JPS6310010Y2 - - Google Patents

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JPS6310010Y2
JPS6310010Y2 JP1983012738U JP1273883U JPS6310010Y2 JP S6310010 Y2 JPS6310010 Y2 JP S6310010Y2 JP 1983012738 U JP1983012738 U JP 1983012738U JP 1273883 U JP1273883 U JP 1273883U JP S6310010 Y2 JPS6310010 Y2 JP S6310010Y2
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foam
board
insulating board
insulation
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Description

【考案の詳細な説明】 本考案は断熱構造体に関し、更に詳しくは、建
物支持枠体間寸法の寸法誤差に対する許容範囲が
広く、支持枠体間への嵌め込み作業を容易に行な
うことができ、破断、脱落等のおそれがなく、防
湿性に優れた断熱構造体に係るものである。
建物の壁や床の断熱性を向上させ屋内での冷暖
房を効率的に行ない省エネルギーを図るために、
種々の断熱工法、断熱構造体の提案がなされてい
る。
このような提案のうち、実開昭55−67144では
第1図に示すように硬質発泡体からなる板状体に
傾斜面2を有する突出部3を形成した断熱板1を
第2図に示すように支持枠体4の間に圧挿し、突
出部3の枠に対する当接圧力で断熱材を枠間に保
持せしめる構造体が開示されている。また、これ
と類似したものとして特開昭57−92238には、第
3図a,bのように、硬質発泡体からなる断熱板
1の端部に先端が漸次細くなつた断面形状を有す
る突出部3を形成した断熱材が記載されている。
これらの断熱構造体にあつては、断熱板1の端
部が薄いかあるいは枠と接する面積が少ないため
断熱板1の端部の断熱性が劣るし、端部に突出部
3を形成するために加工成形のための手間がかか
る欠点がある。また、硬質発泡体では、間柱や柱
のような支持枠体に十分になじまず、気密性が不
充分であり、端部の突出部3が施工時に同時に潰
れずに施工がうまくできない場合もある。また、
建物本体は経時的に微妙に狂いを生じてくるた
め、硬質発泡体ではその狂いに追随して変形が回
復せず、断熱材の脱落等の恐れがあり、より確実
に建物本体に固定するためには釘等により固定す
ることが必要になり、その分工数が余分にかかる
ことになる。
また、実開昭57−6417には、硬質断熱材の表面
及び裏面に表面材及び裏面材が貼着された断熱板
であつて、幅方向両側端部は傾斜状に形成され、
中央部に切り込み5を形成した断熱板1を、切り
込み5部分にて折り曲げるか湾曲させて支持枠体
4間に挿入した後に板野縁6に釘7で固定した断
熱構造体が記載されている。また、実開昭57−
88809には上記の断熱材とは表面材と裏面材が省
略されていることと、切り込み5の部分の裏面に
補強材を貼着したことの2点においてだけ異な
り、その他の点では同様の断熱構造体が記載され
ている。
これらの断熱板は端部が傾斜状に形成されてお
り、支持枠体4で端が少しは潰されても、必ず端
部には薄い部分ができるので、この部分が冷熱橋
となつて、表面結露し、内装材にしみなどが発生
する。また、これらの硬質断熱材は、施工時には
断熱板の押し込みを支持枠体4間に保持するため
の板野縁6等の受け材が必要であり、これがない
と施工時に断熱材を押し込み過ぎたりした場合に
は、断熱板1の端部が支持枠体4との接触により
すでに潰れてしまつているために、施工を失敗し
た場合には、はずして再利用することができず、
断熱板の歩留り性が悪くなる。また、壁、天井、
床等のいずれの施工においても断熱材保持のため
の受け材を施工した後でないと断熱材の施工がで
きないという問題がある。
また、剛性のパネル本体の端部に軟質でかつ弾
力性のある緩衝材を形成した断熱板が実開昭53−
18814、実開昭57−125861、実開昭57−137251等
に記載されている。このうち、代表として実開昭
57−137251の断熱構造を第4図に示す。しかし、
これらの断熱板1は、寸法誤差を端部の緩衝材1
2だけで吸収しようとするものであるから、緩衝
材12とパネル本体13とがはがれたり、緩衝材
部分だけが損傷したりして、緩衝作用や断熱作用
が阻害されることもある。また、端部の緩衝材の
緩衝作用だけでは不充分であり、支持枠体4間の
距離寸法誤差が大きい場合には、緩衝材で吸収し
きれず、施工時断熱板1の中心部付近がふくらん
でしまい、このため面外方向に余分な力がかかり
内装材の納まりが悪くなるおそれがある。また、
うまく支持枠体4内に納まつた場合でも、緩衝材
部分の断熱性能が劣るという問題がある。すなわ
ち、緩衝材が押し潰されて納まる場合には、緩衝
材の密度が大となり断熱性能が低下し、一方、緩
衝材が押し潰されないで納まる場合にも、パネル
と他の材との接点の断熱厚(緩衝材厚)が薄く、
断熱性に問題が生じるのである。
また、特開昭57−36242には、第5図に示すよ
うに建築物の柱、根太、野縁などの支持枠体4間
に、平らに展延した状態で該枠間距離よりも幅広
く、かつ円弧状の硬質断熱板1を挿入し、円弧状
硬質断熱板1を押しつけて展延させ、釘7などの
固定具で大引、根太などの構造材に固定した断熱
構造体が記載されている。しかし、硬質の断熱板
であるため構造枠間の寸法誤差の許容範囲が狭
く、また、支持枠体4間で展延した場合や施工後
の経時変化により断熱板1の破断や円弧状の状態
への復原のおそれがある(このような状態が発生
した場合には当然断熱性の低下や気密性の低下が
発生する)。また、釘7等で受け材14に固定し
なければ円弧状態に復原するため、工数が余分に
かかり、断熱板1には常に収縮側に応力がかかつ
ているため、経時的に釘7が抜け、断熱板1が内
装材のような面材に面当りしてきしみ音が出た
り、断熱板1が脱落したりする。
また、実開昭57−171010には、第6図a,bに
示すように硬質断熱材からなる断熱板1であつ
て、幅方向両側端部にV字状溝8を形成し両側端
末部を折返し自在とし、幅方向ほぼ中央部に切り
込み5を形成し、少なくとも断熱板1のV字状溝
8および切り込み5部分の裏面に裏面材9を貼着
した断熱板1が開示されている。しかし、この断
熱板1は、V字状溝8や切り込み5を入れたり、
裏面材9を貼着したりするのに多くの工程を要
し、硬質断熱材であるため緩衝作用が小さく、寸
法誤差を吸収する働きが殆んどなく、そのため支
持枠体4間に押し込んで断熱板1と支持枠体4と
を密着させることが難しい。また、V字状溝8か
ら裂けないように保持する裏面材9は、厚すぎる
と、折り曲げて支持枠体4間に施工しても、V字
状溝8の相対向する面がぴつたりと密着せず、断
熱性能が低下し、薄すぎると、運送途上にV字状
溝8の裏面の部分の裏面材9が裂けて、端部が欠
落したりしやすい。また、硬質断熱材は軟質のも
のに比べ、本来欠けやすいが、端部が三角形の断
面形状であるため更に欠けやすく、このため製品
の歩留り性が非常に悪いという問題もある。
本考案は上記の点に鑑みなされたものである。
しかして、本考案は、軟質で弾性のある独立気
泡発泡体よりなる板状発泡体に裏面までは到達し
ない切り込み5を入れた断熱板1を該断熱板1の
幅寸法より小寸法間隔で設けられた支持枠体4間
に圧挿して嵌め込んだことを特徴とする断熱構造
体である。
次に図面に示す実施例を挙げて本考案を説明す
る。第7図bは、本考案に係る断熱構造体を示す
幅方向断面図である。1は断熱板、5は切り込
み、4は支持枠体である。
第7図aは、第7図bの断熱板1を支持枠体4
間に取付ける場合の幅方向の断面図である。第7
図a,bにより取付け工程につき説明すると、ま
ず、断熱板1を切り込み5のところで折り曲げ、
支持枠体4の間へ入れ、次いで、折り曲げた部分
を押したり、たたいたりして力を加えて展伸した
状態にする。そうすると、支持枠体4間の寸法が
該断熱板1の幅寸法よりも小寸法であるために、
断熱板1が支持枠体4間に圧挿して嵌め込まれた
状態で固定されることとなる。
次に本考案における柔軟性と弾性を有する独立
気泡発泡体について説明する。
本考案において柔軟性とは、発泡板を曲げても
欠けにくく、セルに粘りのある性質をいい、折り
曲げ嵌め込むときに欠損が生じ難く、ヒンジ部が
切れ難い性質をいう。本考案においては90゜に曲
げても欠け難い発泡体が好ましい。
また、本考案において弾性とは、引張り、圧縮
その他の方法で材料を変形させ、その荷重を除い
た後、材料が速かに原寸または原形を回復する能
力をいう。本考案においては初期圧縮弾性率
(JIS K6767の圧縮硬さの試験法に準拠)が0.1
Kg/cm2以上40Kg/cm2以下で、曲げ弾性率(ISO
R1209に準拠)が2Kg/cm2以上80Kg/cm2以下が好
ましい。
例えば、圧縮弾性率5.4Kg/cm2、曲げ弾性率9.8
Kg/cm2、長さ1818mm、幅240mmの種々の厚みの板
状ポリエチレン系発泡体を支持枠体に圧挿して嵌
め込む場合の板状発泡体の厚み(mm)と嵌合圧縮
率(%)が、施工時の種々の要因によつてどのよ
うに規成されるかを示したのが第8図である。
第8図において、直線aは建築工事における寸
法精度から要求される条件を示すための直線であ
る。建築工事においては、精密機械部品のような
精度はなく、通常1%以上の寸法誤差がつきまと
うものであり、その寸法誤差を吸収するために
は、発泡体の嵌合圧縮率が1%以上なければなら
ないことを示すのが直線aである。一般的には発
泡体の嵌合圧縮率が0.05〜10%以内、好ましくは
0.1〜5%以内がよい。直線bは通常の壁、床、
天井の厚さから考えられる板状発泡体の厚さの最
大限が80mmであることを示す。直線cは、座屈た
わみ限界を示す直線であり、所定の嵌合圧縮率値
において、座屈たわみを起さずに耐えるために必
要な板状発泡体厚みを示すためのものである。嵌
合圧縮率が大きくなるにつれて板状発泡体厚みを
厚くしないと座屈たわみが起るから、直線cは右
上りの直線となつている。この直線cの下側の領
域では座屈たわみが起こる。
直線dは材料の変形性下限を示す直線であり、
所定の嵌合圧縮率値において、板状発泡体が変形
を起こさずに耐えるのに必要な板状発泡体の厚み
を示すための直線である。
直線eは嵌合組込力限界上限を示すための直線
であり、ある嵌合圧縮率を達成するためには板状
発泡体の厚みがある厚み以下でなければならない
ことを示すものである。
直線a,b,c,d,eで囲まれた領域(施工
領域)において良好に施工することができる。
初期圧縮弾性率が0.1〜40Kg/cm2であれば、圧
挿嵌め込み時(断熱材の施工時)に余分な力が不
必要であり、楽に押し込むことができる。なお、
かつ、第8図を見ても明らかな如く、断熱材の厚
みによるが、材料幅の1.0〜6.5%の寸法許容範囲
を持つ(すなわち、1.0〜6.5%の寸法誤差があつ
ても、断熱板の柔軟性と弾性によりこれを吸収す
ることができる)。建築工事の寸法精度が実測調
査によると誤差1.0%以下であることを考慮すれ
ば、この許容範囲は必要にして充分な範囲といえ
る。
また、曲げ弾性率が2〜80Kg/cm2であれば1〜
40Kg/cm2の初期圧縮弾性率の断熱板を6.5%以下
の圧縮率で施工した時に断熱板の面外方向への曲
がりが建築施工上無視できる範囲にある。
断熱板の厚みは、圧縮弾性率、曲げ弾性率が関
係してくるので、15mmが必要であり、20〜100mm
が望ましい。
また、断熱板の長さ、幅の寸法は、建物の柱、
根太、野縁などの支持枠体間の寸法の100.05〜
110%の寸法になつておればよく、特に限定する
ものではないが、長さは300mm以上、幅は150mm以
上のものが実用的であり、長さ6尺(1818mm)、
幅1尺(303mm)から当該枠体の幅寸法を除いた
寸法の101〜106.5%の寸法のように建築業界で規
格化された寸法のものがより好適に用いられる。
上記圧縮弾性率、曲げ弾性率の範囲内の軟質で
弾性のある発泡倍率5倍以上の高発泡独立気泡発
泡体は、圧挿して嵌め込む作業が容易であり、嵌
め込んだ時の反撥力が落ちたりすることがない。
本考案において、独立気泡発泡体とは、24hr,
23℃,200mmHg減圧水中で発泡体体積に水を
20Vo%を越えて含有しない発泡体をいう。
独立気泡発泡体でない例えば連続気泡の軟質ウ
レタン発泡体あるいはゴム、スポンジ発泡体で
は、目的とする防水性、防湿性、断熱性を得るこ
とができない。
また、本考案における発泡体としては、平均気
泡径は3.5mm以下のものが好ましい。平均気泡径
とは1cm2の発泡体断面に観察される平均気泡10個
の気泡ほぼ中央における最長径と最短径を加えて
2分した値をいう。平均気泡径が3.5mmを越える
と気泡自体あるいは発泡体として硬くなり、目的
とする支持枠体間に発泡体を押込んだ場合、支持
枠体に対する発泡体の密接性及び長期経時後圧縮
反撥力が低下し、著しい場合は、発泡体が支持枠
体間から抜け落ち断熱の役割を果さなくなること
がある。
該独立気泡発泡体の独立気泡の集合体を被覆す
るスキン層膜厚は独立気泡の平均的膜厚の少なく
とも2.5倍以上であることが好ましい。スキン層
は、発泡板を製造する時に生成させるものであ
る。従つて、スキン層は、気泡樹脂と同一樹脂で
生成している。スキン層を生成させる方法は、発
泡板を製造する場合、製造時の高温発泡体より低
温の気体、液体、固体を発泡体表面に接触させ
種々の条件下で生成させてもよい。スキン生成は
この方法に限られるものではない。
このスキン層は、硬質発泡板に設けるとより硬
質性を増し、発泡板を支持枠体間に圧挿した発泡
板端面がより欠け易くなつたり圧挿し難くなつた
り、長期経時後に圧縮反撥力の低下を起し、支持
枠体から抜け落ち易い難点となつていた。ところ
が驚くべきことに、軟質独立発泡体では上記欠点
がないばかりでなく、軟質性スキン層は相乗的に
作用して長期経時後の圧縮反撥力の低下が極めて
小さくなる効果を発揮する。
スキン層は発泡板の少なくとも一板面にあれば
好ましい。スキン層膜厚が気泡膜厚の2.5倍未満
であると、発泡板を支持枠体間に押込み嵌入させ
た後、発泡板全体に均一な圧縮反撥力がいき渡り
難くなり長期経時後に著しくは間隙ができたり、
抜け落ちて構造体の断熱性が損なわれ易い。又、
このスキン層は発泡板を折り曲げる際そのヒンジ
部で切れ難くする性質を与える効果がある。従つ
てスキン層が片面の場合は、切り込みの裏面にあ
るのが好ましい。
軟質独立発泡板の厚み(mm)/幅距離(mm)比
は0.02以上であるのが好ましい。0.02未満では、
支持枠体間に押込み嵌入させても、自立して嵌入
状態にあることが困難になり易い。
このような発泡体の具体例としては、高圧法ポ
リエチレン、中圧法ポリエチレン、低圧法ポリエ
チレン、ポリプロピレン等のポリオレフイン系樹
脂の独立気泡発泡体、ポリエチレン、ポリスチレ
ン混合発泡体、軟質塩化ビニル樹脂の独立気泡発
泡体、機械的加工処理(例えば特願昭56−
152125、特願昭56−55690で作られたもの)によ
り軟質化されたポリスチレン系樹脂の独立気泡発
泡体等が本考案の板状発泡体として好適に用いる
ことができる。なお、ポリエチレンについては電
離性放射線を用いたり化学架橋剤を用いるなどし
て架橋されたものも使用し得る。また、独立気泡
発泡体のセルの大きさは、3.5mm径以下の範囲が
断熱性、強度等の点から好ましい。また、板状発
泡体は押出し発泡成形、ビーズ発泡成形のいずれ
の成形法で得られたものでも使用可能である。
切り込みは、種々の形状にすることができる。
第9図aのように断面が垂直直線となるような切
り込みだけでなく、第9図bのように断面が斜め
に傾いた直線となるような切り込みも採用され得
る。また、断面が第9図cのように曲線状のも
の、第9図dのように折れ線状のもの、更には第
9図eのように曲線と折れ線を組み合わせた形状
のもの等であつてもよい。断面が斜線、曲線、折
れ線としたものは、断熱板を折り曲げた場合に切
り込み5残部分が裂けたりし難く好ましい。
また、第9図a〜eの断面形状の切り込み5
は、第10図aのように幅方向に1直線だけでな
く、第10図bのように複数状に設けてもよい。
更に、切り込み5は、幅方向に垂直に一直線に
設けるだけでなく、断熱板1のほぼ中央に種々の
形状、深さで配列させてもよい。第11図は、短
かい切り込み5を断熱板1のほぼ中央に設けた例
を示す斜視図である。第11図の断熱板1の場合
は一箇所で折り曲げるのではなく、断熱板1を全
体にたわませて嵌め込む。第11図のように切り
込み5を設けたものにあつては、切り込み5残部
が厚さ方向だけにしか残つていない第9図a〜e
のような場合と比較すると、長さ方向に切り込み
残部が連続して分布しているために、中央部でた
わませた際に切り込み5の部分から裂けて破損し
たりすることが少ない利点がある。また、第12
図に示すような鉤形の切り込み5を断熱板1のほ
ぼ中央に設けたものも第11図の場合とほぼ同様
の機能を果す。
切り込み5の深さは、作業性と強度を考慮して
定められる。第10図aのように幅方向に垂直に
一直線設ける場合には厚さ方向の切り込み残部を
3〜10mmの範囲にすると折り曲げ嵌め込み施工作
業性良好、加工も容易であり、かつ折曲げ時に破
断し難く好ましい。
次に、断熱板の片面に防水・防湿フイルム10
を貼着して透湿性を改良した例を第13図及び第
14図a,bに示す。第14図の断熱構造体は、
柔軟性と弾性を有する独立気泡発泡体よりなる板
状発泡体の片面に、板状発泡体幅よりも広幅の防
水・防湿フイルムあるいは防水・防湿シート10
を貼着して両端にフイルムあるいはシート10の
張出縁部11を設け、該フイルムあるいはシート
を通して板状発泡体の裏面までは到達しない切り
込み5を入れた断熱板1を該断熱板1の幅寸法よ
りも小寸法間隔で設けられた支持枠体4間に圧挿
して嵌め込み、フイルムあるいはシート10の張
出縁部11で支持枠体4を被覆してなる断熱構造
体である。なお、張出縁部11を設ける場合は、
板面の全面に該フイルムあるいはシートを貼着す
る必要はなく、支持体4と断熱板1との接触部を
被覆する程度でもよい。第15図に断熱板の端部
に防水・防湿性のフイルムあるいはシートを融着
により貼着したものの例を示す。15は融着部で
ある。
嵌め込んだ後は、切り込み5の部分は閉じてし
まうから、切り込み5からの透湿は最小限にくい
とめることができる。切り込み5以外の部分の透
湿性は防水・防湿フイルム10により抑制するこ
とができる。
断熱板1の端部とフイルムあるいはシート10
とを貼着しないで残しておくと、第14図に示さ
れるように、断熱板1のフイルム貼着面が支持枠
体4の前面よりも内側に位置するように押し込ん
だ場合にもフイルムあるいはシート10が緊張状
態になつて裂けたり、あるいは部分的な緊張によ
つてシワが発生したりせずに好ましい。
なお、防水・防湿性のフイルムあるいはシート
10の支持枠体4への固定はしなくても良いが固
定する場合は接着剤、釘等によつて仮止めしてお
き、その上から面材を重ねて、面材の上から飾り
釘で支持枠体4に打ち込んで止めるような方法に
より行なつても良い。
断熱板1に貼着する防水・防湿性のフイルムと
しては薄くて強度の大きいものが好ましい。この
ようなフイルムとしてはポリエチレン系フイルム
が好ましく、高圧法、中、低圧法ポリエチレン製
のフイルムが使用できる。フイルム厚みは15〜
200μの範囲が好ましく、70〜120μの範囲がより
好ましい。厚すぎると経済性につき問題が生じた
り、面材(内装材)が浮き上がつたりする場合が
あり、薄いとバリヤー性が落ちて透湿性があまり
改善されなかつたり、破れ易くなつたりすること
がある。上記の数値範囲に厚みを選択すると上記
問題は生せず、また、薄いから面材施工の際に邪
魔にならず、面材の不陸が生じないから床面に施
工した場合には床のキシミの原因になつたりする
ことがない。
また、防水・防湿性のシートとしては、紙にワ
ツクスを含浸させたもの、紙に樹脂をラミネート
したもの、タール紙等が例示される。
本考案にあつては、上記のように、断熱板とし
て柔軟性と弾性を有する独立気泡発泡体よりなる
板状発泡体を用いるので、断熱板全体で圧縮歪を
吸収することができ、支持枠体間の距離寸法の誤
差に対する許容範囲が著しく広く、10%という大
きい寸法誤差があつても嵌め込み施工することが
できる。例えば、嵩密度29Kg/m3の初期圧縮弾性
率56Kg/cm2、曲げ弾性率100Kg/cm2のポリスチレ
ン発泡体では、支持枠体間の距離寸法の誤差が
0.05%以上では施工不能であり、無理に支持枠体
間に押し込んで施工しようとすれば、端部破損、
原板破断を起し、また、仮に嵌め込めても、発泡
板端部は支持枠体に強く接触してセルが破壊し、
断熱性能が劣化する。このような現象はポリスチ
レン発泡体に限らず、硬質断熱材に共通して起る
ことであり、本考案はこれを解決したものであ
る。また、本考案の断熱板は柔軟性と弾性を有す
るので欠け難く、セルに粘りがあり、折り曲げた
りたわませたりして支持枠間に圧挿して嵌め込む
際にも、端部の欠損がなくなり切り込み残部はス
キン層の効果と相乗して、ヒンジ部として好適に
機能し、切り込み部からの破断は起り難い。
また、断熱板全体で圧縮方向の歪を吸収し得る
ことから、断熱板端部は、従来のように厚さを薄
くしたりする必要がなく、端部の厚さは本体部の
厚さと同じでよいので、断熱材端部の断熱厚さを
厚く保持することができ、端部の断熱性低下を防
ぐことができる。
また、断熱板は、端部も厚みが本体(中央部)
とほぼ同一で、従来例のように、緩衝のための他
の部材を貼着した断熱板全体が均一連続体でない
如きものとは異なるので、圧縮力等による断熱材
の端部の破断、剥がれの心配がない。
また、断熱板の反撥弾性により、施工後も常に
応力がかかつた状態にあるため、建物の動きに常
に追随し、断熱性、気密性を損うことがなく、脱
落のおそれもない。
また、断熱板は独立気泡発泡体で形成されてい
るので、防水・防湿性が極めて高い利点がある。
断熱板に防水・防湿性のフイルムあるいはシート
を貼着したものでは、防水・防湿性のフイルムあ
るいはシートの張出縁部で支持枠体を覆うことに
より、より完全な防水・防湿性が実現でき、建物
(特に木造建物)の耐久性向上(吸湿による腐蝕
防止)に寄与する。
更に、断熱板の反撥弾性により、釘、接着剤等
の副資材の助けがなくても押し込むだけで支持枠
体間に嵌め込み固定することができる。このた
め、従来の工法より省力化できる。
また、断熱板の形状、構成が単純であるため
に、断熱板の成形加工に手間がかからず製造容易
であり、製造コストの低減が図れる。
また、断熱板の柔軟性と切り込みにより、折り
曲げたりたわませたりして支持枠体間に持つてき
て次いで展伸して嵌め込むといつた簡単な施工で
支持枠体と面一に納めることができ、内装材との
間に隙間を生じない。
また、断熱板が独立気泡発泡体であるため、施
工時に風雨があつても、雨水を吸収したりするこ
とがないので、施工時期を選ばず施工することが
できまた、断熱板は圧挿後自立固定化されるので
グラスウールの施工と異なり折り曲げたり、たわ
ませたりして建物の外側からでも内側からでも断
熱板の嵌め込み施工を行なうことができるため、
壁の施工の場合には外壁材の有無にとらわれずに
施工でき、施工時期(施工の順序)を選ばず施工
でき、建築施工全体がスムーズに行なえる利点が
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第6図は従来例を示すためのもので、
第1図は突出部を有する断熱板を示す斜視図、第
2図は第1図の断熱板を施工した断熱構造体を示
す概略断面図、第3図a,bは端部を傾斜させて
突出部とし、幅方向のほぼ中央部に切り込みを有
する断熱板を施工する場合の工程を示す概略断面
図、第4図は端部に緩衝材を貼着した硬質断熱板
を施工した断熱構造体を示す概略斜視図、第5図
は円弧状に形成した断熱板を施工する場合の工程
を示す概略断面図、第6図a,bは、V字状溝と
裏面材とを有する断熱板を施工する場合の工程を
示す概略斜視図である。一方、第7図及び第9図
〜第14図は本考案の実施例を示すもので、第7
図a,bは本考案に係る断熱構造体及びその施工
工程を示すための概略斜視図、第8図は板状発泡
体を支持枠体に圧挿して嵌め込む場合の施工可能
な板状発泡体の厚みと嵌合圧縮率を示すためのグ
ラフ、第9図a〜eは本考案の断熱板に設ける切
り込みの形状を示す幅方向の断面図、第10図
a,bは切り込みの形状を示す平面図、第11図
は切り込みを断熱板に設けた場合を示す斜視図、
第12図は他の形状の切り込みを示す平面図、第
13図は防湿性を改良した断熱板の実施例を示す
幅方向の断面図、第14図は第13図の断熱板を
施工した場合の本考案の実施例の断熱構造及びそ
の施工工程を示すための概略断面図、第15図は
断熱板の端部に防水・防湿性のフイルムあるいは
シートを貼着した場合を示す断面図である。 1……断熱板、4……支持枠体、5……切り込
み、10……防水・防湿性のフイルムあるいはシ
ート、11……張出縁部。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 独立気泡の集合体のその表面を気泡の平均的膜
    厚の2.5倍以上の厚さのスキン層が覆つていて、
    初期圧縮弾性率が0.1〜40Kg/cm2、曲げ弾性率が
    2〜80Kg/cm2である柔軟性と弾性とを有した独立
    気泡構造で、(板の厚み÷板の幅)で示す寸法比
    が0.02以上の値の板状発泡体でなり、その発泡体
    は板の一表面から裏面側に向けて裏面までは至ら
    ないが板の幅寸法を2分する切り込みがあり、該
    板が板の幅寸法よりも小寸法間隔で設けられた支
    持枠体間に圧挿してはめ込まれてあることを特徴
    とする断熱構造体。
JP1273883U 1983-02-02 1983-02-02 断熱構造体 Granted JPS59120210U (ja)

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