JPS6346566Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は、断熱板支持用補助材に関し、更に詳し
くは発泡合成樹脂製断熱板を、根太、たる木、柱
等の互いに間隙をあけて設けてなる被取付部材間
の間隙へ気密状態で嵌め込む時に、該断熱板の一
側端または両側端に介在せしめる補助材に関す
る。

従来より、建物内外を断熱したり、結露発生を
防止するために、床・壁・天井・屋根裏等の断熱
材として、発泡合成樹脂製断熱板とりわけ押出発
泡ポリスチレン板、ビース法ポリスチレンフオー
ム、硬質ウレタンフオーム等の硬質発泡合成樹脂
製断熱板、またはポリエチレンフオーム等の比較
的硬質の断熱板（以下硬質発泡合成樹脂製断熱板
と総称する）を用いることは一般的であるが、当
該硬質発泡合成樹脂製断熱板は、強い剛性を有し
ていることから、根太、たる木、柱等の被取付部
材間に気密状態で嵌め込むのは、この材質硬度の
点または被取付部材表面の水平出しが困難な点等
から難しいという問題を有していた。

以上の問題点を鑑みて考案されたものが本案で
あり、本案は、発泡合成樹脂製断熱板を、根太、
たる木、柱等の被取付部材間の間隙に嵌め込んで
付設するに際して、該断熱板の一側端もしくは両
側端に介在させる断面Ｌ型の補助材を使用するこ
とを特徴とする、特に断面Ｌ型を形成する両当接
片の例えば当接片外面を斜め状に形成する等、連
結部分の厚みを当接片の遊端先端の厚みより小さ
く設定すると共に、クツシヨン性を附与すること
によつて、断熱板の側端に補助材をあてがつて、
非接着状態で被取付部材間に嵌め込む作業を容易
なさしめると共に、断熱板を被取付部材間に付設
後には、断熱板の側端と被取付部材間を気密状態
に保持し、間隙による空気の流通によつて断熱効
果を低下せしめるのを防止しようと意図するとこ
ろのものである。

以下、本案の詳細を更に添付の図面により説明
すると、 第１図において、断面Ｌ型であり、クツシヨン
性を有する例えば、ポリエチレン発泡体またはポ
リプロピレン発泡体等を用いた補助材１は、遊端
先端２′，２′の厚みを同一とした２つの当接片
２，２のうち一方の当接片２を、遊端先端２′の
厚みを連結部分２″の厚みより大となるように、
外面を斜め状３に形成したものである。

また、図中一点鎖線で示したように斜め状３を
他方の当接片２にも形成し、２つの当接片２，２
の外面に共に斜め状３が形成されるようにしても
よい。

第２図には、当接片２の遊端先端２′の厚みを
連結部分２″の厚みより大とならしめるために、
連結部分２″の外面にアール部４を形成したもの
を示している。

更に、第３図には、断面Ｌ型を構成する一方の
当設片５′の厚みｄに対して他方の当接片５″の厚
みを２ｄ、即ち一方の当接片の厚みを他方の厚み
の1/2に設定したものを示している。この場合も、
図示した実施例は、一方の当接片５″の外面のみ
に斜め状３を形成してなるものであるが、第１図
に示したものと同様に他方の当接片５′にも斜め
状３を形成しても、連結部分の外面にアール部４
を形成してもよく、また一方の当接片５′の厚み
に対して、他方の当接片５″の厚みを適宜の倍率
に設定することも可能である。

上記した構成に係る補助材１は、押出発泡ポリ
スチレン板、ビーズ法ポリスチレンフオーム、硬
質ウレタンフオーム等の硬質発泡合成樹脂製断熱
板またはポリエチレンフオーム等の比較的硬質の
発泡合成樹脂製断熱板（以下断熱板と称する）６
を、根太、たる木、柱等の互いに間隙をあけて設
けてなる被取付部材Ａ，Ａ間の間隙Ｂに嵌め込む
時に、該断熱板６の一側端７もしくは両側端７，
７に断熱板６の嵌め込む方向、第４図図中矢印方
向に対して図示した如く斜め状３を有する当接片
２が側端７に当接するようにあてがつて非接着状
態で介在設置するものである。

また、補助材１をあてがつて介在設置したとき
の断熱板６の幅寸法ａは、被取付部材Ａ，Ａ間の
間隙Ｂ寸法と同一もしくはそれより大きく、好ま
しくは大きく設定されるものである。

第４図では、断熱板６は板状体でその表面には
何ら加工を施していないものを示しているが、断
熱板６として、第５図イに示したように両主面
８，８に側端、７，７に平行で一方の主面８に対
して、他方の主面８には位置をずらせた連続する
切り込み９…を設けたものを、該切り込み９…に
平行な側端、７，７の一方または両方に補助材１
を介在させて被取付部材Ａ，Ａ間の間隙Ｂに設置
しても、またロに示したように両主面８，８の両
側における側部両主面８，８に連続的な切り込み
９…を形成し、該切り込み９…に平行な側端、
７，７の一方または両方に補助材１を介在させて
被取付部材Ａ，Ａ間の間隙Ｂに設置しても、ハに
示したように、両主面８，８の一側における側部
両主面８，８に連続的な切り込み９…を形成し、
該切り込み９…に平行で、切り込み９を設けてい
ない側部側の側端面７に補助材１をあてがつて介
在させて被取付部材Ａ，Ａ間の間隙Ｂに設置して
もよい。

尚、図示していないが、一方の主面８にのみ切
り込み９…を設けたもの、切り込み９…を不連続
的に形成すると共に相隣り合う平行な切り込む９
…を千鳥状に形成したものを用いてもよい。

第６図には、補助材１０として、断面コ字型の
ものを示しており、両挾持部１０′，１０′により
断熱板６の端部を挾みこむように用いられるもの
であり、この場合も、連結部１０″の外面は斜め
状１１に形成されているものである。

更に、第７図には、補助材１２として一面のみ
を斜め状１３となした断面台形状のものを示して
いる。

而して、上記の実施例では、断熱板６の一側端
７もしくは両側端７，７に斜め状３またはアール
部４を有して、充填効果をもたらすクツシヨン性
を有する補助材１をあてがつて、根太、たる木、
柱等の被取付部材Ａ，Ａ間の間隙Ｂに嵌め込むに
際して、該斜め状３またはアール部４表面上を被
取付部材Ａの角部を摺動させることにより、作業
効率の向上に大いに役立つと共に、間隙Ｂ内に断
熱板６を付設後には、たとえ、被取付部材Ａ表面
に起伏があつて、間隙Ｂ寸法が一定でなくとも、
確実に気密状態を保持しえるものであり、被取付
部材Ａ，Ａの内側面及び断熱板６の側端７は補助
材１と互いに密着しているから、接触面積を大と
なしうることにより両者の摩擦力及び補助材１の
弾性による反発力により気密状態保持ばかりでな
く取付け強度をも高めることができるのである。

また、断熱板６として主面８に切り込み９…を
形成したものを用いれば、断熱板６自体にも幅方
向即ち切り込み９…の直交方向の力に対する収縮
を許容し、一側もしくは両側の補助材１の存在と
相俟つてより大きな弾性による反発力を期待しえ
て、高い気密状態を保持しえると共に、被取付部
材Ａへの取付け強度をより一層大となすことがで
きるのである。

加えて、断熱板６の主面８の一側または両側部
に切り込み９…をいれ、中間に切り込み９をいれ
ていない部分を保有せしめたものにおいては、該
中間部分は芯材の機能を発揮し、付設時に一側ま
たは両側の切り込み部分で圧縮吸収を中間部分で
構造的支持を行なつて付設後たるみのない密着性
良好な効果が得られるものである。

更に、補助材１を構成する２つの当接片５′，
５″の厚みを異る寸法に設定しておけば、各被取
付部材Ａ，Ａ間の間隙Ｂ寸法にバラツキがあつて
も、断熱板６の側端７に当接せしめる補助材１の
当接片５′，５″を適宜選択することによつて、該
バラツキにも対処しえて、補助材１として、当接
片の厚み寸法の異なるものを各種準備しておかな
くともよく、部品点数を少なくできる効果をも奏
する。

尚、以上の各実施例とりわけ第１図〜第３図の
ものは基本的に断面Ｌ字型の部材の厚みを調整す
ることで、断面Ｌ型補助材の改良案を提示した
が、この断面Ｌ型補助材をこのような目的に使用
したときには、前記各実施例の作用効果を得るこ
とは出来ないが、補助材としての基本機能は担保
されるものである。

以上のようになる本案においては、断熱板の一
側端もしくは両側端に斜め状またはアール部を有
して、充填効果をもたらすクツシヨン性を有する
補助材をあてがつて、根太、たる木、柱等の被取
付部材間の間隙に嵌め込むに際して、該斜め状ま
たはアール部表面上を被取付部材の角部を摺動さ
せることにより、作業効率の向上に大いに役立つ
と共に、間隙内に断熱板を付設後には、たとえ、
被取付部材表面に起伏があつたり、間隙寸法が一
定でなくとも、確実に気密状態を保持しえるもの
であり、被取付部材の内側面及び断熱板の側端は
補助材と互いに単に介在するだけのものである
が、圧縮状態の介在であることから、両者の摩擦
力及び補助材の弾性による反発力により気密状態
が保持されるばかりでなく取付け強度をも高める
ことができるうえに取りはずしや断熱板を交換し
たり補助材の取付時にこれを適宜な他の補助材に
取り換えるのにも補助材と断熱板が接着されてお
らず便利である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本案の実施例を示す斜視図、第２，
３図は、本案の他実施例を示す斜視図、第４図
は、本案に係る補助材の使用状態説明図、第５図
イ，ロ，ハは断熱板の他実施例を示す斜視図、第
６，７図は、補助材の他の態様を示す斜視図であ
る。 Ａ：被取付部材、Ｂ：間隙、１，１０，１２：
補助材、２，５′，５″：当接片、３，１１，１
３：斜め状、４：アール部、６：断熱板、７：側
端、８：主面、９：切り込み。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 発泡合成樹脂製断熱板を、根太、たる木、柱
   等の互いに間隙をあけて設けてなる被取付部材
   間の間隙へ嵌め込む時に、 該断熱板の一側端もしくは両側端に介在させ
   る為の断面Ｌ型の断熱板支持用補助材におい
   て、 断面Ｌ型を形成する一方または双方の当接片
   の遊端先端の厚みを連結部分の厚みより大きく
   設定してなるクツシヨン性を有する断熱板支持
   用補助材。 ２ ポリエチレン発泡体またはポリプロピレン発
   泡体を用いてなる実用新案登録請求の範囲第１
   項記載の断熱板支持用補助材。 ３ 一方もしくは双方の当接片外面を斜め状に形
   成したものを用いてなる実用新案登録請求の範
   囲第１項もしくは第２項記載の断熱板支持用補
   助材。 ４ 当接片連結部分外面の角部にアール部を形成
   したものを用いてなる実用新案登録請求の範囲
   第１項もしくは第２項もしくは第３項記載の断
   熱板支持用補助材。 ５ 一方の当接片の厚みに対して他方の当接片の
   厚みを厚く設定してなる実用新案登録請求の範
   囲第１項もしくは第２項もしくは第３項もしく
   は第４項記載の断熱板支持用補助材。