JP2011220132A - 燃料噴射弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】貫徹力の高い噴霧と低い噴霧とを形成可能な燃料噴射弁において、噴射状態の制御を改善する。
【解決手段】燃料噴射弁1は、ノズルボディ2と、ノズルボディ2の内側と外側とを連通する第1噴孔21と、ノズルボディ2の内側に摺動可能に組み込まれた中空円筒形状の第1ニードル3と、第1ニードル3の内側と外側とを連通する第2噴孔33と、第1ニードル3の内側に摺動可能に組み込まれ、第2噴孔33を開閉する第2ニードル4と、を備え、第1ニードル3が着座した場合、第1噴孔21の第1ニードル3側の燃料の入口開口部21aと第2噴孔33のノズルボディ2側の燃料の出口開口部33aとが対向し、第1噴孔21と第2噴孔33とが連通する。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンの燃焼室へ燃料を噴射する燃料噴射弁に関する。
エンジンの燃焼室内へ燃料を直接噴射する筒内噴射型の燃料噴射装置が知られている。このような燃料噴射装置の燃料噴射弁は筒内の広い領域へ燃料を拡散させて、燃料と空気との混合を促進することを目的に、噴霧の貫徹力が強化されている。
また、エンジンは、近年の排気ガスやCOの厳しい規制に対応するため、燃焼室温度を低下する低圧縮比化や過給ダウンサイジングのコンセプトによるボアの小型化が進められている。ボアを小型化したエンジンに、噴霧の貫徹力を強化した従来の燃料噴射装置を組み合わせた場合、小型化したボアの壁面へ燃料が付着してしまう。また、低圧縮比化により燃焼室温度が低下していることから、ボア壁面に付着した燃料が気化しないまま燃焼が起こり、HC排出量の増加やオイル希釈が生じるおそれがある。このため、エンジンの低負荷運転時やポスト噴射時には貫徹力の低い噴霧が要求される。その一方で、エンジンの高負荷運転時では空気との混合促進のために高い貫徹力の噴霧が要求される。
したがって、燃料噴射弁は、エンジンの運転領域が低負荷領域である場合、低貫徹力の噴霧を形成し、噴霧粒径を微粒化することが求められ、エンジンの運転領域が高負荷領域となる場合、高貫徹力の噴霧を形成し、筒内の広域に燃料を拡散することが求められている。
このような燃料噴射装置の噴射弁が特許文献1、2に開示されている。特許文献1の燃料噴射ノズルは、高貫徹力の噴霧を発生させる第1噴孔流路と、低貫徹力で噴霧の拡散性の高い噴霧を発生させる第2噴孔流路を設けたハウジングを備え、高貫徹力の燃料噴射形態と低貫徹力の燃料噴射形態とを選択的に切り替える。特許文献2の燃料噴射ノズルは、ノズルの軸方向前後に複数の噴孔を設けたボディを備え、内側ニードルと、噴孔を設けた外側ニードルと、をボディ内に収納した構成により、燃料噴射時に開口する噴孔数を変更する。
特開2006−83764号公報 特開2006−220129号公報
ところで、上記特許文献1の燃料噴射弁では、第1噴孔流路と第2噴孔流路とが設けられたハウジングを備えることが必要であり、部品点数が増加する。
また、特許文献2の燃料噴射弁では、内側ニードルのみが開弁する場合と、外側ニードルが開弁する場合とで、燃料を噴射する噴孔の位置がノズルの軸方向で変化する。特許文献2のようなノズルボディの軸方向前後に複数の噴孔を設けた燃料噴射弁では、いずれの噴孔から噴射するかは燃料の噴射量によって定まり、噴射量の制御と噴霧の制御とをそれぞれ独立して行うことができない。これにより、エンジンの燃焼室に対して、噴射される位置が変わるため、燃焼室内における噴霧の分布が変化する。したがって、このような燃料噴射弁は噴射制御に改善の余地がある。
そこで、本発明は、貫徹力の高い噴霧と低い噴霧とを形成可能な燃料噴射弁において、噴射状態の制御を改善することを課題とする。
かかる課題を解決する本発明の燃料噴射弁は、ノズルボディと、前記ノズルボディの内側と外側とを連通する第1噴孔と、前記ノズルボディの内側に摺動可能に組み込まれた中空円筒形状の第1ニードルと、前記第1ニードルの内側と外側とを連通する第2噴孔と、前記第1ニードルの内側に摺動可能に組み込まれ、前記第2噴孔を開閉する第2ニードルと、を備え、前記第1ニードルの摺動により、前記第1噴孔の入口開口部と前記第2噴孔の出口開口部とが対向する連通状態と前記入口開口部と前記出口開口部とがずれた非連通状態とが切替わり、前記第2ニードルの摺動により、燃料噴射の開始及び停止が制御されることを特徴とする。
このような構成とすることにより、燃焼室に対し、燃料を噴射する噴孔の位置を変えずに噴霧の貫徹力のみを変更することができる。このため、貫徹力が異なる噴霧の燃焼室内における分布位置(高さ)を一定の位置にできる。また、ピストン表面の形状を、複数の噴孔位置を考慮した形状とする必要がない。上記構成によると、第2ニードルが着座した状態で、第1噴孔と第2噴孔とが連通し、あたかも長い噴孔を備える構成とすることができる。噴孔が長くなると、貫徹力が高くなることから、ノズルボディの第1噴孔のみを燃料が通過する場合、貫徹力の低い噴霧が形成され、ノズルボディの第1噴孔と第1ニードルの第2噴孔とが連通した噴孔を燃料が通過する場合、貫徹力の高い噴霧が形成できる。また、上記構成によると、部品点数を増加することなく、比較的シンプルな構成により、貫徹力の異なる噴霧を形成できる。
上記構成の燃料噴射弁において、前記第2噴孔の入口面積よりも前記第2噴孔の出口面積を拡大した構成とすることができる。
上記構成の燃料噴射弁において、前記第1噴孔の入口面積と前記第2噴孔の出口面積とが異なる構成とすることができる。
上記構成の燃料噴射弁において、前記第2噴孔は入口から出口へ向かって流路面積が拡大した構成とすることができる。
このような構成とすることにより、ノズルボディの第1噴孔と第1ニードルの第2噴孔とが連通した通路の断面積が変化することから、通路を通過する燃料の流れに乱れを生み、キャビテーションの生成を促進して燃料の微粒化を促進することができる。また、このような形状の第1噴孔は単一の噴孔のみでは加工が困難であるため、2以上の噴孔を組み合わせることにより構成できる。
上記構成の燃料噴射弁において、前記第1噴孔と前記第2噴孔はコーン角が異なる構成とすることができる。このような構成とすることにより、第2噴孔の入口における流体の剥離によるキャビテーションの生成を調整することができる。
上記構成の燃料噴射弁において、前記第1噴孔、および前記第2噴孔はノズルボディの軸を対称に複数形成されており、前記第1噴孔の数と前記第2噴孔の数が異なる構成とすることができる。このような構成とすることにより、第1ニードルの開閉有無により、燃料の噴射する噴孔の数を変化することができる。また、このような構成により、形成する噴霧の形態が変わっても、燃焼室に対して噴孔位置が変化しないため、常に一定位置から燃料が噴射され、噴霧の分布を一定にすることができる。
本発明の燃料噴射弁は、貫徹力の高い噴霧と低い噴霧とを形成可能な燃料噴射弁において、噴射制御を改善することができる。
実施例1の燃料噴射弁の構成を示した断面図である。 図1中の第1噴孔と第2噴孔を拡大して示した説明図である。 燃料噴射弁のニードルが移動した状態を説明する説明図であって、(a)は、第1ニードル、第2ニードルのいずれもが着座した状態を示し、(b)は、第1ニードルが着座し、第2ニードルが離座した状態を示し、(c)は第1ニードル、第2ニードルのいずれもが離座した状態を示した説明図である。 キャビテーションの発生を促進する流体通路の説明図である。 構成1における燃料噴射弁の先端部の拡大図である。 構成2における燃料噴射弁の先端部の拡大図である。 構成3における燃料噴射弁の先端部の拡大図である。 構成4における燃料噴射弁の先端部の拡大図である。 構成5における燃料噴射弁の先端部の拡大図である。 構成6における燃料噴射弁の先端部の拡大図である。 構成7における燃料噴射弁の先端部の拡大図である。 構成8における燃料噴射弁の先端部の拡大図である。 構成9における燃料噴射弁の先端部の拡大図である。 ノズルボディと第1ニードルとの断面を模式的に示した説明図であって、(a)は、第1ニードルがリフトしない場合を示し、(b)は、第1ニードルがリフトした場合を示した説明図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面と共に詳細に説明する。
本発明の実施例1について図面を参照しつつ説明する。図1は本実施例の燃料噴射弁1の構成を示した断面図である。図2は図1中の第1噴孔21と第2噴孔33の部分を拡大して示した説明図である。
燃料噴射弁1は、ディーゼルエンジンの気筒に先端を向けて設置され、気筒内へ向けて燃料を噴射する。
燃料噴射弁1は、先端側に第1噴孔21が形成された中空円筒状のノズルボディ2と、ノズルボディ2の内側に摺動可能に組み込まれた中空円筒状の第1ニードル3と、第1ニードル3の内側に摺動可能に組み込まれた第2ニードル4とを備えている。なお、本実施例の説明において、先端側とはノズルボディ2の先端側、すなわち、図1中の下側を示し、基端側とはノズルボディ2の基端側、すなわち、図1中の上側を示すものとする。
ノズルボディ2の内側にシート面22が形成されている。シート面22は先端側へ向かって内径が小さくなるテーパ状となっている。第1噴孔21はこのシート面22に開口し、ノズルボディ2の内側と外側とを連通する。
第1ニードル3の先端側にはシール部31が形成されており、シール部31よりも先端側にシート面22と同様のテーパ状をしたテーパ面32が形成されている。第1ニードル3がノズルボディ2に着座する場合、シール部31が第1噴孔21よりも基端側でシート面22に接触する。また、第1ニードル3のシール部31よりも先端側、すなわちテーパ面32に、第1ニードル3の内側と外側とを連通する第2噴孔33が形成されている。第1ニードル3がノズルボディ2に着座した場合、第1噴孔21の第1ニードル3側の燃料の入口開口部21aと第2噴孔33のノズルボディ2側の燃料の出口開口部33aとが対向し、第1噴孔21の中心線21bと第2噴孔33の中心線33bが一致するように構成されている。また、第1ニードル3の内側にシート面34が形成されている。シート面34も先端側へ向かって内径が小さくなるテーパ状に形成されている。なお、ノズルボディ2の第1噴孔21、第2噴孔33はノズルボディ2の軸を対称として複数形成されており、第1噴孔21の数と第2噴孔33の数は同一である。
第1ニードル3は第1ガイド5に沿ってノズルボディ2の軸方向に摺動する。第1ニードル3は第1スプリング6によって、先端側に付勢されている。また、第1ニードル3、第1ガイド5により第1制御室7が区画されている。第1制御室7内には燃料が充填され、第1制御室7の燃料の圧力を調整することにより、第1ニードル3が先端側と基端側との間を摺動する。
第2ニードル4の先端側にシール部41が形成されている。第2ニードル4が第1ニードル3に着座する場合、シール部41が第2噴孔33の第2ニードル4側の開口部33cよりも基端側でシート面34に接触する。
第2ニードル4は第2ガイド8に沿ってノズルボディ2の軸方向に摺動する。第2ニードル4は第2スプリング9によって、先端側に付勢されている。また、第2ニードル4、第2ガイド8により第2制御室10が区画されている。第2制御室10内には燃料が充填され、第2制御室10の燃料の圧力を調整することにより、第2ニードル4が先端側と基端側との間を摺動する。
第1制御室7および第2制御室10内の燃料の圧力の調整は、従来から知られているピエゾアクチュエータ、または電磁コイルを備える駆動装置により行うことができる。ここでは駆動装置の説明は省略する。
また、ノズルボディ2、第1ニードル3、第2ニードル4を組み付けることにより、ノズルボディ2と第1ニードル3との間には燃料を第1噴孔21へ供給する第1燃料供給路11が形成され、第1ニードル3と第2ニードル4の間には燃料を第2噴孔33へ供給する第2燃料供給路12が形成される。
次に、燃料噴射弁1の燃料噴射時の動作状態について説明する。図3は燃料噴射弁1のニードルが移動した状態を説明する説明図である。図3(a)は、第1ニードル3、第2ニードル4のいずれもが着座した状態を示している。図3(b)は、第1ニードル3が着座し、第2ニードル4が離座した状態を示している。図3(c)は第1ニードル3、第2ニードル4のいずれもが離座した状態を示している。
図3(a)は初期状態、すなわち、燃料噴射弁1が燃料を噴射しない場合の状態である。
次に、エンジンの運転領域が高負荷である場合における噴射時の燃料噴射弁1の動作状態について説明する。燃料噴射弁1は、エンジンの運転領域が高負荷である場合に、図3(b)に示すように、第2ニードル4のみを基端側へ移動(リフト)させる。このように、第2ニードル4が基端側へ移動することにより、第2噴孔33に燃料が供給される。このとき、第2ニードル4の摺動により、燃料の噴射と停止とが制御される。さらに、第2ニードル4のみが基端側へ移動し、第1ニードル3が着座した状態であるため、第1噴孔21の第1ニードル3側の燃料の入口開口部21aと第2噴孔33のノズルボディ2側の燃料の出口開口部33aとが対向し、第1噴孔21の中心線21bと第2噴孔33の中心線33bが一致した状態となる。このため、あたかも第2噴孔33と第1噴孔21とが連通した状態となる。これにより、第2噴孔33と第1噴孔21を通過し噴射される燃料は、第1ニードル3の内側からノズルボディ2の外側に亘る長い噴孔から噴射される燃料と同様の噴霧が形成されると考えられる。燃料噴射弁の噴孔長は長くなるほど、燃料の流れが整うため、噴霧の貫徹力が上昇する。第2ニードル4のみがリフトする場合、燃料が第2燃料供給路12を通り第2噴孔33へ供給される。第2噴孔33へ供給された燃料は第2噴孔33と第1噴孔21とを通過して気筒内へ噴射される。このとき、燃料が噴孔内を通過する際に整流され、高貫徹力の噴霧が形成される。これにより、空気との混合が促進されてスモーク排出量が低減される。
次に、エンジンの運転領域が低負荷である場合における噴射時の燃料噴射弁1の動作状態について説明する。燃料噴射弁1は、エンジンの運転領域が低負荷である場合に、図3(c)に示すように、第1ニードル3と第2ニードル4とを基端側へ移動(リフト)させる。このとき、第1ニードル3が基端側へ移動するため、第1噴孔21の第1ニードル3側の燃料の入口開口部21aと第2噴孔33のノズルボディ2側の燃料の出口開口部33aとが対向しなくなり、第1噴孔21の中心線21bと第2噴孔33の中心線33bがずれる。これにより、第2噴孔33と第1噴孔21との連通状態は解除され非連通状態となる。従って、第1燃料供給路11を通り第1噴孔21へ供給された燃料はそのまま第1噴孔21からエンジンの気筒へ噴射される。このとき、燃料の助走区間が短いため、噴霧の貫徹力は強くならず、噴霧は噴射方向と直交する方向へ拡散し、微粒化が促進される。このときの噴霧は貫徹力が強くないので、気筒の壁面への付着が抑制される。このため、燃料が壁面へ付着することにより生じる未燃燃料のHC生成が抑えられるとともに、オイル希釈が低減する。また、燃料噴射弁1がポスト噴射を行う場合にも第1ニードル3と第2ニードル4とをリフトして、低い貫徹力の噴霧を形成するように設定できる。
以上のように、本実施例の燃料噴射弁1において、第1ニードル2の摺動により、第1噴孔21と第2噴孔33との連通状態と非連通状態とが切替わる。このような切替えは、エンジンの運転負荷に応じて変更する。燃料噴射弁1は、エンジンの運転領域が低負荷の場合、短い噴孔長の第1噴孔から燃料を噴射することにより、貫徹力を抑える。これにより、燃料が気筒壁面へ到達しないため、HCの排出を抑制し、オイルの希釈を抑制できる。また、燃料噴射弁1はエンジンの運転領域が高負荷の場合、噴孔長を長くして燃料を噴射することにより、貫徹力を向上する。これにより、空気との混合が促進されてスモーク排出量が低減できる。また、燃料噴射弁1は、第1噴孔21の位置を変えずに、貫徹力の高い噴射も低い噴射も行うことができるため、噴射制御が改善される。
次に、本発明の実施例2について説明する。本実施例の燃料噴射弁は、実施例1の燃料噴射弁1とほぼ同様の構成をしている。本実施例の燃料噴射弁は、燃料通路の構成が異なる点で、実施例1の燃料噴射弁1と異なる。
本実施例の燃料噴射弁では、高貫徹力の噴霧を形成する場合、噴射燃料にキャビテーションを発生させることにより、燃料の微粒化を促進する。ここで、キャビテーションの発生を促進する原理について説明する。図4はキャビテーションの発生を促進する流体通路の説明図である。図4(a)に示すように、通路幅が狭くなる箇所において、流体の流速が上昇するため、圧力が低下し、気泡が発生する。発生した気泡が下流側で消滅することによりキャビテーションcが発生する。さらに、図4(b)に示すように、一旦、通路幅が拡大された後、通路幅が狭くなる場合、通路幅が拡大された際に流れに乱れtが生じるため、よりキャビテーションcの発生が促進される。
本実施例では、第2噴孔33の入口面積よりも第2噴孔33の出口面積を拡大したことにより、キャビテーションの発生を促進する。次に、このようなキャビテーションの発生を促進する第2噴孔33の具体的構成を説明する。
(構成1)
図5は構成1における燃料噴射弁1Aの先端部の拡大図である。ノズルボディ2と第2ニードル4は実施例1の構成と同一である。実施例1と同一の構成要素については、図面中、同一の参照番号を付し、その詳細な説明は省略する。第1ニードル3Aの第2噴孔33Aには、ノズルボディ2側の開口部33Aaに通路断面積を拡張した拡張部35Aが形成されている。拡張部35Aは第2噴孔33Aの中心線33Abを軸とする円柱状の空間である。
(構成2)
図6は構成2における燃料噴射弁1Bの先端部の拡大図である。構成2は構成1とほぼ同様であるが、拡張部35Bの形状が第2噴孔33Bの中心線33Bbを軸とする円錐状の空間である点が構成1と異なる。
(構成3)
図7は構成3における燃料噴射弁1Cの先端部の拡大図である。構成3は構成1とほぼ同様であるが、拡張部35Cの形状が第2噴孔33Cの中心線と、シート面22に対向する第1ニードル3Cのテーパ面32Cとの交点33Cdを中心とする半球状の空間である点が構成1と異なる。
構成1〜3のような拡張部35A、35B、35Cを設けたことにより、第2噴孔33A、33B、33Cを通過する燃料のキャビテーションの発生が促進される。キャビテーションの発生により、燃料の微粒化が促進するため、燃焼効率が向上し、燃費が向上する。また、拡張部の形状は、構成1〜3のものに限定されず、角柱状の空間、角錐状の空間などでも同様の効果が得られる。
(構成4)
図8は構成4における燃料噴射弁1Dの先端部の拡大図である。ノズルボディ2と第2ニードル4は実施例1の構成と同一である。本構成では、第1噴孔21の入口面積と第2噴孔33Dの出口面積とが異なっている。第1ニードル3Dの第2噴孔33Dは、第2噴孔33Dの径d3Dを第1噴孔21の孔径d2Dよりも拡大している。
構成4のように第2噴孔33Dの径d3Dを第1噴孔21の孔径d2Dよりも拡大したことにより、第2噴孔33Dを通過する燃料のキャビテーションの発生が促進され、燃料の微粒化が促進する。これにより、燃焼効率が向上し、燃費が向上する。
(構成5)
図9は構成5における燃料噴射弁1Eの先端部の拡大図である。ノズルボディ2と第2ニードル4は実施例1の構成と同一である。本構成では、第1噴孔21の入口面積と第2噴孔33Eの出口面積とが異なっている。第1ニードル3Eの第2噴孔33Eは、第2噴孔33Eの径d3Eを第1噴孔21の孔径d2Eよりも縮小している。
構成5のように第2噴孔33Eの径d3Eを第1噴孔21の孔径d2Eよりも縮小したことにより、第2噴孔33Eを通過する燃料の流れに乱れを発生させて、燃料の微粒化を促進する。これにより、燃焼効率が向上し、燃費が向上する。
(構成6)
図10は構成6における燃料噴射弁1Fの先端部の拡大図である。ノズルボディ2と第2ニードル4は実施例1の構成と同一である。第1ニードル3Fの第2噴孔33Fは、入口から出口へ向かって流路面積が拡大した、すなわち、第2噴孔33Fの第2ニードル4側の開口部33Fcからノズルボディ2側の開口部33Faへ向かって第2噴孔33Fの幅が拡大している。すなわち、第2噴孔33Fは通路幅が徐々に拡張されている。
構成6のように第2噴孔33Fの通路を徐々に拡張したことにより、通路を通過する間に燃料の流れに乱れが生じる。この流れの乱れた燃料がノズルボディ2の第1噴孔21に流入する際、第2噴孔33Fと第1噴孔21との間の段差によりさらに燃料の流れに乱れが発生し、キャビテーションの生成が促進される。
(構成7)
図11は構成7における燃料噴射弁1Gの先端部の拡大図である。構成7はノズルボディ2Gの第1噴孔21Gの形状が異なる点を除き、構成6と同様である。ノズルボディ2Gの第1噴孔21Gの形状は、入口から出口へ向かって流路面積が縮小した、すなわち、第1噴孔21Gの第1ニードル3G側の開口部21Gaから、筒内側の開口部21Gb側へ向かって孔径が縮小している。
構成7では、第2噴孔33Gを通過する間に燃料の流れが乱れ、キャビテーションが発生するが、第1噴孔21Gを通過する間に、乱れた燃料の流れを整流する。これにより、高い拡散性を有し、かつ高い貫徹力の噴霧を形成する。
(構成8)
図12は構成8における燃料噴射弁1Hの先端部の拡大図である。ノズルボディ2と第2ニードル4は実施例1の構成と同一である。構成8では、第1噴孔21の第1ニードル3H側の燃料の入口開口部21aと第2噴孔33Hのノズルボディ2側の開口部33Haとが対向している。さらに、第1噴孔21と第2噴孔33Hはコーン角が異なる。具体的には、第2噴孔33Hの中心線33Hbとノズルボディ2の軸Lとが形成する角度α1が、第1噴孔21の中心線21bとノズルボディ2の軸Lとが形成する角度βよりも小さくなるように、第2噴孔33Hが形成されている。
構成8のように第2噴孔33Hを形成することにより、燃料が第2噴孔33Hに流入し易くなる。これにより、第2噴孔33Hの第2ニードル4側の開口部33Hc側における通路の入口側の剥離によるキャビテーションの発生が抑制され、貫徹力の強い噴霧が形成される。
(構成9)
図13は構成9における燃料噴射弁1Iの先端部の拡大図である。ノズルボディ2と第2ニードル4は実施例1の構成と同一である。構成9では、第1噴孔21の第1ニードル3I側の燃料の入口開口部21aと第2噴孔33Iのノズルボディ2側の開口部33Iaとが対向している。さらに、第1噴孔21と第2噴孔33Iはコーン角が異なる。具体的には、第2噴孔33Iの中心線33Ibとノズルボディ2の軸Lとが形成する角度α2が、第1噴孔21の中心線21bとノズルボディ2の軸Lとが形成する角度βよりも大きくなるように、第2噴孔33Iが形成されている。
構成9のように第2噴孔33Iを形成することにより、燃料が第2噴孔33Iに流入しにくくなる。これにより、第2噴孔33Iの第2ニードル4側の開口部33Ic側における通路の入口側の剥離によるキャビテーションの発生が促進され、燃料の微粒化が促進された噴霧が形成される。
本実施例では、第2噴孔33A〜33Iや第1噴孔21、21Gの形状を様々な形に加工することにより、キャビテーションの促進を行い、燃料の噴霧を制御できる。また、噴射燃料が、第2噴孔33A〜33Iと、第1噴孔21、21Gとを通過する構成としたことにより、ノズルボディ単体のみに形成することができない形状を形成することができる。
次に、本発明の実施例3について説明する。本実施例の燃料噴射弁は、実施例1の燃料噴射弁1とほぼ同様の構成をしている。ただし、ノズルボディの第1噴孔の数と第1ニードルの第2噴孔の数とが異なる点で実施例1の燃料噴射弁1と異なる。なお、その他の構成は実施例1と同一であり、実施例1と同一の構成要素については、図面中、同一の参照番号を付し、その詳細な説明は省略する。
図14は、ノズルボディ2と第1ニードル3との断面を模式的に示した説明図である。図14(a)は、第1ニードル3がリフトしない場合を示し、図14(b)は、第1ニードル3がリフトする場合を示している。図14中の矢示fは燃料の噴射を示している。本実施例では、ノズルボディ2の第1噴孔21が等間隔に8つ設けられている。また、燃料筒路33は第1ニードル3に等間隔に4つ設けられている。図14(a)に示すように、第1ニードル3がリフトしない場合には、第2噴孔33とつながる第1噴孔21のみから燃料が噴射される。一方、図14(b)に示すように、第1ニードル3がリフトする場合には、全ての第1噴孔21から燃料が噴射される。
ノズルボディ2の第1噴孔21の数と、第1ニードル3の第2噴孔33の数とを異なるようにしたことにより、エンジンの状態にあわせて、燃料を噴射する第1噴孔の数を変更することができる。例えば、エンジンの運転領域が軽負荷である場合、噴霧が過剰に拡散されることを抑制して少ない噴孔数の噴射、すなわち、第2ニードル4のリフトのみで噴射をする。一方、エンジンの運転領域が高負荷である場合、空気との混合をより促進するために多くの噴孔数の噴射、すなわち、第1ニードル3及び第2ニードル4をリフトして噴射することができる。これにより、エンジンの状態にあわせ、形成する噴霧を制御できる。
上記実施例は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、これらの実施例を種々変形することは本発明の範囲内であり、さらに本発明の範囲内において、他の様々な実施例が可能であることは上記記載から自明である。
1、1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G、1H、1I 燃料噴射弁
2 ノズルボディ
3 第1ニードル
4 第2ニードル
21、21G 第1噴孔
21a 第1ニードル側開口部
21b 第1噴孔中心線
33、33A、33B、33C、33D、33E、33F、33G、33H、33I 第2噴孔
33a ノズルボディ側開口部
33b 第2噴孔中心線
35A、35B、35C 拡張部

Claims (7)

  1. ノズルボディと、
    前記ノズルボディの内側と外側とを連通する第1噴孔と、
    前記ノズルボディの内側に摺動可能に組み込まれた中空円筒形状の第1ニードルと、
    前記第1ニードルの内側と外側とを連通する第2噴孔と、
    前記第1ニードルの内側に摺動可能に組み込まれ、前記第2噴孔を開閉する第2ニードルと、
    を備え、
    前記第1ニードルの摺動により、前記第1噴孔の入口開口部と前記第2噴孔の出口開口部とが対向する連通状態と、前記入口開口部と前記出口開口部とがずれた非連通状態とが切替わり、
    前記第2ニードルの摺動により、燃料噴射の開始及び停止が制御されることを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 請求項1記載の燃料噴射弁において、
    前記第2噴孔の入口面積よりも前記第2噴孔の出口面積を拡大したことを特徴とする燃料噴射弁。
  3. 請求項1または2記載の燃料噴射弁において、
    前記第1噴孔の入口面積と前記第2噴孔の出口面積とが異なることを特徴とする燃料噴射弁。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項記載の燃料噴射弁において、
    前記第2噴孔は入口から出口へ向かって流路面積が拡大したことを特徴とする燃料噴射弁。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項記載の燃料噴射弁において、
    前記第1噴孔は入口から出口へ向かって流路面積が縮小することを特徴とする燃料噴射弁。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項記載の燃料噴射弁において、
    前記第1噴孔と前記第2噴孔はコーン角が異なることを特徴とする燃料噴射弁。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項記載の燃料噴射弁において、
    前記第1噴孔、および前記第2噴孔はノズルボディの軸を対称に複数形成されており、前記第1噴孔の数と前記第2噴孔の数が異なることを特徴とする燃料噴射弁。
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