JP2771444B2 - ポリスチレン系樹脂発泡板断熱材及び該断熱材を用いた構築物への断熱施工方法 - Google Patents

ポリスチレン系樹脂発泡板断熱材及び該断熱材を用いた構築物への断熱施工方法

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JP2771444B2 JP6019614A JP1961494A JP2771444B2 JP 2771444 B2 JP2771444 B2 JP 2771444B2 JP 6019614 A JP6019614 A JP 6019614A JP 1961494 A JP1961494 A JP 1961494A JP 2771444 B2 JP2771444 B2 JP 2771444B2
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    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C44/00Shaping by internal pressure generated in the material, e.g. swelling or foaming ; Producing porous or cellular expanded plastics articles
    • B29C44/34Auxiliary operations
    • B29C44/56After-treatment of articles, e.g. for altering the shape
    • B29C44/5627After-treatment of articles, e.g. for altering the shape by mechanical deformation, e.g. crushing, embossing, stretching

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Building Environments (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリスチレン系樹脂発泡
板断熱材及び該断熱材を用いた構築物への断熱施工方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリスチレン系樹脂発泡板は熱伝
導性が低く軽量であり所要の機械的強度も有しているこ
とから断熱材として広く用いられている。しかし、通
常、ポリスチレン系樹脂発泡板は曲げに対する耐性が低
いことから、円筒状のタンクのように湾曲した壁面に沿
わせて張りつけようとすると発泡板に亀裂が入り、場合
によっては破断にいたる。それを回避するためには、厚
さの薄い断熱材を用いて複数層に積層することが考えら
れるが工程が煩雑となり実用性に欠ける。
【0003】別の解決手段として、曲面に沿った形状に
ポリスチレン系樹脂発泡板を切削加工すること、断熱板
の内側面に切欠きを多数刻設して曲率を出し易くするこ
と、曲率をもった形状に当初から発泡成形すること、な
どが行われるが、加工に手数がかかること、断熱性が均
一なものを多数得ることは困難なこと、あるいは異なっ
た曲率を持つ面に対してはそのままでは適用できないこ
となどの不都合がある。また、いずれの場合にも湾曲時
に発泡板に亀裂や破断が生じることとなる。
【0004】上記のような不都合を解決するための手段
として、ポリスチレン系樹脂発泡板の片表面にたわみ性
を有した表装材を該発泡板表層部の伸長を破断伸度以下
に拘束するように積層一体化し、得られた積層体を表装
材側が外側曲面となすように押し曲げ、曲面を持つ構築
物の該曲面に添わせて、上記湾曲積層体を構築物表面に
固定する構築物の断熱施工方法が提案されている(特開
昭59−12836号公報参照)。
【0005】上記提案は、通常の成形方法により成形さ
れた平板状のポリスチレン系樹脂発泡板をそのまま用い
て湾曲を持つ構築物の表面に断熱材として固定すること
ができるものであり、ポリスチレン系樹脂発泡板に対し
て特別の加工を必要とせずまた異なった曲率のところに
も同じものを用いて施工することができることから、有
効な断熱施工方法であると解される。しかし、表装材と
して金属薄板あるいはプラスチック補強シートのような
重くかつ硬質のものを用いるものであることから、製品
そのものが重量物とならざるを得ず、運搬時や施工時に
取り扱いが容易でなく、また、湾曲させるのにポリスチ
レン系樹脂発泡板の曲げに必要な力に加え表装材である
金属薄板あるいはプラスチック補強シートの曲げに必要
な力が必要となり、大きな力を必要とする。
【0006】本発明者らは、すでに提案されている上記
のようなポリスチレン系樹脂発泡板を用いた断熱施工方
法の持つ課題に留意しつつ、ポリスチレン系樹脂発泡板
の曲げ特性の改善法について多くの研究と実験を継続し
て行う過程において、従前のようにポリスチレン系樹脂
発泡板の表層部の伸長を拘束するための表装材として、
鉄、アルミニウムなどの金属薄板、あるいはガラス繊
維、金属メッシュなどを補強材としたプラスチック補強
シートなどのように重くかつ硬質のものを用いなくと
も、単にその表面に不織布を通常の態様で接着剤を用い
て貼着し、その貼着面が外側曲面となるようにして湾曲
させたときに、ポリスチレン系樹脂発泡板はその湾曲表
面になんの亀裂も生じることなく大きく湾曲し得るとい
う驚くべき事実を見出し、上記知見に基づき、ポリスチ
レン系樹脂発泡板の少なくとも1面に不織布を貼着した
ことを特徴とするポリスチレン系樹脂発泡板断熱材及び
該ポリスチレン系樹脂発泡板断熱材を用いた断熱施工方
法としてその不織布側を外側湾曲面となるようにして、
曲面を持つ構築物の該曲面に沿わせて湾曲させ、かつ該
構築物の該曲面に沿って固定することを特徴とするポリ
スチレン系樹脂発泡板断熱材を用いた断熱施工方法につ
いてすでに提案している(特願平5−192519号参
照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはポリスチ
レン系樹脂発泡板を用いた断熱材について実験と研究を
さらに継続して行う過程において、前記した本発明者ら
がすでに提案しているポリスチレン系樹脂発泡板断熱材
は多くの利点を持つものではあるが、表面材である不織
布貼着面を外側曲面となるようにして構築物の曲面に沿
って湾曲させるのに依然として大きな力が必要であり、
それはさらに改善すべき課題であること、また、必要な
荷重をかけて所定量湾曲させたのちに荷重を解放した場
合、湾曲した硬質合成樹脂板断熱材がその湾曲状態を保
形し得る割合が必ずしも十分でなく保形率の向上もさら
に解決すべき課題であることを知った。
【0008】本発明は、本発明者らがすでに提案してい
るポリスチレン系樹脂発泡板の少なくとも1面に不織布
を貼着したポリスチレン系樹脂発泡板断熱材の持つ上記
の課題を解決することを目的としており、より具体的に
は、よりすくない力で湾曲させることができさらに湾曲
後の保形率の高い改良されたポリスチレン系樹脂発泡板
断熱材を得ることを目的としている。
【0009】本発明のさらに他の目的は、施工作業性の
容易なポリスチレン系樹脂発泡板断熱材を得ることを目
的としている。本発明のさらに他の目的は、上記ポリス
チレン系樹脂発泡板断熱材を用いた施工作業性の容易な
構築物への断熱施工方法を得ることを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決しかつ
目的を達成するために、本発明者らはさらに実験を継続
し、分析と解析を行った。それにより、上記ポリスチレ
ン系樹脂発泡板断熱材をその表面材である不織布貼着面
を外側曲面となるようにして湾曲させる場合、その内面
層部は圧縮されその圧縮のために大きな力を必要とする
こと、また、その圧縮により一部の発泡気泡は破断にい
たるが、圧縮荷重を受けているものの破断にいたらない
発泡気泡も多数存在しており、解圧後にその気泡が元の
状態に復元しようとする力がその曲率保持性を阻止して
いるものと解されることを知った。
【0011】本発明は上記の知見に基づくものであり、
ポリスチレン系樹脂発泡板断熱材を湾曲させる際にその
内面層部となる部位に、施工時に必要とされる断熱材と
しての強度を阻害しない程度に溝加工を施し、それによ
り、湾曲時に必要とされる荷重を低減しかつ圧縮荷重を
受けているものの破断にいたらない発泡気泡の存在を極
力少なくすることにより目的を達成するものである。
【0012】すなわち、本出願は1つの発明として、一
方の面に不織布を貼着した、厚み10〜100mm、密
度15〜75kg/m3 のポリスチレン系樹脂発泡板の
他方の面に溝加工を施し、該溝加工を施した面を内側湾
曲面側とし、かつ、溝の部分の空隙部分が閉塞された状
態となるようにして湾曲させてなることを特徴とするポ
リスチレン系樹脂発泡板断熱材を開示する。また、本出
願は他の発明として、一方の面に不織布を貼着した、厚
み10〜100mm、密度15〜75kg/m3 のポリ
スチレン系樹脂発泡板の他方の面に溝加工を施してなる
ポリスチレン系樹脂発泡板断熱材をその溝加工した面を
内側湾曲面となるようにして、かつ、溝の部分の空隙部
分が閉塞された状態となるようにして、曲面を持つ構築
物の該曲面に沿わせて湾曲させ、かつ該構築物の該曲面
に沿って固定することを特徴とするポリスチレン系樹脂
発泡板断熱材を用いた構築物への断熱施工方法を開示す
る。
【0013】なお、本発明においてポリスチレン系樹脂
発泡板断熱材とは、ポリスチレン系樹脂を押出発泡法成
形または型内発泡法成形などの適宜の発泡法により発泡
させて成形した発泡板を断熱材として用いるものを総称
するものである。
【0014】前記のように、この種のポリスチレン系樹
脂発泡板は伸度がきわめて小さく曲げに対する耐性が小
さいことから、そのままの形で湾曲させようとすると、
ごくわずかの曲げにより延伸する方の面に亀裂が走りさ
らに曲げようとすると直ちに破断する。本発明において
はポリスチレン系樹脂発泡板の一方の表面に対して不織
布を貼着することによりポリスチレン系樹脂発泡板の表
面に亀裂が発生することが大きく抑制されて大きく湾曲
させることが可能となる。
【0015】本発明者らの実験によれば、用いる不織布
は、レーヨン、綿、ポリエステル、ポリプロピレン、ナ
イロンなど若しくはこれらのブレンドの短繊維、または
ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロンなど若しくは
これらブレンドの長繊維、あるいはガラス繊維、SUS
繊維などを通常の方法でウエブ状又はマット状に配列さ
せ、必要に応じて接着剤を用いつつ繊維相互を接合させ
て得られるシート状のものであってもよく、不織布に方
向性がある場合には少なくとも湾曲方向の破断伸度が2
0%以上、引張強度2kg/5cm(JIS L−10
96:カットスリップ法)以上のものが好ましく、さら
に好ましくは破断伸度が30%以上の引張強度4kg/
5cm以上の範囲のものが適している。
【0016】方向性のある不織布を用いることもでき、
本発明者らの実験によれば、その場合には、繊維の方向
を湾曲する方向に一致させるように貼着することによ
り、一層大きく湾曲させることが可能な製品を得ること
ができる。ポリスチレン系樹脂発泡板と不織布の接着強
度は屈曲したときにその伸びに追従できる強度を必要と
する。この接着強度を得ることのできる接着剤として
は、本発明者らの実験によれば、エチレン−酢酸ビニル
共重合体で代表されるホットメルト型接着剤、二液エポ
キシ樹脂系、一液ウレタン系などの反応硬化型接着剤、
酢酸ビニル系、ウレタン系で代表されるエマルジョン
系、二液のポリエステル系、ウレタン系で代表される溶
剤系などであってもよく、ホットメルト型接着剤を用い
る場合には、不織布の積層面に押し出し法、ロールコー
ター法などで接着剤をコーティングしたものを熱ロール
を用いてポリスチレン系樹脂発泡板にプレス・接着する
方法が有効であり、反応硬化型接着剤を用いる場合に
は、ロールコーター法などでどちらか一方に塗布したも
のを圧着していく方法が効果的である。
【0017】塗布量も特に制限はないが少なすぎると湾
曲時にポリスチレン系樹脂発泡板と不織布との間に剥離
が生じる恐れがあり、また厚すぎると不織布の伸びを規
制する恐れがあるので、10〜60g/m2 (ドライ)
程度が適切である。また、不織布は水分吸着性が良いた
めに液化ガスタンクなどの断熱壁として施工するときに
タンク面での結露の吸収材としての機能も果たしうる。
【0018】不織布を貼着した面とは反対側の面に加工
する溝の断面形状はV字状、U字状、I字状など任意で
あるが、発泡気泡の圧縮を効果的に低減できる理由から
V字状であることが最も望ましい。溝加工の方向は断熱
施工時にポリスチレン系樹脂発泡板断熱材を曲げる方向
に垂直な方向とされるが、施工現場により同じ形状のポ
リスチレン系樹脂発泡板断熱材であってもその曲げる方
向が異なる場合もありうるので、ポリスチレン系樹脂発
泡板断熱材の好ましくは長辺及び短辺に平行に碁盤目の
ようにクロス状に加工しておくことも有効である。ま
た、施工面が円筒状曲面でなく球面あるいはラグビーボ
ールのような曲率半径の変化する曲面のような場合にあ
っては、曲線状に溝加工を行うことも有効となる。
【0019】溝加工の手段にも特に制限はないが、加工
すべき溝の形状を周面に持つ加圧ローラあるいは加圧板
をポリスチレン系樹脂発泡板の表面に圧接することによ
りエンボス加工として行ってもよく、回転刃、チップソ
ー、フィンガーカッターなど従来平板状部材に溝を切削
加工するのに用いられている任意の手段により切削加工
として行ってもよい。
【0020】加工される溝の幅及び深さに必ずしも制限
はなく、実験的に最適値が定められるが、次のような方
法によりそれを定めるのも有効な手法である。すなわ
ち、図1に示すように、施工先であるLPGタンクなど
の構築物の外半径をR、溝加工すべきポリスチレン系樹
脂発泡板Aの一枚当たりの長さをL、厚みをT、構築物
に一周分巻き付けるのに必要な枚数をm、加工すべき溝
Mの溝幅をW、ポリスチレン系樹脂発泡板一枚当たりの
溝数をnとすると、 W=2πT/(m・n) または W=(mL−2πR)/(m・n) で求められる。
【0021】さらに、溝の深さdは施工時に必要とされ
る断熱材としての強度を阻害しない程度であれば任意で
あるが、本発明者による実験によれば、曲げに必要とさ
れる力の低減及び保形率の向上との兼ね合いから、溝加
工すべきポリスチレン系樹脂発泡板の厚みTの1/2〜
1/3程度が適している。本発明によるポリスチレン系
樹脂発泡板断熱材の例を図2〜図4に示すと、前記した
ような材料からなるポリスチレン系樹脂発泡板Aの一方
の面に対して前記のようにして不織布Bが貼着され、他
方の面に多数の溝Mが形成される。図3は溝Mの部分を
拡大して示したものであり、この例では複数本のV字状
の溝Mが平行に形成されている。図4は溝Mの他の例を
示しており、ポリスチレン系樹脂発泡板断熱材の長辺及
び短辺に平行に碁盤目のようにクロス状に断面U字状の
溝Mを加工したものである。
【0022】本発明によるポリスチレン系樹脂発泡板断
熱材の製造に際しては、通常の手段により板状のポリス
チレン系樹脂発泡板Aを成形し、次いで上記のように適
宜の手段により溝Mの加工を行い、さらに、通常のラミ
ネータなどを用いて所望の不織布Bを溝加工を施さない
方の面に貼着する。もちろん、成形加工機の態様によっ
ては、溝Mの加工と不織布Bの貼着加工の順を逆として
もよく、場合によっては同時に行ってもよい。そのもの
を該溝加工を施した面を内側湾曲面側とし、かつ、溝の
部分の空隙部分が閉塞された状態となるようにして適宜
の手段により湾曲させる。
【0023】ポリスチレン系樹脂発泡板断熱材の構築物
への施工は次のようにして行う。 ポリスチレン系樹脂発泡板断熱材を構築物の曲面と
ほぼ同じ曲面を持つように不織布Bを貼着した面が外側
となるようにして予め湾曲加工を行っておき、それを構
築物の曲面部分に対して取り付ける。必要に応じて取り
付け後にバンドなどで締めつける。この施工法におい
て、湾曲加工は加熱状態で行ってもよく、また、前記し
たように本発明によるポリスチレン系樹脂発泡板断熱材
は大きく湾曲させた後荷重を解放すると所定の曲率を保
った状態に長時間保持されることから、構築物の曲率を
勘案しつつこのような曲げ加工により行うことも可能で
ある。
【0024】 構築物の曲面に平板状のポリスチレン
系樹脂発泡板断熱材をその溝加工面を当接した状態で両
側片部を押圧し、全体として構築物の曲面に沿わせたの
ち必要に応じて取り付け後にバンドなどで締めつける。
この方法によれば、曲率の異なる異なった構築物に対し
て、同一態様のポリスチレン系樹脂発泡板断熱材を自由
に用いることが可能となる。
【0025】なお、前記の及びのいずれの場合に
も、ポリスチレン系樹脂発泡板断熱材は、それが構築物
の曲面に沿って湾曲された場合に、図5に示すように溝
Mの部分の空隙部分が閉塞された状態となるようにす
る。
【0026】
【作 用】前記のように本発明によるポリスチレン系樹
脂発泡板断熱材においては、不織布を貼着した面とは反
対の面に溝加工が施されている。従って、溝加工が施さ
れた面を内側となるようにして湾曲させるあるいは建造
物の壁面などに沿って断熱加工する場合に、図5に示す
ように溝Mの空隙部分が閉塞された状態で湾曲すること
から、内面層部となる部位を過度の圧縮することはな
く、比較的少ない力で容易に湾曲させることができる。
さらに、圧縮荷重を受けているものの破断にいたらない
発泡気泡の存在を大きく低減できることから、荷重を除
去した後の戻りは少なくなる(保形率が高くなる)。
【0027】また、外側となる面には不織布が貼着され
ていることから大きく湾曲させた場合でもポリスチレン
系樹脂発泡板に破断が生じることはない。その理由は必
ずしも明らかでないが、ポリスチレン系樹脂発泡板の表
面に貼着された不織布により湾曲したときに生じる該発
泡板表層部の引張応力が破断強度以下となるように保持
され、結果として伸びに起因する亀裂の発生を阻止して
いるものと解される。
【0028】また、本発明によるポリスチレン系樹脂発
泡板断熱材を用いた断熱施工方法においては、内側面に
溝加工を施したポリスチレン系樹脂発泡板の曲げに必要
な負荷と実質的に同じ負荷でもって断熱材を曲げ加工す
ることができかつ保形率も高められることから、金属板
などを表面に貼着したものと比べて施工作業がきわめて
容易となる。
【0029】
〔実施例(比較例)1〕
密度27kg/m3 の押出発泡ポリスチレン板(積水化
成品工業(株)製、商品名:エスレンフォームSG)の
25mm、50mm、100mm厚みのものをそれぞれ
準備し、その一面にエチレン−酢酸ビニル系ホットメル
ト型接着剤50g/m2 をコーティングしたポリエステ
ル系不織布(旭化成(株)製、商品名:スパンボンド・
エルタスP03070)を約130℃の熱ローラーで貼
着した。これらをそれぞれ、幅200mm、長さ100
0mm、の試験片とし、不織布を貼着していない面に、
溝の幅、深さ、間隔がそれぞれ5mm、3mm、10m
mのV字状のカット溝を入れた後、不織布面を外側にし
て湾曲させた。そのときの、湾曲せしめるに要した曲げ
荷重と曲率半径との関係を求めた。その結果を表1に示
す。また、湾曲の保形率との関係を求めた。その結果を
表2に示す。
【0030】また、比較例として同じ材料を用い、溝加
工を施さない(ブランク)の試験片についても同様の実
験を行い、その結果を同様に表1、表2に示した。な
お、保形率=d2 /d1 ×100%であり、d1 は荷重
時の湾曲した断熱材の弦からの垂直線が弧と交差するま
での距離の最大値(通常、弦の中心部分での垂直線の長
さ)であり、d2 は1分間の荷重の後に荷重を除去し、
その30分後に測定した同じ長さである。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】〔実施例(比較例)2〕 密度34kg/m3 の押出発泡ポリスチレン板(積水化
成品工業(株)製、商品名:エスレンフォームSU)に
ついて、実施例1と同様の試験片を用意した。溝の幅
は、湾曲時のその曲率半径に相当する弧と断熱材が同じ
内径の弧長となるようにして、表3のようにV字状溝を
入れた。
【0034】
【表3】
【0035】 溝の数は等間隔に10箇所入れ、溝深さはそれぞれ各厚
みの1/2とした。以上の溝を入れた試験片につき、実
施例1と同じ試験を行い、曲げ荷重とその時の曲率半径
との関係を表4に、また、湾曲の保形率との関係を表5
にそれぞれ示した。
【0036】
【表4】
【0037】
【表5】
【0038】〔考 察〕 表1、2、及び、表4、5から明らかなように、ポリス
チレン樹脂発泡板の厚みが同じ場合に、本発明によるポ
リスチレン樹脂発泡板断熱材はいずれの場合にも、溝加
工のないブランクのものと比較して、曲げに要する荷重
は低下しており、かつ湾曲の保形率も高くなっているこ
とがわかる。
【0039】
【発明の効果】本発明によるポリスチレン系樹脂発泡板
断熱材は、ポリスチレン系樹脂発泡板の一方の面に不織
布を貼着し他方の面に溝加工を施したことにより、破断
を生じることなく大きく湾曲させることが可能であるば
かりでなく、溝加工を施さないものと比較して、曲げに
要する荷重は低下しており、かつ保形率も高くなってい
る。従って、本発明によるポリスチレン系樹脂発泡板断
熱材を用いることにより、湾曲した壁面へ断熱施工を容
易に行うことができる利点がある。
【0040】また、表装材が不織布であるためカッター
ナイフ、ノコなどでの切断や開孔加工が容易であり、建
造物への組付け作業をより確実に行うことができる。断
熱施工後も、表装材として不織布を用いていることか
ら、腐食することはなく、結露の発生も少なく、吸着水
の放出も良好となる。製造に際しても、不織布は軽く、
薄く、ロール状の原反となっているために、ポリスチレ
ン系樹脂発泡板との接着加工が容易であり、生産性も向
上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】溝の好ましい幅を定める態様を説明する図。
【図2】本発明によるポリスチレン系樹脂発泡板断熱材
の一実施例を示す斜視図。
【図3】溝の配置状態を示す拡大図。
【図4】溝の配置の他の状態を示す拡大図。
【図5】本発明によるポリスチレン系樹脂発泡板断熱材
の湾曲した状態を示す斜視図。
【符号の説明】
A…ポリスチレン系樹脂発泡板、B…不織布、M…溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E04B 1/80 B32B 5/24 B32B 27/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方の面に不織布を貼着した、厚み10
    〜100mm、密度15〜75kg/m 3 のポリスチレ
    ン系樹脂発泡板の他方の面に溝加工を施し、該溝加工を
    施した面を内側湾曲面側とし、かつ、溝の部分の空隙部
    分が閉塞された状態となるようにして湾曲させてなる
    とを特徴とするポリスチレン系樹脂発泡板断熱材。
  2. 【請求項2】 一方の面に不織布を貼着した、厚み10
    〜100mm、密度15〜75kg/m 3 のポリスチレ
    ン系樹脂発泡板の他方の面に溝加工を施してなるポリス
    チレン系樹脂発泡板断熱材をその溝加工した面を内側湾
    曲面となるようにして、かつ、溝の部分の空隙部分が閉
    塞された状態となるようにして、曲面を持つ構築物の該
    曲面に沿わせて湾曲させ、かつ該構築物の該曲面に沿っ
    て固定することを特徴とするポリスチレン系樹脂発泡板
    断熱材を用いた構築物への断熱施工方法。
JP6019614A 1994-02-16 1994-02-16 ポリスチレン系樹脂発泡板断熱材及び該断熱材を用いた構築物への断熱施工方法 Expired - Fee Related JP2771444B2 (ja)

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