JP3202994U - 養生シート - Google Patents
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Abstract
【課題】養生を十分に行うことができる養生シートを提供する。【解決手段】対象物を覆って保護するための板状の合成樹脂発泡シートからなる養生シートであって、合成樹脂発泡シートは、少なくとも対向する2辺に沿うように延びる側縁部2,3と、両側縁部2,3間に位置する中央部6とを備え、中央部6は、両側縁部2,3の厚みよりも厚く構成され、かつ、両側縁部2,3の密度よりも密度が小さく構成されている。【選択図】 図1
Description
本考案は、対象物を覆って保護するための養生シートに関する。
かかる養生シートは、例えばアパートや個人住宅を建てる、あるいは内装工事を行う際において、フローリング材が施工された床面や壁面等を覆うことで、床面や壁面等に傷が付くことや、泥土又は雨水等がかかることがないようにしている。この養生シートとしては、合成樹脂製の可撓性を有するフィルム状の薄いシートから構成され、一方の面に床面や壁面に固定するための粘着剤層を備えているものが提案されている(例えば、特許文献1)。
上記構成の養生シートは、薄いフィルム状のものであるため、可撓性を有するものの、保形性が低い。そのため、真っ直ぐな姿勢になり難く、反ってしまうことがあり、十分に対象物を覆うことができない。特に、ロール状に巻き付けられたロール体からフィルム状の養生シートを巻き解いて使用するものにおいては、巻き癖が付いているため、養生シートを床面や壁面に粘着剤層で固定した直後に、床面や壁面等の対象物から反ってしまう。その結果、対象物から養生シートが浮き上がり、養生を十分に行うことができない不都合があった。
そこで、本考案は、かかる事情に鑑みてなされたもので、養生を十分に行うことができる養生シートを提供することを課題とする。
本考案に係る養生シートは、対象物を覆って保護するための板状の合成樹脂発泡シートからなる養生シートであって、前記合成樹脂発泡シートは、少なくとも対向する2辺に沿うように延びる側縁部と、該両側縁部間に位置する中央部とを備え、前記中央部は、前記両側縁部の厚みよりも厚く構成され、かつ、該両側縁部の密度よりも密度が小さく構成されていることを特徴としている。
本考案のように、中央部が、両側縁部の厚みよりも厚く構成され、かつ、両側縁部の密度よりも小さく構成されているので、中央部において衝撃力を吸収することができる緩衝部として機能させることができる。しかも、2つの側縁部が、中央部よりも密度が大きいので、反ることがないように保形性を十分に確保することができ、床面や壁面等の対象物を覆って養生テープで2つの側縁部を対象物に固定しても、対象物から両側縁部が浮き上がることがなく、確実に固定することができる。また、2つの側縁部が、中央部よりも厚みが薄いので、養生テープを2つの側縁部に貼り付ける際に、側縁部を床面等から浮き上がらせることができるため、2つの側縁部を掴み易く、取り扱い性を高めることができる。
また、本考案に係る養生シートは、前記両側縁部を対象物に固定するために使用する養生テープを該両側縁部に貼り付けて剥がす時の養生テープの前記両側縁部の表面に対する剥離強度を、該養生テープの前記中央部の表面に対する剥離強度よりも強くなるように設定していてもよい。
上記のように、養生テープの前記両側縁部の表面に対する剥離強度を、養生テープの前記中央部の表面に対する剥離強度よりも強くなるように構成することによって、両側縁部から養生テープが剥がれ難く、長期間に亘って養生シートの固定状態を維持することができる。
また、本考案に係る養生シートは、90度剥離試験で測定される前記両側縁部の表面に対する前記養生テープの剥離強度が、5.0〜10.0N/50mmであってもよい。
上記のように、剥離強度を設定することによって、養生シートを固定した状態では、剥離強度をある程度維持しながら、養生シートを撤去する際に、養生テープを比較的小さな力で剥がすことができ、固定時及び取扱時の両方において有利になる。
また、本考案に係る養生シートは、前記合成樹脂発泡シートが矩形状であり、対向する一方の2辺に沿うように延びる前記側縁部である第1側縁部と、該両第1側縁部と直交する残りの対向する他方の2辺に沿うように延びる第2側縁部と、前記2つの第1側縁部と前記2つの第2側縁部とで囲まれる中央部とから構成され、前記中央部と前記2つの第1側縁部と前記2つの第2側縁部のうちの該中央部が、最も厚みが厚く、かつ、最も密度が小さく設定され、前記中央部と前記2つの第1側縁部と前記2つの第2側縁部のうちの該2つの第1側縁部が、最も厚みが薄く、かつ、最も密度が大きく設定されていてもよい。
中央部、2つの第1側縁部、2つの第2側縁部の厚み及び密度を上記のように設定することによって、最も緩衝性を有する中央部で衝撃力を良好に吸収しながらも、2つの第1側縁部又は2つの第2側縁部に養生テープを貼り付けて対象物を養生した際に、中央部よりも保形強度を有する第1側縁部又は第2側縁部が反ることを防ぐので対象物から浮き上がることがなく、長期間に亘って養生シートの固定状態を維持することができる。
以上の如く、本考案によれば、2つの側縁部が、中央部よりも密度が大きいので、保形性を十分に確保することができ、養生を十分に行うことができる養生シートを提供することができる。
以下、本考案に係る第1実施形態の養生シートについて、図面に基づいて説明する。
図1(a),(b),(c)に、フローリング材が施工された床面や壁面を覆って保護するための板状の養生シート1を示している。この養生シート1は、合成発泡樹脂シートからなり、図1(a)の平面視において矩形状(図1(a)では紙面において上下方向に長い長方形状)に構成され、対向する一方の2辺(図1(a)では紙面において左右の縦辺)に沿うように延びる第1側縁部2,3と、両第1側縁部2,3と直交する残りの対向する他方の2辺(図1(a)では紙面において上下の横辺)に沿うように延びる第2側縁部4,5と、2つの第1側縁部2,3と2つの第2側縁部4,5とで囲まれる中央部6とから構成されている。
合成発泡樹脂シートを構成する樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂等)、又は、これらを含む複合樹脂からなるものを用いることができる。
中央部6と2つの第1側縁部2,3と2つの第2側縁部4,5のうちの中央部6が、最も厚みが厚く設定され、かつ、最も密度が小さく設定され、また、2つの第1側縁部2,3が、最も厚みが薄く設定され、かつ、最も密度が大きく設定され、また、2つの第2側縁部4,5が、中央部6の厚みと第1側縁部2,3の厚みの間の厚みとなるように設定され、かつ、中央部6の密度と第1側縁部2,3の密度の間の密度となるように設定されている。具体的には、中央部6の厚みD1が、3.6mmであり、密度が0.038g/cm3(発泡倍数は26.3倍)であり、第1側縁部2,3の厚みD2が、2.3mmであり、密度が0.059g/cm3(発泡倍数は16.9倍)であり、第2側縁部4,5の厚みD3が、3.0mmであり、密度が0.046g/cm3(発泡倍数は21.7倍)である。このように、中央部6が、2組の側縁部2,3、4,5の厚みよりも厚く構成され、かつ、2組の側縁部2,3、4,5の密度よりも小さく構成されているので、中央部6において衝撃力を吸収することができる緩衝部として機能させることができる。しかも、2つの側縁部2,3(又は4,5でもよい)が、中央部6よりも密度が大きいので、反ることがないように保形性を十分に確保することができる。また、床面や壁面等の対象物を養生シート1で覆って、図2に示すように、養生テープ7で2つの側縁部2,3を図示していないフローリング材でなる床面(対象物)に固定しても、あるいはシート幅方向で隣接する複数枚の養生シート1,1の側縁部2,3同士を養生テープ7で固定しても、床面(対象物)から両側縁部2,3が浮き上がることがなく、確実に固定することができる。また、2つの側縁部2,3(又は4,5でもよい)が、中央部6よりも厚みが薄いので、養生テープ7を2つの側縁部2,3に貼り付ける際に、側縁部2,3を床面等から浮き上がらせることができるため、側縁部2,3を掴み易く、取り扱い性を高めることができる。図2では、2枚の養生シート1それぞれの側縁部2,3を養生テープ7で床面(対象物)に固定した場合を示しているが、シート幅方向で隣接する複数枚の養生シート1,1の側縁部2,3同士を養生テープ7で固定してもよい。
ここでは、合成発泡樹脂シートの中央部6と、第1側縁部2,3と、第2側縁部4,5の発泡倍数を異ならせることによって、厚みと密度を前述のように設定している。発泡倍数の異なる複数の部分は、一次発泡された一次発泡シートの一部を厚み方向に二次発泡させて厚みを大きくすることによって、あるいは一次発泡シートや二次発泡させたシートの一部を厚み方向に圧縮して厚みを小さくすることによって得られる。
密度と発泡倍数は次のようにして算出する。
密度(g/cm3)=発泡シート試料の質量(g)/発泡シート試料の見掛け体積(cm3)
発泡倍数(倍)=1/密度(g/cm3)
密度と発泡倍数は次のようにして算出する。
密度(g/cm3)=発泡シート試料の質量(g)/発泡シート試料の見掛け体積(cm3)
発泡倍数(倍)=1/密度(g/cm3)
一次発泡される一次発泡シートを得るには、例えば、サーキュラーダイから押し出された樹脂材料に対して、発泡剤が発泡して円筒状の一次発泡材を成形する。この一次発泡材をカッターにより切り裂くことにより一次発泡シートになり、この一次発泡シートをロールで巻き取って、一次発泡シートロールとなる。一次発泡シートの片面又は両面に非発泡樹脂層(樹脂フィルムなど)を積層してもよい。この一次発泡シートロールから巻き解いた一次発泡シートの両面を設定温度に加熱された一対のプレス板で押圧してその両端を切断することによって、発泡倍数の異なる複数の部分を有する前記養生シート1を得ることができる。尚、一次発泡シートロールから送り出される一次発泡シートの両面を一対のプレス板で押圧する際に、シート送り方向両端部(養生シート1の第2側縁部4,5)に一対のプレス板からの熱の一部が伝達され、第2側縁部4,5が二次発泡する。そのため、第2側縁部4,5の厚みが第1側縁部2,3よりも厚く、かつ、密度が小さくなる。例えば、このように成形される養生シート1の中央部6の厚みは、2.4mm〜5.4mmの範囲内に設定でき、そのときの密度は、0.025g/cm3〜0.057g/cm3(発泡倍数は17.5倍〜40.0倍)の範囲に設定することができる。また、第1側縁部2,3の厚みは、1.5mm〜3.5mmの範囲内に設定でき、そのときの密度は、0.039g/cm3〜0.091g/cm3(発泡倍数は11.0倍〜25.6倍)の範囲に設定することができる。また、第2側縁部4,5の厚みは、2.0mm〜4.5mmの範囲内に設定でき、そのときの密度は、0.030g/cm3〜0.068g/cm3(発泡倍数は14.7倍〜33.3倍)の範囲に設定することができる。
また、養生シート1の縦寸法(図1(a)において上下方向の寸法)を1090mmとし、横寸法(図1(a)において左右方向の寸法)を1040mmとしているが、対象物の大きさに応じて変更することができ、例えば、縦寸法が、500mm〜2000mmの範囲であり、横寸法が、500mm〜1500の範囲であってもよい。また、養生シート1の各第1側縁部2(又は3)の左端(又は右端)からの幅寸法W1が、20mmであり、各第2側縁部4又は5の上端(又は下端)からの幅寸法W2が、10mmであるが、例えば、幅寸法W1が、10mm〜50mmの範囲で、幅寸法W2が、5mm〜25mmの範囲であってもよい。
第1側縁部2,3を床面(対象物)に固定するために、あるいは隣接する第1側縁部2,3同士を固定するために使用する養生テープ7を第1側縁部2,3に貼り付けて剥がす時の養生テープ7の第1側縁部2,3の表面に対する剥離強度を、養生テープ7の中央部6の表面に対する剥離強度よりも強くなるように設定している。実際には、90度剥離試験で測定される養生テープ7の第1側縁部2,3の表面に対する剥離強度を、5.0〜10.0N/50mmの範囲に設定している。このように、剥離強度を設定することによって、養生シート1を固定した状態では、剥離強度をある程度維持しながら、養生シート1を撤去する際に、養生テープ7を比較的小さな力で剥がすことができ、固定時及び取扱時の両方において有利になる。このような剥離強度を得るためには、接着剤の塗布、粘着剤の塗布、穴あけ加工、エンボス加工、サンドブラスト処理等の表面処理を、第1側縁部2,3の表面に施すことによって達成することができる。養生テープ7は、積水化学工業社製の商品名「床養生テープNo.731 建築床養生用 わかくさ色 サイズ50mm×25m」である。
<剥離強度(N/50mm)の測定方法>
剥離強度は、次のような90度剥離試験によって測定した。
発泡シート試料に、養生テープ(積水化学工業社製の商品名「床養生テープNo.731 建築床養生用 わかくさ色 サイズ50mm×25m」)を、50mm幅で150mmの長さに渡って貼り付け、2kgの計量用分銅(底面積66cm2)を用いて、0.03kgf/cm2の荷重を30秒間かけた後、テンシロン引張試験機(ORIENTEC社製「RTC−1310A」)を用いて、引張速度200mm/min、引張変位量60mmで90度剥離した、測定開始から10mm後から60mmまでの荷重平均値を剥離強度(N/50mm)とした。また、養生テープの幅を、50mm幅から25mm幅に変更した時の剥離強度(N/25mm)は、50mm幅の剥離強度(N/50mm)の1/2の値であり、養生テープの幅と剥離強度との間には相関関係があった。
剥離強度は、次のような90度剥離試験によって測定した。
発泡シート試料に、養生テープ(積水化学工業社製の商品名「床養生テープNo.731 建築床養生用 わかくさ色 サイズ50mm×25m」)を、50mm幅で150mmの長さに渡って貼り付け、2kgの計量用分銅(底面積66cm2)を用いて、0.03kgf/cm2の荷重を30秒間かけた後、テンシロン引張試験機(ORIENTEC社製「RTC−1310A」)を用いて、引張速度200mm/min、引張変位量60mmで90度剥離した、測定開始から10mm後から60mmまでの荷重平均値を剥離強度(N/50mm)とした。また、養生テープの幅を、50mm幅から25mm幅に変更した時の剥離強度(N/25mm)は、50mm幅の剥離強度(N/50mm)の1/2の値であり、養生テープの幅と剥離強度との間には相関関係があった。
尚、本考案は、前記実施形態に限定されるものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
前記実施形態では、平面視が矩形状の養生シートを示したが、保護する対象物の形状に応じて各種の形状の養生シートを構成してもよい。例えば、小判状、楕円形、平行四辺形を含む多角形等であってもよい。
また、前記実施形態では、養生シート1を、第1側縁部2,3と、第2側縁部4,5と、中央部6とから構成したが、第2側縁部4,5が無く、第1側縁部2,3と、中央部6とから構成してもよい。
1…養生シート、2,3…第1側縁部、4,5…第2側縁部、6…中央部、7…養生テープ
Claims (4)
- 対象物を覆って保護するための板状の合成樹脂発泡シートからなる養生シートであって、
前記合成樹脂発泡シートは、少なくとも対向する2辺に沿うように延びる側縁部と、該両側縁部間に位置する中央部とを備え、
前記中央部は、前記両側縁部の厚みよりも厚く構成され、かつ、該両側縁部の密度よりも密度が小さく構成されていることを特徴とする養生シート。 - 前記両側縁部を対象物に固定するために使用する養生テープを該両側縁部に貼り付けて剥がす時の養生テープの前記両側縁部の表面に対する剥離強度を、該養生テープの前記中央部の表面に対する剥離強度よりも強くなるように設定していることを特徴とする請求項1に記載の養生シート。
- 90度剥離試験で測定される前記養生テープの前記両側縁部の表面に対する剥離強度が、5.0〜10.0N/50mmであることを特徴とする請求項2に記載の養生シート。
- 前記合成樹脂発泡シートが矩形状であり、対向する一方の2辺に沿うように延びる前記側縁部である第1側縁部と、該両第1側縁部と直交する残りの対向する他方の2辺に沿うように延びる第2側縁部と、前記2つの第1側縁部と前記2つの第2側縁部とで囲まれる中央部とから構成され、前記中央部と前記2つの第1側縁部と前記2つの第2側縁部のうちの該中央部が、最も厚みが厚く、かつ、最も密度が小さく設定され、前記中央部と前記2つの第1側縁部と前記2つの第2側縁部のうちの該2つの第1側縁部が、最も厚みが薄く、かつ、最も密度が大きく設定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の養生シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015006468U JP3202994U (ja) | 2015-12-21 | 2015-12-21 | 養生シート |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019027092A (ja) * | 2017-07-28 | 2019-02-21 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 天井パネル |
JP7503827B2 (ja) | 2020-06-08 | 2024-06-21 | 藤本貴昭株式会社 | 養生材 |
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2015
- 2015-12-21 JP JP2015006468U patent/JP3202994U/ja active Active
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