JPS6212730Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は屋根、壁、床などの下地材として使用
される断熱材に於いて、気密性が高く、且つ施工
が簡易な断熱材に関するものである。

従来、この種断熱材につき、断熱効果を高める
ために種々な構成のものが提案されている。

例えば、床用断熱材として使用する場合、第１
０図に示すように所定構成の断熱材ａを根太ｂ，
ｂ間に取付金具ｃを介して配置する工法が存在す
る。

しかし、この工法は取付金具ｃを必要とする。
また、根太ｂ，ｂ間の根太幅は、常に均一正確な
寸法ではなく、配置する根太ｂ，ｂ間によつて根
太幅は夫々異なる寸法形状であるため、その都
度、根太幅の寸法に合わせて断熱材ａを切断する
必要があり、作業性に問題がある。

しかも、根太幅に合わせて断熱材ａを正確に切
断することは難しく、断熱材ａと根太ｂ間に空隙
が生ずることが多くなり、この空隙から通気が可
能となつて断熱効果は低下し、断熱材を使用した
目的が達成できない欠点がある。

このため第１１図に示すように断熱材ａの表面
に貼着した面材ｄの両端部を延出して耳片ｅ，ｅ
を形成し、この耳片ｅ，ｅが根太ｂ，ｂの内側面
に密着するように断熱材ａを根太ｂ，ｂ間に配置
する工法が考えられる。

この工法では耳片ｅ，ｅが短いと、根太ｂの内
側面と良好な密着状態を保持できないし、耳片
ｅ，ｅが適当な長さの延出面であつても、第１２
図のように耳片ｅは波打ち形状となり、根太ｂと
の密着状態を保持することができず、気密的効果
を高めることができない。

本考案は以上の観点に鑑み、気密的効果の優れ
た断熱材を提供せんとするものである。

以下、本考案の実施例を図面を参照しながら説
明する。

第１図及び第２図に於いて、１は断熱材で、硬
質ポリウレタン発泡体などの断熱層２の表面にア
ルミクラフトのような弾性のある面材３を貼着
し、裏面にはアスフアルトフエルのような面材４
或いは合板のような板状体を貼着してあるが、こ
の裏面の構成は任意である。

前記面材３は図示のようにその長手方向の両端
部には、断熱層２の端面より延出した耳片５，５
を構成し、この耳片５，５の裏面に所定形状の肉
厚部６を形成するものである。

この肉厚部６の構成は多様であり、第１図及び
第２図に示すものは、半円弧状に形成した隆起部
７で、前記断熱層２と同材或いは別材で形成して
ある。第３図は三角形状の隆起部８で、隆起部７
と同様な構成で形成してある。

このような隆起部７，８に変え、第４図に示す
ように面材３の延出先端部を１乃至複数回折り曲
げた折曲部９に形成してもよく、さらに第５図に
示すように延出先端部をまるめ込んだ巻込部１０
に形成してもよい。このように肉厚部６の形状
は、要するに耳片５に任意形状の肉厚面を構成す
ればよい。

次に本考案の断熱材につき、床面下地材として
使用する例を説明する。

まず、断熱材１を若干根太幅より大きめにその
断熱層２の端面を切断する。

そして、根太１１，１１間に断熱材１を押しこ
むように嵌合し、その肉厚部６を根太１１の内側
面上方に位置させるように耳片５を上方に向けて
根太１１，１１間に配置する。これにより、大き
めの断熱材１は根太幅に適合するように縮小し、
根太１１と断熱材１の端面間は空隙がなくなり、
しかも、この耳片５の肉厚部６が根太１１の内側
面と密着し、空隙からの通気を阻止できるもので
ある。

また、空隙が生ずる断熱材１であつても、耳片
５には肉厚部６を形成してあり、且つこの耳片５
は、弾性のある面材３から構成されているため、
耳片５の戻り作用と肉厚部６のクツシヨン作用と
の相乗作用によつて、肉厚部６が根太１１の内側
面に密着状態に圧接でき、その間に空隙が生ずる
ことがなく、効果は格段と向上する。図中１２は
床板である。

なお、図示しないが、本考案の断熱材は、床用
下地材として使用する場合、大引上に配置しても
よく、また、屋根、壁などの下地材として同様使
用し、大きな利点を生ずるものである。

本考案は以上のように面材３の両端部に、その
断熱層２より延出する耳片５を構成し、裏面には
各根太１１などの内側面に密着状態に圧接し得る
肉厚部６をそれぞれ形成してある。

このため、根太１１の間に空隙が生じても、上
記のように耳片５の戻り作用と肉厚部６のクツシ
ヨン作用との相乗作用によつて、この空隙を遮断
することができ、その気密性は格段と向上するも
のである。

また、従来例のように取付金具やくぎ打ちなど
を行うことなく、本考案の断熱材は、根太間など
に嵌合するだけで設置でき、その施工は極めて簡
易であるなどの効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は一部切欠斜視図、第２図は同拡大断面
図、第３図乃至第５図は他の実施例を示す拡大断
面図、第６図は第１図に示す断熱材の使用状態を
示す説明図、第７図乃至第９図は第３図乃至第５
図に示す断熱材の使用状態を示す説明図、第１０
図及び第１１図は従来例の説明図、第１２図は同
平面図である。 ２……断熱層、３……面材、５……耳片、６…
…肉厚部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 断熱層２の表面に、この断熱層２の端面より
   両端部を延出して耳片５，５を形成する弾性の
   ある面材３を貼着し、さらにこの耳片５，５の
   裏面に、各根太１１などの内側面に密着状態に
   圧接し得る肉厚部６をそれぞれ形成してなるこ
   とを特徴とする断熱材。 (2) 実用新案登録請求の範囲第１項記載の肉厚部
   ６は、断熱層２と同材または別材の構成の半円
   弧状或いは三角形状の隆起部７，８からなるこ
   とを特徴とする断熱材。 (3) 実用新案登録請求の範囲第１項記載の肉厚部
   ６は、面材３の先端部を折り重ねた折曲部９か
   らなることを特徴とする断熱材。 (4) 実用新案登録請求の範囲第１項記載の肉厚部
   ６は、面材３の先端部をまるめた巻込部１０か
   らなることを特徴とする断熱材。