JP6394686B2 - 断熱リフォーム方法 - Google Patents
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Description
本発明は、建築物の既存内壁に増し張りする内壁断熱パネルを用いた断熱リフォーム方法に関する。
建築物の断熱性能を向上させる断熱リフォームの工法として、既存外壁の屋外側に断熱パネルを貼る外貼り断熱工法がある。外貼り断熱工法は、元々が外断熱工法ではない仕様の建築物を対象とする場合、外壁の通気層の外側に断熱材を施工することになり、外皮等の断熱の効果を計算上示すことが難しい上、リフォーム施工の際にも屋外に足場が必要となり大掛かりな工事となるケースが多い。
そこで、断熱リフォームの工法として、屋内側に断熱材を増し張りする内貼り断熱工法が種々提案されている(例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3)。このような内貼り断熱工法においては、工期の短縮や施工手間の低減のために、予め木下地材のフレーム内に板状の断熱材を組み込んだ断熱パネルを用意しておき、リフォーム現場ではこの断熱パネルを内壁に順次増し張りする工法が用いられることが多い(例えば、特許文献1)。
ところで、断熱リフォームする建築物は現場ごとに天井高や窓配置等が異なるため、上述のような予め木下地材のフレーム内に板状の断熱材を組み込んだ断熱パネルを用意する場合でも現場で断熱パネルの幅や高さを調整する必要がある。しかし、断熱パネルはその四周を木下地材が廻るため、断熱パネルをカットした場合、木下地材をカットした断熱パネルの端部に固定しなおす施工手間が発生する。
また、複数の断熱パネルを、左右又は上下に隣接させて内壁の屋内側に配置することになるが、当該断熱パネルの四周には木下地材が設けられているので、それぞれの断熱パネルの端部に固定されている木下地材が隣り合うように配置されるので、必要以上に木下地材が配置されることになり、断熱材が設けられていない部分が増えて断熱性能が低くなる。
そこで、本発明は、現場で簡単にカットすることができるとともに、木下地材が必要以上に配置されることがない内壁断熱パネル及び断熱リフォーム方法を提供することを目的とする。
本発明の断熱リフォーム方法は、断熱リフォームの際に建築物の既存内壁に増し張りする第一内壁断熱パネル及び第二内壁断熱パネルを用いた内壁断熱リフォーム方法であって、前記第一内壁断熱パネルは、平板状の断熱ボードと、当該断熱ボードの左右いずれか一辺及び下辺にのみ設けられる外周下地枠とを備え、前記第二内壁断熱パネルは、平板状の断熱ボードと、当該断熱ボードの下辺にのみ設けられる外周下地枠とを備えており、前記既存内壁の上縁に横桟を固定する工程と、前記既存内壁に形成された開口部の左右両側にそれぞれ開口部鉛直材を配置する工程と、前記開口部鉛直材間を除いて前記横桟の下の前記既存内壁の屋内側に、前記第一内壁断熱パネルを固定する工程と、前記開口部鉛直材間であって前記開口部の上側の前記既存内壁の屋内側に、前記第二内壁断熱パネルを固定する工程とを有し、隣り合う前記第一内壁断熱パネルの互いに対向する端部には、一方に外周下地枠が設けられているとともに、他方に外周下地枠が設けられていないことを特徴としている。
本発明の断熱リフォーム方法は、前記第一内壁断熱パネル又は前記第二内壁断熱パネルの前記外周下地枠が設けられていない側を切断することにより、当該第一内壁断熱パネル又は当該第二内壁断熱パネルの幅又は高さを調整する工程をさらに有することを特徴としている。
本発明の断熱リフォーム方法は、前記横桟及び前記第一内壁断熱パネル及び前記第二内壁断熱パネルの前記外周下地枠に石膏ボードを固定する工程をさらに有することを特徴としている。
本発明の断熱リフォーム方法によると、既存内壁の上縁又は下縁に横桟を固定する他は、内壁断熱パネルを順次既存内壁の屋内側に固定するだけで、内壁断熱パネルの増し張り作業を行うことができる。また、隣り合う前記内壁断熱パネルの互いに対向する端部には、一方に外周下地枠が設けられているとともに、他方に外周下地枠が設けられていないので、必要最小限の外周下地枠のみを配置することができ、断熱性能を向上させることができる。
本発明の断熱リフォーム方法によると、内壁断熱パネルの幅や高さを調整する場合に、当該内壁断熱パネルの外周下地枠が設けられていない側を切断することで、簡単に内壁断熱パネルの幅や高さを調整することができる。
本発明の断熱リフォーム方法によると、石膏ボードを予め内壁断熱パネルに固定しておくのではなく、内壁断熱パネルを既存内壁に固定した後に石膏ボードを固定するので、施工前の内壁断熱パネルを軽量化することができ、リフォーム工事の際の取り回しに優れる。また、石膏ボードが貼り付いていないことで内壁断熱パネルの幅や高さの調整を容易に行うことができる。さらに、例えば、手摺、エアコン、床の間飾りなどを設置するために内壁を補強したい場合に内壁断熱パネルと石膏ボードとの間に簡単に合板を固定することができる。
以下、本発明に係る内壁断熱パネル及び断熱リフォーム方法の最良の実施形態について、各図を参照しつつ説明する。本実施形態の内壁断熱パネルは、断熱リフォームの際に建築物の既存内壁6の屋内側に増し張りする内壁断熱パネルである。内壁断熱パネルは固定する位置に応じて寸法が異なる複数のものが用意されているが、大別すると、下辺及び屋内側から見て右辺に外周下地枠が設けられた第一内壁断熱パネル1と、下辺のみに外周下地枠が設けられた第二内壁断熱パネル2とに分けることができる。以下、それぞれについて説明する。
〔第一内壁断熱パネル〕
まず、図1から図3に基づいて、第一内壁断熱パネル1について説明する。第一内壁断熱パネル1は、矩形平板状で左右の2枚に分割される断熱ボード3と、左右の断熱ボード3の間に高さ方向に設けられる中間下地枠4と、第一内壁断熱パネル1の下辺及び屋内側から見て右辺に設けられる外周下地枠5と、これらを覆う防湿シートと、を備える。
まず、図1から図3に基づいて、第一内壁断熱パネル1について説明する。第一内壁断熱パネル1は、矩形平板状で左右の2枚に分割される断熱ボード3と、左右の断熱ボード3の間に高さ方向に設けられる中間下地枠4と、第一内壁断熱パネル1の下辺及び屋内側から見て右辺に設けられる外周下地枠5と、これらを覆う防湿シートと、を備える。
第一内壁断熱パネル1は、高さ方向の長さが既存内壁6の床から天井のほぼ全高を覆うことができるように、例えば2500mm程度の長さであり、また、幅方向の長さは当該第一内壁断熱パネル1を固定する下地となる既存内壁6の下地材のピッチによるが、例えば1000mm程度である。第一内壁断熱パネル1の高さ及び幅方向の長さは、建築物の既存内壁6の仕様に応じて固定のしやすさなどを考慮して決定される。
断熱ボード3は、例えばフェノール樹脂を発泡硬化させた矩形の平板である。なお、断熱ボード3は、これに限定されるものではなく、例えばグラスウール、ロックウール、真空断熱材などであってもよいが、好ましくは、ポリスチレン、ポリウレタン、フェノール樹脂などの材料を発泡硬化させた発泡系断熱材が好ましい。内壁の石膏ボードの裏に配置される断熱パネルであるので、ビス等が打ち込まれたとしても断熱性能が大きく低下することが無く、また、断熱ボード3自体が形状を保持できる硬さを有する材料であることが好ましい。
中間下地枠4及び外周下地枠5はそれぞれ断熱ボード3の厚さと同じ厚さを有する木製の角材である。中間下地枠4及び右辺の外周下地枠5は断熱ボード3の高さ方向の長さと同じ長さであり、下辺の外周下地枠5は2枚の断熱ボード3、中間下地枠4、右辺の外周下地枠5の幅方向の長さを足した長さに形成されている。そして、中間下地枠4及び右辺の外周下地枠5を下辺の外周下地枠5に図示しない釘で固定し、中間下地枠4を挟んで両側に断熱ボード3を配置している。そして、中間下地枠4、外周下地枠5、及び断熱ボード3で形成されたパネルの表面を防湿シートで覆って第一内壁断熱パネル1を形成している。
なお、第一内壁断熱パネル1は、中間下地枠4が1本に限定されるものではなく、2本以上の中間下地枠4がそれぞれ3枚以上に分割された断熱ボード3の間に配置される構成であってもよい。また、第一内壁断熱パネル1は、図2に示すように、中間下地枠4が全く設けられていなくても良い。例えば第一内壁断熱パネル1の幅が500mm程度である場合には、石膏ボードを固定する下地として中間下地枠4を設ける必要はない。
また、第一内壁断熱パネル1の外周下地枠5は、右辺及び下辺に設けられるものに限定されるものではなく、他の断熱材との取り合いによっては、右辺に変えて左辺に外周下地枠5を設けてもよく、又は下辺に変えて上辺に外周下地枠5を設けてもよい。
本実施形態において中間下地枠4は、その長さ方向が第一内壁断熱パネル1の高さ方向を向くように設けられているが、これに限定されるものではなく、例えば、図示しないが既存内壁6の内側に設けられている下地材が鉛直下地材である場合には、中間下地枠4は第一内壁断熱パネル1の幅方向を向くように設けられることが好ましい。すなわち、中間下地枠4は、既存内壁6に水平下地材61が設けられている場合には、中間下地枠4を高さ方向を向くように設けることで、屋内側から見て、水平下地材61と中間下地枠4とが直交し、既存内壁6に鉛直下地材が設けられている場合には、中間下地枠4の幅方向を向くように設けることで、屋内側から見て、鉛直下地材と中間下地枠4とが直交するので、この直交した部分にビス7を打ち込むことで下地材に第一内壁断熱パネル1を確実に固定することができる。
第一内壁断熱パネル1の厚さは例えば図1に示すように50mmと、図3に示すように25mmとの2種類が用意されている。第一内壁断熱パネル1は、既存内壁6の屋内側に配置するものであるので、第一内壁断熱パネル1の厚さ及び石膏ボード8の厚さの分だけリフォーム後の新たな内壁は屋内側にせり出す。したがって、例えば畳みが既存内壁6の壁際にまで設けられる和室、既存内壁6に物入れが造り付けられた玄関ホール、又は、既存内壁6と開き戸との間にあまり余裕がない部分などには、薄い第一内壁断熱パネル1を用い、リビング等の比較的内壁が屋内側にせり出す量が増えても他の部材と干渉するおそれが少ない箇所にはより断熱性能の高い厚い第一内壁断熱パネル1を用いることで、建築物の全体としての断熱性能を高めることができる。
〔第二内壁断熱パネル〕
次に、図4に基づいて、第二内壁断熱パネル2について説明する。第二内壁断熱パネル2は、図4(A)に示すように、矩形平板状で左右の2枚に分割される断熱ボード3と、左右の断熱ボード3の間に高さ方向に設けられる中間下地枠4と、第二内壁断熱パネル2の下辺に設けられる外周下地枠5と、これらを覆う防水シートと、を備える。
次に、図4に基づいて、第二内壁断熱パネル2について説明する。第二内壁断熱パネル2は、図4(A)に示すように、矩形平板状で左右の2枚に分割される断熱ボード3と、左右の断熱ボード3の間に高さ方向に設けられる中間下地枠4と、第二内壁断熱パネル2の下辺に設けられる外周下地枠5と、これらを覆う防水シートと、を備える。
第二内壁断熱パネル2は、本実施形態においては、例えば建築物の窓などの開口部99の上側又は下側の既存内壁6に増し張りする断熱パネルである。開口部9の両側には追加される額縁やサッシを支持するために鉛直方向を向いた一対の開口部鉛直材91を設けるので、第二内壁断熱パネル2は左右の辺に外周下地枠5を設けていない。
第二内壁断熱パネル2は、高さ方向の長さが既存内壁6の床から開口部9の下端までを覆う長さ、又は、既存内壁6の天井から開口部9の上端までを覆う長さに形成されている。また、第二内壁断熱パネル2は、幅は1000mmよりも僅かに小さく形成されており、開口部鉛直材91の間に隙間無く収まる長さである。なお、第二内壁断熱パネル2の高さ及び幅方向の長さは、設置される位置や建具、既存内壁6の仕様に応じて決定される。
断熱ボード3は、第一内壁断熱パネル1と同様の材料であるので説明を省略する。中間下地枠4及び外周下地枠5はそれぞれ断熱ボード3の厚さと同じ厚さを有する木製の角材である。中間下地枠4は断熱ボード3の高さ方向の長さと同じ長さであり、下辺に設けられる外周下地枠5は2枚の断熱ボード3及び中間下地枠4の幅方向の長さを足した長さに形成されている。中間下地枠4を下辺の外周下地枠5に図示しない釘で固定し、中間下地枠4を挟んで両側に断熱ボード3を配置している。そして、中間下地枠4、外周下地枠5、及び断熱ボード3で形成されたパネルの表面を防湿シートで覆って第二内壁断熱パネル2を形成している。
なお、第二内壁断熱パネル2も第一内壁断熱パネル1と同様に、中間下地枠4は1本に限定されず、2本以上の中間下地枠4が設けられていても良い。また、第二内壁断熱パネル2は図4(B)に示すように、中間下地枠4が全く設けられていなくても良い。
また、第二内壁断熱パネル2は、図4(C)(D)に示すように、設置する位置によっては予め補強合板21を屋内側の面に貼り付けておいても良い。例えば開口部9の上側に配置される第二内壁断熱パネル2は、断熱リフォームの後、カーテンテールを取り付ける必要があるので、石膏ボード8の壁内側に必ず補強合板21が必要となる。したがって、予め開口部9の上側に配置する第二内壁断熱パネル2には補強合板21を屋内側の面に固定しておいてもよい。なお、開口部9の上側以外でも例えば第一内壁断熱パネル1又は第二内壁断熱パネル2のエアコン設置面、手摺設置面などの補強が必要な箇所に予め補強合板21を固定しておいても良く、又は、現場で施工する際に補強合板21を固定しておいても良い。予め補強合板21を固定する場合には、リフォーム現場での作業工程を簡略化して作業手間の低減や工期を短縮する利点があり、現場で補強合板21を固定する場合には、部品点数の低減の利点がある。
〔断熱リフォーム方法〕
次に、以上のように形成される第一内壁断熱パネル1及び第二内壁断熱パネル2を用いた断熱リフォーム方法について、図5から図17を参照しつつ説明する。本実施形態の断熱リフォーム方法では、まず、図5及び図6に示すように、既存内壁6の上縁に横桟10をビス7で固定する。横桟10は第一内壁断熱パネル1及び第二内壁断熱パネル2と同じ厚さの角材であり、ビス7によって既存内壁6の壁内側に設けられた上縁の木下地材に固定される。なお、既存内壁6の壁内側は、図6に示すように、水平下地材61が多数設けられている。なお、本実施形態においては、第一内壁断熱パネル1の外周下地枠5は下辺に設けられているが、例えば、第一内壁断熱パネル1の外周下地枠5を上辺に設けて、横桟10は既存内壁6の下縁に固定するものであってもよい。なお、既存内壁6の上縁は、既存内壁6の天井板14と接する位置をいい、既存内壁6の下縁は、既存内壁6の床板13に接する位置をいう。
次に、以上のように形成される第一内壁断熱パネル1及び第二内壁断熱パネル2を用いた断熱リフォーム方法について、図5から図17を参照しつつ説明する。本実施形態の断熱リフォーム方法では、まず、図5及び図6に示すように、既存内壁6の上縁に横桟10をビス7で固定する。横桟10は第一内壁断熱パネル1及び第二内壁断熱パネル2と同じ厚さの角材であり、ビス7によって既存内壁6の壁内側に設けられた上縁の木下地材に固定される。なお、既存内壁6の壁内側は、図6に示すように、水平下地材61が多数設けられている。なお、本実施形態においては、第一内壁断熱パネル1の外周下地枠5は下辺に設けられているが、例えば、第一内壁断熱パネル1の外周下地枠5を上辺に設けて、横桟10は既存内壁6の下縁に固定するものであってもよい。なお、既存内壁6の上縁は、既存内壁6の天井板14と接する位置をいい、既存内壁6の下縁は、既存内壁6の床板13に接する位置をいう。
次に、図7に示すように、最初の第一内壁断熱パネル1を配置する隅部に隅部鉛直材12を配置し、開口部9の両側にそれぞれ開口部鉛直材91を配置し、開口部9の下側に水平材92を配置する。これら隅部鉛直材12、開口部鉛直材91及び水平材92は、いずれも第一内壁断熱パネル1及び第二内壁断熱パネル2と同じ厚さに形成された角材である。なお、隅部には隅部鉛直材12を配置せずに、当該隅部側に外周下地枠5が設けられた第一内壁断熱パネル1を配置してもよい。また、図示しないが、隅部を挟んで両側の既存内壁6に第一内壁断熱パネル1を増し張りする場合には、隅部鉛直材12と同じ形状の断熱ボード3を配置し、その横に隅部鉛直材12を固定する構成であってもよい。なお、開口部9の両側の開口部鉛直材91及び開口部9の下側の水平材92は断熱リフォームによって屋内側に内壁がせり出した分、額縁やサッシを追加するためのものである。
そして、次に、図8から図10に示すように、隅部に配置した隅部鉛直材12の隣に第一内壁断熱パネル1を配置する。そして、既存内壁6の壁内側に設けられている水平下地材61に第一内壁断熱パネル1の外周下地枠5及び中間下地枠4が直交する位置をビス7で固定する。そして、さらに、図11に示すように固定した第一内壁断熱パネル1に隣接させて第一内壁断熱パネル1を配置し、水平下地材61に外周下地枠5及び中間下地枠4が直交する位置をビス7で固定する。
第一内壁断熱パネル1は右辺及び下辺に外周下地枠5が設けられているとともに、左辺には隣接する第一内壁断熱パネル1の右辺が配置されており、上辺には横桟10が設けられているので、第一内壁断熱パネル1を既存内壁6に設置した後は、四周が角材で囲まれており、後で石膏ボード8を固定する下地とすることができる。
なお、既存内壁6の天井の高さや幅が第一内壁断熱パネル1の寸法と合わない場合には、図12(A)(B)に示すように、第一内壁断熱パネル1の外周下地枠5が設けられていない上辺又は左辺側を切断して第一内壁断熱パネル1の寸法を調整する。第一内壁断熱パネル1の上辺及び左辺には外周下地枠5が設けられていないので、これらを切断したとしても外周下地枠5は上端又は左端の一部が切断されるだけであり、第一内壁断熱パネル1を固定した後に外周下地枠5が石膏ボード8を固定するための下地として十分機能することができる。
第一内壁断熱パネル1を既存内壁6に固定すると、次に、図13及び図14に示すように、開口部9の上下の既存内壁6に第二内壁断熱パネル2を固定する。なお、本実施形態に置いては開口部9の上下に既存内壁6が設けられた例を示しているが、例えば掃き出し窓の場合のように、開口部9の上側にしか既存内壁6が設けられていない場合には、開口部9の上側の既存内壁6に第二内壁断熱パネル2を固定する。
第二内壁断熱パネル2は両側の開口部鉛直材91の間に第二内壁断熱パネル2を嵌め込んで既存内壁6の壁内側に設けられた水平下地材61に中間下地材材及び下辺の外周下地材をビス7で固定する。開口部9の上側に設けられる第二内壁断熱パネル2は予め補強合板21が固定されており、両側の開口部鉛直材91にはこの補強合板21と開口部鉛直材91とを固定するための受け部93が固定されている。第二内壁断熱パネル2を固定した後、補強合板21を受け部93にビスで固定する。
そして、第一内壁断熱パネル1及び第二内壁断熱パネル2を既存内壁6に固定し終えると、次に、図15及び図16に示すように、上縁の横桟10、第一内壁断熱パネル1及び第二内壁断熱パネル2の外周下地枠5、及び中間下地枠4に石膏ボード8を石膏ボード固定用ビス11で固定する。そして、石膏ボード8の上に図示しない壁紙を貼り付けて断熱リフォームを終了する。
このように本実施形態の第一内壁断熱パネル1、第二内壁断熱パネル2、及び断熱リフォーム方法によると、リフォーム現場で第一内壁断熱パネル1又は第二内壁断熱パネル2の幅や高さを調整する場合に、外周下地枠5が設けられていない側を切断することで、簡単に調整できる。また、第一内壁断熱パネル1を隣接させて複数配置する場合に、一方の第一内壁断熱パネル1の端部に外周下地枠5を設けつつ、他方の第一内周断熱パネル1の端部に外周下地枠5を設けなくて良いので、石膏ボード8の固定に必要最低限の外周下地枠5のみを配置することができ、断熱性能を向上させることができる。
また、第一内壁断熱パネル1を既存内壁6に固定した後に石膏ボード8を固定するリフォーム方法であるので、石膏ボード8を第一内壁断熱パネル1に予め固定しておく方法に比べて、施工前の第一内壁断熱パネル1を軽量化することができ、リフォーム工事の際の取り回しに優れる。また、石膏ボード8が貼り付いていないことで第一内壁断熱パネル1の幅や高さの調整を容易に行うことができる。さらに、例えば、手摺、エアコン、床の間飾りなどを設置するために内壁を補強したい場合に第一内壁断熱パネルと石膏ボード8との間に簡単に合板を固定することができる。
なお、本発明の実施の形態は上述の形態に限ることなく、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができることは云うまでもない。
本発明に係る内壁断熱パネル及び断熱リフォーム方法は、例えば住宅の断熱リフォームに用いる断熱パネル及び断熱リフォーム方法として好適に用いることができる。
1 第一内壁断熱パネル(内壁断熱パネル)
2 第二内壁断熱パネル(内壁断熱パネル)
3 断熱ボード
4 中間下地枠
5 外周下地枠
6 既存内壁
8 石膏ボード
61 水平下地材
2 第二内壁断熱パネル(内壁断熱パネル)
3 断熱ボード
4 中間下地枠
5 外周下地枠
6 既存内壁
8 石膏ボード
61 水平下地材
Claims (3)
- 断熱リフォームの際に建築物の既存内壁に増し張りする第一内壁断熱パネル及び第二内壁断熱パネルを用いた内壁断熱リフォーム方法であって、
前記第一内壁断熱パネルは、平板状の断熱ボードと、当該断熱ボードの左右いずれか一辺及び下辺にのみ設けられる外周下地枠とを備え、
前記第二内壁断熱パネルは、平板状の断熱ボードと、当該断熱ボードの下辺にのみ設けられる外周下地枠とを備えており、
前記既存内壁の上縁に横桟を固定する工程と、
前記既存内壁に形成された開口部の左右両側にそれぞれ開口部鉛直材を配置する工程と、
前記開口部鉛直材間を除いて前記横桟の下の前記既存内壁の屋内側に、前記第一内壁断熱パネルを固定する工程と、
前記開口部鉛直材間であって前記開口部の上側の前記既存内壁の屋内側に、前記第二内壁断熱パネルを固定する工程とを有し、
隣り合う前記第一内壁断熱パネルの互いに対向する端部には、一方に外周下地枠が設けられているとともに、他方に外周下地枠が設けられていないことを特徴とする断熱リフォーム方法。 - 前記第一内壁断熱パネル又は前記第二内壁断熱パネルの前記外周下地枠が設けられていない側を切断することにより、当該第一内壁断熱パネル又は当該第二内壁断熱パネルの幅又は高さを調整する工程をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の断熱リフォーム方法。
- 前記横桟及び前記第一内壁断熱パネル及び前記第二内壁断熱パネルの前記外周下地枠に石膏ボードを固定する工程をさらに有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の断熱リフォーム方法。
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