JP5983535B2 - 燃料噴射弁 - Google Patents

燃料噴射弁 Download PDF

Info

Publication number
JP5983535B2
JP5983535B2 JP2013108323A JP2013108323A JP5983535B2 JP 5983535 B2 JP5983535 B2 JP 5983535B2 JP 2013108323 A JP2013108323 A JP 2013108323A JP 2013108323 A JP2013108323 A JP 2013108323A JP 5983535 B2 JP5983535 B2 JP 5983535B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel
spiral groove
needle valve
groove
swirl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013108323A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014227913A (ja
Inventor
小林 辰夫
辰夫 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2013108323A priority Critical patent/JP5983535B2/ja
Publication of JP2014227913A publication Critical patent/JP2014227913A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5983535B2 publication Critical patent/JP5983535B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)

Description

本発明は燃料噴射弁に関する。
近年、内燃機関に関し、CO低減及びエミッション低減のため、過給リーン、大量EGR及び予混合自着火燃焼の研究が盛んに行われている。これらの研究によると、CO低減及びエミッション低減の効果を最大限に引き出すには、より燃焼限界近傍において安定した燃焼状態を得る必要がある。また、石油燃料の枯渇化が進む中、バイオ燃料など多種の燃料でも安定して燃焼できるロバスト性が要求される。このような安定した燃焼を得るのに最も重要な点は混合気の着火ばらつきの低減や、斑のない均質で安定した燃焼が要求される。これには、微細な燃料噴霧でより気化し易くさせることや、噴霧粒径が均一であることが望まれる。
また、内燃機関の燃料供給において、過渡応答性の向上、気化潜熱による体積効率向上や低温での触媒活性化用の大幅な遅角燃焼のために燃焼室内へ燃料を直接噴射する筒内噴射方式が採用されている。ところが、筒内噴射方式を採用することにより、噴霧燃料が液滴のまま燃焼室壁に衝突して起こるオイル希釈や、PM(Particulate Matter)、スモークの発生が懸念される。
これらの現象に対処すべく、燃料弁から噴射される燃料に旋回流を付与することがある。燃料に旋回流を付与する燃料噴射弁として、例えば、特許文献1や特許文献2が知られている。特に、特許文献2には、燃料に旋回成分を付与することにより、噴射燃料中に微細気泡を取り込み、微細気泡を破裂させて噴射燃料の微粒化を図る燃料噴射弁が開示されている。
特開平11−117831号公報 国際公開2011/125201号公報
しかしながら、上記特許文献1や特許文献2に開示された燃料噴射弁では、ニードル弁の閉弁時にニードル弁のシート部が着座するノズルボディのシート面近傍に滞留する燃料、いわゆるデッド燃料が存在する。デッド燃料は、ニードル弁の閉弁時に一旦その流れが停止した状態となる。このため、ニードル弁の開弁初期において、デッド燃料には旋回成分が付与されておらず、燃料の燃料粒径が大きい液滴のまま、噴孔に導入され、噴射されることが想定される。すなわち、旋回成分が付与され難いデッド燃料は、微細気泡を取り込むことが困難であり、微細気泡が破裂することによる燃料の微粒化は期待し難い。また、ニードル弁開弁直後のデッド燃料の流速は遅いため、空気剪断による微粒化も困難である。
そこで本明細書開示の燃料噴射弁は、デッド燃料を微粒化することを課題とする。
上記課題を解決するために本明細書開示の燃料噴射弁は、先端側にシート部を有するニードル弁と、前記シート部が着座するシート面を有すると共に前記シート面の下流側に旋回安定室を備え、前記旋回安定室内に開口する噴孔が形成されたノズルボディと、前記ノズルボディ内に配置され、外周部に前記旋回安定室に導入される燃料を旋回させる旋回溝を備えると共に、内部で前記ニードル弁を往復動可能に支持するニードルガイドと、を備え、前記ニードル弁の外周部と前記ニードルガイドの内周面の双方に前記旋回溝における流路面積よりも大きい流路面積を有する螺旋溝が形成されている。
ニードル弁の外周部とニードルガイドの内周面の双方に旋回溝における流路面積よりも大きい流路面積を有する螺旋溝が形成されていることにより、ニードル弁の開弁初期に、螺旋溝に燃料が流れ易い状態となる。開弁初期に螺旋溝を通過した燃料がデッド燃料に旋回成分を付与することにより、デッド燃料の微粒化を図ることができる。
前記螺旋溝は、前記ニードル弁の外周部と前記ニードルガイドの内周面の双方に形成され、前記ニードル弁が全開状態のときに、一方の前記螺旋溝を形成する凸部と他方の前記螺旋溝を形成する凹部とが対向するとともに、一方の前記螺旋溝は、基端側において閉塞部を形成するとともに、他方の前記螺旋溝は先端側において閉塞部を形成するようにしてもよい。
これにより、ニードル弁の全開時に、ニードルガイドの外周部に形成された旋回溝を通過し、旋回成分が付与された燃料を噴射することができる。
また、前記螺旋溝は、前記ニードル弁の外周部と前記ニードルガイドの内周面の双方に形成され、前記ニードル弁が閉弁状態であるときに、前記双方の螺旋溝を形成する凹部同士が対向するようにしてもよい。
これにより、ニードル弁の閉弁時から開弁初期において螺旋溝に優先的に燃料を流通させ、デッド燃料の微粒化を図ることができる。
本明細書に開示された燃料噴射弁によれば、デッド燃料を微粒化することができる。
図1は第1実施形態の燃料噴射弁の概略構成を示す説明図である。 図2は第1実施形態の燃料噴射弁の先端部を拡大して示す説明図である。 図3は第1実施例におけるニードル弁の先端部を示す斜視図である。 図4は螺旋溝と旋回溝の流路面積を示す説明図である。 図5は第2実施形態の燃料噴射弁の先端部を拡大して示す説明図である。 図6は第3実施形態の燃料噴射弁に用いられるニードルガイドの先端部を断面として示す説明図である。 図7は第3実施形態の燃料噴射弁の閉弁状態を示す説明図である。 図8は第3実施形態の燃料噴射弁の開弁状態を示す説明図である。 図9(A)は閉弁状態における旋回溝と螺旋溝との位置関係を示す説明図であり、図9(B)は開弁状態における旋回溝と螺旋溝との位置関係を示す説明図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面と共に詳細に説明する。ただし、図面中、各部の寸法、比率等は、実際のものと完全に一致するようには図示されていない場合がある。また、図面によっては細部が省略されている場合もある。
(第1実施形態)
図1は第1実施形態の燃料噴射弁1の概略構成を示す説明図である。図2は第1実施形態の燃料噴射弁1の先端部を拡大して示す説明図である。図3は第1実施例におけるニードル弁6の先端部を示す斜視図である。図4は螺旋溝6bと旋回溝5bの流路面積を示す説明図である。
第1実施形態の燃料噴射弁1は、内燃機関に装備され、内燃機関が備えるECUによって駆動制御される。ECUは、演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)と、プログラム等を記憶するROM(Read Only Memory)と、データ等を記憶するRAM(Random Access Memory)やNVRAM(Non Volatile RAM)と、を備えるコンピュータである。燃料噴射弁1は、内燃機関が備える吸気ポート下部や、燃焼室の任意の位置に設置することができる。燃料噴射弁1が装備される内燃機関は、ガソリンを燃料とするガソリンエンジン、軽油を燃料とするディーゼルエンジン、ガソリンとアルコールとを任意の割合で混合した燃料を使用するフレキシブルフューエルエンジンのいずれでもよい。また、その他、燃料噴射弁によって噴射可能などのような燃料を用いるエンジンであってもよい。
図1、図2を参照すると、燃料噴射弁1は、ノズルボディ2、ニードルガイド5及びニードル弁6を備える。
ノズルボディ2は、筒状の部材であり、先端側にテーパ形状に成形されたシート面2cを備える。シート面2cには、後述するシート部6aが着座する。また、ノズルボディ2には、シート面2cの下流側に旋回安定室3が設けられ、旋回安定室3内に開口する噴孔が形成されている。噴孔4の中心軸は、ニードル弁6の軸芯と一致している。第1実施形態における燃料噴射弁1は、噴孔内に強旋回流を発生させて微細気泡を生成し、この微細気泡を含んだ燃料を噴射する。このような形式の燃料噴射を行う燃料噴射弁1では、噴孔4を流れる燃料は気泡が混入した気液2相流となり、その流速はボイド率によって規定される極めて低い音速で律則されることになる。このような状況下、噴孔径は、燃料の流量を確保するための径とされる。
燃料噴射弁1は、先端部がノズルボディ2内に位置するニードルガイド5を備えている。ニードルガイド5は、先端部の外周面がノズルボディ2の内周壁に接して支持されるようにノズルボディ2内に配置されている。ニードルガイド5は、筒状の部材であり、内部でニードル弁6を軸芯方向に沿って往復動可能に支持している。また、ニードルガイド5は、その外周部に旋回安定室3に導入される燃料を旋回させる旋回溝5bを備える。図2を参照すると、ニードルガイド5は、ニードル弁6との間に第1圧力室51を区画し、ノズルボディ2との間に第2圧力室52を区画している。ニードルガイド5は、第1圧力室51と第2圧力室52とを連通する燃料連通路5aを備える。この燃料連通路5aにより、燃料噴射弁1の基端側に設けられた燃料導入路50から先端側に向かって導入される燃料が第1圧力室51及び第2圧力室52に振り分けられる。第2圧力室52に振り分けられた燃料は、旋回溝5bを通過することにより旋回成分が付与されて旋回安定室に導入される。
燃料噴射弁1は、先端側にシート部6aを有するニードル弁6を備えている。ニードル弁6は、上述のように、ニードルガイド5の内側に往復動可能に支持されている。ニードル弁6は、ECUの指令によって作動する駆動装置によって開弁動作を行う。図1に示すようにシート部6aがシート面2cに着座すると燃料噴射弁1は、閉弁状態となる。そして、シート部6aがシート面2cから離座すると燃料噴射弁1は、開弁状態となる。ここで、燃料噴射弁1が閉弁状態となったときに生じるデッド燃料について説明する。燃料噴射弁1が閉弁状態となると、燃料は、設定燃圧を保持した状態でシート部6aよりも上流側に滞留することになる。そして、燃料噴射弁1の開弁初期には、シート部6aに近い位置で滞留していた燃料から順に旋回安定室3内へ導入される。このような燃料のうち、特に、シート部6aから旋回溝5bの下流端、要はニードルガイド5の先端部までの領域に形成された燃料をデッド燃料と称する。そして、図2に示すように、このようなデッド燃料が滞留する領域をデッド燃料滞留部8と称する。デッド燃料滞留部に滞留していた燃料は、ニードル弁6がリフトを開始すると、ほとんど旋回成分を有しない状態で旋回安定室内へ導入される。また、旋回溝5bの下流端近傍で滞留していた燃料も旋回溝5bを通過することによって付与され旋回成分を維持できず、また、開弁後も助走区間が短くて十分な旋回成分を得ることができないため、デッド燃料滞留部8に滞留していた燃料とほぼ同様の振る舞いをする。このように、デッド燃料は、燃料噴射弁の開弁初期において、十分な旋回成分を得ることなく旋回安定室3内に導入されるため、微粒化され難い。
図3を参照すると、ニードル弁6は、その外周部に螺旋溝6bを備える。この螺旋溝6bは、デッド燃料対策となる。螺旋溝6bは、その燃料導入部6binから第1圧力室51内の燃料が導入される。螺旋溝6bは、燃料導出部6boutがデッド燃料滞留部8に望むように設けられている。これにより、ニードル弁6のリフト開始直後にデッド燃料滞留部8の体積が増加し、デッド燃料滞留部8内の圧力が低下すると、螺旋溝6b内の燃料がデッド燃料滞留部8内に流入する。これにより、デッド燃料に旋回成分を付与することができる。ここで、図4を参照するとともにハッチングを付して示された螺旋溝6bの流路面積と旋回溝5bにおける流路面積との関係について説明する。流路面積は、螺旋溝6bの方が大きく設定されている。これにより、流路面積が大きい螺旋溝6bの燃料が流動し易く、開弁直後の状態において、螺旋溝6b内の燃料がデッド燃料滞留部8内に流入し易い状態が創出されている。なお、螺旋溝6bの流路面積を確保するために、螺旋溝6bは、複数条設けることができる。複数条の螺旋溝6bが設けられた場合には、その複数条分の流路面積の合計と旋回溝5bの流路面積とを比較する。また、燃料の流通状態は、流路面積の最も狭い箇所によって律せられるため、最小流路面積同士を比較するのが望ましい。
図2を参照すると、本実施形態の燃料噴射弁1は、デッド燃料対策として、さらに、ニードル弁6の先端部には、燃料衝突部7が設けられている。燃料衝突部7は、上述のデッド燃料が、衝突するように設けられている。燃料衝突部7に衝突したデッド燃料は、旋回安定室3内に滞留することができる。デッド燃料を旋回安定室3内に滞留させる為、燃料衝突部7は、ニードル弁6が開弁した状態のときに、ノズルボディ2が備えるシート面2cを噴孔4側、すなわち、ノズルボディ2の先端側に延長した仮想面と交錯するように設けられる。燃料は、シート面2cとシート部6aとの間を両者の間隔に応じた幅を有する状態で通過し、旋回安定室3内へ導入される。デッド燃料も同様の要領で旋回安定室3内へ導入される。シート面2cを噴孔4側に延長した仮想面は、デッド燃料の流れの境界とほぼ一致するため、燃料衝突部7が仮想面と交錯するように設けられていれば、デッド燃料を燃料衝突部7へ衝突させることができる。
旋回安定室3内に滞留している燃料は、燃料衝突部7に衝突することにより、旋回安定室3の内周壁側へ偏向される。そして、デッド燃料に引き続いて旋回安定室3内へ導入される旋回成分を有する燃料によってさらに旋回成分を与えられ、噴孔4内へ導入される。すなわち、燃料噴射弁1の閉弁時においてデッド燃料よりも上流側に位置し、十分な距離の旋回溝5bを通過した後に旋回安定室3内へ導入される燃料は、速度も速く、旋回成分も得ている。旋回溝5bを通過する助走距離も長く、旋回成分を有する燃料は、その遠心力によって旋回安定室3の内周壁に沿うように旋回安定室3内へ導入される。旋回溝5bを通過して旋回成分を得た燃料は、螺旋溝6bを通過して旋回成分を付与され、旋回安定室3内で滞留していた燃料とともに旋回成分を保持したまま噴孔4内へ導入される。
このように、旋回成分を有し、デッド燃料に遅れて旋回安定室3内へ導入される燃料は、旋回安定室3の内周壁に沿うように旋回する。また、デッド燃料を旋回安定室3内へ滞留させるためには、デッド燃料を内周壁側へ偏向させることが都合がよい。そこで、燃料衝突部7は、その外周壁にニードル弁6の軸芯に向かって凹状とされた湾曲部7aを備えている。これにより、デッド燃料を旋回安定室3の内周壁近傍へ導き、デッド燃料を効果的に旋回安定室内へ滞留させ、噴孔4に導入されるまでの時間を確保することができる。また、速度の速い旋回成分を有する燃料に吸収されて、旋回成分を得易くなる。この結果、一様な燃料流を得易くなる。また、噴孔の位置が軸芯に対してオフセットされたような場合であっても旋回していない状態の燃料を直接噴射することが抑制される。この結果、多噴孔化や斜めに設けられた噴孔に対しても対応することができ、設計の自由度が向上する。
本実施形態の燃料噴射弁では、ニードル弁6の開弁直後に即座に螺旋溝6b内の燃料がデッド燃料滞留部8内に供給されてデッド燃料に旋回成分を付与することができる。このため、例えば、燃料噴射弁1をポート噴射弁として用い、燃圧が低く、旋回溝5bを通過する燃料の速度が遅い場合であっても、噴孔4から噴射される燃料に旋回成分を付与しておくことができる。すなわち、例えば、燃料衝突部7のみを備えている場合、旋回安定室3内に滞留している燃料に旋回成分を付与できるのは、旋回溝5bを通過した燃料である。このため、燃圧が低く、旋回溝5bを通過する燃料の速度が遅い場合には、旋回安定室3内に滞留する燃料に十分な旋回成分を付与できない可能性がある。本実施形態のように螺旋溝6bを通過した燃料により予めデッド燃料に旋回成分を付与することができれば、旋回成分も持たない燃料が噴孔4から噴射されることを回避することができる。
ここで、燃料噴射弁1による燃料噴射の様子について説明する。ニードル弁6がリフトし、シート部6aがシート面2cから離座すると、デッド燃料滞留部8の体積が増大し、その内部の圧力が低下する。これに伴って、即座にデッド燃料滞留部8内に螺旋溝6b内の燃料が流入する。デッド燃料は、螺旋溝6b内の燃料によって旋回成分を付与された状態で旋回安定室3内へ導入される。旋回安定室3内へ導入された燃料は、燃料衝突部7に衝突することによって旋回成分を有した状態で旋回安定室3内に滞留する。デッド燃料に続いて旋回安定室3内には、旋回溝5bを通過して強い旋回成分を有する燃料が導入される。このような要領で旋回安定室3内で旋回する燃料は、噴孔4内に導入される。このとき、旋回安定室3よりも径の小さい噴孔4内に導入されることにより、旋回流の旋回速度は加速し、増速する。この結果、旋回流の中央部に負圧が発生して気柱が生成される。気柱との界面において、微細気泡が生成され、生成された微細気泡は燃料とともに噴射される。
燃料の微粒化の原理をより詳説すると、以下の如くである。燃料噴射弁1内で旋回速度の速い旋回流が形成され、その旋回流が噴孔に導入されると、その強い旋回流の旋回中心に負圧が発生する。負圧が発生すると燃料噴射弁1の外部の空気が噴孔4内に吸引される。これにより噴孔4内に気柱が発生する。こうして発生した気柱と燃料との界面において気泡が生成する。生成した気泡は気柱の周囲を流れる燃料に混入し、気泡混入流、すなわち、2相流として外周側を流れる燃料流とともに噴射される。その噴射の形状は、中空のコーン状である。このため、噴孔4から離れるほど、噴霧の外径は大きくなり、気泡を形成している液膜は引き伸ばされて薄くなる。そして、液膜を維持することができなくなると、気泡が分裂し、その後、微細気泡は自己加圧効果によって径が小さくなり、崩壊(圧壊)に至り、超微細な燃料粒が形成される。このように、燃料の微粒化が達成される。
以上説明したように、第1実施形態の燃料噴射弁1によれば、デッド燃料を微粒化することができる。
(第2実施形態)
つぎに、図5を参照して第2実施形態の燃料噴射弁21について説明する。第2実施形態が第1実施形態と異なる点は、螺旋溝が形成されている位置である。具体的に、第1実施形態では、螺旋溝は、ニードル弁6の外周面に設けられていたのに対し、第2実施形態では、ニードルガイド25の内周面に設けられている。すなわち、第2実施形態は、図5に示すようにニードルガイド25の内周面に設けられた螺旋溝25cを備える。なお、ニードルガイド25は、第1実施形態のニードルガイドと同様に、燃料連通路25aを備え、また、その外周部に旋回溝25bを備える。一方のニードル弁36は、螺旋溝が省略された以外は、シート部36a、湾曲部37aを備える燃料衝突部37を備える等、その構成は、第1実施形態のニードル弁と共通する。また、ニードルガイド25によって第1圧力室251と第2圧力室252が区画されている点も第1実施形態と共通する。
このように、ニードルガイド25の内周面に螺旋溝25cを備える形態の場合であっても、螺旋溝25cの流路面積と旋回溝25bとの関係は、第1実施形態の場合と共通する。すなわち、螺旋溝25cにおける流路面積は、旋回溝25bにおける流路面積よりも大きい。これにより、流路面積が大きい螺旋溝25cの燃料が流動し易く、開弁直後の状態において、螺旋溝25c内の燃料がデッド燃料滞留部8内に流入し易い状態が創出されている。螺旋溝25cの基端側は、デッド燃料滞留部8に望むように設けられており、ニードル弁36のリフト開始直後に螺旋溝25c内の燃料がデッド燃料滞留部8内に流入する点も第1実施形態と共通する。さらに、燃料噴射時の以後の振る舞いも、第1実施形態の場合と共通するので、その詳細な説明は省略する。
(第3実施形態)
つぎに、図6乃至図9を参照して、第3実施形態について説明する。第3実施形態が第1実施形態及び第2実施形態と異なる点は、第3実施形態がニードル弁6の外周部に形成された螺旋溝6bと、ニードルガイド35の内周面に形成された螺旋溝35cを備える点である。すなわち、第3実施形態の燃料噴射弁31における螺旋溝は、ニードル弁6の外周部とニードルガイド35の内周面の双方に形成されている。ここで、ニードル弁6は、第1実施形態と共通するが、ニードルガイド35は、第2実施形態のものとは異なる。具体的に、図6に示すように、螺旋溝35cの先端部となる燃料導出部35coutがニードルガイド35の先端部まで到達していない。一方のニードル弁6に設けられた螺旋溝6bの先端部は、デッド燃料滞留部8に臨んでいる。このように、螺旋溝6bと螺旋溝35cを備えることにより、流路面積が両者を加えた面積となるため、流路面積を拡大し易い。すなわち、ニードル6の開弁直後に、旋回溝35b内の燃料に先行して螺旋溝6b、35c内の燃料を流動させ易い状態を創出し易い。
具体的に、図7や図9(A)に示すようにニードル弁6が閉弁状態であるときに、双方の螺旋溝6b、35cを形成する凹部6b2、35c2同士を対向させておくことにより、広い流路面積を確保することができる。これにより、開弁直後は、螺旋溝6b及び螺旋溝35cを通過した燃料が速やかにデッド燃料滞留部8に流入する。これにより、旋回成分が付与されたデッド燃料が旋回安定室3内へ供給される。
一方、図8や図9(B)に示すようにニードル弁6が全開状態のときに、一方の螺旋溝を形成する凸部6b1、35c1と他方の螺旋溝を形成する凹部6b2、35c2とが対向する状態となるように設定しておく。より具体的に整理して記載すると、螺旋溝6bを形成する凸部6b1と螺旋溝35cを形成する凹部35c2とが対向する状態とする。換言すれば、螺旋溝6bを形成する凹部6b2と螺旋溝35cを形成する凸部35c1とが対向する状態とする。
さらに、ニードル弁6に形成された螺旋溝6bは、基端側に位置する燃料導入部6binを燃料の閉塞部としている。具体的に、燃料導入部6binが螺旋溝6bの基端側端部とされて、その端部において螺旋溝6bの深さが消滅し、燃料導入部6binよりも基端側には螺旋溝は形成されていない。一方、ニードルガイド35の内周面に形成された螺旋溝35cは、先端側に位置する燃料導出部35coutを燃料の閉塞部としている。具体的に、燃料導出部35coutが螺旋溝35cの先端側端部とされて、その端部において螺旋溝35cの深さが消滅し、燃料導出部35coutよりも先端側には螺旋溝は形成されていない。閉塞部が相手方の螺旋溝における凸部と一致すると、燃料は行き場を失い、流通が停止された状態となる。なお、燃料噴射弁31は、ニードルガイド35の基端側に回り止めピン37が設けられ、この回り止めピン37にニードル弁6に設けられた溝部61が係合することにより、螺旋溝6bと螺旋溝35cとの位置関係が維持されている。なお、閉塞部の位置を、螺旋溝6bと螺旋溝35cとで入れ替えて設定することもできる。
このように、第3実施形態の燃料噴射弁31は、ニードル弁6の開弁直後は、螺旋溝6b及び35c内の燃料が優先的に旋回安定室3内に供給される。そして、全開状態では、螺旋溝6b及び35cがいずれも閉塞状態となるため旋回溝35bを通過して、旋回成分が大きい旋回流が旋回安定室3内に流入する。この結果、燃料の微粒化を促進することができる。
なお、全閉状態から全開状態へ移行する間に螺旋溝6b及び35cを通過する燃料の流通抵抗が徐々に増大するため、徐々に旋回溝35bを通過した燃料の旋回安定室3内への流入量が増加する。また、その過程において、螺旋溝6b及び35cを通過してデッド燃料滞留部8へ導入される燃料量がニードル弁6のリフト量に応じて制御されることとなる。
以上のように、第3実施形態の燃料噴射弁31によれば、ニードル弁6の開弁初期において、螺旋溝6b及び35cを通過する燃料を優先的にデッド燃料滞留部8へ流入させてデッド燃料に旋回成分を付与することができる。そして、ニードル弁6のリフト量が増すにつれて、徐々に螺旋溝6b及び35cを通過する燃料から旋回溝35bを通過する燃料の噴射へ移行し、最終的には、旋回溝35bを通過し、強い旋回成分を有する燃料のみが噴射される。これにより、デッド燃料を含む燃料の微粒化が図られる。
上記実施例は本発明を実施するための一例にすぎない。よって本発明はこれらに限定されるものではなく、請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
1、21、31 燃料噴射弁
2 ノズルボディ
2c シート面
3 旋回安定室
3b 内周壁
4 噴孔
5、25、35 ニードルガイド
5a 燃料連通路
5b、25b 旋回溝
6、36 ニードル弁
6a、36a シート部
6b、25c 螺旋溝
6bin、35cin 燃料導入部
6bout、35cout 燃料導出部
7 燃料衝突部
8 デッド燃料滞留部

Claims (3)

  1. 先端側にシート部を有するニードル弁と、
    前記シート部が着座するシート面を有すると共に前記シート面の下流側に旋回安定室を備え、前記旋回安定室内に開口する噴孔が形成されたノズルボディと、
    前記ノズルボディ内に配置され、外周部に前記旋回安定室に導入される燃料を旋回させる旋回溝を備えると共に、内部で前記ニードル弁を往復動可能に支持するニードルガイドと、
    を備え、
    前記ニードル弁の外周部と前記ニードルガイドの内周面の双方に前記旋回溝における流路面積よりも大きい流路面積を有する螺旋溝が形成され、
    前記螺旋溝は、前記ニードル弁が全開状態のときに、一方の前記螺旋溝を形成する凸部と他方の前記螺旋溝を形成する凹部とが対向するとともに、
    一方の前記螺旋溝は、基端側において閉塞部を形成するとともに、他方の前記螺旋溝は先端側において閉塞部を形成する燃料噴射弁。
  2. 先端側にシート部を有するニードル弁と、
    前記シート部が着座するシート面を有すると共に前記シート面の下流側に旋回安定室を備え、前記旋回安定室内に開口する噴孔が形成されたノズルボディと、
    前記ノズルボディ内に配置され、外周部に前記旋回安定室に導入される燃料を旋回させる旋回溝を備えると共に、内部で前記ニードル弁を往復動可能に支持するニードルガイドと、
    を備え、
    前記ニードル弁の外周部と前記ニードルガイドの内周面の双方に前記旋回溝における流路面積よりも大きい流路面積を有する螺旋溝が形成され、
    前記ニードル弁が閉弁状態であるときに、前記双方の螺旋溝を形成する凹部同士が対向する燃料噴射弁。
  3. 前記螺旋溝は、前記ニードル弁の外周部と前記ニードルガイドの内周面の双方に形成され、前記ニードル弁が閉弁状態であるときに、前記双方の螺旋溝を形成する凹部同士が対向する請求項1に記載の燃料噴射弁。
JP2013108323A 2013-05-22 2013-05-22 燃料噴射弁 Expired - Fee Related JP5983535B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013108323A JP5983535B2 (ja) 2013-05-22 2013-05-22 燃料噴射弁

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013108323A JP5983535B2 (ja) 2013-05-22 2013-05-22 燃料噴射弁

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014227913A JP2014227913A (ja) 2014-12-08
JP5983535B2 true JP5983535B2 (ja) 2016-08-31

Family

ID=52128000

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013108323A Expired - Fee Related JP5983535B2 (ja) 2013-05-22 2013-05-22 燃料噴射弁

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5983535B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2560513A (en) 2017-03-13 2018-09-19 Ap Moeller Maersk As Fuel injection system
CN113374610B (zh) * 2021-08-13 2021-10-26 宁波舜田良源油嘴油泵有限公司 一种柴油机用回路自润滑式喷油器

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3914486A1 (de) * 1989-05-02 1990-11-08 Bosch Gmbh Robert Verfahren zur herstellung einer ventilnadel und ventilnadel
GB9008403D0 (en) * 1990-04-12 1990-06-13 Lucas Ind Plc Fuel injection nozzle
JPH11117831A (ja) * 1997-10-17 1999-04-27 Toyota Motor Corp 内燃機関用燃料噴射弁
JP3356062B2 (ja) * 1998-06-19 2002-12-09 株式会社日立製作所 燃料噴射弁および内燃機関,燃料旋回素子,燃料旋回素子の製造方法
JP2000045911A (ja) * 1998-07-28 2000-02-15 Zexel Corp 渦巻き燃料噴射弁
DE10031264A1 (de) * 2000-06-27 2002-01-17 Bosch Gmbh Robert Kraftstoffeinspritzventil für Brennkraftmaschinen
DE10055483B4 (de) * 2000-11-09 2007-11-29 Robert Bosch Gmbh Brennstoffeinspritzventil
JP2002364366A (ja) * 2001-06-11 2002-12-18 Toyota Motor Corp ディーゼルエンジンの燃焼室及び噴射ノズル構造
KR100468207B1 (ko) * 2003-08-14 2005-01-26 곽쌍신 연료분사장치
JP3989495B2 (ja) * 2004-09-22 2007-10-10 トヨタ自動車株式会社 燃料噴射装置
JP2008057458A (ja) * 2006-08-31 2008-03-13 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 燃料噴射弁
US9879644B2 (en) * 2010-04-01 2018-01-30 GM Global Technology Operations LLC Fuel injector with variable area pintle nozzle
EP2557308B1 (en) * 2010-04-08 2014-10-29 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Fuel injection valve
JP2012137053A (ja) * 2010-12-27 2012-07-19 Toyota Motor Corp 燃料噴射弁
JP2013024182A (ja) * 2011-07-25 2013-02-04 Toyota Motor Corp 燃料噴射装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014227913A (ja) 2014-12-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5115654B2 (ja) 燃料噴射弁及び内燃機関
JP5678966B2 (ja) 燃料噴射弁
JP5682631B2 (ja) 燃料噴射弁
WO2012086006A1 (ja) 燃料噴射弁
KR101704315B1 (ko) 연료 분사 밸브
US7137577B2 (en) Low pressure fuel injector nozzle
JP5983535B2 (ja) 燃料噴射弁
JPWO2012114480A1 (ja) 燃料噴射弁
JP2013249826A (ja) 燃料噴射弁、及び内燃機関の燃料噴射装置
JP2014047698A (ja) 燃料噴射弁
JP4302744B2 (ja) 燃料噴射装置
JP2015529304A (ja) 内燃機関の燃料噴射システム
JP6116083B2 (ja) 燃料噴射ノズル
JP2014156794A (ja) 燃料噴射弁
JP5780294B2 (ja) 燃料噴射装置
JP2013217324A (ja) 燃料噴射弁
JP5825228B2 (ja) 燃料噴射弁
JPH10331739A (ja) エンジンの燃料噴射弁及び燃料噴射方法
JP3928851B2 (ja) 燃料噴射ノズル
JP2012132366A (ja) 燃料噴射弁
JP5593796B2 (ja) 燃料噴射ノズルおよび直接噴射式燃料噴射弁
JP2012036865A (ja) 噴射ノズル
GB2613396A (en) Fuel injector suitable for gaseous fuel
JP2012132332A (ja) 燃料噴射弁及び燃料噴射装置
JP2012132334A (ja) 燃料噴射弁

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150611

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160318

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160329

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160525

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160705

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160718

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5983535

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees