JP5972205B2 - 微粒子製造方法、リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法、正極活物質及びこれを用いたリチウムイオン二次電池並びに微粒子製造用原料エマルション - Google Patents

微粒子製造方法、リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法、正極活物質及びこれを用いたリチウムイオン二次電池並びに微粒子製造用原料エマルション Download PDF

Info

Publication number
JP5972205B2
JP5972205B2 JP2013078455A JP2013078455A JP5972205B2 JP 5972205 B2 JP5972205 B2 JP 5972205B2 JP 2013078455 A JP2013078455 A JP 2013078455A JP 2013078455 A JP2013078455 A JP 2013078455A JP 5972205 B2 JP5972205 B2 JP 5972205B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
raw material
lithium
fine particles
emulsion
silicon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013078455A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014203643A (ja
Inventor
智洋 権田
智洋 権田
耕二 幡谷
耕二 幡谷
相曽 景一
景一 相曽
真也 敷島
真也 敷島
中村 肇宏
肇宏 中村
折田 伸昭
伸昭 折田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Original Assignee
THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD. filed Critical THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Priority to JP2013078455A priority Critical patent/JP5972205B2/ja
Priority to PCT/JP2014/055306 priority patent/WO2014162806A1/ja
Priority to CN201480001897.8A priority patent/CN104487384A/zh
Priority to KR1020157001643A priority patent/KR20150023847A/ko
Priority to TW103109086A priority patent/TWI552959B/zh
Publication of JP2014203643A publication Critical patent/JP2014203643A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5972205B2 publication Critical patent/JP5972205B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B33/00Silicon; Compounds thereof
    • C01B33/20Silicates
    • C01B33/32Alkali metal silicates
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/05Accumulators with non-aqueous electrolyte
    • H01M10/052Li-accumulators
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/05Accumulators with non-aqueous electrolyte
    • H01M10/052Li-accumulators
    • H01M10/0525Rocking-chair batteries, i.e. batteries with lithium insertion or intercalation in both electrodes; Lithium-ion batteries
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/36Selection of substances as active materials, active masses, active liquids
    • H01M4/58Selection of substances as active materials, active masses, active liquids of inorganic compounds other than oxides or hydroxides, e.g. sulfides, selenides, tellurides, halogenides or LiCoFy; of polyanionic structures, e.g. phosphates, silicates or borates
    • H01M4/5825Oxygenated metallic salts or polyanionic structures, e.g. borates, phosphates, silicates, olivines
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01PINDEXING SCHEME RELATING TO STRUCTURAL AND PHYSICAL ASPECTS OF SOLID INORGANIC COMPOUNDS
    • C01P2006/00Physical properties of inorganic compounds
    • C01P2006/40Electric properties
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Description

本発明は、液体状原料をノズルから噴霧し、火炎中で燃焼させて微粒子を製造する噴霧燃焼法による微粒子の製造方法及び製造装置に関するものである。本発明は、特にケイ酸鉄リチウム等のケイ酸塩系のリチウムイオン二次電池用の正極活物質の製造に関するものである。
近年、携帯電話やノートパソコン、デジタルカメラ、ビデオ等の携帯用電子機器の電源として、小型で軽量なリチウムイオン二次電池が広く用いられている。また、電気自動車の普及においては、高性能で安価なリチウムイオン電池が求められている。現在、リチウムイオン二次電池の正極活物質としてはコバルト酸リチウム(LiCoO)が一般的である。しかし、コバルト酸リチウムは、資源的制約が大きく高価な上に毒性も高いコバルトを含むという問題点や、また高温に加熱されると酸素を放出するため発火する恐れがあり安全性が低いという問題点がある。これに対し、熱的・化学的安定性においてコバルト酸リチウムよりもはるかに優れ、また豊富な原料系から製造できる新しい正極活物質として、オリビン構造を持つリン酸鉄リチウム(LiFePO)やケイ酸鉄リチウム(LiFeSiO)等が注目されている。しかし、これらの材料はそのままでは導電性が低く、結晶内部のLiイオン拡散速度が遅いため、数十〜100nmの一次粒子径を有する微粒子にする必要がある。
このようなナノサイズの微粒子の製造方法としては、例えばケイ酸鉄リチウムを合成する場合、シロキサンとリチウムや鉄を含む複数の有機金属化合物を可燃性の有機溶剤に溶解させて作成した原料液をバーナーに導入し、バーナーの先端に取付けたノズルから噴霧して燃焼させることによって、複合微粒子を製造することが提案されている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、上記特許文献に示された方法で製造されるケイ酸塩系リチウムイオン電池用活物質は、粒径が十分小さく電池特性に優れるものの、原料として有機溶剤に可溶なリチウムやその他の金属原料を使用する必要があり、これら原料が非常に高価であるため、目的とする活物質の製造コストの低減が困難であった。
特開2012−195134号公報
シロキサンとリチウムや鉄を含む複数の有機金属化合物を可燃性の有機溶剤に溶解して作成した原料液をバーナーの先端に取付けたノズルから噴霧して燃焼させる方法では原料の燃焼性がよく、微粒子が得られるものの、原料が高価であるため、コストが高くなる問題があった。一方、金属塩等を水系溶媒中に溶解させて作製した原料溶液を用いた場合は、複数の有機金属化合物を可燃性の有機溶剤に溶解させた場合と比較し、安価であるものの噴霧した際の燃焼性が悪く、比較的大きな粒子が混入することがあった。
本発明は、このような状況を鑑み、噴霧燃焼法において、粒径が小さく特性に優れたケイ酸塩系のリチウムイオン二次電池用活物質を安価に製造することができる金属微粒子の製造方法、これを用いたリチウムイオン二次電池と、その製造装置と原料エマルションを提供することを目的とする。
前述した目的を達成するために、本発明は以下の特徴を有する。
(1)シリコン源を含む可燃性液体中に、リチウム源に加えて、シリコンとリチウム以外の原料金属源を少なくとも含む原料溶液が液滴として分散している油中水型エマルションである原料エマルションを作製する工程と、前記原料エマルションを液滴状に噴霧する工程と、前記液滴中の可燃性液体を燃焼させて、微粒子を形成する工程と、
を具備することを特徴とする微粒子製造方法。
(2)リチウムをLi、シリコンをSi、さらにFe、Mn、Ti、Cr、V、Ni、Co、Cu、Zn、Al、Ge、Zr、Mo、Wよりなる群から選ばれる1種もしくは2種類以上の金属元素をMとし、Ti、Cr、V、Zr、Mo、W、P、Bよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素をXとした場合に、前記微粒子の組成が、一般式LiMSi1−z4、1≦y≦2、0≦z<0.4で表されることを特徴する(1)に記載の微粒子製造方法。
(3)前記原料エマルションに、界面活性剤を含むことを特徴とする(1)または(2)記載の微粒子製造方法。
(4)前記界面活性剤のHLBが3〜6の界面活性剤であることを特徴とする(3)に記載の微粒子製造方法。
(5)前記可燃性液体中に分散している前記原料溶液の液滴の平均粒径が0.5〜10μmであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の微粒子製造方法。
(6)噴霧された前記原料エマルションの液滴の平均粒径が5〜500μmであることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の微粒子製造方法。
(7)前記可燃性液体中に含まれるシリコン源が、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、テトラエトキシラン、テトラメトキシシランからなる群より選ばれる1以上のシリコン源を含む有機ケイ素化合物であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項に記載の微粒子製造方法。
(8)前記原料溶液が、リチウムおよび、リチウムとシリコン以外の原料金属の硝酸塩、水酸化物、塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩、炭酸塩からなる群より選ばれる1以上の原料を含むことを特徴とする(1)〜(7)のいずれか1項に記載の微粒子製造方法。
(9)前記可燃性液体が1種類以上の油性の燃料を含むことを特徴とする請求項(1)〜(8)のいずれか1項に記載の微粒子製造方法。
(10)(1)〜(9)のいずれかの微粒子製造方法で製造した微粒子と、有機高分子材料、糖類、多価アルコール類、炭素質材料からなる群より選ばれる一つ以上の炭素源を混合した後、不活性ガス雰囲気で焼成することにより、オリビン構造を有するケイ酸遷移金属リチウム化合物に変化させることを特徴とするリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
(11)(10)に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法を用い作製したケイ酸塩系のリチウムイオン二次電池用正極活物質。
(12)(11)に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質を用い作製した、リチウムイオン二次電池。
(13)シリコン源を含む可燃性液体中に、リチウム源に加えて、シリコンとリチウム以外の原料金属源を少なくとも含む原料溶液の液滴が分散している油中水型の微粒子製造用原料エマルション。
本発明により、噴霧燃焼法において、粒径の小さく特性に優れたケイ酸塩系のリチウムイオン二次電用正極活物質と、これを安価で製造する方法を提供することができる。これを用いたリチウムイオン二次電池と、微粒子製造用原料エマルションと微粒子製造装置を提供することができる。
第1の実施形態にかかる微粒子製造装置11の構成を示す図。 原料エマルション13の構成を示す図。 原料流19中の液滴21の構成を示す図 微粒子製造装置11と微粒子回収装置43の構成を示す図。 噴霧燃焼法における微粒子の生成を説明する図。 第1の実施形態の別の例に係る微粒子製造装置61の構成を示す図。 (a)乳化から2時間経過後の実施例1にかかる原料エマルションの光学顕微鏡写真、(b)乳化から1日後の実施例1にかかる原料エマルションの光学顕微鏡写真。 実施例1にかかる正極活物質のX線回折測定結果。 (a)、(b)実施例1にかかる正極活物質の走査型電子顕微鏡写真。 実施例1及び比較例に係る正極活物質の充放電曲線(黒線:実施例1、灰色線:比較例)。
以下図面に基づいて、本発明の実施形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
(微粒子製造装置11)
図1は、第1の実施形態にかかる微粒子製造装置11を説明する模式図である。微粒子製造装置11は、原料エマルション13と噴霧ガス17が供給されて原料エマルション13の液滴21を含む原料流19を噴出する噴霧ノズル15と、原料流19に着火する着火源23と、を具備する。着火源23は、噴霧ノズル15に続いて設置され、原料流19及び噴霧ガス17に着火し、火炎25を形成する。
(原料エマルション13)
微粒子製造装置11にて、ケイ酸塩系リチウムイオン二次電池用活物質原料を製造するため、原料エマルション13には、少なくともリチウム源と、シリコン源と、リチウムとシリコン以外の原料金属源を含む。原料エマルション13にリチウム源と、シリコン源と、それら以外の原料金属源、を含むことで、得られる微粒子27は、リチウムの酸化物、シリコンの酸化物、及びリチウムとシリコン以外の金属の酸化物、およびそれらの複合酸化物などを含み、この微粒子を結晶化することでオリビン構造を持つリチウム遷移金属シリケートを形成することができる。例えば、リチウム、シリコン以外の原料金属として鉄を用い、各元素の化学量論的組成比でLi:Fe:Si=2:1:1になるよう原料エマルションを調合することにより、オリビン構造を持つケイ酸鉄リチウム(LiFeSiO)を製造することができる。
ここで、本発明で得られる微粒子の組成は、リチウムをLi、シリコンをSi、さらにFe、Mn、Ti、Cr、V、Ni、Co、Cu、Zn、Al、Ge、Zr、Mo、Wよりなる群から選ばれる1種もしくは2種類以上の金属元素をMとし、Ti、Cr、V、Zr、Mo、W、P、Bよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素をXとした場合に、前記微粒子の組成が、一般式LiyMSi1−zz4、1≦y≦2、0≦z<0.4)で表されるものとすることができる。特に、遷移元素以外のP、BをXに含める場合に、Pの場合には、使用する原料としては、リン酸(HPO)、リン酸二水素アンモニウム(NHPO)、リン酸アンモニウム((NH)PO)を用いることができ、Bの場合には、ホウ酸(HBO)、ホウ酸アンモニウム(NH)およびこれらの水和物等を用いることができる。
図2に示すように、原料エマルション13は、有機ケイ素化合物を含む可燃性液体31中に、リチウムイオンに加えて、リチウムとシリコン以外の原料金属イオンを含む原料溶液33が液滴として分散している油中水型エマルションである。
(可燃性液体31)
可燃性液体31は、可燃性の液体であれば特に限定されないが、灯油、ケロシン、軽油、ガソリン、テレビン油、重油、ヘキサン、オクタン、デカン、ドデカン、キシレン、トルエン、ジメチルエーテルからなる群より選ばれる1以上の燃料を含むことが好ましい。価格と取扱性の観点から特に灯油と軽油が特に好ましく、灯油と軽油の混合物を用いることができる。
(シリコン源)
可燃性液体31に含まれるシリコン源としては、可燃性液体31に溶解する原料であれば特に限定されないが、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンなどの環状シロキサンや、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサンなどの鎖状シロキサンや、テトラエトキシラン、テトラメトキシシランなどの有機ケイ素化合物からなる群より選ばれる1以上のシリコン源を使用できる。
(原料金属)
原料溶液33には、リチウム源に加えて、リチウムとシリコン以外の原料金属源を含むが、原料溶液33に含まれるリチウムとシリコン以外の原料金属としては、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、バナジウム(V)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、ゲルマニウム(Ge)、ジルコニウム(Zr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)などを、単独または組み合わせて使用できる。原料溶液33にはリチウムに加えて、リチウムとシリコン以外の原料金属の硝酸塩、水酸化物、塩酸塩、硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩、クエン酸塩等からなる群より選ばれる1以上の原料を含むことが好ましい。
例えばリチウム源としては、硝酸リチウム、塩化リチウム、炭酸リチウム等を用いることができる。リチウム、シリコン以外の原料金属として鉄を使用した場合は、鉄源として、硝酸鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄等を用いることができる。
(界面活性剤)
なお、原料エマルション13を、可燃性液体31中に原料溶液33が液滴として分散している油中水型エマルションである。この状態を安定的に保つためには、界面活性剤35が添加されていることが好ましい。界面活性剤35は、親水基を原料溶液33に向け、親油基を可燃性液体31に向けることでミセル(逆ミセル)を形成することにより、原料溶液33が、安定的に可燃性液体31に分散させることができる。界面活性剤を用いない場合は、図6に示す別の例に係る微粒子製造装置61のように、ノズル直前に乳化機(ホモジナイザー63)を設け、出た直後に原料エマルション13を噴霧ノズル15に供給することで油中水型エマルションである状態を保ったまま噴霧され、液滴21を形成可能である。このようにすれば、リチウムイオンおよび、リチウムとシリコン以外の原料金属イオンを含む原料溶液を、有機ケイ素化合物を含む可燃性液体中に乳濁させて、界面活性剤を用いることなく、可燃性液体中に原料溶液が液滴として分散している油中水型原料エマルションを作成できる。その後、原料エマルションを液滴状に噴霧して、液滴中の可燃性液体を燃焼させ、微粒子を形成することができる。
界面活性剤35としては、HLB(親水・親油バランス)が3〜6の非イオン系界面活性剤を使用することが好ましい。HLBとは、親水性親油性バランスのことである。HLBが3〜6の低HLBの界面活性剤を使用することで、親油基を外側に親水基を内側にして水の粒子を閉じ込める油中水型(W/O型、Water in oil型)のエマルションを安定して形成することができる。また、陽イオン性や陰イオン性の界面活性剤の多くは、界面活性剤中に、炭素や水素以外の金属成分を含むため、その金属成分が得られた微粒子に不純物として混入したり、装置に影響を与えたりする可能性があるため、界面活性剤35としては非イオン系界面活性剤を使用することが好ましい。界面活性剤35としては、モノオレイン酸ソルビタン(商品名:花王製レオドールSP−O10V)などの脂肪酸エステル型非イオン系界面活性剤などを用いることができる。
ここで、HLBが3未満であると、親水性が少ないことからW/O型のエマルションが形成されにくく、HLBが6を超えると、W/O型のエマルションが不安定となり、O/W型のエマルションが形成しやすくなるため望ましくない。従って、HLB値の望ましい範囲は、上記のように3〜6となる。
原料エマルション13は、油中水型エマルションであることが好ましい。油中水型エマルションである場合、原料エマルション13中の原料溶液33の液滴が、水溶液を噴霧して得られる液滴よりも大きさが小さいため、粒径の小さい微粒子を得ることができる。すなわち、原料溶液33をそのまま噴霧ノズル15で噴霧しても、粒径数μmの液滴を得ることは困難であるが、エマルション内には粒径数μmの原料溶液の微細な液滴を作ることができる。原料溶液33の液滴が微細であるために、原料溶液33への熱伝導が早く、粒径が小さな微粒子が生成する。
また、原料エマルション13が油中水型エマルションであるため、液滴の表面の可燃性液体が着火しやすい。また、原料溶液が油中に小さな液滴として分散しているため、粒径の小さい粒子を得ることができる。さらに、油相及び水相の比率を制御することで、原料溶液の液滴が加熱により、分裂して、可燃性液体の微小液滴が生成するため、原料エマルションの燃焼が促進される。
一方、水中油型(O/W型、Oil in water型)のエマルションである場合、火炎と接触する液滴の表面が水相であるため、着火しにくい。また、原料溶液が液滴として分散していないため、加熱の際に粗大粒子が生成する可能性がある。
原料溶液33は、可燃性液体31中に分散していれば特に粒径などに限定はないが、原料エマルション13中の原料溶液33の液滴の平均粒径が0.5〜10μmであることが好ましい。この程度の平均粒径であれば、原料溶液33の液滴の内部まで燃焼時に熱が伝わりやすく、微粒子を生成しやすいためである。原料溶液33の粒径は、界面活性剤の濃度や種類、エマルション作成時の乳化方法、ホモジナイザーの回転数などで調整可能である。
原料エマルション13中の原料溶液33の液滴の粒径については、光学顕微鏡により原料溶液の液滴の粒子径を観察することで得られる。
また、原料エマルション13中の原料溶液33と可燃性液体31の質量比が10:90〜85:15であることが好ましい。さらに、両者の質量比が40:60〜80:20、さらに望ましくは、40:60〜75:25であることがより好ましい。
なお、原料エマルション13の燃焼性を上げるため、原料エマルション13に過酸化水素などの酸化性液体を加えても良い。
(噴霧ノズル15)
噴霧ノズル15は、二流体噴霧ノズルであり、供給された原料エマルション13を、液滴化し、原料流19として噴出する。噴霧ノズル15には、原料エマルション13と噴霧ガス17が供給され、高速の噴霧ガス17の気流により、原料エマルション13が粉砕され、微細な液滴21になる。
噴霧ガス17としては、窒素、アルゴン、酸素、空気又はこれらの混合ガスを用いることができる。特に、原料流19の着火を容易にするために、噴霧ガス17としては、酸素を用いることが好ましい。また、原料流19の可燃性を向上させるために、噴霧ガス17に可燃性ガスと支燃性ガスの予混合ガスを用いても良い。
(液滴21)
原料流19には、原料エマルション13の液滴21が含まれる。図3に示すように、液滴21では、有機ケイ素化合物を含む可燃性液体31中に、リチウムイオンと、リチウムとシリコン以外の原料金属イオンを含む原料溶液33が液滴として分散している。
噴霧された原料流19中の原料エマルション13の液滴21の平均粒径が5〜500μmであることが好ましく、10〜50μmであることがより好ましい。この程度の大きさであれば、原料エマルション13を噴霧した際に液滴21が燃焼しやすいためである。
噴霧された原料流19中の原料エマルション13の液滴21の粒径は、噴霧した液滴21を、位相ドップラー式レーザー粒子分析計を用いて評価することで得られる。位相ドップラー式レーザー粒子分析計は、2本のレーザー光の交差点を液滴21が通過する際に得られるドップラー周波数の位相差を用いて、非接触で液滴21の粒径を求めることができる。
着火源23は、パイロットバーナーとも呼ばれ、噴霧ノズル15から噴出された原料流19を着火する。着火源23は、噴霧ノズル15の先に設置され、特に噴霧ノズル15の先端の近傍に設置される。着火された原料流19は、火炎25を形成する。原料流19に含まれる液滴21は、火炎25にて高温にさらされ、酸化、凝集して微粒子27を形成する。
微粒子27を形成する。
図4は、微粒子製造装置11と微粒子回収装置43の構成を示す図であり、微粒子製造装置11の主要部分はチャンバー41内に配置され、チャンバー41に続いて微粒子回収装置43が設けられる。
(第1の実施形態にかかる微粒子製造装置による微粒子製造方法)
以下、図1を参照して、第1の実施形態にかかる微粒子製造装置11を用いた微粒子製造方法を説明する。
まず、原料エマルション13が噴霧ノズル15に供給される。噴霧ノズル15は、噴霧ガス17が供給される二流体噴霧ノズルであり、原料エマルション13を液滴化して、原料流19を噴出する。
次に、着火源23により原料流19が着火され、火炎25が形成される。火炎25中で原料エマルション13の液滴21から微粒子27が形成される。
次に、図4に示すように、微粒子製造装置11において火炎25中に形成された微粒子27が、微粒子製造装置11が設けられたチャンバー41内をとおり、バグフィルターやサイクロン等の微粒子回収装置43により回収される。
図5は、噴霧燃焼法における微粒子の生成を説明する図である。原料エマルション13が噴霧ノズル15から噴霧され、粒径が数μm〜数百μmの液滴21のミスト(原料流19)が形成され、火炎25中で液滴21が加熱されることで微粒子27を生成する。火炎25中において、液滴21の可燃性液体31が燃焼し、原料溶液33の溶媒は蒸発し、原料エマルションに含まれるリチウムと、シリコンと、リチウムとシリコン以外の原料金属、が燃焼反応により酸化され、核粒子51が形成される。さらに、火炎25中において、核粒子51が、合体・凝集して、粒径が数〜100nm程度の一次粒子53が形成される。チャンバー41内で生成された、核粒子51や一次粒子53などの微粒子27が、微粒子回収装置43で回収される。微粒子27を含む気流は、微粒子回収装置43で微粒子27が回収された後、排気45として排出される。
(第1の実施形態の効果)
第1の実施形態に係る微粒子製造装置11は、油中水型の原料エマルション13を使用し、液滴21の表面に可燃性液体31が露出しているため、着火源23により容易に着火して火炎25を形成することができる。また、原料エマルション13では、原料溶液33が微細な液滴状に含まれているため、粗大な粒子が生成することがない。また、水溶媒を使用した時と異なり、液滴21の内部まで速やかに加熱されるため、液滴21から均一に微細な微粒子27が生成し、粗大な粒子が混入することがない。
また、原料エマルション13には、安価な水溶性のリチウム源に加えて、リチウムとシリコン以外の原料金属源を使用することができるため、原料コストを抑えることが可能である。特に、界面活性剤を用いた場合でも、可燃性液体に可溶なリチウム源や可燃性液体に可溶な原料金属源を使用する場合よりも原料コストを抑えることができる。
(バーナー)
また、第1の実施形態に係る微粒子製造装置11や微粒子製造装置61には、原料流19が供給される火炎を形成するリング状バーナーを有してもよい。リング状バーナーは、可燃性ガスと支燃性ガスとが供給されたガス導入管の環状部分に、複数の火口が設けられる。そして、リング状バーナーにより形成された火炎に、原料流19が供給される。原料流19が供給される火炎を形成できるのであれば、バーナーとしてはリング状バーナーに限られず、火口が一つのバーナーなども使用できる。可燃性ガスは、特に限定されないが、炭化水素ガスや、水素ガスなどを用いることができる。また、支燃性ガスは、特に限定されないが、空気や酸素などを用いることができる。
(噴霧制御ガス噴出部)
また、第1の実施形態に係る微粒子製造装置11や微粒子製造装置61には、噴霧ノズル15の周囲に設けられ、先端から噴霧制御ガスを噴出するノズルフードを設けても良い。ノズルフードは、多重管構造のフードである。ノズルフードの役割は、噴霧ノズル15の先端部をバーナーの輻射熱から保護して噴霧ノズル15の詰まりを防止することと、ノズルフードの先端から噴霧制御ガスを流して、噴霧された原料流19を覆う様なガス流を形成し、原料流19の指向性及び流速を制御することにある。噴霧制御ガスとしては、窒素、アルゴン、酸素、空気又はこれらの混合ガスを用いることができる。このように原料流19の指向性及び流速を制御することで、火炎25中に供給される原料流19の割合を増やして効率良く微粒子27を生成するとともに、火炎25中の原料の滞留時間を制御することで、粒子径を制御することができる。
(正極活物質の製造方法)
噴霧燃焼法により得られた、ケイ酸塩系リチウムイオン二次電池用活物質の前駆体である微粒子を結晶化処理することで、非水電解質二次電池の正極活物質を得ることができる。特に、前駆体粒子を炭素源と混合した後に、不活性ガス充填雰囲気下で焼成することが好ましい。例えばケイ酸鉄リチウムの場合、前駆体粒子内では鉄成分は主に3価の状態で存在しているが、適切な還元雰囲気で焼成することにより、鉄成分が2価へと変化し、その結果、オリビン構造を持ちリチウムイオン二次電池用活物質として機能するケイ酸鉄リチウムの結晶が得られる。
不活性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガス、ネオンガス、ヘリウムガス、二酸化炭素ガスなどを使用することができる。また、生成物の導電性を高めるために、炭化水素ガス充填雰囲気において加熱処理を行ってもよい。熱処理後の生成物の導電性を高めるための炭素源としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボシキメチルセルロースなどの有機高分子材料、グルコース、ショ糖等の糖類、グリセリン、エチレングリコール等の多価アルコール類、カーボンブラック、グラファイト紛等の炭素質物質等を用いることが出来る。ただし加熱処理により還元性のある炭素源が生成する物質であれば、これらに限定されるものではない。
前駆体粒子の結晶化と共に炭素によるコーティングまたは担持処理を同一焼成工程で行うことが好ましい。熱処理条件は温度300〜900℃と処理時間0.5〜10時間の組み合わせで適宜所望の結晶性と粒径の焼成物を得ることができる。高温や長時間の熱処理による過大な熱負荷は粗大な単結晶を生成させ得るので回避すべきであり、所望の結晶性または微結晶性の正極活物質が得られる程度の加熱条件で、結晶子の大きさを極力小さく抑制できる熱処理条件が望ましい。熱処理の温度は400〜800℃程度であることが好ましい。
なお、得られた正極活物質は、焼成工程において凝集している場合は、乳鉢やボールミルほか粉砕手段に掛けることにより、再び粉末状にすることもできる。
以下、本発明について実施例を用いて具体的に説明する。
<実施例1>
硝酸リチウム(LiNO)と硝酸鉄9水和物(Fe(NO・9HO)を純水に溶解して原料溶液を作製した。また、オクタメチルシクロテトラシロキサンを灯油に溶解して可燃性液体を作製した。その後、界面活性剤として花王製レオドールSP−O10Vを使用し、原料溶液:可燃性液体:界面活性剤の重量比が65:33.5:1.5となる割合で、金属製の攪拌羽根を有するホモジナイザーに投入し、1万rpmで10分間撹拌し、油中水型の原料エマルションを作製した。なお、リチウム源と鉄源とシリコン源は、原料エマルション中のLiとFeとSiがLiFeSiOの化学量論比である2:1:1となるようにした。また、原料のエマルション中の濃度は、原料エマルション1kgから生成されるLiFeSiOが0.5molとなるようにした。
図7(a)は、実施例1に係る原料エマルションを乳化から約2時間後に光学顕微鏡により観察した写真であり、図7(b)は、乳化から約1日後に光学顕微鏡により観察した写真である。いずれも原料溶液の液滴が観察され、粒子径(液滴径)は約1.5μm程度であった。また、図7(b)に示すように、界面活性剤を添加した原料エマルションは、1日が経過した後でも安定であった。
この原料エマルションを図1に示す微粒子製造装置11を用いて、微粒子を製造した。まず、原料エマルションを二流体噴霧ノズル(噴霧ノズル15)から噴霧した。噴霧に使用したガスは酸素ガスであった。噴霧した原料ミスト(原料流19)を着火源23にて着火し、火炎25を形成した。その結果、微粒子27が得られた。生成した微粒子はバグフィルターで回収した。
得られた微粒子を走査型電子顕微鏡で観察したところ、直径10nm程度の微細な粒子が多数観察された。
得られた微粒子を、5wt%ポリビニルアルコール水溶液中に微粒子とポリビニルアルコールが乾燥重量比で10:1になるように分散し、水分を蒸発後、Nガス雰囲気下で、650℃で8時間の焼成を行った。焼成中にポリビニルアルコールの炭化と鉄成分の還元が起き、ケイ酸鉄リチウムの生成と結晶化が起きる。得られた凝集体に粉砕処理を行い、正極活物質を得た。
図8は炭素被覆後の正極活物質をX線回折測定を行った結果である。図8の横軸上の黒点はオリビン型のケイ酸鉄リチウム(LiFeSiO)に由来するピークが観察される箇所を示す。実施例1においてオリビン型のケイ酸鉄リチウム(LiFeSiO)の結晶が得られたことがわかる。
図9(a)、(b)は、炭素被覆後の正極活物質を走査型電子顕微鏡で観察した結果であり、(a)は1万倍、(b)は5万倍の倍率の結果である。粒径が50〜200nm程度の微粒子が凝集している様子が観察された。また、正極活物質の比表面積をBET法により測定したところ、18.7m/gであった。
(電池特性の評価)
実施例1で得られた正極活物質に対して、導電助剤(カーボンブラック)を10重量%となるように混合し、さらに混合粉末と結着剤であるポリフッ化ビニリデン(PVdF)のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液を、乾燥重量比で90:10の割合で混合した後、自公転式ミキサーを用いて十分混練し、正極スラリーを得た。
厚さ20μmのアルミニウム箔集電体に、正極スラリーを50g/mの塗工量で塗布し、120℃で30分間乾燥した。その後、ロールプレス機で圧延加工し、直径16mmの円盤状に打抜いて正極とした。
これらの正極を80℃で8時間真空乾燥した後、露点−60℃以下のアルゴン置換のグローブボックス内で負極に金属リチウム、電解液にエチレンカーボネート及びジエチルカーボネートを体積比1:1の割合で混合した混合溶媒にLiPF6を1Mの濃度で溶解したものを、またセパレータに厚さ20μmのポリオレフィン性微孔質膜を用い、直径20mm×厚さ1.6mmの2016型のコイン型電池を作製した。
次に、前記のコイン型リチウム二次電池により、正極活物質の電極特性の試験評価を、次のように実施した。
試験温度25℃、0.1Cの電流レートにて、CC−CV法により、4.5V(対Li/Li)まで充電を行い、その後電流レートが0.01Cまで低下した後に充電を停止した。その後、0.1Cレートにて、CC法により1.5V(前記に同じ)まで放電を行って、初回放電容量を測定した。
図10に、実施例1に係る正極活物質と、比較例として有機金属化合物を可燃性の有機溶媒に溶解した原料溶液を用いて作製した正極活物質の充放電曲線を示す。(a)が充電曲線であり、(b)が放電曲線である。黒線で示した実施例1に係る正極活物質の初回放電容量は、101mAh/gであった。これに対して、灰色の線で示した、比較例である有機金属化合物を可燃性の有機溶媒に溶解した原料溶液(ナフテン酸リチウム、エチルヘキサン酸第2鉄、オクタメチルシクロテトラシロキサン、2エチルヘキサン酸)を用いて作製した正極活物質の初回放電容量は100mAh/gであった。このように本発明にて得られた活物質では、有機金属化合物を可燃性の有機溶剤に溶解して作成した原料溶液を使用して作製した活物質と同等な良好な電池特性を得ることができた。
油中水型エマルションを使用する実施例における原料のコストは、溶剤に可溶な原料を使用する場合に比べて1/3〜1/10と格段に低く抑えることができた。
例えば溶剤に可溶な金属原料は、脂肪酸と苛性アルカリを反応させた後、金属塩の水溶液を加え複分解することや、脂肪酸と金属化合物とを高温で加熱処理し直接反応させ作製している。これは製造設備が大掛かりになることや、反応時間が長いことから、原料のコストが高くなる。また、金属塩等の金属化合物と他物質を反応させて作製しているため、金属塩よりもコストが高くなることは明らかである。
これに対して、本発明の油中水型エマルションを使用する原料のコストは、金属塩等の比較的安価な原料を使用することができることから、溶剤に可溶な原料と比較し安価になる。
以上のとおり、低コストの水溶性の原料を用いて作成された油中水型の原料エマルションを噴霧して得られた微粒子を焼成することで、十分に粒径が小さく電池特性にも優れたケイ酸鉄リチウムを得ることができた。さらに、これを用いて、リチウムイオン二次電池用正極活物質とこれを用いた二次電池を製造することができる。
以上、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しえることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
11………微粒子製造装置
13………原料エマルション
15………噴霧ノズル
17………噴霧ガス
19………原料流
21………液滴
23………着火源
25………火炎
27………微粒子
31………可燃性液体
33………原料溶液
35………界面活性剤
41………チャンバー
43………微粒子回収装置
45………排気
51………核粒子
53………一次粒子
61………微粒子製造装置
63………ホモジナイザー

Claims (14)

  1. シリコン源を含む可燃性液体中に、リチウム源に加えて、シリコンとリチウム以外の原料金属源を少なくとも含む原料溶液が液滴として分散している油中水型エマルションである原料エマルションを、前記原料溶液と可燃性液体の質量比が10:90〜85:15で作製する工程と
    前記原料エマルションを液滴状に噴霧する工程と、
    前記液滴中の可燃性液体を燃焼させて、微粒子を形成する工程と、
    を具備することを特徴とする微粒子製造方法。
  2. シリコン源を含む可燃性液体中に、リチウム源に加えて、シリコンとリチウム以外の原料金属源を少なくとも含む原料溶液が液滴として分散している油中水型エマルションである原料エマルションを、前記原料溶液と可燃性液体の質量比が40:60〜75:25で作製する工程と
    前記原料エマルションを液滴状に噴霧する工程と、
    前記液滴中の可燃性液体を燃焼させて、微粒子を形成する工程と、
    を具備することを特徴とする微粒子製造方法。
  3. リチウムをLi、シリコンをSi、さらにFe、Mn、Ti、Cr、V、Ni、Co、Cu、Zn、Al、Ge、Zr、Mo、Wよりなる群から選ばれる1種もしくは2種類以上の金属元素をMとし、Ti、Cr、V、Zr、Mo、W、P、Bよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素をXとした場合に、前記微粒子の組成が、一般式LiMSi1−z4、1≦y≦2、0≦z<0.4で表されることを特徴とする請求項1または2に記載の微粒子製造方法。
  4. 前記原料エマルションに、界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の微粒子製造方法。
  5. 前記界面活性剤のHLBが3〜6の界面活性剤であることを特徴とする請求項4に記載の微粒子製造方法。
  6. 前記可燃性液体中に分散している前記原料溶液の液滴の平均粒径が0.5〜10μmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の微粒子製造方法。
  7. 噴霧された前記原料エマルションの液滴の平均粒径が5〜500μmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の微粒子製造方法。
  8. 前記可燃性液体中に含まれるシリコン源が、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、テトラエトキシラン、テトラメトキシシランからなる群より選ばれる1以上のシリコン源を含む有機ケイ素化合物であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の微粒子製造方法。
  9. 前記原料溶液が、リチウムおよび、リチウムとシリコン以外の原料金属の硝酸塩、水酸化物、塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩、炭酸塩からなる群より選ばれる1以上の原料を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の微粒子製造方法。
  10. 前記可燃性液体が1種類以上の油性の燃料を含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の微粒子製造方法。
  11. 請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の微粒子製造方法で製造した微粒子と、有機高分子材料、糖類、多価アルコール類、炭素質材料からなる群より選ばれる一つ以上の炭素源を混合した後、不活性ガス雰囲気で焼成することにより、オリビン構造を有するケイ酸遷移金属リチウム化合物に変化させることを特徴とするリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
  12. 請求項11に記載の製造方法を用いて作製したケイ酸塩系のリチウムイオン二次電池用正極活物質を用いて作製した正極と、負極とを容器に収めて製造してなる、リチウムイオン二次電池の製造方法。
  13. シリコン源を含む可燃性液体中に、リチウム源に加えて、シリコンとリチウム以外の原料金属源を少なくとも含む原料溶液の液滴が、前記原料溶液と可燃性液体の質量比が10:90〜85:15で分散している油中水型の微粒子製造用原料エマルション。
  14. シリコン源を含む可燃性液体中に、リチウム源に加えて、シリコンとリチウム以外の原料金属源を少なくとも含む原料溶液の液滴が、前記原料溶液と可燃性液体の質量比が40:60〜75:25で分散している油中水型の微粒子製造用原料エマルション。
JP2013078455A 2013-04-04 2013-04-04 微粒子製造方法、リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法、正極活物質及びこれを用いたリチウムイオン二次電池並びに微粒子製造用原料エマルション Expired - Fee Related JP5972205B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013078455A JP5972205B2 (ja) 2013-04-04 2013-04-04 微粒子製造方法、リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法、正極活物質及びこれを用いたリチウムイオン二次電池並びに微粒子製造用原料エマルション
PCT/JP2014/055306 WO2014162806A1 (ja) 2013-04-04 2014-03-03 微粒子製造方法、リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法、正極活物質及びこれを用いたリチウムイオン二次電池並びに微粒子製造用原料エマルション
CN201480001897.8A CN104487384A (zh) 2013-04-04 2014-03-03 微粒制造方法、锂离子二次电池用正极活性物质的制造方法、正极活性物质及使用了它的锂离子二次电池以及微粒制造用原料乳液
KR1020157001643A KR20150023847A (ko) 2013-04-04 2014-03-03 미립자 제조 방법, 리튬 이온 이차전지용 정극 활물질의 제조 방법, 정극 활물질 및 이것을 이용한 리튬 이온 이차전지 그리고 미립자 제조용 원료 에멀전
TW103109086A TWI552959B (zh) 2013-04-04 2014-03-13 A method for producing a microparticle, a method for producing a positive electrode active material for a lithium ion secondary battery, a positive electrode active material, a lithium ion secondary battery using the same, and a raw material emulsion for producing fine particles

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013078455A JP5972205B2 (ja) 2013-04-04 2013-04-04 微粒子製造方法、リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法、正極活物質及びこれを用いたリチウムイオン二次電池並びに微粒子製造用原料エマルション

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014203643A JP2014203643A (ja) 2014-10-27
JP5972205B2 true JP5972205B2 (ja) 2016-08-17

Family

ID=51658110

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013078455A Expired - Fee Related JP5972205B2 (ja) 2013-04-04 2013-04-04 微粒子製造方法、リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法、正極活物質及びこれを用いたリチウムイオン二次電池並びに微粒子製造用原料エマルション

Country Status (5)

Country Link
JP (1) JP5972205B2 (ja)
KR (1) KR20150023847A (ja)
CN (1) CN104487384A (ja)
TW (1) TWI552959B (ja)
WO (1) WO2014162806A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5972206B2 (ja) * 2013-04-04 2016-08-17 古河電気工業株式会社 微粒子製造方法、リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法、正極活物質及びこれを用いたリチウムイオン二次電池並びに微粒子製造用原料エマルション
CN105932269B (zh) * 2016-05-24 2019-04-30 浙江美达瑞新材料科技有限公司 喷雾燃烧热解制备锂离子电池正极材料的方法
US20220410112A1 (en) * 2019-11-26 2022-12-29 Virginia Commonwealth University Slug-Flow Manufacturing of Uniform and Controllable Microparticles for Battery Cathodes

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2704485B2 (ja) * 1993-09-09 1998-01-26 株式会社豊田中央研究所 酸化物粉末の製造方法
JP2004189558A (ja) * 2002-12-12 2004-07-08 Nagoya Industrial Science Research Inst 金属含有微粒子の製造方法及び製造装置
CN101604745B (zh) * 2009-07-07 2011-09-28 深圳市贝特瑞新能源材料股份有限公司 锂离子动力电池用硅酸盐正极材料及其制备方法、锂离子动力电池
JP2011086524A (ja) * 2009-10-16 2011-04-28 Univ Of Fukui リチウムイオン二次電池正極活物質の製造方法
JP5653637B2 (ja) * 2010-03-01 2015-01-14 古河電気工業株式会社 正極活物質材料、正極、2次電池及びこれらの製造方法
JP5718111B2 (ja) * 2011-03-16 2015-05-13 古河電気工業株式会社 リチウム遷移金属シリケート系正極活物質材料及び非水電解質2次電池用正極の製造方法
CN102664262A (zh) * 2012-05-18 2012-09-12 哈尔滨工业大学 一种锂离子电池用硅酸亚铁锂/碳正极材料的制备方法
JP5972206B2 (ja) * 2013-04-04 2016-08-17 古河電気工業株式会社 微粒子製造方法、リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法、正極活物質及びこれを用いたリチウムイオン二次電池並びに微粒子製造用原料エマルション

Also Published As

Publication number Publication date
TW201504149A (zh) 2015-02-01
KR20150023847A (ko) 2015-03-05
JP2014203643A (ja) 2014-10-27
TWI552959B (zh) 2016-10-11
CN104487384A (zh) 2015-04-01
WO2014162806A1 (ja) 2014-10-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Zhu et al. Recent progress on spray pyrolysis for high performance electrode materials in lithium and sodium rechargeable batteries
KR101462821B1 (ko) 미립자 혼합물, 정극 활물질 재료, 정극, 2차전지 및 이들의 제조방법
JP5653637B2 (ja) 正極活物質材料、正極、2次電池及びこれらの製造方法
JP5950823B2 (ja) 正極活物質材料、非水電解質2次電池及び正極活物質材料の製造方法
JP4829557B2 (ja) リチウム鉄複合酸化物の製造方法
KR101649082B1 (ko) 정극활물질 및 그 제조방법, 그리고, 비수전해질 이차전지용 정극, 비수전해질 이차전지
KR20130033353A (ko) 미립자 혼합물, 활물질응집체, 정극 활물질재료, 정극, 2차 전지 및 이의 제조 방법
KR101699188B1 (ko) 정극활물질, 비수전해질 이차전지용 정극, 비수전해질 이차전지 및 정극활물질의 제조방법
JP5718111B2 (ja) リチウム遷移金属シリケート系正極活物質材料及び非水電解質2次電池用正極の製造方法
JP5877112B2 (ja) 正極活物質及びその製造方法並びに負極及び非水電解質2次電池
JP5972205B2 (ja) 微粒子製造方法、リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法、正極活物質及びこれを用いたリチウムイオン二次電池並びに微粒子製造用原料エマルション
JP5972206B2 (ja) 微粒子製造方法、リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法、正極活物質及びこれを用いたリチウムイオン二次電池並びに微粒子製造用原料エマルション
JP5863525B2 (ja) 微粒子混合物の製造方法および微粒子混合物の製造方法に用いられる水溶液
JP2014113529A (ja) 微粒子製造装置及び微粒子製造方法
JP2016177984A (ja) リチウムイオン電池の正極活物質および製造法
TWI770603B (zh) 藉由噴霧熱解製備奈米結構的混合鋰鋯氧化物
TWI536645B (zh) 鋰離子二次電池用正極材料、鋰離子二次電池用正極構件及鋰離子二次電池
JP2013196934A (ja) 微粒子混合物の製造方法、微粒子混合物、リチウムイオン二次電池正極活物質、リチウムイオン二次電池および微粒子混合物の製造方法に用いられる水溶液
TW202125879A (zh) 含有熱解生產的含鋯氧化物之混合鋰過渡金屬氧化物

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150908

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151109

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160405

RD13 Notification of appointment of power of sub attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7433

Effective date: 20160517

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160526

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20160517

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160628

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160712

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5972205

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees