JP2011220116A - 燃料噴射制御装置 - Google Patents

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JP2011220116A JP2010086533A JP2010086533A JP2011220116A JP 2011220116 A JP2011220116 A JP 2011220116A JP 2010086533 A JP2010086533 A JP 2010086533A JP 2010086533 A JP2010086533 A JP 2010086533A JP 2011220116 A JP2011220116 A JP 2011220116A
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Abstract

【課題】内燃機関の噴射燃料の微粒化を促進することができる燃料噴射制御装置を提供する。
【解決手段】エンジンシステム1は、燃焼室11に燃料を噴射供給するインジェクタ21と、インジェクタ21内部の燃料噴射孔212近傍の燃料通路213壁面に円筒状に設けられ、燃料通路213内の燃料に所定の超音波振動を付与する超音波振動子218と、インジェクタ21が実行する1回の燃料噴射の間に、燃料噴射の開始から所定の期間、および前記燃料噴射が終了する前の所定の期間に超音波振動子218に超音波振動の付与を実行させる超音波駆動装置22およびエンジンECU10とを備えることで、噴射前の燃料中に多量の微細気泡を発生させ、燃料噴射後にそれら微細気泡を速やかに圧壊させることができる。よって、燃料中の微細気泡の圧壊エネルギーを活用して内燃機関の噴射燃料の微粒化を促進することができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、燃料噴射制御装置に関する。
内燃機関の燃費や排気エミッションを改善するために、噴射燃料の噴霧粒径を微細化して燃焼性を向上させることが要求されている。噴霧粒径を微細化する手段の一つとして、従来、噴射前の燃料に所定の超音波振動を付与する手法が知られている。
超音波振動の付与による噴霧粒径の微細化手法としては、例えば、インジェクタの燃料通路入口に超音波発生装置を設け、燃料に適当な周波数の超音波振動を付与することにより、噴出流速を変化させて噴霧粒径の微細化を促進させる技術が知られている(特許文献1参照)。
そして、近年、超音波振動の付与による噴霧粒径の微細化の新たな手法として、高周波の超音波振動を付与し燃料中にキャビテーションによる微細気泡を発生させ、噴射後に微細気泡が圧壊するときのエネルギーによって噴霧粒径を微細化する手法が提案されている。この手法によれば、燃料に付与する超音波振動の周波数が高いほどより微細な気泡が多量に発生し、より大きな気泡の圧壊エネルギーを得られることから、従来手法よりも噴霧粒径を微細化することが可能である。
このような手法としては、インジェクタ噴孔を開閉するニードルの先端に超音波振動子を設け、比較的低周波で駆動する第1の振動状態と、第1の振動状態より高い周波数である第2の振動状態とを切り替えることにより、第1の振動状態によって燃料中にキャビテーションによる気泡を発生させて噴霧粒径を微細化しつつ、第2の振動状態によってニードルの先端にデポジットが付着することを抑制する技術が特許文献2に開示されている。
また、インジェクタのチャンバーに複数の圧電素子を設け、これらの圧電素子を異なるタイミングで駆動させて燃料に超音波振動を付与することにより、圧電素子の耐久性を低下させることなく多量の微小液滴を噴射可能にする技術が特許文献3に開示されている。
そして、関連する技術として、インジェクタの燃料通路中に超音波発生部を設け、噴射される直前の燃料に適当な周波数の超音波振動を付与することにより、燃料中にキャビテーションを発生させて燃料の成分を改質させる技術が特許文献4に開示されている。
特開2000−009002号公報 特開2008−025485号公報 特開2005−058933号公報 特開2007−224816号公報
超音波キャビテーションにより燃料中にマイクロオーダーからナノオーダーの微細気泡が発生するが、それら微細気泡のそれぞれ1つの圧壊エネルギーは微小である。そのため、微細気泡の圧壊エネルギーを充分に活用して噴霧粒径を微細化させるためには、噴射前の燃料中に多量の微細気泡を圧壊させずに残存させ、かつ、燃料噴射後にそれら多量の微細気泡を速やかに圧壊させることが求められる。
しかしながら、特許文献2および3の技術では、燃料の噴射後に多量の微細気泡を速やかに圧壊させるための手段を有していない。そのため、燃料中の微細気泡の圧壊エネルギーを充分に活用することができないことから、内燃機関の噴射燃料の微粒化を促進することが困難である、といった問題点がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、内燃機関の噴射燃料の微粒化を促進することができる燃料噴射制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の燃料噴射制御装置は、ノズルボディの先端部近傍に設けられた燃料噴射孔から内燃機関に燃料を噴射供給する燃料噴射手段と、前記燃料噴射手段に供給される燃料を前記燃料噴射孔へと導くための燃料通路の少なくとも一部に設けられ、前記燃料通路内の燃料に所定の超音波振動を付与する超音波振動付与手段と、前記燃料噴射手段が実行する1回の燃料噴射の間に、前記燃料噴射の開始から所定の期間に前記超音波振動付与手段に第1の超音波振動の付与を実行させて、前記第1の超音波振動の付与を停止した後に、更に、前記燃料噴射が終了する前の所定の期間に前記超音波振動付与手段に第2の超音波振動の付与を実行させる超音波振動制御手段と、を備えることを特徴とする。
上記の構成により、燃料噴射の開始から所定の期間に第1の超音波振動を付与することで、燃料通路内の燃料中にキャビテーションの微細気泡を多量に発生させることができる。更に、燃料噴射が終了する前の所定の期間に第2の超音波振動を付与することで、超音波振動のエネルギーによって噴射燃料中の微細気泡の圧壊を促進させることができる。よって、燃料中の微細気泡の圧壊エネルギーを充分に活用することができることから、内燃機関の噴射燃料の微粒化を促進することができる。
特に、本発明の燃料噴射制御装置は、前記超音波振動付与手段が、前記超音波振動制御手段の指示に基づいて前記燃料通路の容積を増減させる方向に振動し、前記超音波振動制御手段が、前記第1の超音波振動の付与時に前記超音波振動付与手段を前記燃料通路の容積を増大させる方向に振動させて、前記第2の超音波振動の付与時に前記超音波振動付与手段を前記燃料通路の容積を減少させる方向に、または前記燃料通路の容積を増減させる方向に振動させる構成とすることができる。
上記の構成により、第1の超音波振動の付与時に、超音波振動付与手段が燃料通路の容積を増大させる方向に振動することで、燃料通路内の圧力を燃圧以下に低下させて、燃料中にキャビテーションの微細気泡を多量に発生させることができる。更に、第2の超音波振動の付与時に、超音波振動付与手段が燃料通路の容積を減少させる方向に、または燃料通路の容積を増減させる方向に振動することで、燃料通路内の圧力を上昇させて、噴射後の燃料中の微細気泡の圧壊を促進させることができる。よって、燃料中の微細気泡の圧壊エネルギーを充分に活用することができることから、内燃機関の噴射燃料の微粒化を促進することができる。
また、本発明の燃料噴射制御装置は、前記超音波振動付与手段が、正電圧および負電圧からなる交流電圧を印加されることで前記燃料通路の容量を増減させる方向に振動し、前記超音波振動制御手段が、前記第1の超音波振動の付与時に前記超音波振動付与手段が前記燃料通路の容積を増大させる方向に振動するように半波整流した電圧を印加して、前記第2の超音波振動の付与時に前記超音波振動付与手段が前記燃料通路の容積を減少させる方向に振動するように半波整流した電圧を、または前記燃料通路の容積を増減させる方向に振動するように交流電圧を印加する構成とすることができる。
上記の構成により、第1の超音波振動の付与時に、超音波振動付与手段が燃料通路の容積を増大させる方向に振動するように半波整流した電圧を印加することで、燃料通路内の圧力を燃圧以下に低下させて、燃料中にキャビテーションの微細気泡を多量に発生させることができる。更に、第2の超音波振動の付与時に、超音波振動付与手段が燃料通路の容積を減少させる方向に振動するように半波整流した電圧を、または燃料通路の容積を増減させる方向に振動するように交流電圧を印加することで、燃料通路内の圧力を上昇させて、噴射後の燃料中の微細気泡の圧壊を促進させることができる。よって、燃料中の微細気泡の圧壊エネルギーを充分に活用することができることから、内燃機関の噴射燃料の微粒化を促進することができる。
本発明の燃料噴射制御装置によれば、噴射前の燃料中に多量の微細気泡を発生させ、燃料の噴射後にそれら多量の微細気泡を速やかに圧壊させることができる。よって、燃料中の微細気泡の圧壊エネルギーを活用して、内燃機関の噴射燃料の微粒化を促進することができる。
実施例のエンジンシステムの一構成例を示した図である。 実施例のインジェクタの一構成例を示した図である。 エンジンECUが実行する超音波振動の付与の制御の一例を示している。 気泡の発生周波数と気泡径との相関を示している。 気泡の発生周波数と気泡の相対強度との相関を示している。 気泡径と気泡圧壊時間との相関を示している。 水溶液の気泡の破壊観察を示している。
以下、本発明を実施するための形態を図面と共に詳細に説明する。
本発明の実施例について図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の燃料噴射制御装置を搭載したエンジンシステム1の一構成例を示した図である。なお、図1にはエンジンの一部の構成のみを示している。
図1に示すエンジンシステム1は、動力源であるエンジン100を備えており、エンジン100の運転動作を総括的に制御するエンジンECU(Electronic Control Unit)10を備えている。また、エンジンシステム1は、エンジン100の燃焼室11内へ燃料を噴射するインジェクタ21と、インジェクタ21内の超音波振動子218を駆動させる超音波駆動装置22とを備えている。
エンジン100は、車両に搭載される多気筒エンジンであって、各気筒は燃焼室11を構成するピストン12を備えている。各燃焼室のピストン12は、エンジン100のシリンダに摺動自在に嵌合されており、それぞれコネクティングロッドを介して出力軸部材であるクランクシャフトに連結されている。
吸気ポート13から燃焼室11内へ流入した吸入空気は、ピストン12の上昇運動により燃焼室11内で圧縮される。エンジンECU10は、クランク角センサからのピストン12の位置、および吸気カム角センサからのカム軸回転位相の情報に基づき、燃料噴射タイミングを決定しインジェクタ21に信号を送る。インジェクタ21は、エンジンECU10の信号に従って、指示された噴射タイミングで燃料を噴射する。インジェクタ21より噴射された燃料は、霧化して圧縮された吸入空気と混合し、点火されることで燃焼し、燃焼室内を膨張させてピストン12を下降させる。この下降運動がコネクティングロッドを介してクランクシャフトの軸回転に変更されることにより、エンジン100は動力を得る。
この場合、エンジン100は、ガソリンを燃料とするガソリンエンジンに限られず、軽油を燃料とするディーゼルエンジン、ガソリンとアルコールとを任意の割合で混合した燃料を使用するフレキシブルフューエルエンジンのいずれでもよい。また、エンジンシステム1は、エンジン100と複数の電動モータとを組み合わせたハイブリッドシステムであってもよい。
各気筒の燃焼室11には、それぞれ燃焼室11と連通する吸気ポート13と、吸気ポート13に連結し、吸入空気を吸気ポート13から燃焼室11へと導く吸気通路14とが接続されている。更に、各気筒の燃焼室11には、それぞれ燃焼室11と連通する排気ポート15と、燃焼室で発生した排気ガスをエンジン100の外部へと導く排気通路16が接続されている。
吸気通路14には、エアフロメータ、スロットルバルブ17およびスロットルポジションセンサが設置されている。エアフロメータおよびスロットルポジションセンサは、それぞれ吸気通路14を通過する吸入空気量、スロットルバルブ17の開度を検出し、検出結果をエンジンECU10に送信する。エンジンECU10は、送信された検出結果に基づいて吸気ポート13および燃焼室11へ導入される吸入空気量を認識し、スロットルバルブ17の開度を調整することで吸入空気量を調節する。
スロットルバルブ17は、ステップモータを用いたスロットルバイワイヤ方式を適用することが好ましいが、例えばステップモータの代わりにワイヤなどを介してアクセルペダル(図示しない)と連動し、スロットルバルブ17の開度が変更されるような機械式スロットル機構を適用することもできる。
排気通路16には、ターボチャージャ19が設置されている。ターボチャージャ19は、排気通路16を流通する排気ガスの運動エネルギーを利用してタービンを回転させ、エアクリーナーを通過した吸入空気を圧縮してインタークーラーへと送り込む。圧縮された吸入空気は、インタークーラーで冷却された後に吸気通路14へと導入される。この場合、エンジン100は、ターボチャージャ19を備える過給機付エンジンに限られず、自然吸気(Natural Aspiration)エンジンであってもよい。
ピストン12は、その頂面にキャビティを有する。キャビティは、インジェクタ21の方向から点火プラグ18の方向へと連続するなだらかな曲面によってその壁面が形成されており、インジェクタ21から噴射された燃料を壁面形状に沿って点火プラグ18近傍へと導く。この場合、ピストン12は、その頂面の中央部分に円環状にキャビティが形成されるリエントラント型燃焼室等、エンジン100の仕様に応じて任意の位置・形状でキャビティを形成することができる。
インジェクタ21は、吸気ポート13下部の燃焼室11に斜め方向に装着されている。インジェクタ21は、エンジンECU10の指示に基づいて、フューエルポンプから燃料流路を通じて高圧供給された燃料をノズルボディ211先端部近傍に設けられた燃料噴射孔212より燃焼室11内へ直接噴射する。噴射された燃料は、燃焼室11内で霧化し吸入空気と混合されつつキャビティの形状に沿って点火プラグ18近傍へと導かれる。インジェクタ21のリーク燃料は、リリーフ弁からリリーフ配管を通じて燃料タンクへと戻される。
この場合、インジェクタ21は、吸気ポート13下部に限られず燃焼室11の任意の位置に設置することができる。更に、インジェクタ21は、燃焼室11に限られず吸気ポート13に設けてもよいし、燃焼室11と吸気ポート13との両方に設けてもよい。
なお、インジェクタ21は、本発明の燃料噴射手段の一構成例である。
つづいて、インジェクタ21の内部構成について詳細に説明する。図2は、実施例のインジェクタ21の概略構成を示した構成図である。なお、図2にはインジェクタ21の先端部分の構成のみを示している。
インジェクタ21は、内部に燃料通路213を備えたノズルボディ211、ノズルボディ211の先端部近傍に形成された燃料噴射孔212、燃料通路213内に配置され先端部に傘部214aを有するニードル214、ニードル214の軸偏芯を抑制するガイド215、ニードル214を燃料噴射孔212が閉鎖する側へ付勢するスプリング216、燃料噴射孔212を開閉するためにニードル214の傘部214aが着座する弁座217、および燃料通路213内に円筒状に配置される超音波振動子218、を備えた構成となっている。
ノズルボディ211は、インジェクタ21の先端部に設けられており、エンジン100の燃焼室11内に突出している。フューエルポンプより圧送されて、ノズルボディ211内部の燃料通路213に蓄積された高圧燃料は、エンジンECU10の指示に従い、燃料噴射孔212よりエンジン気筒内に噴射される。
ニードル214は、燃料通路213内部にニードル軸方向に移動可能に設けられている。ニードル214は、その先端部に、徐々に外周側へと広がる三角錐形状の傘部214aを備えており、燃料噴射孔212の外開弁として機能する。ニードル214は、燃料通路213内に設けられた制御室内の燃料圧力の変化やスプリング216の付勢力によって、燃料噴射孔212の開弁方向または閉弁方向に移動する。傘部214aは、後述するように、燃料噴射孔212内を通過する燃料の流れ方向を急激に変更させて燃料中の微細気泡の圧壊を促進する。そのため、傘部214aの斜面の角度は、燃料中の微細気泡の圧壊を促進するのに適切な任意の角度に設定できる。また、傘部214aは、後述する超音波振動子218によって付与される超音波振動を、燃料噴射孔212内の燃料へと伝達する。この場合、ニードル214は、傘部214aを備えた外開弁に限られず、その先端部が鋭角な針形状の内開弁であってもよい。
ノズルボディ211の先端部には、傘部214aと嵌合する弁座217が設けられている。この弁座217にニードル214の傘部214aが着座することで燃料噴射孔212が閉鎖されて燃料噴射が停止し、弁座217から傘部214aが離座することで燃料噴射孔212が開放されて燃料噴射が開始される。
燃料噴射孔212は、ノズルボディ211先端部の近傍に設けられた連通孔であり、燃料通路213とノズルボディ211の外部とを連通させている。燃料噴射孔212は、燃料通路213から弁座217まではニードル214軸と略平行に形成され、弁座217からノズルボディ211の外部まではニードル214の傘部214aと略平行に形成される。このように、燃料噴射孔212は、燃料通路213からノズルボディ211の外部までの間にその角度が変化するために、燃料噴射孔212内を通過する噴射燃料の流れ方向が途中で急激に変更される。この流れ方向の変更エネルギーによって、噴射された燃料中の微細気泡の圧壊を促進することができる。
この場合、燃料噴射孔212の数は1孔に限られず、任意の孔数を等間隔で設けてもよい。また、燃料噴射孔212より噴射される燃料は、一定の噴射角度に設定されるが、その位置によって噴射角度を変えてもよい。
ニードル214には、ニードル214軸と直交する水平軸方向への偏芯を抑制するガイド215が設けられている。ガイド215は、その外周部に、燃料通路213内の燃料がニードル214軸方向に流通自在に形成された斜流溝215aを備えている。そして、斜流溝215aは、ニードル214軸に対して所定の角度θで傾斜している。これにより、燃料通路213内をニードル214が動くときに、燃料が斜流溝215aを流通することで、燃料通路213内の燃料に微細気泡が圧壊しない程度の適切な旋回流を生じさせることができる。よって、超音波振動の付与により発生した微細気泡を、適切な旋回流によって燃料中に均質化させて安定化することができる。この場合、ガイド215および斜流溝215aは、1つに限られず複数設けてもよい。また、斜流溝215aは、ガイド215の外周部に限られずニードル214の他の部分に個別に設けてもよい。
斜流溝215aの傾斜角度θについて説明する。斜流溝215aの傾斜角度θと燃料の旋回周波数との関係は以下の式で表すことができる。
[燃料の旋回周波数]
旋回周波数=(噴射率×斜流溝面積比/斜流溝面積×COS(θ/180π))/Dpz/2π ・・・(1)
(θ:斜流溝の角度,Dpz:超音波振動子の内径)
燃料中の微細気泡が圧壊しない程度の適切な旋回流としては、微細気泡の粒径にもよるが、燃料の旋回周波数を例えば100Hz以下とすることが好ましい。この場合、上記(1)式より、燃料の旋回周波数を100Hz以下とするための適切な斜流溝215aの傾斜角度θを決定することができる。
超音波振動子218は、燃料噴射孔212近傍の燃料通路213壁面に、燃料と直接接触するように円筒状に設けられている。超音波振動子218は、後述する超音波駆動装置22からの通電による電圧の印加によって、その体積が膨張または収縮する圧電素子である。超音波振動子218は、正電圧を印加された際に体積が膨張し、燃料通路213の容量を減少させて、正電圧の印加が終了するとその体積が元に戻り、燃料通路213の容量を元に戻す。また、超音波振動子218は、負電圧を印加された際に体積が収縮し、燃料通路213の容量を増大させて、負電圧の印加が終了するとその体積が元に戻り、燃料通路213の容量を元に戻す。このように、超音波振動子218は、電圧を連続で印加されることで体積の膨張、収縮を繰り返し、交流電圧の周波数に同期して燃料通路213の容積を増大、減少させて燃料に超音波振動を付与する。超音波振動を付与された燃料は、その超音波エネルギーによってキャビテーションが生じ、内部に微細気泡が発生する。この場合、超音波振動子218は、円筒状に限られず、燃料噴射孔212近傍の燃料通路213壁面の任意の部分に設けてもよい。また、超音波振動子218は、負電圧を印加された際に体積が膨張し、正電圧を印加された際に体積が収縮するようにしてもよい。
なお、超音波振動子218は、本発明の超音波振動付与手段の一構成例である。
超音波振動子218とニードル214との距離について説明する。超音波振動子218が付与する超音波振動は、燃料通路213内の燃料を伝達してニードル214に到達し、その一部は反射波となり超音波振動子218の方向へ進む。この場合、超音波振動子218とニードル214とを同軸とすると、それらの距離を超音波波長λに対し(n±1/4)λ(nは自然数)とすることで、超音波振動子218が付与する振動波とニードル214で反射した反射波との疎密ピークが重なり合う。そのため、燃料に付与された超音波振動が増幅されることから、キャビテーションによる燃料中への微細気泡の発生をより効果的に実行することができる。この場合、以下の(2)式より、超音波振動が増幅されるための適切な超音波振動子の内径とニードル外径との関係を求めることができる。
[超音波振動子の内径とニードル外径との関係]
Dn=Dpz−(u/Fp)×N×2 ・・・(2)
(Dn:ニードル外径,Dpz:超音波振動子の内径,u:燃料の音速,Fp:超音波振動の周波数,N:距離係数)
次に、超音波振動子218の高さ方向の寸法について説明する。燃料中の微細気泡の圧壊エネルギーを充分に活用して噴射燃料を微細化するためには、インジェクタ21から1度に噴射されるすべての燃料中に微細気泡が存在することが求められる。そのため、超音波振動子218は、1度の超音波振動付与の実行によって、インジェクタ21が1回に噴射できる燃料の最大量にキャビテーションによる微細気泡を発生させることが求められる。そのために、超音波振動子218は、適切な超音波振動の付与面積を有することが求められる。超音波振動子218の適切な高さ寸法は以下の(3)〜(4)式で求めることができる。
[超音波振動子の高さ寸法]
Lpz=Qf/((Dpz−Dn)×π/4) ・・・(3)
微細気泡発生領域の厚み=(u/Fp)×N ・・・(4)
(Lpz:超音波振動子の高さ寸法,Qf:最大噴射量,Dpz:超音波振動子の内径,Dn:ニードル外径,u:燃料の音速,Fp:超音波振動の周波数,N:距離係数)
上記(3)(4)式より、1度の超音波振動の付与による微細気泡の発生領域の体積を求めることができる。これより、インジェクタ21が1度に噴射できる燃料の最大量にキャビテーションによる微細気泡を発生させるための超音波振動子218の適切な高さ寸法を決定することができる。
つづいて、超音波振動子218の厚み寸法について説明する。噴射前の燃料は、燃料通路213内に高圧(例えば1MPa)で蓄積されている。この高圧の燃料中にキャビテーションによる微細気泡を適切に発生させるためには、超音波振動子218の変形によって燃料通路213の容積が増大した際に、燃料通路213内の圧力が燃料の蒸気圧以下になることが求められる。そのため、超音波振動子218は、燃料通路213内の圧力を燃料の蒸気圧以下にするための適切な体積変化量が得られるように充分な厚み寸法を有することが求められる。超音波振動子218の適切な厚み寸法は以下の(5)〜(7)式で求めることができる。
[超音波振動子の厚み寸法]
σv=k×Pf×1000×Qc ・・・(5)
σpz=((Dpz+4×σv/(Lpz×π))0.5−Dpz)/2×1000 ・・・(6)
Tpz=σpz/1000/Kpz/Neg ・・・(7)
(σv:超音波振動子の体積変化量,k:燃料の圧縮率,Pf:燃料圧力,Qc:燃料通路容積,σpz:超音波振動子の変位量,Dpz:超音波振動子の内径,Lpz:超音波振動子の高さ寸法,Tpz:超音波振動子の厚み,Kpz:超音波振動子の変位率,Neg:逆極性変位割合)
上記(5)〜(7)式より、高圧燃料中にキャビテーションによる微細気泡を適切に発生させるための超音波振動子218の適切な厚み寸法を決定することができる。
図1に戻り、超音波駆動装置22は、インジェクタ21内部の超音波振動子218を通電する駆動ユニットである。超音波駆動装置22は、エンジンECU10からの指示に基づき交流電圧を超音波振動子218に印加することで、超音波振動子218の体積を膨張、収縮させて燃料に超音波振動を付与する。また、超音波駆動装置22は、エンジンECU10の指示に応じて交流電圧を正電圧または負電圧のいずれか一方に半波整流し、超音波振動子218に印加する。これにより、超音波振動子218は、膨張方向または収縮方向のいずれか一方に振動する。この場合、超音波駆動装置22は、エンジンECU10のケース内に内蔵されるものであってもよい。
なお、超音波駆動装置22は、本発明の超音波振動制御手段の一構成例である。
エンジンECU10は、演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)と、プログラム等を記憶するROM(Read Only Memory)と、データ等を記憶するRAM(Random Access Memory)やNVRAM(Non Volatile RAM)と、を備えるコンピュータである。エンジンECU10は、クランク角センサ、吸気カム角センサ、アクセル開度センサ、エアフロメータ、スロットルポジションセンサ、排気温センサ、水温センサ等の検出結果を読み込み、スロットルバルブ17の動作、吸気弁、排気弁の動作、インジェクタ21の動作など、エンジン100の運転動作を統合的に制御する。
更に、エンジンECU10は、インジェクタ21が実行する1回の燃料噴射の間に、燃料噴射の開始から所定の期間に超音波振動子218に第1の超音波振動の付与を実行させて、第1の超音波振動の付与を停止した後に、更に、燃料噴射が終了する前の所定の期間に超音波振動子218に第2の超音波振動の付与を実行させる制御の処理を実行する。
エンジンECU10の制御は、エンジン100の運転開始要求に応じて開始される。まず、エンジンECU10は、クランク角センサ、水温センサ、アクセル開度センサ等の情報に基づき、エンジン100の運転状態を認識する。つづいて、エンジンECU10は、認識したエンジン100の運転状態に適した燃料噴射タイミングを決定し、インジェクタ21に信号を送る。インジェクタ21は、エンジンECU10の信号に従って、指示された燃料噴射タイミングにて燃焼室11へ燃料を高圧噴射する。燃料噴射タイミングの制御としては、従来の内燃機関の噴射タイミング制御方法と同等の技術を適用することができる。
次に、エンジンECU10は、燃料噴射の開始から所定期間に超音波振動子218に第1の超音波振動の付与を実行させる(図3参照)。
エンジンECU10は、インジェクタ21が燃料噴射を開始すると同時に、交流電圧を負電圧に半波整流し、所定期間、超音波振動子218に印加させるように超音波駆動装置22に指示する。超音波振動子218は、負電圧に半波整流された電圧を印加されることで、燃料通路213の容積を増大させる方向に振動し、燃料に超音波振動を付与する。燃料通路213内の燃料は、超音波振動子218が燃料通路213の容積を増大する方向に振動することで圧力が低下し、かつ超音波振動を付与されることによって、その内部に多量のキャビテーションによる微細気泡が発生する。この場合、本実施例における「燃料噴射の開始」とは、インジェクタ21による燃料噴射の開始と同時刻のみならず、その前後の微小時間も含むものである。よって、エンジンECU10は、インジェクタ21による燃料噴射の開始と同時に限られずに、その前後の微小時間内に第1の超音波振動の付与を開始させてもよい。なお、微小時間とは、インジェクタ21による燃料噴射の開始時刻と第1の超音波振動の付与の開始時刻との差分であって、第1の超音波振動の付与によって噴射される燃料中に微細気泡を充分に発生させることが可能な時間のことをいう。
エンジンECU10は、第1の超音波振動の付与開始から所定期間が経過すると、超音波駆動装置22に指示し、超音波振動子218に第1の超音波振動の付与を停止させる。
ここで、超音波振動の付与による燃料中への微細気泡の発生メカニズムについて説明する。液体に超音波を付与すると液中に存在する気泡が超音波のエネルギーを吸収して運動するが、特に、気泡径が超音波の波長の共振する大きさの場合に、超音波から気泡へのエネルギーの移動が最も効率よく行われる。そして、MHz帯の超音波に共振する気泡の直径は数μmである。しかしながら、一般的に、液体中にはこのような数μmの気泡は存在しないが、液体中にはより微細な気泡片が安定的に存在し、この気泡片がキャビテーションの気泡を生じるための核として働く。ここで、この気泡片の大きさは超音波の共振径と大きく異なるので、気泡片には僅かな膨張、収縮しか生じない。しかし、次の2つの効果によるRectified Diffusionによって、超音波を連続的に付与することで気泡片は徐々に成長する。
[面積効果]
気泡が液中に圧平衡状態で存在している場合、圧力が加わり気泡が収縮すると、気泡内のガス濃度が上昇するために、ガスは気泡周囲の液体中に拡散する。そして、圧力が低下すると気泡が膨張してガス濃度が低下するために、液中に拡散していたガスが気泡内に侵入する。このとき、拡散により移動するガス量は気泡の表面積に比例することから、気泡の膨張時に気泡内に侵入するガス量は拡散したガス量よりも多くなる。よって、ガスの拡散および侵入が繰り返されることで、気泡径が徐々に大きくなる。
[シェル効果]
気泡周囲に体積一定の液体シェルを考えると、気泡が収縮するとシェルは厚くなるために液体中の気体の濃度勾配は小さくなり、気泡が膨張するとシェルが薄くなるために気体の濃度勾配は大きくなる。液体中の気体の拡散速度は、気体の濃度勾配に比例するので、気泡の膨張時に侵入するガス量が気泡の収縮時に拡散するガス量を上回る。よって、気泡の膨張,収縮が繰り返されることで、気泡径が徐々に大きくなる。
このように、上記2つの効果のRectified Diffusionにより液中の微細な気泡片が徐々に成長するが、その成長は超音波の1周期で極僅かである。そのため、超音波の付与をある程度持続することで、キャビテーションによる気泡を超音波の共振径まで成長させることができる。
また、液体中への微細気泡の発生は、液体圧力が液体の蒸気圧以下となることで促進される。そのため、エンジンECU10は、第1の超音波振動の付与の際に、超音波振動子218を燃料通路213の容積が増大する方向に振動させることで、燃料通路213内の燃料圧力を燃料の蒸気圧以下にして効率よく微細気泡を発生させることができる。
この場合、エンジンECU10は、第1の超音波振動の付与の際に、超音波振動子218に交流電圧を印加させて、燃料通路213の容積が増大および減少する方向に振動させることもできる。また、エンジンECU10は、第1の超音波振動の付与の際に、超音波振動子218に正電圧に半波整流された電圧を印加させて、燃料通路213の容積が減少する方向に振動させることもできる。しかしながら、いずれの制御も燃料通路213内の燃料圧力が上昇するために、上記の制御ほどの高い微細気泡の発生効率を得ることは望めない。
次に、図4〜6により、第1の超音波振動の付与条件について説明する。液体への超音波振動の付与によって発生する気泡径は、その周波数が高いほど微細になり(図4参照)、微細な気泡ほど相対強度が低下するために(図5参照)より短時間で圧壊する(図6参照)。そのため、燃料中の微細気泡の圧壊によって噴霧粒径の微細化を促進するためには、微細気泡の発生から圧壊までの時間を考慮することが求められる。
この場合、燃料通路213内の燃料が噴射されるまでの時間を考慮すると、微細気泡はその発生後にmsオーダーで圧壊することが求められる。そのため、液中の気泡径を10μm以下、より好ましくは7μm以下とすることが望まれる(図4,6参照)。よって、第1の超音波振動の付与は、その周波数を50kHz以上とすることが好ましく、例えば、周波数を1MHzとすることができる。
また、超音波振動の付与を長時間継続すると、超音波振動が微細気泡の共振径に達することで発生した微細気泡が圧壊してしまうおそれがある。よって、第1の超音波振動を付与する所定の期間は、超音波振動が微細気泡の共振径に達しないような適切な期間に設定することが好ましく、例えば、燃料噴射の開始から数周期(4〜10周期)のパルス波とすることができる。
図3に戻り、つづいて、エンジンECU10は、超音波駆動装置22に指示し、燃料噴射が終了する前の所定期間に超音波振動子218に第2の超音波振動の付与を実行させる。
エンジンECU10は、インジェクタ21が燃料噴射を終了する前の所定期間に、交流電圧を正電圧に半波整流し、燃料噴射の終了まで、超音波振動子218に印加させるように超音波駆動装置22に指示する。超音波振動子218は、正電圧に半波整流された電圧を印加されることで、燃料通路213の容積を減少させる方向に振動し、燃料に超音波振動を付与する。インジェクタ21より噴射された燃料は、燃料通路213内の燃料を介して、付与された超音波振動および微細気泡の圧壊衝撃波が伝達されることによって、その内部の微細気泡が圧壊される。それによって、インジェクタ21から噴射された燃料の微粒化が促進される。この場合、本実施例における「燃料噴射が終了する」とは、インジェクタ21による燃料噴射の終了と同時刻のみならず、その前後の微小時間も含むものである。よって、エンジンECU10は、インジェクタ21による燃料噴射の終了と同時に限られずに、その前後の微小時間内に第2の超音波振動の付与を終了させてもよい。なお、微小時間とは、インジェクタ21による燃料噴射の終了時刻と第2の超音波振動の付与の終了時刻との差分であって、第2の超音波振動の付与によって噴射された燃料中の微細気泡の圧壊を充分に促進させることが可能な時間のことをいう。
ここで、燃料中の微細気泡の圧壊エネルギーによる噴霧粒径の微細化メカニズムについて説明する。図7は、水溶液の気泡の破裂観察を示している。水溶液の気泡は、時間と共に表面張力による自己加圧効果で気泡内圧および気液界面における電荷量の上昇と気泡径の収縮が進み、やがて圧壊して消滅する。この時、気泡内圧および気液界面における電荷量が一気に解き放たれるエネルギーによって気泡の液膜が粉砕され、液滴が超微細化される(図7下段参照)。この場合、外部からの刺激(トリガ)によって強制的に気泡を圧壊させたときも、同様のメカニズムにより液滴が超微細化される。
このように、液中の微細気泡の圧壊エネルギーによって液滴が超微細化される。よって、燃料中の微細気泡の圧壊エネルギーを活用することで、内燃機関の噴射燃料の微粒化を促進することができる。
次に、第2の超音波振動の付与条件について説明する。液体中の微細気泡は、液体圧力が高圧であるほど高いせん断力を受けることから、その圧壊が促進される。そのため、エンジンECU10は、第2の超音波振動の付与の際に、超音波振動子218を燃料通路213の容積が減少する方向に振動させることで、燃料通路213内の燃料圧力を上昇させて燃料中の微細気泡の圧壊を促進させることができる。そして、燃料通路213内の燃料中の微細気泡が圧壊すると、その圧壊の衝撃波が噴射後の燃料に伝達して微細気泡を圧壊するトリガとなることから、噴射後の燃料の微粒化が促進される。この場合、エンジンECU10は、第2の超音波振動の付与の際に、超音波振動子218に交流電圧を印加させて、燃料通路213の容積が増大および減少する方向に振動させることで、微細気泡を圧壊するトリガとしてもよい。
また、エンジンECU10は、第2の超音波振動の付与の際に、超音波振動子218に負電圧に半波整流された電圧を印加させて、燃料通路213の容積が増大する方向に振動させることもできる。しかしながら、この制御では燃料通路213内の燃料圧力が低下するために、上記の制御ほどの高い微細気泡の圧壊促進効果を得ることは望めない。
また、第2の超音波振動の付与は、微細気泡の圧壊を促進させるために燃料中の微細気泡と共振する周波数に設定することが好ましく、例えば、第1の超音波振動の周波数を適用することができる。そして、第2の超音波振動を付与する所定の期間は、例えば、インジェクタ21が実行する1回の燃料噴射期間の少なくとも1/5の期間とする。これにより、燃料通路213内の燃料を介して第2の超音波振動を噴射後の燃料に充分に伝達させることができる。よって、噴射後の燃料に共振径の超音波振動が伝達されることから、燃料中の微細気泡が適切に圧壊されるために、内燃機関の噴射燃料の微粒化を促進することができる。
図3に戻り、エンジンECU10は、インジェクタ21が燃料噴射を終了すると、超音波駆動装置22に指示し、超音波振動子218に第2の超音波振動の付与を停止させる。エンジンECU10は、エンジン100の運転が終了されるまで上記の制御を繰り返し実行する。
この制御を実行することにより、噴射前の燃料中に多量の微細気泡を発生させ、燃料噴射後にそれら多量の微細気泡を速やかに圧壊させることができる。よって、燃料中の微細気泡の圧壊エネルギーを活用して、内燃機関の噴射燃料の微粒化を促進することができる。
ここで、内燃機関が1サイクル中に複数回の燃料噴射(パイロット噴射,メイン噴射など)を実行する場合は、エンジンECU10は、例えば、インジェクタ21が実行するすべての燃料噴射毎に上記の制御を実行することもできる。また、エンジンECU10は、複数回の燃料噴射のうちのいずれかを選択し(例えば、メイン噴射)、選択した燃料噴射に対して上記の制御を実行することもできる。
なお、エンジンECU10は、本発明の超音波振動制御手段の一構成例である。
以上のように、本実施例のエンジンシステム1は、エンジンECU10および超音波駆動装置22が、インジェクタ21内部の燃料噴射孔212近傍の燃料通路213壁面に円筒状に設けられた超音波振動子218に対して、インジェクタ21が実行する1回の燃料噴射の間に、燃料噴射の開始から所定の期間に第1の超音波振動の付与を、および前記燃料噴射が終了する前の所定の期間に第2の超音波振動の付与を実行させることで、噴射前の燃料中に多量の微細気泡を発生させ、燃料の噴射後にそれら多量の微細気泡を速やかに圧壊させることができる。よって、燃料中の微細気泡の圧壊エネルギーを活用して、内燃機関の噴射燃料の微粒化を促進することができる。
上記実施例は本発明を実施するための一例にすぎない。よって本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えば、超音波振動子218は、交流電圧の印加により変形する圧電素子に限られず、燃料に超音波振動を付与できる他の素子であってもよい。
1 エンジンシステム
10 エンジンECU(超音波振動制御手段)
11 燃焼室
12 ピストン
21 インジェクタ(燃料噴射手段)
22 超音波駆動装置(超音波振動制御手段)
100 エンジン
211 ノズルボディ
212 燃料噴射孔
213 燃料通路
214 ニードル
214a 傘部
215 ガイド
215a 斜流溝
218 超音波振動子(超音波振動付与手段)

Claims (3)

  1. ノズルボディの先端部近傍に設けられた燃料噴射孔から内燃機関に燃料を噴射供給する燃料噴射手段と、
    前記燃料噴射手段に供給される燃料を前記燃料噴射孔へと導くための燃料通路の少なくとも一部に設けられ、前記燃料通路内の燃料に所定の超音波振動を付与する超音波振動付与手段と、
    前記燃料噴射手段が実行する1回の燃料噴射の間に、前記燃料噴射の開始から所定の期間に前記超音波振動付与手段に第1の超音波振動の付与を実行させて、前記第1の超音波振動の付与を停止した後に、更に、前記燃料噴射が終了する前の所定の期間に前記超音波振動付与手段に第2の超音波振動の付与を実行させる超音波振動制御手段と、
    を備えることを特徴とする燃料噴射制御装置。
  2. 前記超音波振動付与手段は、前記超音波振動制御手段の指示に基づいて前記燃料通路の容積を増減させる方向に振動し、
    前記超音波振動制御手段は、前記第1の超音波振動の付与時に前記超音波振動付与手段を前記燃料通路の容積を増大させる方向に振動させて、前記第2の超音波振動の付与時に前記超音波振動付与手段を前記燃料通路の容積を減少させる方向に、または前記燃料通路の容積を増減させる方向に振動させることを特徴とする請求項1記載の燃料噴射制御装置。
  3. 前記超音波振動付与手段は、正電圧および負電圧からなる交流電圧を印加されることで前記燃料通路の容量を増減させる方向に振動し、
    前記超音波振動制御手段は、前記第1の超音波振動の付与時に前記超音波振動付与手段が前記燃料通路の容積を増大させる方向に振動するように半波整流した電圧を印加して、前記第2の超音波振動の付与時に前記超音波振動付与手段が前記燃料通路の容積を減少させる方向に振動するように半波整流した電圧を、または前記燃料通路の容積を増減させる方向に振動するように交流電圧を印加することを特徴とする請求項1または2記載の燃料噴射制御装置。

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