JP2012172673A - 燃料噴射弁及び燃料噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】所望の燃料噴射量を確保し、また、所望の燃料噴射形態を確保する。
【解決手段】燃料噴射弁50は、先端部に開閉可能に設けられた噴孔52を備えたノズルボディ51と、噴孔52に向かってノズルボディ51内を流れる燃料に旋回成分を付与する第1螺旋溝53a1、第2螺旋溝53b1が形成された第1ニードル53と、螺旋溝形成部を回転させ、ノズルボディ51内を流れる燃料に旋回成分を付与する螺旋溝形成部の回転駆動手段55と、を備えている。第1ニードル53の回転速度を制御することにより、燃料に付与される旋回成分を制御し、ひいては、ボイド率を制御する。ボイド率が制御されることにより、所望の燃料噴射量の確保、所望の燃料噴射形態が確保される。
【選択図】図2

Description

本発明は燃料噴射弁及び燃料噴射装置に関する。
近年、内燃機関に関し、CO低減及びエミッション低減のため、過給リーン、大量EGR及び予混合自着火燃焼の研究が盛んに行われている。これらの研究によると、CO低減及びエミッション低減の効果を最大限に引き出すには、より燃焼限界近傍において安定した燃焼状態を得る必要がある。また、石油燃料の枯渇化が進む中、バイオ燃料など多種の燃料でも安定して燃焼できるロバスト性が要求される。このような安定した燃焼を得るのに最も重要な点は混合気の着火ばらつきを低減することや膨張行程で燃料を燃やしきる速やかな燃焼が必要とされる。
また、内燃機関の燃料供給において、過度応答性の向上、気化潜熱による体積効率向上や低温での触媒活性化用の大幅な遅角燃焼のために燃焼室内へ燃料を直接噴射する筒内噴射方式が採用されている。ところが、筒内噴射方式を採用することにより、噴霧燃料が液滴のまま燃焼室壁に衝突して起こるオイル希釈や、液状燃料で噴射弁の噴孔周りに生成されるデポジットによる噴霧悪化により燃焼変動が助長されていた。
このような筒内噴射方式の採用により生じるオイル希釈や噴霧悪化の対策をするとともに、着火ばらつきを低減し安定した燃焼を実現するには、燃焼室内の燃料が速やかに気化するように、噴霧を微粒化することが重要となる。
燃料噴射弁から噴射される噴霧の微粒化には薄膜化した液膜のせん断力によるもの、流れの剥離で発生するキャビテーションによるもの、超音波の機械的振動で表面に付着した燃料を微粒化するものなどが知られている。
特許文献1には、気泡発生流路と気泡保持流路との圧力差を利用して発生させた気泡を混合した燃料を噴射し、噴射後の燃料において気泡が崩壊するエネルギーにより燃料を微粒化する燃料噴射弁が記載されている。
このように、燃料噴射弁に対し、種々の提案がされている。
特開2006−177174号公報
ところで、上記特許文献1記載の燃料噴射弁は、燃料中の気相体積率(ボイド率)が変化することがある。ボイド率が上昇すると単位体積辺りの正味の燃料量が減少することになる。また、ボイド率が変化すると燃料の噴霧特性も変化し、所望の燃料噴射形態とならない場合がある。
そこで本明細書開示の発明は、所望の燃料噴射量を確保し、また、所望の燃料噴射形態を確保することを課題とする。
上記課題を解決するために本明細書開示の燃料噴射弁は、先端部に開閉可能に設けられた噴孔を備えたノズルボディと、前記噴孔に向かって前記ノズルボディ内を流れる燃料に旋回成分を付与する螺旋溝形成部と、前記螺旋溝形成部を回転させ、前記ノズルボディ内を流れる燃料に旋回成分を付与する前記螺旋溝形成部の回転駆動手段と、を備えている。
螺旋溝形成部の回転駆動手段を備えることにより、燃料の旋回流の旋回速度を調整することができる。燃料の旋回速度は、燃料中に発生する微細気泡に影響を与える。このため、螺旋溝形成部の回転速度を制御することによって燃料の旋回速度を調整し、ひいてはボイド率を調整することができる。燃料噴射弁への燃料の供給状態等に応じて所望のボイド率とし、燃料噴射量の確保や所望の燃料噴射形態を実現する。
燃料噴射弁は、前記噴孔を閉鎖する弁部材を備え、前記回転駆動手段は、前記弁部材が前記噴孔を閉鎖している状態において、前記螺旋溝形成部を回転駆動することが望ましい。
弁部材により噴孔を閉じた状態、すなわち、燃料噴射前の状態において螺旋溝形成部を回転させることにより、燃料噴射前において燃料の旋回流を生成しておくことができる。燃料は、旋回流が生成されることにより気泡を発生し易くなる。これにより、燃料噴射直後より気泡を含んだ燃料を噴射することができる。噴射開始直後の所望の噴射形態実現に有効である。
本明細書開示の燃料噴射装置は、先端部に開閉可能に設けられた噴孔を備えたノズルボディと、前記噴孔に向かって前記ノズルボディ内を流れる燃料に旋回成分を付与する螺旋溝形成部と、前記螺旋溝形成部を回転させ、前記ノズルボディ内を流れる燃料に旋回成分を付与する前記螺旋溝形成部の回転駆動手段と、を備えた燃料噴射弁と、前記ノズルボディ内の燃圧に応じて前記回転駆動手段による前記螺旋溝形成部の回転速度を決定する制御部と、を備える。
例えば、内燃機関の運転状況によって燃圧が上昇し、ノズルボディ内の燃料の流速が上昇すると燃料のボイド率が上昇する。このような場合は、螺旋溝形成部の回転速度を遅くする方向に制御し、ボイド率の上昇を抑制する。これにより、所望の燃料噴射量を確保することができる。
本明細書開示の他の燃料噴射装置は、先端部に開閉可能に設けられた噴孔を備えたノズルボディと、前記噴孔に向かって前記ノズルボディ内を流れる燃料に旋回成分を付与する螺旋溝形成部と、前記螺旋溝形成部を回転させ、前記ノズルボディ内を流れる燃料に旋回成分を付与する前記螺旋溝形成部の回転駆動手段と、を備えた燃料噴射弁と、前記燃料噴射弁のデポジット堆積判定手段と、前記デポジット堆積判定手段により、前記燃料噴射弁にデポジットが堆積していると判断したときに前記回転駆動手段により前記螺旋溝形成部を回転駆動する。
燃料噴射弁にデポジットが堆積すると、所望の燃料噴射量が確保できなくなることが考えられる。そこで、回転駆動手段により、螺旋溝形成部を回転させ、燃料の旋回速度を上昇させることによりデポジットを除去し、燃料噴射量を回復させることができる。
本明細書に開示された燃料噴射弁によれば、噴孔からの燃料噴射初期の時点から気泡を含んだ燃料を噴射し、噴射後にその気泡を崩壊させることによって燃料の微粒化を図ることができる。
図1は、実施例の燃料噴射弁及び燃料噴射装置を搭載したエンジンシステムの一構成例を示す説明図である。 図2(a)は実施例の燃料噴射弁の要部を分解して示す説明図であり、図2(b)は実施例の燃料噴射弁の要部を断面として示す説明図である。 図3は、図2におけるA−A線断面図である。 図4は、螺旋溝形成部を拡大して示す説明図である。 図5は、比較例の燃料噴射弁の要部を断面として示す説明図である。 図6は、燃料噴射弁内燃料温度(INJ燃料温度)、燃料流速(旋回速度)とボイド率との関係を示すグラフである。 図7は、燃圧とボイド率との関係を示すグラフである。 図8は、噴射指令信号、ニードルリフト量及び燃料噴射弁内燃圧との関係を示すグラフである。 図9は、螺旋溝形成部の回転速度を決定するマップの一例を示す図である。 図10は、空燃比補正値と燃料噴射低下量との関係に、螺旋溝形成部の回転駆動を開始する閾値を当てはめたグラフの一例である。
以下、本発明を実施するための形態を図面と共に詳細に説明する。ただし、図面中、各部の寸法、比率等は、実際のものと完全に一致するようには図示されていない場合がある。また、図面によっては細部が省略されている場合もある。
本発明の実施例1について図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の燃料噴射弁30を搭載したエンジンシステム1の一構成例を示した図である。なお、図1にはエンジン1000の一部の構成のみが示されている。
図1に示すエンジンシステム1は、動力源であるエンジン1000を備えており、エンジン1000の運転動作を総括的に制御するエンジンECU(Electronic Control Unit)10を備えている。エンジンシステム1は、エンジン1000の燃焼室11内へ燃料を噴射する燃料噴射弁30を備えている。エンジンECU10は、制御部の機能を備え、燃料噴射弁30と共に本実施例の燃料噴射装置に含まれる。エンジンECU10には、A/Fセンサ20、その他の各種センサが電気的に接続されている。エンジンECU10は、演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)と、プログラム等を記憶するROM(Read Only Memory)と、データ等を記憶するRAM(Random Access Memory)やNVRAM(Non Volatile RAM)と、を備えるコンピュータである。
エンジン1000は、車両に搭載されるエンジンであって、燃焼室11を構成するピストン12を備えている。ピストン12は、エンジン1000のシリンダに摺動自在に嵌合されている。そして、ピストン12は、コネクティングロッドを介して出力軸部材であるクランクシャフトに連結されている。
吸気ポート13から燃焼室11内へ流入した吸入空気は、ピストン12の上昇運動により燃焼室11内で圧縮される。エンジンECU10は、クランク角センサからのピストン12の位置、および吸気カム角センサからのカム軸回転位相の情報に基づき、燃料噴射タイミングを決定し燃料噴射弁50に信号を送る。燃料噴射弁50は、エンジンECU10の信号に従って、指示された噴射タイミングで燃料を噴射する。燃料噴射弁50より噴射された燃料は、霧化して圧縮された吸入空気と混合される。そして、吸入空気と混合された燃料は、点火プラグ18によって点火されることで燃焼し、燃焼室11内を膨張させてピストン12を下降させる。この下降運動がコネクティングロッドを介してクランクシャフトの軸回転に変更されることにより、エンジン1000は動力を得る。
燃焼室11には、それぞれ燃焼室11と連通する吸気ポート13と、吸気ポート13に連結し、吸入空気を吸気ポート13から燃焼室11へと導く吸気通路14とが接続されている。更に、各気筒の燃焼室11には、それぞれ燃焼室11と連通する排気ポート15と、燃焼室で発生した排気ガスをエンジン1000の外部へと導く排気通路16が接続されている。吸気通路14には、サージタンク22が配置されている。
吸気通路14には、エアフロメータ、スロットルバルブ17およびスロットルポジションセンサが設置されている。エアフロメータおよびスロットルポジションセンサは、それぞれ吸気通路14を通過する吸入空気量、スロットルバルブ17の開度を検出し、検出結果をエンジンECU10に送信する。エンジンECU10は、送信された検出結果に基づいて吸気ポート13および燃焼室11へ導入される吸入空気量を認識し、スロットルバルブ17の開度を調整することで吸入空気量を調節する。
排気通路16には、ターボチャージャ19が設置されている。ターボチャージャ19は、排気通路16を流通する排気ガスの運動エネルギーを利用してタービンを回転させ、エアクリーナーを通過した吸入空気を圧縮してインタークーラーへと送り込む。圧縮された吸入空気は、インタークーラーで冷却された後に一旦サージタンク22に貯留され、その後、吸気通路14へと導入される。この場合、エンジン1000は、ターボチャージャ19を備える過給機付エンジンに限られず、自然吸気(Natural Aspiration)エンジンであってもよい。
ピストン12は、その頂面にキャビティを有する。キャビティは、燃料噴射弁50の方向から点火プラグ18の方向へと連続するなだらかな曲面によってその壁面が形成されており、燃料噴射弁50から噴射された燃料を壁面形状に沿って点火プラグ18近傍へと導く。この場合、ピストン12は、その頂面の中央部分に円環状にキャビティが形成されるリエントラント型燃焼室等、エンジン1000の仕様に応じて任意の位置・形状でキャビティを形成することができる。
燃料噴射弁50は、吸気ポート13下部の燃焼室11に装着されている。燃料噴射弁50は、エンジンECU10の指示に基づいて、燃料ポンプから燃料流路を通じて高圧供給された燃料をノズルボディ51先端部に設けられた噴孔53より燃焼室11内へ直接噴射する。噴射された燃料は、燃焼室11内で霧化し吸入空気と混合されつつキャビティの形状に沿って点火プラグ18近傍へと導かれる。燃料噴射弁50のリーク燃料は、リリーフ弁からリリーフ配管を通じて燃料タンクへと戻される。
この燃料噴射弁50は、吸気ポート13下部に限られず燃焼室11の任意の位置に設置することができる。例えば、燃焼室11の中央上側から噴射するように配置することもできる。
なお、エンジン1000は、ガソリンを燃料とするガソリンエンジン、軽油を燃料とするディーゼルエンジン、ガソリンとアルコールとを任意の割合で混合した燃料を使用するフレキシブルフューエルエンジンのいずれでもよい。また、その他、燃料噴射弁によって噴射可能などのような燃料を用いるエンジンであってもよい。エンジンシステム1は、エンジン1000と複数の電動モータとを組み合わせたハイブリッドシステムであってもよい。
次に、本発明の一実施例である燃料噴射弁50の内部構成について、比較例である燃料噴射弁30とともに詳細に説明する。図2(a)は実施例の燃料噴射弁50の要部を分解して示す説明図であり、図2(b)は実施例の燃料噴射弁50の要部を断面として示した説明図である。図3は、図2(b)におけるA−A線断面図である。図4は、螺旋溝形成部を拡大して示す説明図である。図5は、比例の燃料噴射弁の要部を断面として示す説明図である。
実施例の燃料噴射弁50は、先端部に開閉可能に設けられた噴孔52を備えたノズルボディ51、第1ニードル53、弁部材に相当する第2ニードル54を備えている。また、第1ニードル53を回転駆動する回転駆動手段に相当するソレノイド55を備えている。ソレノイド55はエンジンECU10と電気的に接続されている。
ノズルボディ51の先端部に設けられた噴孔52の上流端には、シール部51aが形成されている。噴孔52は、開口端に向かって徐々に小径となっている。これにより、噴孔52は旋回増速部としても機能し、後に詳述する第1螺旋溝53a1や第2螺旋溝53b1を通過することによって生成される燃料の旋回流を増速することができる。旋回流は、縮径された狭い領域に流入することで、旋回速度が増す。旋回速度が増した旋回流は、噴孔52内に気柱を形成する。旋回流が加速すると、噴孔52内に強い旋回流が形成され、強い旋回流が旋回する中心に負圧が発生する。負圧が発生するとノズルボディ51の外部の空気がノズルボディ51内に吸引される。これにより噴孔52内に気柱が発生する。こうして発生した気柱と燃料との界面において気泡が生成する。生成した気泡は気柱の周囲を流れる燃料に混入し、気泡混入流として外周側を流れる燃料流とともに噴射される。
このとき燃料流及び気泡混入流は、旋回流の遠心力により、中心から拡散するコーン状の噴霧が形成される。従って、噴孔52から離れるほどコーン状の噴霧の径は大きくなるため、噴霧液膜が引き伸ばされて薄くなる。そして、液膜として維持できなくなり分裂する。この後、分裂後の噴霧は微細気泡の自己加圧効果によって径が小さくなり崩壊に至り超微細化噴霧となる。このように、燃料噴射弁50により噴射された燃料の噴霧が微粒化されるため、燃焼室内における速やかな火炎伝播が実現され、安定した燃焼が行われる。
このように燃料噴霧の超微細化を図ることにより、燃料の気化が促進されると、PM(Particulate Matter)や、HC(炭化水素)の低減を図ることができる。また、熱効率も改善される。さらに、気泡が燃料噴射弁50から噴射された後に破壊されることになるので、燃料噴射弁50内のEGRエロージョンを抑制することができる。
第1ニードル53は、筒状の部材であり、先端部に拡径部531を備えている。第1ニードル53の内側及び外側が燃料流路56となる。拡径部531の外周面53aに第1螺旋溝53a1が形成され、内周面53bに第2螺旋溝53b1が形成されて螺旋溝形成部を形成している。第1螺旋溝53a1、第2螺旋溝53b1に沿って流れた燃料は旋回成分が付与される。第1ニードル53は、ソレノイド55によって回転駆動される。ソレノイド55は、上述のようにエンジンECU10と電気的に接続されており、後述する第2ニードル54が噴孔52を閉鎖している状態において第1ニードル53、具体的には螺旋溝形成部を回転駆動することができる。
第2ニードル54は、筒状の第1ニードル53の内側に配置される。第2ニードル54は、駆動機構によって第1ニードル53内を軸方向に昇降する。第2ニードル54の先端部には、テーパ状部54aが設けられている。テーパ状部54aがシート部41aに対し着座及び離座することにより、噴孔52が開閉される。
比較例の燃料噴射弁30は、実施例の燃料噴射弁50と同様に、ノズルボディ31、ニードル32、噴孔33及びシート部34を備える。また、燃料噴射弁30には、燃料導入路35が形成されている。また、燃料噴射弁30は、旋回流生成部32a、螺旋溝32bを備えている。しかしながら、燃料噴射弁30は、以下の点で燃料噴射弁50と異なる。すなわち、燃料噴射弁30は、螺旋溝32bが設けられたニードル32によって噴孔33の閉塞を行う。このため、開弁直後に噴孔33から噴射される燃料は、ほとんど旋回成分を含んでいない。このため、噴孔33内では気柱が発生し難く、燃料の微粒化が促進されない。
一方、燃料噴射弁50は、ソレノイド55により第1ニードル53を回転駆動し、開弁前に燃料に旋回成分を付与しておくことができる。なお、旋回成分を強化するためには、図4中、矢示57a、57bで示す方向に第1ニードル53を回転させる。
ここで、比較例の燃料噴射弁30、実施例の燃料噴射弁50を含め、燃料中に微細気泡を発生させる燃料噴射弁におけるボイド率について説明する。ボイド率とは、燃料中の気相体積率である。図6に示すように燃料噴射弁内の燃料温度が高くなるほどボイド率は高くなる。また、燃料流速が速くなるほどボイド率は高くなる。すなわち、燃料流速v1>v2>v3の関係がある場合、燃料噴射弁内の燃料温度(INJ燃料温度)が同じであるとき、ボイド率は燃料流速v1のときが最も高く、燃料流速v3のときが最も低い。また、燃料流速は燃圧と相関関係を有し、燃圧の関数として表現することができるため、図7に示すように燃圧が高くなるほどボイド率は高くなる。燃圧は、エンジン1000の運転状態によって変化するため、燃圧が高く、ボイド率が高くなるときは、ソレノイド55による第1ニードル53の回転駆動を抑制する。ボイド率が所望の範囲内にないとき、例えば、ボイド率が上昇すると単位体積あたりの正味の燃料量が減少することになる。また、ボイド率が変化すると燃料の噴霧特性も変化し、所望の燃料噴射形態とならない場合がある。この場合に、第1ニードル53の回転駆動を抑制する。
図8は、一般的な燃料噴射弁の噴射指令信号、ニードルリフト量及び燃料噴射弁内燃圧との関係を示すグラフである。燃料噴射弁は、噴射指令信号が発せられた後、多少のタイムラグの後、ニードルのリフトが開始される。そして、このニードルのリフトの上昇に追随すかのように燃料噴射弁内部燃圧が上昇する。すなわち、開弁直後は、燃圧が低く、ボイド率が低いと考えられる。この場合、ソレノイド55により第1ニードル53を回転駆動し、燃料の旋回速度を高めることにより、微細気泡を効率よく生成し、ボイド率を高めることができる。ボイド率が制御されることにより、すなわち、微細気泡の混合状態が制御されることにより、所望の燃料噴射形態も実現される。
図9は、螺旋溝形成部(第1ニードル53)の回転速度を決定するマップの一例を示す図である。燃料噴射弁50への供給燃圧が高いときは、第1ニードル53の回転速度を遅くする。これにより、ボイド率が過剰に上昇することを抑制することができる。
つぎに、燃料噴射装置によるデポジット除去について説明する。燃料噴射弁50には、使用の継続によりデポジットが堆積することがある。デポジットが堆積すると、噴射指令に対して実際の燃料噴射量が低下する。そこで、A/Fセンサ20とエンジンECU10をデポジット堆積判定手段として機能させる。A/Fセンサ20により取得した空燃比補正値(増量補正値、増量指示値)が噴射指令の値に対して大きくなっている場合は、噴射量が低下していると判断する。空燃比補正値が閾値を上回った場合に、ソレノイド55による第1ニードル53の回転駆動を行う。これにより燃料の旋回成分を強化し、燃料噴射弁50内のデポジットを除去する。これにより、所望の燃料噴射量を確保することができる。
上記実施例は本発明を実施するための一例にすぎない。よって本発明はこれらに限定されるものではなく、請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
1 エンジンシステム
20 A/Fセンサ
30、50 燃料噴射弁
31、51 ノズルボディ
2 噴孔
53 第1ニードル
53a 拡径部
53a1 第1螺旋溝
53b 内周面
53b1 第2螺旋溝
54 第2ニードル(弁部材)
55 ソレノイド(回転駆動手段)
31b1、51b1 下流側先端部
1000 エンジン

Claims (4)

  1. 先端部に開閉可能に設けられた噴孔を備えたノズルボディと、
    前記噴孔に向かって前記ノズルボディ内を流れる燃料に旋回成分を付与する螺旋溝形成部と、
    前記螺旋溝形成部を回転させ、前記ノズルボディ内を流れる燃料に旋回成分を付与する前記螺旋溝形成部の回転駆動手段と、を、
    備えた燃料噴射弁。
  2. 前記噴孔を閉鎖する弁部材を備え、
    前記回転駆動手段は、前記弁部材が前記噴孔を閉鎖している状態において、前記螺旋溝形成部を回転駆動することを特徴とする請求項1記載の燃料噴射弁。
  3. 先端部に開閉可能に設けられた噴孔を備えたノズルボディと、前記噴孔に向かって前記ノズルボディ内を流れる燃料に旋回成分を付与する螺旋溝形成部と、前記螺旋溝形成部を回転させ、前記ノズルボディ内を流れる燃料に旋回成分を付与する前記螺旋溝形成部の回転駆動手段と、を備えた燃料噴射弁と、
    前記ノズルボディ内の燃圧に応じて前記回転駆動手段による前記螺旋溝形成部の回転速度を決定する制御部と、
    を備えた燃料噴射装置。
  4. 先端部に開閉可能に設けられた噴孔を備えたノズルボディと、前記噴孔に向かって前記ノズルボディ内を流れる燃料に旋回成分を付与する螺旋溝形成部と、前記螺旋溝形成部を回転させ、前記ノズルボディ内を流れる燃料に旋回成分を付与する前記螺旋溝形成部の回転駆動手段と、を備えた燃料噴射弁と、
    前記燃料噴射弁のデポジット堆積判定手段と、
    前記デポジット堆積判定手段により、前記燃料噴射弁にデポジットが堆積していると判断したときに前記回転駆動手段により前記螺旋溝形成部を回転駆動する燃料噴射装置。
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