JP2001018594A - 曲面転写方法 - Google Patents
曲面転写方法Info
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- JP2001018594A JP2001018594A JP11196908A JP19690899A JP2001018594A JP 2001018594 A JP2001018594 A JP 2001018594A JP 11196908 A JP11196908 A JP 11196908A JP 19690899 A JP19690899 A JP 19690899A JP 2001018594 A JP2001018594 A JP 2001018594A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 固体粒子衝突圧を用いる曲面転写方法にて、
小さい凹部でも転写層の浮きを防ぎ確実に転写する。 【解決手段】 被転写基材Bの凹凸表面に、転写層3を
対向させた転写シートSの支持体シート2側に固体粒子
を衝突させて、固体粒子衝突圧で転写シートを凹凸表面
に圧接し転写する為に、(A)被転写基材に接着剤を施
す工程、(B)接着剤中の揮発成分が完全乾燥していな
い状態で、転写シートを被転写基材に圧接し、支持体シ
ートを剥離して転写加工する工程、(C)接着剤中の揮
発成分を揮発させる工程、の少なくとも3工程をこの順
に行う。接着剤がウェットでまだ厚く弾力の有る状態で
転写されるので、確実に転写できる。(C)工程では、
被転写基材、接着剤及び転写層を加熱することもある。
小さい凹部でも転写層の浮きを防ぎ確実に転写する。 【解決手段】 被転写基材Bの凹凸表面に、転写層3を
対向させた転写シートSの支持体シート2側に固体粒子
を衝突させて、固体粒子衝突圧で転写シートを凹凸表面
に圧接し転写する為に、(A)被転写基材に接着剤を施
す工程、(B)接着剤中の揮発成分が完全乾燥していな
い状態で、転写シートを被転写基材に圧接し、支持体シ
ートを剥離して転写加工する工程、(C)接着剤中の揮
発成分を揮発させる工程、の少なくとも3工程をこの順
に行う。接着剤がウェットでまだ厚く弾力の有る状態で
転写されるので、確実に転写できる。(C)工程では、
被転写基材、接着剤及び転写層を加熱することもある。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の床面、壁
面、天井等の内装、家具ならびに各種キャビネット等
で、装飾面が凹凸面の表面加飾材料等の転写製品の製造
に適した曲面転写方法に関する。
面、天井等の内装、家具ならびに各種キャビネット等
で、装飾面が凹凸面の表面加飾材料等の転写製品の製造
に適した曲面転写方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、転写法で被転写基材を装飾し
た化粧板等の転写製品が各種用途で使用されている。そ
して、装飾面が凹凸面の場合でも可能な曲面転写方法と
しては、旧来のローラ転写法に於いて転写ローラにゴム
硬度60°以下の軟質ゴム等を用いる方法があった。し
かし、この方法では、大きな表面凹凸形状には適用でき
ず、転写シートの凹凸追従性が悪かった。一方、最近、
特許第2844524号等、特開平10−278492
号公報等に開示された固体粒子衝突圧を転写圧に利用す
る曲面転写方法は、ローラ転写法等の旧来の曲面転写方
法では不可能な様な大きな凹凸面にも転写出来る優れた
転写方法である。
た化粧板等の転写製品が各種用途で使用されている。そ
して、装飾面が凹凸面の場合でも可能な曲面転写方法と
しては、旧来のローラ転写法に於いて転写ローラにゴム
硬度60°以下の軟質ゴム等を用いる方法があった。し
かし、この方法では、大きな表面凹凸形状には適用でき
ず、転写シートの凹凸追従性が悪かった。一方、最近、
特許第2844524号等、特開平10−278492
号公報等に開示された固体粒子衝突圧を転写圧に利用す
る曲面転写方法は、ローラ転写法等の旧来の曲面転写方
法では不可能な様な大きな凹凸面にも転写出来る優れた
転写方法である。
【0003】固体粒子衝突圧を用いた曲面転写方法を、
接着剤を被転写基材側に施す形態で説明すれば、図1の
概念図で示す如く、接着剤1を施した被転写基材Bの凹
凸表面に、支持体シート2と転写層3とからなる転写シ
ートSの転写層側を対向させ〔図1(A)〕、該転写シ
ートの支持体シート側に多数の固体粒子Pを衝突させ、
その衝突圧を転写圧として利用して、被転写基材の凹凸
表面に転写シートを圧接し〔図1(B)〕、その後、支
持体シート2を剥離して転写を完了させる〔図1
(C)〕、という方法である。なお、固体粒子Pに付記
した矢印は、固体粒子の速度ベクトルを表す。
接着剤を被転写基材側に施す形態で説明すれば、図1の
概念図で示す如く、接着剤1を施した被転写基材Bの凹
凸表面に、支持体シート2と転写層3とからなる転写シ
ートSの転写層側を対向させ〔図1(A)〕、該転写シ
ートの支持体シート側に多数の固体粒子Pを衝突させ、
その衝突圧を転写圧として利用して、被転写基材の凹凸
表面に転写シートを圧接し〔図1(B)〕、その後、支
持体シート2を剥離して転写を完了させる〔図1
(C)〕、という方法である。なお、固体粒子Pに付記
した矢印は、固体粒子の速度ベクトルを表す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、固体粒子衝
突圧を利用する曲面転写方法では、接着剤を施して接着
剤層を形成する場合、接着剤は、基本的には転写シート
側、被転写基材側、或いは両方のいずれでも良いが、被
転写基材の被転写面に微凹凸がある場合等では、その微
凹凸を接着剤で埋める事で転写抜けを防ぎ易く、また接
着力も強くし易い点では、接着剤は少なくとも被転写基
材側に施しておくのが良策である。しかし、図2の断面
図で概念的に示す如く、被転写基材Bの被転写面の微凹
凸等の凹凸の形状(深さや開口部大きさ等)、被転写面
に施す接着剤1の量(接着剤層の厚み)、転写層3の凹
凸追従性(転写シートの凹凸追従性)次第等では、(特
に間口に対して深さが深い)凹部では転写層がその凹凸
形状に追従しきれずに被転写面に接触せず浮いた状態と
なる「浮き」4が発生する事があった。この浮きは、転
写時点に於いて、被転写基材表面の微小凹部Brの部分
の接着剤層表面も微小凹部の表面形状に追従して微小凹
部となり、転写時点で接着剤層と転写層とが接触し無い
ことが原因である。この接着剤層1表面の微小凹部は、
接着剤層を多少余分に塗工しても接着剤層中の溶剤等の
揮発成分の揮発にともなう硬化収縮(目痩せ)の為、完
全に防ぐことは難しかった。浮き4の部分の転写層が、
その後の保存時、搬送時、製品使用時等で脱落すれば、
転写抜けとなってしまう。また、耐候物性試験にて、浮
きの部分の転写層が「剥がれ不良」の一因になってい
た。
突圧を利用する曲面転写方法では、接着剤を施して接着
剤層を形成する場合、接着剤は、基本的には転写シート
側、被転写基材側、或いは両方のいずれでも良いが、被
転写基材の被転写面に微凹凸がある場合等では、その微
凹凸を接着剤で埋める事で転写抜けを防ぎ易く、また接
着力も強くし易い点では、接着剤は少なくとも被転写基
材側に施しておくのが良策である。しかし、図2の断面
図で概念的に示す如く、被転写基材Bの被転写面の微凹
凸等の凹凸の形状(深さや開口部大きさ等)、被転写面
に施す接着剤1の量(接着剤層の厚み)、転写層3の凹
凸追従性(転写シートの凹凸追従性)次第等では、(特
に間口に対して深さが深い)凹部では転写層がその凹凸
形状に追従しきれずに被転写面に接触せず浮いた状態と
なる「浮き」4が発生する事があった。この浮きは、転
写時点に於いて、被転写基材表面の微小凹部Brの部分
の接着剤層表面も微小凹部の表面形状に追従して微小凹
部となり、転写時点で接着剤層と転写層とが接触し無い
ことが原因である。この接着剤層1表面の微小凹部は、
接着剤層を多少余分に塗工しても接着剤層中の溶剤等の
揮発成分の揮発にともなう硬化収縮(目痩せ)の為、完
全に防ぐことは難しかった。浮き4の部分の転写層が、
その後の保存時、搬送時、製品使用時等で脱落すれば、
転写抜けとなってしまう。また、耐候物性試験にて、浮
きの部分の転写層が「剥がれ不良」の一因になってい
た。
【0005】この為、接着剤を施す前の被転写基材の被
転写面に、目止剤やベースコートを厚く塗工して微凹凸
を埋めたり、更に塗膜の表面を研磨平滑化しても良い
が、その場合、工程数が増える上に、被転写面の外観が
呈する微凹凸意匠感が失われ、それを活かす事は出来な
くなってしまう。例えば、化粧材として窯業系基材から
なる被転写基材からサイディング製品を製造する場合で
は、被転写基材の表面には微凹凸(小さいものでは開口
部直径が0.3mm程度)があり、その微凹凸意匠感を
活かしたものが望ましい。一方、浮き発生を防ぐ為に、
固体粒子の粒径を小さくした上で、転写圧、すなわち固
体粒子衝突圧を強くするべく、衝突速度を上げる方法も
試みられた。しかし、この方法では、衝突衝撃が大きく
なり、脆い被転写基材では基材破損が起きる為に、速度
を上げるにも限界があった。
転写面に、目止剤やベースコートを厚く塗工して微凹凸
を埋めたり、更に塗膜の表面を研磨平滑化しても良い
が、その場合、工程数が増える上に、被転写面の外観が
呈する微凹凸意匠感が失われ、それを活かす事は出来な
くなってしまう。例えば、化粧材として窯業系基材から
なる被転写基材からサイディング製品を製造する場合で
は、被転写基材の表面には微凹凸(小さいものでは開口
部直径が0.3mm程度)があり、その微凹凸意匠感を
活かしたものが望ましい。一方、浮き発生を防ぐ為に、
固体粒子の粒径を小さくした上で、転写圧、すなわち固
体粒子衝突圧を強くするべく、衝突速度を上げる方法も
試みられた。しかし、この方法では、衝突衝撃が大きく
なり、脆い被転写基材では基材破損が起きる為に、速度
を上げるにも限界があった。
【0006】そこで、本発明の課題は、固体粒子衝突圧
を利用する曲面転写方法において、被転写面の微凹凸等
による浮き発生を防ぎ確実に転写できる方法を提供する
事である。
を利用する曲面転写方法において、被転写面の微凹凸等
による浮き発生を防ぎ確実に転写できる方法を提供する
事である。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、上記課題を解決
すべく、本発明の曲面転写方法は、凹凸表面を有する被
転写基材の凹凸表面に、転写層を対向させた転写シート
の支持体シート側に固体粒子を衝突させ、その衝突圧を
利用して、転写シートを被転写基材の凹凸表面に圧接し
て転写する、曲面転写方法において、少なくとも下記
(A)〜(C)の3工程をこの順に行う方法とした。 (A)被転写基材に接着剤を施す工程。 (B)接着剤中の揮発成分が完全乾燥していない状態
で、転写シートを被転写基材に圧接し、支持体シートを
剥離して転写加工する工程。 (C)接着剤中の揮発成分を揮発させる工程。 なお本発明の別の形態として、上記(C)工程を、被転
写基材、接着剤、及び転写層を加熱して、接着剤中の揮
発成分を揮発させる様にしても良い。
すべく、本発明の曲面転写方法は、凹凸表面を有する被
転写基材の凹凸表面に、転写層を対向させた転写シート
の支持体シート側に固体粒子を衝突させ、その衝突圧を
利用して、転写シートを被転写基材の凹凸表面に圧接し
て転写する、曲面転写方法において、少なくとも下記
(A)〜(C)の3工程をこの順に行う方法とした。 (A)被転写基材に接着剤を施す工程。 (B)接着剤中の揮発成分が完全乾燥していない状態
で、転写シートを被転写基材に圧接し、支持体シートを
剥離して転写加工する工程。 (C)接着剤中の揮発成分を揮発させる工程。 なお本発明の別の形態として、上記(C)工程を、被転
写基材、接着剤、及び転写層を加熱して、接着剤中の揮
発成分を揮発させる様にしても良い。
【0008】この様な構成とすると、被転写基材の被転
写面上の接着剤がウェットな状態(接着剤の膜圧が乾燥
時に比べてまだ厚く、表面がより平滑であり、弾力性が
あり、接着剤が微凹凸を埋没させた状態にできる)のと
きに、転写シート(の転写層)を被転写面に接触しさせ
て接着できる。そして、支持体シートの剥離後に、被転
写基材、接着剤及び転写層を加熱したり、自然乾燥した
りする等して、接着剤中の揮発成分を揮発させると、接
着剤層はその体積収縮によって厚みも薄くなり、微凹凸
に転写層を更に追従させる事ができ、且つ浮きを防ぐ事
ができる。しかも、衝突速度を増大させることも不要の
為、衝突衝撃によって基材破損等も起きさない。
写面上の接着剤がウェットな状態(接着剤の膜圧が乾燥
時に比べてまだ厚く、表面がより平滑であり、弾力性が
あり、接着剤が微凹凸を埋没させた状態にできる)のと
きに、転写シート(の転写層)を被転写面に接触しさせ
て接着できる。そして、支持体シートの剥離後に、被転
写基材、接着剤及び転写層を加熱したり、自然乾燥した
りする等して、接着剤中の揮発成分を揮発させると、接
着剤層はその体積収縮によって厚みも薄くなり、微凹凸
に転写層を更に追従させる事ができ、且つ浮きを防ぐ事
ができる。しかも、衝突速度を増大させることも不要の
為、衝突衝撃によって基材破損等も起きさない。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の曲面転写方法につ
いて、実施の形態を説明する。
いて、実施の形態を説明する。
【0010】〔被転写基材〕被転写基材Bとしては、被
転写面が凹凸表面であれば、特に制限は無い。例えば、
被転写基材の材質は、無機非金属系、金属系、木質系、
プラスチック系等である。具体的には、無機非金属系で
は、例えば、抄造セメント、押し出しセメント、スラグ
セメント、ALC(軽量気泡コンクリート)、GRC
(硝子繊維強化コンクリート)、パルプセメント、木片
セメント、石綿セメント、ケイ酸カルシウム、石膏、石
膏スラグ等の非陶磁器窯業系材料、土器、陶器、磁器、
セッ器、硝子、琺瑯等のセラミックス等の無機質材料等
がある。また、金属系では、例えば、鉄、アルミニウ
ム、銅等の金属材料がある。また、木質系では、例え
ば、杉、檜、樫、ラワン、チーク等からなる単板、合
板、パーティクルボード、繊維板、集成材等がある。ま
た、プラスチック系では、例えば、ポリプロピレン、A
BS樹脂、フェノール樹脂等の樹脂材料がある。
転写面が凹凸表面であれば、特に制限は無い。例えば、
被転写基材の材質は、無機非金属系、金属系、木質系、
プラスチック系等である。具体的には、無機非金属系で
は、例えば、抄造セメント、押し出しセメント、スラグ
セメント、ALC(軽量気泡コンクリート)、GRC
(硝子繊維強化コンクリート)、パルプセメント、木片
セメント、石綿セメント、ケイ酸カルシウム、石膏、石
膏スラグ等の非陶磁器窯業系材料、土器、陶器、磁器、
セッ器、硝子、琺瑯等のセラミックス等の無機質材料等
がある。また、金属系では、例えば、鉄、アルミニウ
ム、銅等の金属材料がある。また、木質系では、例え
ば、杉、檜、樫、ラワン、チーク等からなる単板、合
板、パーティクルボード、繊維板、集成材等がある。ま
た、プラスチック系では、例えば、ポリプロピレン、A
BS樹脂、フェノール樹脂等の樹脂材料がある。
【0011】被転写基材の被転写面の表面凹凸形状は任
意である。例えば、その表面凹凸形状として、通常、微
凹凸となるのもは、例えば、スタッコ調、リシン調等の
吹き付け塗装面の凹凸、花崗岩の劈開面やトラバーチン
大理石板、砂目等の石材表面の凹凸、導管溝、浮出した
年輪、ヘアライン等を有する木目調の凹凸、布目のテク
スチュア、皮絞等がある。また、微凹凸よりも大きい凹
凸としては、例えば、複数のタイルや煉瓦を平面に配置
した場合の目地溝の凹凸や、目地、溝、簓、サネ(実)
等を有する羽目板模様、浮造木目板模様等の木材板表面
凹凸等がある。
意である。例えば、その表面凹凸形状として、通常、微
凹凸となるのもは、例えば、スタッコ調、リシン調等の
吹き付け塗装面の凹凸、花崗岩の劈開面やトラバーチン
大理石板、砂目等の石材表面の凹凸、導管溝、浮出した
年輪、ヘアライン等を有する木目調の凹凸、布目のテク
スチュア、皮絞等がある。また、微凹凸よりも大きい凹
凸としては、例えば、複数のタイルや煉瓦を平面に配置
した場合の目地溝の凹凸や、目地、溝、簓、サネ(実)
等を有する羽目板模様、浮造木目板模様等の木材板表面
凹凸等がある。
【0012】また、被転写基材の形状は、平板や屈曲し
た板、柱状物、成形品等の立体物等と任意である。例え
ば、被転写基材は全体として(包絡面形状が)平板状の
板材の他、断面が円弧状に凸又は凹に1方向に湾曲した
二次元的凹凸を有する基材等でも良い。
た板、柱状物、成形品等の立体物等と任意である。例え
ば、被転写基材は全体として(包絡面形状が)平板状の
板材の他、断面が円弧状に凸又は凹に1方向に湾曲した
二次元的凹凸を有する基材等でも良い。
【0013】また、これらの被転写基材表面には、下地
処理として、必要に応じて予め、接着剤との接着を補助
する為の易接着プライマー、或いは被転写基材がアルカ
リ性基材の場合ではアルカリ成分の滲出を防ぐシーラー
剤等を塗工法で形成しておいても良い。また、下地処理
には下地(被転写基材)色の調整用の下塗り塗料(ベー
スコート)等もある。易接着プライマー、シーラー剤、
或いは下塗り塗料としては、イソシアネート、2液硬化
ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニ
ル樹脂等の樹脂を塗工し形成する。また、これらは、目
的により1層又は多層で用いる。
処理として、必要に応じて予め、接着剤との接着を補助
する為の易接着プライマー、或いは被転写基材がアルカ
リ性基材の場合ではアルカリ成分の滲出を防ぐシーラー
剤等を塗工法で形成しておいても良い。また、下地処理
には下地(被転写基材)色の調整用の下塗り塗料(ベー
スコート)等もある。易接着プライマー、シーラー剤、
或いは下塗り塗料としては、イソシアネート、2液硬化
ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニ
ル樹脂等の樹脂を塗工し形成する。また、これらは、目
的により1層又は多層で用いる。
【0014】〔転写シート〕使用する転写シートSとし
ては、被転写基材の転写すべき被転写面に追従し転写で
きるものであれば、特に制限はなく、従来公知の各種構
成の転写シートを使用できる。転写シートSは、支持体
シート2に転写層3が形成されたシートであり、支持体
シートや転写層としては、例えば次の様なものが使用さ
れる。
ては、被転写基材の転写すべき被転写面に追従し転写で
きるものであれば、特に制限はなく、従来公知の各種構
成の転写シートを使用できる。転写シートSは、支持体
シート2に転写層3が形成されたシートであり、支持体
シートや転写層としては、例えば次の様なものが使用さ
れる。
【0015】(支持体シート)支持体シートとしては、
被転写基材の被転写面が二次元的凹凸面(例えば円筒
面)の場合には、延伸性が無い紙や金属箔等でも、その
凹凸形状次第では、被転写面形状に転写シートを追従さ
せて沿わせる事が出来る場合もある。従って、この様な
場合には、紙や金属箔等でも良い。また、被転写面が三
次元的凹凸面の場合には、少なくとも転写時には延伸性
(伸びる性質)を有する支持体シートを用いる。延伸性
のある支持体シートとしては、熱可塑性樹脂シート(フ
ィルム)が代表的である。熱可塑性樹脂シートとして
は、従来一般的な転写方法で多用されている2軸延伸ポ
リエチレンテレフタレートフィルム等でも凹凸形状、加
熱条件、衝突圧条件次第では使用可能である。ただ、よ
り低温・低圧で延伸性が発現し易い好ましい支持体シー
トとなり得る熱可塑性樹脂シートの樹脂としては、例え
ば、エチレン・テレフタレート・イソフタレート共重合
体ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート等の熱可
塑性ポリエステル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレン共重合
体、エチレン−プロピレン−ブテン3元共重合体、オレ
フィン系熱可塑性エラストマー等のポリオレフィン樹
脂、塩化ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
エチレン−ビニルアルコール共重合体、アクリル樹脂、
ポリアミド樹脂、或いは天然ゴム、合成ゴム、ウレタン
系熱可塑性エラストマー等を単体又は混合物で、単層又
は異種の複層とした樹脂フィルム(シート)を用いるこ
とができる。これら樹脂フィルムは低延伸又は無延伸の
物が好ましい。例えば、具体的にはポリプロピレン系熱
可塑性エラストマーフィルムは、延伸特性に優れ且つ廃
棄燃焼時に塩酸ガスを発生せず環境対策的にも好ましい
支持体の一つである。支持体の厚さは、通常20〜20
0μmである。
被転写基材の被転写面が二次元的凹凸面(例えば円筒
面)の場合には、延伸性が無い紙や金属箔等でも、その
凹凸形状次第では、被転写面形状に転写シートを追従さ
せて沿わせる事が出来る場合もある。従って、この様な
場合には、紙や金属箔等でも良い。また、被転写面が三
次元的凹凸面の場合には、少なくとも転写時には延伸性
(伸びる性質)を有する支持体シートを用いる。延伸性
のある支持体シートとしては、熱可塑性樹脂シート(フ
ィルム)が代表的である。熱可塑性樹脂シートとして
は、従来一般的な転写方法で多用されている2軸延伸ポ
リエチレンテレフタレートフィルム等でも凹凸形状、加
熱条件、衝突圧条件次第では使用可能である。ただ、よ
り低温・低圧で延伸性が発現し易い好ましい支持体シー
トとなり得る熱可塑性樹脂シートの樹脂としては、例え
ば、エチレン・テレフタレート・イソフタレート共重合
体ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート等の熱可
塑性ポリエステル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレン共重合
体、エチレン−プロピレン−ブテン3元共重合体、オレ
フィン系熱可塑性エラストマー等のポリオレフィン樹
脂、塩化ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
エチレン−ビニルアルコール共重合体、アクリル樹脂、
ポリアミド樹脂、或いは天然ゴム、合成ゴム、ウレタン
系熱可塑性エラストマー等を単体又は混合物で、単層又
は異種の複層とした樹脂フィルム(シート)を用いるこ
とができる。これら樹脂フィルムは低延伸又は無延伸の
物が好ましい。例えば、具体的にはポリプロピレン系熱
可塑性エラストマーフィルムは、延伸特性に優れ且つ廃
棄燃焼時に塩酸ガスを発生せず環境対策的にも好ましい
支持体の一つである。支持体の厚さは、通常20〜20
0μmである。
【0016】なお、転写によって転写層を被転写基材側
に移行させる場合は、支持体シートには、転写層との離
型性を有するものを使用する。その際、支持体シートに
は必要に応じ、転写層側に転写層との離型性を向上させ
る為、支持体シートの構成要素として離型層を設けても
良い。この離型層は支持体シートを剥離時に、基材側に
移行した転写層に対して、支持体シートの一部として転
写層から剥離除去される。離型層としては、例えば、シ
リコーン樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタ
ン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ワックス等の単体又はこ
れらを含む混合物が用いられる。
に移行させる場合は、支持体シートには、転写層との離
型性を有するものを使用する。その際、支持体シートに
は必要に応じ、転写層側に転写層との離型性を向上させ
る為、支持体シートの構成要素として離型層を設けても
良い。この離型層は支持体シートを剥離時に、基材側に
移行した転写層に対して、支持体シートの一部として転
写層から剥離除去される。離型層としては、例えば、シ
リコーン樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタ
ン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ワックス等の単体又はこ
れらを含む混合物が用いられる。
【0017】(転写層)転写層は、転写で転写シートか
ら被転写基材側に移行させる場合には、通常は少なくと
も装飾層から構成し、更に適宜、剥離層、接着剤層等も
転写層の構成要素とすることもある。なお、転写層は機
能性層として、抗菌層、防黴層、導電層等の各種機能性
を有する層でも良い。また、転写層は、昇華転写の場合
の様に被転写基材側に移行せず、該転写層中の昇華性染
料等の転写移行物質のみが被転写基材側に移行すること
もある。転写層は従来公知の印刷法や塗装法、或いは手
描き等の任意の形成手段で形成する。また、本発明で
は、被転写基材には必ず接着剤を施すが、転写シート側
にも接着剤層を転写層の一部として設けても良い。
ら被転写基材側に移行させる場合には、通常は少なくと
も装飾層から構成し、更に適宜、剥離層、接着剤層等も
転写層の構成要素とすることもある。なお、転写層は機
能性層として、抗菌層、防黴層、導電層等の各種機能性
を有する層でも良い。また、転写層は、昇華転写の場合
の様に被転写基材側に移行せず、該転写層中の昇華性染
料等の転写移行物質のみが被転写基材側に移行すること
もある。転写層は従来公知の印刷法や塗装法、或いは手
描き等の任意の形成手段で形成する。また、本発明で
は、被転写基材には必ず接着剤を施すが、転写シート側
にも接着剤層を転写層の一部として設けても良い。
【0018】(転写層:装飾層)装飾層は、例えば、グ
ラビア印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷、
グラビアオフセット印刷、インキジェットプリント等の
従来公知の方法、材料で絵柄等を印刷等で形成した絵柄
層、アルミニウム、クロム、金、銀等の金属を公知の蒸
着法等を用いて部分的或いは全面に形成した金属薄膜層
等であり、用途に合わせたものを用いる。絵柄として
は、被転写基材の表面凹凸に合わせて、木目模様、石目
模様、布目模様、タイル調模様、煉瓦調模様、皮絞模
様、文字、幾何学模様、全面ベタ等を用いる。なお、絵
柄層用のインキ(又は塗液)は、一般的なインキ(又は
塗液)同様に、バインダー等からなるビヒクル、顔料や
染料等の着色剤、これに適宜加える各種添加剤からな
る。バインダーの樹脂には、アクリル樹脂、塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、セルロース
系樹脂、ポリウレタン樹脂等の単体又はこれらを含む混
合物を用いる。着色剤としては、チタン白、カーボンブ
ラック、弁柄、黄鉛、群青等の無機顔料、アニリンブラ
ック、キナクリドン、イソインドリノン、フタロシアニ
ンブルー等の有機顔料、アルミニウム箔粉、二酸化チタ
ン被覆雲母の箔粉等の光輝性顔料、或いはその他染料等
を用いる。
ラビア印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷、
グラビアオフセット印刷、インキジェットプリント等の
従来公知の方法、材料で絵柄等を印刷等で形成した絵柄
層、アルミニウム、クロム、金、銀等の金属を公知の蒸
着法等を用いて部分的或いは全面に形成した金属薄膜層
等であり、用途に合わせたものを用いる。絵柄として
は、被転写基材の表面凹凸に合わせて、木目模様、石目
模様、布目模様、タイル調模様、煉瓦調模様、皮絞模
様、文字、幾何学模様、全面ベタ等を用いる。なお、絵
柄層用のインキ(又は塗液)は、一般的なインキ(又は
塗液)同様に、バインダー等からなるビヒクル、顔料や
染料等の着色剤、これに適宜加える各種添加剤からな
る。バインダーの樹脂には、アクリル樹脂、塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、セルロース
系樹脂、ポリウレタン樹脂等の単体又はこれらを含む混
合物を用いる。着色剤としては、チタン白、カーボンブ
ラック、弁柄、黄鉛、群青等の無機顔料、アニリンブラ
ック、キナクリドン、イソインドリノン、フタロシアニ
ンブルー等の有機顔料、アルミニウム箔粉、二酸化チタ
ン被覆雲母の箔粉等の光輝性顔料、或いはその他染料等
を用いる。
【0019】(転写層:剥離層)また、剥離層を、支持
体シートと転写層との剥離性を調整する為、また、転写
後の転写層の表面保護等の為に、従来公知の転写シート
と同様に、転写層の支持体シート側に、必要に応じ適宜
設けても良い。剥離層には、例えば、上記絵柄層用イン
キのバインダーに用いる樹脂等が用いられる。なお、こ
の剥離層は転写時に装飾層と共に基材側に転写され、装
飾層の表面を被覆する。
体シートと転写層との剥離性を調整する為、また、転写
後の転写層の表面保護等の為に、従来公知の転写シート
と同様に、転写層の支持体シート側に、必要に応じ適宜
設けても良い。剥離層には、例えば、上記絵柄層用イン
キのバインダーに用いる樹脂等が用いられる。なお、こ
の剥離層は転写時に装飾層と共に基材側に転写され、装
飾層の表面を被覆する。
【0020】〔接着剤〕接着剤は、本発明では被転写基
材側には必ず施す。この他、必要に応じ適宜、転写シー
ト側にも接着剤を更に施しても良い。接着剤としては、
溶剤溶液、またはエマルション(通常は水性エマルショ
ン)の形態で、揮発成分となる溶媒乃至は分散媒を含む
ものであれば、特に限定は無く、用途、要求物性等によ
り適宜選択すれば良い。溶剤或いは分散媒は、有機溶
剤、水等である。接着剤を、被転写基材の凹凸面に施す
には、軟質ゴムロールやスポンジロール等のロールを使
用したロールコート、カーテンフローコート、スプレー
コート、等の塗工法で良い。接着剤の塗布量は、通常1
0〜200g/m2 (固形分)程度である。なお、転写
シート側に施す場合は、グラビアコート等でも良い。
材側には必ず施す。この他、必要に応じ適宜、転写シー
ト側にも接着剤を更に施しても良い。接着剤としては、
溶剤溶液、またはエマルション(通常は水性エマルショ
ン)の形態で、揮発成分となる溶媒乃至は分散媒を含む
ものであれば、特に限定は無く、用途、要求物性等によ
り適宜選択すれば良い。溶剤或いは分散媒は、有機溶
剤、水等である。接着剤を、被転写基材の凹凸面に施す
には、軟質ゴムロールやスポンジロール等のロールを使
用したロールコート、カーテンフローコート、スプレー
コート、等の塗工法で良い。接着剤の塗布量は、通常1
0〜200g/m2 (固形分)程度である。なお、転写
シート側に施す場合は、グラビアコート等でも良い。
【0021】接着剤としては、揮発成分が未乾燥でも表
面にタックがあり、非流動化し、支持体シートと転写層
との接着強度よりも、転写層と接着剤の接着強度、及び
接着剤と被転写基材との接着強度が、大になる接着剤が
好ましい。この様な接着剤は、例えば、ポリ酢酸ビニル
樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹
脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性ウレタン樹
脂、ダイマー酸とエチレンジアミンとの縮重合により得
られるポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂、2液硬化型ウ
レタン樹脂、1液湿気硬化型ウレタン樹脂等の硬化性樹
脂等を用いれば良い。なお、硬化性樹脂の接着剤を用い
る場合は、未硬化組成物は、モノマーよりも、より高分
子のプレポリマー、或いはポリマーのものを選ぶ方が好
ましい。また、モノマーを用いる場合には、未硬化時の
流動性を低減させる為、アクリル樹脂、熱可塑性ウレタ
ン樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂等の熱可塑性ポリマ
ーを混合することが好ましい。具体的には、例えば、熱
可塑性又は熱硬化性ウレタン樹脂、低ガラス転移温度の
アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の樹脂
が用いられる。
面にタックがあり、非流動化し、支持体シートと転写層
との接着強度よりも、転写層と接着剤の接着強度、及び
接着剤と被転写基材との接着強度が、大になる接着剤が
好ましい。この様な接着剤は、例えば、ポリ酢酸ビニル
樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹
脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性ウレタン樹
脂、ダイマー酸とエチレンジアミンとの縮重合により得
られるポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂、2液硬化型ウ
レタン樹脂、1液湿気硬化型ウレタン樹脂等の硬化性樹
脂等を用いれば良い。なお、硬化性樹脂の接着剤を用い
る場合は、未硬化組成物は、モノマーよりも、より高分
子のプレポリマー、或いはポリマーのものを選ぶ方が好
ましい。また、モノマーを用いる場合には、未硬化時の
流動性を低減させる為、アクリル樹脂、熱可塑性ウレタ
ン樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂等の熱可塑性ポリマ
ーを混合することが好ましい。具体的には、例えば、熱
可塑性又は熱硬化性ウレタン樹脂、低ガラス転移温度の
アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の樹脂
が用いられる。
【0022】そして、本発明では、この接着剤を被転写
基材に施した後、接着剤中の揮発成分が完全乾燥してい
ない状態で、転写シートを被転写基材に圧接させる。従
って、転写シートが接着剤に接触する時は、接着剤はウ
ェットな状態で、接着剤層のの膜厚が完全乾燥時に比べ
てまだ厚く、層表面もより平滑で、しかも弾力性がある
時である。この為、微凹凸が接着剤で(完全に又は不完
全に)埋没した状態でも、転写シートの転写層を被転写
面に接触させることができる様になり、浮きを防げる。
そして、支持体シートを剥離して転写工程を終了させた
後に、残っている揮発成分は完全乾燥させれば、接着剤
層の厚みはその分薄くなり、体積収縮を起こし、転写層
は接着剤と共に一体となって被転写面の微凹凸に追従さ
せて行く事ができる。
基材に施した後、接着剤中の揮発成分が完全乾燥してい
ない状態で、転写シートを被転写基材に圧接させる。従
って、転写シートが接着剤に接触する時は、接着剤はウ
ェットな状態で、接着剤層のの膜厚が完全乾燥時に比べ
てまだ厚く、層表面もより平滑で、しかも弾力性がある
時である。この為、微凹凸が接着剤で(完全に又は不完
全に)埋没した状態でも、転写シートの転写層を被転写
面に接触させることができる様になり、浮きを防げる。
そして、支持体シートを剥離して転写工程を終了させた
後に、残っている揮発成分は完全乾燥させれば、接着剤
層の厚みはその分薄くなり、体積収縮を起こし、転写層
は接着剤と共に一体となって被転写面の微凹凸に追従さ
せて行く事ができる。
【0023】〔転写加工〕本発明では、固体粒子による
衝突圧を転写圧として用いて転写する。固体粒子衝突圧
による曲面転写方法自体は、既に説明した様に、特許第
2844524号等、特開平10−278492号公報
等で開示された方法である。転写層を被転写基材に転写
移行させるには、固体粒子を転写シートの支持体シート
側に衝突させて、転写シートを接着剤が施された被転写
基材に圧接し、支持体シート剥離時に転写層が被転写基
材側に残る程度以上に転写層が被転写基材に接着してい
る段階で、支持体シートを剥離すれば良い。すなわち、
固体粒子衝突圧を用いる曲面転写方法として、図1の概
念図で示す如く、凹凸表面を有する被転写基材Bの凹凸
表面に、転写層3を対向させた転写シートS〔図1
(A)参照〕について、その支持体シート2側に固体粒
子Pを衝突させ、その衝突圧を利用して、転写シートを
被転写基材の凹凸表面に圧接後〔図1(B)参照〕、支
持体シートを剥離して転写して〔図1(C)参照〕転写
すれば良い。
衝突圧を転写圧として用いて転写する。固体粒子衝突圧
による曲面転写方法自体は、既に説明した様に、特許第
2844524号等、特開平10−278492号公報
等で開示された方法である。転写層を被転写基材に転写
移行させるには、固体粒子を転写シートの支持体シート
側に衝突させて、転写シートを接着剤が施された被転写
基材に圧接し、支持体シート剥離時に転写層が被転写基
材側に残る程度以上に転写層が被転写基材に接着してい
る段階で、支持体シートを剥離すれば良い。すなわち、
固体粒子衝突圧を用いる曲面転写方法として、図1の概
念図で示す如く、凹凸表面を有する被転写基材Bの凹凸
表面に、転写層3を対向させた転写シートS〔図1
(A)参照〕について、その支持体シート2側に固体粒
子Pを衝突させ、その衝突圧を利用して、転写シートを
被転写基材の凹凸表面に圧接後〔図1(B)参照〕、支
持体シートを剥離して転写して〔図1(C)参照〕転写
すれば良い。
【0024】固体粒子Pとしては、セラミックビーズ、
ガラスビーズ等の非金属無機粒子、亜鉛、鉄等の金属粒
子、ナイロンビーズや架橋ゴムビーズ等の樹脂ビーズ等
の有機粒子、或いは金属等の無機粒子と樹脂とからなる
無機物・樹脂複合粒子等を使用する。粒子形状は球形状
が好ましいが、その他の形状でも用い得る。例えば、金
属亜鉛球は、基材への衝撃による基材破壊が少ない点で
好適な固体粒子である。なお、粒径は通常10〜100
0μm程度である。
ガラスビーズ等の非金属無機粒子、亜鉛、鉄等の金属粒
子、ナイロンビーズや架橋ゴムビーズ等の樹脂ビーズ等
の有機粒子、或いは金属等の無機粒子と樹脂とからなる
無機物・樹脂複合粒子等を使用する。粒子形状は球形状
が好ましいが、その他の形状でも用い得る。例えば、金
属亜鉛球は、基材への衝撃による基材破壊が少ない点で
好適な固体粒子である。なお、粒径は通常10〜100
0μm程度である。
【0025】固体粒子は噴出器から転写シートに向かっ
て噴出させ、転写シートに衝突したその衝突圧が転写圧
となる。噴出器には、代表的には羽根車や吹出ノズルを
用いる。羽根車はその回転により固体粒子を加速し、吹
出ノズルは高速の流体流で固体粒子を加速する。羽根車
や吹出ノズルには、サンドブラスト或いはショットブラ
スト、ショットピーニング等とブラスト分野にて使用さ
れているものを流用できる。例えば羽根車には遠心式ブ
ラスト装置、吹出ノズルには加圧式や吸引式ブラスト装
置、ウェットブラスト装置等である。遠心式ブラスト装
置は羽根車の回転力で固体粒子を加速し噴出する。加圧
式ブラスト装置は、圧縮空気に混合しておいて固体粒子
を、空気と共に噴出する。吸引式ブラスト装置は、圧縮
空気の高速流で生ずる負圧部に固体粒子を吸い込み、空
気と共に噴出する。ウェットブラスト装置は、固体粒子
を液体と混合して噴出する。これらの中でも、羽根車
は、固体粒子の噴出量が多い点で効率的で好ましい噴出
器の一つである。
て噴出させ、転写シートに衝突したその衝突圧が転写圧
となる。噴出器には、代表的には羽根車や吹出ノズルを
用いる。羽根車はその回転により固体粒子を加速し、吹
出ノズルは高速の流体流で固体粒子を加速する。羽根車
や吹出ノズルには、サンドブラスト或いはショットブラ
スト、ショットピーニング等とブラスト分野にて使用さ
れているものを流用できる。例えば羽根車には遠心式ブ
ラスト装置、吹出ノズルには加圧式や吸引式ブラスト装
置、ウェットブラスト装置等である。遠心式ブラスト装
置は羽根車の回転力で固体粒子を加速し噴出する。加圧
式ブラスト装置は、圧縮空気に混合しておいて固体粒子
を、空気と共に噴出する。吸引式ブラスト装置は、圧縮
空気の高速流で生ずる負圧部に固体粒子を吸い込み、空
気と共に噴出する。ウェットブラスト装置は、固体粒子
を液体と混合して噴出する。これらの中でも、羽根車
は、固体粒子の噴出量が多い点で効率的で好ましい噴出
器の一つである。
【0026】図3及び図4は、羽根車による噴出器の一
例を示す概念図である。羽根車812は、複数の羽根8
13がその両側を2枚の側面板814で固定され、且つ
回転中心部は羽根813が無い中空部815となってい
る。更に、この中空部815内に方向制御器816を内
在する(図4参照)。方向制御器816は、外周の一部
が円周方向に開口した開口部817を有し中空筒状で羽
根車812の回転軸芯と同一回転軸芯で、羽根車とは独
立して回動自在となっている。羽根車使用時は、方向制
御器の開口部を適宜の方向に向くように固定して、固体
粒子の噴出方向を調整する〔図5(A)及び(B)参
照〕。更に、この方向制御器の内部に、内部中空で羽根
車812の回転軸芯と同一回転軸芯のもう一つの羽根車
が散布器818として内在する(図4参照)。散布器8
18は外側の羽根車812と共に回転する。そして、前
記側面板814の回転中心には回転軸819が固定さ
れ、回転軸819は、軸受820で回転自在に軸支され
電動機等の回転動力源(図示略)によって駆動回転さ
れ、羽根車812が回転する。また回転軸819は、羽
根813を間に有する2枚の側面板814間には貫通し
ておらず、軸無しの空間を形成している。そして、散布
器818の内部に固体粒子Pがホッパ等から輸送管を通
って供給される。通常、固体粒子は、羽根車の上方(直
上又は斜上方)から供給する。散布器内に供給された固
体粒子は散布器の羽根車で外側に飛び散る。飛び散った
固体粒子は、方向制御器816の開口部817によって
許された方向にのみ放出され、外側の羽根車812の羽
根813と羽根813との間に供給される。そして、羽
根813に衝突し、羽根車812の回転力で加速され、
羽根車から噴出する。
例を示す概念図である。羽根車812は、複数の羽根8
13がその両側を2枚の側面板814で固定され、且つ
回転中心部は羽根813が無い中空部815となってい
る。更に、この中空部815内に方向制御器816を内
在する(図4参照)。方向制御器816は、外周の一部
が円周方向に開口した開口部817を有し中空筒状で羽
根車812の回転軸芯と同一回転軸芯で、羽根車とは独
立して回動自在となっている。羽根車使用時は、方向制
御器の開口部を適宜の方向に向くように固定して、固体
粒子の噴出方向を調整する〔図5(A)及び(B)参
照〕。更に、この方向制御器の内部に、内部中空で羽根
車812の回転軸芯と同一回転軸芯のもう一つの羽根車
が散布器818として内在する(図4参照)。散布器8
18は外側の羽根車812と共に回転する。そして、前
記側面板814の回転中心には回転軸819が固定さ
れ、回転軸819は、軸受820で回転自在に軸支され
電動機等の回転動力源(図示略)によって駆動回転さ
れ、羽根車812が回転する。また回転軸819は、羽
根813を間に有する2枚の側面板814間には貫通し
ておらず、軸無しの空間を形成している。そして、散布
器818の内部に固体粒子Pがホッパ等から輸送管を通
って供給される。通常、固体粒子は、羽根車の上方(直
上又は斜上方)から供給する。散布器内に供給された固
体粒子は散布器の羽根車で外側に飛び散る。飛び散った
固体粒子は、方向制御器816の開口部817によって
許された方向にのみ放出され、外側の羽根車812の羽
根813と羽根813との間に供給される。そして、羽
根813に衝突し、羽根車812の回転力で加速され、
羽根車から噴出する。
【0027】羽根車812の寸法は、通常直径5〜60
cm程度、羽根の幅は5〜20cm程度、羽根の長さ
は、ほぼ羽根車の直径程度、羽根車の回転数は500〜
5000〔rpm〕程度である。固体粒子の噴出速度は
10〜50〔m/s〕程度、投射密度(基材単位面積当
たりに衝突させる固体粒子の総重量)は10〜150
〔kg/m2 〕程度である。
cm程度、羽根の幅は5〜20cm程度、羽根の長さ
は、ほぼ羽根車の直径程度、羽根車の回転数は500〜
5000〔rpm〕程度である。固体粒子の噴出速度は
10〜50〔m/s〕程度、投射密度(基材単位面積当
たりに衝突させる固体粒子の総重量)は10〜150
〔kg/m2 〕程度である。
【0028】なお、噴出器は、1個のみでは加圧領域を
所望の形状、大きさに出来ない場合は、複数用いる。ま
た、実際に固体粒子を用いて転写する際は、固体粒子は
周囲の雰囲気中に飛散させずに且つ循環再利用するのが
好ましく、転写する空間を周囲空間と隔離するチャンバ
内で、固体粒子を転写シートに衝突させると良い。支持
体シートの剥離は、チャンバ外でも良い。
所望の形状、大きさに出来ない場合は、複数用いる。ま
た、実際に固体粒子を用いて転写する際は、固体粒子は
周囲の雰囲気中に飛散させずに且つ循環再利用するのが
好ましく、転写する空間を周囲空間と隔離するチャンバ
内で、固体粒子を転写シートに衝突させると良い。支持
体シートの剥離は、チャンバ外でも良い。
【0029】また、好ましくは、予め熱可塑性樹脂の支
持体シートからなる転写シートは、赤外線輻射ヒータ等
で加熱軟化させて延伸性を付与し、被転写基材が熱容量
の大きい場合は予め予熱し、熱融着型の接着剤層として
作用させる層(場合によるが、絵柄層、接着剤層等)
は、加熱活性化させた状態で固体粒子を転写シートに衝
突させる様にする。なお、熱融着により転写する場合、
接着剤層等の熱融着する層を活性化して熱融着させる為
に加熱するタイミングは、衝突圧印加前、衝突圧印加
中、或いは衝突圧印加前及び印加中などのいずれでも良
い。一方、転写シートが被転写基材の表面形状に追従
し、成形され、転写層が被転写基材に十分に接触すれ
ば、冷風等の冷却手段で熱融着した層の冷却を促進して
も良い。冷風は、例えば、転写シート側や被転写基材側
から吹き付ける。
持体シートからなる転写シートは、赤外線輻射ヒータ等
で加熱軟化させて延伸性を付与し、被転写基材が熱容量
の大きい場合は予め予熱し、熱融着型の接着剤層として
作用させる層(場合によるが、絵柄層、接着剤層等)
は、加熱活性化させた状態で固体粒子を転写シートに衝
突させる様にする。なお、熱融着により転写する場合、
接着剤層等の熱融着する層を活性化して熱融着させる為
に加熱するタイミングは、衝突圧印加前、衝突圧印加
中、或いは衝突圧印加前及び印加中などのいずれでも良
い。一方、転写シートが被転写基材の表面形状に追従
し、成形され、転写層が被転写基材に十分に接触すれ
ば、冷風等の冷却手段で熱融着した層の冷却を促進して
も良い。冷風は、例えば、転写シート側や被転写基材側
から吹き付ける。
【0030】〔接着剤中の揮発成分の揮発〕支持体シー
ト剥離後に、未乾燥の接着剤を乾燥させるには、生産性
の点からは加熱した方が良いが、生産性等に支障を来さ
なければ、室温に於いて自然乾燥等で乾燥させても良
い。また、更に転写後の転写製品に上塗り層等を施す場
合には、それらが終了した後に、接着剤中の揮発成分を
完全乾燥させても良い。なお、揮発成分の乾燥は、揮発
成分が被転写基材中に浸透する事による乾燥でも良い。
ト剥離後に、未乾燥の接着剤を乾燥させるには、生産性
の点からは加熱した方が良いが、生産性等に支障を来さ
なければ、室温に於いて自然乾燥等で乾燥させても良
い。また、更に転写後の転写製品に上塗り層等を施す場
合には、それらが終了した後に、接着剤中の揮発成分を
完全乾燥させても良い。なお、揮発成分の乾燥は、揮発
成分が被転写基材中に浸透する事による乾燥でも良い。
【0031】〔転写製品の用途〕本発明で得られる化粧
材等の転写製品の用途は、転写された装飾面が凹凸面、
特に三次元形状等の凹凸表面の物品であるような各種用
途に用いられ得る。例えば、化粧材として、サイディン
グ等の外壁、塀、屋根、門扉、破風板等の外装、壁面、
天井、床等の建築物の内装、窓枠、扉、手摺、敷居、鴨
居等の建具類の表面化粧、箪笥等の家具やテレビ受像機
等の弱電・OA機器のキャビネットの表面化粧、自動
車、電車、航空機、船舶等の乗物内装材等の各種分野で
用いられ得る。化粧材は化粧板等として利用される。な
お、化粧材も含めて転写製品の形状は、平板、曲面板、
棒状体、立体物等と任意である。
材等の転写製品の用途は、転写された装飾面が凹凸面、
特に三次元形状等の凹凸表面の物品であるような各種用
途に用いられ得る。例えば、化粧材として、サイディン
グ等の外壁、塀、屋根、門扉、破風板等の外装、壁面、
天井、床等の建築物の内装、窓枠、扉、手摺、敷居、鴨
居等の建具類の表面化粧、箪笥等の家具やテレビ受像機
等の弱電・OA機器のキャビネットの表面化粧、自動
車、電車、航空機、船舶等の乗物内装材等の各種分野で
用いられ得る。化粧材は化粧板等として利用される。な
お、化粧材も含めて転写製品の形状は、平板、曲面板、
棒状体、立体物等と任意である。
【0032】〔後加工〕なお、転写後の化粧材等の転写
製品の表面には、必要に応じ適宜、耐久性、意匠感等を
付与する為に、更に透明保護層等の上塗り層を塗装法等
で形成しても良い。この様な上塗り層としては、例え
ば、ポリ4フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン等の
フッ素樹脂、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹
脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等の1種又は2種以
上をバインダーの樹脂として、更に必要に応じて、ベン
ゾトリアゾール、超微粒子酸化セリウム等の紫外線吸収
剤、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤等の光安定剤、
着色顔料、体質顔料、シリカ、球状α−アルミナ、鱗片
状α−アルミナ等の粒子からなる減摩剤、ワックス等の
滑剤等を添加した塗料を用いる。塗装はスプレー塗装、
カーテンコート、軟質ゴムロールやスポンジロール等を
使用したロールコート等の公知の塗工法で行えば良い。
上塗り層の厚さは1〜100μm程度である。
製品の表面には、必要に応じ適宜、耐久性、意匠感等を
付与する為に、更に透明保護層等の上塗り層を塗装法等
で形成しても良い。この様な上塗り層としては、例え
ば、ポリ4フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン等の
フッ素樹脂、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹
脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等の1種又は2種以
上をバインダーの樹脂として、更に必要に応じて、ベン
ゾトリアゾール、超微粒子酸化セリウム等の紫外線吸収
剤、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤等の光安定剤、
着色顔料、体質顔料、シリカ、球状α−アルミナ、鱗片
状α−アルミナ等の粒子からなる減摩剤、ワックス等の
滑剤等を添加した塗料を用いる。塗装はスプレー塗装、
カーテンコート、軟質ゴムロールやスポンジロール等を
使用したロールコート等の公知の塗工法で行えば良い。
上塗り層の厚さは1〜100μm程度である。
【0033】
【実施例】次に実施例により本発明を更に説明する。
【0034】〔実施例1〕先ず、転写シートとしては、
エチレン−プロピレンランダム共重合体からなる厚さ8
0μmの樹脂シートを支持体シートとして用い、その片
面に転写層として、アクリル系ウレタン樹脂からなる厚
さ1μmの剥離層、バインダーの樹脂がアクリル系ウレ
タン樹脂で、着色剤にチタン白、フタロシアニンブル
ー、イソインドリノン、キナクリドン、及びカーボンブ
ラックを用いた着色インキで、石目柄の絵柄層をグラビ
ア印刷で形成して、転写シートとした。
エチレン−プロピレンランダム共重合体からなる厚さ8
0μmの樹脂シートを支持体シートとして用い、その片
面に転写層として、アクリル系ウレタン樹脂からなる厚
さ1μmの剥離層、バインダーの樹脂がアクリル系ウレ
タン樹脂で、着色剤にチタン白、フタロシアニンブル
ー、イソインドリノン、キナクリドン、及びカーボンブ
ラックを用いた着色インキで、石目柄の絵柄層をグラビ
ア印刷で形成して、転写シートとした。
【0035】一方、被転写基材には、厚さ15mmの窯
業系サイディングボードを用意した。この板材の被転写
面は、開口幅が0.3〜5mmの範囲に分布する凹陥部
を有する凹凸形状を有する。
業系サイディングボードを用意した。この板材の被転写
面は、開口幅が0.3〜5mmの範囲に分布する凹陥部
を有する凹凸形状を有する。
【0036】そして、上記被転写基材を60℃に加熱し
た後、アクリル系ウレタン樹脂を溶剤(メチルエチルケ
トンとトルエン)に溶解した接着剤を、塗布量150g
/m 2 (ウェット時)でスプレー塗装した。
た後、アクリル系ウレタン樹脂を溶剤(メチルエチルケ
トンとトルエン)に溶解した接着剤を、塗布量150g
/m 2 (ウェット時)でスプレー塗装した。
【0037】次いで、基材温度60℃まで加熱した被転
写基材とその上に転写層側を被転写基材側に向ける様に
して載せた転写シートとを、ベルトコンベアで30m/
分のライン速度で搬送しつつ、二台の噴出器から固体粒
子を転写シートに衝突させて衝突圧を与えて、転写シー
トを被転写基材に圧接した。この転写シートの圧接は、
接着剤(接着剤層)の表面が非流動性且つ粘着性を有す
る程度まで溶剤を乾燥させて行った。なお、固体粒子に
は、粒径0.4mmの亜鉛球からなる金属ビーズを使
用、固体粒子は50℃に加熱して使用した。また、固体
粒子は図3〜図5で示した如き羽根車を用いた噴出器
で、噴出速度45m/秒で転写シートに衝突させ、投射
量は(噴出器2台で)350kg/分とした。
写基材とその上に転写層側を被転写基材側に向ける様に
して載せた転写シートとを、ベルトコンベアで30m/
分のライン速度で搬送しつつ、二台の噴出器から固体粒
子を転写シートに衝突させて衝突圧を与えて、転写シー
トを被転写基材に圧接した。この転写シートの圧接は、
接着剤(接着剤層)の表面が非流動性且つ粘着性を有す
る程度まで溶剤を乾燥させて行った。なお、固体粒子に
は、粒径0.4mmの亜鉛球からなる金属ビーズを使
用、固体粒子は50℃に加熱して使用した。また、固体
粒子は図3〜図5で示した如き羽根車を用いた噴出器
で、噴出速度45m/秒で転写シートに衝突させ、投射
量は(噴出器2台で)350kg/分とした。
【0038】固体粒子の衝突終了後、25℃の冷風で冷
却して、熱融着で転写シートが被転写基材に接着した
後、支持体シートを剥がし取って、転写層のみを被転写
基材側に移行させて、転写を完了させた。この後、13
0℃で1分間加熱して、接着剤の残留溶剤を完全に乾燥
させた。
却して、熱融着で転写シートが被転写基材に接着した
後、支持体シートを剥がし取って、転写層のみを被転写
基材側に移行させて、転写を完了させた。この後、13
0℃で1分間加熱して、接着剤の残留溶剤を完全に乾燥
させた。
【0039】更に、転写後の転写製品に対して、アクリ
ル系水性エマルション塗料をスプレー塗装して、上塗り
層として透明保護層を全面に形成して、透明保護層付き
の化粧板として、サイディングボードを得た。
ル系水性エマルション塗料をスプレー塗装して、上塗り
層として透明保護層を全面に形成して、透明保護層付き
の化粧板として、サイディングボードを得た。
【0040】以上で得られた転写製品は、表面の微凹凸
の凹部でも、転写層は浮きが無く確実で転写されてお
り、微凹凸意匠感を有する高級感溢れる化粧板となっ
た。また、被転写基材の表面凹凸が崩れ落ちる基材破損
も発生しなかった。
の凹部でも、転写層は浮きが無く確実で転写されてお
り、微凹凸意匠感を有する高級感溢れる化粧板となっ
た。また、被転写基材の表面凹凸が崩れ落ちる基材破損
も発生しなかった。
【0041】
【発明の効果】本発明の曲面転写方法によれば、被転写
基材の微凹凸部分の凹部で転写層の浮き発生を防ぎ、確
実に転写できる。その上、目止塗工、目止塗膜の研磨と
言った余分な工程の追加は不要である。また、固体粒子
の衝突速度を増やす事なく出来るので、衝突衝撃増大に
よる基材破損等も起きさない。
基材の微凹凸部分の凹部で転写層の浮き発生を防ぎ、確
実に転写できる。その上、目止塗工、目止塗膜の研磨と
言った余分な工程の追加は不要である。また、固体粒子
の衝突速度を増やす事なく出来るので、衝突衝撃増大に
よる基材破損等も起きさない。
【図1】本発明も含めて固体粒子衝突圧による曲面転写
方法を説明する為の概念図。
方法を説明する為の概念図。
【図2】被転写面の表面凹凸形状次第で発生する浮きを
説明する概念図。
説明する概念図。
【図3】羽根車を用いた噴出器の一例を概念的に説明す
る斜視図。
る斜視図。
【図4】図3の羽根車内部を説明する概念図。
【図5】羽根車にて噴出方向を調整する説明図。
1 接着剤、接着剤層 2 支持体シート 3 転写層 4 浮き 812 羽根車 813 羽根 814 側面板 815 中空部 816 方向制御器 817 開口部 818 散布器 819 回転軸 820 軸受 B 被転写基材 Br (被転写基材表面の)微小凹部 D 転写製品(化粧板等) P 固体粒子 S 転写シート
Claims (2)
- 【請求項1】 凹凸表面を有する被転写基材の凹凸表面
に、転写層を対向させた転写シートの支持体シート側に
固体粒子を衝突させ、その衝突圧を利用して、転写シー
トを被転写基材の凹凸表面に圧接して転写する、曲面転
写方法において、 少なくとも下記(A)〜(C)の3工程をこの順に行う
曲面転写方法。 (A)被転写基材に接着剤を施す工程。 (B)接着剤中の揮発成分が完全乾燥していない状態
で、転写シートを被転写基材に圧接し、支持体シートを
剥離して転写加工する工程。 (C)接着剤中の揮発成分を揮発させる工程。 - 【請求項2】 請求項1の曲面転写方法であって、
(C)工程を、被転写基材、接着剤、及び転写層を加熱
して、接着剤中の揮発成分を揮発させる工程とする、曲
面転写方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11196908A JP2001018594A (ja) | 1999-07-12 | 1999-07-12 | 曲面転写方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11196908A JP2001018594A (ja) | 1999-07-12 | 1999-07-12 | 曲面転写方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001018594A true JP2001018594A (ja) | 2001-01-23 |
Family
ID=16365663
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11196908A Withdrawn JP2001018594A (ja) | 1999-07-12 | 1999-07-12 | 曲面転写方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001018594A (ja) |
-
1999
- 1999-07-12 JP JP11196908A patent/JP2001018594A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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