JP5956967B2 - コンクリート橋桁の養生方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コンクリートの場所打ち(現場打ち)によって架設されるコンクリート橋桁の養生方法に関する。
コンクリート橋梁を架設するための一般的な工法としては、施工現場の支持地盤上に適宜の支保工を組み上げて作業足場を設置するとともに、その支保工を利用して橋桁の鉄筋構造体および型枠を組み付け、前記型枠内にコンクリートを打設して橋桁を構築する場所打ち固定式支保工架設工法が代表的である。
また、河川や渓谷などを跨ぐ橋梁においては、その下方に固定式支保工を組み上げることができないので、先に橋脚または橋台を構築し、その橋脚または橋台から橋軸方向に数m程度の長さの施工ブロック単位で橋桁を順次、張り出すように延設してゆく片持ち張出工法がよく利用される(例えば、特許文献1、2等)。
従来の一般的な片持ち張出工法では、図15に示すように、構築済みの橋脚11または橋台の頂部に「ワーゲン」と称される架設作業車21を設置する。この架設作業車21は、橋面12上に固定されたレール3に沿って橋軸方向に移動させることができる。この架設作業車21から、橋脚または橋台に隣接する施工ブロックの型枠5および作業足場4を吊持する。その作業足場を利用して当該施工ブロックの鉄筋構造体を組み付け、PC鋼材のシースを接続するなどした後、その型枠内にコンクリートを打設して、当該施工ブロックの橋桁を構築する。
打設したコンクリートが型枠を取り外してよい強度に達したら型枠5を取り外し、架設作業車21をレール3に沿って前進させ、型枠5を次の施工ブロックの位置まで移動させる。そして、同様に次の施工ブロックの橋桁を構築し、この工程を繰り返して橋桁を延設してゆく。モーメントのバランスをとるために、通常は橋脚11または橋台の両側を同時並行で施工する。
ところで、このようにコンクリートの場所打ちによって構築される建造物にあっては、施工期間中のコンクリートの養生が施工品質を大きく左右する。コンクリートが急激に乾燥収縮すると、ひびわれが生じて強度や耐久性が損なわれるので、それを防ぐために、コンクリートを一定期間、適正な湿潤状態に維持することが求められる。
橋梁が架設されるような屋外高所の環境にあっては、施工中のコンクリートが絶えず強い日射や強風に晒されるので、コンクリートの乾燥も格段に早くなる。かかる事情から、従来のコンクリート橋梁工事においては、橋面を構成するコンクリート床版の表面に湿潤養生用マットを敷設したり(特許文献3)、床版を屋根及び側壁で覆って床版の表面に散水したりする(特許文献4)などの養生方法が採用されている。
特開平6−185018号公報 特開平11−256521号公報 特開2009−30246号公報 特開2004−162375号公報
コンクリート橋桁には、図16(a)に示すような矩形の中空断面を有する箱桁橋91や、同図(b)に示すような円形の中空断面を有する中空床版橋92、同図(c)に示すような複数のT字桁によって上床版を支持する版桁橋93等がよく採用される。これらのコンクリート橋桁では、橋桁の全断面がコンクリートで一体的に形成される。
しかしながら、前記従来の養生方法によってコンクリートの打設箇所を湿潤状態に維持できるのは上床版(上フランジ)94の表面だけである。張出床版95や底床版(下フランジ)96の下面、箱桁橋91の左右側壁(ウェブ)97や版桁橋の主桁98等の養生を行うには、そのための支保工や設備が必要になるが、それらを屋外高所で組み立て、また解体し移動するには大きな困難が伴う。そのため、この種のコンクリート橋桁の側面部分や下面部分を効率的に養生する方法は、未だ実用化されていないのが実情である。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、特に場所打ちコンクリートによって構築される橋桁の側面や下面等にも適用可能な養生方法を提供するものである。
前述の目的を達成するために、本発明のコンクリート橋桁の養生方法は、橋梁の施工現場に適宜の支保工を介して作業足場を設置し、この作業足場を利用して橋桁の鉄筋構造体および型枠を組み付け、前記型枠内にコンクリートを打設して全断面がコンクリートからなる橋桁を構築するコンクリート橋梁の架設工事において、前記橋桁の側方および下方に設置した作業足場を利用して、前記橋桁の左右両側面および底面からそれぞれ適宜距離を隔てた位置に被覆面を設けて前記橋桁の側方および下方を被覆するとともに、前記被覆面によって被覆された領域の内側に散水ノズル付きの給水管を配設し、前記散水ノズルから前記領域内に水を噴霧して前記領域内を湿潤状態に維持することにより、脱型後の橋桁の側面および底面を養生する、との構成を採用する。このように、橋桁を構築するための作業足場を利用して橋桁の側方および下方を被覆し、その内側に水を噴霧して湿潤状態を維持することにより、橋桁の側面および底面を好適に養生することができる。
さらに、本発明のコンクリート橋桁の養生方法は、構築済みの橋体上に、橋軸方向に移動可能な足場吊持手段を設置し、前記足場吊持手段を用いて構築済みの橋体の前端側に型枠および作業足場を吊持しながら、所定長さの施工ブロック単位で鉄筋構造体および型枠を組み付け、前記型枠内にコンクリートを打設して、全断面がコンクリートからなる橋桁を順次、橋軸方向に延設するコンクリート橋梁の架設工事において、前記作業足場を利用して、現施工中のブロックにおける橋桁の左右両側面、前端面および底面からそれぞれ適宜距離を隔てた位置に被覆面を設けて前記橋桁の左右両側方、前方および下方を被覆するとともに、前記被覆面によって被覆された領域の内側に散水ノズル付きの給水管を配設し、前記散水ノズルから前記領域内に水を噴霧して前記領域内を湿潤状態に維持することにより、現施工中のブロックにおける脱型後の橋桁の側面、前端面および底面を養生し、前記被覆面および給水管を前記作業足場とともに橋軸方向に移動させながら、前記養生工程を施工ブロック単位で繰り返す、との構成を採用する。この構成によれば、特に片持ち張出工法を採用する場合において、橋桁の側面および底面を、施工ブロック単位で好適に養生することができる。
前記各構成において、前記作業足場については、足場布板を略水平に隙間なく敷設して形成された作業床と、該作業床の上に門型の鋼管製建枠を適宜の高さまで組み上げて形成される枠組足場とを具備するものとし、前記被覆面については、前記作業床と、前記枠組足場を構成する縦横の枠材に沿って前記橋桁に面するように張設された被覆シートとを、一体的に連続させることによって構成されるものとするのが好ましい。このように、作業床が被覆面の一部を兼ねるように構成すれば、被覆シートを縦方向に張設するだけで、効率的に橋桁を被覆することができる。
前記各構成における被覆シートの具体的構成としては、所定寸法の長矩形に形成された単位シートを複数枚、継ぎ合わせて形成されてなるものであって、前記各単位シートの縁部にはファスナーが取り付けられて、隣接する単位シートの縁部同士が前記ファスナーを介して接合されるとともに、前記各単位シートの角部には、前期枠組足場を構成する縦横の枠材に対する係着手段が設けられているものとするのが好ましい。この構成を採用することにより、被覆シートを、様々な部位に、様々な向きで容易に張設することができる。
前記被覆シートを用いて橋桁を被覆するに際しては、前記橋桁の橋面を養生シートによって被覆するとともに、前記橋桁の左右両側面に面するように張設した被覆シートの上縁部を橋面上まで延設して前記養生シートの左右両縁部に重ねることにより、前記橋桁の橋面から左右両側面にかけての範囲を一体的に被覆するようにしてもよい。
なお、特に片持ち張出工法を採用する場合の被覆面については、現施工中のブロック(コンクリートを打設して脱型した状態にある施工ブロック)だけを被覆するように構成してもよいが、前記作業足場を、少なくとも現施工中のブロックから次の施工ブロックにかけての範囲にわたるように設置するとともに、前記被覆面も、少なくとも現施工中のブロックから次の施工ブロックにかけての範囲を一体的に被覆するように設けてもよい。
この構成を採用する場合には、橋桁が略矩形断面の中空部を有する箱桁であるとき、前記被覆面によって被覆される領域を、前記橋桁の外側から前記中空部まで一体的に連通させて、その領域内の湿度管理を一括的に行うことも可能になる。
また、特に片持ち張出工法を採用する場合においては、構築済みの橋体上に、前記給水管に水を供給するためのタンクおよびポンプ装置を設置し、前記タンクおよび前記ポンプ装置を、前記被覆面および前記作業足場とともに施工ブロック単位で橋軸方向に移動させるか、あるいは、前記ポンプ装置は移動させずにポンプ装置に接続されたホースを延長するなどの構成により、脱型後のコンクリートの養生作業を、施工ブロック単位で効率的に繰り返すことができる。
上述のように構成される本発明のコンクリート橋梁の養生方法によれば、箱桁橋、中空床版橋、版桁橋等における張出床版や底床版の下面、左右側壁や主桁の側面等についても、脱型面を一定期間、湿潤状態に維持して、コンクリートを適切に養生することができる。この養生によって、強い日射や強風に晒される場所打ちコンクリート橋梁の施工品質が格段に向上する。
また、本発明のコンクリート橋梁の養生方法は、橋体を構築するために必要となる従来一般の作業足場や支保工を利用して被覆シートを張設するように構成されているので、従来の工程に、被覆シートを張設して給水管を配設する工程を追加するだけで、大がかりな資機材の追加や工程の変更を要することなく実施することができる。したがって、施工が安全かつ安価であり、また、固定式支保工工法だけでなく、片持ち張出工法や、枠組足場を利用する類似の工法にも柔軟に適用することができる。
片持ち張出工法による橋桁の施工形態を示す平面図(図3、図6におけるA−A矢視図、ただし橋桁上方の架設作業車は想像線で表示)である。 前記橋桁の横断面図(図3、図6におけるB−B矢視図)である。 前記橋桁の橋軸方向縦断面図(図1、図6におけるC―C矢視図)である。 前記橋桁の橋軸方向縦断面図(図1、図6におけるD―D矢視図)である。 前記橋桁の橋軸方向縦断面図(図1、図6におけるE―E矢視図)である。 前記橋桁の橋幅方向縦断面図(図1、図3におけるF―F矢視図)である。 前記橋桁の橋幅方向縦断面図(図1、図3におけるG―G矢視図)である。 図4から施工ブロック1ブロック分前進した施工形態を示す図である。 本発明の第1実施形態として、図2に被覆シートの張設位置と給水管の配設位置を描き加えた図である。 同じく、図4に被覆シートの張設位置と給水管の配設位置を描き加えた図である。 同じく、図6に被覆シートの張設位置と給水管の配設位置を描き加えた図である。 本発明の第2実施形態として、図2に被覆シートの張設位置と給水管の配設位置を描き加えた図である。 同じく、図4に被覆シートの張設位置と給水管の配設位置を描き加えた図である。 同じく、図6に被覆シートの張設位置と給水管の配設位置を描き加えた図である。 従来の一般的な片持ち張出工法の概要を示す側面略図である。 一般的なコンクリート橋桁の断面図であって、(a)は箱桁橋、(b)は中空床版橋、(c)は版桁橋の橋幅方向の断面図である。
まず、本発明が適用されるコンクリート橋桁の架設工事について、図面を参照しつつ説明する。
図1〜図7は、背景技術欄にも説明した片持ち張出工法によるコンクリート橋桁1の一般的な施工形態を例示している。この工法では、既に構築されている橋体(橋脚11、橋台または橋桁)上に、橋軸方向に移動可能な足場吊持手段2を設置する。この足場吊持手段2を用いて、構築済みの橋体の前方に作業足場4および型枠5を吊持しながら、所定長さ(概ね3〜4m)の施工ブロック単位で鉄筋構造体(図示せず)および型枠5を組み付け、その型枠5内にコンクリートを打設する。なお、本明細書においては、橋桁1の延設方向における先端側(図1〜図5における右側)を「前」、構築済みの橋体側を「後」として、各部位や部材の位置関係を説明する。
型枠5内に打設したコンクリートが型枠を取り外してよい強度に達したら、型枠5を取り外し、足場吊持手段2を橋軸方向に沿って前進させ、型枠5を次の施工ブロックの位置まで移動し、同様の手順で次の施工ブロックの橋桁を構築する。通常は、モーメントのバランスをとるために橋脚11または橋台の両側を同時並行で施工しながら、この工程を繰り返して橋桁1を延設してゆく。
なお、例示した橋桁1は、その橋面12が橋軸方向および橋幅方向(橋軸方向に直交する方向)のいずれにも若干、傾斜するように設計されているが、本発明において、橋面12の傾斜角度は特に限定されるものではない。
[足場吊持手段]
片持ち張出工法に利用される足場吊持手段2としては、鉄骨トラス構造体からなる架設作業車(ワーゲン)21と、その架設作業車21を橋軸方向に移動可能な状態で支承するレール31とを組み合わせて構成されるものが一般的である。
架設作業車21は、互いに平行に配置される複数列(例示形態では左右2列)の主構(メインフレーム)22を備えている。各主構22は、側面視略平行四辺形状のトラス構面を有しており、そのトラス構面を橋軸方向に向け、トラス構面の前端側を構築済みの橋体の前方に突き出すようにして、構築済みの橋体に据え付けられる(図3参照)。
左右の主構22同士は、それらの上部に水平に架け渡される前後一対の吊持用横梁23、24を介して、橋幅方向に連結される。これらの吊持用横梁23、24は、大断面の形鋼材を組み合わせて形成され、その両端が橋桁1の幅よりも大きく張り出している。作業足場4をはじめとする様々な仮設資材の大部分は、これら前後の吊持用横梁23、24によって吊持される。吊持用横梁23、24によって連結された主構22の上部には、各種の仮設資材等の吊り下げ作業を行うための上部作業足場25が設けられ、その上方には屋根26が架設されている。また、主構22の前端下方にも、吊持用小梁等を含む補助的な作業足場27が設けられている。
主構22の下部は、橋軸方向に沿って配置された複数列(例示形態では左右2列)のレール31上に支承された状態で、アンカー部材28を介して構築済みの橋体に固定される。各主構22の下部前端には、主構22の据付姿勢を調節するためのメインジャッキ29が設置されている。
レール31は、適宜間隔で配置された複数個の枕木材32を介して橋面12上に据え付けられ、レールアンカー33によって構築済みの橋体に固定される。主構22の下部前端と下部後端は、それぞれローラを有するレール係合部材34、35によって互いに係合されている。さらに、主構22の前部には、主構22とレール31とを相対的に前後進させるための駆動装置36が設置されている。
これらにより、レール31を橋体に固定した状態で、そのレール31に沿って主構22を橋軸方向に移動させることができるほか、主構22を橋体に固定した状態でレールアンカー33を解除し、レール31だけを橋軸方向に移動させることも可能になる。
[作業足場]
橋桁1を施工するための作業足場4は、主構22から吊持される前後一対の足場受け梁41、42、それら足場受け梁41、42の上に架け渡される複数本の足場桁43、それら足場桁43の上に敷設される足場布板44、足場布板44の上に組み上げられる枠組足場45等によって構成される(図3〜図6参照)。
前後の足場受け梁41、42は、それぞれ主構22に設置された吊持用横梁23、24と同様に大断面の形鋼材を組み合わせて形成され、前後の吊持用横梁23、24の両端近傍から、ゲビンデスタープ(全ネジ鋼棒)46と、形鋼材からなる吊持柱47とを併用して、各吊持用横梁23、24の直下に、前後の高さを揃えて水平に吊持される。
足場桁43は、前後の足場受け梁41、42と直交するようにして足場受け梁41、42の上に適宜間隔で架け渡され、その前後両端をそれぞれ足場受け梁41、42の前方および後方に大きく張り出している。
足場布板44は、例えば木質板材や薄鋼板等からなり、足場桁43の上に略水平に、ほぼ隙間なく敷設されている。この足場布板44の敷設面上が作業床となる。通常は、現施工中のブロックにコンクリートを打設して、その硬化を待つ数日間の間に、次の施工ブロックの鉄筋を組み付けるので、その作業を可能にするために、作業床が少なくとも2ブロック分(好ましくは3ブロック分)以上の範囲にわたるように設置される。
枠組足場45は、門型に溶接された一定モジュールの鋼管製建枠を、ジャッキベース、交差ブレース、鋼製の布板や巾木、階段枠、手摺等と組み合わせ、複数段、積み重ねて形成される足場である。例示形態では、足場布板44の上面に角形鋼管からなる足場用大引を固定するとともに、溝形の受け具を有するジャッキ部材を下向きにして足場用大引に嵌装させることにより、枠組足場45の足元を安定化させている。
この枠組足場45が、橋桁1の左右両側面および前端面に面するようにして、所定の高さまで組み上げられる。枠組足場45の最も外側に位置する建枠は、吊持柱47に添設された状態で橋桁1の上床版よりも上方まで立ち上げられており、その外側面には防護ネット48が張設される。また、枠組足場45の内側部分の上部には、橋桁1の上床版の張り出し部分の下面に面する上部作業床49が設置される。
[型枠]
略矩形断面の中空部13を有する橋桁1(箱桁)のための型枠5は、側壁14の外側面、上床版の張り出し部分15および底床版16の底面を形成するための外型枠51と、側壁14の内側面および上床版の中央部分17の底面を形成するための内型枠52とに大別される(図6参照)。外型枠51および内型枠52はいずれも、所定サイズのメタルフォーム(鋼板製の型枠パネル)を複数枚、連結して形成される。
外型枠51は、主構22に設置された前後一対の吊持用横梁23、24から吊持される前後一対の外型枠受け梁53、54によって支持される。各外型枠受け梁53、54は、各吊持用横梁23、24から、チェーン55等を介して、作業足場4よりもやや高い位置に、作業足場4から独立して昇降し得るように吊持される。前後の外型枠受け梁53、54は、橋桁1の底面の傾斜角度に合わせて前後で高さを違え、かつ橋幅方向にも所定の角度で傾斜するように保持される。なお、後側の外型枠受け梁54は、橋桁1の幅を跨ぐようにして後側の吊持用横梁24の両端部近傍から吊持されるので、橋桁1全体の幅よりもやや長い部材が用いられているが、前側の外型枠受け梁53は、次の施工ブロックよりも前方の位置に吊持されるので、後側の外型枠受け梁54よりも短い部材が用いられている。これら前後の外型枠受け梁53、54の上に、複数本の外型枠支持桁56が、適宜間隔で橋軸方向に架け渡され、その上に外型枠51の底部が載置されて、所定の高さに保持される。
内型枠52については、その側壁部分が、相対する外型枠51の側壁部分と、セパレーター(図示せず)を介して所定間隔を保持するように連結され、両者の外側から適宜の型枠支保工(図示せず)を用いて互いに固定される。また、上床版の中央部分17は、箱桁の中空部13内に吊持される複数本(例示形態では3本)の内型枠支持桁57によって支持される。内型枠支持桁57は、その前端近傍が、主構22に設置された前側の吊持用横梁23からチェーン55等を介して吊持される一方、その後端近傍が、構築済みの橋体の上床版を貫通するように取りつけられたアンカー部材58(図3参照)によって上床版の下側に吊持され、上床版の傾斜角度に合わせて橋軸方向に傾斜するように保持される。
各施工ブロックの前端妻面(打ち継ぎ面)を形成するための型枠58(図2参照)も、所定形状のメタルフォームからなり、前述のようにして固定された外型枠51および内型枠52に対してそれぞれ連結される。なお、前端妻面の型枠58は、セパレーターが使用できないので、作業足場4から単管の控えをとるなどして支保する場合もある。
[鉄筋構造体]
橋桁1を構成する鉄筋構造体は、図示は省くが、上床版15、17、両側壁14、底床版16など適宜の部位ごとに、型枠5の建て込み作業と並行して、構築済みの橋体から突出する継手部分に順次、結合されながら、互いの部位同士も連結される。橋桁1にプレストレスを付与するPC鋼材を挿入するためのシース(図示せず)も、鉄筋構造体の組み付けと前後して橋軸方向に接続される。
[被覆面]
本発明の要部は、橋桁1の外側を被覆して、コンクリートの脱型後の表面を湿潤養生する点にある。橋桁1の外側を覆う被覆面は、足場布板44を隙間なく敷設して形成される作業床と、枠組足場45に沿って隙間なく張設される被覆シートとを、一体的に連続させることによって構成される。図1〜図7に示した片持ち張出工法による橋桁1の作業足場4に被覆シート6を張設する形態について、その例を図9〜図14に示す。
被覆シート6は、防水・耐水処理を施した合成樹脂製の可撓性シート材からなるもので、所定寸法の長矩形その他適宜の形状に形成された単位シートを複数枚、継ぎ合わせて形成される。各単位シートの角部や中間部には、枠組足場45を構成する縦横の枠材等に対する係着手段として、例えば鳩目状の金物や結索紐、巻付用ベルト等(図示せず)が取り付けられている。また、各単位シートの縁部には面ファスナーあるいはジップファスナー(図示せず)が取り付けられ、隣接する単位シートの縁部同士がそれらのファスナーを介して互いに接合される。それらの接合部位のいずれかは、現場作業員の出入口として、容易に開閉し得るように形成される。
片持ち張出工法にあっては、この被覆シート6が、枠組足場45の枠材に沿って、少なくとも現施工中のブロックにおける橋桁1の左右両側面および前端面を包囲するように張設される。橋桁1の側面に面するように張設した被覆シート6は、その後縁部(構築済みの橋体側の縁部)が、既に十分に硬化した橋桁1の側壁14に、養生テープ等を用いて仮止めされる。また、被覆シート6の下縁部は、作業足場4の作業床上に重ねられて、適宜の押さえ部材等により仮止めされる。被覆シート6の上縁部は、枠組足場45に沿って橋面12上まで延設される。橋面12上にも、その橋面12全体を覆う養生シート7(図11参照)が敷設され、その両縁部に被覆シート6の上縁部が重ねられる。
[加湿手段]
被覆面によって被覆される領域(以下、「被覆領域」という。)の内側には、枠組足場45等に添わせるようにして、給水管81(図9〜図14参照)が配設される。給水管81は、例えばステンレス鋼管等からなる直管と、合成樹脂等からなる可撓管とを接続するなどして構成される。給水管81は、橋桁1の側面に沿って横方向あるいは縦方向に引き回され、被覆領域の端部近傍で反対向きに折り返されながら、複数の段または列にわって連続するように配設される。給水管81を枠組足場45に固定するには、例えば合成樹脂や金属等からなるバンド状の結束部材等(図示せず)が利用される。
この給水管81には、タンク・ポンプ装置82を介して水が供給される。タンク・ポンプ装置82は、構築済みの橋面12上に設置される。給水管81には、散水ノズル83が適宜間隔で取り付けられており、この散水ノズル83から被覆領域内の空気中に霧状の水が噴霧される。散水ノズル83の仕様としては、数MPa程度の吐出圧力で、毎分数十cc程度の水を、数μm〜数十μm程度の粒径で噴霧するようなものが実用的である。この水噴霧によって、脱型後のコンクリートが所定の強度を発揮するまでの期間(目安として1週間〜4週間)、被覆領域内を高湿状態(目安として90%程度)に維持する。なお、水噴霧は常時、連続的に行われてもよいし、例えばタンク・ポンプ装置82のタイマー制御や被覆領域内の温湿度センサ制御等を利用して断続的に行われてもよい。
[被覆シートの張設形態]
図1〜図7に示した片持ち張出工法による橋桁1の作業足場4に被覆シート6を張設する形態について、以下に2種類の例を示し、それぞれ作業足場4等の施工手順と関連づけながら説明する。
(第1実施形態)
図9〜図11は、被覆シート6の張設形態に関する第1実施形態を示す。
例示形態における橋桁1は、橋脚11の頭部に隣接する施工ブロック101においてコンクリートの打設が終了し、脱型後のコンクリートをさらに一定期間、養生している状態にある。この施工ブロック101を「現施工中のブロック(n番目のブロック:nは自然数)」とする。
足場吊持手段2を構成するレール31は、現施工中のブロック101の前端まで延出されて、現施工中のブロック101に固定されている。架設作業車21は、現施工中のブロック101の前端から、一点鎖線で示した次の施工ブロック102(n+1番目のブロック)の上まで張り出すように設置されている。そして、作業足場4が、現施工中のブロック101から次の施工ブロック102、さらに図示しない次々の施工ブロック(n+2番目のブロック)まで、約3ブロック分の範囲にわたるように設置されている。次の施工ブロック102は、作業足場4を利用して鉄筋構造体が組み付けられ、型枠5が建て込まれている途中の状態にある。したがって、現場作業員の多くは、次の施工ブロック102の付近で様々な作業を行っている。
この施工状態において、図中に太い波線で表示した被覆シート6は、現施工中のブロック101の後端(橋脚11の頭部との接続部分)から、現施工中のブロック101の前端(次の施工ブロック102との接続部分)までの範囲を被覆するように張設されている。詳細には、現施工中のブロック101における橋桁1の両側壁14の側方に、作業足場4の作業床から、上床版の張り出し部分15の下方に設けた上部作業床49付近の高さまで、橋桁側面の被覆シート6(61)が縦方向に張設されている。この被覆シート6(61)と橋桁1の側壁14との間には、現場作業員が行き来できる程度の間隔(概ね数十cm〜2m程度)が設けられている。
橋桁側面の被覆シート6(61)の後端には、橋桁1の側壁14と直交するようにして、後端妻面の被覆シート6(62)が接続されている。後端妻面の被覆シート6(62)の縁部は、橋桁1の側壁14に仮止めされている。一方、橋桁側面の被覆シート6(61)の前端にも、橋桁1の側壁14と直交するようにして、前端妻面の被覆シート6(63)が張設されている。前端妻面の被覆シート6(63)の縁部は、橋桁1の側壁14に沿うように折曲されて、橋桁1の側壁14に仮止めされている。
橋桁側面の被覆シート6(61)の上縁部には、さらに上方に延びる被覆シート6(64)が接続されており、この被覆シート6(64)が橋桁1の上床版の張り出し部分15を包囲している。この被覆シート6(64)の上縁部には、橋面12上に敷設された養生シート7の縁部が重ねられて、互いに仮止めされている。
また、橋桁1の中空部13内については、現施工中のブロック101の後端および前端の位置に、それぞれ中空部13の幅方向の断面全体を塞ぐようにして、被覆シート6(65)、6(66)が張設されている。各被覆シート6(65)、6(66)の周縁部は、中空部13の内周面に仮止めされている。
このようにして構成された被覆領域の内側に、散水ノズル83付きの給水管81が配設されている。例示形態にあっては、橋桁1の両側壁14の側方空間において、それぞれ1系統の給水管81が横方向に引き回され、被覆領域の端部近傍で折り返されて、上下3段にわたり連続するように配設されている。その給水管81には、各段に3箇所ずつの散水ノズル83が、噴霧孔を側壁14の方に向けて取り付けられている。
また、橋桁1の中空部13内においては、橋桁1の上床版の中央部分17に貫通形成した小孔(図示せず)を通じて、橋面12上から中空部13内に給水管81(図示せず)が挿入されている。この給水管81の先端にも散水ノズルが取り付けられている。
そして、これらの散水ノズル83から水を噴霧することにより、橋桁1の両側壁14の側方空間および中空部13内の空間を、それぞれ湿潤状態に維持することができる。この湿潤養生は、現施工中のブロック101の打設後、1週間から4週間程度、継続される。
この湿潤養生期間中に、次の施工ブロック102へのコンクリート打設を行う。また、それと並行あるいは前後して、次々の施工ブロックへの鉄筋組み付けの準備等も行う。そして、次の施工ブロック102に打設されたコンクリートが所定の強度を発揮する段階になれば、型枠5を取り外して、作業足場4や被覆シート6等を1ブロック分、前方に移動させる。
この移動作業に際しては、まず、作業足場4はそのまま動かさずに、架設作業車21から吊持された外型枠受け梁53、54や内型枠支持桁57を一旦、降下させて、型枠5を橋桁1から離隔させる。また、被覆シート6と現施工中のブロック101との仮止め箇所も全て取り外す。こうして現施工中のブロック101から型枠5、作業足場4、被覆シート6等が分離されたならば、橋面12上のレールアンカー33を解除し、レール31を1ブロック分、前進させた後、再度、橋面12に固定し直す。次いで、架設作業車21を固定しているアンカー部材28等を解除し、架設作業車21をレール31に沿って1ブロック分、前進させた後、再度、固定し直す。このような手順により、型枠5およびその支持部材、作業足場4、被覆シート6、給水管81等をひとまとめにして、1ブロック分ずつ前進させることができる。給水管81に接続されたタンク・ポンプ装置82も、架設作業車21の前進に伴って、1ブロック分、前方に移動させる。
この移動作業が完了したら、次々の施工ブロックの位置で型枠5を建て込むとともに、各被覆シート6の縁部を、次の施工ブロック102の後端から前端までの範囲を被覆するように、橋桁1に仮止めする。そして、次の施工ブロック102における脱型後のコンクリートを同様に湿潤養生する。このような手順を1ブロック分ずつ繰り返して、橋桁1を構築する。
(第2実施形態)
図12〜図14は、被覆シート6の張設形態に関する第2実施形態を示す。
第2実施形態における橋桁1も、前述した第1実施形態と同様、橋脚11の頭部に隣接する現施工中のブロック101においてコンクリートの打設が終了し、脱型後のコンクリートを湿潤養生しながら、次の施工ブロック102において鉄筋構造体の組み付けや型枠5の建て込み作業を行っている状態にある。架設作業車21の据え付け位置や作業足場4の吊持状態も第1実施形態と同様であって、作業足場4は、現施工中のブロック101から次の施工ブロック102、さらに次々の施工ブロックまで、約3ブロック分の範囲にわたるように設置されている。
この第2実施形態においては、被覆シート6が、現施工中のブロック101の後端(橋脚11の頭部との接続部分)から、次の施工ブロック102よりもさらに前方までの範囲(より好ましくは、次々の施工ブロックまで包含する範囲)を被覆するように張設されている。詳細には、現施工中のブロック101および次の施工ブロック102における橋桁1の両側壁14の側方に、作業足場4の作業床から、上床版の張り出し部分15の下方に設けた上部作業床49付近の高さまで、橋桁側面の被覆シート6(61)が縦方向に張設されている。この被覆シート6と橋桁1の側壁14との間には、現場作業員が行き来できる程度の間隔(概ね数十cm〜2m程度)が設けられている。
また、次の施工ブロック102の前端よりもさらに前方の位置に、橋桁1の幅方向全体にわたって、作業足場4の作業床から上床版付近の高さまで、橋桁妻面の被覆シート6(67)が張設されている。この被覆シート6(67)と次の施工ブロック102の前端との間にも、現場作業員が行き来できる程度の間隔が設けられている。
そして、橋桁妻面の被覆シート6(67)の左右両縁部が、左右の橋桁側面の被覆シート6(61)の前端にそれぞれ接続されて、これらが一体的に連続する大きな気密面を形成している。橋桁側面の被覆シート6(61)の後端には、橋桁1の側壁14と直交するようにして、後端妻面の被覆シート6(62)が接続されている。後端妻面の被覆シート6(62)の縁部は、橋桁1の側壁14に仮止めされている。
橋桁側面の被覆シート6(61)の上縁部には、さらに上方に延びる被覆シート6(64)が接続されており、この被覆シート6(64)が橋桁1の上床版の張り出し部分15を包囲している。この被覆シート6(64)の上縁部には、橋面12上に敷設された養生シート7の縁部が重ねられて、互いに仮止めされている。
また、橋桁妻面の被覆シート6(67)の上縁部にも、さらに斜め上方に延びる被覆シート6(68)が接続されており、この被覆シート6(68)が上床版の中央部分17を形成するための内型枠52の前端付近に仮止めされている。
橋桁1の中空部13内については、現施工中のブロック101の後端の位置にのみ、中空部13の幅方向の断面全体を塞ぐ被覆シート6(65)が張設されている。この被覆シート6(65)の周縁部は、中空部13の内周面に仮止めされている。つまり、第2実施形態では、橋桁1の中空部13内の空間は、橋桁1の両側壁14の側方空間と一体的に連通することとなる。
このようにして構成された被覆領域の内側に、散水ノズル83付きの給水管81が配設されている。例示形態にあっては、橋桁1の両側壁14の側方空間において、それぞれ1系統の給水管81が横方向に引き回され、被覆領域の端部近傍で折り返されて、上下3段にわたり連続するように配設されている。その給水管81には、各段に5箇所ずつの散水ノズル83が、噴霧孔を側壁14の方へ向けて取り付けられている。
そして、これらの散水ノズル83から水を噴霧することにより、橋桁1の両側壁14の側方空間と、これに連通する中空部13内の空間とを、湿潤状態に維持することができる。つまり、被覆シート6および作業床によって被覆される領域が、橋桁1の外側から中空部13の内側まで一体的に連通するので、その空間内の湿度管理が容易になる。この湿潤養生も、現施工中のブロック101の脱型後、1週間ないし2週間程度、継続される。
この湿潤養生期間中に、次の施工ブロック102のコンクリート打設を行う。また、それと並行あるいは前後して、次々の施工ブロックへの鉄筋組み付けの準備等も行う。そして、次の施工ブロック102に打設されたコンクリートが所定の強度を発揮する段階になれば、型枠5を取り外して、作業足場4や被覆シート6等を1ブロック分、前方に移動させる。
この移動作業の手順は、第1実施形態と基本的に同様である。すなわち、作業足場4はそのまま動かさずに、架設作業車21から吊持された外型枠受け梁53、54や内型枠支持桁57を一旦、降下させて、型枠5を橋桁1から離隔させる。また、被覆シート6と現施工中のブロック101との仮止め箇所も全て取り外す。こうして現施工中のブロック101から型枠5、作業足場4、被覆シート6等が分離されたならば、橋面12上のレール31を1ブロック分、前進させて、再度、橋面12に固定し直した後、架設作業車21をレール31に沿って1ブロック分、前進させ、再度、固定し直す。このような手順により、型枠5およびその支持部材、作業足場4、被覆シート6、給水管81、タンク、ポンプ装置等をひとまとめにして、1ブロック分ずつ前進させることができる。
この移動作業が完了したら、次々の施工ブロックの位置で型枠5を建て込むとともに、各被覆シート6の縁部を、次の施工ブロック102の後端から次々の施工ブロックのさらに前方までの範囲を被覆するように仮止めする。そして、次の施工ブロック102における脱型後のコンクリートを湿潤養生する。このような手順を1ブロック分ずつ繰り返して、橋桁1を構築する。
[その他の実施形態]
ここまで、コンクリート橋桁を片持ち張出工法によって架設する場合の養生方法について、箱桁橋を例に挙げて説明したが、本発明は、断面形状が若干相違する中空床版橋や版桁橋についても同様にして適用可能である。
また、本発明は、片持ち張出工法だけでなく、橋梁を架設する区間の支持地盤上に支保工を組み上げて型枠を支持する場所打ち固定式支保工架設工法にも、もちろん適用可能である。その場合も、支保工を介して橋桁の側方および下方に作業足場を設置し、その作業足場を利用して、橋桁の左右両側面および底面からそれぞれ適宜距離を隔てた位置に被覆面を設けて橋桁の外側を被覆する。前述した実施形態と同様に、作業足場の作業床は足場布板を隙間なく敷設し、その作業床の上に枠組足場を組み上げ、枠組足場に沿って被覆シートを張設することにより、橋桁を効率よく被覆することができる。被覆シートを張設する範囲は、施工区域すなわちコンクリートの打設範囲(型枠の建て込み範囲)に応じて設定する。その被覆領域の内側に散水ノズル付きの給水管を配設し、散水ノズルから水を噴霧して、被覆領域内を湿潤状態に維持することにより、脱型後のコンクリートを好適に養生することができる。
なお、本発明のコンクリート橋桁の養生方法を片持ち張出工法、固定式支保工架設工法のいずれに適用する場合でも、足場を吊持または支持する手段の詳細な構成や、作業足場自体の細部の構造等については特に限定しない。また、それらの作業足場を利用して被覆シートを張設する手順や、被覆シート同士の接合形態、被覆シートと橋桁との取り合いや被覆シートの縁端部の納め方、出入口用の開閉部を設ける位置、給水管の配設形態、散水ノズルの配置等についても、施工区域の形状と作業足場との兼ね合い等に応じて適宜、決定されればよい。
1 橋桁
11 橋脚
12 橋面
13 中空部
14 側壁
15 上床版の張り出し部分
16 底床版
17 上床版の中央部分
101 現施工中のブロック
102 次の施工ブロック
2 足場吊持手段
21 架設作業車
22 主構
3 レール
4 作業足場
44 足場布板
45 枠組足場
5 型枠
51 外型枠
52 内型枠
6 被覆シート
7 養生シート
81 給水管
82 タンク・ポンプ装置
83 散水ノズル

Claims (8)

  1. 橋梁の施工現場に適宜の支保工を介して作業足場を設置し、この作業足場を利用して橋桁の鉄筋構造体および型枠を組み付け、前記型枠内にコンクリートを打設して全断面がコンクリートからなる橋桁を構築するコンクリート橋梁の架設工事において、
    前記橋桁の側方および下方に設置した作業足場を利用して、前記橋桁の左右両側面および底面からそれぞれ適宜距離を隔てた位置に被覆面を設けて前記橋桁の側方および下方を被覆するとともに、
    前記被覆面によって被覆された領域の内側に散水ノズル付きの給水管を配設し、
    前記散水ノズルから前記領域内に水を噴霧して前記領域内を湿潤状態に維持することにより、脱型後の橋桁の側面および底面を養生することを特徴とするコンクリート橋桁の養生方法。
  2. 構築済みの橋体上に、橋軸方向に移動可能な足場吊持手段を設置し、前記足場吊持手段を用いて構築済みの橋体の前端側に型枠および作業足場を吊持しながら、所定長さの施工ブロック単位で鉄筋構造体および型枠を組み付け、前記型枠内にコンクリートを打設して、全断面がコンクリートからなる橋桁を順次、橋軸方向に延設するコンクリート橋梁の架設工事において、
    前記作業足場を利用して、現施工中のブロックにおける橋桁の左右両側面、前端面および底面からそれぞれ適宜距離を隔てた位置に被覆面を設けて前記橋桁の左右両側方、前方および下方を被覆するとともに、
    前記被覆面によって被覆された領域の内側に散水ノズル付きの給水管を配設し、
    前記散水ノズルから前記領域内に水を噴霧して前記領域内を湿潤状態に維持することにより、現施工中のブロックにおける脱型後の橋桁の側面、前端面および底面を養生し、
    前記被覆面および給水管を前記作業足場とともに橋軸方向に移動させながら、前記養生工程を施工ブロック単位で繰り返すことを特徴とするコンクリート橋桁の養生方法。
  3. 請求項1または2に記載のコンクリート橋桁の養生方法において、
    前記作業足場は、足場布板を略水平に隙間なく敷設して形成された作業床と、該作業床の上に門型の鋼管製建枠を組み上げて形成される枠組足場とを具備し、
    前記被覆面は、前記作業床と、前記枠組足場を構成する縦横の枠材に沿って前記橋桁に面するように張設された被覆シートとを、一体的に連続させることによって構成されることを特徴とするコンクリート橋桁の養生方法。
  4. 請求項3に記載のコンクリート橋桁の養生方法において、
    前記被覆シートは、所定寸法の長矩形に形成された単位シートを複数枚、継ぎ合わせて形成され、
    前記各単位シートの縁部にはファスナーが取り付けられて、隣接する単位シートの縁部同士が前記ファスナーを介して接合されるとともに、
    前記各単位シートの角部には、前期枠組足場を構成する縦横の枠材に対する係着手段が設けられていることを特徴とするコンクリート橋桁の養生方法。
  5. 請求項3または4に記載のコンクリート橋桁の養生方法において、
    前記橋桁の橋面を養生シートによって被覆するとともに、
    前記橋桁の左右両側面に面するように張設した被覆シートの上縁部を橋面上まで延設して前記養生シートの左右両縁部に重ねることにより、
    前記橋桁の橋面から左右両側面にかけての範囲を一体的に被覆することを特徴とするコンクリート橋桁の養生方法。
  6. 請求項2に記載のコンクリート橋桁の養生方法において、
    前記作業足場を、少なくとも現施工中のブロックから次の施工ブロックにかけての範囲にわたるように設置するとともに、
    前記被覆面も、少なくとも現施工中のブロックから次の施工ブロックにかけての範囲を一体的に被覆するように設けることを特徴とするコンクリート橋桁の養生方法。
  7. 請求項6に記載のコンクリート橋桁の養生方法において、
    前記橋桁は略矩形断面の中空部を有する箱桁であって、
    前記被覆面によって被覆される領域を、前記橋桁の外側から前記中空部まで一体的に連通させることを特徴とするコンクリート橋桁の養生方法。
  8. 請求項2、6、または7のいずれか一項に記載のコンクリート橋桁の養生方法において、
    構築済みの橋体上に、前記給水管に水を供給するためのタンクおよびポンプ装置を設置し、
    前記タンクおよび前記ポンプ装置を、前記被覆面および前記作業足場とともに施工ブロック単位で橋軸方向に移動させることを特徴とするコンクリート橋桁の養生方法。
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