JP5547313B1 - 発泡合成樹脂成型体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】熱可塑性樹脂からなる発泡合成樹脂材料10を特定の形状に切削加工するステップS1の切削処理工程と、ステップS1の切削処理工程によって生じた切削面14を含み塗装しようとする前記基材の被塗装面18を硬化させる表面処理工程(ステップS10)と、被塗装面18のビーズライン及びベントホールZ、その凹凸面を緩和させ、平滑とすべく合成樹脂材料を塗布及び研磨する前処理工程(ステップS20)と、前処理工程(ステップS20)で形成した被塗装面18に顔料を含む合成樹脂塗料を塗布及び研磨する後処理工程(ステップS30)を具備し、金型で制作したものと同様の発泡合成樹脂成型体が得られ、多品種少量生産に廉価に提供できる。
【選択図】図1
Description
また、水性ボンドに顔料を混ぜて、直接、発砲ポリスチレンに塗布する方法もある。そして、和紙を細かく粉砕し、粉体化したものに木工ボンドや和糊を混練して発砲ポリスチレンに貼り付け、それを水性塗料のネオカラーやポスターカラーで塗装する方法もある。更に、発砲ポリスチレンを基材にしてそれにFRP造形を行う方法もある。
これらはいずれも発泡合成樹脂成型体に塗布した塗装の厚みが厚くなり、形式的な見栄えが良くても、実用的な使用に耐えるものがなかった。
即ち、特許文献1は発泡層付きの表皮材が、基材に分散形成された吸気路からの真空吸引により基材に吸着されて接着された発泡層付き内装品において、表皮材が熱可塑性であり、その表面形状が、表皮材を加温処理により軟化させ、その状態で基材に接着させる際に、表皮材用真空吸引型による真空吸引により賦形さている構成を有し、表皮材が表皮材用真空吸引型の型面に沿って賦形される技術である。これにより、表面品質が向上するだけでなく、意匠の制約が少なくなり、その自由度が拡大され、基材表面に対して非相似形状に形成することができる。
また、特許文献1及び特許文献2によって、発泡合成樹脂成型体とクッションシートとの接着力を強くすることは開示されている。ところが、形式的に試作品を形成する原材料として発泡性合成樹脂が使用されているものの、少量生産品にこの技術を使用するということは実現されていない。特に、例えば、発砲ポリスチレンのような発泡合成樹脂成型体は、脆く、表面を削って所定の形状に仕上げ、かつ、表面を見栄え良く平滑化することができなかった。
ここで、上記発泡合成樹脂材料は、ポリウレタン(PUR)、ポリスチレン(PS)、ポリオレフィン(主に、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP))、また、フェノール樹脂(PF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ユリア樹脂(UF)、シリコーン(SI)、ポリイミド(PI)、メラミン樹脂(MF)等の発泡化した樹脂とすることができる。特に、1枚または複数枚積層接着してなる発泡合成樹脂材料は、市販の発泡合成樹脂材料を購入する場合、自己の手によって特定の形状の発泡合成樹脂材料を形成する場合も含まれる。
そして、上記表面処理工程は、摩擦熱による加熱、レーザ光のスキャンによる加熱、鉄またはステンレス板からなる熱盤による加熱、超音波による振動加熱等の加熱によって切削面及び塗装しようとする前記基材の被塗装面を加熱することにより基材の被塗装面を面として硬化させるものである。このときの被塗装面は、前記基材の内面のみ、または外面のみ、またはそれらの両方または両方の一部のみとすることもできる。また、合成樹脂材料の塗布によって被塗装面が硬化すればよいことから、合成樹脂材料の塗布とすることもできる。なお、被塗装面の硬化(乾燥)速度からすると、溶剤性の合成樹脂材料が効率的である。
このとき使用するパテとしては、ラッカーパテ、エポキシパテ、ポリエステルパテ、光硬化パテ、瞬間接着パテ等があり、発泡合成樹脂材料の種類によって選択される。また、下塗り塗料は、前記パテ及び上塗り塗料、基材の種類によって決定される。特に、パテはビーズ欠損による凹面を緩和させる穴埋めに効果的である。
更にまた、上記後処理工程は、前記前処理工程で塗布した合成樹脂塗料との接着性をよくする合成樹脂塗料を塗布し、その上面に必要に応じて耐久性、例えば、耐候性、耐酸化性を付与する保護層となる仕上げ層を作る塗料を塗布するものである。
ここで、回転する加熱用冶具によって加熱を行うのは、同一冶具で切削及び加熱を行ってもよいし、複数個の冶具によって切削と加熱を別々に行ってもよい。勿論、先端の形状及び太さ、形状は使途によって適宜形成される。
ここで、上記目止め材とは合成樹脂材料の染み込み防止できる合成樹脂材料であればよく、自己の粘性で染み込みが防止され、基材の発泡合成樹脂材料との接着力が確保できるものであればよい。
また、染み込みの防止とは、合成樹脂材料により染み込みが防止されるもののみを意味するものではなく、一旦、染み込みが生じた後、合成樹脂材料の硬化により、再度の染み込みができない合成樹脂材料も含むものである。特に、重ね塗りと研磨を繰り返し行うものでは、1回の塗布によって浸透が生じ難くなる合成樹脂材料も含まれるものである。
ここで、穴埋め処理工程の穴埋めとは、発泡条件の温度、圧力等の不均一のために部分的に欠損ができているもの、発泡成形時に圧縮したことが要因となり、外圧によりブリッジが形成され、一部に外力が行き届かなくなって欠損ができたもの等、発泡体ビーズの集合体で特定の形状に成型されるが、このとき、発泡時に欠損が存在したまま欠損を残して発泡した発泡合成樹脂材料の欠損箇所がベントホールになるので、その穴埋めをするものである。
ここで、仕上げ処理工程では、耐久性のある、例えば、耐候性及び/または耐酸性の合成樹脂塗料を塗布するものであり、この際使用する顔料は、着色されたものに限定されるものではなく、透明体も含むものである。
ここで、1枚または複数枚積層接着してなる発泡合成樹脂材料は、市販の発泡合成樹脂材料を購入して使用する場合、または、自己の手によって発泡合成樹脂材料を発泡形成する場合の何れであってもよい。
ここで、上記発泡合成樹脂本体は基材となる熱可塑性材料の発泡合成樹脂材料からなるもので、目的の形状に形成されたものである。
よって、高価な金型を使用することなく、発泡合成樹脂材料を用いて、特定の形状を削り出して塗装し、任意の弾性に富む発泡合成樹脂成型体の製造方法となる。
したがって、発泡合成樹脂材料を特定の形状に切削し、前記切削によって生じた切削面を硬化させると、発泡合成樹脂材料の発泡体のビーズライン及びベントホール、その凹凸を目立たなく加工することができ、しかも、切削面のビーズライン及びベントホール、その凹凸の面を緩和させる合成樹脂材料を塗布したり、その研磨をしたりし、それらを繰り返すことにより、発泡合成樹脂材料の発泡体のビーズライン及びベントホール、その凹凸を目立たなくすることができる。そして、発泡合成樹脂材料の発泡体のビーズライン及びベントホール、その凹凸を目立たなくなったところで、顔料を含む合成樹脂塗料を塗布するものである。
更に、前記下地補修層においては、発泡合成樹脂本体を切削して生じた切削面を含み塗装しようとする前記被塗装面を加熱によって硬化させ、合成樹脂材料を塗布して硬化させているが、それは表面を硬化させ研磨でき平滑な面を形成するのが目的であり、繰り返し塗布しても、結果的に繰り返し研磨するから、従来のように、塗膜の厚みを厚くすることはない。
よって、高価な金型を製作することなく、発泡合成樹脂材料を用いて、特定の形状を削り出して弾性に富む発泡合成樹脂成型体となる。
まず、図1乃至図11を用いて、本発明の実施の形態の発泡合成樹脂成型体の製造方法について、全体の概略説明を行う。
図1に示すように、ステップS1の切削処理工程で目的物の基材となる熱可塑性樹脂からなる発泡合成樹脂材料10を特定の形状に切削加工する。このとき、発泡合成樹脂材料10の全体を特定の形状に切削加工するものばかりでなく、内部のみの切削加工または外部のみの切削加工もありうる。このとき使用する切削工具は、手動冶具を含む機械装置が使用可能であり、何ら切削加工において切削方法が限定されるものではない。
ステップS2の冶具による処理工程では、ステップS1の切削処理工程によって生じた切削面及びその切削面14を含みこれから塗装しようとする基材としての発泡合成樹脂材料10の被塗装面18を加熱用冶具30の摩擦熱で硬化させている。
ステップS2の冶具による処理工程における発泡合成樹脂材料10の被塗装面18の硬化は、切削工程が終了した発泡合成樹脂材料10の被塗装面18に対して加熱用冶具30を回転させ、その回転している加熱用冶具30が軽く被塗装面18に当たることによって生じる摩擦熱によって得ている。
なお、本発明で説明する平滑化とは、「平滑」が「平らで、なめらかなこと」を意味するが、広い範囲の「平ら」を意味するものではなく、「例えば、コーナー部分の面取りした角度変化においても、急激な凹凸変化がないこと」程度の部分的な平坦を意味する。
即ち、前処理工程(ステップS20)では、硬化剤、プラサフ、粘度を調整するシンナーからなる混合物の下塗り剤43を作成し、これを発泡合成樹脂材料10の被塗装面18に塗布し、乾いた状態で研磨し、それを1〜12回繰り返し、被塗装面18を平滑な面にする。このとき、発泡合成樹脂材料10にベントホールZが存在している場合には、ステップS5で穴埋め処理工程を行い、穴埋め剤42としてポリエステル樹脂パテを使用し、その窪みの大きさに応じて、ステップS4の下塗り処理工程の塗布、乾燥、研磨を繰り返す。ベントホールZの大きさによっては、先に穴埋め剤42でベントホールZの穴埋めを行い、次いで、被塗装面18の塗布、乾燥、研磨を繰り返すのが好ましい場合もある。
何れにせよ、ステップS20の前処理工程は、ステップS4の下塗り処理工程及びステップS5の穴埋め処理工程からなり、硬化剤、プラサフ、シンナー、パテにより、被塗装面のビーズライン及びその凹凸面、Z等が表から確認して現出しない程度に処理する。
即ち、ステップS7の仕上げ処理工程は、塗膜を形成することによって、耐久性、例えば、耐候性、耐酸性を得るものであり、本発明を実施する場合には、通常の塗装と同様に、機械装置に応じて同時に全体の塗装を行うこともできるが、別に、発泡合成樹脂成型体を塗装した上で機械装置の本体等に組付けることもできる。
勿論、塗料としては、着色した顔料の入った塗料に限らず、透明な紫外線をカットする塗料とすることもできる。
発泡合成樹脂材料10は、発泡させた熱可塑性樹脂であり、主な合成樹脂原料は、ポリウレタン(PUR)、ポリスチレン(PS)、ポリオレフィン(主に、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP))であり、他にも、フェノール樹脂(PF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ユリア樹脂(UF)、シリコーン(SI)、ポリイミド(PI)、メラミン樹脂(MF)等も発泡化して用いることができる。しかし、発泡合成樹脂材料10の切削面14を加熱することにより硬化させることを前提とすると、80〜200℃の範囲内の温度で変形する合成樹脂材料の使用が望ましい。また、本発明を実施する場合には、発泡率を問うものではないが、使途によっては硬く仕上げるために発泡率の制限を受けるものもある。
具体的には、直径1mm程度の細粒状ポリエチレンであるポリエチレンビーズに炭化水素ガスを吸収させ、これに100℃以上の高温蒸気を通して樹脂を軟化させると共に圧力を加えて発泡させると、発泡したビーズ相互は融着し合い、冷却時にビーズ単位の変形された形状となって発泡ポリエチレンとなる。
ここで、接着剤15の厚みは、その存在が視認できない程度に可能な限り薄くし、接着機能のみが維持できればよい。ここで使用するゴム糊は、基材としての発泡合成樹脂材料11,12,13と同じポリエチレンからなる接着剤15も使用できる。
勿論、発泡合成樹脂材料11,12,13としてのポリエチレンと、ゴム系の接着剤15とは性質が異なるが、ゴム系の接着剤15をこの接着に使用するのは100μm以下の厚みにすることができ、結果的に製品の加工には支障がなかったことから使用した。発明者らは、加熱した熱盤によって発泡合成樹脂材料11,12,13の両接着面を接触させ瞬間的に加熱し、その熔融面によって接着を行ったが、熟練を必要とするものの、良好な接着が可能であることを確認した。また、発泡合成樹脂材料11,12,13と同系統のポリエチレン系の接着剤を使用することもできる。そして、レーザ光のスキャンにより、発泡合成樹脂材料10の両接着面を加熱してもよい。何れにせよ、発泡合成樹脂材料11,12,13の表面が溶けて硬くなる体積が殆ど無視できる程度、即ち、溶融も含めて300μm以下、望ましくは、100μ程度以下の接着面厚さであればよい。勿論、発泡合成樹脂材料10と同じ系統の接着剤とすることもできる。
このように、本発明の実施物における発泡合成樹脂材料10(11,12,13;以下、複数枚を特定しないときには、単に『10』という)としては、1枚または複数枚積層して用いてもよい。勿論、本発明の実施物における直接基材となる発泡合成樹脂材料10は、任意の概略形状に発泡させてもよい。
そこで、一般にボールエンドミル20は、図3の(a)及び(b)に示すように、側面の刃21で切削し、軸に直交する方向に穴を削り広げる用途に用いられるが、本発明の実施の形態で使用するボールエンドミル20もそれに相違するものではない。その最下端から側面の刃21までは、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))加工が施されており、切削された発泡合成樹脂材料10、その切削屑が付着しないようにしている。
即ち、ボールエンドミル20と発泡合成樹脂材料10の接触角度並びに移動距離及び移動角度等によって発泡合成樹脂成型体の外径形状を削り出すことができる。この技術は一般的な切削加工の技術であるから、詳細な説明を省略する。
即ち、加熱用冶具30の太さの下端が任意の曲面からなる摩擦面31となっており、発泡合成樹脂材料10の切削した個所の切削面14を含み塗装しようとする基材の被塗装面を摩擦熱で加熱し、温度上昇によって軟化させて、発泡合成樹脂材料10の切削面14に平滑面を形成する。これは、平滑面で説明したが、下に凸面及び/または下に凹面を形成する場合も同様に加工できる。
図5(b)に示す加熱用冶具30は、直径を2段としているが、3段以上とすることも、図5(a)に示すように、単一の太さとすることもできる。
なお、熱可塑性樹脂からなる発泡合成樹脂材料10をボールエンドミル20等の刃物で特定の形状に切削加工する工程を、本実施の形態ではステップS1の切削処理工程という。また、それによって形成された面は加熱用冶具30によって物理化学的に硬化された硬化層の面となる。但し、加熱用冶具30による硬化層は、一般的に数10μmから100μm以下の層であり、連続的に変化しているから通常は面と認識されるに過ぎない。
本実施の形態における実施物からの加熱用冶具30による硬化層の確認では、発泡合成樹脂材料10の微粒子粉体が付着してないこと、糸状に伸びた部位が存在してないことにより、ステップS2の冶具による処理工程がなされているか否かが確認される。
なお、ステップS1の切削処理工程によって生じた切削面14を含み塗装しようとする発泡合成樹脂材料10の被塗装面18を硬化させる工程を、ここでは、表面処理工程(ステップS10)という。即ち、表面処理工程(ステップS10)には加熱用冶具30による摩擦加熱、レーザ光のスキャンにより、基材である発泡合成樹脂材料10の被塗装面を硬化させる工程が含まれる。
研磨による磨きの効果が生じ難くなったとき、ステップS3の目止め処理工程から次の前処理工程(ステップS20)のステップS4の下塗り処理工程に移行する。
プラサフとは「プライマーサフェーサ」と呼ばれ、上から塗る塗料の乗りをよくするプライマと、サンドペーパー等によって出来た細かい傷を埋めるサフェーサの機能を有するものである。本実施の形態で使用したプラサフは、オートSPSプラサフ(大日本塗料(♯1100ZN)、R-Mマルチフィーラー(ダイアモンド)、R-Mプロフ(ダイアモンド)等である。
また、プラサフとしてKARプラサフ(関西ペイント)を使用し、成分は二酸化チタン1〜5Wt%、トルエン18Wt%、キシレン2.4Wt%、エチルベンゼン2Wt%、メチルアルコール1〜5Wt%、エチルアルコール0.1〜1Wt%、イソプロピルアルコール1〜5Wt%、イソブチルアルコール1〜5Wt%、メチルイソブチルケトン1〜5Wt%、酢酸エチル5〜10Wt%、酢酸イソブチル10〜15Wt%、ニトロセルロース5〜10Wt%、酸化重合型樹脂5〜15Wt%である。
また、粘度を調整するシンナーとして、ウレタックスシンナー(斎藤塗料)を使用した。成分は、酢酸ブチル30〜40Wt%、トルエン36Wt%、キシレン10Wt%、プロピレングリコールモノメチルエ一テルアセテート1〜10Wt%、エチルベンゼン10Wt%である。
また、この下塗り剤43を塗布した後、下塗り剤43で形成した面を平滑にサンドペーパー、耐水ペーパー等で研磨し、複数回の塗布とその研磨を繰り返している。ここではサンドペーパー、耐水ペーパー等で研磨すると説明したが、水研ぎ等の他の研ぎ方を採用してもよい。
ステップS5の穴埋め処理工程では、本実施例の穴埋め剤42としてポリエステル樹脂パテのポリラックZ(中部化研工業)を使用した。成分はスチレン18.3Wt%、ナフテン酸コバルト0.1Wt%である。
ステップS5の穴埋め処理工程を組み入れる場合には、その程度によってはステップS3の目止め処理工程の直後に行うこともできる。勿論、ベントホールZが生じていないものでは、穴埋め処理工程(ステップS5)を省略することができる。
後処理工程(ステップS30)で使用する上塗り剤44は、硬化剤1Wt%に対して、樹脂塗料1Wt%、プラサフ2Wt%、シンナー2.6Wt%の配合で混合し、それを塗布する。硬化剤、プラサフ2Wt%、シンナー2.6Wt%は下塗り処理工程(ステップS4)で使用したものと同じである。
実施例では、樹脂塗料としては、♯55ウレタックス(無鉛)ホワイト(斎藤塗料)を使用した。その成分は、酸化チタン20〜30Wt%、トルエン15Wt%、酢酸ブチル1〜10Wt%、エチルベンゼン5.4Wt%、キシレン5.4Wt%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1〜10Wt%である。
この実施例では、樹脂塗料を♯55ウレタックス(無鉛)ホワイトとし、何色でもそこに上塗りできるようにした。即ち、この時点で他の構成部品と同一の塗装を行う場合には、他の部品と同一の塗装工程に入る。
ステップS7の仕上げ処理工程では、仕上げ剤25として、硬化剤0.4Wt%に対して樹脂塗料1Wt%、シンナー0.8Wt%の配合とした塗料を塗布する。
実施例で使用した仕上げ剤25としては、硬化剤としてイソシアネート系硬化剤であるレタンPGエコスポイラー用マルチ硬化剤(関西ペイント)を使用した。その成分は、酢酸エチル5〜10Wt%、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)UR0.1〜1Wt%、ヘキサメチレンジイノシアネート・オリゴマー5〜10Wt%、HMDI系ポリイソシアネート165〜70Wt%である。
そして、シンナーとして、レタンPGシンナー超遅乾形(関西ペイント)を使用した。その成分は、石油ナフサG15〜20Wt%、石油ナフサH1〜5Wt%、キシレン20Wt%、エチルベンゼン18Wt%、クメン0.1〜1Wt%、1,3,5−トリメチルベンゼン3Wt%、ナフタレン0.1〜1Wt%、1,2,4−トリメチルベンゼン9.8Wt%、メトキシブチルアセテート1〜5Wt%、酢酸ブチル1〜5Wt%である。
図10乃至図12に示すように、ステップS1の切削処理工程で熱可塑性樹脂からなる発泡合成樹脂材料10を特定の形状に切削加工し、発泡合成樹脂本体40(10)を形成する。詳しくは、図11(a)のように、発泡合成樹脂本体40の被塗装面18には、刃物21で切断されないで糸状に伸びて部分的に毛羽立っている糸W、その糸状部が丸まって連結された粒子化した粒子X等を有している。また、発泡合成樹脂材料10の切削されたものの、その際の付着により連結された粉体Wが付着している。また、随所にベントホールZが存在している。
このようにして、本発明の実施の形態の発泡合成樹脂成型体を得ている。
よって、高価な金型を使用することなく、発泡合成樹脂材料10を用いて、特定の形状を削り出して塗装し、任意の弾性に富む発泡合成樹脂成型体の製造方法となる。
したがって、発泡合成樹脂材料10を特定の形状に切削し、その切削面14を硬化させ、その硬化状態で研磨し、発泡合成樹脂材料10の発泡体のビーズライン及びベントホールZ及びその凹凸を目立たなく研磨加工する。しかも、切削面14のビーズライン及びベントホールZ及びその凹凸からなる面を緩和させる合成樹脂材料を塗布とその研磨を繰り返すことにより、発泡合成樹脂材料10の発泡体のビーズライン及びベントホールZ、その凹凸を目立たなく平滑化することができる。そして、発泡合成樹脂材料10の発泡体のビーズライン及びベントホールZ、その凹凸を目立たなくなったところで顔料を含む合成樹脂塗料を塗布する。
更に、前記所定の形状に形成してなる発泡合成樹脂本体40の被塗装面18を加熱によって硬化させ及び/または合成樹脂材料を塗布して硬化させているが、それは表面を硬化させ研磨できるようにするのが目的であり、繰り返し塗布しても、結果的に繰り返し研磨するから、従来のように、塗膜の厚みを厚くすることはない。
よって、高価な金型を製作することなく、発泡合成樹脂材料10を用いて、特定の形状を削り出して弾性に富む発泡合成樹脂成型体の製造方法となる。
よって、高価な金型を製作することなく、発泡合成樹脂材料10を用いて、特定の形状を削り出して弾性に富む発泡合成樹脂成型体となる。
加えて、発泡合成樹脂材料10として、ポリウレタン(PUR)、ポリスチレン(PS)、ポリオレフィン(主に、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP))、また、フェノール樹脂(PF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ユリア樹脂(UF)、シリコーン(SI)、ポリイミド(PI)、メラミン樹脂(MF)等の発泡化した樹脂が使用できる。
また、被塗装面18のビーズライン及びベントホールZ、その凹凸面を平滑にすべく塗布する前処理工程(ステップS20)では合成樹脂材料を塗布及び研磨する前処理工程が、200〜400μmの厚みであるが、上記実施例で使用した穴埋め剤42及び下塗り剤43に拘ることなく、被塗装面18のビーズライン及びベントホールZ、その凹凸面を平滑にすべく塗布及び研磨できる合成樹脂材料であればよい。
そして、前処理工程(ステップS20)で形成した被塗装面18に顔料を含む合成樹脂塗料を塗布する後処理工程(ステップS30)は、上塗り剤44が300〜600μmの厚みで、仕上げ剤45が50〜400μmの厚みであるが、上塗り剤44及び仕上げ剤45に拘ることなく、前処理工程(ステップS20)で形成した被塗装面18に顔料を含む塗布自在な合成樹脂塗料であればよい。塗料として透明であるか否かは問われる理由がない。
11,12,13 発泡合成樹脂材料
14 切削面
18 被塗装面
20 ボールエンドミル
30 加熱用冶具
40 発泡合成樹脂本体
41 目止め剤
42 穴埋め剤
43 下塗り剤
44 上塗り剤
45 仕上げ剤
Claims (2)
- 基材となる1枚または複数枚積層接着した熱可塑性樹脂からなる発泡合成樹脂材料を特定の形状に切削加工する切削処理工程と、
前記切削処理工程によって生じた切削面を含み塗装しようとする前記基材の被塗装面を加熱用冶具の回転摩擦熱で加熱して軟化させた後、熱可塑性樹脂の特性に従って硬化させ、かつ、合成樹脂材料の目止め剤の塗布により染み込みを防止する目止め処理の後に研磨する表面処理工程と、
合成樹脂材料の穴埋め剤によって穴埋めを行う穴埋め処理工程を含む前記被塗装面の凹凸面を平滑にすべく合成樹脂材料の穴埋め剤を塗布及び研磨する前処理工程と、
前記前処理工程で形成した被塗装面に顔料及び耐候性及び/または耐酸性の塗料を含む合成樹脂塗料を塗布する後処理工程と
を具備することを特徴とする発泡合成樹脂成型体の製造方法。 - 基材となる1枚または複数枚積層接着した熱可塑性樹脂からなる発泡合成樹脂材料を特定の形状に切削加工してなる発泡合成樹脂本体と、
前記発泡合成樹脂本体を切削して生じた切削面を含み、塗装しようとする被塗装面を加熱して軟化させた後、熱可塑性樹脂の特性に従って硬化させ、かつ、合成樹脂材料の目止め剤の塗布により染み込みを防止する目止め処理の後に研磨する表面処理、及び合成樹脂材料の穴埋め剤によって前記被塗装面のビーズライン及びベントホールが形成した凹凸面を平滑にすべく合成樹脂材料の穴埋め剤を塗布及びそれを研磨してなる下地補修層と、
前記下地補修層の表面に顔料及び耐候性及び/または耐酸性の塗料を含む合成樹脂塗料を塗布した塗装層と
を具備することを特徴とする発泡合成樹脂成型体。
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