JP5979029B2 - 極低硫低窒素鋼の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、取鍋精錬を用いる極低硫低窒素鋼の製造方法に関し、具体的には、特に製品中の硫黄含有率が10ppm以下であるとともに窒素含有率が40ppm以下、好ましくは35ppm以下である極低硫低窒素鋼を、安定して溶製する方法に関する。
鋼材中の窒素は、様々な製品性能の低下や必要な合金鉄使用量の増加を招き、窒化物系介在物の増加による鋼の清浄度悪化などを引き起こすため、鋼中の窒素含有率の低減が望まれている。特に、近年では従来以上の特性を有する鋼材が要求されており、鋼中の窒素含有率をさらに低減することが重要な課題になっている。
一般に、鋼中の窒素は製鋼処理中に増加することが多い。鋼中の窒素含有率は、転炉出鋼後から鋳造完了までの間における大気との接触によって、徐々に増加する。低窒素鋼を製造する技術として、溶鋼から窒素を除去する脱窒処理と、溶鋼への窒素の吸収を抑制する吸窒防止技術とが知られる。溶鋼からの脱窒反応速度はあまり高くないことが知られており、通常の方法により脱窒を図ることは経済的に困難であることが多い。したがって、処理時間を含めて経済性に優れた吸窒防止技術を確立することが重要である。
溶鋼の吸窒反応は取鍋精錬処理において最も顕著に進行する。取鍋精錬処理では、真空脱ガス装置を用いて行う操作の他に、大気圧下での溶鋼中への不活性ガス吹き込みによるスラグ−メタル間反応の促進や、溶鋼表面への酸素ガスの吹き付けによる溶鋼温度の上昇などの各種処理が行われる。これらの大気圧下での処理は、取鍋が大気中に開放された状態で行われる場合の他に、取鍋に蓋を設置したり、あるいは大径の浸漬管を用いるなど、大気との遮断処置が採られた条件下で行われる場合もある。しかし、そのような遮断処置が採られている場合でも、通常は大気との遮断が完全ではなく、Ar雰囲気化等が図られているものの空気が残存する条件下で行われることが多い。特に、大気圧下で酸素ガスを吹き付けて溶鋼温度を上昇させる昇温処理において、吸窒反応が進行し易い。
大気圧下で酸素ガスを吹き付けて溶鋼温度を上昇させるこの昇温技術に関しては、多数の技術開発が行われてきた。例えば、取鍋溶鋼内に円錐状の浸漬管を浸漬させ、その浸漬管の内部でAl昇熱を行う、例えば特許文献1により開示された昇熱方法が実施されている。しかし、この方法では取鍋スラグと溶鋼との反応を排除しているため、取鍋スラグを利用して促進する溶鋼の低硫化が不十分になる。
一方、特許文献2には、大気圧下で取鍋スラグを利用して溶鋼を極低硫低窒素化する取鍋精錬方法が開示されており、製品中の硫黄含有率が10ppm以下であるとともに窒素含有率が50ppm以下である極低硫低窒素鋼が効率よく溶製されている。
特開昭63−69909号公報 特開2008−144224号公報
特許文献2により開示された方法では、取鍋に取鍋蓋を設置して、取鍋蓋の開口部を不活性ガスまたは二酸化炭素ガスによりパージすることにより精錬中の吸窒反応を抑制できるとしている。しかし、鋼の窒素含有率を40ppm以下に低減するためには、取鍋精錬に至るまでの副原料投入等との工夫と組み合わせる一方、取鍋と取鍋蓋との間に存在する隙間への対処にも配慮する必要がある。すなわち、取鍋の上縁には製鋼操業中に地金やスラグが付着することがあり、取鍋と取鍋蓋との間の隙間の大きさは取鍋精錬処理毎に変動するため、窒素含有率40ppm以下のような低窒素鋼を安定して溶製するためには、その隙間から取鍋の内部空間に侵入してくる大気の影響を抑制するための何らかの工夫が必要になるからである。
(1)特願2012−21996号により提案した溶製方法
本出願人は、特許文献2により開示された方法における上述の課題を解決するため、先に特願2012−21996号により、図4に例示される基本構成を有する取鍋精錬装置0を用いて溶鋼2を下記工程1〜3で示される順序により処理する極低硫低窒素鋼の溶製方法を提案した。以下、図4を参照しながら、本出願人が特願2012−21996号により提案した極低硫低窒素鋼の溶製方法を簡単に説明する。
工程1:大気圧下において取鍋1内の溶鋼2にCaO系フラックスを添加する。
工程2:大気圧下において取鍋1の上方開口部1aを覆い、溶鋼2の昇熱用の酸素ガスを上吹きするための酸素ランス5の挿入孔7aと、溶鋼2の攪拌用の不活性ガスを吹き込むための浸漬ランス4の挿入孔7bと、合金添加孔(図示しない)とのうちの少なくとも一つを備える取鍋蓋6を設置し、取鍋蓋6の開口部および取鍋蓋6と取鍋1との間の隙間を不活性ガスまたは二酸化炭素ガスによりパージし、かつ、取鍋1内の溶鋼2中に攪拌ガスを吹き込むことにより、取鍋蓋6に設けられた挿入孔7a,7bまたは合金添加孔の一方または双方から取鍋蓋6の内部6bへの大気の侵入を抑制しながら、溶鋼2およびCaO系フラックスを攪拌するとともに、溶鋼2に酸素ガスを供給し、酸素ガスと溶鋼2との反応により生成した酸化物をCaO系フラックスと混合してカバースラグ3を形成する。
工程3:酸素ガスの供給を停止し、大気圧下の取鍋1内の溶鋼2中に攪拌ガスを吹き込むことにより脱硫および介在物除去を行う。
図5(a)および図5(b)は、図4における破線丸印部を拡大して示す説明図である。
図5(a)に示すように、さらに工程2において、取鍋蓋6の下部6cの外周面6dに支持具11を介して固定された供給配管9から不活性ガスまたは二酸化炭素ガス12をパージすることによって、取鍋蓋6と取鍋1との隙間10から取鍋蓋6の内側へ吸い込まれる大気を希釈し、これにより、溶鋼2への窒素吸収をさらに抑制する。
図5(a)において、不活性ガスまたは二酸化炭素ガス12の供給配管9は、取鍋蓋6の下部6cの外周面6dの全周に張り巡らされて取り付けられ、供給配管9の下部には小さな穴またはスリット9aが穿設されている。これにより、供給配管9の小さな穴またはスリット9aから、不活性ガスまたは二酸化炭素ガス12が隙間10を取り囲むように吹き出される。
このガスパージは、図5(b)に示すように、上部に小さな穴またはスリット9aを穿設された供給配管9から不活性ガスまたは二酸化炭素ガス12を噴出させることによって、溶鋼2への窒素吸収抑制効果をさらに高めることができる。図5(b)では、供給配管9の上部に小さな穴またはスリット9aが穿設されるとともに、その供給配管9の上方および側方を取り囲むようにカバー8が設置されている。このようにカバー8により上方および側方を取り囲まれた空間内で不活性ガスまたは二酸化炭素ガス12を上向きに噴出させることにより、カバー8の下方に位置する隙間10の周囲に不活性ガスまたは二酸化炭素ガス12の濃度が高く、かつ空気濃度が低い領域13を形成する。これにより、取鍋蓋6の内部6bへ吸い込まれる大気が希釈されるため、取鍋蓋6の内側の窒素濃度が低下して溶鋼2への窒素吸収が抑制される。
これらのガスパージによる大気の希釈効果は、取鍋蓋6の開口部や取鍋蓋6と取鍋1との隙間10の寸法等に影響される。パージガス流量と体積との比をパラメータに採って、そのパラメータの適正な範囲を説明する。
先ず、体積の指標として「取鍋蓋6の内部6bの体積とフリーボードの体積の合計」を採り、その体積をV(m)とする。この「取鍋蓋6の内部6bの体積とフリーボードの体積の合計」を言い換えると、「取鍋1内の溶鋼2上にあるスラグ面と取鍋2の内壁および取鍋蓋6の内壁とにより囲まれた空間の体積」である。
次に、取鍋1と取鍋蓋6との隙間10のパージガス流量をQ(Nm/min)とするとともに取鍋蓋6の開口部のパージガス流量をQ(Nm/min)として、(Q/V),(Q/V)の値と、取鍋精錬処理の工程2および工程3の間での溶鋼中窒素吸収濃度との関係を説明する。
「取鍋蓋6の開口部のパージガス流量」には、取鍋1上に設置した取鍋蓋6と溶鋼2の表面との間の空間に吹き込むパージガス(不活性ガスまたは二酸化炭素ガス)の流量と、取鍋蓋6に設けられた挿入孔7a,7bおよび/または合金添加孔の開口部分に吹き付けるパージガス(不活性ガスまたは二酸化炭素ガス)の流量の両方が含まれる。この取鍋1上に設置した取鍋蓋6と溶鋼2の表面との間の空間に吹き込むパージと、その取鍋蓋6に設けられた挿入孔7a,7bまたは合金添加孔の一方または双方の開口部分に吹き付けるパージとは、取鍋精錬装置0の形状や大きさにより適宜使い分ければよいものであって、開口部から取鍋蓋6の内部6bへの大気の侵入を抑制し、侵入した大気を希釈する効果としては、特に区別を要さない。
図4に示した取鍋精錬装置0を用い、取鍋1と取鍋蓋6との隙間10への供給配管9に、図5(a)に示したものと、図5(b)に示したものとを使い分けて、溶鋼2の窒素吸収抑制効果を比較して調査した結果を説明する。
共通する精錬条件として、転炉で吹錬した250トン(t)の溶鋼を転炉から取鍋1へ出鋼する間に、転炉からの出鋼流の取鍋1内の溶鋼2の表面への落ち口へ向けて、CaO成分含有率が92質量%の生石灰を10kg/t添加した後、金属Alを添加して出鋼を完了した。
転炉吹錬終了時の溶鋼成分は、質量%で、C:0.03〜0.15%、Si:0.01%以下、Mn:0.05〜0.4%、P:0.05%以下、S:27〜28ppm、N:13〜14ppmであった。なお、以下の説明において、成分含有率を表す「%」は、「質量%」を意味するものとする。
転炉からの出鋼時に溶鋼2にAlを添加し、工程2におけるArガスの吹込みによる攪拌開始前時点における溶鋼2中のAl含有率を0.25%に調整した。
その後、図5(a)または図5(b)に示す取鍋1と取鍋蓋6との隙間10へのパージガスの供給配管9を下部に取り付けた取鍋蓋6を取鍋1の上部に装着し、大気圧下において、取鍋蓋6に設けたランス挿入孔7a,7bと酸素ランス5,浸漬ランス4との隙間、および取鍋1と取鍋蓋6との隙間10にArガスを吹き付けながら、溶鋼2とスラグ3を撹拌するためのArガスを昇降可能な浸漬ランス4を介して溶鋼2中へ吹き込み、かつ、昇降可能な酸素ランス5を介して溶鋼2の上部表面に酸素ガスを上吹きした。
溶鋼2とスラグ3を撹拌するためのArガスの流量は、工程2と工程3を通じて溶鋼1トン(t)当り0.012Nm/minで継続し、酸素ガスの上吹きは、工程2において溶鋼1トン(t)当り0.150Nm/minの吹き付け速度で、合計で1.2Nm/tを吹き付けた。
酸素の上吹きを終了した後、工程3として、引き続き溶鋼2にArガスを吹き込み、10分間攪拌した。
この試験における取鍋蓋6の内部6bの体積とフリーボードの体積の合計Vは34mであった。
パージガスとしてArを用い、下記試験A〜Eで比較調査した。
試験A.不活性ガスまたは二酸化炭素ガスパージ実施なし
試験B.取鍋蓋6の開口部のみArガスパージを実施
試験C.図5(a)のガス供給配管9を用いて取鍋蓋6と取鍋1との間の隙間10のみArガスパージを実施
試験D.試験Bに加えて、試験C(図5(a)のガス供給配管9を用いて取鍋蓋6と取鍋1との間の隙間10をArガスパージ)も実施
試験E.試験Bに加えて、試験C’(図5(b)のガス供給配管9を用いて取鍋蓋6と取鍋1との間の隙間10をArガスパージ)も実施
試験Aは、従来例1であって、工程2および工程3を通じて取鍋蓋6は設置したものの、不活性ガスまたは二酸化炭素ガスパージは一切行わずに撹拌用Arを吹込んだ。
試験Bは、従来例2であって、工程2および工程3を通じて取鍋蓋6を設置し、取鍋蓋6の開口部のみArガスパージを実施し、その流量(Q)を変化させた。
試験Cは、比較例であって、工程2および工程3を通じて取鍋蓋6を設置し、取鍋蓋6と取鍋1との間の隙間10のみArガスパージを実施し、その流量(Q)を変化させた。この試験では、取鍋蓋6と取鍋1の間の隙間10のArガスパージ用配管9として図5(a)に示すArガスパージ用配管9を用いた。
試験Dは、特願2012−21996号により提案した発明の実施例1であって、工程2および工程3を通じて取鍋蓋6を設置し、取鍋蓋6の開口部のArガスパージと、取鍋蓋6と取鍋1との間の隙間10のArガスパージとを併用した。試験Dでも取鍋蓋6と取鍋1との間の隙間10のArガスパージ用配管9には図5(a)に示すArガスパージ用配管9を用い、その流量(Q)を変化させた。なお、試験Dでの取鍋蓋6の開口部のArパージガス流量の指標(Q/V)は0.35Nm/min/mで一定とした。
さらに、試験Eは、特願2012−21996号により提案した発明の実施例2であって、工程2および工程3を通じて取鍋蓋6を設置し、取鍋蓋6の開口部のArガスパージと、取鍋蓋6と取鍋1との間の隙間10のArガスパージとを併用した。試験Eでは、取鍋蓋6と取鍋1との間の隙間10のガスパージ効果を高めることを目的として取鍋蓋6と取鍋1との間の隙間10のArガスパージ用配管9として図5(b)に示すArガスパージ用配管9を用い、その流量(Q)を変化させた。また、試験Eでも取鍋蓋6の開口部のArパージガス流量(Q/V)は0.35Nm/min/mで一定とした。
試験A〜Eにおいて工程2の処理を開始する前と工程3の処理を終了した後とにおいて溶鋼サンプルを採取し、溶鋼2中の窒素濃度の変化量(窒素吸収濃度)とパラメータ(Q/V),(Q/V)との関係を調査した。その結果を、図6にグラフにまとめて示す。
図6のグラフにおいて、取鍋蓋6を設置しただけで各種ガスパージを行わなかった試験A(◇印:従来例1)では、窒素吸収濃度は19〜24ppmであったが、取鍋蓋6の開口部のArガスパージを実施した試験B(■印:従来例2)ではそれが10〜15ppmに抑制されていて、その流量指標(Q/V)が0.30以上で11ppm以下になっていた。
また、取鍋蓋6の開口部のArガスパージを実施せずに、取鍋蓋6と取鍋1との間の隙間10のみArガスパージを実施した試験C(▲印:比較例)でも、窒素吸収濃度が14〜18ppmであったので、この隙間10のガスパージも取鍋蓋6の開口部のArガスパージとは別に窒素吸収抑制効果があり、その流量指標(Q/V)が0.30以上で14ppm以下になっていた。
次に、取鍋蓋6の開口部のArガスパージと、取鍋蓋6と取鍋1との間の隙間10のArガスパージとを併用した試験D(×印:実施例1)では、窒素吸収濃度が9〜12ppmに低減されていたので、両方のガスパージを併用することにより窒素吸収抑制効果が高まることがわかる。図6のグラフにおけるプロット(×印)は、取鍋蓋6の開口部のArパージガス流量の指標(Q/V)を0.35Nm/min/mで一定として、取鍋蓋6と取鍋1との間の隙間10のArガスパージ流量の指標(Q/V)を変化させた場合の窒素吸収濃度の変化を示しており、この条件では指標(Q/V)が0.30以上で9ppm以下となっており、それ以上増やしても効果が変わらない。
この(Q/V)≧0.30という効果的な範囲は、取鍋蓋6の開口部のArパージガス流量の指標(Q/V)が0.35Nm/min/mで一定という条件での結果であるが、試験B(■印)で示したように指標(Q/V)が0.30以上で窒素吸収濃度が11ppm以下と、その窒素吸収抑制効果が安定していることが分かっているので、両方のガスパージを併用した場合の窒素吸収抑制に効果的な指標の数値範囲は、(Q/V)≧0.30、かつ、(Q/V)≧0.30と考えることができ、この数値範囲での窒素吸収抑制効果は従来の取鍋蓋6の開口部のArパージである試験B(■印:従来例2)の効果と比べて、約2ppm相当であると言える。
最後に、取鍋蓋6の開口部のArガスパージと、取鍋蓋6と取鍋1との間の隙間10のArガスパージとを併用し、かつ、その取鍋蓋6と取鍋1との間の隙間10のパージガス供給配管9に工夫を加えた試験E(●印:実施例2)では、窒素吸収濃度が6〜9ppmに低減されていた。したがって、両方のガスパージを併用した上で、パージガス供給配管9に工夫を加えた効果が確認され、その効果を試験Dの結果に関して行ったのと同様に見積もると、試験E(●印)のプロットが、指標(Q/V)が0.30以上で6ppm以下となっていることから、(Q/V)≧0.30、かつ、(Q/V)≧0.30の条件では、試験B(■印:従来例2)と比べて、約5ppm相当であると言える。
なお、流量指標(Q/V),(Q/V)は、ともに、その指標を大きくすれば窒素吸収抑制効果が高まる性質のものであるが、いずれもパージガスの使用コストとの兼ね合いで適正な上限がある。今回の調査結果では、いずれも0.30Nm/min/mまではその増加により窒素吸収抑制効果が高まることが分かったが、それを超えて増加させても窒素吸収抑制効果は実質的に変わらなかった。したがって、流量指標(Q/V),(Q/V)の上限は、ともに、今回調査した0.60Nm/min/m程度と考えてよい。
以上が、特願2012−21996号により提案された極低硫低窒素鋼の溶製方法、およびその溶製方法に取鍋上部と取鍋蓋との隙間のパージを追加する方法である。特願2012−21996号により提案されたこの溶製方法によれば、取鍋蓋6の開口部を不活性ガスまたは二酸化炭素ガスによりパージすることにより、取鍋蓋6の設置による溶鋼2中の窒素含有率の上昇抑制効果を高めることができる。
(2)課題
このように、特願2012−21996号により提案された溶製方法は、溶鋼中の窒素含有率の上昇抑制効果を高めることができる優れた方法であるが、本発明者らはさらなる向上を求めて鋭意検討を重ねた。
この溶製方法において、パージを強化することで窒素吸収は確かに抑制されるものの、窒素が完全に存在しないのではなく取鍋蓋6の内部6bには微量の窒素が不可避的に残留している。
略述すると、本発明は、残留窒素による窒素吸収の抑制を目的とする。すなわち、特許文献2により開示された取鍋精錬方法では、吸窒反応抑制施策として、取鍋に設置された取鍋蓋の開口部を不活性ガスまたは二酸化炭素ガスによりパージするものの、特に取鍋の上縁に地金やスラグが付着し、取鍋の上縁部と取鍋蓋との間に隙間が発生して密閉性が低下した場合に、吸窒抑制効果が不十分になるという課題がある。本発明は、特願2012−21996号により提案した発明と同様に、特許文献2により開示された方法、すなわち大気圧下で取鍋スラグを利用して溶鋼を極低硫低窒素化する取鍋精錬方法を利用して上記課題を解決するものであり、大気圧下で溶鋼を取鍋精錬処理することにより、製品中の硫黄含有率が10ppm以下であるとともに窒素含有率が40ppm以下、好ましくは35ppm以下である極低硫低窒素鋼を、効率よく安定して溶製できる方法を確立することを目的とする。
本発明は、特許文献2により開示された方法を利用して、溶鋼の昇熱処理と併せて低硫化と低窒素化とを同時に満足させ、極低硫低窒素鋼を効率よく安定して製造できる精錬方法である。
図1は本発明に係る溶製方法を実施する状況を示す説明図であり、図2は、随伴ガス供給機構を備える酸素ランス5の一例を溶鋼2側から見た説明図であり、図3は、随伴ガス18による酸素ガス17の随伴状況の一例を模式的に示す説明図である。なお、図1〜3の説明では、図4,5により示す取鍋精錬装置0の構成要素と同一の構成要素には同一の図中符号を付すことにより、重複する説明を適宜省略する。
本発明では、図1に基本構成を例示する取鍋精錬装置14を用いて、溶鋼2を以下の工程1〜3で示される順序により処理する極低硫低窒素鋼の溶製方法を基本的に利用する。
工程1:大気圧下において、取鍋1内の溶鋼2にCaO系フラックスを添加する工程。
工程2:大気圧下において、取鍋上方開口部1aを覆い、かつ、酸素上吹き用のランス挿入孔7aと溶鋼攪拌用のランス挿入孔7bと溶鋼への合金添加孔(図示しない)とのうちの少なくとも一つを備える取鍋蓋6を設置し、取鍋1内の溶鋼2中に攪拌ガスを吹き込むことにより取鍋蓋6に設けられたランス挿入孔7aまたは合金添加孔の一方または双方から取鍋蓋6の内側6bへの大気の侵入を抑制しながら、溶鋼2およびCaO系フラックスを攪拌するとともに、溶鋼2に酸素ガスを上吹き供給し、酸素ガスと溶鋼2との反応により生成した酸化物をCaO系フラックスと混合してカバースラグ3を形成する工程。
工程3:酸素ガスの供給を停止し、大気圧下の取鍋1内の溶鋼2中に攪拌ガスを吹き込むことにより脱硫および介在物除去を行う工程。
ここで「CaO系フラックス」とは、CaO含有率が45質量%以上のフラックスを意味し、例えば、生石灰単味、および、生石灰を主体としてAl、MgOなどの成分を含有するフラックスが該当する。
本発明では、上記工程2において、取鍋1内の溶鋼2と大気との接触防止を強化するために、取鍋1の上部開口部1aを覆う取鍋蓋(カバー)6を取鍋1に設置する。この段階では、溶鋼2の表面はCaO系フラックスなどによって既に覆われているものの、溶鋼2とフラックスとのガス攪拌が開始されると、その攪拌によって溶鋼2が大きく揺動するため、溶鋼2の表面の上方に大気中の窒素が存在すると、溶鋼2中への窒素の吸収が起こり易くなるからである。
取鍋1に取鍋蓋6を設置すること、すなわち被せておくことによって、Arガスなどの溶鋼攪拌用不活性ガスが溶鋼2に吹き込まれると同時に溶鋼2の表面と取鍋蓋6との間の空間に不活性ガスが充満し、溶鋼2中の窒素含有率の上昇を抑制する効果が奏される。さらに、取鍋蓋6の開口部および取鍋蓋6と取鍋1との隙間10を不活性ガスまたは二酸化炭素ガスによりパージすると、取鍋蓋6の設置による溶鋼2中の窒素含有率の上昇抑制効果をさらに高めることができる。
また、酸素ガスを供給することにより、溶鋼2の酸化反応に伴ってスプラッシュが飛散し、また発煙および発塵が起こるため、取鍋1の上方に設けられた取鍋蓋6を集塵設備に接続しておくことは、系外へのスプラッシュの飛散、発煙および発塵を防止する観点からも有効である。
この取鍋蓋6には、続いて行われる精錬処理操作用として、溶鋼昇熱用の酸素ランス5の挿入孔7aと、溶鋼攪拌用の浸漬ランス4の挿入孔7bと、合金添加孔(図示しない)とのうちの少なくとも一つが設けられている。溶鋼昇熱用の酸素ランス5は、一般には金属製の水冷構造を有しており、取鍋蓋6に設けられたランス挿入孔7aを通して、酸素ランス5の先端が取鍋内の溶鋼2の上部表面(湯面)から0.5〜3mの高さ位置となるように挿設される。
そして、酸素ランス5の中心管15を通して酸素ガスが溶鋼2の上部表面に向けて吹き付けられる。
溶鋼攪拌用の浸漬ランス4を用いる場合には、取鍋蓋6に設けられたランス挿入孔7bから、耐火物製の浸漬ランス4を取鍋1内へ挿入し、浸漬ランス4の中心管を通して不活性ガスを浸漬ランス4の先端から噴出させつつ、溶鋼2中へと浸漬させる。
酸素ランス5,浸漬ランス4のいずれも、外径は100〜300mmであって、取鍋蓋6に設けられたランス挿入孔7a,7bの内壁と酸素ランス5,浸漬ランス4の外面との間隔は20〜50mmである。また、工程2または工程3において溶鋼2中の成分含有率を調整する場合があるため、取鍋蓋6にはフェロマンガンなどの合金鉄やアルミニウムを添加するための合金鉄添加口(図示しない)を設けておいてもよい。
パージの流量は、特許文献2やそれに加えて取鍋1の上部と取鍋蓋6との隙間をパージする方法に関して調べた流量から増加させても、明確な効果は得られなかったことから、不活性ガスまたは二酸化炭素ガスの供給方法を変更して調査を行った結果、以下の(a)〜(d)の知見が得られた。
(a)特許文献2により開示された方法での窒素吸収は、主に工程2で発生する。
(b)工程2の窒素吸収は、酸素ランス5から上吹きされた上吹き酸素ガスが残留窒素を巻き込むことによって発生する。
(c)例えば図2に示す随伴ガス供給機構を備える酸素ランス5を用いて、図3に示すように、不活性ガスまたは二酸化炭素ガス18を、上吹き酸素ガス17の周囲の少なくとも一部を覆うように、好ましくは全周を包囲するように、随伴させて、上吹き酸素ガス17を供給することにより、上吹き酸素ガス17による窒素の巻き込み、吸収を抑制できる。
(d)上吹き酸素ガス17に不活性ガスまたは二酸化炭素ガス18を随伴させても、窒素巻き込み以外の精錬反応には特に影響を与えない。
図2に示すように、この説明では、中心に配置される酸素供給孔15の周囲に随伴ガス供給孔16を8孔配置する酸素ランス5を用いる場合を例にとったが、随伴ガスの供給は、上吹き酸素ガスが溶鋼と接触する時点で窒素含有濃度が小さくなるように行えば良いのである。したがって、図3に示すように、随伴ガス18が、上吹き酸素ガス17の周囲を包囲するように供給することが好ましいのであるが、必ずしも全周を覆うように供給しなくても、酸素ガスの周囲に残存している窒素ガスの巻き込みを低減することができるため、上吹き酸素ガス17の周囲の少なくとも一部、望ましくは全周に供給されればよいのである。このような随伴ガスの供給方法は、特定の構造の酸素ランスには限定されない。
本発明は以下に列記の通りである。
(1)Alを含有する溶鋼を下記工程1〜3で示される順序により処理する極低硫低窒素鋼の溶製方法において、
下記工程2で行う酸素ガス上吹き時に、不活性ガスまたは二酸化炭素ガスを上吹き酸素ガスの周囲の少なくとも一部に随伴させて、上吹き酸素ガスを溶鋼に吹き付けること
を特徴とする極低硫低窒素鋼の溶製方法。
工程1:大気圧下において、取鍋内溶鋼にCaO系フラックスを添加する工程。
工程2:大気圧下において、取鍋の上方開口部を覆い、かつ、酸素ガス上吹きランス挿入孔と溶鋼攪拌用のランス挿入孔と溶鋼への合金添加孔とのうちの少なくとも一つを備える取鍋蓋を設置し、取鍋内溶鋼中に攪拌ガスを吹き込むことにより、取鍋蓋の内側への大気の侵入を抑制しながら、溶鋼およびCaO系フラックスを攪拌するとともに、溶鋼に酸素ガスを上吹き供給しつつ、酸素ガスと溶鋼との反応により生成した酸化物をCaO系フラックスと混合してカバースラグを形成する工程。
工程3:酸素ガスの供給を停止し、大気圧下の取鍋内溶鋼中に攪拌ガスを吹き込むことにより脱硫および介在物除去を行う工程。
(2)工程2における取鍋蓋の内側への大気の侵入抑制を、
取鍋蓋を設置した後に、取鍋蓋の開口部および取鍋と取鍋蓋との間の隙間を、不活性ガスまたは二酸化炭素ガスにより下記(1)式および(2)式を満たすように調整してパージすることにより、強化すること
を特徴とする(1)項に記載の極低硫低窒素鋼の溶製方法。
0.3≦Q/V・・・・・・・(1)
0.3≦Q/V・・・・・・・(2)
V:取鍋蓋の内部の体積とフリーボード体積の合計(m
:取鍋と取鍋蓋との間の隙間のパージガス流量(Nm/min)
:取鍋蓋の開口部のパージガス流量(Nm/min)
本発明により、特許文献2により開示された方法において、不活性ガスや二酸化炭素ガスの使用量増加を抑えて、溶鋼への窒素吸収をさらに抑制することができる。特に取鍋の上縁に地金やスラグが付着し、取鍋の上縁部と取鍋蓋との間に隙間が発生して密閉性が低下した場合であっても、充分な吸窒抑制効果を得られ、これにより、特に製品中の硫黄含有率が10ppm以下であるとともに窒素含有率が40ppm以下、好ましくは35ppm以下である極低硫低窒素鋼を、安定して溶製できるようになる。
図1は、本発明に係る溶製方法を実施する状況を示す説明図である。 図2は、随伴ガス供給機構を備える酸素ランスの一例を溶鋼側から見た説明図である。 図3は、随伴ガスによる酸素ガスの随伴状況の一例を模式的に示す説明図である。 図4は、本出願人が特願2012−21996号により提案した、取鍋精錬装置を用いる極低硫低窒素鋼の溶製方法を示す説明図である。 図5(a)および図5(b)は、図4における破線丸印部を拡大して示す説明図である。 図6は、溶鋼中の窒素濃度の変化量(窒素吸収濃度)とパラメータ(Q/V)およびパラメータ(Q/V)との関係をまとめて示すグラフである。
1.処理対象とする溶鋼成分等
予め、上底吹き転炉等を用いて溶鋼を製造した後、その溶鋼を取鍋に出鋼し、出鋼時に各種脱酸剤および合金を添加して取鍋内溶鋼成分を、例えば、C:0.03〜0.2%、Si:0.001〜1.0%、Mn:0.05〜2.5%、P:0.003〜0.05%、S:20〜30ppm、Sol.Al:0.005〜2.0%、N:22〜35ppm等の成分含有率に調整する。この出鋼時には、脱酸用であるとともに、工程2において上吹きする酸素ガスとの反応に要するAlを添加して、溶鋼を脱酸するとともに、出鋼流の攪拌によりスラグの脱酸も行うことが好ましい。
2.CaO系フラックスの添加
工程1では、後に脱硫を進行させるため、大気圧下において溶鋼にCaO系フラックスを添加する。その添加量は、目標温度,目標Al濃度,目標S濃度に応じてAl添加量および酸素供給量が決定されるので、それに応じた量とする。ただし、CaO系フラックスは、全量を酸素ガス供給完了前に添加することが、酸素ガス供給により形成される高温領域によってCaO系フラックスの滓化が促進されるために、好ましい。
CaO系フラックスの添加量は、8kg/t未満では脱硫不足となる場合があり、一方、16kg/tを超えて多くなると生成するスラグ量が増大して溶鋼とスラグとの撹拌が難しくなるため、8kg/t以上16kg/t以下とすることが好ましい。
このCaO系フラックスの添加時期は、転炉出鋼中、または出鋼完了後であって取鍋精錬開始前のいずれでもよいが、出鋼流による攪拌力を有効に活用でき、次工程でのフラックスの添加時間を短縮できることから、CaO系フラックスは転炉出鋼中に添加することが好ましい。
また、CaO系フラックスを添加すると、鍋中の溶鋼の上部表面をそのフラックスが覆うため、取鍋中の溶鋼を大気から遮断して溶鋼の吸窒を抑制する効果がある。この吸窒抑制効果を十分に活用するためには、出鋼中のCaO系フラックスの添加時期を出鋼時間の前期50%までの時期とすることが好ましく、さらに出鋼期間の前期20%までに添加を完了することが一層好ましい。
3.Alの添加
脱硫反応は還元雰囲気下で進行し易いことから、溶鋼中,スラグ中の酸素ポテンシャルを低減することが有効である。添加するAl量は出鋼中に溶鋼を脱硫する観点からは出鋼後のSol.Al濃度を0.050%以上とすることが好ましい。また、本発明では酸素ガスによるAl燃焼を実施するため、酸化されるAl予定量を出鋼段階で添加してもよい。
Alの添加により、溶鋼昇熱のための発熱源およびAl源が供給される。Alは、溶鋼中の酸素やスラグ中の酸化鉄を還元して、最終的にはスラグ中のAlとなり、スラグの融点を低下させて、溶鋼の脱硫および清浄化に有効に作用する。
極低硫鋼を溶製するためには、工程3以降において溶鋼上のスラグ成分組成を適正範囲に制御することが有効であり、工程1および工程2を通算して酸素ガスの供給が完了するまでに金属Al換算で1.5kg/t以上のAlを添加することが好ましく、より好ましくは2kg/t以上添加する。Al添加量が1.5kg/t未満では、生成するAl量が少な過ぎ、スラグ制御へのAl活用の効果が小さくなるのに加えて、CaO系フラックスの添加量の調整も必要となるからである。また、スラグ中の低級酸化物の十分な低減効果も低下するため、効果にややばらつきが大きくなる。
しかし、Alは高価な金属であるし、溶鋼の目標温度および目標Al含有率、および目標S含有率に応じて、Al添加量および酸素ガス供給量が決定されるので、工程2において酸素ガスの供給が完了するまでのAl添加量を7.0kg/t以下とすることが好ましい。
また、転炉にて吹錬された溶鋼を取鍋に出鋼する際に、Alの添加に先立ち総出鋼時間の前期50%以内にCaO換算で溶鋼1t当たり6kg以上10kg以下のCaO系フラックスを添加してカバースラグを形成した後、出鋼完了までに、または工程2における酸素ガスの供給完了までに、金属Al換算で溶鋼1t当たり1.5kg以上7.0kg以下のAlを取鍋内へ添加することが、溶鋼への窒素吸収を抑制するためには一層好ましい。
4.酸素の供給
工程2において溶鋼に酸素ガスを供給するのは、溶鋼成分と酸素ガスとの反応による酸化熱を利用して溶鋼の加熱を行うとともに、Alを生成させてスラグの成分制御を行うためである。酸素ガスの供給方法は、スラグの滓化性向上の観点から上吹きランスから溶鋼表面に吹き付ける方法を用いることが好ましい。
溶鋼の表面からの上吹きランスまたはノズルの高さは0.5m以上3.0m以下とすることが好ましい。高さが0.5m未満ではスピッティングが激しくなるとともに、ノズル寿命が低下する。一方、高さが3.0mを超えて高くなると酸素ガスが溶鋼表面に到達しなくなり、Alの燃焼効率が低下するおそれがある。
酸素ガスの供給量は、0.4Nm/t以上とすることが好ましく、1.2Nm/t以上とすることがさらに好ましい。この酸素供給量はCaO源の滓化促進のために必要な供給量である。ただし、実際上、上記した添加Al量を酸化するために必要な酸素量との兼ね合いで、酸素ガスの供給量は8.7Nm/t以下で十分である。
酸素ガスの供給流速は、酸素ガスの供給時間が5分間以上15分間以下であることが適当であることから、0.04Nm/min/t以上0.8Nm/min/t以下程度とすることが好ましい。酸素ガスの供給時間が5分間未満では、酸素ガス上吹きによるCaO系フラックスの滓化時間が不十分になり、一方、酸素ガスの供給時間が15分間を超えるような処理は、本発明が「処理時間も含めて経済的に優れた吸窒防止技術の確立」を目的とすることに照らして、不適当だからである。
5.随伴ガスの供給
工程2において溶鋼に酸化ガスを供給する際、溶鋼撹拌用ガスや下記パージガスによって取鍋蓋の内部の窒素濃度は低下するものの完全に零となるわけではない。このため、この状態で酸素ガスを上吹きすると、上吹き酸素ガスが取鍋蓋の内部に残存する窒素を巻き込むことによって、窒素が溶鋼に侵入して窒素吸収が発生する。
これを抑制するために、不活性ガスまたは二酸化炭素ガスの供給孔を酸素供給孔の周囲に適宜配置しておき、酸素ガス上吹き時に、不活性ガスまたは二酸化炭素ガスである随伴ガスを酸素ガスの周囲の少なくとも一部、好ましくは全周に随伴させることにより、随伴ガスによって、上吹き酸素ガスによる窒素の巻き込みが防止または抑制される。例えば、不活性ガスまたは二酸化炭素ガスの供給孔を酸素供給孔の周囲に環状に配置することによって随伴ガスを酸素ガスの全周に随伴させて酸素ガスを包囲する。随伴ガスは酸素ガスの供給開始と同時に流し始めればよい。
随伴ガスの流量は、前記した酸素ガスの供給量の範囲では、酸素ガスに対する体積流量比(随伴ガス流量/酸素ガス流量)で0.04以上0.2以下とすることが好ましい。随伴ガスの流量が酸素ガスの流量に対する体積流量比で0.04未満であると、随伴ガスの使用効果が明確には認められないとともに、この体積流量比が0.2を超えても、随伴ガスの使用コストが増加するだけで使用量増加効果が高まることもないからである。
6.撹拌ガスの供給
工程2における撹拌方法は、溶鋼に浸漬した浸漬ランスを通して溶鋼中に撹拌ガスを吹き込む方法が好ましい。この理由は、取鍋底に設置されたポーラスプラグから撹拌ガスを導入する方法などでは十分な撹拌ガス流量を確保できないからである。工程2における撹拌ガスの吹き込み流量は0.004Nm/min/t以上0.02Nm/min/t以下であることが望ましい。撹拌ガスの吹き込み流量が、0.004Nm/min/t未満では撹拌力が不足し、一方、0.02Nm/min/tを超えるとスプラッシュの発生が多くなるからである。
7.パージガスの供給
工程2において取鍋に取鍋蓋を設置した後、溶鋼撹拌の開始とほぼ同時にパージガスを流し始めることにより、吸窒抑制効果をさらに高めることができる。ただし、本発明では、酸素ガスの供給開始と同時に酸素ガスに随伴させて随伴ガスを供給する。この随伴ガスは、不活性ガスや二酸化炭素ガスであって、パージガスと同じ種類であるから、随伴ガスを供給することにより取鍋の内部の空間と取鍋の外部との隙間を内側からパージする効果を得られる。
したがって、本発明ではパージガスを供給することが好ましい。ただし、窒素吸収抑制効果を高めるためには、(Q/V)=0.3Nm/min/m以上0.6Nm/min/m以下、(Q/V)=0.3Nm/min/m以上0.6Nm/min/m以下のパージガスを併用することが好ましい。このパージガスは、溶鋼撹拌の開始より30秒間程度前から流し始めることが、取鍋蓋の内側および取鍋蓋の周囲の窒素濃度が予め低下するために、さらに好ましい。
8.工程3
工程2において、スラグ成分組成の制御とその溶融が進行するとともに、脱硫反応が進行する。しかし、この酸素ガスの供給時間では脱硫反応が十分には進行せず、工程3において、酸素ガスの供給を停止し、大気圧下で溶鋼中に攪拌ガスを吹き込むことにより、脱硫および介在物の除去処理を行う。この処理により、脱硫余力を有するスラグによるさらなる脱硫と、不要な残留介在物の除去とが図られる。
工程2では、酸素ガスの供給により、不可避的に低級酸化物が生成する。このため、工程2の後の工程3において、不活性ガスを溶鋼中に吹き込み、これらの低級酸化物の濃度を低減させることによりさらに脱硫を促進させることができる。
工程3では酸素ガスの供給を停止するとともに、大気圧下にて溶鋼に浸漬した浸漬ランスを通して撹拌ガスを導入することにより溶鋼とスラグの撹拌を継続し、脱硫を行う。
このときの撹拌ガスの吹き込み流量も上述の0.004Nm/min/t以上0.02Nm/min/t以下とすることが好ましい。撹拌ガスの吹き込み流量が、0.004Nm/min/t未満では撹拌力が不足して脱硫が促進されず、一方、0.02Nm/min/tを超えるとスプラッシュの発生が多くなるからである。
また、撹拌ガスの吹き込み時間は4分間以上20分間以下とすることが好ましい。撹拌ガスの吹き込み時間が、4分間未満では脱硫時間が確保できず極低硫鋼の溶製は困難であり、一方、20分間を超えて長くなると溶鋼の温度の低下と生産性の低下が発生する。
工程3による処理の終了後におけるスラグ中のCaOとAlとの質量含有率の比を0.9以上2.5以下とし、そのスラグ中のFeOおよびMnOの質量含有率の合計を8%以下とすると、脱硫不足やスラグの滓化性悪化を防止することができるため、好ましい。
なお、工程3の終了後におけるスラグ量は、13kg/t以上32kg/t以下程度であることが好ましい。スラグ量が13kg/t未満ではスラグ量が少なく、安定した脱硫率を得られ難い。転炉から取鍋へのスラグ流出量のバラツキを考慮すると、工程3の終了後における取鍋中スラグ量は、16kg/t以上であることが一層好ましい。また、スラグ量が32kg/tを超えて多いと、スラグ成分組成の制御に要する時間が長くなり、その結果、処理時間の延長につながる場合がある。取鍋の容量(取鍋内の溶鋼の容積とスラグの容積との合計)や溶鋼とスラグとの攪拌度合いを考慮すると、このスラグ量は25kg/t以下であることが一層好ましい。
また、工程1〜3においては、脱硫に有効に作用するスラグ量を確保する観点から、取鍋内の溶鋼にシュノーケルなどの浸漬管を浸漬せずに処理することが好ましい。脱ガス装置の浸漬管などを浸漬すると、浸漬管の内外でスラグが分断され、酸素ガスが供給される領域に存在するスラグの滓化は促進されるものの、それ以外の領域に存在するスラグの滓化が遅れ、浸漬管の外側に存在するスラグの攪拌も不十分になって、脱硫に有効に作用するスラグ量が減少するおそれがあるからである。
工程3の処理を終了することにより、溶鋼中S含有率が10ppm以下かつN含有率が35ppm以下である極低硫低窒素鋼、例えば、C:0.03〜0.2%、Si:0.001〜0.65%、Mn:0.05〜2.5%、P:0.005〜0.05%、S:10ppm以下、Sol.Al:0.005〜2.0%、N:40ppm以下の鋼成分組成を有する極低硫低窒素の溶鋼が製造される。
工程3の終了時の温度は1590℃以上1665℃以下程度である。
本発明の効果を確認するため図1に示す取鍋精錬装置14を用い、一部には取鍋蓋6に図5(a)または図5(b)に示したパージガス供給配管9を装着して、その酸素ランスとして、従来一般的な酸素ランス、または、随伴ガス供給孔16およびその配管を備えた酸素ランス5を使用して、下記に示す鋼の溶製試験を実施し、その評価を行った。
予め溶銑脱硫、溶銑脱りんを行った溶銑を上底吹き転炉に装入し、[C]含有量が0.03〜0.20%になるまで粗脱炭吹錬を行い、吹錬終点温度を1640℃〜1700℃として取鍋1に出鋼し、出鋼時に脱酸素剤および合金を添加して取鍋溶鋼成分をC:0.03〜0.20%、Si:0.001〜1.0%、Mn:0.10〜2.5%、P:0.002〜0.050%、S:20ppm〜30ppmとした。
出鋼量は250tとなるようにし、出鋼時には、CaO換算で8kg/tの生石灰と4.0kg/tのAlを一括して投入した。
次に、取鍋1に取鍋蓋6を設置して、工程2として、取鍋1内の溶鋼2に浸漬ランス4を浸漬させ、撹拌用Arガスを0.012Nm/min/tの供給速度で溶鋼2中に吹き込むとともに、水冷構造を有する酸素ランス5から酸素ガスを供給速度0.16Nm/min/tの供給速度で、溶鋼2の表面に1.2Nm/t以上2.0Nm/t以下吹き付けた。
酸素ガスの吹き付けと同時に随伴ガス(Ar)を、一部を除き0.01Nm/min/tの供給速度で吹き付けを行った。一部は、図2に示した上吹きランス5を用いて、随伴ガスを0.02Nm/min/tの供給速度で、酸素ガスの全周を包囲することを考えて吹き付けた。この時、ランス5の先端と溶鋼2の表面との距離は2.0mとした。
また、一部の例では、工程2において、溶鋼撹拌を開始する30秒前から、取鍋1と取鍋蓋6との隙間のガスパージ(Q)と取鍋蓋6の開口部のガスパージ(Q)とを、それぞれ(Q/V)=0.35〜0.59Nm/min/m、(Q/V)=0.44〜0.59Nm/min/mのAr流量で、溶鋼撹拌終了時点まで供給し続けた。このとき、取鍋蓋6の内部6bとフリーボードの体積の合計Vは34mであった。
次いで、工程3として酸素ガスの供給停止後、撹拌用Arガスを、0.012Nm/min/tの供給速度で溶鋼中に10分間吹き込んで、溶鋼2及びスラグ3の撹拌を行った。
本発明である随伴ガス供給の有無と、パージガス供給の有無、取鍋精錬の工程2の開始前および工程3の終了後の[S](溶鋼中硫黄濃度)と脱硫率、並びに取鍋精錬の工程2の開始前および工程3の終了後の[N](溶鋼中窒素濃度)と窒素吸収濃度とを、表1に纏めて示す。ここで、脱硫率は{工程2前の[S]−工程3後の[S])/工程2前の[S]×100}で計算され、窒素吸収濃度は(工程3後の[N]−工程2前の[N]ppm)で計算される数値である。
Figure 0005979029
表1において、取鍋精錬の工程3を終えた後の[S]は全て5ppm以下であり、脱硫率は80%以上と良好であった。
先ず、従来例(No.1,2)は、工程2において取鍋1に取鍋蓋6を設置したものの、取鍋1と取鍋蓋6との隙間のガスパージ(Q/V)も、取鍋蓋6の開口部のガスパージ(Q/V)も行わず、かつ、随伴ガス(Ar)も流さずに、工程2と工程3を連続的に実施した例である。この従来例でも、取鍋蓋6の内側の空間は溶鋼撹拌用のArガス0.012Nm/min/tによりある程度充満されているものの、吸窒を抑制するためにはまだ不十分であり、窒素吸収濃度(△N)は20〜23ppmと不芳であった。
次に、比較例(No.3〜7)は、工程2において取鍋1に取鍋蓋6を設置し、取鍋1と取鍋蓋6の隙間のガスパージ(Q/V)と取鍋蓋6の開口部のガスパージ(Q/V)をそれぞれ表1に示す流量で行ったものの、随伴ガスは流さなかった例である。パージガス流量を合計で0.11〜0.14Nm/min/tと撹拌用ガスの約10倍用いたものの、ΔNは4〜7ppmと抑制することができていた。
次に、発明例1(No.8,9)は、取鍋1と取鍋蓋6との隙間のガスパージ(Q/V)も、取鍋蓋6の開口部のガスパージ(Q/V)も行わなかったものの、随伴ガスであるArガスを0.01Nm/min/tまたは0.02Nm/min/t用いた例である。比較例のパージガス使用と比べてArガス流量を約1/10と少なくしても、比較例のパージガス使用と同程度のΔNに吸窒を抑制できることが確認され、本発明によりガスコストを低減しながら極低硫低窒素鋼を溶製できることが分かる。
さらに、発明例2(No.10〜14)は、随伴ガスであるArガスを0.01Nm/min/t用いることに加えて、取鍋1と取鍋蓋6との隙間のガスパージ(Q/V)と取鍋蓋開口部のガスパージ(Q/V)を行った例である。随伴ガスとパージガスとを併用することにより、工程2および工程3での吸窒はほぼ完全に防止できることが確認された。
この結果、本発明によれば、製品中の硫黄含有率が10ppm以下(実施例では4ppm以下)であるとともに、窒素含有率が35ppm以下である極低硫低窒素鋼を、効率よく安定して溶製できることが確認された。
1 取鍋
2 溶鋼
3 スラグ
4 浸漬ランス
5 酸素ランス
6 取鍋蓋
7a ランス挿入孔
7b ランス挿入孔
14 取鍋精錬装置
15 中心管
16 随伴ガス供給孔
17 上吹き酸素ガス
18 随伴ガス(不活性ガスまたは二酸化炭素ガス)

Claims (2)

  1. Alを含有する溶鋼を下記工程1〜3で示される順序により処理する極低硫低窒素鋼の溶製方法において、
    下記工程2で行う酸素ガス上吹き時に、不活性ガスまたは二酸化炭素ガスを上吹き酸素ガスの周囲の少なくとも一部に随伴させて、前記上吹き酸素ガスを前記溶鋼に吹き付けること
    を特徴とする極低硫低窒素鋼の溶製方法。
    工程1:大気圧下において、取鍋内溶鋼にCaO系フラックスを添加する工程。
    工程2:大気圧下において、取鍋上方開口部を覆い、かつ、酸素ガス上吹きランス挿入孔と溶鋼攪拌用のランス挿入孔と溶鋼への合金添加孔とのうち少なくとも一つを備える取鍋蓋を設置し、取鍋内溶鋼中に攪拌ガスを吹き込むことにより、該取鍋蓋の内側への大気の侵入を抑制しながら、該溶鋼および前記CaO系フラックスを攪拌するとともに、前記溶鋼に酸素ガスを上吹き供給しつつ、酸素ガスと溶鋼との反応により生成した酸化物をCaO系フラックスと混合してカバースラグを形成する工程。
    工程3:前記酸素ガスの供給を停止し、大気圧下の前記取鍋内溶鋼中に攪拌ガスを吹き込むことにより脱硫および介在物除去を行う工程。
  2. 前記工程2における前記取鍋蓋の内側への大気の侵入抑制を、
    前記取鍋蓋を設置した後に、該取鍋蓋の開口部および取鍋と取鍋蓋との間の隙間を、不活性ガスまたは二酸化炭素ガスにより下記(1)式および(2)式を満たすように調整してパージすることにより、強化すること
    を特徴とする請求項1に記載の極低硫低窒素鋼の溶製方法。
    0.3≦Q/V・・・・・・・(1)
    0.3≦Q/V・・・・・・・(2)
    V:取鍋蓋の内部の体積とフリーボード体積の合計(m
    :取鍋と取鍋蓋との間の隙間のパージガス流量(Nm/min)
    :取鍋蓋の開口部のパージガス流量(Nm/min)
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