JPS5938806Y2 - 建築用断熱板 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案１ま建築、構築物の下地材兼断熱板として有用な
建築用断熱板に関するものである。

さらに詳しくは断熱板を施工した際に間隙が生ずるのを
排除してより高い断熱′層を有する下地層を簡単に形成
するに好適な建築用断熱板に係る。

近年、省エネルギーが叫ばれ、′これに応えて住宅構造
においても種々と提案されている。

例えばガラス繊維を内装材と下地板と主柱、間柱間の空
隙に充填するとか、合板と合成樹脂発泡体を一体に形成
した、徊えば実公昭５０−３４８９１号、実開昭５４−
２８９１１号等の複合板を垂木、野地板上に敷設、釘着
して外断熱層を家屋全体に形成することにより灯油等の
燃料費の大幅低減と結露防止と居住性の向上を図ること
が試みられている。

そして、従来のように主柱、および間柱上に下地板を釘
着し、その上にアスファルトフェルト−ラス材−モルタ
ル仕上材と形成した外壁よりは熱貫流係数からみて約１
．５倍以上の断熱性が認められている。

しかし、仮台、部材自体が完全に不通気性部材であって
もこれら部材の接合部（連結部）に間隙があっては、こ
の間隙は断熱特性において非常に大きな影響を与えるも
のである。

しかも、高湿度の空気が建築壁体内を流通することは結
露の発生を免れず、ひいては構造材の腐朽を招く等の欠
点があった。

また、この種部材は一応、定まった寸法に形成されてい
るが、製作、および施工誤差範囲が約１〜５ｒｒｒｍ程
度は許容範囲であり、空気が直接通過しない構造をもっ
た断熱層を形成することは繁雑にして非能率な作業とな
る欠点があった。

さらに、第１図に示すように単に断熱材Ａを硬質基板Ｂ
の端縁゛から連結する側の端縁を突出せしめた場合、硬
質基板相互の端縁を接するには大幅な弾性を要し、これ
を満足せしめると硬度、圧縮強度、および断熱性が低下
し、かつ、接合部自体の不均一接触による間隙の形成、
および外壁材等の下地板の板厚が不揃いとなる不利があ
った。

また、相当に硬く、弾性幅が小さいと硬質基板端面同士
の接合が不可能となり、目地部に大きな空隙が生じると
共に、下地の強度に大きな弱点部の生ずる不利があった
。

本考案はこのような欠点を除去するため、適宜の硬度と
弾性と突出長さを有し、かつ、製造時の製作誤差を有効
に利用して接合面に許容範囲の弾性を付与して施工誤差
を補正すると共に、高断熱性を示す構造の部材で、かつ
、作業性に富む建築用断熱板を提供するものである。

以下に、図面を用いて本考案に係る建築用断熱板（以下
、単に断熱板と称す）の一実施例について詳細に説明す
る。

第２図ａ、ｂは上記断熱板の一実施例を示す縦断面図で
あり、１は硬質基板で下地板として機能し、例えばベニ
ヤ板等の合板、スレート板、石コウボード、ンージング
ボード、インシュレーションボード、バーチクルホード
等の１種類からなるものである。

この硬質基板１の大きさは特に定まっていないが、例え
ば９００ｒＩｒｒｎＸ１８００ｍをスタンダードとする
。

２は合成樹脂発泡体（以下、単にフオームという）で独
立気泡の発泡組織からなり、主に断熱材、弾性材、およ
び防水、防湿材として機能するものである。

さらに説明すると、フオーム２は硬質基板１の裏面に積
層一体化するものであり、その大きさは少なくとも硬質
基板１の一端縁１ａより△ｔ＝ｉ〜５ｒＩｒＩｎだけ突
出し、しかも少なくとも１ｒｒｒＩｒＬ以上の弾性を具
備するものである。

さらに、フオーム２の突出した端縁を有する辺に対応す
る硬質基板１のフオーム２と接着されている端縁は突出
したフオーム部分の弾性変形を容易にするため内側に幾
分、例えば△Ｓだげ入った幅に亘って非固着構造３を形
成したものである。

なお、非固着構造３としては第２図ａに示すようにフオ
ーム２が突出した部分に対応する硬質基板１の端縁にお
いて△Ｓの幅に亘って接着剤４を排除した構造としたり
、第２図すに示すように剥離用テープ５を介在させたり
、図示しないが△Ｓの領域にシリコン樹脂被膜を形成し
たりするものである。

また、フオーム２としては成形体の場合と現場発泡方式
の２つがあり、成形体を用いるときは第２図ａ、および
第３図において２点鎖線の・・ツチングで示す部分に接
着剤層４を全面、あるいは適宜幅塗布して固着するもの
である。

また、現場発泡方式の場合は第２図すに示すようにフォ
ーム２形戚時の自己接着性によって一体化する。

具体的に列挙すれば、フオーム２としてはポリウレタン
フォーム（硬質）、ポリイソシアヌレートフオーム、フ
ェノールフオーム、ポリエチレンフオーム、ポリスチレ
ンフオーム、塩化ビニルフオーム、あるいはこのフオー
ム内に嵩高ツバ−ライト粒、シラスバルーン、バーミキ
ュライトその他の人口骨材で嵩比重が０．０４〜１．Ｏ
以下の粒径５０〜５０００ミクロンの粒体を含有するも
の等である。

次ぎにこの断熱板の施工例について第４図ａ。

ｂを用いて説明すると、第４図ａは垂木６上に断熱板を
単に敷設したときの状態を示す。

すなわち、フオーム２の突出部２△ｔが硬質基板１相互
間の間隙として表れる。

そこで、第４図すに示すように断熱板イを釘Ｋを介して
垂木６に固着し、次ぎに断熱板口を矢印への方向に押圧
して間隙２△ｔをフオーム２の突出部分の弾性により除
去すると共に、フオーム２の突出した部分の端面におい
て相互に弾力が作用、反作用の状態で密着した状態下で
釘Ｋを打設する。

このような作業を全下地領域において行えば間隙のない
断熱層を確実に形成した、例えば建築下地層を形成する
ことができる。

以上、説明したのは本考案に係る断熱板の一実施例にす
ぎず、第２図ａ、ｂにおいて１点鎖線で示すように防水
紙、クラフト紙、例えば、合成樹脂シート、アスベスト
紙、クラフト紙、アスファルトフェルト、グラスファイ
バーシート、金属箔等の１種または２種以上をラミネー
トしたシート状物をフォーム２自体、あるいは接着剤（
図示せず）を介し、それぞれに貼着することもできる。

また、このシート状物は硬質基板１上に設げた際はこの
基板より一端縁が突出、あるいはその他の端縁が突出す
る大きさであることが好ましい。

さらに、第２図ａ 、 ｂＫ：１点鎖線で示す断熱板を
施工したときは第５図ａ、ｂに示すような構造となる。

上述したように本考案に係る断熱板によれば、建築物、
構築物の下地として間隔のない断熱層を確実に、しかも
容易に形成できる特徴がある。

また、フオームが硬質基板の端縁において、突出すると
共にフリー状態にあるため施工時に硬質基板、および断
熱板の製作誤差の修正がフオームの弾性によって非常に
容易となり、しかも目地部の接触状態が平均に分布され
た弾力大の密着となり十分な断熱性と施工能率が得られ
る特徴がある。

さらに、フオームの板厚がほぼ均一の嵩を有するため外
装材の装着が容易となる特徴がある。

また、断熱板相互間の接触部分（目地部）が相当にフリ
ーなため、特にモルタル壁において外部からの振動、構
造材からの振動を目地部、硬質基板に直接的に伝達しな
い緩衝機能があり、亀裂、剥落等の不利が生じない。

さらに、フオームが不通気層、防水層として機能する利
点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来における建築用断熱板の一例を示す縦断面
図であり、第２図ａ、ｂは本考案に係る建築用断熱板の
一実施例を示す縦断面図、第３図は上記断熱板のその他
の実施例を示す斜視図、第４図ａ、ｂ、および第５図ａ
、ｂは本考案に係る建築用断熱板を用いて建築物等の施
工状態を示す説明図である。 １・・・・・・硬質基板、２・・・・・・合成樹脂発泡
体、３・・・・・・非固着構造、４・・・・・・接着剤
層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 正方形、または長方形の形状に形成した硬質基板と、該
   硬質基板の少なくとも一端縁から１〜５馴程度突出する
   大きさで、かつ、１〜５ｒｒｒｌｎ程度の弾性を有する
   独立気泡組織の合成樹脂発泡体とを備え、前記硬質基板
   の裏面に積層一体化すると共に上記発泡体の少なくとも
   ２端縁が前記硬質基板の一端より突出し、かつ、突出し
   た合成樹脂発泡体端縁の前記硬質基板との接触部分を硬
   質基板の端縁から内側に幾分入った領域に亘って非固着
   構造としたことを特徴とする建築用断熱板。