JP2001213095A - 凹凸基材の絵付方法 - Google Patents

凹凸基材の絵付方法

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JP2001213095A
JP2001213095A JP2000027073A JP2000027073A JP2001213095A JP 2001213095 A JP2001213095 A JP 2001213095A JP 2000027073 A JP2000027073 A JP 2000027073A JP 2000027073 A JP2000027073 A JP 2000027073A JP 2001213095 A JP2001213095 A JP 2001213095A
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Hirohisa Yoshikawa
浩久 吉川
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 凹凸基材への転写時に箔バリやブリッジが発
生しても解消する。 【解決手段】 凹凸基材Bへ支持体シート1と転写層2
とからなる転写シートSを用いて転写層を転写する転写
加工を含む凹凸基材の絵付方法において、転写加工後、
転写層のうち凹凸基材上で箔バリ3やブリッジ4となっ
ている非接着部の転写層部分に対して、その転写層を溶
解又は膨潤させる、溶剤又は/及び可塑剤を塗布して非
接着部を解消させて修復する。転写加工は、弾性体ロー
ラによるローラ転写法や固体粒子衝突圧利用の転写法等
で行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、建築物の
外装、床面、壁面、天井等に用いる化粧材等の絵付品を
得る場合に、凹凸基材を転写加工で絵付する方法に関す
る。特に、転写後に、凹凸基材から浮いている転写層で
ある箔バリやブリッジを解消する絵付方法に関する。
【0002】
【従来の技術】凹凸基材を転写加工で絵付する場合、転
写加工では、図1(A)の概念図に示す如く、支持体シ
ート1と転写層2とからなる転写シートSを、転写圧に
より凹凸基材Bに押圧して圧接する圧接工程の後、支持
体シート1のみを剥離する剥離工程を経て、転写層2の
みを凹凸基材Bに残し密着させる事で、全ての転写工程
が完了する。
【0003】ところで、凹凸基材に対する転写法として
は、例えば特開平5−139097号公報等では、弾性
体ローラを使用する所謂ローラ転写法に於いて、ローラ
にゴム硬度60°以下の軟質ゴムローラを用いる事で、
転写シートを凹凸面に追従させて転写させる方法を提案
している。また、特に従来では不可能であった様な凹凸
面にも転写できる方法として、特許第2844524号
公報、特開平10−193893号公報等では、亜鉛粒
子等の固体粒子を多数、転写シートの支持体シート側に
衝突させて、その固体粒子の衝突圧を転写圧に利用して
凹凸基材に転写する転写法を開示している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、いずれの転写
法を採用するにしても、凹凸基材を転写加工で絵付けす
る場合、基材面の凹部に対応して転写層が転写しない転
写不良が生じる事があった。それは、凹凸基材の被転写
面の隅角部分や、凹凸表面の被転写面ではその凹部にお
いて、転写層2の一部が凹凸基材から浮いた様な状態で
凹凸基材に接着していない、箔バリやブリッジと言う非
接着部が出来る転写不良であった。すなわち、図1
(A)に例示する如く、箔バリ3は、凹凸基材の被転写
面の隅角部分や、凹凸表面の被転写面ではその凹部にお
いて発生し、転写層の一方の端は凹凸基材に密着してい
るが、他方の端が自由端になった転写層である。なお、
被転写面の隅角部分は、転写領域と非転写領域との境界
部であり、この境界部に於いて転写層が切断されずに、
転写領域から非転写領域に向かって延長、突出すると箔
バリとなる。箔バリは、本来は支持体シートと共に剥離
除去されるべき転写層である。また、ブリッジ4は、凹
凸表面の凹部において発生し、転写層の両端乃至は周囲
が凹凸基材に密着しているが、中央が凹凸基材の凹部に
追従して密着する事なく、浮いた状態の転写層である。
ブリッジは、本来は凹凸基材に密着してしている転写層
である。
【0005】この様な転写不良は、被転写面の微小凹凸
等の凹凸が悪影響している場合であれば、転写前に予め
シーラー処理により微小凹凸等を埋没させ平坦化する等
して改善する事もできる。しかし、凹凸次第では、シー
ラー処理による改善にも限度がある。従って、どのよう
にしても、基材面の凹部に転写層が追従せずに、箔バリ
を生じたり、或いはブリッジを生じたりすることがあっ
た。
【0006】特に、ブリッジ4は一見しただけでは発見
できず、後になってブリッジとなっている転写層の非接
着部が脱落すると、凹凸基材が露出して転写抜けとなり
容易に視認可能となる為、不良を見落とす可能性がある
点で深刻な不良であった。従って、凹凸基材を転写で絵
付する場合には、ブリッジは特に注意すべき転写不良で
あった。
【0007】そこで、本発明の課題は、転写加工時に上
述の箔バリやブリッジが起きても、それら転写不良を容
易に解消できる様な、凹凸基材の転写による絵付方法を
提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、上記課題を解決
すべく、本発明の凹凸基材の絵付方法では、凹凸基材へ
転写シートを用いて転写層を転写する転写加工を含む凹
凸基材の絵付方法において、転写加工後、凹凸基材上で
箔バリやブリッジとなっている非接着部の転写層に対し
て、該転写層を溶解又は膨潤させる、溶剤又は/及び可
塑剤を塗布して、非接着部の転写層を溶解又は膨潤させ
て非接着部を解消する様にした。
【0009】この様に、転写層を溶解又は膨潤させる物
質として、溶剤、或いは可塑剤、或いはこれら両方を、
箔バリやブリッジとなった転写層の非接着部分に塗布す
れば、転写層の溶解又は膨潤により、箔バリ部分の転写
層は流動乃至は変形して、凹凸基材の凸部から凹部に至
る側面等に接着する事で解消でき、一方、ブリッジ部分
の転写層は流動乃至は変形して、浮いていた凹凸基材の
凹部に対して接着する事で解消できる。これらの結果、
箔バリとブリッジによる転写層の非接着部は解消され、
これら転写不良を直すことができる。
【0010】また、本発明の凹凸基材の絵付方法では、
上記に絵付方法に於いて、転写加工時の転写を、転写圧
に弾性体ローラによる加圧を利用するローラ転写法で行
う様にした。この様に、転写加工を転写圧に弾性体ロー
ラを利用するローラ転写法で行えば、従来では、弾性体
ローラの変形では転写層が凹凸に十分追従できず凹凸基
材から浮いてブリッジとなる様な場合でも、それを解消
できる。
【0011】また、本発明の凹凸基材の絵付方法では、
上記に絵付方法に於いて、転写加工時の転写を、転写圧
に固体粒子の衝突圧による加圧を利用する転写法で行う
様ににした。この場合には、弾性体ローラでは転写不能
であった様な段差の大きな凹凸面、或いは三次元的凹凸
面に対しても、箔バリやブリッジを生ずること無く良好
な転写が出来る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の凹凸基材の絵付方
法について、実施の形態を説明する。
【0013】〔凹凸基材〕凹凸基材Bとしては、その被
転写面側に凹凸形状を有する基材であれば、形状、材質
等は特に限定は無い。特に、固体粒子衝突圧を転写圧に
用いて転写する場合では、凹凸形状は、ゴムローラを用
いるローラ転写法では不可能な様な、二次元的凹凸や三
次元的凹凸でも良い。二次元的凹凸とは1方向にのみ凹
凸が有る凹凸で、三次元的凹凸とは縦横等と2方向に凹
凸が有る凹凸である。また、凹凸基材は全体として(包
絡面形状が)平板状の板材だけでなく、断面が円弧状に
凸又は凹に1方向に湾曲した二次元的凹凸を有する基材
でも良く、またその湾曲面にさらに細かい三次元的な表
面凹凸があってもよい。
【0014】図6の要部拡大斜視図に、凹凸基材Bの三
次元的凹凸の一例を示す。同図の表面凹凸はタイル貼り
目地溝状の凹凸を有する例である。凹凸基材Bの被転写
面側には、大柄な凹部401(目地溝)と大柄な凸部4
02とからなる大柄な凹凸と、その大柄な凸部402
(天面部)上にある微細な凹凸403とを有する。大柄
な凹凸の凹凸形状は、例えば、段差が1〜10mm、凹
部の幅が1〜10mm、凸部の幅が5mm以上のもの等
である。また、微細な凹凸は、段差及び幅ともに大柄な
凹凸形状よりも小さく、例えば、段差が0.1〜5mm
程度、凹部の幅及び凸部の幅が0.1mm以上で、大柄
な凹凸形状の凸部の幅の1/2未満程度である。
【0015】大柄な凹凸と微細な凹凸の組み合わせ例と
しては、例えば、大柄な凹凸として目地、溝等を有する
タイル、煉瓦、石等の二次元配列模様を有し、その上に
微細な凹凸としてスタッコ調、リシン調等の吹き付け塗
装面の凹凸模様、花崗岩の劈開面やトラバーチン大理石
板等の石材表面の凹凸等を有する石目調凹凸模様を有す
るもの、或いは大柄な凹凸模様として目地、溝、簓、サ
ネ(実)等を有する羽目板模様、浮造木目板模様を有
し、その上に微細凹凸として導管溝、浮出した年輪、ヘ
アライン等を有する木目調の凹凸模様を有するものが挙
げられる。
【0016】そして、箔バリは、例えば大柄な凹凸の凸
部(天面部)にのみ転写する場合に、凸部の外周に発生
する。また、ブリッジは該凸部上の微細な凹凸の凹部、
或いは、大柄な凹凸の凹部内も転写する場合には、その
凹部内に微細な凹凸がある場合等に発生する。
【0017】また、凹凸基材の材質は、例えば、無機非
金属系、金属系、木質系、プラスチック系等である。具
体的には、無機非金属系では、例えば、押し出しセメン
ト、スラグセメント、ALC(軽量気泡コンクリー
ト)、GRC(硝子繊維強化コンクリート)、パルプセ
メント、木片セメント、石綿セメント、ケイ酸カルシウ
ム、石膏、石膏スラグ等の非陶磁器窯業系材料、土器、
陶器、磁器、セッ器、硝子、琺瑯等のセラミックス等の
無機質材料等がある。また、金属系では、例えば、鉄、
アルミニウム、銅等の金属材料がある。また、木質系で
は、例えば、杉、檜、樫、ラワン、チーク等からなる単
板、合板、パーティクルボード、繊維板、集成材等があ
る。また、プラスチック系では、例えば、ポリプロピレ
ン、ABS樹脂、フェノール樹脂等の樹脂材料がある。
【0018】なお、凹凸基材には、転写加工に先立ち、
転写層を接着させる為の接着剤を予め施しておいても良
い。また、凹凸基材には、予め、接着剤層(凹凸基材側
に施すもの、或いは転写層の一部としての接着剤層)と
の接着を補助する為の易接着プライマー、凹凸基材がア
ルカリ性基材の場合にアルカリの滲出を防ぐシーラー
剤、或いは表面の微凹凸や多孔質を目止めし封じる目止
剤を塗工しておいても良い。接着剤、易接着プライマ
ー、シーラー剤、或いは目止剤としては、イソシアネー
ト、2液硬化ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹
脂、酢酸ビニル樹脂等の樹脂を塗工し形成する。
【0019】〔転写シート〕図1(A)の如く、転写シ
ートSは支持体1と転写層2とからなるが、転写シート
としては特に限定は無い。但し、転写層2は、有機溶剤
等の溶剤や可塑剤でで溶解、或いは膨潤可能なものを樹
脂分としたものを用いる(なお、転写層は従来公知の転
写層がそうである様に、全てが樹脂である必要は無
い)。この様な樹脂としては、熱硬化等の硬化性樹脂で
も、完全硬化前の状態で転写するならば使用可能である
が、溶解性及び膨潤性がより良い点で熱可塑性樹脂が好
ましい。
【0020】熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル
樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、熱可塑性ポリエステル樹
脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の樹脂を、単体
又はこれらの混合物として用いれば良い。
【0021】従って、転写層2は、上記の様な特性の樹
脂を用いたものであれば良く、転写層の具体例として
は、代表的には絵柄層、剥離層、接着剤層等があり、用
途に応じた層構成とすれば良い。また転写層は、従来公
知の印刷法や塗工法、或いは手描き等の任意の形成手段
で形成される。
【0022】例えば、絵柄層は、上記の様な熱可塑性樹
脂のバインダー等からなるビヒクル、顔料や染料等の着
色剤、これに適宜加える各種添加剤からなるインキ又は
塗液で、印刷や塗工法等で形成される。なお、着色剤と
しては、チタン白、カーボンブラック、弁柄、黄鉛、群
青等の無機顔料、アニリンブラック、キナクリドン、イ
ソインドリノン、フタロシアニンブルー等の有機顔料、
アルミニウム箔粉、二酸化チタン被覆雲母の箔粉等の光
輝性顔料、或いはその他染料等が用いられる。なお、絵
柄層の絵柄は、木目模様、石目模様、布目模様、タイル
調模様、煉瓦調模様、皮絞模様、文字、幾何学模様、全
面ベタ等である。
【0023】なお、転写層は機能性層として、抗菌層、
防黴層、導電層等の各種機能性を有する層でも良い。例
えば、抗菌層には銀イオン担持ゼオライト粉末等の公知
の抗菌剤を、防黴層としては、10,10−オキシビス
フェノキシアルシン等の公知の防黴剤を、導電層には黒
鉛や銀等の粉末からなる公知の導電剤を、上記絵柄層で
述べたバインダー樹脂中に含有させたりすれば良い。こ
れら層は、上記絵柄層と兼用させても良い。
【0024】また、剥離層は、支持体乃至は離型層と装
飾層との間の剥離性を調整する為、また、転写後の装飾
層の表面保護の為等に、必要に応じ適宜これら層間に設
ける。剥離層は転写層の構成要素であり、転写時に転写
層の一部として転写される。従って、剥離層も、上述の
様に、溶剤や可塑剤で溶解或いは膨潤可能な樹脂とし
て、好ましくは熱可塑性樹脂を用いる。
【0025】接着剤層にも、上述の様に熱可塑性樹脂を
用いるが好ましく、例えば、熱融着型接着剤として、ポ
リ酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、
アクリル樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性ウ
レタン樹脂、ポリアミド樹脂等を用いると良い。
【0026】なお、支持体シート1としては、溶解性や
膨潤性を考慮する必要は無く、被転写面の凹凸形状、転
写方法等に応じた、公知のものを使用すれば良い。つま
り、支持体シートとしては、被転写面が平面の場合、或
いは二次元的凹凸面(例えば円筒面)の場合には、延伸
性が無い紙や金属箔等でも、被転写面の凹凸形状次第で
は、被転写面形状に転写シートを追従させて密着させる
事が出来る場合もある。従って、この様な場合には、紙
や金属箔等でも良い。また、被転写面が三次元的凹凸面
の場合には、少なくとも転写時には、延伸性(伸びる性
質)を有する支持体シートを用いる。延伸性の有る支持
体シートとしては、従来多用されている2軸延伸ポリエ
チレンテレフタレートフィルムでも、表面凹凸形状次第
で、加熱条件、衝突圧条件等の設定によって、表面凹凸
に転写シートを追従させる為に必要充分な延伸性が得ら
れる事もある。ただ、より低温・低圧で延伸性が発現し
易い好ましい支持体シートとしては、例えば、エチレン
・テレフタレート・イソフタレート共重合体ポリエステ
ル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステル系熱可
塑性エラストマー等の熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリ
プロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、エチ
レン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブ
テン3元共重合体、オレフィン系熱可塑性エラストマー
等のポリオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重
合体、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、或いは天然ゴ
ム、合成ゴム、ウレタン系熱可塑性エラストマー等を単
体又は混合物で、単層又は異種の複層とした樹脂フィル
ム(シート)を用いることができる。これら樹脂フィル
ムは低延伸又は無延伸の物が好ましい。例えば、具体的
にはポリプロピレン系熱可塑性エラストマーフィルム
は、延伸特性に優れ且つ廃棄燃焼時に塩酸ガスを発生せ
ず環境対策的にも好ましい支持体シートの一つである。
支持体シートの厚さは、通常20〜200μmである。
【0027】〔溶剤と可塑剤〕溶剤や可塑剤としては、
転写層の樹脂分を適度に、膨潤乃至は溶解させるものを
使用する。転写層に使用した樹脂と溶解度パラメータ
(SP値)の近似するものが少量で効果が有る点で好ま
しい。
【0028】例えば、エチルアルコール、メチルアルコ
ール、ブチルアルコール、イソプロピルアルコール等の
アルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル、ア
セトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン
等のケトン、トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族
炭化水素、ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサン等の脂
肪族(乃至は脂環式)炭化水素、等の溶剤を、転写層の
樹脂分に応じて1種又は2種以上使用する。また、可塑
剤としては、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレー
ト等のフタル酸エステル、トリクレジルフォスフェート
等の燐酸エステル、塩素化パラフィン、トリ−2−エチ
ルヘキシルトリメリテート等の液状のものを、転写層の
樹脂分に応じて1種又は2種以上使用する。
【0029】溶剤と可塑剤は、溶剤単独使用、或いは可
塑剤単独使用、或いは溶剤及び可塑剤を併用する。これ
らは、スプレー塗装、ハケ塗り、スポンジローラ塗工等
の公知の塗工法で、箔バリやブリッジとなっている転写
層の非接着部に適用すれば良い。なお、塗工の際、溶剤
や可塑剤は非接着部以外にも適用(例えば接着部も含め
た全面に塗工)しても良い。もちろん、転写不良である
非接触部にスポット的に適用しても良い。また、揮発性
の溶剤や可塑剤はその後、適宜加熱して蒸発乾燥させ
る。また、もちろんであるが転写層を溶解させる溶剤
は、あまりに多量に塗工すると、ブリッジとなった転写
層等が完全に凹凸基材上から流れて落ちてしまうので、
転写層が凹凸基材上に止まる程度の塗工量にする。な
お、膨潤させた転写層は、圧空を吹き付けて凹部に向か
って加圧して、凹凸基材に接触し接着するのを補助して
も良い。
【0030】なお、本発明では、転写層の溶解又は膨潤
によって転写層に接着性を発現させる事ができ、これに
よって、箔バリやブリッジ部分の転写層が凹凸基材に接
触した後、該凹凸基材に接着させる事ができる。そし
て、図1(B)は、箔バリやブリッジが解消した状態を
概念的に説明する断面図である。同図の如く、箔バリ3
やブリッジ4となっている転写層2は凹凸基材Bに接着
させることができる。箔バリの部分では、凸部から凹部
に至る側面等に接着固定され、本来はそこは転写層が転
写されるべき所では無いが、場所的に目立ちにくいの
で、一応、箔バリとしての転写不良は解消させる事がで
きる。
【0031】〔転写加工〕なお、本発明の絵付方法に
て、その転写加工にて採用する転写法としては、基本的
には特に制限は無い。転写方法は、被転写面の凹凸形状
等により、従来公知の転写法のなかから適宜な方法を選
択使用しても良い。例えば、特公昭60−59876
号公報、特開平5−139097号公報に記載されるよ
うに、転写シートを、転写層を凹凸基材側に向けて、支
持体シート側からシリコーンゴムローラ等による弾性体
ローラによって加圧し、転写層が凹凸基材に接着後、支
持体シートを剥離する、所謂ローラ転写法、特許第2
844524号公報、特開平10−193893号公報
等に開示された様な、固体粒子衝突圧を転写圧に用いる
転写法等がある。
【0032】特に、本発明の絵付方法では、箔バリやブ
リッジが発生しても解消できるので、平易な転写方法で
はあったが、箔バリやブリッジの原因となる表面凹凸を
有する凹凸基材に対しては、それら転写不良によって適
用が制限されていた、上記のローラ転写法は、好適な
転写方法である。本発明によって、ローラ転写法の適用
制限を緩和させる事ができる。すなわち、凹凸基材の表
面凹凸が、弾性体ローラ(通常、鉄芯の表面をシリコー
ンゴム等で被覆してある)のゴムの変形量以上の凹凸の
場合には、転写シートが追従せずブリッジが発生し易い
が、それを後から修復して解消できるからである。しか
し、基本的には箔バリやブリッジは最初から起こさない
様に転写した方が望ましく、また起きたとしても最小限
に止めるべきであり、この点で優れた凹凸追従性を発揮
できる固体粒子衝突圧による転写法を利用して転写した
上で、箔バリやブリッジ解消を狙うのも望ましい。すな
わち、上記の固体粒子衝突圧による転写法を採用すれ
ば、凹凸がより深くて追従し難い凹凸形状に対しても、
解消可能な箔バリやブリッジの発生を許容した上で、後
からそれを本発明によって修復して解消させる事ができ
るので、適用できる凹凸形状の許容範囲がローラ転写法
よりも広い点で、好適な転写法と言える。
【0033】なお、のローラ転写法は、慣用的な転写
方法であり、ローラに軟質の物を用いれば、ある程度の
表面凹凸までならば対応できる平易な転写方法である。
使用する弾性体ローラとしては、通常、鉄等の剛体の回
転軸芯の表面周囲を軟質の弾性体で被覆したローラを用
いる。弾性体としては、シリコーンゴム、ネオプレンゴ
ム、フッ素ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエ
ンゴム、天然ゴム等のゴムを用いる。特に、耐熱性、耐
久性、弾性等の点からシリコーンゴムが好ましい。また
特に、凹凸の被転写面の場合は、弾性体として、JIS
規格のゴム硬度が60°以下のものを使用することが、
転写シートを凹凸面に追従成形させる為に好ましい。弾
性体ローラの直径は、通常5〜20cm程度である。ま
た、通常、弾性体ローラは加熱ローラとしても用いる。
弾性体ローラの加熱は、ローラ内部の電熱ヒータや、ロ
ーラ外部の赤外線輻射ヒータ等の加熱源によって加熱す
る。
【0034】次に、の固体粒子衝突圧による転写法に
ついても更に詳述しておく。
【0035】固体粒子衝突圧による転写法は、図2の概
念図で示す如く、凹凸基材Bの被転写面側に、転写シー
トSの転写層側を対向させ、該転写シートの支持体シー
ト側に多数の固体粒子Pを衝突させ、その衝突圧を利用
して、凹凸基材の被転写面への転写シートの圧接を行
い、転写層が凹凸基材に接着後、転写シートの支持体シ
ートを剥離除去することで、転写層を凹凸基材に転写す
る転写方法である。なお、固体粒子Pに付記した矢印
は、固体粒子の速度ベクトルを表す。
【0036】固体粒子としては、セラミックビーズ、ガ
ラスビーズ等の非金属無機粒子、亜鉛、鉄等の金属粒
子、或いはナイロンビーズや架橋ゴムビーズ等の樹脂ビ
ーズ等の有機粒子等を使用する。粒子形状は球形状が好
ましいが、その他の形状でも用い得る。粒径は通常10
〜1000μm程度である。固体粒子は噴出器から転写
シートに向かって噴出させ、転写シートに衝突したその
衝突圧が転写圧となる。噴出器には、代表的には羽根車
や吹出ノズルを用いる。羽根車はその回転により固体粒
子を加速し、吹出ノズルは高速の流体流で固体粒子を加
速する。羽根車や吹出ノズルには、サンドブラスト或い
はショットブラスト、ショットピーニング等とブラスト
分野にて使用されているものを流用できる。例えば羽根
車には遠心式ブラスト装置、吹出ノズルには加圧式や吸
引式ブラスト装置、ウェットブラスト装置等である。遠
心式ブラスト装置は羽根車の回転力で固体粒子を加速し
噴出する。加圧式ブラスト装置は、圧縮空気に混合して
おいて固体粒子を、空気と共に噴出する。吸引式ブラス
ト装置は、圧縮空気の高速流で生ずる負圧部に固体粒子
を吸い込み、空気と共に噴出する。ウェットブラスト装
置は、固体粒子を液体と混合して噴出する。
【0037】図3及び図4は、羽根車による噴出器の一
例を示す概念図である。羽根車812は、複数の羽根8
13がその両側を2枚の側面板814で固定され、且つ
回転中心部は羽根813が無い中空部815となってい
る。更に、この中空部815内に方向制御器816を内
在する(図4参照)。方向制御器816は、外周の一部
が円周方向に開口した開口部817を有し中空筒状で羽
根車812の回転軸芯と同一回転軸芯で、羽根車とは独
立して回動自在となっている。羽根車使用時は、方向制
御器の開口部を適宜の方向に向くように固定して、固体
粒子の噴出方向を調整する。更に、この方向制御器の内
部に、内部中空で羽根車812の回転軸芯と同一回転軸
芯のもう一つの羽根車が散布器818として内在する
(図4参照)。散布器818は外側の羽根車812と共
に回転する。そして、前記側面板814の回転中心には
回転軸819が固定され、回転軸819は、軸受820
で回転自在に軸支され電動機等の回転動力源(図示略)
によって駆動回転され、羽根車812が回転する。また
回転軸819は、羽根813を間に有する2枚の側面板
814間には貫通しておらず、軸無しの空間を形成して
いる。そして、散布器818の内部に固体粒子Pがホッ
パ等から輸送管を通って供給される。通常、固体粒子
は、羽根車の上方(直上又は斜上方)から供給する。散
布器内に供給された固体粒子は散布器の羽根車で外側に
飛び散る。飛び散った固体粒子は、方向制御器816の
開口部817によって許された方向にのみ放出され、外
側の羽根車812の羽根813と羽根813との間に供
給される。そして、羽根813に衝突し、羽根車812
の回転力で加速され、羽根車から噴出する。羽根車81
2の寸法は、通常直径5〜60cm程度、羽根の幅は5
〜20cm程度、羽根の長さは、ほぼ羽根車の直径程
度、羽根車の回転速度は500〜5000〔rpm〕程
度である。固体粒子の噴出速度は10〜50〔m/s〕
程度、投射密度(基材単位面積当たりに衝突させる固体
粒子の総質量)は10〜150〔kg/m2 〕程度であ
る。
【0038】次に、図5は吹出ノズルを用いた噴出器の
一例を示す概念図である。同図の噴出器840は固体粒
子加速流体として空気等の気体を用い、固体粒子噴出時
に該気体と固体粒子を混合して噴出する形態の噴出器の
一例である。噴出器840は、固体粒子Pと流体Fを混
合する誘導室841と、誘導室内に流体を噴出する内部
ノズル842と、ノズル開口部843から固体粒子及び
流体を噴出する吹出ノズル部844からなる。圧縮機等
からの加圧状態の流体Fを、内部ノズル842から噴出
し誘導室841を経てノズル844のノズル開口部84
3から噴出する際に、噴出器内の誘導室841にて、高
速で流れる流体流の作用で負圧を作り、この負圧により
固体粒子を流体流に導き混合し、流体流で固体粒子を加
速、搬送して、ノズル844のノズル開口部843から
流体流と共に噴出するものである。なお、固体粒子加速
流体に液体を用いる吹出ノズル等もある。流体圧は吹付
圧力で通常0.01〜1MPa程度である。流体流の流
速は、液流では通常1〜20m/秒程度、気流では通常
5〜80m/秒程度である。
【0039】噴出器は、1個のみでは加圧領域を所望の
形状、大きさに出来ない場合は、複数用いる。また、実
際に固体粒子を用いて転写する際は、固体粒子は周囲の
雰囲気中に飛散させずに且つ循環再利用するのが好まし
く、転写する空間を周囲空間と隔離するチャンバ内で、
固体粒子を転写シートに衝突させると良い。支持体シー
トの剥離は、チャンバ外でも良い。
【0040】また、好ましくは、予め熱可塑性樹脂の支
持体シートからなる転写シートは、赤外線輻射ヒータ等
で加熱軟化させて延伸性を付与し、凹凸基材が熱容量の
大きい場合は予め予熱し、熱融着型の接着剤層として作
用させる層(接着剤層や絵柄層等)は、加熱活性化させ
た状態で固体粒子を転写シートに衝突させる様にする。
なお、熱融着により転写する場合、熱融着する層を活性
化して熱融着させる為に加熱するタイミングは、衝突圧
加圧前、衝突圧加圧中、或いは衝突圧加圧前及び加圧中
などのいずれでも良い。加熱は転写シートや凹凸基材を
加熱して行う。また、衝突圧加圧中の加熱には、加熱固
体粒子や、固体粒子加速用の流体を加熱流体として用い
ても良い。そして上記の場合、転写シートが凹凸基材の
表面形状に追従し、成形され、転写層が凹凸基材に十分
に接触すれば、冷風等の冷却手段で熱融着する層の冷却
を促進しても良い。冷風は、転写シート側や凹凸基材側
から吹き付ける。また、冷却手段として、冷却固体粒
子、冷却流体も用いることもできる。なお、冷却促進
は、凹凸基材の凹凸表面の凹部内部にまで追従成形され
た転写シートが衝突圧開放後に復元力がある場合に戻る
のも防止する。
【0041】〔後加工〕なお、転写加工後、更に箔バリ
やブリッジを解消させた後には、絵付品の表面に、耐久
性、意匠感等を付与する為に、更に透明保護層等の上塗
り層を塗装する等しても良い。上塗り層は、用途、要求
物性に応じた層とすれば良い。この様な上塗り層として
は、例えば、ポリ4フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリ
デン等のフッ素樹脂、ポリメタクリル酸メチル等のアク
リル樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等の1種又は
2種以上をバインダーの樹脂として、更に必要に応じ
て、ベンゾトリアゾール、超微粒子酸化セリウム等の紫
外線吸収剤、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤等の光
安定剤、着色顔料、体質顔料、シリカ、球状α−アルミ
ナ、鱗片状α−アルミナ等の粒子からなる減摩剤、ワッ
クス等の滑剤等を添加した塗料を用いる。塗装はスプレ
ー塗装、カーテンコート、軟質ゴムロールやスポンジロ
ール等を使用したロールコート等の公知の塗工法で行え
ば良い。
【0042】〔絵付品の用途〕本発明の絵付方法で得ら
れる化粧材等の絵付品の用途は、転写加工された絵付面
が凹凸面、特に三次元形状等の凹凸表面の物品であるよ
うな各種用途に用いられ得る。例えば、化粧材として、
サイディング等の外壁、塀、屋根、門扉、破風板等の外
装、壁面、天井、床等の建築物の内装、窓枠、扉、手
摺、敷居、鴨居等の建具類の表面化粧、箪笥等の家具や
テレビ受像機等の弱電・OA機器のキャビネットの表面
化粧、自動車、電車、航空機、船舶等の乗物内装材等の
各種分野で用いられ得る。化粧材は化粧板等として利用
される。なお、化粧材も含めて絵付品の形状は、平板、
曲面板、棒状体、立体物等と任意である。
【0043】
【実施例】次に実施例及び比較例により本発明を更に説
明する。
【0044】〔実施例1〕転写シートとしては、支持体
シートとするエチレン−プロピレンランダム共重合体
(エチレン含有率3質量%)フィルム(厚み80μm)
の片面に、転写層として、アクリル樹脂からなる透明な
剥離層(厚さ3μm)と、バインダーの樹脂に塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体とアクリル樹脂との1対1質量
比の混合物を用い着色剤に黄鉛を用いた黄色インキによ
る絵柄層(単色全面ベタ)とをグラビア印刷で形成した
ものを用意した。
【0045】一方、凹凸基材Bとしては、図6の要部拡
大斜視図に例示する様な、大柄な凹凸として深さ1m
m、開口幅5mmの目地の溝状凹部401と、煉瓦積み
模様の平坦凸部(天面部)402とを有し、微細な凹凸
として平坦凸部上に深さが0.1〜0.5mmの範囲に
分布する砂目調の微細凹凸403を有する、大柄な凹凸
と微細な凹凸とが重畳した三次元的表面凹凸を有する厚
さ25mmのALC(軽量気泡コンクリート)板を用意
した。なお、転写すべき面は平坦凸部のみとした。そし
て、該凹凸面には予め、シーラー層、灰色ベースコート
層、接着剤層(厚さ30μm)をこの順に設けた。これ
ら各層は、いずれも、2液硬化型ウレタン樹脂(アクリ
ルポリオール100質量部とヘキサメチレンジイソシア
ネート8質量部)からなる塗料をスプレー塗工して形成
した。
【0046】そして、上記凹凸基材(接着剤層は完全硬
化前)の凹凸表面上に、前記の転写シートの転写層側を
向けて載置し、加熱した弾性体ローラを用いてローラ転
写法によって転写した。弾性体ローラには、鉄芯の周囲
をシリコーンゴムで被覆したJISゴム硬度60度のゴ
ムローラを加熱して使用した。この結果、転写後の転写
面には、天面部内の凹部にブリッジが、天面部の外周に
は箔バリが生じていた。なお、ブリッジ部分は、凹凸基
材上の接着剤と接触していない為に、濡れ色とならない
のに対して、接着剤と接触している転写層部分は濡れ色
となるので、目視で判別できた。
【0047】上記の転写加工後、溶剤としてインキが溶
解し易いメチルエチルケトンを転写面にスプレーコート
して、非接着部の転写層を溶解にさせたところ、箔バ
リ、ブリッジは解消した。箔バリ部の転写層は平坦凸部
(天面部)から溝状凹部に至る側面に垂れ落ちて接着
し、ブリッジ部の転写層はその下の(微細な凹凸の)凹
部に接着した。なお、ブリッジ部分の転写層の接着は、
その部分が他の部分と同じ濡れ色となった事によって、
目視で確認評価した。この後、フッ化炭化水素系ポリオ
ールと1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートとから
なる2液硬化型ウレタン樹脂塗料を塗工して、厚さ10
0μmの上塗り層を形成して絵付品とした。
【0048】〔比較例1〕実施例1において、転写後の
箔バリ及びブリッジの解消に溶剤を使用せずに、圧縮空
気を吹き付けた。その結果、箔バリはその部分の転写層
が吹き飛んで解消したが、ブリッジが残留したままであ
った。
【0049】〔実施例2〕実施例1において、転写圧を
ローラ圧から固体粒子衝突圧に変更して転写した。凹凸
基材及び転写シートは実施例1と同じものを用いた。転
写加工は、噴出器には図3及び図4の様な羽根車を用い
た噴出器を使用した。そして、予熱した凹凸基材とその
上に転写層側を凹凸基材側に向けて載置した転写シート
とを、ベルトコンベアで搬送しつつ、熱風で転写シート
及び凹凸基材を表面温度100℃に加熱後、噴出器から
固体粒子を転写シートの支持体シート側に衝突させて衝
突圧を転写圧として加えて、転写シートを凹凸基材(接
着剤層は完全硬化前)に押圧した。なお、固体粒子とし
ては平均粒径0.4mmの球形の亜鉛球を40℃に加熱
したものを用い、固体粒子の噴出速度は35〔m/s〕
とした。次いで、25℃の冷風で、転写シート及び凹凸
基材を冷却後、支持体シートを剥がし取った。
【0050】上記の転写加工後、実施例1同様にメチル
エチルケトンを転写面にスプレーコートしたところ、実
施例1と同様に、箔バリ及びブリッジは解消した。この
後、実施例1と同じ2液硬化型ウレタン樹脂塗料を塗工
して、厚さ100μmの上塗り層を形成して絵付品とし
た。
【0051】〔比較例2〕実施例2において、転写後の
箔バリ及びブリッジの解消に溶剤を使用せずに、圧縮空
気を吹き付けた。その結果、比較例1同様に、箔バリは
解消したが、ブリッジが残留したままであった。
【0052】〔実施例3〕実施例2に於いて、転写シー
トの剥離層と絵柄層に用いた樹脂を、それぞれ塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体に変更して転写加工を行った。
そして、実施例2に於いて、転写加工後の箔バリ及びブ
リッジ解消の為の溶剤に代えて、可塑剤ジオクチルフタ
レートを用いた。この結果、非転写部の転写層は膨潤し
変形自在となり、箔バリ及びブリッジは解消した。箔バ
リ部の転写層は平坦凸部(天面部)から溝状凹部に至る
側面に垂れ落ちて接着し、ブリッジ部の転写層はその下
の(微細な凹凸の)凹部に接着した。この後、下記組成
の塩化ビニル樹脂のプラスチゾルを120g/m2 カー
テンフローコート後、200℃雰囲気中で1分間加熱し
て塗膜をゲル化させ、ゲル化と共に残留可塑剤を塗膜中
に吸収させて(元の箔バリ及びブリッジ部分の転写層の
凹凸基材への接着を強化させ)、透明樹脂層からなる上
塗り層を形成して絵付品とした。
【0053】上塗り層用のプラスチゾル 樹脂分 :ポリ塩化ビニル(平均重合度2000) 100質量部 可塑剤A :ジオクチルフタレート 20質量部 可塑剤B :トリ−2−エチルヘキシルトリメリテート 30質量部 熱安定剤A :エポキシ化大豆油 3質量部 熱安定剤B :Ca−Zn系熱安定剤 3質量部 体質顔料 :水酸化アルミニウム粉末 5質量部 紫外線吸収剤:ベンゾトリアゾール系 1質量部 希釈剤 :石油系(ミネラルスピリット) 適量
【0054】〔比較例3〕実施例3において、転写加工
後の箔バリ及びブリッジの解消に可塑剤を使用せずに、
圧縮空気を吹き付けた。その結果、比較例1同様に、箔
バリは解消したが、ブリッジが残留したままであった。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、転写加工後に、凹凸
基材上の転写層の一部が箔バリやブリッジとなって凹凸
基材から浮いている転写不良があっても、それらを解消
できる。 更に、転写加工時の転写に弾性体ローラを使用するロ
ーラ転写法を採用すれば、従来では、弾性体ローラの変
形では転写層が凹凸に十分追従できず凹凸基材から浮い
てブリッジとなる様な場合でも、それを解消できる。 また、転写加工時の転写に固体粒子衝突圧を利用する
転写法を採用すれば、弾性体ローラでは転写不能であっ
た様な段差の大きな凹凸面、或いは三次元的凹凸面に対
しても、箔バリやブリッジを生ずること無く良好な転写
が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】箔バリ及びブリッジと、その解消を概念的に説
明する概念図。(A)は解消前、(B)は解消後。
【図2】固体粒子衝突圧による転写法を説明する概念
図。
【図3】固体粒子を噴出させる為の、羽根車を用いた噴
出器の一例を概念的に説明する斜視図。
【図4】図3の羽根車内部を説明する概念図。
【図5】吹出ノズルによる噴出器の一例を概念的に説明
する断面図。
【図6】凹凸基材の一例を示す要部拡大斜視図。
【符号の説明】
1 支持体シート 2 転写層 3 箔バリ 4 ブリッジ 401 溝状凹部(大柄な凹凸の凹部) 402 平坦凸部(大柄な凹凸の凸部) 403 微細な凹凸 812 羽根車 813 羽根 814 側面板 815 中空部 816 方向制御器 817 開口部 818 散布器 819 回転軸 820 軸受 840 吹出ノズルを用いた噴出器 841 誘導室 842 内部ノズル 843 ノズル開口部 844 ノズル B 凹凸基材 F 流体 P 固体粒子 S 転写シート

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 凹凸基材へ転写シートを用いて転写層を
    転写する転写加工を含む凹凸基材の絵付方法において、 転写加工後、凹凸基材上で箔バリやブリッジとなってい
    る非接着部の転写層に対して、該転写層を溶解又は膨潤
    させる、溶剤又は/及び可塑剤を塗布して、非接着部の
    転写層を溶解又は膨潤させて非接着部を解消する、凹凸
    基材の絵付方法。
  2. 【請求項2】 転写加工時の転写を、転写圧に弾性体ロ
    ーラによる加圧を利用するローラ転写法で行う、請求項
    1記載の凹凸基材の絵付方法。
  3. 【請求項3】 転写加工時の転写を、転写圧に固体粒子
    の衝突圧による加圧を利用する転写法で行う、請求項1
    記載の凹凸基材の絵付方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009184244A (ja) * 2008-02-07 2009-08-20 Kenzo Ariyama 画像被覆方法

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