JP2008186170A - 運転支援装置および運転支援方法 - Google Patents

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Masahiko Shiotani
晶彦 塩谷
Katsumi Sakata
克己 阪田
Yoshikazu Hashimoto
欣和 橋本
Minoru Fujioka
稔 藤岡
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Abstract

【課題】認識範囲(検出範囲)に対して出入りする移動物体に対して十分な警戒を行なうこと。
【解決手段】カメラが撮影した画像の少なくとも2以上(N−2フレーム目,N−1フレーム目、Nフレーム目)の画像内に現れ、画像認識によって移動物体であると判断した歩行者H1が検出範囲から逸脱した場合に、その移動物体に対して移動状態の推定を継続してN+1フレーム目の予想移動範囲A1、N+1フレーム目の予想移動範囲A2を作成し、予想移動範囲A1、予想移動範囲A2に基づいて危険度の判定を行なう。
【選択図】 図1

Description

この発明は、車両の運転を支援する運転支援装置および運転支援方法に関し、特に移動物体との衝突回避を支援する運転支援装置および運転支援方法に関する。
従来、車両の走行に関する情報を収集し、運転者への情報提供や車両挙動への介入を行なうことで車両の運転を支援する装置が考案されてきた。かかる運転の支援においては歩行者などの移動体との衝突回避が特に重要である。
そのため、自車両周辺をカメラで撮影して移動物体を認識する技術が各種考案されている。また、特許文献1が開示するように、交差点進入手前で撮影した映像から歩行者などの移動予測を行ない、右左折時に撮影範囲から外れても死角に歩行者が存在することを警告する技術も考案されている。
特開2004−51006号公報
しかしながら、従来の技術では、画像認識の範囲から逸脱した移動物体について、右左折時の死角など特定の状況下で特定の位置に存在するもの以外はその存在を推定することができなかった。
例えば、自車両前方の歩行者が画像認識の範囲から逸脱した場合であっても、その歩行者がすぐに画像認識の範囲内に戻ってくる可能性がある。しかし、従来の技術では、画像認識の範囲内に戻って初めてその存在を再認識するので、このように認識範囲に出入りする歩行者に対して十分な警戒を行なうことができず、歩行者との衝突を回避するという本来の目的を果たすことができなかった。
また、誤検出の低減や計算量の削減には認識範囲を画像内の一部、例えば路上のみに限定することが有効であるが、認識範囲を限定すると歩行者の認識範囲への出入りが発生しやすくなる。
特に実際の路上においては、悪天候で路面状況が悪い場合や、駐車車両や放置物体がある場合など歩行者や自転車が蛇行し、車道に対して出入りすることが頻繁に発生する。
そこで、認識範囲に対して出入りする移動物体に対しても十分な警戒を行なうことのできる技術の実現が、重要な課題となっていた。
本発明は、上述した従来技術における問題点を解消し、課題を解決するためになされたものであり、認識範囲に対して出入りする移動物体に対して十分な警戒を行なうことのできる運転支援装置および運転支援方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明に係る運転支援装置および運転支援方法は、自車両周辺の撮影を実行し、撮影した画像から移動物体を認識し、認識結果から前記移動物体の移動状態を推定し、移動物体と自車両とが衝突する危険度を判断する場合に、画像内の認識範囲から逸脱した移動物体について移動状態の推定を継続し、この推定結果に基づいて危険度の判定を行なう。
本発明によれば運転支援装置および運転支援方法は、認識範囲から逸脱した移動物体に対して移動状態の推定を継続し、認識範囲外の移動物体の位置を予測して危険度の判定を行なうので、認識範囲に対して出入りする移動物体に対して十分な警戒を行なうことのできる運転支援装置および運転支援方法を得ることができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る運転支援装置および運転支援方法について詳細に説明する。
1.発明の概要
まず、図1を参照し、本発明の概要について説明する。本発明では、自車両C0は前方を連続して撮影し、画像認識によって検出範囲内の移動物体(歩行者や自転車、他車両)を監視している。
そして、撮影で得られた画像から移動物体を検出すると、その移動物体と自車両とが衝突する危険性を判定し、判定結果に基づいて運転者への情報提供や車両挙動への介入を行なう。
同図では、N−2フレーム目、N−1フレーム目、Nフレーム目で歩行者Hを認識している。しかしこの後、歩行者H1は検出範囲を逸脱し、N+1フレーム目、N+2フレーム目では歩行者H1を認識することができない。
このように検出範囲から逸脱する歩行者H1に対し、本発明ではNフレーム目までの移動状態から歩行者H1の進路を確率的な事象として推定し、推定結果に基づいて歩行者H1に対する警戒を行なう。
同図では、N+1フレーム目の撮影タイミングにおける歩行者H1の進路の推定結果として予想移動範囲A1、N+2フレーム目の撮影タイミングにおける歩行者H1の進路の推定結果として予想移動範囲A2を形成している。
そして、歩行者H1が予想移動範囲A1、予想移動範囲A2に存在する可能性を考慮して危険度を判定し、運転者への通知や車両挙動への介入を行なう。
このように認識範囲(検出範囲)から逸脱した移動物体に対して移動状態の推定を継続し、認識範囲外の移動物体の位置を予測して危険度の判定を行なうことで、認識範囲に対して出入りする移動物体に対して十分な警戒を行なう点に本発明の主たる特徴がある。
2.本発明の構成例
図2に、本発明の実施の形態である運転支援装置10の概要構成を示す。同図に示すように、運転支援装置10は、車両制御系30および車内通知系40に接続される。
車両制御系30は、車両の動作制御を行なう装置群であり、アクセル操作に基づいてエンジンの動作を制御するエンジン制御機構31、ブレーキペダルの操作に基づいて車両の制動を行なうブレーキ制御機構32、ハンドル操作に基づいて車両の舵角を制御する舵角制御機構33などを含む。
車内通知系40は、自車両の乗員に対して通知を行なう装置群であり、音声による通知を行なうスピーカ41や表示による通知を行なうディスプレイ42などを含む。この車内通知系40は、運転支援装置10の他、ナビゲーション装置や車載オーディオ装置など各種車載装置で共用することができる。
運転支援装置10は、その内部にカメラユニット11、レーダユニット12、変換ユニット13、挙動制御部14、通知処理部15および演算ユニット20を有する。カメラユニット11は、自車両の前方を連続的に(周期的に)撮影する撮影手段、レーダユニット12は自車両周辺の物体を検知する検知手段であり、対向車両や歩行者、右折後に進入する道路の状態を監視する監視手段として機能する。
変換ユニット13は、カメラユニット11およびレーダユニット12の出力に対してA/D変換やサンプリングを行なって演算ユニット20に出力する。
演算ユニット20はCPUとメモリなどで構成され、主にカメラユニット11が撮影した画像を用いて移動物体を認識し、認識結果から移動物体の移動状態を推定し、移動物体と自車両とが衝突する危険度を判断する処理を行なう。
挙動制御部14は、演算ユニット20による危険度の判断結果に基づいて車両制御系30の動作に介入し、加速禁止、減速支援、減速自動実行、操舵自動実行などを行なう。同様に通知処理部15は、演算ユニット20による危険度の判断結果に基づいて車両通知系40の動作を制御し、運転者に対する情報提供や警報を行なう。
つづいて、演算処理部20の動作について詳細に説明する。演算処理部20は、その内部にデータ取得部21、候補点抽出部22、基準データ作成部23、運動オブジェクト決定部24、危険度判定部26を有し、図3のフローチャートに示す動作を繰り返し実行する。
同図に示すように、演算処理部20の動作では、まずデータ取得部21が必要なデータを取得し(ステップS101)、候補点抽出部22が画像データから移動物体の像である運動オブジェクトの候補点を抽出する(ステップS102)。
そして、基準データ作成部23が候補点に対して自車両の移動状態を加味した基準データを作成し(ステップS103)、運動オブジェクト決定部24が基準データと次のフレームの画像とを比較して画像内の運動オブジェクトを決定する(ステップS104)。
さらに運動推定部25が運動オブジェクトの位置の移動から移動物体の移動状態を推定し(ステップS105)、危険判定部26が自車両と移動物体が衝突する危険度の判定を行なう(ステップS106)。
その結果、危険度が低い場合(ステップS107,No)にはそのまま処理を終了し、危険度が高い場合には(ステップS107,Yes)、挙動制御部14による挙動制御や通知処理部15による通知制御を実行して(ステップS108)、処理を終了する。
つづいて、各処理の具体的な動作内容について説明する。まず、データ取得(ステップS101)では、データ取得部21が画像センサから画像データを取得すると共に、車両制御系30から自車両の移動状態を取得する。
ここで、取得した画像データに対しては、フレーム間での照度の差を補正するため、取得した画像データ全体での平均照度を算出し、算出結果に基づいて各画素値の正規化を行なったうえでメモリ内に保持する。
また、自車両の移動状態としては具体的には前回の撮影タイミングから今回の撮影時タイミングまでの自車両の速度、加速度、操舵内容を取得することで、前回の撮影タイミングから自車両がどのように移動したかを取得してメモリに保持する。
つぎに、候補点の抽出(ステップS102)では、候補点抽出部22は図4に示すように、画像を色が異なる領域の集合に分割し、それらの境界線を直線で近似した場合の頂点を候補点として選出する。
図4に示した例では、N−1フレーム目の画像において、長方形の像に三角形の像が重なっており、長方形の像の頂点に対応する候補点P11〜P13、長方形の像と三角形の像が重なる点に対応する候補点P14、三角形の像の頂点に対応するP15〜P17が抽出されている。
同様に、Nフレーム目の画像では、長方形の像の頂点に対応する候補点P21〜P23、長方形の像と三角形の像が重なる点に対応する候補点P24、三角形の像の頂点に対応するP25〜P27が抽出されている。
基準データの作成(ステップS103)では、自車両の移動状態を加味して候補点に対して位置の変更を行なう。図4では、N−1フレーム目の画像から得られた基準点P11〜P17に対し、N−1フレーム目の撮影タイミングからNフレーム目の撮影タイミングまでの自車両の移動状態を加味し、基準点P11a〜P17aの位置を決定している。
すなわち、基準データにおける候補点P11a〜P17aは、各候補点が静止物体から得られた点であると仮定した場合に、Nフレーム目の撮影タイミングにおける自車位置からどの位置に見えるはずであるかを示すものである。
この基準データの候補点P11a〜P17aと、実際にNフレーム目に撮影した画像から得られた候補点P21〜P27とを比較すると、静止物体から得られた候補点については基準データとNフレーム目の撮影データで候補点の位置が一致し、移動物体から得られた候補点については候補点の位置がずれる。
図4においては、候補点P11a〜P14aと候補点P21〜P24とは位置がずれており、候補点P15a〜P17aと候補点P25〜P27とは位置が一致している。
運動オブジェクトの決定(ステップS104)では、基準データと位置が一致しない候補点について、それらの候補点の画像内での位置変化ベクトルに応じて分類し、グループ化する。そして、運動ベクトルが一致する候補点の全てを内包する最小の多角形領域を画定し、単一の移動物体に対応する運動オブジェクトとして決定する。図4においては、候補点P21〜P24によって確定される領域が運動オブジェクトとして選択される。このように、移動物体の像を多角形の運動オブジェクトとして近似することで、輪郭を検出する場合に比して処理負荷を削減することができる。
運動オブジェクトの画像内での位置からは自車両からの距離と相対位置が得られ、フレーム間での画像内での位置変化(すなわち運動オブジェクトを構成する各候補点の位置変化ベクトル)からは、移動物体の移動方向と移動速度が得られる。画像内の位置およびフレーム間での位置変化から、距離、早退速度、移動方向、移動速度を導く手法については、既存の技術であるのでここでは説明を省略する。
運動の推定(ステップS105)では、運動推定部25は、運動オブジェクトの過去の運動履歴、すなわち移動物体の移動履歴に基づいて今後の動きを予測する。移動物体が進む可能性があるのは、それまでの移動方向を中心に±90度の範囲とし、かつ慣性の影響を受けるものと仮定する。換言するならば、移動物体は、それまでの移動方向を維持する可能性が高いが、それまで移動速度の二乗に反比例する確率で進路を変更する可能性もある、として推定を行なう。
例えば、図5−1に示すように、歩行者H1がN−1フレーム目からNフレーム目までベクトルV1で移動したとすると、N+1フレーム目における予想移動範囲A1は、直進方向に進む確率が64%、やや方向を変える確率が左右それぞれ12%、大きく進路を変える確率が左右それぞれ5%、直角に進路を変える可能性が左右それぞれ1%、のように、確率的な事象としてあらわすことができる。
この確率の算出方法の具体例を図5−2に示す。まず、対象物の進行方向をD6とし、D6方向を中心とする±90°を15°毎に分割して各方向をD0,D1,・・・,D12とする。そして、進行速度vおよび方位i(i=0,1,・・・,12)に対して、以下のベクトルXを求める。なお、πは円周率、Kは正の定数である。
X=[X0,X1,・・・,X12)
Xi=v×v×sin(i/12×π)+K×100/13×exp(−v)
そして、対象物が方位iに向かって進む確率piは、Xから次のように求めることが出来る。
pi=Xi/ΣXi
なお、N+1フレーム目の歩行者H1の位置を推定する場合、N−1フレーム目における位置のみではなく、N−2以前の歩行者の位置を考慮することもできる。ここでは図6を参照し、N−3フレーム時点の位置まで考慮する場合を例に説明を行なう。
図6に示すように歩行者がN−3フレームからNフレームまで移動した場合、N−1からNまでの速度を表すベクトルをV1、N−2からN1までの速度を表すベクトルをV2、N−3からN−2までの速度を表す移動ベクトルをV3とする。
ここでV1とV2の差を表す加速度ベクトルa1と、V2とV3との差を表す加速度ベクトルa2を算出すると、フレーム切換速度、すなわち撮影間隔は現状で33msと対象物の速度変化に比較して高速であるので、NフレームからN+1フレームまでの対象物の移動速度とV1との差は、a1とa2の差と同じであると仮定できる。このことから、NフレームからN+1フレームまでの対象物の移動速度を高い精度で予測することができる。
進行方向の予測については、N−2フレームの位置から2フレームの時間経過を経て直接的に(N−1フレームの位置を飛ばして)Nフレームの位置に到達したと仮定した場合の対象物の速度を示すV2aと、同様にN−3フレームの位置から3フレームの時間経過を経て直接的に(N−1,N−2フレームの位置を飛ばして)Nフレームの位置に到達したと仮定した場合の対象物の速度を示すV3aとを算出する。
そして、V1に加えて、V2aおよびV3aを加味して進行方向を予測する。なお、V2aおよびV3aの影響は、V1と同等とはせず、例えばV1:V2a:V3aの比を6:3:1や7:2:1などのように重み付けを行なう。
検出範囲から逸脱した移動物体については、所定期間(例えば所定のフレーム数)の間、運動の推定を継続する。
かかる処理により、例えば図7に示すように移動物体の進路を追跡・推定することとなる。同図に示した例では、自車両C0の検出範囲の左端で移動物体が出入りを繰り返している。
まず、時刻t0に初めて移動物体が検出範囲に入っている。運転支援装置10はこれを認識し、運動オブジェクトαとして進路の追跡を行なう。その後、時刻t1で移動物体は検出範囲から外れる(フレームアウト)が、運転支援装置10は運動オブジェクトαの進路推定を継続する。
この進路推定の継続中に再び移動物体が検出範囲に入れば、運転支援装置10はそれまでと同一の運動オブジェクトαが検出範囲内に復帰したものと認識するが、同図では時刻t2にフレームアウトから所定時間が経過し、運動オブジェクトαの進路の推定を終了している。
その後、時刻t3に移動物体が検出範囲に入るが、運動オブジェクトαの運動推定はすでに終了しているので、運転支援装置10はこの移動物体を新たな運動オブジェクトβとして認識し、その進路を追跡する。
さらに時刻t4に移動物体がフレームアウトした後も運動オブジェクトβの運動推定を継続するが、推定した移動範囲が完全に自車両の前方から消えた(側方に入った)時刻t5に、自車両の前面に衝突する可能性がなくなったとして、運動オブジェクトβに対する運動推定を終了する。
このように、検出範囲から逸脱した(フレームアウトした)後も、移動物体の進路推定を継続することで、検出範囲に出入りする移動物体についてもその存在を考慮し、適切な危険判定を行なうことができる。
また、フレームアウトから所定時間経過後に運動推定を終了することによって、フレームアウトした移動物体の運動推定にかかる処理負荷を軽減することが可能である。
危険度の判定(ステップS106)では、危険度判定部26は、自車両の走行状態と移動物体の予想移動範囲に基づいて警戒領域を設定し、自車両が警戒領域内に入った場合に挙動制御や通知制御を行なう。
警戒領域の設定について図8を参照して説明する。警戒領域の設定では、自車両が通過する可能性が高い範囲に、移動物体の予想移動範囲が存在するならば、その予想移動範囲A11の手前側に警戒領域を設定する。
同図では、自車両の予測位置C1aから予測位置C1bまでの間が通過する可能性の高い範囲であり、その範囲内に予想移動範囲A11が存在するので、予想移動範囲A11の手前側に警戒領域W11を設定している。
この警戒領域の位置と横幅は、予想移動範囲A11の位置と幅に対応して設定する。また、警戒領域の縦幅は、自車両C1の移動速度に対応して設定する。そのため、自車両が高速で予想移動範囲に接近すると、自車両の位置が警戒領域内に入ることになるので、この段階で危険度が高いとみなして挙動制御や通知制御を実行する。
なお、自車両C1の左側方には予想移動範囲A12が存在する。同図における状況下では予想移動範囲A12は自車両が通過する可能性の高い範囲の外であるため、警戒領域は設定しないが、自車両の移動状態が変化し、予想移動範囲A12が自車両が通過する可能性の高い範囲に入った場合には警戒領域を設定する。
つづいて、図9を参照し、危険度の判定と警戒領域の設定の具体例について説明する。同図に示す状態では、自車両C1の検出範囲に移動物体である歩行者H1,H2,H3が存在している。
歩行者H3については、移動予測範囲A3が全て検出範囲に入っており、移動予測範囲A3に対応した警戒領域WA3が設定されている。
歩行者H1については、現段階で検出範囲に入っており、その移動予測範囲A1に対応した警戒領域WA2が設定されている。この後、次のフレームで歩行者H1が検出範囲から逸脱すると、それまでの移動状態から運動を推定して移動予測範囲A2が作成され、推定に基づいて作成された移動予測範囲A2に対応して警戒領域WA2が設定される。
歩行者H2については、現段階で検出範囲内にあり、認識されているが、次のフレームで静止物体である遮蔽物Z1に隠れ、検出範囲内であるにも関わらず画像認識不可能な状態となる。
遮蔽物Z1の存在は、運動オブジェクトがフレームアウトではなく画像内で消失した場合に検知することができる。このように、移動物体が遮蔽物の陰に隠れた場合、フレームアウトの場合とは異なり、その運動推定を行なわずに遮蔽物近傍に警戒領域を設定する。同図に示した状況では、遮蔽物Z1の近傍に警戒領域WZ1を設定している。
遮蔽物近傍に自動的に警戒領域を設定するのは、消失した運動オブジェクトに限らず、他の移動物体が飛び出す可能性のある危険な場所であるためであり、消失した運動オブジェクトの運動推定を行なわないことで処理負荷も軽減することができる。
なお、検出範囲の外側から移動物体が新規の移動物体が入ってくる可能性は常にあるので、検出範囲の左右端には、警戒領域W0を設けておくことが望ましい。
さらに、警戒領域については、危険度の高さに対応する警戒の強弱をつけ、それぞれの警戒領域に自車両が入った場合の処理動作を異ならせることが望ましい。
例えば、図8では、警戒領域を2段階で設定し、警戒領域W0,WA2を弱い警戒領域、警戒領域WA1,WA3,WZ1を強い警戒領域としている。
警戒領域の強弱に対応する処理動作の変化として、例えば強い警戒領域に自車両が進入した場合には、強制的なブレーキと運転者への警報を行ない、弱い警戒領域に自車両が進入した場合には、加速禁止や早期ブレーキの支援(ブレーキのあそびの減少)、もしくは運転者への情報提供のみを行なうこととすればよい。
上述してきたように、本実施例にかかる運転支援装置10は、認識範囲(検出範囲)から逸脱した移動物体に対して移動状態の推定を継続し、認識範囲外の移動物体の位置を予測して危険度の判定を行なうことで、認識範囲に対して出入りする移動物体に対して十分な警戒を行なうことができる。
なお、本実施例に示した構成及び動作はあくまで一例であり、本発明を限定するものではない。本発明は、本実施例の中で示した構成や動作を適宜変更して実施可能である。例えば、本実施例における検出範囲を、撮影した画像全体とした場合には、自車両周辺の状況を詳細に判断することが可能である。また、撮影した画像のうち、車道と歩道のみを検出範囲とすれば、低処理負荷で効率的に状況判断を行なうことができる。
以上のように、本発明にかかる運転支援装置および運転支援方法は、運転操作の支援に有用であり、特に移動物体との衝突回避に適している。
本発明の概要について説明する説明図である。 本発明の実施例にかかる運転支援装置の概要構成を示す概要構成図である。 図1に示した演算処理ユニットの処理動作を説明するフローチャートである。 画像からの運動オブジェクト決定について説明する説明図である。 移動体の進路推定について説明する説明図である。 各進路方向に対する確率の算出方法について説明する説明図である。 3以上の画像からの進路推定について説明する説明図である。 進路推定の具体的な処理例について説明する説明図である。 警戒領域の設定方法について説明する説明図である。 警戒領域設定の具体例について説明する説明図である。
符号の説明
10 運転支援装置
11 カメラユニット
12 レーダユニット
13 変換ユニット
14 挙動制御部
15 通知処理部
20 演算ユニット
21 データ取得部
22 候補点抽出部
23 基準データ作成部
24 運動オブジェクト決定部
25 運動推定部
26 危険度判定部
30 車両制御系
31 エンジン制御機構
32 制動機構
33 操舵機構
40 車内通知系
41 スピーカ
42 ディスプレイ

Claims (13)

  1. 自車両周辺の撮影を実行する前記撮影手段が撮影した画像から移動物体を認識する移動物体認識手段と、
    前記認識結果から前記移動物体の移動状態を推定する移動推定手段と
    前記移動物体と自車両とが衝突する危険度を判断する危険度判定手段と、
    を備え、
    前記移動推定手段は、前記画像内の認識範囲から逸脱した移動物体について移動状態の推定を継続し、危険度判定手段は前記推定結果に基づいて危険度の判定を行なうことを特徴とする運転支援装置。
  2. 前記移動物体認識手段は複数の画像から移動物体の移動方向および移動速度を認識し、前記移動推定手段は前記移動速度に基づいて移動物体の進路を確率的な事象として推定することを特徴とする請求項1に記載の運転支援装置。
  3. 前記移動推定手段は、前記移動速度の二乗に反比例する確率で進路を変更する可能性があるとして前記移動物体の進路を推定することを特徴とする請求項2に記載の運転支援装置。
  4. 前記移動推定手段は、前記移動方向に対して±90度の範囲で進路を変更する可能性があるとして前記移動物体の進路を予測することを特徴とする請求項2または3に記載の運転支援装置。
  5. 前記移動物体認識手段は、最新の画像と過去の複数の画像とを比較して移動物体の移動方向および移動速度の変化を認識し、前記移動推定手段は、移動方向および移動速度の変化に基づいて前記移動物体の進路を予測することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の運転支援装置。
  6. 前記移動推定手段は、前記画像内の認識範囲から逸脱した移動物体について移動状態の推定を所定期間後に終了することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の運転支援装置。
  7. 前記認識範囲は撮影された画像全体であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の運転支援装置。
  8. 前記認識範囲は、撮影された画像のうち、車道および/または歩道に対応する領域であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の運転支援装置。
  9. 前記移動推定手段は、移動物体が静止物体に遮蔽されて画像内から消失した場合に当該移動物体の移動状態の推定を終了し、前記危険判定手段は、前記移動物体を遮蔽した静止物体周辺を危険度の高い領域と判定することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の運転支援装置。
  10. 前記移動物体認識手段は、移動体を画像内の多角形として認識することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の運転支援装置。
  11. 前記移動物体認識手段は、画像内の色の異なる境域を分画して境界線を直線近似することで前記多角形を生成し、当該多角形が有する頂点の画像間での位置変動から移動物体を認識することを特徴とする請求項9に記載の運転支援装置。
  12. 前記移動物体認識手段は、画像間での照度差を補正した上で色の異なる領域を分画することを特徴とする請求項11に記載の運転支援装置。
  13. 自車両周辺の撮影を実行する撮影工程で撮影した画像から移動物体を認識する移動物体認識工程と、
    前記認識結果から前記移動物体の移動状態を推定する移動推定工程と
    前記移動物体と自車両とが衝突する危険度を判断する危険度判定工程と、
    を含み、
    前記移動推定工程は、前記画像内の認識範囲から逸脱した移動物体について移動状態の推定を継続し、危険度判定工程は前記推定結果に基づいて危険度の判定を行なうことを特徴とする運転支援方法。
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