JP6083723B1 - 接触検出装置 - Google Patents
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Abstract
Description
また、水性ボンドに顔料を混ぜて、直接、発泡ポリスチレンに塗布する方法もある。そして、和紙を細かく粉砕し、粉体化したものに木工ボンドや和糊を混練して発泡ポリスチレンに貼り付け、それを水性塗料のネオカラーやポスターカラーで塗装する方法もある。更に、発泡ポリスチレンを基材にしてそれにFRP造形を行う方法もある。
これらはいずれも発泡合成樹脂成型体に塗布した塗装の厚みが厚くなり、形式的な見栄えが良くても、実用的な使用に耐えるものではなかった。
即ち、特許文献1は発泡層付きの表皮材が、基材に分散形成された吸気路からの真空吸引により基材に吸着されて接着された発泡層付き内装品において、表皮材が熱可塑性であり、その表面形状が、表皮材を加温処理により軟化させ、その状態で基材に接着させる際に、表皮材用真空吸引型による真空吸引により賦形されている構成を有し、表皮材が表皮材用真空吸引型の型面に沿って賦形される技術である。これにより、表面品質が向上するだけでなく、意匠の制約が少なくなり、その自由度が拡大され、基材表面に対して非相似形状に形成することができる。
また、特許文献1及び特許文献2では、発泡合成樹脂成型体とクッションシートとの接着力を強くすることを開示している。ところが、形式的に試作品を形成する原材料として発泡性合成樹脂が使用されているものの、少量生産品にこの技術を使用するということは実現されていない。特に、例えば、発泡ポリスチレンのような発泡合成樹脂成型体は、脆く、表面を削って所定の形状に仕上げ、かつ、表面を見栄え良く平滑化することができなかった。
また、市販の感圧スイッチを用いると、押圧力を受けている部位の感圧スイッチ自身は作動するが、他の感圧スイッチが配設されていない箇所の圧力検出ができなかった。また、感圧スイッチはその絶縁基板(シート)の変形が自在にならないので立体的に形成することができなかった。
しかし、一般に、センサは接触センサ、感圧スイッチ等の量産化されている普及型センサは廉価であるが、量産化されていないセンサは高価である。例えば、静電容量の変化または歪ゲージを使用した圧力センサ等は廉価に供給されている。
一方、電気回路はデジタル回路とアナログ回路が混在するところでは、デジタル回路のパルスがパルス雑音となってアナログ回路に入る可能性が高いことから、アナログ回路に入り難い信号の使用が望ましく、かつ、IC化される等の小型化されているものが望ましい。
上記発泡体として使用する発泡合成樹脂材料は、存在する内部気泡同士が繋がっていない独立気泡体、存在する内部気泡同士が繋がっている連続気泡体の何れであってもよい。何れにせよ、前記容積空間の空気が外気に漏れ難く形成したものであればよい。
また、上記発泡体は、前記基材を発泡合成樹脂材料の1枚または複数枚積層接着したもので被覆し、特定の形状に形成するものである。通常、前記発泡体は前記発泡体を外部から被う構成となる。基材はロボット等の自走する自動生産装置に被覆し、その基材に対して前記発泡体を安全上及び保安上設けるものである。
そして、上記容積空間は、前記基材及び前記発泡体との間の片側または両側に形成された補強層は、前記基材及び/または前記発泡体から空気が外気に漏れ難く形成したものである。そのためには、補強層によって空気が通り抜け難くなっている。射出成型金型で形成する金型によって冷やされるスキン層または別の材料で形成したフィルムもこの補強層の1つである。
また、前記補強層は、二次元的な表面的なものでも、三次元的な立体的な処理でもよい。特に、三次元的な補強層は、前記補強層のみの強度というよりも、前記容積空間の強度及び緻密化が可能になる。前記補強層は、合成樹脂シートとすることもできる。
ここで、空気が漏れ難くなる前記補強層で形成した容積空間とは、空気が全く漏れない状態を意味するのではなく、空気が漏れても、それが前記センサの特性を変化する程度には至らないことを意味する。この補強層は、全く空気のリークがないものに限定されるものではなく、多少のリークが生じるものでよい。また、完全にリークのないものを製造し、そこに特定径のリーク路を形成してもよい。
なお、オン時間が所定時間よりも長いものは、NAND回路を介在させれば、逆のことが成り立つので、オン時間が所定時間よりも長いもの、オフ時間が所定時間よりも長いものと置き換えることができる。
ここで、基材及び/または発泡体のコーナには、前記回路基板に搭載した前記出力回路の配置場所が確保できるから、それを利用してもよい。特に、基材及び/または発泡体のコーナは、部分的には変化が出現し難いが、全体的にはコーナの全体が変化し、前記容積空間に変量の変化が出てくるから、そこに前記出力回路等の前記回路基板を組み込むのが望ましい。発明者らの実験によれば、発泡体のコーナは、漏れ難くした補強層を形成した容積空間が、変量の全体の変化として出てくるから、結果的にコーナに機械的に強靭な部分を生じさせても、機械的に弱い漏れ難くした補強層を形成した容積空間の変化として現れるのでコーナの使用が望ましい。
このように、前記基材及び/または前記発泡体から物理的変化量として、漏れ難くした補強層を形成した容積空間内の物理的変量を検出するものであるから、広範な範囲に加えられた圧力を検出することができ、二次元的な平面的構成であっても、三次元的な立体的構成であっても施工でき、所定以上の外部からの圧力を検出できる。また、前記オペアンプのオン・オフ出力から、オン時間のキャプチャーを行い、それを閾値と比較することでローパスフィルタの機能を通過させたのと同様の結果を得ることができる。
図1乃至図4において、本発明の実施の形態の接触検出装置で使用する基材1は、人形ロボット100に使用されているプロテクタである。この基材1は、例えば、ソリッドタイプまたは発泡性の熱可塑性樹脂材料から構成されている。この基材1の切削加工前は、接着のために確保しているフランジ部2のサイズで蒲鉾型に形成されていたものの例である。即ち、基材1の外表面1Aは対向する発泡体10からすれば、片側のみに切削加工が行われた容積空間4を形成している。勿論、容積空間4の切削加工は、基材1または発泡体10側の一方のみ、或いは基材1及び発泡体10の両方とすることができる。
なお、基材1の外表面1Aのフランジ部2と発泡体10の内表面10Bとの間は、接着剤または両面テープで接合している。または、基材1の開口及び発泡体10の開口の接合に従って接合してもよい。
なお、圧力センサ70の代わりに、市販のマイクロフローセンサ(D6F−V03A1;オムロン製)を使用する場合には、そこで風の流れを形成する必要がある。したがって、容積空間4の体積変化が生じるように、補助空間80から外部に空気の流れが発生する。爾後は、圧力センサ70のみの説明とする。
本実施の形態の接触検出装置で使用する発泡体10は、1枚以上の熱可塑性樹脂材料、または2枚以上を積層接着した熱可塑性樹脂材料としての発泡合成樹脂材料11,12,13を特定の形状に形成したものである。1枚以上の発泡合成樹脂材料11,12,13は、発泡体10で容積空間4の容積変化が出現する硬度を有するものであり、特に、発泡体10は、存在する内部気泡同士が繋がっていない独立気泡体、存在する内部気泡同士が繋がっている連続気泡体の何れであってもよい。しかし、空気の漏れを少なくするには、極めて柔らかく、復元性がある独立気泡体が好ましく、これら発泡体10の発泡倍率は10〜50倍程度である。スポンジ硬度は10〜50(JIS−k−6253)の範囲内が好ましく、通常、スポンジ硬度は15〜45がより好適であり、構造によっては多少変化する。
図4及び図5の発泡体10及び基材1の箱型の内枠6についての組成及び製造方法は、順次説明する。
圧力センサ70の出力は、リード線を介して必要に応じてコネクタ等を有する増幅回路71に導かれ、そのオペアンプOPの出力は“1(オン)”、“0(オフ)”に変換されて、オン時間のキャプチャー回路72に導かれ、更に、オン時間のキャプチャー回路72の出力が特定の長さよりも長いことが条件比較回路73で条件比較されると、その出力回路90の出力は所定の時間だけオペアンプOPの出力がオン、即ち、特定の長さよりも長いことが条件比較回路73で出力回路90の出力“1”の継続を判断する。
即ち、オン時間のキャプチャー回路72では、オペアンプOPの“1”出力の継続を判断する。例えば、0.2秒継続したとする。条件比較回路73では、0.1秒以上を検出するとなると、0.1秒以上、オペアンプOPの“1”の継続があったときに、出力回路90の出力は“1”と出力される。このオン時間のキャプチャー回路72、条件比較回路73は、積分回路、遅延回路等によってハードウェアで対応することもできるが、PIC16LF1705−I/SL等のIC回路であれば、オペアンプOPを含みソフトウェアとして設定することもできる。
したがって、補助空間80は容積空間4に汚れた空気を導入しないので、圧力センサ70を汚すことがない。なお、四角の箱状になっている内枠6は、金属板または金属を金型加工することができる。
なお、念のため記載するが、平板封止板8から形成された補助空間80は、発泡合成樹脂材料の連続気泡体からなり、大気圧に等しくなるように形成されている。ここでは、圧力センサ70であっても、空気の流れを検出する市販のマイクロフローセンサ(D6F−V03A1;オムロン製)でも使用回路は同じである。このときには、容積空間4から補助空間80に空気が流れるように構成する必要がある。
圧力センサ70の出力は電源線2本、出力信号線OUT1本の計3本からなり、本実施の形態では、危険信号として急停止させる信号として使用される。
図6はその対策を示す事例である。
即ち、容積空間4には、その内面に通気性のある存在する内部気泡同士が繋がっている連続気泡体の空間維持材4Aで、図6(a)に示す格子状を打ち抜き形成し、また、空間維持材4Bで図6(b)に示す4角形状の市松を打ち抜き形成し、そして、空間維持材4Cで図6(c)に示す鮫小紋、円形の水玉を打ち抜いて形成した弾性体を用いる。
このように、空間維持材4A,4B,4Cの弾性で容積空間4の間隔を保持するから、バランスの良い容積空間4の間隔となる。また、これら格子状、4角形状の市松、鮫小紋、円形の水玉を打ち抜いて形成した弾性体は、存在する内部気泡同士が繋がっている連続気泡体であるから、圧力伝達の法則により澱み等が生じることがない。
なお、空間維持材4A,4B,4C等は、連続気泡構造を有しているスポンジゴムを用いてもよい。
容積空間4の内面には、内部気泡同士が繋がっている連続気泡体の発泡合成樹脂材料板4A,4B,4Cを形成し、射出成型した突起1a付きの基材1に発泡合成樹脂材料板4A,4B,4Cを移動しないように配設することもできる。この場合も、突起1aが発泡合成樹脂材料板4A,4B,4Cの移動止めとして作用する。この実施の形態でも、内部気泡同士が繋がっている連続気泡体の発泡合成樹脂材料板4A,4B,4Cを使用しているので、何れの発泡体10に外力を加えても、外力に応じて容積空間4の容積、即ち、圧力が変化し、結果、圧力センサ70が作動する。
特に、射出成型した突起1aに対向する位置を穿設されている材料を使用することにより、連続気泡体の発泡合成樹脂材料板4A,4B,4Cの配設が容易になる。
なお、四角板状になっている圧力センサ70は、1ヶ所の回路基板に組み込んだものであるが、複数個所の回路基板とすることもできる。
特に、本実施の形態のように、案内路5は連続気泡体の発泡合成樹脂材料板4A,4B,4Cから離れて設けられているから、また、前記実施の形態のように容積空間4から突出しているように、何れの押圧力であっても、圧力センサ70の圧力となって物理的変位量を検出できる。
本発明を実施する場合の基材1は、ロボットの被覆、各種機器のハウジングの被覆は、アルミニウム板、ステンレス板、鉄板、銅板等で形成されるのが一般的である。合成樹脂の場合には発泡合成樹脂も使用されているものの、主に、射出成型等で形成されている。この射出成型で形成した基材1の殆どは、1ブロックの熱可塑性樹脂材料から構成したものであるが、本実施の形態の接触検出装置では、射出成型等で形成された1ブロックの基材1の事例で説明する。
勿論、1枚以上の熱可塑性樹脂材料または2枚以上を積層接着した発泡合成樹脂材料11,12,13を特定の形状に形成した基材1も、1個のソリッドタイプの合成樹脂材料または複数枚のソリッドタイプの合成樹脂板を特定の形状に形成してなる基材1も、基本的構成は射出成型等で形成されたものと相違するものではない。
ステップS2の冶具による処理工程における発泡合成樹脂材料の被塗装面18(図14参照)の硬化は、切削工程が終了した被塗装面18に対して加熱用冶具30(図12参照)を回転させ、その回転している加熱用冶具30が軽く被塗装面18に当たることによって生じる摩擦熱によって得ている。
なお、本発明で説明する平滑化とは、「平滑」は一般に「平らで、なめらかなこと」を意味するが、広い範囲の「平ら」を意味するものではなく、「例えば、コーナ部分の面取りした角度変化においても、急激な凹凸変化がないこと」程度の部分的な平坦を意味する。
即ち、前処理工程(ステップS20)では、図16に示す硬化剤、プラサフ、粘度を調整するシンナーからなる混合物の下塗り剤43を作成し、これを発泡体10の被塗装面18に塗布し、乾いた状態で研磨し、それを1〜12回繰り返し、被塗装面18を平滑な面にする。このとき、発泡体10にベントホールZが存在している場合には、ステップS5で穴埋め処理工程を行い、穴埋め剤42(図15参照)としてポリエステル樹脂パテを使用し、その窪みの大きさに応じて、ステップS4の下塗り処理工程の塗布、乾燥、研磨を繰り返す。ベントホールZの大きさによっては、先に穴埋め剤42でベントホールZの穴埋めを行い、次いで、被塗装面18の塗布、乾燥、研磨を繰り返すのが好ましい場合もある。
何れにせよ、ステップS20の前処理工程は、ステップS4の下塗り処理工程及びステップS5の穴埋め処理工程からなり、硬化剤、プラサフ、シンナー、パテにより、被塗装面のビーズライン及びその凹凸面、ベントホールZ等が表から確認して現出しない程度に処理する。
即ち、ステップS7の仕上げ処理工程は、塗膜を形成することによって、耐久性、例えば、耐候性、耐酸性を得るものであり、本発明を実施する場合には、通常の塗装と同様に、機械装置に応じて同時に全体の塗装を行うこともできるが、別に、発泡体10を塗装した上で機械装置の本体等に組付けることもできる。
勿論、塗料としては、着色した顔料の入った塗料に限らず、透明な紫外線をカットする塗料とすることもできる。
本実施の形態の発泡体10は、被塗装面18を硬くし、研磨作業の際の逃げを防止し、研磨自在とし、精度の良い表面形状を得る目止め剤41を被塗装面18に塗布している。
また、ベントホールZの大きさによっては、先に穴埋め剤42で穴埋めを行い、硬化剤、プラサフ、粘度を調整するシンナーからなる混合物の下塗り剤43を作成し、これを発泡体10の被塗装面18に塗布し、乾いた状態で研磨し、それを繰り返し、被塗装面18を平滑な面にする。
そして、被塗装面18に、顔料を含む合成樹脂塗料を塗布する上塗り剤44は、硬化剤、樹脂塗料、プラサフ、シンナーの配合で混合した混合剤であり、下塗り剤43と同じ硬化剤、プラサフ、シンナーを使用し、上塗りと下塗りの相性が良く、両者間の接着力が確保されるようにしている。
発泡体10は、発泡させた熱可塑性樹脂であり、主な合成樹脂原料は、ポリウレタン(PUR)、ポリスチレン(PS)、ポリオレフィン(主に、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP))であり、他にも、フェノール樹脂(PF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ユリア樹脂(UF)、シリコーン(SI)、ポリイミド(PI)、メラミン樹脂(MF)等も発泡化して用いることができる。しかし、発泡体10の切削面14を加熱することにより硬化させることを前提とすると、80〜200℃の範囲内の温度で変形する合成樹脂材料の使用が望ましい。また、本発明を実施する場合には、発泡率を問うものではないが、使途によっては弾性を維持するものの、硬く仕上げるために発泡率の制限を受けるものもある。
しかし、本発明を実施する場合には、発泡体10に代えて発泡ゴム材料とすることができる。発泡ゴム材料としては、NRスポンジ(天然ゴム)、エチレンプロピレンゴム(EPDMスポンジ)、ニトリルゴム(NBRスポンジ)クロロプレンゴム(CRスポンジ)、シリコンゴム(Siスポンジ)、スチレンブタジエンゴム(SBRスポンジ)、エチレン・プロピレンゴム(EPM)、ブチルゴム(イソブチエン・イソプレンゴム(IIR))が使用できる。
具体的には、直径1mm程度の細粒状ポリエチレンであるポリエチレンビーズに炭化水素ガスを吸収させ、これに100℃以上の高温蒸気を通して樹脂を軟化させると共に圧力を加えて発泡させると、発泡したビーズ相互は融着し合い、冷却時にビーズ単位の変形された形状となって発泡ポリエチレンとなる。
ここで、接着剤15の厚みは、その存在が視認できない程度に可能な限り薄くし、接着機能のみが維持できればよい。ここで使用するゴム糊は、基材としての発泡合成樹脂材料11,12,13と同じポリエチレンからなる接着剤15も使用できる。
勿論、発泡合成樹脂材料11,12,13としてのポリエチレンと、ゴム系の接着剤15とは性質が異なるが、ゴム系の接着剤15をこの接着に使用するのは100μm以下の厚みにすることができ、結果的に製品の加工には支障がなかったことから使用した。発明者らは、加熱した熱盤によって発泡合成樹脂材料11,12,13の両接着面を接触させ瞬間的に加熱し、その熔融面によって接着を行ったが、熟練を必要とするものの、良好な接着が可能であることを確認した。また、発泡合成樹脂材料11,12,13と同系統のポリエチレン系の接着剤を使用することもできる。そして、レーザ光のスキャンにより、発泡体10の両接着面を加熱してもよい。何れにせよ、発泡合成樹脂材料11,12,13の表面が溶けて硬くなる体積が殆ど無視できる程度、即ち、溶融も含めて300μm以下、望ましくは、100μ程度以下の接着面厚さであればよい。勿論、発泡合成樹脂材料10と同じ系統の接着剤とすることもできる。
このように、本発明の実施物における発泡合成樹脂材料11,12,13としては、必要に応じて、1枚または複数枚積層して用いてもよい。勿論、本発明の実施物における直接基材となる発泡体10は、金型内で任意の概略形状に発泡させてもよい。
そこで、一般にボールエンドミル20は、図9の(a)及び(b)に示すように、側面の刃21で切削し、軸に直交する方向に穴を削り広げる用途に用いられるが、本発明の実施の形態で使用するボールエンドミル20もそれに相違するものではない。その最下端から側面の刃21までは、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))加工が施されており、切削された発泡体10、その切削屑が付着しないようにしている。
即ち、ボールエンドミル20と発泡体10の接触角度並びに移動距離及び移動角度等によって発泡体10の外径形状を削り出すことができる。この技術は一般的な切削加工の技術であるから、詳細な説明を省略する。
即ち、加熱用冶具30の太さの下端が任意の曲面からなる摩擦面31となっており、発泡体10の切削した個所の切削面14を含み塗装しようとする基材の被塗装面を摩擦熱で加熱し、温度上昇によって軟化させて、発泡体10の切削面14に平滑面を形成する。これは、平滑面で説明したが、下に凸面及び/または下に凹面を形成する場合も同様に加工できる。
ここで、熱可塑性樹脂からなる発泡体10をボールエンドミル20等の刃物で特定の形状に切削加工する工程を、本実施の形態ではステップS1の切削処理工程という。また、それによって形成された面は加熱用冶具30によって物理化学的に硬化された硬化層の面となる。但し、加熱用冶具30による硬化層は、一般的に数10μmから100μm以下の層であり、連続的に変化しているから通常は面と認識されるに過ぎない。
本実施の形態における実施物からの加熱用冶具30による硬化層の確認では、発泡合成樹脂材料10の微粒子粉体が付着してないこと、糸状に伸びた部位が存在してないことにより、ステップS2の冶具による処理工程がなされているか否かが確認される。
なお、ステップS1の切削処理工程によって生じた切削面14を含み塗装しようとする発泡体10の被塗装面18を硬化させる工程を、ここでは、表面処理工程(ステップS10)という。即ち、表面処理工程(ステップS10)には加熱用冶具30による摩擦加熱、レーザ光のスキャンにより、基材である発泡体10の被塗装面を硬化させる工程が含まれる。
研磨による磨きの効果が生じ難くなったとき、ステップS3の目止め処理工程から次の前処理工程(ステップS20)であるステップS4の下塗り処理工程に移行する。
プラサフとは「プライマーサフェーサ」と呼ばれ、上から塗る塗料の乗りをよくするプライマと、サンドペーパー等によって出来た細かい傷を埋めるサフェーサの機能を有するものである。本実施の形態で使用したプラサフは、オートSPSプラサフ(大日本塗料(♯1100ZN)、R-Mマルチフィーラー(ダイアモンド)、R-Mプロフ(ダイアモンド)等である。
また、プラサフとしてKARプラサフ(関西ペイント)を使用し、成分は二酸化チタン1〜5Wt%、トルエン18Wt%、キシレン2.4Wt%、エチルベンゼン2Wt%、メチルアルコール1〜5Wt%、エチルアルコール0.1〜1Wt%、イソプロピルアルコール1〜5Wt%、イソブチルアルコール1〜5Wt%、メチルイソブチルケトン1〜5Wt%、酢酸エチル5〜10Wt%、酢酸イソブチル10〜15Wt%、ニトロセルロース5〜10Wt%、酸化重合型樹脂5〜15Wt%である。
また、粘度を調整するシンナーとして、ウレタックスシンナー(斎藤塗料)を使用した。成分は、酢酸ブチル30〜40Wt%、トルエン36Wt%、キシレン10Wt%、プロピレングリコールモノメチルエ一テルアセテート1〜10Wt%、エチルベンゼン10Wt%である。
また、この下塗り剤43を塗布した後、下塗り剤43で形成した面を平滑にサンドペーパー、耐水ペーパー等で研磨し、複数回の塗布とその研磨を繰り返している。ここではサンドペーパー、耐水ペーパー等で研磨すると説明したが、水研ぎ等の他の研ぎ方を採用してもよい。この下塗り剤43を塗布した層までを補強層50とすることができる。
ステップS5の穴埋め処理工程では、本実施例の穴埋め剤42としてポリエステル樹脂パテのポリラックZ(中部化研工業)を使用した。成分はスチレン18.3Wt%、ナフテン酸コバルト0.1Wt%である。この穴埋め剤42を塗布した層までを補強層50とすることができる。
ステップS5の穴埋め処理工程を組み入れる場合には、その程度によってはステップS3の目止め処理工程の直後に行うこともできる。勿論、ベントホールZが生じていないものでは、穴埋め処理工程(ステップS5)を省略することができる。
なお、この下塗り剤43を塗布した層までを補強層50とすることができる。
後処理工程(ステップS30)で使用する上塗り剤44は、硬化剤1Wt%に対して、樹脂塗料1Wt%、プラサフ2Wt%、シンナー2.6Wt%の配合で混合し、それを塗布する。硬化剤、プラサフ2Wt%、シンナー2.6Wt%は下塗り処理工程(ステップS4)で使用したものと同じである。
実施例では、樹脂塗料としては、♯55ウレタックス(無鉛)ホワイト(斎藤塗料)を使用した。その成分は、酸化チタン20〜30Wt%、トルエン15Wt%、酢酸ブチル1〜10Wt%、エチルベンゼン5.4Wt%、キシレン5.4Wt%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1〜10Wt%である。
この実施例では、樹脂塗料を♯55ウレタックス(無鉛)ホワイトとし、何色でもそこに上塗りできるようにした。即ち、この時点で他の構成部品と同一の塗装を行う場合には、他の部品と同一の塗装工程に入る。この上塗り剤44を塗布した層までを補強層50とすることができる。
ステップS7の仕上げ処理工程では、仕上げ剤45として、硬化剤0.4Wt%に対して樹脂塗料1Wt%、シンナー0.8Wt%の配合とした塗料を塗布する。
実施例で使用した仕上げ剤45としては、硬化剤としてイソシアネート系硬化剤であるレタンPGエコスポイラー用マルチ硬化剤(関西ペイント)を使用した。その成分は、酢酸エチル5〜10Wt%、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)UR0.1〜1Wt%、ヘキサメチレンジイノシアネート・オリゴマー5〜10Wt%、HMDI系ポリイソシアネート165〜70Wt%である。
そして、シンナーとして、レタンPGシンナー超遅乾形(関西ペイント)を使用した。その成分は、石油ナフサG15〜20Wt%、石油ナフサH1〜5Wt%、キシレン20Wt%、エチルベンゼン18Wt%、クメン0.1〜1Wt%、1,3,5−トリメチルベンゼン3Wt%、ナフタレン0.1〜1Wt%、1,2,4−トリメチルベンゼン9.8Wt%、メトキシブチルアセテート1〜5Wt%、酢酸ブチル1〜5Wt%である。
なお、この仕上げ剤45を塗布した層までを補強層50とすることができる。
図14乃至図16に示すように、ステップS1の切削処理工程で熱可塑性樹脂からなる発泡体材料を特定の形状に切削加工し、発泡体10を形成する。詳しくは、図15(a)のように、発泡体10の被塗装面18には、刃21で切断されないで糸状に伸びて部分的に毛羽立っている糸W、その糸状部が丸まって連結された粒子化した粒子X等を有している。また、随所にベントホールZが存在している。
後処理工程(ステップS30)としては、ステップS7の仕上げ処理工程を含ませることができる。ステップS7の仕上げ処理工程は、仕上げ剤45として、硬化剤、樹脂塗料、シンナーを配合とし、顔料も勿論、硬化剤、樹脂塗料、プラサフ、シンナーの配合で混合した上塗り剤44は、仕上げ剤45との相性を良くする必要がある。
このようにして、本発明の実施の形態の基材1及び発泡体10との間の容積空間4に対して、所定の容積空間4内の圧縮された空気が、基材1または発泡体10から外気に漏れ難く形成した補強層50を形成している。
よって、高価な金型を使用することなく、発泡体10を用いて、特定の形状を削り出して塗装し、任意の弾性に富む構成となる。
即ち、特定の形状に形成された基材1と、前記基材を被覆する1枚の発泡合成樹脂材料または発泡ゴム材料、または発泡合成樹脂材料または発泡ゴム材料を特定の形状に形成してなる発泡体と基材1を被覆する1枚の発泡合成樹脂材料11または複数枚を積層接着した発泡合成樹脂材料11,12,13を特定の形状に形成してなる発泡体10と、対向する基材1と発泡体10の片側または両側に形成された所定の容積空間4とを具備し、容積空間4内の圧縮された空気が、基材1及び/または発泡体10から外気に漏れ難くした容積空間4をシート等で形成した補強層50とすることができる。
ここでシートとは、PTFEシート、ゴアテックスハイパーガスケット、FEP粘着シート、FEPシート、PEシート(高密度ポリエチレン)、ポリエチレンナフタレートフィルムが使用でき、温度を上げて溶融膜を形成してもよいし、表面に接着してもよい。
基材1の被塗装面18を硬化させる表面処理工程(ステップS10)は、加熱用冶具30の回転によってその摩擦熱で加熱を行う加熱用冶具30による処理工程を含むものであるから、加熱用冶具30の回転によってその摩擦熱で表面が熱可塑性樹脂からなる発泡体10の表面が軟化され、かつ、その後、硬化されるから研磨に耐える構造となり、任意の形状に研磨加工できる。また、基材1となる熱可塑性樹脂からなる発泡体10は、加熱用冶具30によって加熱を行うものであり、フライス盤、NC加工盤、自動工作機械等の加工制御が簡単化できる。
後処理工程(ステップS30)は、耐久性の塗料を塗布するステップS7からなる仕上げ処理工程を含むものであるから、耐久性により見栄えの良い期間が長くなり、安定した塗装状態が維持される。
したがって、発泡体10を特定の形状に切削し、その切削面14を硬化させ、その硬化状態で研磨し、発泡体10の発泡体のビーズライン及びベントホールZ及びその凹凸を目立たなく研磨加工する。しかも、切削面14のビーズライン及びベントホールZ及びその凹凸からなる面を緩和させる合成樹脂材料を塗布とその研磨を繰り返すことにより、発泡体10の発泡体のビーズライン及びベントホールZ、その凹凸を目立たなく平滑化する。そして、発泡体10の発泡体のビーズライン及びベントホールZ、その凹凸を目立たなくなったところで顔料を含む合成樹脂塗料を塗布する。
更に、前記所定の形状に形成してなる発泡体10の被塗装面18を加熱によって硬化させ及び/または合成樹脂材料を塗布して硬化させているが、それは表面を硬化させ研磨できるようにするのが目的であり、繰り返し塗布しても、結果的に繰り返し研磨するから、従来のように、塗膜の厚みを厚くすることはない。
よって、高価な金型を製作することなく、発泡体10を用いて、特定の形状を削り出して弾性に富む発泡体10にできる。
よって、高価な金型を製作することなく、発泡体10を用いて、特定の形状を削り出して弾性に富む構成となる。
加えて、発泡体10として、ポリウレタン(PUR)、ポリスチレン(PS)、ポリオレフィン(主に、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP))、また、フェノール樹脂(PF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ユリア樹脂(UF)、シリコーン(SI)、ポリイミド(PI)、メラミン樹脂(MF)等の発泡化した樹脂が使用できる。
また、被塗装面18のビーズライン及びベントホールZ、その凹凸面を平滑にすべく塗布する前処理工程(ステップS20)では合成樹脂材料を塗布及び研磨する前処理工程が、200〜400μmの厚みであるが、上記実施例で使用した穴埋め剤42及び下塗り剤43に拘ることなく、被塗装面18のビーズライン及びベントホールZ、その凹凸面を平滑にすべく塗布及び研磨できる合成樹脂材料であればよい。
そして、前処理工程(ステップS20)で形成した被塗装面18に顔料を含む合成樹脂塗料を塗布する後処理工程(ステップS30)は、上塗り剤44が300〜600μmの厚みで、仕上げ剤45が50〜400μmの厚みであるが、上塗り剤44及び仕上げ剤45に拘ることなく、前処理工程(ステップS20)で形成した被塗装面18に顔料を含む塗布自在な合成樹脂塗料であればよい。塗料として透明であるか否かは問われる理由がない。
例えば、発泡体10を形成する金型を形成し、その金型で形成したスキン層を含み、基材1を被覆する1枚の発泡合成樹脂材料または発泡ゴム材料、または複数枚を積層接着した発泡合成樹脂材料または発泡ゴム材料を特定の形状に形成してなる発泡体10とすることもできる。
また、上記実施の形態では、容積空間4内の空気が外圧により圧縮されたとき、その圧縮空気の一部が、容積空間4から漏れ出さなければよいことから、二次元的な表面構造で対応してもよいし、三次元的に立体構造の処理でもよい。特に、三次元的な補強層50は、補強層50のみの強度というよりも、容積空間4の周囲の強度及び緻密化が可能になり、望ましい構造となる。
なお、容積空間4内の圧縮された空気は、基材1及び発泡体10から外気に漏れ難くすべく容積空間4の形成には補強層50が作用している。
結果的には、人形ロボット100の胸部101に付与する外力が検出できる。本実施の形態の人形ロボット100には、肩部102の接触を検出していないが、図19に示すように、全体に設けなくても動作することが判明した。
したがって、基材1と発泡体10が同じ特性の材料とすることができるので、対向する基材1と発泡体10が同一材料となり軽量化及び加工が容易となる。また、伸縮が自在でない、即ち、伸縮しないシートを使用することもでき、これによって、基材1の用途を広げることができる。
特に、発泡体10は、発泡体10を切削して生じた切削面の切断面、ビーズライン及びベントホールが形成された凹凸面を緩和させる補強層50を形成したものである。したがって、発泡樹脂成型品であっても、発泡樹脂成型板からの加工であっても、表面に補強層50を形成することにより、発泡体10側から空気が外気に漏れ難い構造とすることができる。
したがって、容積空間4は、内面に弾性及び通気性のある発泡合成樹脂材料板で格子状、4角形状、鮫小紋、円形の水玉状、市松状の何れかを打ち抜き形成し、または交互に打ち抜いて形成したものであるから、容積空間4に何も入らない空間ではなく、自己保持する弾性力等を保持させることができ、容積空間4の容積変化を得ればよいことから、複雑な三次元空間であっても、二次元空間と同様の検出が可能となる。
例えば、前記球体によりビーズラインを球体が挟み込んだり、発泡穴に球体が入り込むことでその境界に樹脂成分が行き渡り、また、その凹凸面を球体が補充し、その間を樹脂成分が繋ぐから、全体的に目立たなくなる。そして、発泡合成樹脂材料の発泡体のビーズライン、発泡穴、その凹凸が目立たなくなったところで、前記前処理工程で形成した面に後処理工程で顔料を含む合成樹脂塗料を塗布する構成とすることもできる。
4 容積空間
4A,4B,4C, 空間維持材
5 案内路
10 発泡体
11,12,13 発泡合成樹脂材料
14 切削面
50 補強層
70 圧力センサ
71 増幅回路
72 オン時間のキャプチャー回路
73 条件比較回路
74 フォトカプラ
80 補助空間
90 出力回路
100 人形ロボット
105 コーナ
Claims (1)
- 特定の形状に形成された基材と、
前記基材を被覆する1枚の発泡合成樹脂材料または発泡ゴム材料、または発泡合成樹脂材料または発泡ゴム材料を特定の形状に形成してなる発泡体と、
対向する前記基材と前記発泡体の片側または両側に形成された所定の容積空間と、
前記容積空間内に配設された連続気泡構造を有している空間維持材と、
前記容積空間内及び前記空間維持材の圧縮された空気が、前記基材及び/または前記発泡体から外気に漏れ難くした前記容積空間を形成した補強層と、
前記基材と前記発泡体の片側または両側に加えられた外部からの押圧力を、前記補強層で形成した前記容積空間及び前記空間維持材の物理的変化量として検出するセンサと、
前記センサからのオン・オフ出力のオン時間またはオフ時間の長さをもって検出出力とし、前記特定の形状に形成された基材と、前記基材を被覆する1枚の発泡合成樹脂材料または発泡ゴム材料、または発泡合成樹脂材料または発泡ゴム材料を特定の形状に形成してなる前記発泡体が形成するコーナに埋設してなる出力回路と
を具備することを特徴とする接触検出装置。
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