JP5982116B2 - 液体の保温方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液体の保温方法に関する。
飲料用の冷水やお湯、冷蔵庫から取り出した飲料、急須で入れた緑茶、または浴槽のお湯など、室温と異なる温度を有する液体は、時間の経過とともに室温へと変化する。これら所定の温度を有する液体は、長時間、その温度で保温されることが望まれる。特に、冬季用または冷え性の女性向けの体温保温飲料が冷気で冷めないことが望まれる。
液体の保温方法として、一般的には、容器に工夫を行い、特に密閉容器により外気と遮断するなどの方法があるが、すぐに飲食する場合など、密閉することが困難である。
一方、ラーメンの液体スープは、油脂を含み、その液面に油が浮いているが、外気の遮断性が悪く、保温には十分でない。
上記背景の下、本発明は、少量の油の添加により液体の経時的な温度変化を抑制することができる液体の保温方法を提供することを目的とする。また、本発明は、本発明の方法に従って、高い保温性を有する飲料および容器付き飲料を提供することを目的とする。
本発明者らは、バージンオリーブオイルを水ベースの液体に添加すると、液面に広がって薄い油膜を形成し、これにより他の食用油と比較して少ない量で液体の経時的な温度変化を抑制できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、一つの側面において、本発明は、バージンオリーブオイルを、80質量%以上の水を含む液体に、前記液体の液面の面積1cm2あたり0.007g以上の量で添加する工程を含むことを特徴とする液体の保温方法を提供する。
別の側面において、本発明は、バージンオリーブオイルを、80質量%以上の水を含む飲料に、前記飲料の液面の面積1cm2あたり0.007g以上の量で添加することにより得られることを特徴とする飲料を提供する。
更に別の側面において、本発明は、
水で液体に戻される飲料の濃縮物と、
前記飲料の液面の面積1cm2あたり0.007g以上の量のバージンオリーブオイルと、
前記飲料を入れるための容器と
を含むことを特徴とする容器付き飲料を提供する。
本発明の液体の保温方法によれば、少量のバージンオリーブオイルの添加により液体の経時的な温度変化を抑制することができる。また、本発明は、本発明の液体の保温方法に従って、高い保温性を有する飲料および容器付き飲料を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明するが、以下の説明は、本発明を詳説することを目的とし、本発明を限定することを意図しない。
本発明の液体の保温方法は、バージンオリーブオイルを、80質量%以上の水を含む水ベースの液体に、前記液体の液面の面積1cm2あたり0.007g以上の量で添加する工程を含むことを特徴とする。本発明の方法は、飲食店で、温かいまたは冷たいドリンクやスープなどの飲料を提供する際、または入浴施設で浴湯を提供する際に利用することができる。
本発明においてバージンオリーブオイルは、食品の分野でバージンオリーブオイルと称されるもの、すなわち、オリーブの果肉を絞ることにより得られる未精製のオイルを指す。本発明では、バージンオリーブオイルとして市販されている任意のものを使用することができ、高品質のエキストラバージンオリーブオイルを使用することもできる。エキストラバージンオリーブオイルは、国際オリーブ協会の規定に従ってエキストラバージンオリーブオイルに分類されるもの、すなわち風味・香りともに完璧で、酸度が0.8%以下のものを指す。
バージンオリーブオイルは、水ベースの液体に添加されると、液面に薄く広がった油膜を形成し、液体保温効果を発揮するのに対し、他の食用油(たとえばサラダ油など)は、液面で油滴を形成して十分な液体保温効果を発揮しないことが本発明で新たに見出されている。また、バージンオリーブオイルは、精製油と異なり、そのまま食することが可能な味を有し、調味料としても一般に使用可能であるため、飲料に添加された際に、他の精製油と比べて飲料の風味を損ねにくいという利点も有する。
本発明において、保温される液体は、80質量%以上の水を含む水ベースの液体である。保温される液体としては、飲料、たとえば冷水、お湯、ショウガ湯、レモネード、ゆず湯、ココア、スープ飲料、茶、アルコール飲料、炭酸飲料など;あるいは入浴用の湯が挙げられる。特に体温保温効果を有する飲料、たとえばショウガ湯、ホットレモネード、ゆず湯、ココアなどが好ましい。体温保温効果を有する飲料は、たとえば血行を良くすることにより、体を温める効能を有することが知られている飲料を指す。本明細書において、「飲料」は、液体のみから構成される飲料だけでなく、液体と固形分から構成される飲料、たとえば液体スープと具材から構成されるスープ飲料、たとえばコーンスープやミネストローネなども含む。飲料が、固形分を含む場合、保温される液体の水含有量は、固形分の質量を除いて算出される。
保温される液体は、適切な容器に収容され、液体が飲料である場合、適切なカップに収容される。
保温される液体は、任意の温度であり得るが、好ましくは、室温(たとえば20℃)に対して10℃以上の温度差を有する(すなわち、室温より10℃以上高い温度または室温より10℃以上低い温度を有する)。あるいは、保温される液体は、好ましくは室温より高い温度を有し、より好ましくは室温より10℃以上高い温度を有する。保温される液体が飲料の場合、たとえば、0〜10℃のコールド飲料または80〜100℃のホット飲料であり得る。
バージンオリーブオイルの添加量は、保温される液体の液面の面積1cm2あたり0.007g以上であり、好ましくは、液面の面積1cm2あたり0.007〜0.5gであり、より好ましくは、液面の面積1cm2あたり0.007〜0.3gである。なお、本明細書において液面とは、保温される液体と空気との界面を指す。
添加量が、液面の面積1cm2あたり0.007gを下回ると、液体保温効果を十分に発揮することができない。一方、添加量の上限は、液体の用途に支障をきたさない範囲で適宜設定されるが、液面の面積1cm2あたり0.5gを上回ると、バージンオリーブオイルの風味が強くなったり、見た目が悪くなったりする心配がある。
たとえば、保温される液体が飲料で、飲料をカップに入れた際の液面の面積が約50cm2である(カップ上部の内径が約8cmである)場合、0.35〜25g、好ましくは0.35〜15gのバージンオリーブオイルを添加することができる。この場合、添加量が0.35を下回ると、飲料の保温効果を十分に発揮することができない。また、添加量が25gを上回ると、バージンオリーブオイルの風味が強くなったり、見た目が悪くなったり、摂取カロリーが多くなったりする心配がある。
なお、保温される液体が入浴用の湯の場合も、バージンオリーブオイルの添加量は飲料の場合と同様である。
バージンオリーブオイルは、保温される液体に、その液面の面積1cm2あたり0.007g以上の量で添加されると、後述の実施例で実証されるとおり、その液面に広がって薄い油膜を形成し、これにより、他の食用油と比較して少ない量で液体の経時的な温度変化を抑制することができる。なお、バージンオリーブオイルは、保温される液体が室温に対して10℃以上、温度差がある時点で添加されていることが好ましい。より高い保温効果を得るために、バージンオリーブオイルは、液体が保温されるべき温度に達する以前に添加することが好ましい。たとえば、保温される液体が80〜100℃のホット飲料の場合、バージンオリーブオイルは、飲料が調製されてから速やかに添加することが好ましい。
別の側面によると、上述の本発明の方法に従って、高い保温性を有する飲料が提供される。すなわち、かかる飲料は、本発明の方法に従って、バージンオリーブオイルを、80質量%以上の水を含む水ベースの飲料に、飲料の液面の面積1cm2あたり0.007g以上の量で添加することにより得られるものである。
更に別の側面によると、上述の本発明の方法に従って、高い保温性を有する、容器付き飲料が提供される。すなわち、かかる容器付き飲料は、水で液体に戻される飲料の濃縮物と、飲料の液面の面積1cm2あたり0.007g以上の量のバージンオリーブオイルと、飲料を入れるための容器とを含む。
ここで、容器は、たとえば、1回分の飲料60〜900mlを提供するサイズとすることができ、たとえば、飲料の液面の面積が約7〜150cm2となるサイズとすることができる。
水で液体に戻される飲料の濃縮物は、たとえば、飲料の素となる粉末またはエキスであり、具体的には、ショウガ湯の素となるパウダー、ココアパウダー、スープ飲料の素となるパウダー、濃縮ジュースなどが挙げられる。飲料の濃縮物は、容器内に直接収容されていてもよいし、小袋に密封された状態で容器内に収容されていてもよい。
バージンオリーブオイルは、水で液体に戻された飲料の液面の面積1cm2あたり0.007g以上の量、好ましくは、液面の面積1cm2あたり0.007〜0.5g、より好ましくは、液面の面積1cm2あたり0.007〜0.3gの量で容器内に収容される。たとえば、飲料の液面の面積が約50cm2となる容器を使用した場合、容器付き飲料は、0.35〜25gのバージンオリーブオイルを含むことができる。バージンオリーブオイルは、小袋に密封された状態で容器内に収容され得る。
本発明の容器付き飲料は、容器の蓋を更に備えていてもよい。
本発明の容器付き飲料は、通常、所定量の100℃のお湯で飲料の濃縮物を液体に戻し、得られた飲料の液面にバージンオリーブオイルを添加することにより調製することができる。
実施例1
本実施例では、バージンオリーブオイルまたはサラダ油を、容器内の温湯表面に滴下し、油膜を形成させ、保温効果を検証した。
(1)方法
形状と重量が同じガラスビーカーに、沸騰させた湯をコップ1杯分(180g)注ぎ、静置状態を保ちながら湯温を測定した。湯温が80℃になった時点(スタート時点)で、常温のバージンオリーブオイルまたはサラダ油を小さじ1杯(5cc、すなわち4.5g)滴下し、以降の温度を経時的に測定した。なお、対照区には油を滴下しないものを使用した。
以下に、実験条件を記す。
・実験日:2011年8月25日(室温約28℃)
・ガラスビーカーの容量と重量:300ml容量、重量は約180g
・同ビーカーの内径:7cm
・使用温度計:デジタル式、20℃と80℃で温度を測定し、最大値と最小値の範囲が0.6℃以内のものを使用。
・温度の測定位置:温度センサーの先端をビーカーの底面及び壁面から1cmの位置に設置。
・エキストラバージンオリーブオイル:「BOSCOエキストラバージンオリーブオイル」(日清オイリオグループ株式会社製)
・サラダ油:「日清サラダ油」(日清オイリオグループ株式会社製)。
(2)結果
温度の測定結果を表1に示し、外観および触感の評価結果を表2に示す。
Figure 0005982116
Figure 0005982116
バージンオリーブオイルを滴下したサンプルは、30分後に54.0℃、50分後に46.3℃の温度を示し、サラダ油を滴下したサンプルは、30分後に49.6℃、50分後に42.2℃の温度を示した。一方、対照区では、30分後に46.5℃、50分後に38.9℃まで温度が低下した。
バージンオリーブオイルを滴下したサンプルは、薄い油膜が液面上に均一な厚さで広がり、50分後にビーカーを触った感触は、対照区に比べて温かさが残っている印象があったのに対し、サラダ油を滴下したサンプルは、油膜の厚みが不均一で、その広がりが十分でなく、50分後にビーカーを触った感触は、バージンオリーブオイルを滴下したサンプルより明らかに冷めてしまった印象があった。
これらの結果から、バージンオリーブオイルは、サラダ油より、水ベースの液体の保温効果が高いことを示す。実験条件によってその保温効果は変化するものと思われるが、今回の実験系の50分後では、バージンオリーブオイルと対照区の温度差は、測定値の温度差(7.4℃)以上に、感覚的には温かさに差があるように感じられた。また、同じ食用油であるサラダ油では、バージンオリーブオイルほどの保温効果が認められなかったが、この原因としては、滴下後に形成する油膜が不均一で、バージンオリーブオイルに比べ油膜の蓋としての効果が低かったものと推測される。
実施例2
本実施例では、オリーブオイル、またはキャノーラ油を水表面に滴下し、油膜の広がり(大きさ:直径)を測定した。
(1)方法
ガラスビーカーに、常温の水をコップ1杯分(180g)注ぎ、常温の油を10滴(約0.3g)滴下し、油膜の直径を、滴下から30秒後および10分後に測定した。
[実験条件]
実験日:2011年9月22日(室温約22℃)
ガラスビーカー:300ml容量、直径7cm
水:蒸留水180g、常温
油滴下量:10滴(約0.3g)
[使用油]
エキストラバージンオリーブオイル:「BOSCOエキストラバージンオリーブオイル」(日清オイリオグループ株式会社製)
精製オリーブオイル(日清オイリオグループ株式会社製)
オリーブブレンド油:エキストラバージンオリーブオイルと精製オリーブオイルを質量比1:9でブレンドした油脂
キャノーラ油:日清キャノーラ油(日清オイリオグループ株式会社製)。
(2)結果
油膜の直径の測定結果を表3に示す。それぞれの油について2回の実験を行い、表3は、平均値とともに括弧内に各実験の測定値を示す。
Figure 0005982116
未精製油であるバージンオリーブオイルは、30秒後に平均5.2cmの油膜、10分後に平均6.8cmの油膜を形成し、油滴下時に油膜が薄く広がることが確認できた。一方、未精製油と精製油のブレンド品であるオリーブブレンド油および精製オリーブオイルは、測定された油膜直径が1.4〜2.0cmと小さく、キャノーラ油と同様、薄い油膜とならず油滴となった。
実施例3
本実施例では、オリーブオイル、またはキャノーラ油を温湯表面に滴下し、保温効果を比較した。
(1)方法
ガラスビーカー内の80℃の水(180g)に、常温の油を10滴(約0.3g)滴下し、以降の温度を経時的に測定した。なお、対照区には油を滴下しないものを使用した。
[実験条件]
実験日:2011年10月13日(室温約20℃)
ガラスビーカー:300ml容量、直径7cm
水:蒸留水180g、80℃
油滴下量:10滴(約0.3g)
[使用油]
エキストラバージンオリーブオイル:「BOSCOエキストラバージンオリーブオイル」(日清オイリオグループ株式会社製)
精製オリーブオイル(日清オイリオグループ株式会社製)
オリーブブレンド油:エキストラバージンオリーブオイルと精製オリーブオイルを質量比1:9でブレンドした油脂
キャノーラ油:日清キャノーラ油(日清オイリオグループ株式会社製)。
(2)結果
測定結果を表4に示す。
Figure 0005982116
バージンオリーブオイルを滴下したサンプルでは、温度は、30分後に48.7℃、50分後に41.1℃に低下したのに対し、対照区では、30分後に46.2℃、50分後に38.3℃まで低下した。この結果は、バージンオリーブオイルが10滴(約0.3g)の添加量で保温効果を有していることを示す。
一方、オリーブブレンド油を滴下したサンプルでは、30分後に46.3℃、50分後に39.2℃に低下し、精製オリーブオイルを滴下したサンプルでは、30分後に45.7℃、50分後に38.5℃に低下し、これらサンプルは、対照区と同等の温度低下を示した。これらの結果は、オリーブブレンド油および精製オリーブオイルが、10滴(約0.3g)の添加量でほとんど保温効果を有していないことを示す。
キャノーラ油を滴下したサンプルも、対照区と同等の温度低下を示したため、キャノーラ油も10滴(約0.3g)の添加量でほとんど保温効果を有していない。
バージンオリーブオイルは、常温の水面(実施例2)と比較すると、80℃の水面(本実施例)においてはやや広がりが悪かったが、水面の5割程度を覆い(10min後には油膜の直径は5cmであり)、対照区と比較して保温効果を有していた。一方、オリーブブレンド油および精製オリーブオイルは、水面上での広がりが悪く、ほとんど保温効果を示さなかった。
なお、本実施例の実施日の室温が、実施例1の実施日の室温より低かったこと、および本実施例の油の添加量が、実施例1の油の添加量の1/10以下であったことから、本実施例における保温効果は、実施例1の保温効果ほど高くなかったと考えられる。
実施例4
本実施例では、バージンオリーブオイルまたはキャノーラ油を、その滴下量を変化させて、温湯表面に滴下し、保温効果を比較した。
(1)方法
ガラスビーカー内の80℃の水(180g)に、常温の油を5滴(約0.15g)〜20滴(約0.6g)滴下し、以降の温度を経時的に測定した。
[実験条件]
実験日:2011年10月13日(室温約20℃)
ガラスビーカー:300ml容量、直径7cm
水:蒸留水180g、80℃
油滴下量:5滴(約0.15g)〜20滴(約0.6g)
[使用油]
エキストラバージンオリーブオイル:「BOSCOエキストラバージンオリーブオイル」(日清オイリオグループ株式会社製)
キャノーラ油:日清キャノーラ油(日清オイリオグループ株式会社製)。
(2)結果
測定結果を表5に示す。
Figure 0005982116
バージンオリーブオイルの添加量を、10滴(約0.3g)から2倍量の20滴(約0.6g)に増やしたところ、バージンオリーブオイルの油膜は、水面の7割程度を覆うように広がった。バージンオリーブオイルを、小さじ1杯程度(5cc、すなわち4.5g)添加したところ、バージンオリーブオイルの油膜は、全面に広がるようになった。このため、バージンオリーブオイルの添加量を増大させると、保温効果が高まることが予測される。
一方、キャノーラ油は、10滴(約0.3g)および20滴(約0.6g)の何れにおいても、バージンオリーブオイルほどの保温効果は観察されなかった。
実施例5
実施例4の結果を受けて、本実施例では、バージンオリーブオイルまたはキャノーラ油の滴下量を更に増大させて、温湯表面に滴下し、保温効果を比較した。
(1)方法
ガラスビーカー内の80℃の水(180g)に、常温の油を0.3g、1.0g、3.0g、5.0g、または10.0g滴下し、以降の温度を経時的に測定した。
[実験条件]
実験日:対照区と、0.3gのエキストラバージンオリーブオイルを添加したサンプル、および0.3gのキャノーラ油を添加したサンプルについては、2011年10月13日(室温約20℃)の実験結果を示し、その他のサンプルについては、2011年11月2日(室温約17℃)の実験結果を示す。
ガラスビーカー:300ml容量、直径7cm
水:蒸留水180g、80℃
油滴下量:0.3g、1.0g、3.0g、5.0g、10.0g
[使用油]
エキストラバージンオリーブオイル:「BOSCOエキストラバージンオリーブオイル」(日清オイリオグループ株式会社製)
キャノーラ油:日清キャノーラ油(日清オイリオグループ株式会社製)。
(2)結果
測定結果を表6に示す。
Figure 0005982116
バージンオリーブオイル0.3gを添加したサンプルでは、対照区と比べて、30分後および50分後の温度が高く、保温効果が確認された。一方、キャノーラ油0.3gを添加したサンプルでは、対照区と同様の温度低下を示し、保温効果がほとんど観察されなかった。
バージンオリーブオイルは、油滴下量の増加に伴い保温効果は増大した。一方、キャノーラ油は、油滴下量の増加に伴い、保温効果が観察されるようになった。これは、多量のキャノーラ油(5.0gまたは10.0g)を添加すると、水面上で、ある程度の厚みを有する油膜が形成されたためと考えられる。
バージンオリーブオイルは、少ない添加量(0.3g〜3.0g)で添加されたときにも、液体の保温効果を発揮することができる。本実施例の0.3g〜3.0gの添加量は、保温される液体の液面の面積1cm2あたり約0.007〜0.078gに相当する。バージンオリーブオイルの添加量を増加させることにより、保温効果を高めることができるが、添加量を増やす場合には、バージンオリーブオイルが液体の用途に及ぼす影響も考慮する必要がある。
なお、本実施例のバージンオリーブオイルの保温効果は、実施例1で得られた保温効果より小さくなっているが、これは、本実施例が実施例1より低い室温の下で行われたためと考えられる。

Claims (7)

  1. バージンオリーブオイルを、80質量%以上の水を含む液体に、前記液体の液面の面積1cm2あたり0.007g以上の量で添加して、前記液体の液面にバージンオリーブオイルの油膜を形成する工程を含み、
    前記液体が、室温より高い温度を有しており、かつ、湯、ショウガ湯、ゆず湯、レモネードまたはココアである
    ことを特徴とする液体の保温方法。
  2. 前記液体が、室温に対して10℃以上の温度差を有していることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記液体が、体温保温効果を有する、湯、ショウガ湯、ゆず湯、レモネードまたはココアであることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記液体が、入浴用の湯であることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  5. 前記量が、前記液体の液面の面積1cm2あたり0.007〜0.5gであることを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の方法。
  6. バージンオリーブオイルの油膜が、80質量%以上の水を含む飲料の液面に、前記飲料の液面の面積1cm2あたり0.007g以上の量で形成されている飲料であって、前記飲料が、室温より高い温度を有しており、かつ、湯、ショウガ湯、ゆず湯、レモネードまたはココアである飲料。
  7. 水で、室温より高い温度を有している液体に戻される飲料の濃縮物であって、ショウガ湯、ゆず湯、レモネードまたはココアである飲料の濃縮物と、
    前記飲料の液面の面積1cm2あたり0.007g以上の量のバージンオリーブオイルと、
    前記飲料を入れるための容器と
    を含むことを特徴とする容器付き飲料。
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