以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態の遊技用装置1の構成を示す正面図である。
遊技用装置1は、遊技機(パチスロ機)1a及びこれに隣接して設けられた遊技媒体貸出装置としてのカードユニット1bから構成される。
遊技機1aは、左側に蝶番を有し、この蝶番を軸として片開き形式に開閉自在な前面パネル3を備えている。前面パネル3の背面側には、変動表示装置(可変表示装置)を構成する変動表示手段としての3個のリール(第1リール4a、第2リール4b及び第3リール4c)が、回転自在に並んで配置されている。
各リール4a〜4cの外周面には、複数種類のシンボル(図柄)からなる図柄列が表わされている。リール4a〜4cはリール駆動部によって駆動され、互いに独立に回転する。リール駆動部は、例えば、ステッピングモータ(4Ma〜4Mc(図2参照))で構成される。そして、遊技機1aは、リール4a〜4cの回転によって変動表示ゲームを実行し、変動表示の停止結果が後述する有効ライン上において所定の表示態様(所定の図柄組合せ態様)となることによって、遊技者に所定の遊技価値を付与する。
前面パネル3の略中央には、リール4a〜4cの回転によって変動表示(可変表示)する図柄を遊技者に視認させるための表示窓部5が設けられている。リール4a〜4cが停止すると、表示窓部5からリール4a〜4cの外周面に表記された図柄列のうちそれぞれ3個の図柄が視認可能となる。つまり、リール4a〜4cが停止した状態で、表示窓部5から合計9個の図柄を視認することができる。
表示窓部5の上方には、補助ゲームが実行され、変動表示ゲームに関連する演出表示や情報表示を行う補助表示装置6が設けられている。補助表示装置6は、表示制御装置160(図2参照)によって制御され、表示内容を変動する。
補助表示装置6は、変動表示ゲームにおいて特定の入賞のフラグが成立したことを報知する(図14〜図16参照)。また、補助表示装置6は、特別遊技状態における遊技の実行時に、当該特別遊技状態中に獲得する遊技媒体(メダル)の予測値を遊技者に報知する(図17及び図18参照)。また、補助表示装置6は、遊技機1aとカードユニット1bとの接続状態に異常が発生した場合に、表示領域にその旨を表示する。
補助表示装置6の上方の左右には、音出力装置7としてのスピーカが設けられる。スピーカは、音制御装置170(図2参照)によって制御され、ビッグボーナス(BB)状態又はレギュラーボーナス(RB)状態の発生時に効果音を出力して、遊技の興趣を向上させる。
また、補助表示装置6の右部には、フラグ成立報知ランプ106が設けられる。フラグ成立報知ランプ106は、遊技制御装置100に接続され、変動表示ゲームにおいてビッグボーナス(BB)の入賞のフラグが成立したことを遊技者に報知する。
表示窓部5の下方には、払出枚数表示部8、遊技進行表示部9及びクレジット数表示部10が設けられている。払出枚数表示部8、遊技進行表示部9及びクレジット数表示部107は、セグメントLED又は液晶ディスプレイよって構成されている。
払出枚数表示部8は、入賞が確定することにより得られるメダルの払出枚数又は貸出ボタン13の操作によって遊技者へ貸し出されるメダルの払出枚数を表示する。また、払出表示部8は、遊技機1aの動作に異常(例えば、遊技機1aとカードユニット1bとの接続異常、メダル詰まり)が発生した場合に、予め設定したエラーコードを表示する。
遊技進行表示部9は、RB状態中の残りゲーム回数を表示する。クレジット数表示部10は、メダルのクレジット数を表示する。
また、表示窓部5近傍には、図示しない遊技状態表示部121(図2参照)が設けられている。遊技状態表示部121は、遊技機1aが遊技可能な状態であることを示し、リプレイ入賞の獲得及び現在実行中の遊技がリプレイ入賞後のリプレイゲームであることを示す「REPLAY」表示、遊技者がメダルを投入してスタートレバー22を操作してからリール4a〜4cの回転が開始するまで待ち時間があることを示す「WAIT」表示、メダルの投入を促す「INSERT MEDALS」表示によって構成される。
また、表示窓部5近傍には、図示しないベットライン表示部11(図2参照)が設けられている。ベットライン表示部11は、メダルの賭数(ベット数)に対応して有効化されたベットライン(有効ライン)を表示する。
メダルの賭数とは、遊技者が遊技のために投入したメダルの数、又は、予め遊技者が投入したメダルの記憶数(クレジット数)から減算されて遊技に使用されるメダルの数である。また、遊技を開始するために遊技者がメダルを投入したり、記憶数から減算したりする操作をベットという。なお、遊技媒体として、本実施の形態ではメダルを用いているが、遊技球を用いてもよい。
ベットライン表示部11は、例えば、「1」、「2」、「3」の3つのランプを備える。そして、例えば、賭数が1枚のときは、ベットライン表示部11の「1」のランプだけが点灯して、中段の横ラインだけが有効ラインであることを示す。賭数が2枚のときは、ベットライン表示部11の「1」と「2」のランプが点灯して、上段、中段、下段の3本の横ラインが有効ラインであることを示す。賭数が3枚のときは、ベットライン表示部11の「1」、「2」、「3」の全てのランプが点灯して、3本の横ラインと右下がり及び右上がりの2本の斜めライン(合計5ライン)が有効ラインであることを示す。
表示窓部5の左下方には、7セグメントLED又は液晶ディスプレイよりなる残高表示部12が設けられている。残高表示部12は、カードユニット1bに挿入されたプリペイドカードが保有する度数(例えば、100円で1度数)を表示する。なお、プリペイドカードとは、所定の金額(例えば、1000円、2000円、3000円、5000円)に相当する価値を有するカードである。
残高表示部12の下方には、遊技機1aからカードユニット1bへメダルの貸出を要求する貸出ボタン13及び残度数を有するプリペイドカードを後述するカード挿入口27から排出させるための返却ボタン14が設けられている。
貸出ボタン13を1回押圧操作することによって、残高表示部12の5度数が25枚(500円分)のメダルに変換されて貸し出される。なお、貸し出されたメダルは受皿26に排出してもよいし、実際に受皿26に排出することなくクレジット数表示部10のクレジット数に貸し出されたメダル数(25枚)を加算してもよい。
このとき同時に残高表示部12には引き落とされた後の度数が表示される。なお、クレジット数は所定の値(例えば、50)を限度として記憶される。よって、クレジット数がこの限度値に達すると、余剰のメダルは受皿26に排出される。
前面パネルの上半部と下半部の中間にある傾斜台部15には、右方にメダルを投入するメダル投入口16が設けられている。このメダル投入口16にメダルを投入すると、投入したメダル数がクレジット数表示部10のクレジット数に加算される。
なお、クレジット数が前述した限度値に達している場合は、投入されたメダルはクレジット数に加算されることなく受皿26に排出される。また、メダル投入口16へのメダル投入時に、賭数が最大ベット可能枚数(例えば、3枚)以下である場合は、投入したメダル数はクレジット数に加算されることなく、賭数として加算される。
傾斜台部15には、押圧操作によってクレジットしたメダルを1枚ずつベット可能な1ベットボタン17及び1回の押圧操作によって最大ベット可能枚数のメダルをベットするマックスベットボタン18が設けられている。マックスベットボタン18を操作すると、例えば、メダルがベットされていない場合は3枚のメダルがベットされ、メダルが1枚ベットされている場合は、さらに2枚のメダルがベットされる。
これらのベットボタン17又は18を用いることにより、メダル投入口16からメダルを投入することなく、クレジット数表示部10に表示されているクレジット数以内でメダルをベットすることができ、賭数に応じて有効ラインが設定される。
前面パネル3の下部には、四辺形状の化粧パネル20が設けられている。化粧パネル20の左上方には、メダルをクレジットとして記憶可能なクレジット状態とメダルをクレジットとして記憶不能な非クレジット状態のいずれか一方の状態を選択的に切換可能なクレジット選択ボタン21が設けられている。
クレジット選択ボタン21によってクレジット状態から非クレジット状態に切り替えられると、クレジット数表示部10に表示されたクレジット数に相当する数のメダルが受皿26に排出され、同時にクレジット数はクリアされて0になる。
クレジット選択ボタン21の右側には、リール4a〜4cの回転を一斉に開始させるためのスタートレバー22が設けられている。スタートレバー22の右側には、リール4a〜4cの回転を停止させ、停止図柄を導出させるためのリール停止ボタン23a〜23c(第1リール停止ボタン23a、第2リール停止ボタン23b、第3リール停止ボタン23c)が設けられている。
リール停止ボタン23a〜23cが操作されると、各ボタンに対応したリール4a〜4cがそれぞれ回転を停止する。なお、賭数が0の場合は、変動表示ゲームの開始条件を満たさないため、スタートレバー22を操作してもリール4a〜4cは回転しない。
各リール停止ボタン23a〜23cには、点灯によって各リール停止ボタン23a〜23cが操作可能な状態であることを報知する操作情報ランプが内蔵されている。これらの操作情報ランプが点灯していない間はリール停止ボタン23a〜23cが操作不能となり、操作情報ランプが点灯している間はリール停止ボタン23a〜23cが操作可能となるように制御される。
つまり、操作情報ランプが点灯していない間はリール停止ボタン23a〜23cを操作してもリール4a〜4cの回転は停止しない。なお、操作情報ランプの点灯色によって、リール停止ボタン23a〜23cが操作可能であるかを報知してもよい。
第3リール停止ボタン23cの右側には、メダル返却ボタン24が設けられている。遊技者は、メダル流下路内のメダル詰まり時に、メダル返却ボタン24を操作することによって、当該流下路に詰まったメダルが受皿26に返却される。
表示窓部5の左右にはそれぞれ、装飾用ランプ、LED等からなる装飾表示部25が設けられている。装飾表示部25は、BB状態又はRB状態の発生時に点灯することによって、遊技の興趣を向上させる。
また、化粧パネル20の下方には、前面パネル3の背面側にあるメダル払出部より払い出されたメダルを貯留可能な受皿26や、灰皿27が設けられている。
カードユニット1bは、中央にカード挿入口28が設けられている。カード挿入口28にプリペイドカードを挿入すると、当該カードが保有する有価価値に相当する度数が残高表示部12に表示される。そして、遊技機1a側の貸出ボタン13の操作により遊技者からメダルの貸出要求があると、相当するメダル数がクレジット数表示部10のクレジット数に加算され、又は、相当する数のメダルが受皿26に排出される。
また、遊技機1a側の返却ボタン14の操作により遊技者からプリペイドカードの排出要求があると、プリペイドカードに残度数高があれば、カード挿入口28にプリペイドカードを排出する。なお、残度数が0になったプリペイドカードは、カードユニット1b内部のカード収容部に取り込まれて初期化される。
このプリペイドカードに記憶されているデータは、有価価値(金額)に相当する情報でもよいし、遊技価値(メダル数)に相当する情報でもよい。また、有価価値又は遊技価値に相当する情報は、カードに直接書き込まれている情報でもよく、カードに記憶された符号(カードのID番号)に対応して管理装置等の外部装置に記憶されている情報であってもよい。
すなわち、カードリーダライタは、カードに記憶されている有価価値(金額情報)や遊技価値(メダル数)を直接読み出してもよいが、カードに記憶されているID番号を読み出して、読み出したID番号に対応して管理装置等の外部装置に記憶されている有価価値の送信を受けるように構成してもよい。
なお、カード挿入口28に挿入されるプリペイドカードは、磁気カードの他、ICカード等の記憶媒体を利用できる。また、カードのような四角形状ではなく、メダル形状、タグ形状等の記憶媒体であってもよい。この場合、カードユニット1bの所定箇所に記憶媒体を装着することによって、該記憶媒体がカードユニット1bに受け付けられ、カードユニット1bは該記憶媒体に記憶された内容を読み出すことができる。
図2は、本発明の実施の形態の遊技用装置1の制御系の一部を示すブロック図である。
遊技機1aの制御系統は、遊技機1a内部に配置される遊技制御装置100を主要な構成要素とする。遊技制御装置100は、遊技の総括的制御(遊技進行の制御処理及び各被制御装置の制御)を行う制御装置で、CPU101、ROM102、RAM103を備える遊技用マイクロコンピュータ104及び入出力インターフェース(I/F)105を備えている。
遊技機1aの遊技制御装置100には、接続端子板30を介して、カードユニット1bが接続されている。貸出スイッチ13A及び返却スイッチ14Aからの信号は、接続端子板30を介して、カードユニット1bに入力される。なお、貸出スイッチ13Aは、貸出ボタン13が操作されたことを検出するスイッチである。返却スイッチ14Aは、返却ボタン14が操作されたことを検出するスイッチである。
カードユニット1bは、貸出スイッチ13Aから信号が入力されると、遊技用マイクロコンピュータ104のCPU101に貸出要求信号を出力する。そして、CPU101は、RAM103に設けられたクレジット記憶領域に貸し出されたメダル数を加算する。さらに、クレジット数表示部10に、クレジット数が加算された表示制御信号を出力する。その後、遊技用マイクロコンピュータ104は、カードユニット1bに対して、貸出完了信号を出力する。
また、カードユニット1bは、貸出完了信号を受信すると、プリペイドカードの記憶内容から貸し出したメダル数に相当する度数を減算する。そして、減算されたプリペイドカードの度数の表示制御信号を、残高表示部12に出力し、残度数表示を更新する。そして、この一連の処理を1回行うことにより1度数分の有価価値がメダルに変換される。
カードユニット1bは、返却スイッチ14Aから信号が入力されると、カード挿入口27に挿入されたプリペイドカードを排出し、また、残高の表示を消す表示制御信号を残高表示部12に出力する。
遊技用マイクロコンピュータ104のCPU101は、演算部を備え、遊技制御のための各種演算処理を行う。また、CPU101は、変動表示ゲームにおいて、リール4a〜4cの図柄を、予め定められた特別な組合せ態様で停止させるか否かを決定する内部抽選用の乱数を生成する。そして、当該生成された乱数に基づいて内部抽選を行う。内部抽選における各入賞の当選確率は、投入するメダルの賭数によって変更され、賭数が多いほど当選確率が高くなるように制御する。
なお、CPU101のソフトウェア処理によって内部抽選用乱数を生成する代わりに、遊技制御装置100に乱数を発生する乱数発生器を設け、当該乱数発生器から出力される内部抽選用乱数を用いて内部抽選を行ってもよい。
この内部抽選の結果(入賞フラグの成立/未成立)は、演出制御装置150を介して表示制御装置160に送信され、前記抽選結果に基づいて補助表示装置6での補助ゲームの実行が制御される。
なお、補助ゲームが実行される確率も、投入メダルの賭数が多いほど高くなるようにして、内部抽選の結果に応じて補助ゲームを適当な頻度で実行できるようにしてもよい。また、補助ゲームを実行するか否かを決定する抽選は、CPU101で行うこともできるが、演出制御装置160で行ってもよい。
ROM102には、制御処理を実行するためのプログラムや制御データ(例えば、内部抽選用の判定値)が格納されている。RAM103はCPU101で生成される内部抽選用の乱数の記憶領域、その他各種データ(例えば、メダルのクレジット数、メダルの賭数、成立フラグ等)を一時的に記憶する記憶領域及びCPU101の動作に必要なデータが一時的に記憶される作業領域を備える。
入出力インターフェース(I/F)105は、ローパスフィルタやバッファゲートを介して、ベットスイッチ17A、18A、クレジット選択スイッチ21A、スタートレバースイッチ22A、各リール停止スイッチ(第1リール停止スイッチ23A、第2リール停止スイッチ23B、第3リール停止スイッチ23C)、各リール位置検出センサ110a〜110c、投入メダル検出センサ111、払出メダル検出センサ112、リセットスイッチ113、前面枠開放検出スイッチ114及び確率設定装置115から入力される信号を、CPU101に出力する。
また、入出力インターフェース105は、接続端子板30を介してカードユニット1bとの間で各種信号を送受信する。
1ベットスイッチ17Aは、1ベットボタン17が操作されたことを検出するスイッチである。マックスベットスイッチ18Aは、マックスベットボタン18が操作されたことを検出するスイッチである。クレジット選択スイッチ21Aは、クレジット選択ボタン21が操作されたことを検出するスイッチである。スタートレバースイッチ22Aは、スタートレバー22が操作されたことを検出するスイッチである。
リール停止スイッチ23A〜23Cは、リール停止ボタン23a〜23cのそれぞれに一対一で対応して設けられ、それぞれ対応するリール停止ボタン23a〜23cが操作されたことを検出するスイッチである。リール停止ボタン23a〜23cの操作がリール停止スイッチ23A〜23Cによって検出されると、各々対応したリール4a〜4cの回転が停止する。
リール位置検出センサ110a〜110cは、リール4a〜4cのそれぞれに一対一で対応して設けられ、それぞれ対応するリール4a〜4cの停止位置を検出するセンサである。投入メダル検出センサ111は、メダル投入口16から投入されたメダルを検出するセンサである。払出メダル検出センサ112は、メダルの払出枚数を検出するセンサであって、メダル払出部から払い出されたメダルを計数する。
リセットスイッチ113は、遊技機1aの遊技状態を初期化するスイッチである。前面枠開放検出スイッチ114は、前面パネル3が開放されたことを検出するスイッチである。
確率設定装置115は、遊技機1aの設定を切り替える装置である。設定は、入賞フラグが成立する確率が異なる1〜6の設定が用意されている。設定1は入賞フラグの成立確率が一番低く、設定値が大きくなるにつれ入賞フラグの成立確率は高くなるように切り替えることができる。なお、入賞フラグが成立する確率が異なることで、所定量の遊技をしたときに、遊技者が獲得することができるメダルの量が異なる。
入出力インターフェース105は、CPU101から出力される制御信号を、出力ポートやドライバを介して、リール用モータ4Ma〜4Mc、補助表示装置6、払出数表示部8、遊技進行表示部9、クレジット数表示部10、ベットライン表示部11、装飾表示部25、フラグ成立報知ランプ106、遊技状態表示部121、メダル払出部モータ122、フラグ成立報知ランプ106、外部信号出力部123及び演出制御装置150に出力する。
メダル払出部モータ122は、メダル払出部を駆動して、受皿26にメダルを払い出す。リール23a〜23cが停止して、入賞に対応する停止表示態様が有効ライン上に形成されると、遊技制御装置100からメダル払出部モータ122に対して払出指令信号が出力される。そして、当該信号に基づいてメダル払出部モータ122が駆動し、メダル払出部から受皿26に所定数のメダルが払い出される。
また、カードユニット1bから貸出要求信号が出力されると、当該信号に基づいてメダル払出部モータ122が駆動し、メダル払出部から受皿26に所定数のメダルが払い出される。
外部信号出力部123は、遊技機1aの稼動状況に関する各種信号を、例えば、ホール管理用コンピュータ等の遊技機1aを管理する外部の装置に出力する。遊技機1aの稼動状況に関する信号には、変動表示ゲームを実行する際に賭数として使用されたメダル数を特定する信号(賭数遊技媒体計数信号)、変動表示ゲームの結果として遊技者に賞として払いだされたメダル数を特定する信号(賞遊技媒体計数信号)、変動表示ゲームの実行回数を特定する信号(遊技実行回数信号)、BB状態であることを示す信号、RB状態であることを示す信号、ボーナスフラグ成立状態であることを示す信号等が含まれる。
なお、外部信号出力部123は、遊技状態がBB状態、RB状態、ボーナスフラグ成立状態のいずれかである場合にオンとなり、遊技状態がこれら3つの状態のいずれでもない通常状態である場合にオフとなる「ボーナス消化信号」も出力し、さらに、各入賞フラグの成立に関する情報を含むテスト用のデータ(検査用のデータ)を外部の装置に出力する。
また、賭数遊技媒体計数信号と賞遊技媒体計数信号は、遊技者が所有する遊技媒体(メダル)の数を計数するためのメダル数増減信号としても機能する。
演出制御装置150は、制御用CPU、RAM及びROMで構成され、遊技の実行、後述する入賞フラグ成立の報知、獲得予測枚数の表示及び補助ゲームの演出に関わる情報表示及び音出力を統括して制御する。例えば、1ベットスイッチ17A、マックスベットスイッチ18A又は投入メダル検出センサ111のいずれかから検出信号が検出されると、遊技制御装置100から賭入力(ベット)情報を演出制御装置150に送信する。
演出制御装置150は、当該情報を受信すると、補助表示装置6の演出表示の制御処理のために、表示制御信号を表示制御装置160に送信する。また、演出制御装置150は、音出力装置7から出力される効果音の制御処理のために、音制御信号を音制御装置170に送信する。また、演出制御装置150は、補助表示装置6の演出表示や音出力装置7からの出力も制御する。
表示制御装置160は、表示制御用CPU及びRAM、情報表示データを記憶するROMで構成され、演出制御装置150から送信された表示制御信号に基づいて、停止可能図柄の報知を構成する演出情報(演出パターン)を補助表示装置6に送信して表示させる。
音制御装置170は、音制御用CPU及びRAM、効果音データを記憶するROMで構成され、演出制御装置460から送信された音制御信号に基づいて、音出力装置7から遊技状態に対応した効果音や前記補助ゲームに応じた所定の演出音を出力させる。
なお、遊技制御装置100と演出制御装置150との間の通信は、遊技制御装置100から演出制御装置150への単方向にのみ制御信号が送信され、遊技制御装置100への不正な信号が入力されるのを防止している。
遊技機1aの電源装置(図示省略)は、電源回路のほかに、バックアップ電源回路124と停電監視回路(図示省略)とを備えている。
停電監視回路は、電源装置の所定の電圧降下を検出すると、遊技制御装置100及び演出制御装置150に対して停電検出信号とリセット信号とを順に出力するとともに、停電から復帰したことを示す信号(営業開始時に電源投入されたことも、この信号で知らされる)を出力する。遊技制御装置100は、停電検出信号を受けると所定の停電処理を行い、リセット信号を受けるとCPU101の動作を停止し、停電から復帰したことを示す信号を受けると遊技制御を開始する。
バックアップ電源回路124は遊技制御装置100のRAM103等にバックアップ電源を供給して、遊技データ(後述の賞停止可能状態が発生していることを示す情報含む)等に関する記憶内容を保持させる。
図3は、本発明の実施の形態の遊技機(パチスロ機)が備えているリール4に表わされる図柄の配列図である。
図3に示すように、本実施の形態では、左リール4aの配列番号0、2に位置する「赤7」、左リール4aの配列番号1、4、9、13、18に位置する「二重の楕円に囲まれた漢字の再」(以下、リプレイと称する)、左リール4aの配列番号3、5、8、12、17、20に位置する「ベル」、左リール4aの配列番号6、15に位置する「チェリー」、左リール4aの配列番号7、10、14、16に位置する「スイカ」、左リール4aの配列番号11に位置する「青7」、左リール4aの配列番号19に位置する「英字のBAR」(以下、BARと称する)の7種類の図柄が所定の規則に従ってリール上に配置されている。そして、リール4a、4b、4cを停止させたときに、有効ライン上に停止された図柄が図5に示す成立図柄列のいずれかを形成していれば、対応する役に入賞する。
図4は、本発明の実施の形態の遊技機(パチスロ機)の停止図柄(図柄組合せ態様)及び各遊技状態における入賞内容の説明図である。
本実施の形態の遊技機では、「ビッグボーナス(BB)入賞(赤7、青7、BAR)」、「レギュラーボーナス(RB)入賞」、「リプレイ入賞」、「小役入賞(チェリー、ベル、スイカ)」又は「ハズレ」のいずれかが内部抽選によって当選する。
BB入賞は、「赤7、赤7、赤7」、「青7、青7、青7」、「BAR、BAR、BAR」のいずれかが有効ライン上に停止表示された場合に確定される入賞で、メダルは払い出されないが、BB状態が発生する。なお、BB入賞となった場合には、一回のBBゲーム中における遊技者のメダルの獲得枚数が上限値を上回るまでBBゲームは継続する。一回のBBゲーム中における遊技者のメダルの獲得枚数が上限値を上回った場合は、BBゲームを終了して通常ゲームに移行する。
RB入賞は、BBのRBゲームにおいて「リプレイ、ベル、チェリー」が有効ライン上に停止表示された場合に確定される入賞で、メダルは払い出されないが、RB状態が発生する。なお、RB入賞となった場合には、12回のRBゲームが終了するか又は8回の小役入賞が獲得されるまでRBゲームは継続する。RBゲームの実行中に12回のRBゲームが終了するか又は8回の小役入賞が獲得された場合には、RBゲームを終了してBBゲームに移行する。
なお、RBゲームの実行中に一回のBBゲーム中における遊技者のメダルの獲得枚数が上限値を上回った場合には、RBゲームを中断して通常ゲームに移行する。
リプレイ入賞は、「リプレイ、リプレイ、リプレイ」が有効ライン上に停止表示された場合に確定される入賞で、リール停止後にリプレイゲームが行われる。このリプレイゲームでは、今回のメダル賭数が次回ゲームに持ち越されるので、メダルを新たにベットしなくともゲームを開始することができる。
小役入賞は、「ベル、ベル、ベル」、「スイカ、スイカ、スイカ」、「チェリー、ANY、ANY」(「ANY」部分はどんな図柄であってもよい)のいずれかが有効ライン上に停止表示された場合に確定される入賞で、小役入賞の種類に対応する枚数のメダルが払い出される。例えば、「ベル、ベル、ベル」のときは15枚、「スイカ、スイカ、スイカ」のときは6枚、「チェリー、ANY、ANY」のときは2枚のメダルが払い出される。
なお、本実施の形態の遊技機では、BB入賞である「赤7」、「青7」及び「BAR」はそれぞれ区別されて抽選、当選及び入賞確定する。
具体的には、BB当選は、BB図柄毎に区別して抽選され、内部抽選の結果BB図柄の「青7」に内部当選した場合は、「青7、青7、青7」のみが、ボーナスフラグ成立状態で揃えることのできる指定組合せとなり、同じBB入賞に属するが図柄の異なる他のBB図柄である「赤7」及び「BAR」については当選とはならず、指定組合せとはならないので揃えることはできない。従って、この場合「赤7」及び「BAR」は停止可能な図柄として扱われず、いかなるタイミングで停止操作が行われても「赤7」及び「BAR」によってBB入賞を獲得することができない。
同様に、「赤7、赤7、赤7」が指定組合せとなると、「赤7」のみがBB入賞を獲得することができ、「青7」及び「BAR」によってBB入賞を獲得することができない。また、「BAR、BAR、BAR」が指定組合せとなると、「BAR」のみがBB入賞を獲得することができ、「赤7」及び「青7」によってBB入賞を獲得することができない。
本実施の形態の遊技機においては、遊技制御装置100によってリールの停止制御が行われる。遊技制御装置100は、リール4a〜4cの回転時において、遊技者がリール停止ボタン23a、23b、23cを操作したタイミングから最大4コマ進んだ位置で、それぞれ対応するリール4a、4b、4cを停止させる。このため、遊技者がリール停止ボタン23a、23b、23cを操作したタイミングで有効ライン上にある図柄とそれ以降の4コマの中にフラグが成立した入賞に対応する図柄があれば、その図柄が強制的に有効ライン上に引き込まれて停止表示される。
つまり、連続する5コマの中に必ず存在する図柄は、遊技制御装置100による停止制御(引き込み制御)によって有効ライン上に停止表示させることができる。このため、このような図柄で形成される入賞は、フラグが成立したときにいかなるタイミングで停止操作を行っても獲得することができる。但し、フラグが成立していない図柄により形成される入賞が別の有効ラインで発生する場合には、この限りではない。
例えば、図3に示す図柄配列図では「ベル」は連続する5コマの中に必ず存在するので、「ベル」の小役入賞は小役入賞フラグが成立すると必ず獲得することができる。また、「リプレイ」も連続する5コマの中に必ず存在するので、リプレイ入賞はリプレイフラグが成立すると必ず獲得することができる。
一方、「ベル」の小役入賞及びリプレイ入賞以外の入賞は、特定の図柄を狙ってリール停止ボタン23a、23b、23cを操作(目押し操作)しなければ、遊技制御装置100による停止制御が行われても必ずしも獲得することはできない。
例えば、BB入賞のフラグが成立して、有効ライン上に「青7」を停止表示させる場合について説明する。まず、第1リール(左リール)4aには、点線Lで囲まれる図柄(配列番号11に対応する「青7」、配列番号12に対応する「ベル」、配列番号13に対応する「リプレイ」、配列番号14に対応する「スイカ」、配列番号5に対応する「チェリー」)のいずれかを有効ライン上に停止させるタイミングで第1リール停止ボタン23aを操作すれば、配列番号11に対応する「青7」が有効ライン上に停止する。しかし、前述した以外の図柄で第1リール停止ボタン23aを操作しても「青7」の図柄を有効ライン上に停止表示させることはできない。
同様に、第2リール(中リール)4bには点線C1で囲まれる図柄(配列番号4に対応する「青7」、配列番号5に対応する「リプレイ」、配列番号6に対応する「ベル」、配列番号7に対応する「BAR」、配列番号8に対応する「リプレイ」)のいずれかを有効ライン上に停止させるタイミングで第2リール停止ボタン23bを操作すれば配列番号15に対応する「青7」が有効ライン上に停止し、点線C2で囲まれる図柄のいずれかを有効ライン上に停止させるタイミングで第2リール停止ボタン23bを操作すれば配列番号16に対応する「青7」が有効ライン上に停止する。
また、第3リール(右リール)4cには点線Rで囲まれる図柄のいずれかを有効ライン上に停止させるタイミングで第3リール停止ボタン23cを操作すれば配列番号8に対応する「青7」が有効ライン上に停止する。このような目押し操作を行うことによって「青7」を有効ライン上に3つ停止表示させることができ、BB入賞を獲得することができる。
図5は、本発明の実施の形態の遊技機(パチスロ機)の各遊技状態と各入賞の成立フラグの成立確率との対応関係を示す説明図である。
本実施の形態の遊技機では、前述した停止図柄に内部抽選で当選することによって、各停止図柄に応じた入賞フラグが成立する。入賞フラグが成立した停止図柄を停止可能図柄とする。
BB入賞のフラグ成立確率は、「赤7」、「青7」、「BAR」別に、個別の確率が設定されており、順にP1、P2、P3となっている。P1とP2とP3の和は、設定によって異なり、概ね1/200〜1/400の範囲となる。但し、BB入賞の抽選が行われるのは通常状態に限られ、その他の状態ではBB入賞の抽選が行われないので、BB入賞フラグ成立中に別のBB入賞フラグが成立したり、BB状態やRB状態のときに再度BB入賞フラグが成立することはない。
RB入賞のフラグ成立確率は、通常状態では、BB状態の場合に1/1.2である。その他の状態では、RB入賞のフラグ成立確率は0であって、RB入賞は発生しない。
リプレイ入賞のフラグ成立確率は、通常状態、ボーナスフラグ成立状態及びBB状態では1/7.3である。RB状態では、リプレイ入賞のフラグ成立確率は0であって、リプレイ入賞は発生しない。
ベル入賞のフラグ成立確率は、通常状態、ボーナスフラグ成立状態及びBB状態では1/13である。RB状態では、ベル入賞のフラグ成立確率は1/1.2であって、ベル入賞が非常に高確率で発生する。
また、スイカ入賞のフラグ成立確率は、全ての状態において1/80である。チェリー1ライン(2枚)入賞のフラグ成立確率は、全ての状態において1/120である。チェリー2ライン(4枚)入賞のフラグ成立確率は、全ての状態において1/360である。
図6は、本実施の形態の遊技機(パチスロ機)における遊技状態の状態遷移図である。
遊技状態は通常状態、ボーナスフラグ成立状態、BB状態、RB状態の4つに大別される。通常状態においては、遊技者による所定数(通常1〜3枚)のメダルの投入操作、あるいはクレジットからの賭けボタン操作(ベット操作)に基づく賭数の入力後、スタートレバー22を操作することによってリールが回転して可変表示ゲームが開始すると共に、ゲーム毎に内部抽選が行われる。
遊技者がスタートレバー22を操作して、直ちにリールが回転を開始しない場合があり、この時間を「ウェイトタイム(待ち時間)」という。この「ウェイトタイム」は、連続して遊技がされた結果、遊技者が過剰に遊技価値を浪費しないように、所定時間内の実行可能ゲーム数を制限するために設けられているものである。
そして、この遊技機には、ゲームの実行に関連して各種入賞に当選するか否かの抽選を予め行う機能(内部抽選機能)が備えられており、スタートレバー22の操作によって、内部抽選用の乱数に基づいて内部抽選が行われる。この内部抽選に当選した場合に入賞フラグが立てられ、所定の入賞役(入賞態様)の発生が許可される。
すなわち、内部抽選に当選し、入賞フラグが立てられた場合に限り、所定の図柄が有効ライン上に停止して入賞態様を形成することを許可され、極力入賞を獲得できるようにリール制御が行われる。このように、内部抽選によって、BB入賞、RB入賞、小役入賞、リプレイ入賞、ハズレのいずれかが決定される。
可変表示ゲームでは、遊技者の停止操作によって狙った図柄が確実に停止するのではなく、遊技機の制御手段の制御処理で許可された図柄の組合せのみが遊技者の操作により停止可能に構成されている。遊技制御装置100が、例えばスタートレバー操作をきっかけとするタイミングで乱数を抽出し、その乱数を判定した結果に基づいていずれかの入賞役(入賞フラグ)の発生を許可するか否かを決定する処理を行い、こうした決定に基づく図柄の組合せのみが遊技者の操作により停止可能となっている。
BB入賞とは、高確率で小役入賞を獲得しやすい小役ゲームと高確率でRB入賞を獲得しやすいRBゲームとを所定の条件を満たす間遊技できるビッグボーナス(BB)状態を発生させる入賞態様である。
RB入賞とは、高確率で小役入賞を獲得しやすい小役ゲームを所定の条件を満たす間遊技できるレギュラーボーナス(RB)状態を発生させる入賞態様である。
小役入賞とは、比較的少量(例えば15枚以下)のメダルが払い出されるのみの入賞態様である。リプレイ入賞とは、メダルをベットすることなく再度ゲームが可能となる入賞態様である。
特に、BB入賞やRB入賞は、遊技者に有利な特別遊技状態(BB状態、RB状態)を導出する特定入賞と称される。この特別遊技状態では、小役入賞に比較して大量(例えば、100枚以上)のメダルの獲得が期待できる。
そして、リールの回転(図柄の可変表示)は、遊技者が各リールに対応して各々備えられたリール停止ボタン23a、23b、23cを操作することにより又は一定時間後に自動的に、各リールの回転を順次停止して、停止表示態様が確定する。そして、リールが停止した際に、前記賭数に応じて有効化された有効ライン上に形成された図柄の組合せ態様が、予め定められた所定の組合せ態様(入賞態様)となった場合に入賞が確定し、入賞種類に対応して利益(メダル)が遊技者に付与される。
具体的には、通常状態での内部抽選の結果、BB入賞のフラグが成立すると、遊技状態はボーナスフラグ成立状態(賞停止可能状態)となり、リール停止ボタン23a、23b、23cを操作することにより、停止表示態様が所定の図柄組合せ態様(例えば「青7、青7、青7」)となることが可能となる。
そして、停止表示態様がこの図柄組合せ態様になるとBB状態に移行しビッグボーナスゲーム(小役ゲーム+レギュラーボーナスゲーム)が開始される。BB状態でメダルの払出数が後述する最大払出数に到達した後は通常状態に移行し、通常ゲームが再開される。
また、BB状態での内部抽選の結果、RB入賞のフラグが成立すると、遊技状態はボーナスフラグ成立状態となり、リール停止ボタン23a、23b、23cを操作することにより、停止表示態様が所定の図柄組合せ態様(例えば「リプレイ、ベル、チェリー」)となることが可能となる。
そして、停止表示態様がこの図柄組合せ態様になるとRB状態に移行しレギュラーボーナスゲームが開始される。RB状態でメダルの払出数が後述する最大払出数に到達した場合は通常状態に移行し、通常ゲームが再開される。また、RB状態でレギュラーボーナスゲームの終了条件が成立した場合はBB状態に移行し、ビッグボーナスゲームが再開される。
内部抽選により特定入賞であるBB入賞に当選した場合には、そのゲームで入賞態様が形成されなくても、ボーナスフラグ成立状態を次回の可変表示ゲームに持ち越す(BB入賞のフラグは消滅させない)。
また、可変表示ゲームを実行した結果、停止態様が特定入賞となる組合せ態様とならずにハズレあるいは小役の図柄停止状態となり、特定入賞が持ち越された場合に、一定条件の下で、補助表示装置6やフラグ成立ランプ106によって遊技者にビッグボーナス等の特定入賞のフラグが成立(特定入賞に当選し、賞停止可能状態へ移行)したことを報知する。これによって、遊技者は以降の可変表示ゲームでビッグボーナス等の図柄を真剣に揃えるようになるため遊技に集中して興趣が向上する。
なお、フラグ成立の報知は、リール4a〜4cに通常では出現しない予め定められた組合せ態様(リーチ目)を形成し、このリーチ目の停止態様が出現することによって、遊技者にビッグボーナス等の特定入賞のフラグが成立(特定入賞に当選し、賞停止可能状態へ移行)したことを報知してもよい。
また、小役の入賞フラグが成立したときに、特定の停止順で遊技者がリールの停止操作をした場合にのみ、この小役に対応する図柄が停止し、特定の停止順以外で遊技者が停止操作をした場合には小役が成立せずに、この小役の入賞フラグは消滅するようになっている。
一方、内部抽選に当選しなかった場合(入賞フラグ不成立)は、遊技者がいかなるタイミングでリールの停止操作を行っても、所定の図柄が有効ライン上に停止して入賞態様を形成しないようにリール制御が行われる。したがって、ビッグボーナス等のフラグが成立していなければ、遊技者がビッグボーナス等の図柄を狙って停止させようとしても、ビッグボーナス等の図柄で停止することはない。
また、前述したように、ビッグボーナスや小役のフラグは、停止図柄毎に定められており、例えばビッグボーナスの「青7」のフラグが成立している場合には、「青7」が賞停止可能であって、「赤7」及び「BAR」は賞停止可能ではない。従って、「青7」のフラグが成立しているときは、いかなるタイミングでリールの停止操作を行っても、「赤7」及び「BAR」では、入賞態様は形成されず、BB入賞を獲得することはできない。
すなわち、いつでもリール停止操作のタイミングが合えば入賞態様を形成することができるというものではなく、前記内部抽選に当選した上で当選した図柄にリール停止操作のタイミングが合ったときに限り、所定の入賞態様が形成されるようになっている。このように内部抽選結果に基づいてリールの停止制御を行うことにより、内部抽選の結果通りに遊技結果を制御することがある程度可能となる。
さらに、前述したように、BB入賞のフラグが成立して、ボーナスフラグ成立状態に移行し、BB入賞が可能な状態が発生しても、BB入賞となる組合せの図柄が停止できるタイミングでリールの停止操作を行わないと、BB入賞となる図柄が引き込まれない。
例えば、内部抽選によって「青7」が当選し、「青7」のBB入賞フラグが成立している場合、第3リール4cにおいては、図4の点線Rで囲まれる図柄のいずれかを有効ライン上に停止させるタイミングで、第3リール停止ボタン23cを操作しないと、「青7」が有効ライン上に停止しない。
しかしながら、BB入賞のフラグが成立している図柄が有効ライン上に停止しなくても、「青7」のBB入賞のフラグは消去されず、最終的に遊技者のリール停止ボタン23a〜23cの操作によって「青7」が入賞するまで、フラグの成立状態(ボーナスフラグ成立状態)が次以降の変動表示ゲームに持ち越されるようになっている。
なお、主ゲームを構成する3つのリール以外に別個に設けられた補助表示装置6によって主ゲームに関わる補助ゲームを演出するようにしてもよい。また、主ゲームを構成する3つのリール以外に、入賞種類を示唆する図柄の配置された第4のリールを設け、第4のリールを変動表示させるようにした補助ゲームを行ってもよい。これらの補助ゲームによって、リールで行われる主ゲームでは表現できない興趣性の高い演出ゲームを行うことができる。
また、リールを停止表示させたときに特定の入賞態様(特定入賞となる図柄組合せ態様)を形成できなくても、同時に行われていた補助ゲームで特定の結果を導出することで、特定入賞のフラグが成立したことを遊技者に報知してもよい。これによって、特定入賞のフラグの成立をリーチ目で報知した場合に比較して、遊技者がリールの停止表示態様として形成されるリーチ目を把握していなくても、補助ゲームの結果により特定入賞のフラグ成立を知ることができるので、遊技者が遊技に対して不公平感を感じることが少なくなる。
さらに、補助ゲームにおいてより興趣性の高い演出を行わせるために、複数の途中態様を用意して演出態様を段階的に発展させ、最終的に内部抽選の結果に応じた演出態様を導出するようにしてもよい。
図7は、本発明の実施の形態のカードユニット1bと遊技機1aの処理のフローチャートであり、カードユニット1bの制御部(図示省略)及び遊技機1aの遊技制御装置100で実行される。
まず、カードユニットの制御部は、遊技者によってカード挿入口28にプリペイドカードが挿入されて、遊技者の所持するプリペイドカードを取り込むと、プリペイドカードに記録されている情報を読み取って、カード残高を認識する(S101)。
次に、遊技者によるメダルの貸出操作、つまり、貸出ボタン13の操作が貸出スイッチ13Aによって検出されたか否かを判定する(S102)。貸出ボタン13が操作されていない場合は、ステップS104に処理が進む。
一方、貸出ボタン13が操作された場合は、遊技機1aに対してメダル貸出要求を行う遊技媒体貸出要求処理(S103)を行った後、ステップS104に処理が進む。
次に、プリペイドカードの残高が0であるか否かを判定する(S104)。カード残高が0である場合は、カードユニット1bが残高0のプリペイドカードを取り込んで回収し(S107)、その後、処理を終了する。一方、カード残高が0でない場合は、ステップS105に処理が進む。
次に、遊技者によってカードの返却操作、つまり、返却ボタン14の操作が返却スイッチ14Aによって検出されたか否かを判定する(S105)。返却ボタン14が操作されていない場合は、S102に処理が戻る。一方、返却ボタン14が操作された場合はカードを返却し(S106)、その後、処理を終了する。
一方、遊技機1aにおいては、まず、カードユニットの要求に応じて、前述したボーナスフラグの状態によって決定される数のメダルを貸し出す遊技媒体貸出処理を行い(S201)、続いて賭操作処理を行う(S202)。掛操作処理によって、遊技者が賭数とするメダルの数の入力を、ベットボタン17やマックスベットボタン18の操作により受け付ける。
次に、遊技者によって有効にベットが行われている(賭数が0でない)か、接続フラグ等の所定の条件が満たされているか等の、ゲーム開始可能条件が成立しているか否かを判定する(S203)。ゲーム開始可能条件が成立している場合には、ステップS204に処理が進む。一方、ゲーム開始可能条件が成立していない場合には、ステップS201に処理が戻る。
次に、変動表示ゲームの開始操作、つまり、スタートレバー22の操作がスタートレバースイッチ22Aによって検出されたか否かを判定する(S204)。スタートレバー22が操作されていない場合は、ステップS201に処理が戻る。
一方、スタートレバー22が操作された場合は、変動表示ゲーム処理(S205)を実行する。本処理については詳しくは図8にて後述する。変動表示ゲーム処理の実行終了後は、ステップS201に処理が戻る。
図8から図11は、本発明の実施の形態のサブルーチンの一つである変動表示ゲーム処理のフローチャートであり、メイン処理(図7)のステップS205から呼び出されて、遊技制御装置100で実行される。
遊技制御装置100は、遊技状態がいかなる状態であるかを判定する(S301)。BB状態である場合には、ステップS501(図10)に処理が進む。RB状態である場合には、ステップS601(図11)に処理が進む。ボーナスフラグ成立状態である場合には、ステップS313に処理が進む。通常状態である場合には、ステップS302に処理が進む。
ステップS301における判定の結果、ボーナスフラグ成立状態であった場合には、ボーナスフラグ成立状態における内部抽選を行い(S313)、ステップS311に処理が進む。
ステップS301における判定の結果、通常状態であった場合には、通常状態における内部抽選を行い(S302)、この内部抽選の結果がボーナス当選か否かを判定する(S303)。
ステップS303における判定の結果、ボーナスに当選していない場合には、当選小役(リプレイを含む)を決定し(S304)、リール4a〜4cの変動を開始し(S305)、遊技者によるリール停止ボタン23a〜23cの操作又は所定時間の経過に応じてリール4a〜4cを停止し(S306)、停止したリールの図柄に応じて役判定した後、メダルを払い出し、賭数をクリアする処理を行う(S307)。その後、メイン処理(図7)に復帰する。
一方、ステップS303における判定の結果、ボーナス当選した場合には、ホール管理コンピュータに通常状態以外の状態であることを通知する「ボーナス消化信号」をオン出力し(S308)、当選内容に応じたBBの停止図柄に該当するボーナスフラグ(「赤7」、「青7」、「BAR」のいずれかの成立フラグ)をセット(S309)する。
次に、ボーナスフラグ成立状態における賭数として投入したメダルの累計数を計数する回収枚数カウンタと、ボーナスフラグ成立状態における賞として払い出されたメダルの累計数を計数する払出枚数カウンタと、ボーナスフラグ成立状態における遊技の実行回数を計数する遊技回数カウンタを0にする(S310)。
次に、当選小役を決定する(S311)。ここで、S309又はS313によって、既にボーナスフラグ成立状態であるため、BB図柄の入賞と重複して、小役(リプレイを含む)が当選する場合がある。
次にリール4a〜4cの変動を開始し(S312)、ステップS311において決定された当選役がリプレイであるか否かを判定する(図9のS401)。
この場合、BB図柄の入賞と重複してリプレイが当選していることになり、本実施の形態では、重複当選時のリール4a〜4cの変動停止における引き込みの優先順序を「リプレイ」、「BB」、「小役」の順に設定しているので、リプレイをBBに優先して引き込む。このためステップS401で、まず当選役がリプレイであるか否かを判定している。なお、引き込みの優先順序はこれに限らず、BB図柄を最も優先してもよく、又はBB図柄を最も劣後させてもよい。
決定された当選役がリプレイである場合には、第1リール4a〜第3リール4cにリプレイを引き込んで停止する(S402〜S404)。
ここで本実施の形態では、リプレイは、第1リール4a〜第3リール4cのいずれにも、連続する5コマにおいて必ず一つ以上配置されているため(図3参照)、リプレイが当選すると、いかなるタイミングで停止操作がされても、必ずBB図柄より優先されてリプレイが引き込まれることになる。
その後、遊技回数カウンタを+1して更新する処理を行い(S405)、その後、ステップS411に処理が進む。
一方、決定された当選役がリプレイでない場合には、前述したように本実施例では、引き込みの優先順序はリプレイ、BB、小役であるので、第1リール4a〜第3リール4cに当選したBB図柄を決定された当選小役の図柄に優先して引き込んで停止し(S406〜S408)、停止したリールの図柄に応じて役判定した後、メダルを払い出し、回収枚数カウンタに賭数を加えた後に賭数をクリアし、払出枚数カウンタにメダルの払い出し数を加え、遊技回数カウンタを+1して更新する処理を行う(S409)。
次に、ステップS409における役判定の結果、BBが発生しているか否か(有効ライン上に、「赤7」、「青7」、「BAR」の図柄が揃って停止したか否か)を判定する(S410)。BBが発生していない場合には、後述する図13において説明するように、BBのボーナスフラグ成立を報知するか否かを判断し、報知すると判断した場合には、フラグ成立をフラグ成立報知ランプ106及び、後述する図14から図16において説明するように、補助表示装置6によって報知し(S411)、その後、メイン処理(図7)に復帰する。
一方、BBが発生した場合には、後述するビッグボーナス発生状況の来歴情報を、来歴情報テーブル1200(図12参照)に記憶し(S412)、ボーナスフラグをクリアする(S413)。
次に、払出枚数カウンタの上限値を決定する(S414)。この払出枚数カウンタの上限値は、当該BB状態におけるメダルの払出数の上限値を意味し、予め定められた標準上限値(例えば、メダル365枚)に、当該BB状態が発生する直前のボーナスフラグ成立状態(当該BBフラグ成立から当該BBに入賞するまでの状態)にて遊技者が減らしてしまったメダルの数を加算して算出する。
この上限値の算出方法を式で表すと、当該BB状態が発生した時点での払出枚数カウンタの上限値をU、標準上限値をUS、回収枚数カウンタの値をC、払出枚数カウンタの値をPとすれば、
U=US+C−P …(1)
となる。
このように、BBフラグ成立から入賞までに遊技者が減らしてしまったメダル数に応じて払出枚数の上限数を増加させるので、BBフラグ成立からBB入賞までの、遊技者が技量に優れないことによるメダルの損失を適切に補填することができる。
なお、ボーナスフラグ成立状態の間に遊技者が減らしてしまったメダルの数(減少遊技媒体数)は、回収枚数カウンタの値と払出枚数カウンタの値との差によって正確に算出できるが、減少遊技媒体数が回収枚数カウンタの値にほぼ比例する関係であれば、回収枚数カウンタの値に所定の係数を掛け合わせて、減少遊技媒体数を推定することが可能である。同様に、減少遊技媒体数が遊技回数カウンタの値(ボーナスフラグ成立状態における遊技の実行回数)にほぼ比例する関係であれば、遊技回数カウンタの値に所定の係数を掛け合わせて、減少遊技媒体数を推定することも可能である。
つまり、払出枚数カウンタの上限値を決定するステップS414の処理は、回収枚数カウンタの値に所定の係数を掛けた値を、払出枚数カウンタの上限値Uとして設定したり、遊技回数カウンタの値に所定の係数を掛けた値を、払出枚数カウンタの上限値Uとして設定するような処理で代用しても良いことになる。
従って、ボーナスフラグ成立状態の間は、本実施の形態のように、回収枚数カウンタと払出枚数カウンタの両方を計数せずに、回収枚数カウンタのみを計数するだけでも、あるいは遊技回数カウンタのみを計数するだけでも、これらの計数結果に基づいて、払出枚数カウンタの上限値を設定することが可能であるといえる。
そこで、本発明では、ボーナスフラグ成立状態中における回収枚数カウンタ、払出枚数カウンタ、遊技回数カウンタ等の値を含め、ボーナスフラグ成立状態の間に遊技者が減らしてしまったメダルの数(減少遊技媒体数)を特定可能な値(推定可能な値を含む)全般を、消費数として定義するものとする。
次に、今回新たに発生したBB状態において、改めて遊技者が所有するメダルの数の増減を計数するために、回収枚数カウンタ、払出枚数カウンタ及び遊技回数カウンタを0にする(S415)。
次に、獲得予測枚数を演算して表示する(S416)。獲得予測枚数とは、今回発生したBB状態の開始から、当該BB状態の終了までの間において、遊技者が所有するメダルの枚数がどれだけ増加するのかを予測して示すものである。BB状態が発生した時点では、ステップS414で設定した払出枚数カウンタの上限値を、予め定められた1ゲーム当りの払出枚数期待値(例えば、12.2枚)にて除することにより、当該BB状態にて実行されるゲームの回数が推定できるので、このゲームの回数の推定値と、1ゲーム当りのメダルの増減枚数期待値とを掛け合わせれば、獲得予測枚数を算出することができる。なお、、1ゲーム当りの払出枚数期待値が12.2枚であれば、1ゲーム当たりの賭数3枚を引いた9.2枚が1ゲーム当りのメダルの増減枚数期待値になる。
但し、BB状態が開始して何ゲームかを経過すると、BB状態が発生した時点での獲得予測枚数と、実際に増加するメダルの枚数との乖離が発生する。そこで、BB状態にて1ゲーム実行される毎に、その時点での払出枚数カウンタ及び回収枚数カウンタの値を用いて、獲得予測枚数を算出しなおしている。
これを、式で表わすならば、獲得予測枚数をG、払出枚数カウンタの値をP、回収枚数カウンタの値をC、払出枚数カウンタの上限値をUとすると、
G=P―C+k×(U−P) …(2)
となる。
ここでkは、前述した1ゲーム当り払出枚数期待値をPMとしたときの、
k=1−(1ゲーム当り賭数(3枚))/PM …(3)
で算出される定数であり、
PM=1ゲーム当り増減枚数期待値(例えば、9.2枚)+1ゲーム当り賭数 …(4)
という関係になる。この1ゲーム当り増減枚数期待値は、遊技機毎に異なる値であり、予めROM102に記憶されている。
以上のように、遊技機1は補助表示装置6によって、払出枚数カウンタの上限値と1ゲーム当り増減枚数期待値とに基づいて、BB状態において遊技者が獲得できるメダルの数の予測値である獲得予測枚数を報知する。また、この獲得予測枚数を、BB状態の開始から現時点までの間に獲得したメダルの数と、1ゲーム当り増減枚数期待値とに基づいて補正する。
次に、遊技状態をBB状態に変更し(S417)、その後、メイン処理(図7)に復帰する。
ステップS301における判定の結果、BB状態であった場合には、BB状態における内部抽選を行い(S501)、当選小役及びRB入賞を決定し(S502)、リール4a〜4cの変動を開始し(S503)、遊技者によるリール停止ボタン23a〜23cの操作又は所定時間の経過に応じてリール4a〜4cを停止し(S504)、停止したリールの図柄に応じて役判定した後、メダルを払い出し、賭数をクリアし、更に、回収枚数カウンタに賭数を加え、払出枚数カウンタにメダルの払い出し数を加えて更新する処理を行う(S505)。
その後、払出枚数カウンタの値がステップS414で設定した上限値を上回っているか否かを判定する(S506)。払出枚数カウンタの値が上限値を上回っている場合には、ステップS511に処理が進む。一方、払出枚数カウンタの値が上限値を上回っていない場合には、獲得予測枚数を演算して表示する(S507)。なお、獲得予測枚数の演算は、図9のステップS416と同様であるため説明を省略する。
次に、ステップS505における役判定の結果、RBが発生しているか否かを判定する(S508)。RBが発生していない場合には、メイン処理(図7)に復帰する。一方、RBが発生した場合には、小役獲得カウンタ及び遊技実行カウンタを0にし(S509)、遊技状態をRBに変更し(S510)、その後、メイン処理(図7)に復帰する。
ステップS511では、ステップS308でオン出力されたボーナス消化信号をオフ出力する。ボーナス消化信号は、BBフラグ成立からBB状態終了までの間にオンとなる信号であるので、ホール管理コンピュータは、この信号がオンとなっている期間中のメダル数増減信号を計数することにより、BBフラグ成立からBB状態終了までの遊技者のメダルの数の増減を把握することができる。これにより、BB状態発生で遊技者が獲得できたメダルの数から、BB状態発生直前のBBフラグ成立状態で遊技者が消費してしまったメダルの数を差し引いた実質的なメダル獲得数を、複雑な演算を必要とせずに計数することができる。その後、遊技状態をRB状態に変更し(S512)、メイン処理(図7)に復帰する。
ステップS301における判定の結果、RB状態であった場合には、RB状態における内部抽選を行い(S601)、当選小役を決定し(S602)、リール4a〜4cの変動を開始し(S603)、遊技者によるリール停止ボタン23a〜23cの操作又は所定時間の経過に応じてリール4a〜4cを停止する(S604)。
その後、停止したリールの図柄に応じて役判定した後、メダルを払い出し、賭数をクリアし、遊技実行カウンタに+1し、回収枚数カウンタに賭数を加え、払出枚数カウンタにメダルの払い出し数を加え、更に小役に入賞した場合には小役獲得カウンタに+1して更新する処理を行う(S605)。
その後、払出枚数カウンタの値がステップS414で設定した上限値(比較値)を上回っているか否かを判定する(S606)。払出枚数カウンタの値が上限値を上回っている場合には、ステップS511(図10)に処理が進む。一方、払出枚数カウンタの値が上限値を上回っていない場合には、獲得予測枚数を演算して表示する(S607)。なお、獲得予測枚数の演算は、図9のステップS416と同様であるため説明を省略する。
なお、BB状態の間に遊技者が増やすことのできたメダルの数(増加遊技媒体数)が、払出枚数カウンタの値と回収枚数カウンタの値との差によって正確に算出される。そこで、ステップS606の処理を、この増加遊技媒体数と、ステップS414で設定した上限値との比較により、BB状態を終了させるか否かを判定するような方法にしてもよい。このような増加遊技媒体数を用いた比較を行えば、ボーナスフラグ成立中に遊技者が減らしてしまったメダルの数と、BB状態の間に遊技者が増やすことのできたメダルの数とを、全く同一にすることが可能となる。
但し、増加遊技媒体数を用いた比較の方法では、遊技者がBB状態発生中に故意に獲得数を減少させる等の異常な遊技方法を行えば、いつまでもボーナス状態を終了させないようにできてしまう。そこで、本実施の形態では、遊技機から賞として遊技者に付与されたメダルの累計数を上限値と比較することによりBB状態の終了を決定しているので、どんな遊技方法を試みてもBB状態が必ず終了するようになっている。
本発明では、BB状態中における回収枚数カウンタ、払出枚数カウンタ等の値を含め、BB状態の間に遊技者が増加させることのできたメダルの数(増加遊技媒体数)を特定可能な値(推定可能な値を含む)全般を、獲得数として定義するものとする。
次に、RBの終了条件が成立しているか否かを判定する(S608)。ここで、RBの終了条件は、小役獲得カウンタの値が8であるか又は遊技実行カウンタの値が12であるかのうち、いずれか一方が満たされることである。RBの終了条件が成立していない場合には、メイン処理(図7)に復帰する。一方、RBの終了条件が成立した場合には、遊技状態をBB状態に変更し(S609)、その後、メイン処理(図7)に復帰する。
なお、本実施の形態では、ステップS411におけるBBのボーナスフラグ成立は、フラグ成立ランプ106及び補助表示装置6によって行われるが(図14から図16参照)、これに限らず、他のランプ又は前述したリーチ目を用いてフラグ成立を報知してもよい。
また、ステップS411におけるBBの停止可能図柄の報知は、補助表示装置6によって行われるが(図14〜図16参照)、これに限らず、フラグ成立ランプ106やその他のランプ又は前述したリーチ目を用いて、停止可能図柄毎に対応する報知態様を定めて停止可能図柄を報知してもよい。
図12は、本発明の実施の形態の来歴情報テーブル1200を示す説明図である。来歴情報テーブル1200は、来歴情報(回収枚数カウンタ及び払出枚数カウンタによって算出されるBBフラグ成立中の遊技によるメダル数の増減に関する情報)と停止図柄とが関連付けられて構成されたテーブルであり、遊技機1aが備えるRAM103に記憶される。
来歴情報テーブル1200には、番号1201、停止図柄1202、遊技回数1203、回収枚数1204、払出枚数1205及び増減1206の各々を1つのレコードとして、BB状態が発生する毎に記録される。
番号1201は、BB状態が発生した順番である。停止図柄1202は、BB状態が発生したときにフラグが成立していたBBの停止図柄の種類である。
また、遊技回数1203は、当該BB状態が発生する直前のボーナスフラグ成立状態(当該BBフラグ成立から当該BBに入賞するまでの状態)にて実行された遊技の回数である。回収枚数1204は、当該ボーナスフラグ成立状態にて実行された遊技の賭数の合計である。払出枚数1205は、当該ボーナスフラグ成立状態にて実行された遊技によるメダルの払い出し数の合計である。増減1206は、当該ボーナスフラグ成立状態における遊技者の所有するメダル数の増減を表し、払出枚数1205と回収枚数1204との差である。これらの情報は、遊技機1の電源を切っても、バックアップ電源回路124(図2)により保持される。
図13は、本発明の実施の形態の報知実行判定テーブル1300を示す説明図である。報知実行判定テーブル1300は、前述したステップS411(図9)にて、BBフラグ成立時におけるBBフラグ成立を報知するか否かを判定する条件を示すテーブルであり、遊技機1aが備えるROM102に記憶されている。
報知実行判定テーブル1300には、増減の平均1301、報知実行条件1302(遊技回数1302a及び増減1302b)が関連付けられている。
CPU101は、この報知実行判定テーブル1300及び来歴情報テーブル1200のデータに基づいて、BBフラグ成立の報知のタイミングを決定する。
具体的には、まず、今回発生したボーナスフラグが「赤7」、「青7」、「BAR」のいずれの図柄であるのかを判定し、今回発生したボーナスフラグと同じ図柄のレコードを、来歴情報テーブル1200(図12)から抽出するとともに、抽出した各レコードに含まれる増減1206の平均値を算出する。例えば、今回発生したボーナスフラグが「赤7」であれば、来歴情報テーブル1200から、停止図柄が「赤7」となっているレコード(図12では、番号が「1」及び「2」となっている1行目、2行目が該当)を抽出し、各抽出レコードの増減1206の総和を、抽出レコード数で除して、1レコード当たりの平均値を算出する。
次に、算出した平均値が、報知実行判定テーブル1300(図13)の、増減の平均1301のどのグループに属するのかを判定し、そのグループの報知実行条件1302である遊技回数1302aと増減1302bとを抽出する。例えば、算出した平均値が−9.5枚あれば、増減の平均が「−12〜−8」となっているグループに属すると判定され、「遊技回数が5回以上」、「増減が−9枚以下」という条件が抽出される。
次に、前述したステップS411(図9)が実行された時点における遊技回数カウンタの値が、報知実行判定テーブル1300から抽出された遊技回数1302aの条件に合致するかを判定し、合致していればBBフラグ成立が報知される。又は、当該ステップS411が実行された時点における回収枚数カウンタと払出枚数カウンタとの差から、ボーナスフラグ成立状態において何枚のメダルが減少したかを算出し、この算出結果が報知実行判定テーブル1300から抽出された増減1302bに合致するかを判定し、合致していてもBBフラグ成立が報知される。いずれの条件にも合致しなければBBフラグ成立を報知しない。例えば、ボーナスフラグ成立状態が発生してから、4回の遊技が実行され、且つ、ボーナスフラグ成立状態中に10枚のメダルが減少している場合は、「遊技回数が5回以上」という条件には合致していないものの、「増減が−9枚以下」という条件に合致するために、現在のフラグの成立が補助表示装置6(図14から図16参照)及びフラグ成立報知ランプ106によってBBフラグ成立が報知されることになる。
このように、BBの停止図柄が複数種類ある場合には、ボーナスフラグ成立からボーナス獲得までの来歴を、BBの停止図柄の種類毎に記憶しておくことにより、それぞれの図柄の視認し易さの違い等から生じる目押しの難易度を数値化することができる。さらに、この難易度のばらつきを緩和するように報知タイミングを決定する処理を行っているので、停止図柄毎の目押しの難易度の格差が緩和される。そのため、停止図柄に関し得意不得意がある遊技者と、不得意がない遊技者との間の技術格差を減少させることができる。
図14から図16は、本発明の実施の形態のフラグ成立の報知時における補助表示装置6の表示内容の説明図である。
遊技機1aは、報知実行判定テーブル1300(図13参照)に示す報知実行条件が満された場合、補助表示装置6に、フラグ成立報知画像61及び停止可能図柄報知画像62a〜62cから構成されるフラグ成立図柄報知画面を表示することで、停止可能図柄を報知する。
「赤7」フラグが成立し、かつ、報知実行条件が満たされた場合には、補助表示装置6に、図14に示すように、BBフラグの成立を報知するフラグ成立報知画像61(例えば、「BONUS確定」の文字)及び停止可能図柄が「赤7」であることを報知する停止可能図柄報知画像62a(例えば、「赤7」の停止図柄)が表示される。
同様に、「青7」フラグが成立し、かつ、報知実行条件が満たされた場合には、補助表示装置6に、フラグ成立報知画像61及び停止可能図柄が「青7」であることを報知する停止可能図柄報知画像62b(例えば、「青7」の停止図柄)が表示される(図15)。また、「BAR」フラグが成立し、かつ、報知実行条件が満たされた場合には、補助表示装置6に、フラグ成立報知画像61及び停止可能図柄が「BAR」であることを報知する停止可能図柄報知画像62c(例えば、「BAR」の停止図柄)が表示される(図16)。
このように、フラグ成立報知画像61はBBフラグの成立を報知し、停止可能図柄報知画像62a〜62cは停止可能図柄を報知するので、遊技に慣れていない遊技者や技量に優れない遊技者にも配慮した遊技機を提供できる。
図17及び図18は、本発明の実施の形態の獲得予測枚数の表示時における補助表示装置6の表示内容の説明図である。
遊技機1aは、前述したようにステップS414において、BB状態が発生する直前のボーナスフラグ成立状態における遊技者のメダルの増減に基づいて、発生したBB状態の払出枚数カウンタの上限値を決定する。そして、この上限値に基づき、BB発生時(S416)、BB状態の遊技の実行後におけるメダルの払出時(S507)及びRB状態の遊技の実行後におけるメダルの払出時(S607)に、その都度、獲得予測枚数を演算しなおして、獲得予測枚数の表示を更新する。
図17は、BB状態発生時の獲得予測枚数の表示時(図9のS416参照)における補助表示装置6の表示内容の説明図である。
BB状態が発生した場合には、補助表示装置6に、図17に示すように、ボーナス状態が発生していることを報知するボーナス状態報知画像63(例えば、「BONUS GAME スタート」の文字)及び獲得予測枚数を表示する獲得予測枚数画像64a(例えば、「残り払出数 371枚 獲得完了枚数 0枚 獲得予測枚数 280枚」の文字)が表示される。ここで、残り払出枚数は、払出枚数カウンタの上限値と、現時点の払出枚数カウンタの値との差である。獲得完了枚数は、現時点における払出枚数カウンタと回収枚数カウンタとの差である。
図18は、BB状態中の獲得予測枚数の表示時(図10のS507及び図11のS607参照)における補助表示装置6の表示内容の説明図である。
BB状態が発生した場合には、補助表示装置6に、図18に示すように、ボーナス状態が発生していることを報知するボーナス状態報知画像63及び獲得予測枚数を表示する獲得予測枚数画像64b(例えば、「残り払出数 121枚 獲得完了枚数 175枚 獲得予測枚数 266枚」の文字)が表示される。この場合の獲得予測枚数は、前述した(2)の式を用いて算出される。
このように、本発明の実施の形態によれば、ボーナスフラグ成立状態が継続している期間中に遊技者が減らしてしまったメダルの数が、そのままボーナス状態において遊技者が獲得できるメダルの数に反映されるため、従来からある点数化する方法と比較して、遊技者のメダルの損失分と、ボーナス状態中に補填されるメダルとのバランスを適切に保つことが出来るように設計できる。
また、メダルの数の増減を消費数として用いるため、賞停止可能状態における遊技者の損得を正確に反映できる。すなわち、消費数に遊技機1が賞として排出した数を考慮せず、回収されたメダルの数の累計値とした場合や、実行されたゲーム数を基に算出した数とした場合では、賞停止可能状態でメダルが増えた場合に対処できない。しかし、かかる構成によって、メダルの数の増減を消費数として用いることで、賞停止可能状態における遊技者の損得を正確に反映できる。
さらに、賞として遊技者に付与されたメダルの数の累計を獲得数として用いている。これによって、例えば、遊技機1に回収されたメダルの数の累計値と遊技機1が賞として排出したメダルの数の累計値との差を獲得数とした場合、故意に獲得数を減少させる等の、異常な遊技方法によりいつまでもボーナス状態を終了させないようにできてしまうが、既に付与されたメダルの累計を獲得数とするのでボーナス状態中に獲得数が減少することがなく、ボーナス状態が必ず終了する。
また、遊技者が所有するメダルの減少数が僅かである間は、報知をしないことにより内部抽選で当選したBB図柄の種類を探す興趣を残し、遊技者が所有するメダルの減少数がある程度の数に達すると、当選したBB図柄を報知することによってBB状態へ移行し易くすることが可能となるため、興趣の向上を保ちつつ、遊技に慣れていない遊技者にも配慮した遊技機を提供できる。
また、BBの停止図柄が複数種類あって、それぞれの図柄の視認し易さの違い等から、それぞれの種類で目押しの難易度が異なる場合でも、過去の情報に基づいて難易度を評価し、難易度のばらつきを緩和するように報知タイミングが決定されるため、停止図柄毎の難易度の格差が緩和される。また、停止図柄に関し得意不得意がある遊技者と、不得意がない遊技者との間の技術格差を減少させることができる。
また、遊技者が所有するメダルの数の増減によって、ボーナス状態中に獲得できるメダルの数が可変であって一定でない本発明の遊技機1において、ボーナス状態中に獲得できるメダルの数の目安を遊技者に認識させることが可能となり、遊技者に親切な遊技機となる。さらに、予測値を常に補正して現実の値に近づけることで、メダルの獲得数の予測値と現実の値との乖離を最小にして遊技者に適切な予測結果を認識させることができる。
また、ボーナス消化信号及びメダル数増減信号を用いることで、ボーナス状態の発生によって遊技者が実質的に獲得したメダルの数を、ホール管理用コンピュータによって遊技場の管理者が把握でき、遊技者間の公平性を分析することができる。
なお、今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではない。また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲での全ての変更が含まれることが意図される。