JP3169230U - コンクリート用養生シート - Google Patents
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Abstract
【課題】製造が容易で、製品コストを安く抑えることができるコンクリート用養生シートを提供する。【解決手段】打設したコンクリートの表面を覆うように設けられるコンクリート用養生シート1であって、2枚の合成樹脂製の気泡緩衝材3a、3bを積層してなるシート状の保温材2と、保温材2の一方の面に一体に積層される金属製フィルムからなるフィルム状の断熱材6とを備える。【選択図】図3
Description
本考案は、コンクリート用養生シートに関し、特に、マスコンクリートの養生に有効なコンクリート用養生シートに関する。
一般に、打設したコンクリートは、セメントと水との水和反応の進行に伴って固まり、徐々に硬化して強度を増進させるが、所定の強度、耐久性を発現させるためには、所定の期間養生させる必要がある。
しかし、コンクリートを空気中に放置した状態で養生させると、コンクリートは表面から乾燥していく。また、水和反応による発熱によって温度が上昇したコンクリートは、放熱によって表面から温度が低下していくため、コンクリートの表面と内部とに温度差が生じる。このため、コンクリートの表面にひび割れが生じ、このひび割れはコンクリートの体積が大きくなるほど、また、外気温との差が大きいほど、顕著に現われる。
このようなひび割れの問題に対処するために、例えば、コンクリートの表面を養生シートで覆い、コンクリートの表面の乾燥を抑え、また、コンクリートの表面と内部との温度の差を小さく抑え、コンクリートを湿潤状態に保った状態で、かつ保温した状態で養生させることが行われている。
この種の養生シートには様々なタイプのものがあり、例えば、不織布等からなる保湿シートと、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレン、発泡ウレタン等からなる保温シートとを一体に積層して構成した養生シート等が市場に提供されている。
しかし、現在市場に提供されている養生シートは、製品コストが高いため、大量の養生シートを必要とするダム等のマスコンクリートの養生に用いる場合には、養生シートの費用が高くつき、コンクリートの養生に多大な費用がかかる。また、保湿性、保温性、及び断熱性が十分でないため、ダム等のマスコンクリートの養生に用いた場合には、コンクリートの表面の乾燥を抑えることができず、また、コンクリートの内部と表面との温度の差を小さく抑えることができず、養生後のコンクリートの表面にひび割れが生じるおそれがある。
本考案は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、製品コストが安く、かつ、保湿性、保温性、及び断熱性に優れ、ダム等のマスコンクリートの養生に用いた場合に、コンクリートの養生に要する費用を大幅に削減することができるとともに、養生後のコンクリートの表面にひび割れが発生するのを完全に防ぐことができる、コンクリート用養生シートを提供することを目的とする。
上記のような課題を解決するために、本考案は、以下のような手段を採用している。
すなわち、本考案は、打設したコンクリートの表面を覆うように設けられるコンクリート用養生シートであって、2枚の合成樹脂製の気泡緩衝材を積層してなるシート状の保温材と、該保温材の一方の面に一体に積層される金属製フィルムからなるフィルム状の断熱材とを備えていることを特徴とする。
すなわち、本考案は、打設したコンクリートの表面を覆うように設けられるコンクリート用養生シートであって、2枚の合成樹脂製の気泡緩衝材を積層してなるシート状の保温材と、該保温材の一方の面に一体に積層される金属製フィルムからなるフィルム状の断熱材とを備えていることを特徴とする。
本考案のコンクリート用養生シートによれば、コンクリート用養生シートを打設したコンクリートの表面を覆うように設けることにより、保温材と断熱材とによってコンクリートを保温した状態で、日射による影響をなくした状態で養生させることができる。従って、コンクリートの内部と表面との温度の差を小さく抑えることができるので、養生後のコンクリートの表面にひび割れが生じるのを防止できる。
また、2枚の気泡緩衝材を積層して構成した保温材と、保温材の一方の面に金属製フィルムを積層して構成した断熱材とからなる簡単な構造のものであるので、容易に製造することができて、製品コストを安く抑えることができる。従って、大量のコンクリート用養生シートを必要とするダム等のマスコンクリートの養生に用いた場合に、コンクリート用養生シートの費用を安く抑えることができるので、コンクリートの養生に要する費用を安く抑えることができる。
また、単純な構成で軽量のため、取り扱いが容易であり、水を吸収させた保水材を別途、適当に設置した上に、本考案による養生シートを隙間なく敷き詰めることで、コンクリートの湿潤状態を維持することができる。
また、2枚の気泡緩衝材を積層して構成した保温材と、保温材の一方の面に金属製フィルムを積層して構成した断熱材とからなる簡単な構造のものであるので、容易に製造することができて、製品コストを安く抑えることができる。従って、大量のコンクリート用養生シートを必要とするダム等のマスコンクリートの養生に用いた場合に、コンクリート用養生シートの費用を安く抑えることができるので、コンクリートの養生に要する費用を安く抑えることができる。
また、単純な構成で軽量のため、取り扱いが容易であり、水を吸収させた保水材を別途、適当に設置した上に、本考案による養生シートを隙間なく敷き詰めることで、コンクリートの湿潤状態を維持することができる。
また、本考案において、前記2枚の気泡緩衝材間には、合成樹脂製のシート状の保護材が介装されていることとしてもよい。
本考案のコンクリート用養生シートによれば、2枚の気泡緩衝材間には、合成樹脂製のシート状の保護材が介装されているので、両気泡緩衝材を、空気を封入した突起が互いに対応するように積層した場合に、両気泡緩衝材の突起同士が互いに干渉して破裂等するのを防止でき、気泡緩衝材としての機能を維持することができる。
さらに、本考案において、前記断熱材は、アルミ蒸着フィルムからなることとしてもよい。
本考案のコンクリート用養生シートによれば、保温材の上部のアルミ蒸着フィルムにより、日射を遮断することができるとともに、養生中のコンクリートの熱が大気中に急激に放熱されるのを防止できる。
さらに、本考案において、前記断熱材の周縁部、及び前記保温材の周縁部には、面ファスナーが設けられていることとしてもよい。
本考案のコンクリート用養生シートによれば、複数枚のコンクリート用養生シートで打設したコンクリートの表面を覆う場合に、隣接するコンクリート用養生シートの縁部同士を互いに重合させて、両コンクリート用養生シートの面ファスナー同士を互いに噛合させることにより、隣接するコンクリート用養生シートの縁部間を一体に接合することができる。従って、複数枚のコンクリート用養生シートの敷設に要する手間を大幅に削減することができる。
以上、説明したように、本考案のコンクリート用養生シートによれば、構造が簡単で容易に製造することができるので、製品コストを安く抑えることができる。従って、大量のコンクリート用養生シートを必要とするダム等のマスコンクリートの養生に用いた場合に、コンクリート用養生シートの費用が嵩むようなことはなく、養生に要する費用を安く抑えることができる。また、保湿性、保温性、及び断熱性に優れているので、ダム等のマスコンクリートの養生に用いた場合に、コンクリートの表面の乾燥を抑えることができるとともに、コンクリートの内部と表面との温度の差を小さく抑えることができるので、養生後のコンクリートの表面にひび割れが生じるのを確実に防止できる。
以下、図面を参照しながら本考案の実施の形態について説明する。
図1〜図6には、本考案によるコンクリート用養生シートの一実施の形態が示されている。本考案のコンクリート用養生シート1は、各種のコンクリートの養生に適用可能なものであって、ダム等のマスコンクリートの養生に好適である。
図1〜図6には、本考案によるコンクリート用養生シートの一実施の形態が示されている。本考案のコンクリート用養生シート1は、各種のコンクリートの養生に適用可能なものであって、ダム等のマスコンクリートの養生に好適である。
本実施の形態のコンクリート用養生シート1は、2枚の気泡緩衝材3、3からなるシート状の保温材2と、保温材2の上部に一体に積層されるフィルム状の断熱材6とから構成されている。
保温材2の各気泡緩衝材3は、空気を封入した複数の突起4をそれぞれ有しており、両気泡緩衝材3、3のそれぞれの突起4が互いに対向するように、両気泡緩衝材3、3が積層されている。また、両気泡緩衝材3、3間には、合成樹脂製のシート状の保護材5が介装され、この保護材5によって両気泡緩衝材3、3の突起4、4同士が互いに干渉して破裂等するのを防止している。各気泡緩衝材3の突起4の先端と保護材5とは、接着剤等によって一体に接合されている。
本実施の形態では、2枚の気泡緩衝材3、3間に2枚の保護材5を介装させているが、両気泡緩衝材3、3間に1枚の保護材5を介装させるようにしてもよい。また、本実施の形態では、2枚の気泡緩衝材3、3を両気泡緩衝材3、3の突起4、4が互いに対向するように積層しているが、2枚の気泡緩衝材3、3を突起4、4が同一方向(上方向又は下方向)を向くように積層してもよい。さらに、1枚の緩衝材3によって保温材2を構成してもよいし、3枚以上の気泡緩衝材3を積層して保温材2を構成してもよい。3枚以上の気泡緩衝材3を積層する場合には、上下に隣接する気泡緩衝材3、3間にそれぞれ保護材5を介装させればよい。
断熱材6は、金属製フィルム7からなるものであって、保温材2の上側の気泡緩衝材3aの上部に、上側の気泡緩衝材3aの上面の全体を覆うように積層され、この状態で上側の気泡緩衝材3aの上部に接着剤等によって一体に接合されている。
金属製フィルム7としては、例えば、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエチレン等からなる基材の上部に、アルミニウムの薄膜を蒸着によって一体に形成したアルミ蒸着フィルム7aを用いることができる。
なお、金属製フィルム7は、アルミ蒸着フィルム7aに限らず、断熱性を有する各種の金属製フィルムを用いてもよい。また、金属製フィルム7の代わりに、断熱性を有するアルミ箔等の各種の金属箔を用いてもよい。
コンクリート用養生シート1の断熱材6の上面の周縁部、及び保温材2の下面の周縁部には、コンクリート用養生シート1の全長及び全幅に亘るように面ファスナー(図示せず)が接着剤等によって一体に接合されている。
複数枚のコンクリート用養生シート1でコンクリートの表面を覆う場合に、隣接するコンクリート用養生シート1、1の縁部同士を互いに重合させて、両コンクリート用養生シート1、1面ファスナー同士を互いに噛合させることにより、隣接するコンクリート用養生シート1、1の縁部同士を互いに接合することができる。また、各コンクリート用養生シート1の下面側の面ファスナーを、コンクリートの表面に敷設した後述する保湿材に押し付けることにより、各コンクリート用養生シート1を保湿材の上部に固定することができる。
そして、上記のように構成したコンクリート用養生シート1を用いてダム等のマスコンクリートの養生を行うには、打設したコンクリートの上部にコンクリートの表面を覆うように保湿材を敷設する。
保湿材は、例えば、自然繊維又は化学繊維からなる保湿性を有する不織布又は織布からなるシート状の部材であって、複数枚の保湿材をコンクリートの表面を覆うように敷設する。保湿材は、上記の構成のものに限らず、保湿性を有する各種のシート状の部材を用いることができる。
次に、保湿材の表面の全体を覆うように、上記のコンクリート用養生シート1を複数枚敷設する。
この場合、各コンクリート用養生シート1を保湿材の上部に押し付け、各コンクリート用養生シート1の下面側の面ファスナーを保湿材に噛合させることにより、各コンクリート用養生シート1を保湿材の上部に固定する。また、隣接するコンクリート用養生シート1、1の縁部同士を互いに重合させて、両コンクリート用養生シート1、1の面ファスナー同士を互いに噛合させることにより、両コンクリート用養生シート1、1の縁部間を一体に接合し、隣接するコンクリート用養生シート1、1間に隙間が形成されるのを防止する。
この場合、各コンクリート用養生シート1を保湿材の上部に押し付け、各コンクリート用養生シート1の下面側の面ファスナーを保湿材に噛合させることにより、各コンクリート用養生シート1を保湿材の上部に固定する。また、隣接するコンクリート用養生シート1、1の縁部同士を互いに重合させて、両コンクリート用養生シート1、1の面ファスナー同士を互いに噛合させることにより、両コンクリート用養生シート1、1の縁部間を一体に接合し、隣接するコンクリート用養生シート1、1間に隙間が形成されるのを防止する。
そして、コンクリートの表面の全体を複数枚の保湿材及び複数枚のコンクリート用養生シート1で覆った状態で所定の期間養生させることにより、養生期間中、コンクリートを湿潤状態に保ち、かつ保温した状態に保ち続けることができるので、コンクリートに所定の強度、及び耐久性を発現させることができる。
上記のように構成した本実施の形態のコンクリート用養生シート1にあっては、2枚の気泡緩衝材3、3を積層した保温材2と、保温材2の上部に積層したアルミ蒸着フィルム7からなる断熱材6とからなる簡単な構造のものであるので、容易に製造することができ、製品コストを安く抑えることができる。
従って、大量のコンクリート用養生シート1を必要とするダム等のマスコンクリートの養生に用いた場合に、コンクリート用養生シート1の費用を安く抑えることができるので、ダム等のマスコンクリートの全体の養生に要する費用を安く抑えることができる。
また、コンクリート用養生シート1の上面側の周縁部及び下面側の周縁部には、それぞれ面ファスナーが設けられているので、複数枚のコンクリート用養生シート1でコンクリートの表面を覆う場合に、隣接するコンクリート用養生シート1、1間の接合を容易に行うことができるとともに、コンクリートの表面に敷設した保湿材の上部への固定も容易に行うことができる。さらに、保温材2の下部に保湿材を一体に積層したものに比べて重量を軽くすることができる。これらにより、コンクリート用養生シート1の敷設に要する手間を大幅に削減できるので、コンクリートの養生に要する費用を安く抑えることができる。
さらに、本実施の形態のコンクリート用養生シート1は、気泡緩衝材3からなる保温材2とアルミ蒸着フィルム7からなる断熱材6とにより、コンクリートの水分及び熱が大気中に急激に放出されるのを防止できるので、養生期間中、コンクリートを湿潤状態に保ち、かつ保温した状態に保ち続けることができる。従って、養生の期間中に、コンクリートの表面が乾燥するのを抑制できるとともに、コンクリートの表面と内部との温度の差を小さく抑えることができるので、養生後のコンクリートの表面にひび割れが生じるのを確実に防止でき、所定の強度、及び耐久性を発現させることができる。
なお、本考案によるコンクリート用養生シート1をマスコンクリートの養生に限らず、その他の各種のコンクリートの養生に適用してもよい。その場合にも同様の作用効果を奏する。
1 コンクリート用養生シート
2 保温材
3 気泡緩衝材
3a 上側の気泡緩衝材
3b 下側の気泡緩衝材
4 突起
5 保護材
6 断熱材
7 金属製フィルム
7a アルミ蒸着フィルム
2 保温材
3 気泡緩衝材
3a 上側の気泡緩衝材
3b 下側の気泡緩衝材
4 突起
5 保護材
6 断熱材
7 金属製フィルム
7a アルミ蒸着フィルム
Claims (4)
- 打設したコンクリートの表面を覆うように設けられるコンクリート用養生シートであって、
2枚の合成樹脂製の気泡緩衝材を積層してなるシート状の保温材と、該保温材の一方の面に一体に積層される金属製フィルムからなるフィルム状の断熱材とを備えていることを特徴とするコンクリート用養生シート。 - 前記2枚の気泡緩衝材間には、合成樹脂製のシート状の保護材が介装されていることを特徴とする請求項1に記載のコンクリート用養生シート。
- 前記断熱材は、アルミ蒸着フィルムからなることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンクリート用養生シート。
- 前記断熱材の周縁部、及び前記保温材の周縁部には、面ファスナーが設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のコンクリート用養生シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011002559U JP3169230U (ja) | 2011-05-10 | 2011-05-10 | コンクリート用養生シート |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2011002559U JP3169230U (ja) | 2011-05-10 | 2011-05-10 | コンクリート用養生シート |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010024082 Continuation | 2010-10-07 |
Publications (1)
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JP3169230U true JP3169230U (ja) | 2011-07-21 |
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Family Applications (1)
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JP (1) | JP3169230U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015055131A (ja) * | 2013-09-13 | 2015-03-23 | 株式会社安部日鋼工業 | コンクリート橋桁の養生方法 |
-
2011
- 2011-05-10 JP JP2011002559U patent/JP3169230U/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015055131A (ja) * | 2013-09-13 | 2015-03-23 | 株式会社安部日鋼工業 | コンクリート橋桁の養生方法 |
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