JP4888332B2 - 引戸の施工方法、及び引戸ユニット - Google Patents
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Description
このような引戸は、上枠となる鴨居及び下枠となる敷居にそれぞれ凹設された凹溝に、引戸の上下端部に突設された突条部を嵌め込んだものが汎用されている。
上記のような引戸では、凹溝や突条部の加工に手間が掛かるといった問題があり、そのような問題を解決するために、下記特許文献1では、木製引き戸の建付け構造が提案されている。
上記ガイドレールは、上片と垂下片とを有した断面逆L形状とされ、該上片が木製鴨居に固定され、該垂下片が上記木製引き戸の上部の溝部及び凹部に挿入される構成とされている。
また、木製引き戸を建て付ける際には、木製引き戸の溝部及び凹部を、木製鴨居のガイドレールに差し込み、木製引き戸の上部がガイドレールによって支承された状態とし、一方木製引き戸の下部は、敷居の溝に配置して、建て付ける構成とされている。
このような、天井面近傍までの高さとされた引戸では、特に、前述したような木製引戸の建付けでは、天井面と、引戸との間に隙間が大きく形成されると、そのデザイン性が阻害されるという問題があった。
また、このような引戸は、天井面から下がった位置の内壁に開設された開口を閉塞する引戸よりも高さ方向が大きくなることから、引戸が不意に外れてしまった場合等に対する対策も望まれる。
また、本発明の前記引戸ユニットにおいては、前記引戸の凹溝の内側面に、スライド方向に沿って係合凹溝を更に凹設し、前記天井レールの係合片に、前記係合凹溝内をスライド自在とされた係合突部を形成するようにしてもよい。
また、天井側に加工等を予め施す必要がないことから、リフォームの際や間仕切りとして新たに引戸式のスクリーンウォール等を施工する際にも容易に施工できる。
すなわち、従来のように天井レールを天井あるいは鴨居に先に固定する場合は、天井レールの固着は比較的容易ではあるが、上述のように、引戸の上端面と、天井面との間に間隙が比較的大きく形成されてしまう。一方、本発明によれば、そのような間隙を前記したように小さくできるとともに、引戸をスライドさせて固着すべき箇所を順次露出させて、順次固着するようにしているので、天井面への天井レールの固着すべき箇所が、側面視において引戸から突出していないような場合にも、ネジ、釘等の固定具によって、天井レールを天井面に容易に固着させることができる。また、このような方法によれば、天井レールの取付代が小さい場合にも容易に固定できる。よって、天井レールの取付代を小さくできるので、デザイン性を阻害することなく施工できる。
尚、この場合は、引戸の存在しない箇所の天井レールの横向片を、例えば、ネジ、釘等の固定具で固着させ、引戸をスライドさせて、順次、横向片を天井面に対して固着するようにしてもよい。
図1は、本実施形態に係る引戸の施工方法を説明するための説明図であり、(a)は、引戸の凹溝に、天井レールを仮保持させた状態を示す概略部分縦断面図、(b)は、引戸の戸車を床レールに係合させ、引戸を起立させた状態を示す図3(a)におけるX−X線矢視概略縦断面図、図2は、同実施形態を説明するための図3(a)におけるX−X線矢視概略縦断面図、図3(a),(b)は、いずれも同実施形態を説明するための概略正面図である。
図4(a)は、本実施形態に係る引戸ユニットの引戸の納まり状態を説明するための概略背面図、(b)は、同実施形態に係る引戸ユニットの引戸の納まり状態を説明するための概略横断面図、(c)は、引戸の納まり状態の別例を説明するための概略横断面図である。
尚、以下の各実施形態の説明において示す手前側及び背面側は、内壁に対面する側を引戸の背面側、その逆側を引戸の手前側とし、引戸に対面する側を内壁の手前側、その逆側を内壁の背面側としている。
また、本実施形態では、図4(b)に示すように、内壁3に床面2aから天井面1aまで開設された開口oを閉塞する2枚の両引き(引き分け)の引戸11,11を例示しており、戸袋や袖壁等に両引戸を納めず、内壁3に沿って納められるいわゆるアウトセット型の引戸ユニット10を例示している。
このような引戸ユニット10としては、部屋への入口扉として利用されるのみならず、部屋の間仕切りのためのスクリーンウォール(間仕切り開閉壁)や、収納空間を閉塞するための収納扉として利用可能である。
凹溝部材12は、樹脂材等からなり、スライド方向に沿って全体に亙って凹設され、上方に向けて開口したスライドガイド用の凹溝12aを有している。
横向片21には、長手方向(引戸のスライド方向と同方向)に沿って、間隔を空けて適所に後記する固定ネジ24が挿通され、そのネジ頭部を係止保持する挿通孔21aが開設されている。また、横向片21は、引戸ユニット10が施工された状態では、側面視において、引戸11から突出しないよう、その幅が設定されている。すなわち、図2に示すように、側面視して、横向片21の手前側(紙面右方側)端面と、引戸11の手前側(紙面右方側)面11bとが略同平面域となるよう引戸11の厚みに合わせて、その幅を設定している。あるいは、横向片21の手前側端面が内方(係合片22の存在する方向)に向けて控えた位置となるよう、その幅を設定するようにしてもよい。このように天井レール20の横向片21を、引戸ユニット10が施工された状態で、側面視して、引戸11から突出しない構成としているので、引戸11が存在する箇所では、天井レール20の横向片21が引戸11から手前側及び/又は背面側に向けて突出せず、デザイン性に優れたものとなる。
また、この係合片22が、施工時に、引戸11の凹溝12aに挿入されて仮保持され、これら引戸11の凹溝12a及び天井レール20の係合片22が引戸11に天井レール20を仮保持させるための仮保持手段を構成する。従って、施工時に天井レール20が引戸11から不意に外れないよう、天井レール20の長さに合わせて、係合片22の長さ及び凹溝12aの深さや幅が適宜設定されている。
このような直付けタイプの床レール30を用いることにより、リフォームの際や間仕切りとして新たに引戸ユニットを施工する際にも床に加工等を施す必要がなく、容易に施工できる。
床2の床面2aに床レール30をネジ止め等によって固定し、図1(a)に示すように、引戸11の上端に設けられた凹溝部材12の凹溝12aに、天井レール20の係合片22を挿入し、天井レール20を引戸11に仮保持させる。
次いで、天井レール20を引戸11に仮保持させたまま、引戸11をやや手前側に向けて傾けた状態で、図1(b)に示すように、引戸11の下端に設けた戸車13を、床レール30の戸車ガイド溝31に係合させて、引戸11を起立させる。この状態で、図3(a)に示すように、引戸11が存在しない部位の天井レール20の横向片21を固定ネジ24によって、天井面1aに固着させる。
この際、図2に示すように、横向片21を固着する天井1の天井裏側には、桟木4が設けられている。
このように施工された引戸11は、その下端が戸車13を係合させた戸車ガイド溝31によって規制されるとともに、その上端が凹溝12aに挿入された天井レール20の係合片22によって規制される。
尚、図3において、符合25及び32は、それぞれ天井レール20及び床レール30の両端部に固設され、引戸11の戸尻端面の上下端部が当接する引戸ストッパーである。
この取外し代は、前述したような従来の引戸において、引戸上端の溝部に鴨居のガイドレールの垂下片をのみ込ませて、引戸下端の戸車を敷居の溝から取外す際に必要な遊び代、すなわち、引き戸を取外す際に必要な遊び代を指し、本実施形態に係る引戸ユニット10においては、このような遊び代を設けない構成としている。
すなわち、本実施形態では、天井レール20の横向片21の下面と引戸11の上端面11aとの間、及び天井面1aと引戸11の上端面11aとの間には、前記したように施工する際に、天井レール20を引戸11の凹溝12aに挿入して仮保持させたまま、引戸11をやや手前側に向けて傾けた状態で、引戸11の下端の戸車13を床レール30の戸車ガイド溝31に係合させて、起立させる際に少なくとも必要な隙間g1及びg2を形成している。
これにより、引戸11の上端面11aと、天井面1aとの隙間g2を小さくでき、デザイン性に優れた引戸ユニット10となる。
また、天井側に加工等を予め施す必要がないことから、リフォームの際や間仕切りとして新たに引戸式のスクリーンウォール等を施工する際にも容易に施工できる。
すなわち、従来のように天井レールを天井あるいは鴨居に先に固定する場合は、天井レールの固着は比較的容易ではあるが、上述のように、引戸の上端面と、天井面との間に間隙が比較的大きく形成されてしまう。一方、本実施形態に係る引戸の施工方法によれば、そのような間隙を前記したように小さくできるとともに、引戸11をスライドさせて天井レール20の横向片21を順次露出させて、順次固着するようにしているので、天井レール20の横向片21が、側面視して引戸11から突出していないような場合にも、固定ネジ24によって、天井レール20を天井面1aに容易に固着させることができる。また、このような方法によれば、天井レール20の横向片(取付代)21が小さい場合にも固定できる。よって、天井レール20の取付代を小さくできるので、デザイン性を阻害することなく施工できる。
さらに、それぞれ2本の床レール及び天井レールを並設して、間仕切りとして4枚立の引き違いの引戸ユニットとしてもよく、あるいは、より多くの床レール及び天井レール、引戸からなる引戸ユニットとしてもよい。
また、本実施形態では、引戸11の戸車13が、引戸11の下端面から突出した状態のままで、床レール30の戸車ガイド溝31に、戸車13を係合させる構成としているが、引戸11に対して出没自在とされた戸車で構成し、施工時には、戸車を没入させた状態で、施工するようにしてもよい。これによれば、戸車13を床レール30の戸車ガイド溝31に係合させる際に、引戸11を起立させた状態のままで行えるので、横向片21の下面と引戸11の上端面11aとの間、及び天井面1aと引戸11の上端面11aとの間の隙間g1及びg2を、より一層、小さくできる。
さらに、本実施形態では、床2に対して直付けする直付けタイプの床レール30を例示しているが、引戸11の戸車13が走行自在に係合するものであれば、どのような床レールとしてもよい。
さらにまた、本実施形態では、施工時に、引戸11に天井レール20を仮保持させるための仮保持手段として、引戸11の凹溝12a及び天井レール20の係合片22を例示しているが、その仮保持力を高めるために、引戸11の上端部と天井レール20の横向片21とが磁力によって吸着するように、引戸11の上端面11a及び/又は天井レール20の横向片21に、永久磁石や磁性体等を埋設するようにしてもよい。
図5(a)は、第2実施形態に係る引戸ユニットを示し、図1(a)に対応させた図である。
尚、第1実施形態との相違点は、主に引戸の凹溝の構成であり、同様の構成については、同一符合を付し、説明を省略する。
この凹溝部材12Aは、凹溝12Aaの両内側面12Abに、スライド方向に沿って全体に亙って突設されたガイドリブ12Acを有している。このガイドリブ12Acは、本実施形態では、両内側面12Abのそれぞれに、上下の離間した位置に2本設けられており、凹溝12Aa内に挿入された天井レール20の係合片22と摺接する構成とされている。このようなガイドリブ12Acによって、凹溝12Aa内に挿入された天井レール20の係合片22は、施工時に仮止め状態となり、このガイドリブ12Acも係合片22及び凹溝12Aaとともに仮保持手段として機能する。
また、上記ガイドリブに代えて、天井レール20の係合片22の両外側面、或いは凹溝12Aaの両内側面12Abのいずれか一方に、他方の両側面と摺接する複数個のガイド突起をスライド方向に沿って設けるようにしてもよい。
あるいは、水平面域で回転自在とされたローラを凹溝12Aaの両内側面12Abから僅かに突出するように、スライド方向に沿って複数個埋設するような構成としてもよい。この場合にも天井レール20の係合片22に各ローラを当接させることで、施工時には、係合片22を挟持でき、また、使用時には、ローラの回転によって、よりスムーズに引戸11Aをスライドさせることができる。
尚、第1実施形態との相違点は、主に引戸の凹溝の構成、及び天井レールの構成であり、同様の構成については、同一符合を付し、説明を省略する。
天井レール20Aは、前記第1実施形態と同様の横向片21と、その横向片21から垂設された係合片22と、その係合片22の下端部から水平方向(手前側)に向けて突設された係合リブ23とを有している。この係合リブ23は、係合片22の下端部にスライド方向に沿って全体に亙って設けられている。
凹溝部材12Bは、前記第2実施形態と同様、その凹溝12Baの両内側面12Bbには、スライド方向に沿って全体に亙ってガイドリブ12Bcが突設されている。また、本実施形態では、さらに凹溝12Baの一方の内側面12Bbの下端部には、天井レール20Aの係合リブ23がスライド自在に係合する係合凹溝12Bdがスライド方向に沿って全体に亙って凹設されている。この係合凹溝12Bdによって、凹溝12Ba内に挿入された天井レール20の係合片22の下端部の係合リブ23は、施工時に仮止め状態となり、これら係合リブ23及び係合凹溝12Bdも係合片22及び凹溝12Baとともに仮保持手段として機能する。
前記構成とされた本実施形態に係る引戸ユニット10Cでは、前記第2実施形態と同様、ガイドリブ12Bcの作用により、天井レール20Aの係合片22が凹溝12Ba内で略挟持状態となり、仮保持力が高められるとともに、さらに、凹溝12Baの内側面12Bbに凹設された係合凹溝12Bdに、天井レール20Aの係合リブ23を係合させることで、係合リブ23が、係合凹溝12Bdに引っ掛かり、施工時の仮保持力をさらに高めることができる。従って、施工時に天井レール20Aが引戸11Bの凹溝12Baから不意に外れるようなことをより効果的に防止できる。また、施工後の使用時に、床レール30(図1乃至図4参照)から引戸11Bの戸車(図1乃至図4参照)が外れた場合にも係合凹溝12Bdと係合リブ23とが引っ掛かり、引戸11Bが外れて倒れるようなことを防止できる。また、前記第2実施形態と同様、スライドさせる際に、ガイドリブ12Bcと係合片22の両外側面とが擦り合う構成となるので、このようなガイドリブ12Bcを設けないものと比べて接触抵抗が小さくなり、スムーズに引戸11Bをスライドさせることができる。また、引戸11Bをスライドさせる際のガタツキ防止にもなる。
また、本実施形態では、係合片22の下端部に係合リブ23を設けた構成としているが、係合片22の中段部に係合リブあるいは係合突起を設けるような構成としてもよい。この場合は、その係合リブあるいは係合突起に合わせて、凹溝12Baの係合凹溝を凹設すればよい。
さらに、本実施形態では、前記第2実施形態と同様のガイドリブ12Bcを凹溝12Baの両内側面12Bbに突設した態様を例示しているが、これらガイドリブ12Bcを設けない態様としてもよい。
10,10A,10B,10C 引戸ユニット
11,11A,11B 引戸
12a,12Aa,12Ba 凹溝(仮保持手段)
12Ab 内側面(凹溝)
12Ac ガイドリブ(凹溝の突部、仮保持手段)
12Bd 係合凹溝(仮保持手段)
13 戸車
20,20A 天井レール
21 横向片
22 係合片(仮保持手段)
23 係合リブ(係合突部、仮保持手段)
24 固定ネジ(固定具)
30,30A 床レール
Claims (4)
- 引戸の上端に形成したスライドガイド用の凹溝に、天井レールを挿入して仮保持させた状態で、前記引戸の下端に設けた戸車を床レールに走行自在に係合させて、該引戸を起立させ、その状態で前記天井レールを天井面に固着させて、前記引戸を施工する構成とされ、
前記天井レールを前記天井面に固着させる際には、前記引戸を前記床レール及び前記天井レールに沿ってスライドさせることによって、前記天井レールの固着すべき箇所が前記引戸によって隠されないように固着すべき箇所を順次露出させ、その露出した固着すべき箇所を固定具によって前記天井面に順次固着させることを特徴とする引戸の施工方法。 - 天井面に固定具で取付けられる取付用の横向片に、係合片を垂設して成る天井レールと、
前記天井レールの係合片が挿入されるスライドガイド用の凹溝を上端に形成するとともに、床レールに走行自在に係合する戸車を下端に設けた引戸と、施工時に前記天井レールを前記引戸に仮保持させる仮保持手段とを備え、前記天井レールの横向片は、前記引戸が施工された状態で側面視において前記引戸から突出しない構成とされ、前記引戸が施工された状態における前記天井レールの横向片の下面と前記引戸の上端面との間の隙間が前記引戸を前記天井レール及び前記床レールから取外す際の遊び代を設けない程度に小さく設定されており、
前記引戸は、前記凹溝に、前記天井レールが挿入されて、該天井レールを前記仮保持手段によって仮保持した状態で、前記戸車が前記床レールに係合され、その状態で起立され、その起立された状態で当該引戸を前記床レール及び前記天井レールに沿ってスライドさせることによって前記天井レールの固着すべき箇所が当該引戸によって隠されないように固着すべき箇所を順次露出させ、その露出した固着すべき箇所が固定具によって前記天井面に順次固着されて前記天井レールが前記天井面に固着されて施工される構成とされていることを特徴とする引戸ユニット。 - 請求項2において、
前記天井レールの係合片の両外側面、或いは前記凹溝の両内側面のいずれか一方には、他方の両側面と摺接する突部が更に形成されていることを特徴とする引戸ユニット。 - 請求項2または3において、
前記引戸の凹溝の内側面には、スライド方向に沿って係合凹溝が更に凹設されており、
前記天井レールの係合片には、前記係合凹溝内をスライド自在とされた係合突部が形成されていることを特徴とする引戸ユニット。
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