、演出リクエストフラグが設定されているか否かに応じた処理が実行される。
続いて、主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子に応じた処理を実行する(ステップB1307)。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドが「電源投入コマンド」の場合には、電源投入処理を実行する(ステップB1308)。電源投入処理では、遊技機1の電源が投入された際に表示される画面の制御を行う。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドが「停電復旧コマンド」の場合には、停電復旧処理を実行する(ステップB1309)。停電復旧処理では、遊技機1が停電から復旧した際に表示される画面の制御を行う。なお、停電発生時に客待ち状態だった場合には客待ち処理が実行される。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドが「客待ちデモコマンド」の場合には、客待ち処理を実行する(ステップB1310)。客待ち処理では、変動表示ゲームが最後に実行されてから所定時間経過した場合に表示される画面の制御を行う。客待ち処理の詳細については、図83にて後述する。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドが「変動パターンコマンド」の場合には、変動中処理を実行する(ステップB1311)。変動中処理では、設定された変動パターンに応じたシーンを表示するために必要な情報を取得し、設定された変動パターンに対応した演出制御を行う。変動中処理の詳細については、図84にて後述する。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドが「図柄停止コマンド」の場合には、図柄停止処理を実行する(ステップB1312)。図柄停止処理では、指定された識別図柄で変動表示を停止させる。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドが「ラウンド決定開始コマンド」の場合には、大当りラウンド決定中処理を実行する(ステップB1313)。大当りラウンド決定中処理では、変動表示ゲームの結果が第2特別結果大当りとなり、大当りラウンド数を選択させるための処理を行う。大当りラウンド決定中処理の詳細については、図95にて後述する。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドが「ファンファーレコマンド」の場合には、大当りファンファーレ処理を実行する(ステップB1314)。大当りファンファーレ処理では、発生した大当りに対応するファンファーレを出力する。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドが「大入開放n回目コマンド」の場合には、大当りラウンド中処理を実行する(ステップB1315)。大当りラウンド中処理では、特別遊技状態における各ラウンド中の演出制御を行う。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドが「インターバルコマンド」の場合には、大当りインターバル処理を実行する(ステップB1316)。大当りインターバル処理では、特別遊技状態における各ラウンド間の演出制御を行う。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドが「エンディングコマンド」の場合には、大当りエンディング処理を実行する(ステップB1317)。大当りエンディング処理では、特別遊技状態が終了した際の演出制御を行う。
主制御用マイコン710は、各コマンドに基づく処理の実行が完了すると、保留数コマンド受信処理を実行する(ステップB1318)。保留数コマンドは更新された保留数が通知されるコマンドであり、保留数コマンド受信処理は、受信した保留数に基づいて、保留表示などを更新する。
続いて、主制御用マイコン710は、飾り特図コマンド受信処理を実行する(ステップB1319)。飾り特図コマンド受信処理は、変動開始時に変動パターンコマンドに先立って送信される飾り特図コマンドを受信する処理である。
次に、主制御用マイコン710は、事前判定コマンド受信処理を実行する(ステップB1320)。事前判定コマンド受信処理は、転落・昇格・転落昇格を含む事前演出図柄コマンド、事前演出変動コマンドに基づいて、保留表示演出等を設定する処理である。
次に、主制御用マイコン710は、確率情報コマンド受信処理を実行する(ステップB1321)。確率情報コマンド受信処理は、受信した確率情報コマンドに基づいて、内部確率等の遊技状態を設定する処理である。確率情報コマンドには、例えば、高確/時短コマンド、低確/時短コマンド、低確/サポなしコマンドなどが含まれる。
次に、主制御用マイコン710は、右打ち警告コマンド受信処理を実行する(ステップB1322)。右打ち警告コマンド受信処理は、大当りラウンド決定時などの右打ちを行うタイミング以外で遊技者が右打ちをした場合に、メイン表示装置35やサブ表示装置480などに警告表示を行うための処理である。右打ち警告コマンド受信処理の詳細については、図106にて後述する。右打ち警告コマンド受信処理が終了すると、1stシーン制御処理を終了し、1stメイン処理に復帰する。
次に、メイン表示装置35及びサブ表示装置480の表示について説明する。
〔画面表示(メイン表示装置・サブ表示装置)〕
図81は、本発明の第1の実施の形態のメイン表示装置35及びサブ表示装置480の表示内容の一例を示す図であり、(A)は客待ち状態、(B)は客待ち状態以外を示している。
本実施形態における遊技機では、(A)に示すように、客待ち状態中の場合には、消費電力を低減させるために、メイン表示装置35には最小限の表示のみを行うようになっている(省エネモード)。例えば、表示画面の輝度を最小限にして消費電力を低減させていることを示す表示(「省エネ中です。」)や通常画面に復帰する方法を示す表示(「ハンドルにタッチ又はボタン操作で復帰します。」)を行っている。
このとき、サブ表示装置480には、客待ちデモ画像(映像)や機種情報(機種名、大当り確率、確変割合等)などを含むデモ表示が行われている。省エネモードから復帰すると、デモ表示(客待ちデモ画像)がメイン表示装置35に出力されるようにしても良い。このとき、サブ表示装置480では、機種情報のみを表示するようにしてもよいし、メイン表示装置35とは異なる画像を表示してもよい。なお、省エネモードであってもサブ表示装置480は消灯されないが、メイン表示装置35よりも画面サイズが小さいため、消費電力を削減することができる。
一方、(B)に示すように、客待ち状態以外、例えば、変動表示ゲームの実行中の場合には、識別図柄(左飾り図柄、中飾り図柄、右飾り図柄)を変動表示させる。このとき、中飾り図柄を他の識別図柄(左飾り図柄、右飾り図柄)よりも小さく表示するようにしてもよい。
また、リーチ発生時の演出表示やエラー発生時のエラー表示なども行われる。メイン表示装置の画面下部には、特図1及び特図2の始動記憶を表示する記憶表示領域が割り当てられており、始動記憶表示とともに先読み表示などが行われる。
このとき、サブ表示装置480では、メイン表示装置35に表示される内容の補助演出(補助演出画像、予告画像の表示)などが行われる。また、始動記憶数を表示したり、普図変動表示ゲームを実行したりする。
〔画面表示(サブ表示装置)〕
次に、サブ表示装置480の詳細について説明する。図82は、本発明の第1の実施の形態のサブ表示装置480の構成を示す図であり、(A)はサブ表示装置480の表示画面、(B)は普図ゲーム補助表示領域、(C)は特図変動表示ゲームにおける状態表示図柄(第4図柄)を示している。
(A)に示すように、サブ表示装置480の画面では、右上部に普図ゲーム補助表示領域482が配置され、下部に特図ゲーム補助表示領域483が配置されている。普図ゲーム補助表示領域482及び特図ゲーム補助表示領域483については、表示位置が固定された不変表示領域となっている。なお、客待ちデモ中には不変表示領域を非表示としてもよいし、そのまま表示を継続させてもよい。
普図ゲーム補助表示領域482には、(B)に示すように、右側に普図変動表示ゲームの始動記憶数、左側に普図変動表示ゲームの結果が表示されている。普図変動表示ゲームの始動記憶数は、数値で表示されているが、その他の態様で表示するようにしてもよい。普図変動表示ゲームの結果は、当り「○」又ははずれ「×」で表現されているが、その他の態様であってもよい。普図変動表示ゲームの実行中には、「○」と「×」とが変動表示される。
また、特図ゲーム補助表示領域483には、特1ゲーム状態表示領域484a、特1記憶数表示領域485a、特2ゲーム状態表示領域484b及び特2記憶数表示領域485bが含まれている。
特1ゲーム状態表示領域484aには、第1特図変動表示ゲームにおける状態表示図柄(第4図柄)が表示される。また、特1記憶数表示領域485aには、第1特図変動表示ゲームを実行するための始動記憶数が表示される。同様に、特2ゲーム状態表示領域484bには、第2特図変動表示ゲームにおける状態表示図柄(第4図柄)が表示される。特2記憶数表示領域485bには、第2特図変動表示ゲームを実行するための始動記憶数が表示される。
特1記憶数表示領域485a及び特2記憶数表示領域485bに表示される始動記憶数は、数字で表示されるため、先読み表示は行われないようになっている。
特1ゲーム状態表示領域484a及び特2ゲーム状態表示領域484bに表示される状態表示図柄(第4図柄)は、少なくとも飾り図柄と並行して変動及び停止することで飾り図柄変動表示ゲームの進行を把握可能とする図柄であり、本実施形態では、飾り図柄(左、中、右)と合わせて飾り図柄変動表示ゲームの結果を導出するための図柄でもある。例えば、同一の飾り図柄の組合せで当り発生時の態様が類似する小当りと2ラウンド大当りとを、第4図柄によって判別することができる。
状態表示図柄(第4図柄)の変動表示は、(C)に示すように、表示される色が変動表示される。具体的には、「白」→「青」→「緑」→「黄」→「橙」→「赤」→「白」・・・の順で表示が変化する。
なお、上部演出装置400が動作しているか否かにかかわらず、サブ表示装置480は他の可動役物などによって遮蔽されることがないため、普図ゲーム補助表示領域482及び特図ゲーム補助表示領域483(特図1及び特図2の第4図柄表示領域484、記憶数表示領域485)は常時視認可能となっている。
〔客待ち処理〕
次に、前述した1stシーン制御処理における客待ち処理(ステップB1310)の詳細について説明する。図83は、本発明の第1の実施の形態の客待ち処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、客待ちデモが実行中であるか否かを判定する(ステップB1401)。客待ちデモが実行中でない場合には(ステップB1401の結果が「N」)、客待ち開始フラグが設定されているか否かを判定する(ステップB1402)。客待ち開始フラグが設定されていない場合には(ステップB1402の結果が「N」)、客待ち開始タイマをセットし(ステップB1403)、さらに、客待ち開始フラグをセットする(ステップB1404)。
主制御用マイコン710は、客待ち開始フラグのセット(ステップB1404)が終了した場合、又は、既に客待ち開始フラグがセットされている場合には(ステップB1402の結果が「Y」)、客待ち開始タイマが0でなければ−1更新する(ステップB1405)。そして、客待ち開始タイマが0であるか否かを判定する(ステップB1406)。
主制御用マイコン710は、開始タイマが0になった場合には(ステップB1406の結果が「Y」)、客待ちデモを開始するために、客待ちデモ設定処理を実行する(ステップB1407)。さらに、各待ちデモ開始フラグをリセットし(ステップB1408)、客待ちデモを解除する設定解除タイマをセットする(ステップB1409)。客待ちデモ設定処理が実行されると、自動的又は遊技者の操作によって発射報知態様の選択画面が表示される。
主制御用マイコン710は、設定解除タイマのセットが終了した場合、又は、既に客待ちデモが開始されている場合には(ステップB1401の結果が「Y」)、解除タイマが0でなければ−1更新する(ステップB1410)。そして、解除タイマが0であるか否かを判定する(ステップB1411)。
主制御用マイコン710は、設定解除タイマが0の場合には(ステップB1411の結果が「Y」)、報知態様設定済みフラグをリセットし(ステップB1412)、発射報知態様の設定をリセットする(ステップB1413)。なお、発射報知態様の設定をリセットすると、固定側及び変動側それぞれのタイミングを報知する設定となる。
本実施形態の遊技機1では、客待ちデモの実行中に大当りラウンド数を固定にするか変動(抽選)にするかを選択するための補助を行うための発射報知態様を選択することができる。前述のように、大当り発生後、遊技球を振分装置90に向かって発射し、変動側(第1通過ゲート部34g)又は固定側(第2通過ゲート部34h)を通過させることによって大当りラウンド数の決定態様を選択することができる。本実施形態では、ゲートの開放タイミングを報知する発射報知態様を客待ちデモ中に設定することが可能となっており、以下、発射報知態様の設定方法について説明する。
主制御用マイコン710は、発射報知態様の選択画面がメイン表示装置35に表示されると、まず、発射報知態様が選択中であるか否かを判定する(ステップB1414)。発射報知態様が選択中でない場合には(ステップB1414の結果が「N」)、発射報知切替操作があるか否かを判定する(ステップB1415)。発射報知切替操作がない場合には(ステップB1415の結果が「Y」)、客待ち処理を終了する。
一方、主制御用マイコン710は、発射報知の選択操作があるか否かを判定する(ステップB1416)。発射報知の選択がある場合には(ステップB1416の結果が「Y」)、選択操作に対応する発射報知態様を強調表示する(ステップB1417)。
主制御用マイコン710は、選択操作がない場合(ステップB1416の結果が「N」)、又は、選択操作に対応する発射報知態様の強調表示が終了すると、さらに、選択された発射報知態様の確定操作があるか否かを判定する(ステップB1418)。さらに、発射報知態様の確定操作がない場合には(ステップB1418の結果が「N」)、客待ち処理を終了する。
主制御用マイコン710は、発射報知態様の確定操作がある場合には(ステップB1418の結果が「Y」)、確定操作に対応する発射報知態様を設定する(ステップB1419)。さらに、報知態様設定済みフラグをセーブし(ステップB1420)、確定画面を所定時間表示する(ステップB1421)。その後、客待ち処理を終了する。なお、発射報知態様の選択については、発射報知態様設定処理(図97)及び設定画面(図103、図104)を参照しながらさらに詳しく後述する。
〔変動中処理〕
次に、前述した1stシーン制御処理における変動中処理(ステップB1311)の詳細について説明する。図84は、本発明の第1の実施の形態の変動中処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、演出リクエストフラグが設定されているか否かを判定する(ステップB1501)。演出リクエストフラグが設定されている場合には(ステップB1501の結果が「Y」)、各種情報を設定する。
具体的には、主制御用マイコン710は、まず、PB(プッシュボタン)情報をクリアする(ステップB1502)。PB(プッシュボタン)情報とは、演出ボタン17による入力情報である。
続いて、主制御用マイコン710は、可動体リクエストをセットする(ステップB1503)。すなわち、演出内容にあわせて可動式照明や電動役物の動作態様を設定する。
さらに、主制御用マイコン710は、変動演出パターン設定処理を実行する(ステップB1504)。変動演出パターン設定処理では、特図変動表示ゲームの停止図柄を設定したり、変動パターンコマンドに基づいて変動時間や予告演出を設定したりする。
続いて、主制御用マイコン710は、役物演出動作設定処理を実行する(ステップB1505)。役物演出動作設定処理は、変動パターンに対応して演出を行う演出装置と該演出装置による演出動作の内容(演出態様)を設定する処理である。役物演出動作設定処理で設定された演出態様に基づいて、後述する奥側演出動作制御処理(ステップB1513)、下部演出動作制御処理(ステップB1514)、上部演出動作制御処理(ステップB1515)、右部演出動作制御処理(ステップB1516)が実行される。
次に、主制御用マイコン710は、乱数シード初期化処理を実行する(ステップB1506)。乱数シード初期化処理は、演出内容を決定するためなどに使用する乱数のシードを初期化する処理である。
さらに、主制御用マイコン710は、設定された変動パターンに対応するシーンシーケンステーブルを設定する(ステップB1507)。その後、変動時間を設定する変動時間設定処理を実行する(ステップB1508)。そして、最初のシーンを設定し、シーン更新タイマをセットする(ステップB1509)。最後に、演出リクエストフラグをクリアし(ステップB1510)、変動中処理を終了する。
一方、主制御用マイコン710は、演出リクエストフラグが設定されていない場合には(ステップB1501の結果が「N」)、シーン更新タイマが0になったか否かを判定する(ステップB1511)。シーン更新タイマが0になった場合(ステップB1511の結果が「Y」)、すなわち、シーンの切り替えタイミングの場合には、シーンシーケンステーブルに設定された次のシーンデータを設定する(ステップB1512)。
さらに、主制御用マイコン710は、シーンに対応する各種可動役物(演出装置)を動作させる。具体的には、奥側演出動作制御処理(ステップB1513)、下部演出動作制御処理(ステップB1514)、上部演出動作制御処理(ステップB1515)、右部演出動作制御処理(ステップB1516)が実行される。
ここで、各種可動役物に関する演出態様について説明する。奥側演出動作の具体的な内容については図85から図87、上部演出動作については図88及び図89を参照しながらさらに説明する。また、右部演出動作制御処理の詳細については、図90にて後述し、右部演出動作については図91から図94を参照しながらさらに説明する。
〔奥側演出装置〕
図85は、本発明の第1の実施の形態の奥側演出装置300を右上方からみた図であり、(A)はシャッタユニット330のスライド動作前の状態、(B)はシャッタユニット330のスライド動作中の状態を示している。図86は、本発明の第1の実施の形態の奥側演出装置300の動作を正面からみた図であり、(A)は回動扉340が回動する前の状態、(B)は回動扉340が回動した後の状態を示している。
図85(A)を参照すると、センターフレーム34を上方からのぞき込むと、カバー部材222の上面壁222bに文字装飾が施されている。また、上面壁222bの間には、可動装飾部材223がメイン表示装置35の中央下部に前方から重なるように配置されている。そして、図85(B)に示すように左右に配置されたシャッタユニット330が収容空間からメイン表示装置35の中央側に向かってスライドする。
その後、図86(A)に示すように、左右のシャッタユニット330がそれぞれ所定位置まで移動する。左右のシャッタユニット330が所定位置まで移動すると、回動扉340が回動可能な状態になる。なお、回動扉340は、シャッタユニット330の動作とは独立して回動することが可能となっている。
左右のシャッタユニット330の下側突出部330bの間には、接触などによる破損を防ぐために、隙間が設けられるようになっている。この場合、遊技中の遊技者からは、可動装飾部材223による演出が実行されているか否かにかかわらず、この隙間が視認できないようになっている。可動装飾部材223(下部演出装置220)による演出については、図87にて後述する。
さらに、左右のシャッタユニット330に備えられた回動扉340が回動するまでの間、左右のシャッタユニット330によって区画領域が形成され、メイン表示装置35による表示を視認することが可能となっている。このとき、メイン表示装置35で表示されている識別図柄を、図86(A)に示すように、遊技者に視認可能に縮小して表示し、さらに、リーチ演出画像を表示する。また、左右のシャッタユニット330の外側にもメイン表示装置35による表示を視認することが可能な領域があり、この領域にも演出画像(外部演出画像)が表示される。
その後、左右の回動扉340が回動し、メイン表示装置35の中央部を遮蔽する。回動扉340の裏面側には、左右の回動扉340が近接することによって一の図柄(意匠)となるように装飾が施されている。本実施形態では、図86(B)に示すように、「勝負」の文字装飾が導出される。このとき、左右の回動扉340の対面側には磁性体344が収容されており、左右の回動扉340が磁力によって近接する合体状態を維持するように構成されている。
また、回動扉340に備えられ、互いに吸着する磁性体は、一方が硬磁性体、他方が軟磁性体となっている。例えば、右側の回動扉340は上側に硬磁性体、下側に軟磁性体が配置され、左側の回動扉340は上側に軟磁性体、下側に硬磁性体が配置される。これにより、一方の回動扉340に硬磁性体を配置して他方の回動扉340に軟磁性体を配置する場合に比べ、左右の回動扉340が合体状態となる際に位置ズレが生じにくくなる。なお、左右の回動扉340に収容される磁石を両方とも硬磁性体としても良い。
〔下部演出装置〕
図87は、本発明の第1の実施の形態の下部演出装置220を説明する図であり、(A)は可動装飾部材223の動作前の状態を上方から見た図、(B)は可動装飾部材223の動作後の状態を正面から見た図を示している。
(A)を参照すると、前述のように、可動装飾部材223が左右のシャッタユニット330の下側突出部330b同士の隙間を遊技者から視認できないように前方から覆うように配置されている。これにより、左右のシャッタユニット330が実際には合体(当接)していないにも拘らず、合体(当接)しているかのように見せることができ、左右のシャッタユニット330の下側突出部330bの破損を防止しつつ演出効果を高めることが可能となる。なお、可動装飾部材223は、シャッタユニット330がスライドした場合に可動させてもよいし、単独で動作するようにしてもよい。また、左右のシャッタユニット330の上側突出部330aについても下側突出部330bのように隙間を可動装飾部材223のような装飾部材により視認困難となるようにしても良い。
(B)に示すように、可動装飾部材223が上方向に可動すると、装飾体224の全体が遊技者から視認可能となる。この場合であっても、前述のように、可動装飾部材223が左右のシャッタユニット330の下側突出部330b同士の隙間を遊技者から視認できないようにしている。なお、上側突出部330aや下側突出部330b同士の隙間を視認困難に遮蔽する部材については、可動しない装飾部材としても良い。
〔上部演出装置〕
図88は、本発明の第1の実施の形態において変動表示ゲームの開始から仮停止するまでのメイン表示装置35及びサブ表示装置480を示す図である。
変動表示ゲームが開始され、大当り(特別結果態様)となる期待度が高い場合には、(A)に示すように、サブ表示装置480に予告演出画像が表示される。なお、予告演出画像が表示された場合のほうが、されない場合よりも期待度が高くなっている。
その後、(B)に示すように、サブ表示装置480には補助演出画像が表示され、リーチが発生する。補助演出画像は、予告演出に対応するものであってもよいし、期待度などに応じた独立した画像であってもよい。
そして、(C)に示すように、識別図柄が仮停止すると、サブ表示装置480には動作予兆画像が表示される。動作予兆画像が表示されると、上部演出装置400が上下に振動するなど、サブ表示装置480の動作の開始(発展)を示唆する態様で演出が実行される。(C)に示す仮停止の状態から識別図柄が本停止する場合もあるが、発展する場合には、図柄の仮停止が継続し、図89に示す演出が実行される。
図89は、本発明の第1の実施の形態において変動表示ゲームの仮停止後に上部演出装置400で実行される発展演出の一例を示す図である。
(A)を参照すると、発展演出が開始されることがサブ表示装置480の可変表示領域481に表示され、上部演出装置400が下降動作を行う。その後、(B)に示すように、上部演出装置400が上下に振動するように動作し、大当り(特別結果態様)となる期待度に応じた演出が実行される。
(C)を参照すると、大当り(特別結果態様)となる期待度が中程度であることを示すメッセージ(「いくぞ!!」)が表示され、その後、上部演出装置の上昇動作が実行される。そして、(D)に示すように、大当り(特別結果態様)となる期待度が中程度であることを示す演出が実行される。
(E)を参照すると、可変表示領域481が透過状態となり、後方に位置する導光板470による発光演出が実行されることによって、大当り(特別結果態様)となる期待度が大きいことを示すメッセージ(「大チャンスざます!!」)が表示される。そして、上部演出装置の上昇動作が実行され、(F)に示すように、大当り(特別結果態様)となる期待度が大きいことを示す演出が実行される。このような演出を実行することで大当りに対する期待感を効果的に煽ることができて遊技の興趣が向上する。
〔右部演出装置〕
次に、前述した変動中処理における右部演出動作制御処理(ステップB1516)の詳細について説明する。図90は、本発明の第1の実施の形態の右部演出動作制御処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、役物演出動作設定処理(ステップB1505)で右部演出動作を実行するように設定されているか否かを判定する(ステップB7001)。右部演出動作を実行するように設定されていない場合には(ステップB7001の結果が「N」)、右部演出動作制御処理を終了する。
一方、主制御用マイコン710は、右部演出動作を実行するように設定されている場合には(ステップB7001の結果が「Y」)、演出開始タイミングであるか否かを判定する(ステップB7002)。演出開始タイミングでない場合には(ステップB7002の結果が「N」)、ステップB7006以降の処理を実行する。
主制御用マイコン710は、演出開始タイミングである場合には(ステップB7002の結果が「Y」)、可動装飾ユニット550の移動動作をセットする(ステップB7003)。さらに、手かざし演出画像をメイン表示装置35に表示する(ステップB7004)。手かざし演出画像は、図91に示すように、可動装飾ユニット550に備えられた赤外線センサ(以下、「人感センサ」として説明する)590を利用した演出を説明するための画像である。続いて、主制御用マイコン710は、大当りとなる信頼度に応じて回転筒580の最大回転速度をセットする(ステップB7005)。
次に、主制御用マイコン710は、人感センサ590が有効になっている期間(人感検知期間)か否かを判定する(ステップB7006)。人感検知期間中の場合には(ステップB7006の結果が「Y」)、手かざし演出画像を更新する(ステップB7007)。更新された手かざし演出画像では、例えば、図92に示すように、より具体的な動作説明をしたり、図93に示すように、残り時間を表示したりする。
続いて、主制御用マイコン710は、人感検知がなされたか否かを判定する(ステップB7008)。人感検知がなされた場合には(ステップB7008の結果が「Y」)、回転筒580が最大回転速度に未到達であれば、回転筒580の回転速度をアップする(ステップB7009)。
主制御用マイコン710は、演出終了タイミングであるか否かを判定する(ステップB7010)。演出終了タイミングでない場合には(ステップB7010の結果が「N」)、右部演出動作制御処理を終了する。
一方、主制御用マイコン710は、演出終了タイミングの場合には(ステップB7010の結果が「Y」)、回転筒580の回転を停止して可動装飾ユニット550の復帰動作をセットし(ステップB7011)、図94に示すように、メイン表示装置35に演出結果画像を表示する(ステップB7012)。
図91から図94は、本発明の第1の実施の形態の右部演出動作の態様を説明する図である。右部演出装置500による演出(「手かざしチャンス」演出)は、リーチ発生時に実行される。「手かざしチャンス」演出実行中の場合、識別図柄は、メイン表示装置35の右上部に縮小した状態で変動表示される。
図91に示すように、「手かざしチャンス」演出が開始されると、まず、「手かざしチャンス」演出の内容及び操作の説明が表示される。このとき、右部演出装置500は遊技盤中央に向かって移動する。
また、「手かざしチャンス」演出では、遊技者が右部演出装置500に備えられた回転筒580の前方で手を振り、人感センサ590によって検知することによって、回転筒580を回転させることができる。また、手を振る速さや回数に応じて回転筒580は高速に回転するようになっている。
図92及び図93に示すように、右部演出装置500が遊技盤中央に移動し、所定位置に到達すると、右部演出装置500の移動した後に説明表示部が現れる。また、手をかざす位置(人感センサ590の検知範囲)を示唆する表示がなされる。さらに、図93に示すように、「手かざしチャンス」演出の残り時間がメイン表示装置35に表示される。なお、残り時間はサブ表示装置480に表示するようにしてもよい。
「手かざしチャンス」演出がタイムアップすると、図94(A)に示すように、期待度を示す情報(「激アツだ!」)が表示される。その後、図94(B)に示すように、発展演出が実行される。このような演出を実行することで遊技者が積極的に遊技に参加することになり、遊技の興趣が向上する。
〔大当りラウンド決定中処理〕
次に、前述した1stシーン制御処理における大当りラウンド決定中処理(ステップB1313)の詳細について説明する。図95は、本発明の第1の実施の形態の大当りラウンド決定中処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、ラウンド決定開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB7101)。ラウンド決定開始コマンドを受信していない場合には(ステップB7101の結果が「N」)、ステップB7106以降の処理を実行する。
一方、主制御用マイコン710は、ラウンド決定開始コマンドを受信した場合には(ステップB7101の結果が「Y」)、サブ表示装置480の下降動作を設定する(ステップB7102)。さらに、サブ表示装置480に発射停止示唆画像を表示する(ステップB7103)。図101(B)に示すように、サブ表示装置480を下降させ、サブ表示装置480に一時的に発射を停止するように示唆するメッセージを含む発射停止示唆画像を表示させる。さらに、メイン表示装置35に遊技説明を行う旨のメッセージを表示する。その後、メイン表示装置35で遊技説明を継続する(図102)。
さらに、主制御用マイコン710は、発射停止示唆音声を出力し(ステップB7104)、大当りラウンド決定処理における処理番号に「1」を設定する(ステップB7105)。
続いて、主制御用マイコン710は、振分状態コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB7106)。振分状態コマンドを受信した場合には(ステップB7106の結果が「Y」)、受信した振分状態コマンドに対応する振分状態報知を実行する(ステップB7107)。振分状態報知は、例えば、受信した振分状態に対応するレンズ部材61、63を発光させる。
次に、主制御用マイコン710は、処理番号に応じた処理を実行する(ステップB7108)。処理番号が「1」の場合には、大当りラウンドを決定するための遊技を説明するためのラウンド決定方法説明処理を実行する(ステップB7109)。ラウンド決定方法説明処理の詳細については、図96にて後述する。
主制御用マイコン710は、処理番号が「2」の場合には、大当りラウンドを変動にするか固定するかを決定するための発射タイミングを報知する発射報知態様設定処理を実行する(ステップB7110)。発射報知態様設定処理の詳細については、図97にて後述する。
主制御用マイコン710は、処理番号が「3」の場合には、遊技者が設定した大当りラウンドの決定方法に対応する発射タイミングを報知する発射タイミング報知処理を実行する(ステップB7111)。発射タイミング報知処理の詳細については、図98にて後述する。
続いて、主制御用マイコン710は、ラウンド数決定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB7112)。ラウンド数決定コマンドを受信していない場合には(ステップB7112の結果が「N」)、大当りラウンド決定中処理を終了する。
一方、主制御用マイコン710は、ラウンド数が決定したことを通知するラウンド数決定コマンドを受信した場合には(ステップB7112の結果が「Y」)、ラウンド数決定コマンドに対応するゲート通過音を出力する(ステップB7113)。図99に示すように、ラウンド数決定コマンドに対応するゲート通過音は、例えば、15ラウンドの場合は「ズキューン!」、5ラウンドの場合は「プシュー!」、10ラウンドの場合は「チャキーン!」のようにそれぞれ異なる報知音が設定される。
さらに、主制御用マイコン710は、メイン表示装置35に確定ラウンドに対応するラウンド確定画像を表示する(ステップB7114)。さらに、サブ表示装置480に確定ラウンドに対応するラウンド確定画像を表示する(ステップB7115)。その後、下降しているサブ表示装置480を元に戻すために、上昇動作を設定し(ステップB7116)、振分状態報知を停止する(ステップB7117)。その後、大当りラウンド決定中処理を終了する。
〔ラウンド決定方法説明処理〕
次に、前述した大当りラウンド決定中処理におけるラウンド決定方法説明処理(ステップB7109)の詳細について説明する。図96は、本発明の第1の実施の形態のラウンド決定方法説明処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、更新タイマがセット済みか否かを判定する(ステップB7201)。この更新タイマは、ラウンド決定方法をメイン表示装置35に出力する時間を管理するためのタイマである。主制御用マイコン710は、更新タイマがセット済みの場合には(ステップB7201の結果が「Y」)、ステップB7207以降の処理を実行する。
主制御用マイコン710は、更新タイマがセット済みでない場合には(ステップB7201の結果が「N」)、非電サポ状態での初当りか否か(説明表示条件が成立したか否か)を判定する(ステップB7202)。非電サポ状態での初当りの場合(ステップB7202の結果が「Y」)、すなわち、非電サポ状態での遊技開始から最初の大当りの場合には、メイン表示装置35にラウンド決定方法の詳細説明画像を表示する(ステップB7203)。そして、詳細説明更新タイマをセットする(ステップB7204)。
一方、主制御用マイコン710は、非電サポ状態での初当りでない場合(ステップB7202の結果が「N」)、すなわち、遊技開始から既に大当りが発生している場合には、すでにラウンド決定方法の詳細説明画像が表示されているので、メイン表示装置35にラウンド決定方法の簡易説明画像を表示する(ステップB7205)。そして、簡易説明更新タイマをセットする(ステップB7206)。
更新タイマがセット済みの場合(ステップB7201の結果が「Y」)、ステップB7206又はステップB7206の処理が終了した場合には、続いて、主制御用マイコン710は、更新タイマが0でなければ−1更新する(ステップB7207)。さらに、更新タイマが0になったか否かを判定する(ステップB7208)。
主制御用マイコン710は、更新タイマが0になっていない場合には(ステップB7208の結果が「N」)、更新タイマのタイマ値に応じた説明画像に更新する(ステップB7209)。一方、更新タイマが0になった場合には(ステップB7208の結果が「Y」)、処理番号を「2」に設定する(ステップB7210)。その後、ラウンド決定方法説明処理を終了する。
〔発射態様設定処理〕
次に、前述した大当りラウンド決定中処理における発射態様設定処理(ステップB7110)の詳細について説明する。図97は、本発明の第1の実施の形態の発射態様設定処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、報知態様設定済みフラグがあるか否かを判定する(ステップB7301)。報知態様設定済みフラグは、大当りラウンドの決定方法が変動か固定かを遊技者が決定済みの場合に設定される。主制御用マイコン710は、報知態様設定済みフラグがある場合には(ステップB7301の結果が「Y」)、処理番号を「3」に設定し(ステップB7311)、発射態様設定処理を終了する。
主制御用マイコン710は、報知態様設定済みフラグがない場合には(ステップB7301の結果が「N」)、設定画面が表示済みであるか否かを判定する(ステップB7302)。そして、表示済みでない場合には(ステップB7302の結果が「Y」)、発射報知態様設定画面を表示する(ステップB7303)。
さらに、主制御用マイコン710は、発射報知態様設定画面において発射報知態様の選択操作があるか否かを判定する(ステップB7304)。発射報知態様の選択操作がある場合には(ステップB7304の結果が「Y」)、選択操作に対応する発射報知態様を強調表示する(ステップB7305)。
続いて、主制御用マイコン710は、選択された発射報知態様の確定操作があるか否かを判定する(ステップB7306)。選択された発射報知態様の確定操作がない場合には(ステップB7306の結果が「N」)、発射態様設定処理を終了する。
一方、主制御用マイコン710は、選択された発射報知態様の確定操作がある場合には(ステップB7306の結果が「Y」)、確定操作に対応する発射報知態様を設定し(ステップB7307)、報知態様設定済みフラグをセーブする(ステップB7308)。さらに、メイン表示装置35に設定確定画面を表示し(ステップB7309)、サブ表示装置480に案内表示画面を表示する(ステップB7310)。その後、処理番号を「3」に設定し(ステップB7311)、発射態様設定処理を終了する。
〔発射タイミング報知処理〕
次に、前述した大当りラウンド決定中処理における発射タイミング報知処理(ステップB7111)の詳細について説明する。図98は、本発明の第1の実施の形態のラウンド決定方法説明処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、発射報知態様の設定をチェックする(ステップB7401)。そして、設定された発射報知態様がデフォルト(両方(変動、固定)報知)設定であるか否かを判定する(ステップB7402)。設定された発射報知態様がデフォルト設定の場合には(ステップB7402の結果が「Y」)、振分状態コマンドに対応する状態報知画像を表示する(ステップB7407)。なお、図100に示すように、振分状態コマンドが変動側を示す場合には、状態報知画像1として「変動ゲートなら今だ!」といったメッセージが表示され、振分状態コマンドが固定側を示す場合には、状態報知画像2として「固定ゲートなら今だ!」といったメッセージが表示される。
一方、主制御用マイコン710は、受信した振分状態コマンドが発射報知態様の設定に対応するか否かを判定する(ステップB7403、ステップB7404)。受信した振分状態コマンドが発射報知態様の設定に対応する場合には(ステップB7404の結果が「Y」)、サブ表示装置480に発射示唆画像を表示する(ステップB7405)。受信した振分状態コマンドが発射報知態様の設定に対応しない場合には(ステップB7404の結果が「N」)、サブ表示装置480に発射待機示唆画像を表示する(ステップB7406)。なお、図100に示すように、受信した振分状態コマンドが発射報知態様の設定に対応する場合には、発射示唆画像として、「今だ打て!!」といったメッセージが表示され、受信した振分状態コマンドが発射報知態様の設定に対応しない場合には、発射待機示唆画像として、「まだ待て!!」といったメッセージが表示される。
〔発射報知態様〕
ここで、図101から図106を参照しながら発射報知態様の選択について具体的に説明する。図101及び図102は、本発明の第1の実施の形態の(飾り)特図変動表示ゲームの結果が第2特別結果となってから大当りラウンドを決定する方法を提示するまでの流れを説明する図である。図103及び図104は、本発明の第1の実施の形態の大当りラウンドを決定するための発射報知態様の選択する手順を説明する図である。図105及び図106は、本発明の第1の実施の形態の発射報知タイミングを示す画像が表示されてから遊技球が通過ゲートを通過するまでの流れを説明する図である。
図101(A)は、変動表示ゲームの結果、大当りラウンドの抽選が行われる第2特別結果大当り(確変、通常)となった状態を示している。このとき、大当りラウンド数は決定されていないため、特別遊技状態は開始されていない。また、振分装置90の振分部材(切換部93)は、所定の時間間隔で変動側と固定側に切り替えられている。前述したように、振分部材(切換部93)の切替に対応してレンズ部材61、63を介してLEDが点灯(点滅)する。なお、振分装置90の振分部材(切換部93)の切換は、大当りラウンド決定時以外にも、所定の時間間隔で変動側と固定側に継続して切り替えられている。
その後、(B)に示すように、上部演出装置400が下降動作し、サブ表示装置480の可変表示領域481に一時的に遊技球の発射を停止する旨のメッセージが表示される。このとき、メイン表示装置35には、これから遊技説明を行う旨のメッセージが表示される。サブ表示装置480では、後述するように、遊技球の発射停止を促す報知が行われるため、上部演出装置400を可動(下降動作)させることによって、遊技者に確実に気付かせることができる。
また、サブ表示装置480は、前述のように、振分装置90の近傍であってメイン表示装置35よりも前方に配置されており、メイン表示装置35に表示された遊技説明に重ならないように可動させることによって、振分装置90に向けた遊技球の発射を効果的に抑制することが可能となる。
図102は、大当りラウンドを決定するための遊技の説明がメイン表示装置35に表示されている状態を示している。このとき、サブ表示装置480は、一時的に遊技球の発射を停止する旨のメッセージの表示が継続されている。
本実施形態では、遊技球を通過ゲートに通過させることによって大当りラウンド数が決定される。図103を参照すると、「固定」「抽選」「両方」のいずれかの報知態様を選択するための状態となっている。報知態様の選択は、選択ボタン29を操作することによって選択し、演出ボタン17を操作することによって確定する。例えば、図104(A)に示すように、選択ボタン29によって「抽選」を選択し、演出ボタン17を操作することによって、(B)に示すように、発射報知態様が確定される。
大当りラウンド数についてさらに説明すると、図41(B)(C)に示したように、「固定」は10ラウンド固定、「抽選」は5ラウンド又は15ラウンドのいずれかを抽選して選択される。この点について、メイン表示装置35で明確に示すことによって、ゲート(特定領域)毎の遊技価値の決定態様を遊技者に理解させることが可能となり、大当りラウンド数決定遊技(補助遊技)進行の円滑化を図ることが可能となる。
このように、遊技者が振分状態を選択して報知させるように設定することができるため、「固定(第1特定領域)」「抽選(第2特定領域)」のうち任意の一方の特定領域を狙った遊技球の発射操作がし易くなる。
「抽選」が選択された場合について説明すると、図105(A)に示すように、切換部93が変動側を閉鎖している状態では、サブ表示装置480に発射を待機するメッセージ(「まだ待て!!」)が表示される。これに対し、(B)に示すように、切換部93が変動側を開放している状態では、サブ表示装置480に発射を指示するメッセージ(「今だ打て!!」)が表示される。
このように、遊技者が指定した大当りラウンド数の決定方法を選択するタイミングで、遊技球の発射タイミングが報知されるため、設定した発射タイミングと異なる時期に遊技球の発射をしてしまうことを防ぐことができる。
そして、報知にしたがって遊技球を発射し、図106(A)に示すように、遊技者が指定したゲートに遊技球を通過させることによって、大当りラウンド数の抽選が行われる。(A)では、変動側の第1通過ゲート部34gを遊技球が通過したため、5ラウンド又は15ラウンドの大当りラウンド数の抽選が行われる。(B)では、ラウンド数の多い15ラウンドに当選したため、メイン表示装置35にその旨(「15R確定!!」)を示すメッセージが表示され、サブ表示装置480に祝福のメッセージが表示される。
以上のように、本実施形態によれば、大当り決定方法を選択する補助遊技の内容を遊技者に理解させつつ、遊技者の意思に反して大当りラウンド数(特別遊技状態の種類)が決定されてしまうという不都合を回避することが可能となる。
さらに、本実施形態によれば、メイン表示装置35で補助遊技状態に関する説明を表示し、サブ表示装置480で遊技球の発射停止を促す報知を行うことによって、遊技者が理解し易いように情報を提示することができる。
〔右打ち警告〕
次に、前述した1stシーン制御処理における右打ち警告コマンド受信処理(ステップB1322)の詳細について説明する。図107は、本発明の第1の実施の形態の右打ち警告コマンド受信処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、右打ち警告表示中であるか否かを判定する(ステップB7501)。右打ち警告表示中の場合には(ステップB7501の結果が「Y」)、ステップB7507以降の処理を実行する。
また、主制御用マイコン710は、右打ち警告表示中でない場合には(ステップB7501の結果が「N」)、右打ち警告コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB7502)。右打ち警告コマンドを受信していない場合には(ステップB7502の結果が「N」)、右打ち警告コマンド受信処理を終了する。
一方、主制御用マイコン710は、右打ち警告コマンドを受信した場合には(ステップB7502の結果が「Y」)、サブ表示装置480で予告演出が実行中であるか否かを判定する(ステップB7503)。サブ表示装置480で予告演出が実行中である場合には(ステップB7503の結果が「Y」)、予告演出の表示を優先するため、右打ち警告コマンド受信処理を終了する。
なお、予告演出実行中であっても右打ち警告画像を表示するようにしてもよい。この場合には、表示中の予告画像の視認を妨げないように縮小した表示を行う。
一方、主制御用マイコン710は、サブ表示装置480で予告演出が実行中でない場合には(ステップB7503の結果が「N」)、サブ表示装置480の下降動作を設定する(ステップB7504)。このとき、メイン表示装置35で変動表示ゲームを実行している場合には、サブ表示装置480を下降させずに初期位置で後述する右打ち警告画像を表示するようにしてもよい。
また、主制御用マイコン710は、サブ表示装置480に右打ち警告画像を表示する(ステップB7505)。なお、右打ち警告画像は、左狙い示唆画像であってもよい。さらに、主制御用マイコン710は、警告表示タイマを設定する(ステップB7506)。
続いて、主制御用マイコン710は、表示タイマが0でなければ−1更新する(ステップB7507)。そして、表示タイマが0、すなわち、タイムアップしたか否かを判定する(ステップB7508)。表示タイマがタイムアップしていない場合には(ステップB7508の結果が「N」)、右打ち警告コマンド受信処理を終了する。
一方、主制御用マイコン710は、表示タイマがタイムアップした場合には(ステップB7508の結果が「Y」)、サブ表示装置480を初期位置に戻すために、上昇動作を設定する(ステップB7509)。さらに、サブ表示装置の右打ち警告画像(左狙い示唆画像)を消去し(ステップB7510)、右打ち警告コマンド受信処理を終了する。
図108は、本発明の第1の実施の形態の右打ち警告の一例を説明する図であり、(A)は通常遊技中に右打ちを行うことで第1通過ゲート部34g又は第2通過ゲート部34hを遊技球が通過する様子を示し、(B)は右打ち警告を行っている様子を示している。
本実施形態の遊技機1における遊技では、大当りラウンド決定時以外は、左打ちを行うようになっている。(A)に示すように、通常遊技中に右打ちを行うことによって第1通過ゲート部34g又は第2通過ゲート部34hを遊技球が通過すると、遊技制御装置600から演出制御装置700に右打ち警告コマンドが送信される。
演出制御装置700は、右打ち警告コマンドを受信すると、(B)に示すように、サブ表示装置480を下降させ、サブ表示装置480の可変表示領域481に右打ち警告画像(「左側に発射してください」)を表示する。このとき、メイン表示装置35で変動表示ゲームが実行されている場合には、前述のように、サブ表示装置480を下降させずに、初期位置のままで右打ち警告画像を表示するようにしてもよい。
〔エラー監視〕
次に、前述した1stメイン処理における遊技機エラー監視処理(ステップB1010)の詳細について説明する。図109は、本発明の第1の実施の形態の遊技機エラー監視処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、RAM初期化報知処理を実行する(ステップB2001)。RAM初期化報知処理は、起動時など、遊技制御装置600及び演出制御装置700のRAMが初期化されたことを報知する処理である。
次に、主制御用マイコン710は、枠開放センサエラー報知処理を実行する(ステップB2002)。枠開放センサエラー報知処理では、ガラス枠6や前面枠5が開放されている間、具体的には、枠の開放コマンドを受信してから閉鎖コマンドを受信するまでの間、エラーを報知する。エラー報知は、報知音を出力させたり、遊技状態報知LED12を点灯させたりし、具体的には、図112に示すように、メイン表示装置35でエラーの発生、サブ表示装置480でエラーの種類(エラーコード)を表示し、さらに、スピーカ10から音による報知を行うようになっている。
このように、メイン表示装置(第1表示装置)35及びサブ表示装置(第2表示装置)480にエラーを表示することによって、不正の可能性があるような行為の抑止効果を向上させることが可能となる。
次に、主制御用マイコン710は、払出エラー報知処理を実行する(ステップB2003)。払出エラー報知処理では、払出制御装置640から送信されたコマンドに基づいて、払出制御で発生したエラーを報知する。
次に、主制御用マイコン710は、磁気センサエラー報知処理を実行する(ステップB2004)。磁気センサエラー報知処理では、磁気センサ23によって検出された異常に基づいて遊技制御装置600から送信されたコマンドに基づいてエラーを報知する。
磁気センサ23は、図111に示すように、遊技球が通過するゲート(例えば、普図始動ゲート36)及び入賞口(例えば、始動入賞口37、38、一般入賞口40)の上流部に配置される。これは、磁石などの磁力によって遊技球の軌道を変化させて入賞させるなどの不正を検知するためである。
次に、主制御用マイコン710は、電波センサエラー報知処理を実行する(ステップB2005)。電波センサエラー報知処理では、電波センサ24によって検出された異常に基づいて遊技制御装置600から送信されたコマンドに基づいてエラーを報知する。
最後に、主制御用マイコン710は、人感センサエラー報知処理を実行する(ステップB2005)。人感センサエラー報知処理では、演出制御装置700が人感センサ590によって検出された異常に基づいて単独でエラーを報知する。
また、図111に示すように、人感センサ590は、磁気センサ23でカバーできない領域(人感センサ検出範囲)992をカバーするように配置される。このように、磁気センサ23の検出範囲991となっていない領域992を人感センサ590による検出範囲とすることで、磁気センサ23の数を削減することができる。
なお、ダミー収容部275に、磁気センサ23を収容するようにしてもよい。これにより磁気センサ23の検出範囲を広げることができる。また、磁気センサ23を遊技盤後方の装飾部材に設けていたが、遊技板32の表又は裏に配設するようにしてもよい。
本実施形態では、右部演出装置500の可動時には、演出用に人感センサ590が利用されるが、右部演出装置500の非可動時には、人感センサ590を異常検知センサとして機能させる。そして、前述のように、人感センサ590が所定時間以上に検知状態となっている場合に異常(エラー)報知するように制御している。人感センサエラー報知処理の詳細については、図110にて後述する。
以上のように、人感センサ590による検出範囲は、右下部に配置された一般入賞口40の上流部をカバーしている。このように、入賞口よりも上流側に検出範囲を設定することによって、不正の可能性がある異常な行為を効果的に検出することが可能となる。
次に、前述した遊技機エラー監視処理における人感センサエラー処理(ステップB2006)の詳細について説明する。図110は、本発明の第1の実施の形態の人感センサエラー処理の手順を示すフローチャートである。人感センサエラー処理では、人感センサ590を利用した演出を実行していない間、人感センサ590が、所定期間、人感検知を継続した場合にエラーとして報知する。
主制御用マイコン710は、まず、右部演出装置500による演出動作を行う変動表示ゲーム(演出動作変動表示ゲーム)が実行中であるかをチェックする(ステップB7601)。そして、演出動作変動表示ゲームが実行中であるか否かを判定する(ステップB7602)。演出動作変動表示ゲームが実行中の場合には(ステップB7602の結果が「Y」)、ステップB7609以降の処理を実行する。
主制御用マイコン710は、演出動作変動表示ゲームが実行中でない場合には(ステップB7602の結果が「N」)、人感検知状態であるか否かを判定する(ステップB7603)。人感検知状態である場合には(ステップB7603の結果が「Y」)、エラー判定カウンタを+1更新する(ステップB7604)。
そして、主制御用マイコン710は、エラー判定カウンタの値がエラー判定値に到達したか否かを判定する(ステップB7605)。エラー判定カウンタの値がエラー判定値に到達した場合には(ステップB7605の結果が「Y」)、エラー報知を実行する(ステップB7606)。なお、人感センサによるエラー検出は、遊技に関係のない位置に遊技者の身体の一部が位置していることによるものであるため、エラー報知を、短時間(例えば、1〜2秒程度)の実行としてもよいし、非人感検知状態になるとすぐに解除するようにしてもよい。
一方、主制御用マイコン710は、人感検知状態でない場合には(ステップB7603の結果が「N」)、所定時間、非人感検知状態が継続しているか否かを判定する(ステップB7607)。非人感検知状態が継続している場合には(ステップB7607の結果が「Y」)、エラー判定カウンタをリセットする(ステップB7608)。
このように、本実施形態では、所定期間内に所定回数、人感検知状態が検出された場合にエラーが発生したと判定し、報知音を出力する。すなわち、常態では非人感検知状態(非検出状態)となる人感センサ590が所定期間にわたって人感検知状態(検出状態)となるような異常な事態(換言すると、不正の可能性があるような行為)の発生を判定することが可能となる。
次に、主制御用マイコン710は、エラー報知中であるか否かを判定する(ステップB7609)。エラー報知中でない場合には(ステップB7609の結果が「N」)、人感センサエラー処理を終了する。
一方、主制御用マイコン710は、エラー報知中の場合には(ステップB7609の結果が「Y」)、エラー報知の解除条件が成立したか否かを判定する(ステップB7610)。エラー報知の解除条件は、例えば、遊技場の従業員や遊技者からの解除入力があった場合、非人感検知状態が所定時間継続した場合である。また、解除入力は、専用のスイッチを設けてもよいし、演出ボタン17の長押し(例えば、3秒)などの特殊操作であってもよい。
主制御用マイコン710は、エラー報知の解除条件が成立した場合には(ステップB7610の結果が「Y」)、エラー報知を解除する(ステップB7611)。一方、エラー報知の解除条件が成立していない場合には(ステップB7610の結果が「N」)、エラー報知を継続し、その後、人感センサエラー処理を終了する。
本実施形態によれば、人感センサ(非接触センサ、赤外線センサ)590による検出を所定の演出(右部演出)を行うために利用するほかに、異常の発生を判定するためにも利用することによって、演出実行時以外にも人感センサ590を有効に活用することが可能となる。
ところで、従来の遊技機の中には、変動表示ゲームが特別結果となっただけでは特別遊技状態が開始されず、変動表示ゲームが特別結果となった後に遊技領域に設けた特定ゲート(抽選ゲート)に遊技球が通過したことに基づいて抽出された乱数に基づいてラウンド数を決定するような補助遊技を実行し、該補助遊技で決定したラウンド数に応じた特別遊技状態を開始するようなものが提案されている(例えば、特開2008−132167号公報)。また、特定ゲート(抽選ゲート)を複数設け、変動表示ゲームが特別結果となった後に遊技球が通過した特定ゲートに応じた抽選形態によって特別遊技状態の種類を決定するような補助遊技を実行する遊技機も提案されている(例えば、特開2009−189504号公報)。
しかしながら、上記した特許文献に記載されたような、特定ゲートを通過したことにより特別遊技状態の種類(ラウンド数等)を決定するような補助遊技を実行する遊技機においては、補助遊技の内容を遊技者が即座に理解することができないという問題があった。また、特別結果となった後に最初に特定ゲートに遊技球が通過すると特別遊技状態の種類を決定するため、変動表示ゲーム中に発射された遊技球が特定ゲートを通過してしまって、遊技者の意思に反して特別遊技状態の種類が決定されてしまうという問題が発生する可能性もあった。
これに対し、本実施形態に記載された遊技機によれば、大当り決定方法を選択する補助遊技の内容を遊技者に理解させつつ、遊技者の意思に反して大当りラウンド数(特別遊技状態の種類)が決定されてしまうという不都合を回避することが可能となる。
また、従来の遊技機の中には、遊技盤の所定位置に遊技者の身体の一部(主に手)が検出範囲内に進入したことを検出可能な非接触センサ(赤外線センサ等の人感センサ)を設け、演出可能期間中に非接触センサで遊技者の身体の一部(主に手)を検出したことに基づいて所定の演出を行うようなものが提案されている(例えば、特開2010−124445号公報)。
しかしながら、上記した特許文献に記載されたような遊技機では、非接触センサからの入力が演出可能期間中にのみ有効とされており、非接触センサを有効に活用することができていなかった。
これに対し、本実施形態に記載された遊技機によれば、遊技者の身体の一部を検出可能な非接触センサを演出以外にも有効に活用することが可能となる。
また、従来の遊技機の中には、枠体に着脱可能に収納される遊技板の前面に遊技球が流下可能な遊技領域を形成した遊技盤を有し、遊技板を透明樹脂製にして後方に装飾部材を配設し、遊技板を介して装飾部材を透視可能にすることで装飾効果の向上を狙った遊技機が提案されている(特開2010−99515号公報)。
しかしながら、上記した特許文献に記載されたような遊技機のように、透明樹脂製の遊技板を用いる場合には、木製の遊技板に比べて静電気が帯電し易くなり、帯電した静電気によって遊技機が誤作動してしまう可能性がある。そこで、遊技板に帯電した静電気をアースされた枠体側に逃がして除去することが考えられる。しかし、遊技盤に枠体に接触可能な導電部材を突出して設ける場合には、遊技盤の運搬時や着脱時に導電部材によって作業者が怪我をする虞がある。
これに対し、本実施形態に記載された遊技機によれば、透明樹脂製の遊技板に帯電した静電気を枠体側に逃がして除去することができるとともに、遊技盤の運搬や着脱時に導電部材によって作業者が怪我することを防止することもできる。
また、従来の遊技機の中には、遊技板を透明樹脂製にして後方に装飾部材を配設し、遊技板を介して装飾部材を透視可能にすることで装飾効果の向上を狙った遊技機が提案されている(例えば、特開2010−99515号公報)。
しかしながら、上記した特許文献に記載された遊技機のように、透明樹脂製の遊技板を用いる場合には、該遊技板に配設される電気部品の配線を遊技板後方に引き回す配線処理が行われている。このとき、遊技板の後方に引き回された電気部品の配線は透明部材の遊技板を介して視認可能になるので、遊技板の後方の美観を損ねてしまったり、装飾部材の視認性を低下させてしまったりする問題が生じる。
これに対し、本実施形態に記載された遊技機によれば、電気部品の配線を立体装飾部材の前方を通して装飾空間の端部まで引き回す場合に比べ、効率よく電気部品の配線処理を行うことができ、遊技板の後方(裏面側)の美観や装飾部材の視認性が低下してしまうことを抑制することが可能となる。
また、従来の遊技機の中には、表示装置の表示部の前方で所定の演出動作を行うことが可能な可動演出部材を備えた可動演出装置を設け、変動表示ゲームの進行に応じて可動演出部材を複数の駆動部により駆動することで、演出動作をより複雑なものとした遊技機も提案されている(例えば、特開2011−125543号公報)。
しかしながら、上記した特許文献に記載された遊技機のように、表示装置の周辺に比較的大型の可動演出装置を配設してしまうと、他の可動演出装置や装飾部材等を配置するスペースが狭まってしまうという問題がある。そこで、スペースの確保のために可動演出部材を小型化させたり、可動演出部材の動作態様を単調にしたりすると当然のように演出効果も低下してしまい、遊技の興趣が低下する原因にもなってしまう。
これに対し、本実施形態に記載された遊技機によれば、表示装置周辺の限られた空間を効率よく利用しつつ、可動演出装置による演出効果を効果的に向上させることが可能となる。
(第2の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態では、メイン表示装置の他に、1種類のサブ表示装置を備える構成について説明したが、第2の実施の形態では、さらに、2種類のサブ表示装置を備え、計3種類のサブサブ表示装置を備える構成について説明する。なお、第2の実施の形態では、メイン表示装置(変動表示装置)をメイン表示器35、サブ表示装置を第1〜第3サブ表示器として説明する。
〔遊技盤〕
図113は、本発明の第2の実施の形態のセンターフレーム(前面構成部材)34及び演出装置ユニット(裏面構成部材)200を取り付けた状態の遊技盤30の正面図である。図114は、本発明の第2の実施の形態の遊技盤30から取り外した状態の演出装置ユニット(裏面構成部材)200の正面図である。なお、第1の実施の形態と共通する構成については、同じ符号を割り当てて説明を省略する。
図113に示すように、遊技盤30には、遊技領域に臨むようにセンターフレーム34が配置されており、センターフレーム34の周縁部(上部、左側部、右側部)には、遊技領域31から遊技球がセンターフレーム34の内側に進入しないように鎧部(進入規制壁)34iが形成されている。
また、遊技盤30の裏側には各種演出装置から構成される演出装置ユニット(裏面構成部材)200が配設される。センターフレーム34と演出装置ユニット200とを合わせてセンターケースと呼んでもよい。
センターフレーム34の開口部34aは変動表示装置35の表示部35aに対応して設けられており、変動表示装置35の表示部35aはセンターフレーム34の開口部(表示窓部)34aを介して視認可能となっている。変動表示装置35は、演出装置ユニット200(ユニットベース部材210の背面壁211に形成される窓部216に後方から臨むように)に備えられている。
演出装置ユニット200には、第1の実施の形態と同様に、メイン表示装置(変動表示装置)35の表示部35aの上方に、サブ表示装置480を備えた上部演出装置400が配置される。なお、上部演出装置400に備えられるサブ表示装置は、以降、他のサブ表示装置と区別するために、第1サブ表示器(第1サブ表示装置)480とする。
また、演出装置ユニット200には、第2サブ表示器(第2サブ表示装置)1580を備える右部演出装置1500が変動表示装置35の表示部35aの右側に配置され、第3サブ表示器(第3サブ表示装置)2580を備える左部演出装置2500が変動表示装置35の表示部35aの左側に配置される。さらに、変動表示装置35の表示部35aの下方には、下部昇降ユニット1100が配置されている。
上部演出装置400は、変動表示装置35の表示部35aの上辺と上部演出装置400の下辺がほぼ一致する位置を基準位置(初期位置)としている。そして、上部演出装置400の裏面側に可動アーム1001が接続され、回動機構部1000によって変動表示装置35の右上部を中心に変動表示装置35の右辺側に回動可能となっている(図114参照)。なお、基準位置において遊技者から見て上部演出装置400の一部が変動表示装置35表示部35aと重なってもよいし、重ならなくてもよい。
また、上部演出装置400には、第1特図変動表示ゲームを実行するための始動記憶数を示す特1保留表示LED471と、第1特図変動表示ゲームの実行中に変動表示される特1第4図柄LED472とが配置されている。
右部演出装置1500は、変動表示装置35の表示部35aの右辺と右部演出装置1500の左辺がほぼ一致する位置を基準位置としている。そして、右部演出装置1500の裏面側に可動アーム1002が接続され、回動機構部1000によって変動表示装置35の右上部を中心に変動表示装置35の上辺側に回動可能となっている(図114参照)。なお、基準位置において遊技者から見て右部演出装置1500の一部が変動表示装置35表示部35aと重なってもよいし、重ならなくてもよい。
また、右部演出装置1500には、第2特図変動表示ゲームを実行するための始動記憶数を示す特2保留表示LED1571と、第2特図変動表示ゲームの実行中に変動表示される特2第4図柄LED1572とが配置されている。
左部演出装置2500は、遊技領域31の裏面側に臨むように配置され、センターフレーム34の左側部に設けられるワープ通路112の裏側となる位置に臨む変動表示装置35の表示部35aの左辺と左部演出装置2500の右辺がほぼ一致する位置を基準位置としている。左部演出装置2500は、移動機構部1010によって右方向にスライド可能となっており、変動表示装置35の前面側略中央まで移動可能となっている(図116参照)。また、左部演出装置2500は、変動表示装置35の前面側までスライドすると、第3サブ表示器2580が垂直方向を軸に回転可能となっており、左部演出装置2500の裏面側を遊技者が視認可能となる(図117参照)。
左部演出装置2500は、第3サブ表示器2580と、第3サブ表示器2580を回転させる回転駆動部2501を備える。回転駆動部2501は、装飾部材2502を備え、例えば、第3サブ表示器2580の回転中に装飾部材2502を点灯させるなどの演出を実行する。
下部昇降ユニット1100は、可動部材とLEDを備えた可動ユニット1110と昇降機構部1120(図170参照)によって構成される。可動ユニット1110は、昇降機構部によって上昇可能に構成されている。例えば、左部演出装置2500が変動表示装置35の中央までスライド移動したタイミングで、可動ユニット1110を上昇させるなどして他の演出装置と連動した演出を実行することが可能となる。
演出装置ユニット200の下部には、下部装飾ユニット260が備えられる(図示省略)。図114には下部装飾ユニット260に含まれる流路構成部材280が示されている。流路構成部材280は、始動入賞口に入賞した遊技球を下方に導く始動入賞口流路281と、大入賞口に入賞した遊技球を下方に導く第1大入賞口流路282と、左側の三つの誘導路293から流入してきた遊技球を下方に導く一般入賞口流路283と、右側の一つの誘導路293から流入してきた遊技球を下方に導く一般入賞口流路284と、を備えている。
〔サブ表示器の合体動作〕
続いて、上部演出装置400と右部演出装置1500の動作について、図115及び図116を参照しながら説明する。図115は、本発明の第2の実施の形態の上部演出装置400と右部演出装置1500の動作を説明する図であり、(A)は上部演出装置400と右部演出装置1500が基準位置にある場合、(B)は右部演出装置1500のみが回動する場合を示している。図116は、本発明の第2の実施の形態の上部演出装置400と右部演出装置1500の動作を説明する図であり、(A)は上部演出装置400のみが回動する場合、(B)は上部演出装置400と右部演出装置1500の両方が回動する場合を示している。
まず、上部演出装置400及び右部演出装置1500の構成について説明する。上部演出装置400は、第1サブ表示器480と、第1サブ表示器480を収容する表示器収容部材によって構成される。表示器収容部材は、幅広フレーム部473aと、幅狭フレーム部473bとを含む装飾フレーム部材473によって構成される。
幅広フレーム部473aには、第1特図変動表示ゲームを実行するための始動記憶数を示す特1保留表示LED471と、第1特図変動表示ゲームの実行中に変動表示される特1第4図柄LED472とが配置されている。幅狭フレーム部473bは、幅広フレーム部473aよりも幅が狭くなるように形成されている。
一方、右部演出装置1500は、第2サブ表示器1580と、第2サブ表示器1580を収容する表示器収容部材によって構成される。表示器収容部材は、幅広フレーム部1573aと、幅狭フレーム部1573bとを含む装飾フレーム部材1573によって構成される。
幅広フレーム部1573aには、第2特図変動表示ゲームを実行するための始動記憶数を示す特2保留表示LED1571と、第2特図変動表示ゲームの実行中に変動表示される特2第4図柄LED1572とが配置されている。幅狭フレーム部1573bは、幅広フレーム部1573aよりも幅が狭くなるように形成されている。
なお、特1保留表示LED471及び特2保留表示LED1571の表示態様は同様であり、図127Aにて後述する。また、特1第4図柄LED472及び特2第4図柄LED1572の表示態様は同様であり、図127B及び図127Cにて後述する。
続いて、上部演出装置400及び右部演出装置1500の可動態様について説明する。上部演出装置400及び右部演出装置1500が可動する演出が実行されていない場合には、図115(A)に示すように基準位置で停止した状態となっている。基準位置にある場合には、サブ表示器において表示演出が実行されたり、遊技情報が表示されたりする。
前述のように、上部演出装置400は、背面(又は側部)に接続された可動アーム1001(1001a、1001b)によって反時計回りに最大90°回動可能となっている。一方、右部演出装置1500は、背面(又は上部)に接続された可動アーム1002(1002a、1002b)によって時計回りに最大90°回動可能となっている。
本実施形態では、上部演出装置400及び右部演出装置1500のいずれか一方又は両方が回動することによって、上部演出装置400の幅狭フレーム部473bと右部演出装置1500の幅狭フレーム部1573bとが当接可能となっている。2つのサブ表示器を当接させることによって2つのサブ表示器に跨って1つの画像を表示させたり、関連した画像を表示させたりすることができ、2つのサブ表示器で連動した演出を実行することができる。このように、第1サブ表示器480と第2サブ表示器1580によって効果的な表示演出を実行することが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
上部演出装置400の幅狭フレーム部473bと右部演出装置1500の幅狭フレーム部1573bとが当接する動作を「合体動作」とするが、当接はしないが近接する(合体しているかのように見える)場合もここで言う合体動作に含まれる。また、合体動作を行う場合には、特1保留表示LED471、特2保留表示LED1571、特1第4図柄LED472及び特2第4図柄LED1572の表示が遮蔽されないようにする。以下、図115(B)、図116(A)(B)を参照しながら合体動作について説明する。
図115(B)は、右部演出装置1500のみが時計回り(上方向)に90°回動することで右部演出装置1500が上昇し、上部演出装置400及び右部演出装置1500の幅狭フレーム部が当接(前後に重合)した状態を示している(上昇合体動作)。
図116(A)は、上部演出装置400のみが半時計回り(下方向)に90°回動することで上部演出装置400が下降し、上部演出装置400及び右部演出装置1500の幅狭フレーム部が当接した状態を示している(下降合体動作)。
図116(B)は、右部演出装置1500が時計回り(上方向)に45°回動し、上部演出装置400が半時計回り(下方向)に45°回動することで、上部演出装置400及び右部演出装置1500の幅狭フレーム部が中間部で当接した状態を示している(中間合体動作)。なお、上部演出装置400及び右部演出装置1500の回動角度が合計90°になるようにすればよく、例えば、上部演出装置400が30°、右部演出装置1500が60°回動するようにしてもよい。また、上部演出装置400の回動角度に応じて実行中の変動表示ゲームの大当りの信頼度を報知するようにしてもよいし、遊技状態に応じて回動角度を設定するようにしてもよい。
次に、上部演出装置400の幅狭フレーム部473bと右部演出装置1500の幅狭フレーム部1573bとが当接する態様について説明する。図117Aから図117Eは、上部演出装置400の幅狭フレーム部473bと右部演出装置1500の幅狭フレーム部1573bとが当接する態様について説明する図である。
図117Aは、本発明の第2の実施の形態において上部演出装置400の幅狭フレーム部473bと右部演出装置1500の幅狭フレーム部1573bとが前後に重なり合って当接(又は近接)する態様を示す図である。
図117Aに示す態様では、上部演出装置400の幅狭フレーム部473bの前面側と、右部演出装置1500背面側とが当接する。このように構成することによって、第1サブ表示器480と第2サブ表示器1580との境界幅が右部演出装置1500の幅狭フレーム部1573bの幅となるため、サブ表示装置の表示面をできるだけ近づけることが可能となり、サブ表示装置の一体感を出すことができる。特に、第1サブ表示器480と第2サブ表示器1580とに跨がって一の画像を表示する場合に画像の分断される幅を狭くすることができるのでより高い効果を得ることができる。なお、上部演出装置400の幅狭フレーム部473bの背面側と、右部演出装置1500の幅狭フレーム部1573bの前面側とが当接するようにしても良い。
図117Bは、本発明の第2の実施の形態において上部演出装置400の側面と右部演出装置1500の側面とが当接する態様を示す図である。図117Bに示す態様では、上部演出装置400の側面(幅狭フレーム部473b)に硬磁性体401、右部演出装置1500の側面(幅狭フレーム部1573b)に軟磁性体1502が配設されており、上部演出装置400の装飾フレーム部材473と右部演出装置1500の装飾フレーム部材1573とを引き付けさせることによって位置ずれが生じにくくなっている。なお、右部演出装置1500の側面(幅狭フレーム部1573b)に硬磁性体を配設するようにしてもよい。また、サブ表示装置と磁性体との間に防磁部材を配置することサブ表示装置が磁力の影響を受けることを防ぐようにしてもよい。このように上部演出装置400と右部演出装置1500の位置ずれを規制することによって、合体動作における一体感を高めることができる。
図117Cは、本発明の第2の実施の形態において右部演出装置1500の幅狭フレーム部1573bに規制部1502を設ける態様を示す図である。図117Cに示す態様では、右部演出装置1500の側面(幅狭フレーム部1573b)に設けられた規制部1502によって、上部演出装置400の装飾フレーム部材473と右部演出装置1500の装飾フレーム部材1573とが嵌合することによって位置ずれが生じにくくなっている。なお、上部演出装置400に規制部を設けるようにしてもよい。また、図117Bに示したように、各装飾フレーム部材の側面に磁性体を配置するようにしてもよい。
規制部は、上部演出装置400の装飾フレーム部材473を挟み込む溝部に形成されており、勘合しやすいように、溝部の底側が徐々に狭くなる傾斜ガイド面が形成されている。溝部の深さは上部演出装置400の幅狭フレーム部473bの幅と略同じとなっており、上部演出装置400の表示面を隠さないように形成されている。
なお、上部演出装置400の側面(幅狭フレーム部473b)に規制部を設けるようにしてもよい。また、図117Bに示したように、各装飾フレーム部材の側面に磁性体を配置するようにしてもよい。
図117Dは、本発明の第2の実施の形態において右部演出装置1500の側面(幅狭フレーム部1573b)に装飾部(遮蔽手段)1503を設ける態様を示す図である。図117Dに示す態様では、上部演出装置400と右部演出装置1500との間に破損防止のための隙間が形成されるようになっており、装飾部1503によってこの隙間を遮蔽(隠蔽)し、遊技者が視認できないようにしている。上部演出装置400の側面(幅狭フレーム部473b)に装飾部を設けるようにしてもよい。
図117Eは、本発明の第2の実施の形態において上部演出装置400及び右部演出装置1500の両方に装飾部(遮蔽手段)403、1503を設ける態様を示す図である。図117Eに示す態様では、図117Dに示す態様と同様に、上部演出装置400と右部演出装置1500との間に破損防止のための隙間が形成されるようになっており、装飾部403、1503によってこの隙間を遮蔽(隠蔽)し、遊技者が視認できないようにしている。上部演出装置400及び右部演出装置1500の両方に装飾部403、1503を設けることによって、位置ずれ防止の効果も得ることができる。以上のように装飾部(遮蔽手段)を設けることによって、合体動作における一体感を高めることができる。
〔左部演出装置〕
続いて、左部演出装置2500の動作について説明する。図118Aは、本発明の第2の実施の形態の左部演出装置2500及び下部昇降ユニット1100の配置を説明する図である。
左部演出装置2500は、前述のように、遊技板32の裏面側、演出装置ユニット200との間に配置される。左部演出装置2500は、第3サブ表示器2580を備え、装飾フレーム部材2573によって収容されている。左部演出装置2500は、図118Aに示すように、基準位置において、装飾フレーム部材2573の右側の一部が遊技者から見てワープ通路112と重なるように配置される。
また、左部演出装置2500は、図118Bに示すように、右方向にスライド可能に構成されている。また、左部演出装置2500は、変動表示装置35の中央までスライド移動すると、図119に示すように、垂直方向を軸としてモータ1102(図119(B)参照)によって回転可能に構成されている。
図118Bは、本発明の第2の実施の形態の左部演出装置2500のスライド動作を説明する図である。図119は、本発明の第2の実施の形態の左部演出装置2500の回転動作を説明する図であり、(A)は回転動作を正面から見た図であり、(B)は回転動作を上方から見た図である。
左部演出装置2500は、装飾部材1011を備えた移動機構部1010によって基準位置から変動表示装置35の前面を右方向にスライド移動することが可能となっている。また、移動機構部1010には、左部演出装置2500の初期位置を検出するための位置検出SW1020が備えられている。
また、左部演出装置2500が変動表示装置35の中央までスライド移動すると、前述のように、垂直方向を軸として回転可能となる。本実施形態では、図119(A)に示すように、変動表示装置35の中央付近、下部昇降ユニット1100の直上まで移動すると、右方向(上面視で反時計回り)に回転する。また、図119(B)に示すように、遊技板32の裏面とユニットベース部材210の背面壁211の前面側に設けられる装飾部材229との間には、所定の前後幅を有する表示器収容空間(待機空間)1160が形成される。左部演出装置2500は、表示器収容空間1160内に配置される基準位置では、前方に位置する遊技板32と後方に位置する装飾部材229とによって回転が規制され、裏向き状態となるまでは回転できないようになっている。
一方、左部演出装置2500が移動機構部1010の上面に形成されるスライドガイド溝1101に沿って変動表示装置35の表示部35aの前方(中央寄り)に位置する動作空間1150までスライド移動すると、背面側(後方)が装飾部材229及びユニットベース部材210の背面壁(211)の厚さの分だけが広がり、また、前面側に遊技板32が配置されていないため、裏向き状態となるまでの回転が可能となる。このように構成することによって、センターフレーム34内の限られた空間を効率よく利用することが可能となる。
また、表示器収容空間(待機空間)1160において左部演出装置2500を左右方向に往復するようにスライド移動させたり、反転を繰り返すように回転させたりすることで揺動可能に構成してもよい。この場合には、左部演出装置2500が基準位置にある場合であっても揺動可能となり、スライド移動前に揺動する演出を実行してもよいし、スライド移動後に揺動する演出を実行してもよい。
左部演出装置2500には、第3サブ表示器2580の反対側の面に裏面発光部2581が備えられている。例えば、左部演出装置2500の回転中や左部演出装置2500が反転して(裏向きとなって)いる場合に、裏面発光部2581を発光させる演出を実行する。このとき、左部演出装置2500を反転させた(裏向き)状態で揺動させてもよい。
続いて、左部演出装置2500の変形例について説明する。図120Aは、本発明の第2の実施の形態の左部演出装置2500の第1変形例を説明する図である。第1変形例では、本実施形態の左部演出装置2500よりも幅が広くなっており、ワープ通路112を境界として第3サブ表示器2580の表示領域が左側表示領域と右側表示領域とに2分割されている。このとき、遊技板32を透明な素材にすることによって、左右両方の領域を遊技者が視認することが可能となり、各領域で異なる画像を表示することができる。
次に、スライド移動していない場合の左部演出装置2500の収容位置を変更した第2変形例について説明する。図120Bは、本発明の第2の実施の形態の左部演出装置2500の第2変形例を説明する図である。
図119(B)に示した形態では、スライド移動していない左部演出装置2500は表示器収容空間(待機空間)1160に収容されていたが、図120Bに示す第2変形例では、表示器収容空間1160に対応する空間にモータやソレノイド等の電気的駆動源から駆動力を受けて所定の演出動作を行うことが可能な可動演出部材1180を配置する。このとき、遊技板32に透明部材を用いることによって、遊技者が可動演出部材1180による演出を視認することができる。
図120Bに示すように、左部演出装置2500は、ワープ流路112の裏面側にスライド方向から90°回転した状態で配置される。このとき、左部演出装置2500、装飾部材229及び遊技板32によって、盤裏演出空間1170が画成される。第3サブ表示器2580の表示面2580aが変動表示装置(メイン表示器)35の中央側に向いた状態で盤裏演出空間1170を塞ぐように左部演出装置2500が収容される。したがって、裏面発光部2581が盤裏演出空間1170を照らすことができるため、可動演出部材1180による演出効果をより高めることができる。また、遊技者が視線を左方向にずらすことで裏面発光部2581そのものの視認も可能となる。
〔下部演出装置〕
続いて、下部昇降ユニット1100による演出について説明する。下部昇降ユニット1100は、単独で演出を実行する場合には、昇降機構部1120によって可動部材及びLEDによって構成された可動ユニット1110が昇降する。また、下部昇降ユニット1100は、左部演出装置2500と連動した演出を実行することが可能となっている。
図121は、本発明の第2の実施の形態の左部演出装置2500及び下部昇降ユニット1100による演出を説明する図であり、(A)は左部演出装置2500が変動表示装置35の中央までスライド移動した状態、(B)は左部演出装置2500が回転した後、下部昇降ユニット1100による演出が実行されている状態を示している。
図121(A)に示すように、本実施形態の左部演出装置2500は、垂直方向を軸として回転するだけではなく、第3サブ表示器2580の中心で(正面視で反時計回りに)90°回転させることによって第3サブ表示器2580を縦表示から横表示とすることができる。
そして、図121(B)に示すように、第3サブ表示器2580が横表示となった状態で可動ユニット1110を上下方向に昇降させることによって第3サブ表示器2580と可動ユニット1110とが当接ないし近接する合体演出を実行する。このとき、可動ユニット1110の最大上昇位置を左部演出装置2500の下辺までとすることによって、第3サブ表示器2580の表示内容を遮蔽することなく演出を実行することができる。
〔画像制御部〕
続いて、メイン表示器及びサブ表示器に対する画像(映像)の出力を制御する画像制御部725について説明する。図122Aは、本発明の第2の実施の形態の画像制御部725の構成を説明するブロック図である。
画像制御部725は、映像制御用マイコン(2ndCPU)720と、映像制御用マイコン720からのコマンドやデータに従って表示装置への映像表示のための画像処理を行うVDP730と、映像制御用マイコン720による制御プログラム及びデータを記憶するPROM703と、表示装置に表示される画像データを格納する画像ROM704を備える。
映像制御用マイコン720は、主制御用マイコン(1stCPU)710から映像表示に関連するコマンドを受信する。主制御用マイコン710には、RTC(リアルタイムクロック)712が接続され、日付や時間情報を取得することが可能となっている。
本実施形態では、VDP730は、メイン表示器(変動表示装置)35の表示制御を行うメインVDP730aと、サブ表示器(第1サブ表示器480、第2サブ表示器1580及び第3サブ表示器2580)の表示制御を行うサブVDP730bと、を含む。メインVDP730aは、サブVDP730bよりも性能が高くなっている。メインVDP730aとサブVDP730bとは、共通の画像ROM704にアクセスするように構成されているが、それぞれ専用の画像ROMを備えるようにしてもよい。
VDP730には、表示装置に出力する画像を一時的に記憶するVRAM731(図44参照)が備えられており、1フレーム分の画面をバッファするように構成されている(フレームバッファ)。図122Bは、本発明の第2の実施の形態のVDP730によってバッファリングされる画面を説明する図であり、(A)はメイン表示器、(B)はサブ表示器を示す。
メイン表示器(変動表示装置35)に表示されるメイン画像3500は、(A)に示すように、有効表示領域(可視領域)3500aと無効表示領域(不可視領域)3500bによって構成される。無効表示領域(不可視領域)3500bは、表示部35aの外周部分がユニットベース部材210や装飾部材229などによって遮蔽されるため、遊技者が視認できない領域である。例えば、メイン表示器の収容部材のフレーム幅に対応する。また、メイン画像3500を記憶するフレームバッファは、横縦の比率が4:3となっている。
一方、サブ表示器に表示される画像は、第1サブ表示画像3601、第2サブ表示画像3602及び第3サブ表示画像3603によって構成され、一括又は対応する領域ごとにして処理される。また、サブ表示画像を記憶するフレームバッファは、横縦の比率が16:9となっている。さらに、各サブ表示画像のサイズは、それぞれ同じサイズとなっており、フレームバッファに記憶された画像データから対応する領域を抽出し、VDP730bが抽出された画像を各サブ表示器に描画(出力)する。
続いて、画像制御部725の変形例について説明する。図122Aに示した画像制御部725は、サブVDP730bによってすべてのサブ表示器の出力される画像処理が実行されていたが、本変形例では、メインVDP730aはメイン表示器35及び第3サブ表示器2580に出力する画像処理を実行し、サブVDP730bは第1サブ表示器480及び第2サブ表示器1580に出力する画像処理を実行する。図123Aは、本発明の第2の実施の形態の変形例の画像制御部725の構成を説明するブロック図である。図123Bに示すように、メインVDP730aはメイン表示器35及び第3サブ表示器2580に接続され、サブVDP730bは第1サブ表示器480及び第2サブ表示器1580に接続される。
本変形例は、図120Aに示したように、第3サブ表示器2580が左右に分割されている態様に対応する。図123Bは、本発明の第2の実施の形態の変形例のVDP730によってバッファリングされる画面を説明する図であり、(A)はメイン表示器及び第3サブ表示器2580、(B)は第1サブ表示器480及び第2サブ表示器1580を示す。
メインVDP730aによって処理されるフレームバッファは、横縦の比率が16:9となっている。本変形例では、(A)に示すように、分割された左側第3サブ表示画像3603aと右側第3サブ表示画像3603bとが縦方向に並んで領域が割り当てられ、残りの領域にメイン画像が割り当てられる。
一方、サブVDP730bによって処理されるフレームバッファは、横縦の比率が4:3となっており、第1サブ表示画像3601及び第2サブ表示画像3602が割り当てられている。また、第1サブ表示画像3601と第2サブ表示画像3602との間には、無効表示領域(不可視領域)3605が設けられている。無効表示領域(不可視領域)3605の幅は、第1サブ表示器480の表示領域と第2サブ表示器1580の表示領域との間の収容部材のフレームの幅に対応している。合体動作を行った際に一体的な画像が跨って表示される第1サブ表示器480と第2サブ表示器1580とを同一のサブVDP730bにより制御することで、効率の良い表示制御とすることができる。
なお、メインVDP730aによって処理されるサブ表示器は、第3サブ表示器2580に限らず、他のサブ表示器であってもよい。例えば、メイン表示器35と第1サブ表示器480をメインVDP730aによって処理されるようにしてもよいし、各サブ表示器の画面サイズなどに応じて決定するようにしてもよい。
〔画面表示例〕
次に、メイン表示器及び各サブ表示器による画面表示例について説明する。図124は、本発明の第2の実施の形態のメイン表示器及び各サブ表示器による画面表示例を説明する図であり、(A)は通常遊技状態、(B)は普電サポート状態中を示す。また、図124に示す画面表示例では、第2特図変動表示ゲームを第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行するようになっている。なお、第2特図変動表示ゲームを優先しない場合でも通常遊技状態と普電サポート状態とで実行の主体となる変動表示ゲームが変化する場合も同様とする。
(A)に示すように、通常遊技状態では、上部演出装置400に備えられた第1サブ表示器480と右部演出装置1500に備えられた第2サブ表示器1580には、それぞれ独立した演出画像が表示される。なお、フレームバッファにバッファされた画像は一体的な演出画像だが、実際に表示された場合には独立した演出画像として見える場合も含む。
また、メイン表示器35の表示部35aでは、識別情報が変動表示される。メイン表示器35の表示部35aの表示領域下部には、保留表示領域1240が割り当てられている。保留表示領域1240には、第1特図変動表示ゲームの保留表示を行う特1保留表示領域1240aと第2特図変動表示ゲームの保留表示を行う特2保留表示領域1240bが含まれる。保留表示領域1240では、左から古い順に保留表示される。
左部演出装置2500に備えられた第3サブ表示器2580には、機種情報と、所定時刻に実行される定期演出に関連する情報が表示される。図122A及び図123Aに示したように、演出制御装置700にはRTC715が備えられており、定期演出が実行されるまでの残り時間が第3サブ表示器2580に表示される。また、次回実行される定期演出の態様を説明する情報を表示してもよい。
また、(B)に示すように、普電サポート状態では、変動表示ゲームは第1サブ表示器480で実行される。このとき、第1サブ表示器480を備える上部演出装置400の移動は規制される。上部演出装置400の移動を規制することによって、特図変動表示ゲームや先読み予告の視認が阻害されることを防ぐことができる。
メイン表示器35の表示領域には、左端に特1保留表示領域1240aが割り当てられる。通常遊技状態の場合とは異なり、上から古い順に縦方向に保留表示がなされる。なお、普電サポート状態では、第2特図変動表ゲームが優先して実行されるため、ワープ流路112によって、特1保留表示領域1240aの視認が規制される。このようにすることで、遊技者は第1特図変動表示ゲームが非優先であることを把握しやすくなる。
また、特2保留表示領域1240bは、メイン表示器35の表示領域の中央に横方向に割り当てられ、通常遊技状態の場合よりも拡大して表示される。特2保留表示領域1240bでは、右から古い順に保留表示される。このように、始動記憶が発生しやすい普電サポート状態(特定遊技状態)で通常遊技状態よりも保留表示領域を拡大し、さらに、保留表示の大きさを拡大することによって先読み演出の実行態様の変化が顕著になる強調態様で実行し、特定遊技状態における先読み演出を遊技者に印象づけることができる。
そして、特図変動表示ゲームの開始に始動記憶が消化されると、メイン表示器35から第2サブ表示器1580に保留表示が移動する演出が実行される。そして、第2サブ表示器1580において保留表示に関連する演出が実行される。このように、表示器を跨いで予告演出を実行することによって、特図変動表示ゲームの興趣を高めることができる。
さらに、特2保留表示領域1240bの上側の領域には、変動表示ゲームに関連する演出が実行される変動演出表示領域1241が割り当てられる。また、特2保留表示領域1240bの下側の領域には、保留表示に関連する先読み予告を実行するための保留予告演出表示領域1242が割り当てられる。保留予告演出表示領域1242では、例えば、キャラクタが登場し、期待度の高い保留表示に対してアクションを起こすなどの演出を実行する。詳細については、図138等を参照して後述する。このように、(B)に示す演出態様では、先読み予告に特化した態様となっている。
なお、第3サブ表示器2580の表示内容については、通常遊技状態の場合と同様である。また、遊技状態の変化に応じて変動表示ゲーム(図柄の変動表示)の実行主体を変化させるようにしたが、実行主体の変化とは変動表示ゲームそのものの実行比率(割合)としても良い。つまり、通常遊技状態と特定遊技状態とにおいてメイン表示器35とサブ表示器1580での変動表示ゲームの実行割合を逆転させるなどである。
以上のように、遊技状態に応じて異なる表示器を主体として変動表示ゲームを実行することによって異なるゲーム性のように感じさせることが可能となり、複数の表示器を有効に活用することができ、遊技の興趣を効果的に向上させることが可能となる。
次に、図125Aを参照しながら、普電サポート状態における表示態様の変形例について説明する。図125Aは、本発明の第2の実施の形態の普電サポート状態中におけるメイン表示器及び各サブ表示器による画面表示の変形例を説明する図である。演出内容については、図124(B)と概ね同じであるので、相違点を中心に説明する。
図125Aに示す変形例では、第2特図変動表示ゲーム(優先)の保留表示はメイン表示器35、第1特図変動表示ゲーム(非優先)の保留表示(特1保留表示領域)が第3サブ表示器2580になされる。第3サブ表示器2580を備える左部演出装置2500は、透明な遊技板32に裏面側に位置するため、やや視認しづらくなるが、第2特図変動表示ゲームが優先されるため、遊技者は第1特図変動表示ゲームが非優先であることを把握しやすくなる。
なお、第1サブ表示器480及び第2サブ表示器1580の表示内容については、図124(B)と同様である。また、第1サブ表示器480を変動表示領域としているが、メイン表示器35に変動表示領域と変動演出表示領域1241とを一体で設定するようにしてもよい。
さらに、第3サブ表示器2580がワープ流路112によって左右に分割される場合について説明する。図125Bは、本発明の第2の実施の形態の第3サブ表示器2580による画面表示の変形例を説明する図である。
本変形例では、第3サブ表示器2580の分割された左側の領域に図124と同様に定期演出情報や機種名を表示する。一方、右側の領域には、第1及び第2特図変動表示ゲームにおける第4図柄を表示したり、各変動表示ゲームの保留数を数字で表示したりするなどの簡易保留数表示を行う。
第3サブ表示器2580の分割された左側の領域は、透明な遊技板32の裏面側に位置するため、右側の領域と比較して視認性が劣ることになる。そのため、左側の領域には、定期演出情報など、変動表示ゲームとの関連性の低い情報(画像)を表示する。一方、視認性の高い右側の領域には、変動表示ゲームとの関連性の高い情報(画像)を表示する。なお、第3サブ表示器2580に「パチンコ・パチスロは適度に楽しむものです」など、射幸心を抑制する画像を表示したり、遊技説明や演出説明などの情報を表示したりしてもよい。
続いて、第2特図変動表示ゲームを優先せずに記憶順に特図変動表示ゲームを実行する場合について説明する。図126は、本発明の第2の実施の形態の記憶順に始動記憶を消化する場合におけるメイン表示器及び各サブ表示器による画面表示の変形例を説明する図であり、(A)は通常遊技状態、(B)は普電サポート状態中を示す。
通常遊技状態では、保留表示領域1240に入賞順に保留表示がなされる。始動入賞口ごとに最大4個ずつの始動記憶を記憶可能となっており、最大8個分、右から古い順に保留表示がなされる。このとき、入賞した始動入賞口ごとに保留表示の態様を変更する(異ならせる)ようにしてもよい。その他のメイン表示器及び各サブ表示器における表示内容については、図124(A)と同様である。
普電サポート状態においては、図124(B)で特2保留表示領域が割り当てられていた領域に保留表示領域1240が割り当てられる。保留表示領域1240では、右から古い順に保留表示がなされ、始動記憶が消化されると、メイン表示器35から第2サブ表示1580に保留表示が移動する演出が実行される。さらに、図124(B)に示した場合と同様に、保留表示領域1240の上側に変動演出表示領域1241、下側に保留予告演出表示領域1242が割り当てられる。
〔保留表示LEDの発光状態〕
続いて、上部演出装置400に備えられた特1保留表示LED471及び右部演出装置1500に備えられた特2保留表示LED1571の発光態様について説明する。特1保留表示LED471及び特2保留表示LED1571は、それぞれ2個のLEDによって構成されており、その発光態様によって特図変動表示ゲームを実行するための始動記憶の保留数を報知する。特1保留表示LED471は第1特図変動表示ゲームを実行するための始動記憶の保留数、特2保留表示LED1571は第2特図変動表示ゲームを実行するための始動記憶の保留数を示す。
図127は、本発明の第2の実施の形態の保留表示LEDの発光態様の例を示す図である。本実施形態における保留表示LEDの発光態様は、「消灯」「点灯」「点滅」の三種類となっている。2個のLEDの発光態様の組合せによって保留数を示している。
図127に示すように、保留数が0の場合には両方のLEDを点灯させる。保留数が1の場合には、一方のLEDを点灯、他方を消灯させる。保留数が2の場合には、両方のLEDを点灯させる。保留数が3の場合には、一方のLEDを点滅、他方を点灯させる。保留数が4の場合には、両方のLEDを点滅させる。
〔第4図柄LEDの発光状態〕
続いて、上部演出装置400に備えられた特1第4図柄LED472及び右部演出装置1500に備えられた特2第4図柄LED1572の発光態様について説明する。特1第4図柄LED472及び特2第4図柄LED1572は、それぞれ2個のLEDによって構成されており、その発光態様によって特図変動表示ゲームの実行状況を報知する。特1第4図柄LED472は第1特図変動表示ゲームの実行状態、特2第4図柄LED1572は第2特図変動表示ゲームの実行状況を示す。
図128Aは、本発明の第2の実施の形態の第4図柄LEDが特図変動表示ゲームが実行中であるか否かを示す場合の発光態様の例を示す図である。この場合、LEDの発光色は、1種類でよい。
図128Aに示す例では、特図変動表示ゲームが実行中でない場合には2個のLEDがともに点灯した状態となる。一方、特図変動表示ゲームが実行中の場合には2個のLEDが交互に点灯し、点滅した状態となる。遊技者は第4図柄LEDが点滅しているか否かを確認することによって特図変動表示ゲームが終了したか否かを判断することができる。
また、第1図柄から第3図柄とともに第4図柄LEDの組合せによって特図変動表示ゲームの結果(外れ、小当り、大当りの種類)を表示する例について説明する。図128Bは、本発明の第2の実施の形態の第4図柄LEDによって特図変動表示ゲームの結果を表示する場合の発光態様の例を示す図である。この場合、LEDの発光色は、複数種類となる。
図128Bに示す例では、前述のように、第4図柄LEDは左右2個のLEDによって構成されており、左側のLEDは最終仮停止時の結果表示を示し、右側のLEDは本停止時の結果の種類を示している。
具体的に説明すると、特図変動表示ゲームが実行中の場合にはLEDの発光色が所定間隔で変化する。特図変動表示ゲームが終了すると、結果がはずれの場合には、左側のLEDが消灯し、右側のLEDは白色に発光する。また、結果が小当りの場合には、左側のLED及び右側のLEDが白色に発光する。また、結果が通常当りの場合には、左側のLEDが青色に発光し、右側のLEDは白色以外の色に発光する。さらに、結果が確変当りの場合には、左側のLEDが赤色に発光し、右側のLEDは白色以外の色に発光する。
〔演出制御処理〕
続いて、第2の実施の形態における演出制御装置700による1stメイン処理について説明する。図129は、本発明の第2の実施の形態の演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710によって実行される1stメイン処理の手順を示すフローチャートである。第1の実施の形態との相違点は、定期演出を実行するために時刻情報等を設定する点であり、その他の処理については第1の実施の形態と同様である。
具体的には、主制御用マイコン710が、1stメイン処理を開始し、割り込みを禁止した後(ステップB1001)、時刻情報記憶処理(ステップB1020)を実行する。時刻情報記憶処理は、定期演出の実行可否などを設定する。時刻情報記憶処理の詳細については、図130にて後述する。時刻情報記憶処理は、電源投入時に一度だけ実行される。
〔定期演出時刻設定〕
図130は、本発明の第2の実施の形態の時刻情報記憶処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、初期化スイッチ信号がオンであるか否かを判定する(ステップB7701)。初期化スイッチ信号は、電源装置800に設けられた初期化スイッチの操作により強制的なRAMクリアが行われる場合に入力される。
主制御用マイコン710は、初期化スイッチ信号がオンである場合には(ステップB7701の結果が「Y」)、定期演出を実行するための基準年月日情報をクリアする(ステップB7710)。さらに、定期演出を無効とするための定期演出無効フラグをRAM711に記憶する(ステップB7711)。最後に、定期演出無効報知情報をセットし(ステップB7712)、時刻情報記憶処理を終了する。なお、基準年月日情報とは定期演出の演出態様を決定するために用いる情報である。
一方、主制御用マイコン710は、初期化スイッチ信号がオンでない場合には(ステップB7701の結果が「N」)、定期演出を実行するための基準年月日情報が記憶されているか否かを判定する(ステップB7702)。基準年月日情報が記憶されていない場合には(ステップB7702の結果が「N」)、RTC715から取得した年月日情報を基準年月日情報としてRAM711に記憶する(ステップB7703)。基準年月日情報は、RAMクリア後に電源が初めて投入された場合に新たに記憶される。さらに、定期演出を無効とするための定期演出無効フラグをクリアする(ステップB7704)。
主制御用マイコン710は、基準年月日情報が設定された後、又は、基準年月日情報が記憶されている場合には(ステップB7702の結果が「Y」)、RTC715から日時情報を取得する(ステップB7705)。日時情報は、日付(年月日)及び時刻である。
続いて、主制御用マイコン710は、基準年月日情報とステップB7705の処理で取得された日時情報に基づいて定期演出態様を決定し、RAM711に記憶する(ステップB7706)。定期演出態様は、基準年月日からの経過日数に基づいて決定される。定期演出態様を決定するためのテーブルの一例について図131Aを参照しながら説明する。
図131Aは、本発明の第2の実施の形態の定期演出の態様を決定するための定期演出態様決定テーブルの一例を示す図である。本実施形態の定期演出は、基準年月日からの経過日数に基づいて決定される。基準年月日は、RAMクリア後に最初に電源が投入された時刻が設定される。
本実施形態では、図131Aに示すように、2週間毎に定期演出の態様が演出Aから演出Fまで切り替えられ、12週以降は、演出Aから演出Fまでを定期演出毎に順次実行するようになっている。なお、12週以降は、遊技者が演出Aから演出Fを選択できるようにしてもよいし、遊技者が定期演出毎の演出を予め決定(カスタマイズ)できるようにしてもよい。
ここで、図130の時刻情報記憶処理のフローチャートの説明に戻る。主制御用マイコン710は、ステップB7705の処理で取得された日時情報に基づいて、定期演出の実行時刻を決定し、RAM711の実行情報記憶領域に記憶する(ステップB7707)。定期演出の実行時刻を格納する実行情報記憶領域の一例について図131Bを参照しながら説明する。
図131Bは、本発明の第2の実施の形態の定期演出の実行情報記憶領域の内容の一例を示す図である。定期演出の実行情報記憶領域には、定期演出の実行回を示す定期演出回数、定期演出回数に対応する実行時刻、及び、実行される演出態様が記憶される。図131Bでは、電源が投入された時刻が09時00分1.28秒として情報が記憶されている。
定期演出回数は、本実施形態では1日6回だが、電源投入の時刻によっては回数が少なくなる場合もある。実行時刻については電源が投入されるたびに更新され、本実施形態では、電源投入時の時刻を基準として2時間おきに実行されるように定義される。実行時刻は、ステップB7706の処理で決定され、記憶される。なお、電源投入の時刻を基準とすることで、同時に電源が投入された複数の遊技機(同一機種)で同期するように定期演出を行うことができる。
さらに、演出態様は、日付情報に基づいて、ステップB7706の処理で決定される。なお、基準年月日からの経過日数によって一義的に各定期演出の演出態様を決定するのではなく、客待ち時等に演出ボタン17を操作することによって、各定期演出時に実行される演出態様を遊技者が任意に設定(カスタマイズ)可能としてもよい。なお、遊技者に任意に設定(カスタマイズ)させる場合には、過去に実行された演出態様の中から選択させるようにしてもよいし、遊技者個人の遊技履歴(ゲーム回数やミッションの達成度等)に応じて選択できる演出態様の選択肢を増やすようにしてもよい。
ここで、図130の時刻情報記憶処理のフローチャートの説明に戻る。主制御用マイコン710は、最後に、定期演出有効報知情報をセットし(ステップB7708)、時刻情報記憶処理を終了する。なお、ステップB7708の処理でセットされる定期演出有効報知情報と、ステップB7712の処理でセットされる定期演出無効報知情報については、図132にて説明する。
図132は、本発明の第2の実施の形態の定期演出報知情報の一例を示す図であり、(A)は定期演出無効報知情報、(B)は定期演出有効報知情報である。
定期演出無効報知情報は、RAMクリアが実行された(初期化スイッチ信号が入力された)場合に表示され、具体的には、時刻情報記憶処理の実行後又は電源投入コマンドの受信時に表示される。
定期演出有効報知情報は、RAMクリアが実行されずに電源が復帰した場合(停電時における正常復旧)、又は、機種全台の電源が同時に投入された場合に表示され、具体的には、時刻情報記憶処理の実行後又は停電復旧コマンドの受信時に表示される。
続いて、定期演出を実際に実行する手順について説明する。定期演出は、前述のように、あらかじめ設定された時刻に実行される。図133は、本発明の第2の実施の形態の1stシーン制御処理の手順を示すフローチャートである。第2の実施の形態の1stシーン制御処理には、第1の実施の形態における1stシーン制御処理に含まれる処理に定期演出を実行するための定期演出実行処理(ステップB1323)が追加されている。
定期演出実行処理は、1stシーン制御処理の最後に実行され、現在時刻と定期演出の実行開始時刻とを比較して定期演出を実行したり、実行中の定期演出の制御を行ったりする。定期演出実行処理の詳細については、図134を参照しながら説明する。
〔定期演出実行処理〕
図134は、本発明の第2の実施の形態の定期演出実行処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、RTC715から時刻情報を取得する(ステップB7801)。そして、取得した時刻情報に基づいて、定期演出開始時間であるか否かを判定する(ステップB7802)。定期演出開始時間でない場合には(ステップB7802の結果が「N」)、ステップB7807以降の処理を実行する。なお、ステップB7801の処理では、定期演出の開始時間であることをRTC715から取得した時刻情報によって判定するようにしているが、電源投入時に取得した時刻情報に基づいて、演出制御装置700が時刻を計時するようにし、その時刻により定期演出の開始時間であることを判定してもよい。
主制御用マイコン710は、定期演出開始時間になった場合には(ステップB7802の結果が「Y」)、定期演出の実行情報記憶領域から演出態様(A〜F)を取得する(ステップB7803)。さらに、演出態様に対応する定期演出実行時間を定期演出タイマにセットする(ステップB7804)。定期演出実行時間は、定期演出態様決定テーブルに含むようにしてもよいし、専用の対応テーブルに記憶するようにしてもよい。
続いて、主制御用マイコン710は、第1サブ表示器480及び第2サブ表示器1580において定期演出の実行を開始する(ステップB7805)。定期演出は、第1サブ表示器480及び第2サブ表示器1580に映像(画像)を表示し、さらに、スピーカ10から音声を出力する。このように、定期演出はサブ表示器(第1サブ表示器480及び第2サブ表示器1580)で予告演出に優先して行われるため、メイン表示器35での変動表示ゲームの実行を妨げることがない。
さらに、主制御用マイコン710は、第1サブ表示器480及び第2サブ表示器1580による予告演出を規制するための演出規制フラグをセットする(ステップB7806)。
続いて、主制御用マイコン710は、定期演出中であるか否かを判定する(ステップB7807)。定期演出中の場合には(ステップB7807の結果が「Y」)、定期演出タイマを−1更新する(ステップB7815)。そして、定期演出タイマが0になったか否かを判定する(ステップB7816)。定期演出タイマが0になった場合には(ステップB7815の結果が「Y」)、定期演出実行処理を終了する。
主制御用マイコン710は、定期演出タイマが0になっていない場合には(ステップB7816の結果が「N」)、定期演出タイマに対応する演出(表示及び音声)を取得する(ステップB7817)。そして、取得した演出を実行し(ステップB7818)、定期演出実行処理を終了する。
一方、主制御用マイコン710は、定期演出中でない場合には(ステップB7807の結果が「N」)、第1サブ表示器480(上部演出装置400)及び第2サブ表示器1580(右部演出装置1500)の移動を含む予告演出の規制フラグをクリアする(ステップB7808)。さらに、第3サブ表示器2580(左部演出装置2500)の反転(裏返し)を規制する反転規制フラグをクリアする(ステップB7809)。
そして、主制御用マイコン710は、定期演出3分前であるか否かを判定し(ステップB7810)、3分前の場合には(ステップB7812の結果が「Y」)、反転規制フラグをセットする(ステップB7811)。定期演出の3分前から第3サブ表示器2580の反転(裏向き状態への変換)を規制することによって、定期演出の実行が近くなると第3サブ表示器2580に表示された定期演出の開始までの残り時間が見えなくなるような事態を回避できるので、遊技者が特定演出の実行毎に定期演出の開始までの残り時間を把握することが可能となる。したがって、定期演出(特定演出)が実行されることを楽しみにしている遊技者が不満を感じることを防ぐことが可能となり、遊技の興趣を向上させることが可能となる。
なお、定期演出をメイン表示器35で実行する一方、第1サブ表示器480及び/又は第2サブ表示器1580で飾り変動表示ゲーム実行し、定期演出中はメイン表示器35が遮蔽されないように第1〜第3サブ表示器(480、1580、2580)の移動を伴う演出の実行を規制してしまってもよい。このように構成することによって、メイン表示器35で実行される定期演出の視認が阻害されることを防ぐことができる。
また、客待ち状態である場合には無駄な電力消費を抑えるためにエコ(省エネ)表示モードに移行させたままの状態を維持して定期演出を実行しないようにしてもよい。また、それとは逆に客待ち状態である場合にはメイン表示器35とサブ表示器(480、1580、2580)の両方で定期演出を実行するようにしてもよい。
さらに、定期演出が開始又は終了すると、第3サブ表示器2580を反転可能とするので、第3サブ表示器2580による演出効果が阻害されることを最小限にすることが可能となる。
〔保留予告〕
次に、保留表示による先読み予告(保留予告)について説明する。本実施形態における保留予告は、通常遊技状態と普電サポート状態とで異なっており、普電サポート状態では保留表示の変更の他、サブ表示器を利用したり、キャラクタが登場したりする。まず、保留予告の制御について説明する。
図135は、本発明の第2の実施の形態の保留予告制御処理の手順を示すフローチャートである。保留予告制御処理は、1stシーン制御処理における事前判定コマンド受信処理(ステップB1320)で実行される。また、遊技制御装置600における事前判定は、通常遊技状態では第1特図変動表示ゲームの始動記憶、普電サポート状態では第2特図変動表示ゲームの始動記憶について実行される。したがって、事前判定コマンドについてもこの場合に送信される。
主制御用マイコン710は、まず、先読み予告を実行するための事前判定情報を受信しているか否かを判定する(ステップB8001)。事前判定情報は、事前判定コマンドに含まれる。主制御用マイコン710は、事前判定情報を受信していない場合には(ステップB8001の結果が「N」)、ステップB8007以降の処理を実行する。
主制御用マイコン710は、事前判定情報を受信している場合には(ステップB8001の結果が「Y」)、現在の遊技状態が通常遊技状態か否かを判定する(ステップB8002)。現在の遊技状態が通常遊技状態の場合には(ステップB8002の結果が「Y」)、変動パターン情報に基づいて保留表示の表示態様を決定する(ステップB8003)。一方、現在の遊技状態が通常遊技状態でない場合(ステップB8002の結果が「Y」)、すなわち、普電サポート状態の場合には、変動表示ゲームの結果及び変動パターン情報に基づいて保留表示の表示態様を決定する(ステップB8004)。
その後、主制御用マイコン710は、ステップB8003又はステップB8004の処理で決定された表示態様と保留記憶数に基づいて、保留予告の予告態様を決定する(ステップB8005)。さらに、対応する保留記憶領域に決定後の表示態様と予告態様を記憶する(ステップB8006)。
次に、主制御用マイコン710は、保留記憶領域に記憶されている表示態様及び予告態様に基づいて、保留表示を更新したり、保留予告演出を実行したりする保留表示更新処理を実行する(ステップB8007)。
さらに、主制御用マイコン710は、特別遊技状態が発生したか否かを判定する(ステップB8008)。特別遊技状態が発生した場合には(ステップB8008の結果が「Y」)、第1特図変動表示ゲームを実行するための保留記憶に対応する保留予告情報をクリアする(ステップB8009)。
なお、通常遊技状態から普電サポート状態に移行する場合には、第1特図変動表示ゲームの始動記憶に対応する先読み予告がクリアされるが、普電サポート状態から通常遊技状態に移行する場合に、第1特図変動表示ゲームの始動記憶に対応する先読み予告はクリアされずにそのまま継続される。
続いて、保留表示の変化の態様について説明する。図136は、本発明の第2の実施の形態の保留表示の予告態様を説明する図であり、(A)は遊技状態ごとの態様、(B)は普電サポート状態における予告態様の詳細を示す。
まず、(A)を参照しながら通常遊技状態及び普電サポート状態における保留表示の色を変化させる予告について説明する。保留表示の色は、「白」→「青」→「黄」→「赤」→「虹」の順で大当りの期待度が高くなるように設定されている。「虹」は大当り確定となる。
通常遊技状態では、前述のように、第1特図変動表示ゲームの始動記憶が対象となる。また、普電サポート状態では、第2特図変動表示ゲームの始動記憶が対象となる。いずれの状態であっても、保留予告が実行される場合には、まず、保留表示がなされたタイミングで始動記憶を示す保留表示が一旦変化する。この場合、色が変化する場合もあれば、保留表示に「?」が表示され、保留予告があることを示すように変化する場合もある。
さらに、保留表示がなされた後、特図変動表示ゲームが実行されるたびに保留表示の色が変化することが可能となっている。すなわち、保留数が4の状態であれば、始動入賞時に色が変化し、その後、先行する3回分の特図変動表示ゲームが実行されるたびに保留表示の色が変化する可能性がある。(A)に示した色は、最終的に変化する色であり、先行して実行される特図変動表示ゲームの始動記憶がすべて消化された時点の色となる。なお、通常遊技状態では、特図変動表示ゲームの結果にかかわらず、保留表示の色が「虹」にはならない。また、普電サポート状態では、特図変動表示ゲームの結果によって変化する色が異なるようになっており、具体的には、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合には「虹」には変化せず、当りの場合には「白」には変化しない。
(B)〜(F)は、先行して実行される特図変動表示ゲームが開始されるタイミングで変化する保留表示の色を示す表である。各表を参照すると、原則的に、期待度が高くなるように色が変化するように設定されている。例えば、保留数が4で最終的は保留表示が「赤」となる場合には、「白⇒青⇒黄⇒赤」又は「?⇒白⇒青⇒赤」の順に変化する。
また、図124(B)等に示したように、普電サポート状態において保留予告の対象となる始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが実行されると、第2サブ表示器1580を特2消化中保留演出領域として保留演出が実行される。例えば、(A)に示すように変動表示ゲームが当りとなる期待度やリーチとなる期待度に応じて「☆」が表示される。期待度が高い場合には「☆」の数が多くなるように表示してもよいし、表示される「☆」の種類を変更するようにしてもよい。
図137は、本発明の第2の実施の形態の通常遊技状態における保留予告の一例を説明する図である。(A)から(H)では、識別図柄と保留表示領域とを示している。
(A)では、特図変動表示ゲームが終了した直後を示した状態である。通常遊技状態では、左から古い順に保留表示がなされるため、最新の始動記憶に対応する保留表示は「?」となっている。
(B)では、始動記憶が消化され、新たに特図変動表示ゲームが開始された状態を示している。(A)における一番左の始動記憶が消化され、保留表示が「?」となっていた最新の始動記憶の保留表示が「白」に変化している。
(C)では、(B)で実行されていた特図変動表示ゲームが終了し、(D)において次の特図変動表示ゲームが開始される。(D)では、新たに1個の始動記憶が追加されている。また、(A)で保留表示が「?」となっていた始動記憶の保留表示は「黄」に変化しており、先行する始動記憶がすべて消化されたため、最終的な保留予告となる。
(E)では、(D)で実行されていた特図変動表示ゲームが終了する。このとき、新たに1個の始動記憶がさらに追加されており、保留表示が「青」となっている。(F)では、(A)で保留表示が「?」となっていた始動記憶((D)で「黄」の始動記憶)に基づく変動表示ゲームが開始されている。このとき、(E)で保留表示が「青」となっている始動記憶の保留表示が「黄」に変化している。
その後、(G)に示すように、(F)で実行されていた特図変動表示ゲームの結果が大当りとなり、(H)に示すように、特別遊技状態が開始される。特別遊技状態が開始されると、保留予告制御処理で説明したように、保留予告情報がクリアされ(図135のステップB8009)、保留表示が通常(「白」)に戻される。
図138から図140は、本発明の第2の実施の形態の普電サポート状態における保留予告の一例を説明する図である。(A)から(T)では、メイン表示器35、第1サブ表示器480及び第2サブ表示器1580の表示内容を示している。
前述のように、普電サポート状態では、特図変動表示ゲーム(識別情報の変動表示)が第1サブ表示器480を主体として実行され、特図変動表示ゲームに関連する演出画像が、メイン表示器35の上段の変動演出表示領域1241に表示される。メイン表示器35の中段には、特2保留表示領域1240bが割り当てられ、右から順に始動記憶が消化されるようになっている。そして、始動記憶が消化される場合には、第2サブ表示器1580(特2消化中保留演出領域)に保留表示が移動するように表示され、期待度に応じた演出が実行される。
さらに、メイン表示器35の下段には、保留予告演出表示領域1242が割り当てられ、特2保留表示領域1240bの保留表示に対してキャラクタがアクションを起こして保留予告を行うようになっている。
(A)は、特図変動表示ゲームが終了し、第1サブ表示器480で識別図柄が停止表示されている状態となっている。そして、始動記憶が消化され、右端に表示されている始動記憶が第2サブ表示器1580に移動する演出が実行される。このとき、特2保留表示領域には、予告補助キャラクタが表示されているが、保留表示されている始動記憶の期待度が高くない若しくは保留予告を行わないため、左右に移動を繰り返しているだけとなっている。
(B)は、(A)で消化される始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが開始された状態を示している。特図変動表示ゲームが開始されると、特2消化中保留演出領域で消化中保留演出が実行され、期待度に応じた演出が実行される。具体的には、期待度に対応した態様の星(☆)の表示を含む演出が実行される。
(C)は、特図変動表示ゲームの実行中に新たに始動記憶が追加された状態を示している。このとき、予告補助キャラが新たに追加された始動記憶の保留表示の下で停止し、遊技者に期待度が高い可能性があることを報知している。
その後、(D)において、実行中の特図変動表示ゲームが終了し、最先の始動記憶が消化される。そして、保留表示が右に移動し、これにともなって予告補助キャラも移動する。その後、(E)に示すように、特図変動表示ゲームが開始されると、予告補助キャラがアクションを起こし、保留表示の色が「白」から「青」に変化する。そして、通常の変動演出画像ではなく、連続予告画像1が変動演出表示領域1241に表示される。
(F)では、特図変動表示ゲームの実行中に、新たに始動記憶が追加され、保留表示された時点で「?」となっている状態である。このとき、予告補助キャラが2体に増加し、新たな始動記憶の保留表示の下にも増加した予告補助キャラが表示される。
(G)は、実行中の特図変動表示ゲームが終了し、その後、最先の始動記憶が消化され、(H)において新たな特図変動表示ゲームが開始される。そして、変動開始のタイミングで各予告補助キャラがそれぞれアクションを起こし、保留表示の態様を変化させる。このとき、連続予告画像2が変動演出表示領域1241に表示される。
続いて、(I)で実行中の特図変動表示ゲームが終了し、識別図柄の変動表示が停止すると、予告補助キャラが1人になる。そして、(J)に示すように、期待度の高い「黄」の保留表示の始動記憶が消化される。
(K)は、「黄」の保留表示の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが開始された状態を示している。始動記憶が消化されると、特2消化中保留演出領域で「☆」が3個表示される演出が実行される。さらに、変動演出表示領域1241に連続予告画像3が表示される。また、予告補助キャラがアクションを起こし、保留表示が「?」となっている始動記憶が「白」に変化している。
そして、(L)に示すように、変動表示ゲームが継続して左図柄が停止し、(M)に示すように、リーチ(SPリーチ)が発生する。この間、新たに始動記憶が発生し、「?」の保留表示が追加されている。このとき、特2保留表示領域1240bが下段に下がって保留予告演出表示領域1242が消滅し、変動演出表示領域1241が拡張し、リーチ演出画像(SPリーチ演出)が表示される。なお、保留予告演出表示領域1242を消滅させずに縮小するようにしてもよい。
その後、(N)に示すように、識別図柄がすべて「2」で停止し、変動演出表示領域1241で大当りが発生したことを示す演出が実行される。なお、この間、新たに始動記憶が発生し、「白」の保留表示が追加されている。
特図変動表示ゲームの大当り確定後、さらに、(0)に示すように、図柄の再抽選が行われる。このとき、特2保留表示領域1240bが消滅して変動演出表示領域1241が拡張され、メイン表示器35と第1サブ表示器480とに跨って再抽選演出画像が表示される。そして、(P)に示すように、メイン表示器35に確変図柄で識別図柄が停止し、特図変動表示ゲームの結果が確定する。このとき、第1サブ表示器480には、確変大当りであることを示す情報が表示される。なお、再抽選が開始されると、第2サブ表示器1580では、消化中保留演出ではなく、再抽選に関連した演出画像が表示される。
(Q)は、特別遊技状態(大当り状態)に移行し、大当り中の演出が実行されている状態である。このとき、大当り中の画像が第1サブ表示器480に表示される。そして、所定のラウンドが終了すると、(R)に示すように、エンディング画像が表示され、特別遊技状態が終了する。
その後、(S)に示すように、始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが普電サポート状態(高確率状態)で実行される。また、保留予告制御処理(図135)にて説明したように、第2特図変動表示ゲームの始動記憶に対する保留予告は、特別遊技状態が発生しても、保留予告情報がクリアされないため、特図変動表示ゲーム再開後に継続される。そのため、(S)及び(T)に示すように、特別遊技状態開始前に発生した保留表示が「?」となっている始動記憶に対する保留予告が継続し、保留予告演出表示領域1242に予告補助キャラが登場し、アクションを起こすなどの演出が実行される。
以上のように、普電サポート状態で予告補助キャラを登場させることによって、先読み予告をさらに強調することができ、演出効果を向上させることが可能となる。なお、保留表示の色を変化させるようにしたが、保留表示をキャラクタとしてキャラクタを変化させるようにしても良い。また、演出ボタン17の操作により予告補助キャラにアクションを起こさせるようにしても良い。
〔変動中処理〕
次に、前述した1stシーン制御処理における変動中処理(ステップB1311)の詳細について説明する。図141は、本発明の第2の実施の形態の変動中処理の手順を示すフローチャートである。なお、図84に示した第1の実施の形態の変動中処理と共通する処理については説明を省略する。
主制御用マイコン710は、演出リクエストフラグが設定されている場合には(ステップB1501の結果が「Y」)、変動演出パターン設定処理の後(ステップB1504)、特図変動表示ゲームの結果や変動(演出)パターンに対応して予告演出の内容(演出態様)を設定する動作予告演出設定処理を実行する(ステップB1520)。なお、動作予告演出設定処理の詳細については、図142にて後述する。ステップB1506以降の処理は、第1の実施の形態と同様である。
一方、主制御用マイコン710は、演出リクエストフラグが設定されていない場合には(ステップB1501の結果が「N」)、シーン更新タイマが0になったか否かを判定する(ステップB1511)。シーン更新タイマが0になった場合(ステップB1511の結果が「Y」)、すなわち、シーンの切り替えタイミングの場合には、シーンシーケンステーブルに設定された次のシーンデータを設定する(ステップB1512)。
さらに、主制御用マイコン710は、サブ表示器を備えた各演出装置(上部演出装置400、右部演出装置1500、左部演出装置2500)に関連した演出を実行する。具体的には、合体予告演出実行処理(ステップB1521)、展開(示唆)予告演出実行処理(ステップB1522)、ステップアップ予告演出実行処理(ステップB1523)、昇降予告演出実行処理(ステップB1524)が実行される。なお、合体予告演出実行処理の詳細については、図144から図150にて後述する。展開(示唆)予告演出実行処理の詳細については、図151から図156にて後述する。ステップアップ予告演出実行処理の詳細については、図157から図166にて後述する。昇降予告演出実行処理の詳細については、図167から図172にて後述する。
〔動作予告演出設定処理〕
続いて、特図変動表示ゲームの予告演出を設定する動作予告演出設定処理について説明する。図142は、本発明の第2の実施の形態の動作予告演出設定処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、変動(演出)パターンに対応する予告選択テーブルをセットする(ステップB8101)。予告選択テーブルについては、図143を参照しながら説明する。図143は、本発明の第2の実施の形態の予告選択テーブルについての一例を示す図である。図143に示す予告選択テーブルには、すべての変動(演出)パターンに対応する予告内容が選択率とともに定義されている。ステップB8101の処理では、変動(演出)パターンに対応するデータを抽出し、セットする。続いて、主制御用マイコン710は、セットされた予告選択テーブルから実行する予告演出の種類を決定する(ステップB8102)。
そして、主制御用マイコン710は、合体予告を実行するか否かを判定し(ステップB8103)、実行する場合には(ステップB8103の結果が「Y」)、合体予告態様設定処理を実行する(ステップB8104)。合体予告態様設定処理の詳細については、図144にて後述する。
次に、主制御用マイコン710は、展開予告を実行するか否かを判定し(ステップB8105)、実行する場合には(ステップB8105の結果が「Y」)、展開予告態様設定処理を実行する(ステップB8106)。展開予告態様設定処理の詳細については、図144にて後述する。
次に、主制御用マイコン710は、ステップアップ(SU)予告を実行するか否かを判定し(ステップB8107)、実行する場合には(ステップB8107の結果が「Y」)、ステップアップ(SU)予告態様設定処理を実行する(ステップB8108)。ステップアップ(SU)予告態様設定処理の詳細については、図157にて後述する。
次に、主制御用マイコン710は、昇降予告を実行するか否かを判定し(ステップB8109)、実行する場合には(ステップB8109の結果が「Y」)、昇降予告態様設定処理を実行する(ステップB8110)。昇降予告態様設定処理の詳細については、図167にて後述する。
〔合体予告演出〕
続いて、各種予告演出について説明する。まず、合体予告演出について説明する。合体予告演出は、上部演出装置400、右部演出装置1500及び左部演出装置2500が合体する演出である。これら3種類の演出装置のうち、いずれか2種類の演出装置が合体する演出であってもよいし、3種類の演出装置が合体する演出であってもよい。また、複数の演出装置がすべて移動して合体してもよいし、一部の演出装置が移動して移動しない演出装置と合体するようにしてもよい。
〔合体予告演出設定処理〕
図144は、本発明の第2の実施の形態の合体予告演出設定処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、演出規制フラグが設定されているか否かを判定する(ステップB8201)。演出規制フラグは、メイン表示器35で実行される定期演出開始時に設定される(図134のステップB7806)。主制御用マイコン710は、演出規制フラグが設定されている場合には(ステップB8201の結果が「Y」)、演出装置の移動を伴う演出は規制されているため、合体予告演出を実行せずに本処理を終了する。
一方、主制御用マイコン710は、演出規制フラグが設定されていない場合には(ステップB8201の結果が「N」)、遊技状態に応じた態様選択テーブルをセットし(ステップB8203)、セットされた態様選択テーブルから変動(演出)パターンに応じた予告態様を決定する(ステップB8203)。態様選択テーブルは、変動(演出)パターンに応じた合体演出の態様が定義されている。態様選択テーブルについては、図145を参照しながら説明する。
図145は、本発明の第2の実施の形態の合体演出態様を説明する図であり、(A)は通常遊技状態における態様選択テーブル、(B)は普電サポート状態における態様選択テーブル、(C)は各動作態様の内容及び信頼度の対応を示すテーブルを示す。
まず、(C)を参照しながら演出動作の概要について説明する。本実施形態では、演出動作は、信頼度に応じて13種類設定されており、第1〜第3演出動作は信頼度が低く、第4〜第11演出動作は信頼度が中程度、第12及び第13演出動作は信頼度が高くなるように設定されている。また、信頼度が高いほど、各サブ表示器の動作が大きくなるように演出動作が設定されている。
第1〜第3演出動作は、サブ表示器の揺動のみである。第4〜第11演出動作は、第1サブ表示器480(上部演出装置400)又は第2サブ表示器1580(右部演出装置1500)のいずれか一方が移動して合体する。第12及び第13演出動作は、第1サブ表示器480及び第2サブ表示器1580の両方が移動する中間合体動作が実行される。これらの合体動作の詳細については、図146及び図147を参照しながら説明する。なお、合体動作を行う第4〜第13演出動作のいずれかを大当り確定の演出動作としてもよい。
(A)を参照すると、信頼度の高い変動パターンに対応して、信頼度の高い演出動作が設定されている。例えば、変動パターンがノーマルリーチ以下の場合にはサブ表示器が揺動する演出動作のみとなる。一方、信頼度の高いSP2リーチ以上の変動パターンでは、第1サブ表示器480又は第2サブ表示器1580のいずれか一方若しくは両方が移動する演出動作が選択されるようになっている。
一方、普電サポート状態では、第1サブ表示器480で特図変動表示ゲームが実行されるため、第1サブ表示器480が動作する演出動作は選択されないようになっている。(B)を参照すると、信頼度の低い変動パターンが選択された場合、変動時間が通常遊技状態と比較して短く設定されるため、変動パターンがノーマルリーチ以下の場合には第2サブ表示器1580が揺動する第2演出動作のみが選択される。一方、SP1リーチ以上の変動パターンでは、第2サブ表示器1580が移動する第8又は第10演出動作が選択されるようになっている。
また、特図変動表示ゲームの結果が大当りの場合には、信頼度の低い演出動作が選択されにくく、信頼度の高い演出動作が選択されやすくなっている。一方、はずれの場合には、信頼度の低い演出動作が選択されやすく、信頼度の高い演出動作が選択されにくくなっている。信頼度が中程度の演出動作は、信頼度の低い演出動作及び信頼度の高い演出動作がバランスよく実行されるように設定されている。
ここで、図144のフローチャートの説明に戻る。主制御用マイコン710は、合体予告演出の予告態様が決定されると、合体予告演出の実行タイミング(予告タイミング)を特図変動表示ゲームの結果に応じて複数の実行タイミングの中から決定する(ステップB8204)。合体予告演出の実行タイミングは、例えば、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合にはリーチ発生前、大当りの場合にはリーチ発生後としてもよい。
さらに、主制御用マイコン710は、合体予告演出の予告態様と予告タイミングに応じて第1サブ表示器480と第2サブ表示器1580に表示する表示画像の種類を複数の表示画像の中から決定する(ステップB8205)。最後に、ステップB8203からB8205で決定された事項に対応する合体予告の実行情報をセットする(ステップB8206)。その後、セットされた実行情報に基づいて合体予告が実行される(図141のステップB1521)。
なお、第1サブ表示器480又は第2サブ表示器1580の一方のみで定期演出を行うように構成されている場合には、定期演出の実行中であっても、定期演出を実行していないサブ表示器を動作(移動)させる合体予告については実行するようにしてもよい。
〔合体予告演出例〕
続いて、合体予告の具体例を図146及び図147を参照しながら説明する。さらに、図148を参照しながら変形例について説明する。最後に、3種類のサブ表示器を合体させる3体合体予告の例について説明する。
図146及び図147は、本発明の第2の実施の形態の合体予告演出の一例を説明する図である。図146及び図147(A)は共通しており、特図変動表示ゲーム実行中であり、合体予告演出実行前の状態を示している。ここでは、典型的な4種類の演出動作について説明する。なお、これらの演出動作は、リーチ発生前に実行してもよいし、リーチ発生後に実行してもよい。このように、特図変動表示ゲーム実行時にメイン表示器35の前方で合体予告演出を実行することによって、特図変動表示ゲームの興趣を向上させることができる。
まず、揺動したサブ表示器が移動して合体する例((A)→(B1)→(C1)、第10演出動作に対応)について説明する。この場合、合体予告が開始されると、(B1)に示すように、第2サブ表示器1580が揺動(合体動作を予感させる予兆演出を実行)する。このタイミングでは、各表示器で独立した演出画像が表示されている。なお、予兆演出は表示器の移動を示唆する移動示唆演出とも言う。
その後、(C1)に示すように、揺動した第2サブ表示器1580が回動し、上昇合体動作が実行される。第1サブ表示器480と第2サブ表示器1580とが合体すると、各表示器の表示部を合わせて一画面とした演出画像(通常一体画像)が表示される。このとき、各サブ表示器の画像出力を制御するVDPが共通であったほうがVDP間の同期などを行う必要がなくなるため、制御しやすくなる。
次に、揺動したサブ表示器とは異なるサブ表示器が移動して合体する例((A)→(B2)→(C2)、第6演出動作に対応)について説明する。この場合、合体予告が開始されると、(B2)に示すように、第2サブ表示器1580が揺動(合体動作を予感させる予兆演出(移動示唆演出)を実行)する。このタイミングでは、各表示器で独立した演出画像が表示されている。なお、合体予告はリーチ発生後に開始されている。
その後、(C2)に示すように、揺動していない第1サブ表示器480が回動し、下降合体動作が実行される。第1サブ表示器480と第2サブ表示器1580とが合体すると、各表示器の表示部を合わせて一画面とした演出画像(通常一体画像)が表示される。このように、揺動した演出装置が移動する通常パターンと揺動した演出装置でない方の演出装置が移動する矛盾パターンがあるので、遊技者に驚きを与えることが可能となる。
次に、両方のサブ表示器が揺動し、一方のサブ表示器が移動して合体する例((A)→(B3)→(C3)、第11演出動作に対応)について説明する。この場合、合体予告が開始されると、(B3)に示すように、第1サブ表示器480及び第2サブ表示器1580が揺動(合体動作を予感させる予兆演出(移動示唆演出)を実行)する。このタイミングでは、各表示器で独立した演出画像が表示されている。
その後、(C3)に示すように、第2サブ表示器1580が回動し、上昇合体動作が実行される。第1サブ表示器480と第2サブ表示器1580とが合体すると、各表示器の表示部を合わせて一画面とした演出画像(通常一体画像)が表示される。
最後に、両方のサブ表示器が揺動し、両方のサブ表示器が移動して合体する例((A)→(B4)→(C4)、第13演出動作に対応)について説明する。この場合、合体予告が開始されると、(B4)に示すように、第1サブ表示器480及び第2サブ表示器1580が揺動(合体動作を予感させる予兆演出(移動示唆演出)を実行)する。このとき、各表示器で独立した演出画像だけでなく、関連した演出画像が表示されるようにしてもよい。また、中間合体動作以外であっても、各表示器で関連した演出画像を表示するようにしてもよい。
その後、(C4)に示すように、第1サブ表示器480及び第2サブ表示器1580が回動し、中間合体動作が実行される。中間合体動作では、第1サブ表示器480及び第2サブ表示器1580が45°回動し、メイン表示器35の前方で斜めになった状態で合体する。このとき、各表示器の表示部を合わせて一画面とした演出画像が表示されるが、本実施形態では、プレミア演出として通常一体画像ではなく、特別一体画像が表示される。このように、第1サブ表示器480と第2サブ表示器1580の合体動作の態様に応じた一体画像を表示することによって、さらに演出効果を高めることができる。
続いて、本実施形態の変形例として、第2サブ表示器1580と第3サブ表示器2580とが合体する例について説明する。図148は、本発明の第2の実施の形態の合体予告演出の変形例を説明する図である。
まず、揺動したサブ表示器が移動して合体する例((A)→(B1)→(C1))について説明する。この場合、合体予告が開始されると、(B1)に示すように、第3サブ表示器2580が揺動(合体動作を予感させる予兆演出を実行)する。このとき、第2サブ表示器1580及び第3サブ表示器2580で関連した演出画像が表示され、第1サブ表示器480で独立した演出画像が表示されている。
その後、(C1)に示すように、揺動した第3サブ表示器2580が右方向にスライド移動し、合体動作が実行される。第2サブ表示器1580と第3サブ表示器2580とが合体すると、各表示器の表示部を合わせて一画面とした演出画像(通常一体画像)が表示される。
次に、両方のサブ表示器が揺動し、移動して合体する例((A)→(B2)→(C2))について説明する。リーチ発生後、合体予告が開始されると、(B2)に示すように、第2サブ表示器1580及び第3サブ表示器2580が揺動(合体動作を予感させる予兆演出(移動示唆演出)を実行)する。このとき、第2サブ表示器1580及び第3サブ表示器2580で関連した演出画像が表示され、第1サブ表示器480で独立した演出画像が表示されている。
その後、(C2)に示すように、第2サブ表示器1580が左方向、第3サブ表示器2580が右方向にスライド移動し、合体動作が実行される。第2サブ表示器1580と第3サブ表示器2580とがともに移動して合体すると、各表示器の表示部を合わせて一画面として、演出画像が表示される。この場合、複数のサブ表示器が移動しているので、特別一体画像が表示されている。
さらに、本実施形態の変形例として、第1サブ表示器480、第2サブ表示器1580及び第3サブ表示器2580が合体する例について説明する。3体合体は、プレミア演出として実行する。図149は、本発明の第2の実施の形態の3種類のサブ表示器がすべて合体する合体予告演出の第1変形例を説明する図である。
図149に示す第1変形例では、第2サブ表示器1580は移動せず、第1サブ表示器480が下方向に回動した後、第3サブ表示器2580が右方向にスライド移動する。このとき、第3サブ表示器2580は、第1サブ表示器480及び第2サブ表示器1580の後方に位置している。すべてのサブ表示器が合体すると、各表示器の表示部を合わせて一画面とした演出画像(特別一体画像)が表示される。
図150は、本発明の第2の実施の形態の3種類のサブ表示器がすべて合体する合体予告演出の第2変形例を説明する図である。
図150に示す第2変形例では、第1サブ表示器480と第2サブ表示器1580とで中間合体動作を行った後、第3サブ表示器2580が右方向にスライド移動し、さらに、反時計回りに45°回転する。このとき、第3サブ表示器2580は、第1サブ表示器480及び第2サブ表示器1580の後方に位置している。すべてのサブ表示器が合体すると、各表示器の表示部を合わせて一画面とした演出画像(特別一体画像)が表示される。
なお、図149及び図150に示した変形例では、第3サブ表示器2580、第1サブ表示器480及び第2サブ表示器1580の後方に位置してフレーム部が重なるように配置されていたが、前方に位置するようにしてもよいし、重ならずにフレーム部の側面が並ぶように配置してもよい。また、3体合体の場合であってもプレミア演出とせずに、通常一体画像を表示するようにしてもよい。
〔展開(示唆)予告演出〕
続いて、展開(示唆)予告演出について説明する。展開(示唆)予告演出は、左部演出装置2500がメイン表示器35の前方にスライド移動し、第3サブ表示器2580に実行中の変動表示ゲームの展開(進行態様)を予告(示唆)する演出である。
〔展開(示唆)予告演出設定処理〕
図151は、本発明の第2の実施の形態の展開(示唆)予告演出設定処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、反転規制フラグが設定されているか否かを判定する(ステップB8301)。反転規制フラグは、定期演出開始3分前から終了時まで設定される(図134のステップB7811)。主制御用マイコン710は、反転規制フラグが設定されていない場合には(ステップB8301の結果が「Y」)、さらに、普電サポート状態であるか否かを判定する(ステップB8302)。
主制御用マイコン710は、普電サポート状態でない場合には(ステップB8302の結果が「N」)、遊技状態に応じた展開予告の態様を選択するためのテーブルとして態様選択テーブル1をセットする(ステップB8303)。態様選択テーブル1の詳細については、図152(A)を参照しながら説明する。
一方、主制御用マイコン710は、反転規制フラグが設定されている場合(ステップB8301の結果が「Y」)、又は、普電サポート状態である場合には(ステップB8302の結果が「Y」)、展開予告の態様を選択するためのテーブルとして態様選択テーブル2をセットする(ステップB8303)。態様選択テーブル2の詳細については、図152(B)を参照しながら説明する。
図152は、本発明の第2の実施の形態の展開(示唆)予告演出の態様を説明する図であり、(A)は通常遊技状態及び反転可能状態における態様選択テーブル、(B)は普電サポート状態及び反転不可状態における態様選択テーブル、(C)は各動作態様の内容及び信頼度の対応を示すテーブルを示す。
まず、(C)を参照しながら演出動作の概要について説明する。本実施形態では、演出動作は、信頼度に応じて13種類設定されており、第1及び第2演出動作は信頼度が低く、第3〜第6、第8及び第9演出動作は信頼度が中程度、第6、第7及び第10演出動作は信頼度が高くなるように設定されている。第6、第7及び第10演出動作が実行される場合には、変動表示ゲームの結果がはずれとはならないようになっている。
第1演出動作では、左部演出装置2500が揺動するのみであり、第3サブ表示器2580の表示も変化しない。なお、スライド移動後、演出画像を表示してすぐに基準位置に戻るようにしてもよい。第2演出動作では、左部演出装置2500がメイン表示器35の前方までスライド移動し、リーチの発生を示唆する。
第3演出動作は、スライド移動後、第3サブ表示器2580が正方向(例えば、右回り)に反転し、SPリーチ1の発生を示唆する。第4演出動作は、第3演出動作と同様に、第3サブ表示器2580が正方向に反転し、SPリーチ2の発生を示唆する。第5演出動作は、スライド移動後、第3サブ表示器2580が逆方向(例えば、左回り)に反転し、SPリーチ3の発生を示唆する。第6演出動作は、第5演出動作と同様に、第3サブ表示器2580が逆方向に反転し、SPリーチ4の発生を示唆する。第7演出動作は、スライド移動後、第3サブ表示器2580が逆方向に反転し、大当りの発生を示唆する。
第8演出動作では、左部演出装置2500が揺動し、第3サブ表示器2580にリーチ発生を示唆する演出が実行される。第9演出動作では、左部演出装置2500が揺動し、第3サブ表示器2580にSPリーチ発生を示唆する演出が実行される。第10演出動作では、左部演出装置2500が揺動し、第3サブ表示器2580に大当り発生を示唆する演出が実行される。
態様選択テーブルには、信頼度の高い変動パターンに対応して、信頼度の高い演出動作が設定されている。(A)を参照すると、通常遊技状態で第3サブ表示器2580の反転が規制されていない場合にセットされる態様選択テーブル1では、変動パターンがノーマルリーチ以下の場合には第1又は第2演出動作が実行される。一方、SP1からSP3リーチが発生する変動パターンでは、第1及び第2演出動作に加え、対応するリーチを示唆する演出(第3〜第5演出動作)が実行可能となっている。SP4リーチが発生する場合には、第2〜第10演出動作が実行可能となっている。
一方、(B)を参照すると、普電サポート状態又は第3サブ表示器2580の反転が規制されている場合には、第3サブ表示器2580が反転しない第1、第2及び第8から第10演出動作が、信頼度の高い変動パターンに対応して実行される。
なお、特図変動表示ゲームの結果が大当りの場合には、信頼度の低い演出動作が選択されにくく、信頼度の高い演出動作が選択されやすくなっている。一方、はずれの場合には、信頼度の低い演出動作が選択されやすく、信頼度の高い演出動作が選択されにくくなっている。信頼度が中程度の演出動作は、信頼度の低い演出動作及び信頼度の高い演出動作がバランスよく実行されるように設定されている。
ここで、図151のフローチャートの説明に戻る。主制御用マイコン710は、態様選択テーブルがセットされると、セットされた態様選択テーブルから変動(演出)パターンに応じた予告態様を決定する(ステップB8305)。さらに、展開(示唆)予告演出の実行タイミング(予告タイミング)を特図変動表示ゲームの結果に応じて決定する(ステップB8306)。展開(示唆)予告演出の実行タイミングは、原則的にリーチ発生前となるが、特図変動表示ゲームの結果が大当りであることを示す演出動作の場合には、リーチ発生後としてもよい。
さらに、主制御用マイコン710は、展開(示唆)予告演出の予告態様と予告タイミングに応じて展開(示唆)予告演出の実行情報をセットする(ステップB8206)。その後、セットされた実行情報に基づいて展開(示唆)予告演出が実行される(図141のステップB1522)。
〔展開(示唆)予告演出例〕
続いて、展開(示唆)予告の具体例を図153から図155を参照しながら説明する。図153及び図154は、本発明の第2の実施の形態の通常遊技状態(反転可能)における展開(示唆)予告演出の一例を説明する図である。図153及び図154の(A)及び(B)は共通しており、特図変動表示ゲーム実行中であり、展開(示唆)予告演出実行前の状態を示している。ここでは、左部演出装置2500がスライド移動する典型的な4種類の演出動作について説明する。
まず、共通する(A)及び(B)の動作について説明すると、(A)では、まず、左部演出装置2500が移動を示唆するように、揺動する。このとき、第2サブ表示器1580では、左部演出装置2500の移動を示唆する画像が表示される。
その後、(B)に示すように、左部演出装置2500がメイン表示器35の中央までスライド移動し、展開示唆画像を第3サブ表示器2580に表示する。また、第2サブ表示器1580には、左部演出装置2500が移動したことを示す画像が表示される。なお、(E)に示すように、第3サブ表示器2580には、展開示唆画像の他に、次回定期演出までの時間がスライド移動時にも継続して表示されている。
また、左部演出装置2500がスライド移動すると、メイン表示器35で変動表示されている識別図柄が視認できなくなるので、移動に伴って変動表示領域を縮小又は移動させて識別図柄の変動表示の全体を視認できるようにしてもよい。さらに、左部演出装置2500はメイン表示器35の中央(中図柄変動領域の前方)までスライド移動しているが、左図柄変動領域又は右図柄変動領域の前方に移動させるようにしてもよい。また、左部演出装置2500の移動先を特図変動表示ゲームの信頼度に応じて決定するようにしてもよい。
(A)から(B)に遷移した後、(C1)から(D1)に遷移する場合について説明する。この場合は、左部演出装置2500がスライド移動した後、揺動し、反転せずに基準位置に戻る(C1)。さらに、(D1)に示すように、リーチは発生せず、その後、特図変動表示ゲームが終了し、はずれが確定する。また、第2サブ表示器1580には、期待度が低いことを示す画像が表示され、第3サブ表示器2580には、基準位置に戻った時点で元の表示内容が表示される。
次に、(A)から(B)に遷移した後、(C2)から(D2)に遷移する場合について説明する。この場合は、第2演出動作に対応し、左部演出装置2500がスライド移動した後、リーチの発生を示唆する展開示唆画像を表示する(C2)。このとき表示される展開示唆画像は、リーチ発生の有無だけでもよいし、発生するリーチの種類を示唆する画像を表示してもよい。その後、(D1)に示すように、左部演出装置2500が基準位置に戻り、リーチが発生する。また、第2サブ表示器1580には期待度が高いことを示唆する画像が表示され、第3サブ表示器2580には展開示唆画像が継続して表示される。なお、第3サブ表示器2580の表示は基準位置に戻った時点で元の表示内容に復帰させるようにしてもよい。
次に、(A)から(B)に遷移した後、(C3)から(D3)に遷移する場合について説明する。この場合は、第3及び第4演出動作に対応し、左部演出装置2500がスライド移動した後、右方向(正方向)に回転し、第3サブ表示器2580の裏面側の配置された裏面発光部が遊技者側に正対する(C3)。このとき、第3サブ表示器2580の出力は、そのまま維持されていてもよいし、メイン表示器35への映り込みを考慮して暗転表示状態(画像非表示)にしたり、明度を低下させた省エネ表示状態にしたり、表示器の電源をOFFにしたりしてもよい。反転時の第3サブ表示器2580の状態については、図156にて後述する。
さらに、第3サブ表示器2580が反転し、展開示唆画像が表示される(D3)。展開示唆画像は、例えば、リーチの種類(SP1リーチ又はSP2リーチ)を示唆する画像である。その後、左部演出装置2500は基準位置に戻り、示唆されたリーチ演出(発展変動)が実行される。
なお、(C1)において、第3サブ表示器2580の回転方向が逆の場合には、第5及び第6演出動作に対応し、示唆されるリーチの種類はSP3リーチ又はSP4リーチとなる。
最後に、(A)から(B)に遷移した後、(C4)から(D4)に遷移する場合について説明する。この場合は、第7演出動作に対応し、左部演出装置2500がスライド移動した後、左方向(逆方向)に回転し、第3サブ表示器2580の裏面側の配置された裏面発光部が遊技者側に対する(C4)。さらに、第3サブ表示器2580が反転し、大当りであることを示す展開示唆画像が表示される(D4)。その後、左部演出装置2500は基準位置に戻り、リーチ演出又は大当りであることが確定したことを示す演出(発展変動)が実行される。なお、左部演出装置2500の反転方向は正方向であってもよい。
以上のように、基準位置からスライド移動する前には揺動する移動示唆演出(予兆演出)を実行することによってスライド移動を示唆し、基準位置にもどるためのスライド移動を実行する前には揺動する移動示唆演出(予兆演出)を実行しないようにすることによって、メイン表示器35における演出が見づらくなることを防ぐことができる。
続いて、普電サポート中又は左部演出装置2500の反転が規制されている場合について説明する。図155は、本発明の第2の実施の形態の普電サポート状態(反転不可)における展開(示唆)予告演出の一例を説明する図である。
左部演出装置2500の反転が規制されている場合には、第2演出動作が選択された場合以外は、左部演出装置2500のスライド移動もせずに、(A)に示すように、左部演出装置2500が揺動することによって展開(示唆)予告演出が示唆される。
さらに、(B)に示すように、左部演出装置2500が基準位置に配置されたままの状態で展開示唆画像が表示される。遊技者は、透明な遊技板32を介して展開示唆画像を視認することができる。また、(B)の時点では、(D)に示すように、展開示唆画像に定期演出が実行されるまでの期間が表示されている。
最後に、(C)に示すように、リーチの種類が第3サブ表示器2580に示唆され、展開(示唆)予告演出が終了する。
ここで、左部演出装置2500の反転時における第3サブ表示器2580の表示画像について説明する。図156は、本発明の第2の実施の形態の展開(示唆)予告演出において、左部演出装置2500の反転時に第3サブ表示器2580に表示される画像を説明する図である。
(A)では、残時間、前回画像、次回画像、背景画像の少なくとも一つを含む画像をそのまま継続して表示する。(B)では、(A)で表示される画像の明度を低下させて電力消費を抑えながら表示する。(C)では裏向き時専用の画像を表示し、(D)では裏向き時専用の画像の明度を低下させて表示する。なお、表示画像を暗色にして表示することによって、比較的簡単な制御で表示画像の明度を下げることが可能となる。また、画像の明度を低下させるだけではなく、第3サブ表示器2580のバックライトの一部又は全部の輝度を低下させるようにしてもよい。
(B)や(D)の場合には、裏向き状態となった第3サブ表示器2580(第2表示手段)の表示(光や画像)が後方に位置するメイン表示器35(第1表示手段)に映り込んでしまってメイン表示器35の表示が見づらくなるなどの悪影響を抑制(与えにくくすることが)できるので、遊技の興趣を向上させることが可能となる。
(E)では、輝度を最低限まで低下させた黒表示又は画像を全く表示しない無表示にする。(F)では、第3サブ表示器2580の電源をオフに設定し、電力を消費しないようにしている。この場合でもメイン表示器35(第1表示手段)への映り込みを抑制することができる。
また、第3サブ表示器2580の装飾フレーム部材2573にLEDなどの複数の発光体が備えられている場合には、裏向き状態となっている間は、発光体の一部又は全部が発光しないように制御したり、発光体の一部又は全部の輝度を低下させるように制御したりしてもよい。なお、第3サブ表示器2580が表向き状態となっている間は、裏面発光部を消灯したり、輝度を低下させたりすると良い。
以上のように、遊技者から視認できない裏向き状態で、画像の明度や輝度を低下させたり、画像を非表示にしたり、表示器の電源を切断することによって消費電力を抑制することが可能となる。また、前回画像や背景画像等を継続して表示する場合には、画像の更新をせずに済むので制御負荷が軽減される。また、次回画像を表示する場合には、第3サブ表示器2580の表向き状態への回転タイミングを意識して画像を更新せずに済むので、タイミング制御が簡素化される。
〔ステップアップ予告演出〕
続いて、ステップアップ(SU)予告演出について説明する。ステップアップ予告演出は、左部演出装置2500がメイン表示器35の前方にスライド移動し、ステップごとの予告画像を表示する演出である。このとき、第2サブ表示器1580では、ステップアップ演出に対応したセリフ又は画像が表示される。ステップ数が多いほど期待度が高くなるように設定されている。
〔ステップアップ予告演出設定処理〕
図157は、本発明の第2の実施の形態のステップアップ(SU)予告態様設定処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、ステップ数選択テーブルをセットする(ステップB8401)。ステップ数選択テーブルは、ステップアップ予告演出におけるステップ数が変動(演出)パターンに応じて設定されている。図158は、本発明の第2の実施の形態のステップ数選択テーブルの一例を示す図である。図158を参照すると、大当りの期待度の高い変動パターンにステップ数が多くなるように設定されている。なお、本実施形態では、最大ステップ数は5に設定されている。
主制御用マイコン710は、セットされたステップ数選択テーブルから変動(演出)パターンに基づいて画像ステップアップ(SU)予告のステップ数を決定する(ステップB8402)。
さらに、主制御用マイコン710は、反転規制フラグが設定されているか否かを判定する(ステップB8403)。反転規制フラグが設定されている場合には(ステップB8403の結果が「Y」)、ステップB8408以降の処理を実行する。本実施形態のステップアップ予告は、左部演出装置2500の第3サブ表示器2580に各ステップに対応する画像が表示されるが、ステップアップ予告の実行中に第3サブ表示器2580が反転し、1又は複数のステップがスキップされるステップ飛ばし予告が実行される場合がある。反転規制フラグが設定されている場合、第3サブ表示器2580の反転が規制されているため、ステップ飛ばし予告の実行を規制する必要があり、反転規制フラグの有無を判定している。
主制御用マイコン710は、反転規制フラグが設定されていない場合には(ステップB8301の結果が「Y」)、実行中の特図変動表示ゲームの結果及び予告ステップ数に基づいてステップ飛ばし演出を実行するか否かを決定し(ステップB8404、ステップB8405)、ステップ飛ばし演出を実行しない場合には(ステップB8405の結果が「N」)、ステップB8408以降の処理を実行する。
主制御用マイコン710は、ステップ飛ばし演出を実行する場合には(ステップB8405の結果が「Y」)、予告ステップ数と変動(演出)パターンとに基づいて飛ばされるステップ数を決定する(ステップB8406)。さらに、予告ステップ数と飛ばされるステップ数に基づいて、飛ばされるステップを決定する(ステップB8407)。その後、ステップアップ予告演出に対応する決定事項に基づいて画像ステップアップ予告の実行情報をセットする(ステップB8408)。
続いて、主制御用マイコン710は、第2サブ表示器1580でセリフステップアップ予告を実行するか否かを決定するために、現在の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する(ステップB8409)。現在の遊技状態が通常遊技状態でない場合には(ステップB8409の結果が「N」)、本処理を終了する。通常遊技状態でない場合、すなわち、普電サポート状態では、第2サブ表示器1580で特2消化中保留演出が実行されるため、第2サブ表示器1580でセリフステップアップ予告を実行することができないためである。
主制御用マイコン710は、現在の遊技状態が通常遊技状態の場合には(ステップB8409の結果が「Y」)、セリフステップアップ予告を実行するか否かを抽選により決定する(ステップB8410)。そして、セリフステップアップ予告を実行するか否かを判定し(ステップB8411)、セリフステップアップ予告を実行しない場合には(ステップB8411の結果が「N」)、本処理を終了する。
一方、主制御用マイコン710は、セリフステップアップ予告を実行する場合には(ステップB8411の結果が「Y」)、セリフステップアップ予告の種類及び開始タイミングを決定する(ステップB8412)。このとき、画像ステップアップ予告の実行情報に応じてセリフステップアップ予告の種類や開始タイミングを決定するようにしてもよい。
最後に、主制御用マイコン710は、決定されたセリフステップアップ予告の種類や開始タイミングに対応するセリフステップアップ予告の実行情報をセットし(ステップB8413)、本処理を終了する。
〔ステップアップ予告演出例〕
続いて、ステップアップ予告の具体例を図159及び図160を参照しながら説明する。図159及び図160は、本発明の第2の実施の形態のステップアップ予告演出の一例を説明する図である。ステップアップ予告には、第3サブ表示器2580で実行される画像ステップアップ予告と、第2サブ表示器1580で実行されるセリフステップアップ予告とがある。画像ステップアップ予告とセリフステップアップ予告とは同時期に開始されたり時期をずらして開始されたりするが、一方だけしか行われない場合もある。
(A)は、実行中の特図変動表示ゲームでステップアップ予告が開始された状態を示している。ステップアップ予告の開始時には、セリフステップアップ予告として第2サブ表示器1580にステップアップ予告の開始を示唆する画像又はメッセージが表示される(ステップ1)。また、ステップアップ予告の開始時には第3サブ表示器2580を備えた左部演出装置2500が揺動(予兆演出(移動示唆演出)を実行)する。
その後、(B)に示すように、左部演出装置2500がメイン表示器35の前方にスライド移動し、第3サブ表示器2580にステップ1予告画像が表示され、画像ステップアップ予告が開始される。このとき、セリフステップアップ予告は、ステップ2に進み、対応するセリフが表示される。なお、図示を省略しているが、第3サブ表示器2580には、定期演出の次回実行時刻に関する情報は継続して表示されている。
なお、左部演出装置2500がメイン表示器35の前方にスライド移動すると、識別図柄の変動表示が遮られてしまうため、画像ステップアップ予告実行中は変動表示領域を縮小して全体が視認可能となるようにしてもよい。また、左部演出装置2500の移動先は、中図柄の変動表示領域(中変動表示領域)の前方に限らず、左変動表示領域や右変動表示領域の前方であってもよい。また、信頼度に応じて移動先を変更するようにしてもよい。さらに、ステップごとに移動させてもよいし、左変動表示領域の前方と右変動表示領域の前方とを往復しながらステップアップ予告を実行するようにしてもよい。このように、画像ステップアップ予告(ステップアップ表示演出)の実行を左部演出装置2500(演出表示手段)の演出動作によって盛り上げることができる。
画像ステップアップ予告のステップ数が1で終了する場合には、(B2)に示すように、左部演出装置2500が基準位置に戻り、リーチは発生せずに特図変動表示ゲームの結果がはずれとなる。このとき、右図柄は左図柄の±2以上の識別情報で停止する。
一方、(C)に示すように、画像ステップアップ予告がステップ2に発展すると、第3サブ表示器2580にステップ2予告画像が表示される。このとき、セリフステップアップ予告は、ステップ3に進み、対応するセリフが表示される。
画像ステップアップ予告のステップ数が2で終了する場合には、(C2)に示すように、左部演出装置2500が基準位置に戻り、低確率でリーチが発生する。このとき、右図柄は左図柄の±2以内の識別情報で停止し、リーチなし、ノーマルリーチ又はSP1リーチが発生する。
さらに、(D)に示すように、画像ステップアップ予告がステップ3に発展すると、第3サブ表示器2580にステップ3予告画像が表示される。このとき、セリフステップアップ予告は、ステップ4に進み、対応するセリフが表示される。
画像ステップアップ予告のステップ数が3で終了する場合には、(D2)に示すように、左部演出装置2500が基準位置に戻り、ほとんどの場合でリーチが発生する。
さらに、(E)に示すように、画像ステップアップ予告がステップ4に発展すると、第3サブ表示器2580にステップ4予告画像が表示される。このとき、セリフステップアップ予告は、ステップ5に進み、期待度が高いことを示すセリフが表示される。
画像ステップアップ予告のステップ数が4で終了する場合には、(E2)に示すように、左部演出装置2500が基準位置に戻り、必ずリーチが発生する(リーチに発展する)。
さらに、(F)に示すように、画像ステップアップ予告がステップ5に発展すると、第3サブ表示器2580にステップ5予告画像が表示される。本実施形態では、画像ステップアップ予告のステップ数が5に到達すると、ステップアップ予告は終了し、左部演出装置2500が基準位置に戻り、必ずSPリーチが発生する。
以上のように、左部演出装置2500をスライド移動させて第3サブ表示器2580にステップごとの予告画像を表示することによって、遊技者の目を引く画像ステップアップ予告を実行することが可能となっている。
〔ステップ飛ばし予告〕
以上説明したステップアップ予告では、各ステップでステップ予告画像を表示していたが、一部のステップを飛ばす(スキップする)ことによって遊技者に驚きを与えるなど、バリエーションに富んだ演出を実行可能なステップ飛ばし予告について説明する。本実施形態では、ステップを飛ばさない場合よりも予告時間が短くなるショートステップ飛ばし予告と、ステップを飛ばさない場合と予告時間が同じロングステップ飛ばし予告とが実行可能となっている。
図161A及び図161Bは、本発明の第2の実施の形態のショートステップ飛ばし予告の一例を説明する図である。図161Aは2ステップ分飛ばす場合、図161Bは3ステップ分飛ばす場合を示している。図161A及び図161Bのいずれの場合でもステップ数5のステップアップ予告となっている。なお、図161A及び図161Bに示す例では、セリフステップアップ予告は実行されないように構成されているが、画像ステップアップ予告のステップ飛ばしに対応してセリフステップアップ予告もステップ数の範囲内でステップ飛ばしを行うようにしても良い。
まず、図161Aを参照すると、通常のステップアップ予告と同様に、(A)及び(B)に示すように、画像ステップアップ予告がステップ2まで進行する。ここまでの動作は、前述したステップアップ予告と同様である。
そして、ステップ3に移行するタイミングで、(C)に示すように、左部演出装置2500が反転し、裏面発光部が視認可能な状態となり、第3サブ表示器2580の視認が規制される(第2状態)。このとき、1ステップ分の時間又はそれ以下の時間が経過するまで、左部演出装置2500を停止させたり、裏面発光部による演出を実行したりする。
その後、(D)に示すように、さらに、左部演出装置2500が反転し、第3サブ表示器2580が視認可能となる(第1状態)。このとき、ステップ5予告画像が表示され、ステップ3予告画像及びステップ4予告画像の表示がスキップされる。その後、通常のステップ数5のステップアップ予告と同様に、左部演出装置2500が基準位置までスライド移動し、SPリーチが実行される。
以上のように、ステップアップ予告においてステップアップする際に第3サブ表示器2580の視認が規制されることによって、ステップアップ予告の前後半を分割して実行することが可能となり、画像ステップアップ予告のステップアップ感を強調する(印象づける)ことが可能となる。
また、ステップ飛ばし予告を実行する場合に第3サブ表示器2580の視認が規制されるように動作させることによって、ステップ飛ばしを行わない画像ステップアップ予告との違いを遊技者が把握し易くなり、ステップアップ予告演出の演出効果を高めることができる。また、途中ステップの表示演出を飛ばすタイミングで第3サブ表示器2580の視認を規制することによって、ステップ飛ばしを違和感なく実行することが可能となる。
次に、図161Bを参照しながら3ステップ飛ばしのステップアップ予告について説明する。(A)に示すように、画像ステップアップ予告がステップ1まで進行すると、ステップ2に移行するタイミングで、(B)に示すように、左部演出装置2500が反転し、裏面発光部が視認可能な状態となる。このとき、図161Aの2ステップ飛ばしの場合と反対方向に左部演出装置2500が反転するようにしてもよいし、2ステップ飛ばしと3ステップ飛ばしとに両方向の反転動作を行わせるようにして反転方向の比率を変えるようにしても良い。
その後、(C)に示すように、さらに、左部演出装置2500が反転し、第3サブ表示器2580が視認可能となる。このとき、ステップ5予告画像が表示され、ステップ2〜ステップ4予告画像の表示がスキップされる。その後、通常のステップ数5のステップアップ予告と同様に、左部演出装置2500が基準位置までスライド移動し、SPリーチが実行される。
続いて、ロングステップ飛ばし予告について説明する。図162A及び図162Bは、本発明の第2の実施の形態のロングステップ飛ばし予告の一例を説明する図である。図162Aは2ステップ分飛ばす場合、図162Bは3ステップ分飛ばす場合を示している。なお、図162A及び図162Bに示す例でも、セリフステップアップ予告は実行されないようになっている。
(A)に示すように、画像ステップアップ予告が開始され、ステップ1まで進行すると、ステップ2に移行するタイミングで、(B)に示すように、左部演出装置2500が反転し、裏面発光部が視認可能な状態となる。
さらに、(C)に示すように、左部演出装置2500が揺動し、裏面発光部による発光や揺動と停止を繰り返すなどによって遊技者の期待感を高めるような演出(煽り演出)を実行する。ロングステップ飛ばし予告は、通常のステップアップ予告と同じ演出時間となるため、2ステップ分の時間を消費して煽り演出を実行する。
その後、(D)に示すように、左部演出装置2500が反転し、第3サブ表示器2580が視認可能となる。このとき、ステップ4予告画像が表示され、ステップ2及びステップ3予告画像の表示がスキップされる。その後、通常のステップ数4のステップアップ予告と同様に、左部演出装置2500が基準位置までスライド移動し、リーチ演出が実行される。
続いて、図162Bを参照すると、(A)から(C)までは図162Aと同じである。なお、(B)において左部演出装置2500が反転する方向をスキップされるステップ数に応じて変更するようにしてもよい。
煽り演出が終了すると、(D)に示すように、左部演出装置2500が反転し、第3サブ表示器2580にステップ5予告画像が表示され、ステップ2からステップ4予告画像の表示がスキップされる。その後、通常のステップ数5のステップアップ予告と同様に、左部演出装置2500が基準位置までスライド移動し、リーチ演出が実行される。
以上のように、本実施形態では、各ステップに対応する画像を表示する通常のステップアップ予告の他に、一部のステップをスキップするステップ飛ばし予告を実行可能に構成されている。図163は、本発明の第2の実施の形態の各種ステップアップ予告(ステップ数5)の演出実行時間を説明する図である。なお、通常のステップの時間は、一定の期間(所定期間)となっている。
(A)は、ステップ数5の通常の画像ステップアップ予告演出の実行時間を示している。各ステップで所定期間分の演出が実行される。
(B)及び(C)は、1ステップ飛ばし予告であり、(B)ではステップ2、(C)ではステップ3が飛ばされている。この場合、ステップの飛ばし期間は所定期間と同じであってもよいし、所定期間よりも短くてもよい。なお、ステップ4を飛ばす1ステップ飛ばし予告は実行されないようになっている。
(D)から(F)は、ショートステップ飛ばし予告であり、(D)ではステップ2及びステップ3、(E)ではステップ3及びステップ4、(E)ではステップ2からステップ4までのステップが飛ばされる。ショートステップ飛ばし予告では、前述のように、複数ステップを飛ばした場合であっても1ステップ分の所定期間だけ飛ばし期間が設定される。なお、飛ばし期間は1ステップ分の所定期間よりも短く設定してもよい。また、ショートステップ飛ばし予告の場合には、第3サブ表示器2580が表向きとなる前に左部演出装置2500が1回だけ揺動するように構成されている。
(G)から(I)は、ロングステップ飛ばし予告であり、(D)ではステップ2及びステップ3、(E)ではステップ3及びステップ4、(E)ではステップ2からステップ4までのステップが飛ばされる。ロングステップ飛ばし予告では、前述のように、ステップを飛ばさない場合と同じだけの飛ばし期間が設定される。このとき、飛ばされるステップ数に対応して左部演出装置2500が揺動する回数が設定される。なお、ロングステップ飛ばし予告では飛ばし期間が長く設定されているため、左部演出装置2500が揺動する回数が多くなるように設定してもよい。
〔ステップアップ予告演出変形例〕
さらに、ステップアップ予告の変形例について説明する。図164は、本発明の第2の実施の形態のステップアップ予告演出の変形例を説明する図である。
ステップアップ予告が開始されてから画像ステップアップ予告のステップ1が実行されるまでは、(A)及び(B)に示すように、図159に示した場合と同様である。(C)を参照すると、本変形例では、ステップアップ予告が終了する前に、第3サブ表示器2580にステップ1予告画像が表示された状態で左部演出装置2500が基準位置に戻るように制御される。このとき、セリフステップアップ予告の表示はステップ1に戻る。なお、画像ステップアップ予告が終了しない場合には、基準位置まで戻りきらないようにしてもよい。画像ステップアップ予告が終了する場合には、ステップアップ予告を終了する旨をセリフステップアップ予告として表示し、実行中の特図変動表示ゲームを継続する。
画像ステップアップ予告が継続する場合には、(D)に示すように、再び、メイン表示器35の前方にスライド移動し、ステップ2予告画像が表示される。このとき、第2サブ表示器1580にセリフステップアップ予告のステップ3に対応する表示がなされる。さらに、ステップアップ予告が継続する場合には、第3サブ表示器2580にステップ2予告画像が表示された状態で基準位置に戻る。
その後、(F)及び(G)に示すように、画像ステップアップ予告をステップ5まで進行させる。なお、本変形例においても、前述したステップ飛ばし予告を組み合わせるようにしてもよい。
〔第3サブ表示器反転時の表示例〕
本実施形態では、ステップ飛ばし予告演出の実行時には、左部演出装置2500が反転しているため、遊技者が第3サブ表示器2580を視認することができない。この場合における第3サブ表示器2580の表示について説明する。図165は、本発明の第2の実施の形態のロングステップ飛ばし予告演出において、左部演出装置2500の反転時に第3サブ表示器2580に表示される画像を説明する図である。図165では、ステップ2からステップ4までの3ステップが飛ばされる場合について説明する。
(A)では、反転中にも通常と同じステップごとの予告画像の表示が継続される。(B)では、(A)と同様に表示するが、明度を低下させ、消費電力を低減させる。第3サブ表示器2580の視認が規制されている状態であっても表示を継続することによって、表示制御が複雑になることを抑制することが可能となり、通常の画像ステップアップ予告とステップ飛ばし画像ステップアップ予告の表示演出の実行処理を共通(のモジュール)にすることが可能となる。また、反転前後で一連のムービーとなっているデータの表示(モーションデータによる表示)も可能となる。
さらに、(A)及び(B)の場合において、反転中には背景画像のみを非表示とするようにしてもよい。こうすることによって、反転中における描画処理の負荷を軽減することができる。
また、(A)又は(B)の場合には、反転中に遊技者が演出ボタン17を操作することによって第3サブ表示器2580が視認可能となるように戻してもよい。反転中にも予告表示を継続しているため、円滑に処理することが可能となる。また、遊技者の操作が介在することでステップアップ予告の演出効果を高めることができる。
(C)では、同じ予告画像に含まれる一部の情報を選択して表示する。(D)では、(C)と同様の表示内容で、かつ、明度を低下させる。(E)では、画像を表示せずに、黒表示又は無表示とする。(F)では、第3サブ表示器2580の電源を一時的にOFFに設定する。
一方、ショートステップ飛ばし予告演出では、1ステップ分の期間、遊技者が第3サブ表示器2580を視認できなくなる。図166は、本発明の第2の実施の形態のショートステップ飛ばし予告演出において、左部演出装置2500の反転時に第3サブ表示器2580に表示される画像を説明する図である。図166では、図165の場合と同様に、ステップ2からステップ4までの3ステップが飛ばされる場合について説明する。
(A)では、残時間、前回画像、次回画像、背景画像の少なくとも一つを含む画像を継続して表示する。(B)では、(A)で表示される画像の明度を低下させて電力消費を抑えながら表示する。
(C)では裏向き時専用の画像を表示し、(D)では裏向き時専用の画像の明度を低下させて表示する。(E)では、輝度を最低限まで低下させた黒表示又は画像を全く表示しない無表示にする。(F)では、第3サブ表示器2580の電源をオフに設定し、電力を消費しないようにしている。
ショートステップ飛ばし予告演出では、飛ばされたステップの表示を省略することができるので、画像ステップアップ予告を実行するための制御負荷を軽くすることができる。
また、第3サブ表示器2580とメイン表示器35とが対向している期間(第3サブ表示器2580が反転している期間)の長いロングステップ飛ばし予告演出の場合には、第3サブ表示器2580の演出画像の明度を低く設定し、ショートステップ飛ばし予告演出の場合には明度を高いままに設定(それまでと同じに維持)することによって、映り込みが気にならないような場合に低明度な表示を行わないことで制御が複雑になることを抑制することが可能となる。
また、第3サブ表示器2580が反転した後さらに反転して表側に戻った場合に、ステップを飛ばさないようにしてもよい(ガセステップ飛ばし)。例えば、ステップ1予告画像を表示した後、第3サブ表示器2580が反転し、その後、さらに反転して表側に戻った場合に、ステップ2予告画像を表示してもよい。このように構成することによって、バリエーションに富んだ演出を実行することができる。
以上のように、本実施形態によれば、ステップアップ予告演出の演出効果が高まり、遊技の興趣を効果的に向上させることが可能となる。なお、本実施形態では第3サブ表示器2580の裏向き状態への反転方向と前向き状態への反転方向を逆方向としているが、同一方向としても良い。
〔昇降予告演出〕
最後に、昇降予告演出について説明する。昇降予告演出は、下部昇降ユニット1100を構成する可動ユニット1110がメイン表示器35の前方で昇降し、実行中の変動表示ゲームの期待度を予告(示唆)する演出である。
〔昇降予告演出実行処理〕
図167は、本発明の第2の実施の形態の昇降予告態様設定処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する(ステップB8501)。通常遊技状態の場合には(ステップB8501の結果が「Y」)、遊技状態に応じた昇降予告の態様を選択するためのテーブルとして動作態様選択テーブル1をセットする(ステップB8502)。動作態様選択テーブル1の詳細については、図168(A)を参照しながら説明する。
一方、主制御用マイコン710は、遊技状態が通常遊技状態でない場合(ステップB8501の結果が「N」)、例えば、普電サポート状態の場合には、動作態様選択テーブル2をセットする(ステップB8503)。動作態様選択テーブル2の詳細については、図168(B)を参照しながら説明する。
図168は、本発明の第2の実施の形態の昇降予告演出の態様を説明する図であり、(A)は通常遊技状態における動作態様選択テーブル、(B)は普電サポート状態における動作態様選択テーブルを示す。
動作態様選択テーブルには、信頼度の高い変動パターンに対応して、信頼度の高い演出動作が設定されている。(A)に示す動作態様選択テーブル1を参照すると、変動パターンがノーマルリーチ以下の場合には下部昇降ユニット1100による演出を実行しない、又は、可動ユニット1110が揺動(予兆演出(移動示唆演出)を実行する)するのみの演出となる。
これに対し、変動パターンがSP1リーチの場合には、可動ユニット1110が揺動する演出の他、可動ユニット1110が短い距離(もしくは短い時間)だけ上昇するショート上昇が選択可能となっている。また、変動パターンがSP2リーチ又はSP3リーチの場合には、ショート上昇、又は、可動ユニット1110がショート上昇の場合よりも長い距離(もしくは長い時間)上昇するロング上昇が選択可能となっている。信頼度の高いSP4リーチの場合には、ロング上昇が選択される。
一方、(B)に示す動作態様選択テーブル2を参照すると、通常遊技状態の場合と同様に、変動パターンがノーマルリーチ以下の場合には可動ユニット1110による演出を実行しない、又は、可動ユニット1110が揺動するのみの演出となる。これに対し、変動パターンがSP1リーチ以上の場合には、ショート上昇又はロング上昇が選択される。
ここで、図167のフローチャートの説明に戻る。主制御用マイコン710は、動作態様選択テーブルがセットされると、セットされた態様選択テーブルから変動(演出)パターンに応じた昇降予告態様を決定する(ステップB8504)。さらに、昇降予告演出の実行タイミング(予告タイミング)を特図変動表示ゲームの結果に応じて決定する(ステップB8505)。昇降予告の実行タイミングは、リーチ発生前であってもよいし、リーチ発生後であってもよい。
最後に、主制御用マイコン710は、昇降予告演出の予告態様と予告タイミングに応じて昇降予告演出の実行情報をセットする(ステップB8506)。その後、セットされた実行情報に基づいて昇降予告演出実行処理において昇降予告演出が実行される(図141のステップB1524)。昇降予告演出実行処理の詳細については、図169にて後述する。
〔昇降予告演出実行処理〕
図169は、本発明の第2の実施の形態の昇降予告演出実行処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、昇降予告設定がなされているか、すなわち、昇降予告の実行情報が設定されているか否かを判定する(ステップB8601)。昇降予告の実行情報が設定されていない場合には(ステップB8601の結果が「N」)、本処理を終了する。
主制御用マイコン710は、昇降予告の実行情報が設定されている場合には(ステップB8601の結果が「Y」)、昇降予告の実行開始タイミング(予告開始タイミング)であるか否かを判定する(ステップB8602)。予告開始タイミングでない場合には(ステップB8602の結果が「N」)、ステップB8607以降の処理を実行する。
一方、主制御用マイコン710は、昇降予告の予告開始タイミングである場合には(ステップB8602の結果が「Y」)、動作態様に上昇動作が含まれるか、すなわち、ショート上昇又はロング上昇であるか否かを判定する(ステップB8603)。上昇動作が含まれていない場合には(ステップB8603の結果が「N」)、ステップB8607以降の処理を実行する。
主制御用マイコン710は、動作態様に上昇動作が含まれる場合には(ステップB8603の結果が「N」)、始動記憶の保留予告が実行中であるか否かを判定する(ステップB8604)。保留予告が実行中でない場合には(ステップB8604の結果が「N」)、ステップB8607以降の処理を実行する。
主制御用マイコン710は、始動記憶の保留予告が実行中である場合には(ステップB8604の結果が「Y」)、可動ユニット1110によって保留表示領域が視認できなくなることを避けるために、保留表示領域の移動をセットする(ステップB8605)。さらに、実行情報がセットされている昇降予告の開始をセットする(ステップB8606)。
続いて、主制御用マイコン710は、昇降予告が実行中であるか否かを判定する(ステップB8607)。昇降予告が実行中である場合には(ステップB8607の結果が「Y」)、予告動作の更新をセットする(ステップB8608)。
次に、主制御用マイコン710は、昇降予告を終了するか否かを判定する(ステップB8609)。昇降予告を終了しない場合には(ステップB8609の結果が「N」)、本処理を終了する。
一方、主制御用マイコン710は、昇降予告を終了する場合には(ステップB8609の結果が「Y」)、保留表示領域が移動中であるか否かを判定する(ステップB8610)。そして、移動中であれば(ステップB8610の結果が「Y」)、保留表示領域の復帰をセットし(ステップB8611)、本処理を終了する。
〔昇降予告演出例〕
続いて、昇降予告の具体例を図170から図172を参照しながら説明する。図170は、本発明の第2の実施の形態の始動記憶の保留予告が行われていない場合の昇降予告演出の一例を説明する図である。
(A)は特図変動表示ゲームが終了し、最先の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームを実行する直前の状態を示している。(B)は最先の始動記憶を消化し、特図変動表示ゲームが開始された状態を示している。(C)は実行中の特図変動表示ゲームにおいてリーチが発生した状態を示している。図170に示す例では、リーチ発生後に昇降予告が実行される。
(D)は昇降予告が開始され、可動ユニット1110が上昇した状態を示している。図170に示す例では、各始動記憶に対応する保留表示の色が「白」で保留予告が行われていないので、保留表示領域の前方まで可動ユニット1110が移動しても、保留表示領域が移動させずにそのままの位置で表示されている。このように、先読み予告を実行していない場合には、保留表示領域を移動させないことによって保留予告が実行中でないことを把握することが可能となる。また、移動させないことで表示処理に関する負荷を軽減することができる。
なお、可動ユニット1110によって遮蔽されている間は保留表示領域を非表示としてもよい。保留表示領域を非表示とすることで描画処理の負荷を軽減することができる。また、可動ユニット1110を透明部材によって構成することによって、遮蔽されている間も保留表示領域が視認可能となるようにしてもよい。
続いて、保留予告が行われている場合について説明する。図171は、本発明の第2の実施の形態の始動記憶の保留予告が可動ユニット1110の動作タイミングまでに行われる場合の昇降予告演出の一例を説明する図である。
(A)は図170(A)と同じである。(B)を参照すると、特図変動表示ゲーム開始時に、保留表示の内の一つが「白」から「青」に変化する保留予告が行われている。そこで、(C)に示すようにリーチが発生し、可動ユニット1110の上昇が開始されると、(D)に示すように、保留予告が実行されていることを遊技者が認識できるように、保留表示領域を移動させる。
保留表示領域の移動先は、上部演出装置400、右部演出装置1500、左部演出装置2500の動作によって遮蔽されない位置に移動させる。また、移動先の状態に応じて保留表示領域の形状を変更する。通常状態では特1保留表示領域と特2保留表示領域とが一直線上に表示されていたが、(D)に示すように、特1保留表示領域と特2保留表示領域とが2段に表示されるようになっている。
このように構成することによって、下部昇降ユニット1100の動作によって保留表示領域を視認できなくなる不都合を回避することが可能となり、遊技の興趣を向上させることが可能となる。また、先読み予告(保留予告)の実行中であることを遊技者に印象づけることが可能となる。
可動ユニット1110が下降し、昇降予告が終了すると、(E)に示すように、保留表示領域を元の位置に復帰させる。なお、実行中の特図変動表示ゲームが終了するまで移動したままの状態であってもよい。こうすることで保留表示領域が移動を繰り返すことによって保留予告が把握し難くなることを回避することが可能となる。
最後に、保留予告が行われている場合の変形例について説明する。図172は、本発明の第2の実施の形態の始動記憶の保留予告が可動ユニット1110の動作タイミングまでに行われる場合の昇降予告演出の変形例を説明する図である。
(A)及び(B)は図170(A)及び(B)と同じである。そして、(C)に示すように、特図変動表示ゲームにおいてリーチが発生する前に新たな始動記憶が発生し、さらに、新たに発生した始動記憶の保留表示が「白」から「青」に変化する保留予告が行われている。
図171に示した例では保留表示領域を移動させるように制御していたが、本変形例では、可動ユニット1110の動作(上昇)をさせずに、いずれかのサブ表示器を動作させることによって昇降予告を代替する。この場合、第1サブ表示器400、第2サブ表示器1580、第3サブ表示器2580のいずれを用いてもよいが、第1サブ表示器400が変動表示領域となっている普電サポート状態では、第1サブ表示器400を用いないようにする。
今回開示した実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した発明の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲での全ての変更が含まれることが意図される。