JP2012132366A - 燃料噴射弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】噴孔からの燃料噴射時においても燃料中に気泡を保持し、噴射後にその気泡を崩壊させることによって燃料の微粒化を図ることを課題とする。
【解決手段】燃料噴射弁は、噴孔が設けられたノズルボディと、前記ノズルボディ内に摺動自在に配置され、前記ノズルボディとの間に燃料導入路を形成するとともに、前記ノズルボディ内のシート部に着座するニードルと、前記燃料導入路から導入される燃料中に気柱を形成する気柱生成手段と、前記気柱生成手段により生成された気柱を破壊する気柱破壊手段と、を備えている。気柱破壊手段により、生成された気柱の界面を積極的に破壊する。これにより、気柱の表面が剥離される作用を受け、微細気泡の発生が活発化し、微細気泡の発生量が増加する。
【選択図】図2

Description

本発明は燃料噴射弁に関する。
近年、内燃機関に関し、CO低減及びエミッション低減のため、過給リーン、大量EGR及び予混合自着火燃焼の研究が盛んに行われている。これらの研究によると、CO低減及びエミッション低減の効果を最大限に引き出すには、より燃焼限界近傍において安定した燃焼状態を得る必要がある。また、石油燃料の枯渇化が進む中、バイオ燃料など多種の燃料でも安定して燃焼できるロバスト性が要求される。このような安定した燃焼を得るのに最も重要な点は混合気の着火ばらつきを低減することや膨張行程で燃料を燃やしきる速やかな燃焼が必要とされる。
また、内燃機関の燃料供給において、過度応答性の向上、気化潜熱による体積効率向上や低温での触媒活性化用の大幅な遅角燃焼のために燃焼室内へ燃料を直接噴射する筒内噴射方式が採用されている。ところが、筒内噴射方式を採用することにより、噴霧燃料が液滴のまま燃焼室壁に衝突して起こるオイル希釈や、液状燃料で噴射弁の噴孔周りに生成されるデポジットによる噴霧悪化により燃焼変動が助長されていた。
このような筒内噴射方式の採用により生じるオイル希釈や噴霧悪化の対策をするとともに、着火ばらつきを低減し安定した燃焼を実現するには、燃焼室内の燃料が速やかに気化するように、噴霧を微粒化することが重要となる。
燃料噴射弁から噴射される噴霧の微粒化には薄膜化した液膜のせん断力によるもの、流れの剥離で発生するキャビテーションによるもの、超音波の機械的振動で表面に付着した燃料を微粒化するものなどが知られている。
特許文献1には、ノズル本体の中空穴の壁面と針弁の摺動面との間に形成された螺旋状通路を通った燃料を環状チャンバである燃料溜まりにおいて回転流とする燃料噴射ノズルが提案されている。この燃料噴射ノズルは、燃料溜まり内で回転する燃料を燃料溜まりの下流に設けられ、末広のテーパ面を有する単噴孔から燃料を噴射する。噴射された燃料は分散され、空気との混合が促進される。
特許文献2には、気泡発生流路と気泡保持流路との圧力差を利用して発生させた気泡を混合した燃料を噴射し、噴射後の燃料において気泡が崩壊するエネルギーにより燃料を微粒化する燃料噴射弁が記載されている。
このように、燃料噴射ノズル、燃料噴射弁に対し、種々の提案がされている。
特開平10−141183号公報 特開2006−177174号公報
しかしながら、前記特許文献1に開示された燃料噴射ノズルは、旋回する燃料を加速させて燃料の噴霧を拡散することができるが、燃料中に気泡を発生させることによる燃料の微粒化は考慮されていない。また、特許文献2に開示された燃料噴射弁は、シート部が気泡保持流路よりも下流側に配置された構成となっている。このため、噴射初期は一旦気泡保持流路に保持された燃料が噴射されることになる。閉弁状態時に気泡保持流路に保持される燃料の気泡混合率は低く、噴射初期の微粒化は困難であり、燃料は液状のままシリンダ壁に衝突することが懸念される。液状の燃料がシリンダ壁に衝突することは、オイル希釈の原因となる。
そこで本発明は、噴孔からの燃料噴射時においても燃料中に気泡を保持し、噴射後にその気泡を崩壊させることによって燃料の微粒化を図ることを課題とする。
上記課題を解決するために本明細書開示の燃料噴射弁は、噴孔が設けられたノズルボディと、前記ノズルボディ内に摺動自在に配置され、前記ノズルボディ内のシート部に着座するニードルと、前記シート部の下流に導入された燃料内に気柱を形成する気柱生成手段と、前記気柱生成手段により生成された気柱の界面を破壊する気柱破壊手段と、を備えたことを特徴とする。
シート部の下流に導入された燃料内に気柱が生成されると、気柱の界面において、微細気泡が生成される。この微細気泡を含む燃料が噴孔から噴射され、圧壊すると燃料の微粒化が図られる。生成された気柱の界面を積極的に破壊することにより、気柱の表面が剥離される作用を受け、微細気泡の発生が活発化し、微細気泡の発生量が増加する。微細気泡の発生量は、気柱の界面の面積が大きくなれば、それだけ増加する。気柱の界面の面積を大きくするためには、気柱の長さを大きくすればよい。しかしながら、気柱の長さを大きくしようとすると、燃料噴射弁の体格が大きくなってしまうおそれがある。気柱破壊手段を備えることにより、燃料噴射弁の大型化を回避しつつ、微細気泡の発生量を確保することができる。
前記気柱破壊手段は、前記気柱が形成される領域に設けられ、前記ニードルの軸線を含む断面とする場合に、断面とする位置によって断面形状が異なる破壊部とすることができる。気柱が形成される領域に不規則な外形形状を備えた部分を設けることにより、気柱の界面の剥離を助長し、微細気泡を効率よく生成することができる。微細気泡の数が増せば、噴射された燃料の微細化、均質化が促進される。
前記破壊部は、翼部を備えることができる。また、前記破壊部は、凹凸部を備えることができる。気柱が翼部や凹凸部に衝突することにより気柱の界面における微細気泡の発生が活性化する。
前記破壊部は、前記ノズルボディ側の内壁面に前記ニードルと対向させて設けられることが望ましい。燃料はニードルの軸方向に沿ってノズルボディの基端側から先端側に向かって流れる。気柱は、ニードルの先端部とノズルボディの先端部との間に形成される。このため、ノズルボディの側の内周面にニードルと対向させて破壊部を設けておくことにより、気柱が破壊部に衝突し易くなり、効率よく微細気泡を発生させることができる。
前記気柱生成手段は、前記シート部よりも上流側に設けられ、前記燃料導入路から導入される燃料に、前記ニードルの摺動方向に対して旋回する流れを付与する旋回流生成部とすることができる。前記旋回流生成部は、螺旋溝を備えることができる。
燃料による旋回流を発生させることにより、その旋回流の中心部に気柱を発生させることができる。螺旋溝に燃料を通過させることにより、旋回流を発生させることができる。
前記シート部よりも下流側に設けられ、前記旋回流生成部において生成された旋回流の旋回速度を増大させつつ前記噴孔へ燃料を供給する旋回増速部をさらに備えることができる。
旋回増速部を備え、旋回速度を向上させることにより、より気柱を生成し易い環境とすることができる。これにより、微細気泡を効率よく生成することができる。
本明細書に開示された燃料噴射弁によれば、噴孔からの燃料噴射初期の時点から気泡を含んだ燃料を噴射し、噴射後にその気泡を崩壊させることによって燃料の微粒化を図ることができる。
図1は、実施例の燃料噴射弁を搭載したエンジンシステムの一構成例を示す説明図である。 図2は、実施例1の燃料噴射弁の要部を断面として示す説明図である。 図3は、実施例1の燃料噴射弁の先端部を断面とし拡大して示す説明図である。 図4は、実施例1の燃料噴射弁が備える破壊部(ガス供給塔)の斜視図である。 図5は、実施例1の燃料噴射弁が備える破壊部(ガス供給塔)の平面図である。 図6は、図5におけるA1−A1線断面図である。 図7は、図5におけるA2−A2線断面図である。 図8は、実施例2の燃料噴射弁の先端部を断面とし拡大して示す説明図である。 図9は、実施例2の燃料噴射弁が備える破壊部の斜視図である。 図10は、実施例2の燃料噴射弁が備える破壊部の平面図である。 図11は、図10におけるB1−B1線断面図である。 図12は、図10におけるB2−B2線断面図である。 図13は、実施例3の燃料噴射弁の先端部を断面として拡大して示す説明図である。 図14は、実施例3の燃料噴射弁が備える破壊部の平面図である。 図15は、図14におけるC1−C1線断面図である。 図16は、図14におけるC2−C2線断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面と共に詳細に説明する。ただし、図面中、各部の寸法、比率等は、実際のものと完全に一致するようには図示されていない場合がある。また、図面によっては細部が省略されている場合もある。
本発明の実施例1について図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の燃料噴射弁30を搭載したエンジンシステム1の一構成例を示した図である。なお、図1にはエンジン1000の一部の構成のみが示されている。
図1に示すエンジンシステム1は、動力源であるエンジン1000を備えており、エンジン1000の運転動作を総括的に制御するエンジンECU(Electronic Control Unit)10を備えている。エンジンシステム1は、エンジン1000の燃焼室11内へ燃料を噴射する燃料噴射弁30を備えている。エンジンECU10は、制御部の機能を備える。エンジンECU10は、演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)と、プログラム等を記憶するROM(Read Only Memory)と、データ等を記憶するRAM(Random Access Memory)やNVRAM(Non Volatile RAM)と、を備えるコンピュータである。
エンジン1000は、車両に搭載されるエンジンであって、燃焼室11を構成するピストン12を備えている。ピストン12は、エンジン1000のシリンダに摺動自在に嵌合されている。そして、ピストン12は、コネクティングロッドを介して出力軸部材であるクランクシャフトに連結されている。
吸気ポート13から燃焼室11内へ流入した吸入空気は、ピストン12の上昇運動により燃焼室11内で圧縮される。エンジンECU10は、クランク角センサからのピストン12の位置、および吸気カム角センサからのカム軸回転位相の情報に基づき、燃料噴射タイミングを決定し燃料噴射弁30に信号を送る。燃料噴射弁30は、エンジンECU10の信号に従って、指示された噴射タイミングで燃料を噴射する。燃料噴射弁30より噴射された燃料は、霧化して圧縮された吸入空気と混合される。そして、吸入空気と混合された燃料は、点火プラグ18によって点火されることで燃焼し、燃焼室11内を膨張させてピストン12を下降させる。この下降運動がコネクティングロッドを介してクランクシャフトの軸回転に変更されることにより、エンジン1000は動力を得る。
燃焼室11には、それぞれ燃焼室11と連通する吸気ポート13と、吸気ポート13に連結し、吸入空気を吸気ポート13から燃焼室11へと導く吸気通路14とが接続されている。更に、各気筒の燃焼室11には、それぞれ燃焼室11と連通する排気ポート15と、燃焼室で発生した排気ガスをエンジン1000の外部へと導く排気通路16が接続されている。吸気通路14には、サージタンク22が配置されている。
吸気通路14には、エアフロメータ、スロットルバルブ17およびスロットルポジションセンサが設置されている。エアフロメータおよびスロットルポジションセンサは、それぞれ吸気通路14を通過する吸入空気量、スロットルバルブ17の開度を検出し、検出結果をエンジンECU10に送信する。エンジンECU10は、送信された検出結果に基づいて吸気ポート13および燃焼室11へ導入される吸入空気量を認識し、スロットルバルブ17の開度を調整することで吸入空気量を調節する。
排気通路16には、ターボチャージャ19が設置されている。ターボチャージャ19は、排気通路16を流通する排気ガスの運動エネルギーを利用してタービンを回転させ、エアクリーナーを通過した吸入空気を圧縮してインタークーラーへと送り込む。圧縮された吸入空気は、インタークーラーで冷却された後に一旦サージタンク22に貯留され、その後、吸気通路14へと導入される。この場合、エンジン1000は、ターボチャージャ19を備える過給機付エンジンに限られず、自然吸気(Natural Aspiration)エンジンであってもよい。
ピストン12は、その頂面にキャビティを有する。キャビティは、燃料噴射弁30の方向から点火プラグ18の方向へと連続するなだらかな曲面によってその壁面が形成されており、燃料噴射弁30から噴射された燃料を壁面形状に沿って点火プラグ18近傍へと導く。この場合、ピストン12は、その頂面の中央部分に円環状にキャビティが形成されるリエントラント型燃焼室等、エンジン1000の仕様に応じて任意の位置・形状でキャビティを形成することができる。
燃料噴射弁30は、吸気ポート13下部の燃焼室11に装着されている。燃料噴射弁30は、エンジンECU10の指示に基づいて、燃料ポンプから燃料流路を通じて高圧供給された燃料をノズルボディ31先端部に設けられた噴孔33より燃焼室11内へ直接噴射する。噴射された燃料は、燃焼室11内で霧化し吸入空気と混合されつつキャビティの形状に沿って点火プラグ18近傍へと導かれる。燃料噴射弁30のリーク燃料は、リリーフ弁からリリーフ配管を通じて燃料タンクへと戻される。
この燃料噴射弁30は、吸気ポート13下部に限られず燃焼室11の任意の位置に設置することができる。例えば、燃焼室11の中央上側から噴射するように配置することもできる。
なお、エンジン1000は、ガソリンを燃料とするガソリンエンジン、軽油を燃料とするディーゼルエンジン、ガソリンとアルコールとを任意の割合で混合した燃料を使用するフレキシブルフューエルエンジンのいずれでもよい。また、その他、燃料噴射弁によって噴射可能などのような燃料を用いるエンジンであってもよい。エンジンシステム1は、エンジン1000と複数の電動モータとを組み合わせたハイブリッドシステムであってもよい。
次に、本発明の一実施例である燃料噴射弁30の内部構成について詳細に説明する。図2は、実施例1の燃料噴射弁30の要部を断面として示す説明図である。図3は、実施例1の燃料噴射弁30の先端部を断面とし拡大して示す説明図である。図4は、実施例1の燃料噴射弁30が備える破壊部に相当するガス供給塔39の斜視図である。図5は、ガス供給塔39の平面図である。図6は、図5におけるA1−A1線断面図である。図7は、図5におけるA2−A2線断面図である。
燃料噴射弁30は、ノズルボディ31、ニードル32、駆動機構45を備えている。ノズルボディ31は、本体部31aとノズルプレート31bを含んでいる。駆動機構45はニードル32の摺動動作を制御する。駆動機構45は、圧電素子、電磁石などを用いたアクチュエータやニードル32へ適切な圧力を付与する弾性部材など、ニードル32が動作するのに適する部品を備えた従来から知られる機構である。以下の説明において、先端側とは図面中の下側を示し、基端側とは図面中の上側を示すこととする。
ノズルボディ31は、本体部31aとその先端部に装着されるノズルプレート31bとに分割することができる。ノズルボディ31の先端部、具体的には、ノズルプレート31bには噴孔33が設けられている。ノズルボディ31の内部には、ニードル32が着座するシート部34が形成されている。ニードル32は、ノズルボディ31内に摺動自在に配置されることによって、ノズルボディ31との間に燃料導入路35を形成する。そして、ノズルボディ31内のシート部34に着座することによって燃料噴射弁30を閉弁状態とする。ニードル32は、駆動機構45により上方に引き上げられ、シート部34から離座することによって開弁状態となる。シート部34は、噴孔33から奥まった位置に設けられている。
燃料噴射弁30は、シート部34よりも上流側に設けられ、燃料導入路35から導入される燃料にニードル32の摺動軸AXに沿う方向(摺動方向)に対して旋回する流れを付与する旋回流生成部32aを備えている。旋回流生成部32aは、気柱生成手段の一例である。すなわち、旋回流生成部32aは、シート部34の下流に導入された燃料内に気柱を形成する。摺動軸AXは、ニードル32の軸線と一致している。旋回流生成部32aは、ニードル32の先端部に設けられている。旋回流生成部32aは、ニードル32の基端側と比較して径が拡大されている。旋回流生成部32aの先端部分がシート部34に着座する。このように、旋回流生成部32aは、開弁時及び閉弁時にシート部34よりも上流側に位置する。
旋回流生成部32aは、螺旋溝32bを備えている。燃料導入路35から導入される燃料がこの螺旋溝32bを通過することによって、燃料の流れに旋回成分が付与され、燃料の旋回流が生成される。燃料の旋回流が生成されることにより燃料中に負圧部が生じ、気柱APが生成されるようになる。
燃料噴射弁30は、シート部34よりも下流側に設けられ、旋回流生成部32aにおいて生成された旋回流の旋回速度を増大させる旋回増速部36を備えている。旋回増速部36は、旋回流の旋回速度を増大させつつ噴孔33へ燃料を供給する。旋回増速部36は、シート部34よりも下流部に位置する最小絞り部に向かって内周径が縮径して形成されている。ここで、最小絞り部は、シート部34よりも下流部において、最も内周径が小さい位置に相当する。
旋回増速部36は、シート部34と噴孔33との間に形成され、旋回流生成部32aを通過して旋回状態となった燃料の旋回速度を加速させる。旋回速度生成部32aで生成された旋回流の回転半径を徐々に狭める。旋回流は、縮径された狭い領域に流入することで、旋回速度が増す。旋回速度が増した旋回流は、安定した気柱APを形成する。気柱APは、旋回増速部36内で旋回流が加速し、その強い旋回流の旋回中心部に負圧が発生することによって形成される。負圧が発生するとノズルボディ31の外部の空気が後述するガス供給路39aを通じて積極的にノズルボディ31内に吸引される。これによりノズルボディ31内に安定して気柱APが発生する。こうして発生した気柱APと燃料との界面において気泡が生成する。生成した気泡は一旦後述する気泡溜まり部37内に貯留される。そして、その後、噴孔33から噴射される。
燃料噴射弁30は、旋回増速部36よりも下流側に設けられ、旋回増速部36を通過することによって発生する気泡を貯留する気泡溜まり部37を備えている。旋回増速部36から気泡溜まり部37を含む領域が、気泡生成部38を形成する。気泡溜まり部37内において燃料は旋回を継続する。旋回増速部36で生成され、燃料に含まれる気泡は、一旦、気泡溜まり部37内に貯留される。そして、気泡は、気泡溜まり部37内で旋回することにより、その大きさに応じて分離される。すなわち、径の大きい気泡が気泡溜まり部37の中心部に集まり、径の小さい気泡は気泡溜まり部37の外側に追いやられる。径の小さい気泡が集まる部位に噴孔33を開口させることにより、径の小さい微細気泡を噴射し、微細な噴霧とすることができる。
燃料噴射弁30は、旋回流生成部32aにより生成された気柱APの界面を破壊する気柱破壊手段としての破壊部39を備えている。破壊部39は、図4乃至図7に示すように筒状のガス供給塔である。破壊部39は、気柱APが形成される領域に設けられている。破壊部39は、ニードル32の軸線(摺動軸)AXを含む断面とする場合に、断面とする位置によって断面形状が異なる。具体的には、破壊部39は、フィン状の翼部40を備えている。図5は、破壊部39の平面図である。図6は、図5におけるA1−A1線断面図である。図7は、図5におけるA2−A2線断面図である。これらの断面は、いずれも軸線(摺動軸)AXを含んでいる。このように、翼部40を含む断面と、翼部40を含まない断面とでは、断面形状が異なる。気柱APが形成される領域に不規則な外形形状を備えた部分を設けることにより、気柱APの界面の剥離を助長し、微細気泡を効率よく生成することができる。微細気泡の数が増せば、噴射された燃料の微細化、均質化が促進される。
このような破壊部39は、ノズルボディ31側の内壁面、具体的にはノズルプレート31bにニードル32と対向させて設けられている。これにより、気柱APが破壊部に衝突し易くなり、効率よく微細気泡を発生させることができる。
筒状である破壊部39の内側は、ガス供給路39aを形成している。ガス供給路39aは、旋回増速部36に向かって、燃焼室11内の既燃ガスを導入する。
本実施例の燃料噴射弁30は、燃料の旋回流の遠心力によって噴霧角を広角とすることができる。これにより、空気との混合を促進することができる。また、噴霧に気泡、すなわち、圧縮性ガスを含むため、音が伝搬する臨界速度(音速)が小さくなる。燃料の流速は、音速を越えることができないという物理的性質のため、音速が遅くなると、燃料の流速が遅くなる。燃料の流速が遅くなると、ペネトレーションが小さくなってボア壁におけるオイル希釈が抑制されるという効果がある。また、気泡を含むことによって燃料の流速が遅くなると、同じ燃料噴射を確保するために噴孔径を大きく設定することになる。噴孔には、デポジットが堆積する。そして、このデポジット堆積に起因して噴射量が変化する。しかしながら、噴孔径が大きく設定され、噴射量が多くなると、デポジット堆積に起因する噴射量の変化(噴射変化量)に対する感度が低下する。すなわち、噴射量に対する噴射変化量の割合が低下することになるため、デポジット堆積に起因する噴射量の変化の影響が小さくなる。
また、燃料噴射弁30は、旋回増速部36により旋回半径を徐々に縮径するため、安定して気柱APが発生する。安定して気柱APが発生すると気柱APの界面で発生する微細気泡の気泡径のバラツキが抑制される。また、微細気泡を含む燃料噴射の揺らぎが抑制される。この結果、噴射された微細気泡が圧壊(破裂)して形成される燃料粒の粒度分布が縮小し、均質な噴霧を得ることができる。また、気柱APが安定して形成されることにより、エンジン1000のサイクル間で燃料の粒度の変動が少ない噴霧を得ることができる。これらは、PM低減、HC低減、熱効率向上に資する。さらに、エンジン1000の燃焼変動の少ない安定した運転が可能となることから、燃費向上、有害排気ガス低減、EGR(Exhaust Gas Recirculation)の増加、A/F(空燃比)のリーン化が可能となる。
以上のように構成された燃料噴射弁30は、以下の利点を備える。すなわち、破壊部39を備えることにより、積極的に気柱APの界面の剥離を誘発し、微細気泡を発生させることができる。この結果、気柱APの長さを短く設定する余地が生じる。このため、気泡生成部38の寸法、容積を小さく設定することができる。この結果、燃料噴射弁30の体格を小さくすることができる。気泡生成部38の容積を小さくすることにより、閉弁時の粗大液滴(噴霧後ダレ)発生を抑制することができる。また、燃料噴射弁30の体格を小さくすることにより燃料噴射弁30の取り付けの自由度が増す。この結果、種々のエンジンへの搭載が容易となる。
なお、翼部40は、破壊部39を補強することができる。このため、筒状の破壊部(ガス供給塔)39の径を細くすることができる。破壊部39を細くすることにより、旋回流の妨げとなることを抑制することができる。
つぎに、実施例2について図8乃至12を参照しつつ説明する。図8は、実施例2の燃料噴射弁50の先端部を断面とし拡大して示す説明図である。図9は、燃料噴射弁50が備える破壊部59の斜視図である。図10は、燃料噴射弁50が備える破壊部59の平面図である。図11は、図10におけるB1−B1線断面図である。図12は、図10におけるB2−B2線断面図である。
燃料噴射弁50の基本的な構成は、実施例1の燃料噴射弁30と共通する。すなわち、燃料噴射弁50は、ノズルボディ51、ニードル52、噴射孔53及びシート部54を備える。また、燃料噴射弁50には、燃料導入路55が形成されている。さらに、燃料噴射弁50は、旋回流生成部52a、螺旋溝52bを備える点においても燃料噴射弁30と共通する。
燃料噴射弁30と燃料噴射弁50とは、以下の点で異なる。すなわち、燃料噴射弁50が備えるノズルボディ51は、本体部とノズルプレートが一体となっている。そして、破壊部39に代えて破壊部59を備えている。また、ガス供給路39aに代えてニードル52内に設けられた空気導入経路56を備えている。この空気導入経路56は、外部からノズルボディ51内に空気を導入する。例えば、空気導入経路56をサージタンク22と接続して、空気をノズルボディ51内に導入することができる。燃料噴射弁50は、空気導入経路56から空気を導入し気柱APを形成する。このため、旋回増速部は省略されている。従って、実施例1では、旋回増速部56と気泡溜まり部37を含む気泡生成部38を備えていたが、実施例2では、これに代えて単純な凹状形状の気泡生成部58を備えている。
破壊部59は、実施例1の場合と同様に、ノズルボディ51側の内壁面にニードル52と対向させて設けられている。破壊部59は、支柱60の設けられた翼部61を備えている。図10は、破壊部59の平面図である。図11は、図10におけるB1−B1線断面図である。図12は、図10におけるB2−B2線断面図である。これらの断面は、いずれも軸線(摺動軸)AXを含んでいる。このように、翼部60を含む断面と、翼部60を含まない断面とでは、断面形状が異なる。気柱APが形成される領域に不規則な外形形状を備えた部分を設けることにより、気柱APの界面の剥離を助長し、微細気泡を効率よく生成することができる。微細気泡の数が増せば、噴射された燃料の微細化、均質化が促進される。
つぎに、実施例3について図13乃至16を参照しつつ説明する。図13は、実施例3の燃料噴射弁70の先端部を断面として拡大して示す説明図である。図14は、燃料噴射弁70が備える破壊部の平面図である。図15は、図14におけるC1−C1線断面図である。図16は、図14におけるC2−C2線断面図である。
燃料噴射弁70の基本的な構成は、実施例2の燃料噴射弁50と共通する。すなわち、燃料噴射弁70は、ノズルボディ71、ニードル72、噴射孔73及びシート部74を備える。また、燃料噴射弁70には、燃料導入路75が形成されている。さらに、燃料噴射弁70は、旋回流生成部72a、螺旋溝72bを備える点においても燃料噴射弁50と共通する。空気導入経路76、気泡生成部78を備える点も両者は共通する。
燃料噴射弁50と燃料噴射弁70とは、以下の点で異なる。すなわち、燃料噴射弁70は、破壊部59に代えて破壊部79を備えている。
破壊部79は、実施例2の場合と同様に、ノズルボディ71側の内壁面にニードル72と対向させて設けられている。破壊部79は、凹部80と凸部81を備えている。図14は、破壊部79の平面図である。図15は、図14におけるC1−C1線断面図である。図16は、図14におけるC2−C2線断面図である。これらの断面は、いずれも軸線(摺動軸)AXを含んでいる。このように、凸部81を縦断する断面と、凸部81を横断する断面とでは、断面形状が異なる。気柱APが形成される領域に不規則な外形形状を備えた部分を設けることにより、気柱APの界面の剥離を助長し、微細気泡を効率よく生成することができる。微細気泡の数が増せば、噴射された燃料の微細化、均質化が促進される。
凹部80、凸部81は、生産性、耐久性が高い形状であり、コスト面でも有利である。
上記実施例は本発明を実施するための一例にすぎない。よって本発明はこれらに限定されるものではなく、請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
1 エンジンシステム
30、50、70 燃料噴射弁
31、51、71 ノズルボディ
31a 本体部
31b ノズルプレート
32、52、72 ニードル
32a、52a、72a 拡径部
32b、52b、72b 螺旋溝
33、53、73 噴孔
34、54、74 シート部
35、55、75 燃料導入経路
36 絞り部(最小絞り部)
56 空気導入経路
37 気泡溜まり部
38、58、78 気泡生成部
39、59、79 破壊部
39a ガス供給通路
40、60 翼部
AP 気柱
61 支柱
80 凹部
81 凸部

Claims (8)

  1. 噴孔が設けられたノズルボディと、
    前記ノズルボディ内に摺動自在に配置され、前記ノズルボディ内のシート部に着座するニードルと、
    前記シート部の下流に導入された燃料内に気柱を形成する気柱生成手段と、
    前記気柱生成手段により生成された気柱の界面を破壊する気柱破壊手段と、
    を備えたことを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 前記気柱破壊手段は、前記気柱が形成される領域に設けられ、前記ニードルの軸線を含む断面とする場合に、断面とする位置によって断面形状が異なる破壊部であることを特徴とする請求項1記載の燃料噴射弁。
  3. 前記破壊部は、翼部を備えたことを特徴とする請求項2記載の燃料噴射弁。
  4. 前記破壊部は、凹凸部を備えたことを特徴とする請求項2記載の燃料噴射弁。
  5. 前記破壊部は、前記ノズルボディ側の内壁面に前記ニードルと対向させて設けられたことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項記載の燃料噴射弁。
  6. 前記気柱生成手段は、前記シート部よりも上流側に設けられ、前記燃料導入路から導入される燃料に、前記ニードルの摺動方向に対して旋回する流れを付与する旋回流生成部であることを特徴とした請求項1乃至5のいずれか一項記載の燃料噴射弁。
  7. 前記旋回流生成部は、螺旋溝を備えたことを特徴とした請求項6記載の燃料噴射弁。
  8. 前記シート部よりも下流側に設けられ、前記旋回流生成部において生成された旋回流の旋回速度を増大させつつ前記噴孔へ燃料を供給する旋回増速部をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項記載の燃料噴射弁。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014222053A (ja) * 2013-05-14 2014-11-27 トヨタ自動車株式会社 燃料噴射弁の制御装置
CN104712481A (zh) * 2014-06-16 2015-06-17 北京航空航天大学 一种微通道热泡式燃油喷射系统

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