JP5976309B2 - 断熱リフォーム方法及び断熱リフォーム用断熱パネル - Google Patents

断熱リフォーム方法及び断熱リフォーム用断熱パネル Download PDF

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Description

本発明は、既存の住宅について断熱効果を高めるようにリフォームする断熱リフォーム方法及びその方法に使用される断熱リフォーム用断熱パネルに関するものである。
近年、既存住宅に対しては、リフォーム時に断熱工事を併せて行う例が多い。
最も優れた断熱工事は、躯体の外壁に断熱材を施工した外断熱と称される断熱構法である。
しかし、集合住宅では一般に区分所有権の及ぶ範囲は、躯体の内側に限定されるので、躯体の外側に実施する外断熱は、大規模修繕等の場合しか実施できない。また、戸建住宅では、このような制約は無いものの、外断熱を行う場合には、足場施工や保護シート設置等、大掛かりな下準備を行う必要があるので、容易には実施できない。
従って、一般的にはリフォームで断熱工事を行う場合は、内断熱と称される躯体の内側に断熱材を施工する工事が実施される。
具体的には、以下に示すような施工方法が採られている。
(1)既存壁材を撤去後、グラスウール等の断熱材を間柱間に施工し、再び壁材を施工する(あるいは一体化された断熱パネルを施工する)方法(例えば、特許文献1,2,3参照)
この方法は、ごく一般的な断熱リフォーム方法であり、施工の前後で壁の厚さが変わらないので部屋が狭くなることは無い。また、断熱材を予め決められた位置に正確に施工可能なので、未施工の部分が残ることも少ない。
(2)既存壁材に穿孔し、この孔から壁裏の空隙にウレタン液を注入し、発泡・硬化させて断熱層を形成させるようにした断熱材施工方法(例えば、特許文献4参照)
この方法は、既存壁材を撤去することなくそのままなので、廃棄物が発生せず、しかも比較的短時間で施工可能である。また、施工時に騒音や振動、埃等は殆ど発生しない。
(3)既存壁材上に胴縁を間をおいて複数設置し、胴縁間に断熱材を設置した上で壁材を設置する施工方法(例えば、特許文献4参照)
この方法は、既存壁材を撤去することなくそのままなので、廃棄物が発生せず、しかも比較的短時間で施工可能である。また、施工時に騒音や振動、埃等は殆ど発生しない。
(4)既存壁材上に断熱材と壁材を一体化したパネルを設置する施工方法(例えば、特許文献5参照)
この方法は、既存壁材に断熱材と壁材を一体化したパネルを張るだけでよいので、施工が極めて簡単で施工時間も短い。壁材としては、プラスターボードが使用される場合が多い。
特開昭55−091656号公報 特開平10−018462号公報 特開平08−093132号公報 特許第3872272号公報 特開2000−170278号公報
しかしながら、従来の既存の住宅における断熱リフォーム工事に関しては、以下の問題点があった。
(1)既存壁材を撤去後、断熱材を間柱間に施工し、再び壁材を施工する方法では、既存壁材の撤去,廃材の搬出,断熱材の施工,壁材の施工と多くの工程があるので施工時間が長くなるとともに、廃棄物も大量に発生し、騒音や振動,埃等も多い。
特に既存壁材の撤去,廃材の搬出の際には専用の廃棄物運搬車が来て、リフォーム工事の最初の段階で纏めて行うのが一般的であるので、リフォーム工事を行う数部屋が同時に使用不能になるケースが多い。
よって、居住しながらの工事は、居住者にとって忍耐を必要とするので、ストレスから体調不良に陥る恐れもあるので、リフォーム工事が長期間に渡る場合には一時仮住居に転居を勧める場合もある。またリフォーム工事中には近隣にも多大な迷惑を掛けてしまうといった問題もある。
さらに、釘等が残ってしまう間柱については、場合によっては新品と交換する必要がある。
(2)既存壁材に穿孔し、この孔からウレタン液を注入して断熱層を形成する施工方法では、断熱材が確実に施工されたか否か確認することができず、未施工の部分が残ってしまうという危険性がある。また、ウレタン液が硬化する段階では有機溶剤臭があるので換気が必要であり、有機溶剤臭に過敏な人は居住が困難である。
また、ウレタンは接着性能があるので、壁材,間柱,配線その他壁内部に存在する物が全て発泡ウレタンで包まれて接着一体化され、後日、再度のリフォームが必要になった場合には壁材のみを撤去,交換しようとしても極めて困難である。
さらに、ウレタンフォームは、壁に穿孔した孔にノズルを差し込んで注入されるので、注入位置は容易に決められ、施工が容易で複雑な形状への対応も可能であるが、注入発泡時に確実に隅々まで行き渡らせるのは極めて困難であり、位置によっては発泡ムラが生じる場合もある。また、ウレタンに対して難燃化処理も可能であるが基本的に可燃材であるので限界がある。
(3)既存壁材上に胴縁を設置し、胴縁間に断熱材を設置した上で壁材を設置する施工方法では、断熱性能を高めるためには胴縁を大型としてその間に厚い断熱材を施工することが望ましいが、あまり厚くすると部屋がそれだけ狭くなってしまう。
胴縁間に設置される断熱材としてはグラスウールが使用されるが、一般的なグラスウールでは、必要な断熱性能を確保するためには最低でも50ミリメートル(mm)程度の厚さが必要となるので、その分、部屋がどうしても狭くなり、また、開口枠等との納まりの問題も生じてしまう。グラスウールを薄くすれば断熱性能が低下することは明らかであるので、断熱リフォーム工事の意味が無くなってしまう。
さらに、グラスウールは、隙間等に対して手で押し込むようにして施工すれば未施工の部分が残ることも少なく、不燃かつ安価で一般的に使用されているが、長期間の使用で水分を含むと潰れて断熱効果を喪失してしまうし、壁に使用した場合、脱落して壁の下部に溜ることもある。また、素手で扱うと微細破片が刺さって痛痒感があり、微細粉末を吸い込むと有害である。また、ふわふわしているので正確なサイズに切断することは困難であるとともに、工事中に一旦濡れると乾燥が困難で後日、カビの発生や腐朽の原因となる。
(4)既存壁材上に断熱材と壁材を一体化したパネルを設置する施工方法では、部材数が多くなるので構造が複雑で重量がある。
また、仕上げの化粧壁材の種類によってはパネルに一体化された壁材が無駄になってしまうこともある。例えば、板状の化粧壁材を施工する場合、化粧壁材を枠材に固定するので下地のプラスターボードは無駄になってしまうし、また、キッチン等内装の制限を受ける場所において、下地にMDFや合板(いずれも可燃材)を用いた場合はその上に重ねて不燃板を施工する必要が生じるのでこれも無駄になってしまう。そして、この無駄な厚さ分だけさらに部屋が狭くなってしまうという問題がある。
さらに、壁材として使用されるプラスターボード、薄い合板やMDF(厚さ3〜6ミリメートル(mm)程度)では、釘,ステープル,ビス等の効きが悪く、ボードアンカー等の特殊金具を必要とする場合がある。特に、プラスターボードは不燃性なのでよく使用されるが、割れ易く重量が嵩むという欠点を有する。
そこで、本発明の目的とするところは、断熱材の厚さを薄くするとともに簡易かつ断熱効果の高いリフォームを行うことができる断熱リフォーム方法及び断熱リフォーム用断熱パネルを提供することにある。
本発明の請求項1に記載の断熱リフォーム方法は、水平に延び、上下方向に所定の間隔で複数配された横桟木(11)と、少なくとも前記横桟木(11)間に配された矩形状で厚さが25ミリメートル(mm)以下でフェノールフォームを含む断熱材(21,22)(真空断熱材を除く)が一体化され、前記断熱材(21,22)の表面及び裏面は前記横桟木(11)の配置部分を除いて露出してなるもので、前記断熱材(21,22)を、最上位の横桟木(11)の上面より上方に突出しかつ最下位の横桟木(11)の下面より下方に突出するようにしてなるリフォーム用の断熱パネル(10)を、前記断熱材(21,22)の部分を僅かに切断することで高さ方向の微調整を行うようにして、リフォーム用の断熱パネル(10)を、既存の壁(1)又は既存の天井(2)の室内側に既存の壁(1)又は既存の天井(2)を撤去することなく重ねて施工することを特徴とする。
また、本発明の請求項2に記載の断熱リフォーム用断熱パネルは、既存の壁(1)又は既存の天井(2)の室内側に既存の壁(1)又は既存の天井(2)を撤去することなく重ねて施工されるリフォーム用の断熱パネル(10)であって、
水平に延び、上下方向に所定の間隔で複数配された横桟木(11)と、少なくとも前記横桟木(11)間に配された矩形状で厚さが25ミリメートル(mm)以下でフェノールフォームを含む断熱材(22(真空断熱材を除く)が一体化されてなり、前記断熱材(22)の表面及び裏面は前記横桟木(11)の配置部分を除いて露出したもので、
前記断熱材(22)は、一枚のパネルでありその表面側には、水平に延び、前記横桟木(11)が嵌め込まれる溝(22a)が上下方向に前記所定の間隔で設けられてなり、前記横桟木(11)のうち最上位の横桟木(11)の位置よりも上方及び最下位の横桟木(11)の位置よりも下方には、前記断熱材(22)が存在するとともに、
前記横桟木(11)の高さ方向の幅よりも小さい量で、前記断熱材(22)は、前記最上位の横桟木(11)より上方に突出しかつ前記最下位の横桟木(11)より下方に突出するようにして、切断により高さ方向の長さを調整可能にしたことを特徴とするあることを特徴とする。
また、請求項3に係る発明は、既存の壁(1)又は既存の天井(2)の室内側に既存の壁(1)又は既存の天井(2)を撤去することなく重ねて施工されるリフォーム用の断熱パネル(10)であって、
水平に延び、上下方向に所定の間隔で複数配された横桟木(11)と、少なくとも前記横桟木(11)間に配された矩形状で厚さが25ミリメートル(mm)以下でフェノールフォームを含む断熱材(21(真空断熱材を除く)が一体化されてなり、前記断熱材(21)の表面及び裏面は前記横桟木(11)の配置部分を除いて露出したもので、
前記断熱材(21)は、複数のパネルで前記横桟木(11)と上下方向に交互に設けられてなり、前記横桟木(11)のうち最上位の横桟木(11)の位置よりも上方及び最下位の横桟木(11)の位置よりも下方には、前記断熱材(21)が存在するとともに、前記横桟木(11)の左右両端側に上下に延びる縦桟木(12)を配して前記横桟木(11)及び前記断熱材(21)と一体化し、
前記縦桟木(12)の上面より最上位の断熱材(21)が上方に突出し、前記縦桟木(12)の下面より最下位の断熱材(21)が下方に突出するようにして、切断により高さ方向の長さを調整可能にしたことを特徴とする。
また、請求項4に係る発明は、既存の壁(1)又は既存の天井(2)の室内側に既存の壁(1)又は既存の天井(2)を撤去することなく重ねて施工されるリフォーム用の断熱パネル(10)であって、
水平に延び、上下方向に所定の間隔で複数配された横桟木(11)と、少なくとも前記横桟木(11)間に配された矩形状で厚さが25ミリメートル(mm)以下でフェノールフォームを含む断熱材(22(真空断熱材を除く)が一体化されてなり、前記断熱材(22)の表面及び裏面は前記横桟木(11)の配置部分を除いて露出したもので、
前記断熱材(22)は、一枚のパネルでありその表面側には、水平に延び、前記横桟木(11)が嵌め込まれる溝(22a)が上下方向に前記所定の間隔で設けられてなり、前記横桟木(11)のうち最上位の横桟木(11)の位置よりも上方及び最下位の横桟木(11)の位置よりも下方には、前記断熱材(22)が存在するとともに、前記横桟木(11)の左右両端側に上下に延びる縦桟木(12)を配して前記横桟木(11)及び前記断熱材(22)と一体化し、
前記断熱材(22)は、前記縦桟木(12)の上面より上方に突出しかつ前記縦桟木(12)の下面より下方に突出するようにして、切断により高さ方向の長さを調整可能にしたことを特徴とする。
また、請求項5に係る発明は、既存の壁(1)又は既存の天井(2)の室内側に既存の壁(1)又は既存の天井(2)を撤去することなく重ねて施工されるリフォーム用の断熱パネル(10)であって、
水平に延び、上下方向に所定の間隔で複数配された横桟木(11)と、少なくとも前記横桟木(11)間に配された矩形状で厚さが25ミリメートル(mm)以下でフェノールフォームを含む断熱材(22(真空断熱材を除く)が一体化されてなり、前記断熱材(22)の表面及び裏面は前記横桟木(11)の配置部分を除いて露出したもので、
前記横桟木(11)の左右両端側に上下に延びる縦桟木(12)を配して前記横桟木(11)及び前記断熱材(22)と一体化するとともに、前記最上位の横桟木(11)及び最下位の横桟木(11)を前記断熱材(22)よりも左右両端に突出するようにして、前記縦桟木(12)の上部及び下部に固定し、
前記横桟木(11)のうち最上位の横桟木(11)の位置よりも上方及び最下位の横桟木(11)の位置よりも下方には、前記断熱材(22)が存在するようにして、切断により高さ方向の長さを調整可能にしたことを特徴とする。
なお、本発明で記載した「断熱材」には、例えば、フェノールフォームの表面にガラス複合紙やアルミニウム面材を貼ったもののように、断熱素材を被覆してなる部材も含まれることを意味する。よって、請求項に記載の「露出」とは断熱素材だけが露出することを意味するものではない。また、「矩形状」には、長方形とともに正方形も含まれることを意味する。
ここで、上記括弧内の記号は、図面および後述する発明を実施するための形態に掲載された対応要素または対応事項を示す。
本発明の断熱リフォーム方法及び断熱リフォーム用断熱パネルによれば、既存の壁を撤去することなく、横桟木と断熱材を一体化してなる断熱リフォーム用断熱パネルを既存の壁の室内側から重ねて施工するだけで断熱リフォームを行うことができるので、筋交いや壁内部の電気配線等に使用を制限されることがなく、また、廃棄物はほとんど発生しないし、既存の壁を撤去する手間が掛からないので、施工は容易であり施工時間は短い。
また、断熱リフォーム用断熱パネルは、横桟木と断熱材だけからなるものであり、これに対して断熱材を覆うように壁材は設けられていないので、重量が軽く運搬にも都合がよい。また、壁材が一体化されていないので断熱リフォーム用断熱パネルを既存の壁に施工した後、化粧壁材の種類によって最適な壁材を選択して取付けことができる。また、後日、再度のリフォーム等で壁材のみを撤去したり、交換することが可能である。また、壁材としてはプラスターボードがよく使用されるが、プラスターボードは重く割れ易い為、壁面の高さよりも短い寸法で生産、販売されるのが一般的であり、それと一体化させることを考えると断熱材も壁面の高さより短い寸法にしなくてはならないので、壁面の上下にそれぞれ貼ることとなり、胴縁を設置するなど施工の工数が増加するが、本発明では壁面の高さのものでもよいので、施工は容易である。
また、使用される断熱リフォーム用断熱パネルにおいて断熱材は、フェノールフォームを含むものからなりその厚さは25ミリメートル(mm)以下であるので、一般的なグラスウールと比較して厚さを1/2以下にすることができ、部屋を極端に狭くすることもない。
また本発明によれば、断熱材を一枚のパネルとしてその表面側に形成した溝に横桟木を嵌め込むようにしたので、断熱リフォーム用断熱パネルの裏面側は全面が断熱材となる。このように断熱材は切れ目なく連続して設けられることになるので、断熱材よりも熱伝導率の高い横桟木が断熱リフォーム用断熱パネルの表面側から裏面側までつながっている箇所がなくなり、その分、断熱性能は高められる。
なお、溝の形成方法については特に限定されるものではなく、例えば一枚のパネルを後で削って溝を形成したり、断熱材を製造するときに型成形することによって溝を形成する方法等がある。
また本発明によれば、断熱材を複数のパネルからなるものとして、パネルと横桟木を上下方向に交互に設けるようにしたので、断熱リフォーム用断熱パネルの製造は、一枚のパネルから溝を削って形成する場合と比較して断熱材の無駄が生じない。
また本発明によれば、最上位の横桟木の位置よりも上方又は最下位の横桟木の位置よりも下方には、断熱材の部分を残すようにしたので、最上位の断熱材の部分または最下位の断熱材の部分を僅かに切断することで高さ方向の微調整を容易に行うことができるとともに、最上位及び最下位の部分が当接する天井及び床側に多少の凹凸などがあっても断熱材の柔軟性(弾力性)によって凹凸が吸収される。
また本発明によれば、横桟木の左右両端側に上下に延びる縦桟木を配して横桟木及び断熱材と一体化したので、断熱リフォーム用断熱パネルの強度を十分保つことができる。
なお、本発明の断熱リフォーム方法及び断熱リフォーム用断熱パネルのように、既存の壁を撤去することなく、断熱材と横桟木あるいはこれに加えて縦桟木からなる断熱パネルを壁に重ねて施工する点は、上述した特許文献1乃至5には全く記載されていない。
本発明の実施形態に係る断熱リフォーム用断熱パネルを示す斜視図である。 図1に示す断熱リフォーム用断熱パネルの施工方法を示す縦断面図である。 本発明の実施形態に係る別の断熱リフォーム用断熱パネルを示す斜視図である。 本発明の実施形態に係るさらに別の断熱リフォーム用断熱パネルを示す斜視図である。 本発明の実施形態に係るさらに別の断熱リフォーム用断熱パネルの要部を示す側面図である。 本発明の実施形態に係るさらに別の断熱リフォーム用断熱パネルを示す斜視図である。 本発明の実施形態に係るさらに別の断熱リフォーム用断熱パネルを示す斜視図である。 本発明の実施形態に係るさらに別の断熱リフォーム用断熱パネルを示す正面図である。 図8のA−A線拡大断面図である。 図8のB−B線拡大断面図である。 本発明の実施形態に係るさらに別の断熱リフォーム用断熱パネルを示す正面図である。 図11のC−C線拡大断面図である。 本発明の実施形態に係るさらに別の断熱リフォーム用断熱パネルを示す斜視図である。 本発明の実施形態に係るさらに別の断熱リフォーム用断熱パネルの要部を示す拡大斜視図である。 本発明の実施形態に係るさらに別の断熱リフォーム用断熱パネルの図9に相当する部分を示す拡大断面図である。
図1及び図2を参照して、本発明の実施形態に係る断熱リフォーム用断熱パネル10及びその断熱パネル10を利用した断熱リフォーム方法を説明する。
断熱リフォーム用断熱パネルとしては、壁1用、天井2用の各種があり、それぞれサイズが異なるが、複数の横桟木11と断熱材21を一体化したという点では共通する。
壁用の断熱リフォーム用断熱パネル10は、図1に示すように、横桟木11と断熱材21だけから構成されるものであり、複数の横桟木11と複数の断熱材21が上下方向に交互に設けられている。よって、断熱リフォーム用断熱パネル10は、壁材(壁下地材)の部分で表面及び裏面が覆われるものではなく、断熱材21の表面及び裏面は横桟木11の配置部分を除いて露出している。
横桟木11は、水平に延び、上下方向に所定の間隔Sで複数、ここでは計7本配されていて、上下に隣接する横桟木11間にパネル状の断熱材21(ここでは6枚)が配されている。また、横桟木11の厚さと断熱材21の厚さは略同一であり、全体として平面状の断熱パネル10が形成されている。
各横桟木11と各断熱材21は、接着剤で一体化されているが、断熱リフォーム用断熱パネル10は、図2に示すように、この上に施工される壁材30の内部に取り込まれるので、これらの部材の接着は、強固に行う必要はなく運搬及び施工時に破損しない程度であれば十分である。
そして、各横桟木11と各断熱材21の固定方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、接する面同士を単純に接着剤で接着したり、不織布や麻布のような薄い繊維シートを使用して横桟木11と断熱材21の境界を表裏両面からあるいは片面から接着したり、あるいは、型枠内に横桟木11を所定の間隔Sで配置し、空間内にフェノール樹脂などを流し込んで発泡固定させてもよい。また、横桟木11と断熱材21をダボと接着剤を併用して固定したり、横桟木11にステープルなどで細い突出部を設け、それに断熱材21を減り込ませ、接着剤を併用して固定したり、さらには、横桟木11と断熱材21の双方に実を設け、あるいは雇い実を用い、接着剤を併用して固定してもよい。
断熱材21は、難燃性に優れるもので、しかも施工しても部屋が狭くならないように、矩形状(長方形のものだけでなく正方形のものも含まれる)で厚さが薄く25ミリメートル(mm)以下のもの、さらには20ミリメートル(mm)以下のものが好ましい。ここでは、厚さ15ミリ程度のフェノールフォームを含む断熱材21を使用している。
この断熱材21は、フェノールフォームという断熱素材の表面にガラス複合紙を貼ったもので、厚さ15ミリメートル(mm)程度で、厚さ50ミリメートル(mm)程度のグラスウールに匹敵する断熱性能が得られる上に、ボード状で形が整っているので、天井付近に合わせて施工する場合、グラスウールのように天井付近に押し込むために脚立を用意して昇降する必要もないし、また、経年変化によって潰れて断熱性能が低下してしまうこともない。しかも、フェノールフォームからなる断熱材21は、寸法を合わせて切断する場合も、ナイフ,鋸等で正確かつ簡単に切断可能である。また、フェノールフォームは、材料の燃えやすさの指標の一つとして示される酸素指数で表現した場合、28〜32であり、酸素指数が18の一般的なポリスチレンフォームや20〜21のポリウレタンフォームと比較して難燃性に優れるものであり、さらにフェノールフォームは、火災時には有毒ガスを発せず、発煙量も少ない。
この断熱リフォーム用断熱パネル10の高さは、天井の高さ(2100〜2400ミリメートル(mm))に合わせたサイズとすることもできるし、運搬や取扱いの容易な1800ミリメートル(mm)のサイズにすることもできる。特に、わが国の木造住宅では、基本とするモジュールが柱芯々間の距離を3尺(909ミリメートル(mm))にする場合が多いが1000ミリメートル(mm)の物件もあるので、これと壁の厚さや床・天井の厚さの影響を考慮に入れれば施工現場で、断熱材21の部分を切断することで容易に微調整可能である。また、横桟木11を設けることによりどのようなモジュール、どのような間柱のピッチ(1尺、1.5尺)でも対応可能である。
次に、これらの断熱リフォーム用断熱パネル10を使用した断熱リフォーム方法について図2を参照して説明する。この断熱リフォームは、部屋単位で行う。
まず、断熱リフォームを行う部屋の家具等を撤去する。
次に、既存内装の壁1・天井2・床3のチェックを行い、剥離・破損等の不具合を補修する。なお、この補修は、各種断熱リフォーム用断熱パネル10を垂直または水平に、既存壁(既存内装壁)1などと隙間なく設置できるようにするだけでよい。
壁1にあるコンセント、スイッチ、エアコン、照明等の器具は、基本的には一旦撤去して、断熱リフォーム用断熱パネル10の施工後に再度取り付ける。しかし、場合によってはそのままにして、コンセント等の周囲に断熱リフォーム用断熱パネル10を切断したものを施工することも考えられる。
次に、断熱リフォーム用断熱パネル10を施工する。このとき、既存壁1を撤去する必要は無く、そのままこの上に既存壁1と同じ高さの壁用の断熱リフォーム用断熱パネル10を重ねて施工する。
断熱リフォーム用断熱パネル10の既存壁1への固定は、主にネジや釘、ステープル、フィニッシュネイルを使用するが、要所をウレタン等の接着剤で固定するようにしてもよい。
次に、嵌め込まれ断熱リフォーム用断熱パネル10の上から、別途準備された壁材30を施工する。壁材30として一般的なプラスターボードを使用する場合には、ネジで既存壁1の下地材(柱、間柱等)に固定する。好ましくは既存壁1の下地材の位置で、かつ断熱リフォーム用断熱パネル10の横桟木11のある箇所で固定するのが良いが、断熱リフォーム用断熱パネル10の横桟木11がない箇所で固定されるところがあってもよい。
なお、壁材30としてはプラスターボードの他、合板,MDF等の繊維板,LVL等他の木質材料を用いても差し支えない。ここでは、上方から1/3のところと、それより下の部分で別かれた2つの壁材30を使用したが、特に限定されるものではない。
そして、パテ埋め等の下地調整(図示しない)を施した後、固定された壁材30の上に壁紙等の壁仕上げ材40を施工する。
なお、壁材30として厚手の羽目板のような下地材が不要な場合は、壁仕上げ材40を直接、断熱リフォーム用断熱パネル10に固定するようにしてもよい。
以上によって断熱リフォーム工事は完了する。
このように構成された断熱リフォーム用断熱パネル10及び断熱リフォーム方法によれば、既存の壁1における仕上げ材を撤去することなく、横桟木11と断熱材21を一体化してなる断熱リフォーム用断熱パネルを既存の壁の室内側から重ねて施工するだけで断熱リフォームを行うことができるので、廃棄物はほとんど発生しないし、既存の壁1を撤去する手間が掛からないので、施工は容易であり施工時間は短い。
また、断熱リフォーム用断熱パネル10は、横桟木11と断熱材21だけからなるものであり、これに対して断熱材21を覆うように壁材30は設けられていないので、重量が軽く運搬にも都合がよい。また、壁材30が一体化されていないので断熱リフォーム用断熱パネル10を既存の壁1に施工した後、壁材30として化粧壁材の種類によって最適なものを選択して取付けことができる。また、後日、再度のリフォーム等で壁材30のみを撤去したり、交換することが可能である。また、壁材30としてはプラスターボードがよく使用されるが、プラスターボードは重く割れ易い為、壁面の高さよりも短い寸法で生産、販売されるのが一般的であり、それと一体化させることを考えると断熱材も壁面の高さより短い寸法にしなくてはならないので、壁面の上下にそれぞれ貼ることとなり、胴縁を設置するなど施工の工数が増加するが、この断熱リフォーム用断熱パネル10は、壁面の高さのものでもよいので、施工は容易である。
また、断熱材21の厚さは25ミリメートル(mm)以下であるので、一般的なグラスウールと比較して厚さを1/2以下にすることができ、部屋を極端に狭くすることもない。
本発明の実施形態では、断熱リフォーム用断熱パネル10を図1で示したように、略同一の厚さを有する、複数の横桟木11と複数の断熱材21を交互に設け、最上位及び最下位の部分を横桟木11としたが、図3に示すように、断熱リフォーム用断熱パネル10の最上位及び最下位の部分を横桟木11とするのではなく断熱材21であるようにしてもよい。
これによれば、最上位の断熱材21の部分または最下位の断熱材21の部分を切断することで高さ方向の調整を容易に行うことができる。
また、断熱リフォーム用断熱パネル10の最上位及び最下位の部分が横桟木11の部位ではなく断熱材21であると、最上位及び最下位の部分が当接する天井及び床側に多少の凹凸などがあっても断熱材21の柔軟性(弾力性)によって凹凸が吸収される。
また本発明の実施形態では、断熱リフォーム用断熱パネル10を図1で示したように、略同一の厚さを有する複数の断熱材21を使用したが、図4に示すように、断熱材22を一枚のパネルとしてその表面側(断熱リフォーム用断熱パネル10を施工した場合には室内側)に形成した溝22aに横桟木11を嵌め込むようにすることもできる。上下方向における溝22a同士の間隔は、図1のものと同様に所定の間隔Sとしている。また、断熱材22に設けられた溝22a及びそれに嵌め込まれる横桟木11の厚さTは、断熱材22の厚さWの1/2よりも小さくなるようにしている。なお、横桟木11の厚さTは釘、ネジ等の頭が留まるものであればよいので、木質材に限定されるものではなく、非常に薄い樹脂製又は金属製のものであってもよい。また、溝22aの形成方法については特に限定されるものではなく、例えば一枚のパネル10を後で削って溝22aを形成したり、断熱材22を製造するときに型成形することによって溝22aを形成することができる。
図4に示した断熱リフォーム用断熱パネル10によれば、断熱リフォーム用断熱パネル10の裏面側は全面が断熱材22となり、断熱材22の領域が切れ目なく連続して設けられることになるので、図1で示したように、断熱材よりも熱伝導率の高い横桟木11が断熱リフォーム用断熱パネル10の表面側から裏面側までつながっている箇所がなくなり、その分、断熱性能は高められる。
また、断熱材22に設けられた溝22a及びそれに嵌め込まれる横桟木11の厚さTを、断熱材22の厚さWの1/2よりも小さくなるようにするので、断熱材の容積(体積)が多くなりその分、断熱性能は向上する。
ここでは、断熱材22の厚さを15ミリメートル(mm)にするのに対して横桟木11の厚さを5.5ミリメートル(mm)のものを使用した。なお、横桟木11の厚さTを、断熱材22の厚さWの1/2よりも大きく、例えば、断熱材22の厚さを15ミリメートル(mm)にするのに対して横桟木11の厚さを9ミリメートル(mm)のものを使用したとしても熱橋(ヒートブリッジ)が形成されない分、断熱効果は向上する。ただし、横桟木11が薄ければ薄いほど、より断熱効果は向上する。要は、横桟木11のところでネジ、釘、ステープル、フィニッシュネイル等の頭が留まって、壁材30ごとしっかり既存壁1に固定するまでの間、断熱リフォーム用断熱パネル10が固定されているだけの強度があれば良い。
また、図4に示した断熱リフォーム用断熱パネル10では、最上位及び最下位には断熱材22の部位が存在するようにしたが、図5で示すように、最上位及び最下位に横桟木11を設けるようにしてもよい。すなわち、図5で示したものは、図4に示した断熱リフォーム用断熱パネル10において、最上位の横桟木11を断熱リフォーム用断熱パネル10自体の最上位に設けるとともに、最下位の横桟木11を断熱リフォーム用断熱パネル10自体の最下位に設け、最上位の横桟木11と最下位の横桟木11との間に5本の横桟木11を設け、計7本の横桟木11を等間隔で配したものである。
なお、図4のようにすれば、断熱材21の部分を僅かに切断することで高さ方向の微調整を容易に行うことができる。
また、図6乃至図13に示すように、横桟木11の左右両端側に上下に延びる縦桟木12を配して、これら縦桟木12,横桟木11及び断熱材21,22を一体化することもできる。
これによれば、縦桟木12が横桟木11とともに枠材となるので、断熱リフォーム用断熱パネル10の強度を十分保つことができる。
図6に示した断熱リフォーム用断熱パネル10は、図1に示したものの左右両端側に上下に延びる縦桟木12を配して、これら縦桟木12の上面を最上位の横桟木11の上面まで設け、同様に縦桟木12の下面を最下位の横桟木11の下面まで設けるようにして、いわゆる縦勝ち状態としたものである。なお、図示は省略したが、最上位の横桟木11及び最下位の横桟木11を断熱材21よりも左右両端に突出するようにし、突出した上下の横桟木11間に縦桟木12を設けるようにして、いわゆる横勝ち状態にすることもできる。
また、図7に示した断熱リフォーム用断熱パネル10は、図3に示したものの左右両端側に上下に延びる縦桟木12を配して、これら縦桟木12の上面より最上位の断熱材21が上方になるようにし、縦桟木12の下面より最下位の断熱材21が下方になるようにしたものである。
また、図8乃至図10に示した断熱リフォーム用断熱パネル10は、図4に示した一枚のパネルからなる断熱材22に形成された溝22aに横桟木11が嵌め込まれたものの左右両端側に上下に延びる縦桟木12を配して、これら縦桟木12の上面より断熱材22の上面が上方になるようにし、縦桟木12の下面より断熱材22の下面が下方になるようにしたものである。
また、これは、縦桟木12の上面を最上位の横桟木11の上面まで設け、同様に縦桟木12の下面を最下位の横桟木11の下面まで設けるようにして、いわゆる縦勝ち状態としたものである。
また、図11及び図12に示した断熱リフォーム用断熱パネル10のように、最上位の横桟木11及び最下位の横桟木11を断熱材22よりも左右両端に突出するようにし、縦桟木12の上部及び下部に形成した切欠きに嵌め込んで、固定してもよい。なお、図示は省略したが、最上位の横桟木11及び最下位の横桟木11を除いた中間に位置する横桟木11についても断熱材21よりも左右両端に突出させ、突出した部位を嵌め込む切欠きを縦桟木12の対応する位置に形成するようにしてもよい。このような構造にすることにより、横桟木11と縦桟木12を強固に固定することができる。
なお、図8乃至図12に示した断熱リフォーム用断熱パネル10においても、図5で示したように、最上位及び最下位に横桟木11を設け、上下に断熱材22を突出させないようにしてもよい。
また、図13に示した断熱リフォーム用断熱パネル10のように、図4に示した一枚のパネルからなる断熱材22に形成された溝22aに横桟木11が嵌め込まれたもの(ここでは5本)の左右両端側に上下に延びる縦桟木12を配するとともに、最上位の横桟木11及び最下位の横桟木11だけを断熱材22の厚みと同じものを使用して、縦桟木12の上面を最上位の横桟木11の上面まで設け、同様に縦桟木12の下面を最下位の横桟木11の下面まで設けるようにしてもよい。
また、図14に示すように、断熱リフォーム用断熱パネル10の上部及び下部において、横桟木11及び縦桟木12を切欠いた切欠部11a,12aを設けて、施工時に既存の壁1に幅木や廻り縁あるいは壁紙の隆起などがある場合、これらを切欠部11a,12a内に納めて、既存壁1等と断熱リフォーム用断熱パネル10との間に隙間を生じることなく設置できるようにしてもよい。
また、図15に示すように、断熱材22に形成される溝22aをあり溝とするとともに、そのあり溝に嵌め込まれる横桟木11の断面形状についてもあり溝に対応した断面形状として、断熱材22に対して横桟木11を左右方向から差し込んで嵌め込むようにしてもよい。
また、本実施形態では、既存の壁1に断熱リフォームを施したが、例えば既存の天井2に対して行なっても一定の断熱効果は得られる。
また、マンション等の集合住宅の一つの部屋に対して本実施形態に係る断熱リフォームを行う場合、隣の部屋との境界である壁1は、コンクリート駆体の上に団子状の樹脂モルタルを介して接着施工されたプラスターボードからなる既存の壁が主流となっていて、このような壁1に本実施形態で記載した断熱リフォーム用断熱パネル10を施工することとなる。
また、本実施形態では、断熱材としてフェノールフォームを使用したが、ボード状で、しかも薄くても高い断熱性能が得られるものであれば良い。好ましくは、酸素指数26以上の難燃性に優れるものが良い。また設置場所によっては、国土交通省が不燃材料と認定した断熱材を用いることもできる。このような断熱材を使用し、断熱リフォーム用断熱パネルとしても不燃材料の認定を受ければ、図2で示したような壁材30を用いず、壁紙等の壁仕上げ材40を直接、断熱リフォーム用断熱パネルに貼って仕上げることもできる。この場合、壁材30がない分、より薄い僅かなスペースで断熱リフォームが可能となる。また、逆に、例えば、15ミリメートル(mm)の断熱パネルと9.5ミリメートル(mm)のプラスターボードを用いる場合と同じ厚さとなる24.5ミリメートル(mm)に断熱材パネルの厚さを増せば、断熱パネルの厚さは1.5倍以上となるので、より断熱効果の高いリフォームを行うことができる。
また、例えば、価格が極めて高く慎重に取扱う必要があるが、真空断熱材などを使用することも可能である。
なお、薄くても高い断熱性能が得られる断熱材としての諸条件を考えると、Eランク(熱伝導率0.028〜0.023)以下の熱伝導率である断熱材を用いることが好ましい。また、より好ましくは、Fランク(熱伝導率0022以下)のA種フェノールフォーム保温板1種1号,2号等を断熱材として用いれば、薄くても断熱性能が得られるとともに、不燃性能も得られる。Cランク(熱伝導率0.040〜0.035)の断熱材と比較すると、Eランクの断熱材であれば7割程度、Fランクの断熱材であれば5割程度あるいはそれ以下の厚みで同等の断熱性が得られる。一方、グラスウール、ロックウール等は不燃性能に優れるが、Cランク、良くてもDランク(熱伝導率0.034〜0.029)程度の断熱性能しか得られないのであまり好ましいとは言えない。それに対し、ポリスチレンフォーム、硬質ウレタンフォームといった断熱材は、不燃性能に劣るものの、Eランク程度の断熱性能を得られるものもあるので、用いることができる。ただし、今のところ、断熱性能、不燃性能、吸湿性能、防湿性能、加工性等の観点から、フェノールフォームが断熱材として最も好ましい。
ここでいう、C,D,E,Fの各ランクとは、独立行政法人住宅金融支援機構の断熱材区分におけるランクである。
本実施形態においては、その断熱材区分がFランク(熱伝導率0.022以下)のA種フェノールフォーム保温板1種2号を断熱材21,22として使用した。
1 壁
2 天井
3 床
10 壁用の断熱リフォーム用断熱パネル(断熱パネル)
11 横桟木
11a 切欠部
12 縦桟木
12a 切欠部
21 断熱材
22 断熱材
22a 溝
30 壁材
40 壁仕上げ材

Claims (5)

  1. 水平に延び、上下方向に所定の間隔で複数配された横桟木と、少なくとも前記横桟木間に配された矩形状で厚さが25ミリメートル(mm)以下でフェノールフォームを含む断熱材(真空断熱材を除く)が一体化され、前記断熱材の表面及び裏面は前記横桟木の配置部分を除いて露出してなるもので、前記断熱材を、最上位の横桟木の上面より上方に突出しかつ最下位の横桟木の下面より下方に突出するようにしてなるリフォーム用の断熱パネルを、前記断熱材の部分を僅かに切断することで高さ方向の微調整を行うようにして、既存の壁又は既存の天井の室内側に既存の壁又は既存の天井を撤去することなく重ねて施工することを特徴とする断熱リフォーム方法。
  2. 既存の壁又は既存の天井の室内側に既存の壁又は既存の天井を撤去することなく重ねて施工されるリフォーム用の断熱パネルであって、
    水平に延び、上下方向に所定の間隔で複数配された横桟木と、少なくとも前記横桟木間に配された矩形状で厚さが25ミリメートル(mm)以下でフェノールフォームを含む断熱材(真空断熱材を除く)が一体化されてなり、前記断熱材の表面及び裏面は前記横桟木の配置部分を除いて露出したもので、
    前記断熱材は、一枚のパネルでありその表面側には、水平に延び、前記横桟木が嵌め込まれる溝が上下方向に前記所定の間隔で設けられてなり、前記横桟木のうち最上位の横桟木の位置よりも上方及び最下位の横桟木の位置よりも下方には、前記断熱材が存在するとともに、
    前記横桟木の高さ方向の幅よりも小さい量で、前記断熱材は、前記最上位の横桟木より上方に突出しかつ前記最下位の横桟木より下方に突出するようにして、切断により高さ方向の長さを調整可能にしたことを特徴とする断熱リフォーム用断熱パネル。
  3. 既存の壁又は既存の天井の室内側に既存の壁又は既存の天井を撤去することなく重ねて施工されるリフォーム用の断熱パネルであって、
    水平に延び、上下方向に所定の間隔で複数配された横桟木と、少なくとも前記横桟木間に配された矩形状で厚さが25ミリメートル(mm)以下でフェノールフォームを含む断熱材(真空断熱材を除く)が一体化されてなり、前記断熱材の表面及び裏面は前記横桟木の配置部分を除いて露出したもので、
    前記断熱材は、複数のパネルで前記横桟木と上下方向に交互に設けられてなり、前記横桟木のうち最上位の横桟木の位置よりも上方及び最下位の横桟木の位置よりも下方には、前記断熱材が存在するとともに、前記横桟木の左右両端側に上下に延びる縦桟木を配して前記横桟木及び前記断熱材と一体化し、
    前記縦桟木の上面より最上位の断熱材が上方に突出し、前記縦桟木の下面より最下位の断熱材が下方に突出するようにして、切断により高さ方向の長さを調整可能にしたことを特徴とする断熱リフォーム用断熱パネル。
  4. 既存の壁又は既存の天井の室内側に既存の壁又は既存の天井を撤去することなく重ねて施工されるリフォーム用の断熱パネルであって、
    水平に延び、上下方向に所定の間隔で複数配された横桟木と、少なくとも前記横桟木間に配された矩形状で厚さが25ミリメートル(mm)以下でフェノールフォームを含む断熱材(真空断熱材を除く)が一体化されてなり、前記断熱材の表面及び裏面は前記横桟木の配置部分を除いて露出したもので、
    前記断熱材は、一枚のパネルでありその表面側には、水平に延び、前記横桟木が嵌め込まれる溝が上下方向に前記所定の間隔で設けられてなり、前記横桟木のうち最上位の横桟木の位置よりも上方及び最下位の横桟木の位置よりも下方には、前記断熱材が存在するとともに、前記横桟木の左右両端側に上下に延びる縦桟木を配して前記横桟木及び前記断熱材と一体化し、
    記前断熱材は、前記縦桟木の上面より上方に突出しかつ前記縦桟木の下面より下方に突出するようにして、切断により高さ方向の長さを調整可能にしたことを特徴とする断熱リフォーム用断熱パネル。
  5. 既存の壁又は既存の天井の室内側に既存の壁又は既存の天井を撤去することなく重ねて施工されるリフォーム用の断熱パネルであって、
    水平に延び、上下方向に所定の間隔で複数配された横桟木と、少なくとも前記横桟木間に配された矩形状で厚さが25ミリメートル(mm)以下でフェノールフォームを含む断熱材(真空断熱材を除く)が一体化されてなり、前記断熱材の表面及び裏面は前記横桟木の配置部分を除いて露出したもので、
    前記横桟木の左右両端側に上下に延びる縦桟木を配して前記横桟木及び前記断熱材と一体化するとともに、前記最上位の横桟木及び最下位の横桟木を前記断熱材よりも左右両端に突出するようにして、前記縦桟木の上部及び下部に固定し、
    前記横桟木のうち最上位の横桟木の位置よりも上方及び最下位の横桟木の位置よりも下方には、前記断熱材が存在するようにして、切断により高さ方向の長さを調整可能にしたことを特徴とする断熱リフォーム用断熱パネル。
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