JP4302744B2 - 燃料噴射装置 - Google Patents

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本発明は、燃料噴射装置に関し、特に内燃機関用として好適な燃料噴射装置に関する。
従来、燃料噴射弁の先端部に設けられた噴孔と、点火プラグの先端部に設けられたプラグギャップとを接近して配置した筒内直噴式内燃機関において、前記燃料噴射弁の噴口から噴射される燃料が、前記点火プラグのプラグギャップ近傍を通過するよう燃料噴射方向を設定すると共に、前記燃料噴射弁の弁体リフト量が低下して着座に至る噴射期間末期の燃料通過位置を、弁体リフト量が最大となる主噴射期間の燃料通過位置よりも前記プラグギャップの位置に近づけることを特徴とする筒内直噴式内燃機関が、後記する特許文献1から公知である。
特許文献1の場合、概ね点火プラグ方向に燃料を噴射する噴口と、点火プラグを指向しない噴口を隣接配置し、噴射期間の大半では双方からの噴霧が噴口近傍で衝突するよう構成されている。また双方の噴口から噴射される燃料の比率を燃料流れの遮断が可能なニードルのリフト量で変化させるように構成されており、噴射開始から噴射期間の大半では、本来点火プラグに向かうよう設定された噴口から噴射された噴霧は点火プラグを指向しないよう予め設定された噴霧と衝突するため点火プラグを指向しない。その後、ニードルが下がりきる直前、即ち噴射終了前では、点火プラグを指向しないよう予め設定された噴霧の噴射が先に終了するよう構成されているため、この時点から本来点火プラグに向かうよう設定された噴口から噴射された噴霧が点火プラグを指向する。
このような燃料噴射弁の構造により次の効果が得られる。即ち、噴射開始直後の噴霧に多く含まれる未蒸発の燃料による点火プラグの濡れに起因する放電不良が回避されて点火の安定性が確保される。また、点火プラグ近傍には燃料噴射開始から遅れて混合気が形成されるため点火時期を遅延化でき、その間に点火プラグを指向しない噴霧により形成される点火プラグ近傍とは別の位置に形成される混合気の均質化が進行することで燃焼の安定性が向上する。さらに、点火時期の遅延の間に点火プラグを指向しない噴霧により形成される混合気の中心が燃料噴射弁から遠ざかるため、燃焼火炎による燃料噴射弁の加熱に伴う噴口付近への燃焼残渣物の堆積による噴霧特性の経時変化が抑えられる。
特開2006−57604号公報
しかしながら、特許文献1の技術では次の問題点がある。即ち、本来であれば点火プラグに向かわせる噴霧の方向をそれ以外の噴霧との衝突により変化させているが、噴霧の衝突によって決まる方向は衝突前の各噴霧が有する噴射速度、噴射量、あるいは噴射粒子の大きさなどにより容易に変化する。さらに各噴霧の噴射速度、噴射量、噴射粒子の大きさなどの特性は、内燃機関の運用において頻繁に発生する燃料の質、温度、燃圧、噴射流量、筒内圧力など、様々な要因の変化によって変化する。従って、種々の内燃機関の運用環境において燃料噴射の一定期間にわたり安定的に点火プラグを指向しない噴霧を確保して前記の効果を得ることは困難である。
本発明は、従来技術での上記のような問題点を解決するものであって、内燃機関の運用において頻繁に発生する上記した様々な変化があっても、噴射開始直後には点火プラグを指向せず、その後に点火プラグを指向する噴霧を安定的に発生させ得る燃料噴射装置を提案するものである。
本発明の燃料噴射装置は、燃料に旋回流動を生じさせる旋回装置、燃料を燃焼室内に噴射する第一噴口、上記燃焼室内に設置された点火プラグ、燃料噴射装置本体の軸に対して上記第一噴口よりも外側で且つ上記点火プラグに近い位置に配置されて上記点火プラグの放電ギャップに向う方向に開口する第二噴口を備えた燃料噴射装置であって、上記第二噴
口は、上記燃料噴射装置本体の内壁内に設けられた内壁内燃料通路の内部に配置され、上記内壁内燃料通路における上記第二噴口を巡る燃料旋回流の上流側の側壁は、燃料の流れ方向に沿って流路幅が逓増する形状を呈しており、下流側の側壁の少なくとも1部は、上
記上流側での燃料の流れ方向に対して直交方向またはそれに近い方向となる形状を呈していることを特徴とするものである。
本発明に係る燃料噴射装置は、第一噴口と第二噴口との二種類の噴口を有し、第二噴口は燃料噴射装置本体の軸に対して上記第一噴口よりも外側で且つ上記点火プラグに近い位置に配置されて上記点火プラグの放電ギャップに向う方向に開口するが、上記燃料噴射装置本体の内壁内に設けられた内壁内燃料通路の内部に配置されているので、噴射開始直後の未だ燃料の旋回流動が弱い状態では第二噴口から噴射される燃料の量および噴出エネルギーが乏しいので点火プラグを指向しない。しかし旋回流動が強くなると、第二噴口から噴射される燃料の量および噴出エネルギーが大きくなって、点火プラグを指向する噴霧が安定的に得られる効果がある。
また、上記第二噴口の平均開口断面積を上記第一噴口の平均開口断面積より小さくすることにより、第二噴口から噴射される燃料の量が少なくなって、放電ギャップ近傍に単位時間当たりに到達する燃料量が減少し、そこに形成される混合気濃度の上昇速度が低下して点火時期を遅延化することができ、その間に噴口からの噴霧が形成する混合気の均質化がさらに進行し、燃焼の安定性が向上する効果がある。
さらに上記するように、上記内壁内燃料通路における上記第二噴口を巡る燃料旋回流の上流側の側壁は、燃料の流れ方向に沿って流路幅が逓増する形状を呈しており、下流側の側壁の少なくとも1部は、上記上流側での燃料の流れ方向に対して直交方向またはそれに
近い方向となる形状を呈していると、下流側の側壁の大部分は、上流側での燃料の流れ方向に対して直交方向に近い方向となる形状を呈している。かかる側壁構造を有することにより、上流側では旋回流動の作用による上記燃料流路への燃料の流れ込みが円滑になり、当該燃料流路への流入に伴う燃料が有する流動エネルギーや圧力エネルギーの減少が抑えられる。一方、下流側では、上流側の燃料流が下流側の側壁に衝突して進行方向が急激に曲げられた燃料流と新たに流入してくる燃料流とが第二噴口の入口付近で衝突することにより、第二噴口に流れ込む燃料流に乱れを生ぜしめるエネルギーが増大して、第二噴口から噴射される噴霧粒子がより微粒化し、放電ギャップ近傍には燃焼に一層適した混合気が形成され、燃焼の安定性がより向上する効果がある。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。なお各図において、同一または相当の部材、部位については、同一符号を付している。
実施の形態1.
図1〜図7は、本発明の燃料噴射装置における実施の形態1を説明するものであって、図1はスプレーガイド燃焼ガソリンエンジンにおける代表的な燃焼室およびその近傍の構造を示す概略断面図であり、図2は燃料噴射装置の噴口付近の一部断面図を含む斜視図であり、図3は燃料噴射開始直後の燃料の旋回流動が弱い状態における、燃料噴射装置内の噴口付近での燃料の流れを示す断面図であり、図4は燃料の旋回流動が弱い状態における燃焼室内での噴霧の概略的な様子を示す説明図であり、図5は燃料の旋回流動が強くなった状態における図3に対応する断面図であり、図6は燃料の旋回流動が強くなった状態における噴口付近での燃料の流れを示す平面図であり、図7は燃料の旋回流動が強くなった状態における図4に対応する説明図である。
図1において、スプレーガイド燃焼ガソリンエンジンは、円筒形状のシリンダ1、シリンダヘッド2、円筒形状のピストン3、燃焼室4、吸気弁5、排気弁6、点火プラグ7、および本発明の燃料噴射装置の一例としての燃料噴射弁9を備えている。シリンダヘッド2は、シリンダ1の上部を閉塞する。ピストン3は、シリンダ1内を往復摺動し、燃焼室4は、シリンダ1とシリンダヘッド2とピストン3と燃料噴射弁9の先端部とで区画されている。吸気弁5は、燃焼室4への空気の流入を制御し、排気弁6は、燃焼室4から燃焼ガスを排出する。点火プラグ7は、放電ギャップ8などの一部が燃焼室4内に露出した状態でシリンダヘッド2に設けられ、放電ギャップ8に発生させる火花により燃焼室4内の燃料と空気の混合気を点火する。燃料噴射弁9は、燃焼室4内に燃料噴霧10を噴射する。
このエンジンの場合、ピストン3の動作により燃焼室4の体積が増加する期間に吸気弁5を開放することで燃焼室4内に空気を吸入し、その後、吸気弁5を閉塞した状態でピストン3の動作により燃焼室4の体積を減少させることで燃焼室4の圧力を増大させる。燃料噴射弁9は、燃焼室4の圧力が増大する過程で燃料噴霧10を噴射する。燃料噴霧10から蒸発した燃料と空気が混合した混合気(図示せず)が放電ギャップ8近傍に到達する時期に、点火プラグ7により放電ギャップ8に火花が発生して燃焼を開始させる。この燃焼により発生する圧力は、ピストン3に作用して動力エネルギーが出力される。
図2および図3において、燃料噴射弁9の先端部分には第一噴口を形成する複数(図2では6個を例示)の噴口11と、一つの第二噴口12とが形成されている。複数の噴口11は、各噴口の中心を結ぶ円が燃料噴射弁9の軸Aに対して同心円を描く状態で配置形成されており、且つ燃料を図4や図7に示すように放射状に噴出するように傾斜している。一方、第二噴口12は、図2、図3、図5、および図6に示すように、噴口11よりも点火プラグ7に近い位置、即ち燃料噴射弁9の内壁面13の一部分を穿って形成された内壁内燃料通路14(以下、燃料通路14)内の下面を穿孔して設けられていて、且つ点火プラグ7の放電ギャップ8に向けて燃料を噴射可能なように傾斜して形成されている。
次に実施の形態1に係る燃料噴射装置の動作について説明する。図3において、ニードル15のリフトにより主燃料流路が開放されると、矢印101で示す流れが発生し、内壁面13で囲まれた当該主燃料流路に燃料が流れ込む。なお、ニードル15の上流には燃料に旋回流動を生じさせる旋回装置(図示せず)、例えば羽や流路などを有するもの、が備えられている。旋回力は、燃料流速の増加に比例して強くなるが、燃料流路の開放直後は未だ燃料流速が小さくて燃料は殆ど旋回力を伴っていない。旋回力を殆ど伴わない燃料は、噴口11の入口に達した後、矢印102の方向に燃焼室4に向けて噴射されるが、矢印103で示す内壁面13の一部分を穿って形成された燃料流路14の内部に燃料流入側開口が存在する第二噴口12での燃料の流れは、矢印102で示す流れと比べて極端に少ない。その結果、第二噴口12からは、図4に示すように噴口11からの噴霧16に近接し、放電ギャップ8に達しない小さな噴霧17が形成されるのみである。
ところで燃料噴射開始からの時間経過に伴って燃料流速が増大すると、図5の矢印104で示すような、ニードル15の外周に沿った凡そ螺旋状の燃料の旋回流動が強くなる。旋回流動を伴う燃料は、その遠心力の作用によりニードル15から離れようとする流れとなり、内壁面13に沿った流れを形成し、図6の矢印105で示すように、燃料流路14内への燃料の流入を増加させる。その結果、第二噴口12からは矢印103で示す流れが増大して図7に示すように、放電ギャップ8に達する噴霧17が形成される。
以上のように、実施の形態1に係る燃料噴射弁9によれば、内燃機関の運用において頻繁に発生する燃料における前記した様々な環境変化の影響を受け難い燃料の旋回流動の作用を利用して、燃料噴射開始直後には放電キャップ8を指向せず、その後に燃料噴射弁9
の内部の燃料の旋回流動が強まるに伴って放電キャップ8を指向する第二噴口12からの噴霧17が安定的に得られる。
さらに実施の形態1に係る燃料噴射弁9は、上記の効果に加えて次ぎの諸効果もある。即ち、第一に噴射開始直後の噴霧に多く含まれる未蒸発燃料による点火プラグ7の濡れに伴う放電不良の回避による点火の安定性向上、第二に点火プラグ7の放電ギャップ近傍の混合気形成の遅延化に伴う点火時期の遅延により、主に噴口11から噴射される噴霧が点火プラグ7の放電ギャップ近傍とは別の位置に形成される混合気の均質化が進行することによる燃焼の安定性向上、第三に点火プラグ7の放電ギャップ近傍の混合気形成の遅延化に伴う点火時期の遅延により、主に噴口11から噴射される噴霧が点火プラグ7の放電ギャップ近傍とは別の位置に形成する混合気塊が噴口からより遠ざかるため燃焼火炎による噴口の加熱が低減されることによる噴口付近への燃焼残渣物の堆積に起因する噴霧特性の経時変化の抑制、などである。
実施の形態2.
図8および図9は、本発明の燃料噴射装置における実施の形態2を説明するものであって、図8は前記図6に対応して燃料の旋回流動が強くなった状態における噴口11および第二噴口12付近での燃料の流れを示す他の平面図であり、図9は図8の1部の拡大図である。実施の形態2は、前記図6と図8との対比から明らかな通り、第二噴口12を巡る燃料流路14における側壁(図9では、実線で示す。)の形状が、燃料旋回流の上流側の側壁は、燃料の流れ方向に沿って流路幅が逓増する形状を呈し、下流側の側壁は上流側の側壁に対して急峻に方向を変えて延在する形状を呈している点で実施の形態1と異なるが、その他の点は同じである。よって、以下では異なる点のみ説明する。
図9において二点破線は、燃料流路14を穿たない場合の内壁面13の位置を示しており、燃料の旋回方向における上流側での当該二点破線から燃料流路14の側壁までの燃料流路幅L1、L2、L3をL1<L2<L3の関係が成立するように設定している。一方、燃料の旋回方向における下流側では、当該二点破線から燃料流路14の側壁までの燃料流路幅L4は急激に小さくなり、燃料流路幅L5は実質的に0とされている。
上記のように燃料流路幅L1〜L5を設定すると、下流側の側壁の大部分は、上流側で
の燃料の流れ方向に対して直交方向に近い方向となる形状を呈している。
かかる側壁構造を有することにより、上流側では旋回流動の作用による燃料流路14への燃料の流れ込みが円滑になり、燃料流路14への流入に伴う燃料が有する流動エネルギーや圧力エネルギーの減少が抑えられる。一方、下流側では、上流側の燃料流が下流側の側壁に衝突して進行方向が急激に曲げられた燃料流と新たに流入してくる燃料流とが第二噴口12の入口付近で衝突することにより、第二噴口12に流れ込む燃料流に乱れを生ぜしめるエネルギーが増大して、第二噴口12から噴射される噴霧粒子がより微粒化し、放電ギャップ8近傍には燃焼に一層適した混合気が形成され、燃焼の安定性がより向上する効果がある。
一般に、噴射された燃料は、それ自体が有する圧力、流動、流動乱れなどのエネルギーに依るか、それらのエネルギーを伴って燃焼室4の空気などと衝突することで微小径粒子に分裂して気体に状態変化する。特に第二噴口12の入口付近において、燃料は、その圧力や運動のエネルギーから変化して強化される乱れのエネルギーによる分裂効果は大きく、前記したような上流側と下流側とを形成することにより噴霧粒子の微粒化が促進され燃焼の安定性がさらに向上する効果がある。
なお本発明においては、下流側の側壁の少なくとも1部、具体的には下流側の側壁全長
のうちの少なくとも10%〜80%は、上記上流側での燃料の流れ方向に対して直交方向
またはそれに近い方向、即ち直交方向に対して傾斜角が40度以内、特に20度以内である形状を呈していると前記した効果が得られる。
実施の形態3.
本発明の実施の形態3に係る燃料噴射弁9は、第二噴口12の平均開口面積は、噴口11の平均開口面積より小さく設定している点において前記実施の形態1あるいは実施の形態2と異なり、その他の構成は同じであるので、以下では図1〜図7を利用して実施の形態3に係る動作および効果について説明する。
実施の形態3は、前記図1を用いて説明した燃焼室4の圧力が増大する過程で燃料噴霧10を噴射し、燃料噴霧10から蒸発した燃料と空気が混合した混合気(図示せず)が放電ギャップ8近傍に到達する時期に放電ギャップ8に火花を生ぜしめて燃焼を開始させるエンジンに主に適用するものであり、前記実施の形態1、2と同じく図2に示すように噴口群を形成する噴口11とは別の第二噴口12を内壁面を穿って形成した燃料流路14内部に設けている。
図3において、ニードル15の上流には燃料に旋回力を与える旋回装置が備えられているが、ニードル15のリフトにより主燃料流路が開放された直後の燃料の旋回は弱く、燃料は矢印101の流れとなり主に第一噴口群を形成する噴口11から噴射される。この時の第二噴口12から噴射される燃料はわずかであり、図4に示すように噴口11からの噴霧16に近接し放電ギャップ8を指向しない第二噴口12からの噴霧17が形成される。
燃料噴射開始からの時間経過に伴って燃料速度が増加すると、図5に矢印104で示すようなニードル15の外周に沿った凡そ螺旋状の燃料の旋回流動が強くなり、第二噴口12からの噴射が活発となることから図7に示すような放電ギャップ8を指向する第二噴口12からの噴霧17が形成される。
ここまでの動作は実施の形態1などと同じであるが、実施の形態3に係る内燃機関の燃料噴射弁9は、第二噴口12の燃料が流入する側の開口面積を噴口11の何れの噴口の燃料が流入する側の開口面積よりも小さく設定したので、第二噴口12から噴射される燃料の量が少なくなる。第二噴口12から噴射される燃料の量が少なくなると、放電ギャップ8近傍に単位時間当たりに到達する燃料量が減少し、そこに形成される混合気濃度の上昇速度が低下する。
以上のように実施の形態3では、放電ギャップ8近傍に形成される混合気濃度の上昇速度を低下させたため、点火時期を前記実施の形態1、2の場合と比較して一層遅延化することができ、その間に噴口11からの噴霧16が形成する混合気の均質化がさらに進行し、燃焼の安定性がさらに向上する。同時に、噴口11からの噴霧16が形成する混合気塊の中心が燃料噴射弁9から一層遠ざかるため、燃焼火炎による燃料噴射弁9の加熱に伴う噴口付近への燃焼残渣物の堆積による噴霧特性の経時変化がさらに抑えられる。
以上、本発明の燃料噴射装置に就き、実施の形態1〜3により詳細に説明したが、本発明はそれらの実施の形態に制限されるものではなく、本発明の課題と解決手段の精神に沿った種々の変形形態を包含する。即ち、第一噴口群を形成する噴口11の数は例示の6個に限らず、例えば2個以上、例えば2〜20個であっても良く、また各噴口11の中心を結ぶ軌跡は、円形以外の各種形状であってもよい。本発明の実施の形態3においては、第二噴口12の燃料が流入する側の開口断面積を各噴口11の燃料が流入する側の開口断面積よりも小さく設定したが、第二噴口12の平均開口面積が、第一噴口群を形成する噴口11の平均開口面積より小さくなるようにしてもよい。またその際、第二噴口12の平均開口面積をS、噴口11の平均開口面積をSとすると、Sは、0.5S〜0.9
5S程度が適当である。
本発明の燃料噴射装置は、各種の内燃機関用として利用される可能性が高い。
本発明の実施の形態1におけるスプレーガイド燃焼ガソリンエンジンにおける代表的な燃焼室およびその近傍の構造を示す概略断面図である。 図1において、燃料噴射装置の噴口付近の一部断面図を含む斜視図である。 図1において、燃料噴射開始直後の燃料の旋回流動が弱い状態における、燃料噴射装置内の噴口付近での燃料の流れを示す断面図である。 図1において、燃料の旋回流動が弱い状態における燃焼室内での噴霧の概略的な様子を示す説明図である。 図1において、燃料の旋回流動が強くなった状態における図3に対応する断面図である。 図1において、燃料の旋回流動が強くなった状態における噴口付近での燃料の流れを示す平面図である。 図1において、燃料の旋回流動が強くなった状態における図4に対応する説明図である。 本発明の実施の形態2における、図6に対応する、燃料の旋回流動が強くなった状態における噴口付近での燃料の流れを示す平面図である。 図8の1部の拡大図である。
1 シリンダ、2 シリンダヘッド、3 ピストン、4 燃焼室、5 吸気弁、
6 排気弁、7 点火プラグ、8 放電ギャップ、9 燃料噴射弁、10 燃料噴霧、
11 噴口、12 第二噴口、13 内壁面、14 燃料流路、15 ニードル、
16 噴口11からの噴霧、17 第二噴口からの噴霧。

Claims (3)

  1. 燃料に旋回流動を生じさせる旋回装置、燃料を燃焼室内に噴射する第一噴口、上記燃焼室内に設置された点火プラグ、燃料噴射装置本体の軸に対して上記第一噴口よりも外側で且つ上記点火プラグに近い位置に配置されて上記点火プラグの放電ギャップに向う方向に開口する第二噴口を備えた燃料噴射装置であって、上記第二噴口は、上記燃料噴射装置本体の内壁内に設けられた内壁内燃料通路の内部に配置され、上記内壁内燃料通路における上記第二噴口を巡る燃料旋回流の上流側の側壁は、燃料の流れ方向に沿って流路幅が逓増する形状を呈しており、下流側の側壁の少なくとも1部は、上記上流側での燃料の流れ方
    向に対して直交方向またはそれに近い方向となる形状を呈していることを特徴とする燃料噴射装置。
  2. 上記第二噴口の平均開口断面積は、上記第一噴口の平均開口断面積より小さいことを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射装置。
  3. 上記第二噴口の平均開口断面積は、上記第一噴口の平均開口断面積の0.5〜0.95倍であることを特徴とする請求項2に記載の燃料噴射装置。
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