JP5971750B2 - プリンタ装置及びプリンタ装置における印画ユニットの制御方法 - Google Patents
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Description
図1は本発明が適用されるプリンタ装置100の概略構成図であって、熱転写プリンタ等に搭載される。
この印画ユニット10は、ロール状に巻かれたロール紙1を一端側から引き出して所定方向へ搬送するプラテンローラ11と、このプラテンローラ11によって搬送されるロール紙1に文字画像を印画するサーマルヘッド12と、該サーマルヘッド12に対してインクリボンRを供給するリボンローラ13と、を具備する。
プラテンローラ11は、ロール紙1から用紙Pを引き出す駆動ローラとしての役割、及びサーマルヘッド12との間に該用紙Pを挟持して該用紙Pを下方から支持する役割がある。また、このプラテンローラ11には、その回転数に応じて出力されるパルス信号により検出することにより、ロール紙からの用紙Pの引き出し長さ(搬送距離)を検出する用紙長さ検出手段(図示略)が設けられている。
サーマルヘッド12は、複数の発熱素子がプラテンローラ11に対向するように配列されているものであって、プラテンローラ11で搬送される用紙Pに画像情報に応じた印画を行う。
また、印画ユニット10には、該印画ユニット10を高さ方向に沿う矢印(イ)−(ロ)方向に移動させる移動機構20、及び該移動機構20を制御するユニット制御機構21が設けられている。この移動機構20は、測距センサ5(後述する)からの検出信号、及びロール紙1に設定された用紙情報であるRFIDタグ31(後述する)に基づき、用紙Pのカールを解消する方向(矢印(イ)で示すデカール方向)に印画ユニット10を移動するために設けられているが、詳細は後述する。
なお、このRFIDタグ31としては、移動機構20による印画ユニット10の矢印(イ)−(ロ)方向の移動量を補正するための補正テーブルが設定されている。この補正テーブルは、(1)ロール紙メーカー及びその製造ロットによる用紙Pの態様の相違を補正する補正値(図3参照)が複数記憶された補正値テーブル、(2)ロール紙1の用紙長及び用紙長の残量に応じた引き出し高さ位置を示す残量テーブル、といった2種類が事前の計測に基づき設定されている。
具体的には、図2に示されるように、用紙Pのカール量が小さく、測距センサ5と用紙Pとの離間距離(L)が小さい場合には、測距センサ5の出力電圧(V)は大きいが、用紙Pのカール量が大きくなり、測距センサ5と用紙Pとの離間距離(L)が広がって行く場合には、測距センサ5の出力電圧(V)は徐々に小さくなる。
例えば、ロール紙1から引き出される用紙Pのカール量は、ロール紙メーカー及びその製造ロットによってばらつきがあるために、測距センサ5からの出力電圧(V)がしきい値(V1)となったときの補正値(図3にz1で示す)、及び測距センサ5からの出力電圧(V)がしきい値(V2)となったときの補正値(図3にz2で示す)を予め実測により求めて設定したものが、補正値テーブルとして記憶されている。
そして、補正値テーブル(図3参照)中の補正値z1、z2に基づき、印画ユニット10の移動量を適正値に補正することで、ロール紙メーカー及びその製造ロットに影響されない安定した用紙Pのデカール処理を行うことができる。
図4は、補正値を追加した制御を行った場合における測距センサ5の出力電圧波形である。なお、このような測距センサ5の出力電圧波形に基づく印画ユニット10の移動制御は、ユニット制御機構21で行う。
ここで電圧V1はカールの深さを最大と設定したときのしきい値で、V2はカールの深さを最小と設定したときのしきい値であるので、よって、これらしきい値の電圧V1〜V2の範囲に収まるようユニット制御機構21の矢印(イ)−(ロ)方向への移動制御を行うとともに、ユニット制御機構21の移動量を補正する。
また、上記補正値で、矯正し過ぎて、T3で電圧V2のしきい値を超えた場合は、該電圧V2から求められる印画ユニット10の移動距離に対して、補正値(z1)の−d11[mm]を減算して印画ユニット10を上昇させる。
芯管に近づくにつれてカールの量は大きくなるため、T4、T6のときに電圧V1を検出するような場合は、補正値(+)をさらに加算する設定を行っておく。
ロール紙1をプリンタ装置100にセットした後、ロール紙設置部30に搭載されているRFIDリーダライタモジュール32により、ロール紙1の芯管に備えつけられているRFIDタグ31を読み取る。
RFIDリーダライタモジュール32で読み取ったロール紙1のRFIDタグ31に基づき、(1)ロール紙メーカー及びその製造ロットによる用紙Pの態様の相違を補正する補正値(図3参照)が複数記憶された補正値テーブル、(2)ロール紙1の用紙長及び用紙長の残量に応じた引き出し高さ位置を示す残量テーブル、といった用紙情報をユニット制御機構21内の記憶部(図示略)に設定する。
なお、ここで設定される用紙長の残量テーブルとは、ロール紙1の最外周部と印画ユニット10の印画位置との相対高さを示すもので、該ロール紙1からの用紙Pの引き出し長さに応じた各種段階(用紙Pの引き出し長さが、0m、10m、20m・・・場合)における、印画ユニット10の矢印(イ)−(ロ)方向に沿う高さ位置を設定している。
上位システムからの印刷命令により、プリンタ装置100は印画物1枚を印刷する。また、
RFIDタグ31に記憶されているロール紙1の用紙長から、プラテンローラ11の用紙長さ検出手段(図示略)で検出されたロール紙1からの用紙Pの引き出し長さ(搬送距離)を差し引いた残量値を計算する。
ステップ104で計算した用紙Pの残量値が「0」であるか否かを判断し、YESの場合にステップ109に進み、NOの場合にステップ106に進む。
ステップ104で計算した用紙Pの残量値が「0」でない場合、ロール紙1との離間距離を示す測距センサ5の出力電圧(V)が、しきい値(V1〜V2)の範囲内にあるかどうか比較する。そして、この比較により、測距センサ5の出力電圧(V)が、しきい値(V1〜V2)の範囲内に無い場合に、ステップ107・108に進み、また、しきい値(V1〜V2)の範囲内であると判断された場合には、ステップ108に進む。
測距センサ5の出力電圧(V)に応じた補正値(図3参照)を、予め設定した、ロール紙メーカー及びその製造ロットによる用紙Pの態様の相違を補正する補正値を補正値テーブルから読み出す。
ステップ106にて、測距センサ5の出力電圧(V)が、しきい値(V1〜V2)の範囲内であると判断された場合(ステップ106のYES)には、ロール紙1の残量値(ステップ104)に応じた引き出し高さ位置を示す残量テーブルの補正値に基づき、印画ユニット10の矢印(イ)−(ロ)方向に沿う高さ位置をセットした後、先のステップ103に戻る。このとき、測距センサ5の出力電圧(V)に基づく印画ユニット10の移動は行わない。
一方、ステップ106にて、測距センサ5の出力電圧(V)が、しきい値(V1〜V2)の範囲外であると判断されて(ステップ106のNO)、ステップ107を経由した場合には、測距センサ5の出力電圧(V)、ロール紙1の残量値(ステップ104で検出)に応じた引き出し高さ位置を示す残量テーブルの補正値、及びステップ107で読み出した補正値テーブル(図3参照)中の補正値z1、z2に基づき、印画ユニット10の矢印(イ)−(ロ)方向に沿う高さ位置を適正に補正した後、先のステップ103に戻る。
ステップ105 で算出した残量値が0の場合、ロール紙1が無くなっていることを示すアラームを表示して、本フローを終了する。
また、これに限定されず、ロール紙に予め設定された用紙種類・製造ロットといった用紙情報、及びロール紙からの用紙引き出し量を適宜選択し、測距センサ5にて測定された出力電圧(V)との組み合わせにより、印画ユニット10による用紙Pのカール矯正を行っても良い。
また、上記の実施形態においては、用紙Pのカール量を印画ユニット10の下流側で測定しているが、ロール紙1と印画ユニット10との間に用紙Pが自然にカールされる領域を形成すれば、当該カール量を印画ユニットの上流側で測定してもよい。
2 搬送経路
5 測距センサ
10 印画ユニット
12 サーマルヘッド(印字ヘッド)
20 移動機構
21 ユニット制御機構
31 RFIDタグ(用紙情報)
100 プリンタ装置
P 用紙
(イ) デカール方向
Claims (4)
- ロール紙から用紙を引き出し、印刷ヘッドと該印刷ヘッドを受けるローラとの間を通過させて該用紙に印刷を行う印画ユニットを具備するプリンタ装置であって、
前記印画ユニットの前記印刷ヘッドと前記ローラとを、前記引き出された用紙のカール量によってデカール方向へ移動させる移動機構と、前記引き出された用紙のカール量に基づき前記移動機構をデカール方向に所定量移動させる制御機構と、を具備し、
前記制御機構は、前記印画ユニットの下流に設けられて、前記引き出された用紙との距離を測定する測距センサからの出力に基づき、該用紙のカール量を算出し、その算出結果に基づき、前記移動機構による前記印画ユニットのデカール方向への移動量を決定し、
前記制御機構は、前記ロール紙からの用紙引き出しが芯管に近づくにつれて、前記印画ユニットのデカール方向への移動量をさらに補正することを特徴とするプリンタ装置。 - 前記制御機構は、前記ロール紙に予め設定された用紙種類、製造ロットといった用紙情報を加えて、前記移動機構による前記印画ユニットのデカール方向への移動量を補正することを特徴とする請求項1に記載のプリンタ装置。
- ロール紙から用紙を引き出し、印刷ヘッドと該印刷ヘッドを受けるローラとの間を通過させて該用紙に印刷を行う印画ユニットを具備するプリンタ装置であって、
前記印画ユニットの前記印刷ヘッドと前記ローラとを、前記引き出された用紙のカール量に基づき、デカール方向へ移動させることによって、該用紙のカールを矯正し、
前記印画ユニットの下流に設けられて、前記引き出された用紙との距離を測定する測距センサからの出力に基づき、該用紙のカール量を算出し、その算出結果に基づき、前記印画ユニットのデカール方向への移動量を決定し、
前記ロール紙からの用紙引き出しが芯管に近づくにつれて、前記移動機構による前記印画ユニットのデカール方向への移動量をさらに補正することを特徴とするプリンタ装置における印画ユニットの制御方法。 - 前記ロール紙に予め設定された用紙種類、製造ロットといった用紙情報を加えて、前記移動機構による前記印画ユニットのデカール方向への移動量を補正することを特徴とする請求項3に記載のプリンタ装置における印画ユニットの制御方法。
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