以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、本願発明者らは、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
本実施の形態にかかる通信システムは、画像共有サーバ300と通信装置とが接続することにより構成される。図1は、画像共有サーバ300と、通信装置とが接続された通信システム50の構成を示すイメージ図である。図1に示すように、画像共有サーバ300には、インターネットを介して、デジタルカメラ100、パーソナルコンピュータ250(以下、PC250と称する)、デジタルメディアフレーム310など、通信機能を有する通信装置が接続する。
本実施の形態にかかる通信システムにおいて、デジタルカメラ100、デジタルメディアフレーム310などの通信装置は、それぞれ機器IDを有しており、画像共有サーバ30は、接続を確立した通信装置の機器IDに紐付けられた記録領域を確保する。これにより、例えばデジタルカメラ100のようなコンテンツ生成装置、デジタルコンテンツストレージのような記録装置、スマートフォンのようなコンテンツの生成および記録を行う装置もまた、画像共有サーバ300内に確保される記録領域に、生成したコンテンツ(撮影した画像など)を記録することができる。
また、例えばデジタルメディアフレーム310のようなコンテンツ表示装置、デジタルコンテンツストレージのような記録装置、スマートフォンのようなコンテンツの生成および記録を行う装置もまた、画像共有サーバ300内に生成される記録領域に記録されたコンテンツ(画像など)を読み出し、表示することができる。
また、本実施の形態にかかる通信システムは、通信装置(デジタルカメラ100、デジタルメディアフレーム310など)と、通信装置とネットワークを介して通信可能な画像共有サーバ300とから構成される通信システムであって、通信装置(デジタルカメラ100、デジタルメディアフレーム310)は、機器IDが格納される情報格納部(フラッシュメモリ142、フラッシュメモリ317)と、画像共有サーバ300と通信可能な通信部(通信部171、通信部311)と、画像共有サーバ300と初めて通信するときに、機器IDを画像共有サーバ300に通知するよう通信部(通信部171、通信部311)を制御する通信制御部(コントローラ130、コントローラ312)と、を備え、画像共有サーバ300は、通信装置(デジタルカメラ100、デジタルメディアフレーム310)と初めて通信するときに、機器IDを通信装置(デジタルカメラ100、デジタルメディアフレーム310)から取得する取得部(通信部301)と、機器IDが取得されると、該機器IDに対応する記録領域を画像共有サーバ300内に確保する記録領域確保部(コントローラ302)と、確保された記録領域に対するアクセス権限を示し、取得した機器IDに対応するアカウント情報と、確保された記録領域にアクセスするための場所を示すアクセス情報とを、通信装置(デジタルカメラ100、デジタルメディアフレーム310)に通信する情報返信部(通信部)301と、を備える。
本実施の形態にかかる通信システムにおいては、当該システム自体に対するセキュリティ性の高い機器IDは、通信機器と画像共有サーバとが初めて通信するときに用いる。そして、二回目以降の通信では機器IDの代わりに画像共有サーバから発行されるアカウント情報と、アクセス情報が用いられる。これにより、システム構成自体のセキュリティの保護をしつつ、使用者にとってより簡単に活用可能な通信システムを提供することができる。ここでいう「アクセス情報」は、たとえば記録領域にアクセスするための記録領域のアドレス番号であってもよい。または、「アクセス情報」は、当該記録領域を一意に特定可能なURL(Uniform Resource Locator)であってもよい。または「アクセス情報」とは、当該記録領域を利用するユーザに一意に割り当てられたメールアドレスであってもよい。つまり、「アクセス情報」は、記録領域にアクセスするための記録領域を一意に特定可能な情報であればよい。
以下、デジタルカメラ100およびPC250およびインターネット画像共有サーバ300、デジタルメディアフレーム310の構成および動作を説明する。なお、以下では「アクセス情報」の例として「アクセス番号」を挙げて説明する。
〔1.構成〕
以下図を用いてデジタルカメラ100およびPC250のおよびインターネット画像共有サービス102構成を説明する。
〔1−1.デジタルカメラ100の構成〕
図2は、デジタルカメラ100の電気的構成図である。デジタルカメラ100は、光学系110を介して形成された被写体像をCCDイメージセンサ120で撮像する。CCDイメージセンサ120は撮像した被写体像に基づく画像データを生成する。撮像により生成された画像データは、AFE(アナログ・フロント・エンド)121や画像処理部122において各種処理が施される。生成された画像データはフラッシュメモリ142やメモリカード140に記録される。フラッシュメモリ142やメモリカード140に記録された画像データは、使用者による操作部150の操作を受け付けて液晶モニタ123上に表示される。
コントローラ130は、デジタルカメラ100全体の動作を統括制御する。コントローラ130は、ハードワイヤードな電子回路で構成してもよいし、マイクロコンピュータなどで構成してもよい。また、画像処理部122などと共に1つの半導体チップで構成してもよい。
フラッシュメモリ142は、画像データ等を記録するための内部メモリとして機能する。またフラッシュメモリ142は、デジタルカメラ100の製造時に付与された固有情報である機器IDを格納している。また、詳細は後述するが、フラッシュメモリ142は、画像共有サーバ300から付与されたアカウント情報や、アクセス番号を格納する。
バッファメモリ124は、画像処理部122やコントローラ130のワークメモリとして機能する。バッファメモリ124はDRAM(Dynamic Random Access Memory)などで実現できる。
カードスロット141は、メモリカード140を着脱可能な接続手段である。カードスロット141は、メモリカード140を電気的及び機械的に接続可能である。また、カードスロット141は、メモリカード140を制御する機能を備えてもよい。
通信部171は、無線または有線の通信インターフェースであり、コントローラ130はこの通信部171を介して、アクセスポイント経由でインターネット網に接続することができる。例えば、USBやBluetooth(登録商標)、無線LAN、有線LAN等により実現可能である。
操作部150は、デジタルカメラ100の外装に備わっている操作釦や操作レバーの総称であり、使用者による操作を受け付ける。操作部150は使用者による操作を受け付けると、コントローラ130に種々の動作指示信号を通知する。
〔1−2.PC250の構成〕
続いて、PC250の構成について図3を用いて説明する。図3は、PC250の電気的構成図である。
PC250は、コントローラ251、ワークメモリ252、HDD253、通信部254、液晶モニタ256、USBコネクタ260、カードスロット261、マウス262、キーボード263等から構成されている。
コントローラ251は、PC250上の処理を実行する処理部である。コントローラ251は、ワークメモリ252、HDD253、通信部254、液晶モニタ256、USBコネクタ260、カードスロット261、マウス262、キーボード263に電気的に接続されている。コントローラ251は、USBコネクタ260を介して、マウス262やキーボード263を用いての使用者の操作情報を受け付ける。コントローラ251は、HDD253に格納されているデータを読み出すことができる。また、PC250の各部に供給される電力等のシステムを全体的に制御している。
ワークメモリ252は、コントローラ251が各種処理動作を実行するために必要な情報を一時的に格納するメモリである。
HDD253は、各種データを格納する大容量のディスクドライブである。上述したように、HDD253に格納された各種データは、適宜コントローラ251により読み出し可能である。なお、HDD253は記録媒体の一例である。HDD253に代えて、いわゆるSSD(Solid State Disk)、光ディスクドライブ、光テープ記録装置、磁気テープ記録装置を設けてもよい。
マウス105は、使用者による操作を受け付けるポインティングデバイスである。キーボード106は、使用者が文字入力などを行う、キーボードデバイスである。
USBコネクタ260は、他の機器のUSBコネクタとUSBケーブルを介して接続するインターフェースである。コントローラ251は、USBコネクタ260およびUSBケーブルを介して、他の機器と情報を送受信することができる。USBコネクタ260は、デジタルカメラ100や、マウス262や、キーボード263等と接続する。
通信部254は、コントローラ251から受け取った画像データを、インターネット網を介して、他の機器に送信することができる。通信部254は、例えば、有線LANや、無線LANにより実現することが可能である。
〔1−3.画像共有サーバ300の構成〕
続いて、画像共有サーバ300の構成について図4を用いて説明する。図4は、画像共有サーバ300の電気的構成図である。
画像共有サーバ300は、コントローラ302、ワークメモリ303、HDD304、通信部301、等から構成されている。
コントローラ302は、画像共有サーバ300上の処理を実行する処理部である。コントローラ302は、ワークメモリ303、HDD304、通信部301に電気的に接続されている。コントローラ302は、HDD304に格納されているデータを読み出すことができる。
詳細は後述するように、画像共有サーバ300のコントローラ302は、接続した通信装置(デジタルカメラ100、デジタルメディアフレーム310など)の機器IDに紐づいた記録領域を、HDD304上に確保する。また、コントローラ302は、管理テーブルをHDD304上に記録する。管理テーブルとは、IDと、アカウント情報と、アクセス番号とを対応付けたテーブルである。表1は、管理テーブルのデータ構造の例を示している。画像共有サーバ300は、このようなテーブルを、登録された機器IDの数だけ保持している。
ワークメモリ303は、コントローラ302が各種処理動作を実行するために必要な情報を一時的に格納するメモリである。コントローラ302は、各種処理を実行するために、ワークメモリ303に一時的に格納された管理テーブルを使用する。
HDD304は、各種データを格納する大容量のディスクドライブである。上述したように、HDD304に格納された各種データは、適宜コントローラ302により読み出し可能である。通信部301は、上述したように、インターネット網を介して、他の機器から画像データを受信することができる。
通信部301は、例えば、有線LANや、無線LANにより実現することが可能である。
なお、HDD304は記録媒体の一例である。HDD304に代えて、いわゆるSSD(Solid State Disk)、光テープ記録装置、磁気テープ記録装置を設けてもよい。
コントローラ302は、通信部301を介して、接続されたデジタルカメラ100や、デジタルメディアフレーム310といった通信装置から、機器ID(初めての通信時)、アカウント情報およびアクセス番号(2回目以降の通信時)を取得する。そして、コントローラ302は、通信装置から取得した情報に紐付けられた記録領域に対して、書き込みや読み取りなどの制御を行うことができる。
〔1−4.デジタルメディアフレーム310の構成〕
続いて、デジタルメディアフレーム310の構成について図5を用いて説明する。図5は、デジタルメディアフレーム310の電気的構成図である。デジタルメディアフレームは、画像データ、動画データ、音声データ等のマルチメディアデータに基づいて、映像、音声を再生する。
デジタルメディアフレーム310は、通信部311、コントローラ312、ワークメモリ313、HDD314、液晶モニタ315、操作部316、フラッシュメモリ317などから構成されている。
コントローラ312は、デジタルメディアフレーム310上の処理を実行する処理部である。コントローラ312は、通信部311、ワークメモリ313、HDD314、液晶モニタ315、フラッシュメモリ315、操作部316に電気的に接続されている。コントローラ312は、操作部316を用いての使用者の操作情報を受け付ける。コントローラ312は、HDD314やフラッシュメモリ317に格納されている情報を読み出すことができる。
ワークメモリ313は、コントローラ312が各種処理動作を実行するために必要な情報を一時的に格納するメモリである。
HDD314は、各種データを格納する大容量のディスクドライブである。上述したように、HDD314に格納された各種データ(画像データなど)は、適宜コントローラ312により読み出し可能である。なお、HDD314は記録媒体の一例である。HDD314に代えてフラッシュメモリを設けてもよい。フラッシュメモリはデジタルメディアフレーム310に内蔵されていてもよいし、着脱可能であってもよい。
通信部311は、無線または有線の通信インターフェースであり、コントローラ312はこの通信部311を介して、アクセスポイント経由でインターネット網に接続することができる。例えば、USBやBluetooth(登録商標)、無線LAN、有線LAN等により実現可能である。
フラッシュメモリ317は、画像データ等を記録するための内部メモリとして機能する。また、デジタルメディアフレーム310の製造時に付与された固有情報である機器IDを格納している。また、詳細は後述するが、フラッシュメモリ317は、画像共有サーバ300から付与されたアカウント情報や、アクセス番号を格納する。
また、デジタルメディアフレーム310は、画像共有サーバ300からコンテンツデータ(たとえば画像データ)をダウンロードしてHDD314に格納し、再生することが可能である。ただし、ダウンロードはコンテンツデータ受信動作の一例である。本願における「受信」処理には、コンテンツデータのダウンロード処理のみならず、閲覧のためのストリーミング処理も含まれる。ストリーミング処理とは、コンテンツデータを受信しながら再生する処理である。ストリーミング処理では、バッファなどの記録媒体に一時的に記録するが、再生が終了した部分はバッファから削除されて永続的に保持されることはない。
〔2.動作〕
次に、上述したデジタルカメラ100、PC250、画像共有サーバ300、デジタルメディアフレーム310が相互に通信することによって実行する通信システムの動作を説明する。以下では、デジタルカメラ100、PC250、画像共有サーバ300、デジタルメディアフレーム310が動作の主体として説明されることがあるが、実際には、上述した各機器のコントローラが各機器の構成要素を制御しながら当該動作を実現している。説明の簡単化のため、詳細な構成要素を挙げた説明は省略することがある。
図6は、デジタルカメラ100と画像共有サーバ300との初回接続時の動作を説明するためのフローチャートである。
デジタルカメラ100のユーザは、デジタルカメラ100と、画像共有サーバ300とを接続するにあたって、まず、デジタルカメラ100の操作部150を操作して、画像共有メニューを選択する(S400)。具体的には、まず、ユーザは、デジタルカメラ100のメニュー画面を液晶ディスプレイ123に表示させる。次に、ユーザは、液晶ディスプレイ123に表示されたメニュー一覧の中から、画像共有メニューを操作部150の操作により選択した後、メニュー決定操作を行う。ユーザにより、画像共有メニューが選択決定されると、デジタルカメラ100のコントローラ130は、フラッシュメモリ142に格納されている画像共有アプリケーションを読み出し、起動処理を行う(S401)。これにより、コントローラ130は、画像共有にかかる各種機能を実行することができるようになる。
コントローラ130は、まず、デジタルカメラ100と、画像共有サーバ300が初めて接続されるのか否かを確認する(S402)。具体的には、デジタルカメラ100と、画像共有サーバ300との接続が初めてではない場合、詳細は後述のように、フラッシュメモリ142には管理テーブル(表1)が格納されている。従って、フラッシュメモリ142にそのアカウント情報および、アクセス番号が格納された管理テーブルが存在していないことにより、コントローラ130は、デジタルカメラ100と、画像共有サーバ300とが初めて接続されると判断する。
画像共有サーバ300との接続が初めてのとき、デジタルカメラ100のコントローラ130は、デジタルカメラ100の機器IDを画像共有サーバ300に送信する。デジタルカメラ100の機器IDは、デジタルカメラ100の製品個体に固有の情報であり、製品製造時に付与される情報である(S403)。すなわち、デジタルカメラ100と同一の機種のカメラであったとしても、機器IDは互いに異なる。これにより、画像共有サーバ300は、デジタルカメラの製品を個々に区別することが可能となる。また、機器IDは、たとえば製品の製造元、製品カテゴリ、機種名、固有番号とから構成されている。これにより、画像共有サーバ300は、機器IDに対応する製品の製造元、製品カテゴリ、機種名、固有番号に応じて、各種制御を行ったり、各種規制を行ったり、各種サービスを提供することが可能となる。例えば、画像共有サーバ300が許可する製造元の製品に対してのみ、各種サービス等を提供することができる。或いは、製品カテゴリ、機種名に応じて、画像共有サーバ300がサービス内容を変更する等の制御を行うことができる。
画像共有サーバ300は、デジタルカメラ100から機器IDを取得すると、機器IDの内容を確認する(S404)。まず、画像共有サーバ300は、機器IDに含まれる製造元情報を読み出す。なお、機器IDと製造元情報とを対応付けたテーブルを予め用意しておき、当該テーブルを参照することにより、読み出された機器IDから製造元情報を取得してもよい。
機器IDに含まれる製造元情報が、画像共有サーバ300の許可する製造元でなかった場合、画像共有サーバ300は、デジタルカメラ100に対して接続不可の旨を通知する。一方、機器IDに含まれる製造元情報が、画像共有サーバ300の許可する製造元であった場合、画像共有サーバ300は、この機器IDに紐付けられたアカウント情報が、画像共有サーバ300内のメモリ領域内に管理されている管理テーブル内に存在するか否かを確認する(S405)。この機器IDに紐付けられたアカウント情報が、管理テーブル内に存在していた場合、画像共有サーバ300は、デジタルカメラ100に対して、すでに画像共有サーバ300内に、デジタルカメラ100の機器IDに対応する記録領域が確保されている旨をデジタルカメラ100に通知する。そして、画像共有サーバ300は、受信した機器IDに対応する記録領域を改めては確保しない。すなわち、すでにデジタルカメラ100の機器IDに対応する記録領域が確保されているのにも関わらず、同一の機器に対して重複して画像共有サーバ300内に記録領域を確保されてしまうことを回避することができる。
一方、機器IDに紐付けられたアカウント情報が、管理テーブル内に存在していない場合、画像共有サーバ300は、該機器IDに紐付けられた記録領域(例えば2GBの記録領域)を確保する(S406)。そして、画像共有サーバ300は、デジタルカメラ100が今後画像共有サーバ300にアクセスするための権限を示すアカウント情報を生成する。同様に、画像共有サーバ300は、この機器IDに紐付けられた記録領域へのデータの書き込み又は、該記録領域に記録されたデータの読み取りのためのアクセス番号を生成する。画像共有サーバ300は、アカウント情報およびアクセス番号を生成すると、機器IDと、アカウント情報と、アクセス番号の三種類の情報を紐付けた管理テーブルを生成する。そして、画像共有サーバ300は、生成した管理テーブルを自身のメモリ領域内に保存する。
画像共有サーバ300は、管理テーブルを生成すると、デジタルカメラ100に対して、生成したアカウント情報および、アクセス番号を通知する(S407)。デジタルカメラ100のコントローラ130は、通知されたアカウント情報および、アクセス番号をフラッシュメモリ142に格納する(S408)。フラッシュメモリ142に格納されたアカウント情報および、アクセス番号は、今後画像共有サーバ300と接続する際に、要求に応じてコントローラ130に読み出される。また、フラッシュメモリ142に格納されたアカウント情報および、アクセス番号は、ユーザの操作部150の操作に応じて、液晶ディスプレイ123に表示される。これにより、フラッシュメモリ142に格納された情報が何らかの理由により削除されてしまったときに備えて、ユーザは、画像共有サーバ300に付与されたアカウント情報および、アクセス番号を書き控えておくことが可能となる。
例えば、すでに画像共有サーバ300上に機器IDに対応する記録領域を有しているのにも関わらず、ユーザがデジタルカメラ100を初期化させた場合は、フラッシュメモリ142からアカウント情報およびアクセス番号が削除されてしまう。そのため、上述のS504において、次にデジタルカメラ100と画像共有サーバ300とを接続させる際、コントローラ130は、初めての接続動作であると判断する。しかしながら、すでに画像共有サーバ300には機器IDに対応する記録領域が存在しているため、新たなアカウント情報は生成されない。その記録領域に対してアクセスするためのアカウント情報およびアクセス番号はデジタルカメラ100内部には保持されていないため、アクセスできない。このような事態に備え、ユーザは、アカウント情報発行時に予め液晶ディスプレイ123に表示させたアカウント情報および、アクセス番号を書き控えておくことで、再び、機器IDに対応する記録領域にアクセスできるようデジタルカメラ100を設定し直すことができる。具体的には、ユーザは、書き控えておいたアカウント情報およびアクセス番号を、デジタルカメラ100に入力操作することにより、デジタルカメラ100を設定し直すことができる。
デジタルカメラ100は、フラッシュメモリ142にアカウント情報と、アクセス番号を格納すると、液晶ディスプレイ123上に、画像共有サーバ300との接続が完了した旨を表示する(S409)。これにより、ユーザは、簡単に接続完了の旨を確認することができる。
以上のように、実施の形態にかかるデジタルカメラ100によれば、ユーザは、画像共有メニューを選択決定して画像共有の指示を行うだけで、デジタルカメラ100と画像共有サーバ300との接続が自動的に完了する。これにより、ユーザにとって使いやすいネットワーク対応デジタルカメラを提供することが可能となる。
図7は、デジタルカメラ100と画像共有サーバ300との二回目以降の接続時の動作を説明するためのフローチャートである。
デジタルカメラ100のユーザは、デジタルカメラ100と、画像共有サーバ300とを接続するにあたって、まず、デジタルカメラ100の操作部150を操作して、画像共有メニューを選択する(S500)。具体的には、まず、ユーザは、デジタルカメラ100のメニュー画面を液晶ディスプレイ123に表示させる。次に、ユーザは、液晶ディスプレイ123に表示されたメニュー一覧の中から、画像共有メニューを操作部150の操作により選択した後、メニュー決定操作を行う。ユーザにより、画像共有メニューが選択決定されると、デジタルカメラ100のコントローラ130は、フラッシュメモリ142に格納されている画像共有アプリケーションを読み出し、起動処理を行う(S501)。これにより、コントローラ130は、画像共有にかかる各種機能を実行することができるようになる。
コントローラ130は、まず、デジタルカメラ100と、画像共有サーバ300が初めて接続されるのか否かを確認する(S502)。上述の通り、今回は、2回目以降の接続であることを想定しており、フラッシュメモリ142にアカウント情報および、アクセス番号が格納されている。コントローラ130は、初めての接続ではないと判断する。
続いて、コントローラ130は、機器IDではなくて、フラッシュメモリ142に格納されたアカウント情報を、画像共有サーバ300に送信する(S503)。機器IDは、製品の一つ一つを特定するための固有情報であり、他者に機器IDが漏洩するということは、製品に紐付けられる画像共有サーバ300上の記録領域の記録内容が漏洩することと等価である。
たとえば、画像共有サーバ300上に確保された記録領域に毎回機器IDによってアクセス可能に構成した場合を想定する。ユーザがデジタルカメラ100を紛失或いは盗難等された場合に、個人情報(個人の画像など)が記録された画像共有サーバ300上の記録領域の記録内容を他者に閲覧されてしまう恐れが有る。そこで、2回目以降の接続においては、機器IDを用いて画像共有サーバ300の認証を行う代わりに、アカウント情報で画像共有サーバ300の認証を行う。
このように、機器IDの代わりとなるアカウント情報を備えておけば、機器ID自体が漏洩したり、機器IDを有する製品を紛失或いは盗難されたとしても、個人情報にアクセスされることはない。なお、画像共有サーバ300上に確保された記録領域との紐付けは、アカウント情報ともされている。そのため、ユーザは、必要に応じて、画像共有サーバ300に通知することで、確保された記録領域と機器IDの紐付けを切り離すことができる。この詳細は図10を参照しながら後述する。
画像共有サーバ300は、デジタルカメラ100からアカウント情報を取得すると、管理テーブルに、このアカウント情報が存在するか否かを確認する(S504)。画像共有サーバ300は、デジタルカメラ100から取得したアカウント情報が、管理テーブルに存在しない場合、その旨と、初期化を促す旨をデジタルカメラ100に通知する。ユーザは、デジタルカメラ100を初期化して、フラッシュメモリ142内の記録をリセットした後、図6を用いて説明した初期設定を行う。これにより、画像共有サーバ300は、デジタルカメラ100の機器IDに紐付けられた記録領域を確保する。
一方、デジタルカメラ100から取得したアカウント情報が、管理テーブルに存在している場合、画像共有サーバ300は、デジタルカメラ100のコントローラ130に対してアクセス番号を要求する(S505)。これに対して、デジタルカメラ100のコントローラ130は、フラッシュメモリ142に格納されたアクセス番号を読み出し、画像共有サーバ300に返信する(S506)。画像共有サーバ300は、アクセス番号をデジタルカメラ100から取得すると、デジタルカメラ100が画像共有サーバ300上の機器IDに紐付けられた記録領域にアクセスすることを許可する旨を通知する(S507)。
デジタルカメラ100のコントローラ130は、ステップS507の画像共有サーバ300からの許可通知を受信すると、液晶ディスプレイ123に、フラッシュメモリ142或いはメモリカード140に記録されている画像を表示する(S508)。このときの表示は、一枚表示であってもよいし、サムネイル一覧等による表示であってもよい。ユーザは、液晶ディスプレイ123に表示される画像一覧を見ながら、操作部150を操作することにより、画像共有サーバ300に送信したい画像を選択する(S509)。ここでの選択は、一枚のみの選択でもよいし、複数枚を選択するようにしてもよい。更には、画像ファイル単位ではなく、フォルダ単位による選択でもよい。
ユーザにより、送信対象の画像が選択決定されると、デジタルカメラ100のコントローラ130は、画像共有サーバ300に選択した画像を一括して送信する(S510)。送信操作をしている間、コントローラ130は、液晶ディスプレイ123に送信動作中である旨を表示する。これにより、ユーザは、送信動作中であることを確認することができる。
画像共有サーバ300は、デジタルカメラ100から画像を取得すると、すでに取得しているアクセス番号に対応する記録領域に、取得画像を順次記録する(S511)。画像共有サーバ300は、記録動作を終えると、デジタルカメラ100に対して完了の旨を通知する(S512)。
デジタルカメラ100のコントローラ130は、画像共有サーバ300から完了の旨が通知されると、液晶ディスプレイ123の表示を送信対象の画像を選択する画面に移行する(S513)。これにより、ユーザは、フラッシュメモリ142やメモリカード140に記録された画像を、画像共有サーバ300に送信する操作を継続して行うことができる。
図8は、デジタルメディアフレーム310と画像共有サーバ300との接続時の動作を説明するためのフローチャートである。
図8において、ステップS600の画像共有メニューの選択、ステップS601の画像共有アプリケーションの起動、ステップS602の初めての接続を確認、ステップS603の機器IDの自動送信、ステップS604の機器IDの確認、ステップS605のアカウント情報の確認、ステップS606のメモリ領域の確保、ステップS607のアカウント情報およびアクセス番号の発行までの動作は、図6を用いて説明したステップS401からステップS407の動作と同様であるため、説明を省略する。なお、図6のステップS401からステップS407における、デジタルカメラ100の動作については、デジタルメディアフレーム310の動作と読み替える必要がある。
デジタルメディアフレーム310は、画像共有サーバ300からアカウント情報と、アクセス番号とを取得すると、フラッシュメモリ317に、取得したアカウント情報と、アクセス番号とを格納する(S608)。そして、デジタルメディアフレーム310は、液晶モニタ315に、アクセス番号を表示する(S609)。デジタルメディアフレーム310のユーザは、液晶モニタ315に表示されたアクセス番号を書き控えて、画像を提供してもらいたい第三者に教える。アクセス番号の第三者による教え方は、メール送信による通知に基づき設定する方法でもよいし、口頭で番号を教えて第三者が所持する通信装置にそのアクセス番号を設定する方法でもよい。このアクセス番号は、デジタルメディアフレーム310のフラッシュメモリ317に格納された機器IDに紐付けられている画像共有サーバ300上の記録領域に対する番号である。そのため、第三者から見れば、アクセス番号は、デジタルメディアフレーム310のユーザ宛の郵便受けに例えることができる。
図8において、ステップS610のアカウントの自動送信、ステップS611のアクセス番号の要求、ステップS612のアクセス番号の返信、ステップS613の許可通知は、図7を用いて説明したステップS503、ステップS505、ステップS506、ステップS507の動作と同様であるため、説明を省略する。なお、図7のステップS503、ステップS505、ステップS506、ステップS507における、デジタルカメラ100の動作については、デジタルメディアフレーム310の動作と読み替える必要がある。
図8において、デジタルカメラ100は、デジタルメディアフレーム310のユーザからアクセス番号を取得した第三者の所有物であるとする。この第三者は、デジタルカメラ100を操作して、投稿用メニューを起動させる(S616)。デジタルカメラ100のコントローラ130は、投稿用メニューを起動させると、アクセス番号の設定をユーザに促す。そこで、この第三者は、デジタルカメラ100を操作して、デジタルメディアフレーム310のユーザから教えてもらったアクセス番号を入力し設定する。これにより、デジタルカメラ100は、自身のメモリカード等に記録している画像データ等のコンテンツデータを、デジタルメディアフレーム310の機器IDに紐付けられた画像共有サーバ300内の記録領域(上記ユーザの専用記録領域)に投稿することが可能な状態になる。デジタルカメラ100から投稿する際、デジタルカメラ100のコントローラ130は、画像共有サーバ300内の専用記録領域の残容量を問い合わせる(S617)。画像共有サーバ300は、専用記録領域の残容量を確認し、新しい投稿の受け入れが可能な容量の余裕がある場合は、デジタルカメラ100に対して受入れ許可の旨を通知する(S618)。デジタルカメラ100は、画像共有サーバ300から受入れ許可を受信すると、デジタルメディアフレーム310のユーザから教えてもらったアクセス番号に従って、投稿したい画像データを画像共有サーバ300に送信する(S619)。画像共有サーバ300は、デジタルカメラ100から新しい投稿を受け付けた旨を示す新着フラグを格納する。デジタルカメラ100による専用記録領域への投稿は、第三者の任意のタイミングにて行われる。デジタルカメラ100は、専用記録領域への投稿は可能であるが、閲覧は禁止されている。これは、専用記録領域は、デジタルメディアフレーム310のユーザのプライベート領域であり、自由に閲覧できてしまうのは支障があるためである。
デジタルメディアフレーム310のコントローラ312は、上述したステップS613の許可通知を受け付けると、画像共有サーバ300に新しい投稿があるか否かを問い合わせる。画像共有サーバ300は、先に格納した新着フラグを確認することにより、新しい投稿があると判断し、デジタルメディアフレーム310に対して新しい投稿が存在する旨を通知する。デジタルメディアフレーム310は、画像共有サーバ300から、新しい投稿が存在する旨を受信すると、その新しい投稿の取得を画像共有サーバ300に対して要求する。画像共有サーバ300は、新しい投稿の取得要求をデジタルメディアフレーム310から取得すると、新しい投稿(静止画像や動画像などの新着画像)を、デジタルメディアフレーム310に送信する(S614)。デジタルメディアフレーム310のユーザにとっては、画像共有サーバ300に対して新しく投稿された新着画像が、あたかも自動的にダウンロードされているという印象をもつ。
デジタルメディアフレーム310は、新着画像のダウンロードが終わると、ダウンロード済みの画像を削除するよう、画像共有サーバ300に対して指示する(S615)。画像共有サーバ300は、デジタルメディアフレーム310からの削除指示を受けて、デジタルメディアフレーム310がダウンロード済みの画像を、デジタルメディアフレーム310の機器IDに紐づいている記録領域から削除する(S620)。
デジタルメディアフレーム310のユーザにとってしてみれば、いつでもデジタルカメラ100からの最新の投稿画像を取得できることが望ましい。一方、画像共有サーバ300内に確保された記録領域には容量に限りがあるという課題がある。仮に、画像共有サーバ300内に確保された記録領域の容量に余裕がないときは、上記ステップS617にてデジタルカメラ100が新しく画像を投稿しよう残容量を確認しても、容量に余裕がなく送信できないという事態が生じる。
しかしながら、本実施の形態にかかるデジタルメディアフレーム310によれば、新着画像のダウンロードが完了すると、その画像を画像共有サーバ300から削除するよう指示する。よって、画像共有サーバ300の記録領域に、可能な限り余裕を持たせることができる。これにより、デジタルメディアフレーム310のユーザは、いつでも新着画像を楽しむことができる。
また、デジタルメディアフレーム310は、電源が入っている限り、ステップS610からステップS615の動作について、所定の間隔(例えば、2時間間隔や1日間隔など)でポーリングする。これにより、デジタルメディアフレーム310は、画像共有サーバ300に新しく投稿された新着画像を、定期的に自動ダウンロードすることができる。
続いて、本実施の形態にかかる通信システムの名寄せ動作について説明する。
本実施の形態にかかる通信システムによれば、通信装置(デジタルカメラ100、デジタルメディアフレーム310など)の機器IDに紐づいた記録領域が画像共有サーバ300上に確保される。各通信装置は、自身の機器IDに紐ついた記録領域を画像共有サーバ300に確保することができる。仮に、一人のユーザが、複数の通信装置を所持していた場合、その複数の通信装置のそれぞれに対して、それぞれの機器IDに紐付けられた記録領域が画像共有サーバ300内に確保される。画像共有サーバ300は、機器IDにて記録領域を管理しているのみであり、その機器IDの示す製品のユーザが誰であるかまではこの時点では把握できていない。このように、一人のユーザに対して、画像共有サーバ300内に複数の記録領域が存在していると、そのユーザは、自身の所有する複数の記録領域のすべてのコンテンツを閲覧するのには、複数のアカウントを切り替える必要があり、労力を要する。
そのため、本実施の形態にかかる通信システムは、複数の通信機器のそれぞれに対して生成された、複数の記録領域のアカウント同士の紐付けを行う(以下、この紐付けのことを「名寄せ」と呼ぶ)。名寄せを行うことにより、ユーザは、自身の所有する複数の記録領域を横断的に閲覧することが可能となる。
図9は、複数の通信装置に付与されたアカウントを名寄せする動作を説明するためのフローチャートである。ユーザは、PC250を操作することにより、デジタルカメラ100や、デジタルメディアフレーム310など複数の通信装置に対して付与された記録領域の名寄せを行うことができる。
まず、ユーザは、PC250のマウス262等のユーザインタフェースを操作して、画像共有メニューを選択する(S700)。ユーザにより画像共有メニューが選択されると、PC250のコントローラ251は、画像共有アプリケーションを起動して、画像共有サーバ内のユーザ自身の記録領域の閲覧等をするためのサービス画面を液晶モニタ256に表示する。ユーザは、マウス262等を操作することにより、液晶モニタ256に表示されたサービス画面の中から、マスターアカウント取得メニューを選択する(S701)。マスターアカウントとは、画像共有サービスを受ける際、PC250においてユーザ個人に対して与えられるアカウントである。
PC250のコントローラ251は、ユーザからマスターアカウント取得メニューの選択を受け付けると、画像共有サーバ300に対して、マスターアカウントの取得を要求する(S702)。なお、ユーザによるマスターアカウント取得メニューの選択の際、そのユーザの個人情報等を設定して画像共有サービスの会員登録を行う。
画像共有サーバ300は、PC250からマスターアカウントの取得要求を受信すると、このマスターアカウントを要求するユーザの個人登録情報に紐づいた記録領域を確保する(S703)。そして、画像共有サーバ300は、この確保した記録領域を示すアクセス番号と、個人登録情報、マスターアカウントを管理テーブル内に紐付けて管理する。そして、画像共有サーバ300は、PC250に対して、マスターアカウントとアクセス番号を発行する(S704)。これにより、ユーザに対してマスターアカウントが付与された状態となる。表2は、マスターアカウントを含む管理テーブルの構成例を示す。具体的な値は省略している。
表2において、「機器ID:N」、「アカウント情報:N」、「アクセス番号:N」は、PC、デジタルメディアフレーム等の、登録が完了している通信装置ごとに設けられる。
ユーザは、マスターアカウントが付与された状態において、名寄せメニューを選択することができる。ユーザは、マウス262等を操作して、液晶モニタ256に表示された画像共有サービスの画面上から名寄せメニューを選択する(S705)。ユーザにより、名寄せメニューが選択されると、PC250は画像共有サーバ300に対して、名寄せを要求する(S706)。この名寄せの要求は、アカウントの統合に関する要求である。本明細書では「アカウントの統合要求」と呼ぶこともある。
画像共有サーバ300は、PC250からの名寄せ要求を受信すると、どの通信装置のアカウント情報およびアクセス番号を名寄せの対象とするかを把握するために、PC250に対してアカウント情報とアクセス番号とを要求する(S707)。PC250は、名寄せの対象とする通信装置のアカウント情報とアクセス番号とを入力できる画面を、液晶モニタ256に表示する。ユーザは、キーボード263等を用いて、名寄せの対象としたい通信装置のアカウント情報とアクセス番号とを入力する(S708)。
例えば、ユーザが所持するデジタルカメラ100と、デジタルメディアフレーム310に割り当てられたアカウント情報およびアクセス番号を名寄せの対象としたい場合、デジタルカメラ100に対して付与されたアカウント情報およびアクセス番号、デジタルメディアフレーム310に対して付与されたアカウント情報およびアクセス番号を、PC250に入力する。ユーザは、名寄せ対象の通信装置のアカウント情報とアクセス番号の入力を終えたら、決定を指示する。
PC250は、名寄せ対象の通信装置のアカウント情報と、アクセス番号の入力が決定されると、これらアカウント情報とアクセス番号を画像共有サーバ300に通知する(S709)。画像共有サーバ300は、アカウント情報とアクセス番号の通知を受けると、画像共有サーバ300のメモリ内にて管理している管理テーブル内に、通知を受けたアカウント情報とアクセス番号とが存在しているか否かを確認する。通知を受けたアカウント情報とアクセス番号とが存在していない場合、画像共有サーバ300は、PC250に対して、通知されたアカウント情報およびアクセス番号が存在しない旨を通知する。一方、存在している場合、画像共有サーバ300は、通知されたアカウント情報およびアクセス番号によって規定される記録領域を、マスターアカウントによって規定される記録領域と紐付ける(S710)。具体的には、表2の管理テーブルに、マスターアカウントに関する情報に加えて、名寄せ対象としたデジタルカメラ100、デジタルメディアフレーム310の機器ID、アカウント情報、アクセス番号を併記する。PC250は、マスターアカウントに関する情報に加えて併記された、機器ID、アカウント情報、アクセス番号を参照することにより、マスターアカウントに紐付けられた機器を認識することができる。
例えば、ユーザ自身が、デジタルカメラ100と、デジタルメディアフレーム310のアカウント情報とアクセス番号を入力していた場合、デジタルカメラ100に付与された記録領域と、デジタルメディアフレーム310に付与された記録領域が、マスターアカウントに付与されている記録領域と紐付けられる。これにより、ユーザは、PC250において、マスターアカウントを用いて画像共有サービスにログインしたときに、デジタルカメラ100の記録領域および、デジタルメディアフレーム310の記録領域を閲覧又は編集を行うことができる。
名寄せが完了すると、画像共有サーバ300は、PC250に対して完了の旨を通知する(S711)。そして、PC250のコントローラ251は、液晶モニタ256に完了の旨を表示する。これにより、PC250のユーザは、名寄せが完了したことを把握できる。
以上のように、本実施の形態の通信システムでは、名寄せを行うことにより、複数の通信装置のそれぞれに対して、画像共有サーバ300内に記録領域が確保されている場合においても、それぞれの記録領域はマスターアカウントに紐づいているため、ユーザは、横断的に閲覧または編集などを行うことができる。また、名寄せが完了すると、ユーザの個人登録情報、マスターアカウント、マスターアカウントに対する記録領域のアクセス番号、通信装置(デジタルカメラ100、デジタルメディアフレーム310など)の機器ID、機器IDに紐づいた記録領域のアカウントおよびアクセス番号とを管理テーブルに関連付けて格納する。これにより、画像共有サーバ300は、ユーザと、そのユーザの所持している通信装置とを把握することができる。なお、名寄せを行った後も機器IDが維持されているため、機器IDに紐づいた記録領域が無限に付与されるということはない。これは、管理テーブルに保持されたアクセス情報と、アクセス番号とにより、当該機器IDにすでに記録領域が付与されていることがわかるためである。
なお、図9のステップS703では、マスターアカウントの取得要求(S702)に応答して新たな記録領域が確保されるとして説明した。しかしながら、常に新たな記録領域を確保する必要はない。たとえば、新たな記録領域を確保する代わりに、カメラやテレビ等の機器に対応して取得されたアカウントに対応する記録領域を、マスターアカウントでアクセスできる領域としてもよい。
本実施の形態にかかる通信システムによれば、各通信装置は、それぞれの機器IDに紐いた記録領域を、画像共有サーバ300上に確保する。そして、通常の通信においては、各通信装置は、付与された記録領域に対するアカウント情報とアクセス番号とを用いて、アクセスする。
一方、画像共有サーバ300内に記録領域が確保された通信装置を、転売する場合、紛失した場合、盗難された場合などには、所有者であるユーザとは異なる第三者がこの通信装置を手にしてしまう可能性がある。このとき、この通信装置の機器IDと、画像共有サーバ300内の記録領域とが紐付けられた状態のままでは、この第三者に、元々の所有者であるユーザのプライベートなコンテンツなどを閲覧されてしまう恐れがある。そのため、本実施の形態にかかる通信システムでは、PC250を介したユーザ操作に基づき、機器IDおよびアカウント情報、アクセス番号を無効にする。この結果、画像共有サーバ300内に確保された記録領域に対してアカウント、アクセス番号によるアクセスが出来なくなり、転売、紛失、盗難などにより意図せぬ第三者の手に通信装置が渡ったとしても、プライベートなコンテンツを閲覧される恐れが少なくなる。
図10は、アカウントと記録領域と通信装置との紐付けを解消する処理時の動作を説明するためのフローチャートである。この処理は、たとえばユーザがPCを操作して紐付け解消要求を行なうことを契機として実行される。
まず、ユーザは、PC250のマウス262等のユーザインタフェースを操作して、画像共有メニューを選択する(S800)。ユーザにより画像共有メニューが選択されると、PC250のコントローラ251は、画像共有アプリケーションを起動して、画像共有サーバ内のユーザ自身の記録領域の閲覧等をするためのサービス画面を液晶モニタ256に表示する。ユーザは、マウス262等を操作することにより、液晶モニタ256に表示されたサービス画面の中から、転売メニューを選択する(S801)。
PC250は、ユーザにより転売メニューの選択を受け付けると、画像共有サーバ300に対して、指定の通信装置(機器ID)と記録領域(当該機器IDに対して付与された記録領域)との紐付けの解消を要求する(S802)。
画像共有サーバ300は、PC250から紐付けの解消要求を受け付けると、紐付け解消要求の対象の通信装置のユーザがマスターアカウントを取得しているか否かを確認する。ユーザが、マスターアカウントを取得していなかった場合は、マスターアカウントの取得を促す旨をPC250に通知する。これは、紐付け解消対象の通信機器(機器ID)に対して付与された記録領域が、当該通信装置(機器ID)との紐付け解消後に、マスターアカウントに紐付けされるようにしているためである。紐付け解消対象の記録領域を、今後も閲覧を所望するユーザは、この段階でマスターアカウントを取得すればよい。
一方、画像共有サーバ300は、紐付け解消を要求している通信装置のユーザがマスターアカウントを取得していた場合、紐付け解消する対象の通信装置のアカウント情報と、アクセス番号とをPC250に要求する(S803)。
PC250のコントローラ251は、液晶モニタ256に、紐付け解消する対象の通信装置のアカウント情報と、アクセス番号とを入力するための画面を表示する。PC250のユーザは、このPC250の液晶モニタ256の画面を見ながら、キーボード263等を操作して、紐付け解消する対象の通信装置のアカウント情報およびアクセス番号を入力する(S804)。例えば、デジタルカメラ100の紐付け解消を所望する場合、ユーザは、デジタルカメラ100に対して画像共有サーバ300内に付与された記録領域のアカウント情報およびアクセス番号を入力する。
PC250のコントローラ251は、ユーザによる入力を受け付けたアカウント情報とアクセス番号を、画像共有サーバ300に対して通知する(S805)。画像共有サーバ300は、通知されたアカウント情報とアクセス番号とに従って、対象の通信装置(例えば、デジタルカメラ100)に対して付与されている記録領域と、対象の機器IDと、通知されたアカウント情報とアクセス番号とを無効にする(S806)。
続いて、画像共有サーバ300は、機器ID、アカウント情報、アクセス番号との紐付けの解消された記録領域を、マスターアカウントを用いてアクセスできる記録領域とする。このとき、通信装置に紐づいていた記録領域のコンテンツデータ(画像データ等)は、そのまま残存した形で記録領域に含まれる。ユーザは、PC250を介してマスターアカウントを用いることにより、紐付けを解消した通信装置に紐づいていた記録領域のコンテンツデータを閲覧および編集することができる。また、紐付けが解消された通信装置は、機器ID、アカウント情報、アクセス番号が無効にされているため、第三者の手に渡ったとしても、画像共有サーバ300内にて元々紐づいていた記録領域を閲覧することはできない。
画像共有サーバ300は、紐付け解消動作が終了すると、転売可能の旨を、PC250に通知する(S807)。PC250のコントローラ251は、画像共有サーバ300から完了通知を受信すると、液晶モニタ256に転売可能の旨を通知する(S808)。これにより、ユーザは、紐付けを解消した通信装置(デジタルカメラ100など)を、安全に転売することが可能となる。或いは、紛失したりや盗難されたりした通信装置の紐付けを解消することで、ユーザは、プライベートデータの安全を確保することができる。
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、上述の実施の形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施の形態1〜Nで説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
以下、上述した実施の形態の変形例を説明する。
上述した実施の形態の説明ではPC250を例示したが、本発明はこれに限定されない。PC250に代えて、またはPC250とともに、スマートフォンや、タブレット端末を用いるようにしてもよい。更には、デジタルカメラ100や、デジタルメディアフレーム310などの通信装置そのものに、上述したPC250のようなマスター機能を持たせるようにしてもよい。
上述した実施の形態の説明ではデジタルカメラ100を例示したが、本発明はこれに限定されない。画像共有サーバと通信可能であり、画像データ(静止画像、動画像)、音声データ、文字データなどのコンテンツデータを提供可能な機器であれば、他の種類の通信装置であってもよい。
上述した実施の形態の説明では、デジタルメディアフレーム310を例示したが、本発明はこれに限定されない。画像共有サーバと通信可能であり、画像データ(静止画像、動画像)に基づく画像の表示、音声データに基づく音声の出力、文字データに基づく文字の表示など、コンテンツを出力可能な機器であれば、他の種類の通信装置であってもよい。
上述の実施の形態の説明では、画像共有サーバ300の筐体内にHDD304が設けられており(図4)、また、HDD304内に、複数の機器IDに対応付けられた複数の記録領域が確保されるとした。しかしながら、HDD304は、画像共有サーバ300の筐体内に1台のみ設けられている必要はない。HDD304内のデータは複数の記憶装置に分散して記録されてもよい。
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。
したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
〔3.効果等〕
以上のように、本実施の形態において、通信システム50は、少なくとも1つの通信装置、および少なくとも1つの通信装置とネットワーク104を介して通信可能なサーバ300を有する。少なくとも1つの通信装置は、たとえばデジタルカメラ100、PC250、デジタルメディアフレーム310である。
ある実施形態において、デジタルカメラ100は、自装置を一意に特定する固有情報を格納した格納部142と、サーバ300と初めて通信するときに、固有情報をサーバに送信する通信部171とを備えている。サーバ300は、記録装置304と、固有情報を受信するサーバ通信部301と、固有情報の受信に応答して、固有情報に関連付けた記録領域を記録装置に確保するコントローラ302とを備えている。コントローラ302は、確保された記録領域に対するアクセスを許容するためのアカウント情報であって、取得した固有情報に関連付けられたアカウント情報を生成する。サーバ通信部301は、アカウント情報を固有情報を送信したデジタルカメラ100に送信する。
システム自体に対するセキュリティ性の高い固有情報(機器ID)は、デジタルカメラ100とサーバ300とが初めて通信するときに用いる。サーバ300のコントローラ302は、固有情報の受信に応答して、固有情報に関連付けた記録領域を記録装置に確保し、取得した固有情報に関連付けられたアカウント情報を生成する。サーバ通信部301は、そのアカウント情報を固有情報を送信したデジタルカメラ100に送信する。デジタルカメラ100は、二回目以降は機器IDの代わりにサーバ300から発行されるアカウント情報と、アクセス情報を用いる。これにより、システム構成自体のセキュリティの保護をしつつ、使用者にとってより簡単に活用可能な通信システムを提供することができる。
また本実施の形態において、サーバ通信部301は、確保された記録領域へのアクセスを可能にするための、記録領域の場所を示すアクセス情報をさらに送信する。
また本実施の形態において、アカウント情報を受け取った後、デジタルカメラ100の通信部171は、アカウント情報およびアクセス情報を用いて、サーバ300の記憶装置304に確保された記録領域にアクセスする。これにより、デジタルカメラ100は、アクセス情報を用いて記録領域にアクセスするための記録領域を一意に特定することができる。
また本実施の形態において、デジタルカメラ100の通信部171は、コンテンツデータを送信し、サーバ300の記憶装置304は、コンテンツデータを記録領域に記録する。これにより、デジタルカメラ100はサーバ300にコンテンツデータをアップロードできる。
また本実施の形態において、デジタルメディアフレーム310の通信部311は、記録領域から読み出されたコンテンツデータを受信する。これにより、デジタルメディアフレーム310はサーバ300からコンテンツデータをダウンロードできる。
また本実施の形態において、サーバ300のコントローラ302は、記録領域と固有情報とを関連付け、かつ記録領域とアカウント情報とを関連付けている。サーバ通信部301が、所定の要求(紐付け解消要求)とともに、アカウント情報をPC250から受け取ったときにおいて、サーバ300のコントローラ302は、記録領域と固有情報との関連付けを解除し、記録領域とアカウント情報との関連づけは維持する。これにより、ユーザは、関連付けを解消した通信装置に紐づいていた記録領域のコンテンツデータを閲覧および編集することができる。
サーバ通信部301は、関連付けを解消する要求とともに、アカウント情報をPC250から受け取る。通知されたアカウント情報を無効にすることにより、関連付けを解消した通信装置(デジタルカメラ100など)を、安全に転売することが可能となる。或いは、紛失したりや盗難されたりした通信装置の関連付けを解消することで、ユーザは、プライベートデータの安全を確保することができる。