JP5966189B2 - 改装建具と建具の改装方法 - Google Patents
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Description
また、従来、スイング式の開き戸を開口部に採用していた店舗等において、人が出入りする際に開き戸を押したり引いたりして回転させることは力を要するため、子供や老人や障害者等のように力の弱い人には負担になっていた。そのため、店舗等では、人が出入りし易いようにスイング式の開き戸からスライド式の自動ドアに改装する工事が行われている。
このような既存の店舗において、開口部1を開き戸2からスライド式の自動ドアに改装する場合、例えば、図10に示すように、開き戸2を撤去すると共に、額縁7と膳板6の一部を斫って撤去する必要があった。そして、方立3に隣接する位置に新たな縦枠8を連結して、更にスライド式の自動ドア9を設置していた。
また、図1(b)は両開き式の自動ドア13を示すものであり、下部に腰壁5を設けた一対のFIX窓4の間の開口部1に2枚の開閉ドア12が左右にスライドして開閉可能とされている。両開き式の自動ドア13は片開き式の開閉ドア12を2つ設けて左右に開く構造であり、基本的に片開き式の自動ドア10と同一の駆動機構を備えている。そのため、本実施形態による開口部1の改装構造は片開き式の自動ドア10に基づいて説明する。
そして、方立3の腰壁5上の膳板6を斫ることなく保持し、膳板6の外側端部(図2中の右側端部)に隣接して改装用の外側縦枠19が設置されている。図3に示すように、この外側縦枠19は例えば角筒状に形成され、その外側の側面19aは方立3の開口部1側の側面3aと面一になるように幅が設定され、側面19aは外側縦枠19の角筒部から方立3の側面3a方向に延びた例えばプレート状のスライド調整部19bと一体に形成されている。
そのため、予め方立3に沿って傾斜して固定された調整アングル20に対して外側縦枠19は方立3の傾斜を吸収して垂直に設置するよう姿勢、角度を建付け調整した状態で、スライド調整部19bを調整アングル20にねじ22aで固定するようにした。
例えば、既設の方立3が例えば3°〜5°傾斜している場合には、図4(a)に示すように、方立3の上下方向の一端部では外側縦枠19のスライド調整部19bは方立3の側面3bに当接しており、方立3の上下方向の他端部では、図4(b)に示すように、スライド調整部19bは方立3から離間した位置で調整アングル20にねじ止めされる。
なお、図2において、開口部1におけるFIX窓4の方立3に対向する他方の方立3に接続した既存枠21には、外側縦枠19や調整アングル20等の倒れ調整機構を設けているが、設けなくてもよい。
更に、内側縦枠24の外側の側面24bを外側縦枠19の内側の側面とねじ22bで連結する。なお、内側縦枠24は方立3に沿った姿勢でアングル材25に取り付けるようにしたが、外側縦枠19と同様に垂直に設置するようにしてもよい。
そのため、調整アングル20と外側縦枠19のスライド調整部19bを連結するねじ22aの頭部が屋外に露出していて第三者が取り外し可能であっても、外側縦枠19は内側縦枠24とねじ22bで連結されているために、外側縦枠19の取り外しを防止できて防犯性が高い。
そして、下枠28cの裏面には横枠30が見付方向に所定間隔をおいてねじ22で固定され、横枠30の裏面にはレール31の支持部材32が見付方向に所定間隔をおいてねじ22で固定されている。横枠30は開口部1からFIX窓4を備えた袖部40にまで延びており、横枠30の裏面に固定したレール31の支持部材32も袖部40にまで延びている。
しかも、横枠30の内部には、レール31と開閉ドア12とエンジン33を収納したボックス34を支える支持部材32を、ねじ22で取り付けるために例えば断面略コの字状の補強板38が連結されている。
そのため、開閉ドア12はエンジン33の駆動によって上部のローラ35がレール31に沿って摺動してスライド方向に開閉作動し、開閉ドア12のガイド部45は床面FLに設けたガイド溝44に沿って走行する。
図9に示すように、開口部1にスイング系の開き戸2を設けてあり、開口部1の一方の方立3を介して袖部40にFIX窓4が設けられた状態において、まず開き戸2を撤去する。そして、図2及び図3において、FIX窓4の屋内側に設けた腰壁5の膳板6を斫ることなく、調整アングル20とアングル材25を方立3の側面3bにねじで固定する。次に、内側縦枠24をねじ22でアングル材25に固定し、外側縦枠19をねじ22aで調整アングル20に固定し、外側縦枠19のスライド調整部19bを調整アングル20に重ねる。最後に内側縦枠24と外側縦枠19とをねじ22bによって固定する。
このようにして、FIX窓4の延長上に設けた開口部1内のスイング式のドアを撤去して、方立3と外側縦枠19を介して開口部1の屋内側に新たな自動ドア10を設置できる。
この自動ドア10は、腰壁5や額縁7の膳板6の上部にFIX窓4を設けた袖部40と開閉可能な開閉ドア12を備えた開口部1とを備えており、袖部40のFIX窓4における左右または片側の縦枠41aに設けた支持部42とランマのFIX窓27の下枠28cとに亘って横枠30を固定した。しかも、開口部1における袖部40の屋内側であって、左右の外側縦枠19と横枠30で仕切られた領域に開閉ドア12を設け、開閉ドア12は横枠30に沿って開口部1から袖部40の領域まで開閉作動可能とされている。
また、横枠30には、横枠30に沿って開閉ドア12を案内するレール31と、ローラ35によって開閉ドア12をレール31に沿ってスライドさせるエンジン33と、を備えた駆動手段を取り付けてある。
また、外側縦枠19と内側縦枠24はそれぞれ方立3に固定した調整アングル20とアングル材25に連結した上で互いにねじ止め固定したため、強度が高い。しかも、既設の膳板6の上部に内側縦枠24を設置して外側縦枠19と方立3に連結したため、膳板6が邪魔にならず、外側縦枠19が開口部1を狭めない程度に厚みが小さくても強度を補強できる。
即ち、上述した実施形態では図1(a)に示す片開き式の自動ドア10について説明したが、上述した実施形態における開口部1の改装構造と改装工法は図1(b)に示す両開き式の自動ドア13にも適用できる。
即ち、図7に示すように、床面FL上にガイド溝48を設けた下レールガイド部49を設置し、開閉ドア12の下部に設けたガイド部45をガイド溝48内に収納して開閉ドア12の開閉走行をガイドするようにした。この場合、下レールガイド部49を床面FL上に設置するために開閉ドア12におけるガイド部45の位置が実施形態の場合よりも上方に位置するように形成するものとする。
この下レールガイド部49は、開閉ドア12のガイド部45が挿入されて走行可能なガイド溝48を備えた下レール本体51と、その両側に設けられた一対の傾斜部52と、傾斜部52の下側に係合された一対の傾斜取り付け部53とで構成されている。下レール本体51はガイド溝48の両側に二段に突出する第一係合片54、第二係合片55を備えている。各傾斜部52は略三角形状断面を有しており、傾斜面52aの上端部には第一係合片54の端部に係合可能な係合受け部52bを有している。
そして、ガイド溝48の底部や下レールガイド部49と床面FLとの間、或いは下レール本体51、一対の傾斜部52、一対の傾斜取り付け部53の相互の係合部に適宜の止水パッキンを設置することが好ましい。
また、上述の実施形態や第一、第二変形例による下レール構造では、いずれも開閉ドアにガイド部45を設け、下レール構造部分にガイド溝44,48を設けたが、これとは逆に開閉ドアにガイド溝を設け、下レールガイド部49,57にガイド部を設けてもよく、この場合にはガイド部は、下レール本体51,58等の頂部以下の高さであることが好ましい。
また、既存の方立3に対して調整アングル20を取り付けることなく直接外側縦枠19を連結するようにしてもよい。この場合、方立3に僅かな傾斜があっても外側縦枠19を直接当接して方立3と同一傾斜角度で連結してもよい。また、方立3と外側縦枠19との間に調整アングル20を介在させたとしても、外側縦枠19は必ずしも垂直に設置しなくてもよい。
また、外側縦枠19は本発明の外側縦部材に含まれ、内側縦枠24は内側縦部材に含まれ、横枠30は横部材に含まれる。
また、上述の建物の開口部1の改装構造として、店舗の出入り口としての開口部1について説明したが、本発明は店舗の開口部1に限定されるものではなく、集合住宅やビル等を含む適宜の建物の出入り口等の開口部1の改装構造や改装工法に採用できる。
3 方立
4、27 FIX窓
5 腰壁
6 膳板
10、13 自動ドア
12 開閉ドア
19 外側縦枠
19b スライド調整部
20 調整アングル
22、22a、22b ねじ
24 内側縦枠
25 アングル材
30 横枠
31 レール
32 支持枠
33 エンジン
35 ローラ
38 補強板
41a 縦枠
42 支持部
45 ガイド部
48 ガイド溝
49 下レールガイド部
51、58 レール本体
52,59 傾斜部
53 傾斜取り付け部
FL 床面
Claims (6)
- 既存の建物開口部におけるスイング式のドアをスライド式のドアに改装してなる改装建具であって、
前記既存の建物開口部を形成する枠体の見込み方向外側に設けた一対の新設の縦枠及び新設の横枠により新設の建物開口部が形成されていると共に、
前記新設の横枠の見込み方向外側に設けられていて前記新設の建物開口部からその見付け方向外側まで延びるレール部と、
前記レール部に沿って移動可能であり前記新設の建物開口部を見込み側から覆うスライド式のドアと、を備え、
前記新設の縦枠は、前記スライド式のドアの戸先側に接するように見込み方向に配置された第一縦枠と、前記スライド式のドアの戸尻側に配設されていて前記スライド式のドアの見付け面に対向して配設した第二縦枠と、を備えたことを特徴とする改装建具。 - 前記縦枠は、姿勢または角度調整可能な調整部材を介して前記建物開口部に取り付けられている請求項1に記載された改装建具。
- 前記レール部は前記スライド式のドアの開閉走行をガイドするものであり、床面に設置された下レールガイド部に形成されている請求項1または2に記載された改装建具。
- 前記下レールガイド部は、その見込み方向の少なくとも一方に床面に向けた傾斜部を備えている請求項3に記載された改装建具。
- 既存の建物開口部に設けた既存の枠体に設置したスイング式のドアをスライド式のドアに改装する建具の改装工法であって、
前記既存の枠体から前記スイング式のドアを撤去する工程と、
前記既存の枠体の見込み方向外側に一対の新設の縦枠及び新設の横枠を設けた新設の枠体からなる新設の建物開口部を取り付ける工程と、
前記新設の横枠の見込み方向外側で前記新設の建物開口部からその見付け方向外側まで延びるレール部を設置する工程と、
前記新設の建物開口部を見込み方向から覆うようにして前記レール部に前記スライド式のドアを設置する工程と、
を備えたことを特徴とする建具の改装方法。 - 前記既設の枠体と新設の枠体の間に調整部材を設置し、前記新設の枠体の姿勢または角度を前記調整部材によって調整する工程と、を更に備えた請求項5に記載された建具の改装方法。
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