JP5978839B2 - プロジェクションシステム - Google Patents
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Description
この特許文献1に記載のプロジェクターは、光源装置から射出された光束を光変調装置としての液晶パネルにより変調して画像情報に対応した光学像を形成し、この光学像を投射レンズから投射させる光学ユニットを備えている。また、このプロジェクターには、投射レンズの後段に光学フィルターが設けられ、この光学フィルターにより、緑色光の一部を反射させることで、投射画像の鮮明度を向上させている。
このようなプロジェクターに対して、上記特許文献1のような光学フィルターを投射レンズとは別体として設けると、投射レンズの移動により、当該投射レンズ及び光学フィルターの相対位置がずれてしまい、光学フィルターに対して適正に光が入射されないという問題があった。
このような構成では、投射レンズが所定の初期位置から第一方向に移動した場合でも、投射レンズの位置に応じて光学フィルターを移動させることができ、投射レンズから投射される光を光学フィルターに適正に入射させることができる。
本発明では、フィルター調整手段は、光学フィルターを第一方向に移動させる位置調整部を備えている。このため、投射レンズの移動方向と同一方向に光学フィルターを移動させることができ、投射レンズから射出される光を確実に光学フィルターに入射させることができる。
本発明では、フィルター調整手段の姿勢調整部は、投射レンズの光軸及び第一方向のそれぞれに対して直交する軸を中心に、光学フィルターを回動させる。このため、投射レンズを第一方向に移動させた際に、投射レンズから射出される光の進行方向が変化した場合でも、光学フィルターの光入射面を、光の進行方向に対して所定の角度に変化させることができる。したがって、入射角依存性の高い光学フィルターを用いた場合でも、投射レンズの光軸と光学フィルターとの角度変化による画像劣化を防止できる。
このような構成では、投射レンズが所定の初期位置から投射レンズの光軸に沿って移動して、投射される光の画角が変化した場合でも、光学フィルターを移動させて、投射レンズから投射される光を光学フィルターに適正に入射させることができる。
本発明では、フィルター調整手段は、光学フィルターを投射レンズの光軸に沿う方向に移動させる位置調整部を備えている。ズームレンズを移動させると画角が変化するため、例えば、投射レンズと光学フィルターとの距離が一定である場合に、画像をズームさせると、投射レンズから射出される光の一部が光学フィルターからはみ出る場合がある。これに対して、本発明では、位置調整部は、光学フィルターを投射レンズの光軸に沿う方向に沿って移動させることで、投射レンズから射出される光が光学フィルターからはみ出ないよう、当該光学フィルターを移動させることができる。
本発明では、プロジェクター本体は、第一画像と、第二画像とを交互に形成して投射レンズから投射させる。また、光学フィルターは、投射レンズから投射された画像のうち、第一画像を分離させる第一領域と、第二画像を分離させる第二領域とを備えている。
このような構成のプロジェクションシステムでは、例えば、第一領域によりP偏光の画像を抽出し、第二領域によりS偏光の画像を抽出する等により、第一領域を透過した第一画像と、第二領域を透過した第二画像とを交互に表示させることができ、例えば立体視用画像の形成等に利用することができる。
また、このような立体視用画像を形成するためのカラーホイールは、波長依存性が高く、投射レンズの光軸に対して直交する角度に姿勢が維持されていない場合、透過波長域が変化してしまう。また、投射レンズの移動により、カラーホイールに光が入射される領域が変化すると、プロジェクター本体における第一画像及び第二画像の画像形成タイミングと、カラーホイールにおける第一画像及び第二画像の分離タイミングとにズレが生じてしまう。したがって、カラーホイールの位置や姿勢が適正に制御されていない場合、第一画像及び第二画像の一方の画像に他方の画像が混ざり込んだ画像が観察者に観察されてしまう、いわゆるクロストークが発生することがある。
これに対して、本発明では、上述した様に、投射レンズの移動方向や移動量に応じてカラーホイールの位置や姿勢を適正に制御することができる。このため、画像形成タイミング及び画像の分離タイミングのずれや、カラーホイールの傾斜による波長ずれが生じず、クロストークを低減させることができ、観察者は、適正な立体画像を観察することが可能となる。
図1は、本実施形態に係るプロジェクションシステム1の概略構成を示すブロック図である。
本実施形態に係るプロジェクションシステム1は、プロジェクター2(プロジェクター本体)と、プロジェクター2に対して着脱自在に設けられるフィルターユニット3と、を備えている。
このプロジェクションシステム1は、二次元画像を表示する場合と、視差画像である右目用画像及び左目用画像を交互に形成して、視差により立体視可能な画像(以降、三次元画像を称する場合がある)を表示する場合とを切替可能に構成されている。
一方、プロジェクションシステム1により、スクリーン上に三次元画像を表示させる場合、プロジェクター2にフィルターユニット3を装着し、プロジェクター2から右目用画像及び左目用画像を交互に投射させる。そして、フィルターユニット3は、入射される右目用画像及び左目用画像を交互に分離して透過させる。これにより、スクリーン上に、右目用画像及び左目用画像が、所定周期で交互に切り替わって表示され、観察者は、後述する眼鏡を使用することで、立体視画像を観察することが可能となる。なお、左目用画像及び右目用画像は、本発明の第一画像及び第二画像に相当する。
[プロジェクター2の構成]
プロジェクター2は、図1に示すように、表示部21、移動量検出部22、制御部23及び送信部24を備える。この他、プロジェクター2は、図示を省略するが、当該プロジェクター2を構成する電子部品に電力を供給する電源装置や、冷却対象を冷却する冷却装置等を備える。
光源211は、液晶パネル212の画像形成領域を照明する。このような光源211としては、超高圧水銀ランプ等の光源ランプ、及び、当該光源ランプから出射された光を一方向に揃えて反射させる反射鏡を有する構成を採用できる他、LED(Light Emitting Diode)及びLD(Laser Diode)等の固体光源を有する構成を例示できる。
液晶パネル212は、上記駆動信号に応じて駆動して、光源211から入射される光を変調する光変調装置である。この液晶パネル212は、三次元画像を形成する際には、制御部23により制御の下、視差画像である右目用画像及び左目用画像を交互に形成する。
すなわち、レンズ移動部214は、図1に示すように、投射レンズ213をX方向移動させるXシフト手段214Xと、投射レンズ213をY方向に移動させるYシフト手段214Yと、ズームレンズ2131をZ方向に移動させるズーム手段214Zと、を備える。
また、投射レンズ213が初期位置から左方向(+X方向)に移動されると、スクリーンに表示される画像は、投射レンズ213が初期位置にある場合に表示される画像の位置よりも、左方に移動される。同様に、投射レンズ213が初期位置から右方向(−X方向)に移動されると、スクリーンに表示される画像は、投射レンズ213が初期位置にある場合に表示される画像の位置よりも、右方に移動される。
さらに、レンズ移動部214により、ズームレンズ2131が移動され、画像が拡大されると、画角が広がるため、スクリーンに表示される画像表示領域も大きくなる。一方、ズームレンズ2131が移動され、画像が縮小されると、画角が狭まり、スクリーンに表示される表示領域も小さくなる。
また、上記例では、制御部23からのレンズ駆動信号に基づいて、ステッピングモーターの駆動力により投射レンズ213が移動される構成を示すが、例えば、操作者が投射レンズ213を直接移動させる構成などとしてもよい。
すなわち、移動量検出部22は、投射レンズ213のX方向への移動量を検出するXシフト検出センサー22Xと、Y方向へのシフト量を検出するYシフト検出センサー22Yを備える。また、移動量検出部22は、ズームレンズ2131のZ方向への移動量を検出するズーム検出センサー22Zを備えている。そして、各センサー22X,22Y,22Zは、検出した移動量を制御部23に出力する。
なお、本実施形態では、各センサー22X、22Y,22Zとしては、投射レンズ213やズームレンズ2131の実際の移動量を検出するセンサーを用いてもよく、例えば、ステッピングモーターへの駆動力により投射レンズ213やズームレンズ2131を移動させる場合では、ステッピングモーターの駆動量を検出するセンサーを用いてもよい。また、制御部23からレンズ移動部214に出力されるレンズ駆動信号を検出することで、投射レンズ213やズームレンズ2131の移動量を検出してもよい。
そして、制御部23では、当該CPUがROMに記憶されたプログラムを実行することで、画像処理手段231、タイミングコントローラー232、表示制御手段233、及び調整制御手段234、として機能する。
また、制御部23のROMには、投射レンズ213のX方向への移動量(Xシフト量)、Y方向への移動量(Yシフト量)、及びズームレンズ2131のZ方向への移動量(ズーム量)に対する、フィルターユニット3のカラーホイール31の移動量(X,Y,Z移動量)及び傾斜角(X軸回動角、Y軸回動角)の関係を示すルックアップテーブルが記憶されている。
タイミングコントローラー232は、画像処理部により処理された画像データに含まれる同期信号を読み取って、表示制御手段233及び送信部24、ひいては、フィルターユニット3の同期をとる。
具体的に、表示制御手段233は、タイミングコントローラー232から入力される同期信号に基づいて、垂直走査期間内に、液晶パネル212における最上位の走査線(最初に選択される走査線)から最下位の走査線(最後に選択される走査線)までを順次選択し、選択された走査線に接続された各画素に階調に応じた電圧が信号線を介して印加し(画像データを書き込み)、液晶パネル212に形成される画像を更新する。そして、表示制御手段233は、次の垂直走査期間内にて同様の処理を行い、次の画像に更新する。この際、三次元画像を形成する場合には、表示制御手段233は、画像処理手段231により描画された右目用画像と左目用画像とを交互に読み出して、液晶パネル212に当該右目用画像及び左目用画像を交互に形成させる。
具体的には、調整制御手段234は、ROMに記憶されたルックアップテーブルを参照し、移動量検出部22により検出された投射レンズ213の初期位置からのXシフト量、Yシフト量、及びズーム量に対応した、カラーホイール31のX軸方向移動量、Y軸方向移動量、Z軸方向移動量、X軸を中心軸とした回動量、及びY軸を中心とした回動量を読み込む。そして、読み込んだ各軸に沿った移動量及び各軸を中心軸とした回動量だけ、カラーホイール31の位置及び姿勢を変更させる調整制御信号を生成する。
具体的に、送信部24は、タイミングコントローラー232から入力される垂直同期信号に基づいたタイミング(画像生成タイミング)で、フィルターユニット3で右目用画像の形成タイミングを示すタイミング信号、及び左目用画像の形成タイミングを示すタイミング信号を送信する。
また、送信部24は、調整制御手段234により、調整制御信号が生成されると、生成された当該調整制御信号をフィルターユニット3に送信する。
フィルターユニット3は、プロジェクター2から投射される画像の光路上に設けられ、当該画像から右目用画像及び左目用画像を分離して透過させるものである。このフィルターユニット3は、図1に示すように、カラーホイール31と、ホイール駆動部32(回転手段)と、調整部33(フィルター調整手段)と、受信部34と、を備えている。
カラーホイール31は、図2に示すように平面中心点に設けられた回転軸31Aを回転中心として回転可能に保持される円盤状の光学部材であり、複数のバンドパスフィルターが積層されることで形成されている。なお、後述する調整部33により回転軸31Aは、投射レンズ213から投射される光(画像)の中心軸に沿う方向とされる。
このカラーホイール31は、左目用画像を分離するための第一領域311と、右目用画像を分離するための第二領域312とを備えている。ここで、第一領域311及び第二領域312は、それぞれ赤色光(R)、緑色光(G)、及び青色光(B)を透過させるよう構成されているが、各色光における透過波長域がそれぞれ異なっている。
すなわち、図3に示すように、赤色光に対して、第一領域311は、例えば615nmを中心とする所定幅の透過波長域R1を有し、第二領域312は、例えば629nmを中心とする所定幅の透過波長域R2を有する。
また、緑色光に対して、第一領域311は、例えば518nmを中心とする所定幅の透過波長域G1を有し、第二領域312は、例えば532nmを中心とする所定幅の透過波長域G2を有する。
同様に、青色光に対して、第一領域311は、例えば432nmを中心とする所定幅の透過波長域B1を有し、第二領域312は、例えば446nmを中心とする所定幅の透過波長域B2を有する。
ここで、ホイール駆動部32は、プロジェクター2から送信されるタイミング信号に基づいて、カラーホイール31の回転駆動を制御する。つまり、プロジェクター2の投射レンズ213から左目用画像が投射されるタイミングで、当該左目用画像が第一領域311に入射され、投射レンズ213から右目用画像が投射されるタイミングで、当該右目用画像が第二領域312に入射されるように、カラーホイール31の回転タイミングと、プロジェクター2における画像形成タイミングとを同期させて駆動させる。
具体的には、調整部33は、図1に示すように、X方向移動手段331、Y方向移動手段332、Z方向移動手段333、X軸回動手段334、及びY軸回動手段335を備えている。
X方向移動手段331は、調整制御信号として、X方向への移動量が含まれていた場合に、当該移動量に基づいて、カラーホイール31をX方向(+X方向または−X方向)に移動させる。
Y方向移動手段332は、調整制御信号として、Y方向への移動量が含まれていた場合に、当該移動量に基づいて、カラーホイール31をY方向(+Y方向または−Y方向)に移動させる。
Z方向移動手段333は、調整制御信号として、Z方向への移動量が含まれていた場合に、当該移動量に基づいて、カラーホイール31をZ方向(+Z方向または−Z方向)に移動させる。
X軸回動手段334は、調整制御信号として、X軸を中心軸とした回動量が含まれていた場合に、当該回動量に基づいて、カラーホイール31をX軸回りで回動させる。つまり、X軸回動手段334は、カラーホイール31の回転軸31Aを、YZ平面内で回動させる。
Y軸回動手段335は、調整制御信号として、Y軸を中心軸とした回動量が含まれていた場合に、当該回動量に基づいて、カラーホイール31をY軸回りで回動させる。つまり、Y軸回動手段335は、カラーホイール31の回転軸31Aを、XZ平面内で回動させる。
すなわち、X方向移動手段331、Y方向移動手段332、及びZ方向移動手段333は、本発明における位置調整部を構成し、X軸回動手段334及びY軸回動手段335は本発明における姿勢調整部を構成する。
(投射レンズ213が移動された場合におけるフィルターユニット3の制御)
次に、上記のようなプロジェクションシステム1において、レンズ移動部214により投射レンズ213がX方向及びY方向の少なくともいずれかに移動された場合の、フィルターユニット3におけるカラーホイール31の制御について説明する。
図4は、本実施形態におけるプロジェクションシステム1の投射レンズ213を移動させた際の動作を示すフローチャートである。
つまり、投射レンズ213が所定の初期レンズ位置から、X方向に所定量移動した場合、Xシフト検出センサー22Xは、初期レンズ位置からのX方向への移動量を検出する。また、投射レンズ213が初期レンズ位置からY方向に移動した場合、Yシフト検出センサー22Yは、初期レンズ位置からのY方向への移動量を検出する。
この後、調整制御手段234は、ステップS2で生成された信号を送信部24からフィルターユニット3に送信する。
そして、調整部33は、入力された調整制御信号に基づいて、X方向移動手段331、Y方向移動手段332、X軸回動手段334、Y軸回動手段335を駆動させて、カラーホイール31の位置及び姿勢を調整する(ステップS3)。
以上の動作により、投射レンズ213が移動した場合でも、当該投射レンズ213から投射された光が、カラーホイール31の所定の入射領域31B(図2参照)に入射されるように、カラーホイール31の位置及び姿勢が調整される。
図5及び図6は、本実施形態において、投射レンズ213がY方向にシフト移動された場合のカラーホイール31の制御を説明するための図である。これらのうち、図5は、投射レンズ213の光軸が液晶パネル212の中心軸に対応する状態である初期状態における投射レンズ213及びカラーホイール31の位置を示す図であり、図6は、投射レンズ213の光軸が液晶パネル212の中心軸からシフトした状態である投射レンズ213を移動させた後の、当該投射レンズ213及びカラーホイール31の位置を示す図である。
ここで、投射レンズ213に対してカラーホイール31が移動されない場合、投射レンズ213から投射された光の一部がカラーホイール31に入射されない場合がある。このような場合、立体視形成用画像の一部がカラーホイール31に透過されず、左目用画像及び右目用画像が分離されていない状態でスクリーンに表示され、適正な三次元画像を表示できない。
また、カラーホイール31における入射領域31Bの位置が変化することで、プロジェクター2における左目用画像及び右目用画像の画像形成タイミングと、カラーホイール31における、左目用画像及び右目用画像の画像分離タイミングがずれる場合がある。この場合、例えば、プロジェクター2で形成された左目用画像が、カラーホイール31における第二領域312に入射してしまう(右目用画像の透過波長域で分離される)不都合が生じ、クロストークが発生する。
さらに、投射レンズ213から投射される光の進行方向が傾斜することで、カラーホイール31への入射角が変化して、第一領域311及び第二領域312における透過波長域が変化してしまう。このような場合でも、クロストーク等の不都合が生じ、適正な画像を表示することが困難となる。
さらに、投射レンズ213のシフト移動により、投射レンズ213から投射される光の進行方向が+Y側に傾斜した場合でも、X軸回動手段334により、前記光の進行方向、及びカラーホイール31の光入射面がなす角度を略直角に維持することができる。これにより、カラーホイール31への入射角度が変化せず、透過波長域のずれが生じないので、適切に左目用画像及び右目用画像を分離させることができる。
次に、上記のようなプロジェクションシステム1において、レンズ移動部214により投射レンズ213のうち、ズームレンズ2131がZ方向に沿って移動された場合の、フィルターユニット3におけるカラーホイール31の制御について説明する。この場合でも、フィルターユニット3は、図4に示すフローチャートと略同様の処理により制御される。
すなわち、画像の拡大/縮小を実行するために、レンズ移動部214によりズームレンズ2131が移動されると、移動量検出部22のズーム検出センサー22Zは、ステップS1の処理において、ズームレンズ2131の移動量及び移動方向を検出する。
この後、調整制御手段234は、生成された信号を送信部24からフィルターユニット3に送信する。
そして、調整部33は、ステップS3の処理を実施して、入力された調整制御信号に基づいて、Z方向移動手段333を駆動させて、カラーホイール31をZ方向に移動させる。
以上の動作により、ズームレンズ2131が移動した場合でも、当該投射レンズ213から投射された光が、カラーホイール31からはみ出ず、所定の入射領域31Bに入射されるように、カラーホイール31の位置が調整される。
すなわち、右目用画像は、右目用フィルターを透過して右目にて観察されるが、左目用フィルターを透過しないので左目では観察されない。一方、左目用画像は、左目用フィルターを透過して左目にて観察されるが、右目用フィルターを透過しないので右目では観察されない。このため、右目用画像及び左目用画像は、それぞれ右目及び左目にて個別に観察されることとなり、3次元画像を視認可能となる。
プロジェクションシステム1は、投射レンズ213から画像データに対応した光を投射させるプロジェクター2と、プロジェクター2に着脱自在で、投射された光が透過される光学フィルターであるカラーホイール31を有するフィルターユニット3とを備えている。また、プロジェクター2には、投射レンズ213及びズームレンズ2131の移動量を検出する移動量検出部22が設けられ、制御部23の調整制御手段234は、ROMに記憶されたルックアップテーブルと検出された検出結果とに基づいて、カラーホイール31を移動させるための調整制御信号を生成する。そして、フィルターユニット3の調整部33は、調整制御信号に基づいて、投射レンズ213やズームレンズ2131の移動量に応じて、カラーホイール31の位置及び姿勢を制御する。
このような構成では、投射レンズ213が移動した場合でも、投射レンズ213から投射された光がカラーホイール31から外れることがなく、カラーホイール31を透過した光がスクリーンに投射されることになる。また、画像を拡大/縮小するために、ズームレンズ2131が移動され、投射レンズ213から投射される画像の画角が変化した場合でも、カラーホイール31から投射された光がはみ出ることがないよう、カラーホイール31がZ方向に移動される。
したがって、投射レンズ213の位置に応じて、カラーホイール31の位置や姿勢を適正に制御することができ、カラーホイール31により分離された左目用画像及び右目用画像を適切に透過させることができる。
このため、投射レンズ213が、X方向及びY方向のいずれの方向に移動した場合でも、各方向への移動量に基づいてカラーホイール31を移動させることができる。また、ズームレンズ2131の移動量に応じて、カラーホイール31をZ方向に移動させることができる。
このため、投射レンズ213から投射された光を確実にカラーホイール31に入射させることができ、スクリーンに画像データに対応した適正な画像を表示させることができる。
このため、投射レンズ213が光軸に対して直交する方向に移動し、投射レンズ213から投射される光の進行方向が変化した場合でも、当該光の進行方向に対して直交する状態に、カラーホイール31の姿勢を変更させることができる。したがって、カラーホイール31に入射する光とカラーホイール31の光入射面とのなす角を略直角に維持することができ、カラーホイール31への入射角度の変化による画像劣化を防止できる。
これにより、スクリーン上に適正な左目用画像及び右目用画像を交互に表示させることができるので、観察者は、立体画像を適切に観察することができる。
本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記実施形態では、プロジェクター2とフィルターユニット3とが別体であり、二次元画像を表示させる際にはフィルターユニット3をプロジェクター2から取り外し、三次元画像を表示させる際には、フィルターユニット3をプロジェクター2に装着させる構成とした。これに対して、例えば、プロジェクター本体と光学フィルターとが一体化された構成としてもよい。この場合、プロジェクターを構成する筐体に対して、光学フィルターと、当該光学フィルターの位置及び姿勢を変更するフィルター駆動部とを設ける構成とすればよい。
例えば、投射レンズ213の光軸が液晶パネル212の中心軸に対応する状態で投射レンズ213が固定され、ズームレンズ2131による拡大/縮小のみ可能なプロジェクター2であってもよく、この場合、移動量検出部22は、ズームレンズ2131のZ方向の移動量のみを検出すればよい。また、この場合、調整部33は、Z方向移動手段333のみ備える構成としてもよい。また、投射レンズ213の光軸が液晶パネル212の中心軸からシフトした状態で投射レンズ213が固定され、ズームレンズ2131による拡大/縮小のみ可能なプロジェクター2であってもよく、この場合、移動量検出部22は、ズームレンズ2131のZ方向の移動量のみを検出すればよい。また、この場合、調整部33は、Z方向移動手段333及び投射レンズ213の光軸が液晶パネル212の中心軸からシフトする方向に垂直な方向を回転軸とする回動手段(前述のX軸回動手段334及びY軸回動手段335に対応する)のみを備える構成としてもよい。
同様に、投射レンズ213のX方向及びY方向への移動のみが可能なプロジェクター2を用いてもよく、さらに、投射レンズ213をX方向のみ、またはY方向のみに移動可能なプロジェクターとしてもよい。この場合、調整部33としては、投射レンズ213の移動方向に対応した移動手段が設けられていればよい。
Claims (8)
- 画像を投射する投射レンズを備えたプロジェクター本体と、前記投射レンズの後段に位置する光学フィルターと、を備えたプロジェクションシステムであって、
前記投射レンズを、当該投射レンズの光軸に対する直交方向である第一方向に初期位置から移動させるレンズ移動部と、
前記投射レンズの前記初期位置からの移動量及び移動位置の少なくともいずれかを検出する移動量検出手段と、
前記光学フィルターの位置及び姿勢の少なくともいずれか一方を変更するフィルター調整手段と、
前記移動量検出手段による検出結果に応じて、前記フィルター調整手段を制御して、前記光学フィルターの位置及び姿勢の少なくともいずれか一方を調整する調整制御手段と、
を備えていることを特徴とするプロジェクションシステム。 - 請求項1に記載のプロジェクションシステムにおいて、
前記フィルター調整手段は、
前記光学フィルターを、前記第一方向に沿って移動させて、当該光学フィルターの位置を調整する位置調整部を備えている
ことを特徴とするプロジェクションシステム。 - 請求項1または請求項2に記載のプロジェクションシステムにおいて、
前記フィルター調整手段は、前記光学フィルターを、前記投射レンズの光軸及び前記第一方向のそれぞれに対して直交する軸を中心に回動させて、当該光学フィルターの姿勢を調整する姿勢調整部を備えている
ことを特徴とするプロジェクションシステム。 - 画像を投射する投射レンズを備えたプロジェクター本体と、前記投射レンズの後段に位置する光学フィルターと、を備えたプロジェクションシステムであって、
前記投射レンズは、当該投射レンズの光軸に沿って初期位置から移動して、投射される前記画像を拡大/縮小させるズームレンズを備え、
当該プロジェクションシステムは、
初期位置に対する前記ズームレンズの移動量及び移動位置の少なくともいずれかを検出する移動量検出手段と、
前記光学フィルターの位置及び姿勢の少なくともいずれか一方を変更するフィルター調整手段と、
前記移動量検出手段による検出結果に応じて、前記フィルター調整手段を制御して、前記光学フィルターの位置及び姿勢の少なくともいずれか一方を調整する調整制御手段と、
を備えていることを特徴とするプロジェクションシステム。 - 請求項4に記載のプロジェクションシステムにおいて、
前記フィルター調整手段は、前記光学フィルターを前記投射レンズの光軸に沿って移動させて、当該光学フィルターの位置を調整する位置調整部を備える
ことを特徴とするプロジェクションシステム。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載のプロジェクションシステムにおいて、
前記プロジェクター本体は、第一画像と第二画像とを交互に形成して、前記投射レンズから投射させ、
前記光学フィルターは、前記第一画像と前記第二画像とを分離するフィルターである
ことを特徴とするプロジェクションシステム。 - 請求項6に記載のプロジェクションシステムにおいて、
前記光学フィルターは、
それぞれ透過波長が異なる第一領域及び第二領域を有し、波長分割方式により前記第一画像及び前記第二画像を分離するカラーホイールと、
前記カラーホイールを前記光軸に沿う中心軸を中心として回転させる回転手段とを備え、
前記第一領域に形成される赤色透過波長域、緑色透過波長域及び青色透過波長域と、前記第二領域に形成される赤色透過波長域、緑色透過波長域及び青色透過波長域とは、それぞれ透過波長が異なる
ことを特徴とするプロジェクションシステム。 - 請求項7に記載のプロジェクションシステムにおいて、
前記回転手段は、前記第一画像が形成される第一画像形成期間に入射される光が前記第一領域に入射され、前記第二画像が形成される第二画像形成期間に入射される光が前記第二領域に入射されるように、前記カラーホイールを回転させる
ことを特徴とするプロジェクションシステム。
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