JP5974607B2 - 車両走行制御装置 - Google Patents

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本発明は、車両の走行を制御する車両走行制御装置に係り、特に、自車両前方に存在する歩行者や自転車等の物体の進路変更を予測して自車両との異常接近を回避する技術に関する。
従来より、例えば特許文献1に記載されているように、自車両前方に存在する移動物体の急な進路変更を予測して、自車両がその前方に存在する移動物体に異常接近することを未然に防止することを目的とした車両運転支援装置が提案されている。
この車両運転支援装置は、画像認識手段により検出された複数の物体のうち、車両が走行する走行車線に隣接する歩道上の移動物体を含む前後2つの物体間の距離の変化を検出して、この移動物体の移動方向を予測し、自車両と移動物体とが異常接近する可能性があると判定したときに、その旨を自車両の乗員に通知する。
特開2009−175814号公報
しかしながら、上述した特許文献1に開示された従来例では、自車両の前方に低速移動物体と、この低速移動物体に対して相対的に速度の速い高速移動物体が存在する場合には、自車両と高速移動物体との間の距離が所定距離になったときに、高速移動物体との異常接近を回避するように制御しているが、2つの物体が車幅方向でオフセットした位置にある場合には、低速移動物体が進路を変更して自車両側に進入することもあり、その場合にはこれを回避するための対応を十分に取ることができないという問題がある。
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、自車両の前方に速度の異なる2つの移動物体が存在する場合に、双方の移動物体の位置と動きに基づいて、自車両が各移動物体に異常接近することを回避することが可能な車両走行制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本願発明は、自車両の前方に存在する物体の位置、及び移動速度を検出する物体状態検出手段と、物体状態検出手段にて、自車両前方に2つの物体が検出された際に、この2つの物体どうしの相対速度を求める相対速度演算手段とを備える。更に、2つの物体の位置、及び相対速度に基づいて、物体が自車両側に進入すると予想される位置を回避位置として推定する回避位置推定手段と、回避位置と自車両位置との関係に基づいて、自車両側に進入する物体に対して自車両を回避する制御を行う回避制御手段とを備える。
本発明に係る車両走行制御装置では、2つの物体の相対速度に基づいて、回避位置を求め、更に、この回避位置に対して回避マージンを算出し、これらに基づいて自車両のリスク回避速度を求める。そして、このリスク回避速度と目標速度との関係に基づいて、自車両の走行を制御する。従って、物体が自車両側に進入する場合に、事前にこの物体が自車両に異常接近することを回避することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る車両走行制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る車両走行制御装置に設けられる車両コントローラの詳細な構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係り、自車両の前方に存在する移動物体が回避動作を行う様子を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係り、自車両の前方に存在する互いにオフセットした移動物体が回避動作を行う様子を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係り、自車両の前方に存在する互いにオフセットした移動物体が回避動作を行う様子を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る車両走行制御装置の、2つの移動物体の相対速度と、自車両速度、及び回避マージンの関係を示す特性図である。 本発明の一実施形態に係る車両走行制御装置の、各移動物体の速度v1,v2と、回避動作の関係を示す特性図である。 本発明の一実施形態に係る車両走行制御装置の、オフセット量と補正係数K1との関係を示す特性図である。 本発明の一実施形態に係る車両走行制御装置の、オフセット量と補正係数K2との関係を示す特性図である。 本発明の一実施形態に係る車両走行制御装置の、2つの移動物体の相対速度と、自車両速度、及び回避マージンの関係を示す特性図である。 本発明の一実施形態に係り、前方に移動する第1移動物体P1が第2移動物体P2を追い越す場合の状態を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係り、自車両前方の第1移動物体P1が第2移動物体P2をより速い速度で追い越す場合の状態を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係り、後方に移動する第2移動物体P2が第1移動物体P1を追い越す場合の状態を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係り、前方に移動する第1移動物体P1が後方に移動する第2移動物体P2とすれ違う状態を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係り、前方に移動する第1移動物体P1が後方に移動する第2移動物体P2とすれ違う状態を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係り、前方に移動する第1移動物体P1が後方に移動し且つオフセットした第2移動物体P2とすれ違う状態を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係り、前方に移動する第1移動物体P1が後方に移動し且つオフセットした第2移動物体P2とすれ違う状態を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る車両走行制御装置の、処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第1の変形例に係り、自車両の走行路及び速度プロファイルを示す説明図である。 本発明の第2の変形例に係り、自車両の走行路及び速度プロファイルを示す説明図である。 本発明の第3の変形例に係り、自車両の走行路及び速度プロファイルを示す説明図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る車両走行制御装置の概略的な構成を示すブロック図である。図1に示すように、この車両用走行制御装置は、自車両の周囲を撮像するカメラやレーダセンサを備える撮像部1と、自車両の走行速度及び加速度等の車両運動状態を検出する車輪速センサ2と、横方向の加速度を含むヨーレートを検出するヨーレートセンサ3と、総括的な制御を行う車両コントローラ4と、車両コントローラ4の制御により自車両の走行速度を所望速度に制御する駆動力コントローラ5と、制動コントローラ6と、を備えている。駆動力コントローラ5は、エンジン駆動の車両ではエンジンコントローラであり、モータ駆動の車両ではモータインバータである。
車両コントローラ4は、自車両周囲の道路環境や周囲物体の運動状態に応じて、走行の目標となる目標速度Vrを算出する機能を備えている。該車両コントローラ4は、図2に示すように、目標速度設定部11と、物体状態認識部12と、車両状態検出部13と、回避位置推定部14と、回避マージン推定部15と、リスク回避速度算出部16と、速度制御部17、及び運転者伝達部18を備えている。なお、車両コントローラ4は、例えば、中央演算ユニット(CPU)や、RAM、ROM、ハードディスク等の記憶手段からなる一体型のコンピュータとして構成することができる。
目標速度設定部11は、運転者によるスイッチ操作等の入力により、自車両の走行速度を設定し、この設定信号を速度制御部17に出力する。また、NAVIシステムより得られる地形情報に基づいて各地形(カーブ路等)に応じた走行速度を設定ことや、自車両の前方に障害物が存在する場合の接近速度の設定、先行車両との間の車間距離が所定距離以上となるように制御するための制御信号を速度制御部17に出力する。即ち、目標速度設定部11は、自車両の目標走行速度を設定する走行速度設定手段としての機能を備える。また、目標速度設定部11は、周囲道路環境に応じて時間的な変化を伴う速度プロファイル情報を出力する。
車両状態検出部13は、車輪速センサ2、及びヨーレートセンサ3の検出信号に基づいて、自車両の走行速度、及びヨーレートを算出する。
物体状態認識部12は、撮像部1で撮像される画像信号に基づいて、自車両周辺に存在する物体(移動物体及び静止物体を含む)の存在位置及び移動速度を求める。即ち、物体状態認識部12は、自車両の前方に存在する物体の位置、移動速度を検出する物体状態検出手段としての機能を備える。
また、物体状態認識部12は、複数の物体が検出された際に、2つの物体どうしの相対速度を求める。即ち、物体状態認識部12は、自車両前方に複数の物体が検出された際に、このうちの2つの物体どうしの相対速度を求める相対速度演算手段としての機能を備える。更に、物体状態認識部12は、後述するように、2つの物体のオフセット量を求める。即ち、物体状態認識部12は、2つの物体のオフセット量を求めるオフセット演算手段としての機能を備える。
回避位置推定部(回避位置推定手段)14は、物体状態認識部12で認識された複数の移動物体の状態に基づき、これらの移動物体の現在の運動状態が継続されたと仮定した際に、互いに衝突すると予想される2つの物体が存在する場合には、この2つの物体の仮想衝突地点を回避位置として求める(後述する図3のq1参照)。更に、この回避位置と自車両との間の距離を算出する(図3の距離x参照)。ここで、互いに衝突すると予想される2つの物体とは、一例として、自車両が走行する走行路の路側帯を歩行者と自転車が互いに反対の向きに(対向して)移動している場合等が挙げられ、回避位置(仮想衝突地点)とは、自転車及び歩行者の双方が相手側を回避せずに走行した場合に、衝突すると予想される位置である。
回避マージン推定部(回避マージン推定手段)15は、物体の現在の運動状態が継続されたものと仮定した際に、互いに衝突すると予想される2つの物体の相対的な動きに基づいて、2つの物体のうちのいずれか一方が自車両側に進路を変更と予想した場合に、回避位置に対して自車両の進行方向に向く回避マージンとなる区間を設定する。具体的には、図3に示すように、回避位置q1の前後の所定距離範囲を回避マージンm1,m2として設定する。
リスク回避速度算出部16は、回避位置、回避マージン、及び自車両の状態に基づいて、仮に回避位置にて自転車や歩行者等の移動物体が自車両側に進入する場合でも、この移動物体に異常接近することなく、且つ、自車両の乗員に不安感を与えない程度の速度となる速度(リスク回避速度)を求める。そして、このリスク回避速度を、速度制御部17及び運転者伝達部18に出力する。また、リスク回避速度算出部16は、物体状態認識部12にて設定される、時間変化する速度プロファイル情報を用いて、移動物体の回避開始位置を自車両が通過できるか否かを判断し、通過できないと判断された場合に、リスク回避速度を算出する。即ち、リスク回避速度算出部16は、回避位置と自車両位置との関係に基づいて、自車両側に進入する物体に対して自車両を回避する制御を行う回避制御手段としての機能を備えている。
速度制御部17は、目標速度設定部11にて設定される走行速度と、リスク回避速度算出部16で求められたリスク回避速度を比較し、これらの速度のうち小さい方の速度を選択して、図1に示す駆動力コントローラ5に出力する。
運転者伝達部18は、自車両の前方に、自車両側に進入する可能性のある物体が存在していることを、自車両の運転者に音声や映像により通知する。
[回避位置の推定処理]
次に、回避位置推定部14による処理について、図3に示す説明図を参照して説明する。図3は、自車両Q1が走行路21を走行しているときに、該自車両Q1の前方に第1移動物体P1、及び第2移動物体P2が存在し、且つ、第1移動物体P1が自車両Q1と同一方向に移動し、第2移動物体が自車両Q1と反対となる方向に移動している場合を示す説明図である。そして、第1移動物体P1の移動速度v1の方が、第2移動物体P2の移動速度v2よりも大きい。例えば、第1移動物体P1は、走行路21の路側帯を自車両Q1と同一方向に移動する自転車であり、第2移動物体P2は、路側帯を自車両Q1と反対方向に移動する歩行者である。
そして、回避位置推定部14は、物体状態認識部12で求められる自車両Q1から第1移動物体P1までの距離x1、及び自車両Q1から第2移動物体P2までの距離x2を取得し、更に、第1移動物体P1、及び第2移動物体P2の双方がそのままの速度で移動を継続したと仮定した場合に、両者が衝突すると予想される時間tを、下記の(1)式により求める。
t=(x2−x1)/(v1−v2) …(1)
なお、速度v1,v2は、移動方向を考慮した速度である。即ち、第1移動物体P1と第2移動物体P2との間の距離(x2−x1)を、両者の相対速度(v1−v2)で除することにより、衝突までの所要時間tを求めることができる。そして、2つの移動物体P1,P2が衝突すると予想される仮想衝突地点、即ち回避位置q1までの距離をxとすると、距離xは次の(2)式で求めることができる。
x=x1+v1×t(=x2+v2×t) …(2)
従って、回避位置推定部14は、自車両Q1から距離xだけ前方の地点に回避位置q1が存在するものと判断する。その結果、第1移動物体P1及び第2移動物体P2のうちの一方或いは双方が、互いの衝突を回避しようと動作するので、この動作に伴って第1移動物体P1或いは第2移動物体が、走行路側(自車両側)に進入する虞があるものと推定し、この進入する地点を回避位置q1として認識する。
[回避マージンの設定]
次に、回避マージン推定部15による回避マージンm1,m2の設定処理について説明する。上記の回避位置推定部14では、移動物体P1,P2の回避位置q1を推定したが、実際には、この回避位置q1の前後の領域で移動物体P1,P2が自車両側(図3中の右側)に進入するものと考えられる。回避マージン推定部15は、回避位置q1の前後に回避マージンm1,m2を設定することにより、移動物体P1,P2が自車両Q1側に進入する虞のある領域を一定の範囲として設定する。具体的には、図3に示すように、回避位置q1の後方(車両進行方向に対して後方)にm1,前方にm2の回避マージンを設定する。そして、各回避マージンm1,m2となる領域、即ち、自車両からの距離x1〜x2の範囲となる領域を、移動物体P1,P2が自車両Q1側に進入する虞のある領域として認識する。なお、図3では、m1=m2の場合を示している。
そして、回避マージン推定部15では、2つの移動物体P1,P2の相対速度に応じて各移動物体P1,P2に対する回避マージンm1,m2を設定する。具体的には、予め一定の回避マージンm(=m1,m2)を設定しておき、更に、各移動物体P1,P2の移動速度v1,v2、及び両者のオフセット量(横方向のずれ量)に応じて各回避マージンm1,m2の補正係数K1,K2を算出して、各回避マージンm1,m2を補正する。補正係数K1,K2については、後述する。
図6は、2つの移動物体P1,P2の相対速度|v1−v2|と、回避マージンmとの関係を示す特性図であり、相対速度|v1−v2|が大きくなるほど、回避マージンmが大きくなるように設定されている。また、自車両Q1の走行速度が大きくなるほど、回避マージンmが大きくなるように設定されている。即ち、2つの移動物体P1,P2の相対速度|v1−v2|が大きくなると、その分衝突回避による自車両Q1側への進入位置の推定が難しくなるので、回避マージンmを大きくすることにより、自車両Q1が移動物体P1,P2と異常接近することを回避する。詳細には、回避マージンmを、下記(3)式により算出している。
m=T0×|v1−v2|+T1×V …(3)
但し、T0は一般的な回避開始時間であり、例えば2[sec]である。また、T1は自車通過に関する安全率であり、例えば0.5[sec]である。また、Vは自車両Q1の走行速度である。
[移動物体の移動速度と補正係数との関係]
次に、2つの移動物体P1,P2の移動速度と補正係数との関係について説明する。図7は、自車両Q1の前方を移動する第1移動物体P1の移動速度v1と、やはり自車両Q1の前方を移動する第2移動物体P2の移動速度v2と、各移動物体P1,P2の回避動作との関係を示す図である。なお、第2移動物体P2の方が第1移動物体P1よりも前方を走行しているものとする。移動速度v1が負であり、移動速度v2が正である領域R1は、各移動物体P1,P2どうしは接近しないので、衝突可能性無しと判断する。
移動速度v1,v2が共に正であり、v2>v1なる関係がある領域R2の場合には、第2移動物体P2は第1移動物体P1から離れるように移動しているので、衝突可能性無しと判断する。また、移動速度v1,v2が共に負であり、|v1|>|v2|なる関係がある領域R3の場合には、第1移動物体P1は第2移動物体P2から離れるように移動しているので、衝突可能性無しと判断する。
移動速度v1,v2が共に正であり、v1>v2なる関係がある領域R4の場合には、第1移動物体P1が第2移動物体P2を追い越すように移動しているものと判断できる。具体的には、図11(a)に示すように、第1移動物体P1が第2移動物体P2よりも速い速度で移動している場合には、第1移動物体P1が第2移動物体P2を追い越すため、図11(b)に示すように自車両Q1側に進入するものと予想される。従って、第1移動物体P1についての補正係数K1を高い数値に保持し、反対に、第2移動物体P2は回避操作を行う可能性は低いので、第2移動物体P2についての補正係数K2を低い数値に設定する。即ち、第2移動物体P2についての回避マージンm2を小さい値に補正する。
また、図12(a)に示すように、各移動物体P1,P2の相対速度がより大きい場合には、図12(b)に示すように、第1移動物体P1がより早い時点で回避動作を行う可能性が高いので、図6に示したように、回避マージンm1を高い数値に設定する。
即ち、2つの移動物体P1,P2の移動方向が同一である場合には、移動速度の速い方が自車両Q1側に進入する可能性が高いものと判断して回避マージンm1,m2を設定する。
一方、移動速度v1,v2が共に負であり、|v2|>|v1|なる関係がある領域R5(図7参照)の場合には、第2移動物体P2が第1移動物体P1を追い越すように移動しているものと判断できる。具体的には、図13(a)に示すように、第2移動物体P2が第1移動物体P1よりも速い速度で移動している場合には、第2移動物体P2が第1移動物体P1を追い越すため、図13(b)に示すように、第2移動物体P2が自車両Q1側に進入するものと予想される。従って、第2移動物体P2についての補正係数K1を高い数値に保持し、反対に、第1移動物体P1は回避操作を行う可能性は低いので、第1移動物体P1についての補正係数K1を低い数値に設定する。即ち、第1移動物体P1についての回避マージンm1を小さい値に補正する。
移動速度v1が正、移動速度v2が負である領域R6(図7参照)の場合には、第1移動物体P1と第2移動物体P2が互いに向き合って接近しているので、各移動物体P1,P2のうちの少なくとも一方が回避動作を行うものと判断できる。具体的には、図14,図15に示す如くの回避動作を行うものと推定できる。
第1移動物体P1の方が第2移動物体P2よりも移動速度が速い場合(|v1|>|v2|の場合)には、図14(a)に示すように両者が接近し、図14(b)に示すように、いずれか一方、或いは双方が自車両側に進入するものと判断できる。これと同様に、第2移動物体P2の方が第1移動物体P1よりも移動速度が速い場合(|v1|<|v2|の場合)には、図15(a)に示すように両者が接近し、図15(b)に示すように、いずれか一方、或いは双方が自車両側に進入するものと判断できる。
この際、各移動物体P1,P2のうち、自車両Q1側に進入する可能性は、両者のオフセット量(幅方向の位置)に応じて変化するものと考えられる。そして、各移動物体P1,P2のオフセット量に応じて、各移動物体P1,P2の回避マージンm1,m2を補正する。
即ち、2つの移動物体P1,P2の移動方向が異なる場合には、双方の移動物体が自車両Q1側に進入する可能性が高いものと判断して回避マージンm1,m2を設定する。
[オフセット位置と補正係数の関係について]
以下、2つの移動物体P1,P2の関係が、図7に示した領域R6である場合の、補正係数K1,K2を求める演算について、図8,図9を参照して説明する。ここでは、各移動物体P1,P2の横位置(自車両Q1の走行方向と直交する方向の位置)に応じて、各移動物体P1,P2の回避マージンm1,m2の補正係数K1,K2を設定する。ここで、図4に示すように、自車両Q1と第1移動物体P1との間の幅方向の距離をy1とし、自車両Q1と第2移動物体P2との間の幅方向の距離をy2とする。従って、各移動物体P1,P2のオフセット量d1は、d1=|y2−y1|で示すことができ、また、「y2−y1」が正の数値であれば、第1移動物体P1が自車両Q1側(図中右側)に存在し、負の数値であれば、第2移動物体P2が自車両Q1側に存在することになる。
次に、2つの移動物体P1,P2のオフセット量(横方向の位置ずれ量)と補正係数K1,K2との関係について説明する。図8,図9は、各移動物体P1,P2のオフセット量d1と補正係数の関係を示す説明図であり、図8は移動物体P1の回避マージンm1を補正するための補正係数K1を決める特性図を示しており、図9は移動物体P2の回避マージンm2を補正するための補正係数K2を決めるための特性図を示している。
図8において、横軸は各移動物体P1,P2のオフセット量d1(=|y1|−|y2|)を示し、縦軸は第1移動物体P1についての補正係数K1を示している。なお、補正係数K1は最大値が「1」に設定されている。また、原点「0」よりも右側の領域は、y1−y2の数値が負の場合を示し、原点「0」よりも左側の領域はy1−y2の数値が正の場合を示している。
そして、オフセット量d1が負の領域(y1<y2)では、図4に示すように、第1移動物体P1の横位置は、第2移動物体P2の横位置よりも自車両Q1側に存在しているので、第1移動物体P1は自車両Q1側に進入する可能性が高いものと判断できる。即ち、図16(a)に示すように、第1移動物体P1と第2移動物体P2が互いに反対方向に移動し、且つ第1移動物体P1が自車両側に距離d1だけオフセットしている場合には、図16(b)に示すように、第1移動物体P1が自車両Q1側に進入する可能性が高いと推定される。従って、第1移動物体P1の補正係数K1を最大値の「1」とする。
また、オフセット量d1が正の領域(y1>y2)では、図5に示すように、第2移動物体P2の横位置の方が、第1移動物体P1の横位置よりも、自車両Q1側に存在しているので、第1移動物体P1は、第2移動物体P2との衝突を回避するために、路側側(自車両Q1の反対側)に移動する可能性が高いものと判断できる。即ち、図17(a)に示すように、第1移動物体P1と第2移動物体P2が互いに反対方向に移動し、且つ第1移動物体P1が自車両と反対側に距離d1だけオフセットしている場合には、図17(b)に示すように、第1移動物体P1が自車両Q1側に進入する可能性は低いと推定される。従って、第1移動物体P1の補正係数K1を、オフセット量d1の大きさに応じて徐々に低くし、d1が一定の距離dminを超えた場合には、補正係数K1をゼロとする。
一方、第2移動物体P2についての回避マージンm2の補正係数K2についても同様の演算により算出する。図9において、横軸は各移動物体P1,P2のオフセット量d2(=|y2|−|y1|)を示し、縦軸は第2移動物体P2についての補正係数K2を示している。なお、補正係数K2は最大値が「1」に設定されている。また、原点「0」よりも右側の領域は、y2−y1の数値が負の場合を示し、原点「0」よりも左側の領域はy2−y1の数値が正の場合を示している。
そして、負の領域(y2<y1)では、第2移動物体P2の横位置は、第1移動物体P1の横位置よりも、自車両Q1側に存在しているので(即ち、図5の状態)、第2移動物体P2は自車両Q1側に進入する可能性が高いものと判断できるので、補正係数K2を最大値の「1」とする。また、正の領域(y2>y1)では、第1移動物体P1の横位置の方が、第2移動物体P2の横位置よりも、自車両Q1側に存在しているので(即ち、図4の状態)、第2移動物体P2は、第1移動物体P1との衝突を回避するために、路側側(自車両Q1の反対側)に移動する可能性が高いものと判断し、オフセット量d2の大きさに応じて、徐々に補正係数K2を低くし、d2が一定の距離dminを超えた場合には、補正係数K2をゼロとする。
そして、回避マージン推定部15では、上述の処理で求めた補正係数K1,K2に基づいて回避マージンm1,m2を補正する。具体的には、補正後の回避マージンm1を、m1←K1×m1とし、回避マージンm2を、m2←K2×m2とする。従って、相対速度|v1−v2|と補正後の回避マージンm1、m2との関係は、図10に示すようになり、オフセット量d(d1,d2)の大きさに応じて、回避マージンmが適切な数値に設定されることになる。
ここで、2つの移動物体P1,P2間のオフセット量が予め設定した所定値以下である場合には、双方の移動物体P1,P2が自車両Q1側に進入する可能性があるものとして、回避マージンm1,m2を設定する。
[リスク回避速度算出部による処理]
リスク回避速度算出部16は、上述した回避位置推定部14で推定された回避位置と、回避マージン推定部15により求められた回避マージンm1,m2に基づいて、自車両Q1の走行速度を算出する処理を行う。以下、詳細に説明する。
自車両Q1の目標速度をVrとし、車体長をMとした場合に、次の(4)式に示す不等式を設定する。
Vr×t+M<x+m2 …(4)
そして、図3に示したように、上記(4)式は、自車両Q1が目標速度Vrで走行しているとき、移動物体P1,P2が自車両Q1側に進入する前に、自車両Q1がこれらの移動物体P1,P2を通過できない場合を示している。換言すれば、時間tの経過後に、自車両が移動物体P2よりも前方に達することができない場合を示している。
従って、自車両Q1側に進入すると予想される移動物体P1或いはP2との衝突を回避するためには、自車両Q1は減速して衝突を回避する必要があり、リスク回避速度算出部16は、自車両Q1の運転者が不安を感じない程度の減速度αに基づき、該減速度αで停止可能なリスク回避速度Vsを下記(5)式にて算出する。
Vs={2α(x−m1)}1/2 …(5)
そして、目標速度Vrと、(5)式で求めたリスク回避速度Vsとに基づいて、下記(6)式により、目標速度Vrを更新する。
Vr←min(Vr,Vs) …(6)
ここで、上記の(6)式は、目標速度Vrと、リスク回避速度Vsのいずれか低い方を選択する演算を示す。即ち、現在設定されている目標速度Vrがリスク回避速度Vsよりも低い場合には、そのままこの目標速度Vrを維持し、目標速度Vrがリスク回避速度Vsよりも高い場合には、リスク回避速度Vsを更新後の目標速度Vrとして設定する。こうすることにより、移動物体P1,P2が自車両Q1側に進入する前の時点で、自車両Q1を減速させて、時間tの経過後に回避マージンm1よりも後方を走行するように制御する。
[動作説明]
次に、上述のように構成された本実施形態に係る車両走行制御装置による処理手順を、図18に示すフローチャートを参照して説明する。なお、本処理は、所定時間(例えば10msec)毎のタイマ割込処理として実行される。
初めに、ステップS21において、リスク回避速度算出部16は、車両状態検出部13で検出される信号から自車両Q1の走行速度を読み込む。具体的には、車輪速センサ2より出力されるパルス信号を読み込み、このパルス信号に基づいて自車両Q1の走行速度を算出する。
ステップS22において、物体状態認識部12は、カメラ等で撮影された画像データ、及びレーダセンサ等で測定される距離データに基づいて、自車両Q1の前方に存在する各種の道路構造物、停止物体、移動物体等の障害物を検出し、これらの物体の縦方向と横方向の移動速度と、自車両位置を基準とした前後、及び左右のそれぞれの位置を取得する。
ステップS23において、回避位置推定部14は、ステップS22の処理で検出された各物体(以下、移動物体とする)どうしの衝突可能性を判断するため、各移動物体に対して、現在の運動状態が継続された場合の衝突までの時間を、下記(7)式により算出する。
t=(x2−x1)/(v1−v2) …(7)
ステップS24において、回避位置推定部14は、上記(7)式で求められた時間tが、t>0であるか否かを判断する。そして、t>0である場合には(ステップS24でYES)、2つの移動物体は互いに接近中であり、いずれか一方の移動物体が自車線側へ進入してくる可能性があると判断されるので、ステップS25に処理を進め、t≦0である場合には(ステップS24でNO)、リスク回避速度の推定処理を行わずにステップS31に処理を進める。
ステップS25において、回避位置推定部14は、2つの移動物体の移動速度に基づいて、各移動物体の自車両側への進入位置を算出する。具体的には、図3に示した状況において、下記(8)式により2つの移動物体P1,P2が互いの衝突を回避するために、いずれかの移動物体が自車両Q1側に進入すると推定される位置(回避位置q1)までの距離xを算出する。
x=x1+v1×t(=x2+v2×t) …(8)
ステップS26において、回避マージン推定部15は、2つの移動物体P1,P2の運動状態に基づいて、上述した手法により回避マージンm1,m2を求める。
ステップS27において、衝突すると予想される2つの移動物体P1,P2が、予想された衝突タイミングで衝突を回避するために、自車両Q1側に進入した場合に、この進入するタイミングで自車両Q1の位置が回避位置q1を十分に超えて先に進んでいるか否かを、下記(9)式により判定する。
Vr×t+M>x+m2 …(9)
そして、上記(9)式が成立する場合には(ステップS27でYES)、移動物体P1,P2が自車両Q1側に進入する前に、自車両Q1は回避位置q1を十分に超えるので、リスク回避速度Vsを算出せずに、ステップS31に処理を進める。また、(9)式が成立しない場合には、自車両Q1がこのままの速度で走行すると、移動物体P1,P2が自車両Q1側に進入するタイミングで自車両が回避位置q1の近傍を走行することになり、ステップS28に処理を進める。
ステップS28において、リスク回避速度算出部16は、車両の乗り心地を悪化させないように設定された減速度αを用いて、下記(10)式に基づいて低Gで停止可能なリスク回避速度を算出する。
Vs={2α(x−m1)}1/2 …(10)
ステップS29において、リスク回避速度算出部16は、(9)式で算出した速度Vrと、(10)式で算出したVsに基づき、Vrがvsを下回っているか否かを判断する。そして、Vr<Vsと判断された場合、即ち、目標速度設定部11で求められる目標速度Vrよりも、移動物体P1,P2の進入に対応するために求めたリスク回避速度Vsの方が低い速度である場合には、ステップS30において、このリスク回避速度Vsを目標速度Vrとして設定する。即ち、下記(11)式により、自車両Q1の目標速度Vrを更新する。
Vr←min(Vr,Vs) …(11)
その後、ステップS31において、目標速度Vrとなるように自車両Q1の走行を制御する。
こうして、自車両Q1の前方に複数の移動物体が存在し、2つの移動物体が互いの衝突を回避しようとして自車両Q1側に進入すると予想される場合に、自車両Q1の走行速度を変更することにより、自車両Q1側に進入する移動物体との異常接近を回避することができるのである。
このようにして、本実施形態に係る車両走行制御装置では、2つの移動物体P1,P2の相対速度に基づいて、回避位置(図3に示すq1)を求め、更に、この回避位置q1に対して回避マージンm1,m2を算出し、これらに基づいて自車両Q1のリスク回避速度Vs求める。そして、このリスク回避速度Vsと目標速度Vrとの関係に基づいて、自車両Q1の走行を制御する。従って、移動物体P1,P2が自車両Q1側に進入する場合に、事前にこの移動物体P1,P2が自車両Q1に異常接近することを回避することが可能となる。更に、2つの移動物体P1,P2のオフセット量に基づいて、各移動物体P1,P2の回避マージンm1,m2を設定するので、より自車両Q1側に進入する可能性の高い移動物体についての衝突を回避することができる。
また、本実施形態では、目標速度Vrを設定して自車両Q1を走行制御し、上記の処理でリスク回避速度Vsが算出された際には、VrとVsのうちいずれか小さい方を選択して、新たな目標速度として走行制御を行うので、予め設定されている目標速度Vrをむやみに変更すること無く、且つ、移動物体P1,P2との異常接近を確実に回避するように速度制御することができる。
更に、回避マージン推定部15により推定される回避マージンm1,m2に基づいて、自車両Q1側に進入する移動物体P1,P2と、自車両Q1との異常接近を回避するので、より確実に移動物体P1,P2に異常接近することを防止できる。
また、2つの移動物体P1,P2の相対速度が大きいほど回避マージンm1,m2を大きく設定するので、より確実に異常接近を防止できる。
更に、2つの移動物体P1,P2のオフセット量を求め、自車両Q1側のオフセットしている移動物体の回避マージンを大きく設定するので、より自車両Q1側に進入する可能性の高い移動物体に対しての異常接近を防止することができる。
また、2つの移動物体P1,P2の移動方向が同一である場合には、速度の速い移動物体が自車両Q1側に進入する可能性が高いものと判断し、移動方向が異なる場合には、双方の移動物体が自車両Q1側に進入する可能性が高いものと判断するので、より高精度に移動物体に対しての異常接近を防止することができる。
更に、2つの移動物体のオフセット量が所定値以下の場合には、双方の移動物体が自車両Q1側に進入するものと判断するので、いずれの移動物体が進入した場合であっても、確実にこの移動物体の異常接近を回避することが可能となる。
また、上記した実施形態では、2つの移動物体P1,P2が互いに衝突を回避する場合に、自車両Q1側に進入する例について説明したが、物体状態認識部12で、自車両Q1の前方に3以上の移動物体が検出された場合には、全ての2つの物体の組み合わせに対して、それぞれリスク回避速度Vsを求め、このうち最も低い速度を採用して自車両Q1の走行速度を制御することができる。このような構成とすれば、自車両Q1の前方に多くの移動物体が存在する場合でも、全ての移動物体に対して自車両Q1が異常接近することを回避することができる。
[変形例の説明]
次に、本実施形態に係る車両走行制御装置の変形例について説明する。該変形例では、自車両の前方の状態に応じた速度プロファイルを、図1に示す目標速度設定部11が認識している。そして、リスク回避速度算出部16では、この速度プロファイルに応じて目標速度Vrのを演算し、自車両Q1側に進入すると予測される移動物体との異常接近を回避するためのリスク回避速度を算出する。
図19は、第1の変形例に係る状況を示す説明図であり、図示のように、自車両Q1の走行路がU時状に曲折している場合である。このような走行路を走行する場合には、図19(a)に示すように、自車両Q1の走行位置に対して走行路の曲率半径ρが大きく変化し、図19(b)に示すように、曲率半径ρが変化している領域で目標速度Vrが低下している。具体的には、L1〜L2の範囲で目標速度Vrが低下し、L2〜L3の範囲で目標速度Vrが上昇している。
そして、第1の変形例に係る車両走行制御装置では、このような目標速度Vrの変化が生じる場合には、この目標速度Vrの変化に応じてリスク回避速度Vsを設定する。具体的には、図18のステップS29の処理の演算で用いるVrに、図19(b)に示した目標速度Vrを用いる。
このように設定することにより、自車両Q1の走行路が大きくカーブする場合において、自車両Q1の速度プロファイルに基づく速度制御が行われ、移動物体P1,P2との異常接近をより確実に防止することが可能となる。
図20は、第2の変形例に係る状況を示す説明図であり、図示のように、自車両Q1の走行路の斜線幅が狭くなる場合である。このような走行路を走行する場合には、図20(a)に示すように、自車両Q1の走行位置Lに対して走行路の道路幅Wが急激に変化し、図20(b)に示すように、道路幅Wが狭くなっている領域で目標速度Vrが低下している。具体的には、L0〜L1の範囲で目標速度Vrが低下し、L2〜L3の範囲で目標速度Vrが上昇している。
このように設定することにより、自車両Q1の走行路の道路幅Wが狭くなる場合において、自車両Q1の速度プロファイルに基づく速度制御が行われ、移動物体P1,P2との異常接近をより確実に防止することが可能となる。
図21は、第3の変形例に係る状況を示す説明図であり、図示のように、自車両Q1の走行路に障害物Zが存在する場合を示している。このような走行路を走行する場合には、図21(a)に示すように、自車両Q1の走行位置に対して、障害物Zの存在する走行路の道路幅Wが狭くなるように設定される。そして、図21(b)に示すように、道路幅Wが狭くなっている領域で目標速度Vrが低下している。具体的には、L1の前後の範囲で目標速度Vrが低下している。
このように設定することにより、自車両Q1の走行路に障害物Zが置かれている場合において、自車両Q1の速度プロファイルに基づく速度制御が行われ、移動物体P1,P2との異常接近をより確実に防止することが可能となる。
そして、リスク回避速度算出部16は、この時間変化する速度プロファイル情報を用いて、移動物体P1,P2の回避開始位置を自車両Q1が通過できるか否かを判断し、通過できないと判断した場合に、リスク回避速度Vsを算出する。こうして、速度プロファイル情報に基づく速度設定が可能となる。
また、上記した第1〜第3の変形例では、速度プロファイルにより目標速度Vrが変化するように設定されるので、上述した(4)式に示した不等式は、下記の(12)式のようになる。即ち、自車両Q1の目標速度をVrとし、車体長をMとした場合に、次の(12)式に示す不等式を設定する。
Figure 0005974607
そして、上記の不等式が成立する場合には、移動物体P1,P2が自車両Q1側に進入する前に、自車両Q1がこれらの移動物体P1,P2が進入する領域を通過できないことになる。そして、図18に示したステップS27の処理では、上記の(12)式を用いて自車通過判断を行う。
また、上記(12)式の代わりに、自車両Q1が移動物体P1,P2が進入する領域を通過するまでの時間で比較することも可能である。即ち、下記(13)式に示す不等式を用いることも可能である。
Figure 0005974607
(13)式に示した不等式が成立する場合には、移動物体P1,P2が自車両Q1側に進入する前に、自車両Q1がこれらの移動物体P1,P2が進入する領域を通過できないことになる。そして、図18に示したステップS27の処理では、上記の(13)式を用いて自車通過判断を行う。つまり、(13)式が成立する場合にのみ、リスク回避速度Vsを演算する処理を行い、このリスク回避速度Vsを用いて、自車両Q1の走行を制御する。
このようにして、変形例に係る車両走行制御装置では、速度プロファイルを用いて、自車両Q1側に進入する移動物体P1,P2との異常接近を回避するように制御するので、自車両の走行状態、或いは走行路の状態に適した移動物体との接近回避制御を行うことが可能となる。
また、上記(13)式に示したように、回避予測時刻と、自車両の走行速度に基づいて、自車両が回避予測時刻までに前方を走行する移動物体P1,P2を通り越すことができない場合に、リスク回避速度を算出するので、不要な演算処理を割愛し、むやみにリスク回避速度を演算することを防止し、システムの演算負荷を軽減することができる。
以上、本発明の車両走行制御装置を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。
例えば、上述した実施形態では、2つの移動物体の挙動に基づいて自車両Q1側に進入する位置、時刻を予測する例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、2つの物体のうちの一方は静止している物体であっても良い。
本発明は、自車両前方に存在する移動物体が、自車両側に進入することを予測して自車両を円滑に制御することに利用することができる。
1 撮像部
2 車輪速センサ
3 ヨーレートセンサ
4 車両コントローラ
5 駆動力コントローラ
6 制動コントローラ
11 目標速度設定部
12 物体状態認識部
13 車両状態検出部
14 回避位置推定部
15 回避マージン推定部
16 リスク回避速度算出部
17 速度制御部
18 運転者伝達部
21 走行路
P1 第1移動物体
P2 第2移動物体
Q1 自車両

Claims (10)

  1. 自車両の走行を制御する車両走行制御装置において、
    自車両の前方に存在する物体の位置、及び移動速度を検出する物体状態検出手段と、
    前記物体状態検出手段にて、自車両前方に複数の物体が検出された際に、このうちの2つの物体どうしの相対速度を求める相対速度演算手段と、
    記2つの物体の位置、及び、相対速度に基づいて、前記2つの物体のうちのいずれかが自車両側に進入すると予想される位置を回避位置として推定する回避位置推定手段と、
    前記回避位置と自車両位置との関係に基づいて、自車両側に進入する物体に対して自車両を回避する制御を行う回避制御手段と、
    を有することを特徴とする車両走行制御装置。
  2. 自車両の目標走行速度を設定する走行速度設定手段を更に備え、
    前記回避制御手段は、自車両側に進入する前記物体が自車両に異常接近することを回避するための走行速度をリスク回避速度として算出し、前記リスク回避速度が前記目標走行速度よりも低い場合には、自車両の走行速度を前記リスク回避速度となるように制御することを特徴とする請求項1に記載の車両走行制御装置。
  3. 前記2つの物体に対して、これらの物体が自車両側に進入する可能性の高い、自車両走行方向についての範囲を、回避マージンとして推定する回避マージン推定手段を更に備え、
    前記回避制御手段は、前記回避位置、自車両位置に加え、前記回避マージンに基づいて、自車両側に進入する物体に対して自車両を回避する制御を行うことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の車両走行制御装置。
  4. 前記回避マージン推定手段は、2つの物体どうしの相対速度が大きいほど、前記回避マージンを大きく設定することを特徴とする請求項3に記載の車両走行制御装置。
  5. 前記2つの物体の、自車両走行方向と直交する直交方向のオフセット量を求めるオフセット演算手段、を更に備え、
    前記回避マージン推定手段は、前記オフセット演算手段で求められたオフセット量に基づき、2つの物体のうち自車両側にオフセットしている物体の回避マージンを大きく設定することを特徴とする請求項3または請求項4のいずれかに記載の車両走行制御装置。
  6. 前記回避マージン推定手段は、前記2つの物体の移動方向が同一である場合には、移動速度の速い物体が自車両側に進入する可能性が高いものと判断し、前記2つの物体の移動方向が異なる場合には、双方の物体が自車両側に進入する可能性が有るものと判断して、前記回避マージンを設定することを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれか1項に記載の車両走行制御装置。
  7. 前記回避マージン推定手段は、前記2つの物体のオフセット量が所定値以下の場合には、双方の物体が自車両側へ進入する可能性が有るものと判断することを特徴とする請求項5に記載の車両走行制御装置。
  8. 前記物体状態検出手段にて、3以上の物体が検出された場合には、前記回避制御手段は、全ての2物体の組み合わせに対してそれぞれリスク回避速度を求め、このうち最も低いリスク回避速度となるように自車両の走行速度を制御することを特徴とする請求項2に記載の車両走行制御装置。
  9. 前記回避制御手段は、自車両の走行速度を取得し、前記回避位置推定手段にて推定される前記物体の回避位置及び回避予想時刻と、自車両の走行速度に基づき、前記物体が自車両側に進入するまでに自車両が前記回避位置を通過できないと判断した場合に、前記リスク回避速度を算出することを特徴とする請求項2に記載の車両走行制御装置。
  10. 前記走行速度設定手段は、周囲道路環境に応じて時間的な変化を伴う速度プロファイル情報を備え、前記回避制御手段は、前記回避位置と自車両位置に加え、前記速度プロファイル情報を用いて、自車両側に進入する物体に対して自車両を回避する制御を行うことを特徴とする請求項2に記載の車両走行制御装置。


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