JP2013158958A - インクジェット記録装置および記録媒体の搬送方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ロール状に巻かれた記録媒体に記録を行う場合、記録装置内部に長時間退避した場合でも、記録媒体の変形を抑制し、記録物の品質の低下を抑制する。
【解決手段】ロール紙から引き出された記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置であって、記録装置の温度および湿度を計測する計測手段と、記録媒体の種類を識別する識別手段と、記録媒体を記録装置の内部に搬送して記録媒体の先端を巻き戻す巻き戻し手段と、記録装置の内部で記録媒体を挟持する挟持手段と、巻き戻し手段により巻き戻されてから記録媒体を挟持することが可能な時間を記憶した記憶手段から、計測手段により計測された温度および湿度と、識別手段により識別された記録媒体の種類に基づく時間を呼び出す呼び出し手段と、を備え、呼び出し手段により呼び出された時間が、挟持手段により記録媒体が挟持されてからの時間よりも長い場合、記録媒体の挟持を解除する。
【選択図】図5
【解決手段】ロール紙から引き出された記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置であって、記録装置の温度および湿度を計測する計測手段と、記録媒体の種類を識別する識別手段と、記録媒体を記録装置の内部に搬送して記録媒体の先端を巻き戻す巻き戻し手段と、記録装置の内部で記録媒体を挟持する挟持手段と、巻き戻し手段により巻き戻されてから記録媒体を挟持することが可能な時間を記憶した記憶手段から、計測手段により計測された温度および湿度と、識別手段により識別された記録媒体の種類に基づく時間を呼び出す呼び出し手段と、を備え、呼び出し手段により呼び出された時間が、挟持手段により記録媒体が挟持されてからの時間よりも長い場合、記録媒体の挟持を解除する。
【選択図】図5
Description
インクジェット記録装置および記録媒体の搬送方法に関し、特に、ロール状に巻かれた記録媒体を使用するインクジェット記録装置および記録媒体の搬送方法に関する。
大判の記録媒体に記録する場合、ロール状に巻かれたロール紙をインクジェット記録装置に直接搭載し、ロール紙から引き出された記録媒体に記録を行うことがある。このようにロール紙を搭載して記録を行う場合、ユーザーが送信した記録データごとに出力された記録物を任意に切断することによって、記録装置内に記録媒体を保持したまま連続して記録を行う。
ロール紙から引き出された記録媒体が記録装置内の記録可能な位置まで搬送され、記録データを記録装置が受信すると、記録を開始するスタンバイ状態となる。一般に、スタンバイ状態で長時間保持された場合、外気の影響による記録媒体の変質、バックテンションによる紙の変形を回避するため、一定時間経過後、記録装置内部の所定の位置まで巻き取られ再度記録データが送られてくるまで退避位置で待機する。
しかしながら、記録装置内部に退避した場合、記録媒体は、通常は搬送ローラなどによって挟持して保持されたままである。その結果、記録媒体が長時間退避位置で挟持された場合、ローラによるニップ跡が発生し、再度記録を行う際に出力画像の品質に悪影響を及ぼすことがある。
このような、ニップ跡を回避するために、特許文献1には、退避後に記録を行う際は挟持位置を除く範囲で記録を行う方法が開示されている。
また、特許文献2には、記録媒体のニップ位置を制御することで、記録画像上にニップ跡が発生することを防止する方法が開示されている。
記録装置内で挟持されたまま退避した場合、記録媒体は搬送ローラによるニップ跡だけでなく、記録媒体の種類や記録装置の使用環境によっては、挟持された箇所を中心にして記録媒体の浮きや波打ちなど、記録媒体に変形が発生することがある。これらの記録媒体の変形が発生した場合、インクの着弾精度低下による画質の低下、記録媒体のぼこつきによる見栄えの悪化、さらには記録ヘッドに記録媒体が接触してしまい、記録物の品位が損なわれてしまう。
特許文献1に開示された技術では、挟持位置を除く範囲で記録を行っているが、挟持位置を除いただけでは、記録媒体の挟持された箇所を中心にした変形領域を回避して記録を行うことにはならず、記録物の品位を十分に引き出すことはできない。また、挟持箇所は記録を行わず捨てることになりコストアップにつながる。
また、特許文献2に開示された技術では、記録媒体の先端部分でニップを行うが、先端部分であってもニップを行えば先端部分の挟持された箇所を中心にして変形は発生し、記録物の品位低下を防ぐことができない。
さらに、記録装置内部に巻き戻された際にニップを行わないという方法もある。この場合、挟持された箇所を中心にした変形は発生しないが、記録装置内部に巻き取られるごとに再記録の際、記録媒体の頭出しや搬送精度の確保を行うことが必要となり、ユーザーの使用頻度によっては利便性や生産性が悪化することがある。
本発明は以上の点を鑑みてなされたものであり、ロール状に巻かれた記録媒体に記録を行う場合、記録装置内部に長時間退避した場合であっても、記録媒体の変形を抑制し、記録物の品質の低下を抑制するインクジェット記録装置を提供する。
そのために本発明では、ロール紙から引き出された記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置であって、前記インクジェット記録装置の温度および湿度を計測する計測手段と、前記記録媒体の種類を識別する識別手段と、前記記録媒体を前記インクジェット記録装置の内部に搬送して記録媒体の先端を巻き戻す巻き戻し手段と、前記インクジェット記録装置の内部で前記記録媒体を挟持する挟持手段と、前記巻き戻し手段により巻き戻されてから前記記録媒体を挟持することが可能な時間を予め記憶した記憶手段から、前記計測手段により計測された温度および湿度と、前記識別手段により識別された前記記録媒体の種類に基づく時間を呼び出す呼び出し手段と、を備え、前記呼び出し手段により呼び出された時間が、前記挟持手段により記録媒体が挟持されてからの時間よりも長い場合、前記記録媒体の挟持を解除することを特徴とする。
以上の構成によれば、記録媒体の挟持された箇所を中心にした変形が生じる前に挟持を解除することができる。これにより、ロール状に巻かれた記録媒体に記録を行う場合、記録装置内部に長時間退避した場合であっても、記録媒体の変形を抑制し、記録物の品質の低下を抑制することができる。
以下に図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態のインクジェット記録装置を示す概観図である。記録装置100は、専用ホルダーにより取り付けられたロール状に巻かれたロール紙を備えている。本図では、ロール紙から引き出された記録媒体101が記録装置100に通紙された状態を示している。本実施形態の記録媒体は、一般的な記録装置に用いられるパルプを主成分とする紙のみならず、広く布、プラスティックフィルムなどインク受容可能なものをいう。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態のインクジェット記録装置を示す概観図である。記録装置100は、専用ホルダーにより取り付けられたロール状に巻かれたロール紙を備えている。本図では、ロール紙から引き出された記録媒体101が記録装置100に通紙された状態を示している。本実施形態の記録媒体は、一般的な記録装置に用いられるパルプを主成分とする紙のみならず、広く布、プラスティックフィルムなどインク受容可能なものをいう。
記録媒体101を記録装置100内の給紙口に挿入することにより、記録装置100は記録媒体101を検知し、搬送ローラ201によって、記録媒体の先端が記録領域102に到達するまで搬送される。記録領域102は、記録ヘッド103により記録可能な領域であり、記録媒体の裏面からエアー吸引を行うことにより記録媒体の浮きを軽減する。また、記録ヘッド103は、インクを飛翔させることで記録を行う。
記録ヘッド103は、キャリッジ104によって記録媒体が搬送される方向に対して垂直方向(主走査方向)に移動し、記録媒体の幅方向へ記録を行うことができる。ピンチローラ105は、記録媒体が記録ヘッドの下を通過する直前備え付けられており、記録媒体を押さえつけることで記録媒体の浮きを軽減し、記録媒体が記録ヘッド103に接触することを防止する。
表示・入力パネル106は、記録装置の外装部に備え付けられたパネルでユーザーが記録媒体を記録装置にセットする際に記録媒体の種類やサイズなどの情報を任意に入力することができる。また、記録装置の状態を表示する役割も担う。
記録媒体101は、記録領域102で記録された後、出力画像の後端が所定の位置まで搬送されカッター107により切断される。切断後、記録媒体101は、記録領域102に記録媒体の先端が来るように巻き戻され、次の記録データを受信次第直ちに記録を開始可能なスタンバイ状態となる。スタンバイ状態では通常ピンチローラ105により記録媒体が保持されている。
図2は、本実施形態の記録装置のスタンバイ状態を示す断面図である。また、図3は、本実施形態の記録装置の退避状態を示す断面図である。
記録データを受信せずにスタンバイ状態で所定の時間経過した場合、外気による記録媒体の変質、記録媒体の変形などを防止するために、記録装置の内部まで記録媒体が巻き取られ、退避状態となる。ここで、退避状態とは記録領域以外の記録装置内部に記録媒体が巻き取られた状態であり、記録データ受信後は記録領域に記録媒体の先端が搬送された後に記録を行う状態を指す。
図2に示すスタンバイ状態において記録媒体101は、ピンチローラ105によって先端がニップ保持されており、記録データを受信次第、記録ヘッド103により記録が行われる。スタンバイ状態から退避状態への切り換えを行う時間は、ユーザーによって任意に設定することができ、表示・入力パネル106によって任意の時間を指定できる。
図3に示す退避状態は、スタンバイ状態から記録媒体が一部巻き取られ、搬送ローラ201によって先端が挟持されることによりニップされる状態となる。退避状態において記録データの受信が行われた場合は、再び記録領域まで記録媒体が搬送され記録を行う。なお、退避状態において記録媒体を挟持する部材は搬送ローラに限定されず、搬送経路内で挟持することにより保持することができる部材であればよい。
図4は、本実施形態のインクジェット記録装置における制御系の構成を示すブロック図である。本図において、上位(ホスト)装置401は、下位装置である記録装置100に対して、記録すべき文字や画像データを送信する。また上位装置401は、記録媒体の種類やサイズに関する情報も送信する。記録装置100では、この情報を受信バッファ402に一時的に蓄える。また、正しくデータが転送されているか否かを示す情報、および記録装置100の動作状態を告知する情報も受信バッファ402を介して記録装置100から上位装置401に送信される。なお、上位装置401としてはパーソナルコンピュータやデジタルカメラなどが挙げられるが下位装置である記録装置100に対して記録データの送信が可能であれば他のものであっても構わない。
受信バッファ402に蓄えられたデータは、CPU403の管理下において記録ヘッド103が記録可能なデータに加工された後、ランダムアクセスメモリ部(RAM)404内のプリントバッファ部に記録される。プリントバッファ部のデータは、記録ヘッドコントロール部413によって記録ヘッド103へ転送される。記録ヘッド103は、転送されてきたデータに基づいて記録ヘッドコントロール部413により駆動され各色のインクを吐出する。これにより、文字などを含む画像が記録媒体に記録される。さらに記録ヘッドコントロール部413は、温度情報のような記録ヘッド103の状態を示す情報をCPU403に転送すると共にこれに基づいて下されたCPU403からの命令を実行し記録ヘッド103の駆動制御にフィードバックする役割も果たしている。
A/Dコンバーター408は、温度センサー406や湿度センサー407などの各種センサーからのデータを受信しアナログーデジタル変換を行い、これをCPU403に伝える。表示・入力パネル入力部106は、ユーザーからの入力を受信し、CPU403に伝え、その結果を表示パネル群に反映させる。ユーザーは表示・入力パネル入力部106を通して上位装置401と同様に記録媒体の種類やサイズに関する情報を記録装置に送信することが可能である。
記録装置100が退避状態になった場合、退避状態検出部410によって信号が発せられ、退避時間計測部409によって退避状態における経過時間が計測される。退避状態においては長時間搬送ローラによって挟持されるため、記録媒体の種類、温度、湿度の条件によって記録媒体が大きく変形する。ROM405は各記録媒体や温度、湿度ごとに予め定められた挟持可能時間が記憶されている。本実施形態の挟持可能時間とは、退避状態で挟持された状態で記録媒体の変形が記録時の影響が軽微な範囲で保持可能な時間のことをいう。挟持可能時間が記録媒体の種類、温度、湿度によって決定される理由としては以下の通りである。挟持状態の挟持された箇所を中心とした変形の原因の一つに剛度が挙げられる。剛度が低い場合は記録媒体が変形しやすく、塑性変形も発生しやすい。記録媒体は温度湿度によって記録媒体の剛度が変化する。温度、湿度により空気中の絶対水分量が変化することにより、記録媒体内部の水分量が影響を受け、繊維間の結合に変化が生じるからである。これに加え、インクジェット記録装置で使用可能な記録媒体は、多層構成をなしている物も少なくない。このため、温度湿度による剛度変化は記録媒体の種類に大きく左右される。このため挟持可能時間は記録媒体の種類、温度、湿度によって決定される必要がある。
CPU403は、退避状態計測部409から送られる退避状態に入ってからの経過時間とROM405に格納されている挟持可能時間との比較を行う。また、CPU403はA/Dコンバーター408から送られてくる情報を元に、常に使用環境に合致した条件のROM405内のデータテーブルを参照する。退避状態に入ってからの経過時間が挟持可能時間に達した場合、CPU403はモーターコントロール部411を介して搬送ローラ201による挟持状態の解除を行う。
なお、モーターコントロール部411は、搬送ローラ201のうち記録媒体の表面と接するローラと裏面と接するローラそれぞれに対して制御することができる。挟持状態の解除を行う際に、記録媒体の表面と接するローラを記録媒体の表面から隔離することによって挟持状態の解除を行うこともできる。これは、裏面にローラを接しているため、挟持状態を解除したことによる記録媒体の過度の動きが抑制され、再度記録命令を受信した際の記録媒体の斜行などが軽減されるからである。特に、高湿環境下では、記録媒体の変形を防ぐために挟持状態を短い時間で解除しなければならないが、ロール状の記録媒体特有の巻き癖は緩和されており、挟持状態を解除しても記録媒体の動きは少なくなる。このため、記録媒体の裏面のみを接することで再記録の際の斜行の頻度を少なくすることができる。
図5は、本実施形態の処理の流れを示すフローチャートである。インクジェット記録装置に電源が投入されると(ステップS501)、備え付けのロールホルダーに記録媒体101をセットし、給紙を行う(ステップS502)。記録媒体が記録装置内部に搬送されると、記録媒体の識別が行われる(ステップS503)。記録媒体の識別は、ユーザーが、記録装置外部の表示・入力パネル106で任意に設定することにより行う。また、記録ヘッド103に備え付けられたマルチセンサーなどから光を記録媒体に照射し、分光反射光率を得ることでROM405内に格納された記録媒体ごとの分光反射率パターンとの比較から記録媒体を識別することにより行う。
記録装置内部に取り付けられた温度センサー406および湿度センサー407から、記録装置が使用されている環境情報を取得し、リアルタイムでモニタリングする(ステップS504)。この時点で記録媒体の先端は記録装置内の記録領域104で保持されており、記録可能な状態となっている。上位装置401から記録命令が受信されると(ステップS505)、記録を行う(ステップS510)。
記録動作は連続的に行うことができ、一連の記録が終了したら、記録媒体を記録装置から取り出すかどうかを選択する(ステップS506)。ここで記録媒体を取り出す場合、記録媒体はロールホルダーに巻き取られ、ユーザーは記録装置から記録媒体を外すことによって一連の記録作業を終了する(ステップS511)。一方で、記録媒体を取り出さない場合は、次の記録命令を待つスタンバイ状態となる。
スタンバイ状態で所定の時間経過後、記録装置内部の搬送ローラの位置まで記録媒体を巻き戻し、記録媒体の先端を搬送ローラによって挟持して保持する(ステップS507)。退避状態になってからの経過時間が退避時間計測部409によって計測される(ステップS508)。この間に、記録媒体の識別情報(ステップS503)および計測された温湿度情報(ステップS504)により算出された挟持することが可能な時間を、ROM405に記憶し、温度および湿度、また記録媒体の種類によって挟持可能時間を呼び出す。そして、退避してからの時間が、挟持可能時間を超えた場合は、挟持状態を解除する(ステップS509)。
図6および図7は、それぞれROM405に予め記録されている挟持可能時間を示すテーブルである。このテーブルは、記録媒体ごとに、温度および湿度によって挟持可能時間が定められている。
図6に示されている光沢紙の挟持可能時間は、図7の普通紙の挟持可能時間と比較して高湿側で短い。これは、一般的に光沢紙に求められる画像品質は高く、軽微な紙の変形であっても画像への影響が大きいためである。なお、図6および図7に示す記録媒体種や挟持可能時間は具体例であり、これらは使用する記録装置によって適宜最適化した値を記憶させておくことができる。
退避した後および挟持を解除した後、記録命令を受信した場合、再び記録媒体を記録装置内の記録領域102へ搬送し、記録を開始する(ステップS508およびステップS509)。
このように、記録媒体の種類や記録装置の環境によって挟持時間を設定することで、記録装置内部に長時間退避した場合であっても、記録媒体の挟持された箇所を中心にした変形を抑制し、記録物の品質の低下を抑制する。
(第2の実施形態)
本実施形態は、可能な限り退避状態における挟持時間を少なくするものである。記録装置を使用するユーザーによっては、一日に一度のみ記録命令を送る、など数時間ごと、数日ごと単位でルーティンワークとして記録を行う場合がある。そのような場合、ユーザーが長時間記録命令を送信しないにもかかわらず、退避状態において記録媒体を挟持させておくことは記録媒体に対して負荷がかかり、使用環境の急激な変化などにより挟持可能時間に満たない場合でも記録媒体が変形する恐れがある。このような挟持状態の変形を軽減するために、可能な限り挟持する時間を少なくする。一方で退、避位置では挟持しない構成とすると、退避状態から記録を行う度に斜行してしまう恐れがあり、ユーザーによっては生産性、利便性が悪くなる。したがって、記録媒体に負荷をかけずユーザーにとっても生産性を確保するためには、記録媒体およびユーザーによって最適化を行う必要がある。
本実施形態は、可能な限り退避状態における挟持時間を少なくするものである。記録装置を使用するユーザーによっては、一日に一度のみ記録命令を送る、など数時間ごと、数日ごと単位でルーティンワークとして記録を行う場合がある。そのような場合、ユーザーが長時間記録命令を送信しないにもかかわらず、退避状態において記録媒体を挟持させておくことは記録媒体に対して負荷がかかり、使用環境の急激な変化などにより挟持可能時間に満たない場合でも記録媒体が変形する恐れがある。このような挟持状態の変形を軽減するために、可能な限り挟持する時間を少なくする。一方で退、避位置では挟持しない構成とすると、退避状態から記録を行う度に斜行してしまう恐れがあり、ユーザーによっては生産性、利便性が悪くなる。したがって、記録媒体に負荷をかけずユーザーにとっても生産性を確保するためには、記録媒体およびユーザーによって最適化を行う必要がある。
具体的には、ユーザーの使用履歴からユーザー退避時間を算出し、ROM405で記憶されている挟持可能時間に満たない場合でもユーザーが長時間使用しない状況と判断した場合は挟持状態を解除する。ユーザー退避時間とは挟持可能時間とは異なり、ユーザーの使用方法により決定された挟持状態を解除する時間をいう。
ユーザーは、表示・入力パネル部106によって記録媒体や温湿度によって挟持可能時間を決定する自動モードとユーザーの使用履歴から挟持可能時間を算出し、算出された結果に基づいて挟持状態を解除するユーザーモードを選択できる。ユーザーモードが選択された場合は、外部記憶装置414にユーザーが退避状態に入ってからどれだけの経過時間で再度記録命令を送信したかなどのユーザーの使用履歴が記録媒体ごとに記憶されていく。また、それらのデータを使用しCPU403は挟持可能時間の算出を行い、それらの結果はRAM404に記憶される。ユーザーモードが選択された場合、退避状態に入ってからの経過時間がRAM404に保存された挟持可能時間に達した場合、搬送ローラ201による挟持状態の解除を行う。
図8は、本実施形態の処理の流れを示すフローチャートである。インクジェット記録装置に電源が投入されると(ステップS501)、備え付けのロールホルダーに記録媒体101をセットし、給紙を行う(ステップS502)。記録媒体が記録装置内部に搬送されると、記録媒体の識別が行われる(ステップS503)。記録媒体の識別は、ユーザーが、記録装置外部の表示・入力パネル106で任意に設定することにより行う。また、記録ヘッド103に備え付けられたマルチセンサーなどから光を記録媒体に照射して識別することにより行う。
記録装置内部に取り付けられた温度センサー406および湿度センサー407から、記録装置が使用されている環境情報を取得し、リアルタイムでモニタリングする(ステップS504)。この時点で記録媒体の先端は記録装置内の記録領域104で保持されており、記録可能な状態となっている。
そして、ユーザーの使用方法により決定された挟持状態を解除する時間に基づいて挟持状態を解除するユーザーモードを使用するか否かを判断する(ステップS601)。ここで、ユーザーモードを選択しない場合はステップS505に進み、第1の実施形態の処理の流れと同じとなる。
一方、ユーザーモードを選択した場合、一連の記録命令が終了後(ステップS602)、記録媒体を取り出すかどうかを選択する(ステップS603)。記録媒体を取り出さない場合、スタンバイ状態を経た後に退避位置へ記録媒体が搬送される(ステップS604)。そして、外部記録装置414に記憶されたユーザーの使用履歴データからユーザー退避時間を算出する(ステップS605)。
本実施形態では、ユーザーの使用履歴データとして記録媒体が退避された直近の10回の退避状態から次の記録命令を受信するまでの時間を使用する。そして、ユーザー退避時間は、次の記録命令を受信するまでの時間の平均値およびバラツキである標準偏差から以下のように定義する。
ユーザー退避時間
=退避状態に入ってから次の記録命令を受信するまでの時間の平均値+退避状態に入ってから次の記録命令を受信するまでの時間の標準偏差
なお、本実施形態では、ユーザーの使用履歴データとして次の記録命令を受信するまでの時間を使用したが、本発明はこれに限定されることはない。例えば、ユーザーの記録命令の間隔、一日あたりの記録回数、などのデータからユーザー退避時間を定義してもよい。
=退避状態に入ってから次の記録命令を受信するまでの時間の平均値+退避状態に入ってから次の記録命令を受信するまでの時間の標準偏差
なお、本実施形態では、ユーザーの使用履歴データとして次の記録命令を受信するまでの時間を使用したが、本発明はこれに限定されることはない。例えば、ユーザーの記録命令の間隔、一日あたりの記録回数、などのデータからユーザー退避時間を定義してもよい。
退避されてからの経過時間がユーザー退避時間を越えているかどうかを判定し(ステップS606)、超えていた場合は挟持状態を解除する(ステップS608)。一方、ユーザー退避時間を超えていない場合は、ROM405に予め記憶されている挟持可能時間を越えた場合は記録媒体に対して前述の通り悪影響が発生してしまうため挟持状態を解除して次の記録命令を待つ(ステップS607)。
記録命令を受け取ると(ステップS602)、直前に記録媒体が退避位置にあったかを判断する(ステップS609)。ここで直前に記録媒体が退避位置にあった場合、退避位置で待機していた時間を外部記憶装置に記憶し(ステップS610)、記録処理を行う(ステップS611)。
以上説明のように、記録装置内の退避位置で記録媒体が挟持保持された場合においても記録媒体の変形が抑えられ、その結果、変形によるヘッド擦れ、インク着弾精度低下によるムラなどを軽減し、記録品位を損なうことなく記録を行うことができる。
100 記録装置
101 記録媒体
106 表示・入力パネル
403 CPU
406 温度センサー
407 湿度センサー
101 記録媒体
106 表示・入力パネル
403 CPU
406 温度センサー
407 湿度センサー
Claims (3)
- ロール紙から引き出された記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置であって、
前記インクジェット記録装置の温度および湿度を計測する計測手段と、
前記記録媒体の種類を識別する識別手段と、
前記記録媒体を前記インクジェット記録装置の内部に搬送して記録媒体の先端を巻き戻す巻き戻し手段と、
前記インクジェット記録装置の内部で前記記録媒体を挟持する挟持手段と、
前記巻き戻し手段により巻き戻されてから前記記録媒体を挟持することが可能な時間を予め記憶した記憶手段から、前記計測手段により計測された温度および湿度と、前記識別手段により識別された前記記録媒体の種類に基づく時間を呼び出す呼び出し手段と、
を備え、
前記呼び出し手段により呼び出された時間が、前記挟持手段により記録媒体が挟持されてからの時間よりも長い場合、前記記録媒体の挟持を解除することを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記インクジェット記録装置は、さらに、前記計測手段により計測された温度および湿度と、前記識別手段により識別された前記記録媒体の種類に基づいて前記記録媒体を挟持することが可能な時間を決定する第1の決定手段と、前記インクジェット記録装置のユーザーの使用履歴に基づいて前記記録媒体を挟持することが可能な時間を決定する第2の決定手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
- ロール紙から引き出された記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置の記録媒体の搬送方法であって、
前記インクジェット記録装置の温度および湿度を計測する計測工程と、
前記記録媒体の種類を識別する識別工程と、
前記記録媒体を前記インクジェット記録装置の内部に搬送して記録媒体の先端を巻き戻す巻き戻し工程と、
前記インクジェット記録装置の内部で前記記録媒体を挟持する挟持工程と、
前記巻き戻し工程により巻き戻されてから前記記録媒体を挟持することが可能な時間を予め記憶した記憶工程から、前記計測工程により計測された温度および湿度と、前記識別工程により識別された前記記録媒体の種類に基づく時間を呼び出す呼び出し工程と、
を備え、
前記呼び出し工程により呼び出された時間が、前記挟持工程により記録媒体が挟持されてからの時間よりも長い場合、前記記録媒体の挟持を解除することを特徴とする記録媒体の搬送方法。
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JP2015168156A (ja) * | 2014-03-07 | 2015-09-28 | セイコーエプソン株式会社 | 画像記録装置および画像記録方法 |
JP2017140788A (ja) * | 2016-02-12 | 2017-08-17 | ブラザー工業株式会社 | 印刷装置 |
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