JP5653637B2 - 正極活物質材料、正極、2次電池及びこれらの製造方法 - Google Patents
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Description
(1)リチウム遷移金属シリケートを含み、
粉末X線回折法の2θ=5〜50°範囲の回折結果として、少なくとも2θ=33.1°付近と2θ=35.7°付近に結晶性のリチウム遷移金属シリケート化合物由来の回折ピークが得られ、さらに、2θ=18〜20°、2θ=26〜28°、2θ=30〜32°、2θ=38〜40°、2θ=42〜44°の各範囲の少なくともいずれかに、非晶質または結晶性のシリコン酸化物、非晶質または結晶性の遷移金属酸化物、微結晶性、結晶性または非晶質のリチウム遷移金属シリケートに由来する回折ピークが得られ、これら回折ピークの半値幅値が0.175〜0.6°の範囲内であり、前記回折結果から得られる結晶子の大きさが5〜50nmの範囲内であり、透過型電子顕微鏡像により測定した粒度分布が10〜200nmの範囲に存在し、粒度平均値が25〜100nmに存在することを特徴とする非水電解質2次電池用正極活物質材料
(2)非晶質成分で少なくとも一部が覆われた結晶を有する微結晶状態であることを特徴とする(1)に記載の正極活物質材料
(3)粒子形状が略球形であることを特徴とする(1)または(2)に記載の正極活物質材料
(4)少なくとも一部がカーボンコートされるか、表面の少なくとも一部にカーボンが担持されることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の正極活物質材料
(5)前記リチウム遷移金属シリケートの遷移金属が、Fe、Mn、Ti、Cr、V、Ni、Co、Cu、Zn、Al、Ge、Zr、Mo、W、のうち少なくとも2元素を含むことを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の正極活物質材料
(6)前記リチウム遷移金属シリケートのシリケートの一部を、酸素を放出しない金属酸、リン酸源またはホウ酸源により置換することを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の正極活物質材料
(7)集電体と、前記集電体の少なくとも片面に、(1)〜(6)のいずれかに記載の正極活物質材料を含む正極活物質層と、を有することを特徴とする非水電解質2次電池用正極
(8)前記集電体がアルミニウムを含む箔であり、前記集電体と少なくともその片面に形成された正極活物質層との界面において、集電体を構成する元素の少なくとも1つが前記正極活物質層へ拡散した混成界面を有していることを特徴とする(7)に記載の非水電解質2次電池用正極。
(9)前記集電体の少なくとも正極活物質材料を形成する表面の表面粗さRz(JIS B 0601−1994 十点平均粗さ)が0.5μm以上であることを特徴とする(8)に記載の非水電解質2次電池用正極
(10)(7)〜(9)のいずれかに記載の非水電解質2次電池用正極を用いたことを特徴とする非水電解質2次電池
(11)前記非水電解質2次電池における電解液にフッ素を含む非水溶媒を含有する電解液を用いたことを特徴とする(10)に記載の非水電解質2次電池
(12)(1)〜(8)のいずれかに記載の正極活物質材料の製造方法であって、リチウム源、遷移金属源およびシリコン源を、火炎中に供給する火炎法を用いて活物質前駆体を合成する工程(a)と、前記活物質前駆体をさらに300〜900℃で0.5〜10時間の熱処理を実施することにより活物質凝集体を製造する工程(b)と、前記活物質凝集体を粉砕する工程(c)と、を具備することを特徴とするリチウム遷移金属シリケート系正極活物質材料の製造方法
(13)前記火炎法が、火炎加水分解法であり、前記火炎が酸水素火炎であり、反応容器内が不活性ガス充填雰囲気であることを特徴とする(12)に記載の正極活物質材料の製造方法
(14)前記火炎法が、熱酸化法であり、前記火炎が酸素を含む炭化水素の火炎であり、反応容器内が不活性ガス充填雰囲気であることを特徴とする(12)に記載の正極活物質材料の製造方法
(15)前記火炎へ供給される前記リチウム源、前記遷移金属源および前記シリコン源が塩化物であり、
前記火炎の原料が少なくとも水素ガスと酸素ガスを含むことを特徴とする(12)に記載の正極活物質材料の製造方法
(16)前記火炎へ、前記リチウム源、前記遷移金属源および前記シリコン源が、気体で供給される、または液体を気化器に通して供給されることを特徴とする(12)〜(15)のいずれかに記載の正極活物質材料の製造方法
(17)前記工程(b)において、炭素源を反応容器に加えて前記熱処理を行うことを特徴とする(12)に記載の正極活物質材料の製造方法
(18)前記工程(b)で得られる活物質凝集体が多孔質であり、
前記活物質凝集体を表面から観察する空隙の大きさが0.01〜0.6μmであることを特徴とする(12)に記載の正極活物質材料の製造方法
(19)(12)〜(18)のいずれかに記載の正極活物質材料の製造方法により製造された正極活物質材料を含有するスラリーを集電体に塗布焼成する工程と、前記集電体をロール圧下処理する工程と、を具備することを特徴とする非水電解質2次電池用正極の製造方法
(20)前記スラリーが、(12)〜(18)のいずれか1項に記載の正極活物質材料の製造方法により製造された正極活物質材料を加えて造粒した0.5〜20μmサイズの2次粒子を含有することを特徴とする(19)に記載の非水電解質2次電池用正極の製造方法
を提供するものである。
火炎法は、塩化物などの原料気体を供給する方法や、気化器を通して原料液体を供給する方法により、構成原料を火炎中へ供給し、構成原料を反応させ、目的物質を得る方法である。火炎法として、VAD(Vapor−phase Axial Deposition)法などが好適な例として挙げられる。
後述のように、2種以上の遷移金属をリチウム遷移金属シリケート化合物に用いる場合は、2種以上の遷移金属の原料を火炎中に供給するようにする。
また、リチウム遷移金属シリケート化合物のシリケートの一部を他のアニオンにより置換する場合は、アニオン源として、遷移金属の酸化物、リン酸の原料、ホウ酸の原料を加える
例えば、酸化チタン、亜チタン酸鉄や亜チタン酸マンガンなどの亜チタン酸金属塩、チタン酸亜鉛やチタン酸マグネシウム、チタン酸バリウムなどのチタン酸塩、酸化バナジウム、メタバナジン酸アンモニウム、酸化クロム、クロム酸塩や二クロム酸塩、酸化マンガン、過マンガン酸塩やマンガン酸塩、コバルト酸塩、酸化ジルコニウム、ジルコン酸塩、酸化モリブデン、モリブデン酸塩、酸化タングステン、タングステン酸塩、オルトリン酸やメタリン酸などのリン酸、ピロリン酸、リン酸水素2アンモニウムやリン酸2水素アンモニウムなどのリン酸水素アンモニウム塩、リン酸アンモニウム、リン酸ナトリウムなどの各種リン酸塩またはピロリン酸塩、およびリン酸第一鉄など導入遷移金属のリン酸塩、ホウ酸や三酸化二ホウ素、メタホウ酸ナトリウムや四ホウ酸ナトリウム、ホウ砂などの各種ホウ酸塩を、それぞれ所望のアニオン源と合成条件に応じて用いることができる。
微粒子混合物は、主にリチウム、遷移金属、シリコンの酸化物や、リチウム遷移金属シリケートの非晶質な微粒子からなるが、遷移金属の結晶性酸化物も混合生成している場合が多い。さらに、一部にはリチウム遷移金属シリケート系化合物の結晶成分も含まれる。これら微粒子混合物を2θ=10〜50°の範囲の粉末法X線回折を測定すると、少なくとも2θ=33.1°付近と2θ=35.7°付近に回折ピークが得られる。多くの場合には、回折ピークが小さく幅の広い回折角を示し、これらは結晶子の小さい微粒子、または小さな単結晶の集まった多結晶微粒子、並びにこれら微粒子の周囲に非晶質成分が存在する微結晶形態である、それぞれのリチウム遷移金属シリケート系化合物結晶面に由来する回折を示すと思われる。なお、ピークの位置は、結晶のゆがみや測定誤差の影響で、±0.1°〜±0.2°程度シフトする可能性がある。
水熱合成法は、オートクレーブなど耐圧容器内に水、リチウム源、遷移金属源、シリコン源を投入し、臨界または超臨界の中温(100〜400℃程度)高圧条件を生じさせて、0.1時間〜3日程度反応させることで、目的の微粒子を合成させることができる。ただし、生成粒子は凝集し易いため、2次粒子の粗大化に注意を要する。これら生成した微粒子の混合物をろ過して回収し、場合によってフィルタかふるいなどに掛けて活物質とすることができる。なお、水熱合成法での反応時の圧力は、温度・投入原料の種類と量、および反応経時によるので特定できないが、0.05〜100MPa程度である。
また、リチウム遷移金属シリケート化合物のシリケートの一部を他のアニオンにより置換する場合は、アニオン源として、遷移金属の酸化物、リン酸の原料、ホウ酸の原料を加える
火炎法による微粒子混合物、または水熱合成法による活物質を熱処理することにより、活物質凝集体が得られる。また、微粒子混合物や活物質に含まれる非晶質な化合物や酸化物形態の混合物が、熱処理により主にリチウム遷移金属シリケート系の結晶形態の化合物に変化する。次いで、熱処理後の生成物の導電性を高めるために、ポリビニルアルコールやショ糖、カーボンブラックなどの導電性カーボン源である有機化合物を熱処理後得られた活物質凝集体に加えて再度焼成する。なお、微粒子混合物や活物質の最初の熱処理時に導電性カーボン源を加えて加熱処理し、結晶化と共にカーボンによるコーティングや担持処理を同一焼成工程で行うこともできる。熱処理条件は温度300〜900℃と処理時間0.5〜10時間の組み合わせで適宜所望の結晶性と粒径の焼成物を得ることができる。高温や長時間の熱処理による過大な熱負荷は粗大な単結晶を生成させ得るので回避すべきであり、所望の結晶性または微結晶性のリチウム遷移金属シリケート化合物が得られる程度の加熱条件で、結晶子の大きさを極力小さく抑制できる熱処理条件が望ましい。
得られた活物質凝集体は、次いで乳鉢やボールミルほか粉砕手段に掛けることにより、再び微粒子とすることができ、例えば、図3〜図4に示す、Liイオンのインターカレーションホスト足り得る本発明の正極活物質材料が得られる。
なお、複数の回折ピークの半値幅の最大値は0.6°以下であることが好ましい。過度に低結晶性のリチウム遷移金属シリケートを作成することは困難であるうえ、過度に低結晶性であると、結晶内のリチウムのインターカレーションホストが少なくなり、充放電容量が低下することが考えられる。
本発明に係る正極活物質材料は、粒子の大きさが小さいので、Liイオンまたは電子の、単結晶や多結晶粒子中の導電パスが短く、イオン導電性と電子伝導性が優れるので、充放電反応の障壁を低下させることができる。
微粒子混合物を熱処理した活物質凝集体を粉砕することにより得られた、正極活物質材料を用いて正極電極を形成するには、カーボンをコーティングしたり担持したりした正極活物質材料の粉末に、必要に応じてさらにカーボンブラックなどの導電材料を加えると共に、ポリテトラフルオロエチレンやポリフッ化ビニリデン、ポリイミドなどの結着剤、またはブタジエンゴムなどの分散剤、またはカルボキシメチルセルロースほかセルロース誘導体などの増粘剤を加えた混合物を、水系溶媒か有機溶媒マトリクス中に加えてスラリーとしたものを、アルミニウムを95重量%以上含むアルミニウム合金箔などの集電体上に、片面ないしは両面に塗布し、焼成して溶媒を揮発乾固する。これにより、本発明の正極が得られる。
本発明の正極を用いた高容量な2次電池を得るには、従来公知の負極活物質材料を用いた負極や電解液、セパレータ、電池ケース等の各種材料を、特に制限なく使用することができる。
本発明の2次電池用正極活物質材料は、従来にないナノスケールの小さな結晶や1次粒子を有しており、さらに結晶性が低いためにLiイオンや電子が移動する距離が小さいために、イオン導電性や電子伝導性が優れるので、本来シリケート系リチウム遷移金属化合物が有する高い容量を充放電に際して得ることができる。
なお、以下の実施例では、リチウム鉄マンガンシリケート化合物の合成を行ったが、その他の遷移金属を用いる場合や、その他のアニオンを組成材料に加える場合でも同様に、合成、提供できる。
まず、試験評価用のリチウム遷移金属シリケート系正極活物質材料を製造するための微粒子混合物または活物質を以下のように作製した。
(1−1)合成実施例1
火炎法により微粒子混合物を製造する製造装置の反応容器は、容器の中央部に微粒子混合物を生成堆積させるシリカ製の芯棒と、芯棒の周囲に配置され、芯棒表面に火炎原料の酸素と水素ガス、および原料気体を供給する複数のバーナーを有し、他方に、堆積されなかった生成微粒子や塩酸等の反応生成物を排気する排気管を有する。バーナーから供給する原料の種類と供給流量条件は、以下とした。(組成Li2Mn1−xFexSiO4、X=0.9目標)
H2:5dm3/min、
O2:5dm3/min、
LiCl(4M水溶液):0.2dm3/min、
FeCl2・4H2O(1M水溶液):0.09dm3/min、
MnCl2・4H2O(1M水溶液):0.01dm3/min、
SiCl4:0.1dm3/min、
別途、N2ガスを所定量供給し、反応容器中を不活性ガス雰囲気とした。このような条件下で、バーナーからの火炎中で合成した正極活物質前駆体である、シリカ微粒子、酸化鉄や酸化マンガン等の遷移金属酸化物微粒子、リチウム鉄マンガンシリケート化合物の微粒子などの微粒子混合物が芯棒に堆積した。回転させながら引き上げる芯棒の操作により、均質に均一厚さに微粒子混合物を堆積させた。芯棒に堆積した微粒子混合物を剥離して収集した。念のため、不純物除去と微粒子サイズを揃えるために、フィルタに通した。得られた微粒子混合物が微粒子混合物aである。
また、同じく火炎法として、空気とプロパンガスによるプロパン燃焼火炎中へ下記の所定濃度の原料液体を供給し、熱酸化させることにより微粒子混合物bを合成して収集した。(組成Li2Mn1−xFexSiO4、X=0.1目標)
ナフテン酸リチウム(4M溶液):0.2dm3/min
C16H30FeO4(2−エチルヘキサン鉄II)(1M溶液):0.01dm3/min
C16H30MnO4(2−エチルヘキサンMnII)(1M溶液):0.09dm3/min
C8H24O4Si4(オクタメチルシクロテトラシロキサン)(1M溶液):0.1dm3/min
活物質rの作製を実施した。ポリテトラフルオロエチレン内筒製の耐圧容器に、下記の原料を投入して、オートクレーブ中で170℃、18時間の水熱合成を行った。(組成Li2Mn1−xFexSiO4、X=0.5目標)
LiOH・H2O:0.2mol、
FeCl2・4H2O:0.05mol、
MnCl2・4H2O:0.05mol、
SiO2微粒粉末:0.1mol、
別途、微量(0.01mol程)のL−アスコルビン酸を溶かしたイオン交換水を加えて、計0.5dm3とした。
室温まで冷却後、沈殿している反応生成物を回収し、充分に純水洗浄後に、これを70℃2時間真空乾燥させて、活物質rを得た。
さらに、活物質sの作製を行った。電気炉に下記の原料を混合投入後、焼成して固相法による合成を行った。(組成Li2Mn1−xFexSiO4、X=0.9目標)
Li2CO3:0.2mol、
FeC2O4・2H2O:0.09mol、
MnC2O4・2H2O:0.01mol、
SiO2微粒粉末:0.1mol、
700℃12時間の仮焼成後、1000℃24時間の本焼成を2回繰り返して、固相法合成の活物質sを得た。
(2−1)実施例1、4、5、比較例3
次に、N2ガス充填の密閉容器に、微粒子混合物aとポリビニルアルコールを所定量加えて、表1に記載の熱処理の温度と時間を変えた複数条件の加熱処理を行って、カーボンコートまたはカーボン担持を実施し、活物質凝集体a’、a1’、a2’、q’を得た。これらの活物質凝集体に粉砕処理を行い、実施例または比較例となる火炎法によるリチウム鉄マンガンシリケート系化合物正極活物質材料A、A1、A2およびQを得た。
(2−2)実施例2
また、微粒子混合物bについて、実施例1と同様の条件にて熱処理とカーボンコートを行い、活物質凝集体を得た後、粉砕処理を行い、正極活物質材料Bを得た。
(2−3)実施例3、比較例1
また、実施例1と同様に、活物質rにポリビニルアルコールを混合した後に、650℃4時間で熱処理を行い、カーボンコート又はカーボン担持処理を行って、正極活物質材料P、Rを得た。なお、正極活物質P、Rは、合成後に粒子が凝集した傾向が認められたので、Pについては乳鉢で粉砕処理を充分に行った。
(2−4)比較例2
また、実施例1と同様に、活物質sにポリビニルアルコールを加えた混合物を650℃4時間で熱処理を行い、カーボンコート又はカーボン担持処理を行って正極活物質材料Sを得た。
(3−1)粉末X線回折測定
前記の本発明実施例と比較例の微粒子混合物及び正極活物質材料の粉末X線回折測定(2θ=10〜50°)を以下の測定条件で行い、合成した微粒子の結晶性や回折性と回折角2θ、正極活物質材料の結晶性と、結晶の大きさを調べた。
X線:CuKα線、出力1.2kW、測定装置:RINT2000(株式会社リガク製)
得られた活物質凝集体について、SEMにより観察した。また、微粒子混合物の熱処理後の活物質凝集体の空隙の大きさをSEM像観察により調べた。
同様に、得られた正極活物質材料について、TEMにより観察とTEM像の画像解析を行い、粒度分布(範囲と個数平均粒度)と粒子形状などを調べた。
実施例及び比較例で得た正極活物質材料粉末A、B、A1、A2、P、Q、R、Sに対して、導電助剤(カーボンブラック)を10重量%となるように混合し、内部を窒素で置換したボールミルを用いて更に5時間混合した。混合粉末と結着剤であるポリフッ化ビニリデン(PVdF)を、重量比95:5の割合で混合し、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を加えて十分混練し、正極スラリーを得た。
次に、前記のコイン型リチウム2次電池により、本発明の正極活物質材料の試験評価を、次のように実施した。
試験温度25℃、0.01Cの電流レートにて、CC−CV法により、4.5V(対Li/Li+)まで充電を行い、その後、0.01Cレートにて、CC法により1.5V(前記に同じ)まで放電を行って、初期の充放電容量を測定した。
Claims (9)
- リチウム遷移金属シリケートを含み、
粉末X線回折法の2θ=5〜50°範囲の回折結果として、少なくとも2θ=33.1°付近と2θ=35.7°付近に結晶性のリチウム遷移金属シリケート化合物由来の回折ピークが得られ、さらに、2θ=18〜20°、2θ=26〜28°、2θ=30〜32°、2θ=38〜40°、2θ=42〜44°の各範囲の少なくともいずれかに、非晶質または結晶性のシリコン酸化物、非晶質または結晶性の遷移金属酸化物、微結晶性、結晶性または非晶質のリチウム遷移金属シリケートに由来する回折ピークが得られ、これら回折ピークの半値幅値が0.175〜0.6°の範囲内であり、前記回折結果から得られる結晶子の大きさが5〜50nmの範囲内であり、透過型電子顕微鏡像により測定した粒度分布が10〜200nmの範囲に存在し、粒度平均値が25〜100nmに存在することを特徴とする非水電解質2次電池用正極活物質材料の製造方法であって、
リチウム源、遷移金属源およびシリコン源を、火炎中に供給する火炎法を用いて活物質前駆体を合成する工程(a)と、
前記活物質前駆体をさらに300〜900℃で0.5〜10時間の熱処理を実施することにより活物質凝集体を製造する工程(b)と、
前記活物質凝集体を粉砕する工程(c)と、
を具備することを特徴とするリチウム遷移金属シリケート系正極活物質材料の製造方法。 - 前記火炎法が、火炎加水分解法であり、
前記火炎が酸水素火炎であり、
反応容器内が不活性ガス充填雰囲気であることを特徴とする請求項1に記載の正極活物質材料の製造方法。 - 前記火炎法が、熱酸化法であり、
前記火炎が酸素を含む炭化水素の火炎であり、
反応容器内が不活性ガス充填雰囲気であることを特徴とする請求項1に記載の正極活物質材料の製造方法。 - 前記火炎へ供給される前記リチウム源、前記遷移金属源および前記シリコン源が塩化物であり、
前記火炎の原料が少なくとも水素ガスと酸素ガスを含むことを特徴とする請求項1に記載の正極活物質材料の製造方法。 - 前記火炎へ、前記リチウム源、前記遷移金属源および前記シリコン源が、気体で供給される、または液体を気化器に通して供給されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の正極活物質材料の製造方法。
- 前記工程(b)において、
炭素源を反応容器に加えて前記熱処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の正極活物質材料の製造方法。 - 前記工程(b)で得られる活物質凝集体が多孔質であり、
前記活物質凝集体を表面から観察する空隙の大きさが0.01〜0.6μmであることを特徴とする請求項1に記載の正極活物質材料の製造方法。 - 請求項1〜7のいずれか1項に記載の正極活物質材料の製造方法により製造された正極活物質材料を含有するスラリーを集電体に塗布焼成する工程と、
前記集電体をロール圧下処理する工程と、
を具備することを特徴とする非水電解質2次電池用正極の製造方法。 - 前記スラリーが、請求項1〜7のいずれか1項に記載の正極活物質材料の製造方法により製造された正極活物質材料を加えて造粒した0.5〜20μmサイズの2次粒子を含有することを特徴とする請求項8に記載の非水電解質2次電池用正極の製造方法。
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