JP2013217324A - 燃料噴射弁 - Google Patents

燃料噴射弁 Download PDF

Info

Publication number
JP2013217324A
JP2013217324A JP2012089746A JP2012089746A JP2013217324A JP 2013217324 A JP2013217324 A JP 2013217324A JP 2012089746 A JP2012089746 A JP 2012089746A JP 2012089746 A JP2012089746 A JP 2012089746A JP 2013217324 A JP2013217324 A JP 2013217324A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel
fuel injection
injection valve
needle valve
inlet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012089746A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuo Kobayashi
辰夫 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2012089746A priority Critical patent/JP2013217324A/ja
Publication of JP2013217324A publication Critical patent/JP2013217324A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】燃料を旋回させて噴射するときに、燃料の噴霧を引き寄せる負圧の発生を抑制することを課題とする。
【解決手段】燃料噴射弁は、先端側にシート部を有するニードル弁と、前記シート部が着座するシート面を有すると共に前記シート面の下流側にサック室を備え、前記サック室内に入口を有する噴孔を備えたノズルボディと、前記サック室内に導入される燃料を旋回させる旋回流生成部と、を備え、前記ニードル弁は、前記噴孔から噴射される燃料が形成する旋回流の中央部に気体を導入する気体導入手段を備える。旋回流の中央部に気体が導入されることにより、コーン形状の噴霧の中央部に負圧が発生することを抑制し、噴霧が引き寄せられることを回避することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は燃料噴射弁に関する。
近年、内燃機関に関し、CO低減及びエミッション低減のため、過給リーン、大量EGR及び予混合自着火燃焼の研究が盛んに行われている。これらの研究によると、CO低減及びエミッション低減の効果を最大限に引き出すには、リーン状態が進行したり、EGRが大量に導入されたりして、燃焼限界により近づいた状態において安定した燃焼状態を得る必要がある。また、石油燃料の枯渇化が進む中、メタノールやバイオ燃料など多種の燃料でも安定して燃焼させることができるロバスト性が要求される。このような安定した燃焼を得るのに最も重要な点は混合気の着火ばらつきを低減することや膨張行程で燃料を燃やしきる速やかな燃焼が必要とされる。
また、噴霧燃料が液滴のまま燃焼室壁やポート壁面に衝突すると、オイル希釈が問題となり、PM(Particulate Matter)やスモークの発生、さらには、過渡応答性の低下が懸念されるため、これらの対策も必要となる。これらの対策としては、燃料が速やかに気化できるように噴霧燃料を微細化し、また、燃焼室壁やポート壁に燃料が衝突しないように低ペネトレーション化することが有効である。
このような状況下、燃料の微粒化を図るべく、旋回流(スワール)を形成する燃料噴射弁が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、例えば、特許文献2には、燃料貯留部に燃料の旋回流を発生させ、ノズルボディの外部から燃料貯留部に気体を吸入可能な気体吸入孔を備える燃料噴射ノズルが開示されている。特許文献2における気体吸入孔は、ノズルボディの先端部側からニードルの軸線方向に向かって燃料貯留部に気体を吸入可能な構成となっている。
このように、良好な燃焼を得るために、燃料の旋回流が利用されることがある。
特開2000−145584号公報 特開2011−220209号公報
ところで、燃料を旋回流として噴射する場合、噴射された燃料は、中空のコーン形状となる。中空となるコーン形状噴霧の中央部には、負圧が発生する。この負圧は、コーン形状をなす燃料噴霧をそのコーン形状の内側へ引き付ける可能性がある。燃料噴霧がコーン形状の内側に引き寄せられると、場合によっては燃料噴霧が交差してしまうおそれがある。燃料噴霧が交差すると、燃料の微粒化が妨げられる。
そこで本明細書開示の燃料噴射弁は、燃料を旋回させて噴射するときに、燃料の噴霧を引き寄せる負圧の発生を抑制することを課題とする。
上記課題を解決するために本明細書開示の燃料噴射弁は、先端側にシート部を有するニードル弁と、前記シート部が着座するシート面を有すると共に前記シート面の下流側にサック室を備え、前記サック室内に入口を有する噴孔を備えたノズルボディと、前記サック室内に導入される燃料を旋回させる旋回流生成部と、を備え、前記ニードル弁は、前記噴孔から噴射される燃料が形成する旋回流の中央部に気体を導入する気体導入手段を備える。
噴孔からコーン形状に噴射される燃料噴霧の中央部へ、気体導入手段により気体が導入されることにより、コーン形状の中央部における負圧の発生が抑制される。これにより、噴霧がコーン形状の中央部に引き寄せられることが回避され、噴霧の微粒化が妨げられることがない。噴霧角が狭いとき、噴霧が近いため、噴霧同士が衝突したり、交差したりするおそれが高まるが、気体導入手段が備えられたことにより、狭噴霧角の場合であっても噴霧の微粒化が妨げられることがない。
前記気体導入手段は、前記ニードル弁内に設けられ、前記ニードル弁の前記シート部よりも先端側に延設されて前記サック室内に臨む延長部に、前記噴孔の入口に対向可能に設けられた開口部を有する貯気室とすることができる。
延長部が設けられ、貯気室の開口部と噴孔の入口とが対向することにより、貯気室内の気体が、噴孔から噴射される燃料が形成する旋回流の中央部へ速やかに導入される。
前記噴孔は、前記ノズルボディに複数設けられ、前記貯気室の開口部は、前記複数の噴孔の数に対応させて複数設けられ、前記複数の開口部は、それぞれ前記複数の噴孔の入口に対向可能に設けられる。
燃料噴射弁が複数の噴孔を備える場合であっても、貯気室の開口部と噴孔の入口とが対向することにより、それぞれの噴孔から噴射される燃料の旋回流の中央部に気体を導入することができる。この結果、各噴孔から噴射される燃料の噴霧がコーン形状の中央部に引き寄せられることが回避される。
本明細書開示の燃料噴射弁は、前記貯気室の開口部と前記噴孔の入口とが対向する第1の状態と、前記第1の位置から、前記貯気室の開口部と前記噴孔の入口との位置関係を変化させた第2の状態との間で前記貯気室の開口部と前記噴孔の入口との相対位置関係を変化させる駆動部を備えることができる。
駆動部により、前記貯気室の開口部と前記噴孔の入口とが対向した第1の状態とすることにより、噴霧のコーン形状が維持され、この結果、燃料の微粒化が促進され、低ペネトレーションが実現される。一方、駆動部により、第2の状態とされると、噴霧のコーン形状の中央部に負圧が発生する。この結果、噴霧が交差し、噴霧内に含まれる微細気泡が結合し、微細気泡の分離が阻害される。これにより、微細気泡の圧壊が遅れ、噴孔から離れた位置で微細気泡が圧壊し、燃料の微粒化が達成される。すなわち、ペネトレーションが強まる。なお、駆動部は、前記第1の状態と第2の状態とを創出することができるものであれば、どのような構成であってもよい。
例えば、前記駆動部は、磁石部材と電磁石との組み合わせであり、前記磁石部材と電磁石の一方を前記ニードル弁に配置し、他方を前記ニードル弁の周囲に配置した構成とすることができる。電磁石の通電の向きを入れ換えることにより、第1の状態と第2の状態を創出することができる。
本明細書に開示された燃料噴射弁によれば、燃料を旋回させて噴射するときに、燃料の噴霧を引き寄せる負圧の発生を抑制することができる。
図1は実施例1の燃料噴射弁の要部を断面として示す説明図である。 図2(A)は実施例1の燃料噴射弁の先端部を断面とし拡大して示す説明図である。 図3は、比較例の燃料噴射弁による噴霧の形状を模式的に示す説明図である。 図4は実施例2の燃料噴射弁の先端部を断面として示す説明図である。 図5(A)は第1の状態にある実施例3の燃料噴射弁の先端部を断面として示す説明図であり、図5(B)は噴孔、永久磁石及び電磁石の配置を示す説明図である。 図6(A)は第2の状態にある実施例3の燃料噴射弁の先端部を断面として示す説明図であり、図6(B)は噴孔、永久磁石及び電磁石の配置を示す説明図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面と共に詳細に説明する。ただし、図面中、各部の寸法、比率等は、実際のものと完全に一致するようには図示されていない場合がある。また、図面によっては細部が省略されている場合もある。
本発明の実施例1について図面を参照しつつ説明する。燃料噴射弁1は、ノズルボディ10、ニードルガイド20、ニードル弁30を備える。
ノズルボディ10は、筒状の部材であり、内側に、シート面11を有する。シート面11には、後述するシート部31が着座する。シート面11の上流側には、圧力室12が形成されている。また、ノズルボディ10は、シート面11の下流側にサック室13を備える。サック室13には、その軸線方向が、ニードル弁30の軸線AX0と一致する噴孔14の入口14aが設けられている。
ニードルガイド20は、ノズルボディ10内に装着されている。ニードルガイド20は、筒状の部材であり、先端部の外周部に螺旋溝21が設けられている。螺旋溝21は、サック室13内に導入される燃料を旋回させる旋回流生成部に相当する。すなわち、ノズルボディ10の内周壁と、ニードルガイド20の基端側外周面との間に形成された燃料流路40を通じて一旦圧力室12に導入された燃料が螺旋溝21へ導入される。これにより、燃料に旋回成分が付与され、旋回流が生成される。
ニードル弁30は、ニードルガイド20の内周壁面20aに摺動自在に装着されている。ニードル弁30は、軸線AX0方向に沿って往復動する。ニードル弁30には、シート部31が設けられている。このシート部31がシート面11に着座することにより、燃料噴射弁1は、閉弁状態となる。ニードル弁30は、シート部31よりも先端側に延設されてサック室13に臨む延長部32を備える。ニードル弁30は、その内部に貯気室33を備える。貯気室33の開口部33aは、延長部32に位置し、噴孔14の入口14aに対向させて設けられている。貯気室33の他端側は、閉塞されている。このように、ニードル弁30内に設けられ、ニードル弁30のシート部31よりも先端側に延設されてサック室13内に臨む延長部32に、噴孔14の入口14aに対向させた開口部33aを有する貯気室33は、気体導入手段に相当する。貯気室33は、噴孔14から噴射される燃料が形成する旋回流の中央部に気体を導入する。これにより、コーン形状となる噴霧の中央部に負圧が発生することを抑制し、噴霧がコーン形状の中央部に引き寄せられることを回避することができる。なお、延長部32は、燃料の流通を妨げない外形寸法を備える。具体的には、ニードル弁30がリフトした状態のときに、シート部31におけるニードル弁30の外周壁面とシート面11との間の流路面積と比較して、噴孔14の入口14aと延長部32の先端部との間の流路面積を同等とする。
図1を参照すると、燃料噴射弁1は、駆動機構41を備えている。駆動機構41はニードル弁1の摺動動作を制御する。駆動機構41は、圧電素子、電磁石などを用いたアクチュエータやニードル弁30へ適切な圧力を付与する弾性部材など、ニードル弁30が動作するのに適する部品を備えた従来から知られる機構である。実施例1の燃料噴射弁1には、ニードル弁30を先端側へ付勢するコイルスプリング42が備えられている。
つぎに、以上のような燃料噴射弁1による、燃料噴射の様子について説明する。ニードル弁30がリフトし、シート部31がシート面11から離座すると、燃料通路40を通過した燃料は、一旦、圧力室12に導入され、その後、螺旋溝21へ流入する。これにより、燃料が旋回流となる。そして、旋回流は、シート面11に沿って、サック室13内へ導入される。ここで、燃料噴射弁1によって実現される噴霧の状態について説明する。燃料噴射弁1は、ニードルガイド20を備え、噴射される燃料に旋回流を付与する。旋回流を付与する目的として、燃料の良好な拡散や燃料の微粒化を挙げることができる。燃料の微粒化の原理は以下の如くである。燃料噴射弁1内で旋回速度の速い旋回流が形成され、その旋回流が径の小さい噴孔に導入されると、旋回流の旋回速度が加速され、その強い旋回流の旋回中心に負圧が発生する。負圧が発生すると貯気室33内の空気が噴孔14内に吸引される。これにより噴孔14内に気柱が発生する。こうして発生した気柱と燃料との界面において気泡が生成する。発生した気泡は気柱の周囲を流れる燃料に混入し、気泡混入流として外周側を流れる燃料流とともに噴射される。そして、気泡が分裂し、その後、自己加圧作用によって圧壊することにより、燃料の微粒化が達成される。図2を参照すると、噴射された燃料は、液膜状態の噴霧がコーン形状に拡散する。このコーン形状の中心部は中空であるが、その中心部に貯気室33内の空気が供給されることにより、その中心部に負圧が発生することは抑制される。
図3を参照すると、比較例の燃料噴射弁100では、噴孔101から噴射された燃料は、噴霧の中央部に噴霧が引き寄せられ、噴霧同士が交差してしまう。比較例の燃料噴射弁100では、螺旋溝を通過した燃料が旋回流となり、旋回流の中心部に発生した負圧によって噴孔101を通じて燃焼ガスや空気が取り込まれる。そして、噴孔101内に気柱が発生して気柱と燃料との境界において気泡が発生する。発生した気泡は気柱の周囲を流れる燃料に混入し、気泡混入流として外周側を流れる燃料流とともに噴孔101から噴射される。旋回流となった燃料が噴孔101から噴射されると、その噴霧形状がコーン形状をなす点は実施例1と共通する。しかしながら、比較例の燃料噴射弁100は、実施例1の燃料噴射弁1と異なり、ニードル弁の延長部及び貯気室を備えていない。このため、燃料噴射弁100から噴射された噴霧は、コーン形状を形成した後、コーン形状の中心部に発生する負圧に起因して噴霧が中央部に引き寄せられる。その結果、噴霧同士が交差する。噴霧同士が交差すると噴孔101内への燃焼ガスや空気の吸引が妨げられ、十分な量の気泡を発生させることができない可能性がある。また、気泡が分裂する前に液膜の状態で噴霧が衝突すると、気泡がさらに結合することになるため、液膜厚さが厚くなり、気泡の分裂を遅らせる。その結果、気泡が分裂する前に燃料がポート壁や燃焼室壁に衝突してしまう。
これに対し、実施例1の燃料噴射弁1は、噴孔14の入口14aの近傍まで延びる貯気室33を備えており、噴孔14の中央部に発生する負圧で貯気室33内の空気が吸引される。このため、噴霧の交差、衝突を回避することができる。燃料噴射弁1は、ポート噴射とする場合に、好適に用いることができる。ポート噴射とする場合、燃料がポート壁に当たらないように噴霧角は小さい方が都合がよい。噴霧角を小さくする場合、中空のコーン形状の噴霧は、交差し易い状態であるといえるが、このような場合であっても、コーン形状の中心部に貯気室33内の空気が導入されることから、コーン形状の中心部における負圧の発生が抑制され、噴霧の交差、衝突を回避することができる。燃料噴射弁1では、微細気泡の分裂が速やかに行われ、分裂した微細気泡の圧壊が行われる。この結果、低ペネトレーション化が達成され、この点でも、燃料噴射弁10は、ポート噴射に適している。
つぎに、実施例2について図4を参照しつつ説明する。図4は実施例2の燃料噴射弁50の先端部を断面として示す説明図である。実施例2の燃料噴射弁50は、複数の噴孔53を備えるノズルボディ51を備える。ノズルボディ51は、サック室52を備え、噴孔53の入口53aは、それぞれサック室52内に位置している。噴孔53の軸線は、それぞれAX1で示されている。燃料噴射弁50は、ニードル弁60を備える。ニードル弁60は、サック室52に臨む延長部61を備える。また、ニードル弁60は、貯気室62を備える。貯気室62の開口部62aは、延長部61の先端部に位置している。開口部62aは、噴孔53の数に対応させて設けられている。そして、それぞれの開口部62aは、ニードル弁60のフルリフト状態で噴孔53の入口53aと対向している。噴孔53の軸線AX1は、ニードル弁60のフルリフト状態において、開口部62aの中心部を通過している。なお、他の構成は、実施例1と同様であるので、共通する構成要素については図面中、同一の参照番号を付して、その詳細な説明は省略する。
このように、複数の噴孔53を備える場合であっても、それぞれ複数の噴孔53の入口53aに対向可能に貯気室62の開口部62aを設けることにより、開口部62aから噴孔中心部に空気を供給することができるので、噴孔中心部で気泡を発生させることができる。さらに、各噴孔53から噴射された噴霧のコーン形状の中心部へ貯気室62から空気を供給することができる。
例えば、ディーゼル機関に用いられる燃料噴射弁は、圧縮TDC(上死点)近傍で噴射することから、燃焼室内に燃料を拡散し、噴霧の勢いで空気とのミキシングを促進する必要がある。このようにある程度のペネトレーションが必要となる場合、多噴孔、狭角噴霧とすることが有効であるが、貯気室62を備えることにより、所望の噴霧形態を実現し易くなる。
つぎに、実施例3につき、図5及び図6を参照しつつ説明する。図5(A)は第1の状態にある実施例3の燃料噴射弁70の先端部を断面として示す説明図であり、図5(B)は噴孔、永久磁石及び電磁石の配置を示す説明図である。図6(A)は第2の状態にある実施例3の燃料噴射弁70の先端部を断面として示す説明図であり、図6(B)は噴孔、永久磁石及び電磁石の配置を示す説明図である。
実施例3の燃料噴射弁70は、ニードル弁60の外周壁面に磁石部材71を備え、ニードルガイド20の内周壁面に電磁石72を備える点で実施例2の燃料噴射弁50と異なる。磁石部材71と電磁石72との組み合わせは、駆動部に相当する。磁石部材71と電磁石72とを組み合わせることにより、貯気室62の開口部62aと噴孔53の入口53aとの相対位置関係を変化させることができる。磁石部材71と電磁石72とを入れ換えて配置してもよい。電磁石72を、磁石部材71を備えたニードル弁60の周囲に配置することにより、軸線AX0を回転中心としてニードル弁60を回転させることができる。電磁石72はECU(Electronic control unit)73と電気的に接続されており、ECU73の指令により、通電制御されている。磁石部材71は、ニードル弁60の外周壁面に等間隔に6個設けられている。電磁石72は、ニードルガイド20の内周壁面に等間隔に6個設けられている。磁石部材71と電磁石72とは、電磁石72に通電されていない状態で対向状態とならないようにずらして配置されている。
図5(A)、(B)に示す燃料噴射弁70は、ニードル弁60のフルリフト時に貯気室62の開口部62aと噴孔53の入口53aとが対向する第1の状態を示している。このとき、電磁石72には通電されていない。例えば、エンジンが中軽負荷であるときは、このような第1の状態とする。第1の状態では、噴孔53の中心部が負圧となると貯気室62から空気が導入される。このため、噴孔53中で気柱を発生させて微細気泡を生成することができる。また、噴射された燃料のコーン形状を維持することができる。噴霧のコーン形状が維持されることにより、噴霧中の微細気泡が速やかに分離され、その後、微細気泡は、自己加圧作用によって圧壊される。これにより、適度なペネトレーションを得ることができる。
一方、図6(A)、(B)に示す燃料噴射弁70は、第1の状態から貯気室62の開口部62aと噴孔53の入口53aとの位置関係を変化させた第2の状態を示している。具体的には、第1の状態のときに、ECU73の指令により電磁石72に通電する。これにより、磁石部材71が電磁石72に引き寄せられてニードル弁60が回転し、磁石部材71と電磁石72とが対向する状態となる。磁石部材71と電磁石72とが対向する状態となると、貯気室62の開口部62aと噴孔53の入口53aとはずれた状態となり、貯気室62内の空気の噴孔53内への導入が遮断される。例えば、エンジンが高負荷であるときは、このような第2の状態とする。第2の状態では、噴孔53内に貯気室62内の空気が導入されないことから、噴孔53から噴射された噴霧のコーン形状の中心部に負圧発生する。すると、微細気泡が分離する前の液膜状態の噴霧が負圧に引き寄せられて交差する。この結果、液膜がさらに厚くなり、微細気泡の分離を遅らせる。これにより、噴霧のペネトレーションは強くなり、燃料が微粒化しないまま、噴霧は遠くまで分散される。
なお、電磁石72に通電し、ニードル弁60を回転させると、これに伴って、図1に示すコイルスプリング42が捩じられる。このため、電磁石72の通電を解除すると、コイルスプリング42の弾性によってニードル弁62が逆回転し、ニードル弁60は、元の位置(第1の状態)に復帰する。ニードル弁60を元の位置に復帰させるために、電磁石72へ逆向きの電流を流し、斥力を発生させてもよい。
高負荷時のように、燃料量が多い運転条件では、微細気泡を含んだ噴霧を燃焼室全体に分散させることで、空気利用率を高めることができる。また、噴霧の勢いを強くすることで燃焼室内に気流の乱れを生じさせて燃焼効率を高めることができる。実施例3の燃料噴射弁70によれば、このような高負荷時の要請にも応えることができる。
実施例3の燃料噴射弁70は、例えば、ガソリンエンジンの中央噴射弁として用いたり、ディーゼ噴射弁にように運転条件によって噴霧のペネトレーションの変化が求められたりする場合に有用である。
上記実施例は本発明を実施するための一例にすぎない。よって本発明はこれらに限定されるものではなく、請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
1、50、70、100 燃料噴射弁
10、51 ノズルボディ
11 シート面
12 圧力室
13 サック室
14、53 噴孔
14a、53a 入口
20 ニードルガイド
20a 内周壁面
21 螺旋溝
30、60 ニードル弁
31 シート部
32 延長部
33、62 貯気室
33a、62a 開口部

Claims (5)

  1. 先端側にシート部を有するニードル弁と、
    前記シート部が着座するシート面を有すると共に前記シート面の下流側にサック室を備え、前記サック室内に入口を有する噴孔を備えたノズルボディと、
    前記サック室内に導入される燃料を旋回させる旋回流生成部と、
    を備え、
    前記ニードル弁は、前記噴孔から噴射される燃料が形成する旋回流の中央部に気体を導入する気体導入手段を備える燃料噴射弁。
  2. 前記気体導入手段は、前記ニードル弁内に設けられ、前記ニードル弁の前記シート部よりも先端側に延設されて前記サック室内に臨む延長部に、前記噴孔の入口に対向可能に設けられた開口部を有する貯気室である請求項1に記載の燃料噴射弁。
  3. 前記噴孔は、前記ノズルボディに複数設けられ、前記貯気室の開口部は、前記複数の噴孔の数に対応させて複数設けられ、前記複数の開口部は、それぞれ前記複数の噴孔の入口に対向可能に設けられた請求項2に記載の燃料噴射弁。
  4. 前記貯気室の開口部と前記噴孔の入口とが対向する第1の状態と、前記第1の位置から、前記貯気室の開口部と前記噴孔の入口との位置関係を変化させた第2の状態との間で前記貯気室の開口部と前記噴孔の入口との相対位置関係を変化させる駆動部を備えた請求項2又は3に記載の燃料噴射弁。
  5. 前記駆動部は、磁石部材と電磁石との組み合わせであり、前記磁石部材と電磁石の一方を前記ニードル弁に配置し、他方を前記ニードル弁の周囲に配置した請求項4記載の燃料噴射弁。
JP2012089746A 2012-04-10 2012-04-10 燃料噴射弁 Pending JP2013217324A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012089746A JP2013217324A (ja) 2012-04-10 2012-04-10 燃料噴射弁

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012089746A JP2013217324A (ja) 2012-04-10 2012-04-10 燃料噴射弁

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013217324A true JP2013217324A (ja) 2013-10-24

Family

ID=49589698

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012089746A Pending JP2013217324A (ja) 2012-04-10 2012-04-10 燃料噴射弁

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013217324A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102018208857A1 (de) * 2018-06-06 2019-12-12 Robert Bosch Gmbh Injektor für gasförmige und flüssige Brennstoffe
WO2020174898A1 (ja) * 2019-02-27 2020-09-03 株式会社デンソー 流体噴射装置

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61129461A (ja) * 1984-11-29 1986-06-17 Toyota Motor Corp 気体および液体の噴射装置
JPH08144896A (ja) * 1994-11-25 1996-06-04 Zexel Corp 可変噴孔型燃料噴射ノズル
JPH10288130A (ja) * 1997-04-18 1998-10-27 Denso Corp 燃料噴射弁
JP2000145584A (ja) * 1998-09-02 2000-05-26 Denso Corp 燃料噴射ノズル
JP2009275669A (ja) * 2008-05-16 2009-11-26 Toyota Motor Corp 内燃機関の燃料噴射装置
JP2011226419A (ja) * 2010-04-21 2011-11-10 Toyota Motor Corp 燃料噴射弁
JP2011247172A (ja) * 2010-05-26 2011-12-08 Toyota Motor Corp 燃料噴射装置

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61129461A (ja) * 1984-11-29 1986-06-17 Toyota Motor Corp 気体および液体の噴射装置
JPH08144896A (ja) * 1994-11-25 1996-06-04 Zexel Corp 可変噴孔型燃料噴射ノズル
JPH10288130A (ja) * 1997-04-18 1998-10-27 Denso Corp 燃料噴射弁
JP2000145584A (ja) * 1998-09-02 2000-05-26 Denso Corp 燃料噴射ノズル
JP2009275669A (ja) * 2008-05-16 2009-11-26 Toyota Motor Corp 内燃機関の燃料噴射装置
JP2011226419A (ja) * 2010-04-21 2011-11-10 Toyota Motor Corp 燃料噴射弁
JP2011247172A (ja) * 2010-05-26 2011-12-08 Toyota Motor Corp 燃料噴射装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102018208857A1 (de) * 2018-06-06 2019-12-12 Robert Bosch Gmbh Injektor für gasförmige und flüssige Brennstoffe
CN110566387A (zh) * 2018-06-06 2019-12-13 罗伯特·博世有限公司 用于气态和液态燃料的喷射器
WO2020174898A1 (ja) * 2019-02-27 2020-09-03 株式会社デンソー 流体噴射装置
JP2020139435A (ja) * 2019-02-27 2020-09-03 株式会社デンソー 流体噴射装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5682631B2 (ja) 燃料噴射弁
JP5678966B2 (ja) 燃料噴射弁
JP4508142B2 (ja) 内燃機関用燃料噴射弁
WO2012001802A1 (ja) 燃料噴射弁及び内燃機関
JP5295337B2 (ja) 流体噴射弁による噴霧生成方法、流体噴射弁、及び噴霧生成装置
JP5494824B2 (ja) 燃料噴射弁
US10280885B2 (en) Fluid injection valve and spray generator
JP2014062536A (ja) 燃料噴射弁
WO2012086004A1 (ja) 燃料噴射弁
KR101704315B1 (ko) 연료 분사 밸브
JPWO2012114480A1 (ja) 燃料噴射弁
JP2004211682A (ja) 燃料噴射装置
JP2011220132A (ja) 燃料噴射弁
JP2013217324A (ja) 燃料噴射弁
JP2013249826A (ja) 燃料噴射弁、及び内燃機関の燃料噴射装置
JP2013204455A (ja) 燃料噴射弁
JP5983535B2 (ja) 燃料噴射弁
JP5825228B2 (ja) 燃料噴射弁
JP2004332657A (ja) 燃料噴射弁
JP2014047698A (ja) 燃料噴射弁
KR102013221B1 (ko) 기화기
JP4038767B2 (ja) 燃料噴射装置
JP2012137053A (ja) 燃料噴射弁
JP2012132366A (ja) 燃料噴射弁
JPH10331739A (ja) エンジンの燃料噴射弁及び燃料噴射方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140326

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20141225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150106

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150305

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20150728