JP5971638B1 - 接触検出装置 - Google Patents
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Abstract
Description
また、水性ボンドに顔料を混ぜて、直接、発泡ポリスチレンに塗布する方法もある。そして、和紙を細かく粉砕し、粉体化したものに木工ボンドや和糊を混練して発泡ポリスチレンに貼り付け、それを水性塗料のネオカラーやポスターカラーで塗装する方法もある。更に、発泡ポリスチレンを基材にしてそれにFRP造形を行う方法もある。
これらはいずれも発泡合成樹脂成型体に塗布した塗装の厚みが厚くなり、形式的な見栄えが良くても、実用的な使用に耐えるものではなかった。
即ち、特許文献1は発泡層付きの表皮材が、基材に分散形成された吸気路からの真空吸引により基材に吸着されて接着された発泡層付き内装品において、表皮材が熱可塑性であり、その表面形状が、表皮材を加温処理により軟化させ、その状態で基材に接着させる際に、表皮材用真空吸引型による真空吸引により賦形されている構成を有し、表皮材が表皮材用真空吸引型の型面に沿って賦形される技術である。これにより、表面品質が向上するだけでなく、意匠の制約が少なくなり、その自由度が拡大され、基材表面に対して非相似形状に形成することができる。
また、特許文献1及び特許文献2では、発泡合成樹脂成型体とクッションシートとの接着力を強くすることを開示している。ところが、形式的に試作品を形成する原材料として発泡性合成樹脂が使用されているものの、少量生産品にこの技術を使用するということは実現されていない。特に、例えば、発泡ポリスチレンのような発泡合成樹脂成型体は、脆く、表面を削って所定の形状に仕上げ、かつ、表面を見栄え良く平滑化することができなかった。
また、市販の感圧スイッチを用いると、押圧力を受けている部位の感圧スイッチ自身は作動するが、他の感圧スイッチが配設されていない箇所は、そこに感圧スイッチが埋設していないと圧力検出ができなかった。また、感圧スイッチはその絶縁基板(シート)の変形が自在にならないので立体的に形成することができなかった。
また、上記発泡合成樹脂体は、前記基材を発泡合成樹脂材料の1枚または複数枚積層接着したもので被覆し、特定の形状に形成するものである。通常、前記発泡合成樹脂体は前記発泡合成樹脂体を外部から被う構成となる。基材はロボット等の自走する自動生産装置に被覆し、その基材に対して前記発泡合成樹脂体を安全上及び保安上設けるものである。
そして、上記容積空間は、前記基材及び前記発泡合成樹脂体との間の片側または両側に形成された補強層は、前記基材及び/または前記発泡合成樹脂体から空気が外気に漏れ難く形成したものである。そのためには、補強層によって空気が通り抜け難くなっている。射出成型金型で形成する金型によって冷やされるスキン層もこの補強層の1つである。ここで、空気が外気に漏れ難く形成した容積空間とは、空気が全く漏れない状態を意味するのではなく、空気が漏れても、それが前記フローセンサの特性を変化する程度には至らないことを意味する。
また、前記補強層は、二次元的な表面的なものでも、三次元的な立体的な処理でもよい。特に、三次元的な補強層は、前記補強層のみの強度というよりも、前記容積空間の強度及び緻密化が可能になる。
加えて、上記フローセンサの信号増幅回路は、前記フローセンサの出力信号を増幅するオペアンプ回路を使用するものである。しかし、本発明を実施する場合には、増幅回路であればよい。
そして、前記発泡合成樹脂体として使用する発泡合成樹脂材料は、存在する内部気泡同士が繋がっていない独立気泡体、存在する内部気泡同士が繋がっている連続気泡体の何れであってもよい。何れにせよ、前記容積空間の空気が外気に漏れ難く形成したものであればよい。
ここで、前記特定の形状に形成された基材を、前記1枚の発泡合成樹脂材料または複数枚を積層接着した発泡合成樹脂材料と特定したものでは、対向する前記基材と前記発泡合成樹脂体が同一材料となり、軽量化及び切削加工等の加工が容易となる。
ここで、前記発泡合成樹脂体に形成した補強層は、前記発泡合成樹脂材料を切削して生じた切削面のビーズライン及びベントホールが形成した凹凸面を緩和させ、精度を上げることにより、気密化させる補強層を形成し、空気の漏れるのを防止するものである。何れにせよ、前記発泡合成樹脂体に形成した補強層は、前記容積空間の空気が外気に漏れ難く形成したものであればよい。
ここで、弾性及び連続気泡体からなる発泡合成樹脂材料板で格子状、4角形状、鮫小紋、円形の水玉状、市松状の何れかを打ち抜き形成し、比較的弾性の高い材料の空間維持材で復元させ、容積空間自体に通気性を持たせ、容積空間を維持させたものである。この容積空間を維持するためには、容積空間内に空間維持材が配設されているから、三次元の曲げ部分が存在しても、空間維持材が前記容積空間の容積を大きく減少させたり、空気の流れを遮断することはない。
ここで、前記フローセンサは、流入口から流出口に空気を通した後、空気が分散排出される補助空間を形成したものであるから、空気の排出、空気の吸収が特定の箇所で行われ、部分的に汚れを生じさせない。特に、前記フローセンサの流入口から流出口を通過した空気は、補助空間を空気が分散して排出されるから、部分的にフィルタを通過するような現象が生じないから、部分的に埃が付着することがない。また、外力は、前記容積空間、補助空間、大気の順で圧力が高くなるから、前記フローセンの応答性を高めることができる。
ここで、「MEMSフローセンサ」、「MEMS風量センサ」、「風速センサ」と呼称される2個のフローセンサの信号出力は、入力が共通しているから、その論理和を取ることにより、信号の信頼性を上げることができる。また、前記フローセンサの較正を的確に行うことができる。
なお、前記容積空間内の圧縮された空気は、前記基材及び前記発泡合成樹脂体から外気に漏れ難くすべく前記容積空間が補強層で形成されているから、外部から前記容積空間に加えられた外力に応じて前記フローセンサを通過する空気量が変化し、特定の外力を検出できる。
通常の圧力センサ、接触センサの利用では、広い面積、特に、立体的な外力の検出はできなかったが、本発明はフローセンサの出力によって、容易に検出が可能となった。
特に、前記補強層は、前記発泡合成樹脂材料を切削して生じた切削面のビーズライン及びベントホールが形成した凹凸面を緩和させ、精度を上げることにより、気密化させ、平面的に、立体的に空気の漏れるのを防止するものである。何れにせよ、前記発泡合成樹脂体に形成した補強層は、前記容積空間の空気が外気に漏れ難く形成したものであれば、前記容積空間の表面に設けてもよいし、前記容積空間自体を補強層によって立体的に構成してもよい。
特に、前記フローセンサの流入口から流出口に空気を通した後、通過した空気が分散排出される補助空間を形成したものであるから、一時的に補助空間に圧縮空気が収容されることから、空気が吸気されても、排気されても、局部的な空気流が形成されるものではなく、空気が補助空間を介して排気、吸気され、検出回数が多くても、部分的に汚れが発生することがない。
ここで、特に、2個のフローセンサの信号出力は、入力が共通しているから、その論理和を取ることにより、信号の信頼性を上げることができる。また、前記フローセンサの較正を相互の出力で的確に行うこともできる。
図1乃至図4において、本発明の実施の形態の接触検出装置で使用する基材1は、ロボットのアームに使用されているプロテクタである。この基材1は、例えば、ソリッドタイプまたは発泡性の熱可塑性樹脂材料から構成されている。この基材1の切削加工前は、接着のために確保しているフランジ部2のサイズで蒲鉾型に形成されていたものの例である。即ち、基材1の外表面1Aは対向する発泡合成樹脂体10からすれば、片側のみに切削加工が行われた容積空間4を形成している。勿論、容積空間4の切削加工は、基材1または発泡合成樹脂体10側の一方のみ、或いは基材1及び発泡合成樹脂体10の両方とすることができる。
なお、基材1の外表面1Aのフランジ部2と発泡合成樹脂体10の内表面10Bとの間は、接着剤または両面テープで接合している。または、基材1の開口及び発泡合成樹脂体10の開口の接合に従って接合してもよい。
本実施の形態の接触検出装置で使用する発泡合成樹脂体10は、1枚以上の熱可塑性樹脂材料、または2枚以上を積層接着した熱可塑性樹脂材料としての発泡合成樹脂材料11,12,13を特定の形状に形成したものである。1枚以上の発泡合成樹脂材料11,12,13は、発泡合成樹脂体10で容積空間4の容積変化が出現する硬度を有するものであり、特に、発泡合成樹脂体10は、存在する内部気泡同士が繋がっていない独立気泡体、存在する内部気泡同士が繋がっている連続気泡体の何れであってもよい。しかし、空気の漏れを少なくするには、極めて柔らかく、復元性がある独立気泡体が好ましく、これら発泡合成樹脂体10の発泡倍率は10〜50倍程度である。スポンジ硬度は10〜50(JIS−k−6253)の範囲内が好ましく、通常、スポンジ硬度は15〜45がより好適であり、構造によっては多少変化する。
なお、本実施の形態では、基材1は発泡合成樹脂体10と同一材料で、また、それらの対する箱型の内枠6として同一処理したものである。基材1の周囲は切削して、外表面1Aを形成している。発泡合成樹脂体10の外表面10Aと内表面10Bには、後述する箱型の内枠6が立体的構成として形成されている。また、基材1の外表面1Aと内表面1Bにも、後述する箱型の内枠6が立体的に構成されている。勿論、発泡合成樹脂体10の外表面10Aと内表面10Bには、基材1の外表面1Aと内表面1Bにも、後述する箱型の内枠6は二次元的構成として形成してもよい。
なお、四角の箱状になっている内枠6は、金属板または金属を圧縮加工することができる。
フローセンサ70には電源線2本、出力信号線1本の計3本からなるリード線71が接続され、その出力のリード線73はロボットを作動させている図示しない電子制御回路に接続されている。一般には、危険信号として急停止させる信号として使用される。
抵抗R2はフォトカプラとしてのLED入力の限流抵抗であり、そのLED出力は、フォトトランジスタに入力され、オペアンプを用いた差動増幅器と絶縁状態でフローセンサ70の検出出力が得られる。したがって、フローセンサ70からなる検出回路の配線が予測しない場所でショートすることがない。
図7はその対策を示す事例である。
即ち、容積空間4には、その内面に通気性のある存在する内部気泡同士が繋がっている連続気泡体の空間維持材4Aで、図7(a)に示す格子状を打ち抜き形成し、また、空間維持材4Bで図7(b)に示す4角形状の市松を打ち抜き形成し、そして、空間維持材4Cで図7(c)に示す鮫小紋、円形の水玉を打ち抜いて形成した弾性体を用いる。このように、空間維持材4A,4B,4Cの弾性で容積空間4の間隔を保持するから、バランスの良い容積空間4の間隔となる。また、これら格子状、4角形状の市松、鮫小紋、円形の水玉を打ち抜いて形成した弾性体は、存在する内部気泡同士が繋がっている連続気泡体であるから、圧力伝達の法則により澱み等が生じることがない。
なお、空間維持材4A,4B,4C等は、連続気泡構造を有しているスポンジゴムを用いてもよい。
容積空間4の内面には、内部気泡同士が繋がっている連続気泡体の発泡合成樹脂材料板4A,4B,4Cを形成し、射出成型した突起1a付きの基材1に発泡合成樹脂材料板4A,4B,4Cを移動しないように配設することもできる。この場合も、突起1aが発泡合成樹脂材料板4A,4B,4Cの移動止めとして作用する。この実施の形態でも、内部気泡同士が繋がっている連続気泡体の発泡合成樹脂材料板4A,4B,4Cを使用しているので、何れの発泡合成樹脂体10に外力を加えても、外力に応じて容積空間4の容積が変化し、結果、フローセンサ70が作動する。
特に、射出成型した突起1aに対向する位置を穿設されている材料を使用することにより、連続気泡体の発泡合成樹脂材料板4A,4B,4Cの配設が容易になる。
なお、四角板状になっている枠6Aは、内枠6の代わりに使用する接合基準であり、枠6Aを省略し、基材1に直接フローセンサ70を取付けてもよい。
本発明を実施する場合には、ロボットの被覆、各種機器のハウジングの被覆は、アルミニウム板、ステンレス板、鉄板、銅板等で形成されるのが一般的である。合成樹脂の場合には発泡合成樹脂も使用されているものの、主に、射出成型等で形成されている。この射出成型で形成した基材1の殆どは、1ブロックの熱可塑性樹脂材料から構成したものであるが、本実施の形態の接触検出装置では、射出成型等で形成された1ブロックの基材1の事例で説明する。
勿論、1枚以上の熱可塑性樹脂材料または2枚以上を積層接着した発泡合成樹脂材料11,12,13を特定の形状に形成した基材1も、1個のソリッドタイプの合成樹脂材料または複数枚のソリッドタイプの合成樹脂板を特定の形状に形成してなる基材1も、基本的構成は射出成型等で形成されたものと相違するものではない。
ステップS2の冶具による処理工程における発泡合成樹脂材料の被塗装面18(図15参照)の硬化は、切削工程が終了した被塗装面18に対して加熱用冶具30(図13参照)を回転させ、その回転している加熱用冶具30が軽く被塗装面18に当たることによって生じる摩擦熱によって得ている。
なお、本発明で説明する平滑化とは、「平滑」は一般に「平らで、なめらかなこと」を意味するが、広い範囲の「平ら」を意味するものではなく、「例えば、コーナー部分の面取りした角度変化においても、急激な凹凸変化がないこと」程度の部分的な平坦を意味する。
即ち、前処理工程(ステップS20)では、図17に示す硬化剤、プラサフ、粘度を調整するシンナーからなる混合物の下塗り剤43を作成し、これを発泡合成樹脂体10の被塗装面18に塗布し、乾いた状態で研磨し、それを1〜12回繰り返し、被塗装面18を平滑な面にする。このとき、発泡合成樹脂体10にベントホールZが存在している場合には、ステップS5で穴埋め処理工程を行い、穴埋め剤42(図16参照)としてポリエステル樹脂パテを使用し、その窪みの大きさに応じて、ステップS4の下塗り処理工程の塗布、乾燥、研磨を繰り返す。ベントホールZの大きさによっては、先に穴埋め剤42でベントホールZの穴埋めを行い、次いで、被塗装面18の塗布、乾燥、研磨を繰り返すのが好ましい場合もある。
何れにせよ、ステップS20の前処理工程は、ステップS4の下塗り処理工程及びステップS5の穴埋め処理工程からなり、硬化剤、プラサフ、シンナー、パテにより、被塗装面のビーズライン及びその凹凸面、ベントホールZ等が表から確認して現出しない程度に処理する。
即ち、ステップS7の仕上げ処理工程は、塗膜を形成することによって、耐久性、例えば、耐候性、耐酸性を得るものであり、本発明を実施する場合には、通常の塗装と同様に、機械装置に応じて同時に全体の塗装を行うこともできるが、別に、発泡合成樹脂体10を塗装した上で機械装置の本体等に組付けることもできる。
勿論、塗料としては、着色した顔料の入った塗料に限らず、透明な紫外線をカットする塗料とすることもできる。
本実施の形態の発泡合成樹脂体10は、被塗装面18を硬くし、研磨作業の際の逃げを防止し、研磨自在とし、精度の良い表面形状を得る目止め剤41を被塗装面18に塗布している。
また、ベントホールZの大きさによっては、先に穴埋め剤42で穴埋めを行い、硬化剤、プラサフ、粘度を調整するシンナーからなる混合物の下塗り剤43を作成し、これを発泡合成樹脂体10の被塗装面18に塗布し、乾いた状態で研磨し、それを繰り返し、被塗装面18を平滑な面にする。
そして、被塗装面18に、顔料を含む合成樹脂塗料を塗布する上塗り剤44は、硬化剤、樹脂塗料、プラサフ、シンナーの配合で混合した混合剤であり、下塗り剤43と同じ硬化剤、プラサフ、シンナーを使用し、上塗りと下塗りの相性が良く、両者間の接着力が確保されるようにしている。
発泡合成樹脂体10は、発泡させた熱可塑性樹脂であり、主な合成樹脂原料は、ポリウレタン(PUR)、ポリスチレン(PS)、ポリオレフィン(主に、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP))であり、他にも、フェノール樹脂(PF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ユリア樹脂(UF)、シリコーン(SI)、ポリイミド(PI)、メラミン樹脂(MF)等も発泡化して用いることができる。しかし、発泡合成樹脂体10の切削面14を加熱することにより硬化させることを前提とすると、80〜200℃の範囲内の温度で変形する合成樹脂材料の使用が望ましい。また、本発明を実施する場合には、発泡率を問うものではないが、使途によっては弾性を維持するものの、硬く仕上げるために発泡率の制限を受けるものもある。
具体的には、直径1mm程度の細粒状ポリエチレンであるポリエチレンビーズに炭化水素ガスを吸収させ、これに100℃以上の高温蒸気を通して樹脂を軟化させると共に圧力を加えて発泡させると、発泡したビーズ相互は融着し合い、冷却時にビーズ単位の変形された形状となって発泡ポリエチレンとなる。
ここで、接着剤15の厚みは、その存在が視認できない程度に可能な限り薄くし、接着機能のみが維持できればよい。ここで使用するゴム糊は、基材としての発泡合成樹脂材料11,12,13と同じポリエチレンからなる接着剤15も使用できる。
勿論、発泡合成樹脂材料11,12,13としてのポリエチレンと、ゴム系の接着剤15とは性質が異なるが、ゴム系の接着剤15をこの接着に使用するのは100μm以下の厚みにすることができ、結果的に製品の加工には支障がなかったことから使用した。発明者らは、加熱した熱盤によって発泡合成樹脂材料11,12,13の両接着面を接触させ瞬間的に加熱し、その熔融面によって接着を行ったが、熟練を必要とするものの、良好な接着が可能であることを確認した。また、発泡合成樹脂材料11,12,13と同系統のポリエチレン系の接着剤を使用することもできる。そして、レーザ光のスキャンにより、発泡合成樹脂体10の両接着面を加熱してもよい。何れにせよ、発泡合成樹脂材料11,12,13の表面が溶けて硬くなる体積が殆ど無視できる程度、即ち、溶融も含めて300μm以下、望ましくは、100μ程度以下の接着面厚さであればよい。勿論、発泡合成樹脂材料10と同じ系統の接着剤とすることもできる。
このように、本発明の実施物における発泡合成樹脂材料11,12,13としては、必要に応じて、1枚または複数枚積層して用いてもよい。勿論、本発明の実施物における直接基材となる発泡合成樹脂体10は、金型内で任意の概略形状に発泡させてもよい。
そこで、一般にボールエンドミル20は、図10の(a)及び(b)に示すように、側面の刃21で切削し、軸に直交する方向に穴を削り広げる用途に用いられるが、本発明の実施の形態で使用するボールエンドミル20もそれに相違するものではない。その最下端から側面の刃21までは、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))加工が施されており、切削された発泡合成樹脂体10、その切削屑が付着しないようにしている。
即ち、ボールエンドミル20と発泡合成樹脂体10の接触角度並びに移動距離及び移動角度等によって発泡合成樹脂体10の外径形状を削り出すことができる。この技術は一般的な切削加工の技術であるから、詳細な説明を省略する。
即ち、加熱用冶具30の太さの下端が任意の曲面からなる摩擦面31となっており、発泡合成樹脂体10の切削した個所の切削面14を含み塗装しようとする基材の被塗装面を摩擦熱で加熱し、温度上昇によって軟化させて、発泡合成樹脂体10の切削面14に平滑面を形成する。これは、平滑面で説明したが、下に凸面及び/または下に凹面を形成する場合も同様に加工できる。
ここで、熱可塑性樹脂からなる発泡合成樹脂体10をボールエンドミル20等の刃物で特定の形状に切削加工する工程を、本実施の形態ではステップS1の切削処理工程という。また、それによって形成された面は加熱用冶具30によって物理化学的に硬化された硬化層の面となる。但し、加熱用冶具30による硬化層は、一般的に数10μmから100μm以下の層であり、連続的に変化しているから通常は面と認識されるに過ぎない。
本実施の形態における実施物からの加熱用冶具30による硬化層の確認では、発泡合成樹脂材料10の微粒子粉体が付着してないこと、糸状に伸びた部位が存在してないことにより、ステップS2の冶具による処理工程がなされているか否かが確認される。
なお、ステップS1の切削処理工程によって生じた切削面14を含み塗装しようとする発泡合成樹脂体10の被塗装面18を硬化させる工程を、ここでは、表面処理工程(ステップS10)という。即ち、表面処理工程(ステップS10)には加熱用冶具30による摩擦加熱、レーザ光のスキャンにより、基材である発泡合成樹脂体10の被塗装面を硬化させる工程が含まれる。
研磨による磨きの効果が生じ難くなったとき、ステップS3の目止め処理工程から次の前処理工程(ステップS20)であるステップS4の下塗り処理工程に移行する。
プラサフとは「プライマーサフェーサ」と呼ばれ、上から塗る塗料の乗りをよくするプライマと、サンドペーパー等によって出来た細かい傷を埋めるサフェーサの機能を有するものである。本実施の形態で使用したプラサフは、オートSPSプラサフ(大日本塗料(♯1100ZN)、R-Mマルチフィーラー(ダイアモンド)、R-Mプロフ(ダイアモンド)等である。
また、プラサフとしてKARプラサフ(関西ペイント)を使用し、成分は二酸化チタン1〜5Wt%、トルエン18Wt%、キシレン2.4Wt%、エチルベンゼン2Wt%、メチルアルコール1〜5Wt%、エチルアルコール0.1〜1Wt%、イソプロピルアルコール1〜5Wt%、イソブチルアルコール1〜5Wt%、メチルイソブチルケトン1〜5Wt%、酢酸エチル5〜10Wt%、酢酸イソブチル10〜15Wt%、ニトロセルロース5〜10Wt%、酸化重合型樹脂5〜15Wt%である。
また、粘度を調整するシンナーとして、ウレタックスシンナー(斎藤塗料)を使用した。成分は、酢酸ブチル30〜40Wt%、トルエン36Wt%、キシレン10Wt%、プロピレングリコールモノメチルエ一テルアセテート1〜10Wt%、エチルベンゼン10Wt%である。
また、この下塗り剤43を塗布した後、下塗り剤43で形成した面を平滑にサンドペーパー、耐水ペーパー等で研磨し、複数回の塗布とその研磨を繰り返している。ここではサンドペーパー、耐水ペーパー等で研磨すると説明したが、水研ぎ等の他の研ぎ方を採用してもよい。この下塗り剤43を塗布した層までを補強層50とすることができる。
ステップS5の穴埋め処理工程では、本実施例の穴埋め剤42としてポリエステル樹脂パテのポリラックZ(中部化研工業)を使用した。成分はスチレン18.3Wt%、ナフテン酸コバルト0.1Wt%である。この穴埋め剤42を塗布した層までを補強層50とすることができる。
ステップS5の穴埋め処理工程を組み入れる場合には、その程度によってはステップS3の目止め処理工程の直後に行うこともできる。勿論、ベントホールZが生じていないものでは、穴埋め処理工程(ステップS5)を省略することができる。
なお、この下塗り剤43を塗布した層までを補強層50とすることができる。
後処理工程(ステップS30)で使用する上塗り剤44は、硬化剤1Wt%に対して、樹脂塗料1Wt%、プラサフ2Wt%、シンナー2.6Wt%の配合で混合し、それを塗布する。硬化剤、プラサフ2Wt%、シンナー2.6Wt%は下塗り処理工程(ステップS4)で使用したものと同じである。
実施例では、樹脂塗料としては、♯55ウレタックス(無鉛)ホワイト(斎藤塗料)を使用した。その成分は、酸化チタン20〜30Wt%、トルエン15Wt%、酢酸ブチル1〜10Wt%、エチルベンゼン5.4Wt%、キシレン5.4Wt%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1〜10Wt%である。
この実施例では、樹脂塗料を♯55ウレタックス(無鉛)ホワイトとし、何色でもそこに上塗りできるようにした。即ち、この時点で他の構成部品と同一の塗装を行う場合には、他の部品と同一の塗装工程に入る。この上塗り剤44を塗布した層までを補強層50とすることができる。
ステップS7の仕上げ処理工程では、仕上げ剤45として、硬化剤0.4Wt%に対して樹脂塗料1Wt%、シンナー0.8Wt%の配合とした塗料を塗布する。
実施例で使用した仕上げ剤45としては、硬化剤としてイソシアネート系硬化剤であるレタンPGエコスポイラー用マルチ硬化剤(関西ペイント)を使用した。その成分は、酢酸エチル5〜10Wt%、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)UR0.1〜1Wt%、ヘキサメチレンジイノシアネート・オリゴマー5〜10Wt%、HMDI系ポリイソシアネート165〜70Wt%である。
そして、シンナーとして、レタンPGシンナー超遅乾形(関西ペイント)を使用した。その成分は、石油ナフサG15〜20Wt%、石油ナフサH1〜5Wt%、キシレン20Wt%、エチルベンゼン18Wt%、クメン0.1〜1Wt%、1,3,5−トリメチルベンゼン3Wt%、ナフタレン0.1〜1Wt%、1,2,4−トリメチルベンゼン9.8Wt%、メトキシブチルアセテート1〜5Wt%、酢酸ブチル1〜5Wt%である。
なお、この仕上げ剤45を塗布した層までを補強層50とすることができる。
図15乃至図17に示すように、ステップS1の切削処理工程で熱可塑性樹脂からなる発泡合成樹脂体材料を特定の形状に切削加工し、発泡合成樹脂体10を形成する。詳しくは、図16(a)のように、発泡合成樹脂体10の被塗装面18には、刃21で切断されないで糸状に伸びて部分的に毛羽立っている糸W、その糸状部が丸まって連結された粒子化した粒子X等を有している。また、随所にベントホールZが存在している。
このようにして、本発明の実施の形態の基材1及び発泡合成樹脂体10との間の容積空間4に対して、所定の容積空間4内の圧縮された空気が、基材1または発泡合成樹脂体10から外気に漏れ難く形成した補強層50を形成している。
よって、高価な金型を使用することなく、発泡合成樹脂体10を用いて、特定の形状を削り出して塗装し、任意の弾性に富む構成となる。
前記基材の被塗装面18を硬化させる表面処理工程(ステップS10)は、加熱用冶具30の回転によってその摩擦熱で加熱を行う加熱用冶具30による処理工程を含むものであるから、加熱用冶具30の回転によってその摩擦熱で表面が熱可塑性樹脂からなる発泡合成樹脂体10の表面が軟化され、かつ、その後、硬化されるから研磨に耐える構造となり、任意の形状に研磨加工できる。また、基材1となる熱可塑性樹脂からなる発泡合成樹脂体10は、加熱用冶具30によって加熱を行うものであり、フライス盤、NC加工盤、自動工作機械等の加工制御が簡単化できる。
したがって、発泡合成樹脂体10を特定の形状に切削し、その切削面14を硬化させ、その硬化状態で研磨し、発泡合成樹脂体10の発泡体のビーズライン及びベントホールZ及びその凹凸を目立たなく研磨加工する。しかも、切削面14のビーズライン及びベントホールZ及びその凹凸からなる面を緩和させる合成樹脂材料を塗布とその研磨を繰り返すことにより、発泡合成樹脂体10の発泡体のビーズライン及びベントホールZ、その凹凸を目立たなく平滑化する。そして、発泡合成樹脂体10の発泡体のビーズライン及びベントホールZ、その凹凸を目立たなくなったところで顔料を含む合成樹脂塗料を塗布する。
更に、前記所定の形状に形成してなる発泡合成樹脂体10の被塗装面18を加熱によって硬化させ及び/または合成樹脂材料を塗布して硬化させているが、それは表面を硬化させ研磨できるようにするのが目的であり、繰り返し塗布しても、結果的に繰り返し研磨するから、従来のように、塗膜の厚みを厚くすることはない。
よって、高価な金型を製作することなく、発泡合成樹脂体10を用いて、特定の形状を削り出して弾性に富む発泡合成樹脂体10にできる。
よって、高価な金型を製作することなく、発泡合成樹脂体10を用いて、特定の形状を削り出して弾性に富む構成となる。
加えて、発泡合成樹脂体10として、ポリウレタン(PUR)、ポリスチレン(PS)、ポリオレフィン(主に、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP))、また、フェノール樹脂(PF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ユリア樹脂(UF)、シリコーン(SI)、ポリイミド(PI)、メラミン樹脂(MF)等の発泡化した樹脂が使用できる。
また、被塗装面18のビーズライン及びベントホールZ、その凹凸面を平滑にすべく塗布する前処理工程(ステップS20)では合成樹脂材料を塗布及び研磨する前処理工程が、200〜400μmの厚みであるが、上記実施例で使用した穴埋め剤42及び下塗り剤43に拘ることなく、被塗装面18のビーズライン及びベントホールZ、その凹凸面を平滑にすべく塗布及び研磨できる合成樹脂材料であればよい。
そして、前処理工程(ステップS20)で形成した被塗装面18に顔料を含む合成樹脂塗料を塗布する後処理工程(ステップS30)は、上塗り剤44が300〜600μmの厚みで、仕上げ剤45が50〜400μmの厚みであるが、上塗り剤44及び仕上げ剤45に拘ることなく、前処理工程(ステップS20)で形成した被塗装面18に顔料を含む塗布自在な合成樹脂塗料であればよい。塗料として透明であるか否かは問われる理由がない。
また、上記実施の形態では、容積空間4内の空気が外圧により圧縮されたとき、その圧縮空気の一部が、容積空間4から漏れ出さなければよいことから、二次元的な表面構造で対応してもよいし、三次元的に立体構造の処理でもよい。特に、三次元的な補強層50は、補強層50のみの強度というよりも、容積空間4の周囲の強度及び緻密化が可能になり、望ましい構造となる。
なお、容積空間4内の圧縮された空気は、基材1及び発泡合成樹脂体10から外気に漏れ難くすべく容積空間4の形成には補強層50が作用している。
したがって、基材1と発泡合成樹脂体10が同じ特性の材料とすることができるので、対向する基材1と発泡合成樹脂体10が同一材料となり軽量化及び加工が容易となる。
したがって、容積空間4は、内面に弾性及び通気性のある発泡合成樹脂材料板で格子状、4角形状、鮫小紋、円形の水玉状、市松状の何れかを打ち抜き形成し、または交互に打ち抜いて形成したものであるから、容積空間4に何も入らない空間ではなく、自己保持する弾性力等を保持させることができ、容積空間4の容積変化を得ればよいことから、複雑な三次元空間であっても、二次元空間と同様の検出が可能となる。
したがって、フローセンサ70は、2個のフローセンサ70とし、その流入口から流出口の空気流路を直列に接続し、2個のフローセンサ70の信号出力は論理和を取ったものであるから、信頼性の高い検出が可能である。
したがって、フローセンサ70は、流入口から流出口に空気を通した後、通過した空気が分散排出される補助空間80を形成してなるものであるから、流入口から流出口に空気を通した後、通過した空気が分散排出される補助空間80を形成したもの、或いは一時的に収容されることから、空気が吸気されても、排気されても、部分的に空気流が形成されるものではなく、空気が補助空間80を介して排気、吸気されるから、検出回数が多くても、部分的に汚れが発生することがない。
特に、外力は、容積空間4、補助空間80、大気の順で圧力が変化するから、フローセンサ70の応答性を高めることができる。また、フローセンサ70の流入口から流出口に空気を通した後、通過した空気が分散排出される補助空間80を形成したものであるから、一時的に補助空間80に圧縮空気が収容されることから、空気が吸気されても、排気されても、局部的な空気流が形成されるものではなく、空気が補助空間80を介して排気、吸気され、検出回数が多くても、部分的に汚れが発生することがない。
ここで、特に、2個のフローセンサ70の信号出力は、入力が共通しているから、その論理和を取ることにより、信号の信頼性を上げることができ、また、各フローセンサ70の較正を相互の出力で的確に行うこともできる。
例えば、前記球体によりビーズラインを球体が挟み込んだり、発泡穴に球体が入り込むことでその境界に樹脂成分が行き渡り、また、その凹凸面を球体が補充し、その間を樹脂成分が繋ぐから、全体的に目立たなくなる。そして、発泡合成樹脂材料の発泡体のビーズライン、発泡穴、その凹凸が目立たなくなったところで、前記前処理工程で形成した面に後処理工程で顔料を含む合成樹脂塗料を塗布する構成とすることもできる。
しかし、本実施の形態は、容積空間4の空気を閉じられた補助空間80に導くものであり、空気の出入りがなくても成立することから、使い勝手が良い。
4 容積空間
4A,4B,4C, 空間維持材
5 案内路
6 内枠
6A 内枠発泡合成樹脂材料
10 発泡合成樹脂体
11,12,13 発泡合成樹脂材料
14 切削面
18 被塗装面
20 ボールエンドミル
30 加熱用冶具
41 目止め剤
42 穴埋め剤
43 下塗り剤
44 上塗り剤
45 仕上げ剤
50 補強層
70 フローセンサ
80 補助空間
Claims (6)
- 特定の形状に形成された基材と、
前記基材を被覆する1枚の発泡合成樹脂材料または複数枚を積層接着した発泡合成樹脂材料を特定の形状に形成してなる発泡合成樹脂体と、
対向する前記基材と前記発泡合成樹脂体の片側または両側に形成された所定の容積空間と、
前記容積空間内の圧縮された空気が、前記基材及び/または前記発泡合成樹脂体から外気に漏れ難くすべく前記容積空間を形成した補強層と、
前記容積空間から外気に導かれる風量(リットル/秒)を検出するフローセンサと
を具備し、
前記発泡合成樹脂体の外面に加わる外力を検出することを特徴とする接触検出装置。 - 前記特定の形状に形成された基材は、前記1枚の発泡合成樹脂材料または複数枚を積層接着した発泡合成樹脂材料としたものであることを特徴とする請求項1に記載の接触検出装置。
- 前記補強層は、前記1枚の発泡合成樹脂材料または複数枚を積層接着した発泡合成樹脂材料を切削して生じた切削面のビーズライン及びベントホールが形成された凹凸面を緩和させ、緻密化することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の接触検出装置。
- 前記容積空間には、その内面に連続気泡性により通気性のある発泡合成樹脂材料で格子状、4角形状、鮫小紋、円形の水玉、市松形状を打ち抜き、または交互に打ち抜いて形成した弾性体からなる空間維持材を収容したことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の接触検出装置。
- 前記フローセンサは、流入口から流出口に空気を通した空気流路を通過した後、前記空気が分散して排出される補助空間を形成してなることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載の接触検出装置。
- 前記フローセンサは、2個のフローセンサを対とし、その流入口から流出口の空気流路を直列に接続し、前記2個のフローセンサの信号出力として論理和出力としたことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1つに記載の接触検出装置。
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