JP2012132334A - 燃料噴射弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料へ旋回流を与えて微細気泡を含む燃料を噴射する燃料噴射弁において、噴霧角の設定を可能にすることを課題とする。
【解決手段】燃料噴射弁1は、先端に噴孔11が設けられたノズルボディ10と、ノズルボディ10内に摺動自在に配置され、ノズルボディ10との間に燃料導入路21を形成するとともに、ノズルボディ10内のシート部12に着座するニードル20と、シート部12の上流側に形成され、燃料導入路21から導入され噴孔11へ供給される燃料へニードル20の軸A周りに旋回する流れを付与する螺旋状の燃料通路50と、シート部12と噴孔11との間に形成され、燃料を壁面に沿って案内することにより燃料の軸A周りの旋回方向の速度を調整する旋回速度調整室13と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料噴射弁に関する。
近年、内燃機関に関し、CO低減及びエミッション低減のため、過給リーン、大量EGR及び予混合自着火燃焼の研究が盛んに行われている。これらの研究によると、CO低減及びエミッション低減の効果を最大限に引き出すには、より燃焼限界近傍において安定した燃焼状態を得る必要がある。また、石油燃料の枯渇化が進む中、バイオ燃料など多種の燃料でも安定して燃焼できるロバスト性が要求される。このような安定した燃焼を得るのに最も重要な点は混合気の着火ばらつきを低減することや膨張行程で燃料を燃やしきる速やかな燃焼が必要とされる。
また、内燃機関の燃料供給において、過度応答性の向上、気化潜熱による体積効率向上や低温での触媒活性化用の大幅な遅角燃焼のために燃焼室内へ燃料を直接噴射する筒内噴射方式が採用されている。ところが、筒内噴射方式を採用することにより、噴霧燃料が液滴のまま燃焼室壁に衝突して起こるオイル希釈や、液状燃料で噴射弁の噴孔周りに生成されるデポジットによる噴霧悪化により燃焼変動が助長されていた。
このような筒内噴射方式の採用により生じるオイル希釈や噴霧悪化の対策をするとともに、着火ばらつきを低減し安定した燃焼を実現するには、燃焼室内の燃料が速やかに気化するように、噴霧を微粒化することが重要となる。
燃料噴射弁から噴射される噴霧の微粒化には薄膜化した液膜のせん断力によるもの、流れの剥離で発生するキャビテーションによるもの、超音波の機械的振動で表面に付着した燃料を微粒化するものなどが知られている。特許文献1に開示されている噴霧を微粒化する燃料噴射弁では、ニードルに設けられた螺旋溝の形成された旋回流生成部により噴射する燃料へ強い旋回流を与えて旋回流の中心部の圧力を低下するとともに、旋回流の中心部へ空気を供給する。燃料の旋回流に空気が供給されることにより微細気泡が生成され、微細気泡を含んだバブル燃料が噴射される。そして、噴射後に微小気泡が破裂するエネルギーを利用して噴霧を微粒化する。
また、特許文献2には、ニードルの着座位置の上流に、螺旋状通路と先細の環状チャンバとからなる燃料溜りを設けるとともに、着座位置の下流に末広がりのテーパ噴孔を設けた燃料噴射弁が開示されている。この燃料噴射弁は、噴孔を通じて噴射される燃料が燃料噴射ノズルの軸線方向に向かう速度に加えて、軸線を中心に旋回する方向の速度を有し、噴孔から噴射される燃料が大きな噴霧角を有しながら燃焼室内の半径方向の遠方まで行き渡り、且つ回転流による旋回方向の速度成分によって燃料の分散を図る。
国際出願番号PCT/JP2010/056372 特開平10−141183号公報
ところで、エンジンの燃焼室形状は多種多様であり、混合気の分散や配置、燃料によるオイル希釈防止などを考慮すると、エンジンに適した噴霧角を設定する必要がある。従来、噴射弁から噴射される燃料の噴霧角は、噴孔長Lと噴孔径Dとの比L/Dによって決定することができた。ところが、燃料へ旋回成分を与える噴射により形成される噴霧の噴霧角は、旋回する燃料の遠心力、言い換えれば旋回流の旋回速度によって決定される。従って、燃料の旋回速度が同一となる噴射弁では噴霧角が一定となり、様々な噴霧角の要求に対応することができない。
そこで、本発明は、燃料へ旋回流を与えて微細気泡を含む燃料を噴射する燃料噴射弁において、噴霧角の設定を可能にすることを課題とする。
かかる課題を解決する本発明の燃料噴射弁は、先端に噴孔が設けられたノズルボディと、前記ノズルボディ内に摺動自在に配置され、前記ノズルボディとの間に燃料導入路を形成するとともに、前記ノズルボディ内のシート部に着座するニードルと、前記シート部の上流側に形成され、前記燃料導入路から導入され前記噴孔へ供給される燃料へ前記ニードルの軸方向に旋回する流れを付与する螺旋状の燃料通路と、前記シート部と前記噴孔との間に形成され、前記燃料を壁面に沿って案内することにより前記燃料の前記軸周りの旋回方向の速度を調整する旋回速度調整室と、を備えたことを特徴とする。
上記の構成により、燃料噴射弁は、燃料のニードル軸回りの旋回方向の速度を調整し、燃料の噴霧に加わる遠心力を調整する。これにより、噴霧の拡散を調整し、噴射角を設定することができる。
上記の燃料噴射弁において、前記旋回速度調整室の前記壁面を凹状の曲面に形成することができる。燃料の旋回流が曲面に形成した壁面に沿って案内することにより、燃料のニードル軸回りの旋回方向の速度が調整できる。これにより、燃料の噴霧に加わる遠心力を調整し、噴霧角を調整することができる。
上記の燃料噴射弁において、前記シート部を形成する面と、前記ニードルの最大リフト時における前記ニードルの先端のテーパ面とにより形成される通路を等分する仮想面が、前記旋回速度調整室における前記燃料の前記軸周りの旋回方向の速度を調整する曲面と交差する構成とすることができる。シート部を形成する面とニードルの先端のテーパ面とにより形成される通路を等分する仮想面は、シート部とニードルのテーパ面とにより形成される通路を通過する燃料の流れる方向と一致する。すなわち、この構成によると、シート部とニードルのテーパ面との間を通過した燃料が、旋回速度調整室における前記燃料の前記軸周りの旋回方向の速度を調整する曲面に衝突する。このような曲面に衝突した燃料は曲面に沿って案内されるため、燃料のニードル軸周りの旋回方向の速度が上昇したり、低下したりする。これにより、噴霧の遠心力を調整し、噴霧角を変更することができる。
本発明の燃料噴射弁は、燃料のニードル軸回りの旋回方向の速度を調整し、噴霧の遠心力を調整することにより、所望の噴霧角を設定することができる。
実施例1の燃料噴射弁の概略構成を断面にして示した説明図である。 図1の燃料噴射弁の先端部分を拡大して示した説明図である。 実施例1の燃料噴射弁の旋回速度調整室の周囲を拡大した説明図である。 旋回速度調整室を備えていない比較例の燃料噴射弁の噴孔部を拡大した説明図である。 旋回速度調整室を備えた実施例1の燃料噴射弁の噴孔部を拡大した説明図である。 第1曲面の異なる箇所に衝突する燃料の旋回流の様子を示している。 実施例2の燃料噴射弁の先端部分を拡大して示した説明図である。 実施例2の燃料噴射弁の旋回速度調整室の周囲を拡大した説明図である。 実施例2の燃料噴射弁の噴孔部を拡大した説明図である。 実施例3の燃料噴射弁の先端部分を拡大して示した説明図である。 実施例3の燃料噴射弁の旋回速度調整室の周囲を拡大した説明図である。 実施例3の燃料噴射弁の噴孔部を拡大した説明図である。 ノズルボディ内に螺旋状の通路を貫通した他の実施例の燃料噴射弁を示した説明図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面と共に詳細に説明する。
本発明の実施例1に係る燃料噴射弁1の内部構成について詳細に説明する。図1は燃料噴射弁1の概略構成を断面にして示した説明図である。図2は図1の燃料噴射弁1の先端部分を拡大して示した説明図である。燃料噴射弁1は、ノズルボディ10、ニードル20、旋回流生成部材30、駆動機構40を備えている。以下の説明において、先端側とはニードル20が閉弁するときの移動方向、すなわち図面中の下側を示し、基端側とはニードル20が開弁するときの移動方向、すなわち図面中の上側を示す。
ノズルボディ10は中空円筒状部材であって、ノズルボディ10の先端には噴孔11が設けられている。噴孔11は軸Aに沿う方向に形成されている。ノズルボディ10にはニードル20が着座するシート部12が設けられている。また、シート部12と噴孔11との間に旋回速度調整室13が形成されている。旋回速度調整室13の壁面は凹状の曲面に形成されている。より詳細には、シート部12と噴孔11と連通する部分を除いて、軸A上に中心を有する球面に形成されている。旋回速度調整室13は、後述の旋回する燃料を壁面に沿って案内することにより、燃料の軸A周りの旋回方向の速度を調整する。旋回速度調整室13の壁面を形成する球面の径は噴孔11の径の2倍である。さらに、ノズルボディ10の内部は、円筒状の旋回流生成部材30を収納するように形成されている。
ニードル20は、ノズルボディ10内に摺動自在に配置され、ノズルボディ10との間に燃料導入路21を形成するとともに、ノズルボディ10内のシート部12に着座する。ニードル20の摺動方向は軸Aの方向と一致し、軸Aはニードル20の中心軸と一致する。
旋回流生成部材30は、ノズルボディ10の内部に組み込まれ圧入固定されている。この旋回流生成部材30の基端側とノズルボディ10の内周面15とにより圧力室14が区画される。この圧力室14には、燃料導入路21を通じて燃料が供給される。また、旋回流生成部材30の内周面31をニードル20が摺動可能に貫通する。従って、旋回流生成部材30の内周面31はニードル20を案内するニードルガイドとして機能する。旋回流生成部材30の外周面32には軸Aを中心に螺旋を描くように螺旋溝33が設けられている。この旋回流生成部材30の螺旋溝33とノズルボディ10の内周面15とにより、螺旋状の燃料通路50が形成される。旋回流生成部材30がシート部12の基端側に位置するため、螺旋状の燃料通路50はシート部12の上流側(基端側)に形成される。燃料通路50は、軸Aの周りに螺旋を描くため、燃料導入路21から導入され噴孔11へ供給される燃料へニードル20の軸A周りに旋回する流れを付与する。燃料がこの燃料通路50を通過することにより、燃料の旋回流が発生する。
駆動機構40はニードル20の摺動動作を制御する。駆動機構40は、圧電素子、電磁石などを用いたアクチュエータやニードル20へ適切な圧力を付与する弾性部材など、ニードル20が動作するのに適する部品を備えた従来から知られる機構である。駆動機構40がニードル20を基端側へリフトし、ニードル20がシート部12から離間することにより、噴孔11へと続く燃料の通路が開通する。これにより、圧力室14の燃料が燃料通路50を通り、旋回速度調整室13へと流れ込む。
旋回速度調整室13へ流れ込んだ燃料は旋回速度調整室13の壁面に沿って案内されることにより、流れの方向が変更されて、軸A方向速度、及び軸A周りの旋回方向の速度が変更される。ここで、本実施例の旋回速度調整室13を形成した位置について詳細に説明する。図3は旋回速度調整室13の周囲を拡大した説明図である。図3に示したニードル20は最大リフト時の状態を示している。旋回速度調整室13は、図3に示すように、シート部12を形成する面121と、ニードル20の最大リフト時におけるニードル20の先端のテーパ面22とにより形成される通路51を等分する仮想面52と、旋回速度調整室13の第1曲面13aとが交差する位置に形成されている。ここで、第1曲面13aは旋回速度調整室13の壁面を形成する球面の中心よりも基端側に位置する半球面を示している。そして、この第1曲面13aは燃料の軸A周りの旋回方向の速度を調整する曲面である。また、図3上の通路51を等分する線分について仮想面52として説明しているのは、断面を示す図3において、線分として描かれる仮想面52は、本来、軸A周り全周囲に立体的に形成されているためである。
ここで、燃料噴射弁1から噴射される燃料の噴霧について、旋回速度調整室13を備えていない燃料噴射弁100からの噴霧と比較しながら説明する。図4は、旋回速度調整室13を備えていない燃料噴射弁100の噴孔部を拡大した説明図を示している。図5は、旋回速度調整室13を備えた本実施例の燃料噴射弁1の噴孔部を拡大した説明図である。なお、比較に用いる燃料噴射弁100は旋回速度調整室13を備えていない点を除いて、本実施例の燃料噴射弁1と同様の構成である。なお、図4、5中に燃料の流れを破線fで示している。
燃料噴射弁100のノズルボディの内径は、シート部12から噴孔11へ向けて連続的に縮小しているため、燃料の通る流路が絞られて燃料が加速する。これにより、旋回する燃料が加速し、噴孔11内に強い旋回流が形成され、旋回流が旋回する中心、すなわち、軸A付近に負圧が発生する。負圧が発生するとノズルボディの外部の空気がノズルボディ内に吸引され、噴孔11内に気柱pが発生する。この発生した気柱pの界面から気泡が生成し、生成した気泡は気柱pの周囲を流れる燃料に混入し、気泡混入流となる。この気泡混入流は、気泡混入流の外周側を流れる燃料流とともに噴射される。
このとき噴射された燃料流及び気泡混入流から、旋回流の遠心力により中心から拡散するコーン状の噴霧液膜sが形成される。噴霧液膜sは噴孔11から離れるほど径が大きくなるため、噴霧液膜sが引き伸ばされて薄くなり、やがて液膜として維持できなくなり分裂する。この後、分裂後の噴霧は微細気泡の自己加圧効果によって径が小さくなり崩壊に至り超微細化噴霧となる。
本実施例の燃料噴射弁1においても、旋回流が流路の狭い噴孔11に流れ込むため加速し、旋回流が旋回する中心、すなわち、軸A付近に負圧が発生する。このため、上記の燃料噴射弁100と同様に気柱pが発生し、噴霧液膜sが形成される。
ところで、シート部12とニードル20のテーパ面22とにより形成される通路51を通過する燃料の流れ方向は、シート部12を形成する面121とニードル20の先端のテーパ面22とにより形成される通路51を等分する仮想面52を通る。従って、図4に示すような旋回速度調整室13を備えていない燃料噴射弁100では、ニードル20の先端のテーパ面22とにより形成される通路51を通る旋回流は、仮想面52に沿った角度で噴射される。このため、従来の燃料噴射弁のように噴孔長Lと噴孔径Dとの比L/Dを変更しても、噴射の角度が変化できず噴霧角が変更できない。
これに対して、本実施例の燃料噴射弁1では、旋回する燃料が第1曲面13aに沿って案内されることにより燃料の軸A周りの旋回方向の速度が変化する。図3に示すように、燃料噴射弁1は、シート部12を形成する面121と、ニードル20の最大リフト時におけるニードル20の先端のテーパ面22とにより形成される通路51を等分する仮想面52が、旋回速度調整室13の第1曲面13aと交差する。従って、図5に示すように、シート部12とニードル20のテーパ面22との間を通過した燃料が、旋回速度調整室13の第1曲面13aに衝突する。言い換えると、本実施例の燃料噴射弁1では、シート部12通過後の燃料流を旋回速度調整室13のシート部12側に形成された球面の一部である第1曲面13aに向けて指向させている。
シート部12とニードル20のテーパ面22との間を通過した燃料が、旋回速度調整室13の第1曲面13aに衝突することにより、旋回流が旋回速度調整室13の壁面、すなわち、球面に沿って流れ、燃料の軸A回りの旋回方向の速度が低下するとともに、燃料の軸A方向速度が上昇する。このように、旋回速度調整室13を通過した燃料の旋回速度が低下するため、噴霧の遠心力が減少する。噴霧の遠心力が減少するので軸Aを中心とする半径方向への拡散が減衰し、噴霧角を狭めることができる。噴霧角が狭まることにより、燃料の噴射方向へ液膜を拡張し、噴霧に含まれた気泡の分裂を遅らせて、噴霧のペネトレーションを強化することができる。
また、噴孔11の径に対して2倍の径をもつ球形状の旋回速度調整室13を有することにより、噴孔11における旋回をより安定にして噴霧の揺らぎを抑制し、粒径分布を均質にすることができる。
このような噴霧角が狭くなる作用は、旋回速度調整室13の第1曲面13aに衝突する旋回流の位置により調整できる。図6は、第1曲面13aに衝突する旋回流の様子を示した説明図である。図6(a)、図6(b)、図6(c)はそれぞれ異なる箇所に燃料の旋回流fが衝突する様子を示している。図6(a)、図6(b)、図6(c)に示すように、シート部12とニードル20のテーパ面22との間を通過した燃料の旋回流fが衝突する曲面の位置により、燃料の旋回流の流れ方向が異なる。すなわち、燃料の軸A周りの旋回速度成分が変化する。従って、シート部12を通過後の燃料の方向と一致する仮想面52と第1曲面13aとの交差箇所を調整することにより、所望の噴霧角を得ることができる。このように、燃料噴射弁1は、旋回速度調整室13を備えたことにより燃料の軸A周りの旋回方向の速度を変更し、噴霧の遠心力を調整し噴霧角を自由に設定できる。
次に、本発明の実施例2について説明する。図7は、本実施例の燃料噴射弁2の先端部分を拡大して示した説明図である。本実施例の燃料噴射弁2は、実施例1の燃料噴射弁1とほぼ同様の構成をしている。本実施例の燃料噴射弁2は、シート部12に対する旋回速度調整室13の相対位置が燃料噴射弁1と異なる。なお、その他の構成は実施例1と同一であるため、実施例1と同一の構成要素については、図面中、同一の参照番号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施例の旋回速度調整室13の位置について詳細に説明する。図8は燃料噴射弁2の旋回速度調整室13の周囲を拡大した説明図である。図8に示したニードル20は最大リフト時の状態を示している。旋回速度調整室13は、図8に示すように、シート部12を形成する面121と、ニードル20の最大リフト時におけるニードル20の先端のテーパ面22とにより形成される通路51を等分する仮想面52と、旋回速度調整室13の第2曲面13bとが交差する位置に形成されている。ここで、第2曲面13bは旋回速度調整室13の壁面を形成する球面の中心よりも先端側に位置する半球面を示している。この第2曲面13bは燃料の軸A周りの旋回方向の速度を調整する曲面である。
また、本実施例の燃料噴射弁2においても、旋回流が流路の狭い噴孔11に流れ込むため加速し、旋回流が旋回する中心、すなわち、軸A付近に負圧が発生する。このため、上記の燃料噴射弁100と同様に気柱pが発生し、噴霧液膜sが形成される。
図9は、燃料噴射弁2の噴孔部を拡大した説明図である。図9に燃料の流れを破線fで示している。燃料噴射弁2では、旋回する燃料が第2曲面13bに沿って案内されることにより燃料の軸A周りの旋回方向の速度が変化する。図8に示すように、燃料噴射弁2は、シート部12を形成する面121と、ニードル20の最大リフト時におけるニードル20の先端のテーパ面22とにより形成される通路51を等分する仮想面52が、旋回速度調整室13の第2曲面13bと交差する。シート部12を形成する面121とニードル20の先端のテーパ面22とにより形成される通路51を等分する仮想面52は、シート部12とニードル20のテーパ面22とにより形成される通路51を通過する燃料の流れる方向と一致する。従って、シート部12とニードル20のテーパ面22との間を通過した燃料が、旋回速度調整室13の第2曲面13bに衝突する。言い換えると、本実施例の燃料噴射弁2では、シート部12通過後の燃料流を旋回速度調整室13の噴孔11側に形成された球面の一部である第2曲面13bに向けて指向させている。
シート部12とニードル20のテーパ面22との間を通過した燃料が、旋回速度調整室13の第2曲面13bに衝突することにより、旋回流が第2曲面13bに沿って流れ、燃料燃料の軸A方向速度が低下するとともに、燃料の軸A回りの旋回方向の速度が上昇する。このように、旋回速度調整室13を通過した燃料の旋回速度が上昇するため、噴霧の遠心力が増加する。噴霧の遠心力が増加するので軸Aを中心とする半径方向への拡散が促進され、噴霧角を広げることができる。噴霧角が広がることにより、燃料の噴射方向への液膜の拡張が抑えられ、噴霧に含まれた気泡の分裂が促進されるので、噴霧のペネトレーションを抑制することができる。
また、噴孔11の径に対して2倍の径をもつ球形状の旋回速度調整室13を有することにより、噴孔11における旋回をより安定にして噴霧の揺らぎを抑制し、粒径分布を均質にすることができる。
このような噴霧角が広くなる作用は、旋回速度調整室13の第2曲面13bに衝突する旋回流の位置により調整できる。シート部12とニードル20のテーパ面22との間を通過した燃料が衝突する曲面の位置により、燃料の旋回速度が変化する。従って、シート部12を通過後の燃料の方向と一致する仮想面52と半球面13bとの交差箇所を調整することにより、要求される噴霧角を得ることができる。このように、燃料噴射弁2は、旋回速度調整室13を備えたことにより燃料の軸A周りの旋回方向の速度を変更し、噴霧の遠心力を調整し噴霧角を自由に設定できる。
次に、本発明の実施例3について説明する。図10は、本実施例の燃料噴射弁3の先端部分を拡大して示した説明図である。本実施例の燃料噴射弁3は、実施例1の燃料噴射弁1とほぼ同様の構成をしている。本実施例の燃料噴射弁3は、シート部12に対する旋回速度調整室13の相対位置が燃料噴射弁1と異なる。なお、その他の構成は実施例1と同一であるため、実施例1と同一の構成要素については、図面中、同一の参照番号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施例の旋回速度調整室13の位置について詳細に説明する。図11は燃料噴射弁3の旋回速度調整室13の周囲を拡大した説明図である。図12は、燃料噴射弁3の噴孔部を拡大した説明図である。図11に示したニードル20は最大リフト時の状態を示している。図11に示すように、シート部12を形成する面121と、ニードル20の最大リフト時におけるニードル20の先端のテーパ面22とにより形成される通路51を等分する仮想面52が、旋回速度調整室13を形成する球面における軸Aから最も離間した位置13cを通るように旋回速度調整室13が形成されている。言い換えると、シート部12を形成する面121と、ニードル20の最大リフト時におけるニードル20の先端のテーパ面22とにより形成される通路51を等分する仮想面52が、旋回速度調整室13の壁面を形成する球の中心を通り軸Aに直交する断面と球面とが交差する位置13cを通るように旋回速度調整室13が形成されている。
図12に示すように、本実施例の噴霧角は実施例1の噴霧角と実施例2の噴霧角との中間となる。また、燃料噴射弁3は、噴孔11の径に対して2倍の径をもつ球形状の旋回速度調整室13を有することにより、噴孔11における旋回をより安定にして噴霧の揺らぎを抑制し、粒径分布を均質にすることができる。
以上のように、本発明の燃料噴射弁は、燃料の噴射弁軸方向速度、及び噴射弁軸周りの旋回方向の速度を変更する旋回速度調整室の位置を好適に配置することにより、噴霧の遠心力を調整することができる。すなわち、ニードルの最大リフト時の燃料流が衝突する球形状の旋回速度調整室の配置を変更することにより噴霧の遠心力を調整し、噴霧角を調整することができる。これにより、燃料噴射弁を搭載するエンジンに適した噴霧角を自由に設定できる。また、燃料噴射弁における旋回速度調整室の形状は球に限られず、燃料の軸A周りの旋回方向の速度を変更可能な形状であればよい。
上記実施例は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、これらの実施例を種々変形することは本発明の範囲内であり、さらに本発明の範囲内において、他の様々な実施例が可能であることは上記記載から自明である。
例えば、螺旋状の燃料通路50は、旋回流生成部材30に設けられた螺旋溝33とノズルボディ10の内周面15とにより形成される代わりに、図13に示すように、ノズルボディ70内に螺旋状の燃料通路71を貫通することにより形成してもよい。なお、ノズルボディ70内に螺旋状の燃料通路71を形成するには、コイル状螺旋部材を圧力室14と噴孔11で支え、ロストワックス法で鋳造しコイル状螺旋部材が消失することにより、空洞部分として螺旋状の通路を形成することができる。
1、2、3 燃料噴射弁
10、70 ノズルボディ
11 噴孔
12 シート部
13 旋回速度調整室
13a 第1曲面
13b 第2曲面
13c 軸Aから最も離間した球面壁
14 圧力室
20 ニードル
21 燃料導入路
22 テーパ面
30 旋回流生成部材
33 螺旋溝
40 駆動機構
50、71 燃料通路
A 軸

Claims (3)

  1. 先端に噴孔が設けられたノズルボディと、
    前記ノズルボディ内に摺動自在に配置され、前記ノズルボディとの間に燃料導入路を形成するとともに、前記ノズルボディ内のシート部に着座するニードルと、
    前記シート部の上流側に形成され、前記燃料導入路から導入され前記噴孔へ供給される燃料へ前記ニードルの軸周りに旋回する流れを付与する螺旋状の燃料通路と、
    前記シート部と前記噴孔との間に形成され、前記燃料を壁面に沿って案内することにより前記燃料の前記軸周りの旋回方向の速度を調整する旋回速度調整室と、
    を備えたことを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 前記旋回成分調整室の前記壁面を凹状の曲面に形成したことを特徴とする請求項1記載の燃料噴射弁。
  3. 前記シート部を形成する面と、前記ニードルの最大リフト時における前記ニードルの先端のテーパ面とにより形成される通路を等分する仮想面が、前記旋回速度調整室における前記燃料の前記軸周りの旋回方向の速度を調整する曲面と交差することを特徴とした請求項2記載の燃料噴射弁。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014222053A (ja) * 2013-05-14 2014-11-27 トヨタ自動車株式会社 燃料噴射弁の制御装置

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